(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】コーティングされたイオン交換粒子を用いたリチウム抽出
(51)【国際特許分類】
B01J 47/018 20170101AFI20240826BHJP
B01J 39/02 20060101ALI20240826BHJP
B01J 39/10 20060101ALI20240826BHJP
B01J 47/12 20170101ALI20240826BHJP
B01J 49/53 20170101ALI20240826BHJP
C02F 1/42 20230101ALI20240826BHJP
C22B 3/42 20060101ALI20240826BHJP
C22B 26/12 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B01J47/018
B01J39/02
B01J39/10
B01J47/12
B01J49/53
C02F1/42 B
C22B3/42
C22B26/12
(21)【出願番号】P 2019524198
(86)(22)【出願日】2017-11-13
(86)【国際出願番号】 US2017061384
(87)【国際公開番号】W WO2018089932
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520301331
【氏名又は名称】ライラック ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイデッカー,デイビッド ヘンリー
【合議体】
【審判長】深草 祐一
【審判官】宮澤 尚之
【審判官】小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-78800(JP,A)
【文献】特開2015-20090(JP,A)
【文献】特表2003-500318(JP,A)
【文献】特表2009-507839(JP,A)
【文献】特開平8-236114(JP,A)
【文献】米国特許第4747949(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J39/00-49/90
C02F1/42
C22B1/00-61/00
B01D15/00-15/52
C01D1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は、
(a)コーティングされたイオン交換粒子を液体資源に接触させて、リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子を生成する工程であって、前記リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子はイオン交換物質とコーティング材とを含む、工程、および
(b)前記リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子を酸性溶液で処理して、リチウムイオンを含む塩溶液を生成する工程、
を含み、
前記イオン交換物質は、Li
4Mn
5O
12、Li
2TiO
3、LiMn
2O
4、Li
1.6Mn
1.6O
4、またはそれらの組み合わせを含み、
前記コーティング材は、ZrO
2またはSiO
2を含み、
前記酸性溶液は塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせを含み、
前記液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの滲出溶液、無機質または無機質の組み合わせからの滲出溶液、粘土または粘土の組み合わせからの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである、
方法。
【請求項2】
前記イオン交換物質は、Li
4Mn
5O
12、Li
1.6Mn
1.6O
4またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コーティングされたイオン交換粒子は100μm未満の平均径を有する、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本発明は、2016年11月14日出願の米国仮特許出願第62/421,934号の利益を主張し、該出願は引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
リチウムは、高エネルギー充電式バッテリーと他の技術にとって必須の要素である。リチウムは、天然および合成のブライン、無機質からの浸出溶液、およびリサイクル製品を含む様々な液容体に見出すことができる。
【発明の概要】
【0003】
リチウムは、無機イオン交換物質に基づいたイオン交換プロセスを使用して、液体資源から抽出することができる。無機イオン交換物質は、水素イオンを放出しつつ液体資源からリチウムイオンを吸収し、次に水素イオンを吸収しながら酸にリチウムイオンを溶出する。イオン交換プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出し、濃縮リチウムイオン溶液を得るために繰り返すことができる。濃縮リチウムイオン溶液は、バッテリー産業または他の産業用の化学薬品へとさらに処理され得る。
【0004】
無機イオン交換物質を使用するリチウム抽出に関する主な難題は、物質の分解と劣化である。これは、酸でのリチウム溶出中だけでなく、液体資源でのリチウム取り込み中にも特にあてはまる。イオン交換プロセスから濃縮リチウム溶液を得るために、リチウムを溶出するために濃酸性溶液を使用することが望ましい。しかしながら、濃縮酸性溶液は無機イオン交換物質を分解して劣化させ、物質の性能と寿命を減少させる。したがって、無機イオン交換物質が分解と劣化から守られるリチウムイオンの抽出方法が求められる。
【0005】
本明細書に記載の態様は、イオン交換物質とコーティング材を含むコーティングされたイオン交換粒子である。
【0006】
いくつかの実施形態において、コーティング材はイオン交換物質の分解を妨げる。いくつかの実施形態において、コーティング材は、イオン交換物質間のリチウムイオンと水素イオンの拡散を可能にする。
【0007】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭質材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、TiO2、ZrO2、MoO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、Li2TiO3、SiO2、Li2ZrO3、Li2MoO3、LiNbO3、LiTaO3、AlPO4、LaPO4、ZrSiO4、ZrP2O7、MoP2O7、Mo2P3O12、BaSO4、AlF3、SiC、TiC、ZrC、Si3N4、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド状炭素、その固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はTiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はSiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はZrO2を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、Li2TiO3、Li2MnO3、Li2SnO3、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiAlO2、LiCuO2、LiTiO2、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、LiFePO4、LiMnPO4、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、イオン交換物質は、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0009】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、100μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、10μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、1,000nm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、100nm未満の平均径を有する。
【0010】
本明細書に記載される態様は、イオン交換のための多孔質構造であり、該構造は:a)構造支持体;およびb)コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される複数の粒子、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリマー、酸化物、リン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、構造支持体はポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、クロロ-ポリマー、フルオロ-ポリマー、フルオロ-クロロ-ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、スルホン化ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、ポリアクリロニトリル、テトラフルオロエチレン、パーフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NafionR)、それらの共重合体、またはそれらの組み合わせである。
【0012】
いくつかの実施形態において、多孔質構造は、溶液がビーズに素早く浸透し、かつビーズ内のイオン交換粒子間でリチウムイオンと水素イオンを伝達することを可能にする、連結された孔のネットワークを有する。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、液溶体による素早い浸透が、ビーズ表面からビーズ内のイオン交換粒子までの液体伝播チャネルを作り出すことを可能にするように構築された、連結された孔のネットワークを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、孔のネットワークがビーズ表面とビーズ内のイオン交換粒子との間に経路を作り出すように、孔径の分布を伴う孔の階層的に連結されたネットワークを有する。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、10μm未満から50μmを超える範囲の直径の孔を含む。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、1μmより大きい、2μmより大きい、4μmより大きい、6μmより大きい、8μmより大きい、10μmより大きい、15μmより大きい、20μmより大きい、40μmより大きい、60μmより大きい、80μmより大きい、100μmより大きい、2μm未満、4μm未満、6μm未満、8μm未満、10μm未満、15μm未満、20μm未満、40μm未満、60μm未満、80μm未満、100μm未満、約1μmから約100μm、約5μmから約75μm、約10μmから約50μmの範囲の直径を有する孔を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、多孔質構造は、多孔質膜、多孔質ビーズ、他の多孔質構造、ち密膜、ち密ビーズ、スキャフォールド、織られた膜、巻かれた膜、螺旋形に巻かれた膜、またはそれらの組み合わせを形成する。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、多孔質膜、多孔質ビーズ、またはそれらの組み合わせを形成する。
【0014】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材は、イオン交換物質の分解を妨げる。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材は、イオン交換物質間のリチウムイオンと水素イオンの拡散を可能にする。
【0015】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材は、カーバイド、窒化物、酸化物、リン酸、フルオリド、ポリマー、炭素、カーボン素材、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材は、TiO2、ZrO2、MoO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、Li2TiO3、SiO2、Li2ZrO3、Li2MoO3、LiNbO3、LiTaO3、AlPO4、LaPO4、ZrSiO4、ZrP2O7、MoP2O7、Mo2P3O12、BaSO4、AlF3、SiC、TiC、ZrC、Si3N4、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド状炭素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材はTiO2を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材はSiO2を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材はZrO2を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、Li2TiO3、Li2MnO3、Li2SnO3、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiAlO2、LiCuO2、LiTiO2、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、LiFePO4、LiMnPO4、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換物質は、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0017】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、100μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、10μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、1,000nm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、100nm未満の平均径を有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子はイオン交換物質を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、Li2TiO3、Li2MnO3、Li2SnO3、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiAlO2、LiCuO2、LiTiO2、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、LiFePO4、LiMnPO4、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、コーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換物質は、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、100μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、10μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、1,000nm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、100nm未満の平均径を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、多孔質構造は多孔質ビーズの形態である。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズはほぼ球状である。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは10cm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは1cm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは1mm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは100μm未満の平均径を有した。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは10μm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、約1μmから約100μm、約1mmから約100mm、約1mmから約80mm、約1mmから約60mm、約1から約40mm、約1から約20mm、約1から約10mm、約1cmから約10cm、約1cmから約8cm、約1cmから約6cm、または約1cmから約4cmの平均径を有するほぼ球状である。
