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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】二次電池、その製造方法及び電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/105 20210101AFI20240826BHJP
   H01M 50/126 20210101ALI20240826BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240826BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20240826BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20240826BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240826BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240826BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240826BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240826BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/126
H01M50/119
H01M50/121
H01M50/131
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6554
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023537373
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 KR2022012539
(87)【国際公開番号】W WO2023027464
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111973
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104340
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ク・スン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】サン・スン・オー
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ・ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】キュン・ウン・スン
(72)【発明者】
【氏名】キュ・テ・パク
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-108612(JP,A)
【文献】特開2006-286214(JP,A)
【文献】特開2002-260602(JP,A)
【文献】特開2001-250515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/20-50/298
H01M 10/613
H01M 10/647
H01M 10/6554
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体を収容するパウチと、を含み、
前記パウチは、
前記電極組立体の厚さ方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第1カバー、及び前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第2カバーを含み、
前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面は、第1封止部により封止され、
前記第1カバーと前記第2カバーの同一の方向に向かう端部面は、第2封止部により封止され、
2つの第2カバーは、前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着するように設けられる、二次電池。
【請求項2】
前記第1封止部は、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面がシーリングしながら形成され、
前記第1封止部は、折り曲げられながら前記第1カバーの表面に密着している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1封止部を前記第1カバーの表面に接着させる接着層がさらに含まれる、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第2封止部は、2つの第1カバー端部面がシーリングしながら形成され、2つの第2カバー端部面は、2つの第1カバー端部面の間に挿入されながら第1カバー端部面とともにシーリングされる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1カバーは、内側から外側に保護層、第1金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、
前記第2カバーは、内側から外側に保護層、第2金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、
