(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】新規の児童口腔筋のトレーニング器具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/03 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
A63B23/03
(21)【出願番号】P 2024031366
(22)【出願日】2024-03-01
【審査請求日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】202311732235.5
(32)【優先日】2023-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524080542
【氏名又は名称】姚 智豪
【氏名又は名称原語表記】YAO ZHIHAO
【住所又は居所原語表記】Room 102,Dormitory,Stomatology Hospital,No.246 Yangqiao Middle Road,Gulou District,Fuzhou,Fujian,China,350002
(73)【特許権者】
【識別番号】523349343
【氏名又は名称】姚 軍
【氏名又は名称原語表記】YAO JUN
【住所又は居所原語表記】Room 102,Dormitory,Stomatology Hospital,No.246 Yangqiao Middle Road,Gulou District,Fuzhou,Fujian,China,350002
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】姚 智豪
(72)【発明者】
【氏名】姚 軍
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-533130(JP,A)
【文献】中国実用新案第219846873(CN,U)
【文献】特開2008-067732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体的に形成されるアウターバッフル(1)とインナーバッフル(2)とが含まれ、
前記インナーバッフル
(2)の上端部と
前記アウターバッフル
(1)の上端部との間に、児童が上唇や上歯を入れ得る上の噛み合わせ溝(3)が設けられ、
前記インナーバッフル
(2)の下端部と
前記アウターバッフル
(1)の下端部との間に、児童が下唇や下歯を入れ得る下の噛み合わせ溝が設けられ、
前記アウターバッフル(1)と
前記インナーバッフル(2)との中央にチャンバ(4)があるものであって、前
記インナーバッフル(2)は、環状であり、環状の
前記インナーバッフル
(2)の両側の中央部に、各側の奥歯の形状及び大きさに合わせ、噛み合わせ後に各側の奥歯が嵌め込まれる奥歯のトレーニングブリッジ(5)をそれぞれ一体的に形成し
、
前記奥歯のトレーニングブリッジ(5)には、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)と下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)とが設けられ、
前記上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)又は前記下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)には、キャビティの外側壁(8)とキャビティの内側壁(9)とが含まれ、前記キャビティの外側壁(8)と前記キャビティの内側壁(9)とは、前記上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)又は前記下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)を取り囲んで形成し、左側の前記上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)及び前記下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)の前記キャビティの外側壁(8)の底部と、前記インナーバッフル(2)の左側の内側壁(10)とは、一体的に形成され、右側の前記上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)及び前記下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)の前記キャビティの外側壁(8)の底部と、前記インナーバッフル(2)の右側の内側壁(10)とは、一体的に形成され、前記上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(6)の前開口部、及び、前記下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ(7)の前開口部は共に前記チャンバ(4)に通じていることを特徴とする新規の児童口腔筋のトレーニング器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔のトレーニング器具の分野に属し、特に新規の児童口腔筋のトレーニング器具に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、柔らかすぎる食べ物などにより、口腔筋が発達していない可能性がある。これによって、児童の歯列不正、異常な噛み合わせ、食事や飲み込みの困難、ひいては呼吸閉塞などを引き起こす可能性がある。児童の口腔筋の運動機能と強度を向上させるために、この児童口腔筋のトレーニング器具が発明された。
