IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青▲島▼海▲尓▼▲滾▼筒洗衣机有限公司の特許一覧 ▶ 海尓智家股▲フン▼有限公司の特許一覧

特許7542750高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置
<>
  • 特許-高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置 図1
  • 特許-高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/32 20200101AFI20240823BHJP
【FI】
D06F33/32
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023538158
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2021134685
(87)【国際公開番号】W WO2022068975
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】202011561879.9
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517341445
【氏名又は名称】青▲島▼海▲尓▼▲滾▼筒洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱
(72)【発明者】
【氏名】許 升
(72)【発明者】
【氏名】趙 志強
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/134478(WO,A1)
【文献】特表2018-501844(JP,A)
【文献】特表2020-526318(JP,A)
【文献】特開2002-119786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 31/00
D06F 29/00
D06F 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2槽式洗濯機の高温蒸煮方法において、前記2槽式洗濯機は第1の洗濯槽、第2の洗濯槽、3方弁、風路及び前記第1の洗濯槽と前記第2の洗濯槽内の洗濯水を加熱可能な加熱装置を含み、
前記3方弁は、前記第1の洗濯槽に連通する第1の弁口と、前記第2の洗濯槽に連通する第2の弁口と、前記風路に連通する第3の弁口とを有し、且つ、前記3方弁は、前記風路を前記第1の洗濯槽に連通させ前記第2の洗濯槽に連通させない第2の弁口の封止位置と、前記風路を前記第2の洗濯槽に連通させ前記第1の洗濯槽に連通させない第1の弁口の封止位置とを選択的に切り替えるように配置され、
前記高温蒸煮方法は、
前記加熱装置を、前記第1の洗濯槽を加熱するようにし、前記3方弁を、前記第1の弁口の封止位置に切り替えるようにするステップと、
前記第1の洗濯槽の洗濯水温度を取得するステップと、
前記第1の洗濯槽の洗濯水温度が第1の蒸煮温度に到達する場合、前記加熱装置を、前記第1の洗濯槽の加熱を停止するとともに、前記第2の洗濯槽を加熱するようにするステップと、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度及び前記第2の洗濯槽の洗濯水温度を取得し、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下すると、前記3方弁を、前記第2の弁口の封止位置に切り替えるようにするステップと、
前記第2の洗濯槽内の洗濯水温度が第2の蒸煮温度に到達する場合、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽の加熱を停止するようにするステップと、を含む、
ことを特徴とする2槽式洗濯機の高温蒸煮方法。
【請求項2】
前記高温蒸煮方法は、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度より大きく且つ前記第2の洗濯槽の洗濯水温度が設定温度範囲内にある場合、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽への加熱を一時停止するようにするステップと、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度を再び取得するステップと、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度に低下した場合に、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽への加熱を続けるようにするステップと、をさらに含み、ここで、
前記設定温度範囲の最大温度値は前記予め設定された温度以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の高温蒸煮方法。
