(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】緩衝具付き箱体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20240826BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20240826BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
B65D5/66 311D
B65D5/50 101A
B65D5/50 B
(21)【出願番号】P 2020149488
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100093931
【氏名又は名称】長屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】影山 尚吾
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015001285(DE,A1)
【文献】特開2015-113127(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10065719(DE,A1)
【文献】特開2007-106467(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104837740(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101104461(CN,A)
【文献】特開2008-087837(JP,A)
【文献】特開2004-307063(JP,A)
【文献】特開2021-109693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B65D 5/66
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体(7)と、紙製のシート状のブランクにより形成された緩衝具(
300)とを有する緩衝具付き箱体であって、
箱体は、箱本体(8)と、箱本体に対して開閉する蓋部(80)を有し、
箱本体は、底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から立設する正面部(12)と、底面部の右側面側の辺部から立設する右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から立設する左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から立設する背面部(50)と、右側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第1フラップ部(60)と、左側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第2フラップ(70)とを有し、底面部において、正面側の辺部と背面側の辺部は互いに平行で、右側面側の辺部と左側面側の辺部は互いに平行で、正面側の辺部と背面側の辺部と右側面側の辺部と左側面側の辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成され、
緩衝具は、正面側の辺部である第1辺部(Ha)と右側面側の辺部である第2辺部(Hb)と左側面側の辺部である第3辺部(Hc)と背面側の辺部である第4辺部(Hd)を有し、第1辺部と第4辺部が互いに平行で、第2辺部と第3辺部が互いに平行で、第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成された外形を有する本体部(
302)と、
本体部の第2辺部から折れ線を介して連設された第1立上げ部(
304)と、
本体部の第3辺部から折れ線を介して連設された第2立上げ部(
305)と、
本体部の第1辺部から折れ線を介して連設された第3立上げ部(303)と、
本体部の第4辺部から折れ線を介して連設された第4立上げ部(306)と、を有し、
本体部には、
複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成された周状不連続切込みが、複数設けられ、
複数の周状不連続切込みにおける仮想線の径が異なり、複数の周状不連続切込みにおける仮想線は、同心状に形成され、
複数の周状不連続切込みにおいては、複数の第1タイプ周状不連続切込み(310、330、350、370、390)と1又は複数の第2タイプ周状不連続切込み(320、340、360、380)とが設けられ、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状不連続切込みと第2タイプ周状不連続切込みとが交互に設けられ、
第1タイプ周状不連続切込みは、本体部における4つの角部側に設けられた角部側切込みを有し、各角部側切込みは、第1辺部と平行な直線状の第1切込み(A)と、第2辺部と平行な直線状の第2切込み(C)と、第1切込みと第2切込みの間に設けられ、第1切込みの第2切込み側の端部と第2切込みの第1切込み側の端部をつなぐ第3切込み(B、B’)を有し、
第2タイプ周状不連続切込みは、第1辺部と平行な一対の直線状の第4切込みと、第2辺部と平行な一対の直線状の第5切込みを有し、
複数の周状不連続切込みにおける最も外側の周状不連続切込みである最外周状不連続切込み(310)は、第1タイプ周状不連続切込みにより形成され、最外周状不連続切込みにおける第1切込みは、本体部と第3立上げ部間の折れ線(M1)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第4立上げ部間の折れ線(M4)の延長線上に形成され、最外周状不連続切込みにおける第2切込みは、本体部と第1立上げ部間の折れ線(M2)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第2立上げ部間の折れ線(M3)の延長線上に形成され、
第1立上げ部における本体部の
第2辺部と反対側である先端側には、第2辺部と平行な辺部である第1先端辺部(J4b)が設けられ、
第2立上げ部における本体部の
第3辺部と反対側である先端側には、第3辺部と平行な辺部である第2先端辺部(J5b)が設けられ、
第1立上げ部の本体部との間の折れ線と第1先端辺部間の長さ(Lb)は、箱本体の右側面部の底面部側の辺部と第1フラップ部側の辺部間の長さ(L30)と略同一で、
第2立上げ部の本体部との間の折れ線と第2先端辺部間の長さ(Lc)は、箱本体の左側面部の底面部側の辺部と第2フラップ部側の辺部間の長さ(L40)と略同一であり、
底面部に被収納物を配置した状態で、第1立上げ部を箱本体の右側面部側とし、第2立上げ部を箱本体の左側面部側とし、第1立上げ部と第2立上げ部を本体部に対して上側に折り曲げた状態の緩衝具の本体部が被収納物に接した状態で、第1立上げ部と第2立上げ部を下側に押し込んで緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形して被収納物を覆い、第1立上げ部は、箱本体の右側面部の内側の面に沿って設けられ、第2立上げ部は、箱本体の左側面部の内側の面に沿って設けられ、
第3立上げ部は、箱本体の正面部の内側の面に沿って設けられ、第4立上げ部は、箱本体の背面部の内側の面に沿って設けられ、
第1フラップ部と第2フラップ部を閉じた状態で蓋部を閉じることにより、第1フラップ部が第1先端辺部に接し、第2フラップ部が第2先端辺部に接した状態となることを特徴とする緩衝具付き箱体。
【請求項2】
箱体(7)と、紙製のシート状のブランクにより形成された緩衝具(
300’)とを有する緩衝具付き箱体であって、
箱体は、箱本体(8)と、箱本体に対して開閉する蓋部(80)を有し、
箱本体は、底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から立設する正面部(12)と、底面部の右側面側の辺部から立設する右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から立設する左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から立設する背面部(50)と、右側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第1フラップ部(60)と、左側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第2フラップ(70)とを有し、底面部において、正面側の辺部と背面側の辺部は互いに平行で、右側面側の辺部と左側面側の辺部は互いに平行で、正面側の辺部と背面側の辺部と右側面側の辺部と左側面側の辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成され、
緩衝具は、正面側の辺部である第1辺部(Ha)と右側面側の辺部である第2辺部(Hb)と左側面側の辺部である第3辺部(Hc)と背面側の辺部である第4辺部(Hd)を有し、第1辺部と第4辺部が互いに平行で、第2辺部と第3辺部が互いに平行で、第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成された外形を有する本体部(
302)と、
本体部の第2辺部から折れ線を介して連設された第1立上げ部
(304)と、
本体部の第3辺部から折れ線を介して連設された第2立上げ部
(305)と、
本体部の第1辺部から折れ線を介して連設された第3立上げ部(303)と、
本体部の第4辺部から折れ線を介して連設された第4立上げ部(306)と、を有し、
本体部には、
複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成された周状不連続切込みが、複数設けられ、
複数の周状不連続切込みにおける仮想線の径が異なり、複数の周状不連続切込みにおける仮想線は、同心状に形成され、
複数の周状不連続切込みにおいては、複数の第1タイプ周状不連続切込み(310、330、350、370、390)と1又は複数の第2タイプ周状不連続切込み(320、340、360、380)とが設けられ、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状不連続切込みと第2タイプ周状不連続切込みとが交互に設けられ、
第1タイプ周状不連続切込みは、本体部における4つの角部側に設けられた角部側切込みを有し、各角部側切込みは、第1辺部と平行な直線状の第1切込み(A)と、第2辺部と平行な直線状の第2切込み(C)と、第1切込みと第2切込みの間に設けられ、第1切込みの第2切込み側の端部と第2切込みの第1切込み側の端部をつなぐ第3切込み(B、B’)を有し、
第2タイプ周状不連続切込みは、第1辺部と平行な一対の直線状の第4切込みと、第2辺部と平行な一対の直線状の第5切込みを有し、
複数の周状不連続切込みにおける最も外側の周状不連続切込みである最外周状不連続切込み(310)は、第1タイプ周状不連続切込みにより形成され、最外周状不連続切込みにおける各角部側切込み(311’、313’、315’、317’)においては、第1切込みの第3切込みとは反対側の端部から連設され第1切込みに対して略直角に形成された第6切込み(D)と、第1切込みと第3切込みの接点から連設され第1切込みに対して略直角に形成された第7切込み(E)と、第2切込みの第3切込みとは反対側の端部から連設され第2切込みに対して略直角に形成された第8切込み(F)と、第2切込みと第3切込みの接点から連設され第2切込みに対して略直角に形成された第9切込み(G)とが設けられ、
本体部と第1立上げ部間の折れ線である第1折れ線(M2)が、一対の第8切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第9切込み間に形成され、第1折れ線が、第1折れ線の両側に設けられた第8切込みから連設された第2切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第1立上げ部は、第2切込みに沿った辺部と第8切込みに沿った辺部と第9切込みに沿った辺部からなる突状部(304T)を本体部側に有し、
本体部と第2立上げ部間の折れ線である第2折れ線(M3)が、一対の第8切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第9切込み間に形成され、第2折れ線が、第2折れ線の両側に設けられた第8切込みから連設された第2切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第2立上げ部は、第2切込みに沿った辺部と第8切込みに沿った辺部と第9切込みに沿った辺部からなる突状部(305T)を本体部側に有し、
本体部と第3立上げ部間の折れ線である第3折れ線(M1)が、一対の第6切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第7切込み間に形成され、第3折れ線が、第3折れ線の両側に設けられた第6切込みから連設された第1切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第3立上げ部は、第1切込みに沿った辺部と第6切込みに沿った辺部と第7切込みに沿った辺部からなる突状部(303T)を本体部側に有し、
本体部と第4立上げ部間の折れ線である第4折れ線(M4)が、一対の第6切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第7切込み間に形成され、第4折れ線が、第4折れ線の両側に設けられた第6切込みから連設された第1切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第4立上げ部は、第1切込みに沿った辺部と第6切込みに沿った辺部と第7切込みに沿った辺部からなる突状部(306T)を本体部側に有し、
第1立上げ部における本体部の
第2辺部と反対側である先端側には、第2辺部と平行な辺部である第1先端辺部(J4b)が設けられ、
第2立上げ部における本体部の
第3辺部と反対側である先端側には、第3辺部と平行な辺部である第2先端辺部(J5b)が設けられ、
第1立上げ部の本体部との間の折れ線と第1先端辺部間の長さ(Lb)は、箱本体の右側面部の底面部側の辺部と第1フラップ部側の辺部間の長さ(L30)と略同一で、
第2立上げ部の本体部との間の折れ線と第2先端辺部間の長さ(Lc)は、箱本体の左側面部の底面部側の辺部と第2フラップ部側の辺部間の長さ(L40)と略同一であり、
底面部に被収納物を配置した状態で、第1立上げ部を箱本体の右側面部側とし、第2立上げ部を箱本体の左側面部側とし、第1立上げ部と第2立上げ部を本体部に対して上側に折り曲げた状態の緩衝具の本体部が被収納物に接した状態で、第1立上げ部と第2立上げ部を下側に押し込んで緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形して被収納物を覆い、第1立上げ部は、箱本体の右側面部の内側の面に沿って設けられ、第2立上げ部は、箱本体の左側面部の内側の面に沿って設けられ、
第3立上げ部は、箱本体の正面部の内側の面に沿って設けられ、第4立上げ部は、箱本体の背面部の内側の面に沿って設けられ、
第1フラップ部と第2フラップ部を閉じた状態で蓋部を閉じることにより、第1フラップ部が第1先端辺部に接し、第2フラップ部が第2先端辺部に接した状態となることを特徴とする緩衝具付き箱体。
【請求項3】
1つの周状不連続切込みである対象周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの周状不連続切込みである第1周状不連続切込みと第2周状不連続切込みにおいては、第1周状不連続切込みの継目と第2周状不連続切込みの継目の間の位置に対象周状不連続切込みの切込みである対象切込みが設けられるとともに、第1周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと、第2周状不連続切込みの該継目から連続した切込みの間に該対象切込みが設けられていることにより、第1周状不連続切込みの該継目と第2周状不連続切込みの該継目の間には、2つの該継目間の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられており、
第2タイプ周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの第1タイプ周状不連続切込みにおいては、一方の第1タイプ周状不連続切込みの第1切込みと他方の第1タイプ周状不連続切込みの第1切込みの間の位置に、対象切込みとしての第4切込みが設けられるとともに、一方の第1タイプ周状不連続切込みの第2切込みと他方の第1タイプ周状不連続切込みの第2切込みの間の位置に、対象切込みとしての第5切込みが設けられ、
第1タイプ周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの第2タイプ周状不連続切込みにおいては、一方の第2タイプ周状不連続切込みの第4切込みと他方の第2タイプ周状不連続切込みの第4切込みの間の位置に、対象切込みとしての第1切込みが設けられるとともに、一方の第2タイプ周状不連続切込みの第5切込みと他方の第2タイプ周状不連続切込みの第5切込みの間の位置に、対象切込みとしての第2切込みが設けられ、
緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、第1周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと対象切込みの間の領域が傾斜するとともに、第2周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと対象切込みの間の領域が傾斜することにより、第1周状不連続切込みの継目に沿った領域と第2周状不連続切込みの継目に沿った領域とが上下方向に間隔を介した状態となり、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形することを特徴とする請求項
1又は2に記載の緩衝具付き箱体。
【請求項4】
第3切込み(B)は、第1辺部の方向と第2辺部の方向に傾斜した直線状の切込みを有することを特徴とする請求項
1又は2又は3に記載の緩衝具付き箱体。
【請求項5】
第3切込み(B’)は、第1切込みの仮想延長線と第2切込みの仮想延長線の交点側に膨らんだ略円弧状の切込みであることを特徴とする請求項
