(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240823BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240823BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240823BHJP
G09F 9/40 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G02F1/1333
G02F1/1345
G09F9/40 301
(21)【出願番号】P 2023144130
(22)【出願日】2023-09-06
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0190045
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】チェ ウォンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒュンウ
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0202630(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0302362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0203235(US,A1)
【文献】特開2019-028284(JP,A)
【文献】国際公開第2021/241184(WO,A1)
【文献】特開平08-294267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1368
G09F9/00-9/46
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と、
前記基板のサイド部の上面と側面と背面に沿って形成され、前記複数のパッド電極それぞれに連結され、対応する駆動信号を伝達し、Agペーストを含む複数のルーティング電極と、
前記上面において、一つ以上の前記ルーティング電極の周辺を囲む導電パターンと、
DCの入力電圧を昇圧した出力電圧を出力する昇圧回路とを含み、
前記出力電圧は前記駆動信号の電位より高く前記導電パターンに出力される、表示装置。
【請求項2】
前記複数のパッド電極は、第1クロック信号が印加される第1クロックパッド電極と、データ信号が印加されるデータパッド電極を含み、
前記出力電圧は前記第1クロック信号の電位より高い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記昇圧回路は、
前記入力電圧が印加されるダイオード連結構造の第1トランジスタと、
前記第1トランジスタと第1ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第1クロックパッド電極の間に連結された第1キャパシタとを含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数のパッド電極は、前記第1クロック信号と異なる位相の第2クロック信号が印加される第2クロックパッド電極をさらに含み、
前記昇圧回路は、前記第2トランジスタと第2ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第3トランジスタと、前記第2ノードと前記第2クロックパッド電極の間に連結された第2キャパシタをさらに含む、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記導電パターンは、
前記ルーティング電極の幅方向の両側に配置された第1パターン部と、
前記第1パターン部に連結され前記ルーティング電極の長さ方向の前方に配置された第2パターン部とを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1、2トランジスタの半導体層は一体に形成され、前記導電パターンから分岐されて延在した、請求項
3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板の背面に、前記ルーティング電極と連結された駆動回路をさらに含み、
前記駆動回路は前記ルーティング電極を通じて前記パッド電極に電気的に連結される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、
前記表示パネルの前記ルーティング電極は、隣り合う表示パネルに隣接した前記基板のサイド部に配置された、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と、
前記基板のサイド部の上面と側面と背面に沿って形成され、前記複数のパッド電極それぞれに連結され、対応する駆動信号を伝達し、Agペーストを含む複数のルーティング電極とを含み、
前記複数のパッド電極のうち少なくとも一つは、前記少なくとも一つのパッド電極が配置される対応する前記ルーティング電極の外郭を越えて延在し、前記ルーティング電極の周辺を囲む延長部を含む、表示装置。
【請求項10】
前記延長部の幅は、対応する前記ルーティング電極の幅の1/2倍以上である、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記基板の背面に、前記ルーティング電極と連結された駆動回路をさらに含み、
前記駆動回路は前記ルーティング電極を通じて前記パッド電極に電気的に連結される、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、
前記表示パネルの前記ルーティング電極は、隣り合う前記表示パネルに隣接した前記基板のサイド部に配置された、請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
一つ以上の表示パネルを含む表示装置において、
前記一つ以上の表示パネルは、
前記一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と、
前記基板上の駆動回路と、
前記複数のパッド電極それぞれを前記駆動回路に電気的に連結する複数のルーティング電極と、
対応する前記ルーティング電極の少なくとも一部を囲む複数の導電パターンとを含み、
第1電圧が前記複数の導電パターンのうち第1導電パターンに印加され、
第2電圧が、前記複数のルーティング電極のうち前記第1導電パターンに対応し前記第1導電パターンによって囲まれる第1ルーティング電極に印加され、
前記第1電圧は前記第2電圧より高い、表示装置。
【請求項14】
前記駆動回路は前記基板の背面上に位置し、
前記第1ルーティング電極は前記基板の上面と側面と背面に沿って位置する、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記ルーティング電極はAgペーストを含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1導電パターンは、
前記第1ルーティング電極の幅方向の両側に配置された第1パターン部と、
前記第1パターン部に連結され前記第1ルーティング電極の長さ方向の
前記パッド電極側に配置された第2パターン部とを含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
DCの入力電圧の入力を受けてこれを昇圧した前記第1電圧を出力する昇圧回路をさらに含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数のパッド電極は、第1クロック信号が印加される第1クロックパッド電極と、データ信号が印加されるデータパッド電極を含み、
前記第1電圧は前記第1クロック信号の電位より高い、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記昇圧回路は、
前記DCの入力電圧が印加されるダイオード連結構造の第1トランジスタと、
前記第1トランジスタと第1ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第1クロックパッド電極の間に連結された第1キャパシタとを含む、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1、2トランジスタの半導体層は一体に形成され、前記第1導電パターンから分岐されて延在した、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記複数のパッド電極は、前記第1クロック信号と異なる位相の第2クロック信号が印加される第2クロックパッド電極をさらに含み、
