(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q30/0207 378
(21)【出願番号】P 2024091374
(22)【出願日】2024-06-05
【審査請求日】2024-06-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521332187
【氏名又は名称】RYDE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 正哉
(72)【発明者】
【氏名】芝原 悠介
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0078500(US,A1)
【文献】特開2013-109674(JP,A)
【文献】特開2021-077962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、前記ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付け、
提示ステップでは、前記視聴要求に応じて、前記ユーザが視聴可能な広告物を提示し、
寄付ステップでは、前記広告物が提示されたことを契機に、前記価値の少なくとも一部を前記寄付先に寄付
し、
取得ステップでは、前記ユーザに商品若しくは役務を提供した提供者及び/又は前記提供者に関連する関連者に関する情報を取得し、
表示制御ステップでは、前記提供者及び/又は前記関連者を前記寄付先とすることを前記ユーザが把握可能な第1画面を前記ユーザ端末に表示させ、
前記受付ステップでは、前記第1画面に接した前記ユーザの端末操作に基づき、前記視聴要求を受け付ける、情報処理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理システムにおいて、
評価受付ステップでは、前記ユーザによる前記提供者及び/又は前記関連者に対する評価を受け付け、
前記表示制御ステップでは、前記評価が所定の条件を具備することを条件に、前記第1画面を前記ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【請求項3】
請求項
1に記載の情報処理システムにおいて、
前記提供者及び/又は前記関連者は交通機関であり、
前記取得ステップでは、前記ユーザが使用した前記交通機関のチケットに関する情報に基づき、前記提供者及び/又は前記関連者に関する情報を取得する、情報処理システム。
【請求項4】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、前記ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付け、
提示ステップでは、前記視聴要求に応じて、前記ユーザが視聴可能な広告物を提示し、
寄付ステップでは、前記広告物が提示されたことを契機に、前記価値の少なくとも一部を前記寄付先に寄付し、
取得ステップでは、前記ユーザが利用する交通機関に関する情報を取得し、
前記受付ステップにおける前記寄付先は、取得した前記交通機関に関する情報に基づいてサジェストされる、情報処理システム。
【請求項5】
請求項
4に記載の情報処理システムにおいて、
前記取得ステップでは、前記ユーザが購入した交通機関のチケットに基づいて、前記交通機関に関する情報を取得する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項
4に記載の情報処理システムにおいて、
前記取得ステップでは、前記ユーザの位置情報に基づいて、前記交通機関に関する情報を取得する、情報処理システム。
【請求項7】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、前記ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付け、
提示ステップでは、前記視聴要求に応じて、前記ユーザが視聴可能な広告物を提示し、
寄付ステップでは、前記広告物が提示されたことを契機に、前記価値の少なくとも一部を前記寄付先に寄付し、
前記受付ステップでは、前記寄付先とともに、前記寄付先に対する前記価値の寄付割合の指定がなされた上で前記視聴要求を受け付ける、情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項
7のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項
7のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの需要に合わせた広告等の配信システムが開発されてきている。これに関連して、特許文献1には、ユーザが広告を視聴するメリットを明確にし、広告の視聴率を向上させる情報処理装置等が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザにメリットある広告配信技術については、依然として開拓余地が存在する。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザが広告物を視聴しやすい情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付ける。提示ステップでは、視聴要求に応じて、ユーザが視聴可能な広告物を提示する。寄付ステップでは、広告物が提示されたことを契機に、価値の少なくとも一部を寄付先に寄付する。
【0007】
上記態様によれば、ユーザが広告物を視聴しやすい情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