【0003】
児童口腔筋のトレーニング器具は、弾性素材で作られており、主に5つの部分で構成され、第1の部分はアウターバッフルであり、第2の部分はインナーバッフルであり、第3の部分は、インナーバッフルとアウターバッフルとの間にある噛み合わせ溝である。第4の部分は、中央が円形であるチャンバである。第5の部分は、両側の奥歯のトレーニング領域である。
【0004】
従来技術には、福建医科大学口腔科病院小児歯科主任の姚俊博士が発明した「児童口腔筋のトレーニング器具」が開示され、「一体に成形されている外部バッフルと内部バッフルとが含まれるものであって、インナーバッフルの上端部とアウターバッフルの上端部との間に、児童が上唇や上歯を入れ得る上の噛み合わせ溝が設けられ、インナーバッフルの下端部とアウターバッフルの下端部との間に、児童が下唇や下歯を入れ得る下の噛み合わせ溝が設けられ、アウターバッフルとインナーバッフルとの中央に、アウターバッフル及びインナーバッフルに直接通じているチャンバがあることを特徴とする児童口腔筋のトレーニング器具」のみが開示されており、その構造には、「第5の部分は、両側の奥歯のトレーニング領域である」ことがないため、その構造の「児童口腔筋のトレーニング器具」では、奥歯をトレーニングすることができず、本発明は、奥歯をトレーニングすることができる「児童口腔筋のトレーニング器具」が開発され、口腔筋をより広範囲的且つ全面的にトレーニングすることができる。児童の口腔筋機能の全体的な発達を大幅に向上させ、生活の品質を改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡単な構造で奥歯をトレーニングすることができる新規の児童口腔筋のトレーニング器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、次のように実現される。新規の児童口腔筋のトレーニング器具は、一体的に形成されるアウターバッフルとインナーバッフルとが含まれ、インナーバッフルの上端部とアウターバッフルの上端部との間に、児童が上唇や上歯を入れ得る上の噛み合わせ溝が設けられ、インナーバッフルの下端部とアウターバッフルの下端部との間に、児童が下唇や下歯を入れ得る下の噛み合わせ溝が設けられ、アウターバッフルとインナーバッフルとの中央にチャンバがあるものであって、上記のインナーバッフルは、環状であり、環状のインナーバッフルの両側の中央部に、各側の奥歯の形状及び大きさに合わせ、噛み合わせ後に各側の奥歯が嵌め込まれる奥歯のトレーニングブリッジをそれぞれ一体的に形成していることを特徴とする。
【0007】
さらに、上記の奥歯のトレーニングブリッジには、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティと下奥歯のトレーニングブリッジキャビティとが設けられる。
【0008】
さらに、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ又は下奥歯のトレーニングブリッジキャビティは、キャビティの外側壁及びキャビティの内側壁が含まれ、キャビティの外側壁とキャビティの内側壁とは、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ又は下奥歯のトレーニングブリッジキャビティを取り囲んで形成し、左側の上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティのキャビティの外側壁の底部とインナーバッフルの左側の内側壁とは、一体的に形成され、右側の上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティのキャビティの外側壁の底部とインナーバッフルの右側の内側壁とは、一体的に形成され、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティの前開口部及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティの前開口部は共にチャンバに接続されており、又は上奥歯のトレーニングブリッジキャビティの前開口部及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティの前開口部は共にチャンバに通じている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の利点に関して、本発明は、簡単、軽量、持ち運びが容易で、従来の口腔筋機能のトレーニング器具を改良したものであり、従来の口腔筋機能のトレーニング器具は、主に前歯部や唇の筋肉のトレーニングに適用されており、奥歯や重要な噛み合わせ筋群に対するトレーニングが欠けている。そのために、本発明は、従来の児童口腔筋機能のトレーニング器具を改良し、奥歯のトレーニング領域を追加した(第5の部分)。このようにして口腔筋のトレーニング範囲はより広く、より全面的である。児童の口腔筋機能の全体的な発達を大幅に向上させ、生活の品質を改善した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】は、
図1の奥歯のトレーニング領域の構造の模式図である。
【
図3】は、
図1におけるインナーバッフルの上端部とアウターバッフルの上端部との間に上の噛み合わせ溝が設けられ、インナーバッフルの下端部とアウターバッフルの下端部との間に下の噛み合わせ溝が設けられ、中央にチャンバがある主断面構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を合わせて、本発明の実施プロセスを詳細に説明する。