【0021】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズはタブレット形状である。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、20mm未満の直径と20mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、8mm未満の直径と8mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、4mm未満の直径と4mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、2mm未満の直径と2mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、1mm未満の直径と1mm未満の高さを有する。
【0022】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は以下を含む:リチウム化コーティングされたイオン交換粒子を生成するために、コーティングされたイオン交換粒子を液体資源と接触させる工程;および、リチウムイオンを含む食塩水を生成するために、リチウム化コーティングされたイオン交換粒子を酸性溶液で処理する工程。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの滲出溶液、無機質または無機質の組み合わせからの滲出溶液、粘土または粘土の組み合わせからの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、酸性溶液、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、食塩水は、コーティングされたイオン交換粒子に由来する不純物をさらに含む。いくつかの実施形態において、不純物は、1ppbより大きい、5ppbより大きい、10ppbより大きい、100ppbより大きい、1ppmより大きい、2ppmより大きい、4ppmより大きい、6ppmより大きい、8ppmより大きい、10ppmより大きい、8ppm未満、6ppm未満、4ppm未満、2ppm未満、1ppm未満、100ppb未満、10ppb未満、5ppb未満、約1ppbから約10ppm、約5ppbから約10ppm、約10ppbから約10ppm、約50ppbから約10ppm、約100ppbから約10ppm、約1ppmから約10ppm、約2ppmから約10ppm、約4ppmから約10ppm、約6ppmから約ppm、または約8ppmから約10ppmの濃度で存在する。
【0023】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は以下を含む:リチウム化多孔質構造を生成するために、液体資源に多孔質構造を接触させる工程;および、リチウムイオンを含む食塩水を生成するために、リチウム化多孔質構造を酸性溶液で処理する工程。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの滲出溶液、無機質または無機質の組み合わせからの滲出溶液、粘土または粘土の組み合わせからの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、酸性溶液、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせを含む。
【0024】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は以下を含む:リチウム化多孔質ビーズを生成するために、液体資源に多孔質ビーズを接触させる工程;および、リチウムイオンを含む食塩水を生成するために、リチウム化多孔質ビーズを酸性溶液で処理する工程。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの滲出溶液、無機質または無機質の組み合わせからの滲出溶液、粘土または粘土の組み合わせからの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、酸性溶液、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、該方法はカラムで行われる。
【0026】
<引用による組み込み>
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれているかのように具体的かつ個々に示されるかのような程度で、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の新規な特徴は、特に添付の特許請求の範囲内に明記される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される実施形態を例示する以下の詳細な説明と、添付図面とを参照することによって得られる。
【0028】
【
図1】イオン交換物質(1)と、コーティングされたイオン交換粒子の表面を保護するコーティング材(2)を有する、コーティングされたイオン交換粒子を表す。
【
図2】コーティングされたイオン交換粒子(4)を支持する多孔質ポリマービーズ(3)を表す。
【
図3】コーティングされたイオン交換粒子を支持する多孔質ポリマービーズ(3)を装填したイオン交換カラム(5)を表す。
【
図4】コーティングされていないイオン交換粒子と比較して、コーティングされたイオン交換粒子に対する酸処理中に減少した分解を明示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
用語「リチウム」、「リチウムイオン」および「Li+」は、本明細書において区別なく使用され、これらの用語は、具体的に否定されない限り同意である。用語「水素」、「水素イオン」、「プロトン」、および「H+」は、本明細書において区別なく使用され、これらの用語は、具体的に否定されない限り同意である。
【0030】
<コーティングされたイオン交換粒子>
本明細書に記載の態様は、イオン交換物質とコーティング材を含むコーティングされたイオン交換粒子である。
【0031】
<コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材>
いくつかの実施形態において、コーティング材は、イオン交換物質の分解を妨げる。いくつかの実施形態において、コーティング材は、酸でのリチウム溶出中の、液体資源からのリチウム取り込み中の、およびイオン交換プロセスの他の実施形態中の、分解と劣化からイオン交換物質を守る。いくつかの実施形態において、コーティング材は、以下のためのイオン交換プロセスにおける濃縮酸の使用を可能にする:(1)濃縮リチウムイオン溶液を得る;(2)リチウムイオンがイオン交換物質から動くように平衡を変える;および(3)イオン交換物質のイオン交換容量を最大化する。コーティングされたイオン交換粒子の一例が
図1に示される。
【0032】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、イオン交換物質間のコーティング材の拡散を可能にする。特に、コーティング材は、コーティングされたイオン交換粒子と様々な液体資源との間の、リチウムイオンと水素イオンの拡散を促進する。いくつかの実施形態において、コーティング材は、構造支持体へのコーティングされたイオン交換粒子の付着を可能にし、およびコーティングされたイオン交換粒子の構造的・機械的な劣化を抑える。
【0033】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭質材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、Nb2O5、Ta2O5、MoO2、TiO2、ZrO2、MoO2、SnO2、SiO2、Li2O、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MoO3、LiNbO3、LiTaO3、Li2SiO3、Li2Si2O5、Li2MnO3、ZrSiO4、AlPO4、LaPO4、ZrP2O7、MoP2O7、Mo2P3O12、BaSO4、AlF3、SiC、TiC、ZrC、Si3N4、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド状炭素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、ポリ塩化ビニリデンジフルオリド、ポリ塩化ビニル、フルオロ-ポリマー、クロロ-ポリマー、またはフルオロ-クロロ-ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、TiO2、ZrO2、SiO2MoO2、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MnO3、ZrSiO4、またはLiNbO3、AlF3、SiC、Si3N4、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材はTiO2、SiO2またはZrO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はTiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はSiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はZrO2を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、コーティングは、一次イオン交換粒子または二次イオン交換粒子をコーティングする。いくつかの実施形態では、コーティングは、一次イオン交換粒子と二次イオン交換粒子の両方をコーティングする。いくつかの実施形態において、一次イオン交換粒子は第1のコーティングを有し、および二次イオン交換粒子は第1のコーティングと同一の、類似の、または異なる組成の第2のコーティングを有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約10nmから約1,000nm、または約100nmから約1,000nmである。いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、5nm未満、10nm未満、50nm未満、100nm未満、500nm未満、1nmより大きい、5nmより大きい、10nmより大きい、50nmより大きい、100nmより大きい、約1nmから約500nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約1nmから約10nm、約1nmから約5nm、または約5nmから約100nmである。
【0036】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着法、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、ソリッドステート、融解塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、化学沈殿、共沈、ボールミル粉砕、熱分解、またはそれらの組み合わせ等の方法によって蒸着される。いくつかの実施形態において、コーティング材は、化学蒸着、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、沈澱生成、マイクロ波ゾルーゲル、化学沈殿、またはそれらの組み合わせ等の方法によって蒸着される。いくつかの実施形態において、コーティング材は反応装置に蒸着され、該反応装置は、バッチタンク形反応器、連続タンク形反応器、バッチ炉、連続加熱炉、金属管状炉、回転式金属管状炉、またはそれらの組み合わせである。
【0037】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、一度にすべて、または経時的に添加された試薬で、溶媒中のイオン交換物質を懸濁することによって、反応装置内に蒸着される。いくつかの実施形態において、試薬は反応速度を制御するために特定の時系列で添加され、蒸着をコーティングする。いくつかの実施形態において、溶媒は水性または非水性である。いくつかの実施形態において、溶媒は、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、セプタノール(septanol)またはオクタノール等のアルコールである。いくつかの実施形態において、試薬は、金属塩化物、金属酸化物、金属アルコキシド、金属オキシクロライド、メタロイド酸化物、メタロイドアルコキシド、メタロイド塩化物、メタロイドオキシクロライド、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、ゲル、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、水、オキシダント、還元剤、酸、基剤、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、酸、基剤、またはそれらの組み合わせ等の触媒の存在下で加えられる。いくつかの実施形態において、試薬は、1分未満、1時間未満、1日未満、1週間未満、1分より長い、1時間より長い、1日より長い、約1分から約60分、約1時間から約24時間、または約1日から約7日の期間、添加される。いくつかの実施形態において、試薬は、反応装置に連続的にまたは間隔をおいて滴下される。いくつかの実施形態において、多数の試薬が異なる速度で反応装置に加えられる。いくつかの実施形態において、いくつかの試薬は、反応装置に加える前に個別に結合され、反応してゲルまたはポリマーを形成する。
【0038】
いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、コーティングの熟成、乾燥、反応、または結晶化のために、1つ以上の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃未満、約200℃未満、約300℃未満、約400℃未満、約500℃未満、約600℃未満、約700℃未満、または約800℃未満の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃より高い、約200℃より高い、約300℃より高い、約400℃より高い、約500℃より高い、約600℃より高い、約700℃より高い、または約800℃より高い温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃から約800℃、約200℃から約800℃、約300℃から約700℃、約400℃から約700℃、約500℃から約700℃、約100℃から約300℃、約200℃から約400℃、約300℃から約500℃、約400℃から約600℃、約500℃から約700℃、または約600℃から約800℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、酸素、窒素、水素、アルゴン、またはそれらの組み合わせを含む空気の大気内で加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、1時間より多く、2時間より多く、4時間より多く、8時間より多く、約0.5時間から約24時間、約0.5時間から約8時間、約0.5時間から約4時間、約0.5時間から約2時間、または約0.5時間から約1時間、加熱される。
【0039】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、結晶、アモルファス、完全被覆、部分的被覆、均一、非均一、またはそれらの組み合わせ等の物理的特性で蒸着される。いくつかの実施形態において、多数のコーティングが、同心、パッチワーク、またはそれらの組み合わせ等の配置で、イオン交換物質上に蒸着される。
【0040】
<コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換物質>
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、高いリチウム吸収能力に適しており、かつナトリウムイオンとマグネシウムイオン等の他のイオンに比して、液体資源中のリチウムイオンに適している。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、低濃度のリチウムイオン、小過剰の酸でのリチウムイオンの容易な溶出、および速いイオン伝播等を有するものを含む、液体資源での強いリチウムイオン取り込みに適している。
【0041】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、イオン交換物質は、LiFePO4、LiMnPO4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiMO2(M=Al、Cu、Ti)、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、イオン交換物質は、LiFePO4、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、ソリッドステート、融解塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、化学沈殿、共沈、蒸着、またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、化学沈殿、熱水、ソリッドステート、マイクロ波またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。
【0043】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、リチウムイオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、リチウム化状態で合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、水素イオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、水和状態で合成される。
【0044】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質とコーティング材は、1つ以上の濃度勾配を形成し、ここでコーティングされたイオン交換粒子の化学組成は、2つ以上の組成物間で変動する。いくつかの実施形態において、化学組成は、コーティングされたイオン交換粒子の異なる領域において、連続的、不連続、または連続的かつ不連続な方法で、イオン交換物質とコーティングとの間で変動する。いくつかの実施形態において、イオン交換物質とコーティング材は、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、100,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、100,000nmより大きい、約1nmから約100,000nm、約10nmから約10,000nm、または約100から約1,000nmの厚さを超えて伸びる濃度勾配を形成する。
【0045】
<コーティングされたイオン交換粒子の粒子径>
いくつかの実施形態では、コーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、ここで二次粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、10,000nm未満、100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、コーティングされたイオン交換粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、約10,000μm未満、約100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μmより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約40μm、または約1μmから約20μmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100μm未満、約1,000μm未満、または約10,000μm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、二次粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、10,000μm未満、100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μmより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約20μm、または約1μmから約5μmの平均径を有する。
【0047】
一実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子の平均径、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされたイオン交換粒子の平均径は、コーティングされたイオン交換粒子、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされたイオン交換粒子の粒度分布の測定により判定される。
【0048】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、一次イオン交換粒子または二次イオン交換粒子上にコーティングを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、一次イオン交換粒子および二次イオン交換粒子上にコーティングを含む。いくつかの実施形態において、二次イオン交換粒子は一次イオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、コーティングは、二次イオン交換粒子の構成要素である一次イオン交換粒子上にあり、およびさらなるコーティングが、二次イオン交換粒子上に施される。いくつかの実施形態において、一次イオン交換粒子は第1のコーティングを有し、二次イオン交換粒子は、第1のコーティングと組成が同一、類似、または異なる第2のコーティングを有する。
【0049】
<多孔質構造>
本明細書に記載の一態様において、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは随意に、構造支持体に埋め込まれ、取り付けられ、またはそうでなければ支持される。
【0050】
<多孔質構造の構造支持体>
いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリマー、酸化物、リン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリ塩化ビニリデンジフルオリド、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニル、クロロポリマー、フルオロポリマー、フルオロ-クロロ-ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、スルホン化ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、テトラフルオロエチレン、パーフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NafionR)、それらの共重合体、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリ塩化ビニリデンジフルオリド、ポリ塩化ビニル、スルホン化ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、それらの共重合体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、耐熱性、耐酸性、および/または他の耐薬品性に関して選択される。
【0051】
いくつかの実施形態において、構造支持体は、約1:20、約1:5、約1:1、約5:1、約20:1、1:100から約20:1、1:20から20:1、1:5から20:1、1:1から20:1、5:1から20:1、1:1から1:20、1:1から1:15、または1:1から1:10のポリマー対粒子の質量比で、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせと共に使用される。
【0052】
いくつかの実施形態において、構造支持体は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、およびそれらの組み合わせから選択された溶媒を使用して、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせと溶解され、混合されたポリマーである。
【0053】
<多孔質構造の孔の形状>
いくつかの実施形態において、多孔質構造は、溶液が多孔質構造に素早く浸透し、かつコーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせの間で、リチウムイオンと水素イオンを伝達することを可能にする、連結された孔のネットワークを有する。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、液溶体による素早い浸透が、多孔質構造表面からコーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせまで液体伝播チャネルを作り出すことを可能にするように構築された、連結された孔のネットワークを有する。
【0054】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、孔のネットワークがビーズ表面とビーズ内のイオン交換粒子との間に経路を作り出すように、孔径の分布を伴う孔の階層的に連結されたネットワークを有する。いくつかの実施形態において、孔の階層的に連結されたネットワークは大きなチャネルを含み、そこから媒介チャネルが分岐し、および/または媒介チャネルから小さなチャネルが分岐する。いくつかの実施形態において、孔の階層的に連結されたネットワークは、媒介チャネルに収斂する小さなチャネル、および/または大きなチャネルに収斂する媒介チャネルを含む。いくつかの実施形態において、孔の階層的に連結されたネットワークは、孔の中への液溶体の素早い浸透を生み出す。いくつかの実施形態において、孔の階層的に連結されたネットワークは、多孔質構造の表面から、多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせまでの、リチウムイオンとプロトンの孔を介した素早い拡散を生み出す。
【0055】
<多孔質構造の孔のサイズ>
いくつかの実施形態において、多孔質構造は、10μm未満から50μmを超える範囲の直径の孔を含む。いくつかの実施形態では、多孔質構造は、約1μm未満、約2μm未満、約3μm未満、約4μm未満、約5μm未満、約6μm未満、約7μm未満、約8μm未満、約9μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、または約40μm未満の直径を有する孔を含む。いくつかの実施形態では、多孔質構造は、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μmより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、または約100μmより大きい直径を有する孔を含む。いくつかの実施形態では、多孔質構造は、約1μmから約100μm、約5μmから約90μm、約10μmから約80μm、約20μmから約70μm、または約30μmから約60μmの直径を有する孔を含む。
【0056】
<多孔質構造の形>
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、構造支持体に埋め込まれており、それは膜、螺旋状に巻かれた膜、中空糸膜、またはメッシュである。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで構成される構造支持体に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、追加の構造支持体なしにカラムに直接装填される。
【0057】
いくつかの実施形態において、構造支持体は、多孔質膜、多孔質ビーズ、他の多孔質構造、ち密膜、ち密ビーズ、スキャフォールド、またはそれらの組み合わせの形をとる。いくつかの実施形態において、構造支持体は、多孔質膜、多孔質ビーズ、またはそれらの組み合わせの形をとる。構造支持体の一例は、
図2に示される多孔質ビーズである。
【0058】
いくつかの実施形態において、構造支持体は、約10μm未満、約100μm未満、約1mm未満、約1cm未満、または約10cm未満、1μmより大きい、10μmより大きい、100μmより大きい、1mmより大きい、1cmより大きい、約1μmから約10cm、約10μmから約1cm、約100μmから約1cm、約1mmから約1cm、約0.5mmから約1cm、約0.25mmから約1cm、約0.25mmから約1cm、約0.25mmから約100mm、約0.25mmから約75mm、約0.25mmから約50mm、約0.25mmから約25mm、または約10mmから約1cmの平均径のビーズである。いくつかの実施形態において、構造支持体は、約100μm未満、約1mm未満、1cm未満、2cm未満、3cm未満、4cm未満、5cm未満、6cm未満、7cm未満、8cm未満、9cm未満、または約10cm未満の平均径のビーズである。いくつかの実施形態において、構造支持体は、約10μm未満、約100μm未満、約1cm未満、約10cm未満、1μmより大きい、10μmより大きい、100μmより大きい、1cmより大きい、約1μmから約100μm、または約1cmから約10cmの平均厚さの膜である。
