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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】毛髪切断システムにおける毛髪検出
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/28 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
B26B19/28 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023558169
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 EP2022054813
(87)【国際公開番号】W WO2022199982
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】21165334.0
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】タイトル コリン マシュー
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-508303(JP,A)
【文献】特表2004-535890(JP,A)
【文献】特表2019-500959(JP,A)
【文献】特開2019-171049(JP,A)
【文献】特開2012-239615(JP,A)
【文献】特開2006-158526(JP,A)
【文献】特表2007-501047(JP,A)
【文献】特開2003-174923(JP,A)
【文献】国際公開第2011/010246(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00
A45D 1/00 - 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚上を動かされ、少なくとも1つの機能カッター・ユニットを備えたカッター構成であって、前記少なくとも1つの機能カッター・ユニットが皮膚から突出した毛髪に対して切断操作を実行する、カッター構成と、
前記少なくとも1つの機能カッター・ユニットの近傍又は内部の検出領域における毛髪の存在を検出するための毛髪検出器とを備える、毛髪切断システムであって、
前記毛髪検出器は、
前記カッター構成が前記皮膚上を動かされるとき、毛髪と機械的に接触するように配置されており、
機械的に変形可能な材料で作成された少なくとも1つの毛髪接触部分を備え、
前記毛髪接触部分の機械的変形の度合いを測定する測定システムを備え、
前記毛髪接触部分の前記機械的変形の測定された前記度合いに基づいて、前記毛髪接触部分に接触している毛髪の存在を判定し、前記検出領域において毛髪が検出されたか否かを表す検出器出力を生成する検出器出力ユニットを備え、
前記毛髪切断システムが、
前記検出器出力ユニットからの前記検出器出力を受信し、前記検出器出力に依存して前記毛髪切断システムの少なくとも1つの動作パラメータを決定するプロセッサをさらに備える、毛髪切断システム。
【請求項2】
前記毛髪接触部分が、機械的に変形可能で導電性の材料で作成されており、前記測定システムが、前記毛髪接触部分の機械的変形から生じる前記毛髪接触部分の電気抵抗又は導電率の変化を測定する電気回路を備え、前記検出器出力ユニットが、前記毛髪接触部分の測定された前記電気抵抗又は導電率の変化に基づいて、前記毛髪接触部分に接触している毛髪の存在を判定する、請求項1に記載の毛髪切断システム。
【請求項3】
前記毛髪接触部分が、導電性で機械的に変形可能なコンフォーマル・ポリマで作成されている、請求項2に記載の毛髪切断システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの機能カッター・ユニットが毛髪切断領域を有し、前記毛髪切断領域において前記機能カッター・ユニットが毛髪を切断し、前記検出領域が前記毛髪切断領域に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項5】
前記毛髪接触部分が、細長いストリップであって、前記細長いストリップの長さに対して短い厚さ及び幅を有する細長いストリップを備え、前記細長いストリップが、毛髪によって前記細長いストリップの厚さ方向に機械的に変形されるように配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項6】
前記細長いストリップの両端部分が、前記細長いストリップを前記電気回路に電気的に接続する電気接触パッドと一体に形成されている、請求項2又は3に従属する請求項5に記載の毛髪切断システム。
【請求項7】
前記カッター構成が、複数の機能カッター・ユニットを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項8】
前記機能カッター・ユニットのそれぞれが、他の機能カッター・ユニットから独立して作動する、請求項7に記載の毛髪切断システム。