【請求項3】
前記予め設定された温度は50℃から60℃の間の任意の温度である、
ことを特徴とする請求項2に記載の高温蒸煮方法。
【請求項4】
前記設定温度範囲は40℃から50℃である、
ことを特徴とする請求項2に記載の高温蒸煮方法。
【請求項5】
前記高温蒸煮方法は、
前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度より大きく且つ前記第2の洗濯槽の洗濯水温度が前記予め設定された温度に上昇した場合に、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記第2の洗濯槽の洗濯水温度以下に低下すると、前記3方弁を、前記第2の弁口の封止位置に切り替えるようにするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の高温蒸煮方法。
【請求項6】
「前記3方弁を、前記第1の弁口の封止位置に切り替えるようにする」ステップは、
前記加熱装置が前記第1の洗濯槽の洗濯水を加熱し且つ前記3方弁が前記第2の弁口の封止位置に位置する場合に、前記第1の洗濯槽の洗濯水温度が前記予め設定された温度に到達すると、前記3方弁を、前記第1の弁口の封止位置に切り替えるようにするステップと、
前記加熱装置が前記第1の洗濯槽の洗濯水を加熱し且つ前記3方弁が前記第1の弁口の封止位置に位置する場合に、前記3方弁に前記第1の弁口の封止位置に位置する状態を保持させるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の高温蒸煮方法。
【請求項7】
前記第1の蒸煮温度は90℃より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の高温蒸煮方法。
【請求項8】
前記第2の蒸煮温度は前記第1の蒸煮温度と等しい、
ことを特徴とする請求項7に記載の高温蒸煮方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理機器の技術分野に属し、具体的には高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの分類洗濯のニーズ及び大きな洗濯量のニーズを満たすために、一部の洗濯機に2つの洗濯槽が設けられ、この2つの洗濯槽はいずれも洗濯水及び洗濯物を盛って、2槽洗濯の目的を実現することができる。洗濯機が高温蒸煮消毒機能を備える場合、洗濯機の2つの洗濯槽の洗濯水は、洗濯物を蒸煮消毒するという目的を実現するように、一般的に比較的高い温度に加熱され、2つの洗濯槽がいずれも高温蒸煮プログラムを実行する必要がある場合、洗濯機の動作電力が大きすぎ、大部分のユーザの自宅の安全な電流制限条件に適応しにくいことを回避するために、一般的に、2つの洗濯槽内の洗濯水は順次加熱されて高温蒸煮動作を行い、また高温蒸煮プログラムにおいて設定された洗濯水の加熱温度が比較的高いため、2槽式洗濯機は高温蒸煮プログラムを実行する時に大量の水蒸気を長時間に噴出し、ユーザの自宅における2槽式洗濯機の配置位置の壁面、家具などの住宅設備が長時間に湿気を受けて壊れることを引き起こしやすく、そして、2槽式洗濯機の配置空間が比較的閉鎖されると、大量の水蒸気が当該配置空間の可視度を低下させ、ユーザが当該配置空間にいる時の可視度を低下させることもあり、セキュリティリスクを有する。
【0003】
それに対応して、上記の問題を解決するために、新規な高温蒸煮方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び制御装置が当該分野において求められている。
【発明の概要】
【0004】
従来技術における上記問題を解決するために、すなわち従来の2槽式洗濯機の2つの洗濯槽が同時に高温蒸煮消毒を行う場合に逸出する水蒸気が多すぎるという問題を解決するために、本発明は2槽式洗濯機の高温蒸煮方法を提供し、前記2槽式洗濯機は第1の洗濯槽、第2の洗濯槽、3方弁、風路及び前記第1の洗濯槽と前記第2の洗濯槽内の洗濯水を加熱可能な加熱装置を含み、前記第1の洗濯槽及び前記第2の洗濯槽はそれぞれ前記3方弁によって前記風路に連通し、前記高温蒸煮方法は、前記加熱装置を、前記第1の洗濯槽を加熱するようにし、前記3方弁を、前記第1の洗濯槽に連通する弁口を封止するようにするステップと、前記第1の洗濯槽の洗濯水温度を取得するステップと、前記第1の洗濯槽の洗濯水温度が第1の蒸煮温度に到達する場合、前記加熱装置を、前記第1の洗濯槽の加熱を停止するとともに、前記第2の洗濯槽を加熱するようにするステップと、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度及び前記第2の洗濯槽の洗濯水温度を取得し、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下すると、前記3方弁を、弁位置を切り替え、前記第2の洗濯槽に連通する弁口を封止するようにするステップと、前記第2の洗濯槽内の洗濯水温度が第2の蒸煮温度に到達する場合、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽の加熱を停止するようにするステップと、を含む。