前記第2金属層は、前記第1金属層よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1金属層は、銅(Cu)で設けられ、
前記第2金属層は、アルミニウム(Al)で設けられる、請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
電極組立体の厚さ方向にある両側面をカバーする2つの第1カバーをそれぞれ配置し、電極組立体の全幅方向にある両側面をカバーする2つの第2カバーをそれぞれ配置する配置段階と、
前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面を封止する第1封止部を形成して半組立パウチを製造する1次製造段階と、
前記半組立パウチの内部に電極組立体を収容する収容段階と、
前記半組立パウチに備えられた第1カバーと第2カバーの同一の方向に向かう端部面を封止する第2封止部を形成して組立パウチを製造する2次製造段階と、を含み、
前記収容段階において、半組立パウチに電極組立体を収容すると、2つの第2カバーは、前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着される、二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記1次製造段階において、第1封止部は、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面を密着させた状態でシーリングすることにより形成される、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記2次製造段階において、第2封止部は、2つの第2カバー端部面を折って2つの第1カバー端部面の間に挿入した後、2つの第1カバー端部面を熱融着して2つの第2カバー端部面とともにシーリングすることにより形成される、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記2次製造段階の後、第1封止部を折り曲げて前記第1カバーの表面に密着させる折り曲げ段階をさらに含む、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記折り曲げ段階は、接着層を介して前記第1封止部を第1カバーの表面に接着させる工程をさらに含む、請求項10に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記配置段階において、前記第1カバーは、内側から外側に保護層、第1金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、前記第2カバーは、内側から外側に保護層、第2金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、
前記第2金属層は、前記第1金属層よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられる、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載の二次電池が複数で設けられている電池モジュールを含み、
複数の前記二次電池は、パウチの第1カバーが互いに対向するように配列された電池モジュールとして設けられている電池パック。
【請求項14】
前記電池モジュールを冷却する冷却部材を含み、
前記冷却部材は、パウチの第2カバーに密着するように設けられている、請求項13に記載の電池パック。
【請求項15】
複数の二次電池の間には、放熱パッドがさらに備えられている、請求項13に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月24日に出願された韓国特許出願第10-2021-0111973号、及び2022年8月19日に出願された韓国特許出願第10-2022-0104340号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池、その製造方法及び電池パックであって、特に冷気伝達の効率性が改善した新しい構造のパウチを含む二次電池、その製造方法及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいい、このような二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダー、及び電気自動車などに広く使用されている。
【0004】
前記二次電池は、電極組立体を金属缶に内蔵する円筒型二次電池と、電極組立体をパウチに内蔵するパウチ型二次電池に分類される。
【0005】
前記円筒型二次電池は、電極と分離膜がゼリーロール状に巻き取られた構造を有する電極組立体、電極組立体を収容する缶、缶の開口部に実装されるキャップ組立体を含む。
【0006】
前記パウチ型二次電池は、電極と分離膜が交互に配置される電極組立体と、電極組立体を収容するパウチを含み、前記パウチは、モノセルを収容する収容部と、収容部を封止するシーリング部を含む。
【0007】
前記電極は、正極と負極を含む。
【0008】
一方、前記パウチ型二次電池は、電極と分離膜が交互に配置される電極組立体が配置されるので、多様な形態に製造することができ、大きさ及び容量の変更が容易であり、空間を効率的に活用することができるので、エネルギー密度の向上に有利である。
【0009】
そして、前記パウチは、シーリング力を高めるために、シーリング部の端部を二回折った状態でシーリングするDSF部(Double side folding)が設けられている。
【0010】
