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特許7542736エンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】エンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/38 20060101AFI20240823BHJP
   F02B 43/00 20060101ALI20240823BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20240823BHJP
   G01M 3/26 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B63H21/38 C
F02B43/00
F02M21/02 V
G01M3/26 N
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023519540
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2023000777
(87)【国際公開番号】W WO2023191280
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0040763
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522213971
【氏名又は名称】ハンファ オーシャン カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】3370,Geoje-daero,Geoje-si,Gyeongsangnam-do 53302,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヒョン
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02915986(EP,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1884766(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0017156(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0100467(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 21/38
F02B 43/00
F02M 21/02
G01M 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体Sに設けられ、窒素を生成する窒素生成器100と、
前記窒素生成器100で生成された前記窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンク200と、
前記船体Sを推進させるエンジンEの始動を補助する圧縮エアを生成して前記エンジンEに供給するエアコンプレッサー300と、
前記エアコンプレッサー300にエアを供給するエア供給部400と、及び
前記エア供給部400、前記窒素貯蔵タンク200、そして前記エアコンプレッサー300を繋ぐ第1切替配管DL1上に設けられ、前記エアコンプレッサー300に前記エア及び前記窒素の何れか1つを供給するように調節する第1切替弁DV1と、を含む
ことを特徴とするエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項2】
前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記エアコンプレッサー300によって加圧された圧縮窒素を用いて前記エンジンEに繋がっているガス配管GLをパージングする
請求項1に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項3】
前記エアコンプレッサー300で生成された前記圧縮エアを貯蔵するエア貯蔵タンク500と、
前記エアコンプレッサー300と前記エア貯蔵タンク500を繋ぐ第2切替配管DL2上に設けられ、前記圧縮エアを前記エア貯蔵タンク500に供給するか、前記圧縮窒素を前記ガス配管GLに供給するように調節する第2切替弁DV2と、を更に含む
請求項2に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項4】
前記第1切替配管DL1上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200から供給される前記窒素を減圧して前記エアコンプレッサー300に供給する第1窒素減圧弁RV1を更に含む
請求項3に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項5】
前記第2切替弁DV2と前記ガス配管GLとの間に設けられる初期パージングバルブIPVを更に含む
請求項4に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項6】
前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記第2切替弁DV2及び前記初期パージングバルブIPVを調節して前記圧縮エアを外部に排出する
請求項5に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項7】