【
図2】ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図6】ユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。
【
図7】ユーザ端末2に表示される画面の一例である。
【
図8】ユーザ端末2に表示される第1画面の一例である。
【
図9】第2形態においてユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。
【
図10】ユーザ端末2に表示される第2画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項(第1形態、第2形態等に関する各種特徴事項)は、技術的に矛盾が生じない限り互いに組み合わせ可能である。
【0010】
すなわち、本実施形態の情報処理システムは以下に示すものである。
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、前記ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付け、
提示ステップでは、前記視聴要求に応じて、前記ユーザが視聴可能な広告物を提示し、
寄付ステップでは、前記広告物が提示されたことを契機に、前記価値の少なくとも一部を前記寄付先に寄付する、情報処理システム。
【0011】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0013】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0016】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1はユーザ端末2と、サーバ3とを備え、これらがネットワーク4を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0017】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、本実施形態におけるユーザが所持する端末である。例えば、ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、
図1においてユーザ端末2はスマートフォン単体(2-1,2-2,・・・2-n)の集合体として記載しているが、本明細書においては端末単体をユーザ端末2と表記することもある。
【0018】
図2は、ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0019】
表示部24は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部24は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0020】
入力部25は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
なお、このユーザ端末2には緯度経度情報を発信する機能が備えられていてもよい。
具体的には、ユーザ端末2には、GPS(Global Positioning System)等の信号を発信することができる機能(測位システム)が備えられていてもよい。
また、ユーザ端末2は、たとえばコードなどを読み出すカメラ機能などや、NFC(Near Field Communication)タグ等の各種タグを読み出し可能なリーダーを有していてもよい。
【0022】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0023】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末2とネットワーク4を介して種々の情報を通信する。
【0024】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0025】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例であるサーバ3は、受付部331と、提示部332と、寄付部333とを備えるものである。なお、
図4にはサーバ3に備えられた機能として、表示制御部334と、取得部335と、選定部336と、決済登録部337と、記憶管理部338と、を備えた態様を示している。
【0028】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部331は、種々の情報を受け付ける。本実施形態においては、受付部331は、受付ステップとして、ユーザの所有するユーザ端末2から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、ユーザ端末2より広告物視聴についての視聴要求を受け付ける。また、一態様において、受付部331は、受付ステップとして、ユーザによる事業者に対する評価を受け付ける。このような観点で、受付部331は、その一部として評価受付ステップを実行可能な「評価受付部」を備えていると称してもよい。なお、本実施形態において寄付先に寄付される「価値」は、典型的には金銭的価値を含む概念である。より典型的な例を示すと、この「価値」は事業者や消費者にとって有益なポイントであってよい。受付部331の実行する処理の具体的な態様については追って説明する。
【0029】
提示部332は、提示ステップを実行可能に構成される。提示ステップにおいて、提示部332は、ユーザに提示可能な視覚情報や聴覚情報を提示する。本実施形態においては、提示部332は、提示ステップとして、前述の視聴要求に応じて、ユーザが視聴可能な広告物を提示する。具体的な態様については追って説明する。
