IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ システム デシュヤージュの特許一覧

<>
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図1
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図2
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図3
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図4
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図5
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図6
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図7
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図8
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図9
  • 特許-自動車両の光沢面を清掃する方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】自動車両の光沢面を清掃する方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20240823BHJP
   G01S 7/40 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B60S1/62 120A
G01S7/40 143
B60S1/62 110B
B60S1/62 110C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022531511
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020081834
(87)【国際公開番号】W WO2021104884
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】1913552
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ミシェル、ジャラソン
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-142514(JP,A)
【文献】国際公開第2015/003705(WO,A1)
【文献】特開平08-276827(JP,A)
【文献】特開2019-031273(JP,A)
【文献】登録実用新案第3044741(JP,U)
【文献】特開平03-204431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0189524(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 - 1/68
F16H 19/00 - 37/16
G01S 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両(1)の光沢面を清掃するための清掃システム(7)であって、少なくとも1つのワイパ(19)と前記ワイパ(19)に対して略垂直な並進軸線(200)に沿って少なくとも前記ワイパ(19)を駆動するための駆動装置(21)とを備え、前記光沢面が、検出アセンブリのセンサおよび送信機(5)の検出面(9)であり、前記駆動装置(21)が、前記並進軸線(200)に対して略垂直な回転軸線(100)を中心に回転駆動するための少なくとも1つの駆動モータ(27)と、前記駆動モータ(27)の回転運動を前記並進軸線(200)に沿った直線運動に変換するための少なくとも1つの変換装置(29)と、を備え、
前記変換装置(29)が、一方では、前記ワイパが少なくとも1つのコネクタ(33)によって装着される関節式連結部材(31)を備え、他方では、前記駆動モータ(21)の出力シャフトに回転的に堅固に固定された固定モータ関節点(35)を備え、
前記変換装置(29)が、連結棒システム(60)を備え、前記連結棒システム(60)が、前記固定モータ関節点(35)を形成するために前記駆動モータ(27)に装着された少なくとも第1の連結棒(65)と、連結棒(64)からなる少なくとも2つの関節式四辺形(75、77)であって、それぞれ連結棒(64)からなる第1の四辺形(75)および連結棒(64)からなる第2の四辺形(77)と、を備え、少なくとも前記関節式連結部材(31)が、前記第1の四辺形(75)および前記第2の四辺形(77)に共通であり、前記第2の四辺形(77)が、前記変換装置(29)の固定点(93)を備えることを特徴とする、清掃システム(7)。
【請求項2】
前記ワイパ(19)の少なくとも一方の軸端(43、45)が、前記並進軸線(200)に沿って前記ワイパ(19)を案内するための少なくとも1つのガイド部材(47)を備える、請求項1に記載の清掃システム(7)。
【請求項3】
前記コネクタ(33)が、前記ワイパ(19)の第1の軸端(43)に配置され、前記少なくとも1つのガイド部材(47)が、前記ワイパ(19)の前記第1の軸端(43)とは反対側の第2の軸端(45)に配置される、請求項に記載の清掃システム(7)。
【請求項4】
前記コネクタ(33)が、前記ワイパ(19)の一端にある、請求項1に記載の清掃システム(7)。
【請求項5】
少なくとも前記光沢面(9)と請求項1からのいずれか一項に記載の少なくとも清掃システム(7)とを備える、少なくとも1つのセンサおよび送信機(5)を備える自動車両(1)用の検出アセンブリ(3)。
【請求項6】
前記ワイパ(19)のブレード(23)の長さが、清掃されるべき前記光沢面(9)の長手寸法または横断寸法の一方に実質的に等しい、請求項に記載の検出アセンブリ(3)。
【請求項7】
清掃されるべき前記光沢面(9)が湾曲しており、前記光沢面(9)が、少なくとも準線(110)および前記準線(110)に対して垂直母線(120)によって定義され、前記ワイパ(19)が移動する方向に平行な前記並進軸線(200)が、前記センサおよび送信機(5)の前記光沢面(9)の少なくとも前記母線(120)に対して平行である、請求項またはに記載の検出アセンブリ(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両(motor vehicle)用の検出アセンブリ(detection assembly)に関し、より詳細には、本発明は、かかる検出アセンブリのセンサ/送信機に関連する清掃システム(cleaning system)に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、特に自動車両は、運転支援システムなどの自動化システムをますます含むようになってきている。そのような自動化システムは、特に、車両の周囲を表す信号およびこの車両の外部のパラメータを取得することを可能にする1つまたは複数のセンサ/送信機、ならびに、このようにして収集された情報を解釈し、この情報の結果としてなされる必要がある決定をするように構成された少なくとも1つの制御ユニット、を備える少なくとも1つの検出アセンブリを含む。