前記初期パージングバルブIPV後端の前記ガス配管GL上に設けられ、前記圧縮窒素を減圧して前記ガス配管GLに供給する第2窒素減圧弁RV2を更に含む
請求項6に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項8】
前記窒素貯蔵タンク200と前記ガス配管GLを繋ぐ窒素供給配管NSL上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200に貯蔵された前記窒素を前記ガス配管GLに供給する窒素パージングバルブNPVを更に含む
請求項7に記載のエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム。
【請求項9】
船体Sと、
前記船体Sを推進させるエンジンEを含むエンジンルームERと、
前記エンジンEに燃料ガスを供給する燃料供給システムFSSを含む燃料供給ルームFRと、
を含み、
前記エンジンルームERは、前記燃料供給システムFSSのガス配管GLの漏洩テスト用窒素を加圧する漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSを更に含み、
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記エンジンルームERに設けられ、窒素を生成する窒素生成器100と、
前記窒素生成器100で生成された窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンク200と、
前記エンジンEの始動を補助する圧縮エアを生成して前記エンジンEに供給するエアコンプレッサー300と、
前記エアコンプレッサー300にエアを供給するエア供給部400と、
前記エア供給部400、前記窒素貯蔵タンク200、そして前記エアコンプレッサー300を繋ぐ第1切替配管DL1上に設けられ、前記エアコンプレッサー300に前記エア及び前記窒素の何れか1つを供給するように調節する第1切替弁DV1と、を含む
ことを特徴とする船舶。
【請求項10】
前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記エアコンプレッサー300によって加圧された圧縮窒素を用いて前記ガス配管GLをパージングする
請求項9に記載の船舶。
【請求項11】
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記エアコンプレッサー300で生成された前記圧縮エアを貯蔵するエア貯蔵タンク500と、
前記エアコンプレッサー300と前記エア貯蔵タンク500を繋ぐ第2切替配管DL2上に設けられ、前記圧縮エアを前記エア貯蔵タンク500に供給するか、前記圧縮窒素を前記ガス配管GLに供給するように調節する第2切替弁DV2と、を更に含む
請求項10に記載の船舶。
【請求項12】
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記第1切替配管DL1上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200から供給される前記窒素を減圧して前記エアコンプレッサー300に供給する第1窒素減圧弁RV1を更に含む
請求項11に記載の船舶。
【請求項13】
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記第2切替弁DV2と前記ガス配管GLとの間に設けられる初期パージングバルブIPVを更に含む
請求項12に記載の船舶。
【請求項14】
前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記第2切替弁DV2及び前記初期パージングバルブIPVを調節して前記圧縮エアを外部に排出する
請求項13に記載の船舶。
【請求項15】
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記初期パージングバルブIPV後端の前記ガス配管GL上に設けられ、前記圧縮窒素を減圧して前記ガス配管GLに供給する第2窒素減圧弁RV2を更に含む
請求項14に記載の船舶。
【請求項16】
前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、
前記窒素貯蔵タンク200と前記ガス配管GLを繋ぐ窒素供給配管NSL上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200に貯蔵された前記窒素を前記ガス配管GLに供給する窒素パージングバルブNPVを更に含む
請求項15に記載の船舶。
【請求項17】
前記ガス配管GLは、
前記燃料供給システムFSSと前記エンジンEを繋ぐメインガス配管MGLと、
前記初期パージングバルブIPVと前記エンジンEを繋ぎ、前記エンジンEの始動前に漏洩テストを行う圧縮窒素を前記エンジンEに供給する第1ガス配管GL1と、
前記第1ガス配管GL1と前記メインガス配管MGLを繋ぐ第2ガス配管GL2と、を含む
請求項13に記載の船舶。
【請求項18】
前記エンジンは、ME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンを含む
請求項9に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶に関し、より詳しくは、船舶用エンジンに供給される燃料ガス用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ME-GI(高圧二重燃料推進)エンジンは、略300barの高圧まで加圧した燃料ガスを用いる。これにより、ガス配管の漏洩をテストし、ガス配管の安定性を確保した後、燃料ガスをME-GI(高圧二重燃料推進)エンジンに供給した。
