(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240823BHJP
A23C 3/02 20060101ALI20240823BHJP
A23C 9/137 20060101ALI20240823BHJP
A23C 9/154 20060101ALI20240823BHJP
A23L 3/16 20060101ALI20240823BHJP
A23L 3/36 20060101ALI20240823BHJP
A23L 3/365 20060101ALI20240823BHJP
A23L 29/212 20160101ALI20240823BHJP
A23L 9/10 20160101ALN20240823BHJP
A23L 23/00 20160101ALN20240823BHJP
A23L 27/60 20160101ALN20240823BHJP
【FI】
A23L5/00 N
A23C3/02
A23C9/137
A23C9/154
A23L3/16
A23L3/36 A
A23L3/365 Z
A23L29/212
A23L9/10
A23L23/00
A23L27/60 A
(21)【出願番号】P 2023022535
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2020536722の分割
【原出願日】2018-09-11
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520085383
【氏名又は名称】イングレディオン シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】ハンチェット、ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】シャー、タラク
(72)【発明者】
【氏名】ガリッソン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イェゲテ、オエラヨ
(72)【発明者】
【氏名】クルーン、ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーニガン、リネッテ
(72)【発明者】
【氏名】コー、ベチン
(72)【発明者】
【氏名】タン、スーファン
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-041063(JP,A)
【文献】特表2015-517595(JP,A)
【文献】特表2020-514435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23C
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/AGRICOLA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スターチを含む食用組成物において、知覚されるクリーミー性を増加させる方法であって、
食用液体成分に熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを添加し、乾燥基準で
前記熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ
の3重量%以下のアミロース含有量を有するスター
チ組成物を形成して、乾燥基準で6重量%の
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ固形分及び水溶液からなるスターチスラリー中、及び6.0のpHで、500~1500ブラベンダー単位(「BU」)のピーク粘度を生じさせること、
前記
スターチ組成物を混合して前記食用液体
成分中に前記
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを分散させて、分散した組成物を形成すること、及び任意に、前記分散した組成物を加熱すること、
を含み、
前記分散
した組成物は、前記分散
した組成物が1,000~50,000cPの粘度を有する食用組成物を形成するのに十分な時間にわたって混合され十分な温度で加熱される、方法。
【請求項2】
前記
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、前記
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチが食用組成物の乾燥基準で0.1~35重量%を構成するように前記
食用液体
成分に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食用液体
成分が低脂肪又は無脂肪乳製品である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記食用組成物を低温殺菌することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記食用組成物を凍結することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記食用組成物を解凍することを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
甘味料が
前記食用組成物
の10重量%を構成するような量で、甘味料を前記食用組成物に添加することを更に含み、ここで、i)前記食用液体
成分が低脂肪乳であり、ii)前記
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、乾燥基準でこれが前記
食用組成物の3~5重量%を構成するような十分な量で前記
食用液体
成分に添加され、iii)前記スターチスラリーが、500~1000BUのピーク粘度を有し、及びiv)前記
分散した組成物が、90℃まで加熱され40分間混合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、物理変性されたワキシーキャッサバスターチ、より具体的には、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む食用組成物を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
態様では、本明細書は、特定のピーク粘度又は最終粘度を有するように変性されたワキシーキャッサバスターチを開示し、いくつかの実施形態では、最終粘度は、100~2000ブラベンダー(Brabender)単位(BU)である。別の態様では、本明細書は、食用組成物の口当たりに影響を与えるのに十分な量の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む食用組成物を開示する。多くの知覚構成要素のうちの1つは、クリームによって提供される全ての物理的及び知覚的な口当たり属性を含む組成物の知覚されるクリーミー性である。クリーミー性は、濃度、こく、及びマウスコーティング性を含む多くの置換基特性に関連し、クリームの脂肪含有量によって少なくとも部分的に引き起こされる。
【0003】
多くの食用組成物では、これは脂肪含有量を低減するために望ましいが、これはひいては、食用組成物のクリーミー性を低減させる傾向がある。そのため、食用組成物の濃度は、より多くのスターチを添加することによって増加してもよく、化学変性スターチを添加することによって安定化されてもよいが、脂肪由来の官能的寄与は、置き換えることがより困難である。
【0004】
本明細書において、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを使用することによって、食品製品の知覚されるクリーミー性を予想外に改善する食用組成物が開示される。他の実施形態では、食用組成物は、従来技術と比較して、改善された口当たりを有した。更に別の実施形態では、食用組成物は、組成物の0.1重量%~35.0重量%の、スターチの約3重量%以下のアミロース含有量(乾燥基準)を有する熱抑制されたワキシーキャッサバスターチと、組成物の1重量%~99重量%の食用液体成分とを含み、ワキシーキャッサバスターチが、6重量%のスターチ(乾燥基準)固形分での熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ及び約6.0の緩衝化したpHからなるスラリーが、500~1500ブラベンダー単位(BU)の最終粘度を有するように十分に熱抑制されており、食用組成物が、1,000~50,000cPの粘度を有する。