【0005】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記高温蒸煮方法は、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度より大きく且つ前記第2の洗濯槽の洗濯水温度が設定温度範囲内にある場合、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽への加熱を一時停止するようにするステップと、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度を再び取得するステップと、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度に低下した場合に、前記加熱装置を、前記第2の洗濯槽への加熱を続けるようにするステップと、をさらに含み、ここで、前記設定温度範囲の最大温度値は前記予め設定された温度以下である。
【0006】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記予め設定された温度は50℃から60℃の間の任意の温度である。
【0007】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記設定温度範囲は40℃から50℃である。
【0008】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記高温蒸煮方法は、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記予め設定された温度より大きく且つ前記第2の洗濯槽の洗濯水温度が前記予め設定された温度に上昇した場合に、前記第1の洗濯槽の洗濯水冷却温度が前記第2の洗濯槽の洗濯水温度以下に低下すると、前記3方弁を、弁位置を切り替え、前記第2の洗濯槽の弁口を封止するようにするステップをさらに含む。
【0009】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、「前記3方弁を、前記第1の洗濯槽の弁口を封止するようにする」ステップは、前記加熱装置が前記第1の洗濯槽の洗濯水を加熱し且つ前記3方弁が前記第2の洗濯槽に連通する弁口を封止する場合に、前記第1の洗濯槽の洗濯水温度が前記予め設定された温度に到達すると、前記3方弁を、前記第1の洗濯槽に連通する弁口を封止するようにするステップと、前記加熱装置が前記第1の洗濯槽の洗濯水を加熱し且つ前記3方弁が前記第1の洗濯槽に連通する弁口を封止する場合に、前記3方弁に前記第1の洗濯槽に連通する弁口を封止する状態を保持させるステップと、を含む。
【0010】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記第1の蒸煮温度は90℃より大きい。
【0011】
上記高温蒸煮方法の好ましい技術的解決手段において、前記第2の蒸煮温度は前記第1の蒸煮温度と等しい。
【0012】
本発明は、複数のプログラムコードが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムコードはプロセッサによってロードされ実行されて上記いずれかの高温蒸煮方法を実行することに適するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0013】
本発明は、プロセッサと、複数のプログラムコードを記憶することに適する記憶装置と、を含む制御装置であって、前記プログラムコードは前記プロセッサによってロードされ実行されて上記いずれかの高温蒸煮方法を実行することに適する制御装置をさらに提供する。
【0014】
当業者であれば理解できるように、本発明の高温蒸煮方法は第1の洗濯槽及び第2の洗濯槽を順次加熱する過程において3方弁の弁口封止位置の切り替えに合わせて2つの洗濯槽の全体蒸気逸出量を減少させることができ、第1の洗濯槽の洗濯水温度が極めて高く、大量の蒸気が発生する場合、3方弁によってその対応する弁口を封止し、また第1の洗濯槽の洗濯水温度が低下し、発生する蒸気量が極めて少なく、又は蒸気が発生しない場合、洗濯水温度が上昇し続ける第2の洗濯槽に対応する弁口をタイムリーに封止し、それにより第2の洗濯槽の洗濯水温度が極めて高く、大量の蒸気が発生できる場合、当該洗濯槽の蒸気が随意逸出することを回避し、2槽式洗濯機の2つの洗濯槽がいずれも高温蒸煮プログラムを行う場合に全体的に逸出する蒸気量を大幅に減少させ、2槽式洗濯機から逸出する蒸気によるユーザの自宅における装飾環境及び可視環境への悪影響を効果的に解消する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。図面は以下のとおりである。