1又は2又は3に記載の緩衝具付き箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝具付きの箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、緩衝具付きの包装容器として、特許文献1に示す挟持式包装容器が存在する。特許文献1における挟持式包装容器Pは、箱体1と、上下一対の内装重ね体3とからなり、内装重ね体3は、挟持壁5と、一対の左右側部フラップ13と、一対の前後側部フラップ15とを有し、挟持壁5には、切込み17a、17bが形成されることにより、挟持壁5が弾性変形可能となっている。挟持式包装容器Pを使用する際には、上下の内装重ね体3を箱体1に納めることにより、一対の挟持壁5の間に物品が保持される。
【0003】
また、従来における緩衝具付きの包装容器の他の例としては、特許文献2における
図5(c)に示すように、板体Eの左右に折り曲げ片Gを突出させて設け、折り曲げ片Gに端部が固定された可撓性フィルムHにより物品Cを支持し、折り曲げ片Gを物品C側に折り曲げることにより収納容器Iへの収納案内手段及び取り出しのための取り出し手段とするものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-87837号公報
【文献】実用新案登録第3181294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の挟持式包装容器においては、内装重ね体3が一対設けられるので、緩衝具の点数が多くなってしまい、その分コストがかかるとともに、被収納物を包装するのに、被収納物を内装重ね体3で挟んだ状態にしなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2の
図5(c)の場合には、緩衝具としては、板体Eと折り曲げ片Gかかなる板状部材と可撓性フィルムとからなる1つの緩衝具のみであるので、緩衝具の点数は少ないが、物品Cを覆う可撓性フィルムHを板状部材に固定し、物品Cを板状部材と可撓性フィルムにより固定したものを収納容器Iに収納しなければならず、被収納物の包装に手間がかかり、さらには、可撓性フィルムを用いることから、脱プラスチックに寄与することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、異なる形状・大きさの被収納物を箱内に保持した状態で収納することができる緩衝具付き箱体であって、脱プラスチックを図ることができ、少ない部材で被収納物を箱内に手間なく保持することができる緩衝具付き箱体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、箱体(7)と、紙製のシート状のブランクにより形成された緩衝具(300)とを有する緩衝具付き箱体であって、箱体は、箱本体(8)と、箱本体に対して開閉する蓋部(80)を有し、箱本体は、底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から立設する正面部(12)と、底面部の右側面側の辺部から立設する右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から立設する左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から立設する背面部(50)と、右側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第1フラップ部(60)と、左側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第2フラップ(70)とを有し、底面部において、正面側の辺部と背面側の辺部は互いに平行で、右側面側の辺部と左側面側の辺部は互いに平行で、正面側の辺部と背面側の辺部と右側面側の辺部と左側面側の辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成され、緩衝具は、正面側の辺部である第1辺部(Ha)と右側面側の辺部である第2辺部(Hb)と左側面側の辺部である第3辺部(Hc)と背面側の辺部である第4辺部(Hd)を有し、第1辺部と第4辺部が互いに平行で、第2辺部と第3辺部が互いに平行で、第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成された外形を有する本体部(302)と、本体部の第2辺部から折れ線を介して連設された第1立上げ部(304)と、本体部の第3辺部から折れ線を介して連設された第2立上げ部(305)と、本体部の第1辺部から折れ線を介して連設された第3立上げ部(303)と、本体部の第4辺部から折れ線を介して連設された第4立上げ部(306)と、を有し、本体部には、複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成された周状不連続切込みが、複数設けられ、複数の周状不連続切込みにおける仮想線の径が異なり、複数の周状不連続切込みにおける仮想線は、同心状に形成され、複数の周状不連続切込みにおいては、複数の第1タイプ周状不連続切込み(310、330、350、370、390)と1又は複数の第2タイプ周状不連続切込み(320、340、360、380)とが設けられ、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状不連続切込みと第2タイプ周状不連続切込みとが交互に設けられ、 第1タイプ周状不連続切込みは、本体部における4つの角部側に設けられた角部側切込みを有し、各角部側切込みは、第1辺部と平行な直線状の第1切込み(A)と、第2辺部と平行な直線状の第2切込み(C)と、第1切込みと第2切込みの間に設けられ、第1切込みの第2切込み側の端部と第2切込みの第1切込み側の端部をつなぐ第3切込み(B、B’)を有し、第2タイプ周状不連続切込みは、第1辺部と平行な一対の直線状の第4切込みと、第2辺部と平行な一対の直線状の第5切込みを有し、複数の周状不連続切込みにおける最も外側の周状不連続切込みである最外周状不連続切込み(310)は、第1タイプ周状不連続切込みにより形成され、最外周状不連続切込みにおける第1切込みは、本体部と第3立上げ部間の折れ線(M1)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第4立上げ部間の折れ線(M4)の延長線上に形成され、最外周状不連続切込みにおける第2切込みは、本体部と第1立上げ部間の折れ線(M2)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第2立上げ部間の折れ線(M3)の延長線上に形成され、第1立上げ部における本体部の第2辺部と反対側である先端側には、第3辺部と平行な辺部である第1先端辺部(J4b)が設けられ、第2立上げ部における本体部の第4辺部と反対側である先端側には、第3辺部と平行な辺部である第2先端辺部(J5b)が設けられ、第1立上げ部の本体部との間の折れ線と第1先端辺部間の長さ(Lb)は、箱本体の右側面部の底面部側の辺部と第1フラップ部側の辺部間の長さ(L30)と略同一で、第2立上げ部の本体部との間の折れ線と第2先端辺部間の長さ(Lc)は、箱本体の左側面部の底面部側の辺部と第2フラップ部側の辺部間の長さ(L40)と略同一であり、底面部に被収納物を配置した状態で、第1立上げ部を箱本体の右側面部側とし、第2立上げ部を箱本体の左側面部側とし、第1立上げ部と第2立上げ部を本体部に対して上側に折り曲げた状態の緩衝具の本体部が被収納物に接した状態で、第1立上げ部と第2立上げ部を下側に押し込んで緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形して被収納物を覆い、第1立上げ部は、箱本体の右側面部の内側の面に沿って設けられ、第2立上げ部は、箱本体の左側面部の内側の面に沿って設けられ、第3立上げ部は、箱本体の正面部の内側の面に沿って設けられ、第4立上げ部は、箱本体の背面部の内側の面に沿って設けられ、第1フラップ部と第2フラップ部を閉じた状態で蓋部を閉じることにより、第1フラップ部が第1先端辺部に接し、第2フラップ部が第2先端辺部に接した状態となることを特徴とする。
【0009】
第1の構成の緩衝具付き箱体によれば、緩衝具を被収納物の上側に配置して下方に押し込むのみで本体部が変形して被収納物を保持させることができるので、被収納物を手間なく保持させることができ、特に、同心状に複数の周状不連続切込みが設けられているので、異なる形状や大きさの被収納物に対応することができる。また、1つの緩衝具のみで被収納物を保持させるので、少ない部材で保持させることができる。また、緩衝具は紙製であるので、プラスチック製品を用いる必要がなく、プラスチックゴミを出さないので、脱プラスチックを図ることができる。また、最外周状不連続切込みにおける第1切込みは、本体部と第3立上げ部間の折れ線(M1)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第4立上げ部間の折れ線(M4)の延長線上に形成され、最外周状不連続切込みにおける第2切込みは、本体部と第1立上げ部間の折れ線(M2)の延長線上に形成されているとともに、本体部と第2立上げ部間の折れ線(M3)の延長線上に形成されているので、本体部が広い範囲にわたって変形し、横方向に大きさの大きい被収納物に用いることができる。なお、第1の構成において、本体部の第1辺部と第4辺部間の長さ(L2)が、底面部の正面側の辺部と背面側の辺部間の長さ(L12)と略同一であるとしてもよい。
【0010】
また、第2には、箱体(7)と、紙製のシート状のブランクにより形成された緩衝具(300’)とを有する緩衝具付き箱体であって、箱体は、箱本体(8)と、箱本体に対して開閉する蓋部(80)を有し、箱本体は、底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から立設する正面部(12)と、底面部の右側面側の辺部から立設する右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から立設する左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から立設する背面部(50)と、右側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第1フラップ部(60)と、左側面部の底面部とは反対側の辺部から設けられた第2フラップ(70)とを有し、底面部において、正面側の辺部と背面側の辺部は互いに平行で、右側面側の辺部と左側面側の辺部は互いに平行で、正面側の辺部と背面側の辺部と右側面側の辺部と左側面側の辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成され、緩衝具は、正面側の辺部である第1辺部(Ha)と右側面側の辺部である第2辺部(Hb)と左側面側の辺部である第3辺部(Hc)と背面側の辺部である第4辺部(Hd)を有し、第1辺部と第4辺部が互いに平行で、第2辺部と第3辺部が互いに平行で、第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部のうち互いに隣接する辺部は直角に形成された外形を有する本体部(302)と、本体部の第2辺部から折れ線を介して連設された第1立上げ部(304)と、本体部の第3辺部から折れ線を介して連設された第2立上げ部(305)と、本体部の第1辺部から折れ線を介して連設された第3立上げ部(303)と、本体部の第4辺部から折れ線を介して連設された第4立上げ部(306)と、を有し、本体部には、複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成された周状不連続切込みが、複数設けられ、複数の周状不連続切込みにおける仮想線の径が異なり、複数の周状不連続切込みにおける仮想線は、同心状に形成され、複数の周状不連続切込みにおいては、複数の第1タイプ周状不連続切込み(310、330、350、370、390)と1又は複数の第2タイプ周状不連続切込み(320、340、360、380)とが設けられ、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状不連続切込みと第2タイプ周状不連続切込みとが交互に設けられ、第1タイプ周状不連続切込みは、本体部における4つの角部側に設けられた角部側切込みを有し、各角部側切込みは、第1辺部と平行な直線状の第1切込み(A)と、第2辺部と平行な直線状の第2切込み(C)と、第1切込みと第2切込みの間に設けられ、第1切込みの第2切込み側の端部と第2切込みの第1切込み側の端部をつなぐ第3切込み(B、B’)を有し、第2タイプ周状不連続切込みは、第1辺部と平行な一対の直線状の第4切込みと、第2辺部と平行な一対の直線状の第5切込みを有し、複数の周状不連続切込みにおける最も外側の周状不連続切込みである最外周状不連続切込み(310)は、第1タイプ周状不連続切込みにより形成され、最外周状不連続切込みにおける各角部側切込み(311’、313’、315’、317’)においては、第1切込みの第3切込みとは反対側の端部から連設され第1切込みに対して略直角に形成された第6切込み(D)と、第1切込みと第3切込みの接点から連設され第1切込みに対して略直角に形成された第7切込み(E)と、第2切込みの第3切込みとは反対側の端部から連設され第2切込みに対して略直角に形成された第8切込み(F)と、第2切込みと第3切込みの接点から連設され第2切込みに対して略直角に形成された第9切込み(G)とが設けられ、本体部と第1立上げ部間の折れ線である第1折れ線(M2)が、一対の第8切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第9切込み間に形成され、第1折れ線が、第1折れ線の両側に設けられた第8切込みから連設された第2切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第1立上げ部は、第2切込みに沿った辺部と第8切込みに沿った辺部と第9切込みに沿った辺部からなる突状部(304T)を本体部側に有し、本体部と第2立上げ部間の折れ線である第2折れ線(M3)が、一対の第8切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第9切込み間に形成され、第2折れ線が、第2折れ線の両側に設けられた第8切込みから連設された第2切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第2立上げ部は、第2切込みに沿った辺部と第8切込みに沿った辺部と第9切込みに沿った辺部からなる突状部(305T)を本体部側に有し、本体部と第3立上げ部間の折れ線である第3折れ線(M1)が、一対の第6切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第7切込み間に形成され、第3折れ線が、第3折れ線の両側に設けられた第6切込みから連設された第1切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第3立上げ部は、第1切込みに沿った辺部と第6切込みに沿った辺部と第7切込みに沿った辺部からなる突状部(303T)を本体部側に有し、本体部と第4立上げ部間の折れ線である第4折れ線(M4)が、一対の第6切込み間に形成されるとともに、本体部の角部と第7切込み間に形成され、第4折れ線が、第4折れ線の両側に設けられた第6切込みから連設された第1切込みよりも緩衝具の展開状態における外側に形成されることにより、第4立上げ部は、第1切込みに沿った辺部と第6切込みに沿った辺部と第7切込みに沿った辺部からなる突状部(306T)を本体部側に有し、第1立上げ部における本体部の第2辺部と反対側である先端側には、第2辺部と平行な辺部である第1先端辺部(J4b)が設けられ、第2立上げ部における本体部の第3辺部と反対側である先端側には、第3辺部と平行な辺部である第2先端辺部(J5b)が設けられ、第1立上げ部の本体部との間の折れ線と第1先端辺部間の長さ(Lb)は、箱本体の右側面部の底面部側の辺部と第1フラップ部側の辺部間の長さ(L30)と略同一で、第2立上げ部の本体部との間の折れ線と第2先端辺部間の長さ(Lc)は、箱本体の左側面部の底面部側の辺部と第2フラップ部側の辺部間の長さ(L40)と略同一であり、底面部に被収納物を配置した状態で、第1立上げ部を箱本体の右側面部側とし、第2立上げ部を箱本体の左側面部側とし、第1立上げ部と第2立上げ部を本体部に対して上側に折り曲げた状態の緩衝具の本体部が被収納物に接した状態で、第1立上げ部と第2立上げ部を下側に押し込んで緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形して被収納物を覆い、第1立上げ部は、箱本体の右側面部の内側の面に沿って設けられ、第2立上げ部は、箱本体の左側面部の内側の面に沿って設けられ、第3立上げ部は、箱本体の正面部の内側の面に沿って設けられ、第4立上げ部は、箱本体の背面部の内側の面に沿って設けられ、第1フラップ部と第2フラップ部を閉じた状態で蓋部を閉じることにより、第1フラップ部が第1先端辺部に接し、第2フラップ部が第2先端辺部に接した状態となることを特徴とする。
【0011】
第2の構成の緩衝具付き箱体によれば、緩衝具を被収納物の上側に配置して下方に押し込むのみで本体部が変形して被収納物を保持させることができるので、被収納物を手間なく保持させることができ、特に、同心状に複数の周状不連続切込みが設けられているので、異なる形状や大きさの被収納物に対応することができる。また、1つの緩衝具のみで被収納物を保持させるので、少ない部材で保持させることができる。また、緩衝具は紙製であるので、プラスチック製品を用いる必要がなく、プラスチックゴミを出さないので、脱プラスチックを図ることができる。また、第1切込みは、第6切込みと第7切込みを介して第3折れ線や第4折れ線と連設されており、第2切込みは、第8切込みと第9切込みを介して第1折れ線や第2折れ線と連結されていて、再外周状不連続切込みは、第1折れ線~第4折れ線の近傍に形成されているので、本体部が広い範囲にわたって変形し、横方向に大きさの大きい被収納物に用いることができる。また、第1立上げ部~第4立上げ部は、突状部を有していて、第1切込みと第2切込みは第1折れ線~第4折れ線よりも内側にずれて形成されているので、第1立上げ部~第4立上げ部を本体部に対して折り曲げる際に、第1切込みや第2切込みを介した2つの辺部間に摩擦が生じることがなく、第1立上げ部~第4立上げ部を円滑に折り曲げることができる。
【0012】