【0005】
他の実施形態では、食用液体は、低脂肪又は無脂肪乳製品であってもよい。実施形態では、組成物は低脂肪であり、低脂肪又は無脂肪乳製品及びスターチは、全油脂乳製品に取って代わるために使用される。更に他の実施形態では、組成物は低脂肪又は無脂肪であり、スターチは、動物(乳製品を含む)又は植物源由来の脂肪に取って代わる。更に他の実施形態では、食用液体は、酸性であってもよい。他の実施形態では、組成物は、低温殺菌されてもよく、又は冷凍されてもよい。
【0006】
実施形態では、食用組成物の作製方法は、食用液体成分に熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを添加し、スターチの約3重量%以下(乾燥基準)のアミロース含有量を有するスターチを形成し、食用液体成分に、スターチ(乾燥基準)の約3重量%以下のアミロース含量を有するスターチの組成物を形成し、6重量%のスターチ(乾燥基準)固形分からなり6.0のpHのスターチスラリーにおいて、500~1500ブラベンダー単位の最終粘度を生じさせることと、組成物を混合して、食用液体中にスターチを分散させて分散組成物を形成することと、任意に分散した組成物を加熱することとであって、分散体が、分散するのに十分な時間にわたって混合され、任意で、分散するのに十分な温度で加熱されて、1,000~50,000cPの粘度を有する食用組成物を形成する、加熱することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に記載される発明は、
図1に記載される非限定的な実施形態によって部分的に示される。
【0008】
【
図1】4つの異なる熱抑制されたベーススターチのうちの1つを含む例示的なプディングのクリーミー性の評価を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、ワキシースターチは、低アミロース含有量を有する植物から得られるスターチを意味することを意図する。実施形態では、ワキシースターチは、10重量%未満(乾燥基準)、又は5重量%未満(乾燥基準)、又は3重量%未満のアミロース含有量を有するか、又は本質的にアミロースからならない(約0%)(乾燥基準)。特に区別されない限り、本明細書におけるワキシーキャッサバのスターチへの言及は、それらの対応する粉を含むことを意味する。
【0010】
本明細書では、天然スターチは、未変性スターチとも呼ばれ、ベース植物材料からスターチを得るための粉砕及び分離後に、例えば、物理的、酵素的、又は化学的手段によって更に加工されない粒状スターチであり、完全性のために、α化スターチは、天然スターチ、又は未変性スターチではない。
【0011】
本明細書において、実質的に無水スターチは、約5%未満の含水量(w/w)を有する。
【0012】
本明細書において、無水スターチは、約2%未満の含水量(w/w)を有する。
【0013】
本明細書において、最終粘度は、以下の時間及び温度経過:スターチスラリーを室温から50℃まで加熱し、2)スラリーを、8℃/分の加熱速度で50℃から95℃まで更に過熱し、及び3)スラリーを95℃で15分間保持する(「95℃+15」)の終了時に測定された、6重量%のスターチ固形分(乾燥基準)及びpH6に緩衝化された水溶液からなるスターチスラリーのBrabender Micro-Visco-Amylo-Graph(MVAG)を使用して測定される粘度を意味する。ピーク粘度は、上記の時間及び温度経過中に測定される最高粘度を指す。本明細書では、分解粘度パーセントは、分解%=(ピーク-(ピーク+15分)*100)/ピークの式により与えられる、ピーク粘度と95℃+15分での粘度との間のパーセント差であり、安定又は上昇粘度は、以下の時間及び温度経過(上記と同じ):スターチスラリーを室温から50℃まで加熱し、2)スラリーを、8℃/分の加熱速度で50℃から95℃まで更に過熱し、及び3)スラリーを95℃で15分間保持する(「95℃+15」)中に分解を示さない粘度である。
【0014】
クリーミー性は、乳由来のクリームによって付与される口当たりによって特徴付けられる感覚特性である。これは、いくつかの関連する感覚成分を有し、これらは、溶け崩れ、知覚される濃度、及びマウスコーティングを含み、これらは全て、訓練された官能試験員によって検出及び評価することができる。官能的な濃度は、口の中の食用組成物の凝集性及び平滑度などの属性を含むという点で、計測による粘度とは別個のものである。マウスコーティングは、操作中に食用組成物が口腔内でどのように完全にコーティングするか、又は口腔内に広がるかの知覚を指す。これは、口内の実際の物理的コーティングに対応するが、食用組成物が口内をどのように均一かつ凝集的にコーティングするかなどの他の知覚される属性を含む。溶け崩れは、知覚される濃度の感覚及びマウスコーティングが、口内にどの程度長く残るか、又は消失するのかに関するものである。これらの感覚は、組成物の実際の物理的破壊に関連するが、濃度及びコーティングの知覚がどれくらい均一かつ凝集的に消失するかにも依存する。
【0015】
クリーミー性は、ピーククリーミー性、食品組成物の最初の圧縮後のクリーミー性、3~5回圧縮後のクリーミー性、8~10回圧縮後のピーククリーミーとして評価することができる。本明細書において、これらの属性は、表1に定義されるように評価される。
【表1】
【0016】
スターチを熱抑制するための例示的な方法は、以下の通りである。スターチは、スターチを無水又は実質的に無水にするのに十分な時間及び温度で脱水される。スターチを熱脱水するために使用される温度は、100℃未満に維持され、例えば、80℃である。熱脱水は、スターチを、従来のオーブン又は任意の他の加熱装置中で、含水量を実質的に無水又は無水に低減するのに十分な時間及び温度で加熱することによって行うことができる。他の実施形態では、スターチのpHは、脱水前又は脱水後に、産業界で既知であり、かつ食品医薬品局によって使用が承認されている好適な塩基を使用して、約7.5~約10.5の範囲に調整される。
【0017】
脱水後の更に他の実施形態では、スターチは、スターチを抑制するのに有効な量の時間及び温度又は温度範囲で熱処理される。典型的には、熱処理は、約120℃~約180℃で約2~約5時間行われる。より抑制されたスターチを得るためには、より低い温度でより長い時間が必要であり、温度及び時間が調整されて、所望の熱抑制レベルが得られる。熱抑制は、当該技術分野において典型的に使用される任意の従来のプロセス及び装置を使用して行うことができる。一実施形態では、従来のオーブンが使用される。
【0018】
一実施形態では、熱抑制されたスターチは、以下のように作製される。30~40%の固形分でスターチ又は粉を水中でスラリー化し、所望のpHに達するまで十分な量の緩衝液を添加することによって、試料のpHを上昇させた。全ての試料を、当該技術分野において慣習的であるように噴霧乾燥又はフラッシュ乾燥した(糊化なしに)。対照試料は、更に脱水又は熱処理しなかった。1部の無水スターチ又は粉から4部の水からなる試料に熱抑制工程が行われる前又は後の試料におけるpHの測定。試料を、試料が無水になるまで周囲温度から125℃に上昇させ、更に特定の熱処理温度まで加熱した。熱処理温度が165℃である場合、その温度に達するまでの時間は3時間未満であった。最終加熱温度における試料の水分レベルは、約0重量%(すなわち、無水)であった。
【0019】
実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク及び/又は最終粘度を有する。実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバは、12~15、又は13~15、又は14~15J/gの糊化エントロピーを有する。実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、2~6、又は2~5、又は3~4、又は4~5J/gの老化(retrogradation)エントロピーを有する。実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、2~4%、又は2.5~4%、又は3~4%のスターチ損傷%を有する。
【0020】
