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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20240826BHJP
   B65D 5/32 20060101ALI20240826BHJP
   B65D 21/024 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B65D5/42 J
B65D5/32 Z
B65D21/024
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019138086
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021020697
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 梨夏
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05350108(US,A)
【文献】実開昭59-099930(JP,U)
【文献】特開2011-037517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/32
B65D 21/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向する第1側板及び該第1側板の対向する方向に交差する方向で対向する第2側板とからなる胴部と、該胴部の開口端を封止する閉塞部とを備え、2個以上を連結可能な紙製の板紙から組み立てられる包装箱において、
前記閉塞部は、第1側板の開口端縁に第1折目線を介して連結された第1フラップと、第2側板の開口端縁に第2折目線を介して連結された第2フラップと、を有し、
前記第1側板及び前記第1フラップには、該第1側板に形成された第1連結用折目線と、該第1連結用折目線の両端を繋ぐとともに前記第1折目線を超えて該第1フラップを通過する第1舌片用破断可能線とで第1連結用舌片が形成され、
前記第1連結用舌片は、前記第1連結用折目線を含む基端から先端に向かって前記紙2枚分の厚さ以上の長さを有する第1根元部と、該第1根元部の先端側に前記第1連結用折目線の両端から延びる一対の仮想垂線に挟まれた領域よりも外側に張り出す第1張出部とを有し、
一方の包装箱の前記第1連結用舌片が形成された前記第1側板と他方の包装箱の前記第1連結用舌片が形成された前記第1側板とが背中合わせになるように配置し、この一対の第1連結用舌片をそれぞれの前記第1連結用折目線に沿って前記他方の包装箱の内方に向かって水平に折り曲げることで、前記一方の包装箱の折り曲げられた前記第1連結用舌片が、前記他方の包装箱の前記第1連結用舌片が折り曲げられて前記第1側板及び前記第1フラップから抜け出ることより該第1側板及び該第1フラップに形成された連結用開口に挿入され、前記他方の包装箱に形成された前記連結用開口の前記第1根元部に相当する位置に、前記一方の包装箱から抜け出た前記第1連結用舌片の前記第1根元部が挟み込まれるとともに、前記第1張出部が前記他方の包装箱の内方に配置され、
前記第2フラップは、前記他方の包装箱の前記第2フラップを前記第2折目線で包装箱の内方に折り曲げた後に、前記第1フラップを前記第1折目線で包装箱の内方に折り曲げて該第2フラップの外面に重合させたときに、該第1フラップに形成された前記連結用開口を下からふさぐ第1抑え部を有することを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1記載の包装箱において、
前記第1側板及び前記第1フラップの組合せのそれぞれには、前記第1連結用舌片が形成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結可能な包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数連結可能な包装箱として、一対の対向する第1側板及び該第1側板の対向する方向に直交する方向で対向する第2側板とからなる胴部と、該胴部の上下開口部を封止する閉塞部とを備え、前記第1側板の中央部に上底が連結折目線で下底及び脚部が切れ目で形成された連結用舌片を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の包装箱では、一方の包装箱の第1側板と他方の包装箱の第1側板とを背中合わせに重ねて対応する2個の連結用舌片を、一方の包装箱の内部へ押し込むことにより、隣り