(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】LOSトレーニング・データセットの不均衡の検出
(51)【国際特許分類】
H04B 17/309 20150101AFI20240823BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240823BHJP
【FI】
H04B17/309
H04W64/00
(21)【出願番号】P 2023512069
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021071757
(87)【国際公開番号】W WO2022037943
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】バルブ,オアナ-エレナ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ゼシャン
(72)【発明者】
【氏名】コヴァチ,イシュトヴァン ゾルト
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09720069(US,B2)
【文献】特表2015-523545(JP,A)
【文献】特表2010-534423(JP,A)
【文献】HSU Li-Ta,GNSS Multipath Detection Using a Machine Learning Approach,2017 IEEE 20th International Conference on Intelligent Transportation Systems (ITSC),pp.1-6,IEEE,2017年10月
【文献】TALLO Tince Etlin, et al.,THE IMPLEMENTATION OF GENETIC ALGORITHM IN SMOTE (SYNTHETIC MINORITY OVERSAMPLING TECHNIQUE) FOR HANDLING IMBALANCED DATASET PROBLEM,2018 4th International Conference on Science and Technology (ICST),IEEE,2018年08月,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/309
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリと
を含む装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードが、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡を検出するステップと、
前記検出された不均衡に関連付けられている前記LOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップと、
前記特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、前記少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的で1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップと、
構成されている観測ウィンドウ中に前記1つまたは複数の測定を前記装置に実行させるアクティブ化メッセージを前記ネットワーク要素から受信するステップとを前記装置に行わせるように構成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードがさらに、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
前記少数派クラスに関する前記1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手するステップと、
前記1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手した後に、前記LOSトレーニング・
データセットを用いて前記LOS検出器を再トレーニングするステップとを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクティブ化メッセージが観測ウィンドウ構成情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードがさらに、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
観測ウィンドウ構成情報を含む構成メッセージを前記ネットワーク要素から受信するステップを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記観測ウィンドウ構成情報が、前記観測ウィンドウの持続時間と、所定のメッセージを搬送するサブフレームのインデックスに対する、またはシステム・フレーム番号に対する前記観測ウィンドウの開始時間とを示す、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記所定のメッセージが前記要求メッセージであって、前記サブフレームがアップリンク・サブフレームであるか、または前記所定のメッセージが前記アクティブ化メッセージであって、前記サブフレームがダウンリンク・サブフレームである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記要求メッセージはさらに、前記不均衡の重大度を示している重大度指標を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードがさらに、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
不均衡しきい値を前記ネットワーク要素から受信するステップと、
前記不均衡が前記不均衡しきい値を満たしているかどうかを特定するステップと、
前記不均衡が前記不均衡しきい値を満たしていると特定したことに基づいて、前記要求メッセージを前記ネットワーク要素へ伝送し、そうでない場合には、前記要求メッセージを伝送することを防止するステップとを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アクティブ化メッセージが、肯定応答(ACK)または非肯定応答(NACK)を示し、ACKの表示が、前記構成されている観測ウィンドウ中に前記1つまたは複数の測定を前記装置に実行させ、NACKの表示が、前記1つまたは複数の測定を実行することを前記装置に防止させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードがさらに、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
前記LOS検出器を再トレーニングするために使用されることになる参照シンボル構成を前記ネットワーク要素から受信するステップと、
前記参照シンボル構成に従ってトレーニング信号の受信を開始することによって前記LOS検出器を再トレーニングする際に前記参照シンボル構成を利用するステップとを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリと
を含む装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードが、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)からの要求メッセージを受信するステップであって、前記要求メッセージが、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡に関連付けられている少数派クラスを示し、前記少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的で前記UEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する、ステップと、
構成されている観測ウィンドウ中に前記1つまたは複数の測定を前記UEに実行させるアクティブ化メッセージを前記UEへ伝送するステップとを前記装置に行わせるように構成されている、装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードがさらに、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
前記UEの少なくとも1つの将来の場所に関する場所推定値を入手するステップと、
前記少なくとも1つの将来の場所における無線状況を推定するステップと、
前記少なくとも1つの将来の場所における前記推定された無線状況に基づいて、前記アクティブ化メッセージを伝送するための時刻を特定するステップと、
前記時刻において前記アクティブ化メッセージを伝送するステップとを前記装置に行わせるように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)のための方法であって、
見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡を検出するステップと、
前記検出された不均衡に関連付けられている前記LOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップと、
前記特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、前記少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的で前記UEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップと、
構成されている観測ウィンドウ中に前記1つまたは複数の測定を前記UEに実行させるアクティブ化メッセージを前記ネットワーク要素から受信するステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)は、到達時刻(TOA)と呼ばれるメトリックを測定して、ワイヤレス通信ネットワークへ報告することが可能である。TOAは、UEと、基地局などのネットワーク・ノードとの間における距離を計算する際に利用されることが可能である。しかしながら、TOAが不正確に測定された場合には、今度は距離が誤って計算される可能性がある。それゆえに、TOA測定の精度を向上させることを目標とするさらなる解決策を提供することが有益である場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある態様によれば、独立請求項の主題が提供されている。
【0004】
ある態様によれば、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡をワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)によって検出するステップと、検出された不均衡に関連付けられているLOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップと、特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをネットワーク要素から受信するステップとを実行するための手段を含む装置が提供されている。
【0005】
ある態様によれば、ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)からの要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素によって受信するステップであって、要求メッセージが、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡に関連付けられている少数派クラスを示し、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する、ステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをUEへ伝送するステップとを実行するための手段を含む装置が提供されている。