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、様々な用途で使用され得る。実施形態では、食用組成物は、スプーンですくうことができる。他の実施形態では、食用組成物は注ぐことができる。更に他の実施形態では、食用組成物は、1,000~50,000cPの範囲の粘度、及びこの中の部分範囲の粘度を有する。異なる食用組成物は、異なる目標粘度を有し、例えば、ヨーグルト飲料は、カップセットのヨーグルトよりも低い粘度を有する。実施形態では、食用組成物には、例えば、スプーンですくうことができ、注ぐことができ、又は飲用可能な組成物が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態は、乳成分及び/又は脂肪成分に取って代わるか、又はそれらを補うためにスターチを使用する。更に他の実施形態では、スターチは、低脂肪又は油を使用して安定化され乳化された食用組成物系を助けるために使用され得る。更に他の実施形態では、食用組成物は、ヨーグルト、例えば、水切りされたギリシャスタイルヨーグルト、水切りされていないヨーロッパスタイルヨーグルト、常温保存可能なヨーグルト、カップセットヨーグルト、又はヨーグルト/ヨーグルトスタイルの飲料である。更に他の実施形態では、食用組成物は、クリームスープ(マッシュルーム、ブロッコリー、アスパラギスなど)、ビスク、チャウダーなどを含むクリーム状スープである。更に他の実施形態では、食用組成物は、冷蔵又は長期の常温保存可能なデザートであり、例えば、プディング又はクスターを含む。更なる実施形態では、食用組成物は、ソース、ドレッシング、又はグレービーであり、例えば、クリームソース(ベシャメル)、乳化ソース(マヨネーズ、オランデース、及びベアルネーズ)、グレービー、及びクリームスタイルドレッシング(ランチなど)が挙げられる。前述の実施形態及び定義された粘度を有する他の実施形態では、食用組成物の粘度は、意図される貯蔵寿命組成物に対して20%未満、又は10%未満、又は5%以下、又は0%~5%で変動するが、貯蔵寿命は異なる組成物に対して異なるが、実施形態では、これは、1週間~1年間の範囲、及びこの中の全ての部分範囲に及ぶ。
【0021】
なお更なる実施形態では、食用組成物は、冷凍組成物又はゲル化組成物であり、例えば、アイスクリーム(ハード及びソフトクリームの両方)、フローズンカスタード又は焼いたカスタード、及びクリームパイの詰め物が挙げられる。更なる実施形態では、食用組成物は、冷凍形態で保存され、使用するために解凍されてもよい。冷凍された用途におけるワキシーキャッサバスターチの使用は、他の熱抑制されたスターチと比較して、冷凍-解凍安定性の増加に寄与するため、特に有用であり得る。いくつかの実施形態では、冷凍組成物は、ゲル化を伴わずに少なくとも5回、又は約5回の冷凍解凍サイクルに耐え、冷凍解凍サイクルは、冷凍機内で20℃で8時間貯蔵し、室温で7時間試料を解凍することを含む。
【0022】
上記の冷凍、ゲル化、及び粘性の実施形態、並びに他の実施形態では、スターチは、食用組成物中の脂肪の一部又は全てに取って代わるために使用され得る。このような実施形態では、スターチは、脂肪の1%~100%(全脂肪組成と比較して)に取って代わり、脂肪は動物性脂肪(例えば、ラード又は乳脂肪)、又は植物性脂肪、油若しくはショートニングであってもよい。上記の冷凍、ゲル化、及び粘性の実施形態において、並びに他の実施形態では、食用組成物は、例えば、pHが3~6である酸性であってもよく、又は調製中に高温若しくは圧力に供されてもよく、例えば、限定されないが、低温殺菌プロセスに供されてもよい。更なる実施形態では、食用組成物は、消費者に混合物として供給されてもよく、この場合、消費者は、液体及び/又は脂肪を添加し、任意に製品を調製するために加熱すると予期される。
【0023】
実施形態では、食用組成物は、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、及び食用液体及び任意に風味剤を含む。更なる実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、食用組成物の0.1重量%~35重量%(乾燥基準)、及びこの中の全ての部分範囲の量で使用される。なお更なる実施形態では、食用液体は、組成物の1重量%~99重量%、及びこの中の部分範囲の量で使用される。なお更に別の実施形態では、スプーンですくうことができる食用組成物、例えば、限定するものではないが、プディングは、5重量%~35重量%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ(乾燥基準)と、95重量%~65重量%の液体とを含むであろう。更に別の実施形態では、注ぐことができるか、又は飲用可能な食用組成物は、0.1重量%~15重量%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ(乾燥基準)と、99.9%~85%の液体とを含む。食用組成物には、任意の食用液体が使用されてもよい。実施形態では、食用液体は、例えば、乳、水、酢、果汁、油、又はシロップであるが、これらに限定されない。所望により、任意の香味料が、食用組成物に添加されてもよい。食用組成物の実施形態では、風味料は、例えば、限定されないが、ココア粉末、ハーブ、スパイス、調味料、塩、及び粉末風味料の風味料が、粉末形態又は他の乾燥形態で提供される。他の実施形態では、風味料は、例えば、抽出物(果実、ナッツ、ハーブ、スパイス、バニラなど)、果物及び/又は野菜のピューレ、甘味シロップ及び/又は香味シロップ、並びに香味油などの液体又は液化成分である。更に他の実施形態では、食用組成物は、限定されるものではないが、卵(これは、全卵、卵白、及びその粉末バージョンであってもよい)、任意の供給源からの他のスターチ及び/又は粉(例えば、小麦、コーン、米、ジャガイモ、豆類、アロールート、サトウモロコシ、サゴなど、並びにワキシー又は高アミロース変異体)、ガム又は他のコロイド、レシチン、ゼラチン、デキストリン、マルトデキストリン、タンパク質、タンパク質濃縮物、及び任意の供給源(例えば、豆類、大豆、カゼイン、乳清など)からの単離物などの他の標準的な食用成分を含む。なお更なる実施形態では、任意成分は、固体、液体、溶液、分散液、懸濁液、及び/又はエマルジョンとして、スターチ及び食用液体に添加される。
【0024】
実施形態では、食用組成物は、ヨーグルトである。別の実施形態では、ヨーグルトは、0.1重量%~35重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は1重量%~10重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、1重量%~5重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は2重量%~4重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。更に別の実施形態では、ヨーグルトに使用される熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、95℃+15分間による安定粘度、又は95℃+15による1000ブラベンダー単位(「BU」)未満のピーク粘度、又は95℃+15による500BU未満のピーク粘度を有する。更に別の実施形態では、食用組成物は、5,000cP~8,000cPの粘度を有するヨーグルトである。更に別の実施形態では、食用組成物は、2.65重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含み、1日、又は1週間、又は3週間、又は6週間の冷蔵貯蔵後に、5,000~8,000cPの粘度を有するヨーグルトである。更に別の実施形態では、食用組成物は、6週間の冷蔵貯蔵にわたって10%未満、又は6週間の冷蔵貯蔵にわたって7.5%未満、又は6週間の冷蔵貯蔵にわたって5%未満、6週間の冷蔵貯蔵にわたって0%~5%分が変化する粘度を有するヨーグルトである。更に更に別の実施形態では、このような食用組成物は、スプーンですくうことができるヨーグルト、又はヨーロッパスタイルのヨーグルトである。更なる実施形態では、食用組成物は、室温での1日の貯蔵後に10,000cPの粘度を有するヨーグルトであるか、又は粘度が1日の貯蔵後に10,000~14,000cPであるか、1日の貯蔵後に12,000~14,000cPであるヨーグルトである。更に他の実施形態では、このような食用組成物は、水切りヨーグルト、又はギリシャスタイルヨーグルト、又は長期の常温保存可能なヨーグルトである。