【0030】
寄付部333は、寄付ステップを実行可能に構成される。寄付ステップにおいて、寄付部333は、発生したポイントや、貯蓄されたポイントを所定の寄付先に寄付する。本実施形態においては、寄付部333は、寄付ステップとして、広告物が提示されたことを契機に、価値の少なくとも一部を寄付先に寄付する。具体的な態様については追って説明する。
【0031】
表示制御部334は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部334は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末2等に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。一態様においては、表示制御部334は、表示制御ステップとして、事業者を寄付先とすることをユーザが把握可能な第1画面をユーザ端末2に表示させる。また、別の態様においては、表示制御部334は、表示制御ステップとして、ユーザ端末2に第2画面を表示させる。ここで、第2画面において、寄付先の指定が可能な第1オブジェクトと、視聴要求を行うことが可能な第2オブジェクトとが同画面内に表示される。詳細については、追って説明する。
【0032】
取得部335は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、取得部335は、種々の情報やデータを受け付ける。本実施形態においては、取得部335はユーザに商品若しくは役務を提供した提供者及び/又は提供者に関連する関連者に関する情報を取得する。より典型的な態様として、取得部335は、取得ステップとしてユーザが利用する交通機関に関する情報を取得する。この具体的処理については追って説明することとする。
【0033】
選定部336は、選定ステップを実行可能に構成される。選定ステップにおいて、選定部336は、種々の情報に基づき、ユーザが視認可能な広告物を選定する。この選定に関する処理については後にさらに詳述する。
【0034】
決済登録部337は、決済登録ステップを実行可能に構成される。決済登録ステップにおいて、決済登録部337は、ユーザが各種費用の決済を行ったことを登録する。なお、この登録の内容についてはサーバ3中の記憶部32に記憶するよう、制御部33が制御することができる。
【0035】
記憶管理部338は、記憶管理ステップを実行可能に構成される。記憶管理ステップにおいて、記憶管理部338は、本実施形態の情報処理に関連する、記憶すべき種々の情報について管理するように構成される。典型的には、記憶管理部338は、サーバ3が取り扱った情報等を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種装置や端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも
図1に示したシステム内である必要はなく、記憶管理部338は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0036】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の実行する情報処理方法の各ステップについて、適宜、アクティビティ図を示しながら説明する。なお、本節において、本実施形態の情報処理方法の具体的態様について、第1形態と第2形態とを例示しながら説明するが、重複する部分についての説明は割愛することとする。
【0037】
(第1形態)
図5は、本実施形態の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。本実施形態の情報処理は、典型的には、ユーザ端末2を所有するユーザが、交通機関のチケット(デジタルチケット)を使用するプラットフォームで利用され得る。すなわち、
図5に示すように、本実施形態の情報処理方法においては、まず、決済登録部337が、ユーザが交通機関の乗車券に関する購入決済を行ったことを登録する(アクティビティA101)。
【0038】
この決済登録は、種々の手法によって達成されてよいが、例示的には、ユーザがユーザ端末2によって交通機関の乗車券を取り扱うことが可能なプラットフォームにアクセスし、当該プラットフォームによって所定の乗車券を購入することで達成される。本明細書では、
図6に示すような、ユーザが「特許高原バス」に関する乗車券と、「商標登山鉄道」に関する乗車券とを購入した場合の例を用いて説明を行うこととする。
【0039】
図6は、ユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。
図6の表示画面D1は、前述したプラットフォームにおいて使用可能なチケットを管理する画面である。
図6に示されるように、表示画面D1には、ユーザが使用可能な乗車券の種類が表示されている。なお、表示画面D1では、各々の乗車券の項目に関連付けられて、「チケット表示」と示されたボタンBT1、BT2が表示されている。このボタンBT1、BT2は、いわゆる目検チケット(デジタルチケット)を表示するためのオブジェクトとして機能する。すなわち、このような表示画面D1に接したユーザは、交通機関に乗降する際に、ボタンBT1やボタンBT2をタップ操作等により押下することで、乗降の際に提示するデジタルチケットを表示させることができる(ボタンBT1等を押下することにより、デジタルチケットを表示する画面に遷移する。)。
【0040】
