IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・ビー・コントロールズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-LED照明装置 図1
  • 特許-LED照明装置 図2
  • 特許-LED照明装置 図3
  • 特許-LED照明装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240826BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240826BHJP
   F21S 4/28 20160101ALI20240826BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240826BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240826BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20240826BHJP
【FI】
F21V23/00 150
F21S2/00 230
F21S4/28
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21Y115:10
F21Y103:10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020174329
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065698
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】門田 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】安達 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤田 喜彦
(72)【発明者】
【氏名】倉野 憲一
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-060691(JP,A)
【文献】特開2003-229656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0161628(US,A1)
【文献】特開昭64-007689(JP,A)
【文献】特開2019-212506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21V 19/00
F21S 2/00
F21S 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面にLEDが実装されたLED基板と、電子部品が一方の面に実装され、LED基板に実装されたLEDに給電するための電源基板と、LED基板の他方の面と電源基板の他方の面とによって挟まれる隔絶板とを備えたLED照明装置において、上記隔絶板を上記LED基板と同一の基板材料で形成したことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
上記隔絶板の一方の面は全面が銅箔で覆われており、さらに、その銅箔の表面に上記LED基板の一方の面に塗布されているソルダレジストと同じソルダレジストが塗布されており、かつ、この隔絶板の一方の面が上記LED基板の他方の面に対向するようにLED基板と電源基板とによって挟まれていることを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDが実装されたLED基板と、このLED基板上のLEDに給電する電源基板との間に隔絶板を挟んだLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のLED照明装置として、長尺のLED基板の一方の面に複数個のLEDを並べて設けると共に、各LEDに給電するため同じく一方の面に電子部品が実装された長尺の電源基板を設けたものが知られている。このものではLED基板の他方の面と電源基板の他方の面とを合わせるが、その際に、LED照明装置の金属製筐体の一部を平板状に引き抜き成型して、その平板部分をLED基板と電源基板との間に挟まれるように構成している。また、必要に応じて、電源基板の他方の面とこの筐体の平板部分との間にシート状の絶縁部材を挟み込むように構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
なお、上記従来のLED照明装置のように、筐体の一部を金属製にする場合には、その筐体の一部を平板状にしてLED基板と電源基板との間に挟み込むように構成してもよいが、筐体を金属製にしない場合にはこのような構成を採用することができない。そのような場合であっても、電源基板は保全要件のため、電気的な絶縁性を有しており、かつ不燃性を有する材質で覆う必要がある。
【0004】
そのため、不燃性の樹脂板を電源基板と同じ形状に形成すると共に、その樹脂板に金属テープを貼着したものを隔絶板として形成し、その隔絶板をLED基板と電源基板との間に挟むようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-91914号公報(段落[0025]、[0035]、図15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記隔絶板を樹脂板で形成する場合には、隔絶板をプレス加工などで打ち抜く工程が別途必要であり、かつ樹脂板に金属テープを貼着する工数も必要になる。このため、隔絶板のコストが高くなり、LED照明装置自体の価格を下げることが困難になる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、隔絶板のコストを可及的に低く抑えることにより隔絶板のコストを安くすることのできるLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明によるLED照明装置は、一方の面にLEDが実装されたLED基板と、電子部品が一方の面に実装され、LED基板に実装されたLEDに給電するための電源基板と、LED基板の他方の面と電源基板の他方の面とによって挟まれる隔絶板とを備えたLED照明装置において、上記隔絶板を上記LED基板と同一の基板材料で形成したことを特徴とする。
【0009】
LED基板を構成する基板材料は不燃性であり、隔絶板として使用することができる。また、LED基板としての電気回路をエッチングする前の段階では銅箔が全面に被着されている。従って、エッチングされていない部分を隔絶板として使用することができる。また、LED基板を打ち抜く際に同時に隔絶板を打ち抜くことができるので、隔絶板を打ち抜くための別途の工程を必要としない。また、1枚の基板材料からLED基板を打ち抜く際にLED基板として使用することができない、いわゆる「捨て」部分が生じるが、その捨て部分も隔絶板として使用することができる。そして、このようにして隔絶板を作成すると別途金属テープを貼着する工数も不要になる。
【0010】
なお、上記隔絶板の一方の面は全面が銅箔で覆われており、さらに、その銅箔の表面に上記LED基板の一方の面に塗布されているソルダレジストと同じソルダレジストが塗布されており、かつ、この隔絶板の一方の面が上記LED基板の他方の面に対向するようにLED基板と電源基板とによって挟まれるように構成すれば、ソルダレジストが銅箔の絶縁性を確保すると共に、隔絶板の一方の面がLEDの一方の面と同色になるので、隔絶板がLED基板からはみ出しても目立つことがない。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、LED基板と電源基板との間に挟み込む隔絶板の製造コストを低く抑えることができるので、LED照明装置の価格を安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるLED照明装置の外観を示す斜視図
図2】分解状態のLED基板と隔絶板と電源基板を示す図
図3】LED照明装置の断面図
図4】LED基板と隔絶板をプレス加工により打ち抜く際の状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、1は本発明によるLED照明装置の一例を示す斜視図である。このLED照明装置1は不透明な樹脂製の筐体本体11と、半透明なカバー12とが上下に合わさっている。そして、このLED照明装置1の内部には、図2に示す長尺のLED基板2と電源基板3と、これらLED基板2と電源基板3とで挟まれる隔絶板4とが収納されている。これらLED基板2と電源基板3と隔絶板4とは図3に示すように互いに密着している。
【0014】
LED基板2の一方の面(図示状態では上面)21には複数個のLED23が直列に配置されている。そして、この一方の面21にはLED23からの光を反射するため、白色のソルダレジストが塗布されている。一方、隔絶板4はLED基板2と同一の基板素材の一方の面(図示状態では上面)41全体に銅箔が被着されており、さらにその銅箔の表面全域に白色のソルダレジストが塗布されている。そして、この一方の面41がLED基板2の他方の面(図示状態では下面)22と接するように重ねられている。
【0015】
また、電源基板3の一方の面(図示状態では下面)31側に必要な電子部品が実装されており、他方の面(図示状態では上面)32には電子部品が実装されていない。従って、図示のように、電源基板3の他方の面32が隔絶板4に密着するように重ねられる。
【0016】
上記隔絶板4は、LED基板2を打抜き加工によって作成する際に同時に打ち抜くことによって作成する。図4を参照して、1枚の大きな基板母材5は一方の面の全体が銅箔で覆われている。その状態でLED基板となる部分について必要な電気回路が構成されるようにエッチング処理を施して不要な銅箔部分を除去する。その際に、隔絶板4となる部分の銅箔はエッチングしない。エッチング後に、LED基板2のハンダ付け部分以外にソルダレジスト6を塗布する。本実施の形態では、上述のように、LED23からの光を反射させるため、白色のソルダレジスト6を塗布した。なお、隔絶板4となる部分は全面にソルダレジスト6を塗布する。
【0017】
ソルダレジスト6が乾くと、LED基板2となる部分と隔絶板4となる部分とを同時に打ち抜くことによってLED基板2と隔絶板4とを作成する。なお、LED基板2についてはその後に一方の面21にクリームハンダを印刷し、LED23を実装した後で加熱することによってLED23をLED基板2にハンダ付けしてLED基板2を完成させる。
【0018】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0019】
1 照明装置
2 LED基板
3 電源基板
4 隔絶板
5 基板母材
6 ソルダレジスト
11 筐体本体
12 カバー
23 LED
図1
図2
図3
図4