合う2個の包装箱を連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-068290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の包装箱では、隣接する包装箱に引き離す方向に力が与えられたときに、連結用舌片は脚部が形成するテーパーのみによって連結折目線で伸展し、連結用舌片が他方の包装箱から抜け出たことで形成された開口部から引き抜かれてしまうことがあり、連結強度が十分でなかった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、連結強度の高い包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装箱は、一対の対向する第1側板及び該第1側板の対向する方向に交差する方向で対向する第2側板とからなる胴部と、該胴部の開口端を封止する閉塞部とを備える紙製の包装箱において、前記閉塞部は、第1側板の開口端縁に第1折目線を介して連結された第1フラップと、第2側板の開口端縁に第2折目線を介して連結された第2フラップと、を有し、前記第1側板及び前記第1フラップには、該第1側板に形成された連結用折目線と、該連結用折目線の両端を繋ぐとともに前記第1折目線を超えて該第1フラップを通過する舌片用破断可能線とで連結用舌片が形成され、前記連結用舌片は、前記連結用折目線を含む基端から先端に向かって前記紙2枚分の厚さ以上の長さを有する根元部と、該根元部の先端側に前記連結用折目線の両端から延びる一対の仮想垂線に挟まれた領域よりも外側に張り出す張出部とを有し、前記第2フラップは、前記第1フラップ及び前記第2フラップを前記第1折目線及び前記第2折目線でそれぞれ包装箱の内方に折り曲げたときに、前記第1フラップに形成された前記舌片用破断可能線の外縁で囲まれた領域の少なくとも一部を覆う抑え部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、並べた第1及び第2の包装箱を連結用舌片が背中合わせになるように配置し、この一対の連結用舌片を連結用折目線に沿って第2の包装箱の内方に向かって水平に折り曲げると、第1の包装箱の折り曲げられた連結用舌片が、第2の包装箱の連結用舌片が折り曲げられて第1側板及び第1フラップから抜け出ることより該第1側板及び該第1フラップに形成された連結用開口(破断可能線及び連結用折目線で囲まれた領域)に挿入される。
【0009】
このとき連結用舌片は、基端に紙2枚分の厚さ以上の長さを有する根元部を有するため、第2の包装箱に形成された連結用開口の根元部に相当する位置に、第1の包装箱から抜け出た連結用舌片の根元部が挟み込まれるとともに、張出部が第2の包装箱の内方に配置される。
【0010】
この挿入状態では、第1の包装箱の連結用舌片の張出部は、第2の包装箱の連結用開口の根元部に相当する位置の外縁よりも外側に張り出しているので、第1の包装箱の連結用舌片が、第2の包装箱の連結用開口から抜け出ることがない。
【0011】
さらに、第2の包装箱の第2フラップを該包装箱の内方に折り曲げると、抑え部が第2の包装箱の連結用開口の一部を覆うので、第1及び第2の包装箱に引き離す方向に力が与えられ、連結用舌片が連結折目線で伸展する方向に回動しても、該連結用舌片が連結用開口を通過することを防止することができる。
【0012】
よって、本発明の包装箱によれば、連結強度を高めることができる。
【0013】
また、前記第2側板及び前記第2フラップには、該第2側板に形成された第2連結用折目線と、該第2連結用折目線の両端を繋ぐとともに前記第2折目線を超えて該第2フラップを通過する第2舌片用破断可能線とで第2連結用舌片が形成され、前記第2連結用舌片は、前記第2連結用折目線を含む基端から先端に向かって前記紙2枚分の厚さ以上の長さを有する第2根元部と、該第2根元部の先端側に前記第2連結用折目線の両端から延びる一対の仮想垂線に挟まれた領域よりも外側に張り出す第2張出部とを有し、前記第1フラップは、前記第1フラップ及び前記第2フラップを前記第1折目線及び前記第2折目線でそれぞれ包装箱の内方に折り曲げたときに、前記第2フラップに形成された前記第2舌片用破断可能線の外縁で囲まれた領域の少なくとも一部を覆う第2抑え部を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1の包装箱の第1側板と第2の包装箱の第1側板とを連結することに加えて、第1の包装箱の第1側板と第2の包装箱の第2側板とを連結することができる。これにより、複数の包装箱を、縦方向及び横方向のいずれにも並べて連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の包装箱を示す斜視図。
