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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】運転支援方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240826BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240826BHJP
   B60W 40/09 20120101ALI20240826BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 D
B60W40/09
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022548460
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2020015266
(87)【国際公開番号】W WO2022050487
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111070
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522303722
【氏名又は名称】インフォカー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】チェ ムンギュ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジェソク
(72)【発明者】
【氏名】ピョ クンホ
(72)【発明者】
【氏名】イム クビン
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038166(WO,A1)
【文献】特開2006-259860(JP,A)
【文献】特開平06-162396(JP,A)
【文献】特開2005-115484(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2150034(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0262423(US,A1)
【文献】特開2004-164315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人化された車両データを収集するステップと、
前記個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測するステップと、
予測された危険に基づいて車両の運転者を支援するステップと、
を含み、
前記予測するステップは、前記個人化された車両データを前処理することにより学習データセットを生成するステップを含み、
前記個人化された車両データは、個人化された走行データを含み、
前記予測するステップは、
前記個人化された車両データの前処理により生成された学習データセットに基づいてニューラルネットワークを学習させるステップと、
前記学習されたニューラルネットワークを用いて前記危険を予測するステップと、を含み、
前記学習させるステップは、
前記個人化された走行データの一部に基づいて、前記ニューラルネットワークを学習させるステップと、
前記個人化された走行データの残りに基づいて前記ニューラルネットワークを検証するステップと、を含み、
前記生成するステップは、
危険状況、車両故障に対する判断、危険要素間の相関関係、または、前記危険要素と走行状況との因果関係に基づいて、前記車両データを選別するステップと、
前記選別された車両データに加重値を割り当てるステップと、を含む運転支援方法。
【請求項2】
前記収集するステップは、前記走行データ、車両故障データ及び危険状況データを収集するステップを含む、請求項に記載の運転支援方法。
【請求項3】
前記予測するステップは、前記個人化された走行データに基づいて前記運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無、及び急回転の有無を予測するステップを含む、請求項1または請求項2に記載の運転支援方法。
【請求項4】
前記学習させるステップは、
車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させるステップと、
危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させるステップとを含み、
前記第1ニューラルネットワークを学習させるステップは、複数の前記走行データに基づいて前記第1ニューラルネットワークを学習させるステップを含み、
前記第2ニューラルネットワークを学習させるステップは、1つの前記走行データに基づいて前記第2ニューラルネットワークを学習させるステップを含む、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項5】
個人化された車両データを収集する収集器と、
前記個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測し、予測された危険に基づいて車両の運転者を支援するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、個人化された車両データを前処理することにより学習データセットを生成し、
前記個人化された車両データは、個人化された走行データを含み、
前記プロセッサは、前記個人化された車両データの前処理により生成された学習データセットに基づいてニューラルネットワークを学習させ、前記学習されたニューラルネットワークを用いて前記危険を予測し、
前記ニューラルネットワークは、前記個人化された走行データの一部に基づいて学習され、前記個人化された走行データの残りに基づいて検証され
前記プロセッサは、
危険状況、車両故障に対する判断、危険要素間の相関関係、または、前記危険要素と走行状況との因果関係に基づいて、車両データを選別し、
前記選別された車両データに加重値を割り当てる運転支援装置。
【請求項6】
前記収集器は、前記走行データ、車両故障データ、及び危険状況データを収集する、請求項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記個人化された走行データに基づいて前記運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無、及び急回転の有無を予測する、請求項5または請求項6に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ、
