(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】データ入力支援装置、データ入力支援システム、データ入力支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2023219573
(22)【出願日】2023-12-26
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521523741
【氏名又は名称】松本 政志
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 政志
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-101327(JP,A)
【文献】特開2022-172537(JP,A)
【文献】特開2002-063375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する
表示領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する
表示領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示部と、
前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を
作業者から受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、を備え
、
初期段階では、前記一方の側の表示領域および前記他方の側の表示領域には、前記帳票および前記入力項目は表示されず、
前記入力フォーム作成支援部が、前記帳票の選択を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、選択された前記帳票を前記一方の側の表示領域に表示し、
前記入力フォーム作成支援部が、前記レイアウトに関する設定として、前記入力項目の新規追加を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、新規追加された前記入力項目を前記他方の側の表示領域に追加表示する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記レイアウトに関する設定には
、位置変更、横幅変更、ラベルの新規追加およびラベル幅の変更のうち、少なくとも何れか1つが含まれる
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記入力項目の前記属性に関する設定には、前記入力項目の項目名変更、使用できる文字種類および文字長の設定、読み取り専用か否かの設定および自動検索入力に関する設定のうち、少なくとも何れか1つが含まれる
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記作業者から受け付けた入力に基づき、複数の入力項目を含む
1つ以上のテンプレートを生成するテンプレート作成支援
部、を更に備え、
前記
入力フォーム作成支援部が、前記作業者からテンプレートの選択を受け付けると、前記表示部は、前記テンプレートに含まれる1つ以上の前記入力項目を前記他方の側の表示領域に表示
し、
前記入力フォーム作成支援部が、選択された前記テンプレートの中から当該テンプレートに含まれる前記入力項目の選択を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、選択を受け付けた前記入力項目を前記他方の側の表示領域に表示する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記入力フォーム作成支援部は、前記入力項目と前記帳票の記入欄とを関連付けるガイド設定を受け付け、
前記表示部は、前記ガイド設定がされている前記入力フォームの前記入力項目が選択された場合、当該入力項目に関連付けられている前記記入欄にガイドマークを表示、または、
前記ガイドマークに加え又は替えて前記記入欄を拡大表示する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記作業者による、前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、
入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、
前記表示部は、
表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する
表示領域、他方の側に前記生成された入力フォームが有する前記入力項目を表示する
表示領域、を配置した、データ入力画面を表示し、
前記作業データ管理部は、
前記作業者からの入力データを受け付け、
前記データ保存部は、前記入力データを前記帳票に関連付けて保存する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ入力支援装置であって、
前記作業データ管理部は、前記入力項目に入力されたデータの内容を読み上げる音声情報を生成し、前記作業者が使用する端末装置に出力する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記作業者による、前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、
入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、
前記表示部は、
表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する
表示領域、他方の側に付箋に表示する入力データの入力欄を表示する
表示領域、を配置した画面情報を表示し、
前記作業データ管理部は、
前記入力欄への入力データを受け付け、
前記表示部は、
前記入力データを表示した付箋を、前記帳票を表示する
表示領域に表示し、
前記データ保存部は、前記帳票と、前記付箋に関する情報と、を関連付けて保存する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載のデータ入力支援装置であって、
前記作業者による、前記帳票または前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、
入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、
前記表示部は、
表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する
表示領域、他方の側にマーカの属性を設定するための情報を表示する
表示領域、を配置した画面情報を表示し、
前記作業データ管理部は、
前記マーカの属性の設定および前記帳票に対する前記マーカによるマーキングを受け付け、
前記表示部は、
前記マーキングを前記帳票上に表示し、
前記データ保存部は、前記帳票と、前記マーカによる前記マーキングに関する情報と、を関連付けて保存する
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項10】
請求項6に記載のデータ入力支援装置であって、
前記入力フォームに含まれる前記入力項目の中から出力項目の選択を受け付けて、当該選択に基づき前記帳票に対応する出力レイアウトを生成し、
前記出力レイアウトに従って、前記出力項目に対応する前記入力データを所定の出力様式で出力するファイル出力部を更に備える
ことを特徴とするデータ入力支援装置。
【請求項11】
データ入力支援装置と、端末装置と、を有するデータ入力支援システムであって、
前記データ入力支援装置は、
表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する
表示領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する
表示領域、を配置した、入力フォームの設定画面を前記端末装置に表示する表示部と、
前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を
、前記端末装置
を介して作業者から受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、を備え
、
初期段階では、前記一方の側の表示領域および前記他方の側の表示領域には、前記帳票および前記入力項目は表示されず、
前記入力フォーム作成支援部が、前記帳票の選択を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、選択された前記帳票を前記一方の側の表示領域に表示し、
前記入力フォーム作成支援部が、前記レイアウトに関する設定として、前記入力項目の新規追加を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、新規追加された前記入力項目を前記他方の側の表示領域に追加表示する
ことを特徴とするデータ入力支援システム。
【請求項12】
データ入力支援装置が行うデータ入力支援方法であって、
前記データ入力支援装置は、
表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する
表示領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する
表示領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示ステップと、