【0006】
ある態様によれば、ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)のための方法が提供されており、この方法は、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡を検出するステップと、検出された不均衡に関連付けられているLOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップと、特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをネットワーク要素から受信するステップとを含む。
【0007】
ある態様によれば、ワイヤレス通信システムのネットワーク要素のための方法が提供されており、この方法は、ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)からの要求メッセージを受信するステップであって、要求メッセージが、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡に関連付けられている少数派クラスを示し、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する、ステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをUEへ伝送するステップとを含む。
【0008】
ある態様によれば、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡をワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)によって検出するステップと、検出された不均衡に関連付けられているLOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップと、特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをネットワーク要素から受信するステップとを装置に実行させるための命令を含むコンピュータ・プログラムが提供されている。
【0009】
ある態様によれば、ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)からの要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素によって受信するステップであって、要求メッセージが、見通し線(LOS)検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡に関連付けられている少数派クラスを示し、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する、ステップと、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをUEへ伝送するステップとを装置に実行させるための命令を含むコンピュータ・プログラムが提供されている。
【0010】
いくつかの実施形態が、従属請求項において定義されている。
【0011】
特許請求の範囲の範疇に入らない実施形態は、本開示を理解するのに役立つ例として解釈されるべきである。
【0012】
実施態様の1つまたは複数の例が、添付の図面および以降の説明においてさらに詳細に示されている。その他の特徴は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
以降では、添付の図面を参照しながら、いくつかの実施形態が記述されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】実施形態が適用されることが可能であるワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図11】いくつかの実施形態による装置を示す図である。
【
図12】いくつかの実施形態による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以降の実施形態は例である。本明細書は、いくつかの場所において、「ある」、「1つの」、または「いくつかの」実施形態に言及する場合があるが、これは、そのような言及が同じ実施形態に対するものであるということ、またはその特徴が単一の実施形態に当てはまるだけであるということを必ずしも意味しない。別々の実施形態の単一の特徴どうしが組み合わされて、その他の実施形態を提供することも可能である。さらに、「comprising(含む)」および「including(含む)」という言葉は、記述されている実施形態を、言及されている特徴のみから構成されるように限定するものではないとして理解されるべきであり、そのような実施形態は、特に言及されていない特徴/構造も含むことが可能である。
【0016】
以降では、さまざまな例示的な実施形態が記述されることになり、その際、それらの実施形態が適用されることが可能であるアクセス・アーキテクチャーの例として、ロングターム・エボリューション・アドバンスト(LTE Advanced、LTE-A)または新無線(NR、5G)に基づく無線アクセス・アーキテクチャーを使用するが、それらの実施形態は、そのようなアーキテクチャーに限定されない。それらの実施形態は、パラメータおよび手順を適切に調整することによって、適切な手段を有するその他の種類の通信ネットワークに適用されることも可能であるということを当業者なら理解するであろう。適切なシステムに関するその他のオプションのいくつかの例は、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)無線アクセス・ネットワーク(UTRANもしくはE-UTRAN)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLANもしくはWiFi)、ワールドワイド・インターオペラビリティー・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、Bluetooth(登録商標)、パーソナル通信サービス(PCS)、ZigBee(登録商標)、ワイドバンド符号分割多元接続(WCDMA)、ウルトラワイドバンド(UWB)テクノロジーを使用するシステム、センサ・ネットワーク、モバイル・アドホック・ネットワーク(MANET)、およびインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)、またはそれらの任意の組合せである。
【0017】
図1Aは、示されているものとは異なる場合がある実施態様を有するいくつかの要素および機能エンティティーを示す簡略化されたシステム・アーキテクチャーの例を示している。
図1Aにおいて示されている接続は論理接続であり、実際の物理接続は異なる場合がある。このシステムは典型的に、
図1Aにおいて示されているもの以外の機能および構造も含むということは、当業者にとって明らかである。
【0018】
しかしながら、実施形態は、例として与えられているシステムに限定されず、当業者なら、必要な特性を提供されているその他の通信システムに解決策を適用することが可能である。
【0019】
図1Aの例は、例示的な無線アクセス・ネットワークの一部を示している。
図1Aは、セルにおける1つまたは複数の通信チャネル上で、そのセルを提供しているアクセス・ノード((e/g)NodeBなど)104とワイヤレス接続状態にあるように構成されている端子デバイスまたはユーザ・デバイス100および102を示している。(e/g)NodeBは、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)仕様において定義されているeNodeBまたはgNodeBを指す。ユーザ・デバイスから(e/g)NodeBへの物理リンクは、アップリンクまたはリバース・リンクと呼ばれ、(e/g)NodeBからユーザ・デバイスへの物理リンクは、ダウンリンクまたはフォワード・リンクと呼ばれる。(e/g)NodeBまたはそれらの機能性は、そのような使用に適した任意のノード、ホスト、サーバ、またはアクセス・ポイントなどのエンティティーを使用することによって実施されることが可能であるということを理解されたい。
【0020】
通信システムは典型的に、複数の(e/g)NodeBを含み、そのケースにおいては、それらの(e/g)NodeBは、互いと通信することを、その目的のために設計されている有線またはワイヤレスのリンクを介して行うように構成されることも可能である。これらのリンクは、シグナリングの目的のために、そしてまた1つの(e/g)NodeBから別の(e/g)NodeBへデータをルーティングするためにも使用されることが可能である。(e/g)NodeBは、自分が結合されている通信システムの無線リソースを制御するように構成されているコンピューティング・デバイスである。NodeBは、基地局、アクセス・ポイント、アクセス・ノード、または、ワイヤレス環境において動作することが可能なリレー局を含む任意のその他のタイプのインターフェーシング・デバイスと呼ばれることもある。(e/g)NodeBは、トランシーバを含むか、またはトランシーバに結合される。(e/g)NodeBのトランシーバから、アンテナ・ユニットへ接続が提供され、アンテナ・ユニットは、ユーザ・デバイスへの双方向無線リンクを確立する。アンテナ・ユニットは、複数のアンテナまたはアンテナ素子を含むことが可能である。(e/g)NodeBは、コア・ネットワーク110(CNまたは次世代コアNGC)へさらに接続される。システムに応じて、CN側での相手は、サービング・ゲートウェイ(S-GW、ユーザ・データ・パケットをルーティングおよび転送する)、外部パケット・データ・ネットワークへのユーザ・デバイス(UE)の接続性を提供するためのパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(P-GW)、またはモビリティー管理エンティティー(MME)などであることが可能である。
【0021】
ユーザ・デバイス(UE、ユーザ機器、ユーザ端末、端末デバイスなどとも呼ばれる)は、エア・インターフェース上のリソースが割り当てられ割り振られる装置の1つのタイプを示しており、ひいては、本明細書においてユーザ・デバイスとともに記述されているいずれの特徴も、リレー・ノードなど、対応する装置とともに実施されることが可能である。そのようなリレー・ノードの例は、基地局へのレイヤ3リレー(セルフバックホーリング・リレー)である。
【0022】
ユーザ・デバイスは典型的に、加入者識別モジュール(SIM)の有無にかかわらずに動作するワイヤレス・モバイル通信デバイスを含むポータブル・コンピューティング・デバイスを指し、これは、移動局(モバイル電話)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ハンドセット、ワイヤレス・モデム(アラームまたは測定デバイスなど)を使用するデバイス、ラップトップおよび/またはタッチ・スクリーン・コンピュータ、タブレット、ゲーム・コンソール、ノートブック、ならびにマルチメディア・デバイスというタイプのデバイスを含むが、それらに限定されない。ユーザ・デバイスは、ほぼ排他的なアップリンク・デバイスであることも可能であるということを理解されたく、その一例は、ネットワークへ画像またはビデオ・クリップをロードするカメラまたはビデオ・カメラである。ユーザ・デバイスは、産業用IoT(IIoT)ネットワークなど、インターネット・オブ・シングス(IoT)ネットワークにおいて動作する機能を有するデバイスであることも可能であり、これは、物が、人間どうしのまたは人間とコンピュータとの対話を必要とせずにネットワークを介してデータを転送する能力を提供されるシナリオである。ユーザ・デバイスは、クラウドを利用することも可能である。いくつかの用途においては、ユーザ・デバイスは、無線部品を有する小型のポータブル・デバイス(腕時計、イヤフォン、またはメガネなど)を含むことが可能であり、計算はクラウドにおいて実行される。ユーザ・デバイス(またはいくつかの実施形態においては、レイヤ3リレー・ノード)は、ユーザ機器の機能性のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。ユーザ・デバイスは、ほんのいくつかの名前または装置に言及するだけでも、加入者ユニット、移動局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、またはユーザ機器(UE)と呼ばれる場合もある。本明細書におけるユーザ・デバイスは、車両UEなど、車両の実施態様を指すことも可能である。そのようなUEは、車両とともに含まれること、および/または車両と通信可能に結合されることが可能であり、それによって、それらのUEは、1つまたは複数の車両の一部として理解されることが可能である。