【0059】
<多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子>
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は多孔質構造の構成要素であり、ここでコーティングされたイオン交換粒子はイオン交換物質とコーティング材を含む。
【0060】
<多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子のコーティング材>
いくつかの実施形態において、コーティング材は、イオン交換物質の分解を妨げる。いくつかの実施形態において、コーティング材は、酸でのリチウム溶出中の、液体資源からのリチウム取り込み中の、およびイオン交換プロセスの他の実施形態中の、分解と劣化からイオン交換物質を守る。いくつかの実施形態において、コーティング材は、以下のためのイオン交換プロセスにおける濃縮酸の使用を可能にする:(1)濃縮リチウムイオン溶液を得る;(2)リチウムイオンがイオン交換物質から動くように平衡を変える;および(3)イオン交換物質のイオン交換容量を最大化する。
【0061】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、イオン交換物質間のコーティング材の拡散を可能にする。いくつかの実施形態では、コーティング材は、コーティングされたイオン交換粒子と様々な液体資源との間の、リチウムイオンと水素イオンの拡散を促進する。いくつかの実施形態において、コーティング材は、構造支持体へのコーティングされたイオン交換粒子の付着を可能にし、およびコーティングされたイオン交換粒子の構造的・機械的な劣化を抑える。
【0062】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭質材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、Nb2O5、Ta2O5、MoO2、TiO2、ZrO2、MoO2、SnO2、SiO2、Li2O、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MoO3、LiNbO3、LiTaO3、Li2SiO3、Li2Si2O5、Li2MnO3、ZrSiO4、AlPO4、LaPO4、ZrP2O7、MoP2O7、Mo2P3O12、BaSO4、AlF3、SiC、TiC、ZrC、Si3N4、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド状炭素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、ポリ塩化ビニリデンジフルオリド、ポリ塩化ビニル、フルオロ-ポリマー、クロロ-ポリマー、またはフルオロ-クロロ-ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材は、TiO2、ZrO2、SiO2MoO2、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MnO3、ZrSiO4、またはLiNbO3、AlF3、SiC、Si3N4、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材はTiO2、SiO2またはZrO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はTiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はSiO2を含む。いくつかの実施形態では、コーティング材はZrO2を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、コーティングは、一次イオン交換粒子または二次イオン交換粒子をコーティングする。いくつかの実施形態では、コーティングは、一次イオン交換粒子と二次イオン交換粒子の両方をコーティングする。いくつかの実施形態において、一次イオン交換粒子は第1のコーティングを有し、および二次イオン交換粒子は第1のコーティングと同一の、類似の、または異なる組成の第2のコーティングを有する。
【0064】
いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約10nmから約1,000nm、または約100nmから約1,000nmである。いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、5nm未満、10nm未満、50nm未満、100nm未満、500nm未満、1nmより大きい、5nmより大きい、10nmより大きい、50nmより大きい、100nmより大きい、約1nmから約500nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約1nmから約10nm、約1nmから約5nm、または約5nmから約100nmである。
【0065】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着法、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、ソリッドステート、融解塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、化学沈殿、共沈、ボールミル粉砕、熱分解、またはそれらの組み合わせ等の方法によって蒸着される。いくつかの実施形態において、コーティング材は、化学蒸着、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、沈澱生成、マイクロ波ゾルーゲル、化学沈殿、またはそれらの組み合わせ等の方法によって蒸着される。いくつかの実施形態において、コーティング材は反応装置に蒸着され、該反応装置は、バッチタンク形反応器、連続タンク形反応器、バッチ炉、連続加熱炉、金属管状炉、回転式金属管状炉、またはそれらの組み合わせである。
【0066】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、一度にすべて、または経時的に添加された試薬で溶媒中のイオン交換物質を懸濁することによって、反応装置内に蒸着される。いくつかの実施形態において、試薬は反応速度を制御するために特定の時系列で添加され、蒸着をコーティングする。いくつかの実施形態において、溶媒は水性または非水性である。いくつかの実施形態において、溶媒は、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、セプタノール(septanol)またはオクタノール等のアルコールである。いくつかの実施形態において、試薬は、金属塩化物、金属酸化物、金属アルコキシド、金属オキシクロライド、メタロイド酸化物、メタロイドアルコキシド、メタロイド塩化物、メタロイドオキシクロライド、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、ゲル、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、水、オキシダント、還元剤、酸、基剤、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、試薬は、酸、基剤、またはそれらの組み合わせ等の触媒の存在下で加えられる。いくつかの実施形態において、試薬は、約1分未満、約1時間未満、約1日未満、約1週間未満、1分より長い、1時間より長い、1日より長い、約1分から約60分、約1時間から約24時間、または約1日から約7日の期間、添加される。いくつかの実施形態において、試薬は、反応装置に連続的にまたは間隔をおいて滴下される。いくつかの実施形態において、多数の試薬が異なる速度で反応装置に加えられる。いくつかの実施形態において、いくつかの試薬は、反応装置に加える前に個別に結合され、反応してゲルまたはポリマーを形成する。
【0067】
いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、コーティングの熟成、乾燥、反応、または結晶化のために、1つ以上の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃未満、約200℃未満、約300℃未満、約400℃未満、約500℃未満、約600℃未満、約700℃未満、または約800℃未満の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃より高い、約200℃より高い、約300℃より高い、約400℃より高い、約500℃より高い、約600℃より高い、約700℃より高い、または約800℃より高い温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約100℃から約800℃、約200℃から約800℃、約300℃から約700℃、約400℃から約700℃、約500℃から約700℃、約100℃から約300℃、約200℃から約400℃ら、約300℃から約500℃、約400℃から約600℃、約500℃から約700℃、または約600℃から約800℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、酸素、窒素、水素、アルゴン、またはそれらの組み合わせを含む空気の大気内で加熱される。いくつかの実施形態において、新たにコーティングされたイオン交換物質は、約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、1時間より多く、2時間より多く、4時間より多く、8時間より多く、約0.5時間から約24時間、約0.5時間から約8時間、約0.5時間から約4時間、約0.5時間から約2時間、または約0.5時間から約1時間、加熱される。
【0068】
いくつかの実施形態において、コーティング材は、結晶、アモルファス、完全被覆、部分的被覆、均一、非均一、またはそれらの組み合わせ等の物理的特性で蒸着される。いくつかの実施形態において、多数のコーティングが、同心、パッチワーク、またはそれらの組み合わせ等の配置で、イオン交換物質上に蒸着される。
【0069】
<多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子のイオン交換物質>
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、高いリチウム吸収能力に適しており、かつナトリウムイオンとマグネシウムイオン等の他のイオンに比して、液体資源中のリチウムイオンに適している。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、低濃度のリチウムイオン、小過剰の酸でのリチウムイオンの容易な溶出、および速いイオン伝播等を有するものを含む、液体資源での強いリチウムイオン取り込みに適している。
【0070】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、イオン交換物質は、LiFePO4、LiMnPO4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiMO2(M=Al、Cu、Ti)、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、イオン交換物質は、LiFePO4、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、ソリッドステート、融解塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、化学沈殿、共沈、蒸着、またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、化学沈殿、熱水、ソリッドステート、マイクロ波またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。
【0072】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、リチウムイオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、リチウム化状態で合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、水素イオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、水和状態で合成される。
【0073】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質とコーティング材は、1つ以上の濃度勾配を形成し、ここでコーティングされたイオン交換粒子の化学組成は、2つ以上の組成物間で変動する。いくつかの実施形態において、化学組成は、コーティングされたイオン交換粒子の異なる領域において、連続的、不連続、または連続的かつ不連続な方法で、イオン交換物質とコーティングとの間で変動する。いくつかの実施形態において、イオン交換物質とコーティング材は、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、100,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、100,000nmより大きい、約1nmから約100,000nm、約10nmから約10,000nm、または約100から約1,000nmの厚さを超えて伸びる濃度勾配を形成する。
【0074】
<多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子の粒子径>
いくつかの実施形態では、コーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、二次粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、10,000nm未満、100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、コーティングされたイオン交換粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、約10,000μm未満、約100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約40μm、または約1μmから約20μmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100μm未満、約1,000μm未満、または約10,000μm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、二次粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、10,000μm未満、100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μmより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約20μm、または約1μmから約5μmの平均径を有する。
【0076】