前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を
作業者から受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援ステップと、を行
い、
初期段階では、前記一方の側の表示領域および前記他方の側の表示領域には、前記帳票および前記入力項目は表示されず、
前記入力フォーム作成支援ステップで、前記帳票の選択を前記作業者から受け付けると、選択された前記帳票が前記一方の側の表示領域に表示され、
前記入力フォーム作成支援ステップで、前記レイアウトに関する設定として、前記入力項目の新規追加を前記作業者から受け付けると、新規追加された前記入力項目が前記他方の側の表示領域に追加表示される
ことを特徴とするデータ入力支援方法。
【請求項13】
コンピュータをデータ入力支援装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する
表示領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する
表示領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示部と、
前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を
作業者から受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、して機能させ
、
初期段階では、前記一方の側の表示領域および前記他方の側の表示領域には、前記帳票および前記入力項目は表示されず、
前記入力フォーム作成支援部が、前記帳票の選択を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、選択された前記帳票を前記一方の側の表示領域に表示し、
前記入力フォーム作成支援部が、前記レイアウトに関する設定として、前記入力項目の新規追加を前記作業者から受け付けると、前記表示部は、新規追加された前記入力項目を前記他方の側の表示領域に追加表示する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ入力支援装置、データ入力支援システム、データ入力支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行や保険会社等では、顧客が書類に記入した内容を電子データ化して保存するためのデータの入力業務が数十年以上前から行われている。
【0003】
データの入力フォームは、例えば、所定の表計算ソフトウェアや専用のシステムで管理されていることが多い。そのため、IT(Information Technology)技術者ではないデータ入力担当者は、データの入力項目の新規追加や変更を行いたい場合でも、容易にその仕様変更ができない場合も多い。また、社内あるいは社外のIT技術者に仕様変更を依頼した場合、費用や時間などのコストがかかってしまう。このように、入力フォームの設計や編集については、その利便性に課題がある。
【0004】
なお、特許文献1には、データ定義ファイルおよびレイアウト定義ファイルに基づきユーザ独自の帳票の設計を行うための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の帳票管理装置では、データの定義とレイアウトの定義を設定し、設定されたデータの定義に基づきデータ定義ファイルを作成することで、ユーザ独自の帳票のデータ定義ファイルを設計している。しかしながら、同文献の技術では、帳票作成時の操作が複雑であり、専門性が求められるため、データ入力の担当者レベルでは容易に入力フォームの仕様を変更することが難しい、という問題がある。そのため、同文献に記載の技術でも上記課題を解決することは難しい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、専門性を要することなく比較的容易にデータの入力フォームを設計でき、より正確な入力作業を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係るデータ入力支援装置は、表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示部と、前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、を備える。
【0009】
また、上記のデータ入力支援装置であって、前記レイアウトに関する設定には、前記入力項目の新規追加、位置変更、横幅変更、ラベルの新規追加およびラベル幅の変更のうち、少なくとも何れか1つが含まれれば良い。
【0010】
また、上記のデータ入力支援装置であって、前記入力項目の前記属性に関する設定には、前記入力項目の項目名変更、使用できる文字種類および文字長の設定、読み取り専用か否かの設定および自動検索入力に関する設定のうち、少なくとも何れか1つが含まれれば良い。
【0011】
また、上記のデータ入力支援装置であって、作業者による入力を受け付ける入力受付部と、前記作業者から受け付けた入力に基づき、複数の入力項目を含むテンプレートを生成するテンプレート作成支援部と、を更に備え、前記入力受付部は、前記作業者からテンプレートの選択を受け付けると、前記表示部は、前記テンプレートを前記他方の側の表示領域に表示しても良い。
【0012】
また、上記のデータ入力支援装置であって、前記入力フォーム作成支援部は、前記入力項目と前記帳票の記入欄とを関連付けるガイド設定を受け付け、前記表示部は、前記ガイド設定がされている前記入力フォームの前記入力項目が選択された場合、当該入力項目に関連付けられている前記記入欄にガイドマークを表示、または、前記ガイドマークに加え又は替えて前記記入欄を拡大表示されれば良い。
【0013】
また、上記のデータ入力支援装置であって、作業者による、前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、前記表示部は、表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する領域、他方の側に前記生成された入力フォームが有する前記入力項目を表示する領域、を配置した、データ入力画面を表示し、前記作業データ管理部は、前記作業者からの入力データを受け付け、前記データ保存部は、前記入力データを前記帳票に関連付けて保存しても良い。
【0014】
また、上記のデータ入力支援装置であって、前記作業データ管理部は、前記入力項目に入力されたデータの内容を読み上げる音声情報を生成し、前記作業者が使用する端末装置に出力しても良い。
【0015】
また、上記のデータ入力支援装置であって、作業者による、前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、前記表示部は、表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する領域、他方の側に付箋に表示する入力データの入力欄を表示する領域、を配置した画面情報を表示し、前記作業データ管理部は、前記入力欄への入力データを受け付け、前記表示部は、前記入力データを表示した付箋を、前記帳票を表示する領域に表示し、前記データ保存部は、前記帳票と、前記付箋に関する情報と、を関連付けて保存しても良い。
【0016】
また、上記のデータ入力支援装置であって、作業者による、前記帳票または前記入力項目に対して入力されたデータを管理する作業データ管理部と、入力されたデータを保存するデータ保存部と、を更に備え、前記表示部は、表示画面を分割し、一方の側に前記帳票を表示する領域、他方の側にマーカの属性を設定するための情報を表示する領域、を配置した画面情報を表示し、前記作業データ管理部は、前記マーカの属性の設定および前記帳票に対する前記マーカによるマーキングを受け付け、前記表示部は、前記マーキングを前記帳票上に表示し、前記データ保存部は、前記帳票と、前記マーカによる前記マーキングに関する情報と、を関連付けて保存しても良い。
【0017】
また、上記のデータ入力支援装置であって、前記入力フォームに含まれる前記入力項目の中から出力項目の選択を受け付けて、当該選択に基づき前記帳票に対応する出力レイアウトを生成し、前記出力レイアウトに従って、前記出力項目に対応する前記入力データを所定の出力様式で出力するファイル出力部を更に備えても良い。
【0018】
また、本発明の別の形態に係るデータ入力支援システムは、データ入力支援装置と、端末装置と、を有するデータ入力支援システムであって、前記データ入力支援装置は、表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する領域、を配置した、入力フォームの設定画面を前記端末装置に表示する表示部と、前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を前記端末装置から受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、を備える。
【0019】
また、本発明の別の形態に係るデータ入力支援方法は、データ入力支援装置が行うデータ入力支援方法であって、前記データ入力支援装置は、表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示ステップと、前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援ステップと、を行う。
【0020】