【0003】
近年、ME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンを二重燃料推進エンジンとして適用しようとしている。ME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンは、10乃至15barの低圧の燃料ガスを用いるので、ME-GIエンジンよりも燃料ガスの圧力が著しく低い。
【0004】
ME-GI(高圧二重燃料推進)エンジンでガス配管の漏洩テストは窒素(N)を用いて行い、船舶の窒素生成部で生成された約6barの窒素は、別途の圧縮機で略300barの高圧で加圧してガス配管の漏洩テストを行う。ME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンにおけるガス配管の漏洩テストも船舶の窒素生成部で生成された略6barの窒素を別途の圧縮機で略15barで加圧した後に行う。このような圧縮機は高価であり、容量が小さくて約4時間の加圧時間が必要であるので、ガス配管の漏洩テストにかかる時間が増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、低コストでガス配管の漏洩テストにかかる時間を短縮できるエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムは、船体Sに設けられ、窒素を生成する窒素生成器100、前記窒素生成器100で生成された前記窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンク200、前記船体Sを推進させるエンジンEの始動を補助する圧縮エアを生成して前記エンジンEに供給するエアコンプレッサー300、前記エアコンプレッサー300にエアを供給するエア供給部400、及び前記エア供給部400、前記窒素貯蔵タンク200、そして前記エアコンプレッサー300を繋ぐ第1切替配管DL1上に設けられ、前記エアコンプレッサー300に前記エア及び前記窒素のうちの何れか1つを供給するように調節する第1切替弁DV1を含む。
【0007】
ここで、前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記エアコンプレッサー300によって加圧された圧縮窒素を用いて前記エンジンEに繋がっているガス配管GLをパージングできる。
【0008】
このとき、前記エアコンプレッサー300で生成された前記圧縮エアを貯蔵するエア貯蔵タンク500、そして前記エアコンプレッサー300と前記エア貯蔵タンク500を繋ぐ第2切替配管DL2上に設けられ、前記圧縮エアを前記エア貯蔵タンク500に供給するか、前記圧縮窒素を前記ガス配管GLに供給するように調節する第2切替弁DV2を更に含むことができる。
【0009】
また、前記第1切替配管DL1上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200から供給される前記窒素を減圧して前記エアコンプレッサー300に供給する第1窒素減圧弁RV1を更に含むことができる。
【0010】
更に、前記第2切替弁DV2と前記ガス配管GLとの間に設けられる初期パージングバルブIPVを更に含むことができる。
【0011】
ここで、前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記第2切替弁DV2及び前記初期パージングバルブIPVを調節して前記圧縮エアを外部に排出できる。
【0012】
また、前記初期パージングバルブIPV後端の前記ガス配管GL上に設けられ、前記圧縮窒素を減圧して前記ガス配管GLに供給する第2窒素減圧弁RV2を更に含むことができる。
【0013】
更に、前記窒素貯蔵タンク200と前記ガス配管GLを繋ぐ窒素供給配管NSL上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200に貯蔵された前記窒素を前記ガス配管GLに供給する窒素パージングバルブNPVを更に含むことができる。
【0014】
一方、本発明の他の実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムを含む船舶は、船体S、前記船体Sを推進させるエンジンEを含むエンジンルームER、及び前記エンジンEに燃料ガスを供給する燃料供給システムFSSを含む燃料供給ルームFRを含み、前記エンジンルームERは、前記燃料供給システムFSSのガス配管の漏洩テスト用窒素を加圧する漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSを更に含み、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記エンジンルームERに設けられ、窒素を生成する窒素生成器100、前記窒素生成器100で生成された窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンク200、前記エンジンEの始動を補助する圧縮エアを生成して前記エンジンEに供給するエアコンプレッサー300、前記エアコンプレッサー300にエアを供給するエア供給部400、及び前記エア供給部400、前記窒素貯蔵タンク200、そして前記エアコンプレッサー300を繋ぐ第1切替配管DL1上に設けられ、前記エアコンプレッサー300に前記エア及び前記窒素のうちの何れか1つを供給するように調節する第1切替弁DV1を含む。