前記昇圧回路は、前記第2トランジスタと第2ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第3トランジスタと、前記第2ノード及び前記第2クロックパッド電極の間に連結された第2キャパシタとをさらに含む、請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、
前記第1ルーティング電極は、すぐに隣り合う表示パネルに隣接した前記基板の側面に沿って配置された、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳細には、ルーティング電極のイオン化マイグレーション(migration)を防止してオープン(open)欠陥を防止できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、薄型化、軽量化、低消費電力化などの優秀な特性を有する平板表示装置(flat panel display)が広く開発されて多様な分野に適用されている。
【0003】
このような平板表示装置として、液晶表示装置、発光表示装置などが使われ得る。発光表示装置としては、有機発光ダイオードを具備した有機発光表示装置、無機物質で形成されたマイクロ大きさの発光ダイオードを具備したLED表示装置などが使われ得る。
【0004】
最近では、大面積の表示装置を構成するために複数の小型表示パネルをタイリング(tiling)方式で配置することができる。
【0005】
このようなタイリング方式表示装置では、隣り合う表示パネル間の連結部位を使用者が認識できないように表示パネルのベゼル(bezel)を非常に小さい幅で形成することになる。
【0006】
このように表示パネルのベゼルが非常に小さいので、表示パネルの基板上のパッド電極とこの基板の後方の駆動回路を連結するために、基板サイド部に沿ってAg(銀)ペースト(paste)をルーティング電極として利用するサイドルーティング(side routing)方式が使われる。
【0007】
この場合、パッド電極上のAgルーティング電極が表示パネル内部の電極や配線との電位差によって移動するマイグレーション(migration)不良が発生し得るため、パッド電極とルーティング電極が電気的にオープン(open)となり得、これによって信号が駆動回路からAgルーティング電極を通じてパッド電極に正常に伝達されることが防げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、タイリング方式表示装置の表示パネルにおいて、Agルーティング電極のマイグレーション不良が発生する問題を解決することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述したような課題を達成するために、本発明は一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と;前記基板のサイド部の上面と側面と背面に沿って形成され、前記複数のパッド電極それぞれに連結されて該当駆動信号を伝達し、Agペーストを含む複数のルーティング電極と;一つ以上の前記ルーティング電極の周辺を囲む導電パターンと;DCの入力電圧を昇圧した出力電圧を出力する昇圧回路を含み、前記出力電圧は前記駆動信号の電位より高く前記導電パターンに出力される表示装置を提供する。
【0010】
前記複数のパッド電極は、第1クロック信号が印加される第1クロックパッド電極と、データ信号が印加されるデータパッド電極を含み、前記出力電圧は前記第1クロック信号の電位より高くてもよい。
【0011】
前記昇圧回路は、前記入力電圧が印加されるダイオード連結構造の第1トランジスタと;前記第1トランジスタと第1ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第2トランジスタと;前記第1ノードと前記第1クロックパッド電極の間に連結された第1キャパシタを含むことができる。
【0012】
前記複数のパッド電極は、前記第1クロック信号と異なる位相の第2クロック信号が印加される第2クロックパッド電極をさらに含み、前記昇圧回路は、前記第2トランジスタと第2ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第3トランジスタと、前記第2ノードと前記第2クロックパッド電極の間に連結された第2キャパシタをさらに含むことができる。
【0013】
前記導電パターンは、前記ルーティング電極の幅方向の両側に配置された第1パターン部と;前記第1パターン部に連結され前記ルーティング電極の長さ方向の前方に配置された第2パターン部を含むことができる。
【0014】
前記第1、2トランジスタの半導体層は一体に形成され、前記導電パターンから分岐されて延長され得る。
【0015】
前記基板の背面に、前記ルーティング電極と連結された駆動回路をさらに含み、前記駆動回路は前記ルーティング電極を通じて前記パッド電極に電気的に連結され得る。
【0016】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、前記表示パネルのルーティング電極は、隣り合う表示パネルに隣接した前記基板のサイド部に配置され得る。
【0017】
他の側面において、本発明は一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と、前記基板のサイド部の上面と側面と背面に沿って形成され、前記複数のパッド電極それぞれに連結されて該当駆動信号を伝達し、Agペーストを含む複数のルーティング電極を含み、前記多数のパッド電極のうち少なくとも一つは、前記少なくとも一つのパッド電極が配置される対応するルーティング電極の外郭を越えて延在し、このルーティング電極の周辺を囲む延長部を含むことができる。
【0018】
前記延長部の幅は、対応するルーティング電極の幅の1/2倍以上であり得る。
【0019】
前記基板の背面に、前記ルーティング電極と連結された駆動回路をさらに含み、前記駆動回路は前記ルーティング電極を通じて前記パッド電極に電気的に連結され得る。
【0020】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、前記表示パネルのルーティング電極は、隣り合う表示パネルに隣接した前記基板のサイド部に配置され得る。
【0021】
さらに他の側面で、本発明は一つ以上の表示パネルを含む表示装置において、前記一つ以上の表示パネルは、前記一つ以上の表示パネルの基板の非表示領域に配置された複数のパッド電極と、前記基板上の駆動回路と、前記複数のパッド電極それぞれを前記駆動回路に電気的に連結する複数のルーティング電極と、対応する前記ルーティング電極の少なくとも一部を囲む複数の導電パターンを含み、第1電圧が前記複数の導電パターンのうち第1導電パターンに印加され、第2電圧が、前記複数のルーティング電極のうち前記第1導電パターンに対応し前記第1導電パターンによって囲まれる第1ルーティング電極に印加され、前記第1電圧は前記第2電圧より高い表示装置を提供する。
【0022】
前記駆動回路は前記基板の背面上に位置し、前記第1ルーティング電極は前記基板の上面と側面と背面に沿って位置することができる。
【0023】
前記ルーティング電極はAgペーストを含むことができる。
【0024】
前記第1導電パターンは、前記第1ルーティング電極の幅方向の両側に配置された第1パターン部と;前記第1パターン部に連結され前記第1ルーティング電極の長さ方向の前方に配置された第2パターン部を含むことができる。
【0025】
DCの入力電圧の入力を受けてこれを昇圧した前記第1電圧を出力する昇圧回路をさらに含むことができる。
【0026】
前記複数のパッド電極は、第1クロック信号が印加される第1クロックパッド電極と、データ信号が印加されるデータパッド電極を含み、前記第1電圧は前記第1クロック信号の電位より高くてもよい。
【0027】
前記昇圧回路は、前記DCの入力電圧が印加されるダイオード連結構造の第1トランジスタと、前記第1トランジスタと第1ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第2トランジスタと、前記第1ノードと前記第1クロックパッド電極の間に連結された第1キャパシタを含むことができる。
【0028】
前記第1、2トランジスタの半導体層は一体に形成され、前記第1導電パターンから分岐されて延長され得る。
【0029】
前記複数のパッド電極は、前記第1クロック信号と異なる位相の第2クロック信号が印加される第2クロックパッド電極をさらに含み、