また、本発明の別の形態に係るプログラムは、コンピュータをデータ入力支援装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示部と、前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、して機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、専門性を要することなく比較的容易にデータの入力フォームを設計でき、より正確な入力作業を支援することができる。
【0022】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】データ入力支援システムの全体構成の一例を示した図である。
【
図2】記憶部が有する各種の情報の一例を示した図である。
【
図3】
図3(a)は、入力フォーム作成処理の一例を示したフロー図である。
図3(b)は、入力データ保存処理の一例を示した図である。
【
図4】テンプレート作成画面の一例を示した図である。
【
図5】入力フォーム作成画面の一例を示した図である。
【
図6】入力フォーム作成画面の一例を示した図である。
【
図7】ガイド設定に関する画面情報の一例を示した図である。
【
図9】
図9(a)は、付箋・マーカ受付処理の一例を示した図である。
図9(b)は、出力処理の一例を示した図である。
【
図11】付箋/マーカ入力画面の一例を示した図である。
【
図12】出力レイアウトの作成画面の一例を示した図である。
【
図14】
図14(a)は、業務フロー情報の一例を示している。
図14(b)は、作業履歴情報の一例を示している。
【
図15】業務フローの一覧が表示された画面例を示した図である。
【
図16】データ入力支援装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0025】
<データ入力支援システム1000の全体構成>
図1は、データ入力支援システム1000の全体構成の一例を示した図である。図示するように、データ入力支援システム1000は、データ入力支援装置100と、端末装置200と、を有している。データ入力支援装置100は、帳票のデータ入力に使用する入力フォームの作成や、入力されたデータの管理など、データ入力を支援するための様々な処理を行う。また、端末装置200は、データ入力支援装置100で生成された画面情報等を出力し、ユーザ操作に基づく入力情報を受け付ける。
【0026】
また、データ入力支援装置100と端末装置200とは、所定のネットワークN(例えば、インターネットやLAN:Local Area Networkなど)を介して相互に通信可能に接続されている。なお、
図1に例示する端末装置200の各々は、異なる企業や会社に属していても良く、同一企業(または同一会社)に属していても良い。また、データ入力支援システム1000には、複数のデータ入力支援装置100が含まれていても良い。
【0027】
このようなデータ入力支援装置100は、ユーザ操作に基づく入力情報を端末装置200から取得し、ユーザ所望の入力項目を有するテンプレートを作成して保存する。また、データ入力支援装置100は、表示画面の一方の側に帳票の表示領域を配置し、他方の側にテンプレートの中から選択された入力項目の表示領域を配置した、入力フォームの設定画面を生成して端末装置200に表示する。また、データ入力支援装置100は、設定画面を介して入力項目のレイアウトや属性の設定を受け付けて、ユーザ所望の入力フォームを作成して保存する。また、データ入力支援装置100は、入力項目へのデータ入力を支援するガイド設定に関するユーザ操作を受け付けて、その設定内容を保存する。
【0028】
また、データ入力支援装置100は、表示画面の一方の側にデータ入力の対象となる帳票(対象データ)の表示領域を配置し、他方の側に入力フォームに登録されている入力項目の表示領域を配置したデータ入力画面を生成し、端末装置200に表示する。また、データ入力支援装置100は、各入力項目に対する入力データを受け付けて、これを保存する。また、データ入力支援装置100は、ガイド設定がされている入力項目が選択された際、帳票上の対応する位置にガイドを表示することでユーザによる正確なデータ入力を支援する。また、データ入力支援装置100は、入力項目に入力された内容を読み上げる音声情報を生成し、端末装置200に出力することでユーザによる正確なデータ入力を支援する。
【0029】
また、データ入力支援装置100は、表示画面の一方の側にデータ入力の対象となる帳票(対象データ)の表示領域を配置し、他方の側に付箋に表示する文字等の入力欄を配置した画面情報を生成し、端末装置200に表示する。また、データ入力支援装置100は、入力欄に入力されたデータを表示した付箋を帳票の表示領域に表示し、当該付箋に関する情報を帳票に関連付けて保存する。また、データ入力支援装置100は、表示画面の一方の側にデータ入力の対象となる帳票(対象データ)の表示領域を配置し、他方の側にマーカの属性を設定する情報の表示領域を配置した画面情報を生成し、端末装置200に表示する。また、データ入力支援装置100は、ユーザ操作に基づく帳票へのマーキングを受け付け、当該マーカ(およびマーキング)に関する情報を帳票に関連付けて保存する。
【0030】
また、データ入力支援装置100は、ユーザ操作に基づき入力フォームの中から出力項目の選択を受け付けて、ユーザ所望の出力レイアウトを作成し保存する。また、データ入力支援装置100は、出力レイアウトに従って出力項目に対応する入力データを所定の出力様式で出力する。
【0031】
また、データ入力支援装置100は、業務フローと、業務フローに含まれる作業ごとに実施権限のあるユーザと、に関する情報を受け付けて保存する。また、データ入力支援装置100は、業務フローに含まれる各作業を行った作業者と、作業履歴とを関連付けて保存する。
【0032】
このようなデータ入力支援装置100によれば、専門性を要することなく比較的容易にデータの入力フォームを設計でき、より正確な入力作業の支援を可能とするシステムを提供できる。
【0033】
<端末装置200>
端末装置200は、データ入力に使用される装置であって、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などである。端末装置200は、GUI(Graphical User Interface)を介してデータ入力支援装置100から取得した画面情報を自身のディスプレイに表示し、ユーザによる入力操作を受け付ける。また、端末装置200は、GUIを介してユーザから受け付けた入力情報をデータ入力支援装置100に送信する。
【0034】
<データ入力支援装置100>
データ入力支援装置100は、データ入力の様々な支援機能を提供する装置である。具体的には、データ入力支援装置100は、入力フォームの作成機能、正確なデータ入力のための支援機能、入力データの管理機能および入力データの出力機能など、各種の機能を提供するための様々な処理を行う。
【0035】
図示するように、データ入力支援装置100は、記憶部110と、処理部120と、通信部130とを有している。
【0036】
記憶部110は、データ入力支援装置100が実行する処理に用いられる情報や、端末装置200から取得した情報を記憶している。具体的には、記憶部110は、ユーザ情報111と、テンプレート情報112と、入力フォーム情報113と、対象データ114と、入力データ関連情報115と、出力レイアウト情報116と、業務フロー情報117と、作業履歴情報118と、を有している。なお、業務フロー情報117および作業履歴情報118については、本実施形態の変形例の処理に用いる情報として後述する。
【0037】
図2は、記憶部が有する各種の情報の一例を示した図である。
【0038】
ユーザ情報111は、端末装置200のユーザに関する情報であって、ユーザごとに記憶されている。図示するように、ユーザ情報111は、ユーザIDと、ユーザ氏名と、作業履歴とを有している。ユーザIDはユーザの識別情報であり、ユーザ氏名はユーザの名前を特定する情報である。作業履歴は、ユーザが行った作業の履歴に関する情報であり、作業対象の帳票(対象データ)を識別する対象データIDと、作業内容(例えば、データ入力、入力データの確認等)と、作業の日付とが対応付けられている。なお、作業履歴は、ユーザによる作業の実施に伴って更新される。
【0039】
テンプレート情報112は、ユーザが作成したテンプレートに関する情報であって、当該テンプレートに含まれる入力項目に関する情報が登録されている。また、テンプレート情報112は、テンプレートごとに作成されて記憶されている。
【0040】
テンプレート情報112は、テンプレートIDと、テンプレート名称と、入力項目リストとを有している。なお、テンプレートIDおよびテンプレート名称は各々、テンプレートの識別情報および名称である。入力項目リストは、ユーザの選択によりテンプレートに登録されている入力項目の一覧であり、入力項目ごとに項目名、項目IDおよびその他の属性が対応付けられている。
【0041】
入力フォーム情報113は、ユーザが作成した、データの入力作業に使用する入力フォームに関する情報であって、当該入力フォームに含まれる入力項目に関する情報が登録されている。また、入力フォーム情報113は、入力フォームごとに作成されて記憶されている。
【0042】
入力フォーム情報113は、フォームIDと、フォーム名称と、入力項目リストとを有している。なお、入力フォームIDおよび入力フォーム名称は各々、入力フォームの識別情報および名称である。入力項目リストは、例えば、ユーザがテンプレートの中から選択した入力項目の一覧であって、入力項目ごとに項目名、項目ID、その他の属性およびレイアウトが対応付けられている。
【0043】
また、入力フォームにおいて、複数の入力項目に共通する項目名をラベルとして表示する設定がされている場合、入力項目リストには、ラベルに関する情報が登録されている。具体的には、ラベル名、対応する入力項目の項目IDおよびラベルのレイアウトが対応付けられて登録されている。