【0023】
本明細書において記述されているさまざまな技術は、サイバーフィジカル・システム(CPS)(物理エンティティーを制御する計算要素どうしを協働させるシステム)に適用されることも可能である。CPSは、さまざまな場所において物理的な物に埋め込まれている膨大な量の相互接続されているICTデバイス(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラなど)の実施および活用を可能にすることができる。フィジカル・システムが固有のモビリティーを有するモバイル・サイバー・フィジカル・システムは、サイバーフィジカル・システムのサブカテゴリーである。モバイル・フィジカル・システムの例は、人間または動物によって運ばれるモバイル・ロボティクスおよび電子機器を含む。
【0024】
加えて、装置は単一のエンティティーとして示されているが、別々のユニット、プロセッサ、および/またはメモリ・ユニット(必ずしも
図1Aにおいて示されているとは限らない)が実装されることが可能である。
【0025】
5Gは、多入力多出力(MIMO)アンテナと、より小さなステーションと連携して動作するマクロ・サイトを含む、LTE(いわゆるスモール・セル・コンセプト)よりも多くの基地局またはノードとを使用すること、ならびにサービス・ニーズ、使用事例、および/または利用可能なスペクトルに応じてさまざまな無線テクノロジーを採用することを可能にする。5Gモバイル通信は、ビデオ・ストリーミング、拡張現実、さまざまな方法のデータ共有、およびさまざまな形態のマシン・タイプ・アプリケーション(車両の安全性、さまざまなセンサ、およびリアル・タイム制御を含む(大規模)マシンタイプ通信(mMTC)など)を含む広範囲の使用事例および関連した用途をサポートする。5Gは、複数の無線インターフェース、すなわち6GHz未満、cmWave、およびmmWaveを有すること、そしてまた、LTEなど、既存のレガシー無線アクセス・テクノロジーと統合され得ることを期待されている。LTEとの統合は、少なくとも早い段階においては、システムとして実施されることが可能であり、その場合、マクロ・カバレッジがLTEによって提供され、5G無線インターフェース・アクセスは、LTEへのアグリゲーションによってスモール・セルから生じる。言い換えれば、5Gは、RAT間運用性(LTE-5Gなど)と、RI間運用性(6GHz未満-cmWave、6GHz未満-cmWave-mmWaveなどの無線インターフェース間運用性)との両方をサポートするように計画されている。5Gネットワークにおいて使用されると考えられているコンセプトのうちの1つが、ネットワーク・スライシングであり、このネットワーク・スライシングにおいては、レイテンシ、信頼性、スループット、およびモビリティーについて別々の要件を有するサービスどうしを稼働させるために、複数の独立した専用の仮想サブネットワーク(ネットワーク・インスタンス)が、同じインフラストラクチャー内に作成されることが可能である。
【0026】
LTEネットワークにおける現在のアーキテクチャーは、無線において完全に分散されており、典型的にはコア・ネットワークにおいて完全に集中化されている。5Gにおける低レイテンシ・アプリケーションおよびサービスは、コンテンツを無線の近くに持ってくることを必要とし、これは、ローカル・ブレイク・アウトおよびマルチアクセス・エッジ・コンピューティング(MEC)につながる。5Gは、分析および知識生成がデータのソースで生じることを可能にする。このアプローチは、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、およびセンサなど、ネットワークに継続的に接続されていない場合があるリソースを活用することを必要とする。MECは、アプリケーションおよびサービス・ホスティングのための分散コンピューティング環境を提供する。MECはまた、より速い応答時間のためにセルラー加入者のごく近くにコンテンツを格納して処理する能力を有する。エッジ・コンピューティングは、ワイヤレス・センサ・ネットワーク、モバイル・データの取得、モバイル署名の分析、ローカル・クラウド/フォグ・コンピューティングおよびグリッド/メッシュ・コンピューティングとしても分類可能な協調分散型ピアツーピア・アド・ホック・ネットワーキングおよび処理、デュー・コンピューティング、モバイル・エッジ・コンピューティング、クラウドレット、分散型のデータ格納および検索、自律的な自己修復ネットワーク、リモート・クラウド・サービス、拡張および仮想現実、データ・キャッシング、インターネット・オブ・シングス(大規模接続性および/またはレイテンシ・クリティカル)、クリティカルな通信(自律車両、交通安全、リアル・タイム分析、タイムクリティカルな制御、ヘルスケア・アプリケーション)などの広範囲のテクノロジーをカバーする。
【0027】
通信システムはまた、公衆交換電話ネットワークもしくはインターネット112など、その他のネットワークと通信すること、またはそれらによって提供されるサービスを利用することが可能である。通信ネットワークはまた、クラウド・サービスの使用をサポートすることが可能であり得、たとえば、コア・ネットワーク・オペレーションのうちの少なくとも一部がクラウド・サービス(これは、
図1Aにおいては「クラウド」114によって示されている)として実行されることが可能である。通信システムは、たとえばスペクトル共有において別々のオペレータのネットワークどうしが協調するための機能を提供する中央制御エンティティーなどを含むことも可能である。
【0028】
ネットワーク機能仮想化(NVF)およびソフトウェア・デファインド・ネットワーキング(SDN)を利用することによって、エッジ・クラウドが無線アクセス・ネットワーク(RAN)へともたらされることが可能である。エッジ・クラウドを使用することは、少なくとも部分的に、無線部品を含むリモート無線ヘッドまたは基地局に動作可能に結合されているサーバ、ホスト、またはノードにおいて実行されることになるアクセス・ノード・オペレーションを意味する場合がある。複数のサーバ、ノード、またはホストの間でノード・オペレーションが分散されることになるということも可能である。cloudRANアーキテクチャーの適用は、RAN側で(分散型ユニット、DU104において)RANリアル・タイム機能が実行されること、および集中化された様式で(集中型ユニット、CU108において)非リアル・タイム機能が実行されることを可能にする。
【0029】
コア・ネットワーク・オペレーションと基地局オペレーションとの間における機能の分散は、LTEのそうした分散とは異なる場合があり、または存在していない場合さえあるということも理解されたい。おそらくは使用されることになるいくつかのその他のテクノロジーの進歩が、ビッグ・データおよびオールIPであり、これらは、ネットワークが構築され管理されている方法を変える可能性がある。5G(または新無線、NR)ネットワークは、複数の階層をサポートするように設計されており、それらの階層では、コアと、基地局またはノードB(gNB)との間にMECサーバが配置されることが可能である。MECは4Gネットワークにおいても適用されることが可能であるということを理解されたい。
【0030】
5Gは、衛星通信を利用して、たとえばバックホーリングを提供することによって、5Gサービスのカバレッジを強化または補完することも可能である。考えられる使用事例は、マシンツーマシン(M2M)もしくはインターネット・オブ・シングス(IoT)デバイスのための、もしくは車両に乗っている乗客のためのサービス継続性を提供すること、またはクリティカルな通信、ならびに将来の鉄道、海上、および/もしくは航空通信のためのサービス可用性を確保することである。衛星通信は、静止地球軌道(GEO)衛星システム、そしてまた低地球軌道(LEO)衛星システム、とりわけメガコンステレーション(数百の(ナノ)衛星が配備されているシステム)を利用することが可能である。メガコンステレーションにおける衛星106は、地上セルを作成するいくつかの衛星対応ネットワーク・エンティティーをカバーすることが可能である。地上セルは、地上リレー・ノード104を通じて、または地上にもしくは衛星に配置されているgNBによって作成されることが可能である。
【0031】
示されているシステムは、無線アクセス・システムの一部の例であり、実際には、このシステムは、複数の(e/g)NodeBを含むことが可能であり、ユーザ・デバイスは、複数の無線セルへアクセスすることが可能であり、このシステムは、物理レイヤ・リレー・ノードまたはその他のネットワーク要素等など、その他の装置も含むことが可能であるということは、当業者にとって明らかである。(e/g)NodeBのうちの少なくとも1つは、Home(e/g)NodeBであることが可能である。加えて、無線通信システムの地理的エリアにおいては、複数の異なる種類の無線セルならびに複数の無線セルが提供されることが可能である。無線セルは、通常は最大で数十キロメートルの直径を有する大きなセルであるマクロ・セル(もしくはアンブレラ・セル)、またはマイクロ、フェムト、もしくはピコセルなど、より小さなセルであることが可能である。
図1Aの(e/g)NodeBは、これらのセルのうちの任意の種類を提供することが可能である。セルラー無線システムが、いくつかの種類のセルを含むマルチレイヤ・ネットワークとして実装されることが可能である。典型的には、マルチレイヤ・ネットワークにおいては、1つのアクセス・ノードが、1種類の1つまたは複数のセルを提供し、それゆえに、そのようなネットワーク構造を提供するためには、複数の(e/g)NodeBが必要とされる。
【0032】
通信システムの展開およびパフォーマンスを改善する必要性を満たすために、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBというコンセプトが導入されている。典型的には、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBを使用することが可能であるネットワークは、Home(e/g)NodeB(H(e/g)NodeB)に加えて、ホーム・ノードBゲートウェイ、またはHNB-GW(
図1Aにおいては示されていない)を含む。HNBゲートウェイ(HNB-GW)は、典型的にはオペレータのネットワーク内にインストールされ、多数のHNBからコア・ネットワークへ戻るトラフィックをアグリゲートすることが可能である。本明細書において論じられているネットワークは、たとえば、5G等などのセルラー・ネットワークを指す場合がある。
【0033】
図1Aにおいて矢印を用いて示されているように、UE100、102(および/または記述されているシステムの任意のその他のUE)は、デバイス間(D2D)通信をサポートすることが可能である。D2D通信は、時としてサイドリンク通信と呼ばれる場合がある。
【0034】
UEは、到達時刻(TOA)と呼ばれるメトリックを測定して報告することが可能である。このメトリックは、たとえば、無線リソース管理(RRM)のための位置特定および妨害物検出のために使用されることが可能である。たとえば、UEは加えて、TOA測定値どうしの間における差として計算されることが可能である基準信号時間差(RSTD)と呼ばれるメトリックを報告することが可能である。TOAは、信号(たとえば無線信号)が送信機と受信機との間における距離を進むのにかかる最短時間として理解されることが可能である。TOAが正しく測定されている場合には、距離は、d=TOA×cとして入手されることが可能であり、この場合、c=光の速度である。TOAを計算するために、受信機は、ワイヤレス伝搬チャネルの電力遅延プロファイル(PDP)を推定し、