【0015】
ここで、前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記エアコンプレッサー300によって加圧された圧縮窒素を用いて前記ガス配管GLをパージングできる。
【0016】
このとき、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記エアコンプレッサー300で生成された前記圧縮エアを貯蔵するエア貯蔵タンク500、そして前記エアコンプレッサー300と前記エア貯蔵タンク500を繋ぐ第2切替配管DL2上に設けられ、前記圧縮エアを前記エア貯蔵タンク500に供給するか、前記圧縮窒素を前記ガス配管GLに供給するように調節する第2切替弁DV2を更に含むことができる。
【0017】
また、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記第1切替配管DL1上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200から供給される前記窒素を減圧して前記エアコンプレッサー300に供給する第1窒素減圧弁RV1を更に含むことができる。
【0018】
更に、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記第2切替弁DV2と前記ガス配管GLとの間に設けられる初期パージングバルブIPVを更に含むことができる。
【0019】
ここで、前記第1切替弁DV1を調節して前記エアコンプレッサー300に前記窒素が供給される場合、前記第2切替弁DV2及び前記初期パージングバルブIPVを調節して前記圧縮エアを外部に排出できる。
【0020】
また、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記初期パージングバルブIPV後端の前記ガス配管GL上に設けられ、前記圧縮窒素を減圧して前記ガス配管GLに供給する第2窒素減圧弁RV2を更に含むことができる。
【0021】
更に、前記漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSは、前記窒素貯蔵タンク200と前記ガス配管GLを繋ぐ窒素供給配管NSL上に設けられ、前記窒素貯蔵タンク200に貯蔵された前記窒素を前記ガス配管GLに供給する窒素パージングバルブNPVを更に含むことができる。
【0022】
また、前記ガス配管GLは、前記燃料供給システムFSSと前記エンジンEを繋ぐメインガス配管MGL、前記初期パージングバルブIPVと前記エンジンEを繋ぎ、前記エンジンEの始動前に漏洩テストを行う圧縮窒素を前記エンジンEに供給する第1ガス配管GL1、そして前記第1ガス配管GL1と前記メインガス配管MGLを繋ぐ第2ガス配管GL2を含むことができる。
【0023】
一方、前記エンジンは、ME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システム及びこれを含む船舶は、エンジンの始動を補助する圧縮エア(圧縮空気)をエンジンに供給するエアコンプレッサーを用いて窒素を加圧して圧縮窒素を生成し、生成された圧縮窒素を用いてガス配管の漏洩テストを行うことにより、圧縮窒素を生成するための別途の高価な圧縮機を用いなくてもよいため、低コストで漏洩テストを行える。
【0025】
また、エンジンの始動を補助する圧縮エアをエンジンに供給するエアコンプレッサーは、別途の圧縮機よりも10倍以上容量が大きいので、ガス配管の漏洩テストにかかる時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムを含む船舶を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に具現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムを含む船舶を概略的に示す図である。
【0029】
図1に示すように、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムNCSを含む船舶は、船体S、エンジンルームER、そしてエンジンEに燃料ガスを供給する燃料供給システムFSSを含む燃料供給ルームFRを含む。
【0030】
船体Sは、コンテナ船体、液化ガス船体など多様な船体を含むことができる。
【0031】
エンジンルームERは、船体Sを推進させるンジンE、そして漏洩テスト用窒素(N)の加圧システムNCSを含むことができる。エンジンEは、10乃至15barの低圧の燃料ガスを用いるME-GA(低圧二重燃料推進)エンジンであり得る。漏洩テスト用窒素(N)の加圧システムNCSは、燃料供給システムFSSのガス配管GLの漏洩テスト用窒素(N)を加圧して圧縮窒素を生成し、生成された圧縮窒素を燃料供給システムFSSのガス配管GLに供給してガス配管GLの漏洩テストを行える。
【0032】
燃料供給ルームFRは、エンジンEに燃料ガスを供給する燃料供給システムFSSを含むことができる。
【0033】
以下、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムについて詳細に説明する。
【0034】
図2は、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムの概略図である。
【0035】