【0025】
実施形態では、食用組成物は、グレービー、ソース、又はドレッシングである。実施形態では、このような食用組成物は、任意に、例えば、限定されないが、酢又はフルーツジュースの酸性成分を、食用組成物のpHが3~6.5であるような十分な量で含む。他の実施形態では、食用組成物は、0.1重量%~35重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は2.5重量%~7.5重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は1重量%~10重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は2重量%~8重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は4重量%~6重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。別の実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、95℃+15分による安定したピーク粘度を有するか、又は約1100ブラベンダー単位の95℃+15分による安定したピーク粘度有するか、又は95℃+15分で約10%未満の粘度低下を伴う約1100ブラベンダー単位のピーク粘度を有するか、又は95℃+15分で約10%未満の粘度低下を伴う800及び1100ブラベンダー単位のピーク粘度を有する。更に別の実施形態では、食用組成物は、約4重量%~6重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含み、15,000~30,000cPの粘度を有し、このような実施形態は、例えばスプーンですくうことができるドレッシングである。更に別の実施形態では、食用組成物の初期粘度は、冷蔵温度での1~12ヶ月間の貯蔵を介して約20%未満分で変化するか、冷蔵温度での1~12ヶ月間の貯蔵を介して15%未満分で変化するか、又は冷蔵温度での1~12ヶ月間の貯蔵を介して約10%未満で変化する。
【0026】
実施形態では、食用組成物は冷凍され、実施形態では、食用組成物は冷凍されて提供されることが意図され、このような実施形態としては、例えば、冷凍カスタード、又はアイスクリームが挙げられるが、これらに限定されず、他の実施形態では、組成物は、提供前に溶融されるよう意図され、このような実施形態としては、冷凍スープが挙げられるが、これに限定されない。別の実施形態では、食用組成物は、冷凍され、0.1重量%~15重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は1重量%~10重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は2.5重量%~7.5重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ、又は3重量%~5重量%(乾燥基準)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの量で、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。更に別の実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、1200BU超、又は1600BU超、又は1200~2000BU、又は1400~1700BUのピーク粘度を有する。
【0027】
様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを食用組成物に添加して、組成物に粘度を提供する。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、組成物にクリーム状の感覚的質感をもたらすのに十分な量で食用組成物に添加される。様々な実施形態では、食用組成物は、異なるベーススターチを使用して適合粘度を達成するために必要とされるよりも少ない使用量の熱抑制されたワキシーキャッサバのスターチで、所望のクリーミーな食感及び/又は粘度を提供するように配合される。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバの量は、特定の用途に依存するであろう。様々な実施形態では、食用組成物は、0.1%~35.0%(組成物の重量で)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ(乾燥基準)、又は1%~20%、又は1~10%、又は1~7.5%、又は1~5%、又は1~3%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む食用組成物は、1,000~50,000cP、又は1,000~25,000cP、又は1,000~15,000cP、又は1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有するように配合される。
【0028】
1つ以上の実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを使用して、粘度を長期間の常温保存可能なヨーグルトに提供する。このようなヨーグルトは、粘度を実質的に変化させることなく、長期間、例えば最長6ヶ月間、周囲温度で貯蔵されるように意図される。このようなヨーグルトは、発酵後にヨーグルトを熱処理(例えば、低温殺菌)することによって作製される。実施形態では、長期間の常温保存可能なヨーグルトは、1%~3%、又は1%~2.5%、又は1%~2.2%、又は1%~2%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。様々な実施形態では、長期間の常温保存可能なヨーグルトは、500BU未満、又は200BU未満、又は100~500BU、又は100~200BUのピーク粘度を有する、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。
様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む長期間の常温保存可能なヨーグルトは、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む長期間の常温保存可能なヨーグルトは、周囲温度で1~5ヶ月間貯蔵した後に、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む長期間の常温保存可能なヨーグルトは、1~5ヶ月間の貯蔵後、5~6(cm/60秒)の流動性を有する。
【0029】
様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む長期間の常温保存可能なヨーグルトは、高圧均質化(2000psiより高い)を使用して作製される。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む常温保存可能ヨーグルトは、1つ以上、2つ以上、又は3つ以上の加熱工程を使用して作製され、ここでは、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む食品組成物又は組成物の中間形態が、50℃~100℃、又は60℃~100℃、又は70℃~100℃、又は80℃~100℃、又は90℃~100℃の温度まで5分間~30分間加熱される。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバを含む長期間の常温保存可能なヨーグルトは、4~5未満のpHを有するように発酵される。
【0030】
1つ以上の実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、例えば、ヨーグルト、プディング、ドレッシング、又はソース(若しくはベシャメルソース又はマヨネーズ)が挙げられるが、これらに限定されない食用組成物に添加され、組成物にクリーミー性を提供する。本明細書で使用するとき、クリーミーは、訓練されたテイスターによって測定され、ピーククリーミー性、最初の圧縮後のクリーミー性、3~5回の圧縮後のクリーミー性、及び8~10回の圧縮後のクリーミー性の属性を含む。このような用語は、表11に記載されるように定義及び測定される。