図1】本発明の2槽式洗濯機の内部構造の概略図である。
図2】本発明の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法のステップフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者であれば理解できるように、本発明の説明において、本願は本発明の制御方法の各ステップを特定の順序に従って説明するが、これらの順序は限定するためのものではなく、本発明の基本原理から逸脱することなく、当業者は異なる順序で前記ステップを実行することができる。
【0017】
本発明は、背景技術で指摘された、従来の2槽式洗濯機の2つの洗濯槽が同時に高温蒸煮プログラムを行う場合に逸出する水蒸気が多すぎるという問題に基づいて、2槽式洗濯機の2つの洗濯槽がいずれも高温蒸煮プログラムを行う場合に全体的に逸出する蒸気量を減少させ、2槽式洗濯機から逸出する蒸気量によるユーザの自宅における装飾環境及び可視環境への悪影響を解消することを目的とし、2槽式洗濯機の高温蒸煮方法を提供する。
【0018】
まず、図1を参照すると、図1は本発明の2槽式洗濯機の内部構造の概略図である。図1に示すように、本発明の2槽式洗濯機は筐体と、筐体内に設けられた第1の洗濯槽1、第2の洗濯槽2、3方弁3、風路4及び加熱装置(図示せず)とを含む。風路4内に送風機5が設けられ、風路4の排気口は3方弁3の吸気用の弁口に連通し、3方弁3の排気用の第1の弁口は第1の洗濯槽1に連通し(以下、3方弁3の第1の洗濯槽1に連通する弁口を第1の弁口と総称する)、3方弁3の排気用の第2の弁口は第2の洗濯槽2に連通し(以下、3方弁3の第2の洗濯槽2に連通する弁口を第2の弁口と総称する)、3方弁3の弁体は、風路4内の気流が第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2に選択的に入って通風又は乾燥を行うことができるように、第1の弁口の封止位置と第2の弁口の封止位置とを切り替えることができる。加熱装置は第1の洗濯槽1内の洗濯水を加熱できる第1の加熱ユニットと、第2の洗濯槽2内の洗濯水を加熱できる第2の加熱ユニットと、を含む。ここで、上記3方弁3は第1の弁口及び第2の弁口のうちいずれか1つを選択的に封止できる任意の弁装置であり、例えばワックス式3方弁である。上記第1の加熱ユニット及び第2の加熱ユニットは洗濯水加熱の需要を満たすことができる加熱機器のいずれかである。第1の加熱ユニットは加熱モジュール及び温度制御モジュールを含み、そのうち、加熱モジュールは第1の洗濯槽1内の洗濯水の加熱目的を実現し、温度制御モジュールは少なくとも第1の洗濯槽1内の洗濯水が所望の温度に加熱される時に加熱モジュールをオフに制御することができる。第2の加熱ユニットの基本構造は第1の加熱ユニットと同じであるが、第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2に同時加熱が必要ではないことに鑑みて、第2の加熱ユニットの温度制御モジュールは、第1の加熱ユニットの温度制御モジュールと合併して設けられることが好ましい。具体的には、第1の加熱ユニット又は第2の加熱ユニットは第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2を加熱することにより第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2内の水を加熱することができ、例えば第1の加熱ユニット又は第2の加熱ユニットの加熱モジュールは電磁加熱装置であってもよく、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2の少なくとも一部の構造は金属材質で構成されることで、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2の槽本体は電磁加熱装置が生成した磁界を受けて渦電流効果を生成して発熱し、加熱熱量を第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2内の水に伝達することができ、それにより洗濯水の昇温効果を実現し、また、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2の回転に影響を与えることなく、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2内に入れられて第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2内の洗濯水を加熱することができ、例えば、第1の加熱ユニット又は第2の加熱ユニットの加熱モジュールは、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2内の洗濯水に直接入れられ、さらに洗濯水を加熱するように、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2の回転に影響を与えることなく、第1の洗濯槽1又は第2の洗濯槽2の内部に入れられた電熱線加熱装置である。第1の加熱ユニット及び第2の加熱ユニットの具体的な構造及び設置位置は同じであっても異なってもよく、第1の加熱ユニット及び第2の加熱ユニットは対応して第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2の洗濯水加熱の需要を満たすことができればよい。