【請求項9】
前記毛髪検出器が、前記機能カッター・ユニットのそれぞれ1つに対して、それぞれの前記機能カッター・ユニットの近傍又は内部の前記検出領域における毛髪の存在を検出するための毛髪接触部分を備える、請求項7又は8に記載の毛髪切断システム。
【請求項10】
前記カッター構成が、少なくとも1つの可動構成要素を備え、前記プロセッサが、前記検出器出力に依存して、前記可動構成要素を動かすための制御パラメータを決定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項11】
前記機能カッター・ユニットが、1対の静止毛髪切断歯と、少なくとも1つの可動毛髪切断部材とを備え、前記1対の静止毛髪切断歯の前記静止毛髪切断歯の間に毛髪捕捉空間が存在し、前記毛髪検出器の前記毛髪接触部分が、前記毛髪捕捉空間に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項12】
前記毛髪接触部分が、前記毛髪捕捉空間の最も狭い箇所に配置されており、前記毛髪捕捉空間では、前記1対の静止毛髪切断歯の2つの前記静止毛髪切断歯の基部が互いに連結されている、請求項11に記載の毛髪切断システム。
【請求項13】
前記カッター構成が、1対の静止毛髪切断歯をそれぞれ有する複数の機能カッター・ユニットを備え、前記1対の静止毛髪切断歯には毛髪捕捉空間が存在し、前記毛髪検出器が、前記複数の機能カッター・ユニットの前記毛髪捕捉空間のそれぞれ1つにそれぞれ配置された複数の毛髪接触部分を備える、請求項11又は12に記載の毛髪切断システム。
【請求項14】
前記機能カッター・ユニットが、少なくとも1つのレーザ照射器を備え、前記プロセッサが、前記検出器出力に依存して、前記少なくとも1つのレーザ照射器のオン/オフ状態を決定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項15】
本体上に支持された機能ヘッドを備えた毛髪切断機器であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の毛髪切断システムが前記毛髪切断機器に組み込まれており、前記毛髪切断システムの前記カッター構成が前記毛髪切断機器の前記機能ヘッドに配置されている、毛髪切断機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上を動かされるように構成され、少なくとも1つの機能カッター・ユニットを備えたカッター構成であって、少なくとも1つの機能カッター・ユニットが、皮膚から突出した毛髪に対して切断操作を行うように構成されている、カッター構成を備えた毛髪切断システムに関する。
【0002】
さらに、本発明は、本体上に支持された機能ヘッドを備えた毛髪切断機器であって、本明細書で前述した毛髪切断システムが毛髪切断機器に組み込まれており、毛髪切断システムのカッター構成が毛髪切断機器の機能ヘッドに配置されている、毛髪切断機器に関する。
【背景技術】
【0003】
毛髪切断機器、特に電気毛髪切断機器が一般に知られており、例えばトリマ、バリカン、シェーバが挙げられる。電気毛髪切断機器は、電源供給によって、及び/又はバッテリなどの電気エネルギー貯蔵装置によって電力供給される。電気毛髪切断機器は、一般に、人が身なりを整えることができるように、(人間の)体毛を剃る、又は刈り込むために使用される。
【0004】
実際的な場合、電気毛髪切断機器の一部をなすのに適した毛髪切断システムは、カッター構成を備え、カッター構成は、使用者によって皮膚上で動かされるのに適しており、少なくとも1つの機能カッター・ユニットを備え、機能カッター・ユニットは、皮膚から突出した毛髪に対して切断操作を実行するように構成されている。従来、少なくとも1つの機能カッター・ユニットは、可動構成要素と静止構成要素の組み合わせを備え、少なくとも可動構成要素は切断刃を含む。そのような場合、毛髪切断システムの使用は、毛髪切断システムを少なくとも1つの機能カッター・ユニットの可動構成要素が実際に動かされる動作モードにすること、及びカッター構成を皮膚上で動かすことを含む。プロセス中、皮膚から突出した毛髪は、少なくとも1つの機能カッター・ユニットの空間において捕捉され、機能カッター・ユニットにおいて、毛髪は静止構成要素に対して当接させられ、可動構成要素にぶつかるときに切断される。代替的な可能性の例は、その可能性によると毛髪切断システムが、毛髪を切断するのにレーザ光を利用するように構成された少なくとも1つの機能カッター・ユニットを備えている可能性である。そのような場合、毛髪切断システムが、レーザ光源と、レーザ光源から少なくとも1つの機能カッター・ユニットまで延在する光ファイバとを装備し、その結果、毛髪切断システムが皮膚上で動作し、使用されるときに、レーザ光が少なくとも1つの機能カッター・ユニットの位置において照射され、毛髪を切断できると実際的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