【0003】
したがって、これらのセンサ/送信機が車両の全寿命にわたって適切に動作していることを確認することが特に重要であることが理解されよう。特に、これらのセンサ/送信機は、車両の外側に配置されること、例えば車体上に支持されることが最も多く、例えば汚れて、場合により情報を取得することを困難にするか、さらには不可能にする可能性もある。したがって、有機堆積物、汚れ、有機物および他の破壊的要素を効果的に除去することができる清掃システムを提供することが必要である。
【0004】
このような清掃システムは、特に、清掃されるべき光沢面(glazed surface)の寸法に適合されなければならない。細長い形状の光沢面、すなわち対応する横断寸法よりも大きい長手寸法を有する光沢面を適切に清掃することができる清掃システムを設けることが特に問題となる。したがって、ワイパ(wiper)が横軸線を中心とする回転運動で回転駆動モータによって駆動される清掃システムを設けることが既知の慣行である。しかしながら、センサ/送信機の光沢面は、ワイパが清掃されるべき表面にしっかりと押し付けられるように、平坦ではなく湾曲しているべきである。
【0005】
前記回転運動は、連続回転運動または不連続回転運動とすることができる。
【0006】
平坦な光沢面に特に適用可能な代替形態は、センサ/送信機の平坦な光沢面を拭くために、ワイパがセンサ/送信機の最大寸法に沿って長手方向並進運動で駆動される清掃システムを提供することである。しかしながら、このような清掃システムは、特に、清掃システムがワイパの並進方向に展開され得る棒を使用する必要があるので、かさばることが分かり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この文脈に含まれ、少なくともたった今言及された欠点を解決することを目的とした検出アセンブリのセンサ/送信機を清掃するためのシステムの代替形態を提案するものであり、前記清掃システムは、センサ/送信機の平坦な光沢面または湾曲した光沢面を清掃するために使用され得る。
【0008】
本発明の別の目的は、特に、清掃されるべき光沢面上での清掃システムの移動時間、したがって前記光沢面を清掃するのに要する時間を短縮することにより、より優れた性能を与える清掃システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、自動車両の光沢面を清掃するための清掃システムに関し、前記清掃システムは、少なくとも1つのワイパと前記ワイパに対して略垂直な並進軸線に沿って少なくともワイパを駆動するための駆動装置とを備え、光沢面は、検出アセンブリのセンサ/送信機の検出面であり、駆動装置は、並進軸線に対して略垂直な回転軸線を中心に回転駆動するための少なくとも1つの駆動モータと、駆動モータの回転運動を並進軸線に沿った直線運動に変換するための少なくとも1つの変換装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、特に、センサ/送信機の光沢面、すなわち、フロントガラスやリヤウインドなどの車両の車室に関連する光沢面によって表されるものよりも小さい寸法を有する光沢面を清掃するように設計される。光沢面のサイズは、特に、光沢面が関連しているセンサ/送信機の性質に合わせて調整される。例として、検出アセンブリが光学アセンブリであり、センサ/送信機が光学センサである場合、清掃されるべき光学面の長手寸法は、約300~400mmとすることができ、長手寸法に対して垂直な横断寸法は、約50~100mmとすることができる。
【0011】
清掃システムは、これが本発明に従って実装されると、細長い形状を有する、すなわち、この場合は長手方向に対応する主延長寸法、光沢面の垂直寸法、この場合は横断寸法の少なくとも2倍の寸法、を有する光沢面を清掃するのに特に適している。
【0012】
この光沢面は、本質的に延長面に含まれる平坦な構造を特徴とすることができる、または、光沢面の最大寸法の軸線に対応する縦軸線を中心に湾曲する湾曲構造を有することができる。
【0013】
駆動装置は、ワイパを光沢面の第1の端位置と第2の端位置との間で長手方向に並進移動させるように構成される。例として、前記端位置は、光沢面の2つの反対縁部、例えば、上縁および下縁を任意に形成する2つの反対側縁部または2つの反対長手方向縁部の近くに配置され得る。換言すれば、駆動装置は、回転駆動モータによって開始される回転運動に基づいて、2つの端位置の間の長手方向並進の往復運動を可能にするように構成される。この種の駆動装置は、特に、清掃されるべき光沢面の一方の縁部上に配置された標準的な回転モータを使用して、センサ/送信機の光沢面全体を効果的に清掃するのに特に適した並進運動によって光沢面を清掃することを可能にする。
【0014】
あるいは、端位置は、光沢面の限られた領域、例えば光学センサの視野の境界を定めることができる。
【0015】
本発明の一特徴によれば、変換装置は、一方では、ワイパが少なくとも1つのコネクタによって装着される関節式連結部材(articulated connecting member)を備え、他方では、駆動モータの出力シャフトに回転的に堅固に固定された固定モータ関節点を備える。
【0016】
ワイパは、センサ/送信機の光沢面を拭くことによって清掃するための少なくとも1つのブレードとコネクタによって変換装置に装着される少なくとも1つのブレードホルダとを備える。特に、前記コネクタは、ワイパの中心に置かれるか、または前記ワイパの軸端に配置されてもよい。関節式連結部材と固定モータ関節点との間に変換装置を配置すると、固定関節点を通る軸線を中心とする回転運動を、清掃システムの取付公差の影響を受けない正確な並進運動に変換することが可能になる。
【0017】
本発明の一特徴によれば、ワイパの少なくとも一方の軸端は、このワイパの並進軸線に沿ってワイパを案内するように構成された少なくとも1つのガイド部材を備える。
【0018】
ガイド部材は、光沢面を拭く間にブレードがシフトするのを妨げるように、ワイパがワイパの直線運動を画定する並進軸線に対して略垂直な方向に保持されることを確実にする。
【0019】
ガイド部材は、例として、センサ/送信機のハウジングの少なくとも1つの壁に対して平行に延びるように構成されたタブとすることができ、前記壁は清掃されるべき光沢面を支持する。あるいは、ガイド部材は、センサ/送信機と、例えばハウジングの壁または光沢面に含まれるチャネルと相互作用するように構成されてもよい。
【0020】
本発明の一特徴によれば、変換装置は、少なくとも連結棒システム(connecting rod system)および/またはカムを備える。
【0021】
連結棒システムは、互いに対して関節連結された複数の連結棒を備える。第1の連結棒は、第1の先端に固定モータ関節点を形成し、駆動モータ上に回転可能に取り付けられる。第1の連結棒が駆動モータによって回転させられると、第1の先端の反対側の第2の先端が円形経路を画定する。
【0022】