一実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子の平均径、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされたイオン交換粒子の平均径は、コーティングされたイオン交換粒子、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされたイオン交換粒子の粒度分布の測定により判定される。
【0077】
<多孔質構造内のコーティングされていないイオン交換粒子>
本明細書に記載の一態様において、コーティングされていないイオン交換粒子は、構造支持体に埋め込まれ、取り付けられ、またはそうでなければ支持される。
【0078】
<多孔質構造内のコーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換物質>
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、高いリチウム吸収能力に適しており、かつナトリウムイオンとマグネシウムイオン等の他のイオンに比して、液体資源中のリチウムイオンに適している。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、低濃度のリチウムイオン、小過剰の酸でのリチウムイオンの容易な溶出、および速いイオン伝播等を有するものを含む、液体資源での強いリチウムイオン取り込みに適している。
【0079】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、酸化物、リン酸、オキシフルオリド、フルオロリン酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、イオン交換物質は、LiFePO4、LiMnPO4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、Li4Mn5O12、Li4Ti5O12、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiMO2(M=Al、Cu、Ti)、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl・xAl(OH)3・yH2O、SnO2・xSb2O5・yH2O、TiO2・xSb2O5・yH2O、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、xは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、yは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される。いくつかの実施形態では、xとyは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から相互に独立して選択される。いくつかの実施形態では、イオン交換物質は、LiFePO4、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、ソリッドステート、融解塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、化学沈殿、共沈、蒸着、またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、化学沈殿、熱水、ソリッドステート、マイクロ波またはそれらの組み合わせ等の方法によって合成される。
【0081】
いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、リチウムイオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、リチウム化状態で合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換物質は、水素イオンによって完全にまたは部分的に占められた副格子を用いて、水和状態で合成される。
【0082】
<多孔質構造内のコーティングされていないイオン交換粒子の粒子径>
いくつかの実施形態では、コーティングされていないイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、二次粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、10,000nm未満、100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。
【0083】
いくつかの実施形態では、コーティングされていないイオン交換粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、約10,000μm未満、約100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約40μm、または約1μmから約20μmの平均径を有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、約100μm未満、約1,000μm未満、または約10,000μm未満の平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、より小さな一次粒子で構成された二次粒子であり、二次粒子は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約1,000μm未満、10,000μm未満、100,000μm未満、約10μmより大きい、約20μmより大きい、約30μmより大きい、約40μmより大きい、約50μmより大きい、約60μmより大きい、約70μmより大きい、約80μmより大きい、約90μmより大きい、約100μmより大きい、約1,000μmより大きい、約10,000μmより大きい、約1μmから約10,000μm、約1μmから約1,000μm、約1μmから約100μm、約1μmから約80μm、約1μmから約60μm、約1μmから約20μm、または約1μmから約5μmの平均径を有する。
【0084】
一実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子の平均径、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされていないイオン交換粒子の平均径は、コーティングされていないイオン交換粒子、またはより小さな一次粒子から構成される二次粒子であるコーティングされていないイオン交換粒子の粒度分布の測定により判定される。
【0085】
<多孔質ビーズ>
本明細書に記載の態様において、多孔質構造は多孔質ビーズの形態である。
【0086】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、機械プレス、ペレットプレス、タブレットプレス、ピルプレス、ロータリプレス、またはそれらの組み合わせを使用して、乾燥粉から形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、異なる液溶体にスラリーを滴下することにより溶媒スラリーから形成される。溶媒スラリーは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせの溶媒を使用して形成される。種々の液溶体は、水、エタノール、イソ・プロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0087】
<球状ビーズ>
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、10μm未満、100μm未満、1mm未満、1cm未満、10cm未満、10μmより大きい、100μmより大きい、1mmより大きい、1cmより大きい、約1μmから約100μm、約1mmから約100mm、約1mmから約80mm、約1mmから約60mm、約1から約40mm、約1から約20mm、約1から約10mm、約1cmから約10cm、約1cmから約8cm、約1cmから約6cm、約1cmから約4cmの平均径のほぼ球状である。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、200μm未満、2mm未満、20mm未満、200μmより大きい、2mmより大きい、20mmより大きい、約1μから約100μm、約1μmから約200μm、約1μから約2mm、約1μmから約200mm、約2mmから約200mmの平均径のほぼ球状である。
【0088】
<タブレット形のビーズ>
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、20mm未満、1mmより大きい、2mmより大きい、4mmより大きい、8mmより大きい、約0.5mmから約1mm、約0.5mmから約2mm、約1mmから約4mm、約1mmから約8mm、約1mmから約20mmの直径、および1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、20mm未満、1mmより大きい、2mmより大きい、4mmより大きい、8mmより大きい、約0.5mmから約1mm、約0.5mmから約2mm、約1mmから約40mm、約1mmから約8mm、約1mmから約20mmの高さを有する、タブレット形である。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、8mm未満の直径と8mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、4mm未満の直径と4mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、2mm未満の直径と2mm未満の高さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、1mm未満の直径と1mm未満の高さを有する。
【0089】
<方法>
<コーティングされたイオン交換粒子を使用する方法>
本明細書に記載の一態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は、コーティングされたイオン交換粒子を液体資源に接触させて、リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子を生成する工程;および、リチウムイオンを含む食塩水を生成するために、リチウム化コーティングされたイオン交換粒子を酸性溶液で処理する工程を含む。ここで、コーティングされたイオン交換粒子は随意に、液体資源と混合されてリチウムを吸収し、次にろ過、重量分離、または他の手段によって回収される。
【0090】
いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの滲出溶液、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、油田からの水、化学プロセスからの溶出液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、油田からの水、処理済ブライン、合成ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、ブラインのpHは、リチウム取り込み中にイオン交換物質によって放出される酸性プロトンを中和するために、イオン交換の前または後に調整される。
【0091】
いくつかの実施形態において、液体資源は、約100,000ppm未満、約10,000ppm未満、約1,000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約5,000ppm未満、約500ppm未満、約50ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約100ppmより大きい、約1,000ppmより大きい、約10,000ppmより大きい、または約100,000ppmより大きい、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、またはストロンチウムイオンの濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppb、1ppm、10ppm、100ppm、1,000ppm、または10,000ppmより大きい、炭化水素、硫化水素、界面活性剤、または微生物の濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppmb、10ppm、100ppm、または1,000ppmより大きい濃度で浮遊物質を有する。
【0092】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子からリチウムイオンを回収するために使用される酸性溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、塩酸、硫酸、硝酸リン酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約1Mより大きい、約5Mより大きい、または約10Mより大きい、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1M未満、約0.5M未満、約1M未満、約5M未満、または約10M未満、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mから約10M、約0.5Mから約5M、または約0.5Mから約1Mの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約4未満、約2未満、約1未満、または約0未満のpHを有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、酸性溶液がコーティングされたイオン交換粒子に暴露され、コーティングされたイオン交換粒子がプロトンを吸収しながら同時にリチウムイオンを放出するにつれて、経時的に増加するpHを有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、約10サイクルより多い、約30サイクルより多い、約100サイクルより多い、または約300サイクルより多いサイクル数にわたって、繰り返しイオン交換反応を行なう。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、そのリチウム取り込み容量が最初のリチウム取り込み容量を、約5%より多く、約10%より多く、約20%より多く、約40%より多く、または約60%より多く下回るぐらい低下するまで使用される。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、そのリチウム取り込み容量が最初のリチウム取り込み容量を、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約40%未満、または約60%未満、下回るまで使用される。