良好な毛髪切断の結果を得るためには、皮膚にできるだけ近い位置で毛髪を切断することが目的とされる。この一般的な毛髪切断の態様の欠点は、皮膚炎が生じることである。この問題は当技術分野で確認されており、近接した毛髪切断をそれほどあきらめることなく、皮膚刺激を軽減する様々なやり方がこれまで開発されてきた。本発明の目的は、従来のソリューションをもたらした手法とは異なる手法に基づいて、皮膚刺激を低減する、及び/又は1つ又は複数の他の有益な効果を達成するのに有用であり得る手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の観点から、本発明は、
- 皮膚上を動かされるように構成され、少なくとも1つの機能カッター・ユニットを備えたカッター構成であって、少なくとも1つの機能カッター・ユニットが皮膚から突出した毛髪に対して切断操作を実行するように構成されている、カッター構成と、
- 少なくとも1つの機能カッター・ユニットの近傍又は内部の検出領域における毛髪の存在を検出するように構成及び配置された毛髪検出器とを備えた毛髪切断システムであって、毛髪検出器が、
- カッター構成が皮膚上を動かされるとき、毛髪と機械的に接触するように配置されており、
- 機械的に変形可能な材料で作成された少なくとも1つの毛髪接触部分を備え、
- 毛髪接触部分の機械的変形の度合いを測定するように構成された測定システムを備え、
- 毛髪接触部分の機械的変形の測定された度合いに基づいて、毛髪接触部分に接触している毛髪の存在を判定し、検出領域において毛髪が検出されたか否かを表す検出器出力を生成するように構成された検出器出力ユニットを備え、
毛髪切断システムが、
- 検出器出力ユニットから検出器出力を受信し、検出器出力に依存して毛髪切断システムの少なくとも1つの動作パラメータを決定するように構成されたプロセッサをさらに備える、毛髪切断システムを提供する。
【0007】
上記で説明したように、毛髪切断技術は、近接した毛髪切断と肌の快適さとのバランスをとる必要性に取り組んでいる。本発明のコンテキストにおいて、知られている毛髪切断システムは、少なくとも1つの機能カッター・ユニットの位置に現れたものを無差別に何でも切断するシステムとして特徴付けられ得ることが認められる。このように、従来の状況では毛髪と皮膚との両方が確率的なプロセスで切断される。本発明は、毛髪切断システムを動作させる洗練されたやり方を実施することが可能となる手法を提供し、この毛髪切断システムは、切断操作を施すことができる毛髪が実際に存在する場合にのみ少なくとも1つの機能カッター・ユニットを作動させることを可能にし、それによって毛髪切断システムの使用中に、毛髪を切断する確率がより高く、皮膚を切断する確率がより低いことを実現する。
【0008】
実際、本発明による毛髪切断システムは、少なくとも1つの機能カッター・ユニットの近傍又は内部の検出領域における毛髪の存在を検出するように構成及び配置された毛髪検出器を備える。毛髪検出器は、カッター構成が皮膚上で動かされるとき、毛髪と機械的に接触するように配置されており、そのために、機械的に変形可能な材料で作成された少なくとも1つの毛髪接触部分を備える。上記で定義したように、毛髪検出器は、毛髪接触部分の機械的変形の度合いを測定するように構成された測定システムをさらに備え、毛髪接触部分の機械的変形の測定された度合いに基づいて、毛髪接触部分に接触している毛髪の存在を判定し、検出領域において毛髪が検出されたか否かを表す検出器出力を生成するように構成された検出器出力ユニットもさらに備える。毛髪接触部分の機械的変形の度合いは、例えば、毛髪接触部分の機械的圧縮の度合いである。機械的変形の他の例としては、伸長及びねじれがある。検出器出力は、毛髪検出に関する毛髪切断システムの動作を制御するのに使用することができる。この点に関して、本発明による毛髪切断システムは、検出器出力ユニットから検出器出力を受信し、検出器出力に依存して毛髪切断システムの少なくとも1つの動作パラメータを決定するように構成されたプロセッサをさらに備えることに留意されたい。
【0009】
本発明で得られる知見は、毛髪の剛性は皮膚組織の剛性よりもはるかに高く、結果として、カッター構成が皮膚上を動かされるとき、毛髪は小さい皮膚のひだよりもはるかに大きい力で毛髪検出器の毛髪接触部分を押圧することになる。したがって、毛髪にぶつかった状況を他の状況と区別するのに使用できる、力に関する基準を定義することが非常によくあり得ることであり、毛髪検出器は高い精度及び信頼度で機能することができる。完全性のために述べると、ヤング率は剛性の尺度として一般的に使用されることに留意されたい。
【0010】