なお、第2の構成において、本体部の第1辺部と第4辺部間の長さ(L2)が、底面部の正面側の辺部と背面側の辺部間の長さ(L12)と略同一であるとしてもよい。また、上記第1及び第2の構成において、複数の周状不連続切込みは、第3立上げ部との境界及び第4立上げ部との境界を含む本体部に形成されているものとしてもよい。
【0013】
なお、第1及び第2の構成において、本体部の第1辺部と第4辺部間の長さ(L2)が、底面部の正面側の辺部と背面側の辺部間の長さ(L12)と略同一であり、本体部の第2辺部と第3辺部間の長さ(L1)が、底面部の右側面側の辺部と左側面側の辺部間の長さ(L11)と略同一であるものとしてもよい。また、第1及び第2の構成において、蓋部は、正面部の底面部とは反対側の辺部と、背面部の底面部とは反対側の辺部の少なくともいずれかから設けられているものとしてもよい。
【0023】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、1つの周状不連続切込みである対象周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの周状不連続切込みである第1周状不連続切込みと第2周状不連続切込みにおいては、第1周状不連続切込みの継目と第2周状不連続切込みの継目の間の位置に対象周状不連続切込みの切込みである対象切込みが設けられるとともに、第1周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと、第2周状不連続切込みの該継目から連続した切込みの間に該対象切込みが設けられていることにより、第1周状不連続切込みの該継目と第2周状不連続切込みの該継目の間には、2つの該継目間の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられており、第2タイプ周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの第1タイプ周状不連続切込みにおいては、一方の第1タイプ周状不連続切込みの第1切込みと他方の第1タイプ周状不連続切込みの第1切込みの間の位置に、対象切込みとしての第4切込みが設けられるとともに、一方の第1タイプ周状不連続切込みの第2切込みと他方の第1タイプ周状不連続切込みの第2切込みの間の位置に、対象切込みとしての第5切込みが設けられ、第1タイプ周状不連続切込みを間に挟んで隣接する2つの第2タイプ周状不連続切込みにおいては、一方の第2タイプ周状不連続切込みの第4切込みと他方の第2タイプ周状不連続切込みの第4切込みの間の位置に、対象切込みとしての第1切込みが設けられるとともに、一方の第2タイプ周状不連続切込みの第5切込みと他方の第2タイプ周状不連続切込みの第5切込みの間の位置に、対象切込みとしての第2切込みが設けられ、緩衝具を箱本体内に収納した状態とすることにより、第1周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと対象切込みの間の領域が傾斜するとともに、第2周状不連続切込みの該継目から連続した切込みと対象切込みの間の領域が傾斜することにより、第1周状不連続切込みの継目に沿った領域と第2周状不連続切込みの継目に沿った領域とが上下方向に間隔を介した状態となり、本体部が被収納物の外形に応じて立体状の網目状に変形することを特徴とする。
【0024】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第3切込み(B)は、第1辺部の方向と第2辺部の方向に傾斜した直線状の切込みを有することを特徴とする。
【0025】
なお、上記第4の構成を以下としてもよい。すなわち、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第3切込み(B)は、第1辺部の方向と第2辺部の方向に傾斜した直線状の切込みであることを特徴とするものとしてもよい。
【0026】
また、第5には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第3切込み(B’)は、第1切込みの仮想延長線と第2切込みの仮想延長線の交点側に膨らんだ略円弧状の切込みであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明に基づく緩衝具付き箱体によれば、緩衝具を被収納物の上側に配置して下方に押し込むのみで本体部が変形して被収納物を保持させることができるので、被収納物を手間なく保持させることができ、特に、同心状に複数の周状不連続切込みが設けられているので、異なる形状や大きさの被収納物に対応することができる。また、1つの緩衝具のみで被収納物を保持させるので、少ない部材で保持させることができる。また、緩衝具は紙製であるので、プラスチック製品を用いる必要がなく、プラスチックゴミを出さないので、脱プラスチックを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図6】緩衝具付き箱体の使用方法を説明する斜視図である。
【
図7】緩衝具付き箱体の使用方法を説明する斜視図である。
【
図8】緩衝具付き箱体の使用方法を説明する斜視図である。
【
図9】緩衝具付き箱体の使用方法を説明する斜視図である。
【
図10】緩衝具付き箱体の使用方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明においては、異なる形状・大きさの被収納物を箱内に保持した状態で収納することができる緩衝具付き箱体であって、脱プラスチックを図ることができ、少ない部材で被収納物を箱内に手間なく保持することができる緩衝具付き箱体を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0030】
本発明に基づく緩衝具付き箱体(「緩衝具を備えた箱体」としてもよい)5は、箱体7と、箱体7に収納して使用する緩衝具100とを有している。
【0031】
ここで、箱体7は、
図4、
図5に示すように構成され、箱体7は、箱本体8と、箱本体8に対して開閉する蓋部80とを有している。
【0032】
この箱体7は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。つまり、箱体7は、段ボール材(特に、両面段ボール材)等の紙製の箱体である。
【0033】
箱本体8は、底面部10と、底面部10の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部12と、底面部10の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部30と、底面部10の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部40と、正面部12における外正面部14の右側面側の辺部から折れ線を介して連設されるとともに、右側面部30の正面側の辺部から折れ線を介して連設された折込み片部32と、外正面部14の左側面側の辺部から折れ線を介して連設されるとともに、左側面部40の正面側の辺部から折れ線を介して連設された折込み片部42と、底面部10の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面部50と、背面部50の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された糊代部52と、背面部50の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された糊代部54と、右側面部30の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設されたフラップ部60と、左側面部40の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設されたフラップ部70とを有している。
【0034】
ここで、底面部10は、略方形状を呈し、長方形状に突状部18a、18bを差し込むための切欠部10a、10bを有した形状を呈している。なお、切欠部10a、10bは、外正面部14の辺部とともに、開口部を形成している。底面部10の正面側の辺部と背面側の辺部は互いに平行で、右側面側の辺部と左側面側の辺部は互いに平行となっていて、底面部10における互いに隣接する辺部は互いに直角となっている。これにより、底面部10の正面側の辺部の長さと背面側の辺部の長さは同一であり、また、右側面側の辺部の長さと左側面側の辺部の長さは同一となっている。
【0035】
また、正面部12は、底面部10から折れ線を介して連設された外正面部14と、外正面部14の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された帯状部16と、帯状部16の外正面部14とは反対側の辺部から連設された内正面部18とを有している。
【0036】
外正面部14は、横長長方形状の外形を有し、外正面部14には、蓋部80の差込み片部96を差し込むための被差込み部20が形成されている。この被差込み部20は、横長の開口部22と、開口部22の左右両側の端部から左右両側に形成された切込み24とを有している。開口部22は、その左右方向の中央部分が帯状部16側に湾曲した形状を有し、切込み24は、開口部22における底面部10側の辺部から連設されている。
【0037】
また、内正面部18は、略長方形状を呈し、具体的には、横長長方形状の下端(帯状部16側とは反対側の端部)に略台形形状の突状部18a、18bが帯状部16側とは反対側の辺部に沿って間隔を介して設けられている。箱本体8を組み立てた際に、突状部18aは、切欠部10aに嵌合し、突状部18bは、切欠部10bに嵌合する。
【0038】
また、右側面部30と左側面部40と背面部50は、横長長方形状を呈している。
【0039】
また、折込み片部32は、外正面部14から折れ線を介して連設された片部34と、右側面部30から折れ線を介して連設された片部36とを有し、片部34と片部36は、折れ線を介して連設され、該折れ線は、間隔を介して一対設けられ、底面部10の角部から右側面部30の辺部と外正面部14の辺部に対して45度の角度に形成され、一対の折れ線の間には、右側面部30側に膨出した切込み38が設けられている。同様に、折込み片部42は、外正面部14から折れ線を介して連設された片部44と、左側面部40から折れ線を介して連設された片部46とを有し、片部44と片部46は、折れ線を介して連設され、該折れ線は、間隔を介して一対設けられ、底面部10の角部から左側面部40の辺部と外正面部14の辺部に対して45度の角度に形成され、一対の折れ線の間には、左側面部40側に膨出した切込み48が設けられている。片部34と片部44は、外正面部14の内側の面に接着されている。
【0040】
箱本体8を組み立てた際には、折込み片部32、42は、外正面部14と内正面部18の間に挟まれた状態となる。
【0041】
フラップ部60とフラップ部70は、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状を呈している。また、糊代部52と糊代部54は、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状を呈し、糊代部52は、右側面部30の内側の面に接着され、糊代部54は、左側面部40の内側の面に接着されている。
【0042】
箱本体8において、外正面部14の上下方向の長さL12と、右側面部30の上下方向の長さL30と、左側面部40の上下方向の長さL40と、背面部50の上下方向の長さL50は、略同一の長さに形成され、特に、長さL30と長さL40は、同一の長さに形成されている。
【0043】
なお、右側面部30及びフラップ部60に設けられた折曲げ用の罫線K1と、左側面部40及びフラップ部70に設けられた折曲げ用の罫線K2は、箱体7を折り畳んだ状態とするためのものである。つまり、罫線K1、K2を介して折り畳んだ状態では、罫線K1、K2は、箱本体8の外側から見て谷折りとなる。なお、糊代部52は、右側面部30の内側の面で罫線K1よりも背面側の領域に接着され、糊代部54は、左側面部40の内側の面で罫線K2よりも背面側の領域に接着されている。
【0044】
次に、蓋部80は、背面部50の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された蓋部本体81と、蓋部本体81から連設された差込み部90とを有している。
【0045】
蓋部本体81は、背面部50から連設された蓋板部82と、蓋板部82の左右両側の辺部から折れ線を介して連設された帯状部83、85と、帯状部83の蓋板部82とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された折返し部84と、帯状部85の蓋板部82とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された折返し部86とを有し、折返し部84、86は、蓋板部82の内側の面に接着されている。
【0046】
また、差込み部90は、蓋板部82の背面部50とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、蓋板部82から連設された帯状部92と、帯状部92から切目線92Kを介して連設された帯状部94と、帯状部94から切目線94Kを介して連設された差込み片部96とを有している。
【0047】
切目線92K、94Kは、蓋板部82と差込み部90間の折れ線と平行な方向に形成され、帯状部94の端部(左側面側の端部)をつかんで右側面側に引っ張ることにより、切目線92K、94Kが破断して、帯状部94が取り除かれる。
【0048】
また、差込み片部96における左右両側の端部領域と帯状部94との間には、隙間が形成され、これにより、差込み片部96は、左右方向の幅が狭い基端部96aと、左右方向の幅が広い先端部96bとを有している。
【0049】
そして、基端部96aの左右方向の長さは、開口部22の左右方向の長さと略同一又は若干短く形成され、先端部96bの左右方向の長さは、開口部22の左右方向の長さよりも長く形成されるとともに、一対の切込み24を含めた被差込み部20全体の左右方向の長さと略同一又は短く形成され、これにより、差込み片部96(特に、先端部96b)を被差込み部20に差し込むことにより、先端部96bが被差込み部20から抜けないようになっている。
【0050】
箱体7を組み立てた状態では、
図4に示すように構成され、箱体7を組み立てた状態では、突状部18a、18bが切欠部10a、10bに嵌合して、内正面部18が外正面部14の内側にあり、内正面部18が外正面部14と略平行となっている。また、折込み片部32、42は、二つ折りの状態で内正面部18と外正面部14の間に挟まれた状態となっている。また、糊代部52は、右側面部30の内側の接着され、糊代部54は、左側面部40の内側の面に接着されている。これにより、正面部12(特に、外正面部14と内正面部18)と右側面部30と左側面部40と背面部50は、底面部10に対して直角(略直角としてもよい)立ち上がって立設した状態となっている。また、折返し部84、86は蓋板部82の内側の面に接着されている。
【0051】
なお、箱体7は上記の構成であるとして説明したが、箱体としては、箱本体と箱本体に対して開閉する蓋部を有し、箱本体が、底面部と、正面部と、右側面部と、左側面部と、背面部と、右側面部の底面部とは反対側の辺部から連設されたフラップ部と、左側面部の底面部とは反対側の辺部から連設されたフラップ部とを有する構成であればよい。
【0052】
また、蓋部の閉蓋機構は、上記のように差込み片部96を被差込み部20に差し込む構成でなくてもよく、例えば、蓋板部82の背面部50側とは反対側の辺部から連設された片部が正面部12の内正面部18の内側の面に沿って差し込む構成としてもよい。
【0053】
また、蓋部は、正面部から連設された構成でもよく、また、正面部と背面部の両方から連設された構成としてもよい。つまり、蓋部は、正面部の底面部とは反対側の辺部と、背面部の底面部とは反対側の辺部の少なくともいずれかから設けられているものであればよい。
【0054】
次に、緩衝具100(実施例1の緩衝具)は、
図1~
図3に示すように構成され、本体部102と、本体部102の各辺から折れ線M1~M4を介して連設された立上げ部103、104、105、106とを有している。緩衝具100は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。なお、
図1~
図3は、同じ図であり、符号を記入するために複数の図に分けて説明している。
【0055】
ここで、本体部102は、方形状(具体的には、長方形状)の外形を有し、本体部102の正面側の辺部(第1辺部)Haと背面側の辺部(第4辺部)Hdとは互いに平行で、本体部102の右側面側の辺部(第2辺部)Hbと左側面側の辺部(第3辺部)Hcとは互いに平行となっていて、辺部Ha~Hdにおける互いに隣接する辺部は互いに直角となっている。つまり、辺部Ha、Hdは、左右方向に形成され、辺部Hb、Hcは、前後方向に形成されている。これにより、本体部102の正面側の辺部Haの長さと背面側の辺部Hdの長さは同一であり、右側面側の辺部の長さHbと左側面側の辺部Hdの長さは同一となっている。なお、本体部102の辺部Ha、Hb、Hc、Hdは、本体部102の立上げ部103~106との間の折れ線に沿った辺部である。
【0056】
なお、本体部102の辺部Hbと辺部Hc間の長さL1は、箱本体8の底面部10の右側面側の辺部10bと左側面側の辺部10c間の長さL11と略同一に(厳密には、長さL1は長さL11よりも若干短く)形成され、本体部102の辺部Haと辺部Hd間の長さL2は、箱本体8の底面部10の正面側の辺部10aと背面側の辺部10d間の長さL12と略同一に(厳密には、長さL2は長さL12よりも若干短く)形成され、これにより、緩衝具100を箱本体8内に収納した際には、立上げ部103の外側の面が内正面部18の内側の面に沿った状態で内正面部18に接し、立上げ部104の外側の面が右側面部30の内側の面に沿った状態で右側面部30に接し、立上げ部105の外側の面が左側面部40の内側の面に沿った状態で左側面部40に接し、立上げ部106の外側の面が背面部50の内側の面に沿った状態で背面部50に接した状態となる。つまり、立上げ部103は、内正面部18と略平行であり、立上げ部104は、右側面部30と略平行であり、立上げ部105は、左側面部40と略平行であり、立上げ部106は、背面部50と略平行となる。
【0057】
また、本体部102には、複数の周状不連続切込み(以下単に「周状切込み」とする)110~170が形成されている。なお、「周状不連続切込み」とは、複数の切込みが継目を介して周状に形成されており、周状に不連続の切込みであることから、不連続の語を用いている。