【0019】
以下、上記2槽式洗濯機に合わせて本発明の高温蒸煮方法について説明する。
【0020】
また図2を参照すると、図2は本発明の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法のステップフローチャートである。図2に示すように、本発明の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法は、
加熱装置の第1の加熱ユニットを、第1の洗濯槽1を加熱するようにし、3方弁3を、第1の弁口を封止するようにするステップS1と、
第1の洗濯槽1の洗濯水温度を取得するステップS2と、
第1の洗濯槽1の洗濯水温度が第1の蒸煮温度に到達する場合、第1の加熱ユニットを、第1の洗濯槽1の加熱を停止するようにするとともに、第2の加熱ユニットを、第2の洗濯槽2を加熱するようにするステップS3と、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度及び前記第2の洗濯槽2の洗濯水温度を取得するステップS4と、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下すると、3方弁3を、弁位置を切り替え、第2の洗濯槽2に連通する弁口を封止するようにするステップS5と、
第2の洗濯槽2内の洗濯水温度が第2の蒸煮温度に到達する場合、第2の加熱ユニットを、第2の洗濯槽2への加熱を停止するようにするステップS6と、を含む。
【0021】
上記ステップにおいて、「第1の洗濯槽1の洗濯水温度」とは、第1の洗濯槽1内の洗濯水が加熱される時の温度である。「第2の洗濯槽2の洗濯水温度」とは、第2の洗濯槽2内の洗濯水が加熱される時の温度である。「第1の蒸煮温度」とは、高温蒸煮プログラムにおいて第1の洗濯槽1の内部の洗濯水が加熱されて上昇できる最高温度である。「第2の蒸煮温度」とは、高温蒸煮プログラムにおいて第2の洗濯槽1の内部の洗濯水が加熱されて上昇できる最高温度である。第1の蒸煮温度及び第2の蒸煮温度の設定値は同じであっても異なってもよく、当業者は蒸煮消毒の需要に応じて第1の蒸煮温度及び第2の蒸煮温度の具体的な温度値を設定することができる。例示的に、第1の蒸煮温度は90℃より高い温度値であり、第2の蒸煮温度は第1の蒸煮温度と同じであり、例えば、第1の蒸煮温度及び第2の蒸煮温度はいずれも95℃であり、第1の加熱ユニットは第1の洗濯槽1内の洗濯水を95℃に加熱すると動作を停止すると同時に、第2の加熱ユニットは第2の洗濯槽2内の洗濯水を加熱し始め、第2の洗濯槽2内の洗濯水が95℃に加熱されるまで停止し、高温蒸煮プログラムにおける加熱動作が完了する。「第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度」とは、第1の洗濯槽1が加熱されなくなった後の降温過程における洗濯水温度である。「予め設定された温度」とは、設定された第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度の所望の降温値であり、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が当該所望の降温値に低下する場合、第1の洗濯槽1内の洗濯水が生成する蒸気量が少なく、且つ少量の蒸気が第1の洗濯槽1から脱出した後に2槽式洗濯機の内部から外へ散る途中に凝縮し蒸発し消散し、ごく少ない部分の蒸気が2槽式洗濯機から脱出できても、脱出した蒸気量はすぐ空気中に消散し、装飾環境及び可視環境に対する影響は無視してもよい。好ましくは、上記予め設定された温度は50℃から60℃まで(50℃と60℃を含む)の任意の温度値であり、例えば60℃である。ここで、上記した第1の洗濯水温度、第2の洗濯水温度及び第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度など、取得すべき温度パラメータはいずれも対応する洗濯槽内に設けられた温度センサなどの温度取得装置によって取得することができる。
【0022】