連結棒システムの、第1の連結棒とは異なる少なくとも1つの連結棒が、第1の連結棒の反対側端部に、ワイパを変換装置に連結する関節式連結部材を形成することに関与する。特に、前記連結棒は、第1の連結棒に直接的または間接的に関節連結され得る。
【0023】
カムを有する変換装置の一実装形態では、ワイパと変換装置との間の連結を確実にするコネクタは、例えば、カムの周縁部に沿って、またはカム内に作られた溝に沿って移動するように構成されたピンを備えることができる。
【0024】
変換装置は、カムと連結棒システムとを組み合わせたものを備えることができ、連結棒システムの少なくとも1つの連結棒が、コネクタに連結され、かつ/またはカムと相互作用するように構成されたピンを備える。
【0025】
本発明のオプションの一特徴によれば、連結棒システムは、固定モータ関節点を形成するために駆動モータに装着された少なくとも第1の連結棒と、連結棒からなる少なくとも2つの関節式四辺形であって、それぞれ連結棒からなる第1の四辺形および連結棒からなる第2の四辺形と、を備え、少なくとも関節式連結部材は、第1の四辺形および第2の四辺形に共通であり、第2の四辺形は、変換装置の固定点を備える。
【0026】
換言すれば、連結棒システムは、第1の連結棒の第2の先端によって画定された円形経路を変換装置の関節式連結部材の並進運動に変換し、それによりワイパを並進軸線に沿って駆動するPeaucellier-Lipkin装置で構成され得る。
【0027】
本発明のオプションの一特徴によれば、コネクタは、ワイパの第1の軸端に配置され、少なくとも1つのガイド部材は、前記ワイパの第1の軸端とは反対側の第2の軸端に配置され得る。
【0028】
この場合、「第1の軸端」は、駆動モータの回転軸線に最も近いワイパの端部を意味する。したがって、「第2の軸端」は、回転軸線に対するワイパの遠位端部である。
【0029】
本発明のオプションの一特徴によれば、コネクタは、ワイパの中心に置かれてもよい、すなわち、コネクタは、ワイパの第1の軸端および第2の軸端から等距離にある。
【0030】
コネクタが中心に置かれる代替形態は、ワイパが、清掃されるべき光沢面の実質的に最大寸法程度の大きな軸線方向寸法を有する洗浄アセンブリに特に適している。例えば、このような実施形態は、光沢面が前記光沢面の最長寸法に対して垂直に拭かれることを確実にするように実装され得る。換言すれば、ワイパは、光沢面の最長寸法にわたって延び、したがって有利には、光沢面上での清掃システムの移動時間、したがって前記光沢面を清掃するのに要する時間を短縮する。
【0031】
有利には、本発明による清掃システムがそのような代替形態を有する場合、代替形態は、好ましくはその長手方向端部のそれぞれにガイド手段を有する。
【0032】
本発明の一特徴によれば、実装される実施形態とは無関係に、ワイパは、洗浄流体(cleaning fluid)を供給するための少なくとも1つの供給装置と、前記洗浄流体をセンサ/送信機の少なくとも光沢面上に噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置と、を備えることができる。
【0033】
例として、供給装置は、少なくとも1つの管で構成されてもよく、洗浄流体を噴霧するための装置は、ブレードホルダ内に形成された少なくとも1つのダクトと前記ダクト内に開口する複数のノズルとで構成されてもよい。したがって、洗浄流体は、供給装置によって清掃システム内に運ばれ、次いで、洗浄流体は、噴霧装置のダクトを通って流れて、ノズルから清掃されるべき光沢面に向かって噴霧される。
【0034】
本発明の一特徴によれば、変換装置は、供給装置および洗浄流体を噴霧するための装置を制御するための少なくとも1つの制御部材を備えることができる。
【0035】
制御部材は、制御装置が最初に作動されたときに清掃システムに洗浄流体を供給し、制御部材が2回目に作動されたときに洗浄流体の流れ、したがって噴霧を遮断するための接触器およびオンオフスイッチで構成され得る。
【0036】
例として、変換装置が第1の実施形態の代替形態の1つに従って生産される場合、制御部材は、連結棒システムの連結棒のうちの1つによって支持されてもよく、制御部材は、隣接する連結棒によって作動されてもよく、例えば、この同じ連結棒上で関節連結されてもよい。
【0037】
あるいは、変換装置が第2の実施形態の代替形態の1つに従って生産される場合、制御部材はコネクタによって支持されてもよく、カムは、前記カムから延びる、制御部材を作動させるように構成された少なくとも1つの作動部材、例えばフィンガを備えることができる。
【0038】
本発明はまた、少なくとも光沢面と少なくとも上述した清掃システムとを備える、少なくともセンサ/送信機を備える自動車両用の検出アセンブリにも関する。
【0039】
本発明の一特徴によれば、ワイパのブレードの主寸法が、清掃されるべき光沢面の長手寸法または横断寸法の一方に実質的に等しい。
【0040】
特に、ワイパのブレードホルダは、ブレードの長手寸法よりも実質的に大きい主寸法を有することができる。
【0041】
あるいは、ワイパのブレードは、光沢面の長手寸法または横断寸法よりも実質的に短い長さを有することができる。このようにして、ワイパによって実行されるワイピングは、センサ/送信機の視野、すなわち光沢面の機能部分に限定され得る。
【0042】
本発明によれば、光沢面は湾曲しており、光沢面は、少なくとも準線および母線によって画定され、ワイパの並進軸線は、センサ/送信機の光沢面の少なくとも母線に対して平行に延びることができる。
【0043】
換言すれば、並進軸線に対して略垂直なワイパは、光沢面の少なくとも母線に対して垂直に延びる。
【0044】
「湾曲した(curved)」という用語は、光沢面が準線および母線によって画定される円筒の一部を構成することを意味する。
【0045】
有利には、ワイパは、光沢面の曲面と合致するように構成された曲率を有することができる。
【0046】
本発明の一特徴によれば、センサ/送信機が湾曲した光沢面を備える場合、清掃システムは、変換装置が光沢面を画定するのに役立つ母線に対して垂直または平行な主平面に本質的に含まれるように清掃システムが配置されるように構成され得る。
【0047】
本発明の一特徴によれば、センサ/送信機が平坦な光沢面を備える場合、変換装置を備える主平面は、光沢面の延長平面に対して平行または垂直に延びることができる。
【0048】
換言すれば、変換装置は、センサ/送信機ハウジングの壁のうちの少なくとも1つ、特に側壁、上壁または下部に対して垂直に延びることができる。
【0049】
本発明の一特徴によれば、ハウジングは、ワイパシステムの駆動装置、すなわち変換装置もしくは駆動モータまたはこれらを互いに連結する連結部材が通過することを可能にするように構成された少なくとも1つの開口部を備えることができる。例として、開口部は、前記ハウジングの側壁のうちの1つ、下部、または上壁内に作られてもよく、開口部は、第1の端位置と第2の端位置との間の駆動装置の移動に適合するように構成される。
【0050】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、図面を参照して、情報目的のために以下に記述される説明を読んだときに、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明による検出アセンブリを備える自動車両の正面図である。
