(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】微細気泡水生成器及びその構造体
(51)【国際特許分類】
E03C 1/02 20060101AFI20240823BHJP
B01F 23/2375 20220101ALI20240823BHJP
B01F 25/10 20220101ALI20240823BHJP
B01F 25/20 20220101ALI20240823BHJP
B01F 25/431 20220101ALI20240823BHJP
B01F 25/452 20220101ALI20240823BHJP
【FI】
E03C1/02
B01F23/2375
B01F25/10
B01F25/20
B01F25/431
B01F25/452
(21)【出願番号】P 2023171828
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2024-04-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154233
【氏名又は名称】株式会社富士計器
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正志
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-108803(JP,A)
【文献】特開2023-026130(JP,A)
【文献】中国実用新案第212129335(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/02
B01F 23/2375
B01F 25/20
B01F 25/431
B01F 25/10
B01F 25/452
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水に含まれる気泡を微細化して多くの微細気泡を含有する微細気泡水生成器の構造体であって、
水道水の流入口側に配置され、前記構造体の内部に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔を有する取水面体と、
前記構造体からの流出口側に配置され、前記構造体の内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔を有する出水面体と、
前記取水面体の外周面と前記出水面体の外周面を支持する中空の円筒体と、から構成され、
前記構造体は、前記水道水を供給する水道水供給管又はチューブの種々の通水管の内壁サイズに適合する外径サイズの円筒体、取水面体、出水面体が選択され、前記水道管中に予め挿入セットされている、
ことを特徴とする微細気泡水生成器の構造体。
【請求項2】
前記取水面体における前記分岐孔の数と前記出水面体における前記分岐孔の数は同数である、ことを特徴とする請求項1に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項3】
前記円筒体の内部において、前記取水面体側から前記出水面体側に至る流水路において、水流を複数に分岐する一又は複数の中間流水分岐体を、さらに備える請求項1に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項4】
前記取水面体、前記出水面体又は前記中間流水分岐体における前記分岐孔はそれぞれ円形状又は楕円形形状を成す、ことを特徴とする請求項3に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項5】
前記中間流水分岐体における前記分岐孔の数は、前記取水面体と前記出水面体における前記分岐孔の数と同数である、ことを特徴とする請求項3に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項6】
前記取水面体、前記出水面体及び前記中間流水分岐体における前記分岐孔の数は3又は4である、ことを特徴とする請求項5に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項7】
前記取水面
体側から前記出水面
体側への流水方向から見て、前記取水面体、前記出水面体及び前記中間流水分岐体におけるそれぞれの分岐孔の中心位置は、一致しないよう所定の角度ズレて配置されている、ことを特徴する請求項6に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項8】
前記取水面体と前記出水面体は、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材により形成され、前記取水面体と前記取水面体における分岐孔は、その流水方向に中心軸が、前記水道水供給管の軸に対して傾斜するよう設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項9】
前記取水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜と、前記出水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項10】
前記中間流水分岐体は、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材により形成され、当該中間流水分岐体に設けられた分岐孔は、その流水方向に中心軸が、前記水道水供給管の軸に対して傾斜するよう設けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項11】