図2】包装箱を展開して示す展開図。
図3】包装箱を2個並べた状態を示す斜視図。
図4】2個の包装箱を連結した状態を示す斜視図。
図5】2個の包装箱を連結した後に、第2上面フラップを閉じた状態を示す斜視図。
図6】2個の包装箱を連結した後に、第1,第2上面フラップを閉じて互いに係合させた状態を示す斜視図。
図7】第2実施形態の包装箱の一部を展開して示す展開図。
図8】第3実施形態の包装箱の一部を展開して示す展開図。
図9】第3実施形態の2個の包装箱を連結した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、第1実施形態の包装箱1は、四角筒状の胴部2と、互いに対向する上面板3(閉塞部)及び底面板4とを備え、四角箱状に形成されている。包装箱1は、例えば、簡易ベッドとして使用される。
【0018】
胴部2は、第2前側板5、第1左側板6、第2後側板7及び第1右側板8を備え、第2前側板5及び第2後側板7(第2側板)が互いに対向し、第1左側板6及び第1右側板8(第1側板)が互いに対向し、四角筒状に形成されている。
【0019】
図2に示すように、包装箱1は、大略矩形状に打抜いて形成された段ボール板紙10(紙)により組み立てられる。
【0020】
段ボール板紙10は、図2において展開して示すように、左右方向及び前後方向に延びる矩形状の第2前側板5の右端縁に、折目線L1を介して矩形状の第1左側板6が連結され、第2前側板5の左端縁に、折目線L2を介して接着片11が連結されている。接着片11は、第1右側板8に接着されている。
【0021】
第1左側板6の右端縁に、折目線L3を介して矩形状の第2後側板7が連結され、第2後側板7の右端縁に、折目線L4を介して第1右側板8が連結されている。
【0022】
上面板3は、互いに対向する一対の第2上面フラップ3a,3c(第2フラップ)と、互いに対向する一対の第1上面フラップ3b,3d(第1フラップ)とから構成され、胴部2の上側開口面の全面を覆っている。
【0023】
第2上面フラップ3aは、第2折目線L5を介して第2前側板5の上端縁(開口端縁)に連結され、第1上面フラップ3bは、第1折目線L6を介して第1左側板6の上端縁に連結されている。
【0024】
第2上面フラップ3cは、第2折目線L7を介して第2後側板7の上端縁に連結され、第1上面フラップ3dは、第1折目線L8を介して第1右側板8の上端縁に連結されている。
【0025】
各上面フラップ3a~3dは、各折目線L5~L8に沿って内側に折り曲げられ、詳しくは後述するように、各上面フラップ3a~3dはそれぞれ係合される。
【0026】
底面板4は、第2底面フラップ4a、第1底面フラップ4b、第2底面フラップ4c及び第1底面フラップ4dを備え、第2底面フラップ4a,4cは互いに対向し、第1底面フラップ4b,4dは互いに対向する。各底面フラップ4a~4dは、胴部2の底側開口面の全面を覆うように互いに係合されている。これにより、包装箱1の密閉性及び剛性を向上することができる。
【0027】
第2底面フラップ4aは、折目線L9を介して第2前側板5の下端縁に連結され、第1底面フラップ4bは、折目線L10を介して第1左側板6の下端縁に連結されている。第2底面フラップ4cは、折目線L11を介して第2後側板7の下端縁に連結され、第1底面フラップ4dは、折目線L12を介して第1右側板8の下端縁に連結されている。なお、底面板4は、設けなくてもよい。
【0028】
各底面フラップ4a~4dは、折目線L9~L12に沿って折り曲げられ、各底面フラップ4a~4dはそれぞれ係合される。
【0029】
第2前側板5の上端部には、切れ目線である第2舌片用破断可能線21が形成されている。この第2舌片用破断可能線21は、略L字状を180°回転した形状で形成された第1前面切れ目線と、第1前面切目線と左右対称に形成された第2前面切れ目線と、略コ字状を90°回転した形状で形成された第3前面切れ目線とを有する。第1,第2前面切れ目線の一部は、第2折目線L5に重なっている。本実施形態では、折目線とは異なる線であることを明確にするために、切れ目線である破断可能線を点線で示している。なお、本実施形態における破断可能線は、破断可能な線であればよく、直線状の不連続な複数の切れ目による所謂ミシン目によって形成した破断線でもよい。
【0030】
また、第2前側板5の上端部には、第2連結用折目線L14が形成されており、この第2連結用折目線L14は、上記第3前面切れ目線により分断されている。第2舌片用破断可能線21の第1,第2前面切れ目線は、第2連結用折目線L14の両端に接続され、上方に延びている。