図2】清掃システムが長手方向に対して垂直に延びる検出アセンブリの概略斜視図である。
図3】清掃システムが長手方向に対して垂直に延びる検出アセンブリの別の配置の概略斜視図である。
図4】連結棒システムからなる、回転運動を直線運動に変換するための装置を備える、第1の実施形態による清掃システムを概略的に示す図である。
図5】変換装置が第1の端位置に示されているPeaucellier-Lipkin装置からなる連結棒システムである、第1の実施形態の代替形態による清掃システムを概略的に示す図である。
図6】変換装置が中間位置にある、図5に示す清掃システムを概略的に示す図である。
図7】変換装置が図5に示す第1の端位置とは反対側の第2の端位置にある、図5および図6に示す清掃システムを概略的に示す図である。
図8図4図7に示す第1の実施形態の代替形態に従って生産された清掃システムを概略的に示す図である。
図9図4図8に示す第1の実施形態の代替形態に従って生産された清掃システムを概略的に示す図である。
図10】第2の実施形態に従って生産された清掃システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
第一に、上記の図は、本発明を実装する目的で本発明を詳細に開示していることに留意すべきであり、前記図面は、該当する場合に本発明をより明確に定義するために使用され得ることが理解されよう。
【0053】
本明細書の残りの部分では、参照番号Oxによって表される「長手方向の」という用語は、2つの側縁の間に含まれる、本発明による検出アセンブリの清掃されるべき光沢面の最長寸法の向きを指し、参照番号Oyによって表される「横方向の(transverse)」という用語は、前記光沢面の上縁と下縁との間に延びる、長手方向に対して垂直な方向を指す。
【0054】
図1は、検出アセンブリ3を備える自動車両1を示し、検出アセンブリは、この場合は車両のグリル内に配置されるが、本発明の文脈から逸脱することなく、この自動車両1の前面、後面および/または側面上に配置され得る。
【0055】
検出アセンブリ3は、より詳細には図2に示されている。
【0056】
検出アセンブリ3は、少なくとも1つのセンサ/送信機5と、前記センサ/送信機5の光沢面9を拭くように構成された清掃システム7と、を備える。「センサ/送信機5(sensor/transmitter 5)」という用語は、自動車両1の外側にある周囲に関するデータを取得し、こうして取得されたデータを制御ユニットに送信するように構成された部材を意味し、この文脈では任意のタイプの検出が使用され得る。
【0057】
例として、図示のセンサ/送信機5は、電波を放出するRADAR(RAdio Detection And Ranging)システム、または光波、例えばレーザビームを放出するLIDAR(LIght Detection And Ranging)システムとすることができる。
【0058】
制御ユニットは、センサ/送信機5から受信されたこの情報の結果として、自動車両の操縦を開始または支援するための1つまたは複数の命令を送信するように構成される。
【0059】
以下では、清掃されるべき光沢面を有するセンサ/送信機は、光学センサとして記述され、光学センサの光学面は、本発明によるワイピングシステム(wiping system)によって清掃されることになる。これは限定するものではなく、本発明は、任意のタイプのセンサ/送信機、例えば、光波または電磁波を放出および受信することができるセンサを包含することが理解される。
【0060】
光学センサ5は、光学面9を支持するハウジング11を備え、光学面9は、ハウジング11の少なくとも2つの壁によって定位置に保持される。図示の例では、光学面9は、ハウジング11の上壁13と下部15と2つの側壁17との間に延在し、光学面9は車道に面している。
【0061】
特に、例えば図2または図3に示すように、本発明による清掃システムに関連する光沢面は、細長い形状を有する、すなわち、光沢面に沿った清掃システムのワイパの移動方向に平行な、ここでは長手方向に対応する主延長寸法を有する。非限定的な例として、光沢面の長手主延長寸法、または長手寸法は、この光沢面の横断寸法または高さの少なくとも2倍に等しい。例えば、長手寸法は約300mmとすることができ、高さは約100mmとすることができる。
【0062】
光学面9は、図示のように平坦とすることができ、この場合、この面は本質的に延長面900に含まれる。
【0063】
本発明によれば、以下に説明するように、光学面9はまた、縦軸線、すなわち光学面の最大寸法および清掃システムの並進運動の方向に平行な軸線を中心に湾曲していてもよい。有利には、ワイパは、光学面9の最適ワイピングを確実にするように実質的に湾曲していてもよい。
【0064】
光学センサ5は、あらゆる状況で最適に動作できなければならない。光学センサ5による画像の取得を最適化するために、光学面9上の粒子および汚れの蓄積を防止する必要がある。この目的のために、検出アセンブリ3の清掃システム7は、光学面9の少なくとも一部、例えば光学面の視野を、さらには前記光学面9の全体をも拭くように構成される。
【0065】
清掃システム7は、光学面9に対して移動可能に取り付けられた少なくとも1つのワイパ19、および駆動装置21を備える。
【0066】
ワイパ19は、光学面9を拭くために光学面に効果的に押し付けられるブレード23、および前記ブレード23を支持するブレードホルダ25を備える。
【0067】
駆動装置21は、図2に点線で概略的に示され、回転軸線100を中心に出力シャフト32を駆動するように構成された回転駆動モータ27と、駆動モータ27の回転運動を光沢面の主延長軸線、この場合は長手方向に沿った直線運動に変換するための変換装置29と、で構成される。前記回転運動は、連続回転運動または不連続回転運動とすることができる。
【0068】
変換装置29は、ワイパ19が装着される関節式連結部材31を備え、この変換装置29は、固定モータ関節点35で出力シャフト32に連結される。「固定モータ関節点」という表現は、モータの動作がその点を介して変換装置に伝達され、その点の空間内の位置が、特に光沢面の配置に関して、変換装置29の動作全体にわたって実質的に同じままである、連結点を意味する。
【0069】
以下でより詳細に説明するように、ワイパ19と駆動モータ27との間に介在される変換装置29は、ワイパが、駆動モータ27の回転の影響下で、光学面9に対して第1の端位置と第2の端位置との間を並進軸線200に沿った直線運動で駆動されるように構成される。
【0070】
変換装置29は、この場合は平行四辺形の形で概略的に示されており、連結棒システムおよび/または少なくとも1つのカムで構成されてもよく、前記変換装置29の様々な実施形態および配置について以下でより詳細に説明する。
【0071】
図2および図3において、光学面9は平坦であり、ワイパ19は略直線構造を有する。ワイパ19は、延長面900に対して平行に延び、ワイパ19のブレード23は、清掃システム7の動作中に光学面9をこすることができるように光学面と接触している。