危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させ、
前記第1ニューラルネットワークは、複数の走行データに基づいて学習され、前記第2ニューラルネットワークは1つの走行データに基づいて学習される、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は運転支援方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業は、共有車、電気車、自律走行、連結性などのモメンタムを活用して持続的な成長を維持し、車両で発生するデータを活用する車両データ市場も爆発的に成長すると予測されている。
【0003】
しかし、車両データ分野は、B2C観点では、正確な自律走行、安全運転情報の生成のための統合的なデータ分析のプラットフォームが不足し、B2B観点では、安全運転/経済運転の観点の運転者のスタイルを分析できる個人化されたインターフェースが不足している実状である。
【0004】
従って、車両データ分野で技術及び市場を先導するために、ビッグ・データ、人工知能、自律走行車のような4次産業革命分野の戦略的なアクセスが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の実施形態は運転支援技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る運転支援方法は、個人化された車両データを収集するステップと、前記個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測するステップと、予測された危険に基づいて車両の運転者を支援するステップとを含む。
【0007】
前記収集するステップは、走行データ、車両故障データ及び危険状況データを収集するステップを含むことができる。
【0008】
前記予測するステップは、前記個人化された車両データに基づいて前記運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無、及び急回転の有無を予測するステップを含むことができる。
【0009】
前記予測するステップは、前記個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させるステップと、学習されたニューラルネットワークを用いて前記危険を予測するステップとを含み、前記学習させるステップは、前記個人化された車両データの一部に基づいて、前記ニューラルネットワークを学習させるステップと、前記個人化された車両データの残りの一部に基づいて前記ニューラルネットワークを検証するステップとを含むことができる。
【0010】
前記学習させるステップは、車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させるステップと、危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させるステップとを含み、前記第1ニューラルネットワークを学習させるステップは、複数の走行データに基づいて前記第1ニューラルネットワークを学習させるステップを含み、前記第2ニューラルネットワークを学習させるステップは、1つの走行データに基づいて前記第2ニューラルネットワークを学習させるステップを含むことができる。
【0011】
一実施形態に係る運転支援装置は、個人化された車両データを収集する収集器と、前記個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測し、予測された危険に基づいて車両の運転者を支援するプロセッサとを含む。
【0012】
前記収集器は、走行データ、車両故障データ、及び危険状況データを収集することができる。
【0013】
前記プロセッサは、前記個人化された車両データに基づいて前記運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無、及び急回転の有無を予測することができる。
【0014】
前記プロセッサは、前記個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させ、学習されたニューラルネットワークを用いて前記危険を予測し、前記ニューラルネットワークは、前記個人化された車両データの一部に基づいて学習され、前記個人化された車両データの残りの一部に基づいて検証されることができる。
【0015】
前記プロセッサは、車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ、危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させ、前記第1ニューラルネットワークは、複数の走行データに基づいて学習され、前記第2ニューラルネットワークは1つの走行データに基づいて学習されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る運転支援装置の概略的なブロック図を示す。
図2図1に示された運転支援装置の動作を示す。
図3図1に示された運転支援装置に含まれたプラットフォームの例を示す。
図4】車両データの例を示す。
図5】走行データ、車両故障データ、及び危険状況データの関係を示す。
図6図1に示された運転支援装置の動作の順序を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0018】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0019】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0020】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0021】
また、実施形態の構成要素の説明において、第1,第2,A,B,(a),(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語によって該当の構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその異なる構成要素に直接的に連結されたり接続されてもよいが、各構成要素の間に更なる構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解すべきである。