前記取水面
体側から前記出水面
体側への流水方向から見て、前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体におけるそれぞれの分岐孔の中心位置は、一致しないよう所定の角度だけズレて配置されている、ことを特徴する請求項10に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項12】
前記取水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜と、前記中間流水分岐体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けられる、ことを特徴とする請求項11に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項13】
前記取水面体に設けられた前記分岐孔の前記水道水供給管の軸に対する傾斜、一又は複数の前記中間流水分岐体における前記分岐孔の傾斜、前記出水面体における前記分岐孔の傾斜は、流水方向において順次逆方向に傾斜して設けられ、これにより、前記構造体の円筒体内に流れる水道水は、前記取水面体、一又は複数の前記中間流水分岐体及び前記出水面体を通過する毎に水道水の流れが、各分岐孔の傾斜によって順次旋回方向を変えることにより乱流状態になって流れる、ように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項14】
前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体の前記分岐孔の内面には、乱流を発生するための凹凸面を形成されている請求項11乃至13の何れかの項に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項15】
前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体の前記分岐孔の内面には、乱流を発生するための流水方向又は流水方向と交差する方向に複数の溝が形成されている請求項11乃至13の何れかの項に記載の微細気泡水生成器の構造体。
【請求項16】
請求項3乃至8の何れかの項に記載の微細気泡水生成器の構造体と、
前記構造体の円筒体内の内壁に支持され、前記取水面体と前記出水面体の間、前記取水面体と前記中間流水分岐体の間、または前記中間流水分岐体と前記出水面体の間に、前記円筒体内に流れる水流の一部を塞ぐ一又は複数の水流閉塞体と、から成る微細気泡水生成器。
【請求項17】
前記水流閉塞体は、前記構造体の円筒体内の中央部を流れる水流を塞ぐことを特徴とする請求項16に記載の微細気泡水生成器。
【請求項18】
前記水流閉塞体は、前記構造体の円筒体内の周縁部を流れる水流を塞ぐことを特徴とする請求項16に記載の微細気泡水生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水中の気泡を微細化させる微細気泡水生成器であって、低コストで簡易に水道水を利用するシャワーヘッド、洗面台、流し台等の種々の器具、洗濯機や自動食器洗浄器等の装置に汎用的に利用可能な微細気泡水生成器及びその構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
微細気泡水とは、水中に含まれる気泡の直径が概ね100μm以下のマイクロメーターやナノメータ(直径50~500nm程度)サイズの空気を多く含む水を意味し、最近特に、水の肌理が細かく、人体の毛穴よりも微小な気泡水が毛穴や汗腺に浸透して汚れを効果的に除去することができることから、シャワー水、洗顔水としても美容目的や健康目的のために様々な用途として利用されている。
【0003】
また、このような微細気泡水は、水を構成する分子が塊りとなって結合することなくサラサラ状態になることから、水が衣類等の繊維間にきめ細かく浸透し、また、食器等の表面に密接状態に接触することから、洗濯水、食器洗浄水及び便座洗浄水を含む洗浄水としても広く利用されるに至っている。
【0004】
さらに、微細気泡水は、そこに含有されている微細気泡の電気的作用による洗浄効果も注目されている。すなわち、微細気泡水に含まれる微細気泡の表面は、通常マイナスの電荷に荷電され、微細気泡水同士が電荷作用で反発し合い、水中にきめ細かく分離、拡散、浮遊する性質を有する。これに対し、油や皮脂、細かい異物等による汚れは、プラスに帯電していることが多く、マイナスの電荷を帯びた被洗浄物と電気的に結合している。これにより、マイナスの電荷を帯びている微細気泡がプラス電荷の汚れに吸着すると電気的に中和されて、汚れを被洗浄物から分離しやすい状態となる。そして、電気的に中和されて被洗浄物から分離した汚れは、微細気泡の気液界面に吸着したまま気泡の浮力によって水面に浮上することで、被洗浄物から除去された汚れが微細気泡水中で再び被洗浄物に付着されることなく洗浄されることが知られている。
【0005】
このような微細気泡を多く含有する微細気泡水を生成するには、水道水の高速せん断方式、加圧圧壊方式、キャビテーション方式などが知られているが、その多くが、アスピレータ方式などで、外部から空気を吸引して水道水内に微細気泡を入れる方式である。その一つとして、加速手段にて加速される液体、及び気液混合手段によりケーシングに導入される気体(直径が数ミリ程度の気泡)から成る混合流体をケーシング内でキャビテーションを起こさせて、マイクロバブルを発生するマイクロバブル発生装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
