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特許7542718動的な制約要因に基づく電力変換器の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】動的な制約要因に基づく電力変換器の制御
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
H02M3/00 H
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2023503435
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021039509
(87)【国際公開番号】W WO2022026098
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】63/058,014
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/154,428
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517401657
【氏名又は名称】シーラス ロジック インターナショナル セミコンダクター リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッカイ、グレイム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、アジット
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス、ジェイソン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】キング、エリック ジェイ.
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0235712(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に電気的に結合するよう構成され、電気エネルギーを、電力変換器の出力に電気的に結合された1つ又は複数の負荷へ供給するようさらに構成された、前記電力変換器と、
前記電力変換器への入力電圧、及び前記電力変換器に使用可能な電力レベルのうちの少なくとも一方に基づいて、複数の相異なる制約要因から制約要因を選択し、
前記制約要因に従って前記電力変換器を制御する
よう構成された、制御回路と
を備える、電力送出システム。
【請求項2】
前記電源が、バッテリであり、前記制御回路が、前記バッテリから使用可能な電圧レベルに基づいて前記制約要因を選択するよう構成された、請求項1に記載の電力送出システム。
【請求項3】
前記制御回路が、等価抵抗と直列になった、経時変化する電圧源である前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルをモデル化する、請求項2に記載の電力送出システム。
【請求項4】
前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルの様々な範囲について、複数の制約領域が規定され、
前記制御回路が、前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルに対応する、前記複数の制約領域のうちの制約領域に基づいて、前記制約要因を選択するよう構成された、
請求項2に記載の電力送出システム。
【請求項5】
前記複数の制約領域のうちの第1の制約領域が、バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連する、請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項6】
前記第1の制約領域が、前記バッテリの臨界放電終了電圧で始まる、請求項5に記載の電力送出システム。
【請求項7】
前記第1の制約要因が、
【数1】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここで、VCELL-EFFが、所与の段階での実効バッテリ電圧、VCELL-MINが、前記バッテリの臨界放電終了電圧、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗である、
請求項5に記載の電力送出システム。
【請求項8】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連する、請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項9】
前記第2の制約要因が、
【数2】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここで、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗、RTRACEが、前記電源と前記電力変換器との間のトレースの抵抗及び/又はコネクタ抵抗、RSNSが、電流検知抵抗器の抵抗、RLOSSが、前記電力変換器の損失をモデル化した抵抗である、
請求項8に記載の電力送出システム。
【請求項10】
前記複数の制約領域のうちの第1の制約領域が、バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連し、
前記第2の制約領域が、前記第1の制約要因と前記第2の制約要因との交点で始まる、