図2に示すように、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムは、窒素生成器100、窒素貯蔵タンク200、エアコンプレッサー300、エア供給部400、エア貯蔵タンク500、第1切替弁DV1、第2切替弁DV2、初期パージングバルブIPV、第1窒素減圧弁RV1、そして第2窒素減圧弁RV2を含む。
【0036】
窒素生成器100は、船体S内のエンジンルームERに設けられ、窒素(N)を生成できる。
【0037】
窒素貯蔵タンク200は、窒素生成器100に隣接してエンジンルームERに設けられ、窒素生成器100で生成された窒素を貯蔵できる。窒素貯蔵タンク200に貯蔵された窒素は、略6barの圧力を有することができる。
【0038】
エアコンプレッサー(air compressor)300は、エア供給部400から供給されたエアを用いてエンジンEの始動及び調節を補助する圧縮エアを生成できる。エアコンプレッサー300で生成された圧縮エアは、エア貯蔵タンク500に貯蔵された後、圧縮エア配管CALを介してエンジンEに供給されることができる。圧縮エアは、約30barの圧力を有することができる。また、圧縮エア配管CALとエンジンEの二重循環配管DCLを繋ぐエンジン連結配管ECLを介して圧縮エアを二重循環配管DCLに供給できる。エンジン連結配管ECL上には、エア減圧部ARU及びフロースイッチ(Flow switch)FSが設けられることができる。エア減圧部ARUは、30barの圧縮エア又は圧縮窒素を約0.5barで減圧及び乾燥した循環空気をエンジンEの二重循環配管DCLに供給できる。フロースイッチFSは、エア減圧部ARUを通過した循環空気がエンジンEの二重循環配管DCLに正常に供給されているか確認できる。エンジンEの二重循環配管DCLに循環空気が流入しない場合には、エンジンEの動作を停止させる。
【0039】
エア供給部400は、エアコンプレッサー300にエアを供給できる。エア供給部400は、大気を吸入してエアの供給を受けることができる。
【0040】
エア貯蔵タンク500は、エアコンプレッサー300で生成された圧縮エアを貯蔵できる。エア貯蔵タンク500に貯蔵された圧縮エアは、エンジンEに供給され、エンジンEの始動及び調節を補助できる。エア貯蔵タンク500に貯蔵される圧縮エアの量は、12回以上のエンジン始動を行える量であり得る。
【0041】
第1切替弁DV1は、エア供給部400、窒素貯蔵タンク200、そしてエアコンプレッサー300を繋ぐ第1切替配管DL1上に設けられることができる。このような第1切替弁DV1は、三方弁(3 way valve)であり得る。第1切替配管DL1は、エア供給部400と第1切替弁DV1を繋ぐ第1-1切替配管DL11、窒素貯蔵タンク200と第1切替弁DV1を繋ぐ第1-2切替配管DL12、そして第1切替弁DV1とエアコンプレッサー300を繋ぐ第1-3切替配管DL13を含むことができる。
【0042】
第1切替弁DV1を調節することにより、エアコンプレッサー300にエア又は窒素の何れかを供給できる。
【0043】
エンジンEが動作する動作モード時、第1切替弁DV1を調節して第1-1切替配管DL11と第1-3切替配管DL13を連通させることで、エア供給部400からエアコンプレッサー300にエアを供給して圧縮エアを生成できる。そして、エンジンEが停止する停止モード時、第1切替弁DV1を調節して第1-2切替配管DL12と第1-3切替配管DL13を連通させることで、窒素貯蔵タンク200からエアコンプレッサー300に窒素を供給して圧縮窒素を生成できる。
【0044】
第2切替弁DV2は、エアコンプレッサー300とエア貯蔵タンク500を繋ぐ第2切替配管DL2上に設けられることができる。このような第2切替弁DV2は、三方弁(3 way valve)であり得る。第2切替配管DL2は、エアコンプレッサー300と第2切替弁DV2を繋ぐ第2-1切替配管DL21、第2切替弁DV2とエア貯蔵タンク500を繋ぐ第2-2切替配管DL22、そして第2切替弁DV2と初期パージングバルブIPVを繋ぐ第2-3切替配管DL23を含むことができる。
【0045】
第2切替弁DV2を調節することによって、エアコンプレッサー300で生成された圧縮エアをエア貯蔵タンク500に供給するか、エアコンプレッサー300で生成された圧縮窒素をガス配管GLに供給できる。
【0046】
エンジンEが動作する動作モード時、第2切替弁DV2を調節して第2-1切替配管DL21と第2-2切替配管DL22を連通させることで、エアコンプレッサー300で生成された圧縮エアをエア貯蔵タンク500に供給してエンジンEの二重循環配管DCLに供給できる。そして、エンジンEが停止する停止モード時、第2切替弁DV2を調節して第2-1切替配管DL21と第2-3切替配管DL23を連通させることで、エアコンプレッサー300で生成された圧縮窒素をガス配管GLに供給できる。ガス配管GLに供給された圧縮窒素は、ガス配管GLをパージング(purging)してガス配管GLの漏洩テストを行える。ガス配管GLは、メインガス配管MGL、第1ガス配管GL1、そして第2ガス配管GL2を含むことができる。
【0047】
メインガス配管MGLは、燃料供給システムFSSとエンジンEを繋ぎ、燃料ガスを燃料供給システムFSSからエンジンEに供給できる。メインガス配管MGL上には、ガスバルブトレイン(GAS VALVE TRAIN)GVT、メインガスバルブMGV、そしてメインベンティングバルブMBVが設けられることができる。ガスバルブトレインGVTは、エンジンEに供給される燃料ガスの供給圧力を調節できる。また、ガスバルブトレインGVTは、ガストリップ(GAS TRIP)の際、メインガス配管MGLで燃料ガスをベンティングするか、メインガス配管MGLを圧縮ガスでパージングできる。メインガスバルブMGVは、ガスバルブトレインGTVの前端に設けられ、非常時にエンジンEに供給する燃料ガスを遮断できる。メインベンティングバルブMBVは、メインガス配管MGLの燃料ガスを外部にベンティングするか、パージングできる。