【0058】
すなわち、周状切込み110~170は、同心状に形成され、外側から内側に向けて、周状切込み110、120、130、140、150、160、170の順に径が小さくなるように形成されている。なお、緩衝具100に設けられた切込みは、表側の面から裏側に面まで貫通した切込みである(緩衝具200~300’においても同じ)。
【0059】
周状切込み110は、本体部102の正面及び右側面側の角部(前右側の角部)側に形成された切込み111と、本体部102の背面及び右側面側の角部(後右側の角部)側に形成された切込み113と、本体部102の背面及び左側面側の角部(後左側の角部)側に形成された切込み115と、本体部102の正面及び左側面の角部(前左側の角部)側に形成された切込み117とを有している。
【0060】
切込み111は、左右方向に形成された直線状の切込み(第1切込み)Aと、切込みAから連設され、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込み(第3切込み)Bと、切込みBから連設され、前後方向に形成された切込み(第2切込み)Cとを有し、全体に略鉤状に屈曲した形状となっている。
【0061】
また、切込み113は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、切込みAから連設され、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みBと、切込みBから連設され、前後方向に形成された切込みCとを有し、全体に略鉤状に屈曲した形状となっている。
【0062】
また、切込み115は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、切込みAから連設され、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みBと、切込みBから連設され、前後方向に形成された切込みCとを有し、全体に略鉤状に屈曲した形状となっている。
【0063】
また、切込み117は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、切込みAから連設され、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みBと、切込みBから連設され、前後方向に形成された切込みCとを有し、全体に略鉤状に屈曲した形状となっている。
【0064】
そして、切込み111の切込みCと切込み113の切込みCとは同一直線状にあり、切込み111の切込みCと切込み113の切込みCの間には、切込みが形成されていない継目112が形成されている。つまり、継目112は、2つの切込みC間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0065】
同様に、切込み113の切込みAと切込み115の切込みAとは同一直線状にあり、切込み113の切込みAと切込み115の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目114が形成されている。つまり、継目114は、2つの切込みA間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0066】
同様に、切込み115の切込みCと切込み117の切込みCとは同一直線状にあり、切込み115の切込みCと切込み117の切込みCの間には、切込みが形成されていない継目116が形成されている。つまり、継目116は、2つの切込みC間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0067】
同様に、切込み117の切込みAと切込み111の切込みAとは同一直線状にあり、切込み117の切込みAと切込み111の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目118が形成されている。つまり、継目118は、2つの切込みA間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0068】
以上のように、切込み111、113、115、117は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み111、113、115、117が、継目112、114、116、118を介して周状に形成されている。
【0069】
また、周状切込み120は、右側面側に形成された直線状の切込み121と、背面側に形成された直線状の切込み123と、左側面側に形成された直線状の切込み125と、正面側に形成された直線状の切込み127とを有している。
【0070】
また、切込み121と切込み123の間には、切込みが形成されていない継目122が形成されている。つまり、継目122は、切込み121の端部(背面側の端部)と切込み123の端部(右側面側の端部)間の直線状の仮想線(つまり、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線)に沿って形成されている。
【0071】
同様に、切込み123と切込み125の間には、切込みが形成されていない継目124が形成されている。つまり、継目124は、切込み123の端部(左側面側の端部)と切込み125の端部(背面側の端部)間の直線状の仮想線(つまり、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線)に沿って形成されている。
【0072】
同様に、切込み125と切込み127の間には、切込みが形成されていない継目126が形成されている。つまり、継目126は、切込み125の端部(正面側の端部)と切込み127の端部(左側面側の端部)間の直線状の仮想線(つまり、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線)に沿って形成されている。
【0073】
同様に、切込み127と切込み121の間には、切込みが形成されていない継目128が形成されている。つまり、継目128は、切込み127の端部(右側面側の端部)と切込み121の端部(正面側の端部)間の直線状の仮想線(つまり、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線)に沿って形成されている。
【0074】
以上のように、継目122、124、126、128は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み121、123、125、127は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み121、123、125、127が、継目122、124、126、128を介して周状に形成されている。
【0075】
また、周状切込み130は、周状切込み110と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み130は、周状切込み110に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み131と、継目132と、切込み133と、継目134と、切込み135と、継目136と、切込み137と、継目138の順に形成されている。つまり、切込み131、133、135、137は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み131、133、135、137が、継目132、134、136、138を介して周状に形成されている。
【0076】
なお、切込み131、133、135、137は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。
【0077】
また、周状切込み140は、周状切込み120と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み140は、周状切込み120に対して略相似形となっている)、周状切込み140は、右側面側に形成された直線状の切込み141と、背面側に形成された直線状の切込み143と、左側面側に形成された直線状の切込み145と、正面側に形成された直線状の切込み147とを有し、切込み141と切込み143間の継目142と、切込み143と切込み145間の継目144と、切込み145と切込み147間の継目146と、切込み147と切込み141間の継目148は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み141、143、145、147は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み141、143、145、147が、継目142、144、146、148を介して周状に形成されている。
【0078】
また、周状切込み150は、周状切込み110、130と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み150は、周状切込み110、130に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み151と、継目152と、切込み153と、継目154と、切込み155と、継目156と、切込み157と、継目158の順に形成されている。つまり、切込み151、153、155、157は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み151、153、155、157が、継目152、154、156、158を介して周状に形成されている。
【0079】
なお、切込み151、153、155、157は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。
【0080】
また、周状切込み160は、周状切込み120、140と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み160は、周状切込み120、140に対して略相似形となっている)、周状切込み160は、右側面側に形成された直線状の切込み161と、背面側に形成された直線状の切込み163と、左側面側に形成された直線状の切込み165と、正面側に形成された直線状の切込み167とを有し、切込み161と切込み163間の継目162と、切込み163と切込み165間の継目164と、切込み165と切込み167間の継目166と、切込み167と切込み161間の継目168は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み161、163、165、167は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み161、163、165、167が、継目162、164、166、168を介して周状に形成されている。
【0081】
また、周状切込み170は、周状切込み110、130、150と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み170は、周状切込み110、130、150に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み171と、継目172と、切込み173と、継目174と、切込み175と、継目176と、切込み177と、継目178の順に形成されている。つまり、切込み171、173、175、177は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み171、173、175、177が、継目172、174、176、178を介して周状に形成されている。
【0082】
なお、切込み171、173、175、177は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。周状切込み170における周状の仮想線に囲まれた領域である中央領域102-1は、本体部102における中央に設けられている。
【0083】
また、周状切込み110~170において、周状切込み110、130、150、170は、第1タイプ周状不連続切込み(以下「第1タイプ周状切込み」とする)であり、周状切込み120、140、160は、第2タイプ周状不連続切込み(以下「第2タイプ周状切込み」とする)となる。つまり、複数の周状切込み110~170は、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みから構成され(つまり、複数の周状切込み110~170においては、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みとが設けられている)、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状切込みと第2タイプ周状切込みとが交互に設けられている。また、周状切込み110、130、150、170における各切込み(切込み111、113、115、117、131、133、135、137、151、153、155、157、171、173、175、177)が本体部102における4つの角部側に設けられた角部側切込みに当たる。
【0084】
また、周状切込み120、140、160において、切込み123、127、143、147、163、167は、辺部(第1辺部)Haと平行な直線状の第4切込みに当たり、切込み121、125、141、145、161、165は、辺部(第2辺部)Hbと平行な直線状の第5切込みに当たり、周状切込み120、140、160における各周状切込みにおいて、一対の第4切込みと一対の第5切込みが設けられている。
【0085】
また、上記周状切込み110、130、150、170において、切込みAは、第1切込みに当たり、切込みBは、第3切込みに当たり、切込みCは、第2切込みに当たる。
【0086】
また、周状切込み110、130、150、170における各切込みは、本体部102における4つの角部側に設けられた角度側切込みである。
【0087】
周状切込み110~170は以上のように形成され、周状切込み110~170において、複数の切込み及び継目が周状の仮想線に沿って形成され、周状切込み110~170における仮想線は同心状に形成されているが、該仮想線は、周状切込み110から周状切込み170に向けて径が徐々に小さくなるように形成されている。
【0088】
なお、上記の周状切込み110~170においては、切込みAの方向は互いに平行になっていて、切込みCの方向は互いに平行になっていて、さらに、切込み111、131、151、171、115、135、155、175における切込みBの方向は、互いに平行になっていて、切込み113、133、153、173、117、137、157、177における切込みBの方向は、互いに平行になっている。
【0089】
また、上記の周状切込み110~170を構成する切込みにおいては、緩衝具100を使用する前にわずかな衝撃で本体部102が網目状になってしまうことがないように、切込みの途中位置にわずかな長さのつなぎを設けてもよい(他の緩衝具200、300、300’においても同じ)。
【0090】
以上のように、複数の周状切込みである周状切込み110~170における各周状切込みにおいては、複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成されている。また、該周状の仮想線は、各周状切込みにおいてその径が異なり、複数の周状切込みにおける仮想線は、同心状に形成されている。
【0091】
また、ある周状切込みである対象周状不連続切込み(以下「対象周状切込み」とする)を介して(つまり、対象周状切込みを間に挟んで)隣接する2つの周状切込みである第1周状不連続切込み(以下「第1周状切込み」とする)と第2周状不連続切込み(以下「第2周状切込み」とする)においては、第1周状切込みの継目と第2周状切込みの継目の間の位置に対象周状切込みの切込みである対象切込みが設けられるとともに、第1周状切込みの該継目から連続した切込みと第2周状切込みの該継目から連続した切込みの間の位置に、該対象切込みが設けられていることにより、2つの継目の間には、2つの継目間の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0092】
例えば、周状切込み120を対象周状切込みとした場合に、周状切込み120を間に挟んで隣接する2つの周状切込みである周状切込み(第1周状切込み)110と周状切込み(第2周状切込み)130においては、継目118と継目138の間に、周状切込み120の切込み(対象切込み)127が設けられるとともに、周状切込み(第1周状切込み)110の継目118から連続した切込みA(切込み117の切込みA(切込みA1とする))と周状切込み(第2周状切込み)130の継目138から連続した切込みA(切込み137の切込みA(切込みA2とする))の間の位置に切込み(対象切込み)127が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目118と継目138の間には、継目118と継目138の直線経路S1に対して迂回する迂回路S2が設けられている。
【0093】
これにより、シート状の緩衝具100を被収納物に被せた場合に、
図12に示すように、切込み127と切込みA1の間の領域R1が、継目118に沿った領域R2に対して傾斜し、切込み127と切込みA2の間の領域R3が、継目138に沿った領域R4に対して傾斜することにより、領域R2と領域R4とが上下方向に間隔を介した状態となる。
【0094】
また、例えば、周状切込み120を対象周状切込みとした場合に、周状切込み120を間に挟んで隣接する2つの周状切込みである周状切込み(第1周状切込み)110と周状切込み(第2周状切込み)130においては、継目116と継目136の間に、周状切込み120の切込み(対象切込み)125が設けられるとともに、周状切込み(第1周状切込み)110の継目116から連続した切込みC(切込み117の切込みC(切込みC1とする))と周状切込み(第2周状切込み)130の継目136から連続した切込みC(切込み137の切込みC(切込みC2とする))の間の位置に切込み(対象切込み)125が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目116と継目136の間には、継目116と継目136の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0095】