【0012】
図面に示されるように、本発明の新規の児童口腔筋のトレーニング器具は、弾性素材で作られており、主に4つの部分で構成され、第1の部分はアウターバッフル1であり、第2の部分はインナーバッフル2であり、アウターバッフル1とインナーバッフル2とは一体的に形成されることができ、インナーバッフルの上端部とアウターバッフルの上端部との間に上の噛み合わせ溝3があり(裏側に凹み、
図3参照)、インナーバッフルの下端部とアウターバッフルの下端部との間に下の噛み合わせ溝3-1があり(裏側に凹み、
図3参照)、アウターバッフルとインナーバッフルとの中央に、アウターバッフル及びインナーバッフルに直接通じているチャンバ4があり、その構造的特徴について、上記のインナーバッフル2は、環状であり、環状のインナーバッフルの両側の中央部に、各側の奥歯の形状及び大きさに合わせ、噛み合わせ後に各側の奥歯が嵌め込まれる奥歯のトレーニングブリッジ5をそれぞれ一体的に形成している。
【0013】
上記の奥歯のトレーニングブリッジ5には、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6と下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7とが設けられ(
図2参照)、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6又は下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7は、キャビティの外側壁8とキャビティの内側壁9とが含まれ、キャビティの外側壁8とキャビティの内側壁9とは、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6又は下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7を取り囲んで形成し、左側の上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7のキャビティの外側壁8の底部とインナーバッフル2の左側の内側壁10とは、一体的に形成され、右側の上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7のキャビティの外側壁8の底部とインナーバッフル2の右側の内側壁10(
図1参照)とは、一体的に形成され、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7には前開口部11(
図1参照)及び後開口部12があり(
図2参照)、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6の前開口部11及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7の前開口部は共にチャンバ4に接続しており、又は上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6の前開口部及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7の前開口は共にチャンバ4に通じており、すなわち、上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7の前開口部11は、チャンバ4に向いて開口している。
【0014】
具体的な使用法は、次の通りである。児童は、上下の唇又は上下の歯を上下の噛み合わせ溝に置き、唇を閉じる動きと歯の噛み合わせ力により、弾性のある児童口腔筋のトレーニング器具を変形させることにより、唇の筋肉や咀嚼筋群の筋肉を鍛えることができる。また、舌を円形のチャンバに伸ばして舌の動きの量を増やすことにより、舌の筋肉を鍛えることができる。同時に、上下の奥歯を上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ6及び下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ7に置きてトレーニングすることにより、奥歯や重要な噛み合わせ筋群をトレーニングすることができる。このようにして口腔筋のトレーニング範囲はより広く、より全面的である。児童の口腔筋機能の全体的な発達を大幅に向上させ、生活の品質を改善した。
【符号の説明】
【0015】
1 アウターバッフル
2 インナーバッフル
3 上の噛み合わせ溝
3-1 下の噛み合わせ溝
4 チャンバ
5 奥歯のトレーニングブリッジ
6 上奥歯のトレーニングブリッジキャビティ
7 下奥歯のトレーニングブリッジキャビティ
8 キャビティの外側壁
9 キャビティの内側壁
10 内側壁
11 前開口部
12 後開口部
【要約】
【課題】本発明は、新規の児童口腔筋のトレーニング器具を開示する。
【解決手段】該児童口腔筋のトレーニング器具は、一体的に形成されるアウターバッフルとインナーバッフルとが含まれ、インナーバッフルの上端部とアウターバッフルの上端部との間に、児童が上唇や上歯を入れ得る上の噛み合わせ溝が設けられ、インナーバッフルの下端部とアウターバッフルの下端部との間に、児童が下唇や下歯を入れ得る下の噛み合わせ溝が設けられ、アウターバッフルとインナーバッフルとの中央にチャンバがあるものであって、上記のインナーバッフルは、環状であり、環状のインナーバッフルの両側の中央部に、各側の奥歯の形状及び大きさに合わせ、噛み合わせ後に各側の奥歯が嵌め込まれる奥歯のトレーニングブリッジをそれぞれ一体的に形成していることを特徴とする。本発明は、奥歯のトレーニング領域を追加した。児童の口腔筋機能の全体的な発達を大幅に向上させ、生活の品質を改善する。
【選択図】
図1