【0030】
前記昇圧回路は、前記第2トランジスタと第2ノードを挟んで直列連結されるダイオード連結構造の第3トランジスタと、前記第2ノードと前記第2クロックパッド電極の間に連結された第2キャパシタをさらに含むことができる。
【0031】
前記一つ以上の表示パネルはタイリング方式で配置された複数の表示パネルを含み、前記第1ルーティング電極は、すぐに隣り合う表示パネルに隣接した前記基板の側面に沿って配置され得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明では、タイリング方式の表示装置に含まれたサイドルーティング方式の表示パネルに対して、Agペーストのルーティング電極より高い電位を有する出力電圧を生成する昇圧回路を具備し、この出力電圧が印加される導電パターンをルーティング電極周辺に配置することができる。
【0033】
これに伴い、ルーティング電極が導電パターンを基準として低い電位のカソードとなることにより、ルーティング電極はAgペーストのイオン化マイグレーションが防止されて該当パッド電極上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極とパッド電極間の接触状態が実質的な変化なしに維持されて、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【0034】
また、タイリング方式の表示装置に含まれたサイドルーティング方式の表示パネルに対して、パッド電極がAgペーストのルーティング電極の周囲を囲む延長部を有するように形成することができる。
【0035】
これに伴い、等電位の延長部は、ルーティング電極でその周辺方向に電界の発生を実質的に遮蔽する領域として作用することになって、ルーティング電極はAgペーストのイオン化マイグレーションが防止されて該当パッド電極上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極とパッド電極間の接触状態が実質的な変化なしに維持されて、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の第1実施例に係るタイリング方式表示装置を概略的に図示した図面である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る表示装置の表示パネルを概略的に図示した図面である。
【
図3】本発明の第1実施例に係る表示装置の画素を概略的に図示した断面図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る表示パネルの非表示領域でのサイドルーティング方式連結構造を概略的に図示した図面である。
【
図5】表示パネルの非表示領域でルーティング電極のイオン化マイグレーションが発生した姿を概略的に図示した図面である。
【
図6】本発明の第1実施例に係る表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図7】本発明の第1実施例に係る表示パネルの昇圧回路の回路図である。
【
図8】本発明の第1実施例に係る表示パネルのパッド電極とこの周囲の導電パターン間の電界を概略的に図示した図面である。
【
図9】
図6の切断線IX-IX’に沿って図示した断面図である。
【
図10】
図6の切断線X-X’に沿って図示した断面図である。
【
図11】本発明の第1実施例に係る昇圧回路の他の例を図示した回路図である。
【
図12】本発明の第2実施例に係るタイリング方式表示装置の表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した図面である。
【
図13】本発明の第2実施例に係る表示パネルの昇圧回路の回路図である。
【
図14】本発明の第3実施例に係るタイリング方式表示装置の表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した図面である。
【
図15】本発明の第3実施例に係るパッド電極およびルーティング電極の電位分布を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で構成され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義され得る。
【0038】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので本発明が図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
【0039】
また、本発明を説明するにおいて、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及した「含む」、「有する」、「からなる」等が使われる場合、「~のみ」が使われない以上他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な基材事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0040】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むと解釈する。
【0041】
位置関係に対する説明の場合、例えば、「上に」、「上部に」、「下部に」、「そばに」等で二つの部分の位置関係が説明される場合、例えば、「すぐに」または「直接」が使われない以上二つの部分間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0042】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に引き続き」、「~次に」、「~前に」等で時間的前後関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない以上連続的でない場合も含むことができる。
【0043】
第1、第2等が多様な構成要素を叙述するために使われ得るが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0044】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例間に互いに対して独立的に実施可能であってもよく、相関関係で共に実施してもよい。
【0045】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。一方、以下の実施例では同一または類似する構成に対しては同一または類似する図面番号が付与され、その具体的な説明は省略されることもある。
【0046】
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例に係るタイリング方式表示装置を概略的に図示した図面である。
図2は、本発明の第1実施例に係るタイリング方式表示装置の表示パネルを概略的に図示した図面である。
図3は、本発明の第1実施例に係る表示装置の画素を概略的に図示した断面図である。
【0047】
図1を参照すると、本発明の実施例に係る表示装置10は、複数(多数)の表示パネル100がタイリング方式で密着配置されて単一の画面を形成する表示装置であり得る。
【0048】
このような複数の表示パネル100は、例えば複数の水平ライン(または行ライン)と垂直ライン(または列ライン)でマトリクス状に配置され、タイリング方式の表示装置10を構成することができる。
【0049】
一方、具体的に図示してはいないが、複数の表示パネル100の位置を固定してこれらを互いに結合するために、表示装置10の後方(または複数の表示パネル100の下)には固定フレームのような器具物が配置され得る。
【0050】
複数の表示パネル100それぞれは、例えば有機発光物質を使って形成された有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)を具備したOLED表示パネルであるか、無機発光物質を使って形成された発光ダイオード(light emitting diode:LED)を具備したLED表示パネルであり得る。他の例として、表示パネル100は液晶素子を具備した液晶表示パネルであってもよい。このように、本実施例の表示パネル100として多様な種類の表示パネルが使われ得る。
【0051】
一方、説明の便宜のために、本実施例では、LED表示パネルを例に挙げている。
【0052】
表示パネル100に関連して
図2を参照して詳察する。
図2を参照すると、表示パネル100には映像を表示する表示領域AA、表示領域AA周辺のベゼル領域である非表示領域NAが定義され得る。
【0053】