上記ステップにより、第1の洗濯槽1内の洗濯水温度が比較的高く、発生する蒸気量が多い時に当該洗濯槽から逸出する蒸気を封止し、大量の蒸気が第1の洗濯槽1から2槽式洗濯機の外部に逸出することを防止するように、第1の洗濯槽1内の洗濯水が予め設定された温度に降温することを3方弁3が弁体の封止位置を切り替えるタイミングとすることができ、また、第2の洗濯槽2内の洗濯水温度が比較的高い温度に上昇し、発生する蒸気量が急激に多くなる前に当該洗濯槽の蒸気を逸出可能な通路を封止するように、第1の洗濯槽1内の洗濯水温度が低下し、発生する蒸気量が比較的少なく、蒸気が2槽式洗濯機の外部に逸出することがほとんどできない時に3方弁3の弁体位置切り替え操作を実行し、弁体を、第2の弁口を封止するようにし、設定したタイミングで3方弁3を切り替えることにより第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2から大量の蒸気が逸出することを順次阻止し、それにより高温蒸煮プログラムの実行全過程において第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2から逸出する蒸気の総量を最大限に減少させる。
【0023】
1つの可能な実施形態において、第2の洗濯槽2の洗濯水加熱電力を調整することにより第2の洗濯槽2内の洗濯水の昇温速度を制御することができ、高温蒸煮プログラムにおいて第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度の低下速度に応じて第2の加熱ユニットの出力電力を適宜増加又は減少させることにより、第2の洗濯槽2の洗濯水温度の上昇速度を増加又は減少させることで、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下する時に第2の洗濯槽2内の洗濯水を予め設定された温度以下の温度に加熱されるように制御し、好ましくは第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下する時に第2の洗濯槽2内の洗濯水温度をちょうど予め設定された温度に上昇させるようにし、それにより、第1の洗濯槽1と第2の洗濯槽2の全体加熱効率を保証できる上で、第1の洗濯槽1の洗濯水から蒸気が明らかに脱出せず且つ第2の洗濯槽2の洗濯水から比較的多くの蒸気が脱出しようとする時に3方弁3を、弁体を第1の弁口から第2の弁口にタイムリーに切り替えるように制御し、2つの洗濯槽を、蒸気が大量に発生する時に各洗濯槽に対応する弁口がいずれも閉鎖された状態に位置できるようにし、さらに全体の蒸気脱出量を効果的に減少させる。当然のことながら、第2の加熱ユニットの加熱電力を制御する以外に、当業者は第2の洗濯槽2内の洗濯水量に合わせて第2の洗濯槽2の洗濯水昇温速度を予測又は制御することもできる。
【0024】
別の可能な実施形態において、本発明の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法は、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度より大きく且つ第2の洗濯槽2の洗濯水温度が設定温度範囲内にある場合、第2の加熱ユニットを、第2の洗濯槽2への加熱を一時停止するようにするステップと、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度を再び取得するステップと、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下した場合に、第2の加熱ユニットを。第2の洗濯槽2への加熱を続けるようにするステップと、をさらに含み、ここで、設定温度範囲の最大温度値は予め設定された温度以下である。
【0025】
上記ステップにおいて、設定温度範囲内の温度値はいずれも予め設定された温度に近く且つそれより小さく、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下する前に、第2の洗濯槽2の洗濯水温度が設定温度範囲内に上昇すると、第2の加熱ユニットを、動作を一時停止するように制御すれば、第2の洗濯槽2の洗濯水温度が引き続き上昇することを一時停止でき、3方弁3が弁体を第2の弁口の封止位置に切り替える前に大量の蒸気が既に第2の洗濯槽2から外部に逸散し始めることを防止する。第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下すると、3方弁3は弁体を制御して第2の弁口を封止し、このとき、第2の加熱ユニットを、第2の洗濯槽2内の洗濯水を加熱し続けるようにし、その後に、第2の洗濯槽2の洗濯水温度が設定温度範囲外に急速に上昇し、さらに予め設定された温度を超えても、第2の洗濯槽2内に徐々に増加する大量の蒸気は弁体に封止されて外部に逸散できない。ここで、蒸気設定温度範囲は40℃から50℃であることが好ましい。
【0026】
さらに別の可能な実施形態において、本発明の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法は、
第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度より大きく且つ第2の洗濯槽2の洗濯水温度が予め設定された温度に上昇した場合に、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が第2の洗濯槽2の洗濯水温度以下に低下すると、3方弁3を、弁位置を切り替え、第2の洗濯槽2の弁口を封止するようにするステップをさらに含む。