請求項8に記載の電力送出システム。
【請求項11】
前記複数の制約領域のうちの第3の制約領域が、出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連する、請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項12】
前記第3の制約要因が、
【数3】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここで、IPMAXが、第2の制約要因について規定される最大電流制限、PMAXが、前記電力変換器の最大電力送出能力、PLIMが、前記電力変換器について規定される出力電力制限、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗、RTRACEが、前記電源と前記電力変換器との間のトレースの抵抗及び/又はコネクタ抵抗、RSNSが、電流検知抵抗器の抵抗、RLOSSが、前記電力変換器の損失をモデル化した抵抗である、
請求項11に記載の電力送出システム。
【請求項13】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、前記第2の制約要因に関連する、請求項12に記載の電力送出システム。
【請求項14】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連し、
前記第3の制約領域が、前記第2の制約要因と前記第3の制約要因との間の区切り点で始まる、
請求項11に記載の電力送出システム。
【請求項15】
前記複数の制約領域のうちの第4の制約領域が、一定の電流制限に対応する、第4の制約要因に関連する、請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項16】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連し、
前記複数の制約領域のうちの第3の制約領域が、出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連し、
第4の制約領域が、前記第2の制約領域と前記第3の制約領域との間に位置する、
請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項17】
前記複数の制約領域が、
バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連する、第1の制約領域と、
電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因による第2の制約領域と、
出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連する、第3の制約領域と、
一定の電流制限に対応する、第4の制約要因に関連する、第4の制約領域と
を含む、請求項4に記載の電力送出システム。
【請求項18】
前記制約要因が、前記電源から引き出されることになる電流の制限を規定する、請求項1に記載の電力送出システム。
【請求項19】
電圧源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成し、
複数の動作領域で動作する
よう構成された、電力変換器であって、前記電力変換器によって前記複数の動作領域のうちの各動作領域で引き出される最大電流が、前記動作領域に対応する制約要因によって規定される、電力変換器。
【請求項20】
電源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成するよう構成された電力変換器と、
複数の電流制限値を計算し、前記複数の電流制限値のうちの各電流制限値が、制約要因に対応し、
前記複数の電流制限値のうちの最小値として選択された電流制限に基づいて、前記電力変換器を制御する
よう構成された、制御回路と
を備える、電力送出システム。
【請求項21】
前記制約要因が、
電源に課される最大電流の制限、
最大安定電力に関して課される、最大電流の制限、
実際の電力制限に対して課される、最大電流の制限、及び
実際の電流制限に対して課される、最大電流の制限
のうちの1つ又は複数を含む、請求項20に記載の電力送出システム。
【請求項22】
電源に電気的に結合するよう構成され、電気エネルギーを、電力変換器の出力に電気的に結合された1つ又は複数の負荷へ供給するようさらに構成された、前記電力変換器において、
前記電力変換器への入力電圧、及び前記電力変換器に使用可能な電力レベルのうちの少なくとも一方に基づいて、複数の相異なる制約要因から制約要因を選択するステップと、
前記制約要因に従って前記電力変換器を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項23】
前記電源が、バッテリであり、制御回路が、前記バッテリから使用可能な電圧レベルに基づいて前記制約要因を選択するよう構成された、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記制御回路が、等価抵抗と直列になった、経時変化する電圧源である前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルをモデル化する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルの様々な範囲について、複数の制約領域が規定され、