なお、ユーザの購入することのできる乗車券に対応する交通機関は、バスや電車(鉄道)に限られない。すなわち、本実施形態における「交通機関」は、乗車券によって乗降が可能な各種交通機関であってよく、路面電車、地下鉄、飛行機、船、フェリー、遊覧船、水上バス、ケーブルカー、モノレール等であってよい。
【0041】
第1形態においては、ユーザがこのようなチケットを使用した後に、ユーザ端末2に所定の画面を表示する処理が行われる(アクティビティA102)。第1形態においては、後述する第1画面を表示することで、寄付に関する処理を実行する。
【0042】
なお、第1画面を表示するに先立って、次のような画面が表示されてもよい。
図7は、ユーザ端末2に表示される画面の一例である。すなわち、
図7に示される表示画面D2においてはユーザによる所定の交通機関(特許高原バス)に対する評価を入力可能に構成されている。具体的に、表示画面D2に接したユーザは選択ボタンSB1を介した操作により交通機関に対しての評価を特定し、「評価入力完了」と示されたボタンBT3を押下することにより、交通機関に対する評価を入力することができる。なお、ユーザはボタンBT4を押下することにより、このような評価を行うことをスキップすることもできる。
【0043】
このような表示画面D2がユーザ端末2に表示されるタイミングは任意であるが、典型的には、乗車券の有効期間の後である。すなわち、サーバ3はユーザの購入した乗車券の有効期間が過ぎた後に、表示制御部334の機能による上述したような表示画面D2をユーザ端末2に表示させることができる。
【0044】
すなわち、本実施形態は、寄付先となる事業者が交通機関である場合を想定して説明しているが、この場合、サーバ3の取得部335は、ユーザが使用した交通機関のチケットに関する情報に基づき、事業者に関する情報を取得することができる。これによって、表示画面D2として示されるような事業者に関する評価を受け付ける画面や、続く表示画面D3として示されるような事業者に関する第1画面をユーザ端末2に表示することができる。
【0045】
なお、前述の通り、取得部335は、ユーザに商品若しくは役務を提供した提供者及び/又は提供者に関連する関連者に関する情報を取得することができる。第1形態ではユーザに交通サービスを提供した交通機関が提供者の一例として示されているが、この提供者が交通機関でない場合であっても、適宜、寄付先となる候補を取得することができる。典型的には、取得部335は、ユーザの商品や役務の購入履歴等に基づいて、価値の寄付に関連する各種画面をユーザ端末2に表示させることができる。典型的には、ユーザに商品を提供した提供者として小売業者等がユーザ端末2に表示されてもよい。なお、提供者や関連者については、多くの場合において事業を展開する者であるので、これらを「事業者」と称してもよい。さらに、前述した「関連者」の提供者に対する関連性は適宜設定することができるが、関連者が提供者に対して資本関係を有している関係や、関連者が提供者の事業を統括している関係、関連者が提供者とともに事業を展開している関係、関連者が提供者に所定の業務等を委託する関係等が例示される。もっとも、「関連者」の提供者に対する関連性はこれらには制限されず、提供者と関連者との間に一定の関連性があるとユーザが認識できるに足りる関連性が存在すればよい。
【0046】
第1画面の説明に話を戻す。表示画面D2に対する操作として、ユーザによる評価の入力が行われると、
図8に示す画面に遷移する。
図8は、ユーザ端末2に表示される第1画面の一例である。すなわち、このような態様においては、表示制御部334は、提供者及び/又は提供者を寄付先とすることをユーザが把握可能な第1画面をユーザ端末に表示させている。具体的に、
図8に示される表示画面D3では、ユーザが広告を視聴した際に付与される価値の寄付先(特許高原バス)が、ユーザに把握可能な態様で表示されている。また、表示画面D3においては広告物の視聴可否を操作可能に構成されている。すなわち、表示画面D3には表示オブジェクトOBJ1として広告物を表示する領域が設けられており、当該表示オブジェクトOBJ1内に設けられたボタンBT5を押下することにより、広告物を表示されるように構成されている。なお、ユーザはボタンBT6を押下することにより、このような広告視聴をスキップすることもできる。
【0047】
すなわち、表示画面D3に接したユーザがボタンBT5を押下することによって、広告物の視聴要求がなされ、ユーザ端末2に広告物が提示(表示)されることとなる(アクティビティA103~A104)。すなわち、このボタンBT5は、視聴要求を実行させ得るオブジェクトとして機能するといえる。ユーザに提示される広告物は、例えば第1画面内に表示されるが、一方で、第1画面とは異なる画面に遷移するよう表示制御がなされてもよい。
【0048】
なお、この表示画面D3については以下のように構成されてもよい。すなわち、サーバ3の受付部331は、の評価受付ステップとしてユーザによる提供者及び/又は関連者に対する評価を受け付けてもよい。また、サーバ3の表示制御部334は、評価が所定の条件を具備することを条件に、第1画面をユーザ端末2に表示させてもよい。
【0049】
すなわち、前述の例においては、表示画面D2への操作を介して、事業者(特許高原バス)への評価を受け付けているが、この評価が所定の条件を具備すること(典型的には評価が高いこと)を条件として、表示画面D3を表示するように構成されてよい。ユーザの事業者への評価が高い場合は、事業者等への寄付をしようとするモチベーションが高い傾向があることから、広告視聴の可否をユーザに選択させることが有益であると考えられる。
【0050】
なお、本第1形態では「特許高原バス」といった、所定の組織が寄付先として示されているが、寄付先は組織に限られず、自然人であってよい。典型的には、アイドルや俳優、作家、スポーツ選手等を寄付先として設定してよい(自然人単体に限られず、グループ(集合体)等であってもよい)。その他、寄付先は、交通機関以外の組織(種々の株式会社や、自治体等)等であってよい。なお、本実施形態における「寄付先」は、典型的には、この寄付先に対応する口座等が紐づけられているものである。