【0072】
ワイパ19は、並進軸線200に対して垂直な延長線600によって画定された方向に延びる。ワイパは、延長線が光学面9の上縁37と下縁39との間を横断方向Oyおよび光学面9の最短寸法に対して平行に延びるように配置され得る。
【0073】
あるいは、以下でより詳細に説明するように、ワイパ19は、延長線600が前記上縁37または下縁39に対して平行に、すなわち長手方向Oxまたは光学面9の最長寸法に対して平行に延びるように取り付けられてもよい。
【0074】
光学面9に対するワイパ19の配置は、特に、前記光学面9の構造に依存することができる。具体的には、平坦な光学面の場合、ワイパは、長手方向Oxまたは横断方向Oyに対して平行に配置され得る。一方、光学面9が湾曲している場合、ワイパ19の向きは、以下で詳細に説明するように、光学面9の湾曲の向きに依存する。
【0075】
このような配置から、実装される実施形態に応じて、ワイパ19は、図2のように、並進軸線200が横断方向に対して平行に延びるように、上縁37と下縁39との間で光学面9の横断寸法150にわたって直線移動を実行し得るか、あるいは、ワイパは、図3のように、長手方向に対して平行な、2つの側縁41の間の光学面9の最長寸法からなる、光学面9の長手寸法160にわたって移動し得るか、のどちらかということになる。ワイパ19は、並進軸線200に沿って相対する2方向に移動することができることが理解される。
【0076】
図示の例では、ワイパ19は、ワイパ19の第1の軸端43に装着されたコネクタ33により、駆動装置21に、より具体的には関節式連結部材31に連結され、第1の軸端43の反対側の第2の軸端45はガイド部材47を備える。
【0077】
この場合のガイド部材47は、ワイパ19の並進軸線200に沿った直線運動中に、ワイパ19が前記並進軸線200に対して略垂直のままであることを確実にするために、光学面9に向かって延びる舌部またはタブの形状を有する。有利には、ワイパ19は、第1の軸端43および第2の軸端45上にそれぞれ装備された複数のガイド部材47を備えることができる。
【0078】
図2は、清掃システム7の第1の実施形態をより詳細に示し、この実施形態では、変換装置29は、ワイパ19の横断配置に対して垂直な主平面950内に本質的に含まれる。変換装置29は、一部がハウジング11の内側に延び、一部が光学センサ5の外側に延びる。
【0079】
したがって、変換装置29が清掃システムの第1の端位置と第2の端位置との間で移動できるようにするために、ハウジング11、この場合はハウジングの下部15は、変換装置29が貫通して延びる開口部49を備える。
【0080】
あるいは、センサに対する清掃システム7の配置は、変換装置29が上壁13に面して延び、上壁が開口部49を備えるように、逆にされてもよい。
【0081】
別の代替形態によれば、以下に説明するように、清掃システムは、変換装置29が光学面9の側縁41の一方に面して配置されるように配置され得る。このような光学系では、開口部49は、ハウジング11の対応する側壁17に作られることになる。
【0082】
さらに、図2に示す例によれば、清掃システム7は、洗浄流体を光学面9上に噴霧するように構成され得る。この目的のために、清掃システム7は、ワイパ19に洗浄流体を供給するための少なくとも1つの供給装置51、例えば少なくとも1つの管を、ワイパに搭載され、光学面9上への洗浄流体の噴霧を確実にする、洗浄流体を噴霧するための少なくとも1つの装置53と共に備えることができる。
【0083】
例えば、噴霧装置53は、ブレードホルダ25内にワイパに沿って形成され、清掃システム7の供給装置51に流体連結された少なくとも1つのダクト55と、光学面9に面し、前記ダクト55内に出現する、ブレードホルダによって支持された少なくとも1つのノズル57と、を備えることができる。有利には、複数のノズル57がブレードホルダ25に沿って分散され得る。したがって、洗浄流体は、図示の例によれば、供給装置51内に注入され、次いで、噴霧装置53のダクト55内を流れて、ノズル57を通過することにより光学面9に向かって噴霧される。
【0084】
図3は、上述したものと実質的に同一であるが、変換装置29が、ここでは光学面9の最短寸法に対応する、ワイパ19の延長線600および横断方向Oyに対して略平行な主平面950内に本質的に延びる、清掃システム7の第2の実施形態をより詳細に示す。
【0085】
そのような光学アセンブリ3では、ハウジングの下部15はまた、駆動モータ27が通過することを可能にするように構成された開口部49を含む。前記開口部49はこの場合、開口部が駆動モータの出力シャフト32しか通過することができないように構成されているので、図2に示すものよりも小さい寸法を有し、このシャフトは変換装置29に連結されていて、回転軸線100を中心とする回転運動を変換装置29に伝達し、この種の運動は、長手方向Oxおよび/または横断方向Oyの駆動モータ27の位置の変化を伴う。
【0086】
上で説明したように、光学センサに対する清掃システム7の配置は、変換装置29が上壁13に面して延び、上壁が開口部49を備えるか、またはハウジング11の側壁17の一方に面するように、変更することができる。
【0087】
図2および図3は、光学センサ5が平坦な光学面9を備える光学アセンブリを示すが、上述した本発明に関する特徴は、湾曲した光学面9にも適用され得るので、前記湾曲した光学面に対するワイパの配置に関する詳細について以下でより詳細に説明することに留意されたい。
【0088】
図4図10は、変換装置29の様々な実施形態および代替形態を示す。明確にするために、図示の変換装置29は、変換装置が位置する主平面950が清掃されるべき表面に対して、したがって図3について既述のように横断方向および長手方向に対して略平行に延在するように配置される。それにもかかわらず、以下に説明する実施形態のすべてについて、変換装置29は、図2について上述したように、変換装置が位置する主平面950が光沢面に対して垂直に延びるように配置され得ることが理解される。
【0089】
また、以下の全ての図において、光学面9は湾曲構造を有し、湾曲構造の曲率は、点線で延長された準線110によって概略的に画定される。かかる図は、決して限定するものではなく、前記湾曲した光学面の曲線および母線120に対するワイパ19の相対的配置を明確にするためのものである。それにもかかわらず、光学アセンブリ3は、上で説明したように、光学アセンブリ3の配置を変更することなく平坦な光学面9を備えることができる。
【0090】
図4図9は、変換装置29が連結棒システム60を備える第1の実施形態の様々な例を示す。図4は、連結棒システム60の単純な構造の一例を示し、図5図9は、清掃システム7の様々な実施形態を示し、清掃システムは、Peaucellier-Lipkin装置などの連結棒システム60を備える。
【0091】
図4に示す光学アセンブリ3は、湾曲した光学面9を有し、光学面の表面形状は、横軸線を中心に湾曲した準線110と、この準線に対して垂直に延び、横断方向Oyに対しては平行である母線120と、によって画定される。
【0092】