【0094】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成され、ここでイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含み、およびコーティング材は、TiO2、ZrO2、SiO2MoO2、ZrSiO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、LiNbO3、AlF3、SiC、Si3N4、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。コーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有し、およびコーティングの厚さは、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約10nmから約1,000nm、または約100nmから約1,000nmである。いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、5nm未満、10nm未満、50nm未満、100nm未満、500nm未満、1nmより大きい、5nmより大きい、10nmより大きい、50nmより大きい、100nmより大きい、約1nmから約500nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約1nmから約10nm、約1nmから約5nm、または約5nmから約100nmである。コーティングされた交換粒子は、水熱、ソリッドステート、マイクロ波、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、イオン交換物質を合成することにより生成される。コーティング材は、イオン交換物質を溶媒に懸濁し、次に金属塩化物、金属オキシクロライド、金属アルコキシド、水、酸、基材またはそれらの組み合わせを含む試薬を加えることによって、化学蒸着、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、沈殿またはマイクロ波等の方法を使用して、イオン交換物質の表面に蒸着される。コーティングされたイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、コーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。コーティング材は、イオン交換物質の分解を制限する保護バリアを提供しながら、イオン交換物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にする。酸での処理後、プロトン化されコーティングされたイオン交換粒子を液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。コーティングされたイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0095】
<多孔質構造を使用する方法>
本明細書に記載の一態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は、多孔質構造を液体資源に接触させてリチウム化多孔質構造を生成する工程、およびリチウム化多孔質構造を酸性溶液で処理してリチウムイオンを含む食塩水を生成する工程を含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの滲出溶液、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、油田からの水、化学プロセスからの溶出液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、油田からの水、処理済ブライン、合成ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、ブラインのpHは、リチウム取り込み中に放出される酸性プロトンを中和するために、イオン交換の前または後に調整される。
【0097】
いくつかの実施形態において、液体資源は、約100,000ppm未満、約10,000ppm未満、約1,000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約5,000ppm未満、約500ppm未満、約50ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約100ppmより大きい、約1,000ppmより大きい、約10,000ppmより大きい、または約100,000ppmより大きい、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、またはストロンチウムイオンの濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppb、1ppm、10ppm、100ppm、1,000ppm、または10,000ppmより大きい、炭化水素、硫化水素、界面活性剤、または微生物の濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppmb、10ppm、100ppm、または1,000ppmより大きい濃度で浮遊物質を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、多孔質構造からリチウムイオンを回収するために使用される酸性溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、塩酸、硫酸、硝酸リン酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約1Mより大きい、約5Mより大きい、または約10Mより大きい、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1M未満、約0.5M未満、約1M未満、約5M未満、または約10M未満、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mから約10M、約0.5Mから約5M、または約0.5Mから約1Mの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約4未満、約2未満、約1未満、または約0未満のpHを有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、酸性溶液が多孔質構造に暴露され、多孔質構造がプロトンを吸収しながら同時にリチウムイオンを放出するにつれて、経時的に増加するpHを有する。
【0099】
いくつかの実施形態において、多孔質構造は、10サイクルより多い、30サイクルより多い、100サイクルより多い、300サイクルより多い、または1,000サイクルより多いサイクル数にわたって、イオン交換反応を繰り返し行なう。いくつかの実施形態において、多孔質構造は、50サイクルより多い、100サイクルより多い、または200サイクルより多いサイクル数にわたって、イオン交換反応を繰り返し行なう。
【0100】
いくつかの実施形態において、多孔質構造内の、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、約10サイクルより多い、約30サイクルより多い、約100サイクルより多い、または約300サイクルより多いサイクル数にわたって、繰り返しイオン交換反応を行なう。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズ内の、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、リチウム取り込み容量が、約5%より多く、約10%より多く、約20%より多く、約40%より多く、または約60%よりも多く、最初のリチウム取り込み容量を下回るまで、使用される。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、そのリチウム取り込み容量が最初のリチウム取り込み容量を、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約40%未満、または約60%未満、下回るまで使用される。
【0101】
いくつかの実施形態において、多孔質構造のコーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成され、ここでイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含み、およびコーティング材は、TiO2、ZrO2、SiO2MoO2、ZrSiO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、LiNbO3、AlF3、SiC、Si3N4、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質構造のコーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有し、およびコーティングの厚さは、1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、1nmより大きい、10nmより大きい、100nmより大きい、1,000nmより大きい、10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約10nmから約1,000nm、または約100nmから約1,000nmである。いくつかの実施形態において、コーティング材の厚さは、5nm未満、10nm未満、50nm未満、100nm未満、500nm未満、1nmより大きい、5nmより大きい、10nmより大きい、50nmより大きい、100nmより大きい、約1nmから約500nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約1nmから約10nm、約1nmから約5nm、または約5nmから約100nmである。多孔質構造のコーティングされた交換粒子は、水熱、ソリッドステート、マイクロ波、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、まずイオン交換物質を合成することにより生成される。コーティング材は、イオン交換物質を溶媒に懸濁し、次に金属塩化物、金属オキシクロライド、金属アルコキシド、水、酸、基材またはそれらの組み合わせを含む試薬を加えることによって、化学蒸着、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、沈殿またはマイクロ波等の方法を使用して、イオン交換物質の表面に蒸着される。多孔質構造のコーティングされたイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質構造のコーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。コーティング材は、イオン交換物質の分解を制限する保護バリアを提供しながら、イオン交換物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にする。酸での処理後、多孔質構造のプロトン化されコーティングされたイオン交換粒子を液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。多孔質構造のコーティングされたイオン交換粒子は、リチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0102】
一実施形態において、多孔質構造のコーティングされていないイオン交換粒子は、イオン交換物質で構成され、ここでイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質構造のコーティングされていないイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。多孔質構造のコーティングされていないイオン交換粒子は、水熱、ソリッドステート、マイクロ波、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、イオン交換物質を合成することにより生成される。多孔質構造のコーティングされていないイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質構造のコーティングされていないイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。酸での処理後、プロトン化されコーティングされていないイオン交換粒子を液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。コーティングされていないイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0103】
一実施形態において、多孔質構造内にコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせがある。多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、約0.1M未満、約0.5M未満、約1M未満、約5M未満、または約10M未満、約0.1Mから約10M、約0.5Mから約5M、または約0.5Mから約1M、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質構造内のコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。酸での処理後、プロトン化されコーティングされたイオン交換粒子とプロトン化されコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせを液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。多孔質構造内のプロトン化されコーティングされたイオン交換粒子とプロトン化されコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、リチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0104】
<多孔質ビーズを使用する方法>
本明細書に記載の一態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、該方法は、多孔質ビーズを液体資源に接触させて、リチウム化された多孔質ビーズを生成する工程;および、リチウムイオンを含む食塩水を生成するために、リチウム化された多孔質ビーズを酸性溶液で処理する工程、を含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、海水、濃縮海水、脱塩溶出液、濃縮ブライン、処理済ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの滲出溶液、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、油田からの水、化学プロセスからの溶出液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、油田からの水、処理済ブライン、合成ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、ブラインのpHは、リチウム取り込み中に放出される酸性プロトンを中和するために、イオン交換の前または後に調整される。
【0106】
いくつかの実施形態において、液体資源は、約100,000ppm未満、約10,000ppm未満、約1,000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約5,000ppm未満、約500ppm未満、約50ppm未満、またはそれらの組み合わせのリチウムイオン濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約100ppmより大きい、約1,000ppmより大きい、約10,000ppmより大きい、または約100,000ppmより大きい、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、またはストロンチウムイオンの濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppb、1ppm、10ppm、100ppm、1,000ppm、または10,000ppmより大きい、炭化水素、硫化水素、界面活性剤、または微生物の濃度を有する。いくつかの実施形態において、液体資源は、約1ppmb、10ppm、100ppm、または1,000ppmより大きい濃度で浮遊物質を有する。