【0022】
いずれか一つの実施形態に含まれている構成要素と、共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。反対となる記載がない以上、いずれか一つの実施形態に記載した説明は、他の実施形態にも適用され、重複する範囲において具体的な説明は省略することにする。
【0023】
図1は、一実施形態に係る運転支援装置の概略的なブロック図を示し、図2は、図1に示された運転支援装置の動作を示す。
【0024】
図1及び図2を参照すると、運転支援装置10は車両データを収集し、収集した車両データに基づいて車両運転者の運転を支援することができる。運転支援装置10は、車両データに基づいて危険を予測し得る。危険は、車両に対する危険及び運転中の危険状況を含んでもよい。言い換えれば、運転支援装置10は、車両データに基づいて車両に対する危険及び運転中の危険状況を予測することができる。
【0025】
車両データは、走行データ、車両故障データ及び危険状況データを含む。走行データは、車両走行中に発生したデータを意味する。走行データは、車両の時間による位置、速度、経路に関する情報を含んでもよい。走行データは、車両内で収集されるデータを含んでもよい。例えば、走行データは、ECU(Electronic Control Unit)が提供するエンジンデータ、スマートフォンセンサデータ、及び車両故障データを含んでもよい。
【0026】
車両故障データは、車両の状態を示すデータを意味する。例えば、車両故障データは、DTC(Diagnostic Trouble Code)を含んでもよい。DTCは、ECUから提供されることができる。
【0027】
危険状況データは、運転中に発生する危険状況に関するデータを意味する。危険状況データは、車両内で収集されたデータを分析して取得したデータを意味する。例えば、危険状況データは、急回転、急加速、急減速、スピード違反、及び空回りなどの状況を示すデータを含んでもよい。
【0028】
運転支援装置10は、ニューラルネットワークを用いて車両の運転に関する危険を予測することができる。運転支援装置10は、車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させ、学習されたニューラルネットワークを用いて危険を予測し得る。
【0029】
運転支援装置10は、車両及びネットワークで発生する車両データに基づいて正確な走行状況を予測し、運転者に安全に関する情報を提供することができる。運転支援装置10は、運転中の危険状況を予測し、リアルタイムで車両の安全を確保するための警告及び制御信号を生成することで事故を予防し、運転者の走行の便宜性を向上させ得る。
【0030】
運転支援装置10によって予測される危険は、車両故障に関する危険、走行に関する危険を含む。走行に関する危険は、運転者が発生させる危険を含んでいる。運転者が発生させる危険は、急加速、急減速、急回転及びスピード違反のように瞬間に発生し得る。
【0031】
車両故障に関する危険は、故障コード(例えば、DTC)を含んでもよい。車両故障に関する危険は、車両ECU(Electronic Control Unit)を介してリアルタイムに検出され得る。
【0032】
運転支援装置10は、走行記録及び危険状況に基づいてニューラルネットワークを学習させることで、運転者が発生させる危険を予測できる。運転支援装置10は、車両故障データ(例えば、故障コード)に基づいてニューラルネットワークを学習させることで、車両故障に関する危険を予測することができる。車両故障に関する危険は、車両故障の時期及び車両故障の種類を含んでもよい。
【0033】
運転者が発生させる危険を予測するための学習条件及び車両故障に関する危険を予測するための学習条件は互いに異なってもよい。
【0034】
図2に示された人工知能は、ニューラルネットワークによって具現されたディープラーニングモデルを含んでもよい。ニューラルネットワーク(又は、人工神経網)は、機械学習と認知科学で生物学の神経を模倣した統計学的な学習アルゴリズムを含んでもよい。ニューラルネットワークは、シナプスの結合によりネットワークを形成した人工ニューロン(ノード)が学習を介してシナプスの結合強度を変化させ、問題解決能力を有するモデルの全般を意味する。
【0035】
ニューラルネットワークは、深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network)を含んでもよい。ニューラルネットワークは、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、パーセプトロン(perceptron)、FF(Feed Forward)、RBF(Radial Basis Network)、DFF(Deep Feed Forward)、LSTM(Long Short Term Memory)、GRU(Gated Recurrent Unit)、AE(Auto Encoder)、VAE(Variational Auto Encoder)、DAE(Denoising Auto Encoder)、SAE(Sparse Auto Encoder)、MC(Markov Chain)、HN(Hopfield Network)、BM(Boltzmann Machine)、RBM(Restricted Boltzmann Machine)、DBN(Depp Belief Network)、DCN(Deep Convolutional Network)、DN(Deconvolutional Network)、DCIGN(Deep Convolutional Inverse Graphics Network)、GAN(Generative Adversarial Network)、LSM(Liquid State Machine)、ELM(Extreme Learning Machine)、ESN(Echo State Network)、DRN(Deep Residual Network)、DNC(Differentiable Neural Computer)、NTM(Neural Turning Machine)、CN(Capsule Network)、KN(Kohonen Network)及びAN(Attention Network)を含んでもよい。
【0036】
運転支援装置10は、収集器100及びプロセッサ200を含む。運転支援装置10は、メモリ300をさらに含んでもよい。