清掃システム7内では、ワイパ19は、光学面9の母線120に対して垂直に延びるように配置され、ワイパ19は、前記母線120に対して略平行な並進軸線200に沿った直線経路に沿って移動される。ワイパ19と光学面9の母線とのこのような相対的配置は、湾曲した光学面を実装する本発明の様々な実施形態について再現されることに留意されたい。
【0093】
ここでは点線で概略的に示されているワイパ19のブレード23は、ワイパ19の延長線600に沿って測定され、光学面9の2つの側縁41の間で測定される光学面9の長手寸法160に実質的に等しい長さ180を特徴とする。
【0094】
あるいは、ワイパのブレード23は、前記光学面9の一部へのワイピングを制限するように、光学面9の長手寸法160未満の長さ180を有することができる。
【0095】
図示の例では、ワイパ19は、ブレードホルダ25の中心に置かれたコネクタ33によって変換装置29に連結される。換言すれば、コネクタ33は、ワイパ19の第1の軸端43および第2の軸端45から等距離の所にある。コネクタ33は、ここでは概略的に示されており、前記コネクタ33の一実施形態を例示し、コネクタの構造は決して限定するものではないことに留意されたい。コネクタ33は、コネクタ33をブレードホルダ25に装着するための少なくとも1つの取付け部材61、例えば複数の爪またはクリッピング部材と、コネクタ33を連結棒システム60の少なくとも1つの連結棒64に連結するための少なくとも1つの連結手段63と、を備え、連結手段63は、清掃システムの関節式連結部材31の一部を形成する、例えば穴またはピボットシステムからなる。
【0096】
図4に示すワイパ19は、側縁41に面する、光学面9の両側上に延びる2つのガイド部材47を備える。ガイド部材47は、ワイパ19が光学面9の母線120に対して略垂直のままでいるように、ワイパ19の安定性ならびに並進軸線200に沿った第1の端位置と第2の端位置との間のワイパの並進移動の直線性を確保するためのものである。ガイド部材は、特に、側縁41でハウジング上に適切に形成されたレール内に収容されるスライダからなり得る。
【0097】
あるいは、それにもかかわらず、他の実施形態について以下に例示するように、コネクタ33をワイパ19の一端に配置し、ワイパ19の反対端に単一ガイド部材47を設けることが想定され得る。
【0098】
ワイパ19の移動は、変換装置29、この場合は連結棒システム60、および図示されていない駆動モータを備える駆動装置21によって確保される。特に、上で説明したように、前記駆動モータと変換装置29との間の連結は、ハウジング11の下部15内に作られた開口部49に形成される。
【0099】
この場合、連結棒システム60は、第1の連結棒65および第2の連結棒67と呼ばれる2つの連結棒64を備える。変換装置29は、この場合、並進軸線200および光学面9の母線120に対して平行に延び、ならびに駆動モータ27の回転軸線100に対して垂直に延在する主平面950に本質的に含まれる。
【0100】
第1の連結棒65は駆動モータの出力シャフトに連結され、第1の連結棒65の第1の先端69は固定モータ関節点35を形成する。「固定モータ関節点35」という表現は、第1の連結棒65の第1の先端69が駆動モータの出力シャフトの軸方向延長部に配置され、したがって長手方向Oxおよび/または横断方向Oyに沿って空間内で動かされないことを意味する。
【0101】
したがって、第1の連結棒65は、回転軸線100を中心に回転させられ、第1の連結棒は、第1の先端69とは反対側に第2の先端71を有し、第2の先端は、駆動モータ27が動作しているときに、回転軸線100を中心とする第1の円710に沿った弓形経路で動かされる。
【0102】
第2の連結棒67は第1の連結棒65に関節連結され、第1の連結棒65および第2の連結棒67は第1のピボット73で連結される。第2の連結棒67は、ワイパ19を支持するようにコネクタ33にも連結され、前記コネクタ33と第2の連結棒67との間の連結は、清掃システムの関節式連結部材31を形成する。
【0103】
したがって、駆動モータが作動させられると、第1の連結棒65が回転させられ、第1の連結棒65の第2の先端71、したがって第1のピボット73が第1の円710に沿って移動する。これは、第2の連結棒67の移動をもたらし、ワイパがガイド部材47によって並進的にガイドされた状態で、この移動は、コネクタに対する押しまたは引きを引き起こし、したがって、光学面9の母線120に平行な、第1の端位置と第2の端位置との間の並進軸線200に沿った直線経路に沿ったワイパの移動を引き起こす。
【0104】
連結棒の寸法はワイパの横ストロークに影響を及ぼし、これらの寸法は、ワイパの端位置が光学面9の上縁37および下縁39に近い領域に対応し得るように与えられ、したがって、ワイパ19は光学面9の横断寸法150全体にわたって移動する。
【0105】
あるいは、清掃システム7は、特に連結棒を特定の寸法にすることにより、または第1の連結棒65の回転を阻止する当接手段により、光学面9の横断寸法150の限られた部分を拭くように構成され得る、したがって、第1の端位置と第2の端位置との間の間隔、ならびにワイパ19の移動範囲が小さくなる。
【0106】
この種の連結棒システム60には、簡単でコンパクトかつ安価な実装という利点がある。以下に提示される実施形態は、Peaucellier-Lipkin装置タイプの連結棒システム60を実装しており、この連結棒システムは、より複雑であり、有利には変換装置29により大きな安定性を、したがって並進軸線200に沿ったワイパ19の直線運動の最適直線性を与える。
【0107】
特に、以下に記述される本発明の実装例は、光学センサのハウジングを伴わない、光学面9とワイピングシステム7との相対的配置を示す。それにもかかわらず、駆動モータと変換装置との間の機械的連結を可能にする開口部の存在など、前記ハウジングに関して上述した特徴は、以下に記述される様々な代替形態にも適用されることが理解される。
【0108】
一般に、図5図9に示す変換装置29は、光学面の母線120および横断方向Oyに対して略平行な、主平面950に本質的に含まれる複数の連結棒64を有する連結棒システム60を備える。
【0109】
第1の連結棒65と呼ばれる、連結棒システム60の連結棒64のうちの1つは、上述したものと同様の特徴を有する、すなわち、前記第1の連結棒65は、固定モータ関節点35を形成するように駆動モータ27に装着されかつ枢動可能に取り付けられ、第1の連結棒65の第1の先端69は、光学面9の母線120に対して略垂直な出力軸線および回転軸線100の延長部内にあり、したがって、第1の連結棒65の第2の先端71が回転軸線100を中心とする第1の円710に沿って動かされる。
【0110】
連結棒システム60は、少なくとも2つの関節式四辺形、それぞれ連結棒64からなる第1の四辺形75および第2の四辺形77をさらに備え、少なくとも関節式連結部材31は、第1の四辺形75および第2の四辺形77によって共同で形成される。
【0111】
第1の四辺形75は、すべて同一寸法の第2の連結棒67、第3の連結棒79、第4の連結棒81、および第5の連結棒83によって形成されたひし形である。第2の連結棒67および第3の連結棒79は、上述の第1のピボット73を形成するように、第1の連結棒65の第2の先端71に関節連結される。同様に、第2の連結棒67および第4の連結棒81は、第2のピボット85を形成するように連結され、第3の連結棒79および第5の連結棒83は、第3のピボット87を形成するように連結される。