上記で示唆されたことに従うと、検出器出力に依存して決定される毛髪切断システムの少なくとも1つの動作パラメータは、少なくとも1つの機能カッター・ユニットの作動状態の設定において機能するパラメータであり得る。本発明によって網羅される1つの可能性によると、カッター構成は少なくとも1つの可動構成要素を備え、プロセッサは、検出器出力に依存して可動構成要素を動かすための制御パラメータを決定するように構成される。そのような場合、少なくとも1つの動作パラメータは、可動構成要素を動かすための制御パラメータを含み、制御パラメータは、可動構成要素を動かす値又は可動構成要素を静止状態に保つ値のいずれかに設定される。本発明によって網羅される別の可能性によると、機能カッター・ユニットは、少なくとも1つのレーザ照射器を備え、プロセッサは、検出器出力に依存して、少なくとも1つのレーザ照射器のオン/オフ状態を決定するように構成される。本コンテキストにおいて、少なくとも1つのレーザ照射器のオン状態は、レーザ光によって意図した毛髪の切断プロセスが実現されることを可能にするのに十分な強度でレーザ光が照射される、機能状態であるように理解されるべきであり、少なくとも1つのレーザ照射器のオフ状態は、レーザ光が著しく低い強度で照射されるか、又はレーザ光が全く照射されない非機能状態であるように理解されるべきである。
【0011】
別の又は追加のオプションによると、検出器出力に依存して決定される毛髪切断システムの少なくとも1つの動作パラメータは、毛髪切断システムの作動状態の設定において機能するパラメータである。具体的には、毛髪切断システムの作動状態は、待機状態及び作動状態のいずれかである。プロセッサは、毛髪切断システムが待機状態にあり、検出領域において毛髪が検出されることを示す検出器出力が受信されるとき、毛髪切断システムを作動状態にするように構成される。本オプションを実施する場合、使用者が皮膚上でカッター構成を動かす操作を開始するとき、毛髪切断システムが自動的に待機状態から作動状態になるので、毛髪切断システムはオン/オフ・ボタンなどを設けずにデザインすることができ、プロセッサは、最後の毛髪検出イベントから経過した時間などの適切な基準に基づき、毛髪切断システムを自動的に作動状態から待機状態にするように、さらに構成されている。
【0012】
本発明による毛髪切断システムの実際的な実施形態において、毛髪検出器の毛髪接触部分は、機械的に変形可能で導電性の材料で作成され、測定システムは、毛髪接触部分の機械的変形から生じる毛髪接触部分の電気抵抗又は導電率の変化を測定するように構成された電気回路を備え、検出器出力ユニットは、毛髪接触部分の電気抵抗又は導電率の測定された変化に基づいて、毛髪接触部分に接触している毛髪の存在を判定するように構成される。この点に関して、毛髪接触部分が導電性で機械的に変形可能なコンフォーマル・ポリマで作成されていると有用であることに留意されたい。
【0013】
少なくとも1つの機能カッター・ユニットが、当該機能カッター・ユニットが毛髪を切断するように構成されている毛髪切断領域を有すると仮定すると、毛髪検出に関連して毛髪切断システムの動作を制御するという概念は、検出領域が毛髪切断領域に対応する場合、最適なやり方で実現される。
【0014】
毛髪が毛髪検出器の毛髪接触部分に接触することを可能にして、毛髪接触部分に一定の機械的効果をもたらし、それによって毛髪検出器の十分な検出感度を実現するために、毛髪接触部分が、ストリップの長さに対して小さい厚さ及び幅を有する細長いストリップを含んでいると、また、ストリップが、その厚さ方向に毛髪によって機械的に変形されるように配置されていると実際的である。本明細書で前述したように、測定システムが電気回路を備える場合、細長いストリップの両端部分が、ストリップを電気回路に電気的に接続するための電気接点パッドと一体に形成されるようにされる。毛髪が検出領域に入ると、毛髪は細長いストリップに押し付けられ、細長いストリップが変形することになる。細長いストリップの変形により、細長いストリップの電気抵抗の増加につながり、これは電気回路によって測定することができる。
【0015】
本発明のコンテキストにおいて、毛髪切断システムは、任意の適切な数の機能カッター・ユニットを備える。したがって、その数は1つであってもよいが、カッター構成が複数の機能カッター・ユニットを備えることも可能である。後者である場合、機能カッター・ユニットのそれぞれが他の機能カッター・ユニットから独立して作動するように構成されると、毛髪切断システムの洗練された実施形態が得られる。しかしながら、本発明が、機能カッター・ユニットが協働して作動可能であるというオプションも網羅している事実に変わりはない。いずれの場合も、毛髪切断システムが2つ以上の機能カッター・ユニットを備える場合、毛髪の存在を機能カッター・ユニットのそれぞれ1つにおいて検出することができると有利であり、このことは、毛髪検出器が、機能カッター・ユニットのそれぞれ1つごとに、機能カッター・ユニットの上記それぞれ1つの近傍又は内部の検出領域において毛髪の存在を検出するように構成及び配置された毛髪接触部分を備えると有利であることを意味する。
【0016】