一方、前記のような構造を有するパウチ型二次電池を備える電池パックを含み、電池パックは、複数のパウチ型二次電池を厚さ方向に配置して設けられる電池モジュール、前記電池モジュールの側部に備えられながら複数のパウチ型二次電池を冷却する冷却部材を含む。
【0011】
しかし、前記電池パックは、パウチのシーリング部がDSF部で設けられているので、冷却部材の冷気がパウチの収容部まで効果的に伝達されないという問題があった。すなわち、冷却部材とパウチの収容部との間にDSF部が位置することにより、冷却部材と収容部が密着できず、これにより、冷却部材の冷気が収容部に直接伝達できないことから、冷気伝達の効率性を高めることに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は、新しい構造のパウチを具現することにより、工程の単純化を高めることができ、特に、冷却部材とパウチの収容部を密着させることができ、これにより、冷却部材の冷気がパウチの収容部に直接伝達されて冷気伝達の効率性を高めることができる二次電池、その製造方法及び電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するための本発明の二次電池は、電極組立体;及び前記電極組立体を収容するパウチを含み、前記パウチは、前記電極組立体の厚さ方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第1カバー、及び前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第2カバーを含み、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面は、第1封止部により封止され、前記第1カバーと前記第2カバーの同一の方向に向かう端部面は、第2封止部により封止され、2つの第2カバーは、前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着するように設けられてよい。
【0014】
前記第1封止部は、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面がシーリングしながら形成され、前記第1封止部は、折り曲げられながら前記第1カバーの表面に密着してよい。
【0015】
前記第1封止部を前記第1カバーの表面に接着させる接着層がさらに含まれてよい。
【0016】
前記第2封止部は、2つの第1カバー端部面がシーリングしながら形成され、2つの第2カバー端部面は、2つの第1カバー端部面の間に挿入されながら第1カバー端部面とともにシーリングされてよい。
【0017】
前記第1カバーは、内側から外側に保護層、第1金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、前記第2カバーは、内側から外側に保護層、第2金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、前記第2金属層は、前記第1金属層よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられてよい。
【0018】
前記第1金属層は、銅(Cu)で設けられ、前記第2金属層は、アルミニウム(Al)で設けられてよい。
【0019】
本発明の二次電池の製造方法は、電極組立体の厚さ方向にある両側面をカバーする2つの第1カバーをそれぞれ配置し、電極組立体の全幅方向にある両側面をカバーする2つの第2カバーをそれぞれ配置する配置段階;前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面を封止する第1封止部を形成して半組立パウチを製造する1次製造段階;前記半組立パウチの内部に電極組立体を収容する収容段階;及び前記半組立パウチに備えられた第1カバーと第2カバーの同一の方向に向かう端部面を封止する第2封止部を形成して組立パウチを製造する2次製造段階を含み、前記収容段階において、半組立パウチに電極組立体を収容すると、2つの第2カバーは、前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着するように設けられてよい。
【0020】
前記1次製造段階において、第1封止部は、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面を密着させた状態でシーリングすることにより形成されてよい。
【0021】
前記2次製造段階において、第2封止部は、2つの第2カバー端部面を折って2つの第1カバー端部面の間に挿入した後、2つの第1カバー端部面を熱融着して2つの第2カバー端部面とともにシーリングするにより形成されてよい。
【0022】
前記2次製造段階の後、第1封止部を折り曲げて前記第1カバーの表面に密着させる折り曲げ段階をさらに含んでよい。
【0023】
前記折り曲げ段階は、接着層を介して前記第1封止部を第1カバーの表面に接着させる工程をさらに含んでよい。
【0024】
前記配置段階において、前記第1カバーは、内側から外側に保護層、第1金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、前記第2カバーは、内側から外側に保護層、第2金属層、及び絶縁層が順次配置される構造を有し、前記第2金属層は、前記第1金属層よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられてよい。
【0025】
一方、本発明の電池パックは、二次電池が複数で設けられている電池モジュールを含み、複数の前記二次電池は、パウチの第1カバーが互いに対向するように配列された電池モジュールとして設けられてよい。
【0026】