また、特許文献1に記載の装置のように外部から空気を取り込むのではなく、水中に溶融している比較的大きなサイズの気泡をキャビテーション方式によってマイクロバブルを発生させる方式も知られている。このようなキャビテーション方式による微細気泡の生成方式の例としては、例えば、流水する水道水の入口から出口方向に向かいその中心軸に直交する断面積を漸減する通水用入口側の第1ノズルと、第1ノズルの出口から連通して設けられた連通路を介して連続して配設され、入口から出口に向かってその中心軸に直交する断面積を漸増する通水用出口側の第2ノズルと、前記連通路にのみ開口した隙間又は側室とを有する微細気泡水生成装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
そして、水中の溶融空気からキャビテーション方式によってマイクロバブルを発生させる方式のマイクロバブル生成器を美容や健康面での効果に応用したものとしては、例えばシャワーヘッドが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0008】
この他にも、最近は、微細気泡水を生成する微細気泡水生成機能を備える、洗濯機、洗浄器、洗面台等が知られており(例えば、洗濯機について特許文献4を参照)、現に、広く販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2007-21343号公報
【文献】特開2009-136864号公報
【文献】特開2016-2196号公報
【文献】特開2022-185360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1によるマイクロバブル発生装置は、タンクに貯留した水を加速して行う気液混合は装置が大型化し、家庭に供給される水道水を微細気泡水に生成する用途には向いていない。
【0011】
また、特許文献2によるマイクロバブル発生装置は、水路を形成する側室を備える連通路において急膨張した水流を第2ノズルで絞りによる減圧するようにした装置であるが、構造が複雑でありコストも高くなることから、家庭の風呂シャワーや洗面台等の器具、洗濯機や食器洗浄器等の装置に取り付けることは困難である。
【0012】
特許文献3は、浴室内に設置されるシャワーヘッド内にマイクロバブル発生装置(微細気泡水生成器)を内蔵する家庭用のシャワーヘッドであるが、このようなマイクロバブル発生装置をシャワーヘッド内に収納するとなると、シャワーヘッドが通常のものと比較して大型化してしまう。一方、このようなマイクロバブル発生装置の各構成要素を小さくして一般的なサイズのシャワーヘッド内に収まるようにすれば、マイクロバブル発生装置内の流水通路が狭くなり、水圧が減少してしまい必要な流水量を得ることはできない。
【0013】
また、特許文献4に記載の装置は、洗濯機の製造段階において装置内部に微細気泡水生成器を組み込むものであり、家庭内で現に使用してシャワーヘッドや洗濯機等の装置に、追加的に微細気泡水生成機能を具備させるものではない。
【0014】
一方、微細気泡水生成器が単独で販売され、消費者がそれを購入して自ら又は水道業者に依頼して、家庭内に既存のシャワーヘッドや洗面台へ水道水を供給する水道管やチューブに取り付ける例も知られている。しかし、このようなシャワーヘッドや洗面台に水道水を供給する金属管や樹脂製等のフレキシブルチューブに微細気泡水生成器を取り付けるのは、水道管の切断や水道管への微細気泡生成器の接続作業が必要であり、このような作業を水漏れが生じないように行うのは熟練者にとっても、水道管のネジきりや、水漏れ処理の作業に一定の作業時間を要するものであり、困難であった。
【0015】
図13は、従来の一般的な微細気泡水生成器の外観(a)部と、その内部構造(b)の例を示す。
【0016】
図13(b)に示すように、従来の微細気泡水生成器は、水道水中に含まれる気泡又は溶解して空気を水流を上げて勢いよく水流を妨げる壁等に衝突させることによって多くの微細気泡を生成させるものであることから、その内部構造は複雑でありその外観は凹凸形状を有するものであった。
【0017】
また、従来の微細気泡水生成器においては、これを水道管や機器内の流水管に取り付けようとした場合、水道管または流水管を切断し水漏れが生じないように取り付けようとした場合、微細気泡水生成器の取水部端と出水部端はねじ(雄ネジ)切りし、水道管の内壁にねじ(雌ネジ)切りされた箇所にねじ込んでナットを用いて接合する。このため、一般の消費者がこのような作業をすることは困難であり、専門の水道業者に依頼せざるを得なかった。
【0018】
また、例えば、
図13に示すように、通常の微細気泡水生成器の内部構造は複雑であることから低コストで製造することは難しかった。さらに、生成器内部の流水抵抗が大きくなってしまうことから、高台地の住宅、水道水の供給所から遠い所に位置する住宅、マンション、アパートメントハウス等の集合住宅の高層階で水道水の供給水圧が低い所では、微細気泡水生成器を通水した水流の水圧が低下してしまい微細気泡水生成器を利用できないこともあった。
【0019】
このため、本願発明は、従来の微細気泡水生成器が有していた課題に鑑みて成されたものであり、以下の(a)乃至(e)の目的をバランス良く達成することにある。すなわち、
(a)水道水を利用するシャワーヘッド、洗面台、流し台等の種々の器具、洗濯機や自動食器洗浄器等の種々な装置に使用できる汎用的に使用可能な微細気泡水生成器の構造体を提供すること。
(b)小型でシンプル、低コストであること。