【0107】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズからリチウムイオンを回収するために使用される酸性溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、塩酸、硫酸、硝酸リン酸、またはそれらの組み合わせで調製される。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約1Mより大きい、約5Mより大きい、または約10Mより大きい、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1M未満、約0.5M未満、約1M未満、約5M未満、または約10M未満、またはそれらの組み合わせの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約0.1Mから約10M、約0.5Mから約5M、または約0.5Mから約1Mの酸濃度を有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、約4未満、約2未満、約1未満、または約0未満のpHを有する。いくつかの実施形態において、酸性溶液は、酸性溶液が多孔質ビーズに暴露され、多孔質ビーズプロトンを吸収しながら同時にリチウムイオンを放出するにつれて、経時的に増加するpHを有する。
【0108】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、10サイクルより多い、30サイクルより多い、100サイクルより多い、300サイクルより多い、または1,000サイクルより多いサイクル数にわたって、イオン交換反応を繰り返し行なう。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、50サイクルより多い、100サイクルより多い、または200サイクルより多いサイクル数にわたって、イオン交換反応を繰り返し行なう。
【0109】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズ内の、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、約10サイクルより多い、約30サイクルより多い、約100サイクルより多い、または約300サイクルより多いサイクル数にわたって、繰り返しイオン交換反応を行なう。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズ内の、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせは、リチウム取り込み容量が、約5%より多く、約10%より多く、約20%より多く、約40%より多く、または約60%よりも多く、最初のリチウム取り込み容量を下回るまで、使用される。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、そのリチウム取り込み容量が最初のリチウム取り込み容量を、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約40%未満、または約60%未満、下回るまで使用される。
【0110】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズのコーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成され、ここでイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含み、およびコーティング材は、TiO2、ZrO2、SiO2MoO2、ZrSiO4、Li2TiO3、Li2ZrO3、LiNbO3、AlF3、SiC、Si3N4、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質ビーズのコーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000nmより大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有し、およびコーティングされた膜は、5nm未満、10nm未満、50nm未満、100nm未満、500nm、1nmより大きい、5nmより大きい、10nmより大きい、50nmより大きい、100nmより大きい、約1nmから約500nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約1nmから約10nm、約1nmから約5nm、または約5nmから約100nmである。多孔質ビーズのコーティングされた交換粒子は、水熱、ソリッドステート、マイクロ波、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、まずイオン交換物質を合成することにより生成される。コーティング材は、イオン交換物質を溶媒に懸濁し、次に金属塩化物、金属オキシクロライド、金属アルコキシド、水、酸、基材またはそれらの組み合わせを含む試薬を加えることによって、化学蒸着、熱水、溶媒熱合成、ゾルーゲル、沈殿またはマイクロ波等の方法を使用して、イオン交換物質の表面に蒸着される。多孔質ビーズのコーティングされたイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質ビーズのコーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。コーティング材は、イオン交換物質の分解を制限する保護バリアを提供しながら、イオン交換物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にする。酸での処理後、多孔質ビーズのプロトン化されコーティングされたイオン交換粒子を液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。多孔質ビーズのコーティングされたイオン交換粒子は、リチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0111】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズのコーティングされていないイオン交換粒子はイオン交換物質で構成され、ここでイオン交換物質は、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO4、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質ビーズのコーティングされていないイオン交換粒子は、約10nm未満、約20nm未満、約30nm未満、約40nm未満、約50nm未満、約60nm未満、約70nm未満、約80nm未満、約90nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、約100,000nm未満、約10nmより大きい、約20nmより大きい、約30nmより大きい、約40nmより大きい、約50nmより大きい、約60nmより大きい、約70nmより大きい、約80nmより大きい、約90nmより大きい、約100nmより大きい、約1,000nmより大きい、約10,000より大きい、約1nmから約10,000nm、約1nmから約1,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約80nm、約1nmから約60nm、約1nmから約40nm、または約1nmから約20nmの平均径を有する。多孔質ビーズのコーティングされていないイオン交換粒子は、水熱、ソリッドステート、マイクロ波、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、イオン交換物質を合成することにより生成される。多孔質ビーズのコーティングされていないイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質ビーズのコーティングされていないイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。酸での処理後、プロトン化されコーティングされていないイオン交換粒子を液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。コーティングされていないイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0112】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズ内にコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせがある。多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸性溶液で処理され、ここで酸性溶液の濃度は、約0.1Mより大きい、約0.5Mより大きい、約2Mより大きい、約5Mより大きい、またはそれらの組み合わせである。酸処理中に、多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。イオン交換物質をプロトン化状態に変える。酸での処理後、多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子とコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせを液体資源で処理し、ここで液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。多孔質ビーズ内のプロトン化されコーティングされたイオン交換粒子とプロトン化されコーティングされていないイオン交換粒子の組み合わせは、リチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。酸処理の後、リチウム塩溶液を回収し、炭酸リチウム、水酸化リチウムまたはリン酸リチウムへと処理する。
【0113】
<コーティングされたイオン交換粒子、多孔質構造、および/または多孔質ビーズをカラムで使用する方法>
本明細に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出する方法であって、ここでコーティングされたイオン交換粒子、多孔質構造、および/または多孔質ビーズを使用する該方法は、カラムで実施される。コーティングされたイオン交換粒子は前述の通りである。多孔質構造は前述の通りである。多孔質ビーズは前述の通りであり。
【0114】
コーティングされたイオン交換粒子、多孔質構造、および/または多孔質ビーズが、イオン交換カラムに装填される。イオン交換カラムの一例は
図3に示される。イオン交換カラムは、コーティングされたイオン交換粒子、多孔質構造、および/または多孔質ビーズのまわりにしみ渡るように液体を差し向け、それによってコーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、および/またはそれらの組み合わせと、液体資源との間のイオン交換を促進する。
【0115】
コーティングされたイオン交換粒子、多孔質構造、および/または多孔質ビーズをイオン交換カラムで使用する場合、リチウムイオンを含む液体資源を、イオン交換カラムを通して送り込み、その結果として、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、および/またはそれらの組み合わせは液体資源からリチウムを吸収しながら、同時に水素を放出する。粒子がリチウムを吸収した後、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、および/またはそれらの組み合わせが酸性溶液にリチウムを放出しながら、同時に水素イオンを吸収するように、酸性溶液をカラムを通して送り込む。
【0116】
カラムは随意に、液体資源と酸性溶液が交互にカラムを通って同じ方向に流れる平行流モードで操作され、またはカラムは随意に、液体資源と酸性溶液が交互にカラムを通って逆方向に流れる逆流モードで操作される。液体資源と酸性溶液の流れの間で、カラムは随意に、カラム内のpHを調整する、または潜在的な汚染物質を除去する等の目的で、水または他の溶液で処理または洗浄される。液体資源がカラムを流れる前または後に、イオン交換反応の促進だけでなく、使われた液体資源の処理または処分のために、液体のpHをNaOHまたは他の化学物質と随意に適合させる。液体資源がカラムを流れる前または後に、液体資源は随意に、リチウムイオンを取り出すために、他の化学種を除去するために、あるいはそうでなければブラインを処理するために、他のイオン交換プロセス、溶媒抽出、蒸着、化学処理または沈澱生成を含む他のプロセスにさらされる。イオン交換粒子が酸で処理される場合、リチウムイオン溶液が生成される。このリチウムイオン溶液はリチウム化学物質を生成するためにさらに処理される。いくつかの実施形態において、これらのリチウム化学物質は産業用途のために供給される。
【0117】
いくつかの実施形態において、リチウムイオンは液体資源から抽出される。液体資源は、天然のブライン、溶けた塩類湖底、濃縮ブライン、処理済ブライン、合成ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶剤抽出プロセスからの液体、無機質からの滲出溶液、粘土からの滲出溶液、リサイクル製品からの滲出溶液、リサイクル材からの滲出溶液、またはそれらの組み合わせである。
【0118】
<リチウムイオン食塩水>
本明細書に記載される態様では、リチウム塩溶液は約1ppbから約10ppmの不純物濃度を有し、ここで不純物濃度は、リチウム塩溶液の製造中にコーティングされたイオン交換粒子が存在することを示す。いくつかの実施形態において、不純物は、1ppbより大きい、5ppbより大きい、10ppbより大きい、100ppbより大きい、1ppmより大きい、2ppmより大きい、3ppmより大きい、4ppmより大きい、5ppmより大きい、6ppmより大きい、7ppmより大きい、8ppmより大きい、9ppmより大きい、10ppm未満、9ppm未満、8ppm未満、7ppm未満、6ppm未満、5ppm未満、4ppm未満、3ppm未満、2ppm未満、1ppm未満、100ppb未満、10ppb未満、5ppb未満、約1ppbから約10ppm、約5ppbから約10ppm、約10ppbから約10ppm、約50ppbから約10ppm、約100ppbから約10ppm、約1ppmから約10ppm、約2ppmから約10ppm、約4ppmから約10ppm、約6ppmから約ppm、または約8ppmから約10ppmの濃度で存在する。酸性溶液を使用してリチウムイオンをコーティングされたイオン交換粒子から溶出する場合、いくらかの小量のコーティング材が溶解される。これらの溶解された要素は、リチウムと共に放出される。いくつかの実施形態において、リチウムが精製されるが、コーティング材からのいくらかの非常に小さな濃度の要素は不純物としてリチウム生成物内に残る。いくつかの実施形態において、この不純物濃度はおよそ10億分率であり、および誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)または誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を使用して検出される。一実施形態において、ICP-AESを使用して、343.823nmまたは336.121nmの波長でZrイオンまたはTiイオンの不純物濃度を測定する。
【0119】