表示パネル100の表示領域AAには、基板上に複数の画素Pが複数の行ラインと複数の列ラインに沿ってマトリクス形態で配置され得る。一方、具体的に図示してはいないが、基板上には行方向に沿って延在した複数のゲート配線と列方向に沿って延在した複数のデータ配線が形成され得る。各画素Pは対応するゲート配線およびデータ配線と連結され得る。
【0054】
複数の画素Pは、カラー映像を表示する単位画素を構成する互いに異なるカラーとして、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)をそれぞれ表示するR、G、B画素Pを含むことができる。
【0055】
各画素Pには、基板上に複数の薄膜トランジスタと少なくとも一つのキャパシタと発光ダイオードが形成され得る。
【0056】
このような画素Pの構造に対して
図3を参照して詳察する。
図3では説明の便宜のために、画素Pに1個の例示的な薄膜トランジスタとして例えば駆動薄膜トランジスタTを図示した。
【0057】
表示パネル100の基板101の内面上に半導体層112が形成され得る。この時、半導体層112は非晶質シリコンや多結晶シリコンまたは酸化物半導体物質からなり得るが、これに限定されない。
【0058】
半導体層112は中央のチャネル領域とこの両側のソース領域およびドレイン領域を含むことができる。
【0059】
半導体層112上には絶縁物質からなる絶縁層としてゲート絶縁層115が形成され得る。ゲート絶縁層115は酸化シリコンや窒化シリコンのような無機絶縁物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0060】
ゲート絶縁層115上には金属などの導電性物質からなるゲート電極120が半導体層112のチャネル領域に対応して形成され得る。
【0061】
また、ゲート絶縁層115上には、スイッチング薄膜トランジスタ(図示されず)のゲート電極と連結されたゲート配線が形成され得る。
【0062】
ゲート電極120上には絶縁物質からなる層間絶縁層125が基板101の全面に形成され得る。層間絶縁層125は酸化シリコンや窒化シリコンのような無機絶縁物質で形成されるか、ベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)やフォトアクリル(photo acryl)のような有機絶縁物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0063】
層間絶縁層125およびこの下部のゲート絶縁層115には、半導体層112のソース領域およびドレイン領域をそれぞれ露出する第1コンタクトホールCH1および第2コンタクトホールCH2が備えられ得る。
【0064】
第1コンタクトホールCH1および第2コンタクトホールCH2はゲート電極120の両側にゲート電極120と離隔して位置する。
【0065】
層間絶縁層125上には金属などの導電性物質からなるソース電極131およびドレイン電極133が形成され得る。
【0066】
また、層間絶縁層125上には、ゲート配線と交差しスイッチング薄膜トランジスタのソース電極と連結されるデータ配線が形成され得る。
【0067】
ソース電極131およびドレイン電極133はゲート電極120を中心に離隔して位置し、それぞれ第1コンタクトホールCH1および第2コンタクトホールCH2を通じて半導体層112のソース領域およびドレイン領域と接触することができる。
【0068】
前記のように構成された半導体層112と、ゲート電極120と、ソース電極131およびドレイン電極133は薄膜トランジスタTを構成することができる。
【0069】
他の例として、薄膜トランジスタTは半導体層112の下部にゲート電極120が位置し、半導体層112の上部にソース電極131およびドレイン電極133が位置する逆スタガード(inverted staggered)構造を有することができる。
【0070】
ソース電極131およびドレイン電極133の上部には絶縁物質からなる絶縁層として第1保護層140が基板101の全面に形成され得る。
【0071】
第1保護層140は酸化シリコンや窒化シリコンのような無機絶縁物質やベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)やフォトアクリル(photo acryl)のような有機絶縁物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0072】
第1保護層140上には、各画素P内に発光ダイオードLEDが配置され得る。このような発光ダイオードLEDは例えばマイクロ大きさ(例えば、10um~100um)を有するマイクロ発光ダイオードであり得る。
【0073】
これに対し、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)画素Pのそれぞれには、該当カラーを発光する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)発光ダイオードLEDが配置され得る。
【0074】
このような発光ダイオードLEDはチップ形態で別途に製作され、表示パネル100の製作工程中に転写などの方法を通じて各画素Pに配置され得る。
【0075】
このような発光ダイオードLEDは無機物質の発光層SEを具備した無機発光ダイオードであり得る。例えば、発光層SEはIII-V族半導体物質(一例として、GaN)を使って形成され得る。
【0076】
ここで、発光層SEは例えばn-型半導体物質層と、p-型半導体物質層と、n-型半導体物質層およびp-型半導体物質層間に配置された多重量子井戸構造の活性層(またはアクティブ半導体物質層)を含むことができる。
【0077】
そして、発光ダイオードLEDは発光層SEのn-型半導体物質層とp-型半導体物質層に接触する2個の電極である第1電極E1と第2電極E2を含むことができる。本実施例では、説明の便宜のために、第1電極E1が発光層SEのn-型半導体物質層に接触し、第2電極E2が発光層SEのp-型半導体物質層に接触する場合を例に挙げている。これとは反対に、第1電極E1が発光層SEのp-型半導体物質層に接触し、第2電極E2が発光層SEのn-型半導体物質層に接触するように構成されてもよい。
【0078】
発光ダイオードLEDの第1、2電極E1、E2は透明導電物質(一例として、ITO)で形成され得るが、これに限定されない。
【0079】
発光ダイオードLED上には絶縁物質からなる絶縁層として第2保護層145が形成され得る。第2保護層145は酸化シリコンや窒化シリコンのような無機絶縁物質やベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)やフォトアクリル(photo acryl)のような有機絶縁物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0080】
第2保護層145および第1保護層140には薄膜トランジスタTのドレイン電極133を露出する第3コンタクトホールCH3が形成され得る。
【0081】
そして、第2保護層145には発光ダイオードLEDの第1電極E1を露出する第4コンタクトホールCH4が形成され得る。
【0082】
第2保護層145上には連結電極(または第1連結電極)150が形成され得る。このような連結電極150は第3コンタクトホールCH3を通じて薄膜トランジスタTのドレイン電極133に連結され得る。そして、連結電極150は第4コンタクトホールCH4を通じて発光ダイオードLEDの第1電極E1に連結され得る。
【0083】
このように、連結電極150を通じて薄膜トランジスタTは発光ダイオードLEDに連結され得る。このような連結電極150は透明導電物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0084】
連結電極150上には第3保護層155が形成され得る。第3保護層155は酸化シリコンや窒化シリコンのような無機絶縁物質やベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)やフォトアクリル(photo acryl)のような有機絶縁物質で形成され得るが、これに限定されない。
【0085】
第3保護層155には発光ダイオードLEDの第2電極E2を露出する第5コンタクトホールCH5が形成され得る。
【0086】
第3保護層155上には実質的に表示領域AA全体に亘って形成された共通電極(または第2連結電極)160が形成され得る。このような共通電極160には発光ダイオードLEDを駆動するための電源電圧(または駆動電圧)として、一例として高電位電源電圧VDDが印加され得る。
【0087】