【0044】
また、入力フォームにおいて、入力項目が選択された際に帳票上の対応する位置にガイドを表示する設定がされている場合、入力項目リストには、ガイド設定に関する情報が登録されている。具体的には、ガイドID、ガイド位置および対応する入力項目の項目IDが対応付けられて登録されている。
【0045】
図1に戻って説明する。対象データ114は、契約者や申込みを行う者等が記入した各種書類(帳票)の画像情報(例えば、JPGなどのイメージファイル)である。各対象データ114には、例えば、書類の種類や管理番号に応じた任意の識別情報(例えば、対象データ名や対象データID)が割り付けられている。
【0046】
入力データ関連情報115は、入力フォームに対する入力データ等に関する情報である。なお、入力データ関連情報115は、データの入力作業の対象となる帳票の対象データ114ごとに作成されて記憶されている。また、入力データ関連情報115は、ユーザによる入力作業等に伴って更新される。
【0047】
具体的には、入力データ関連情報115は、
図2に示すように、入力データIDと、対象データIDと、対象データ名と、対象データ114のステータスと、フォームIDと、入力内容とを有している。また、帳票の対象データ114に付箋やマーカが付されている場合、入力データ関連情報115は、付箋リストやマーカリストをさらに有している。
【0048】
なお、入力データIDは、入力データの識別情報である。対象データIDおよび対象データ名は各々、入力データに対応する対象データ114の識別情報および名称である。対象データ114のステータスは、対象データ114の作業の進捗段階を示す情報であり、例えば、未入力、入力済み、確認済みなどがある。フォームIDは、対象データ114のデータ入力に使用された入力フォームの識別情報である。
【0049】
また、入力内容は、入力フォームの各入力項目に入力された入力データの内容である。具体的には、入力フォームの各入力項目の項目IDに入力データが対応付けられて登録されている。例えば、入力フォームの項目ID001および項目ID002が各々、氏名および年齢の入力項目の場合、データ内容には、当該入力フォームの項目ID001と入力された氏名とが対応付けられ、項目ID002と入力された年齢とが対応付けられて登録されている。
【0050】
付箋リストは、帳票の対象データ114に付箋が付されている場合に登録される情報であって、付箋IDと、位置と、サイズと、色と、内容とが登録されている。なお、付箋IDは、付箋の識別情報であって、例えば1つの帳票に対して複数の付箋が付されている場合には、各々の付箋を識別する情報である。位置は、付箋が付されている表示画面内の位置を特定する座標情報である。サイズおよび色は各々、付箋のサイズおよび色を示す情報である。内容は、付箋に入力されている文字等の情報である。
【0051】
マーカリストは、帳票の対象データ114にマーカが付されている場合に登録される情報であって、マーキングIDと、位置と、マーキング形状と、色と、太さとが登録されている。なお、マーキングIDは、マーカで引かれた線や文字等のマーキングの識別情報であって、例えば1つの帳票に対して複数のマーキングがされている場合、各々のマーキングを識別する情報である。位置は、例えば、表示画面内におけるマーキングの位置であって、例えばマーキングを囲む矩形領域の表示画面内における位置を特定する座標情報である。形状は、マーキングの形状を特定する情報である。色および太さは各々、マーカの色と太さを示す情報である。
【0052】
出力レイアウト情報116は、ユーザが作成した、入力データを出力する際のレイアウトが登録されている情報である。出力レイアウト情報116は、レイアウトごとに生成されて記憶されている。
【0053】
具体的には、出力レイアウト情報116は、
図2に示すように、レイアウトIDと、レイアウト名と、フォームIDと、出力項目リストとを有している。なお、レイアウトIDおよびレイアウト名は各々、出力レイアウトの識別情報および名称を示す情報である。フォームIDは、出力対象の入力データを受け付けた入力フォームの識別情報である。出力項目リストは、例えば、ユーザが入力フォームの中から出力項目として選択した入力項目の一覧であって、出力項目ごとに項目名、項目ID、その他の属性が対応付けられている。
【0054】
次に、処理部120について説明する。
図1に示すように、処理部120は、入力受付部121と、テンプレート作成支援部122と、入力フォーム作成支援部123と、作業データ管理部124と、データ保存部125と、ファイル出力支援部126と、表示部127と、を有している。
【0055】
入力受付部121は、情報の入力を受け付ける機能部であって、ユーザ操作に基づく各種の入力情報を端末装置200から取得する。
【0056】
テンプレート作成支援部122および入力フォーム作成支援部123は各々、テンプレートおよび入力フォームの作成を支援する機能部である。
【0057】
作業データ管理部124は、入力フォームや帳票の対象データ114に入力された入力情報すなわち入力データや付箋/マーカに関する入力情報を管理する機能部である。具体的には、作業データ管理部124は、入力受付部121が受け付けた入力情報の中から管理対象のデータを選別し、入力データ関連情報115に登録する情報としてデータ保存部125に受け渡す。
【0058】
データ保存部125は、データを保存する機能部である。具体的には、データ保存部125は、例えば、作成されたテンプレートや入力フォームに関する情報をテンプレート情報112や入力フォーム情報113として記憶部110に保存する。また、データ保存部125は、作業データ管理部124から取得した入力データ等の情報を対応する情報(例えば、入力データ関連情報115など)に登録する。
【0059】
ファイル出力支援部126は、入力データを出力レイアウト情報116に基づいて出力する機能部である。具体的には、ファイル出力支援部126は、出力レイアウトに従って入力データを所定の出力様式で出力する。
【0060】
表示部127は、ユーザのリクエストに応じた処理に対応する画面情報を生成し、端末装置200に表示する機能部である。
【0061】
次に、通信部130について説明する。通信部130は、外部装置との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部130は、ユーザの入力情報を端末装置200から取得する。また、通信部130は、データ入力支援装置100で生成された画面情報等を端末装置200に送信する。
【0062】
以上、データ入力支援装置100の機能構成について説明した。
【0063】
次に、端末装置200のユーザ操作に伴うデータ入力支援装置100の処理を説明する。
【0064】
図3(a)は、ユーザによる入力フォームの作成作業に関する処理であって、データ入力支援装置100で実行される入力フォーム作成処理の一例を示したフロー図である。当該処理は、例えば、端末装置200に表示したメニュー画面の中から「テンプレートの作成」が選択されると開始される。
【0065】
処理が開始されると、データ入力支援装置100は、テンプレートの作成支援の処理を実行する(ステップS10)。具体的には、表示部127は、テンプレート作成画面を生成して端末装置200に表示する。
【0066】
図4は、テンプレート作成画面の一例を示した図である。図示するように、テンプレート作成画面300は、入力項目表示領域301と、指示受付領域302と、を有している。なお、図示する例は、作成済みのテンプレートに含まれている入力項目303が表示された状態を示しており、初期段階のテンプレート作成画面300の入力項目表示領域301には、入力項目303は表示されていない。
【0067】
テンプレート作成支援部122は、ユーザ操作に基づき、入力項目を入力項目表示領域301に表示する。例えば、指示受付領域302のコピーテンプレート選択ボタンが選択されると、テンプレート作成支援部122は、表示部127を介して、作成済みのテンプレートをコピー対象のテンプレート候補として表示する。また、テンプレート候補の中から何れかの候補が選択されると、テンプレート作成支援部122は、表示部127を介して、選択されたテンプレートの入力項目303を入力項目表示領域301に表示する(
図4に例示)。
【0068】
なお、入力項目303は、図示するように、項目名(例えば、契約者氏名など)と、項目ID(項目001など)と、を有している。
【0069】
このように、データ入力支援装置100は、作成済みのテンプレートをコピーして使用できる。そのため、ユーザは、作成済みのテンプレートに含まれている入力項目を転用することができ、最初からテンプレートを作成する手間を省くことができる。
【0070】
なお、項目追加ボタンが選択された場合、テンプレート作成支援部122は、表示部127を介して、1つの入力項目を入力項目表示領域301に追加表示する。ユーザは、項目追加ボタンを繰り返し選択することで、1つずつ入力項目を入力項目表示領域301に追加してテンプレートを作成することもできる。また、コピーしたテンプレートが表示されている状態で項目追加ボタンが選択された場合、当該テンプレートに含まれる入力項目に加えて、追加の入力項目が入力項目表示領域301に追加される。
【0071】
また、ユーザは、入力項目表示領域301に含まれる入力項目303について、項目名やその他の属性(例えば、使用できる文字種類等の属性)の設定、変更あるいは入力項目自体の削除といった編集操作を行うことができる。具体的には、テンプレート作成支援部122は、ユーザ操作に基づき編集対象の入力項目が選択されると、表示部127を介して、選択された入力項目の編集画面を端末装置200に表示する。また、テンプレート作成支援部122は、編集に係るユーザ操作を受け付けると、対応する処理を行う。なお、属性の詳細については後述する。