【0112】
第4の連結棒81および第5の連結棒83は、変換装置29をワイパ19に連結する関節式連結部材31を形成するようにコネクタ33に連結される。したがって、連結棒64からなる第1の四辺形75は、第1のピボット73にある第1の連結棒65と関節式連結部材31にあるワイパとの間に延びる。
【0113】
連結棒64からなる第2の四辺形77は、第6の連結棒89および第7の連結棒91、ならびに上述の第4の連結棒81および第5の連結棒83を備える。換言すれば、第4の連結棒81および第5の連結棒83は、連結棒システム60の第1の四辺形75および第2の四辺形77に共通である。第4の連結棒81および第5の連結棒83を連結する関節式連結部材31についても同様である。第6の連結棒89は第2のピボット85で第4の連結棒81に連結され、第7の連結棒91は第3のピボット87で第5の連結棒83に連結される。
【0114】
特に、第6の連結棒89および第7の連結棒91は、第4の連結棒81および第5の連結棒83の寸法よりも大きい実質的に同じ寸法を有するが、この場合、第1の四辺形75の連結棒はすべて同一寸法を有する。
【0115】
第6の連結棒89および第7の連結棒91は、変換装置29の共通固定点93の周りに枢動可能に取り付けられる。換言すれば、第6の連結棒の第1の端部891および第7の連結棒の第1の端部911は、駆動モータ27の回転軸線100に対して略平行なかつ長手方向Oxおよび横断方向Oyに対して略垂直なピボット軸線300の周りに枢動可能に取り付けられ、前記端部は、長手方向Oxおよび横断方向Oyに対して空間的に動かされない。対向する端部、それぞれ第2のピボット85に対応する第6の連結棒の第2の端部892および第3のピボット87に対応する第7の連結棒の第2の端部912は、ピボット軸線300を中心とする第2の円895によって画定される弓形経路に沿って駆動される。
【0116】
固定点93は、第1の連結棒65の第2の先端71の経路を画定する第1の円710上に配置されることに留意されたい。さらに、連結棒64からなる第2の四辺形77は、第1の連結棒65に直接連結されてはいない。
【0117】
図5図7は、第1の実施形態について、ワイパが光学面9の側縁41の実質的に近くに配置される、図5に見える第1の端位置と図7に見える第2の端位置との間のワイパ19の移動を詳細に示す。したがって、この実施形態では、ワイパ19は、光学面9の長手寸法160にわたって動かされ、変換装置29は、光学面9の下縁39に面して配置される。あるいは、変換装置は、上縁37に面して配置されてもよい。
【0118】
駆動モータ27が動作しているとき、第1の連結棒65の第2の先端71は、連結棒64からなる第1の四辺形75の第1のピボット73と共に、第1の円710上の弓形経路に沿って駆動される。第1の連結棒65のこの移動は、第2の連結棒67および第3の連結棒79を介してそれぞれ、第1のピボット73に連結された第2のピボット85および第3のピボット87を移動させやすい。上述したように、これらの第2のピボットおよび第3のピボットは、これらのピボットと第6の連結棒89および第7の連結棒91によって共有される共通固定点93との間の連結のために、第2の円895に沿って移動させられ、第6の連結棒および第7の連結棒自体もまた第2のピボットおよび第3のピボットの移動によって駆動される。
【0119】
このような連結棒システム60は、光沢面の両側で、または少なくとも一方の側に沿ってワイパを並進で案内するのと組み合わされると、第1の円710によって画定される円形経路を、ワイパ19の並進軸線に平行な主軸線210に沿った関節式連結部材31の直線経路に変換するのを確実にすることが可能になり、このワイパは、剛性アームの形をとり得るコネクタ33を介して関節式連結部材31によって支持される。
【0120】
第1の端位置と第2の端位置との間のワイパ19の移動は、連結棒64からなる第1の四辺形75および第2の四辺形77の緩やかな変形を特徴とする。
【0121】
例えば、ワイパ19が、図5に示されている第1の端位置から、その一例が図6に示されている、第1の端位置と第2の端位置との間の任意の中間位置まで動かされると、第1の四辺形75および第2の四辺形77は、第2のピボット85および第3のピボット87が徐々に離れていく限り、形状を変える。その結果、第1の四辺形75の場合、関節式連結部材31および第1のピボット73は互いに近づくことになり、第2の四辺形77の場合、この関節式連結部材31および固定点93は互いに近づくことになる。
【0122】
ワイパ19が図6の中間位置から図7に示すように第2の端位置まで動かされるとき、関節式連結部材31および第1のピボット73は、ワイパがこの第2の端位置に到達するまで再び離れていく前に、固定点93、固定モータ関節点35、第1のピボット73、および関節式連結部材31が位置合わせされるまで、互いに徐々に近づき続ける。次いで、駆動モータ27は、連結棒システムが第1の端位置に戻るために前の移動とは逆に動かされるように、逆に作動される。
【0123】
有利には、ワイピングシステムが、点線で概略的に示されている少なくともダクト55と噴霧装置53を形成する複数のノズル57とを備える光学面9上に洗浄流体を噴霧するように構成される場合、変換装置29には、洗浄流体の流れおよび噴霧を調整する前記供給および噴霧53装置を制御するための制御部材95が装備され得る。
【0124】
制御部材95は、特に、洗浄流体供給制御弁に接続された接触器97を備えることができる。例として、接触器97は第4の連結棒81によって支持され得る、したがって、第2のピボット85および第3のピボット87が第1の端位置で一緒にされると、第5の連結棒83は、第4の連結棒81によって支持された接触器97と接触して、電気的接触が可能になり、上述の弁を開けるための命令を送り、それによって洗浄流体が流れることが可能になる。次いで、洗浄流体は、清掃システム7内に分配され、第1の端位置から第2の端位置までのワイパ19の移動全体にわたって、光学面9に向かって噴霧される。
【0125】
第2のピボット85および第3のピボット87がワイパの第2の端位置で再び一緒にされると、第5の連結棒83は再び接触器97と接触して、電気的接触が可能になり、上述の弁を閉じるための命令を送り、それによって洗浄流体の流れを遮断する。したがって、ワイパ19が第2の端位置から第1の端位置まで移動するときに、流体は光学面9上に噴霧されない。
【0126】
このような状況では、洗浄流体噴霧ノズル57は第2の端位置の方へ向けられ、それにより、光学面9は洗浄流体でぬらされ、次いでワイパ19のブレード23で拭かれる。本発明の文脈から逸脱することなく、ノズルの向き、および弁の開閉がトリガされる端位置が変更されるようにすることができる。
【0127】
別の代替形態は、例えば、第2の連結棒67と第3の連結棒79との間、または第6の連結棒89と第7の連結棒91との間の接触器97の位置を変更することにあり得る。
【0128】