【0037】
収集器100は、車両データを収集する。車両データは、個人化された車両データを含んでもよい。収集器は、走行データ、車両故障データ、及び危険状況データを収集することができる。
【0038】
個人化された車両データは、運転支援装置10のユーザから収集された車両データを意味する。個人化された車両データは、ユーザ個人別の走行データ、個人別の車両故障データ及び個人別の危険状況データを含んでもよい。収集器100は、収集した個人化された車両データをプロセッサ200に出力することができる。
【0039】
プロセッサ200は、メモリ300に格納されたデータを処理する。プロセッサ200は、メモリ300に格納されたコンピュータで読出し可能なコード(例えば、ソフトウェア)及びプロセッサ200によって誘発された命令(instruction)を実行することができる。
【0040】
「プロセッサ200」は、目的とする動作(desired operations)を実行させるための物理的な構造を有する回路を有するハードウェアで具現されたデータ処理装置である。例えば、目的とする動作は、プログラムに含まれたコード又は命令を含んでもよい。
【0041】
例えば、ハードウェアで具現されたデータ処理装置は、マイクロプロセッサー(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチ-コアプロセッサ(multi-core processor)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0042】
プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測することができる。プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいて運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無、急回転の有無、及び空回りの有無を予測できる。
【0043】
プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させることができる。プロセッサ200は、学習されたニューラルネットワークを用いて危険を予測できる。
【0044】
例えば、プロセッサ200は、ニューラルネットワークの入力で走行データを使用し、出力で車両故障データを使用して学習させることで車両の故障を予測できる。
【0045】
また、プロセッサ200は、ニューラルネットワークの入力で走行データを使用し、出力で危険状況データを使用して学習させることで、危険状況を予測することができる。プロセッサ200は、個人化された車両データの一部に基づいてニューラルネットワークを学習させ得る。プロセッサ200は、個人化された車両データの残りの一部に基づいてニューラルネットワークを検証できる。
【0046】
ニューラルネットワークは、複数のニューラルネットワークを含むことができる。例えば、ニューラルネットワークは、第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークを含んでもよい。
【0047】
プロセッサ200は、車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ得る。プロセッサ200は、危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させ得る。
【0048】
プロセッサ200は、複数の走行データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ得る。プロセッサ200は、1つの走行データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させ得る。
【0049】
ニューラルネットワークの学習及び検証過程については、図3を参照してより詳しく説明する。
【0050】
プロセッサ200は、予測された危険に基づいて車両の運転者を支援することができる。プロセッサ200は、予測された危険を可視化して運転者に提供できる。運転者の支援過程は、図3を参照して詳しく説明する。
【0051】
メモリ300は、プロセッサ200によって実行可能な命令(又は、プログラム)を格納する。例えば、命令はプロセッサ200の動作及び/又はプロセッサ200の各構成の動作を実行するための命令を含んでもよい。
【0052】
メモリ300は、揮発性メモリ装置又は不揮発性メモリ装置で実現できる。
【0053】
揮発性メモリ装置は、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)、T-RAM(thyristor RAM)、Z-RAM(zero capacitor RAM)、又はTTRAM(Twin Transistor RAM)に実現することができる。
【0054】
不揮発性メモリ装置は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュ(flash)メモリ、MRAM(Magnetic RAM)、スピン伝達トルクMRAM(Spin-Transfer Torque(STT)-MRAM)、Conductive Bridging RAM(CBRAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、抵抗メモリ(Resistive RAM(RRAM))、ナノ チューブRRAM(Nanotube RRAM)、ポリマーRAM(Polymer RAM(PoRAM))、ナノ浮遊ゲートメモリ(Nano Floating Gate Memory(NFGM))、ホログラフィックメモリ(holographic memory)、分子電子メモリ素子(Molecular Eelectronic Memory Device)、又は、絶縁抵抗変化メモリ(Insulator Resistance Change Memory)に実現することができる。
【0055】
図3は、図1に示された運転支援装置に含まれたプラットフォームの例を示す。
【0056】
図3を参照すると、運転支援装置10は、個人化された走行記録及び危険状況に基づいてニューラルネットワークを学習させ、学習されたニューラルネットワークに基づいて運転者を支援することで安全運転を図ることができる。
【0057】