【0031】
第2上面フラップ3aの下端部には、切れ目線である第2舌片用破断可能線22が形成されている。この第2舌片用破断可能線22は、第2舌片用破断可能線21の左端及び右端に連続して上方に延びる2本の第1切れ目線と、各第1切れ目線の上端同士を結ぶ第2切れ目線とを有する。上記第2切れ目線の中心部は、半円弧状に形成されている。この半円弧状部は、第2連結用折目線L14、第2舌片用破断可能線21及び第2舌片用破断可能線22の内側部分となる第2連結用舌片31を第2連結用折目線L14に沿って折り曲げる際に使用者が指を押し付ける部分である。
【0032】
同様に、第1左側板6には、切れ目線である第1舌片用破断可能線23と第1連結用折目線L15とが形成され、第1上面フラップ3bには、切れ目線である第1舌片用破断可能線24が形成されている。
【0033】
同様に、第2後側板7には、切れ目線である第2舌片用破断可能線25と第2連結用折目線L16とが形成され、第2上面フラップ3cには、切れ目線である第2舌片用破断可能線26が形成されている。
【0034】
同様に、第1右側板8には、切れ目線である第1舌片用破断可能線27と第1連結用折目線L17とが形成され、第1上面フラップ3dには、切れ目線である第1舌片用破断可能線28が形成されている。
【0035】
第2連結用折目線L14、第2舌片用破断可能線21及び第2舌片用破断可能線22の内側部分となる第2連結用舌片31は、第2舌片用破断可能線21の内側部分で、段ボール板紙10の2枚分の厚さ以上の長さを有する第2根元部31aと、第2舌片用破断可能線22の内側部分となる第2張出部31bとからなる。
【0036】
第2張出部31bは、第2根元部31aの先端側に第2連結用折目線L14の両端から延びる一対の仮想垂線(図2における第2連結用折目線L14の両端から上方向に延びる一対の線)に挟まれた領域よりも外側に張り出すように形成されている。本実施形態では、第2張出部31bは、第2根元部31aよりも幅広で形成されている。
【0037】
第2連結用舌片31を第2連結用折目線L14に沿って折り曲げると、第2前側板5には前面開口32aが形成され、第2上面フラップ3aには前面開口32aに連続して、前面開口32aよりも幅広な第2上面開口32bが形成される(図1参照)。
【0038】
同様にして、図1に示すように、第1連結用折目線L15、第1舌片用破断可能線23及び第1舌片用破断可能線24の内側部分となる第1連結用舌片33は、第1根元部33aと、第1張出部33bとからなる。
【0039】
第1連結用舌片33を第1連結用折目線L15に沿って折り曲げると、第1左側板6には左側面開口34aが形成され、第1上面フラップ3bには第1上面開口34bが形成される。
【0040】
同様に、第2連結用折目線L16、第2舌片用破断可能線25及び第2舌片用破断可能線26の内側部分となる第2連結用舌片35は、第2根元部35aと、第2張出部35bとからなる。
【0041】
第2連結用舌片35を第2連結用折目線L16に沿って折り曲げると、第2後側板7には後面開口36aが形成され、第2上面フラップ3cには第2上面開口36bが形成される。
【0042】
同様に、第1連結用折目線L17、第1舌片用破断可能線27及び第1舌片用破断可能線28の内側部分となる第1連結用舌片37は、第1根元部37aと、第1張出部37bとからなる。
【0043】
第1連結用舌片37を第1連結用折目線L17に沿って折り曲げると、第1右側板8には右側面開口38aが形成され、第1上面フラップ3dには第1上面開口38bが形成される。
【0044】
図2に示すように、第2上面フラップ3aには、上端から下方に延びた後に左側に延びる左切れ目線41と、左切れ目線41の左側端から第2上面フラップ3aの上端まで延びる折目線L18とが形成されている。
【0045】
また、第2上面フラップ3aには、上端から下方に延びた後に右側に延びる右切れ目線42と、右切れ目線42の右側端から第2上面フラップ3aの上端まで延びる折目線L19とが形成されている。
【0046】
同様に、第2上面フラップ3cには、左切れ目線43と、折目線L20と、右切れ目線44と、折目線L21とが形成されている。
【0047】
第1上面フラップ3bには、上端から下方に延びた切り欠き51が2個形成され、第1上面フラップ3bの上端部分は、左端部、中央部、右端部の3つに分割される。
【0048】
同様に、第1上面フラップ3dには、上端から下方に延びた切り欠き52が2個形成され、第1上面フラップ3dの上端部分は、左端部、中央部、右端部の3つに分割される。