また、例えば、周状切込み130を対象周状切込みとした場合に、周状切込み130を間に挟んで隣接する2つの周状切込みである周状切込み(第1周状切込み)120と周状切込み(第2周状切込み)140においては、継目126と継目146の間に、周状切込み130の切込み(対象切込み)137が設けられるとともに、周状切込み(第1周状切込み)120の継目126から連続した切込み125と周状切込み(第2周状切込み)140の継目146から連続した切込み145の間の位置に切込み(対象切込み)C(切込み137の切込みC)が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目126と継目146の間には、継目126と継目146の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0096】
また、例えば、周状切込み130を対象周状切込みとした場合に、周状切込み130を間に挟んで隣接する2つの周状切込みである周状切込み(第1周状切込み)120と周状切込み(第2周状切込み)140においては、継目126と継目146の間に、周状切込み130の切込み(対象切込み)137が設けられるとともに、周状切込み(第1周状切込み)120の継目126から連続した切込み127と周状切込み(第2周状切込み)140の継目146から連続した切込み147の間の位置に切込み(対象切込み)A(切込み137の切込みA)が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目126と継目146の間には、継目126と継目146の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0097】
これにより、シート状の緩衝具100を被収納物に被せた場合に、切込み125と切込みC1の間の領域が、継目116に沿った領域に対して傾斜し、切込み125と切込みC2の間の領域が、継目136に沿った領域に対して傾斜することにより、継目116に沿った領域と継目136に沿った領域が上下方向に間隔を介して状態となる。
【0098】
このように、継目に沿った領域が水平を維持しつつ、2つの切込みの間の領域が傾斜することにより、緩衝具100を被収納物に被せた際に立体状の網目状に変形される。
【0099】
また、本体部102の正面側の辺部Haの長さと背面側の辺部Hdの長さは、箱体7の底面部10の正面側10aの辺部及び背面側の辺部10dの長さと同一(又は若干短く)形成され、本体部102の右側面側の辺部Hbの長さと左側面側の辺部Hcの長さは、箱体7の底面部10の右側面側の辺部10b及び左側面側の辺部10cの長さと同一(又は若干短く)形成され、これにより、立上げ部103~106を本体部102に対して立ち上げた状態で緩衝具100を箱本体8に収納した状態では、立上げ部103は、内正面部18の内側に内正面部18の内側の面に沿って該内側の面に接した状態となり、立上げ部104は、右側面部30の内側に右側面部30の内側の面に沿って該内側の面に接した状態となり、立上げ部105は、左側面部40の内側に左側面部40の内側の面に沿って該内側の面に接した状態となり、立上げ部106は、背面部50の内側に背面部50の内側の面に沿って該内側の面に接した状態となる。
【0100】
次に、立上げ部(第3立上げ部)103は、本体部102の正面側の辺部から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど横方向の長さが短くなる台形形状に形成されている。なお、立上げ部103において、本体部102側の辺部J3a(折れ線M1としてもよい)と先端側の辺部J3bとは互いに平行となっている。
【0101】
また、立上げ部(第1立上げ部)104は、本体部102の右側面側の辺部から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど横方向の長さが短くなる略台形形状に形成されている。なお、立上げ部104において、本体部102側の辺部J4a(折れ線M2としてもよい)と先端側の辺部J4bとは互いに平行となっている。さらに、先端側の辺部J4bには、凹部が設けられている。
【0102】
また、立上げ部(第2立上げ部)105は、本体部102の左側面側の辺部から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど横方向の長さが短くなる略台形形状に形成されている。なお、立上げ部105において、本体部102側の辺部J5a(折れ線M3としてもよい)と先端側の辺部J5bとは互いに平行となっている。さらに、先端側の辺部J5bには、凹部が設けられている。
【0103】
このように、辺部J4b、J5bに凹部が設けられているので、立上げ部104、105を本体部102に対して立ち上げた状態で、緩衝具100を下方に押し込む際に、該凹部に親指を配置して押し込むことができる。
【0104】
また、立上げ部(第4立上げ部)106は、本体部102の背面側の辺部から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど横方向の長さが短くなる台形形状に形成されている。なお、立上げ部106において、本体部102側の辺部J6a(折れ線M4としてもよい)と先端側の辺部J6bとは互いに平行となっている。
【0105】
なお、立上げ部103~106において、本体部102側の辺部と先端側の辺部間の長さは同一に形成されている。つまり、辺部J3aと辺部J3b間の長さLaと、辺部J4aと辺部J4b間の長さLbと、辺部J5aと辺部J5b間の長さLcと、辺部J6aと辺部J6b間の長さLdは同一に形成されている。なお、長さLa~Ldは、立上げ部103~106の本体部102側の辺部及び先端側の辺部に対して直角方向の長さである(緩衝具200、300、300’においても同じ)。
【0106】
また、長さLa、Lb、Lc、Ldは、箱体7における長さL30、L40と同一(略同一としてもよい)に形成されており、これにより、立上げ部103~106を本体部102に対して立ち上げた状態で、箱体7内に収納して、蓋部80を閉じた状態とすることにより、フラップ部60、70が立上げ部104、105の上端に接し、緩衝具100が箱体7内に固定された状態となる。
【0107】
また、本体部102と立上げ部103~106の間の折れ線に沿って折曲げを容易とする複数の直線状の切込みが間隔を介して形成されていて、これにより、立上げ部103~106が本体部102に対して折り曲げしやすくなっている。なお、本体部102と立上げ部103~106の間の折れ線に沿って形成された切込み(つまり、折曲げを容易とする切込み)を省略してもよい。
【0108】
上記緩衝具付き箱体5の使用方法について説明する。まず、箱体7の箱本体8内に被収納物Pを収納する(
図6参照)。なお、本体部102における中央領域102-1は、本体部102の中央に設けられていて、周状切込み110~170は、同心状に形成されているので、被収納物Pは、底面部10の中央に配置する。
【0109】
その後、立上げ部103~106を本体部102に対して立ち上げた状態として、緩衝具100を被収納物Pの上側に配置する(
図7参照)。なお、フラップ部60、70は、立上げ部104、105の外側に位置し、
図7の例では、フラップ部60は、立上げ部104の外側の面に接し、フラップ部70は、立上げ部105の外側の面に接している。
【0110】
その後、緩衝具100を下方に押し込んで、立上げ部103が内正面部18の内側の面に沿った状態となり、立上げ部104が右側面部30の内側の面に沿った状態となり、立上げ部105が左側面部40の内側の面に沿った状態となり、立上げ部106が背面部50の内側の面に沿った状態とする。すると、本体部102は、
図8に示すように、被収納物Pの外形に従って立体状の網目状に変形して、被収納物Pの下面を除いて覆う状態となり、被収納物Pの下面は底面部10が接しているので、底面部10と本体部102により被収納物Pを包む状態となる。なお、立上げ部103~106が箱本体8の内側の面(正面部12と右側面部30と左側面部40と背面部50からなる側壁の内側の面)に沿った状態となるので、緩衝具100が箱本体8内で安定して位置し、本体部102に覆われた被収納物が箱体7内で移動するのを防止することができる。
【0111】
なお、本体部102には、同心状に複数の周状切込み110~170が設けられているので、被収納物の形状や大きさに応じて、本体部102が変形するので、基本的には、被収納物の大きさが大きい場合には、本体部102の広い範囲が変形し、特に、外側の領域が大きく変形するのに対して、被収納物の大きさが小さい場合には、本体部102における変形する領域が小さくなる。
【0112】
その後、フラップ部60、70を閉じた状態として(
図9)、蓋部80を閉じた状態とする(
図10、
図11)。蓋部80を閉じた状態とするには、差込み片部96を被差込み部20に差し込んで、先端部96bが内正面部18と外正面部14の間に位置するようにする。差込み片部96を被差込み部20に差し込んだ状態で、被差込み部20の両側には切込み24が設けられているので、差込み片部96を被差込み部20から引き抜くことはできない。
【0113】
蓋部80を閉じた状態では、フラップ部60が立上げ部104の先端側の辺部J4bに接して、立上げ部104が上方に移動するのを規制し、フラップ部70が立上げ部105の先端側の辺部J5bに接して、立上げ部105が上方に移動するのを規制するので、緩衝具100の上下動が防止されて、緩衝具100が箱体7内で固定され、被収納物Pは、底面部10と本体部102により覆われて、被収納物Pが箱体7内で移動するのを防止することができ、被収納物Pを保持することができる。また、被収納物Pは、箱体7に収納されるとともに、立体状の網目状に形成された本体部102に覆われているので(
図12参照)、本体部102による緩衝効果を得ることができ、箱体7の外部からの衝撃からも保護することができる。
【0114】
なお、蓋部80を開状態にして、被収納物Pを取り出すには、帯状部94の端部をつかんで引っ張って切目線92K、94Kを破断して帯状部94を取り除くことにより、蓋部80を箱本体8に対して開けることができるので、緩衝具100を箱本体8から取り出すことにより、被収納物Pを取り出すことができる。
【0115】
本実施例の緩衝具付き箱体5によれば、緩衝具100を被収納物の上側に配置して下方に押し込むのみで本体部102が変形して被収納物を保持させることができるので、被収納物を手間なく保持させることができ、特に、同心状に複数の周状切込み110~170が設けられているので、異なる形状や大きさの被収納物に対応することができる。また、1つの緩衝具100のみで被収納物を保持させるので、少ない部材で保持させることができる。また、緩衝具100は紙製であるので、プラスチック製品を用いる必要がなく、プラスチックゴミを出さないので、脱プラスチックを図ることができる。
【0116】
次に、緩衝具の他の例について説明する。緩衝具200(実施例2の緩衝具)は、緩衝具100と略同一の構成であるが、各周状切込みにおける角部に設けられた切込みの形状が異なる。つまり、緩衝具100における周状切込み110、130、150、170における角部に設けられた切込み111、113、115、117、131、133、135、137、151、153、155、157、171,173、175、177においては、角部の切込みBが、傾斜した直線状に形成されているが、緩衝具200においては、角部の切込みB’が円弧状(略円弧状としてもよい)に形成されている点が異なる。
【0117】
すなわち、緩衝具200は、
図13~
図15に示すように構成され、本体部202と、本体部202の各辺から折れ線を介して連設された立上げ部203、204、205、206とを有している。緩衝具200は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。なお、
図13~
図15は、同じ図であり、符号を記入するために複数の図に分けて説明している。
【0118】
ここで、本体部202は、本体部102と同様に、方形状(具体的には、長方形状)の外形を有している。
【0119】
また、本体部202には、複数の周状不連続切込み(以下単に「周状切込み」とする)210~270が形成されている。
【0120】
すなわち、周状切込み210~270は、同心状に形成され、外側から内側に向けて、周状切込み210、220、230、240、250、260、270の順に径が小さくなるように形成されている。
【0121】
周状切込み210は、本体部202の正面及び右側面側の角部(前右側の角部)側に形成された切込み211と、本体部202の背面及び右側面側の角部(後右側の角部)側に形成された切込み213と、本体部202の背面及び左側面側の角部(後左側の角部)側に形成された切込み215と、本体部202の正面及び左側面の角部(前左側の角部)側に形成された切込み217とを有している。
【0122】
ここで、切込み211、213、215、217は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、前後方向に形成された切込みCと、切込みAと切込みCの間に設けられ、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成された切込みB’とを有している。切込みB’における円弧は、本体部202における外側に向かって膨出していて(つまり、切込みAの仮想延長線と切込みCの仮想延長線の交点の側に膨らんでいる)、切込みB’の切込みA側の端部における接線は切込みAと重なり、切込みB’は切込みAと連続しており、切込みB’の切込みC側の端部における接線は切込みCと重なり、切込みB’は切込みCと連続している。
【0123】
そして、切込み211の切込みCと切込み213の切込みCとは同一直線状にあり、切込み211の切込みCと切込み213の切込みCの間には、切込みが形成されていない継目212が形成されている。つまり、継目212は、2つの切込みC間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0124】
同様に、切込み213の切込みAと切込み215の切込みAとは同一直線状にあり、切込み213の切込みAと切込み215の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目214が形成されている。つまり、継目214は、2つの切込みA間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0125】
同様に、切込み215の切込みCと切込み217の切込みCとは同一直線状にあり、切込み215の切込みCと切込み217の切込みCの間には、切込みが形成されていない継目216が形成されている。つまり、継目216は、2つの切込みC間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0126】
同様に、切込み217の切込みAと切込み211の切込みAとは同一直線状にあり、切込み217の切込みAと切込み211の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目218が形成されている。つまり、継目218は、2つの切込みA間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0127】
以上のように、切込み211、213、215、217は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み211、213、215、217が、継目212、214、216、218を介して周状に形成されている。
【0128】
周状切込み220は、周状切込み120と同様の構成であり、右側面側に形成された直線状の切込み221と、背面側に形成された直線状の切込み223と、左側面側に形成された直線状の切込み225と、正面側に形成された直線状の切込み227とを有している。
【0129】
また、切込み221と切込み223の間には、切込みが形成されていない継目222が形成されている。つまり、継目222は、切込み221の端部(背面側の端部)と切込み223の端部(右側面側の端部)間の円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されている。
【0130】
同様に、切込み223と切込み225の間には、切込みが形成されていない継目224が形成されている。つまり、継目224は、切込み223の端部(左側面側の端部)と切込み225の端部(背面側の端部)間の円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されている。
【0131】
同様に、切込み225と切込み227の間には、切込みが形成されていない継目226が形成されている。つまり、継目226は、切込み225の端部(正面側の端部)と切込み227の端部(左側面側の端部)間の円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されている。
【0132】
同様に、切込み227と切込み221の間には、切込みが形成されていない継目228が形成されている。つまり、継目228は、切込み227の端部(右側面側の端部)と切込み221の端部(正面側の端部)間の円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されている。
【0133】
以上のように、継目222、224、226、228は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み221、223、225、227は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み221、223、225、227が、継目222、224、226、228を介して周状に形成されている。
【0134】
また、周状切込み230は、周状切込み210と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み230は、周状切込み210に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み231と、継目232と、切込み233と、継目234と、切込み235と、継目236と、切込み237と、継目238の順に形成されている。つまり、切込み231、233、235、237は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み231、233、235、237が、継目232、234、236、238を介して周状に形成されている。
【0135】