(c)微細気泡水生成器を取り付けてもそこから供給される微細気泡水の供給水圧をなるべく低下させないこと。
(d)水道水中に所定以上の微細気泡の数を生成させる性能を有すること。
(e)家庭内で既に使用している既存のシャワーヘッド、トイレ、洗面台等の器具、洗濯機や洗浄器等の装置への給水管や給水チューブにユーザ自身又は作業者が簡易に短時間に取り付けることが可能であること。すなわち、取り付けコストが安いこと。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このため、本発明は、水道水に含まれる気泡を微細化して多くの微細気泡を含有する微細気泡水生成器の構造体であって、水道水の流入口側に配置され、前記構造体の内部に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔を有する取水面体と、前記構造体からの流出口側に配置され、前記構造体の内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔を有する出水面体と、前記取水面体の外周面と前記出水面体の外周面を支持する中空の円筒体と、から構成され、前記構造体は、前記水道水を供給する水道水供給管又はチューブの種々の通水管の内壁サイズに適合する外径サイズの円筒体、取水面体、出水面体が選択され、前記水道管の内管に予め挿入セットされている、ことを特徴とする。
【0021】
このように、本発明に係る微細気泡水生成器の構造体においては、特に、
(a)水道水の流入口側に配置されて内部に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔を有する取水面体と、前記構造体からの流出口側に配置され内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔を有する出水面体と、前記取水面体の外周面と前記出水面体の外周面を支持する中空の円筒体と、から構成されることから、構造がシンプルであり簡単でありながら、その気泡の径が、マイクロサイズ又はナノサイズの微細気泡を多く含む低コストで汎用性に優れた微細気泡水の生成を可能にしたのである。さらに、
(b)本微細気泡水生成器の構造体は、水道水を供給する水道水供給管又はチューブの種々の通水管の内壁サイズに適合する外径サイズの円筒体、取水面体、出水面体が選択され、通水管内に挿入セットされているのである。これにより、作業者は容易に且つ短時間に本微細気泡水生成器(構造体)の設置作業を終えることができる。
【0022】
ここで、前記取水面体における前記分岐孔の数と前記出水面体における前記分岐孔の数は同数とすることにより、同一のものを取水面体又は取水面体に使用することができ、より低コストにすることができる。
【0023】
さらに、本発明に係る微細気泡水生成器の構造体は、前記円筒体の内部において、前記取水面体側から前記出水面体側に至る流水路において、水流を複数に分岐する一又は複数の中間流水分岐体を、さらに備えるようにしてもよい。これにより、水中に含まれる微細気泡をより微細により多く生成することが可能になる。
【0024】
そして、前記取水面体、前記出水面体又は前記中間流水分岐体における前記分岐孔はそれぞれ円形状又は楕円形形状を成し、前記中間流水分岐体における前記分岐孔の数は、前記取水面体と前記出水面体における前記分岐孔の数と同数とし、通常、前記取水面体、前記出水面体及び前記中間流水分岐体における前記分岐孔の数は3又は4とすると良い。これにより、同一のものを取水面体又は取水面体のみならず中間流水分岐体にも使用することができる。また、分岐孔の形状をそれぞれ円形状又は楕円形形状にすることにより、製造コストを低減できる。
【0025】
ここで、前記取水面側から前記出水面側への水流方向を見た場合、前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水分岐板の各分岐孔の中心位置は、一致しないようズレて配置されてる。これにより、前記取水面体に流入した殆ど多くの水、構造体内をストレートに通過することなく、前記中間流水分岐体及び前記出水面体の衝突することにより、水中に含まれる微細気泡をより微細により多く生成することを可能にしているのである。
【0026】
さらに、前記取水面体と前記出水面体は、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材、ステンレス素材、又は真鍮素材により形成され、前記取水面体と前記取水面体における分岐孔は、その流水方向に中心軸が、前記水道水供給管の軸に対して傾斜するようにすると良い。これにより、構造体内を通過する水が渦を成し、水中に溶けている空気に圧力が加えられ、水中の空気が微細気泡化するのである。
【0027】
さらに、前記出水面体から流出する水流は、傾斜した状態で、水道水供給管又はチューブの種々の通水管の内壁サイズに衝突することになり、この通水管自体も、本微細気泡水生成器の構造体と共に微細気泡の生成に寄与するのである。
【0028】
ここで、前記取水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜と、前記出水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けられるようにすると良い。
【0029】
このため、前記中間流水分岐体は、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材、ステンレス素材、又は真鍮素材により形成され、当該中間流水分岐体に設けられた分岐孔は、その流水方向に中心軸が、前記水道水供給管の軸に対して傾斜するよう設けられる。これにより、水中の微細気泡がさらに微細しより多くの微細気泡が生成することになる。