【0072】
また、データ保存部125は、テンプレート名にユーザ所望の名称を受け付けた後、保存ボタンが選択されると、入力項目表示領域301に表示している入力項目を有するテンプレートを保存する(ステップS20)。具体的には、データ保存部125は、テンプレート名称と、各入力項目の項目名、項目IDおよび属性に、任意のテンプレートIDを割り付けたテンプレート情報112を記憶部110に保存する。
【0073】
次に、データ入力支援装置100は、入力フォームの作成支援の処理を実行する(ステップS30)。具体的には、端末装置200に表示されたメニュー画面から「入力フォームの作成」が選択されると、表示部127は、入力フォーム作成画面を生成して端末装置200に表示する。
【0074】
図5は、入力フォーム作成画面の一例を示した図である。図示するように、入力フォーム作成画面310は、表示領域の一方の側に帳票の表示領域311と、他方の側に入力項目の表示領域312と、を有している。なお、図示する例は、未記入の帳票313と、作成済みのテンプレートに含まれている入力項目314が表示された状態を示しており、初期段階の入力フォーム作成画面310の各表示領域311、312には、帳票313や入力項目314は表示されていない。
【0075】
入力フォーム作成支援部123は、ユーザ操作に基づき、帳票および入力項目を各々、対応する表示領域に表示する。例えば、対象データ114選択ボタンが選択されると、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、帳票の対象データ114(未記入の帳票様式を示すデータを含む)の候補を表示する。また、対象データ114の候補の中から何れかの候補が選択されると、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、選択された対象データ114の帳票313を対応する表示領域311に表示する(
図5に例示)。
【0076】
また、テンプレート選択ボタンが選択されると、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、作成済みのテンプレートの候補を表示する。また、何れかのテンプレート候補が選択されると、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、選択されたテンプレートに含まれる入力項目314を表示し、入力フォームに含める入力項目の選択を受け付ける。また、入力フォーム作成支援部123は、選択を受け付けた入力項目を表示領域312に表示する。なお、表示された入力項目314は、
図5に示すように、項目名315と入力欄316とにより構成されており、図示する例では、便宜的に項目IDを入力欄に表示させている。
【0077】
このように、データ入力支援装置100は、作成済みのテンプレートの中から入力フォームに応じたテンプレートおよび入力項目を選択して使用することができる。そのため、ユーザは、作成済みのテンプレートに含まれている入力項目の中から入力フォームに必要な入力項目を転用することができるため、最初から入力フォームの入力項目を作成する手間を省くことができる。
【0078】
なお、項目追加ボタンが選択された場合、入力フォーム作成支援部123は、1つの入力項目を入力項目の表示領域312に追加表示する。ユーザは、項目追加ボタンを繰り返し選択することで、1つずつ入力項目を入力項目の表示領域312に追加して入力フォームを作成することもできる。
【0079】
また、ユーザは、入力項目ごとにレイアウトを設定することができる。例えば、レイアウトの設定では、入力フォーム作成支援部123は、所定のユーザ操作(例えば、ドラッグ・アンド・ドロップ)を受け付けることで、表示領域312内における入力項目314の表示位置を変更する。また、入力フォーム作成支援部123は、所定のユーザ操作(例えば、入力項目の枠線の一端が選択された状態で左右方向に引き伸ばしたり縮めたりする操作)を受け付けることで、入力項目314の横幅を変更する。また、ユーザは、各入力項目314の横幅を調整する場合と同様の操作に基づいて、項目名315および入力欄316の各々の横幅を調整することもできる。なお、入力フォーム作成支援部123は、入力項目314同士が重なるような配置や、入力項目314と項目追加ボタンやラベル追加ボタンが重なる配置を受け付けない。具体的には、ユーザ操作により入力項目314同士が重なる位置に移動された場合、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、例えば、移動の操作に係る入力項目314と衝突した他の入力項目314を当該操作に係る入力項目314から避けるように移動した位置に表示する。また、移動の操作に係る入力項目314がラベル追加ボタン等と重なる位置に移動された場合、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、当該操作に係る入力項目314を項目追加ラベル等から所定間隔を空けた位置に表示する。
【0080】
また、ユーザは、入力項目ごとに属性を設定することができる。入力項目の属性には、例えば、項目名、項目ID、使用できる文字種類、文字長、左詰め/右詰め、全角/半角など、様々な種類がある。なお、属性には、例えば入力項目を読み取り専用とするか否か、自動検索入力に対応させるか否か、などが含まれても良い。なお、自動検索入力は、例えば、入力項目が住所の場合であって、郵便番号の入力を受け付けた際、当該入力項目に予め関連付けられているURL(Uniform Resource Locator)のサイトにアクセスし、当該郵便番号に対応する住所の検索結果を入力項目に自動で入力する機能である。
【0081】
なお、自動検索入力の機能は、上記の例以外にも、例えば、或る項目に入力されたデータをキーとして、記憶部110に格納されている所定のデータベースのマスタデータから検索し、ヒットしたデータを当該項目あるいは他の関連する項目に引き当てて表示しても良い。一例としては、或る項目に銀行番号が入力された場合これをキーとして、記憶部110に格納されている銀行番号と銀行名との対応関係を登録したデータベースから検索し、ヒットした当該銀行番号に対応する銀行名を当該項目等に引き当てて表示する。また、他の例としては、或る項目に傷病名が入力された場合これをキーとして、記憶部110に格納されているデータベースから検索し、ヒットした当該傷病名の付く候補(例えば、ab喘息、cd喘息など)を選択可能に表示し、ユーザが選択した傷病名を当該項目等に引き当てて表示する。
【0082】
入力フォーム作成支援部123は、ユーザ操作に基づき属性の変更対象となる入力項目が選択されると、表示部127を介して当該入力項目の属性の設定画面を端末装置200に表示する。また、入力フォーム作成支援部123は、属性の設定に関するユーザ操作を受け付けると、操作に応じた属性を設定する。
【0083】
また、入力フォーム作成支援部123は、ラベルの表示を設定することができる。例えば、
図5の例では、項目ID002~004の項目名(証券番号)が共通している。このような場合、各入力項目から項目名を外し、ラベル317として表示することができる(
図6に例示)。なお、入力項目が1つの場合であっても、項目名を外してラベルとして表示することもできる。
【0084】
具体的には、入力フォーム作成支援部123は、ユーザ操作に基づきラベル追加ボタンが選択されると、ラベルとして表示する情報(通常、項目名に対応)と、対象となる入力項目の選択を受け付ける。また、入力フォーム作成支援部123は、選択された入力項目から項目名を外すと共に、ラベル317を表示する。
【0085】
また、ユーザは、ラベルのレイアウトを設定することができる。具体的には、入力フォーム作成支援部123は、前述の入力項目の設定と同様に、所定のユーザ操作に基づいてラベルの表示位置や横幅を変更する。なお、入力項目314と同様に、入力フォーム作成支援部123は、ラベル317同士が重なるような配置や、ラベル317と入力項目314または項目追加ボタンやラベル追加ボタンとが重なる配置を受け付けない。具体的には、ユーザ操作によりラベル317と入力項目314とが重なる位置に移動された場合、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、例えば、移動の操作に係るラベル317と衝突した入力項目314を当該ラベル317から避けるように移動した位置に表示する。また、移動の操作に係るラベル317がラベル追加ボタン等と重なる位置に移動された場合、入力フォーム作成支援部123は、表示部127を介して、当該ラベル317を項目追加ラベル等から所定間隔を空けた位置に表示する。
【0086】
また、データ保存部125は、フォーム名にユーザ所望の名称を受け付けた後、保存ボタンが選択されると、入力項目の表示領域312に表示している入力項目を有する入力フォームを保存する(ステップS40)。具体的には、データ保存部125は、フォーム名称と、各入力項目の項目名、項目ID、その他の属性およびレイアウトと、ラベルが設定されている場合はラベル名、項目IDおよびラベルのレイアウトと、当該入力フォームに割り付けたフォームIDと、を入力フォーム情報113に登録する(入力フォーム情報113として保存)。
【0087】
図6は、作成された入力フォームを含む入力フォーム作成画面の一例を示した図である。図示するように、作成された入力フォームでは、各入力項目のレイアウトが帳票の各記入欄に対応する位置や形に設定されている。このように、ユーザは、一方の側に表示された帳票の様式(記入欄の位置や大きさ等)を確認しながら、帳票における各記入欄のレイアウト(位置、サイズなど)に対応するように入力フォーム上の各入力欄のレイアウトを設計できるため、直感的な入力、確認等の作業を行える入力フォームを作成することができる。