この共通電極160は、各画素Pの発光ダイオードLEDの第2電極E2に第5コンタクトホールCH5を通じて連結され得る。これに伴い、共通電極160を通じて第2電極E2に高電位電源電圧VDDが印加され得る。
【0088】
共通電極160上には接着層170が形成され得る。接着層170は、例えばOCAのように透明な光学接着物質で形成され得る。
【0089】
接着層170上には保護フィルム175が位置することができる。このような保護フィルム175は接着層170を通じて表示パネル100に付着され得る。
【0090】
一方、表示パネル100の非表示領域NAには、表示パネル100を駆動するための多様な駆動信号が印加される複数のパッド電極が配置され得る。
【0091】
これに対して、例えば表示パネル100の一側の非表示領域NAであって、隣り合う表示パネル100に近い非表示領域NAには駆動信号が印加される複数のパッド電極が配置され得る。
【0092】
一方、表示パネル100の後方(またはその基板101の後方)には、複数のパッド電極に電気的に連結されて該当駆動信号を提供する駆動回路が配置され得る。
【0093】
このような駆動回路とパッド電極を連結するために、パッド電極が形成された表示パネル100部分(または基板101部分)のサイド部(またはエッジ部)にはAgペーストで形成されたルーティング電極が形成され得る。
【0094】
これに対して例えば、表示パネル100の基板101のサイド部の表面(すなわち、上面と側面と背面)に沿ってルーティング電極が形成されて、基板101の下に位置する駆動回路と基板101上に形成されたパッド電極がルーティング電極を通じてサイドルーティング方式で連結され得るようになる。
【0095】
このように、サイドルーティング方式で連結されることによって、表示パネル100はナロー(narrow)ベゼルを有することができるようになって、使用者は隣り合う表示パネル100の連結部品(すなわち、隣り合う表示パネル100のベゼル領域)を実質的に認識できなくなる。これに対して例えば、隣り合う表示パネル100それぞれの互いに隣接した非表示領域NAの幅は、略3個のR、G、B画素Pの幅(またはピッチ)以下となり得る。
【0096】
このようなサイドルーティング方式の連結構造に関連して、
図4を共に参照して詳察する。
図4は、本発明の第1実施例に係る表示パネルの非表示領域でのサイドルーティング方式連結構造を概略的に図示した図面である。一方、
図4では、説明の便宜のために、サイドルーティング方式の連結構造を中心に図示し、残りの構成については簡略に図示した。
【0097】
図4を参照すると、基板101の上面の上にはパッド電極PADが形成され、基板101の背面の下には駆動回路200が配置され得る。
【0098】
このような場合、Agペーストで形成されたルーティング電極REが基板101のサイド部の上面と背面および側面に沿って延在した形態で形成され得る。
【0099】
これに対して、ルーティング電極REは、基板101の背面を覆う後方部分と、基板101の側面(例えば、隣り合う表示パネル100の基板101の側面に対向する側面)を覆う側方部分と、基板101の上面を覆う前方部分を含むことができる。
【0100】
ここで、ルーティング電極REの後方部分は駆動回路200の出力端子と接続され、ルーティング電極REの前方部分は基板101上のパッド電極PADと連結され得る。
【0101】
このように、基板101のサイド部の表面に沿って後方から前方に延在した形態のルーティング電極REを通じて、駆動回路200から出力された駆動信号が該当パッド電極PADに伝達され得るようになる。
【0102】
一方、表示パネル100は、ルーティング電極REを覆って保護する保護部材PMを含むことができる。保護部材PMは有機絶縁物質からなり得、例えばブラック染料を含有してブラックの色相を有することができる。
【0103】
さらに、表示パネル100は、保護部材PMの側面および背面を覆うシーリング部材SMを含むことができる。このようなシーリング部材SMは例えば弾性物質で形成され得る。
【0104】
互いに隣り合う表示パネル100のシーリング部材SMは互いに密着するように配置され、表示パネル100間の離隔空間を充填できるようになる。これに伴い、隣り合う表示パネル100が互いに最大限に密着して密着による部品の破損を防止することができるようになる。
【0105】
一方、シーリング部材SMおよび保護部材PM上には、表示領域AAから延在した接着層170および保護フィルム175が位置することができる。
【0106】
前記のように、本実施例の表示パネル100はAgペーストのルーティング電極REを通じてパッド電極PADと駆動回路200の間を電気的に連結することができるようになるので、隣り合う表示パネル100の間は側面の間隔が実質的に最小化され、非表示領域NAの大きさも実質的に最小化され得るようになる。したがって、タイリング方式の表示装置10で、表示パネル100間の連結部品でベゼルの大きさが実質的に最小化されて使用者に連結部品が視認されないようになる。
【0107】
一方、Agペーストのルーティング電極REおよびその周辺に位置して相対的に低い電位を有する電極または配線間に電位差が発生して、Agペーストの位置が固定されずに移動するマイグレーション(migration)が発生し得る。このような場合、Agペーストのルーティング電極REはパッド電極PADに固定されずに電位差による電界方向に移動することになって、結果的にルーティング電極REとパッド電極PADが電気的にオープンになる欠陥が発生することになる。
【0108】
これについて。
図4および5を共に参照して詳察する。
【0109】
まず、
図4を参照して、例えば、パッド電極PADは相対的に高い電位(一例として、13V)を有し、それより内側に位置する電極として例えば共通電極160は相対的に低い電位(一例として、8V)を有することができる。
【0110】
このような場合、パッド電極PADは相対的に高い電位を有するアノードに該当し、共通電極160は相対的に低い電位を有するカソードに該当する。
【0111】
これに伴い、高電位のパッド電極PADから低電位の共通電極160に向かう電界Eが発生し得る。
【0112】
このような電界Eにより、ルーティング電極REではこれを形成するAgのイオン化が進行されてAg+が発生し得る。また、含湿状態の接着層170ではこれに含まれた水成分であるH2Oのイオン化が進行されてOH-が発生し得る。
【0113】
この時、電界Eはパッド電極PADから共通電極160に向かう方向に発生するので、
図5に図示した通り、ルーティング電極REのAg
+が保護部材PMと接着層170間の界面に移動して接着層170のOH-と結合することになる。
【0114】
これに伴い、下記のような化学式のように、Ag酸化物であるAgO2(AO)が接着層170内で生成され得るようになる。
【0115】
化学式:Ag++OH- -> 2AgOH-> Ag2O + H2O.
【0116】
このようなAgO2は接着層170に沿って表示パネル100の内部に成長できるようになる。
【0117】
このように、Agペーストのルーティング電極REは周辺の低電位の電極(または配線)に対してアノードとして作用し、これに伴い、そのイオン化物質であるAg+が接着層170に移動してAgO2(AO)が生成されて成長することになる。
【0118】
このようなイオン化マイグレーションにより、パッド電極PAD上にはルーティング電極REが減少してパッド電極PADとルーティング電極RE間の接触抵抗が上昇することになり、イオン化マイグレーションが進行されるにつれてパッド電極PADとルーティング電極RE間に電気的にオープンになる問題が発生し得ることになる。
【0119】
これに対して、本実施例の表示装置10には、ルーティング電極RE(またはパッド電極PAD)の周囲に沿ってルーティング電極REより高い電位を有してルーティング電極REのイオン化マイグレーションを防止する導電パターン(または逆電位導電パターン)を具備することができる。
これに伴い、ルーティング電極REは相対的に低い電位のカソードとして機能し、ルーティング電極RE周囲に形成された導電パターンは相対的に高い電位のアノードとして機能できるようになるので、ルーティング電極REのイオン化マイグレーションが防止(または最小化)され得るようになる。
【0120】
このようなルーティング電極REのマイグレーション防止構造について、以下でより詳細に説明する。
【0121】
図6は、本発明の第1実施例に係る表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した平面図である。
図7は、本発明の第1実施例に係る表示パネルの昇圧回路の回路図である。