【0030】
さらに、前記取水面側から前記出水面側への流水方向から見て、前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体におけるそれぞれの分岐孔の中心位置は、一致しないよう所定の角度だけズレて配置されているようにする。
【0031】
そして、前記取水面体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜と、前記中間流水分岐体における前記水道水供給管の軸に対する前記分岐孔の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けられる。
【0032】
ここで、前記取水面体に設けられた前記分岐孔の前記水道水供給管軸に対する傾斜、一又は複数の前記中間流水分岐体における前記分岐孔の傾斜、前記出水面体における前記分岐孔の傾斜は、流水方向において順次逆方向に傾斜して設けられ、これにより、前記構造体の円筒体内に流れる水道水は、前記取水面体、一又は複数の前記中間流水分岐体及び前記出水面体を通過する毎に水道水の流れが、各分岐孔の傾斜によって順次旋回方向を変えることにより乱流状態になって流れる、ように形成される。これにより、構造体内を流れる水流は乱流状態になって、前記中間水流分岐体と前記出水面体の衝突し、水中に含まれる微細気泡をより微細により多く生成することを可能にしているのである。
【0033】
さらに、前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体の前記分岐孔の内面には、乱流を発生するための凹凸面を形成されているか、若しくは、前記取水面体、前記中間流水分岐体及び前記出水面体の前記分岐孔の内面には、乱流を発生するための流水方向又は流水方向と交差する方向に複数の溝が形成されているようにしても良い。
【0034】
本願は、さらに、上述した微細気泡水生成器の構造体と、前記構造体の円筒体内の内壁に支持され、前記取水面体と前記出水面体の間、前記取水面体と前記中間流水分岐体の間、または前記中間流水分岐体と前記出水面体の間に、前記円筒体内に流れる水流の一部を塞ぐ一又は複数の水流閉塞体を備える微細気泡水生成器を提供するものであり、前記水流閉塞体は、前記構造体の円筒体内の中央部を流れる水流を塞ぐものであるか、若しくは、前記構造体の円筒体内の周縁部を流れる水流を塞ぐものである。これにより、構造体内に流れる水が乱流状態で水流閉塞体に衝突するので、さらに、水中に含まれる微細気泡をより微細により多く生成することになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の第1の例(請求項1に対応する)を示すと共に、水道水供給管内に取り付けられた状態を示す。
【
図2】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の第2の例(請求項3に対応し、中間流水分岐体は一つ)を示す。
【
図3】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の第3の例(請求項3に対応し、中間流水分岐体が二つ)を示す。
【
図4】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の上記第1の例において、水流閉塞体が一つ設けられた例(請求項16に対応する)を示す。
【
図5】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の上記第3の例において、水流閉塞体が一つ設けられた例(請求項16に対応する)を示す。
【
図6】本発明に係る微細気泡水生成器構造体の上記第3の例において、水流閉塞体が二つ設けられた例(請求項16に対応する)を示す。
【
図7】本発明に係る微細気泡水生成器構造体を構成する取水面体、出水面体及び中間流水分岐体の流水方向から見た分岐孔(円形分岐孔)の位置を示し、(a)は、分岐孔が水流方向に垂直に三つ設けられた例、(b)は、分岐孔が水流方向に垂直に4つ設けられた例(請求項2に対応する)を示す。
【
図8】本発明に係る微細気泡水生成器構造体を構成する取水面体、出水面体及び中間流水分岐体の流水方向から見た分岐孔(円形分岐孔)の位置を示し、(a)は、分岐孔が水流方向に傾斜する三つが設けられた例、(b)は、分岐孔が水流方向に傾斜する4つ設けられた例(請求項7、8及び11に対応する)を示す。
【
図9】本発明に係る微細気泡水生成器構造体を構成する取水面体、出水面体及び中間流水分岐体の流水方向から見た分岐孔の円形以外の形状の例を示し、(a)は、楕円形状の分岐孔が3つの例、(b)は、楕円形状の分岐孔が4つの例、(c)は、三角形状の分岐孔が3つの例、(d)は、三角円形状の分岐孔が4つの例、をそれぞれ示す。尚、
図9に示す各形状の分岐孔も、
図7に示すように水流に対して垂直にしたり、
図8に示すように水流方向に傾斜する、ように設ける。分岐孔が水流方向に垂直に三つ設けられた例、(b)は、分岐孔が水流方向に垂直に4つ設けられた例((a)及び(b)は、請求項3に対応する)を示す。
【
図10】
図2に示した本発明に係る微細気泡水生成器構造体の第2の例において、請求項6及び10に対応し、(a)は、水流方向から見た取水面体、中間流水分岐体及び出水面体における各分岐孔の相対的な配置の例を示し、(b)は、水流方向から見た取水面体、中間流水分岐体及び出水面体における前記分岐孔の配置を示す。
【