【0088】
また、ユーザは、より正確なデータ入力を支援するためのガイドを設定することができる。なお、ガイドは、データ入力の作業において、データ入力の対象となる入力フォームの入力項目が選択された際に、対応する情報が記入されている帳票の記入欄を指し示すマーク画像であって、例えば、十字やL字の線で表される。
【0089】
図7は、ガイド設定に関する画面情報の一例を示した図である。図示するように、ガイド設定に関する画面320には、ガイド設定ボタンと、ガイド線の保存ボタンとが表示されている。ユーザ操作に基づきガイド設定ボタンが選択されると、入力フォーム作成支援部123は、入力フォームに含まれる入力項目の中からガイドを設定する入力項目の選択を受け付ける。また、ユーザ操作に基づき入力項目が選択されると、入力フォーム作成支援部123は、帳票の表示領域311内にガイド321を表示して、ガイドの設定位置の変更を受け付ける。図示する例では、入力フォームに含まれる受取人の入力項目が選択された後、帳票の対応する記入欄上にガイド321の表示位置が設定されている状態を示している。なお、ユーザは、入力フォームの各入力項目に対応付けるように複数のガイド線を設定することができる。
【0090】
また、ガイド線の保存ボタンが選択されると、データ保存部125は、ガイドの設定内容を入力フォーム情報113に登録する。具体的には、データ保存部125は、設定されたガイドごとに割り付けた任意のガイドIDと、ガイドの位置と、ガイドに対応する入力項目の項目IDと、を対応付けて入力フォーム情報113に登録する。
【0091】
このようなガイド設定によれば、より正確なデータ入力を支援することができる。なお、表示部127は、データ入力の作業において、入力フォームの入力項目が選択された際、帳票上の設定位置にガイド線を表示するだけではなく、ガイド線が対応付けられている帳票の記入欄を拡大して表示しても良い。このような拡大表示することで、ユーザは、より正確なデータ入力が可能となる。
【0092】
なお、入力フォーム作成支援部123は、作成された入力フォームを保存すると、本フローの処理を終了する。なお、このような入力フォーム作成処理に含まれているステップS10~S40の処理は、上記のような一連の処理ではなく、ステップS10およびS20と、ステップS30およびS40とが別個のフローとして、それぞれユーザ任意のタイミングで開始されても良い。
【0093】
次に、ユーザによるデータの入力作業に関する処理であって、データ入力支援装置100で実行される入力データ保存処理について説明する。
【0094】
図3(b)は、入力データ保存処理の一例を示した図である。当該処理は、例えば、端末装置200に表示したメニュー画面の中から「データ入力」が選択されると開始される。
【0095】
処理が開始されると、入力受付部121は、ユーザがデータ入力をしようとする帳票の対象データ114の選択を受け付ける(ステップS110)。具体的には、入力受付部121は、表示部127を介して対象データ114の選択を受け付ける画面情報を端末装置200に表示させ、ユーザからの選択を受け付ける。
【0096】
次に、入力受付部121は、ユーザがデータ入力に使用する入力フォームの選択を受け付ける(ステップS120)。具体的には、入力受付部121は、表示部127を介して入力フォームの選択を受け付ける画面情報を端末装置200に表示させ、ユーザからの選択を受け付ける。なお、入力作業対象となる各対象データ114について事前に入力フォームのフォームIDが関連付けられていても良い。この場合、ステップS110で対象データ114が選択されるとフォームIDも決まるので、ステップS120を省略できる。
【0097】
次に、表示部127は、データ入力画面を端末装置200に表示させ、データ入力を受け付ける(ステップS130)。具体的には、表示部127は、表示領域を分割し、一方の側に選択された対象データ114の表示領域を配置し、他方の側に選択された入力フォームの表示領域を配置したデータ入力画面を生成する。また、表示部127は、生成したデータ入力画面を端末装置200に表示させ、ユーザ操作に基づくデータ入力を受け付ける。
【0098】
図8は、データ入力画面の一例を示した図である。図示するように、データ入力画面330は、帳票の対象データ114の表示領域331と、入力フォームの表示領域332と、を有している。ユーザは、入力フォームの表示領域332に表示されている各入力項目に対し、帳票の対応する記入欄に記入されている情報を入力する。具体的には、ユーザは、表示画面上に表示されているカーソルで入力項目314を選択し、選択した入力項目314の入力欄316にテキスト入力を行うことで、当該入力項目314の入力欄316に入力したテキストが表示(記入)される。なお、前述の通り、カーソルで入力項目314が選択されると、当該入力項目314にガイド設定がされている場合は、表示領域331内におけるガイドの設定位置にガイド(マーク画像)が表示される。このとき、ガイドが設定されている帳票の記入欄が拡大表示されても良い。
【0099】
次に、データ保存部125は、ユーザ操作に基づきデータ入力画面330の保存ボタンが選択されると、入力データを保存する(ステップS140)。具体的には、データ保存部125は、作業データ管理部124から入力データ関連情報115に登録する入力内容を取得する。より具体的には、作業データ管理部124は、各入力項目に入力されたデータ内容と、各項目IDと、を対応付けた入力内容をデータ保存部125に受け渡す。データ保存部125は、対象データ114の対象データIDと、対象データ名と、対象データ114のステータス(この場合、入力済み)と、入力フォームのフォームIDと、作業データ管理部124から取得した入力内容と、を入力データ関連情報115に登録する。
【0100】
また、データ保存部125は、入力データを保存すると、本フローの処理を終了する。
【0101】
なお、作業データ管理部124は、入力フォームの入力項目に入力されたデータを読み上げる音声情報を生成し、端末装置200から出力されるように送信しても良い。これによれば、入力項目に入力されたデータを読み上げる音声情報が端末装置200から出力されるため、ユーザは、視覚に加えて聴覚でも入力データを認識することができるので、データの入力ミスに気付き易くなる。
【0102】
なお、
図8に示すように、ユーザは、音声読み上げ速度を設定することもできる。作業データ管理部124は、設定された読み上げ速度の音声情報を生成し、端末装置200に送信する。
【0103】
次に、ユーザによるデータの確認作業に関する処理であって、入力支援装置で実行される付箋・マーカ受付処理について説明する。
【0104】
図9(a)は、付箋・マーカ受付処理の一例を示した図である。当該処理は、例えば、端末装置200に表示したメニュー画面の中から「データ確認」が選択されると開始される。
【0105】
処理が開始されると、入力受付部121は、ユーザが確認をしようとする帳票の対象データ114の選択を受け付ける(ステップS210)。具体的には、入力受付部121は、表示部127を介して対象データ114の選択を受け付ける画面情報を端末装置200に表示させ、ユーザからの選択を受け付ける。また、作業データ管理部124は、入力受付部121が選択を受け付けた対象データ114に対応付けられている入力フォームと、入力内容と、を入力関連情報から特定する。また、作業データ管理部124は、表示部127を介して、表示画面の一方の側に対象データ114の表示領域を配置し、他方の側に対象データ114に対応する入力済みの入力フォームの表示領域を配置した確認画面を生成し、端末装置200に表示する。
【0106】
図10は、確認画面の一例を示した図である。図示するように、確認画面340は、帳票の表示領域341と、入力済みの入力フォームの表示領域342と、を有している。また、確認画面340には、付箋表示切換えボタンと、付箋追加/編集ボタンとが表示されている。
【0107】
次に、作業データ管理部124は、付箋の入力を受け付ける(ステップS220)。具体的には、作業データ管理部124は、確認画面340の付箋追加/編集ボタンが選択されると、表示領域の一方の側に帳票の表示領域を配置し、他方の側に付箋に表示する入力データの入力欄等を含む付箋設定の表示領域を配置した付箋/マーカ入力画面350を生成し、端末装置200に表示する。
【0108】
図11は、付箋/マーカ入力画面の一例を示した図である。図示するように、付箋/マーカ入力画面350は、帳票の表示領域351と、付箋設定の表示領域352とを有している。なお、付箋設定の表示領域352には、付箋の色(カラー)を設定する領域と、付箋に表示する文字の大きさを設定する領域と、付箋に表示する文字等の入力欄と、付箋の追加や更新の指示受付ボタン、入力欄に入力された文字を消去するクリア指示受付ボタン、および付箋自体の削除指示を受け付ける削除ボタンを有する指示受付領域と、が含まれている。
【0109】
ユーザは、付箋のカラーや文字等の大きさを選択し、付箋に表示する文字を入力することで、帳票の表示領域351に付箋353を表示させることができる。具体的には、作業データ管理部124は、ユーザ操作に基づき選択された付箋のカラーや文字の大きさ、および、入力欄に入力された文字を設定情報として取得する。また、作業データ管理部124は、表示部127を介して、設定情報を反映した付箋353を帳票の表示領域351に表示する。
【0110】