【0051】
また、このようにして、ユーザ端末2に広告物が提示されると、寄付部333は、広告物が提示されたことを契機に、価値(ポイント)の少なくとも一部を寄付先に寄付する(アクティビティA105)。すなわち、前述の第1画面の操作等に応じて、円滑に、広告物視聴による価値の移送(寄付)が進行することとなる。
【0052】
なお、ユーザ端末2に表示される広告物は任意のものであってよい。その一方で、サーバ3の選定部336が種々の情報に基づき、ユーザに表示させる広告物を選定するように構成されてもよい。例えば、選定部336は、ユーザが利用する交通機関やチケットの内容に応じた広告物を選定するように構成されてよい。すなわち、交通機関やチケットの内容から、ユーザの活動する地域が特定されることになるので、このユーザの活動する地域に親和性のある広告物を選定するように構成されてよい。また、選定部336は、ユーザの属性に応じた広告物を選定するように構成されてもよい。このユーザの属性は種々のものであってよいが、典型的には、ユーザの属性は、ユーザの、住所、年齢、性別、職業、資金力、家族構成、国籍、使用言語、過去の情報閲覧履歴、過去の商品購入履歴、過去の移動履歴、使用端末種およびIPアドレスからなる群から選択される1以上に関する情報を含むものであってよい。これらは、ユーザがユーザ端末2を用いて各種操作を行うことにより取得・記憶し得るものである。典型的には、ユーザが前述のプラットフォームを利用するにあたり、サーバ3がユーザに対してこれらの属性の入力を要求するように構成されてもよい。その他、前述のプラットフォーム内でのサービスの提供状況に応じて、サーバ3がユーザの属性を類推するように構成されてよい。例えば、「家族構成」は、購入するチケットの枚数等から類推されるものであってもよい。また、国籍や使用言語をユーザの属性として受け付けることについて、実際に関連する情報をユーザに入力させて実現されてもよいし、サーバ3が、ユーザ端末2における使用言語を取得することで実現されてもよい。また、過去の情報閲覧履歴、過去の商品購入履歴、過去の移動履歴をユーザの属性として受け付けることについて、実際にこれらに関連する情報をユーザに入力させて実現されてもよいし、サーバ3が、ユーザ端末2の情報処理の履歴(典型的には記憶部22に記憶されている情報処理の履歴)を取得することで実現されてもよい。なお、「移動履歴」は、ユーザ端末2に備えられるGPS等の測位システムによって管理される位置情報の変化に基づく履歴や、過去にユーザ端末2によって購入された交通チケットに関する購入履歴に基づく履歴であってよい。また、使用端末種や、IPアドレスをユーザの属性情報として受け付けることについて、実際にこれらに関連する情報をユーザに入力させて実現されてもよいし、サーバ3が、ユーザ端末2の利用環境を取得することで実現されてもよい。
【0053】
(第2形態)
続いて、本実施形態の情報処理の第2形態について説明することとする。第2形態においては前述のアクティビティA102において、第1画面とは異なる第2画面が示されるものである。
【0054】
なお、このような第2画面は、例えば前述のチケット一覧画面から遷移可能な画面である。
図9は、第2形態においてユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。
【0055】
図9における表示画面D4には、ユーザが広告物を視聴するための画面に遷移するボタンBT7が設けられている。このボタンBT7をタップ操作等により押下することにより、所定の画面(第2画面ともいう)が表示されることとなる。
【0056】
図10は、ユーザ端末2に表示される第2画面の一例である。すなわち、前述のボタンBT7が押下されることを契機に、サーバ3の表示制御部334は、ユーザ端末2に第2画面(表示画面D5)を表示させる。ここで、第2画面(表示画面D5)において、寄付先の指定が可能な第1オブジェクトと、視聴要求を行うことが可能な第2オブジェクトとが同画面内に表示される。すなわち、第2形態においては、受付ステップは、ユーザ端末2による、第1オブジェクトと第2オブジェク?に対する操作に応じて実行される態様が示される。
【0057】
具体的に、表示画面D5においては、広告物を視聴することによって得られるポイントが表示されるとともに、ポイントの使い途についても設定することができるように構成されている。すなわち、表示画面D5では、チェックボックスCB1~CB3に基づいて、価値(ポイント)をユーザ自身チャージするか、広告物を視聴することで得られるポイントを全部寄付するか、広告物を視聴することで得られるポイントの一部を寄付する(残部がある場合、典型的には自身にチャージする)か、を決定するように構成されている。
【0058】
なお、表示画面D5では、チェックボックスCB2やCB3を選択した場合に、価値(ポイント)を寄付する寄付先も指定可能となるように構成されている。つまり、
図7の例では、寄付先として「特許高原バス」や「商標登山鉄道」のタグが示され、これを選択することで、選んだ組織や人に価値(ポイント)を寄付することが可能となるように構成されている。なお、「その他候補」を選択した場合は、別途、寄付先を選択する画面が表示され、ユーザはその中から、任意の寄付先を指定することができる。換言すれば、このようなチェックボックスやタグが、前述のような寄付先の指定が可能な第1オブジェクトとして機能し得る。
【0059】
なお、