前記制御回路が、前記バッテリから使用可能な前記電圧レベルに対応する、前記複数の制約領域のうちの制約領域に基づいて、前記制約要因を選択するよう構成された、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の制約領域のうちの第1の制約領域が、バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の制約領域が、前記バッテリの臨界放電終了電圧で始まる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の制約要因が、
【数4】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここでVCELL-EFFが、所与の段階での実効バッテリ電圧、VCELL-MINが、前記バッテリの臨界放電終了電圧、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗である、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連する、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の制約要因が、
【数5】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここで、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗、RTRACEが、前記電源と前記電力変換器との間のトレースの抵抗及び/又はコネクタ抵抗、RSNSが、電流検知抵抗器の抵抗、RLOSSが、前記電力変換器の損失をモデル化した抵抗である、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の制約領域のうちの第1の制約領域が、バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連し、
前記第2の制約領域が、前記第1の制約要因と前記第2の制約要因との交点で始まる、
請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の制約領域のうちの第3の制約領域が、出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連する、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記第3の制約要因が、
【数6】

によって規定される、前記電力変換器の最大電流制限を設定し、
ここで、IPMAXが、第2の制約要因について規定される最大電流制限、PMAXが、前記電力変換器の最大電力送出能力、PLIMが、前記電力変換器について規定される出力電力制限、Rが、前記バッテリの等価直列抵抗、RTRACEが、前記電源と前記電力変換器との間のトレースの抵抗及び/又はコネクタ抵抗、RSNSが、電流検知抵抗器の抵抗、RLOSSが、前記電力変換器の損失をモデル化した抵抗である、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、前記第2の制約要因に関連する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連し、
前記第3の制約領域が、前記第2の制約要因と前記第3の制約要因との間の区切り点で始まる、
請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記複数の制約領域のうちの第4の制約領域が、一定の電流制限に対応する、第4の制約要因に関連する、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記複数の制約領域のうちの第2の制約領域が、電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因に関連し、
前記複数の制約領域のうちの第3の制約領域が、出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連し、
第4の制約領域が、前記第2の制約領域と前記第3の制約領域との間に位置する、
請求項25に記載の方法。
【請求項38】
前記複数の制約領域が、
バッテリに課される最大電流の制限に対応する、第1の制約要因に関連する、第1の制約領域と、
電力変換器の安定性に関して課される最大電流の制限に対応する、第2の制約要因による第2の制約領域と、
出力電力に基づく最大電流の制限に対応する、第3の制約要因に関連する、第3の制約領域と、
一定の電流制限に対応する、第4の制約要因に関連する、第4の制約領域と
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項39】
前記制約要因が、前記電源から引き出されることになる電流制限を規定する、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
電圧源から入力電圧を受け取るステップと、出力電圧を生成するステップと、
複数の動作領域で動作するステップと
を含む方法であって、電力変換器によって前記複数の動作領域のうちの各動作領域で引き出される最大電流が、前記動作領域に対応する制約要因によって規定される、方法。
【請求項41】
電源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成するよう構成された電力変換器を備えるシステムにおいて、