【0031】
1つ以上の実施形態では、組成物は、500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。少なくとも1つの実施形態では、このような組成物は、プディングである。少なくとも1つの実施形態では、食用組成物(例えば、プディング)は、組成物の食感を変更するために十分な熱抑制されたワキシーキャッサバを含む。様々な実施形態では、食用組成物(例えば、プディング)は、1重量%~10重量%、又は2重量%~8重量%、又は3重量%~7重量%、又は3重量%~6重量%、又は3重量%~5重量%、又は3重量%~4重量%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む。実施形態では、プディングは、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する。
【0032】
実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、食用組成物の粘度を変更するために十分な量で(例えば、1%~10%、又は2%~8%、又は3%~7%、又は4%~7%、又は5%~7%、又は6%~7%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの量で)使用される。様々な実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、食用組成物の知覚されるクリーミー性を増加させるために十分な量で(例えば、1%~10%、又は2%~8%、又は3%~7%、又は1%~7%、又は5%~7%、又は6%~7%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの量で)使用される。
【0033】
本明細書はまた、ワキシーキャッサバスターチを含む食用組成物の作製方法も開示する。一実施形態では、食用組成物の作製方法は、100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの、0.1~35重量%、又は1重量%~20重量%、又は1重量%~10重量%、又は1重量%~7.5重量%、又は1重量%~5重量%、又は1重量%~3重量%の組成物を、食用水性液体と混合して、混合物を形成することと、混合物を調理することと、c)1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する食用組成物を得るために、混合物を750~2750psi(約500~約1,900kPa)、又は1250~2750psi、又は1500~2750psi、又は1700~2750psiでの均質化に供することと、を含む。
【0034】
本明細書はまた、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチではないベーススターチである一部分と、熱抑制されたワキシーキャッサバである一部分とを含む、食用エマルジョンの食感を変更する方法も開示し、このプロセスは、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチではないベース粉の少なくとも一部分を、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチで置き換えて、スターチ成分を形成することと、スターチ成分を食用液体と混合して混合物を形成することと、混合物を調理し、混合物を750~2750psi(約500~約1,900kPa)、又は1250~2750psi、又は1500~2750psi、又は1700~2750psiでの均質化に供することと、を含む。本方法の実施形態では、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチは、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチではないベーススターチの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、及び最大100%に置き換えられる。本方法の実施形態では、食用組成物は、0.1~35重量%、又は1重量%~20重量%、又は1重量%~10重量%、又は1重量%~7.5重量%、又は1重量%~5重量%、又は1重量%~3重量%のスターチを含む。実施形態では、熱抑制されたスターチは、スターチの最終粘度として、100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する。実施形態では、食用エマルジョンは、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する。
【0035】
本明細書は、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの食用組成物の食感を変更するための使用、及び食用組成物の作製方法、並びにスターチを含む食用組成物の食感を変更する方法を開示する。
【0036】
本発明は、以下の態様によって説明することができ、以下の態様は、多少なりとも限定することを意図するものではない。
【0037】
第1の態様では、本明細書は、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチと食用液体とを含む食用組成物を記載し、食用組成物は、ベース組成物の熱抑制されたワキシーキャッサバ変異体であり、食用組成物が、知覚される濃度の評価、マウスコーティングの評価、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含まないベース組成物の評価を超える評価、又は熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含まないベース組成物の評価よりも遅い溶け崩れのうちの少なくとも1つを含む。
【0038】
第2の態様では、本明細書は、a)乾燥基準でスターチの約3重量%以下のアミロース含有量を有する、乾燥基準で熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの食用組成物の0.1重量%~35.0重量%と、b)1重量%~99重量%の食用液体成分とを含む食用組成物を記載し、ワキシーキャッサバスターチが、6重量%のスターチ固形分と、6.0のpHを有する緩衝化水溶液とからなるスターチスラリーが、500~1500ブラベンダー単位(BU)のピーク粘度を有するように十分に熱抑制されており、食用組成物が、1,000~50,000cPの粘度を有する。
【0039】
第3の態様では、本明細書は、ヨーグルト、ソース、グレービー、ドレッシング、スプレッド、プディング、カスタード、アイスクリーム、パイフィリング、及び飲料からなる群から選択される、先行する態様のいずれかに記載された食用組成物を記載する。
【0040】
第4の態様では、本明細書は、スターチが組成物の1重量%~10重量%を構成する、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0041】
第5の態様では、本明細書は、食用液体が低脂肪又は無脂肪乳製品である、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0042】
第6の態様では、本明細書は、組成物が、ベース組成物の脂肪又は無脂肪のバージョンであり、知覚される濃度評価、マウスコーティング評価、及びベース組成物の脂肪又は無脂肪のバージョンの溶け崩れ評価のうちの少なくとも1つが、全脂肪を含むベース組成物の評価と同等である、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0043】
第7の態様では、本明細書は、組成物がプディングである、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0044】
第8の態様では、本明細書は、i)スターチが、乾燥基準で組成物の3重量%~5重量%の量で使用され、またスターチスラリーが、500~1000BUのピーク粘度を有し、ii)液体が、脂肪又は無脂肪乳であり、かつ組成物の80重量%~90重量%の量で使用される、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0045】