カッター構成が少なくとも1つの可動構成要素を備える場合、特に、カッター構成の機能カッター・ユニットが、1対の静止毛髪切断歯と、少なくとも1つの可動毛髪切断部材とを備え、1対の静止毛髪切断歯の歯の間に毛髪捕捉空間が存在し、毛髪検出器の毛髪接触部分が毛髪捕捉空間内に配置されるようにすることができる。この点に関して、毛髪接触部分の利点である箇所は、1対の静止毛髪切断歯の2つの歯の基部が互いに連結される毛髪捕捉空間の最も狭い箇所であり、これは、毛髪捕捉空間において捕捉される毛髪が最後に行くと予想される箇所であることに留意されたい。さらに、非常に狭い皮膚のひだのみが、最も狭い箇所で毛髪接触部分を押圧することもできるが、上記で説明したように、これは毛髪の押圧力と比べて小さい力で行われる。したがって、検出器出力ユニットは、静止毛髪切断歯の間の毛髪捕捉空間における毛髪又は皮膚の存在を区別することができる。
【0017】
毛髪切断システムであって、カッター構成が、毛髪捕捉空間が存在する1対の静止毛髪切断歯を有する2つ以上の機能カッター・ユニットを備え、それにより、毛髪捕捉空間が存在する1対の静止毛髪切断歯をそれぞれ有する複数の機能カッター・ユニットを使用することができる、毛髪切断システムを有することが実際的である。そのような毛髪切断システムにおいて、毛髪検出器が、複数の機能カッター・ユニットの毛髪捕捉空間のそれぞれ1つにそれぞれ配置される複数の毛髪接触部分を備えると、有利である。これは、毛髪切断システムが2つ以上の機能カッター・ユニットを備える場合、毛髪の存在が機能カッター・ユニットのそれぞれ1つにおいて検出することができると有利であるという先述の言及に合致する。
【0018】
先述のことから、本発明を実施することにより達成されるのは、皮膚に対する毛髪の存在を検出することができ、毛髪が存在するか否かに関する情報を、機能毛髪切断構成要素の目的とする作動によって、目的とする毛髪の除去を実現する目的などのために、有利に使用することができることであり、毛髪切断構成要素は、単に連続的に動作するのではなく、必要なときにのみ、すなわち、実際に作用すべき毛髪が存在するときにのみ動作するようにされる。本発明の上記の態様及び他の態様は、電気毛髪切断機器の実際的な実施形態、特に毛髪切断機器の一部である毛髪切断システムの以下の詳細な説明を参照して明らかとなり、解明されるであろう。
【0019】
ここで、本発明について図を参照してより詳細に説明するが、図中、等しい又は類似の部分は同じ参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による電気毛髪切断機器であって、この毛髪切断機器が、カッター構成と毛髪検出器とを備える毛髪切断システムを装備している、電気毛髪切断機器を図式的に示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態による毛髪切断システムの基本的な一式を図式的に示し、毛髪切断システムが皮膚から突出した毛髪を切断するために皮膚上でどのように使用され得るかを例示する図である。
図3】カッター構成に含まれる櫛形のガード要素を図式的に示す図である。
図4】カッター構成に含まれる櫛形カッター要素を図式的に示す図である。
図5】毛髪検出器の毛髪接触部分を図式的に示す図である。
図6】毛髪接触部分がガード要素にどのように装着され得るかを示す図である。
図7】毛髪接触部分がガード要素にどのように装着され得るかを示す図である。
図8】ガード要素と、ガード要素上に配置されたそれぞれの毛髪接触部分とを図示的に示す正面図である。
図9】毛髪接触部分を電気図として表した図である。
図10】毛髪検出器に含まれる電気回路の電気図である。
図11】本発明の第2の実施形態による毛髪切断システムの構成要素の組立体を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による電気毛髪切断機器100を示す。図示の毛髪切断機器100は、例えばひげの刈り込みに使用されるのに適したタイプのものである。一般的に、毛髪切断機器100は、本体101と機能ヘッド102とを備え、本体101は、毛髪切断機器100の使用者が毛髪切断機器100を掴み、毛髪切断機器100を取り扱うことを可能にするようにデザインされており、機能ヘッド102は、毛髪切断機器100の、毛髪除去のために皮膚上に配置され、皮膚上を動かされる部分である。
【0022】
図2を参照すると、毛髪切断機器100に本発明による毛髪切断システム1が装備されており、この毛髪切断システム1はカッター構成20と毛髪検出器30とを備える。カッター構成20は、皮膚10上を動かされるように構成されており、したがって、毛髪切断機器1の機能ヘッド102に配置されている。さらに、カッター構成20の一般的な特徴は、カッター構成20が、皮膚10から突出した毛髪11に対して切断操作を実行するように構成された少なくとも1つの機能カッター・ユニット21を備えることである。毛髪検出器30は、少なくとも1つの機能カッター・ユニット21の近傍又は内部の検出領域31における毛髪11の存在を検出するのに役立ち、毛髪切断システム1は、毛髪が存在するか否かに関する情報を毛髪検出器30から受信し、毛髪切断システム1の少なくとも1つの動作パラメータを決定する目的で、当該情報を使用するように構成されたプロセッサ40をさらに備える。毛髪検出器30及びプロセッサ40の詳細については後に説明する。
【0023】