複数の電流制限値を計算するステップであって、前記複数の電流制限値のうちの各電流制限値が、制約要因に対応する、計算するステップと、
前記複数の電流制限値のうちの最小値として選択された電流制限に基づいて、前記電力変換器を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項42】
前記制約要因が、
電源に課される最大電流の制限、
最大安定電力に関して課される、最大電流の制限、
実際の電力制限に対して課される、最大電流の制限、及び
実際の電流制限に対して課される、最大電流の制限
のうちの1つ又は複数を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1つ又は複数の構成要素、
電気エネルギーを前記1つ又は複数の構成要素へ送出するよう構成された、電力変換器、並びに
前記電力変換器に関連する電流を制御する制御回路であって、前記制御回路が、
少なくとも、前記電流のピーク電流閾値レベル及び前記電流のバレー電流閾値レベルに基づいて、前記電流を制御するよう構成された、閾値ベースの制御回路と、
前記電力変換器が、前記電力変換器の切替え状態で費やす継続時間に基づいて、前記電流を制御するよう構成された、タイマ・ベースの制御回路と
を備える、制御回路
を具備する、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線電話及びメディア・プレーヤなどの個人用ポータブル・デバイスを含むがこれらに限定されるものではない、電子デバイス用の回路に関し、より詳細には、電力変換器の電流を制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯/移動体電話などの無線電話、タブレット、コードレス電話、mp3プレーヤ、及び他の民生用デバイスを含む、ポータブル電子デバイスが広く使用されている。かかるポータブル電子デバイスは、バッテリの電圧(たとえば、リチウムイオン・バッテリから供給される)を、ポータブル電子デバイスの1つ又は複数の構成要素へ送出する供給電圧に変換する、電力変換器を実装するための回路を備えることができる。電力送出ネットワークはまた、かかる供給電圧を調節し、且つこれらの1つ又は複数のデバイスの下流にある負荷を、動作中のバッテリの出力電圧の変動から分離することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
供給電圧の供給レールを調節することに加えて、電力変換器(又は電力変換器の制御回路)が、供給レールから給電される1つ又は複数の構成要素が引き出すことができる電流量を制限する、能動的な保護の仕組みを提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の教示によれば、電力変換器を動作させる既存の手法に関連する、1つ又は複数の欠点及び問題を抑えるか又はなくすることができる。
【0005】
本開示の実施例によれば、電力送出システムは、電源に電気的に結合するよう構成され、電気エネルギーを、電力変換器の出力に電気的に結合された1つ又は複数の負荷へ供給するようにさらに構成された、電力変換器と、電力変換器への入力電圧、及び電力変換器に使用可能な電力レベルのうちの少なくとも一方に基づいて、複数の相異なる制約要因から制約要因を選択し、制約要因に従って電力変換器を制御するよう構成された、制御回路とを備えることができる。
【0006】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、電力変換器は、電圧源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成し、複数の動作領域で動作するよう構成することができ、電力変換器によって複数の動作領域のうちの各動作領域で引き出される最大電流は、かかる動作領域に対応する制約要因によって規定される。
【0007】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、電力送出システムは、電源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成するよう構成された電力変換器と、複数の電流制限値を計算し、複数の電流制限値のうちの各電流制限値が、制約要因に対応し、複数の電流制限値のうちの最小値として選択された電流制限に基づいて、電力変換器を制御するよう構成された、制御回路とを備えることができる。
【0008】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、方法は、電源に電気的に結合するよう構成され、電気エネルギーを、電力変換器の出力に電気的に結合された1つ又は複数の負荷へ供給するようさらに構成された、電力変換器において、電力変換器への入力電圧、及び電力変換器に使用可能な電力レベルのうちの少なくとも一方に基づいて、複数の相異なる制約要因から制約要因を選択するステップと、制約要因に従って電力変換器を制御するステップとを含むことができる。
【0009】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、方法は、電圧源から入力電圧を受け取るステップと、出力電圧を生成するステップと、複数の動作領域で動作するステップとを含むことができ、電力変換器によって複数の動作領域のうちの各動作領域で引き出される最大電流は、かかる動作領域に対応する制約要因によって規定される。