前記電池モジュールを冷却する冷却部材を含み、前記冷却部材は、パウチの第2カバーに密着するように設けられてよい。
【0027】
複数の二次電池の間には、放熱パッドがさらに備えられてよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の二次電池は、2つの第1カバーと第2カバーで設けられたパウチを含み、前記第1カバーと前記第2カバーの互いに向き合う角面は、第1封止部により封止され、前記第1カバーと前記第2カバーの同一の方向に向かう端部面は、第2封止部により封止されることを特徴とする。このような特徴により、新しい構造のパウチを製作することができる。特に、封止部をパウチの角に形成させることにより、冷却部材とパウチの第2カバーを面密着させることができ、その結果、冷却効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態による二次電池を示す斜視図。
図2】本発明の第1実施形態による二次電池のパウチを示す分解斜視図。
図3】本発明の第1実施形態による二次電池を示す断面図。
図4図3に示されたA部分の拡大図。
図5】本発明の第1実施形態による二次電池の正面図。
図6】本発明の第1カバーに対する積層構造を示す断面図。
図7】本発明の第2カバーに対する積層構造を示す断面図。
図8】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法を示すフロー図。
図9】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の配置段階を示す斜視図。
図10】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の1次製造段階を示す斜視図。
図11】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の収容段階を示す正面図。
図12】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の2次製造段階を示す斜視図。
図13】本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法の折り曲げ段階を示す斜視図。
図14】本発明の第2実施形態による電池パックを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を介して類似の構成要素に対しては類似の参照符号を付ける。
【0031】
[本発明の第1実施形態による二次電池]
本発明の第1実施形態による二次電池100は、図1に示されているように、電極組立体110と前記電極組立体110を収容するパウチ120を含む。
【0032】
電極組立体
電極組立体110は、電極と分離膜が交互に配置して形成される。そして、電極組立体110は、電極に備えられる電極タップと、前記電極タップに結合される電極リード111と、電極リード111に備えられるリードフィルム112を含む。
【0033】
パウチ
パウチ120は、図2図5に示されているように、電極組立体110が封止されるように収容するためのものであって、前記電極組立体110の厚さ方向にある両側面(図1からみて電極組立体の上面と下面)にそれぞれ備えられる2つの第1カバー121、及び前記電極組立体110の全幅方向にある両側面(図1からみて電極組立体の左側面と右側面)にそれぞれ備えられる2つの第2カバー122を含む。
【0034】
前記第1カバー121は、図1からみて前記電極組立体110の上下方向にある両側面にそれぞれ水平に配置される。そして、前記第1カバー121は、図2からみて電極組立体110の全幅方向に向かう両側部に第1角面121aが形成され、図2からみて電極組立体110の全長方向に向かう両端部に第1端部面121bが形成される。
【0035】
前記第2カバー122は、図1からみて前記電極組立体110の左右方向にある両側面にそれぞれ垂直に配置される。そして、前記第2カバー122は、図2からみて電極組立体110の上下方向に向かう両側部に第2角面122aが形成され、図2からみて電極組立体110の全長方向に向かう両端部に第2端部面122bが形成される。
【0036】
ここで、前記第1カバー121と前記第2カバー122の互いに向き合う角面は、シーリングの容易性のために同一の長さを有する。
【0037】
一方、図6及び図7に示されているように、第1カバー121は、樹脂層1211、第1金属層1212、及び絶縁層1213がパウチの内側から外側に積層される構造で設けられる。そして、第2カバー122は、樹脂層1221、第2金属層1222、及び絶縁層1223がパウチの内側から外側に積層される構造で設けられる。特に、第1カバー121と第2カバー122は、図2に示されたように、長方形のフィルム形態を有する。
【0038】
ここで、第1カバーの樹脂層と第2カバーの樹脂層は、同一の素材で設けられ、第1カバーの絶縁層と第2カバーの絶縁層は、同一の素材で設けられる。ただし、第1カバーの第1金属層と第2カバーの金属層は、互いに異なる素材で設けられる。
【0039】
一方、2つの第1カバーは、同一の大きさを有する。もちろん、電極組立体の積層構造に応じて互いに異なる大きさを有してもよい。2つの第2カバーは、同一の大きさを有する。もちろん、電極組立体の積層構造に応じて互いに異なる大きさを有してもよい。
【0040】
一方、第1カバーは、2つ以上のパウチフィルムで設けられてよい。すなわち、第1カバーは、電極組立体の面積に応じて2つ以上のパウチフィルムを連結して製造されてよい。
【0041】
一方、第2カバーは、2つ以上のパウチフィルムで設けられてよい。すなわち、第2カバーは、電極組立体の厚さに応じて2つ以上のパウチフィルムを連結して製造されてよい。