図1Bにおいて示されているようにPDPが電力ピークを示す際の遅延をTOAとして選択することが可能である。TOAは、ネットワークへ示されることが可能であり、そしてネットワークは、たとえば距離dを計算することが可能である。
【0035】
しかしながら、最も強い成分(すなわち、電力ピーク)がLOSパスに常に対応しているとは限らないということがあり得る場合がある。これは、
図1Cおよび
図1Dの例において示されており、それらの例においては、UE100とネットワーク・ノード104との間におけるLOSパス信号186が、障害物184(たとえば木)によってブロックまたは減衰される可能性がある。信号184の電力196は、そのように低減されて、たとえば建物182から跳ね返る非LOS(NLOS)信号188、189の電力199よりも低くなる可能性がある。それゆえに、NLOS信号188、189は、TOAとして選択される可能性があり、これが意味し得ることとして、UE100とネットワーク・ノード104との間における距離は、NLOS信号188、189がネットワーク・ノード104とUE100との間を直接進むのではなく、その信号がネットワーク・ノード104から建物182へ、そして建物182からUEへ進むものとして誤って計算される可能性がある(すなわち、特定された距離は、実際よりも長くなる可能性がある)。
【0036】
さらに、無線環境は、特にcmWaveおよびmmWave周波数帯域において、動的である場合があり、その環境におけるUEの移動および/または無線障害が、LOSからNLOS状態への移行を引き起こす場合がある。そのため、実際には、UEは、純粋なLOSまたは純粋なNLOS伝搬状況をめったに経験しない可能性があり、受信された信号においてこれらの状況のうちのどちらが、どれぐらい長い間にわたって支配的であるかを特定することは、計算の点で激しいタスクになる可能性がある。機械学習(ML)ベースのLOS検出器を利用することが有益である場合がある。一般には、教師あり学習カテゴリーからのMLメソッドは、均衡の取れたトレーニング・セット、すなわち、堅牢な設計および高い精度の推論結果を入手する目的でのトレーニングのための十分に多様な測定値から恩恵を享受する。不均衡なデータは、トレーニング・データセットにおけるすべてのクラスに関して観測値の数が同じではない状況、すなわち、トレーニング・データセットが、複数のクラスを有する場合があり、前記クラスのうちの1つまたは複数が、少なくとも1つの他のクラスほど使用可能ではない観測値を有する状況を指すことが可能である。ここでの使用可能な観測値は、存在する測定値であって、かつ所与のしきい値を超える信頼性を有する測定値を指すことが可能である。時として、これらの使用可能な観測値は、信頼できるまたは関連のある観測値、測定結果、または信号サンプルと呼ばれる場合がある。たとえば、LOS、NLOS、および減衰されたLOS(ALOS)クラスが、LOS検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットに存在している場合がある。それゆえに、LOSトレーニング・データセットにおける不均衡を低減または除去することを可能にする解決策を提供することが有益である場合がある。これは、LOS検出器が、改善された精度で機能して、LOS、NLOS、および/またはALOSの状況を検出し、ひいては、より正確にTOAを選択して距離を計算することを可能にすることができる。
【0037】
図2は、ある実施形態による流れ図を示している。
図2を参照すると、ワイヤレス通信システムのUEのための方法が提供され、この方法は、LOS検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡を検出するステップ(ブロック202)と、検出された不均衡に関連付けられているLOSトレーニング・データセットの少数派クラスを特定するステップ(ブロック204)と、特定された少数派クラスを示す要求メッセージであって、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する要求メッセージをワイヤレス通信システムのネットワーク要素へ伝送するステップ(ブロック206)と、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをネットワーク要素から受信するステップ(ブロック208)とを含む。
【0038】
図3は、ある実施形態による流れ図を示している。
図3を参照すると、ワイヤレス通信ネットワークのネットワーク要素のための方法が提供されており、この方法は、ワイヤレス通信システムのUEからの要求メッセージを受信するステップであって、要求メッセージが、LOS検出器をトレーニングするためのLOSトレーニング・データセットにおける不均衡に関連付けられている少数派クラスを示し、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手する目的でUEによって1つまたは複数の測定を実行するために測定のアクティブ化を要求する、ステップ(ブロック302)と、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUEに実行させるアクティブ化メッセージをUEへ伝送するステップ(ブロック304)とを含む。
【0039】
図2および
図3の記述されている方法は、たとえば、
図1Aのシステム(たとえば、ワイヤレス通信ネットワーク)において、ならびに
図1Cおよび
図1Dの例において適用可能であり得る。
図2および
図3に関して論じられているUEは、たとえば、UE100、もしくはUE102、または、UE100、102に含まれている1つもしくは複数の回路網などのいくつかのその他の類似のネットワーク・デバイスであることが可能である。
図2および
図3に関して論じられているネットワーク要素は、たとえば、ネットワーク・ノード104を、もしくはCN110/CU108を、または、記述されている方法ステップを実行するように構成されている何らかのその他のネットワーク要素を指すことが可能である。たとえば、ネットワーク要素は、1つまたは複数のネットワーク・エンティティー(たとえば、物理的に別々のネットワーク・エンティティー)を指すことが可能である。たとえば、1つまたは複数のネットワーク・エンティティーは、ネットワーク・ノード104および/または場所管理機能(LMF)を指すことが可能である。1つまたは複数の測定は、UEによって実行される無線信号測定を指すことが可能である。追加の信号サンプルは、1つまたは複数の測定を実行することによって、UEによって入手されること(たとえば、収集されること)が可能である。信号サンプルは、信号電力、受信信号強度指標(RSSI)、信号対雑音プラス干渉比(SINR)、信号対雑音比(SNR)、ドップラー・シフト、チャネル・インパルス応答、および/または電力遅延電力などのパラメータおよび/または指標を直接またはさらなる処理とともに示すことおよび/または含むことが可能である。それゆえ、UEは、言い換えれば、実行された測定に基づいて測定結果を特定することが可能である。信号サンプルは、LOSトレーニング・データセットの特定のクラスに属することが可能である。それゆえに、少数派クラスは、たとえば、あまり関連のない信号サンプルを有する場合があり、これは、LOSトレーニング・データセットにおける不均衡を引き起こす場合がある。この不均衡は、少数派クラスに関するさらなる信号サンプルを入手することによって是正されることまたは少なくとも緩和されることが可能である。入手された追加の信号サンプルは、対応するクラスへと挿入されることが可能である。それゆえに、たとえば、少数派クラスの信号サンプルが入手された場合には、その信号サンプルは、少数派クラスへと挿入されることが可能である。
【0040】
上で提案されている実施形態は、潜在的なパフォーマンス制限を補償するためにネットワーク支援をUEが要求することによって、UEのLOS検出器の再構成を可能にすることができる。その目的で、UEは、制限されたパフォーマンスを引き起こすものは何かを検出することが可能である。上で示されているように、制限されたパフォーマンスは、たとえば、不均衡なトレーニング・データセットによって引き起こされる場合がある。たとえば、あるクラスが、トレーニング・データセットにおけるいずれかの他のクラスよりも少ない測定値または観測値を有する場合があり、クラスどうしにおける観測値または測定値の間の差は、しきい値を超えている。UEがクラスの不均衡を検出すると、UEとネットワークとの間におけるシグナリングがやり取りされて、リソースを要求し、それぞれ許可して、UEが測定値を収集して不均衡を少なくとも低減すること(すなわち、低減または除去すること)を可能にし、ひいては、より高い精度でのLOS検出器の再構成を可能にすることができる。これが意味し得ることとして、より少ない不均衡を有するトレーニング・データセットを用いて再構成が実行された場合には、MLベースのLOS検出器は、より効率的におよび/または正確に動作することが可能である。以降では、我々は信号サンプルに言及するが、それらの信号サンプルは、時として観測値、測定値、測定サンプル、または測定結果として理解される場合がある。信号サンプルは、たとえばUEによって、測定を実行することによって入手されることが可能である。
【0041】
さらに、本明細書において使用されている測定のアクティブ化は、1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手するための1つまたは複数の測定のアクティブ化を指すことが可能である。測定のアクティブ化は、以降で論じられているように、1つまたは複数の測定がアクティブされるべきであるというネットワークによる表示を含むことが可能である。そのような表示は、ネットワークからUEへアクティブ化メッセージを伝送することによって実現されることが可能である。さらに、いくつかの例においては、測定のアクティブ化はさらに、1つまたは複数の測定を実行する際に使用されることになる測定構成を含む、および/または示す。その他の例においては、測定構成は、UEによる測定のアクティブ化を要求する前にUEに提供されることが可能である。いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、構成されているX個のLOSクラスに対応するチャネル測定値のセットを収集および/または格納することが可能である。たとえば、X=3であり、それに伴うラベルは、LOS、NLOS、ALOSである。それゆえ、トレーニング・データセットは、LOS、NLOS、およびALOSクラスを有することが可能である。しかしながら、これは一例であり、異なる分類システムが使用されることが可能である。クラスにおける初期値は、UEの測定を介して入手されることが可能であり、および/またはそれらの初期値は、UEに、たとえば実験室環境に事前に格納されることが可能である。
【0042】
UE100はさらに、自分のML能力に関してネットワーク(たとえば、
図4のネットワーク要素402)に知らせることが可能である(たとえば、
図4: ブロック404を参照されたい)。ML能力メッセージは、たとえば、UEがMLベースのLOS検出器を利用しているということを示すことが可能である。
【0043】
いくつかの例においては、ネットワーク要素402は、構成メッセージをUE100へ送信することが可能である(たとえば、
図4のブロック406を参照されたい)。構成メッセージは、観測ウィンドウ構成を含むことが可能である。すなわち、ネットワーク要素402は、ウィンドウの持続時間Tcと、所定のメッセージに対するそのウィンドウの開始時刻T_startとを指定することが可能である(これは、後ほど詳細に論じられている)。
【0044】
いくつかの例においては、周期的に、またはネットワーク要素402によってトリガーされて、UE100は、クラスの不均衡の存在を推定または検出することが可能である(たとえば、