図11】取水面体、出水面体及び中間流水分岐に設けられる分岐孔の内面(流水面)に設けられる乱流を生じさせるための凹凸の例を示す。
【
図12】中間流水分岐体の例を示し、(a)は、構造体円筒体内の周縁部に流れる水を塞ぐ例を示し、(b)は、構造体円筒体内の中央部に流れる水を塞ぐ例をそれぞれ示す。
【
図13】従来の一般的な微細気泡水生成器の外観(a)部と、その内部構造(b)の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る微細気泡水生成器の構造体及び微細気泡水生成器の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明に係る微細気泡水生成器構造体100の基本構造である第1の例を示すものであり、本願の請求項1に対応する。
【0038】
図1に示すように、本願に係る微細気泡水生成器の構造体(以下、「本構造体」という)100は、水道水の流入口側に配置され、構造体100の内部に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔15、16、17、18を有する円形の取水面体11と、構造体100からの流出口側に配置され、構造体100の内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔15、16、17、18を有する円形の出水面体12と、取水面体11の外周面と出水面体12の外周面を支持する中空の円筒体10と、から構成される。
【0039】
ここで、本構造体100は、水道水を供給する水道水供給管又はチューブ(以下、「水道管」という)の種々の通水管の内壁サイズに適合する外径サイズの円筒体10、及び子の円筒体10の内周面の適合する取水面体11と出水面体12が水道管のサイズに応じたものが使用され、水道管の内管面と隙間なく密着状態に挿入配置されて使用される。
【0040】
このように、本構造体100は、水道管の内壁サイズに適合するので、単に、水道管を切断し、切断した一方の水道管の導水面内に挿入し、その後、切断した水道管の両方の切断面を整合し、防水テープ等の接合剤を用いて整合面を合わせるだけで設置することができる。
【0041】
これにより、本構造体100は、家庭内で既に使用している既存のシャワーヘッド、トイレ、洗面台等の器具、洗濯機や洗浄器等の装置への給水管や給水チューブにユーザ自身又は作業者が簡易に短時間に取り付けることが可能である。尚、水道管内に本構造体100を挿入する際に接着材等を用いて固定する。
【0042】
ところで、水道管の管径は、20mm、25mm、32mm、40mm等に決められているので、当該サイズに適合する円筒体10と、当該円筒体の内径に適合する取水面体11、出水面体12,及び後に説明する中間流水分岐体13,水流閉塞体14を予め用意しておく。
【0043】
本構造体100において、複数の分岐孔を有する取水面体11から勢いよく流入した水道水が、取水面体11と出水面体12間において乱流状態になり、円筒体10の内面壁に衝突し、その後、出水面体12に施された複数の分岐孔から流出して、水道管の内周面に衝突することにより、水道水中内の泡状の空気又は溶け込んでいる空気が、効率的に微細気泡化されることになる。
【0044】
この際、本構造体100においては、例えば、特許文献2,特許文献3又は本願の
図13に示すような従来の微細気泡生成器と比べて、生成器内に流れる水流に対する抵抗が比較的に小さいので、水道管から供給される水道の水圧が大きく減じられることなく、微細気泡水が出水面12から出水した水が水道管の内壁に当たる作用と相俟って、効果的に多数の小サイズの微細気泡を生成させることができるのである。
【0045】
図2は、本構造体100の例を示すものであり、本願の請求項3に係る発明に対応する。
【0046】
図1に示した本構造体100の第1の例と比較して、円筒体10内の取水面体11と出水面体12の間に、中間流水分岐体13を配置した点が異なる。ここで、中間流水分岐体13は多くの場合、取水面体11と出水面体12と同じ形状のものであるが異なる形状のものを使用しても良い。但し、中間流水分岐体13の外周径は、取水面体11と出水面体12の外周径と同じくする。
【0047】
図2に示す本構造体100の例では、取水面体11に施された複数の分岐孔15等から侵入した水道水が、中間流水分岐体13に衝突して、取水面体11と中間流水分岐体13間において渦流状態になり、渦流状態になった水が出水面体12の壁に衝突し、中間流水分岐体13と出水面体12間において渦流状態になり、出水面体12の複数の分岐孔15等から水道管内に流出するのである。
【0048】
図3は、本発明に係る微細気泡水生成器構造体100の他の実施の形態の示すものであり、
図2に示した第2の例と比較して、円筒体10内の取水面体11と出水面体12の間に、二つの中間流水分岐体13-1、13-2を配置したものである。
【0049】
ここで、第1の中間流水分岐体13-1は通常、第2の中間流水分岐体13-2と同じものであるが異なる仕様のものを使用しても良い。但し、中間流水分岐体13-2の外周径は、中間流水分岐体13-1、取水面体11、出水面体12の外周径と同じくする。
【0050】
図3に示す本構造体100の例では、取水面体11と第1の中間流水分岐体13-1の間、第1の中間流水分岐体13-1と第2の中間流水分岐体13-2、第2の中間流水分岐体13-2と出水面体12の各間では、水道水が侵入した分中間流水分岐体13-1,13-2及び出水面体12の間で渦流状態になり、最終的に出水面体12の複数の分岐孔15等から水道管内に流出するので、