【0048】
第1ガス配管GL1は、初期パージングバルブIPVとエンジンEを繋ぐことができる。第1ガス配管GL1は、エンジンEの始動前に漏洩テストを行う圧縮窒素をエンジンEに供給できる。第1ガス配管GL1上には、第1窒素パージングブロックPB1が設けられることができる。第1窒素パージングブロックPB1は、エンジンEが停止する停止モード時、第1ガス配管GL1に圧縮窒素を供給して第1ガス配管GL1をパージングするバルブグループであり得る。第1窒素パージングブロックPB1は、燃料ガスが第1ガス配管GL1に逆流するのを防止する第1二重制御弁DCV1、そして第1二重制御弁DCV1の間に位置し、漏洩が発生すると、外部にベンティングする第1ベンティングバルブVV1を含むことができる。
【0049】
第2ガス配管GL2は、第1ガス配管GL1とメインガス配管MGLを繋ぐことができる。第2ガス配管GL2上には、第2窒素パージングブロックPB2が設けられることができる。第2窒素パージングブロックPB2は、ガスバルブトレインGVT前端の第2ガス配管GL2に圧縮窒素を供給して第2ガス配管GL2をベンティングし、パージングし、漏洩テストを行うバルブグループであり得る。第2窒素パージングブロックPB2は、燃料ガスが第2ガス配管GL2に逆流するのを防止する第2二重制御弁DCV2、そして第2二重制御弁DCV2の間に位置し、漏洩が発生すると、外部にベンティングする第2ベンティングバルブVV2を含むことができる。
【0050】
初期パージングバルブIPVは、第2切替弁DV2と第1ガス配管GL1との間に設けられることができる。則ち、初期パージングバルブIPVは、第2-3切替配管DL23、初期パージング配管IPL、そして第1ガス配管GL1に繋がる三方弁(3 way valve)であり得る。
【0051】
第1切替弁DV1を調節してエアコンプレッサー300に窒素が供給される場合、第2切替弁DV2及び初期パージングバルブIPVを調節して圧縮エアを初期パージング配管IPLを介して外部に所定時間排出できる。初期パージング配管IPLは、エンジン連結配管ECLを介してエンジンEの二重循環配管DCLに繋がることができる。従って、初期パージング配管IPLを介して初期に第2-1切替配管DL21と第2-3切替配管DL23に残留していた圧縮エアをエンジンEの二重循環配管DCLに供給してエアコンプレッサー300の機能を補完できる。また、初期パージング配管IPLを介して圧縮窒素をエンジンEの二重循環配管DCLに供給してエアコンプレッサー300の機能を補完することもできる。
【0052】
一方、第1切替弁DV1を調節してエアコンプレッサー300にエアが供給される場合、第2切替弁DV2及び初期パージングバルブIPVを調節して圧縮窒素を初期パージング配管IPLを介して外部に所定時間排出することもできる。
【0053】
第1窒素減圧弁RV1は、第1切替配管DL1の第1-2切替配管DL12上に設けられることができる。エアコンプレッサー300が受けられる気体の圧力が定められており、6barの圧力を有する窒素貯蔵タンク200内部の窒素を受けられない場合には、第1窒素減圧弁RV1は、窒素貯蔵タンク200からエアコンプレッサー300に供給される窒素の圧力を6barから大気圧に減圧してエアコンプレッサー300に供給できる。
【0054】
第2窒素減圧弁RV2は、初期パージングバルブIPV後端のガス配管GL上に設けられることができる。第2窒素減圧弁RV2は、圧縮窒素を30barから15barに減圧してガス配管に供給できる。
【0055】
窒素パージングバルブNPVは、窒素貯蔵タンク200とガス配管GLを繋ぐ窒素供給配管NSL上に設けられることができる。エンジンEが停止する停止モード時又はマニュアルモード時、窒素パージングバルブNPVは、窒素貯蔵タンク200に貯蔵された窒素を6barの圧力でガス配管GLに供給してガス配管GLをパージングできる。
【0056】
このように、本発明の一実施例に係るエンジン用ガス配管の漏洩テスト用窒素の加圧システムは、エンジンEの始動を補助する圧縮エアをエンジンEに供給するエアコンプレッサー300、第1切替弁DV1及び第2切替弁DV2を用いて窒素を加圧して圧縮窒素を生成し、生成された圧縮窒素を用いてガス配管GLの漏洩テストを行うことにより、圧縮窒素を生成するための別途の高価な圧縮機を用いなくてもよいため、低コストで漏洩テストを行える。
【0057】
また、エンジンEの始動を補助する圧縮エアをエンジンEに供給するエアコンプレッサー300は、別途の圧縮機よりも10倍以上容量が大きいので、ガス配管GLの漏洩テストにかかる時間を短縮できる。
【0058】
更に、窒素生成器100、窒素貯蔵タンク200、エアコンプレッサー300、エア供給部400、そしてエア貯蔵タンク500がエンジンルームERに位置するので、エンジンEに繋がる漏洩テスト用窒素の加圧システムの構成又は配置が容易である。
【0059】
以上、本発明を図面に示された実施例を参照して説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明と均等な範囲に属する多様な変形例又は他の実施例が可能である。従って、本発明の真の保護範囲は、後述する特許請求の範囲によって定められる。

図1
図2