【0042】
ここで、前記第1カバー121と前記第2カバー122は、電極組立体110が封止されるように収容するための封止構造を有する。すなわち、前記第1カバー121と前記第2カバー122の互いに向き合う角面は、第1封止部123により封止されながらパウチ120の縁面を封止し、前記第1カバー121と前記第2カバー122の同一の方向に向かう端部面は、第2封止部124により封止されながら電極組立体110の前後面を封止する。
【0043】
すなわち、第1封止部123は、互いに向き合う第1カバー121の第1角と第2カバー122の第2角を密着させた状態でシーリングすることにより形成される。ここで、第1シーリング部には、絶縁性を高めるための絶縁物質がコーティングされてもよい。
【0044】
前記第2封止部124は、2つの第1端部面121bがシーリングしながら形成され、2つの第2カバー122に形成された第2端部面122bは、2つの第1カバー121に形成された第1端部面121bの間に挿入されながら第1カバー121の端部面とともにシーリングすることにより形成される。すなわち、第2封止部124は、2つの第1端部面121bと2つの第2端部面122bがともにシーリングしながら形成される。
【0045】
言い換えれば、第1封止部123と第2封止部124により2つの第1カバー121と2つの第2カバー122がシーリングしながら電極組立体の収容空間を有するパウチ120を製造することができる。
【0046】
ここで、2つの第2カバー122は、前記電極組立体の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着するように設けられてよい。これにより、電極組立体から発生する熱を直接第2カバーが迅速に外部に放出させることができ、その結果、電極組立体の温度上昇を大幅に抑制することができる。
【0047】
一方、前記第2カバーの第2金属層1222は、前記第1カバーの第1金属層1212よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられてよい。例えば、第1金属層は、銅(Cu)で設けられ、第2金属層は、銅(Cu)よりも熱伝導性の高いアルミニウム(Al)で設けられる。すなわち、本出願は、第2カバーの第2金属層を第1カバーの第1金属層よりも熱伝導性の高い金属で適用できることに特徴を有し、このような特徴により、電極組立体から発生する熱が第2カバーに伝達されながら迅速に外部に放出することができる。
【0048】
一方、パウチ120の第1封止部123は、図4を参照すれば、第1カバー121方向に折り曲げられながら前記第1カバー121の表面に密着されることから、電極組立体110の体積を減らすことができ、第2カバー122の外部露出面積をより大幅に確保することができる。これは、冷却部材を第2カバー122の表面に密着させることができるので、密着面積を大幅に確保することができ、これにより、冷却部材の冷気をパウチ120の表面に直接伝達することができるので、冷気伝達の効率性を高めることができる。
【0049】
一方、パウチ120は、接着層125をさらに含み、前記接着層125は、前記第1封止部123と前記第1カバー121の間に設けられ、前記第1封止部123を前記第1カバー121の表面に接着する。これにより、前記第1封止部123を第1カバー121の表面に分離されないように付着させることができる。
【0050】
このような構成を有するパウチ120は、2つの第1カバー121と2つの第2カバー122からなることで別途のフォーミング工程を実施する必要がなく、それにより新しい構造のパウチ120を具現することができる。特に、工程の単純化を高めることができ、その結果、作業性と効率性を高めることができる。さらに、パウチ120は、パウチの側部である第2カバー122の外部露出面積を増大させることができるので、冷却部材との密着力を高めることができ、その結果、冷気伝達の効率性を高めることができる。
【0051】
したがって、本発明の第1実施形態による二次電池100は、第1カバー、第2カバー、第1封止部、及び第2封止部を含む新しい構造のパウチ120を製作することができることから、工程の単純化を高めることができ、特に、冷却装置との密着力を高めて、冷気伝達の効率性を高めることができる。
【0052】
以下、本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法を説明する。
【0053】
[本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法]
本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法は、図8に示されているように、配置段階、1次製造段階、収容段階、2次製造段階、及び折り曲げ段階を含む。
配置段階
【0054】
配置段階は、図9に示されているように、電極組立体110の厚さ方向にある両側面をカバーする2つの第1カバー121をそれぞれ配置する。次に、電極組立体110の全幅方向にある両側面をカバーする2つの第2カバー122をそれぞれ配置する。
【0055】
ここで、前記第1カバー121は、図2からみて電極組立体110の全幅方向に向かう両側部に第1角面121aが形成され、図2からみて電極組立体110の全長方向に向かう両端部に第1端部面121bが形成される。前記第2カバー122は、図2からみて電極組立体110の上下方向に向かう両側部に第2角面122aが形成され、図2からみて電極組立体110の全長方向に向かう両端部に第2端部面122bが形成される。
【0056】
一方、前記第1カバー121と前記第2カバー122の互いに向き合う角面は、同一の長さを有する。