【0027】
上記ステップにおいて、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下する前に第2の洗濯槽2の洗濯水温度が既に予め設定された温度に上昇すれば、第1の洗濯槽1及び第2の洗濯槽2内の洗濯水からはいずれも大量の蒸気が逸出でき、この場合に、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が第2の洗濯槽2の洗濯水温度以下に低下すれば、第2の洗濯槽2の洗濯水温度がより高く、発生する蒸気量がより多いことが示され、このとき、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が予め設定された温度に低下することを待つ必要がなく、3方弁3を、弁体を第1の弁口の封止位置から第2の弁口の封止位置に切り替えるように直接制御し、それにより逸出可能な蒸気量がより多い第2の洗濯槽2を封止し、第1の洗濯槽1の洗濯水冷却温度が第2の洗濯槽2の洗濯水温度より大きければ、3方弁3が第1の弁口を封止する状態を保持し、それにより逸出可能な蒸気量がより多い第1の洗濯槽1を封止する。
【0028】
上記実施形態のいずれかに基づいて、「3方弁3を、第1の弁口を封止するようにする」ステップは、
第1の加熱ユニットが第1の洗濯槽1の洗濯水を加熱し且つ3方弁3が第2の弁口を封止する(すなわち第1の洗濯槽1の洗濯水を加熱する時に3方弁3の弁体が第1の弁口の封止位置にない)場合に、第1の洗濯槽1の洗濯水温度が予め設定された温度に到達すると、3方弁3を、弁体の封止位置を第2の弁口から第2の弁口に切り替えるようにするステップと、
第1の加熱ユニットが第1の洗濯槽1の洗濯水を加熱し且つ3方弁3が第1の弁口を封止する(すなわち第1の洗濯槽1の洗濯水を加熱する時に3方弁3の弁体が既に第1の弁口の封止位置にある)場合に、3方弁3に第1の弁口を封止する状態を保持させるステップと、を含む。
【0029】
当然のことながら、上記1つ目の場合に、第1の洗濯槽1の洗濯水温度が予め設定された温度に到達することは単に3方弁3が弁体の封止位置を第1の弁口に切り替える最も遅いタイミングであり、実際に操作する際に、第1の洗濯槽1の洗濯水温度が予め設定された温度を超えない前に、3方弁3は弁体を第1の弁口を封止する位置に随時切り替えることもできる。
【0030】
さらに、本発明はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0031】
本発明によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記方法の実施例の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法を実行するプログラムを記憶するように構成され得、当該プログラムはプロセッサによってロードされ実行されて、上記高温蒸煮方法を実現することができる。説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみが示され、具体的な技術的詳細が開示されないものは、本発明の実施例の方法部分を参照する。当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は様々な電子機器を含んで形成された記憶媒体であってもよく、任意選択的に、本発明の実施例において記憶が非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0032】
さらに、本発明は制御装置を提供する。
【0033】
本発明による制御装置の一実施例において、制御装置は、上記方法の実施例の2槽式洗濯機の高温蒸煮方法を実行するプログラムを記憶するように構成され得る記憶装置と、記憶装置内のプログラムを実行するように構成され得るプロセッサと、を含み、当該プログラムは上記方法の実施例の高温蒸煮方法を実行するプログラムを含むが、これに限定されない。説明の便宜上、本発明の実施例に関連する部分のみが示され、具体的な技術的詳細が開示されないものは、本発明の実施例の方法部分を参照する。当該制御装置は、様々な電子機器を含んで形成された制御装置であってもよい。
【0034】
以上、図面に示す好ましい実施形態を参照しながら本発明の技術的解決手段を説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明の保護範囲は明らかに、これらの具体的な実施形態に限定されない。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術的解決手段はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 第1の洗濯槽
2 第2の洗濯槽
3 3方弁
4 風路
5 送風機
図1
図2