本発明のコンテキストにおいて、カッター構成20は、任意の適切なデザインであり、適切な数の機能カッター・ユニット21を備える。図3及び図4は、カッター構成20が、2つの櫛形要素22、23の組み合わせを備えるオプションを示している。櫛形要素22、23のうちの一方は、毛髪切断機器100の機能ヘッド102に固定配置されるガード要素22であり、櫛形要素22、23のうちの他方は、毛髪切断機器100に可動配置されるカッター要素23である。ガード要素22は図3において別個に示され、カッター要素23は図4において別個に示されている。図示の例では、ガード要素22及びカッター要素23は類似したデザインであることが見てとれる。
【0024】
ガード要素22は、1列の毛髪切断歯24を備える。同様に、カッター要素23は、1列の毛髪切断歯25を備える。カッター構成20において、ガード要素22及びカッター要素23は、要素22、23の毛髪切断歯24、25の列が重なり、ガード要素22がカッター構成20の皮膚10に面する側にあるように互いの上に配置される。カッター要素23は、ガード要素22及びカッター要素23の毛髪切断歯24、25の列が延在する方向である横方向Sにおいて移動可能である。動作中、カッター要素23は、横方向Sにおいて往復運動を行うように駆動される。カッター構成20が皮膚10上を進行方向Aに動かされるとき、毛髪11は、ガード要素22の2つの隣接する毛髪切断歯24の間に存在する毛髪捕捉空間26において捕捉され、捕捉された毛髪11は、毛髪11が移動カッター要素23の毛髪切断歯25にぶつかるとき、移動カッター要素23によって切断される。図示の例では、ガード要素22の毛髪切断歯24は進行方向Aにテーパ形状を有し、その結果、毛髪捕捉空間26が反対方向に収束し、毛髪切断歯24の基部の位置で最も狭くなる。毛髪捕捉空間26の収束形状は、ガード要素22の毛髪捕捉機能の効率に寄与する。
【0025】
ガード要素22の1対の隣接する毛髪切断歯24のそれぞれは、カッター要素23と組み合わされて、カッター構成20の機能カッター・ユニット21を構成する。図示の例では、ガード要素22は8つの毛髪切断歯24を備え、それによりカッター構成20は7つの機能カッター・ユニット21を備える。機能カッター・ユニット21に関する7つという数は、実現可能な多くの実際的なオプションのうちの1つに過ぎないことが理解されるであろう。
【0026】
先述したように、毛髪切断システム1は毛髪検出器30を備えている。毛髪切断システム1の本実施形態では、カッター構成20が2つ以上の機能カッター・ユニット21を備えており、毛髪検出器30は、それぞれの機能カッター・ユニット21の近傍又は内部のそれぞれの検出器領域31において毛髪11の存在を検出するように構成及び配置されており、それぞれの検出器領域31は、毛髪11が実際に切断されることが可能なガード要素22のそれぞれの領域に対応する。特に、毛髪検出器30は、カッター構成20が皮膚10上を動かされるときに、毛髪11と機械的に接触するように配置されている。そのために、毛髪検出器30は、ガード要素22上に配置された毛髪接触部分32を、機能カッター・ユニット21ごとに1つずつ備える。毛髪接触部分32のそれぞれは、毛髪切断システム1の本実施形態では、導電性も有する機械的に変形可能な材料で作成されている。この点に関して好適な材料の実際的な例は、Velostat又はLinqstatとして知られているポリマなどの、導電性で機械的に変形可能なコンフォーマル・ポリマである。
【0027】
毛髪接触部分32のうちの1つが図5に示されている。毛髪接触部分32は、細長いストリップ32aを備え、細長いストリップ32aは、ストリップ32aの長さに対して小さい厚さ及び幅を有することが見てとれる。厚さの実際的な範囲は0.1mm~0.5mmの範囲であり、幅の実際的な値は約0.3mmである。さらに、細長いストリップ32aは、拡大端部32bを有することが見てとれる。細長いストリップ32aの両方の拡大端部32bには、電気接点パッド35aが一体に形成されている。
【0028】
図6及び図7は、毛髪接触部分32のガード要素22上での配置され方、すなわち、それぞれの毛髪捕捉空間26の最も狭い箇所27の位置に延在するように、かつ、細長いストリップ32aが毛髪11によってその厚さ方向に機械的に変形、特に機械的に圧縮され得るような、配置のされ方を示している。毛髪接触部分32は、ガード要素22の2つの毛髪切断歯24の間に巻き付けられ、毛髪11が歯の間に挟まれると、細長いストリップ32aを押圧することになり、それによって測定可能な電気抵抗が変化する。毛髪接触部分32の幾何学形状は、細長いストリップ32aの幅が毛髪11とほぼ同じ寸法であり、余分な皮膚10が接触して誤信号を生成する可能性のある余分な表面領域を有さないようなものである。さらに、歯の幾何学形状は、細長いストリップ30aが偶発的に接触することから保護する。図8は、ガード要素22と、ガード要素22の毛髪切断歯24の間のガード要素22上に配置されたそれぞれの毛髪接触部分32の正面図を示す。
【0029】