【0010】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、方法は、電源から入力電圧を受け取り、出力電圧を生成するよう構成された電力変換器を備えるシステムで、実現することができる。この方法は、複数の電流制限値を計算するステップであって、複数の電流制限値のうちの各電流制限値が、制約要因に対応する、計算するステップと、複数の電流制限値のうちの最小値として選択された電流制限に基づいて、電力変換器を制御するステップとを含むことができる。
【0011】
本開示のこうした実施例及び他の実施例によれば、デバイスは、1つ又は複数の構成要素、電気エネルギーを1つ又は複数の構成要素へ送出するよう構成された、電力変換器、並びに電力変換器に関連する電流を制御する制御回路であって、制御回路が、少なくとも、電流のピーク電流閾値レベル及び電流のバレー電流(valley current)閾値レベルに基づいて、電流を制御するよう構成された、閾値ベースの制御回路と、電力変換器が、電力変換器の切替え状態で費やす継続時間に基づいて、電流を制御するよう構成された、タイマ・ベースの制御回路とを備える、制御回路を具備することができる。
【0012】
本開示の技術的利点は、本明細書に含まれる図、説明、及び特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかとなり得る。実施例の諸目的及び利点は、少なくとも特許請求の範囲で具体的に指摘されている要素、特徴、及び組合せによって、実現され達成されることになる。
【0013】
前述の概括的な説明及び以下の詳細な説明の両方が、実例であり、また説明的なものであり、この開示に記載されている特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0014】
以下の説明を添付図面と併せて参照することにより、本実施例及びその利点のより完全な理解を得ることができ、添付図面において、同様の参照番号は、同様の特徴を示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施例による、電力送出ネットワークの選択された構成要素の構成図である。
図2】本開示の実施例による、バッテリの開路電圧対バッテリの充電状態の例示的なグラフである。
図3】本開示の実施例による、バッテリの等価回路モデルの、選択された構成要素の構成図である。
図4】本開示の実施例による、バッテリから引き出される電流のステップに関連する、バッテリ電圧及びバッテリ電流対時間の、例示的なグラフである。
図5】本開示の実施例による、等価直列抵抗と直列になった、経時変化する電圧源に簡略化された、バッテリの1次モデルを示す図である。
図6】本開示の実施例による、バッテリ保護に関する、最大バッテリ電流対内部有効バッテリ電圧の例示的なグラフである。
図7】本開示の実施例による、図1で示された電力送出ネットワーク内の選択されたインピーダンスの構成図である。
図8】本開示の実施例による、電力変換器の出力電力対電力変換器によって引き出されるバッテリ電流の、例示的なグラフである。
図9】本開示の実施例による、電力変換器の安定性に関する、最大バッテリ電流対内部有効バッテリ電圧の例示的なグラフである。
図10】本開示の実施例による、電力制限の考慮すべき点に関する、最大バッテリ電流対内部有効バッテリ電圧の例示的なグラフである。
図11】本開示の実施例による、電流制限の考慮すべき点に関する、最大バッテリ電流対内部有効バッテリ電圧の例示的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本開示の実施例による、電力送出ネットワーク10の選択された構成要素の構成図を示している。いくつかの実施例では、電力送出ネットワーク10は、スマート・フォン、タブレット、ゲーム・コントローラ、及び/又は他の好適なデバイスなどのポータブル電子デバイス内に実装することができる。
【0017】
電力送出ネットワーク10は、図1に示されているように、バッテリ12と、バッテリ12によって生成されたバッテリ電圧VCELLを、複数の下流にある構成要素18に給電するために使用する供給電圧VSUPPLYに、変換するよう構成された電力変換器20とを備えることができ、各下流にある構成要素18は、電力変換器20の出力からそれぞれの電流ILOAD1、ILOAD2、ILOAD3などを引き出すことができ、これは、電力変換器20によって、総負荷電流ILOAD=ILOAD1+ILOAD2+~+ILOADNが生成され得ることを意味する。電力変換器20は、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、昇降圧コンバータ、変圧器、チャージポンプ、及び/又は他の任意の好適な電力変換器を使用して実装することができる。電力送出ネットワーク10の下流にある構成要素18は、他の電力変換器、プロセッサ、音声符号化器/復号化器、増幅器、表示デバイスなどを含むがこれらに限定されるものではない、電力送出ネットワーク10の任意の好適な機能回路又はデバイスを含むことができる。
【0018】
電力送出ネットワーク10はまた、図1に示されているように、電力変換器20内部のスイッチの切替え及び転流を含む、電力変換器20の動作を制御するための制御回路30を備えることができる。加えて、制御回路30はまた、下記でより詳細に説明されるように、バッテリ12から引き出される電流ICELLを制限するための、能動的な保護の仕組みも実装することができる。
【0019】