図2に示した例よりもより多くの微細気泡水が生成されることになり、その分、出水面体12から出水する微細気泡水の水圧は低下することになる。
【0051】
図4は、
図2に示した微細気泡水生成器構造体100の例において、中間流水分岐体13に替えて、水流閉塞体を設けた例を示す。
【0052】
ここで、水流閉塞体14は、
図12(a)又は(12b)に示すものであり、水流閉塞体の第1の例は、
図12(a)に示すものであり、本構造体100の円筒体10内の中央部だけを流れるようにし、円筒体10の周縁部を塞ぐものである。
【0053】
また、水流閉塞体の第2の例は、
図12(b)に示すものであり、本構造体100の円筒体10内の中央部を塞ぎ、円筒体10の周縁部に水を通すようにしたものである。これにより、取水面体11と水流閉塞体14間と、水流閉塞体14と出水面体12間において、水道水の乱流を生じさせ、
図2に示す本構造体100の例よりも微細気泡水の数は劣るものの、
図1に示す本構造体100の例よりも微細気泡水の生成能力を向上させることができる。また、
図4に示す本構造体100の例では、
図1に示す本構造体100の例よりも出水面体12からの微細気泡水の供給水圧において劣るものの、
図2に示す本構造体100の例よりも出水面体12からの微細気泡水の供給水圧において優れる。
【0054】
図5は、
図3に示した本構造体100の例において、二つの中間流水分岐体13-1、13-2の間に、水流閉塞体を設けられた例を示す。
【0055】
図5に示す例においては、
図3に示す例に係る本構造体100の例と比較して、より多くの且つ微細な微細気泡水を生成することが可能である。但し、
図5に示す本構造体100の例では、
図3に示す本構造体100の例よりも出水面体12からの微細気泡水の供給水圧において多少劣るので、水道水の供給圧力が比較的高い所に使用すると良い。
【0056】
図6は、
図3に示した本構造体100の例において、取水面体11と中間流水分岐体13-1間と、中間流水分岐体13-2と出水面体1の間に、それぞれ、水流閉塞体13-1と13-2を設けた例を示す。水流閉塞体13-1と13-2は、
図12(a)と
図12(b)に示すタイプの同じものであっても、異なるものであっても良い。
【0057】
図6に示す例においては、
図5に示す例に係る本構造体100の例と比較して、より多くの且つ微細な微細気泡水を生成することが可能である。但し、
図6に示す本構造体100の例では、
図5に示す本構造体100の例よりも出水面体12からの微細気泡水の供給水圧において多少劣ることになるので、水道水の供給圧力が高い所に使用すると良い。
【0058】
図7は、本発明に係る微細気泡水生成器構造体100を構成する取水面体11、出水面体12及び中間流水分岐体13に設けられる分岐孔15の形状の例を示し、(a)は、円形の分岐孔15が水流方向に垂直に三つ設けられた例、(b)は、円形の分岐孔15が水流方向に垂直に4つ設けられた例を示す。これによって、水道水は本構造体100において、水道水が、複数の分岐孔15-1、15-2、15-3若しくは15-4によって複数の水流に分岐するものの、取水面体11、出水面体12及び中間流水分岐体13における分岐孔15が施されていない箇所において水道水は衝突することにより、本構造体100内において通過水は乱流となり、水流中の各所において水圧の差が生じ、効率良く多くの微細気泡水を生成することができるのである。
【0059】
図8は、
図7に示す本構造体100の例と同様に、取水面体11、出水面体12及び中間流水分岐体13-1の流水方向から見た円形分岐孔16の位置を示すが、
図7に示した本構造体100の例とは異なり、(a)は、円形の分岐孔16-1、16-2、16-3が水流方向に傾斜する三つが設けられた例、(b)は、円形の分岐孔16-1、16-2、16-3、16-4が水流方向に傾斜する4つ設けられた例を示す。
【0060】
図8に示す本構造体100の例では、分岐孔が水流方向に傾斜するので、
図7に示した本構造体100と比較して、取水面体11と中間流水分岐体13間、中間流水分岐体13と出水面体13間からの水流、さらには、出水面体13から流出する水流が、捻じれ状態になり渦巻きを生じながら流出するので、
図7に示す分岐孔15をする本構造体100と比較して、より多くの、そして、より微細な微細気泡水を生成することを可能にしたのである。
【0061】
図9は、本発明に係る微細気泡水生成器構造体100を構成する取水面体、出水面体及び中間流水分岐体の流水方向から見た分岐孔の円形以外の形状の例を示し、(a)は、楕円形状の分岐孔が3つの例、(b)は、楕円形状の分岐孔が4つの例、(c)は、三角形状の分岐孔が3つの例、(d)は、三角円形状の分岐孔が4つの例、をそれぞれ示す。尚、
図9に示す各形状の分岐孔も、
図7に示すように水流に対して垂直にしたり、
図8に示すように水流方向に傾斜する、ように設けることが可能である。
【0062】
図10は、本願の
図2に示した本構造体100の例において、(a)は、水流方向から見た取水面体、中間流水分岐体及び出水面体における各分岐孔の相対的な配置の例を示し、(b)は、水流方向から見た取水面体、中間流水分岐体及び出水面体における前記分岐孔の配置を示す。
【0063】
このように、取水面11側から出水面12側への流水方向に見て、取水面体11、出水面体12及び中間流水分岐体13におけるそれぞれの分岐孔の中心位置は、一致しないよう所定の角度ズレて配置されていることから、各分岐孔から流出する殆ど多くの水は、各分岐孔を素通りすることなく、中間流水分岐体13と出水面体12の分岐孔15が施されていない壁に衝突することになるので、より効率的に多くの微細な微細気泡水を生成することが可能になる。