図4のブロック407を参照されたい)。関連のある信号サンプルを選択した後に、別々のクラスの信号サンプルのサイズどうしの間における比率が、たとえば所定のしきい値(たとえば0.5)未満である場合に、クラスの不均衡が検出されることが可能である。関連のある信号サンプルは、たとえば、下記を含むことが可能である。
・ 設定されているしきい値(下記のSNRしきい値を参照されたい)を上回る推定された信号対雑音比(SNR)レベルを有する信号サンプル。
・ 中程度のまたは低いドップラー・シフトを伴う信号サンプル。ここでも特定のしきい値が利用されることが可能である。
【0045】
それゆえ、一般にUE100は、関連がないと言える、たとえば不正確である、または多すぎるノイズを有する信号サンプルを無視することが可能である。そのため、トレーニング・データセットにおける不均衡が存在するか否かを特定する際に、関連のある信号サンプルが考慮に入れられることが可能である。
【0046】
クラスの不均衡が検出されると(たとえば、クラスの不均衡を検出したことに応答して、および/または不均衡を検出した後に)、UE100は、少数派クラス(たとえば、最も少ない利用可能な関連のある信号サンプルを有するクラス)に属している新たなチャネル信号サンプルを入手するための再構成要求をネットワークへ送信することが可能である。これは、たとえば、
図4のブロック408において見受けられることが可能である。UE100は、クラスの不均衡の重大度、たとえば、不均衡比率、中もしくは高などの不均衡の指標、および/または別々のクラスの信号サンプルどうしの相対的なサイズについての別の適切な表示をネットワーク要素402へ報告することも可能である。この時点で、UE100が不均衡の重大度を特定することが可能であるということに我々は注目している。それゆえに、UE100は、たとえば、少なくとも許容可能なレベルまで不均衡を低減するためには少数派クラスに関する追加の信号サンプルがいくつ必要とされるかを特定することが可能である。許容可能なレベルは、たとえば、ネットワークで構成されること、もしくは事前に構成されること、またはUEによって(たとえば、LOS検出器によって)特定されることが可能である。それゆえに、たとえば、重大度の表示は、いくつかのケースにおいては、少なくとも許容可能なレベルまで不均衡を低減するためにはいくつの追加の信号サンプルが入手されることを要求されるかを示すことのように単純であることが可能である。一例においては、ここでのレベルは、少数派クラスにおける信号サンプルの数と、信号サンプルの総数との間における比率を指すことが可能である。
【0047】
ネットワーク要素402は、要求を評価することが可能であり、UE100の場所予測と、そのような予測された場所におけるチャネル特徴付けとに基づいて、ネットワーク要素402は、観測ウィンドウにおいて(たとえば、観測ウィンドウ中に)少数派クラスが生じる可能性が高いかどうかを特定することが可能である。観測ウィンドウにおいて少数派クラスの信号サンプルが入手されることが可能であるとネットワーク要素402が特定したケースにおいては、ネットワーク402は、トリガー(たとえば、
図4のブロック412を参照されたい)をUE100へ送信して、観測ウィンドウにおいて新たな測定値を収集することを開始することが可能である。観測ウィンドウは、以前にUE100へ示されていることが可能であり、またはUE100の無線条件が変化したとネットワーク要素402が特定したケースにおいては、ネットワーク要素402は、新たな構成をUE100に提供することが可能である。いくつかの例においては、その変化は、UE100のために観測ウィンドウを再構成する前に、条件を満たしている(たとえば、しきい値を超えている)と特定されることが可能である。
【0048】
UE100は、構成されている観測ウィンドウにおいて測定を実行することによって信号サンプルを収集し、それらの信号サンプルに、対応するクラス・ラベルでタグ付けすることが可能であり(すなわち、少数派クラスがターゲットであるが、無線状況が予測とは異なる可能性があるという事実に起因して、いくつかのその他のクラスに属する信号サンプルが、追加として、または代替として入手されることが可能である)、それらの信号サンプルにタイムスタンプを付け、それらの信号サンプルを内部でバッファリングする。加えて、UE100は、以降でさらに詳細に記述されているように、それらの信号サンプルにその他のラベルを付加することが可能である。
【0049】
それゆえ、ネットワーク要素402は、特定の将来の場所におけるUE100の無線状況を推定し、UE100がそれらの推定された無線状況で少数派クラスの信号サンプルを入手することが可能であるかどうかを特定することが可能である。たとえば、LOSが少数派クラスであって、観測ウィンドウ中に、UE100の場所予測および無線状況の推定に基づいて、UE100がNLOS無線状況を経験しているとネットワークが特定した場合には、ネットワークは、測定を実行するようにUE100をトリガーすることを必ずしも行わないことが可能であり、それは、信号サンプルがトレーニング・データセットの不均衡を低減または除去しない可能性があるからである。しかしながら、LOS無線状況が予測される場合には、トリガリングが実行されることが可能である。いくつかの例においては、構成ウィンドウの持続時間および/または開始時刻を調整することも可能であり得る。それゆえ、たとえば、最初の観測ウィンドウが間違ったクラスの信号サンプルにつながることになる場合には、それが少数派クラスに関する信号サンプルにつながる可能性があるならば、そのウィンドウは再構成されることが可能である。
【0050】
次いで、まずは
図4を参照しながら、いくつかの実施形態をより詳しく見ることとしたい。ネットワーク要素402は、たとえば
図3のステップを実行するネットワーク要素を指すことが可能である。ある実施形態においては、UE100は、少数派クラスに関する1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手するステップ(ブロック416)と、1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手した後に、LOSトレーニング・セットを用いてLOS検出器を再トレーニングするステップ(ブロック418)とを行うように構成されている。それゆえ、ネットワーク要素402からアクティブ化メッセージを受信した後に、UE100は、信号サンプルを入手するために測定を実行することが可能である。それゆえに、不均衡は、少なくとも低減されることが可能であり、LOS検出器は、より均衡の取れたトレーニング・データセットを用いて再トレーニングされることが可能である。
【0051】
ある実施形態においては、UE100はさらに、観測ウィンドウ構成情報を含む構成メッセージをネットワーク要素402から受信するように構成されている。すなわち、ネットワーク要素402は、構成メッセージをUE100へ伝送することが可能である。観測ウィンドウ構成情報は、たとえば、上で定義されたTcおよびT_startを含むことが可能である。上で論じられているように、T_startは、所定のメッセージを搬送するサブフレームまたはシステム・フレーム番号(SFN)フレームのインデックスに対する観測ウィンドウの開始時刻を示すことが可能である。たとえば、Tcは、絶対時間の形式と同様に表されることが可能である。
【0052】
ある実施形態においては、所定のメッセージは、ブロック408の要求メッセージであり、サブフレームは、アップリンク・サブフレームである。それゆえ、これは本質的に、観測ウィンドウの開始時刻がブロック408の要求メッセージの伝送に対するものであるということを意味し得る。
【0053】
ある実施形態においては、所定のメッセージは、ブロック412のアクティブ化メッセージであり、サブフレームは、ダウンリンク・サブフレームである。それゆえ、これは本質的に、観測ウィンドウの開始時刻がブロック412のアクティブ化メッセージの伝送に対するものであるということを意味し得る。
【0054】
いくつかの実施形態においては、ブロック406の構成メッセージを受信する前に、UEは、ブロック404において、ML能力メッセージをネットワーク要素402へ送信することが可能である。このメッセージは、UE側でオン・ザ・フライで再トレーニングされることが可能であるMLベースの機能性のリストを含むことが可能である。たとえば、UEは、自分がMLベースのLOS検出器を有するということを、前記メッセージを用いて示すことが可能である。示されることが可能であるその他の機能は、MLベースのチャネル推定器およびMLベースのデコーダを含むことが可能である。この情報は、一般的なUE能力やり取り手順の一部であることが可能であり、またはオンデマンドでやり取りされることが可能である。
【0055】
ネットワーク要素402は、ブロック404の能力メッセージに基づいて、UE100がMLベースのLOS検出器を有すると特定することが可能である。それゆえに、ネットワーク要素402は、たとえば、ブロック406において観測ウィンドウを構成することを決定することが可能である。ブロック406のこの構成メッセージは、時としてML構成メッセージと呼ばれる場合があり、このML構成メッセージにおいては、観測ウィンドウが定義されることが可能である。
【0056】
ブロック407において、UE100は、クラス不均衡の存在を検出するために不均衡の検出を実行し、不均衡が検出されたケースにおいては、ブロック408において要求メッセージを伝送することによって、検出された不均衡をネットワーク要素402へ報告することが可能である。不均衡の検出(たとえば、ブロック407におけるような)は、
図10に関連して詳細に論じられる。要求メッセージは、少数派クラス、すなわち、不均衡を引き起こし、かつ追加の信号サンプルが必要とされる場合があるクラスを示すことが可能である。加えて、要求メッセージは、不均衡の重大度(たとえば、不均衡比率または相対的な指標(たとえば、高、中、低))を示すことが可能である。加えて、要求メッセージ(時として再構成要求と呼ばれる)は、UEの速度、方向、および/または将来の場所についてのデータを含むことが可能である。この情報は、時としてUEモビリティー・レベルと呼ばれる場合がある。UEモビリティー・レベルは、ネットワーク要素402へ報告されることが可能である。
【0057】
ブロック410において、ネットワーク要素402は、報告された少数派クラスに対応するチャネル状況をUEが経験する可能性があるときおよび/または場合を評価することが可能である。それゆえ、ネットワーク要素402は、UEの将来の場所を推定し、前記将来の場所における無線状況をさらに推定することが可能である。たとえば、ネットワーク要素402は、ネットワーク要素402およびUE100の無線環境(たとえば、建物、通りなど)および場所に関する情報を使用して、LOSマップなどのジオマップ(たとえば、2D/3D)を生成することが可能である。このマップは、UEの特定の将来の位置における無線状況を特定する際に使用されることが可能である。当業者なら、UEの将来の場所と、前記将来の場所における無線状況とを推定するための当技術分野において知られているさまざまな技術および方法を利用することを理解する。それゆえに、これらが本明細書においてさらに詳細に論じられることはない。たとえば、2段階のアプローチが利用されることが可能である。
【0058】
a. 第1にネットワーク要素402は、いくつかの例を挙げれば、報告されたモビリティー・レベル(時として
図6B: ブロック618におけるようにモビリティー・データと呼ばれる)、履歴データ、時刻、道路のタイプ、道路のレイアウト、道路の方向、および/または建物のレイアウトに基づいてUE100の将来の場所を予測する。
【0059】
b. 第2に、ネットワーク要素420は、予測された場所におけるチャネル状況が、報告された少数派クラスに対応する可能性が高いかどうかをチェックし、そうである場合には、ネットワーク要素402は、トリガー・メッセージをUE100へ送信して、測定値の収集を開始する(ブロック412: アクティブ化メッセージ)。すなわち、測定がアクティブ化されることが可能である。
【0060】