なお、切込み231、233、235、237は、いずれも、切込みAと切込みB’と切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みであり、切込みB’は、切込みAと切込みCの間に設けられ、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成されている。
【0136】
また、周状切込み240は、周状切込み220と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み240は、周状切込み220に対して略相似形となっている)、周状切込み240は、右側面側に形成された直線状の切込み241と、背面側に形成された直線状の切込み243と、左側面側に形成された直線状の切込み245と、正面側に形成された直線状の切込み247とを有し、切込み241と切込み243間の継目242と、切込み243と切込み245間の継目244と、切込み245と切込み247間の継目246と、切込み247と切込み241間の継目248は、円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されており、切込み241、243、245、247は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み241、243、245、247が、継目242、244、246、248を介して周状に形成されている。
【0137】
また、周状切込み250は、周状切込み210、230と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み250は、周状切込み210、230に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み251と、継目252と、切込み253と、継目254と、切込み255と、継目256と、切込み257と、継目258の順に形成されている。つまり、切込み251、253、255、257は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み251、253、255、257が、継目252、254、256、258を介して周状に形成されている。
【0138】
なお、切込み251、253、255、257は、いずれも、切込みAと切込みB’と切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みであり、切込みB’は、切込みAと切込みCの間に設けられ、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成されている。
【0139】
また、周状切込み260は、周状切込み220、240と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み260は、周状切込み220、240に対して略相似形となっている)、周状切込み260は、右側面側に形成された直線状の切込み261と、背面側に形成された直線状の切込み263と、左側面側に形成された直線状の切込み265と、正面側に形成された直線状の切込み267とを有し、切込み261と切込み263間の継目262と、切込み263と切込み265間の継目264と、切込み265と切込み267間の継目266と、切込み267と切込み261間の継目268は、円弧形状(略円弧形状としてもよい)を含む仮想線(すなわち、円弧状(略円弧状としてもよい)の仮想線と、円弧状の仮想線の一方の端部から連設された直線状の仮想線と、円弧状の仮想線の他方の端部から連設された直線状の仮想線からなる仮想線)に沿って形成されており、切込み261、263、265、267は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み261、263、265、267が、継目262、264、266、268を介して周状に形成されている。
【0140】
また、周状切込み270は、周状切込み210、230、250と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み270は、周状切込み210、230、250に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み271と、継目272と、切込み273と、継目274と、切込み275と、継目276と、切込み277と、継目278の順に形成されている。つまり、切込み271、273、275、277は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み271、273、275、277が、継目272、274、276、278を介して周状に形成されている。
【0141】
なお、切込み271、273、275、277は、いずれも、切込みAと切込みB’と切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みであり、切込みB’は、切込みAと切込みCの間に設けられ、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成されている。周状切込み270における周状の仮想線に囲まれた領域である中央領域202-1は、本体部202における中央に設けられている。
【0142】
また、周状切込み210~270において、周状切込み210、230、250、270は、第1タイプ周状切込みであり、周状切込み220、240、260は、第2タイプ周状切込みとなる。つまり、複数の周状切込み210~270は、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みから構成され(つまり、複数の周状切込み210~270においては、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みとが設けられている)、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状切込みと第2タイプ周状切込みとが交互に設けられている。また、周状切込み210、230、250、270における各切込み(切込み211、213、215、217、231、233、235、237、251、253、255、257、271、273、275、277)が本体部202における4つの角部側に設けられた角部側切込みに当たる。
【0143】
また、周状切込み220、240、260において、切込み223、227、243、247、263、267は、辺部(第1辺部)Haと平行な直線状の第4切込みに当たり、切込み221、225、241、245、261、265は、辺部(第2辺部)Hbと平行な直線状の第5切込みに当たり、周状切込み220、240、260における各周状切込みにおいて、一対の第4切込みと一対の第5切込みが設けられている。
【0144】
また、上記周状切込み210、230、250、270において、切込みAは、第1切込みに当たり、切込みB’は、第3切込みに当たり、切込みCは、第2切込みに当たる。
【0145】
また、周状切込み210、230、250、270における各切込みは、本体部202における4つの角部側に設けられた角度側切込みである。
【0146】
周状切込み210~270は以上のように形成され、周状切込み210~270において、複数の切込み及び継目が周状の仮想線に沿って形成され、周状切込み210~270における仮想線は同心状に形成されているが、該仮想線は、周状切込み210から周状切込み270に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
【0147】
なお、上記の周状切込み210~270においては、切込みAの方向は互いに平行になっていて、切込みBの方向は互いに平行になっている。
【0148】
以上のように、複数の周状切込みである周状切込み210~270における各周状切込みにおいては、複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成されている。また、該周状の仮想線は、各周状切込みにおいてその径が異なり、複数の周状切込みにおける仮想線は、同心状に形成されている。
【0149】
また、ある周状切込みである対象周状不連続切込み(以下「対象周状切込み」とする)を介して隣接する2つの周状切込みにおいては、継目と継目の間の位置に対象周状切込みの切込みである対象切込みが設けられるとともに、2つの周状切込みにおける一方の周状切込みの該継目から連続した切込みと他方の周状切込みの該継目から連続した切込みの間の位置に、該対象切込みが設けられていることにより、2つの継目の間には、2つの継目間の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0150】
例えば、周状切込み220を対象周状切込みとした場合に、周状切込み220を介して隣接する2つの周状切込み210、230においては、継目218と継目238の間に、周状切込み220の切込み(対象切込み)227が設けられるとともに、2つの周状切込み210、230における一方の周状切込み210の継目218から連続した切込みA(切込み217の切込みA(切込みA1とする))と他方の周状切込み230の継目238から連続した切込みA(切込み237の切込みA(切込みA2とする))の間の位置に切込み227が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目218と継目238の間には、継目218と継目238の直線経路S1に対して迂回する迂回路S2が設けられている。
【0151】
これにより、シート状の緩衝具200を被収納物に被せた場合に、切込み227と切込みA1の間の領域R1が、継目218に沿った領域R2に対して傾斜し、切込み227と切込みA2の間の領域R3が、継目238に沿った領域R4に対して傾斜する。このように、継目に沿った領域が水平を維持しつつ、2つの切込みの間の領域が傾斜することにより、緩衝具200を被収納物に被せた際に立体状の網目状に形成される。
【0152】
また、緩衝具200においても、本体部202の辺部Hbと辺部Hc間の長さL1は、箱本体8の底面部10の右側面側の辺部10bと左側面側の辺部10c間の長さL11と略同一に(厳密には、長さL1は長さL11よりも若干短く)形成され、本体部202の辺部Haと辺部Hd間の長さL2は、箱本体8の底面部10の正面側の辺部10aと背面側の辺部10d間の長さL12と略同一に(厳密には、長さL2は長さL12よりも若干短く)形成され、これにより、緩衝具200を箱本体8内に収納した際には、立上げ部203の外側の面が内正面部18の内側の面に沿った状態で内正面部18に接し、立上げ部204の外側の面が右側面部30の内側の面に沿った状態で右側面部30に接し、立上げ部205の外側の面が左側面部40の内側の面に沿った状態で左側面部40に接し、立上げ部206の外側の面が背面部50の内側の面に沿った状態で背面部50に接した状態となる。
【0153】
なお、本体部202の辺部Ha、Hb、Hc、Hdは、本体部202の立上げ部203~206との間の折れ線に沿った辺部である。
【0154】
また、立上げ部203の構成は、立上げ部103と同様の構成であり、立上げ部204の構成は、立上げ部104と同様の構成であり、立上げ部205の構成は、立上げ部105と同様の構成であり、立上げ部206の構成は、立上げ部106と同様の構成であり、長さLa~Laは、同一に形成され、長さLa、Lb、Lc、Ldは、箱体7における長さL30、L40と同一(略同一としてもよい)に形成されており、これにより、緩衝具200においては、立上げ部203~206を本体部202に対して立ち上げた状態で、箱体7内に収納して、蓋部80を閉じた状態とすることにより、フラップ部60、70が立上げ部204、205の上端に接し、緩衝具200が箱体7内に固定された状態となる。
【0155】
また、本体部202と立上げ部203~206の間の折れ線に沿って折曲げを容易とする複数の直線状の切込みが間隔を介して形成されていて、これにより、立上げ部203~206が本体部202に対して折り曲げしやすくなっている。なお、本体部202と立上げ部203~206の間の折れ線に沿って形成された切込み(つまり、折曲げを容易とする切込み)を省略してもよい。
【0156】
緩衝具200の使用方法は、緩衝具100と同様であるので、詳しい説明を省略する。緩衝具200の場合においても、緩衝具200を被収納物の上側に配置した状態から緩衝具200を下方に押し込むことにより、本体部202は、被収納物の外形に従って立体状の網目状に変形して、被収納物の下面を除いて覆う状態となり、被収納物の下面は底面部10が接しているので、底面部10と本体部202により被収納物を覆う状態となる。なお、本体部202には、同心状に複数の周状切込み210~270が設けられているので、被収納物の形状や大きさに応じて、本体部202が変形する。
【0157】
蓋部80を閉じた状態では、フラップ部60が立上げ部204の先端に接して、立上げ部204が上方に移動するのを規制し、フラップ部70が立上げ部205の先端に接して、立上げ部205が上方に移動するのを規制するので、緩衝具200の上下動が防止されて、緩衝具200が箱体7内で固定され、被収納物は、底面部10と本体部202により覆われて、被収納物が箱体7内で移動するのを防止することができ、被収納物を保持することができる。また、被収納物は、箱体7に収納されるとともに、立体状の網目状に形成された本体部202に覆われているので、本体部202による緩衝効果を得ることができ、箱体7の外部からの衝撃からも保護することができる。
【0158】
次に、緩衝具の他の例としての緩衝具300(実施例3の緩衝具)は、緩衝具100と略同一の構成であるが、最も外側の周状切込みにおける左右方向の切込み(切込みA)と前後方向の切込み(切込みB)が本体部302と立上げ部303~306の境界線に沿って形成されている点が異なる。
【0159】
すなわち、緩衝具300は、
図16~
図19に示すように構成され、本体部302と、本体部302の各辺から折れ線を介して連設された立上げ部303、304、305、306とを有している。緩衝具300は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。なお、
図16~
図19は、同じ図であり、符号を記入するために複数の図に分けて説明している。
【0160】
ここで、本体部302は、本体部102等と同様に、方形状(具体的には、長方形状)の外形を有している。なお、本体部302と立上げ部303~306の境界線は、折れ線と切込みA、Cにより直線状に形成されている。
【0161】
また、緩衝具300には、複数の周状不連続切込み(以下単に「周状切込み」とする)310~390が形成され、周状切込み320~390は、本体部302に設けられ、周状切込み310については、周状切込み310の一部が本体部302と立上げ部303~306間の境界(つまり、本体部302と立上げ部303~306間の折れ線の延長線上)に形成され、周状切込み310における他の部分は、本体部302に形成されている。
【0162】
すなわち、周状切込み310~390は、同心状に形成され、外側から内側に向けて、周状切込み310、320、330、340、350、360、370、380、390の順に径が小さくなるように形成されている。
【0163】
周状切込み310は、本体部302の正面及び右側面側の角部(前右側の角部)側に形成された切込み311と、本体部302の背面及び右側面側の角部(後右側の角部)側に形成された切込み313と、本体部302の背面及び左側面側の角部(後左側の角部)側に形成された切込み315と、本体部302の正面及び左側面の角部(前左側の角部)側に形成された切込み317とを有している。
【0164】
ここで、切込み311、313、315、317は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、前後方向に形成された切込みCと、切込みAと切込みCの間に設けられ、切込みA及び切込みCに対して傾斜した(具体的には、45度に傾斜した)直線状の切込みBとを有している。
【0165】
そして、切込み311における切込みAは、本体部302と立上げ部303間の境界に沿って形成され、切込み311における切込みCは、本体部302と立上げ部304の境界に沿って形成されている。
【0166】
また、切込み313における切込みAは、本体部302と立上げ部306間の境界に沿って形成され、切込み313における切込みCは、本体部302と立上げ部304の境界に沿って形成されている。
【0167】
また、切込み315における切込みAは、本体部302と立上げ部306間の境界に沿って形成され、切込み315における切込みCは、本体部302と立上げ部305の境界に沿って形成されている。
【0168】
また、切込み317における切込みAは、本体部302と立上げ部303間の境界に沿って形成され、切込み317における切込みCは、本体部302と立上げ部305の境界に沿って形成されている。
【0169】
そして、切込み311の切込みCと切込み313の切込みCとは同一直線状にあり、切込み311の切込みCと切込み313の切込みCの間には、継目312が形成されている。後述するように、この継目312には、折曲げ用の複数の切込みが間隔を介して設けられているので、厳密には、連続した継目ではなく、切込み311の切込みCと切込み313の切込みCの間に、複数の継目が設けられているといえる。ただし、折曲げ用の切込みを介して本体部が変形するものではないため、切込み311の切込みCと切込み313の切込みCの間を継目として説明する。この継目312は、本体部302と立上げ部304間の折れ線M2と一致している。切込み311の切込みCと切込み313の切込みCは、折れ線M2の延長線上に形成されている。
【0170】
同様に、切込み313の切込みAと切込み315の切込みAとは同一直線状にあり、切込み313の切込みAと切込み315の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目314が形成されている。後述するように、この継目314には、折曲げ用の複数の切込みが間隔を介して設けられているが、継目312の場合と同様に、継目として説明する。この継目314は、本体部302と立上げ部306間の折れ線M4と一致している。切込み313の切込みAと切込み315の切込みAは、折れ線M4の延長線上に形成されている。
【0171】
同様に、切込み315の切込みCと切込み317の切込みCとは同一直線状にあり、切込み315の切込みCと切込み317の切込みCの間には、切込みが形成されていない継目316が形成されている。後述するように、この継目316には、折曲げ用の複数の切込みが間隔を介して設けられているが、継目312の場合と同様に、継目として説明する。この継目316は、本体部302と立上げ部305間の折れ線M3と一致している。切込み315の切込みCと切込み317の切込みCは、折れ線M3の延長線上に形成されている。