【0049】
次に、図3図6を参照して、第1の包装箱1と、第2の包装箱1とを連結する作業を説明する。
【0050】
先ず、図3に示すように、第1の包装箱1の各上面フラップ3a,3c,3dを、各折目線L5,L7,L8に沿ってそれぞれ外側に折り曲げ、第2の包装箱1の各上面フラップ3a~3cを、各第2折目線L5~L7に沿ってそれぞれ外側に折り曲げる。
【0051】
次に、図4に示すように、第2の包装箱1の第1連結用舌片37を、第1連結用折目線L17に沿って内側に折り曲げるように、第1の包装箱1の第1連結用舌片33を、外側に折り曲げる。この場合、第1の包装箱1の第1連結用舌片33は、第1連結用折目線L15よりも第1上面フラップ3bの厚み分だけ上側の線に沿って折り曲げられる。
【0052】
この折り曲げ工程により、第1の包装箱1の第1連結用舌片33の第1張出部33bが、第2の包装箱1の第1上面フラップ3dの第1上面開口38bを挿通される。さらに、第1の包装箱1の第1根元部33aが、第2の包装箱1の第1右側板8の右側面開口38aに挿入される。
【0053】
次に、図5に示すように、第1及び第2の包装箱1それぞれの第2上面フラップ3a,3cを、各折目線L5,L7に沿って内側に折り曲げる。
【0054】
そして、図6に示すように、第1の包装箱1の第1上面フラップ3bを、第1折目線L6に沿って折り曲げ、第1の包装箱1の第1上面フラップ3bの上端側の真中部分を、第1の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cの下側に差し込む。
【0055】
本実施形態では、第1の包装箱1の第2上面フラップ3aの右切れ目線42と折目線L19とにより囲まれた部分(以下、所定部分)は、折目線L19に沿って内側に折り曲げ可能であり、第1の包装箱1の第2上面フラップ3cの左切れ目線43と折目線L20とにより囲まれた所定部分は、折目線L20に沿って内側に折り曲げ可能である。
【0056】
したがって、第1の包装箱の第2上面フラップ3a,3cの上記所定部分を折目線L19,L20に沿って内側に折り曲げることにより形成された開口に、第1の包装箱1の第1上面フラップ3bの上端側の真中部分を挿入することで、第1の包装箱1の第1上面フラップ3bの上端側の真中部分が、第1の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cの下側に差し込まれる。
【0057】
同様に、第1の包装箱1の第1上面フラップ3dを、第1折目線L8に沿って内側に折り曲げ、第1の包装箱1の第1上面フラップ3dの上端側の真中部分を、第1の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cの下側に差し込む。なお、第1上面フラップ3b,3dを折り曲げた後に、第2上面フラップ3a,3cを折り曲げるようにしてもよく、折り曲げ順は不同である。
【0058】
同様に、第2の包装箱1の第1上面フラップ3b,3dの上端側の真中部分を、第2の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cの下側に差し込む。
【0059】
これにより、第1及び第2の包装箱1のそれぞれの各上面フラップ3a~3dは、互いに係合され、包装箱1の上面開口が閉じられ、さらに、包装箱1の密閉性及び剛性を向上することができる。
【0060】
本実施形態では、第2の包装箱1の第1連結用舌片37は、基端に段ボール板紙10の2枚分の厚さ以上の長さを有する第1根元部37aを有するため、第2の包装箱1に形成された右側面開口38aに、第1の包装箱1から抜け出た第1連結用舌片33の第1根元部33aが挟み込まれるとともに、第1張出部33bが第2の包装箱1の内方に配置される。
【0061】
この挿入状態では、第1の包装箱1の第1連結用舌片33の第1張出部33bは、第2の包装箱1の右側面開口38aの外縁よりも外側に張り出しているので、第1の包装箱1の第1連結用舌片33が、第2の包装箱1の右側面開口38a及び第1上面開口38bから抜け出ることがない。
【0062】
さらに、第2の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cを包装箱1の内方に折り曲げると、第2の包装箱1の第2上面フラップ3a,3cの一部(第1抑え部)が、第2の包装箱1の右側面開口38a及び第1上面開口38bの一部を覆うので、第1及び第2の包装箱1に引き離す方向に力が与えられ、第1の包装箱1の第1連結用舌片33が第1連結用折目線L15で伸展する方向に回動しても、第1の包装箱1の第1連結用舌片33が第2の包装箱1の右側面開口38a及び第1上面開口38bを通過することを防止することができる。