毛髪検出器30は、毛髪接触部分32のそれぞれ1つの機械的変形の度合いを測定するように構成された測定システム33と、測定システム33によって取得された測定結果を処理するように構成された検出器出力ユニット34とをさらに備える。具体的には、検出器出力ユニット34は、毛髪接触部分32の機械的変形の測定された度合いに基づいて、毛髪接触部分32に接触している毛髪11の存在を判定し、毛髪11が検出領域31の少なくとも1つに存在しているか否かを表す検出器出力doutを生成するように機能する。毛髪切断システム1の本実施形態では、測定システム33は、毛髪接触部分32の機械的変形から生じるそれぞれの毛髪接触部分32の電気抵抗又は導電率の変化を測定するように構成された電気回路35を備え、毛髪接触部分32は、それらの拡大端部32bにおいて電気接触パッド35aを介して電気回路に電気的に接続されている。検出器出力ユニット34は、毛髪接触部分32の電気抵抗又は導電率の測定された変化に基づいて、毛髪接触部分32に接触している毛髪11の存在を判定するように構成されている。
【0030】
ここで、図9図10を参照して検出器出力doutの決定され得るやり方を説明する。図9は毛髪接触部分32を電気図として表しており、図10は測定システム33の電気回路35の電気図を示す。一般に、材料のシート抵抗は以下の式で求められる。
【数1】
ここで、ρは導電率、Lは長さ、Aは断面積である。毛髪接触部分32は、図9に示す直列の抵抗R-R-Rの配列としてモデル化することができる。以下の式を適用することができる。
【数2】
ここで、wは幅、tは測定の時間長である。この信号は、導関数
【数3】
を最適化することによって最適化される。ここで、Fは毛髪11が毛髪接触部分32を押圧することによって作用される力である。力Fは中間の抵抗Rにのみかかるので、第1項の導関数はゼロになる。
【数4】
このように、導関数は、導電率ρと、幾何学定数L/wと、力をかけたときの厚さの変化率(圧縮性)に関連する項との関数であることが見てとれる。導関数の最大化は、幾何学定数を工学的に操作することによって、すなわち、実際的にできるだけ大きな幾何学定数の値を得るために細長いストリップ32aを長く、狭くすることによって行うことができる。
【0031】
電気抵抗の変化は、様々な電気回路によって様々なやり方で測定することができる。そのような電気回路の実際的な例としては、様々な可能性のほんのいくつかを挙げると、分圧器、ホイートストン・ブリッジ、及び差動増幅器がある。毛髪切断システム1の本実施形態では、図10に示すように、電気回路35は分圧器である。アナログ-デジタル変換器(ADC)が使用されると仮定すると、電気抵抗の変化は電圧の変化として測定される。
【数5】
【0032】
検出器出力ユニット34は、電圧を基準しきい値と比較することによって、検出器出力doutを生成する。プロセッサ40は、検出器出力ユニット34から検出器出力doutを受信し、検出器出力doutに関連して、すなわち、ガード要素22の毛髪捕捉空間26の少なくとも1つに毛髪11が存在することが判明したか否かに関連して、毛髪切断システム1の動作を制御するように構成されている。本発明は、実際的なオプションを網羅し、このオプションによると、少なくとも検出器出力ユニット34及びプロセッサ40が、信号の受信、処理、及び生成が可能な装置内に組み込まれており、この装置が検出器出力ユニット34の機能とプロセッサ40の機能との両方を実現するように構成されている。
【0033】
有利なことに、プロセッサ40は、カッター要素23が横方向Sの往復運動を行うように、これが有用である場合であって、毛髪11がガード要素22の毛髪捕捉空間26の少なくとも1つに存在することが実際に判明した場合にのみ、制御するように構成されている。検出器出力doutが毛髪11の存在を示さない場合、カッター要素23は動かされない。このようにして、カッター要素23は、切断操作が実際に必要なときにのみ動かされるので、皮膚刺激の程度を最小限に抑えることが達成される。
【0034】
本発明は、カッター構成20が、図示のような単一の合体したカッター要素23の代わりに、いくつかの個別に可動なカッター要素を備える可能性も網羅し、それぞれのカッター要素が、ガード要素22の毛髪切断歯24のそれぞれの対にわたって分散配置されることにも留意されたい。その場合、他のカッター要素とは独立して、カッター要素が一部をなす機能カッター・ユニット21内又はその近傍に毛髪11が存在することが判明した場合にのみ、カッター要素のそれぞれを動かすことを含むカッター構成20の動作を制御するやり方を実現することが可能である。
【0035】
ここで、それぞれの機能カッター・ユニット21の個別制御を含む別の可能性について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の代替実施形態による毛髪切断システム2の構成要素の組立体を示す。本実施形態では、カッター構成20は、構成要素の相対的な移動に基づいて毛髪11を切断するようには構成されていない。その代わりに、カッター構成20は、毛髪11にレーザ光を照射することによって毛髪11を切断するように構成されている。
【0036】