図8は、ワイパ19の移動範囲、したがってセンサ表面清掃動作の期間を減少させることを有利に可能にするとともに、連結棒システム60をコンパクトにすることを可能にする第1の実施形態の代替例を示す。このような清掃システム7では、ワイパ19は、光学面9の長手寸法160に対して平行に、すなわち側縁41相互間に延び、ワイパ19は、光学面9の上縁37および下縁39の近くにそれぞれ配置された第1の端位置と第2の端位置との間で横断方向に並進移動される。
【0129】
上で説明したように、本発明のそのような実施形態は、ワイパ19が光学面9の母線120に平行な並進軸線200に沿って移動する場合にのみ実装され得ることに留意されたい。したがって、図8に示す光学面9は、図4図7で前述したものとは異なる向きを有する曲率を有し、曲率は横軸線の周りに配置される。換言すれば、駆動装置21の位置、特に変換装置29の位置は変更することができるが、本発明の最適な動作のために、ワイパ19は母線120に対して垂直に延びること、および、ワイパは、前記母線120に対して略平行な移動で、並進軸線200に沿って動かされることが不可欠である。一方、光学面9が平坦であると、このような制約は生じない。
【0130】
したがって、図8に示す実施形態は、ワイパ19がより大きい寸法を有し、したがってブレードが光学面9の約300~400mmの長手寸法160よりも大きい長さ180を有するという点、および、変換装置29が光学面9の側縁41の一方に面して配置されるという点で、図4図7の実施形態とは異なる。
【0131】
したがって、ワイパ19の移動および第1の端位置と第2の端位置との間の変換装置29の様々な連結棒64の位置の変化の原理は、上述したものと同一であるが、変換装置29が側縁41の一方の向かい側に配置され、関節式連結部材31が、ここでは横断方向に略平行に前記側縁41に沿って延びる主軸線210に沿って動かされるという違いがある。
【0132】
光学面9の横断寸法150は光学面の長手寸法160よりも小さいので、ワイパ19が例えば上縁37付近の第1の端位置と例えば下縁39付近の第2の端位置との間を走行する距離はより小さい。これは、清掃動作にかかる時間の短縮をもたらし、駆動装置21に起因するサイズの縮小ももたらす。具体的には、ワイパ19の移動の範囲が小さくなるので、「Peaucellier-Lipkin」変換装置29の規模自体が縮小されるが、それにもかかわらず、様々な四辺形の相対的配置に関する特徴は、上述したものと同様のままである。
【0133】
図8に示す例では、コネクタ33は、関節式連結部材31と第1の軸端43との間に延びる。あるいは、図9に示すように、または図4に関連して上述したように、コネクタ33は、第1の軸端43と第2の軸端45との間のワイパ19の最長寸法の中心に置かれてもよい。このような構成は、ワイパ19の安定性を強化するとともに、並進軸線200の垂線に対するワイパ19の延長線600の位置ずれを制限するのに役立つ。図4に示す実施形態に関連して上述したように、ワイパ19は、その場合好ましくは、ワイパの軸端43、45のそれぞれにガイド部材47を備え、変換装置29は、下縁39または上縁37に配置される。
【0134】
上述したように、上述の例および実施形態はすべて、明瞭にするために、それが図3のように、清掃されるべき光沢面に略平行に延びる場合の変換装置29を表すことに留意されたい。しかしながら、図5図9に示す例、ならびにそれらの例に関連して記述される任意の代替形態または組み合わせは、変換装置29が光沢面に対して略垂直に延びるように構成され得る。
【0135】
図10は、変換装置29が少なくとも1つのカム99を備える、本発明の第2の実施形態を示す。カム99は、光沢面および光沢面の母線120に対して略垂直な回転軸線100を中心にして枢動することができるように、駆動モータ27の出力シャフトに回転的に堅固に固定される。カムは、出力シャフトの周りに嵌合される穴101を有し、この連結部は、固定モータ関節点35を形成するように構成される。
【0136】
ワイパ19と変換装置29との間の連結を可能にするコネクタ33は、カム99の周縁部105に沿って移動するように構成されたピン103を備える。前記ピン103は、カム99の方向に、例えば駆動モータ27の回転軸線100に対して平行に延びる。
【0137】
あるいは、コネクタ33およびカム99は、ピン103がカム99内に作られた、点線で示す溝107に沿って走行できるように構成されてもよい。
【0138】
ワイパ19を第1の端位置と第2の端位置との間で、すなわち光学面9の横断寸法150にわたって並進軸線200に沿って移動させるために、カム99は非対称構造を有し、駆動モータ27の回転軸線100が通過する穴101は偏心している。
【0139】
カム99を備えるこのような変換装置29は、カム99の許容寸法を維持し、清掃システム7のサイズを制限するために、図4図7について上述したように、光学面9がその長手寸法160ではなく横断寸法150に沿って拭かれることを確実にするように実装される。
【0140】
図示の例では、カム99は平坦な構造を有し、この構造の主面109は、清掃されるべき光沢面に略平行に延びる主平面950に本質的に含まれる。
【0141】
カム99の枢動中に光学センサ5の視野の妨害を制限するために、変換装置29がカム99と連結棒システム60とを組み合わせたものを備え、少なくとも1つの連結棒64がコネクタ33に連結され、かつ/またはカム99と相互作用するように構成されたピン103を備える、代替形態が想定され得る。このようにして、ワイパが光学面9の下縁39付近の第1の端位置と上縁37付近の第2の端位置との間を移動するとき、カム99は、光学面9と自動車両の外部の周囲との間に介在されない。
【0142】
有利には、カム99を備える変換装置29は、洗浄流体が流れ、噴霧されることを確実にするように構成されてもよく、ワイパ19は、上で説明したように、供給装置および/または分配装置を備える。例として、コネクタに33には、接触器と、主面109から出現し、カム99からコネクタ33の方へ突出する作動部材を有するカムと、が装置され得る。
【0143】
上記を読むと、本発明は、光沢面を拭くための清掃システムであって、光沢面がセンサ/送信機の検出面からなる、清掃システムを提案することが理解される。清掃システムは、ワイパと、回転駆動モータおよびモータの回転運動を直線運動に変換するための装置で構成された駆動装置と、を備え、この装置は、ワイパを光学面に沿った直線運動で駆動する。本発明はまた、前記清掃システムおよびセンサ/送信機を備える検出アセンブリにも関し、センサ/送信機の光沢面は、場合により平坦であるかまたは湾曲している。
【0144】
本発明による清掃システムは、有利には、フロントガラスなどの光沢面を清掃するために従来使用されている回転駆動モータの使用を可能にする。
【0145】
しかしながら、本発明は、本明細書に記載され図示されている手段および構成に限定されるものではなく、本発明はまた、任意の同等の手段または同等の構成ならびにそのような手段の任意の技術的に実行可能な組合せも包含する。特に、清掃システムが最終的に本明細書に記載されているのと同じ機能を果たす限り、コネクタ、変換装置、またはガイド部材の位置は、本発明に悪影響を及ぼすことなく変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10