UE100は、たとえば、ネットワーク要素402からのメディア・アクセス制御(MAC)制御要素(CE)または物理レイヤ(PHY)ダウンリンク制御情報(DCI)(または、たとえば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して搬送されるその他のタイプのダウンリンク制御)の形式であることが可能であるトリガー・シグナリング(すなわちアクティブ化メッセージ)を受信し、構成されている観測ウィンドウ中にチャネル信号サンプルを記録し始めることが可能である(ブロック416)。UEは、少数派クラスを用いて、ならびに推定されたSNRおよびローテーション・ラベル(RL)などのその他のローカルで生成されたラベルを用いて、それらにラベル付けすることが可能である。
図4において示されているように、ネットワーク要素402は、いくつかの実施形態においては基準信号(RS)を伝送することが可能である(ブロック414)。伝送されたRSは、ブロック416のために使用されることが可能である。すなわち、UE100は、RSが伝送される無線チャネル上で測定を実行し、信号サンプルを入手することが可能である。信号サンプルは、たとえば、いくつかの例を挙げれば、クラス・ラベル、SNRラベル、ドップラー・シフト・ラベルを用いて、および/またはRLを用いてラベル付けされることが可能である。すなわち、UE100は、観測ウィンドウ中に測定を実行することが可能であり、その観測ウィンドウ中に、ネットワーク要素402は、RSを伝送し、追加の信号サンプルを入手し、それらの追加の信号サンプルにしかるべくラベル付けすることが可能である。上で論じられているように、ブロック418において、UE100は、更新されたトレーニング・データセットを用いてLOS検出器を再トレーニングすることが可能である。
【0061】
図5は、アクティブ化メッセージが観測ウィンドウ構成情報を含む実施形態を示している。それゆえ、2つのメッセージ(すなわち、
図4の例におけるような構成メッセージおよびアクティブ化メッセージ)を伝送する必要がある代わりに、ネットワーク要素402は、構成メッセージと同じまたは同様の情報を含むアクティブ化メッセージを伝送することが可能である。しかしながら、いくつかのケースにおいては、ネットワーク要素402は、構成メッセージおよびアクティブ化メッセージの両方を伝送し、依然として観測ウィンドウ構成情報をアクティブ化メッセージ内に含めることが可能である。これは、たとえば、構成メッセージの伝送後に観測ウィンドウ構成情報が更新される可能性があることに起因する場合がある。いくつかの例においては、構成情報を含むアクティブ化メッセージは、構成メッセージと呼ばれる。
【0062】
それゆえ、ブロック504において、UE100は、ブロック404におけるように能力メッセージを伝送することが可能である。UE100は、構成メッセージ404または何らかのその他のトリガーが不均衡の検出を開始するのを待つ代わりに、ブロック507において示されているように不均衡の検出を開始することが可能である。たとえば、不均衡の検出は、周期的であること、およびブロック407におけるように実行されることが可能である。
【0063】
不均衡が検出されたケースにおいては、UE100は、要求メッセージをネットワーク要素402へ伝送することが可能である(ブロック508)。これは、ブロック408におけるのと同様であることが可能である。
【0064】
ブロック510において、ネットワーク要素402は、ブロック410におけるようにUEの場所および無線状況の推定を実行することが可能である。これは、要求メッセージにおいてUEによって報告された、またはネットワーク要素402によって、たとえばネットワーク情報に基づいて特定されたUEモビリティー・レベルに基づくことが可能である。たとえば、ネットワーク情報は、UEの以前にサービス提供していたセルを示すことが可能である。この情報は、UEがどこでどのようなペースで移動しているのかを予測するために使用されることが可能である。
【0065】
ブロック512において、ネットワーク要素402がそのように特定した場合には、アクティブ化メッセージがUE100へ伝送されて、不均衡なトレーニング・データセットの均衡を取るために測定を実行し始めることが可能である。アクティブ化メッセージは、たとえば、例として、ブロック416および418に関して論じられているのと同様に、少数派クラスに関する追加の信号サンプルを入手するために、示されている観測ウィンドウを利用するようにUE100を構成することが可能である。たとえば、ネットワーク要素402は、
図4におけるのと同様に
図5においてRSを伝送することが可能である。
【0066】
図6A、
図6B、および
図6Cは、いくつかの実施形態のブロック図を示している。
図6Aを参照すると、上で論じられているように、観測ウィンドウ構成情報600は、観測ウィンドウの持続時間(すなわちTc)602および開始時刻(すなわちT_start)604を含むことが可能である。開始時刻は、所定のメッセージを搬送するサブフレームのインデックスに対するもの、またはSFNフレームに対するものであることが可能である。たとえば、Tcは、絶対時間として表されることが可能である。論じられているように、所定のメッセージは、たとえば、要求メッセージまたはアクティブ化メッセージであることが可能である。ある実施形態においては、観測ウィンドウ構成情報600はさらに、どのメッセージが所定のメッセージ(たとえば、要求メッセージまたはアクティブ化メッセージ)であるかを示す。このようにして、UE100およびネットワーク要素402は、観測ウィンドウを同様に特定することが可能であり、ひいては、たとえばネットワーク要素402によるRS伝送は、正しい時刻にUE100によって測定されることが可能である。
【0067】
図6Bを参照すると、要求メッセージ610(たとえばブロック408、508)は、少数派クラス612に関する表示を含むことが可能である。さらに、要求メッセージ610は、UE100についてのモビリティー・データ618(時としてモビリティー・レベルまたはモビリティー・ステータスと呼ばれる)および/または重大度指標614を含むことが可能である。重大度指標は、少数派クラス612の不均衡の重大度を示すことが可能である。重大度指標614は、たとえば、不均衡比率616を含むことが可能である。
【0068】
ここで
図6Cを参照すると、アクティブ化メッセージ620が示されている(たとえば、ブロック412または512において伝送される)。ある実施形態によれば、アクティブ化メッセージ620は、肯定応答(ACK)または非肯定応答(NACK)を示し(ブロック622)、ACKのケースにおいては、アクティブ化メッセージは、構成されている観測ウィンドウ中に1つまたは複数の測定をUE100に実行させ、NACKのケースにおいては、アクティブ化メッセージは、1つまたは複数の測定を実行することをUE100に防止させる。それゆえ、本質的に、ブロック412、512において伝送されるアクティブ化メッセージは、NACKが示されている場合には、すべての実施形態において測定のトリガリングを必ずしも引き起こすとは限らない。このことの例は、ある実施形態を示す
図8Bにおいて示されている。
【0069】
図8Bを参照すると、ネットワーク要素402は、UE100に関する場所および無線状況の推定値を入手することが可能である(ブロック812)。すなわち、上で
図4および
図5を参照しながら既に論じられているように、推定された将来の場所における無線状況が推定されることが可能である。ブロック814において、ネットワーク要素402は、観測ウィンドウ中に、推定された無線状況が適切であるか否かを特定する。そうでない場合には、プロセスは、ブロック816へ続くことが可能である。そうである場合には、プロセスは、ブロック818へ続くことが可能である。
【0070】
ブロック816において、ネットワーク要素402は、NACKを含むアクティブ化メッセージを伝送するか、またはアクティブ化メッセージを伝送するのを防止することが可能である。両方のケースにおいて、UE100は、測定を開始しないことが可能である。
【0071】
ブロック818において、ネットワーク要素402は、ACKを含むアクティブ化メッセージを伝送することが可能である。それゆえに、UE100は、構成されている観測ウィンドウ中に測定を開始することが可能である。
【0072】
ある実施形態においては、ブロック814において、たとえ無線状況が適切であっても、利用可能なトレーニング信号(すなわちRS)がない場合には、プロセスは、ブロック816へ続くことが可能である。すなわち、ネットワーク要素402が、RSを伝送するためのリソースを有していない場合には、アクティブ化メッセージは、送信されないことが可能であり、またはNACKを含むことが可能である。
【0073】
図8Aは、ある実施形態を示している。同様に、
図8Bにおけるように、UEの将来の位置および将来の位置の無線状況は、ネットワーク要素402によってブロック802において推定されることが可能である。ブロック802に基づいて、ネットワーク要素402は、アクティブ化メッセージを伝送するための時刻を特定する。ブロック806において、ネットワーク要素402は、前記時刻においてアクティブ化メッセージを伝送することが可能である。前記時刻は、たとえば、特定の時点を指すことが可能である。それゆえ、ネットワーク要素が、観測ウィンドウの開始時刻を変更するために、アクティブ化メッセージが伝送される時刻を調整するということが可能である。たとえば、これは、アクティブ化メッセージの伝送時刻が、構成ウィンドウが開始する時点に影響を及ぼすケース(たとえばT_startが、アクティブ化メッセージを搬送するダウンリンク・サブフレームのインデックスに対するものであるケース)において有益である場合がある。それゆえ、観測ウィンドウ上で構成情報を変更することなく、ネットワーク要素402は、たとえば少数派クラスに関する信号サンプルを入手する確率を高めるために、測定が実行される時刻を調整することが可能である。
【0074】
図7は、ある実施形態を示している。
図7を参照すると、ネットワーク要素402は、LOS検出器を再トレーニングするために使用されることになる参照シンボル構成を伝送することが可能である(ブロック702)。UE100は、構成を受信することと、参照シンボル構成に従ってトレーニング信号の受信を開始すること(ブロック704)によってLOS検出器を再トレーニングする際に参照シンボル構成を利用することとが可能である。ブロック706において、ネットワーク要素402は、構成に従ってRS(トレーニング信号と呼ばれる場合がある)を伝送することが可能である。ある実施形態によれば、
図7の1つまたは複数のステップは、
図4のブロック414に含まれている。
【0075】
ある実施形態においては、参照シンボル構成は、少なくとも1つの別個のメッセージにおいてUE100へ伝送される。
【0076】
ある実施形態においては、参照シンボル構成は、構成メッセージにおいて(たとえば、ブロック406)またはアクティブ化メッセージにおいて(ブロック512)UE100へ伝送される。
【0077】
図9は、ある実施形態を示している。
図9を参照すると、ネットワーク要素402は、不平衡しきい値をUE100へ伝送することが可能である(ブロック902)。UE100は、不均衡しきい値を受信することが可能である。
【0078】
ブロック904において、UE100は、検出された不均衡(たとえば、ブロック202)が不均衡しきい値を満たしている(たとえば、超えている)かどうかを特定することが可能である。
【0079】
不均衡が、たとえば、ネットワーク要素402によって構成されることが可能である不均衡しきい値を超えているケースにおいては、UE100は、要求メッセージ(たとえば、ブロック206)をネットワーク要素402へ伝送することが可能である(ブロック906)。そうでない場合には(すなわち、不均衡がしきい値を超えていない場合には)、UE100は、要求メッセージを伝送するのを防止することが可能である。
【0080】