図8は、本発明の第1実施例に係る表示パネルのパッド電極とこの周囲の導電パターン間の電界を概略的に図示した図面である。
図9は
図6の切断線IX-IX’に沿って図示した断面図であり、
図10は
図6の切断線X-X’に沿って図示した断面図である。
【0122】
図6~10を参照すると、本実施例に係る表示パネル100の基板101上の非表示領域NAには複数のパッド電極PADが配置され得る。複数のパッド電極PADは、例えば、クロック信号CLKが印加される少なくとも一つのクロックパッド電極(または第1パッド電極)PAD1と、データ信号が印加される少なくとも一つのデータパッド電極(または第2パッド電極)PAD2を含むことができる。本実施例では、説明の便宜のために、1個のクロックパッド電極PAD1と4個のデータパッド電極PAD2を図示した。
【0123】
このようなパッド電極PADは、例えば、
図9に図示した通り、画素(
図3のP)内のソース電極(
図3の131)およびドレイン電極(
図3の133)と同一層に位置することができるが、層間絶縁層125上に位置することができる。
【0124】
このような複数のパッド電極PAD上には、これらのそれぞれに対応する複数のルーティング電極REが配置され得る。このような複数のルーティング電極REは、例えば、クロックパッド電極PAD1に対応するクロックルーティング電極RE1と、データパッド電極PAD2に対応するデータルーティング電極RE2を含むことができる。
【0125】
ルーティング電極REは該当パッド電極PADとコンタクトホールCHpを通じて連結され得るが、例えば、
図9に図示した通り、これら間に位置する第1~第3保護層140、145、155に形成されたパッドコンタクトホールCHpを通じて互いに接触することができる。
【0126】
このようなルーティング電極REは対応するパッド電極PADと実質的に同じ大きさ(例えば、幅)を有するように構成され得るが、これに限定されはしない。
【0127】
一方、パッド電極PADは該当駆動信号を表示パネル100の内部に伝達する信号配線と連結され得る。例えば、クロックパッド電極PAD1は、その前方である表示領域AA方向に延びてクロック信号CLKを伝達するクロック配線CLと連結され得る。ここで、クロック配線CLは例えば表示パネル100の基板101の非表示領域NAに形成されたGIP方式のゲート駆動部に連結されてクロック信号CLKを伝達でき、このクロック信号CLKを利用してゲート信号を発生させることができる。
【0128】
そして、データパッド電極PAD2は、その前方である表示領域AA方向に延びてデータ信号を伝達するデータ配線DLと連結され得る。
【0129】
さらに、本実施例の基板101上の非表示領域NAには、昇圧回路CONとこれと連結されて昇圧された高電位電圧Voutが印加される導電パターンEPが形成され得る。
【0130】
昇圧回路CONの回路的構成に関連して
図7を参照すると、昇圧回路CONは互いに直列連結された第1、2トランジスタTc1、Tc2と、第1、2トランジスタTc1、Tc2の間のノードNに連結されたキャパシタCcを含むことができる。
【0131】
ここで、本実施例では、説明の便宜のために、第1、2トランジスタTc1、Tc2がp-型トランジスタで構成される場合を例に挙げている。
【0132】
昇圧回路CONの第1、2トランジスタTc1、Tc2は、画素(
図3のP)内の薄膜トランジスタ(
図3のT)を形成する過程で同一に形成され得る。
【0133】
第1トランジスタTc1の入力端子(または入力電極または第1電極)、例えば第1ソース電極134はDC(すなわち、直流)電圧が入力電圧Vinとして印加され得る。ここで、DC入力電圧Vinは表示パネル100を駆動するために表示パネル100に入力される多様なDC駆動電圧(例えば、高電位電源電圧VDD、低電位駆動電圧、基準電圧など)のうち一つが使われ得る。本実施例では、DC入力電圧Vinとして高電位電源電圧VDDを使う場合を例に挙げている。この場合、第1トランジスタTc1は、入力電圧Vinの高電位電源電圧VDDを伝送する伝送配線PLと連結されるように構成され得る。
【0134】
第1トランジスタTc1の出力端子(または出力電極または第2電極)、例えば第1ドレイン電極135はノードNに連結され、また、該当第1ゲート電極121に連結され得る。このように、第1トランジスタTc1はダイオード連結構造で構成され、このダイオード連結構造はその入力端子から出力端子方向に電流経路が形成され得る。
【0135】
第2トランジスタTc2は第1トランジスタTc1と同様に構成され得る。これに対して、第2トランジスタTc2の入力端子(または入力電極または第1電極)、例えば第2ソース電極136はノードNに連結され得る。そして、第2トランジスタTc2の出力端子(または出力電極または第2電極)、例えば第2ドレイン電極137は、昇圧回路CONの出力側負荷(load)に該当する導電パターンEPに連結され、また、該当第2ゲート電極122に連結され得る。このように、第2トランジスタTc2はダイオード連結構造で構成され、このダイオード連結構造はその入力端子から出力端子方向に電流経路が形成され得る。
【0136】
キャパシタCcはノードNとクロックパッド電極PAD1(またはクロック配線CL)の間に連結され得る。このようなキャパシタCcは一電極(または第1電極)CE1がノードNに連結され、他電極(または第2電極)CE2がクロックパッド電極PAD1に連結されてクロック信号CLKが印加され得る。
【0137】
前記のように構成された昇圧回路CONは、入力電圧Vin(例えば、高電位電源電圧VDD)に対してクロック信号CLKを利用して昇圧された出力電圧Voutを導電パターンEPに印加できるようになる。
【0138】
ここで、出力電圧Voutの電位は、入力電圧VinのDC電位およびクロック信号CLKの振幅によって決定され得る。これに関連して、例えば、高電位電源電圧VDD(例えば、略8V)がDC入力電圧Vinとして使われ、クロック信号CLKの振幅が略17Vである場合、DC出力電圧Voutは略25Vとなり得る。
【0139】
このような昇圧回路CONの積層構造に関連して
図10を参照することができる。これに対して、基板101上には、第1、2トランジスタTc1、Tc2それぞれに対応して該当半導体層である第1、2半導体層113、114が形成され得る。このような第1、2半導体層113、114は一体のパターン(または共通パターン)で形成され得る。
【0140】
この半導体層113、114上のゲート絶縁層115上には、第1、2トランジスタTc1、Tc2それぞれのゲート電極である第1、2ゲート電極121、122が形成され得る。
【0141】
第1、2ゲート電極121、122を覆う層間絶縁層125上には、第1トランジスタTc1のソース電極およびドレイン電極である第1ソース電極134および第1ドレイン電極135と、第2トランジスタTc2のソース電極およびドレイン電極である第2ソース電極136および第2ドレイン電極137が形成され得る。
【0142】
第1ソース電極134および第1ドレイン電極135それぞれは、該当コンタクトホールを通じて第1半導体層113のソース領域およびドレイン領域に接触することができる。そして、第2ソース電極136および第2ドレイン電極137それぞれは、該当コンタクトホールを通じて第2半導体層114のソース領域およびドレイン領域に接触することができる。
【0143】
ここで、第1ドレイン電極135および第2ソース電極136は一体のパターンで形成され得る。
【0144】
一方、第1ドレイン電極135と第1ゲート電極121はこれら間の層間絶縁層125に形成されたコンタクトホール(図示されず)を通じて連結され得る。これと同様に、第2ドレイン電極137と第2ゲート電極122はこれら間の層間絶縁層125に形成されたコンタクトホール(図示されず)を通じて連結され得る。
【0145】
一方、キャパシタCcの第2電極CE2は、例えばクロック配線CLから延在した形態で形成され得、これは第1、2ソース電極134、136および第1、2ドレイン電極135、137と同一物質で同一層に形成され得る。
【0146】
そして、キャパシタCcの第1電極CE1は、例えば第1ゲート電極121から延在した形態で形成され得、これは第1、2ゲート電極121、122と同一物質で同一層に形成され得る。
【0147】
昇圧回路CONの出力端に連結されてその出力電圧Voutが印加される導電パターンEPは、互いに接触するパッド電極PADおよびルーティング電極REの周囲を囲むように形成され得る。
【0148】
これに対して例えば、導電パターンEPは、ルーティング電極REの幅方向の両側に位置する第1パターン部EP1と、ルーティング電極REの長さ方向の表示領域AA側に位置する第2パターン部EP2を含むことができる。一例として、第2パターン部EP2は図面で水平方向に延びる形態で形成され得、第1パターン部EP1は第2パターン部EP2から分岐されて基板101の一側終端に延びる形態で形成され得る。