リチウムイオン・バッテリは、この出願の出願日の時点で、典型的には、バッテリ(たとえば、バッテリ12)の開路電圧VOCとして知られる、4.2Vから3.0Vまで動作することが知られている。バッテリから引き出される電流によってバッテリが放電すると、バッテリの充電状態も低下する可能性があり、バッテリ内で発生する電気化学反応の結果、図2に示されているように、開路電圧VOC(充電状態の関数であり得る)も低下する可能性がある。開路電圧VOCが3.0Vから4.2Vの範囲外となる場合、リチウムイオン・バッテリの容量、寿命、及び安全性が低下する可能性がある。たとえば、約3.0Vでは、リチウムイオン・セルのエネルギーの約95%が消費されている可能性があり(つまり、充電状態は5%)、さらに放電が続行されると、開路電圧VOCが急速に降下する恐れがある。約2.4Vを下回る場合、リチウムイオン・バッテリの金属板が侵食される可能性があり、バッテリの内部インピーダンスがより高まり、容量がより低下し、場合によっては短絡する可能性がある。したがって、多くのポータブル電子デバイスは、バッテリ(たとえば、バッテリ12)を過放電から保護するために、所定の放電終了電圧VCELL-MIN未満での動作を防止することができる。
【0020】
図3は、本開示の実施例による、バッテリ12の等価回路モデルの、選択された構成要素の構成図を示している。バッテリ12は、図3に示されているように、複数の並列抵抗-容量部分34と直列に、さらにバッテリ12の等価直列抵抗36と直列に、開路電圧VOCを有するバッテリ・セル32を備え、かかる等価直列抵抗36が、抵抗Rを有するものとして、モデル化することができる。抵抗R、R、~、R、及びそれぞれの静電容量C、C、~、Cは、開路電圧VOC及び等価直列抵抗36とひとまとめに扱うことができる、バッテリの化学的性質に依存する時定数τ、τ、~、τを、モデル化することができる。注目すべきことに、図3において電圧VCELL-EFFで示されている電気ノードは、バッテリ12の時間変化する放電の挙動を捕捉し、バッテリ電圧VCELLは、バッテリ12の出力端子で見られる実際の電圧である。電圧VCELL-EFFは、直接測定することはできず、したがって、バッテリ電圧VCELLが、バッテリの健全な状態を評価するために測定できる、バッテリ12に関連する唯一の電圧であり得る。さらに注目すべきことに、所与の充電状態で、引き出される電流がゼロのとき(たとえば、ICELL=0)、バッテリ電圧VCELLは、電圧VCELL-EFFに等しくなり得、さらに電圧VCELL-EFFは、開路電圧VOCに等しくなり得る。
【0021】
図4は、本開示の実施例による、バッテリ12から引き出される電流のステップに関連する、バッテリ電圧VCELL及びバッテリ電流ICELL対時間の、例示的なグラフを示している。バッテリ電圧VCELLは、図4に示されているように、電流のステップ事象に応答して、バッテリ電圧VCELLの応答曲線が、最初に瞬間的な降下(たとえば、等価直列抵抗36による)を、そして時定数τ、τ、~、τによる時間に依存する電圧降下を受けるように、ステップに応答することができる。開路電圧VOC及び様々なインピーダンスR、R、R、~、Rは、バッテリ12の充電状態の関数であり得、したがってこれは、新しい完全に充電されたバッテリの過渡応答が、時を経て部分的に放電されたバッテリの過渡応答とは、著しく相異なる可能性があることを示唆している。
【0022】
制御回路30は、動作中、バッテリ12の保護、電力変換器20の安定性、及び/又は実際の制限に関連する制限を含む1つ又は複数の制約に基づいて、どんな特定の瞬間にもバッテリ12から引き出すことができる、最大バッテリ電流ICELLを判断することができる。
【0023】
制御回路30が課すことができる第1の制約は、バッテリ電流ICELLの最大値に関する、バッテリに課せられる制限である。図5は、この制約の適用例を説明するために、本開示の実施例による、抵抗値Rを有する等価直列抵抗36と直列になった、電圧VCELL-EFFを有する経時変化する電圧源38に簡略化された、バッテリ12の1次モデルを示している。バッテリ12が送出することができる最大バッテリ電流ICELL_MAXは、等価直列抵抗36に直接依存し得る。バッテリ電流ICELLは、等価直列抵抗36を通過しなければならず、これにより、バッテリ電圧VCELLは、抵抗Rにバッテリ電流ICELLを乗じたものに等しい量だけ、電圧VCELL-EFFから低下し得る(たとえば、VCELL=VCELL-EFF-RCELL)。おそらくより重要なことに、等価直列抵抗36を通って流れるバッテリ電流ICELLは、バッテリ12内で、抵抗Rにバッテリ電流ICELLの2乗を乗じたものに等しい電力消費(たとえば、P=RCELL )をもたらし得る。バッテリ電流ICELLは、高い放電率のとき、バッテリ12内で著しい発熱を引き起こす可能性がある。バッテリ電圧VCELLが、放電終了電圧VCELL-MINより高く保持されなければならないという、上記で論じられた要件は、以下の式で与えられる、最大バッテリ電流ICELL-MAXへの制限を設定する。
【数1】

したがって、最大バッテリ電流ICELL-MAXは、バッテリに課される制限だけを前提とすると、電圧VCELL-EFFの関数であり得、図6に示された線CON1で示されているように、プロットすることができる。
【0024】