図10では「特許高原バス」や「商標登山鉄道」といった、所定の組織が寄付先として示されているが、寄付先は組織に限られず、自然人等であってよいのは前述した第1形態と同様である。また、第2形態においても、第1形態として示した提供者や関連者を寄付先として設定することができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、前述の通り、交通チケットを管理するプラットフォーム内での広告物視聴が想定されていることから、寄付先として、所定の交通機関又は所定の交通機関に属する者が指定可能に構成されることが好ましい。なお、「交通機関に属する者」としては、例えば、交通機関の運転士等が挙げられる。すなわち、本実施形態におけるユーザは、各種交通機関に対して愛着を有していることが多いことから、このように交通機関等に寄付可能に構成されていることが好ましい。
【0061】
なお、
図10の表示画面D5では各種交通機関を示すタグが示されている。このタグは、ユーザに対して寄付先をサジェストするものであるが、このタグは例えば、以下に基づいて表示画面D5内に表示されてよい。すなわち、一例においては、取得部335が、ユーザが利用する交通機関に関する情報を取得し、寄付先は、この取得した交通機関に関する情報に基づいてサジェストされてよい。この取得部335が取得する交通機関に関する情報は、ユーザの交通機関の利用履歴等であってもよいが、典型的な例では、取得部335は、ユーザが購入した交通機関のチケットに基づいて、交通機関に関する情報を取得する。すなわち、アクティビティA101等に基づいて、ユーザの交通機関のチケットの購入が管理されることになるので、この購入したチケットの内容に基づいて、交通機関に関する情報を取得し、表示画面D5に寄付先としてサジェストされてよい。前述の通り、本明細書ではユーザが「特許高原バス」に関する乗車券と、「商標登山鉄道」に関する乗車券とを購入した場合の例に基づいて説明しているので、
図10では、これらの運営主体が寄付先としてサジェストされている。
【0062】
一方、取得部335は、ユーザの位置情報に基づいて、交通機関に関する情報を取得してもよい。前述のようにユーザ端末2はGPS等の測位システムを備えている場合は、取得部335はこの測位システムに基づいて特定される位置情報から、当該位置情報に関連する交通機関を特定・取得し得る。このようにして特定・取得した情報に基づいて、表示制御部334が表示画面D5内に、寄付先の候補としてサジェストされるように構成されてよい。典型的な例では、ユーザ端末2が「特許高原バス」の運行地域に存在することを契機に、「特許高原バス」を寄付先の候補としてサジェストするように構成されてよい。
【0063】
また、受付部331は、寄付先とともに、寄付先に対するポイントの寄付割合の指定がなされた上で視聴要求を受け付けるように構成されてよい。すなわち、
図10の表示画面D5では、チェックボックスCB3がチェックされた場合に、寄付先とともに、当該寄付先への寄付割合をフォームF1から入力することができるように構成されている。例えば、「特許高原バス」のタグを選択し、対応するフォームF1に「20(%)」、これに加え、「商標登山鉄道」のタグを選択し、対応するフォームF1に「40(%)」と入力した場合、広告物視聴によって得られるポイントの20%(全体が「50ポイント」である場合の10ポイント)が「特許高原バス」に、40%(全体が「50ポイント」である場合の20ポイント)が「商標登山鉄道」に寄付されることとなる。なお、残部である20ポイントは、典型的にはユーザ自身にチャージされてよい。なお、このような寄付割合の指定を行う工夫は、前述の第1画面に対して施されてもよい。
【0064】
上述のような各種チェックボックス等によって指定を行った上で、ボタンBT8を押下することによって、広告物の視聴要求がなされ、ユーザ端末2に広告物が提示(表示)されることとなる。すなわち、このボタンBT8は、視聴要求を実行させ得る第2オブジェクトであるといえる。この広告物は、例えば第2画面とは異なる画面で表示されるが、その場合は、当該異なる画面に遷移するよう表示制御がなされる。なお、広告物は第2画面(表示画面D5)内に表示されるように構成されてもよい。なお、表示画面D5に示されるボタンBT9は、広告物を表示することなく、前の画面に戻るために設置されたオブジェクトである。
【0065】
以上、本実施形態の情報処理方法では、各ステップを適切に組み合わせていることから、ユーザが広告物を視聴しやすいといえる。
【0066】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0067】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム1の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0068】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶や制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、情報処理に関する種々の情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0069】
以上の実施形態では、ユーザが寄付する価値な典型的な例として金銭的価値(ポイント)を示したが、この寄付する内容(価値)は、寄付先にとって有益なものの中から適宜設定することができる。すなわち、金銭的価値に該当しない所定の物品等を寄付する価値として設定することもできる。また、ユーザが寄付する価値は、特許第716904号に記載される各種特典であってよい。ここでは簡略化のため全ての態様を記載しないが、本実施形態の特典は、上述した特許公報に開示される内容をすべて包含し得る。