【0149】
このように、ルーティング電極REのその周辺に沿って導電パターンEPが配置され、ルーティング電極REは実質的に導電パターンEPにより周辺の配線や電極と空間的に隔離された状態を有することができる。
【0150】
このような導電パターンEPは導電性を有するように構成されるが、例えば、ドーピングされた半導体層で構成され得る。これに関連して、導電パターンEPは、第1、2トランジスタTc1、Tc2の半導体層113、114と同じ半導体物質で形成され得る。さらに、第1、2トランジスタTc1、Tc2の半導体層113、114は導電パターンEPと一体型構造で形成され得、この場合、この半導体層113、114は導電パターンEPから分岐されて延びるように構成され得る。
【0151】
前記のように、高い電位の出力電圧Voutが印加された導電パターンEPがルーティング電極REの周辺に沿って形成されることによって、ルーティング電極REは導電パターンEPより低い電位を有するカソードとして役割をすることになる。
【0152】
これに対して例えば、導電パターンEPに印加された出力電圧Voutは略25Vの電位を有することができる。そして、クロックルーティング電極RE1に印加されるクロック信号CLKのハイ電圧は略13Vの電位を有することができる。また、データルーティング電極RE2に印加されるデータ信号は略0V~7V範囲内の電位を有することができる。
【0153】
このように、導電パターンEPの電位はルーティング電極REの電位より高くなる。これに伴い、導電パターンEPとルーティング電極RE間には、導電パターンEPがアノードの役割をし、ルーティング電極REがカソードの役割をすることになる。
【0154】
これによって、
図8に図示した通り、高い電位の導電パターンEPから低い電位のルーティング電極REに向かう方向に電界Eが発生することになる。
【0155】
このように、導電パターンEPがない場合と比較する時、導電パターンEPが配置された本実施例ではルーティング電極REがカソードとなってルーティング電極REに向かう逆方向の電界Eが発生し得る。
【0156】
これに伴い、高い電位の導電パターンEPがルーティング電極REのAgイオン(すなわち、Ag+)の移動に対する電位障壁として作用することになって、Agイオンが該当パッド電極PAD周辺に向かって実質的に移動せずパッド電極PAD上でその位置が固定された状態で留まることができるようになる。
【0157】
前記のように、本実施例では、ルーティング電極REに印加される駆動信号(例えば、最も高い電位のクロック信号)より高い電位を有する出力電圧Voutを生成する昇圧回路CONを具備し、この出力電圧Voutが印加される導電パターンEPをルーティング電極RE周囲に配置することになる。
【0158】
これに伴い、ルーティング電極REが導電パターンEPを基準として低い電位のカソードとなることにより、ルーティング電極REはイオン化マイグレーションが防止されて該当パッド電極PAD上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極REとパッド電極PAD間の接触状態が実質的な変化なしに維持され、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【0159】
図11は、本発明の第1実施例に係る昇圧回路の他の例を図示した回路図である。
【0160】
図11を参照すると、昇圧回路CONの第1、2トランジスタTc1、Tc2はn-型トランジスタで構成され得る。
【0161】
これに伴い、第1トランジスタTc1の入力端子、例えば第1ドレイン電極は入力電圧Vinの入力を受け、また、該当第1ゲート電極に連結され得る。そして、第1トランジスタTc1の出力端子、例えば第1ソース電極はノードNに連結され得る。
【0162】
第1トランジスタTc1と同様に、第2トランジスタTc2の入力端子、例えば第2ドレイン電極はノードNに連結され、また、該当第2ゲート電極に連結され得る。そして、第2トランジスタTc2の出力端子、例えば第2ソース電極は昇圧回路CONの出力端に連結され得る。
【0163】
このように、第1、2トランジスタTc1、Tc2が
図11に図示したようにn-型で構成された場合、ダイオード連結構造を構成する電極の連結位置が、
図7および10に図示したp-型で構成された場合と異なるようになる。
【0164】
<第2実施例>
図12は、本発明の第2実施例に係るタイリング方式表示装置の表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した図面である。
図13は、本発明の第2実施例に係る表示パネルの昇圧回路の回路図である。
【0165】
以下の説明では、前述した第1実施例と同一または類似する構成に対しては具体的な説明を省略することがある。
【0166】
図12では、説明の便宜のために、表示パネル100の非表示領域NAに配置された複数のパッド電極PADのうち互いに異なるクロック信号CLK1、CLK2が印加される2個のクロックパッド電極PAD11、PAD12を例にして図示した。もちろん、非表示領域NAには、前述した第1実施例と同様にデータパッド電極が配置され得る。
【0167】
図12および13を参照すると、本実施例の表示パネル100では、第1実施例と比較する時、昇圧率がさらに高い特性の昇圧回路CONが備えられ得る。
【0168】
このように昇圧率を高めるための昇圧回路CONは、3個以上の直列連結されたトランジスタTc1、Tc2、Tc3および隣り合うトランジスタ間のノードN1、N2に連結された2個以上のキャパシタCc1、Cc2を具備することができる。
【0169】
一方、本実施例では、説明の便宜のために、3個のトランジスタである第1~第3トランジスタTc1~Tc3と、2個のキャパシタである第1および第2キャパシタCc1、Cc2で構成された昇圧回路CONを例に挙げている。
【0170】
まず、パッド電極PADおよびルーティング電極REに関連して詳察すると、パッド電極PADは互いに異なる位相(または互いに反対となる位相)の第1、2クロック信号CLK1、CLK2が印加される第1、2クロックパッド電極PAD11、PAD12を含むことができる。
【0171】
そして、ルーティング電極REは、第1、2クロックパッド電極PAD11、PAD12それぞれに対応する第1、2クロックルーティング電極RE11、RE12を含むことができる。
【0172】
ここで、前述した第1実施例と同様に、ルーティング電極REは該当パッド電極PADとコンタクトホールを通じて連結され得る。
【0173】
昇圧回路CONの回路的構成に関連して
図12および13を参照すると、昇圧回路CONは互いに直列連結された第1、2、3トランジスタTc1、Tc2、Tc3と、第1、2トランジスタTc1、Tc2の間の第1ノードN1に連結された第1キャパシタCc1と、第2、3トランジスタTc1、Tc2の間の第2ノードN1に連結された第2キャパシタCc2を含むことができる。
【0174】
ここで、本実施例では、説明の便宜のために、第1、2、3トランジスタTc1、Tc2、Tc3がp-型トランジスタで構成される場合を例に挙げている。
【0175】
第1トランジスタTc1の入力端子、例えば第1ソース電極134は入力電圧Vinが印加され得る。そして、第1トランジスタTc1の出力端子、例えば第1ドレイン電極135は第1ノードN1に連結され、また、該当第1ゲート電極121に連結され得る。
【0176】
第1トランジスタTc1と同様に、第2トランジスタTc2の入力端子、例えば第2ソース電極136は第1ノードN1に連結され得る。そして、第1トランジスタTc1の出力端子、例えば第2ドレイン電極137は第2ノードN2に連結され、また、該当第2ゲート電極122に連結され得る。
【0177】
第1、2トランジスタTc1、Tc2と同様に、第3トランジスタTc3の入力端子、例えば第3ソース電極138は第2ノードN2に連結され得る。そして、第3トランジスタTc3の出力端子、例えば第3ドレイン電極139は、昇圧回路CONの出力側負荷である導電パターンEPに連結され、また、該当第3ゲート電極123に連結され得る。
【0178】
第1キャパシタCc1は第1ノードN1と第1クロックパッド電極PAD11(または第1クロック配線CL1)の間に連結され得る。このような第1キャパシタCc1は第1電極CE11が第1ノードN1に連結され、第2電極CE12が第1クロックパッド電極PAD11に連結されて第1クロック信号CLK1が印加され得る。
【0179】