第9の態様では、本明細書は、84重量%の低減された脂肪乳、10重量%の甘味料、乾燥基準で5.5重量%のスターチ、及び0.5重量%の風味料から本質的になり、組成物が、少なくとも10のクリーミー性評価を有する、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0046】
第10の態様では、本明細書は、少なくとも10のクリーミー性評価を有する、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0047】
第11の態様では、本明細書は、少なくとも10のクリーミー性評価を有し、組成物が、6未満のpHを有する組成物、低温殺菌組成物、及び解凍組成物からなる群から選択される、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0048】
第12の態様では、本明細書は、組成物の粘度が、6週間にわたって10%未満で変化する、先行する態様のいずれかに記載の食用組成物を記載する。
【0049】
第13の態様では、本明細書は、熱抑制されたワキシーキャッサバのスターチと、第2の食用乾燥成分とを含むドライミックスを開示する。
【0050】
第14の態様では、本明細書は、スターチを含む食用組成物において、食用液体成分に熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを添加し、乾燥基準でスターチの約3重量%以下のアミロース含有量を有するスターチの組成物を形成することと、乾燥基準で6重量%のスターチ固形分からなるスターチスラリー中に、及び6.0のpHで、500~1500ブラベンダー単位のピーク粘度を生じさせることと、組成物を混合して、食用液体中にスターチを分散させて分散組成物を形成することと、任意に分散した組成物を加熱することとであって、分散体が、十分な時間にわたって混合され、任意に、分散体は十分な温度で加熱されて、1,000~50,000cPの粘度を有する食用組成物を形成する、加熱することと、を含む、知覚されるクリーミー性を増加させる方法を開示する。
【0051】
第15の態様では、本明細書は、スターチが食用組成物の乾燥基準で0.1~35重量%を構成するように、液体に添加される、第14の態様による方法を開示する。
【0052】
第16の態様では、本明細書は、食用液体が低脂肪又は無脂肪乳製品である、第14又は第15の態様による方法を開示する。
【0053】
第17の態様では、本明細書は、食用組成物を低温殺菌することを更に含む、第14~第16の態様のいずれかに記載の方法を開示する。
【0054】
第18の態様では、本明細書は、食用組成物を凍結することを更に含む、第14~第17の態様のいずれかに記載の方法を開示する。
【0055】
第19の態様では、本明細書は、食用組成物を解凍することを更に含む、第14~第18の態様のいずれかに記載の方法を開示する。
【0056】
第20の態様では、本明細書は、甘味料が組成物の約10重量%を構成するような量で、甘味料を食用組成物に添加することを更に含み、ここで、i)食用液体が低脂肪乳であり、ii)スターチが、乾燥基準でこれが組成物の3~5重量%を構成するような十分な量で液体に添加され、iii)スターチスラリーが、500~1000BUのピーク粘度を有し、及びiv)混合中に組成物が、90℃まで加熱され、組成物が、90℃で40分間混合される、第14~第19の態様のいずれかに記載の方法を開示する。
【0057】
本発明は、以下の実施例によって更に説明することができ、以下の実施例は、多少なりとも限定することを意図するものではない。
実施例1-例示的なレシピ
【0058】
【0059】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、乳に添加する。混合物を、Breddo Likwifierブレンダーを使用して、約500rpmで20~30分間ブレンドし、保持タンクに移し、次いでMicroThermics(登録商標)HVHW HTST加工装置を通して加工し、上流加工については、混合物を60℃(140°F)及び725又は2175psiで均質化し、次いで98℃(208°F)で6分間低温殺菌する。下流加工については、混合物を65℃(150°F)で予熱し、次いで85~90℃(8185~195°F)及び725又は2175psiで6分間加熱した。低温殺菌したヨーグルトミックスを、約43℃(110°F)に冷却した。発酵された試料では、pHを4.6に低下させ、ヨーグルトを約7~13℃(45~55°F)に冷却した。他の実施形態では、均質化は、65℃で実行される。実施形態では、均質化プロセスは予熱を含み、実施形態では、温度及び圧力を、周囲温度及び圧力から低温殺菌に所望されるものまで上昇させる。
【0060】
【0061】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、水に添加する。混合物を、Fryma Korum DISHO 7インラインホモジナイザーを用いて、真空下(600~700ミリバール)でブレンドする。次いで、水相を95℃まで加熱してスターチを調理し、次いで30℃以下に冷却する。卵黄を添加し、水相とブレンドする。次いで、油を高剪断及び真空(600~700ミリバール)下でプレエマルジョンに添加し、乳化するまで均質化する。次いで、酢を添加し、乳化し、温度を約20℃に保持する。
【0062】
1c.スプーンですくうことができるドレッシング
【表4】
【0063】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、完全な分散のために撹拌しながら水及び酢に添加する。混合物を、195℃~200℃に、約15~20分間、良好な程度のスターチ調理まで加熱する。次いで、得られたペーストを80℃に冷却する。次に、以下の成分を一緒に添加する。
【表5】
【0064】
卵黄をペーストに添加し、十分に混合する。次いで、油を撹拌しながらゆっくりと添加して、プレエマルジョンを形成する。次いで、このプレエマルジョンをコロイドミルに通過させて、最終的なスプーンですくうことができるドレッシングエマルジョンを形成する。
【0065】
【0066】
全ての乾燥成分を、一緒にブレンドする。水及びクリームをビーカーに加え、浸漬ブレンダーを用いてレシチンを分散させる。次に、乾燥成分を撹拌下で添加する。混合物を88℃~90℃(190°F~195°F)に加熱し、良好なスターチ調理に達するまで保持した(約12~18分)。冷却後、各混合物を使用して、2オンスジャーを充填した。粉末ミックスを、クリーム用の粉末乳固形物などの乾燥成分に置き換えることによって行うことができる。
【0067】
【0068】
【0069】
プディングは、スターチ、糖、及びバニラをミルク中で泡立て、成分が分散するまで混合することによって作製される。次いで、混合物を、90℃に温度設定したThermomix(登録商標)で調理する。調理中に、混合物を速度1で40分間攪拌するか、又はスターチが完全に調理されるまで撹拌する。次に、調理済みプディングをジャーに充填し、冷却させる。
【0070】
工業規模のプロセスにおいては、全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、乳に添加する。混合物を、Breddo Likwifierブレンダーを使用して、約500rpmで20~30分間ブレンドし、保持タンクに移し、次いでMicroThermics(登録商標)HVHW HTST加工装置を通して加工し、上流加工については、混合物を60℃~65℃(140~150°F)及び725~2175psiで均質化し、次いで98℃(208°F)で30秒間低温殺菌する。次に、調理済みプディングをジャーに充填し、冷却させる。
実施例2-機能的特性化
【0071】
この実施例は、長期の常温保存可能なヨーグルトを特徴付ける粘度データを提供する。1つが2.2%(w/w)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含み、1つが2.0%(w/w)の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含む、2つの配合物が提供される。これらの配合物を、2.2%の熱抑制されたワキシーコーンスターチを用いて作製した対照と比較した。熱抑制されたスターチ(ワキシーキャッサバ及びワキシーコーン)は、同一の粘度プロファイルを有し、200BU未満のピーク粘度を有するように抑制された。
【0072】