また、作業データ管理部124は、付箋の位置の変更を受け付ける。具体的には、作業データ管理部124は、所定のユーザ操作(例えば、ドラッグ・アンド・ドロップ)に基づき付箋の位置が変更されると、帳票の表示領域351における変更後の付箋353の位置を特定すると共に、表示部127を介して、変更後の位置に付箋353を表示する。
【0111】
次に、作業データ管理部124は、マーカの入力を受け付ける(ステップS230)。具体的には、
図11の指示受付領域に表示されているマーカのフリーハンドの指示受付ボタンが選択されると、作業データ管理部124は、表示部127を介してマーカのポインタ(例えば、鉛筆のポインタなど)を帳票の表示領域351に表示し、フリーハンドによるユーザ操作に基づき帳票へのマーキングを受け付ける。
【0112】
また、作業データ管理部124は、指示受付領域に表示されているマーカの直線入力の指示受付ボタンが選択されると、表示部127を介してマーカのポインタ(例えば、鉛筆のポインタなど)を帳票の表示領域351に表示し、ユーザ操作に基づき帳票への直線によるマーキング354を受け付ける。なお、指示受付領域の削除ボタンが選択されると、対象のマーキングが削除される。なお、ユーザは、マーカの太さや色を設定することもできる(マーカの色や太さを設定するための指示受付ボタンは図示せず)。
【0113】
また、保存ボタンが選択されると、作業データ管理部124は、付箋/マーカ入力画面350を介して入力された付箋353およびマーカ(マーキング354を含む)に関する情報を特定し、データ保存部125を介して保存する(ステップS240)。具体的には、作業データ管理部124は、付箋に割り付けた任意の付箋IDと、付箋の位置、サイズ(文字の大きさ)、色および内容(入力欄に入力された文字)と、マーカの各マーキングに割り付けた任意のマーキングIDと、マーキングの位置、形状、色および太さとを特定し、これらの入力情報をデータ保存部125に受け渡す。データ保存部125は、作業データ管理部124から取得した付箋およびマーカに関する入力情報を入力データ関連情報115に登録する。
【0114】
また、データ保存部125は、付箋やマーカの入力情報を保存すると、本フローの処理を終了する。
【0115】
なお、ユーザ操作に基づき確認画面340(
図10に例示)に表示されている付箋表示切換えボタンが選択されると、表示部127は、入力された付箋353やマーキング354を非表示にする。これにより、帳票上に重畳表示された付箋353やマーキング354で見えなくなった帳票の内容を確認することができる。また、付箋追加/編集ボタンや付箋表示切換えボタンは、
図8に示すデータ入力画面330に設けられても良い。すなわち、ユーザは、データの入力作業中にも付箋やマーカを付すことができる。
【0116】
次に、ユーザによるデータの出力作業に関する処理であって、入力支援装置で実行される出力処理について説明する。
【0117】
図9(b)は、出力処理の一例を示した図である。当該処理は、例えば、端末装置200に表示したメニュー画面の中から「出力処理」が選択されると開始される。
【0118】
処理が開始されると、ファイル出力支援部126は、出力レイアウトの作成を受け付ける(ステップS310)。なお、出力レイアウトとは、所定の出力形式(例えば、CSV:Comma separated valuesなど)により出力される入力データの出力順序を設定するためのレイアウトであり、入力フォームにおける入力項目のレイアウトとは異なる。具体的には、ファイル出力支援部126は、表示部127を介して、出力レイアウトの作成画面を端末装置200に表示させ、ユーザ操作を受け付ける。
【0119】
図12は、出力レイアウトの作成画面の一例を示した図である。図示するように、出力レイアウトの作成画面360には、出力レイアウト名の入力欄と、出力項目選択ボタンと、削除ボタンと、保存ボタンと、が表示されている。なお、図示する例は、作成済みの入力フォームからユーザ所望の出力項目361が選択された状態を示しており、初期段階の出力レイアウトの作成画面360には、出力項目361は表示されていない。
【0120】
ユーザは、出力項目選択ボタンを選択することで、作成済みの入力フォームにおける入力項目の中から所望の出力項目に対応する入力項目を選択する。具体的には、ファイル出力支援部126は、ユーザ操作に基づき出力項目選択ボタンが選択されると、作成済みの入力フォームの候補を表示してユーザによる選択を受け付ける。
【0121】
また、ファイル出力支援部126は、入力フォームが選択されると、当該入力フォームが有する全ての入力項目を入力フォーム情報113から特定して表示する。また、ファイル出力支援部126は、表示した入力項目の中から選択された入力項目を出力項目361として出力レイアウトの作成画面360に表示する。なお、ファイル出力支援部126は、削除ボタンが選択された場合、指定された出力項目361を表示画面から削除する。
【0122】
また、ファイル出力支援部126は、出力項目361が選択されると、表示部127を介して、属性の設定を受け付ける設定画面を表示してユーザによる設定を受け付ける。なお、属性の設定については前述の入力項目における属性の設定と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0123】
また、レイアウト名の入力を受け付けた後に保存ボタンが選択されると、ファイル出力支援部126は、データ保存部125を介して、出力レイアウトを保存する(ステップS320)。具体的には、ファイル出力支援部126は、出力レイアウトの作成画面に表示されている出力項目361に関する情報を取得し、データ保存部125を介して、出力レイアウト情報116に登録する。具体的には、データ保存部125は、レイアウト名と、入力フォームのフォームIDと、出力項目の項目名と、項目IDと、属性とをファイル出力部から取得し、これらを出力レイアウト情報116に登録する。
【0124】
次に、ファイル出力支援部126は、出力する対象データ114の選択を受け付ける(ステップS330)。具体的には、ファイル出力支援部126は、表示部127を介して、出力操作画面を生成し、端末装置200に表示させる。
【0125】
図13は、出力操作画面の一例を示した図である。図示するように、出力操作画面370には、出力レイアウトの選択を受け付ける出力レイアウト選択ボタンと、出力対象の入力データの選択を受け付ける出力データ選択ボタンと、出力処理の実行を指示する出力ボタンと、が含まれている。
【0126】
ユーザは、出力レイアウト選択ボタンを選択することで出力レイアウトを表示させる。具体的には、ファイル出力支援部126は、ユーザ操作に基づき出力レイアウト選択ボタンが選択されると、全ての出力レイアウト情報116に登録されているレイアウトIDおよびレイアウト名を表示してユーザによる選択を受け付ける。また、出力レイアウトが選択されると、ファイル出力支援部126は、表示部127を介して、出力レイアウトを表示画面に表示する。
【0127】
また、ユーザは、出力データ選択ボタンを選択することで、出力対象の入力データを選択する。具体的には、ファイル出力支援部126は、ユーザ操作に基づき出力データ選択ボタンが選択されると、全ての入力データ関連情報115に登録されている入力データID、入力データ名、対象データID、対象データ名を対応付けて表示してユーザによる選択を受け付ける。また、出力対象の入力データが選択されると、ファイル出力支援部126は、当該データを出力の対象データ114として記憶部110に一時的に格納する。
【0128】
また、ユーザは、出力ボタンを選択することで、出力処理を実行する。具体的には、ファイル出力支援部126は、ユーザ操作に基づき出力ボタンが選択されると、出力形式の候補(例えば、CSVなど)を表示して、ユーザの選択を受け付ける。また、出力形式が選択されると、ファイル出力支援部126は、選択された出力形式で出力の対象データ114の出力処理を実行する。具体的には、ファイル出力支援部126は、入力データの入力内容に含まれる項目のうち、出力レイアウトに含まれる項目IDに対応する項目のデータ内容を、出力レイアウトで設定された順序でファイル出力する。その際、ファイル出力支援部126は、出力レイアウトで設定された属性を満たすようにデータ内容を加工して出力する。
【0129】
また、ファイル出力支援部126は、出力の対象データ114を出力すると、本フローの処理を終了する。
【0130】
以上、データ入力支援装置100で実行される各種の処理について説明した。
【0131】
このようなデータ入力支援装置100によれば、専門性を要することなく比較的容易にデータの入力フォームを設計でき、より正確な入力作業の支援を可能とするシステムを提供できる。
【0132】
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、同一の発明概念の範囲内で様々な変形例が可能である。第1変形例に係るデータ入力支援装置100は、ユーザ操作に基づき業務フローを作成し、業務フローごとに実施権限のあるユーザを登録した業務フロー情報117を生成して記憶部110に保存する。
【0133】
図14(a)は、業務フロー情報の一例を示している。図示するように、業務フロー情報117には、業務フローIDと、業務フロー名と、工程ID/工程名と、工程順序と、実施権限保有者とが登録されている。なお、業務フローIDは、業務フローの識別情報である。また、工程ID/工程名は、業務フローに含まれる工程の識別情報および名称を示す情報である。工程順序は、各工程の順序を示す情報である。実施権限保有者は、各工程を実施可能な権限を有するユーザが工程ごとに対応付けられて登録されている。なお、このような業務フロー情報117は、業務フローごとに作成されて保存される。
【0134】
業務フロー情報117は、例えば、所定の設定画面を介して業務フローの作成者から受け付けた入力情報に基づき作業データ管理部124により生成される。