【0172】
同様に、切込み317の切込みAと切込み311の切込みAとは同一直線状にあり、切込み317の切込みAと切込み311の切込みAの間には、切込みが形成されていない継目318が形成されている。後述するように、この継目318には、折曲げ用の複数の切込みが間隔を介して設けられているが、継目312の場合と同様に、継目として説明する。この継目318は、本体部302と立上げ部303間の折れ線M1と一致している。切込み317の切込みAと切込み311の切込みAは、折れ線M1の延長線上に形成されている。
【0173】
以上のように、切込み311、313、315、317は、周状の仮想線(ただし、仮想線の一部は、本体部302と立上げ部303~306の境界上にある)上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み311、313、315、317が、継目312、314、316、318を介して周状に形成されている。
【0174】
周状切込み310は、周状切込み310~390における最も外側の周状切込みである最外周不連続切込みに当たる(実施例4においても同じ)。
【0175】
周状切込み320は、周状切込み120と同様の構成であり、右側面側に形成された直線状の切込み321と、背面側に形成された直線状の切込み323と、左側面側に形成された直線状の切込み325と、正面側に形成された直線状の切込み327とを有している。
【0176】
また、切込み321と切込み323の間には、切込みが形成されていない継目322が形成されている。つまり、継目322は、切込み321の端部(背面側の端部)と切込み323の端部(右側面側の端部)間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0177】
同様に、切込み323と切込み325の間には、切込みが形成されていない継目324が形成されている。つまり、継目324は、切込み323の端部(左側面側の端部)と切込み325の端部(背面側の端部)間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0178】
同様に、切込み325と切込み327の間には、切込みが形成されていない継目326が形成されている。つまり、継目326は、切込み325の端部(正面側の端部)と切込み327の端部(左側面側の端部)間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0179】
同様に、切込み327と切込み321の間には、切込みが形成されていない継目328が形成されている。つまり、継目328は、切込み327の端部(右側面側の端部)と切込み321の端部(正面側の端部)間の直線状の仮想線に沿って形成されている。
【0180】
以上のように、継目322、324、326、328は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み321、323、325、327は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み321、323、325、327が、継目322、324、326、328を介して周状に形成されている。
【0181】
また、周状切込み330は、周状切込み310と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み330は、周状切込み310に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み331と、継目332と、切込み333と、継目334と、切込み335と、継目336と、切込み337と、継目338の順に形成されている。つまり、切込み331、333、335、337は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み331、333、335、337が、継目332、334、336、338を介して周状に形成されている。
【0182】
なお、切込み331、333、335、337は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。
【0183】
また、周状切込み340は、周状切込み320と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み340は、周状切込み320に対して略相似形となっている)、周状切込み340は、右側面側に形成された直線状の切込み341と、背面側に形成された直線状の切込み343と、左側面側に形成された直線状の切込み345と、正面側に形成された直線状の切込み347とを有し、切込み341と切込み343間の継目342と、切込み343と切込み345間の継目344と、切込み345と切込み347間の継目346と、切込み347と切込み341間の継目348は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み341、343、345、347は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み341、343、345、347が、継目342、344、346、348を介して周状に形成されている。
【0184】
また、周状切込み350は、周状切込み310、330と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み350は、周状切込み310、330に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み351と、継目352と、切込み353と、継目354と、切込み355と、継目356と、切込み357と、継目358の順に形成されている。つまり、切込み351、353、355、357は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み351、353、355、357が、継目352、354、356、358を介して周状に形成されている。
【0185】
なお、切込み351、353、355、357は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。
【0186】
また、周状切込み360は、周状切込み320、340と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み360は、周状切込み320、340に対して略相似形となっている)、周状切込み360は、右側面側に形成された直線状の切込み361と、背面側に形成された直線状の切込み363と、左側面側に形成された直線状の切込み365と、正面側に形成された直線状の切込み367とを有し、切込み361と切込み363間の継目362と、切込み363と切込み365間の継目364と、切込み365と切込み367間の継目366と、切込み367と切込み361間の継目368は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み361、363、365、367は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み361、363、365、367が、継目362、364、366、368を介して周状に形成されている。
【0187】
また、周状切込み370は、周状切込み310、330、350と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み370は、周状切込み310、330、350に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み371と、継目372と、切込み373と、継目374と、切込み375と、継目376と、切込み377と、継目378の順に形成されている。つまり、切込み371、373、375、377は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み371、373、375、377が、継目372、374、376、378を介して周状に形成されている。
【0188】
なお、切込み371、373、375、377は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。
【0189】
また、周状切込み380は、周状切込み320、340、360と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み380は、周状切込み320、340、360に対して略相似形となっている)、周状切込み380は、右側面側に形成された直線状の切込み381と、背面側に形成された直線状の切込み383と、左側面側に形成された直線状の切込み385と、正面側に形成された直線状の切込み387とを有し、切込み381と切込み383間の継目382と、切込み383と切込み385間の継目384と、切込み385と切込み387間の継目386と、切込み387と切込み381間の継目388は、左右方向及び前後方向に対して傾斜した仮想線に沿って形成されており、切込み381、383、385、387は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み381、383、385、387が、継目382、384、386、388を介して周状に形成されている。
【0190】
また、周状切込み390は、周状切込み310、330、350、370と周状の仮想線の大きさが異なる以外は、略同様の構成であり(つまり、周状切込み390は、周状切込み310、330、350、370に対して略相似形となっている)、周状の仮想線に沿って、切込み391と、継目392と、切込み393と、継目394と、切込み395と、継目396と、切込み397と、継目398の順に形成されている。つまり、切込み391、393、395、397は、周状の仮想線上に形成され、該周状の仮想線上に沿って、切込みと継目とが交互に形成され、複数の切込み391、393、395、397が、継目392、394、396、398を介して周状に形成されている。
【0191】
なお、切込み391、393、395、397は、いずれも、切込みAと切込みBと切込みCとを有し、切込みAは、左右方向に形成された直線状の切込みであり、切込みBは、左右方向に対して傾斜した(具体的には、左右方向に対して45度に傾斜した)直線状の切込みであり、切込みCは、前後方向に形成された直線状の切込みである。周状切込み390における周状の仮想線に囲まれた領域である中央領域302-1は、本体部302における中央に設けられている。
【0192】
また、周状切込み310~390において、周状切込み310、330、350、370、390は、第1タイプ周状切込みであり、周状切込み320、340、360、380は、第2タイプ周状切込みとなる。つまり、複数の周状切込み310~370は、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みから構成され(つまり、複数の周状切込み310~390においては、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みとが設けられている)、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状切込みと第2タイプ周状切込みとが交互に設けられている。また、周状切込み310、330、350、370、390における各切込み(切込み311、313、315、317、331、333、335、337、351、353、355、357、371、373、375、377、391、393、395、397)が本体部302における4つの角部側に設けられた角部側切込みに当たる。
【0193】
また、周状切込み320、340、360、380において、切込み323、327、343、347、363、367、383、387は、辺部(第1辺部)Haと平行な直線状の第4切込みに当たり、切込み321、325、341、345、361、365、381、385は、辺部(第2辺部)Hbと平行な直線状の第5切込みに当たり、周状切込み320、340、360における各周状切込みにおいて、一対の第4切込みと一対の第5切込みが設けられている。
【0194】
また、上記周状切込み310、330、350、370、390において、切込みAは、第1切込みに当たり、切込みBは、第3切込みに当たり、切込みCは、第2切込みに当たる。
【0195】
また、周状切込み310、330、350、370、390における各切込みは、本体部302における4つの角部側に設けられた角度側切込みである。
【0196】
周状切込み310~390は以上のように形成され、周状切込み310~390において、複数の切込み及び継目が周状の仮想線に沿って形成され、周状切込み310~390における仮想線は同心状に形成されているが、該仮想線は、周状切込み310から周状切込み390に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
【0197】
なお、上記の周状切込み310~390においては、切込みAの方向は互いに平行になっていて、切込みBの方向は互いに平行になっていて、さらに、切込み311、331、351、371、391、315、335、355、375、395における切込みBの方向は、互いに平行になっていて、切込み313、333、353、373、393、317、337、357、377、397における切込みBの方向は、互いに平行になっている。
【0198】
以上のように、複数の周状切込みである周状切込み310~390における各周状切込みにおいては、複数の切込みが継目を介して周状の仮想線に沿って形成されている。また、該周状の仮想線は、各周状切込みにおいてその径が異なり、複数の周状切込みにおける仮想線は、同心状に形成されている。なお、周状切込み310~390は、本体部302に設けられているが、緩衝具300においては、周状切込み310の一部(つまり、切込みAと切込みC)は、本体部302と立上げ部303~306との境界位置に形成されているので、厳密には、複数の周状切込み310~390は、立上げ部303~306との境界を含む本体部302に形成されているといえる。
【0199】
また、ある周状切込みである対象周状不連続切込み(以下「対象周状切込み」とする)を介して隣接する2つの周状切込みにおいては、継目と継目の間の位置に対象周状切込みの切込みである対象切込みが設けられるとともに、2つの周状切込みにおける一方の周状切込みの該継目から連続した切込みと他方の周状切込みの該継目から連続した切込みの間の位置に、該対象切込みが設けられていることにより、2つの継目の間には、2つの継目間の直線経路に対して迂回する迂回路が設けられている。
【0200】
例えば、周状切込み320を対象周状切込みとした場合に、周状切込み320を介して隣接する2つの周状切込み310、330においては、継目318と継目338の間に、周状切込み320の切込み(対象切込み)327が設けられるとともに、2つの周状切込み310、330における一方の周状切込み310の継目318から連続した切込みA(切込み317の切込みA(切込みA1とする))と他方の周状切込み330の継目338から連続した切込みA(切込み337の切込みA(切込みA2とする))の間の位置に切込み327が設けられている(つまり、3本の切込みが並んで形成されている)ことにより、継目318と継目338の間には、継目318と継目338の直線経路S1に対して迂回する迂回路S2が設けられている。
【0201】
これにより、シート状の緩衝具300を被収納物に被せた場合に、切込み327と切込みA1の間の領域R1が、継目318に沿った領域R2に対して傾斜し、切込み327と切込みA2の間の領域R3が、継目338に沿った領域R4に対して傾斜する。このように、継目に沿った領域が水平を維持しつつ、2つの切込みの間の領域が傾斜することにより、緩衝具300を被収納物に被せた際に立体状の網目状に形成される。
【0202】
また、緩衝具300においても、本体部302の辺部Hbと辺部Hc間の長さL1は、箱本体8の底面部10の右側面側の辺部10bと左側面側の辺部10c間の長さL11と略同一に(厳密には、長さL1は長さL11よりも若干短く)形成され、本体部302の辺部Haと辺部Hd間の長さL2は、箱本体8の底面部10の正面側の辺部10aと背面側の辺部10d間の長さL12と略同一に(厳密には、長さL2は長さL12よりも若干短く)形成され、これにより、緩衝具300を箱本体8内に収納した際には、立上げ部303の外側の面が内正面部18の内側の面に沿った状態で内正面部18に接し、立上げ部304の外側の面が右側面部30の内側の面に沿った状態で右側面部30に接し、立上げ部305の外側の面が左側面部40の内側の面に沿った状態で左側面部40に接し、立上げ部306の外側の面が背面部50の内側の面に沿った状態で背面部50に接した状態となる。
【0203】
なお、本体部302の辺部Ha、Hb、Hc、Hdは、本体部302の立上げ部303~306との間の折れ線及びその延長線に沿った辺部である。
【0204】
また、立上げ部303の構成は、立上げ部103と同様の構成であり、立上げ部304の構成は、立上げ部104と同様の構成であり、立上げ部305の構成は、立上げ部105と同様の構成であり、立上げ部306の構成は、立上げ部106と同様の構成であり、長さLa~Ldは、同一に形成され、長さLa、Lb、Lc、Ldは、箱体7における長さL30、L40と同一(略同一としてもよい)に形成されており、これにより、緩衝具300においては、立上げ部303~306を本体部302に対して立ち上げた状態で、箱体7内に収納して、蓋部80を閉じた状態とすることにより、フラップ部60、70が立上げ部304、305の上端に接し、緩衝具300が箱体7内に固定された状態となる。
【0205】
また、本体部302と立上げ部303~306の間の折れ線(切込み311と切込み313間の折れ線(つまり、継目312)と、切込み313と切込み315間の折れ線(つまり、継目314)と、切込み315と切込み317間の折れ線(つまり、継目316)と、切込み317と切込み311間の折れ線(つまり、継目318))に沿って折曲げを容易とする複数の直線状の切込みが間隔を介して形成されていて、これにより、立上げ部303~306が本体部302に対して折り曲げしやすくなっている。なお、本体部302と立上げ部303~306の間の折れ線に沿って形成された該切込み(つまり、折曲げを容易とする切込み)を省略してもよい。