制御回路30は、かかる制限を実行するために、バッテリ12への損傷を回避するように、電力変換器20に過渡的な負荷がかかっても放電終止電圧VCELL-MINが破られないことを保証する、能動的な保護方式を実装することができる。制御回路30は、たとえば、バッテリ12の端子におけるバッテリ電圧VCELLを監視し、確実にバッテリ12がバッテリの安全な動作範囲を超える過放電にならないようにするために、またバッテリ12の寿命を延ばすために、図6の制約CON1によって示されている、電力変換器20によって引き出される最大バッテリ電流ICELL_MAXを変更するよう、構成することができる。しかし、上記で説明されたように、バッテリ12の過渡応答が複数の時定数(たとえば、τ、τ、~、τ)の関数であり得ることが、最大バッテリ電流ICELL-MAXのかかる制御を複雑にしており、所与のバッテリのかかる時定数を測定し、フィードフォワード式に最大バッテリ電流ICELL-MAXを変更することは、非現実的又は非経済的であり得る。したがって、制御回路30は、下記でさらに説明されるように、バッテリ電圧VCELLを所望の目標値に維持するために、バッテリ電圧VCELLを監視して最大バッテリ電流ICELL-MAXを変更できる電力変換器20の周囲に、負帰還制御ループを実装することができる。
【0025】
上記で説明された、バッテリ12保護を実現するために電流を制限することに加えて、下記でより詳細に説明されるように、最大電力点を超えて電力コンバータ20の不安定領域内で動作するため、電流を制限して電力コンバータ20の安定性を実現することも望ましい場合がある。例示するために、本開示の実施例による、図1に示された電力送出ネットワーク10内の選択されたインピーダンスの詳細な構成図を示す、図7を参照する。図7に示されているように、電力送出ネットワーク10は、トレース抵抗器52、電流検知抵抗器54、電力変換器20の等価損失をモデル化したインピーダンス56、及び下流にあるデバイス18の集合体を表す負荷58と直列になった、図5に示されたバッテリ12によってモデル化され得る。トレース抵抗器52は、バッテリ12と電力変換器20との間の電線路(electrical conduit)(たとえば、コネクタ、プリント回路基板のトレースなど)の抵抗を表す、抵抗RTRACEを有することができる。検知抵抗器54は、抵抗RSNSを有することができ、オームの法則に従って、検知抵抗器54の両端間の電圧降下及び抵抗RSNSに基づいて、バッテリ電流ICELLを検知するために使用することができる。インピーダンス56は、抵抗RLOSSを有する電力コンバータ20の内部損失を、モデル化することができる。これらの様々なインピーダンスで生じる電力損失を考慮した後、電力変換器20は、以下の式で与えられる出力電力POUTを、負荷58へ送出することができる。
【数2】

ここで、
TOT=R+RTRACE+RSNS+RLOSS
【0026】
所与の全抵抗RTOT及び所与の電圧VCELL-EFFについて、図8に示されているように、バッテリ電流ICELLの関数である電力送出ネットワーク10の出力電力POUTでは、電流IPMAXのときに生じる、最大電力PMAXが存在し得る。ここで、電流IPMAXは、以下の式で与えられ得る。
【数3】
【0027】
したがって、電力送出システム10は、ICELL<IPMAXの場合、最適な電力効率及び安定性で動作し、ICELL>IPMAXの場合、不安定領域(出力電力POUT対バッテリ電流ICELLの負の勾配)で動作することが、図8で示されている。この最大許容電流IPMAXは、図6に示された最大バッテリ電流ICELL-MAXの制約CON1の上に重ね合わせされた制約CON2として、図9に示されているようにプロットすることができる。全抵抗RTOTは、等価直列抵抗Rよりも大きいので、制約CON1の勾配が制約CON2の勾配よりも急峻であることは、明らかであり得る。多くのバッテリ(たとえば、リチウムイオン・バッテリ)は、かかる大きさまで降下することが許されないので、図9には示されていないが、外挿すると、制約CON2の線は、0Vで電圧VCELL-EFFの横軸と交わり得る。
【0028】
高効率電力変換器の場合、インピーダンス56は、等価直列抵抗36、トレース抵抗器52、及び検知抵抗器54と比較して無視でき得るので、全抵抗RTOTは、以下のように書き換えることができる。
TOT≒R+RTRACE+RSNS
【0029】
使用することによりバッテリ12が放電されると、等価直列抵抗36が増加する可能性があり、これに応じて、電圧VCELL-EFFが低下する可能性がある。したがって、最大電力PMAXに対応する最大許容電流IPMAXは、電圧VCELL-EFF及び電力送出ネットワーク10のインピーダンスの関数であり得る。
【0030】
上記で説明された、バッテリ12の保護を実現するために電流を制限することに加えて、また上記で説明された、電力変換器20の安定性を実現するために電流を制限することに加えて、下記でより詳細に説明されるように、実際の実施態様での考慮すべき点に基づいて電流を制限することが、さらに又は代替的に望ましい場合がある。
【0031】
実例として、ある一定の電圧VCELL-EFFを超えると、最大バッテリ電流ICELL、及びこれにより電力変換器20の最大電力送出能力PMAXが、電力変換器20の設計がますます困難になるか、又は実現不可能にさえなるほどに、大きくなる可能性がある。たとえば、電力変換器20内の、インダクタ飽和電流及び電流検知回路の必要なダイナミック・レンジなどの実際の制限が、出力電力POUTに電力の上限PLIMを設けることを、要求する場合がある。熱への配慮もまた、考慮に入れる必要があり得、電力変換器20からの最大電力送出を制限することが必要となる場合がある。
【0032】
出力電力POUTが電力制限PLIMに制限されること前提として、電力送出システム10の電力のバランス式は、以下のように書くことができる。
【数4】