表8は、3つの配合物のレシピを提供する。
【表9】
【0073】
成分をCowlミキサー内でよく混合し、摂氏60~65度の予熱温度まで加熱した。次に、混合物を、2610psiで二段階ホモジナイザーによって均質化した。均質化した混合物をCowlミキサーに移し、摂氏90度で10分間低温殺菌した。低温殺菌した乳を急速に摂氏43度まで冷却し、ヨーグルト培養物を添加し、混合物を発酵させた。
pHが4.5に達したら、ヨーグルトを、摂氏77度で15秒間、第2の低温殺菌のために、Armfield熱処理機に移した。次いで、熱化ヨーグルトをパッケージ化した。
実施例2A-特性化手順
【0074】
抑制のレベルを、Brabender(登録商標)Micro Visco-Amylo-Graph(登録商標)(「MVAG」)を使用して測定したスターチスラリーの粘度を使用して、熱抑制されたスターチを水中に分散させ、糊化させた後に測定した。粘度は、pH6で、6.0重量%のスターチ固形分(乾燥基準)で実施した。スターチスラリーを撹拌棒を用いて十分に混合して、試料を分散させた。試料カップをMVAG器具に挿入し、以下の温度プロファイルを実行して、高温及び低温ペーストプロファイルを決定した-1)スターチスラリーを室温から50℃まで加熱し、2)スラリーを、50℃から95℃まで、8℃/分の加熱速度で更に加熱し、3)スラリーを95℃で15分間保持する。
【0075】
ヨーグルト粘度は、#5スピンドルを使用して、モデルRVTブルックフィールド粘度計を用いて測定した。試験試料を定位置に置き、スピンドルを試料中に下げる。粘度計をオンにし、スピンドルを少なくとも3回転の一定速度で回転させてから、読み取りを行う。
【0076】
ヨーグルトの濃度を、摂氏25度でBostwickのコンシストメータを使用して測定した。
実施例2b-結果
【0077】
表9は、1日、並びに1、2、及び5ヶ月の貯蔵(周囲温度)後の試料の粘度を報告する。表9は、1日、1、2、3、4、及び5ヶ月の貯蔵(周囲温度)後の試料の粘度を報告する。
【表10】
【表11】
実施例3-官能特性化
【0078】
本実施例は、ワキシーキャッサバ、キャッサバ(非ワキシー)、ワキシーコーン、及びWaxiPro(登録商標)コーンの種子(Ingredion Incorporateから入手可能)のうちの1つを使用して調製されたバニラプディング試料を比較する官能データを提供する。試料を2つのレベル抑制のうちの1つに熱抑制した。いくつかの試料は非常に抑制され、約500BU未満のピークブラベンダー粘度(上記で報告したように測定)を有する。他の試料は中程度に抑制され、約500超~約1100未満のピークブラベンダー粘度を有する。全ての試料を加工して、粘度プロファイルを一致させた。
官能評価のために試験した全ての試料は、表10に提供されたレシピを使用して作製した。試料は、一致した粘度を有し、そのように使用されるスターチ量が配合物の6.3~7.1%であるように配合した。
【0079】
プディングは、試験された熱抑制されたスターチの食感効果を口蓋上で最良に分離するために、比較的軟らかく、中性のpHの食用組成物として選択した。当業者であれば、これらの実験に記載される基本原理及び発見が、酸性pHを有し、より強く香味付けされたプディング、カスタード、及び同様の組成物を有するように配合され得る、ヨーグルト、ドレッシングを含む、より広範な食用組成物のセットに適用され得ることを理解するであろう。
【表12】
【0080】
官能評価のためのプディングを作製する手順は、以下の通りである。乾燥成分のプレブレンドを加工前に形成した。乾燥プレブレンドを、Likwifier内の脱脂乳に添加し、約500rpmで20~30分間混合した。次いで、混合物を保持タンクに移し、次いで、Microthermics HVHW HTST加工装置を通して、上流プロセスで加工した。予熱は140Fであり、次いで1740psiで均質化させた。次いで、混合物を208°Fで低温殺菌し、30秒間保持した。次いでバッチを冷却し、ボウルに回収した。0.2%のバニラ風味をプディングに添加し、次いで、試料カップに分配する。
実施例3b-官能特性化手順及び結果
【0081】
訓練されたパネルを使用して官能試験を行った。官能試験員は、芳香、風味、味、及び食感の違いを検出する彼らの能力、並びにこれらの違いを表現する彼らの能力に基づいて選択された。個々の官能試験員は、パネルの組込み前に4ヶ月間訓練され、全ての官能試験員は、継続的なメンテナンス訓練に参加した。パネルは、30人から構成された。訓練は、官能試験員を会社が定義した官能検査用語(TEXICON(登録商標)及びSWEETABULARY(登録商標))及び15ポイント万能尺度評価基準を導入することを含む。
【0082】
進められた試験は、以下の通りである。官能試験員には、各試料の三通りを、単一評価法及びバランスの取れた順序で提示された。官能試験員は、試料を試飲する間に5分間の休息を与えられ、口蓋を洗浄するボトル詰めされた天然水及び無塩のソルテインクラッカーを提供された。Compusense(登録商標)Cloudデータ取得ソフトウェアを介して評価を収集し、統計的有意性及び統計的関連性についてデータを分析し、XLSTAT(2016)データ分析ソフトウェアを使用した。
【0083】
試料は、Ingredionのグローバルアプリケーションチームによって調製された。試料は、4オンスのプラスチックカップに蓋をして、40°Fで保管され、分配された。
【0084】
投票用語、定義、評価技術、及びそれらの割り当てられたベンチマーク評価を有するベンチマーク製品を、以下の表11に提供する。
【表13】
【0085】
官能試験は、中程度の抑制のレベルの熱抑制されたワキシーキャッサバが、他の試験試料と比較して優れたクリーミー性を有し、より具体的には、これらの試料は、最初の圧縮後、3~5回の圧縮後、及び8~10回の圧縮後に、より高いピーククリーミー性評価、及びより高いクリーミーな食感評価を有した。
図1を参照すると、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを含むプディングは、熱抑制されたキャッサバ(非ワキシー)、熱抑制されたワキシーコーン(標準)、熱抑制されたWaxiPro(登録商標)のうちの1つを使用して作製されたプディングよりも、最初の圧縮後に、より高い評価のクリーミー性を有し、3~5回の圧縮評価後に、より高いピーククリーミー性評価、より高いクリーミー性、及び8~10回の圧縮評価後により高いクリーミー性を有していたことが分かる。
実施例4-スターチ特性化手順
【0086】
DSCによる糊化プロファイル:この試験は、過剰な水中のスターチ顆粒(25部のスターチ対75部の水)の糊化中に生じる、糊化温度及びエネルギー変換の糊化エンタルピーの定量的測定を提供する。糊化の開始、ピーク及び終了融解温度を記録する。中間冷却器2P及びデータステーション及び大量の高圧試料セルを備えたPerkinElmer DSC-8500示差走査熱量計(PerkinElmer,Inc,Waltham,Massachusetts USAから入手可能)を使用する。セルを、10mgのスターチ(乾燥基準)及び適切な量の蒸留水を、合計約30mgに等しい水重量(スターチの水分及び蒸留水)に正確に秤量することによって調製する。次いで、10℃/分の速度で10℃~150℃で走査する前に、セルを封止し、4℃で一晩平衡化させる。空のセルをブランクとして使用する。平均値を報告する。
【0087】
DSCによる老化プロファイル:この試験は、糊化ワキシースターチの貯蔵中に生じるエネルギー変換の老化エンタルピーの定量的測定を提供する。融解温度に加えて、糊化に必要なピーク温度及び時間が記録される。中間冷却器2P及びデータステーション及び大量の高圧試料セルを備えたPerkinElmer DSC-8500示差走査熱量計を使用する。セルを、10mgのスターチ(乾燥基準)及び適切な量の蒸留水を、合計約20mgに等しい水重量(スターチの水分及び蒸留水)に正確に秤量することによって調製する。次いで、10℃/分の速度で10℃~140℃で走査する前に、セルを封止し、4℃で一晩平衡化させる。糊化スターチペーストを含有するセルを、5℃で7日間貯蔵する。貯蔵後、10℃/分の速度で10℃~140℃で試料を再走査する。老化エンタルピー値(J/g)を記録する。空のセルをブランクとして使用する。平均値を報告する。
【0088】