【0063】
よって、本発明によれば、連結強度を高めることができる。
【0064】
本発明の包装箱1は、各側板5~8及び各上面フラップ3a~3dの全てに、同様の連結用舌片を設けているので、4面の全てに別の包装箱1を連結することができる。
【0065】
したがって、連結する包装箱1の数を増やし、例えば、10個(例えば、縦に5個、横に2個の計10個)の包装箱1を連結することで、簡易ベッドとして使用することができる。
【0066】
上記実施形態では、第2張出部31bを、第2根元部31aよりも幅広で形成することで、第2張出部31bを、第2根元部31aの先端側に第2連結用折目線L14の両端から延びる一対の仮想垂線(図2における第2連結用折目線L14の両端から上方向に延びる一対の線)に挟まれた領域よりも外側に張り出すという条件を満たしているが、上記条件を満たせば、第2連結用舌片31の形状は適宜変更可能である。
【0067】
例えば、図7に示す第2実施形態のように、第2連結用折目線L14を図中横方向に対して傾斜させ、この傾斜した第2連結用折目線L14の両端から第2折目線L5を超えて第2上面フラップ3aを通過する第2舌片用破断可能線21及び第2舌片用破断可能線22を形成し、第2連結用折目線L14、第2舌片用破断可能線21及び第2舌片用破断可能線22により第2連結用舌片31を形成するようにしてもよい。
【0068】
この第2実施形態においても、第2張出部31bは、第2根元部31aの先端側に第2連結用折目線L14の両端から延びる一対の仮想垂線(図7における一対の二点鎖線)に挟まれた領域よりも外側に張り出すように形成されている。
【0069】
また、図8及び図9に示す第3実施形態のように、第1右側板8及び第1上面フラップ3bに、第1舌片用破断可能線28が、第1舌片用破断可能線27の上端から上方に延びるように形成し、且つ、第1連結用舌片37を、逆L字状を鏡合わせに連結して逆U字状に形成するようにしてもよい。この場合、第1連結用舌片37には、切り欠き37cが形成され、第1右側板8には、切り欠き37cを形成するための立設部8aが形成される。
【0070】
同様に、第1左側板6及び第1上面フラップ3bに形成される第1連結用舌片33は、逆L字状を鏡合わせに連結して逆U字状に形成される。この場合、第1連結用舌片33には、切り欠き33cが形成され、第1左側板6には、切り欠き33cを形成するための立設部6aが形成される。また、第2連結用舌片31,35も、第1連結用舌片33,37と同じ形状で形成される。
【0071】
上記構造により、図9に示すように、第1の包装箱1の第1連結用舌片33と、第2の包装箱1の第1連結用舌片37とを折り曲げると、第1の包装箱1の切り欠き33aに、第2の包装箱1の立設部8aが挿入される。これにより、第1の包装箱1と第2の包装箱1とが連結される。なお、第2前側板5及び第2上面フラップ3aと、第2後側板7及び第2上面フラップ3cとにも上記構造を形成することが好ましい。
【0072】
なお、上記実施形態では、包装箱1を段ボール板紙10により構成しているが、紙や樹脂、金属等により構成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、第1,第2側板及び第1,第2上面フラップのそれぞれに連結用舌片を形成しているが、一方の側板及び上面フラップに連結用舌片を形成すれば本発明は実施可能である。
【0074】
さらに、上記実施形態では、上面フラップに連結用舌片を形成しているが、底面フラップに連結用舌片を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…包装箱、2…胴部、3…上面板(閉塞部)、3a,3c…第2上面フラップ(第2フラップ)、3b,3d…第1上面フラップ(第1フラップ)、4…底面板、5…第2前側板(第2側板)、6…第1左側板(第1側板)、7…第2後側板(第2側板)、8…第1右側板(第1側板)、10…段ボール板紙(紙)、21,22,25,26…第2舌片用破断可能線、L14,L16…第2連結用折目線、23,24,27,28…第1舌片用破断可能線、31,35…第2連結用舌片、31a,35a…第2根元部、31b,35b…第2張出部、33,37…第1連結用舌片、33a,37a…第1根元部、33b,37b…第1張出部、L5,L7…第2折目線、L6,L8…第1折目線、L15,L17…第1連結用折目線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9