不均衡しきい値は、たとえば、UEが要求メッセージを送信すると予想される不均衡しきい値比率または最小不均衡比率であることが可能である。いくつかの例においては、この比率は0.5であり、これが意味していることとして、あるクラスが、最も多くの関連のある信号サンプルを有するクラスと比較して、半分の数よりも少ない関連のある信号サンプルを有する場合には、要求メッセージが伝送されることが可能である。しかしながら、この比率は、0.5とは異なること(たとえば、0.6または0.7などであること)が可能である。ある実施形態においては、ネットワークが、このしきい値比率を特定する。上述されているように、要求メッセージが伝送される場合には、そのメッセージは、クラスの不均衡の重大度を含むことが可能である。たとえば0.5を超える場合には、実際の比率は、0と0.5との間において示されることが可能である。
【0081】
ある実施形態においては、不均衡しきい値は、別個のメッセージとしてUE100へ伝送される。
【0082】
ある実施形態においては、不均衡しきい値は、構成メッセージに含まれる(ブロック406)。
【0083】
次いで、いくつかの実施形態を示している
図10を参照しながら、不均衡の検出(たとえば、ブロック202、407、507)についてさらに詳細に論じることとしたい。
図10を参照すると、クラス不均衡の検出は、クラス、SNR、およびRLなど、関連付けられているラベルを有する信号サンプルを保持することを含むことが可能である。たとえば、チャネル・インパルス応答および/または電力遅延電力(PDP)は、信号サンプルから特定されることが可能である。これらの値は、LOS検出器をトレーニングするためのLOS検出器への入力として使用されることが可能である。それゆえに、信号サンプルから導き出された値は、たとえば、LOS検出器への入力として使用されることが可能である。UE100に格納されているラベル付けされた信号サンプルに基づいて、UEは、ブロック1030において示されているように不均衡の検出を実行することが可能である。保持される(すなわち、格納される)信号サンプルは、事前に格納されて、事前にラベル付けされることが可能であり、および/またはそれらの信号サンプルは、測定を実行することによってブロック1010において入手されて、ブロック1020においてラベル付けされることが可能である。
【0084】
ブロック1010において、UE100は、信号サンプルを収集または入手することが可能である。入手された信号サンプルは、LOS検出器のための入力として使用されることが可能である。たとえば、生の信号サンプルが、LOS検出器へ入力されることが可能である。論じられているように、信号サンプルは、信号電力および/またはSNR1012を導き出すことができる元となる情報を含むことが可能である。論じられているように、PDPまたはチャネル・インパルス応答など、その他のパラメータが、信号サンプルに基づいて、たとえば信号サンプル・セットごとに特定されることが可能である。さらに、信号サンプルに関連付けられているRLを入手するために、回転測定1014が実行されることが可能である。たとえば、関連のない信号サンプルをフィルタリングして、関連のある信号サンプルを入手するために、SNR(もしくはSINR)および/またはRLが使用されることが可能である。関連のある信号サンプルは、たとえば、LOS検出器のための入力として使用されることが可能である。
【0085】
ブロック1020において、信号サンプルは、いくつかの例を挙げれば、クラス、SNR、および/またはRL(ブロック1022)を用いてラベル付けされることが可能である。たとえば、LOS、NLOS、およびALOSクラスが使用されることが可能である。
【0086】
それゆえに、信号サンプルは、クラス、関連付けられているSNR、およびRLを有することが可能である。RLは、たとえば、{高、中、低}であることが可能であり、センサ・ユニット(たとえば、
図11のブロック1150を参照されたい)によって実行されるUEの回転測定(ブロック1014)から導き出されることが可能である。センサ・ユニットは、回転センサおよび/または慣性測定ユニット(IMU)を含むことが可能である。センサ・ユニット1150は、たとえば、3つの異なる範囲に属する3D回転を測定することが可能である。センサ・ユニット1150は、たとえば、数十Hzのリフレッシュ・レートを有し、あらゆる/すべての3D方向における動きを高解像度(たとえば、mmレンジ・シフト)で検出することが可能である。
【0087】
ある実施形態においては、UEは、高いまたは中程度のRLを有する信号サンプルを除去するか、またはそれらの信号サンプルに関して、より小さな重みを与える。それゆえに、RLがしきい値を超えている場合には、UEは、たとえば、関連付けられている信号サンプルを破棄することが可能である。しきい値は、たとえば、ネットワークによって構成されること、または事前に構成されることが可能である。
【0088】
UE100は、下記の条件のうちの少なくとも1つが満たされている場合には、クラスの不均衡を検出することが可能である。
・ トレーニング・データセットにおけるいずれかのクラスのサイズが、多数派クラスのサイズのa%未満である(ブロック1032)。a%は、たとえば60であることが可能である。
・ 信頼できない信号サンプルが破棄または除去された後に、いずれかのクラスのサイズが、多数派クラスのサイズのa%未満である(ブロック1034)。
・ 信頼できない測定値は、しきい値を超えるSNRを有する信号サンプル(たとえば、SNR<SNRしきい値)、RLしきい値を超えるRLを有する信号サンプル、および/またはしきい値を超えるドップラー・シフトを有する信号サンプルを含むことが可能である。
・ いずれかのクラスのサイズが、多数派クラスのサイズのb%未満であり、最新の信号サンプルが収集されてからΔtが経過している(ブロック1036)。
・ たとえば、b>aであり、Δtがサブフレームのうちのz個に等しいことが可能であり、この場合、zは正の整数(たとえば、1、2、3、4など)であることが可能である。それゆえ、クラスの不均衡は、a%が利用された前の例におけるほど高くないであろうが、信号サンプルを更新して、それらの信号サンプルの多様性を改善することが可能である。
【0089】
ある実施形態によれば、検出された不均衡が第1のしきい値を超えている場合、または不均衡が第2のしきい値を超えていて、かつ最後の信号サンプルが入手されてから所定の時間が経過している場合には、UE100は要求メッセージを伝送する。それゆえ、たとえば、検出された不均衡比率が第1のしきい値比率よりも小さい場合には、要求メッセージが伝送されることが可能である。たとえば、検出された不均衡比率が第2のしきい値比率よりも小さく、かつ最後の信号サンプルが入手されてからΔtが経過している場合には、要求メッセージが伝送されることが可能である。たとえば、第1のしきい値比率は、第2のしきい値比率よりも小さいことが可能である。前記条件が満たされていない場合には、要求メッセージが伝送されないことが可能である。
【0090】
SNRしきい値およびRLしきい値は、たとえば、UE100に対して事前に構成されること、またはネットワークによって構成されることが可能である。たとえば、信号サンプルを関連がある/信頼できるとみなすためには、SNRが所与のしきい値よりも高いことが必要であり得、および/またはRLが所与のしきい値よりも低いことが必要であり得る。同様に、信号サンプルを関連がある/信頼できるとみなすためには、ドップラー・シフトが所与のしきい値よりも低いことが必要であり得る。信号サンプルが、関連があるとみなされた場合には、それは、クラスの不均衡を特定する際に考慮に入れられることが可能である。信号サンプルが、関連がない/信頼できないとみなされた場合には、それは、クラスの不均衡を特定する際に考慮に入れられないことが可能である。
【0091】
提案されているものは、UEによるネットワークへのLOSの報告の精度を改善することなどの利点を提供することが可能である。たとえば、改善された精度は、UEの位置を特定する際にUEがネットワークを支援するケースにおいて経験されることが可能である。UEベースの測位においては、提案されているものは、検出可能なセルに関してLOS TOAを正しく選択する確率を高めることによって場所推定を改善することが可能である。さらに、提案されている無線リソース制御(RRC)シグナリングは、UEがLOS状況における変化を報告するケース、または推定されたLOSもしくはNLOSラベルを直接報告するケースのために使用されることが可能である。RRCシグナリングは、特定の調整、たとえば、新たなUE測定(たとえば例として、ブロック416の測定)をトリガーすることを行うために使用されることが可能である。RRCシグナリングは、たとえば、構成および再構成メッセージを伝送するために使用されることが可能である。そのような構成/再構成メッセージは、その他のメッセージとともに、たとえば、構成が複数のUEに共通であるケースにおけるマルチキャスト/ブロードキャスト・メッセージとして送信されることも可能である。それゆえ、ネットワーク要素402は、たとえば、同じ観測ウィンドウを利用するために同時に複数のUEを構成することが可能である。
【0092】
図11および
図12は、少なくとも1つのプロセッサなどの制御回路網(CTRL)1110、1210と、コンピュータ・プログラム・コード(ソフトウェア)1132、1232を含む少なくとも1つのメモリ1130、1230とを含む装置1100、1200を提供し、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータ・プログラム・コード(ソフトウェア)1132、1232は、少なくとも1つのプロセッサとともに、
図1Aから
図10の実施形態のうちのいずれか1つ、またはそのオペレーションをそれぞれの装置1100、1200に実行させるように構成されている。
【0093】
図11および
図12を参照すると、メモリ1130、1230は、半導体ベースのメモリ・デバイス、フラッシュ・メモリ、磁気メモリ・デバイスおよびシステム、光メモリ・デバイスおよびシステム、固定メモリ、ならびにリムーバブル・メモリなど、任意の適切なデータ・ストレージ・テクノロジーを使用して実装されることが可能である。メモリ1130、1230は、データを格納するためのデータベース1134、1234を含むことが可能である。たとえば、トレーニング・データセットは、メモリ1130において格納および更新されることが可能である。
【0094】
装置1100、1200はさらに、1つまたは複数の通信プロトコルに従って通信接続性を実現するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む無線インターフェース(TRX)1120、1220を含むことが可能である。TRXは、たとえば、無線アクセス・ネットワークにアクセスするための通信能力を装置に提供することが可能である。TRXは、増幅器、フィルタ、周波数変換器、(復調)変調器、ならびにエンコーダ/デコーダ回路網および1つまたは複数のアンテナなどの標準的なよく知られているコンポーネントを含むことが可能である。TRXを利用して、1つまたは複数の測定を実行して、1つまたは複数の追加の信号サンプルを入手することが可能である。
【0095】
装置1100、1200は、たとえば、少なくとも1つのキーパッド、マイクロフォン、タッチ・ディスプレイ、ディスプレイ、スピーカーなどを含むユーザ・インターフェース1140、1240を含むことが可能である。ユーザ・インターフェース1140、1240を使用して、装置1100、1200のユーザによってそれぞれの装置を制御することが可能である。
【0096】
ある実施形態においては、装置1100は、たとえば
図2に関して上述されている方法を実行するUEであること、またはそのUEに含まれることが可能である。たとえば、装置1100は、UE100もしくはUE102であること、またはそれらに含まれることが可能である。
【0097】
ある実施形態においては、装置1200は、たとえば
図3に関して上述されている方法を実行するネットワーク要素であること、またはそのネットワーク要素に含まれることが可能である。たとえば、装置1200は、ネットワーク要素402もしくはネットワーク・ノード104であること、またはそれらに含まれることが可能である。
【0098】
ある実施形態によれば、
図11を参照すると、制御回路網1110は、少なくとも
図2のブロック202に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている検出回路網1112と、少なくとも