スターチ損傷分析の手順:試料のスターチ損傷を、Megazyme(登録商標)スターチ損傷アッセイキット(Megazyme International Ireland,Bray,Wicklow,Irelandから入手可能なAACC法76-31.01)を使用して決定した。約100mg(db)のスターチを、肉厚壁ガラス遠心管に秤量し、40℃で5分間インキュベートした。1.0mLの予め平衡化した真菌アルファ-アミラーゼ(50U/mL)を各管に添加し、ボルテックスした。(濃縮酵素は、5mMの塩化カルシウムを含有するpH5で100mMの酢酸ナトリウム緩衝液(これは同様に試薬ブランクである)中で希釈した。)次いで、試料を40℃で10分間インキュベートした。8.0mLの0.2%(v/v)硫酸を添加して、反応を停止させ、ボルテックスした。次いで、試料を300rpmで10分間遠心分離した。上清の0.1mLのアリコートを、2つのガラス試験管の底部に注意深く移した。各試料に0.1mLのアミログルコシダーゼ溶液(2U)を添加し、ボルテックスし、40℃で10分間インキュベートした。4.0mLのGOPOD(グルコースオキシダーゼペルオキシダーゼ)を各試料に添加し、ボルテックスした。試料を40℃で20分間インキュベートし、吸光度を、試薬ブランクに対して510nmで測定した。
実施例5-例示的なスターチ調製
【0089】
一実施形態では、熱抑制されたスターチは、以下のように作製される。30~40%の固形分でスターチ又は粉を水中でスラリー化し、十分な量の緩衝液を添加することによって、試料のpHを上昇させた。全ての試料を、当該技術分野において慣習的であるように、約2~約15%の水分まで噴霧乾燥又はフラッシュ乾燥した(糊化なしに)。対照試料は、更に脱水又は熱処理しなかった。1部の無水スターチ又は粉から4部の水からなる試料に熱抑制工程が行われる前又は後の試料におけるpHの測定。試料を、試料が無水になるまで周囲温度から125℃に上昇させ、更に特定の熱処理温度まで加熱した。熱処理温度が165℃である場合、その温度に達するまでの時間は3時間未満であった。最終加熱温度における試料の水分レベルは、約0重量%(すなわち、無水)であった。
本開示は以下も包含する。
[項目1]
食用組成物であって、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチと食用液体とを含む、食用組成物。
[項目2]
前記ワキシーキャッサバスターチが、100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する、項目1に記載の組成物。
[項目3]
ヨーグルト、ソース、グレービー、ドレッシング、スプレッド、プディング、カスタード、アイスクリーム、パイフィリング、及び飲料からなる群から選択される、項目1又は2に記載の食用組成物。
[項目4]
前記スターチが、前記組成物の0.1~35重量%、又は1重量%~20重量%、又は1重量%~10重量%、又は1重量%~7.5重量%、又は1重量%~5重量%、又は1重量%~3重量%を構成する、項目1~3のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目5]
1,000~50,000cP、又は1,000~25,000cP、又は1,000~15,000cP、又は1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する、項目1~4のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目6]
長期に常温保存可能なヨーグルト組成物である、項目1~5のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目7]
前記組成物が、100~500、又は100~200BUのピーク粘度を有する、1%~3%、又は1%~2.5%、又は1%~2.2%、又は1%~2%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを有する、項目6に記載の食用組成物。
[項目8]
周囲温度で1~5ヶ月間貯蔵した後に、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する、項目6又は7に記載の食用組成物。
[項目9]
5~6(cm/60秒)の流動性を有し、任意に、前記流動性が、周囲温度で1~5ヶ月間貯蔵した後に測定される、項目6~9のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目10]
プディングである、項目1~5のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目11]
前記組成物の1重量%~10重量%、又は2重量%~8重量%、又は3重量%~7重量%、又は4重量%~7重量%、又は5重量%~7重量%、又は6重量%~7重量%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを有し、前記ワキシーキャッサバスターチが、500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する、項目10に記載の食用組成物。
[項目12]
冷凍組成物である、項目1~4、10及び11のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目13]
少なくとも5サイクルの冷凍解凍安定性を有する、項目1~4、10及び11のいずれか一項に記載の食用組成物。
[項目14]
食用組成物の食感を変更するための、100~2000BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの使用。
[項目15]
前記熱抑制されたワキシーキャッサバスターチが、1%~10%、又は2%~8%、又は3%~7%、又は4%~7%、又は5%~7%、又は6%~7%の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの量で使用される、項目14に記載の熱抑制されたワキシーキャッサバスターチの使用。
[項目16]
食用組成物の作製方法であって、
a)前記組成物の0.1~35重量%、又は1重量%~20重量%、又は1重量%~10重量%、又は1重量%~7.5重量%、又は1重量%~5重量%、又は1重量%~3重量%の、100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピーク粘度を有する熱抑制されたワキシーキャッサバスターチを、食用水性液体と混合して、混合物を形成することと、
b)前記混合物を調理することと、
c)前記混合物を750~2750psiでの均質化に供することと、を含み、
前記組成物が、1,000~10,000cP、又は1,000~7,500cP、又は2,500~7,500cP、又は3,000~7,000cP、又は3,500~7,000cP、又は4,000~7,000cP、又は4,000~6,500cP、又は4,000~6,000cP、又は4,000~5,500cP、又は4,000~5,000、又は約5,000cPの粘度を有する、方法。
[項目17]
熱抑制されたワキシーキャッサバスターチではないベーススターチである一部分と、熱抑制されたワキシーキャッサバである一部分とを含む、食用エマルジョンの食感を変更するための方法であって、
a)前記熱抑制されたワキシーキャッサバスターチではないベース粉の少なくとも一部分を、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチで置き換えてスターチ成分を形成することと、
b)前記スターチ成分を食用液体と混合して混合物を形成することと、
c)前記混合物を調理することと、
d)前記混合物を750~2750psi(約500~約1,900kPa)又は1250~2750psiでの均質化に供することと、を含む、方法。
[項目18]
100~2000BU、又は100~500BU、又は100~200BU、又は500~1100BU、又は800~1100BUのピークBUを有する、熱抑制されたワキシーキャッサバスターチ。
[項目19]
12~15、又は13~15、又は14~15J/gの糊化エンタルピーを有する、項目18に記載のスターチ。
[項目20]
2~6、又は2~5、又は3~4、又は4~5J/gの老化エンタルピーを有する、項目18又は19に記載のスターチ。
[項目21]
2~4%、又は2.5~4%、又は3~4%のスターチ損傷%を有する、項目18~20のいずれか一項に記載のスターチ。