運転支援装置10は、複数のプラットフォームを含んでもよい。例えば、運転支援装置10は、ビッグ・データプラットフォーム及び人工知能プラットフォームを含んでもよい。ビッグ・データプラットフォーム及び人工知能プラットフォームは、同じプロセッサによって具現されたり、異なるプロセッサによって実現されてもよい。
【0058】
ビッグ・データプラットフォームは、車両データを収集し、収集された車両データに対する前処理を行う。データの前処理は、危険に対する予測の正確性を向上させるために、正確な危険状況、車両故障に対する判断、危険要素間の相関関係、危険要素と走行状況の因果関係を考慮して車両データを選別し、選別されたデータに加重値を割り当てる過程を含んでもよい。
【0059】
ビッグ・データプラットフォームは、車両データを前処理することによって学習データセット(training data set)を生成することができる。ビッグ・データプラットフォームは、学習データセットを人工知能プラットフォームに出力できる。
【0060】
収集器100は、車両データを収集する(310)。収集器100は、ネットワークを介してデータを収集してもよい。データベース(database、DB)は、収集した車両データを格納する(320)。データベースは、収集された車両データをサーバ又は端末ごとに個人化することができる。データベースは、メモリ300を含んでもよい。
【0061】
データベースに含まれたデータは表1のように示すことができる。
【0062】
【表1】
【0063】
ID(Identity)はユーザの情報を意味し、要約(abstract)は走行データの要約を意味する。OBD(On Board Diagnostics)はリアルタイム車両データを意味し、ADAS(Advanced Driver Assistant System)/DSM(Driver Status Monitoring)は、先端運転補助機器のデータを意味する。
【0064】
スマート装置(smart device)は、アプリケーションのプラットフォームで取得するセンサデータを意味し、フォン使用(phone use)は、スマートフォン使用情報を意味する。点数(score)は運転点数を意味し、運転点数は、経済点数と安全点数を含む。
【0065】
予測(prediction)は、予測された危険状況に関するデータを意味し、警告(warning)は、危険状況に対する警告を示す。細部データ(detail data)は、詳細走行記録データを意味する。詳細走行記録データは、秒単位の時系列データを含んでもよい。リザーブド(reserved)は、余裕フィールドを意味する。
【0066】
AI(Artificial Intelligence)データ類型において、Aは走行データを意味し、Bは実際の発生した危険状況を意味し、Cは危険予測アルゴリズムの予測結果を意味する。
【0067】
データベースに格納されるデータは、スマートフォンアプリケーションとネットワークサーバとの間で送受信されてもよい。データベースに格納されるデータは、走行データと危険状況データを含む。
【0068】
プロセッサ200は、収集された車両データに対して前処理を行う(330)。プロセッサ200は、車両データを精製することができる。プロセッサ200は、危険状況、車両データ間の相関関係及び因果関係を考慮して車両データに対して前処理を行う。プロセッサ200は、車両データの前処理を介して学習データセットを生成することができる。
【0069】
人工知能プラットフォームは、ビッグ・データプラットフォームから受信した車両データ及び/又は学習データセットに基づいてニューラルネットワークを学習させ、学習されたニューラルネットワークに基づいて運転に関する危険を予測することができる。
【0070】
プロセッサ200は、表1に示されたデータを用いてニューラルネットワークを学習させることができる。例えば、プロセッサ200は、危険状況データのうち学習させようとするレコード(例えば、急回転)を選択し、選択されたレコードのIDを活用して関連する走行データを検索することができる。プロセッサ200は、検索された走行データを入力にして、選択されたレコードを出力に設定し、ニューラルネットワークを学習させることができる。
【0071】
ニューラルネットワークは、ディープラーニングモデル350を含むことができる。プロセッサ200は、ニューラルネットワークに基づいて予測された危険に対する試験を行う(360)。プロセッサ200は、ニューラルネットワークに基づいて予測された危険状況を運転状況に適用させる(370)。プロセッサ200は、試験及び適用によって導き出された結果をニューラルネットワークモデルにフィードバックする(380)。
【0072】
プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させることができる。プロセッサ200は、個人化された車両データの一部に基づいてニューラルネットワークを学習させ、個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを検証することができる。
【0073】
プロセッサ200は、走行データの一部に基づいてニューラルネットワークを学習させ、走行データの残りの一部に基づいてニューラルネットワークを検証することができる。
【0074】
例えば、プロセッサ200は、走行データの70%を用いてニューラルネットワークを学習させ、走行データの残りの30%を用いてニューラルネットワークを検証することができる。
【0075】
プロセッサ200は、予測された危険に基づいて運転者の運転を支援することができる。プロセッサ200は、予測された危険を可視化して運転者に提供できる。可視化された危険は、運転状態の変更、車両の整備を含んでもよい。
【0076】
例えば、プロセッサ200は、運転者に危険状況を改善するために、加速又は減速に関する案内を提供してもよい。プロセッサ200は。車両の故障が予測された場合、車両の整備及び部品の交換に関する案内を提供することができる。
【0077】
プロセッサ200は、運転者個人の運転スタイル及び走行記録に適切なオーダーメード型運転支援を行ってもよい。プロセッサ200は、ニューラルネットワークの連合学習を行って分散型サービスを提供し得る。予測される危険の属性に応じて学習プラットフォームが変わり得る。
【0078】
プロセッサ200は、危険の予測を秒単位で行ってもよい。プロセッサ200は、リアルタイムに危険を予測することができる。例えば、プロセッサ200は、500msec以下の処理速度で危険を予測してもよい。プロセッサ200は、車両データ、スマートフォンデータ、カメラデータを収集し、危険予測アルゴリズムを行って予測結果を生成する過程を500msec以内に行われてもよい。リアルタイム予測を行うために、カメラデータを除いて予測を行うことも可能である。