【0070】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0071】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、前記ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付け、提示ステップでは、前記視聴要求に応じて、前記ユーザが視聴可能な広告物を提示し、寄付ステップでは、前記広告物が提示されたことを契機に、前記価値の少なくとも一部を前記寄付先に寄付する、情報処理システム。
【0072】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、取得ステップでは、前記ユーザに商品若しくは役務を提供した提供者及び/又は前記提供者に関連する関連者に関する情報を取得し、表示制御ステップでは、前記提供者及び/又は前記関連者を前記寄付先とすることを前記ユーザが把握可能な第1画面を前記ユーザ端末に表示させ、前記受付ステップでは、前記第1画面に接した前記ユーザの端末操作に基づき、前記視聴要求を受け付ける、情報処理システム。
【0073】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、評価受付ステップでは、前記ユーザによる前記提供者及び/又は前記関連者に対する評価を受け付け、前記表示制御ステップでは、前記評価が所定の条件を具備することを条件に、前記第1画面を前記ユーザ端末に表示させる、情報処理システム。
【0074】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記提供者及び/又は前記関連者は交通機関であり、前記取得ステップでは、前記ユーザが使用した前記交通機関のチケットに関する情報に基づき、前記提供者及び/又は前記関連者に関する情報を取得する、情報処理システム。
【0075】
(5)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、表示制御ステップでは、前記ユーザ端末に第2画面を表示させ、ここで、前記第2画面において、前記寄付先の指定が可能な第1オブジェクトと、前記視聴要求を行うことが可能な第2オブジェクトとが同画面内に表示され、前記受付ステップは、前記ユーザ端末による、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトに対する操作に応じて実行される、情報処理システム。
【0076】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記第2画面において、所定の交通機関又は所定の交通機関に属する者が、前記寄付先として指定可能に構成される、情報処理システム。
【0077】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、取得ステップでは、前記ユーザが利用する交通機関に関する情報を取得し、前記受付ステップにおける前記寄付先は、取得した前記交通機関に関する情報に基づいてサジェストされる、情報処理システム。
【0078】
(8)上記(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記取得ステップでは、前記ユーザが購入した交通機関のチケットに基づいて、前記交通機関に関する情報を取得する、情報処理システム。
【0079】
(9)上記(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記取得ステップでは、前記ユーザの位置情報に基づいて、前記交通機関に関する情報を取得する、情報処理システム。
【0080】
(10)上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、前記寄付先とともに、前記寄付先に対する前記価値の寄付割合の指定がなされた上で前記視聴要求を受け付ける、情報処理システム。
【0081】
(11)情報処理システムが実行する情報処理方法であって、上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0082】
(12)プログラムであって、コンピュータに上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0083】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0084】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
3 :サーバ
4 :ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :提示部
333 :寄付部
334 :表示制御部
335 :取得部
336 :選定部
337 :決済登録部
338 :記憶管理部
BT1~BT9 :ボタン
CB1~CB3 :チェックボックス
D1~D5 :表示画面
F1 :フォーム
SB1 :選択ボタン
OBJ1 :表示オブジェクト
【要約】
【課題】ユーザが広告物を視聴しやすい情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、ユーザの所有するユーザ端末から広告物を視聴することで得られる価値の寄付先の指定がなされた上で、ユーザ端末より広告物視聴についての視聴要求を受け付ける。提示ステップでは、視聴要求に応じて、ユーザが視聴可能な広告物を提示する。寄付ステップでは、広告物が提示されたことを契機に、価値の少なくとも一部を寄付先に寄付する。
【選択図】
図1