第2キャパシタCc2は第2ノードN2と第2クロックパッド電極PAD12(または第2クロック配線CL2)の間に連結され得る。このような第2キャパシタCc2は第1電極CE21が第2ノードN2に連結され、第2電極CE22が第2クロックパッド電極PAD12に連結されて第2クロック信号CLK2が印加され得る。
【0180】
前記のように構成された昇圧回路CONは、入力電圧Vin(例えば、高電位電源電圧VDD)に対して互いに異なる位相の第1、2クロック信号CLK1、CLK2を利用して昇圧された出力電圧Voutを導電パターンEPに印加できるようになる。
【0181】
このように、互いに異なる位相の第1、2クロック信号CLK1、CLK2を利用することによって、クロック信号の振幅が実質的に増加した出力電圧Voutを発生させることができる。
【0182】
したがって、単一のクロック信号を利用する第1実施例と比較して、昇圧回路CONの昇圧率が上昇し、さらに高い電位の出力電圧Voutを発生させることができるようになる。
【0183】
これに伴い、導電パターンEPにさらに高い電位の出力電圧Voutが要求される場合、これを満たすことができる。
【0184】
また、導電パターンEPの電位がさらに高くなり得るため、ルーティング電極REのイオン化マイグレーション防止作用がさらに強化され得、パッド電極PAD上にルーティング電極REをより強く固定させてオープン欠陥がより確実に防止され得る。
【0185】
<第3実施例>
図14は、本発明の第3実施例に係るタイリング方式表示装置の表示パネルの非表示領域の一部を概略的に図示した図面である。
図15は、本発明の第3実施例に係るパッド電極およびルーティング電極の電位分布を図示した図面であって、
図14のA-A’に沿った位置での電位分布を図示した図面である。
【0186】
以下の説明では、前述した第1、2実施例と同一または類似する構成に対しては具体的な説明を省略することがある。
【0187】
図14では、説明の便宜のために、表示パネル100の非表示領域NAに配置された複数のパッド電極PADのうちクロック信号CLKが印加される1個のクロックパッド電極PAD1とクロックパッド電極PAD1の両側に位置する2個のデータパッド電極PAD2を例にして図示した。
【0188】
図14を参照すると、本実施例の表示パネル100には、第1、2実施例と異なるルーティング電極マイグレーション防止構造が適用され得る。
【0189】
これに対して例えば、本実施例では、パッド電極PADがルーティング電極REより大きい形状と大きさを有してルーティング電極REの外側に延在した形態を有し、その延長部PADeがルーティング電極RE周囲を囲むように形成され得る。
【0190】
このような延長部PADeは、
図15に図示した通り、ルーティング電極REと同じ電位すなわち等電位を有することになる。これに伴い、延長部PADeとルーティング電極RE間には実質的に電界が発生しなくなって、ルーティング電極REのAgイオン(すなわち、Ag
+)がその周辺に移動することが防止され得るようになる。
【0191】
このように、ルーティング電極RE周囲を囲むように延在した形態を有するパッド電極PADを利用したルーティング電極マイグレーション防止構造について、より詳細に説明する。
【0192】
パッド電極PADは対応するルーティング電極REと重なり、実質的に接触する部分である接続部(または重なり部)PADcと、重なり部PADcからルーティング電極REの外側に延在した延長部PADeを含むことができる。
【0193】
ここで、パッド電極PADの延長部PADeは、ルーティング電極REの幅方向の両側に延び、またルーティング電極REの長さ方向の表示領域AA側に延長され得る。
【0194】
このように、パッド電極PADはその延長部PADeがルーティング電極REの周囲を囲むように形成され得る。
【0195】
この時、パッド電極PADの延長部PADeはその延長幅(または長さ)l(すなわち、ルーティング電極REの境界から延長部PADeの外側の境界までの距離)は、ルーティング電極REでその周辺に電界の発生を実質的に防止できるほどの大きさを有するように設定され得る。例えば、パッド電極PADの延長部PADeの幅lはルーティング電極REの幅wの1/2倍以上であり得るが、これに限定されはしない。
【0196】
前記のようにパッド電極PADがルーティング電極RE周囲を囲む延長部PADeを有することによって、ルーティング電極RE領域とその周辺の延長部PADe領域は等電位をなすことになる。
【0197】
これに伴い、等電位の延長部PADe領域は、ルーティング電極REでその周辺方向に電界の発生を実質的に遮蔽するバッファーのような領域として作用することになる。
【0198】
これによって、ルーティング電極REのAg+は実質的に延長部PADe領域を越えて移動できずパッド電極PAD上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極REとパッド電極PAD間の接触状態が実質的な変化なしに維持されて、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【0199】
一方、
図14の第3実施例の表示パネル100に対して、前述した第1または第2実施例のマイグレーション防止構造である昇圧回路および導電パターンを利用した構造が適用され得る。例えば、第1または第2実施例の昇圧回路(
図6または12のCON)が備えられ、パッド電極PADの延長部PADeに加えて昇圧回路と連結された導電パターン(
図6または12のEP参照)がパッド電極PAD(またはルーティング電極RE)の周囲に沿って配置され得る。このように、第1または第2実施例と第3実施例のマイグレーション防止構造が組み合わせられると、ルーティング電極REのイオン化マイグレーション防止効果は最大化され得る。
【0200】
一方、前述した実施例ではサイドルーティング方式の表示パネルがタイリング方式で配置された表示装置を例に挙げた。これとは異なり、サイドルーティング方式の単一の表示パネルを含む表示装置も前述した実施例が適用され得る。
【0201】
前述した通り、本発明の実施例によると、タイリング方式の表示装置に含まれたサイドルーティング方式の表示パネルに対して、Agペーストのルーティング電極より高い電位を有する出力電圧を生成する昇圧回路を具備し、この出力電圧が印加される導電パターンをルーティング電極周辺に配置することができる。
【0202】
これに伴い、ルーティング電極が導電パターンを基準として低い電位のカソードとなることにより、ルーティング電極はAgペーストのイオン化マイグレーションが防止されて該当パッド電極上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極とパッド電極間の接触状態が実質的な変化なしに維持されて、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【0203】
また、タイリング方式の表示装置に含まれたサイドルーティング方式の表示パネルに対して、パッド電極がAgペーストのルーティング電極の周囲を囲む延長部を有するように形成することができる。
【0204】
これに伴い、等電位の延長部は、ルーティング電極でその周辺方向に電界の発生を実質的に遮蔽する領域として作用することになって、ルーティング電極はAgペーストのイオン化マイグレーションが防止されて該当パッド電極上に固定された状態で位置することができる。したがって、ルーティング電極とパッド電極間の接触状態が実質的な変化なしに維持されて、これら間の電気的オープン欠陥が防止され得るようになる。
【0205】
前述した本発明の実施例は本発明の一例であり、本発明の精神に含まれる範囲内から自由な変形が可能である。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲およびこれと等価となる範囲内での本発明の変形を含む。
【符号の説明】
【0206】
10:表示装置
100:表示パネル
101:基板
113:第1半導体層
114:第2半導体層
121:第1ゲート電極
122:第2ゲート電極
134:第1ソース電極
135:第1ドレイン電極
136:第2ソース電極
137:第2ドレイン電極
AA:表示領域
NA:非表示領域
PAD:パッド電極
PAD1、PAD2:クロックパッド電極、データパッド電極
RE:ルーティング電極
RE1、RE2:クロックルーティング電極、データルーティング電極
EP:導電パターン
EP1、EP2:第1、2パターン部
CON:昇圧回路
Tc1、Tc2:第1、2トランジスタ
Cc:キャパシタ
CE1、CE2:第1、2電極
Vin:入力電圧
VDD:高電位電源電圧
PL:伝送配線
CL:クロック配線
DL:データ配線
CLK:クロック信号