【0079】
図4は、車両データの例を示し、図5は、走行データ、車両故障データ及び危険状況データの関係を示す。
【0080】
図4及び図5を参照すると、車両データは、時系列(time series)データであってもよい。車両データは、ECU(Electronic Control Unit)データ、カメラデータ、ネットワークデータ、スマートフォンデータ、及び映像プロセッサによるデータを含んでもよい。
【0081】
車両データの一般項目(general)は、ユーザID(user identification)、車ID(car identification)、国(country)、日付(day)、時間(time)、距離(distance)及び位置(location)を含んでもよい。
【0082】
車両データの車両項目は、RPM(Rotation Per Minute)、速度(speed)、APS(Accelerator Position Sensor)、TPS(Throttle Position Sensor)、温度(temperature)、燃料(fuel)、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)、負荷(load)を含んでもよい。
【0083】
端末項目は、(touch)、移動(move)、ジャイロスコープ(gyroscope)、角度(angle)、負荷(load)、アプリケーション(application)を含んでもよい。端末はモバイル機器を含んでもよい。例えば、端末は、モバイルフォン(mobile phone)を含んでもよい。
【0084】
カメラ項目は、FCW(Forward Collision Warning)、LDW(Lane Departure Warning)、TSR(Traffic Sign Recognition)、LKA(Lane Keeping Assist)、ディズィネス(dizziness)、インバランス(imbalance)、バーティゴ(vertigo)を含んでもよい。
【0085】
プロセッサ200は、車両データに基づいて危険を予測することができる。予測される危険の状態項目は、安全状態及び危険状態を含んでもよい。予測される危険の類型は、DTC、ターン(turn)、速度違反(speeding)、加速(acceleration)、ジャックラビット(jackrabbit)、異常(abnormal)、故障(failure)を含んでもよい。
【0086】
図5の例示のように、危険は走行中に発生する危険と走行に関係なく発生する危険を含んでもよい。走行中に発生する危険は、危険状況データに対応し、走行に関係なく発生する危険は車両故障データに対応する。
【0087】
走行中に発生する危険は、急加速、急減速、スピード違反のように瞬間的に発生し得る。走行中に発生する危険は、数秒程度に持続する瞬間的な危険である。
【0088】
走行に関係なく発生する危険は、車両の故障を含んでもよい。故障は、車両の部品問題のように数時間以上に持続し得る。
【0089】
危険状況データと車両故障データは互いに異なる属性を有するため、プロセッサ200は、危険状況データと車両故障データに対して互いに異なる学習条件を用いてニューラルネットワークを学習させることができる。
【0090】
危険状況データと車両故障データを用いて学習させるニューラルネットワークは同一であるか異なってもよい。例えば、プロセッサ200は、車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ、危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させることができる。
【0091】
ここで、プロセッサ200は、複数の走行データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ、1つの走行データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させることができる。危険状況データ及び車両故障データの学習条件の差異は、表1のように示すことができる。
【0092】
【表2】
【0093】
図6は、図1に示された運転支援装置の動作の順序を示す。
【0094】
図6を参照すると、収集器100は、個人化された車両データを収集する(610)。具体的に、収集器100は、走行データ、車両故障データ、及び危険状況データを収集することができる。
【0095】
プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいて運転に関する危険を予測する(630)。プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいて運転者の急加速の有無、急減速の有無、スピード違反の有無及び急回転の有無を予測することができる。
【0096】
プロセッサ200は、個人化された車両データに基づいてニューラルネットワークを学習させる。プロセッサ200は、学習されたニューラルネットワークを用いて危険を予測するステップを含んでもよい。
【0097】
プロセッサ200は、個人化された車両データの一部に基づいてニューラルネットワークを学習させ、個人化された車両データの残りの一部に基づいてニューラルネットワークを検証することができる。
【0098】
プロセッサ200は、車両故障データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させ、危険状況データに基づいて第2ニューラルネットワークを学習させることができる。
【0099】
プロセッサ200は、複数の走行データに基づいて第1ニューラルネットワークを学習させることができる。プロセッサ200は、1つの走行データに基づいてニューラルネットワークを学習させ得る。
【0100】
プロセッサ200は、予測された危険に基づいて車両の運転者を支援する(650)。
【0101】
実施形態に係る方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0102】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0103】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0104】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6