【0206】
緩衝具300の使用方法は、緩衝具100、200と同様であり、緩衝具300を被収納物の上側に配置した状態から緩衝具300を下方に押し込むことにより、本体部302は、被収納物の外形に従って立体状の網目状に変形して、被収納物の下面を除いて覆う状態となり、被収納物の下面は底面部10が接しているので、底面部10と本体部302により被収納物を覆う状態となる。なお、本体部302には、同心状に複数の周状切込み310~390が設けられているので、被収納物の形状や大きさに応じて、本体部302が変形する。
【0207】
なお、緩衝具300においては、緩衝具100、200と異なり、最も外側の周状切込み310における左右方向の切込み(切込みA)と前後方向の切込み(切込みC)が本体部302と立上げ部303~306の境界線に沿って形成されているので、本体部が広い範囲にわたって変形し、緩衝具100、200の場合よりも横方向に大きさの大きい被収納物に用いることができる。
【0208】
この緩衝具300においても、蓋部80を閉じた状態では、フラップ部60が立上げ部304の先端に接して、立上げ部304が上方に移動するのを規制し、フラップ部70が立上げ部305の先端に接して、立上げ部305が上方に移動するのを規制するので、緩衝具300の上下動が防止されて、緩衝具300が箱体7内で固定され、被収納物は、底面部10と本体部302により覆われて、被収納物が箱体7内で移動するのを防止することができ、被収納物を保持することができる。また、被収納物は、箱体7に収納されるとともに、立体状の網目状に形成された本体部302に覆われているので、本体部202による緩衝効果を得ることができ、箱体7の外部からの衝撃からも保護することができる。
【0209】
次に、緩衝具の他の例としての緩衝具300’(実施例4の緩衝具)は、緩衝具300と略同一の構成であるが、最も外側の周状切込み310の構成が異なる。
【0210】
すなわち、緩衝具300’は、
図20に示すように構成され、本体部302と、本体部302の各辺から折れ線を介して連設された立上げ部303、304、305、306とを有している。緩衝具300は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。
【0211】
ここで、本体部302は、本体部102等と同様に、方形状(具体的には、長方形状)の外形を有している。
【0212】
また、緩衝具300には、複数の周状不連続切込み(以下単に「周状切込み」とする)310~390が形成され、周状切込み320~390は、本体部302に設けられ、周状切込み310については、周状切込み310の一部が本体部302と立上げ部303~306間の境界に形成され、周状切込み310における他の部分は、本体部302に形成されている。
【0213】
ここで、周状切込み310は、本体部302の正面及び右側面側の角部(前右側の角部)側に形成された切込み311’と、本体部302の背面及び右側面側の角部(後右側の角部)側に形成された切込み313’と、本体部302の背面及び左側面側の角部(後左側の角部)側に形成された切込み315’と、本体部302の正面及び左側面の角部(前左側の角部)側に形成された切込み317’とを有している。
【0214】
ここで、切込み311’、313’、315’、317’は、左右方向に形成された直線状の切込みAと、前後方向に形成された切込みCと、切込みAと切込みCの間に設けられ、切込みA及び切込みCに対して傾斜した(具体的には、45度に傾斜した)直線状の切込みBと、切込みAの切込みB側とは反対側の端部から切込みAの方向に対して直角(略直角としてもよい)に形成された直線状の切込み(第6切込み)Dと、切込みAの切込みB側の端部(つまり、切込みAと切込みBの接点(つまり、境界位置))から切込みAの方向に対して直角(略直角としてもよい)に形成された直線状の切込み(第7切込み)Eと、切込みCの切込みB側とは反対側の端部から切込みCの方向に対して直角(略直角としてもよい)に形成された直線状の切込み(第8切込み)Fと、切込みCの切込みB側の端部(つまり、切込みCと切込みBの接点(つまり、境界位置))から切込みCの方向に対して直角(略直角としてもよい)に形成された直線状の切込み(第9切込み)Gとを有し(切込みDと切込みEは互いに平行に形成され、切込みFと切込みGは互いに平行に形成されている)、切込みDと切込みEは、切込みAから切込みAが接する立上げ部側に(つまり、展開状態の緩衝具300’の外側に向けて)形成され、切込みFと切込みGは、切込みCから切込みCが接する立上げ部側に(つまり、展開状態の緩衝具300’の外側に向けて)形成され、切込みD、E、F、Gの内側の端部から外側の端部への途中位置には、本体部302と立上げ部との間の折れ線M1、M2、M3、M4の端部が接している。これにより、切込みAと該切込みAに接する切込みD及び切込みEとで、略コ字状の切込みが形成され、切込みCと該切込みCに接する切込みF及び切込みGとで、略コ字状の切込みが形成されている。
【0215】
以上のように、切込みAと切込みCは、本体部302と立上げ部303~306間の折れ線M1~M4の延長線よりも内側にずれて形成されていて、つまり、切込みAと切込みCは、折れ線M1~M4及びその延長線からなる四角形状の内側に設けられている。
【0216】
これにより、折れ線M1は、一対の切込みD間に形成されるとともに、本体部302の角部(正面側の両側の角部)と切込みE間に形成され、折れ線M1が切込みAよりも緩衝具300’の展開状態における外側に形成されることにより、立上げ部303は、切込みAに沿った辺部と切込みDに沿った辺部と切込みEに沿った辺部からなる一対の突状部303Tを有している。
【0217】
また、折れ線M2は、一対の切込みF間に形成されるとともに、本体部302の角部(右側面側の両側の角部)と切込みG間に形成され、折れ線M2が切込みCよりも緩衝具300’の展開状態における外側に形成されることにより、立上げ部304は、切込みCに沿った辺部と切込みFに沿った辺部と切込みGに沿った辺部からなる一対の突状部304Tを有している。
【0218】
また、折れ線M3は、一対の切込みF間に形成されるとともに、本体部302の角部(左側面側の両側の角部)と切込みG間に形成され、折れ線M3が切込みCよりも緩衝具300’の展開状態における外側に形成されることにより、立上げ部305は、切込みCに沿った辺部と切込みFに沿った辺部と切込みGに沿った辺部からなる一対の突状部305Tを有している。
【0219】
また、折れ線M4は、一対の切込みD間に形成されるとともに、本体部302の角部(背面側の両側の角部)と切込みE間に形成され、折れ線M4が切込みAよりも緩衝具300’の展開状態における外側に形成されることにより、立上げ部306は、切込みAに沿った辺部と切込みDに沿った辺部と切込みEに沿った辺部からなる一対の突状部306Tを有している。
【0220】
なお、切込みD、E、F、Gは同じ長さに形成され、切込みA、Cの折れ線M1~M4に対する内側へのずれ量(折れ線M1~M4の延長線と切込みA、C間の長さ)はわずかであり、切込みA、Cは、折れ線M1~M4及びその延長線からなる四角形状の近傍に形成されている。
【0221】
切込み311’、313’、315’、317’が上記のように形成されていることにより、立上げ部303~306を本体部302に対して立ち上げる際に、緩衝具300の場合よりも立上げ部303~306を立ち上げやすい。
【0222】
つまり、緩衝具300の場合には、切込みAや切込みCが本体部302と立上げ部303~306間の折れ線の延長線上にあることから、立上げ部303~306を本体部302に対して立ち上げる際に、切込みAや切込みCの位置で立上げ部303~306を本体部302に対して折り曲げなければならず、すると、立上げ部303~306の切込みAや切込みCに沿った辺部と、本体部302の切込みAや切込みCに沿った辺部とが切込みを介して接した状態で折り曲げられるので、2つの辺部の摩擦により折曲げを円滑に行なうことができないという問題がある。例えば、立上げ部303を本体部302に対して折り曲げる際には、立上げ部303の切込み311における切込みAに沿った辺部と本体部302の該切込みAに沿った辺部とが接した状態で折り曲げられ、また、立上げ部303の切込み317における切込みAに沿った辺部と本体部302の該切込みAに沿った辺部とが接した状態で折り曲げられるので、切込みAを介した2つの辺部の摩擦により折曲げを円滑に行なうことができない。
【0223】
一方、緩衝具300’の場合には、突状部303T~306Tが設けられていて、切込みAと切込みCが、折れ線M1~M4の延長線よりも内側にずれて形成されているので、立上げ部303~306を折れ線M1~M4を介して本体部302に対して折り曲げる際には、切込みAや切込みCに沿った辺部が本体部302の切込みAや切込みCに沿った辺部から離れるので、切込みAや切込みCを介した2つの辺部間に摩擦が生じることがなく、立上げ部303~306を円滑に折り曲げることができる。
【0224】
例えば、立上げ部303を例にとると、立上げ部303を本体部302に対して折り曲げようとすると、立上げ部303の切込みAに沿った辺部が本体部302の該切込みAに沿った辺部から直ちに離れるので、切込みAを介した2つの辺部間に摩擦が生じることがなく、立上げ部303を円滑に折り曲げることができる。
【0225】
緩衝具300’における周状切込み320~390の構成は、緩衝具300における周状切込み320~390と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0226】
周状切込み310~390において、周状切込み310、330、350、370、390は、第1タイプ周状切込みであり、周状切込み320、340、360、380は、第2タイプ周状切込みとなる。つまり、複数の周状切込み310~370は、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みから構成され(つまり、複数の周状切込み310~390においては、複数の第1タイプ周状切込みと複数の第2タイプ周状切込みとが設けられている)、外側から内側にいくに従い、第1タイプ周状切込みと第2タイプ周状切込みとが交互に設けられている。周状切込み310、330、350、370、390における各切込み(切込み311’、313’、315’、317’等)が本体部302における4つの角部側に設けられた角部側切込みに当たる。
【0227】
なお、周状切込み310~390は、本体部302に設けられているが、緩衝具300’においても、周状切込み310の一部(つまり、切込みAと切込みC)は、本体部302と立上げ部303~306との境界位置に形成されているので、厳密には、複数の周状切込み310~390は、立上げ部303~306との境界を含む本体部302に形成されているといえる。
【0228】
また、立上げ部303の構成は、緩衝具300の立上げ部303と略同様の構成であり、立上げ部304の構成は、緩衝具300の立上げ部104と略同様の構成であり、立上げ部305の構成は、緩衝具300の立上げ部305と同様の構成であり、立上げ部306の構成は、緩衝具300の立上げ部306と略同様の構成であり、本体部302と立上げ部303~306との間に略コ字状の切込みが形成されている関係から、本体部302と立上げ部303~306との間の境界が直線状になっていない点が異なる。
【0229】
緩衝具300’において、長さLa~Ldは、同一に形成され、長さLa、Lb、Lc、Ldは、箱体7における長さL30、L40と同一(略同一としてもよい)に形成されており、これにより、緩衝具300においては、立上げ部303~306を本体部302に対して立ち上げた状態で、箱体7内に収納して、蓋部80を閉じた状態とすることにより、フラップ部60、70が立上げ部304、305の上端に接し、緩衝具300が箱体7内に固定された状態となる。
【0230】
なお、緩衝具300’においては、長さLa~Ldは、折れ線M1~M4と立上げ部303~306における先端側の辺部J3a~J6bとの間の長さである。
【0231】
また、本体部302と立上げ部303~306の間の折れ線M1~M4に沿って折曲げを容易とする複数の直線状の切込みが間隔を介して形成されていて、これにより、立上げ部303~306が本体部302に対して折り曲げしやすくなっている。なお、本体部302と立上げ部303~306の間の折れ線に沿って形成された該切込み(つまり、折曲げを容易とする切込み)を省略してもよい。
【0232】
緩衝具300’の使用方法は、緩衝具300と同様であり、緩衝具300’を被収納物の上側に配置した状態から緩衝具300’を下方に押し込むことにより、本体部302は、被収納物の外形に従って立体状の網目状に変形して、被収納物の下面を除いて覆う状態となり、被収納物の下面は底面部10が接しているので、底面部10と本体部202により被収納物を覆う状態となる。なお、本体部302には、同心状に複数の周状切込み310~390が設けられているので、被収納物の形状や大きさに応じて、本体部302が変形する。
【0233】
なお、緩衝具300’においては、緩衝具300と同様に、最も外側の周状切込み310における左右方向の切込み(切込みA)と前後方向の切込み(切込みC)が本体部302と立上げ部303~306間の折れ線M1~M4の延長線の近傍に形成されているので、緩衝具100、200の場合よりも横方向に大きさの大きい被収納物に用いることができる。
【0234】
この緩衝具300’においても、蓋部80を閉じた状態では、フラップ部60が立上げ部304の先端に接して、立上げ部304が上方に移動するのを規制し、フラップ部70が立上げ部305の先端に接して、立上げ部305が上方に移動するのを規制するので、緩衝具300’の上下動が防止されて、緩衝具300が箱体7内で固定され、被収納物は、底面部10と本体部302により覆われて、被収納物が箱体7内で移動するのを防止することができ、被収納物を保持することができる。また、被収納物は、箱体7に収納されるとともに、立体状の網目状に形成された本体部302に覆われているので、本体部202による緩衝効果を得ることができ、箱体7の外部からの衝撃からも保護することができる。
【0235】
なお、上記実施例3の緩衝具300と実施例4の緩衝具300’においては、切込みAと切込みCの間に直線状の切込みBが設けられているとしたが、切込みBの代わりに、円弧状(略円弧状としてもよい)の切込みB’を設けてもよい。
【0236】
また、上記の説明において、切込みBは、直線状であるとしたが、切込みBを直線状の切込みの両側に略円弧状のアール形状の切込みを設けた構成として、切込みAと切込みBにおける直線状の切込みの間にアールを設けるとともに、切込みCと切込みBにおける直線状の切込みの間にアールを設けた構成としてもよい。つまり、切込みBは、直線状の切込みを有するものであればよく、結果として、直線状の切込みからなる切込みBの両側の端部が切込みA及び切込みBの端部に連結した構成でもよく、また、切込みBの直線状の切込みの両側の端部が略円弧状のアール形状の切込みを介して切込みA及び切込みBの端部に連結した構成としてもよい。このようにアール形状の切込みを設けることにより、隣接する直線状の切込みとの間に曲線状の切込みが設けられ、一方の直線状の切込みの端部から他方の直線状の切込みの端部に向けて曲線状に滑らかにカーブした形状となる。
【0237】
なお、上記の緩衝具100、200、300、300’において、正面側の立上げ部103、203、303と背面側の立上げ部106、206、306を省略した構成としてもよい。この場合でも、フラップ部60が右側面側の立上げ部104、204、304に接するとともに、フラップ部70が左側面側の立上げ部105、205、305に接し、緩衝具の上下動が防止されて、緩衝具を箱体7内で固定することができ、被収納物を保持させることができる。
【符号の説明】
【0238】
5 緩衝具付き箱体
7 箱体
8 箱本体
10 底面部
10a、10b 切欠部
12 正面部
14 外正面部
16 帯状部
18 内正面部
18a、18b 突状部
20 被差込み部
22 開口部
24 切込み
30 右側面部
40 左側面部
50 背面部
52、54 糊代部
60、70 フラップ部
80 蓋部
82 蓋板部
84、86 折返し部
90 差込み部
92、94 帯状部
96 差込み片部
96a 基端部
96b 先端部
100 緩衝具
102 本体部
103、104、105、106 立上げ部
110、120、130、140、150、160、170 周状不連続切込み(周状切込み)
111、113、115、117、121、123、125、127、131、133、135、137、141、143、145、147、151、153、155、157、161、163、165、167、171、173、175、177 切込み
112、114、116、118、122、124、126、128、132、134、136、138、142、144、146、148、152、154、156、158、162、164、166、168、172、174、176、178 継目
200 緩衝具
202 本体部
203、204、205、206 立上げ部
210、220、230、240、250、260、270 周状不連続切込み(周状切込み)
211、213、215、217、221、223、225、227、231、233、235、237、241、243、245、247、251、253、255、257、261、263、265、267、271、273、275、277 切込み
212、214、216、218、222、224、226、228、232、234、236、238、242、244、246、248、252、254、256、258、262、264、266、268、272、274、276、278 継目
300、300’ 緩衝具
302 本体部
303、304、305、306 立上げ部
303T、304T、305T、306T 突状部
310、320、330、340、350、360、370、380、390 周状不連続切込み(周状切込み)
311、311’、313、313’、315、315’、317、317’、321、323、325、327、331、333、335、337、341、343、345、347、351、353、355、357、361、363、365、367、371、373、375、377、381、383、385、387、391、393、395、397 切込み
312、314、316、318、322、324、326、328、332、334、336、338、342、344、346、348、352、354、356、358、362、364、366、368、372、374、376、378 継目
A、B、C、D、E、F、G 切込み