図11では、毛髪切断システム2のカッター構成20が櫛状要素50を備え、櫛状要素50が、間に毛髪捕捉空間52を画定する歯51の列を備えることが見てとれる。さらに、カッター構成20は、いくつかのレーザ照射器53を、櫛状要素50の隣接する歯51の対ごとに1つずつ備えることが図示されている。レーザ照射器53のそれぞれは、レーザ光源としてのレーザ・ダイオード54と、レーザ・ダイオード54からそれぞれの毛髪捕捉空間52の最も狭い箇所56の位置まで延在する光ファイバ55とを備え、その結果、その箇所56からレーザ光を照射して、毛髪捕捉空間52に存在する毛髪11を切断することが可能である。隣接する1対の歯51とレーザ照射器53とのそれぞれの組み合わせが、カッター構成20のそれぞれの機能カッター・ユニット21を構成する。
【0037】
毛髪検出器30が構成されるやり方は、先述したものと同様である。機能カッター・ユニット21ごとに、1つの毛髪接触部分32があり、各機能カッター・ユニット21において、毛髪接触部分32は、毛髪接触部分32の細長いストリップ32aが毛髪11によってその厚み方向に機械的に変形することができるように、毛髪捕捉空間52の最も狭い箇所56の位置にある歯51の間に巻き付けられている。
【0038】
図示の毛髪切断システム2の代替実施形態の場合、プロセッサ40は、動作中に検出器出力ユニット34から受信された検出器出力doutに依存して、レーザ照射器53ごとのオン/オフ状態を決定し、それに応じてそれぞれのレーザ照射器53を制御するように構成されている。このように、切断すべき毛髪11が実際にある場合のみ、そのような照射が実現されるので、レーザ光の不必要な照射が避けられる。
【0039】
本発明の範囲は、上記で考察された例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、上記の例のいくつかの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、全てのそのような修正及び変更を含むと解釈されることが意図されている。本発明は、図及び明細書において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、図示的又は例示的であり、制限的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。図面は概略的であり、本発明を理解するのに必要でない詳細は省略された場合があり、必ずしも縮尺通りではない。
【0040】
開示された実施形態に対する変形は、当業者であれば、図、明細書及び添付の特許請求の範囲を研究することによって、特許請求された発明を実施する際に理解し、実現することができる。特許請求の範囲において、「含む/備える/有する」という語句は、他のステップ又は要素を排除せず、単数形の要素は、複数であることを排除しない。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0041】
特定の実施形態について又は関連して考察された要素及び態様は、明示的にそうではないと記載されない限り、他の実施形態の要素及び態様と好適に組み合わせられてよい。したがって、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0042】
本文中で使用される「備える/有する」及び「含む」という用語は、当業者であれば「構成する」という用語を網羅すると理解するであろう。したがって、用語「備える/有する」又は「含む」は、ある実施形態に関しては「構成する」を意味する場合があるが、別の実施形態では「少なくとも定義された種と任意選択の1つ又は複数の他の種とを含む/有する/備える」ことを意味する場合がある。
【0043】
本発明の注目すべき態様が以下に要約される。カッター構成20を備える毛髪切断システム1、2において、カッター構成20が、皮膚10上を動かされるように構成され、少なくとも1つの機能カッター・ユニット21を備え、機能カッター・ユニット21が、皮膚10から突出した毛髪11に対して切断操作を実行するように構成されており、毛髪検出器30は、少なくとも1つの機能カッター・ユニット21の近傍又は内部の検出領域31における毛髪11の存在を検出する目的で使用される。毛髪検出器30は、機械的に変形可能な材料で作成された少なくとも1つの毛髪接触部分32を備え、毛髪11が検出領域31内で検出されたか否かを表す検出器出力doutを提供するように構成されている。このように、毛髪検出に関する毛髪切断システム1、2の動作を制御する方法が可能になる。とりわけ、これは、カッター構成20が1つ又は複数の可動毛髪切断構成要素を備える場合、それらの毛髪切断構成要素は、毛髪11がそれらの到達範囲内にあることが判明した場合にのみ作動され、カッター構成20が、毛髪11をレーザ光に曝すことによって毛髪11を切断するように構成されている場合、レーザ光を受ける位置に毛髪11が実際にある場合にのみレーザ光が照射されることを意味し得る。
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