【0064】
図11は、取水面体、出水面体及び中間流水分岐に設けられる分岐孔の内面(流水面)に設けられる乱流を生じさせるための凹凸の例を示す。
【0065】
図11(a)は、円形の分岐孔15の流水面に△形状の凸凹を施した例、
図11(b)は、円形の分岐孔12の流水面の表面にシボ状の凹凸面を施した例、そして、
図11(c)は、
図9(c)及び(d)に示した三角形状の分岐孔18の流水面に△形状の凸凹を施した例、をそれぞれ示す。このように、分岐孔15、16、17、18の流水面の表面に、流水方向に沿って又は流水方向の垂直方向に凸凹を施すことにより、さらに多くで微細な微細気泡水を生成することが可能となるのである。
【0066】
ところで、取水面体11と出水面体12は、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材、ステンレス素材、又は真鍮素材により形成すると良い。
【0067】
また、
図8に示した取水面体11における水道水給水管の軸に対する分岐孔16の傾斜と、出水面体12における水道水給水管の軸に対する分岐孔16の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けると良い。それによって、本構造体100内の流水は、大きな乱流状態になるからである。
【0068】
このように、中間流水分岐体13は、取水面体11と出水面体12と同様、少なくとも6ミリ以上の厚さを有する樹脂素材により形成され、この中間流水分岐体13に設けられた分岐孔は、その流水方向に中心軸が、前記水道水給水管の軸に対して傾斜するよう設けられ、取水面11側から出水面12側への流水方向から見て、取水面体11、中間流水分岐体13及び出水面体12におけるそれぞれの分岐孔の中心位置は、一致しないよう所定の角度だけズレて配置され、取水面体11における水道水給水管の軸に対する分岐孔15等の傾斜と、中間流水分岐体13における水道水給水管の軸に対する分岐孔15等の傾斜は、逆方向に傾斜した状態に設けられることにより、本構造体100の円筒体10内に流れる水道水は、取水面体11、一又は複数の中間流水分岐体13及び出水面体12を通過する毎に水道水の流れが、各分岐孔の傾斜によって順次旋回方向を変えることにより乱流状態になって流れる本構造体100内において大きな乱流を生じさせ、極めて効率的に多くの微細気泡を生成させることを可能にしたのである。
【0069】
上述したように、本構造体100の基本構成においては、水道水の流入口側に配置され、構造体100の内部に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔15、16、17、18を有する円形の取水面体11と、構造体100からの流出口側に配置され、構造体100の内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔15、16、17、18を有する円形の出水面体12と、取水面体11の外周面と出水面体12の外周面を支持する中空の円筒体10と、から構成される(
図1)。この基本的構成に基づいて、用途、供給される水道の水圧、必要な微細気泡水の性質に応じて、
図2乃至
図6に例示したような種々のバリエーションを展開することが可能である。
【0070】
そして、本構造体100は、水道管の種々の内壁サイズに適合する外径サイズの円筒体10、及び子の円筒体10の内周面の適合する取水面体11と出水面体12が水道管のサイズに応じたものが選択され、予め前記水道管の内管に挿入セットされている。
【0071】
これにより、作業者は、本構造体100を、家庭内で既に使用している既存のシャワーヘッド、トイレ、洗面台等の器具、洗濯機や洗浄器等の装置への給水管や給水チューブに簡易に且つ短時間に取り付けることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 微細気泡水生成器の構造体100
10 円筒体
11 取水面体
12 出水面体
13、13-1、13-2 中間流水分岐体
14、14-1、14-2 水流閉塞体
15、15-1、15-2、15-3、15-4 分岐孔(垂直方向/円形)
16、16-1、16-2、16-3、16-4 分岐孔(傾斜方向/円形)
17、17-1、17-2、17-3、17-4 分岐孔(楕円)
18、18-1、18-2、18-3、18-4 分岐孔(三角形)
20 円形の分岐孔の流水面に施された凸凹(列溝形状)の例
21 円形の分岐孔の流水面に施された凸凹(突起山)の例
23 三角形の分岐孔の流水面に施された凸凹(列溝形状)の例
【要約】
【課題】構造が簡単で小型、低コスト、且つ汎用性に優れ、さらに、水道水管への取付けが容易で、水道水を利用するシャワーヘッド、洗面台、流し台等の種々の器具、洗濯機や自動食器洗浄器等の装置に適応可能な微細気泡水生成器及の構造体を提供する。
【解決手段】水道水に含まれる気泡を微細化して多くの微細気泡を含有する微細気泡水生成器の構造体100であって、水道水の流入口側に配置され、構造体100内に流入する水道水の流入を複数に分岐する分岐孔15を有する取水面体11と、流出口側に配置され構造体100の内部で生成された微細気泡水の流出を複数に分岐する分岐孔15を有する出水面体12と、取水面体11の外周面と出水面体12の外周面を支持する中空の円筒体10と、から構成され、水道水を供給する通水管の内壁サイズに適合する種々の外径サイズの円筒体10から選択され、前記水道管の内管に予め挿入セットされている。これにより、作業者は容易に且つ短時間に本微細気泡水生成器(構造体)の設置作業を終えることができる。
【選択図】
図1