【0057】
一方、図6及び図7を参照すれば、第1カバー121は、樹脂層1211、第1金属層1212、及び絶縁層1213がパウチの内側から外側に積層される構造で設けられる。そして、第2カバー122は、樹脂層1221、第2金属層1222、及び絶縁層1223がパウチの内側から外側に積層される構造で設けられる。
【0058】
一方、前記第2カバーの第2金属層1222は、前記第1カバーの第1金属層1212よりも熱伝導性の高い金属素材で設けられてよい。例えば、第1金属層は、銅(Cu)で設けられ、第2金属層は、銅(Cu)よりも熱伝導性の高いアルミニウム(Al)で設けられる。
【0059】
1次製造段階
1次製造段階は、図10に示されているように、前記第1カバー121と前記第2カバー122の互いに向き合う角面を封止する第1封止部123を形成して半組立パウチ120Aを製造する。ここで、第1封止部123は、前記第1カバー121と前記第2カバー122の互いに向き合う角面を密着させた状態でシーリングすることにより形成される。それにより、四角枠状の半組立パウチ120Aを製造することができる。
【0060】
収容段階
収容段階は、図11に示されているように、前記半組立パウチ120Aの内部に電極組立体110を収容する。
【0061】
この際、半組立パウチ120Aに電極組立体110を収容すると、2つの第2カバー122は、前記電極組立体110の全幅方向にある両側面にそれぞれ密着する。これにより、第2カバーと電極組立体の密着により電極組立体に発生する熱を第2カバーが迅速に吸収して外部に放出することができ、その結果、電極組立体の温度上昇を大幅に抑制することができる。
【0062】
特に、第2カバーに含まれた第2金属層は、アルミニウムで設けられることにより熱伝導性を高めることができ、その結果、電極組立体の温度上昇を大幅に抑制することができる。
【0063】
2次製造段階
2次製造段階は、図12に示されているように、前記半組立パウチ120Aに備えられた第1カバー121と第2カバー122の同一の方向に向かう端部面を封止する第2封止部124を形成して組立パウチ120(以下、パウチという)を製造する。
【0064】
すなわち、2つの第2カバー122の端部面を折って2つの第1カバー121の端部面の間に挿入する。次に、2つの第1カバー121の端部面を密着させる。次に、2つの第1カバー121の端部面を熱融着して2つの第2カバー122の端部面とともにシーリングする。それにより、第2封止部124を製造することができる。
【0065】
一方、前記2次製造段階後、選択的に第1封止部123を折り曲げて前記第1カバー121の表面に密着させる折り曲げ段階をさらに含んでもよい。
【0066】
折り曲げ段階
折り曲げ段階は、図13に示されているように、第1封止部123を第1カバー121に向けて折り曲げて第1カバー121の表面に密着させる。
【0067】
この際、折り曲げ段階は、第1封止部123の固定力を高めるために、接着層125を介して前記第1封止部123を第1カバー121の表面に接着させる工程をさらに含んでもよい。
【0068】
前記のような段階が完了すると、図1に示されたような二次電池100を製造することができる。
【0069】
以下、本発明の他の実施形態を説明するに当たり、前述した実施形態と同一の機能を有する構成に対しては同一の構成符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0070】
[本発明の第2実施形態による電池パック]
本発明の第2実施形態による電池パックは、図14に示されているように、複数の二次電池100を含む。ここで、二次電池100は、電極組立体110とパウチ120を含み、前記パウチ120は、前記電極組立体110の厚さ方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第1カバー121、及び前記電極組立体110の全幅方向にある両側面にそれぞれ備えられる2つの第2カバー122を含む。
【0071】
一方、前記二次電池100は、第1実施形態で説明した二次電池と同一の構成と機能を有するので重複する説明は省略する。
【0072】
したがって、本発明の第2実施形態による電池パックは、新しい構造を有するパウチ120を含むことにより、製作及び工程の単純化を高めることができ、生産性を高めることができる。
【0073】
一方、本発明の第2実施形態による電池パックは、前記電池モジュールを冷却する冷却部材200を含み、前記冷却部材200は、パウチ120の第2カバー122に密着するように設けられる。
【0074】
ここで、冷却部材200は、パウチ120の第2カバー122に面密着していることから、冷却部材200から発生する冷気を第2カバー122に直接伝達することができ、その結果、冷気伝達の効率性を高めることができる。
【0075】
一方、本発明の第2実施形態による電池パックは、複数の二次電池100の間に備えられる放熱パッド300さらに含み、前記放熱パッド300は、二次電池100から発生する熱を放出することにより、冷却効率性を高めることができる。
【0076】
本発明の範囲は、前述の発明の詳細な説明よりも、後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 二次電池
110 電極組立体
111 電極リード
112 リードフィルム
120 パウチ
121 第1カバー
121a 第1角面
121b 第1端部面
122 第2カバー
122a 第2角面
122b 第2端部面
123 第1封止部
124 第2封止部
125 接着層
200 冷却部材
300 放熱パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14