これは、以下のように書き換えることができる。
【数5】
【0033】
この最大許容電流ICELL-LIMは、図9に示された制約CON1及びCON2の上に重ね合わせされた制約CON3Aとして、図10に示されているようにプロットすることができる。PMAX及びPLIMの2つの電力制限領域間の分離は、制約CON2及びCON3Aを表す曲線間の区切り点で生じるものとして、図10にグラフで示されている。電力制限PLIMによって制限される領域では、バッテリ電流ICELLの最大値は、最大許容電流の2つの値の低い方によって設定され得る。図10に示されているように、バッテリ電流ICELLの最大電流は、制約CON3Aの曲線に沿って、電圧VCELL-EFFが低下するにつれて増加し得る。
【0034】
上記で説明された、バッテリ12の保護を実現するために電流を制限すること、上記で説明された、電力変換器20の安定性を実現するために電流を制限すること、及び電力制限を考慮して電流を制限することに加えて、下記でより詳細に説明されるように、実際の実施態様での考慮すべき点に基づいて、一定の電流制限IFIXEDを加えることが、さらに又は代替的に望ましい場合がある。この最大許容電流IFIXEDは、図10に示された制約CON1、CON2、及びCON3Aの上に重ね合わせされた制約CON3Bとして、図11に示されているようにプロットすることができる。したがって、バッテリ電流ICELLの最大電流は、最大許容電流の4つの値のうちの最小値によって設定され得る。
【0035】
本明細書で使用されている場合、2つ以上の要素が互いに「結合されている」と称されているとき、かかる用語は、かかる2つ以上の要素が、間接的に接続されているか、それとも直接的に接続されているかに係わらず、また介在する要素の有無に係わらず、適宜、電子通信するか又は機械的に通じていることを示す。
【0036】
この開示は、当業者が理解するだろう本明細書の例示的な実施例に対する、すべての変更、置換、変形、改変、及び修正を包含する。同様に、添付の特許請求の範囲は、適切な場合には、当業者が理解するだろう本明細書の例示的な実施例に対する、すべての変更、置換、変形、改変、及び修正を包含する。さらに、添付の特許請求の範囲において、特定の機能を実行するよう適合されている、配置されている、可能である、構成されている、使用可能である、動作可能である、又は動作する装置、システム、又は装置若しくはシステムの構成要素への言及は、その装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、配置され、可能であり、構成され、使用可能であり、動作可能であり、又は動作する限り、その装置、システム、若しくは構成要素、又はその特定の機能が起動されているか、オンされているか、又はロック解除されているか否かに係わらず、その装置、システム、又は構成要素を包含する。したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されたシステム、装置、及び方法を修正するか、追加するか、又は省略することができる。たとえば、システム及び装置の構成要素は、統合されていても、又は分離されていてもよい。さらに、本明細書で開示されたシステム及び装置の動作は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素によって実行されてもよく、説明された方法は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含んでもよい。さらに、ステップは、任意の好適な順序で実行することができる。この文書で使用されている場合、「各」は、セットの各メンバ又はセットのサブセットの各メンバを指す。
【0037】
例示的な実施例が図に示され、下記に説明されるが、本開示の原理は、現在知られているか否かに係わらず、任意の数の技法を使用して実装することができる。本開示は決して、図面に示され、上記で説明された例示的な実施態様及び技法に限定されるべきではない。
【0038】
特に言及されていない限り、図面に示されたものは、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0039】
明細書に列挙されているすべての実例及び条件付きの言葉は、本発明者が当技術分野をさらに進めることに寄与する本開示及び概念を、読者が理解するのを助けるための教育上の諸目的を意図しており、かかる具体的に列挙された実例及び条件を限定しないものであると、解釈されるものである。本開示の実施例が詳細に説明されてきたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施例に様々な変更、置換、及び改変を行うことができることを理解されたい。
【0040】
特定の利点が上記で挙げられているが、様々な実施例は、挙げられた利点の一部若しくはすべてを含む場合があり、又は利点のいずれも含まない場合がある。さらに当業者には、他の技術的利点が、前述の図及び説明を検討した後、容易に明らかとなり得る。
【0041】
出願人は、特許庁及びこの出願に対して発行されるあらゆる特許のあらゆる読者が、この出願に添付された特許請求の範囲を解釈するのを助けるために、添付の特許請求の範囲又は特許請求する要素のいずれもが、「~する手段」又は「~するステップ」という言葉が特定の請求項で明示的に使用されている場合を除いて、米国特許法第112条(f)に訴える意図がないことを、特筆することを望んでいる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11