図2のブロック204に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている特定回路網1114と、少なくとも
図2のブロック206に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている伝送回路網1116と、少なくとも
図2のブロック208に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている受信回路網1118とを含む。
【0099】
ある実施形態によれば、装置1100は、上でさらに詳細に論じられているセンサ・ユニット1150を含む。
【0100】
装置1100はさらに、LOS検出器1160を含むことが可能である。LOS検出器1160は、たとえばMLベースであることが可能である。LOS検出器1160は、たとえば、
図2および
図3を参照しながら論じられた同じまたは同様のLOS検出器であることが可能である。
【0101】
ある実施形態によれば、
図12を参照すると、制御回路網1210は、少なくとも
図3のブロック302に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている受信回路網1212と、少なくとも
図3のブロック304に関して記述されているオペレーションを実行するように構成されている送信回路網1214とを含む。
【0102】
ある実施形態においては、装置1200の機能性のうちの少なくともいくつかが、2つの物理的に別々のデバイスの間において共有されて、1つのオペレーショナル・エンティティーを形成することが可能である。そのため、装置1200は、記述されているプロセスのうちの少なくともいくつかを実行するための1つまたは複数の物理的に別々のデバイスを含むオペレーショナル・エンティティーを示しているとみなされることが可能である。それゆえに、そのような共有アーキテクチャーを利用する装置1200は、たとえば、基地局またはネットワーク・ノード104に配置されているリモート無線ヘッド(RRH)に(たとえば、ワイヤレスまたは有線ネットワークを介して)動作可能に結合されている、ホスト・コンピュータまたはサーバ・コンピュータなどのリモート・コントロール・ユニット(RCU)を含むことが可能である。ある実施形態においては、記述されているプロセスのうちの少なくともいくつかは、RCUによって実行されることが可能である。ある実施形態においては、記述されているプロセスのうちの少なくともいくつかの実行は、RRHとRCUとの間において共有されることが可能である。たとえば、CU/DU分割は、そのような共有アーキテクチャーを利用することが可能である。
【0103】
ある実施形態においては、RCUは、仮想ネットワークを生成することが可能であり、その仮想ネットワークを通じて、RCUはRRHと通信する。一般に、仮想ネットワーキングは、ハードウェアおよびソフトウェア・ネットワーク・リソースおよびネットワーク機能性を、単一のソフトウェアベースの管理エンティティーである仮想ネットワークへと組み合わせるプロセスを含むことが可能である。ネットワークの仮想化は、プラットフォームの仮想化を含むことが可能であり、プラットフォームの仮想化は、多くの場合、リソースの仮想化と組み合わされる。ネットワークの仮想化は、多くのネットワークまたはネットワークの部分どうしをサーバ・コンピュータまたはホスト・コンピュータへと(すなわちRCUへ)組み合わせる外部仮想ネットワーキングとして分類されることが可能である。外部ネットワークの仮想化は、最適化されたネットワーク共有を目的としている。別のカテゴリーが、単一のシステム上のソフトウェア・コンテナにネットワークのような機能性を提供する内部仮想ネットワーキングである。
【0104】
ある実施形態においては、仮想ネットワークは、RRHとRCUとの間におけるオペレーションの柔軟な分散を提供することが可能である。実際には、いずれのデジタル信号処理タスクも、RRHまたはRCUのいずれかにおいて実行されることが可能であり、RRHとRCUとの間において責任が移される境界は、実施態様に従って選択されることが可能である。
【0105】
ある態様によれば、複数の装置1100と、1つまたは複数の装置1200とを含むシステムが提供されている。それゆえに、装置1200は、複数のUEを観測ウィンドウとともに構成することが可能であり、その観測ウィンドウは、UEどうしの間において共有されることが可能であるか、またはUE固有である。
【0106】
本出願において使用される際には、「回路網」という用語は、(a)アナログおよび/またはデジタル回路網での実施態様など、ハードウェア回路での実施態様、ならびに(b)(該当する場合は、)(i)プロセッサの組合せ、または(ii)さまざまな機能を装置に実行させるためにともに機能するデジタル信号プロセッサ、ソフトウェア、およびメモリを含むプロセッサ/ソフトウェアの部分など、回路およびソフトウェア(および/またはファームウェア)の組合せ、ならびに(c)たとえソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在していなくても、オペレーションのためにソフトウェアまたはファームウェアを利用するマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部などの回路を指すことが可能である。「回路網」のこの定義は、本出願におけるこの用語の使用に当てはまる。さらなる例として、本出願において使用される際には、「回路網」という用語は、単にプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはプロセッサの一部およびその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実施態様もカバーすることになる。「回路網」という用語は、たとえば、特定の要素に適用可能である場合には、モバイル電話のためのベースバンド集積回路もしくはアプリケーション・プロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラー・ネットワーク・デバイス、もしくは別のネットワーク・デバイスにおける同様の集積回路もカバーすることになる。
【0107】
ある実施形態においては、
図1Aから
図10に関連して記述されているプロセスのうちの少なくともいくつかは、記述されているプロセスのうちの少なくともいくつかを実行するための対応する手段を含む装置によって実行されることが可能である。それらのプロセスを実行するためのいくつかの例示的な手段は、検出器、プロセッサ(デュアルコアおよびマルチコア・プロセッサを含む)、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、受信機、送信機、エンコーダ、デコーダ、メモリ、RAM、ROM、ソフトウェア、ファームウェア、ディスプレイ、ユーザ・インターフェース、ディスプレイ回路網、ユーザ・インターフェース回路網、ユーザ・インターフェース・ソフトウェア、ディスプレイ・ソフトウェア、回路、アンテナ、アンテナ回路網、および回路網のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。ある実施形態においては、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、およびコンピュータ・プログラム・コードは、処理手段を形成するか、または
図1Aから
図10の実施形態のうちのいずれか1つによる1つもしくは複数のオペレーションもしくはそれらのオペレーションを実行するための1つもしくは複数のコンピュータ・プログラム・コード部分を含む。
【0108】
さらに別の実施形態によれば、実施形態を実行する装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを含む回路網を含む。アクティブ化されたときに、その回路網は、
図1Aから
図10の実施形態のうちのいずれか1つによる機能性またはそれらのオペレーションのうちの少なくともいくつかを装置に実行させる。
【0109】
本明細書において記述されている技術および方法は、さまざまな手段によって実施されることが可能である。たとえば、これらの技術は、ハードウェア(1つもしくは複数のデバイス)、ファームウェア(1つもしくは複数のデバイス)、ソフトウェア(1つもしくは複数のモジュール)、またはそれらの組合せで実施されることが可能である。ハードウェア実施態様に関しては、実施形態の装置は、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書において記述されている機能を実行するように設計されているその他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中に実装されることが可能である。ファームウェアまたはソフトウェアに関しては、実施態様は、本明細書において記述されている機能を実行する少なくとも1つのチップ・セットのモジュール(たとえば、プロシージャー、関数など)を通じて実行されることが可能である。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニットに格納されてプロセッサによって実行されることが可能である。メモリ・ユニットは、プロセッサ内に、またはプロセッサの外部に実装されることが可能である。後者のケースにおいては、メモリ・ユニットは、当技術分野において知られているようなさまざまな手段を介してプロセッサへ通信可能に結合されることが可能である。加えて、本明細書において記述されているシステムのコンポーネントは、それに関して記述されているさまざまな態様などの達成を容易にするために、アレンジし直されること、および/またはさらなるコンポーネントによって補完されることが可能であり、当業者なら理解するであろうが、それらは、与えられている図において示されている正確な構成に限定されない。
【0110】
記述されている実施形態は、コンピュータ・プログラムまたはその部分によって定義されるコンピュータ・プロセスの形態で実行されることも可能である。
図1Aから
図10に関連して記述されている方法の実施形態は、対応する命令を含むコンピュータ・プログラムの少なくとも1つの部分を実行することによって実行されることが可能である。コンピュータ・プログラムは、ソース・コードの形態、オブジェクト・コードの形態、または何らかの中間の形態であることが可能であり、また、何らかの種類の搬送手段に格納されることが可能であり、その搬送手段は、プログラムを搬送することが可能な任意のエンティティーまたはデバイスであることが可能である。たとえば、コンピュータ・プログラムは、コンピュータまたはプロセッサによって読み取り可能なコンピュータ・プログラム配布メディア上に格納されることが可能である。コンピュータ・プログラム・メディアは、例として、たとえば記録メディア、コンピュータ・メモリ、読み取り専用メモリ、電気搬送信号、テレコミュニケーション信号、およびソフトウェア配布パッケージであることが可能であるが、それらに限定されない。コンピュータ・プログラム・メディアは、たとえば、非一時的メディアであることが可能である。示され記述されている実施形態を実行するためのソフトウェアのコーディングは、十分に当技術分野における標準的な技術者の範囲内にある。ある実施形態においては、コンピュータ可読メディアが、前記コンピュータ・プログラムを含む。
【0111】
添付の図面に従って例を参照しながら本発明について上述してきたが、本発明は、それには限定されず、添付の特許請求の範囲の範疇内でいくつかの方法で修正されることが可能であるということは明らかである。そのため、本明細書における言葉および表現は、広く解釈されるべきであり、それらの言葉および表現は、実施形態を限定することではなく、例示することを意図されている。テクノロジーが進歩するにつれて、本発明のコンセプトはさまざまな方法で実施されることが可能であるということは、当業者にとって明らかであろう。さらに、記述されている実施形態は、さまざまな方法でその他の実施形態と組み合わされることが可能であるが、それが必要とされているわけではないということは、当業者にとって明らかである。