【0135】
図15は、業務フローの一覧が表示された画面例を示した図である。当該表示画面380は、例えば、業務フロー情報117を用いて表示部127により生成および表示される。また、例えば、作業者は、表示されている業務フロー中から自身が行う工程を選択することで、対応する作業のメニュー画面が表示され、上記の実施形態による処理が行われる。
【0136】
具体的には、表示部127は、ユーザ操作に基づき選択された表示画面380の工程IDに対応する実施権限保有者のユーザIDを業務フロー情報117から特定する。また、表示部127は、例えば、表示画面の工程を選択したユーザのアカウント(例えば、ログイン時に入力するユーザIDなど)と、特定した権限保有者のユーザIDとを比較することで、当該ユーザが選択した工程の実施権限保有者か否かを判定する。また、表示部127は、実施権限保有者の操作である場合、選択された工程のメニュー画面を表示し、実施権限保有者ではない場合、権限がないことを通知するエラーメッセージを表示する、といった処理を行う。
【0137】
これにより、データ入力支援装置100は、業務フローに含まれる各工程の作業に対し、実施権限に基づく効果的なセキュリティを設定することができる。
【0138】
また、第2変形例に係るデータ入力支援装置100は、業務フローに含まれる各作業を行った作業者のユーザIDと、作業履歴とを関連付けて、これを保存する。
【0139】
図14(b)は、作業履歴情報118の一例を示している。図示するように、作業履歴情報118には、ユーザIDと、作業履歴とが登録されている。なお、ユーザIDは、作業を実施したユーザの識別情報である。作業履歴は、ユーザが行った作業履歴を示す情報であって、業務フローID、工程IDおよび日付が対応付けられている。なお、業務フローIDおよび工程IDは各々、ユーザが作業した業務フローおよび工程の識別情報である。また、日付は、作業の日付を示す情報である。このような作業履歴情報118は、各作業の所定の区切りの度に(例えば、入力フォームの作成後に保存ボタンを押した場合や、帳票の1つの対象データ114のデータ入力作業を行った後に保存ボタンを押した場合など)作業データ管理部124により作成されて保存される。
【0140】
なお、作業履歴情報118に含まれる情報は、ユーザ情報111に含まれる作業履歴のように、より細かい作業内容を特定するための情報が登録されても良い。
【0141】
このような作業履歴情報118により、業務フローに含まれる各作業の内容および実施したユーザを管理することができる。
【0142】
また、前述の実施形態では、ユーザは、表示領域311に表示された帳票の記入内容を確認しながら入力フォームの空欄の各入力欄316に対してデータの入力作業を行う例を説明したが、第3変形例では、ユーザがデータ入力作業時に入力フォームを選択すると、少なくとも1つ以上の入力欄316に対して帳票の対応するデータがセットされた状態で当該入力フォームが表示される。
【0143】
具体的には、データ入力支援装置100は、例えばOCR(Optical Character Recognition)やAI(Artificial Intelligence)によって解析された、対象データの様式(各記入欄の位置関係など)や各記入欄に記入されている内容を含む対象データごとの解析データを予め記憶部110内に保有している。また、データ入力支援装置100は、ユーザによって表示領域311に表示する帳票の対象データと、表示領域312に表示する入力フォームが選択されると、選択された対象データの解析データを記憶部110から取得し、選択された入力フォームの各入力欄316に対して対応する項目名の記入内容をセットした状態(入力されている状態)で、当該入力フォームを表示領域312に表示する。
【0144】
このようなデータ入力支援装置100によれば、ユーザが帳票の対象データを選択し、所定の入力フォームを選択するだけで、入力フォームの各入力欄316には帳票の対応する項目名のデータがセットされた状態で表示される。この場合、ユーザは、入力欄316にセットされているデータと、表示領域311に表示されている帳票の記入内容と、を照らし合わせて間違いが無いかどうかを確認し、間違いが有ればその箇所を修正するだけで済む。このように、データ入力支援装置100は、ユーザが自身でデータを入力する手間を省くことができ、労力の低減に貢献することができる。
【0145】
また、前述の実施形態では、ユーザは、帳票の対象データを表示領域311に表示させた上で、これを確認しながら入力フォームの各入力欄316にデータを入力したが、本発明はこれに限られず、対象データの画像が無い状態すなわちデータ入力の作業対象となる対象データのデータファイルは存在するものの、当該対象データに帳票の画像が含まれていない場合(表示領域311に帳票が表示されない状態)であっても、ユーザは、入力欄316に対してデータの入力作業を行うことができ、データ入力支援装置100は、入力データを記憶部110に保存する。すなわち、画像が含まれていない対象データが選択された場合でも、データ入力支援装置100は、入力欄316へのデータ入力を受け付けて、これを保存する。これは、例えば、ユーザが紙媒体の帳票や他の装置に表示されている帳票を参照しながらデータ入力を行う場合を想定している。
【0146】
また、前述の実施形態では、帳票のデータ入力を一例として説明したが、本発明はこれに限られず、データ入力支援装置100を含むデータ入力支援システム1000は、何らかの作業の結果をデータ入力して保存する際に、その入力に用いる入力フォームの作成やデータ入力の支援あるいはその出力等において使用することができる。
【0147】
また、前述の実施形態では、表示領域311に帳票の画像を表示させた状態で、表示領域312に表示された入力フォームのレイアウト等を調整し、ユーザ所望の入力フォームを作成したが、本発明はこれに限られず、表示領域311に表示させる帳票の画像が無い場合(表示領域311に帳票が表示されていない状態)であっても、ユーザは、入力項目の幅等のレイアウトを調整し、所望の入力フォームを作成して保存できる。
【0148】
図16は、データ入力支援装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。図示するように、データ入力支援装置100は、処理装置1010と、主記憶装置1020と、補助記憶装置1030と、通信装置1040と、を有し、各構成要素はバス1050により接続されている。
【0149】
処理装置1010はCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置であり、主記憶装置1020または補助記憶装置1030に記憶されているプログラムに従って処理を実行する。データ入力支援装置100では、主記憶装置1020上に読み出されたプログラムに従って動作する処理装置1010により処理が行われる。処理部120は、処理装置1010がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0150】
主記憶装置1020は、RAM(Random Access Memory)またはフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。補助記憶装置1030は、書き込み及び読み出し可能な記憶装置である。記憶部110は、主記憶装置1020または補助記憶装置1030によりその機能が実現される。通信装置1040は、データ入力支援装置100を外部の装置と通信接続するためのインターフェースである。
【0151】
なお、データ入力支援装置100の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、データ入力支援装置100の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0152】
また、上記した実施形態の例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0153】
1000・・・データ入力支援システム、100・・・データ入力支援装置、110・・・記憶部、111・・・ユーザ情報、112・・・テンプレート情報、113・・・入力フォーム情報、114・・・対象データ、115・・・入力データ関連情報、116・・・出力レイアウト情報、117・・・業務フロー情報、118・・・作業履歴情報、120・・・処理部、121・・・入力受付部、122・・・テンプレート作成支援部、123・・・入力フォーム作成支援部、124・・・作業データ管理部、125・・・データ保存部、126・・・ファイル出力支援部、127・・・表示部、130・・・通信部、200・・・端末装置、300・・・テンプレート作成画面、310・・・入力フォーム作成画面、320・・・ガイド設定に関する画面、330・・・データ入力画面、340・・・確認画面、350・・・付箋/マーカ入力画面、360・・・出力レイアウトの作成画面、370・・・出力操作画面、1010・・・処理装置、1020・・・主記憶装置、1030・・・補助記憶装置、1040・・・通信装置、1050・・・バス、N・・・ネットワーク
【要約】
【課題】専門性を要することなく比較的容易にデータの入力フォームを設計でき、より正確な入力作業を支援することができる。
【解決手段】 表示画面を分割し、一方の側に帳票を表示する領域、他方の側に1つ以上の入力項目を表示する領域、を配置した、入力フォームの設定画面を表示する表示部と、前記入力項目ごとにレイアウトまたは属性に関する設定を受け付けて、当該設定に基づき表示された前記帳票に対応する入力フォームを生成する入力フォーム作成支援部と、を備える。
【選択図】
図1