いくつかの実施形態では、濃縮リチウムイオン溶液をさらに、溶剤抽出、イオン交換、化学的置換、化学沈殿、電気透析、電解採取、蒸着、熱処理、またはそれらの組み合わせ等の方法を使用して、リチウム原料へと処理する。いくつかの実施形態では、濃縮リチウムイオン溶液を、塩化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、リン酸リチウム、リチウム金属、リチウム金属酸化物、リチウム金属リン酸塩、リチウム硫化物、またはそれらの組み合わせ等のリチウム化学物質へとさらに処理する。
【0120】
いくつかの実施形態では、生成されたリチウム化学物質を、リチウム電池、メタルアロイ、ガラス、グリース、またはそれらの組み合わせ等の産業用途に使用する。いくつかの実施形態では、生成されたリチウム化学物質を、リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウム固体電池、およびそれらの組み合わせ等の用途に使用する。
【実施例】
【0121】
<実施例1:コーティングされたイオン交換粒子の合成(Li4Mn5O12/ZrO2)>
コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成される。イオン交換物質はLi4Mn5O12であり、およびコーティング材はZrO2である。粒子は、まずLi4Mn5O12を合成し、次にLi4Mn5O12の表面にコーティングを蒸着させることによって生成される。
【0122】
イオン交換物質、Li4Mn5O12は、水熱合成、ソリッドステート合成、マイクロ波合成、またはそれらの組み合わせを使用して合成される。コーティング材(ZrO2)は、化学蒸着、熱水性沈積、溶媒熱合成、ゾルーゲル沈積、沈殿、マイクロ波沈積を使用して、または溶媒にLi4Mn5O12を懸濁し、次に金属塩化物、金属オキシクロライド、金属アルコキシド、水、酸、基材、またはそれらの組み合わせを含む試薬を加えることによって、Li4Mn5O12の表面に蒸着される。粒子は、98重量%のイオン交換物質(Li4Mn5O12)、および2重量%のコーティング(ZrO2)から構成される。粒子は、1ミクロンの平均径を有し、およびコーティングの厚さはおよそ2nmである。
【0123】
<実施例2:コーティングされたイオン交換粒子の合成(Li4Mn5O12/ZrO2)>
コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成された。イオン交換物質はLi4Mn5O12であり、およびコーティング材はZrO2であった。粒子は、まずLi4Mn5O12を合成し、次にLi4Mn5O12の表面にコーティングを蒸着させることによって生成された。
【0124】
Li4Mn5O12イオン交換物質を、電解二酸化マンガンと硝酸リチウムの前駆物質から、ソリッドステート法を使用して合成した。遊星ボールミルで30分間、5mmのZrO2粉砕媒体を使用して、前駆物質をボールミルにかけた。結果として得た混合物を36時間、5℃/分から最大550℃/分までの加熱速度で、炉内で燃やし、次に室温にゆっくりと冷ました。結果として得た粉末は、Li4Mn5O12イオン交換物質で構成された。ZrO2コーティングを、Li4Mn5O12イオン交換物質上に蒸着した。イオン交換物質を活発に撹拌しながら、ブタノール、エタノール、および水の混合物に懸濁し、そしてブタノールとジルコニウムブトキシドの混合物を30分間にわたって懸濁液に滴下した。懸濁液を2時間、撹拌し、ジルコニウムブトキシドが水で反応して、粒子表面上でZrO2前駆物質を形成することを可能にした。次にコーティングされた粉末を2時間、400℃で炉内で燃やした。結果として得た粉末は、ZrO2コーティングを有するLi4Mn5O12粒子で構成された、コーティングされたイオン交換粒子であった。粒子は、98重量%のイオン交換物質(Li4Mn5O12)、および2重量%のコーティング(ZrO2)から構成された。粒子は、1ミクロンの平均径を有し、およびコーティングの厚さはおよそ2nmであった。
【0125】
<実施例3-コーティングされたイオン交換粒子(Li2TiO3/SiO2)の合成>
コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換物質とコーティング材で構成された。イオン交換物質はLi2TiO3であり、およびコーティング材はSiO2であった。粒子は、まずLi2TiO3を合成し、次にLi2TiO3の表面にSiO2コーティングを蒸着させることによって生成された。
【0126】
Li2TiO3粉末を、チタンジオキシドと炭酸リチウム前駆物質から、ソリッドステート法を使用して合成した。遊星ボールミルで30分間、5mmのZrO2粉砕媒体を使用して、前駆物質をボールミルにかけた。結果として得た混合物を24時間、5℃/分から最大700℃/分までの加熱速度で、炉内で燃やし、次に室温にゆっくりと冷ました。結果として得た粉末は、Li2TiO3イオン交換物質で構成された。SiO2コーティングを、Li2TiO3イオン交換物質上に蒸着した。イオン交換物質を、活発に撹拌しながらエタノールと水の混合物に懸濁し、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、水、および塩酸の混合物を120分間にわたって懸濁液に滴下した。懸濁液を2時間、撹拌して、TEOSが粒子表面に蒸着するのを可能にし、そして溶媒を蒸発させた。次にコーティングされた粉末を2時間、400℃で炉内で燃やした。結果として得た粉末は、SiO2コーティングを有するLi2TiO3粒子で構成された、コーティングされたイオン交換粒子であった。粒子は、96重量%のイオン交換物質と4重量%のコーティングで構成された。粒子は、4ミクロンの平均径を有し、およびコーティングの厚さはおよそ35nmであった。
【0127】
<実施例4:コーティングされたイオン交換粒子の使用(Li4Mn5O12/ZrO2)>
リチウムを、コーティングされたイオン交換粒子((Li4Mn5O12/ZrO2)を使用してブラインから抽出する。ブラインは、50,000ppmのNaと1,000ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子をHCl酸で処理して、溶液中のLiClを得る。酸処理中に、コーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出する。Li4Mn5O12活物質を、プロトン化状態に変える。ZrO2コーティングは、活物質からのマンガンと酸素の分解を制限する保護バリアを提供しながら、活物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にする。リチウム産出を測定するための元素分析のために溶液を回収する。
【0128】
酸での処理後、プロトン化されコーティングされたイオン交換粒子をブラインで処理し、ここでコーティングされたイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。コーティングされたイオン交換粒子を、プロトン化状態からリチウム化状態に変換する。リチウム取り込みを測定するための元素分析のために溶液を回収する。
【0129】
リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子を次に、酸で再度処理して溶液中のリチウムイオンを得る。プロトン化とリチウム化のサイクルは、ブラインからリチウムイオンを抽出し、LiCl溶液を得るために繰り返される。酸での活物質の分解と劣化は、保護バリアを提供するコーティングによって制限される。活物質の分解を、撹拌後に酸性溶液の元素分析で測定する。
【0130】
<実施例5-コーティングされたイオン交換粒子(Li
2TiO
3/SiO
2)の使用>
リチウムを、コーティングされたイオン交換粒子(Li
2TiO
3/SiO
2)を使用してブラインから抽出した。ブラインは、50,000ppmのNa、30,000ppmのCa、5,000ppmのMg、および100ppmのLiを含む水溶液であった。コーティングされたイオン交換粒子をHCl酸で処理して、溶液中のLiClを得た。酸処理中に、コーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出していた。Li
2TiO
3活物質を、プロトン化状態に変換した。SiO
2コーティングは、活物質からのチタンと酸素の分解を制限する保護バリアを提供しながら、活物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にした。リチウム産出を測定するための元素分析のために溶液を回収した。
図4はコーティングの効果を表し、それはリチウム放出を可能にしつつ物質の分解を制限する。
【0131】
酸での処理後、プロトン化されコーティングされたイオン交換粒子をブラインで処理し、ここでコーティングされたイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出していた。粒子を、プロトン化状態からリチウム化状態に変換した。次に、リチウム取り込みを測定するための元素分析のために溶液を回収した。
【0132】
リチウム化されコーティングされたイオン交換粒子を次に、酸で再度処理して溶液中のリチウムを得る。プロトン化とリチウム化のサイクルは、ブラインからリチウムイオンを抽出し、LiCl溶液を得るために繰り返される。酸での活物質の分解と劣化は、保護バリアを提供するコーティングによって制限された。活物質の分解を、撹拌後に酸性溶液の元素分析で測定した。
【0133】
<実施例6:コーティングされたイオン交換粒子(Li4Mn5O12/ZrO2)を含む多孔質ビーズの使用>
リチウムを、多孔質ビーズを使用してブラインから抽出する。多孔質ビーズは、コーティングされたイオン交換粒子(Li4Mn5O12/ZrO2)とポリマーマトリックスで構成される。コーティングされたイオン交換粒子は、ZrO2コーティングを伴うLi4Mn5O12で構成される。イオン交換粒子は95wt%のLi4Mn5O12と5wt%のZrO2を含む。粒子は、2ミクロンの平均径で、コーティングの厚さがおよそ12nmのほぼ球状である。ポリマーマトリックスはポリフッ化ビニリデンで構成される。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビニリデンを溶解することによって多孔質ビーズを生成し、溶液を作る。次に、この溶液をコーティングされたイオン交換粒子と混合してスラリーを形成する。スラリーを水溶液に滴下してビーズを形成する。多孔質ビーズは10重量%のポリフッ化ビニリデンマトリックス、および90重量%のコーティングされたイオン交換粒子で構成される。多孔質ビーズは、2mmの平均径と35%の多孔性を有する。
【0134】
多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内、およびイオン交換粒子への伝播チャネルを提供する、孔サイズの分布を有する孔を含む。多孔質ビーズを水または他の溶液に沈めると、孔に溶液が浸潤する。ビーズは、1mmの平均径でほぼ球状の形状の分布を有する。
【0135】
ブラインは、100ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMgを含む塩化物溶液である。多孔質ビーズをHCl酸で処理して、溶液中のLiClを得る。1gのビーズを、室温で4時間、30mLの1M HCl酸中で撹拌する。ビーズの孔は、酸性溶液がビーズに浸透してイオン交換粒子にアクセスすることを可能にする。したがって、イオン交換粒子は酸から水素イオンを吸収し、同時に酸へとリチウムイオンを放出する。多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子のLi4Mn5O12を、プロトン化状態のLi4-xHxMn5O12に変換し、ここでxは約3.5であり得る。コーティングされたイオン交換粒子のZrO2コーティングは、イオン交換物質からのマンガンと酸素の分解を制限する保護バリアを提供しながら、イオン交換物質間での水素イオンとリチウムイオンそれぞれの拡散を可能にする。4時間の撹拌後、溶液を元素分析のために回収して、リチウム産出を測定する。
【0136】
酸での処理後、プロトン化多孔質ビーズをブラインで処理し、ここでコーティングされたイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。プロトン化多孔質ビーズを、室温で4時間、500mLのブライン中で撹拌する。多孔質ビーズの孔は、ブライン溶液が多孔質ビーズに浸透してコーティングされたイオン交換粒子にアクセスすることを可能にする。したがって、コーティングされたイオン交換粒子はブラインからリチウムイオンを吸収し、同時にブラインへと水素イオンを放出する。多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子を、プロトン化状態からリチウム化状態のLi4-xHxMn5O12に変換し、ここでxは約2であり得る。4時間の撹拌後、溶液を元素分析のために回収して、リチウム取り込みを測定する。
【0137】
次に、リチウム化多孔質ビーズを酸で再度処理してリチウムイオンを得た。プロトン化とリチウム化のサイクルは、ブラインからリチウムイオンを抽出し、LiCl溶液を得るために繰り返される。多孔質ビーズの孔は、多孔質ビーズへの酸とブライン溶液の浸透を促進し、多孔質ビーズ内のコーティングされたイオン交換粒子(Li4Mn5O12/ZrO2)によってリチウムイオンと水素イオンの吸収と放出を促進する。酸での活物質の分解と劣化は、保護バリアを提供するZrO2コーティングによって制限される。活物質の分解を、撹拌後に酸性溶液の元素分析で測定する。
【0138】
<実施例7:カラムでのコーティングされたイオン交換粒子(Li4Mn5O12/ZrO2)を含む多孔質ビーズの使用>
リチウムは、コーティングされたイオン交換粒子(Li4Mn5O12/ZrO2)を含む多孔質ビーズを装填したイオン交換カラムを使用して、ブラインから抽出される。
【0139】
コーティングされたイオン交換粒子は、活物質と保護表面コーティングで構成される。活物質はLi4Mn5O12であり、およびコーティングはZrO2である。粒子は、まずLi4Mn5O12を合成し、次にLi4Mn5O12の表面にコーティングを蒸着させることによって生成される。コーティングされたイオン交換粒子は、95重量%の活物質構成と、5重量%のコーティングで構成され、2ミクロンの平均径を有し、およびコーティングの厚みはおよそ12nmである。
【0140】
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビニリデンを溶解することによって多孔質ビーズを生成し、溶液を作る。次に、この溶液をコーティングされたイオン交換粒子と混合してスラリーを形成する。スラリーを水溶液に滴下してビーズを形成する。多孔質ビーズは10重量%のポリフッ化ビニリデンマトリックス、および90重量%のコーティングされたイオン交換粒子で構成される。多孔質ビーズは、2mmの平均径と35%の多孔性を有する。
【0141】
ブラインは、およそ500ppmのLi、50,000ppmのNa、かつK、Mg、Caおよび硫酸を含む他の化学種を含む、天然のブラインである。
【0142】
イオン交換カラムは長さ2メートル、および直径50cmである。カラムに多孔質ビーズを充填する。10MのHClをカラムの底に注入して、LiCl溶液をカラムのてっぺんから溶出する。コーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出してLiClを生み出す。Li4Mn5O12活物質をプロトン化状態に変える。カラムからのリチウム回収を、pH測定と元素分析を使用してモニタリングする。リチウム回収後、カラムを水で洗い流す。
【0143】
酸処理の後、ブラインはカラムを通って下に流される。コーティングされたイオン交換粒子はリチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。プロトン化物質をリチウム化状態に変える。カラム内の多孔質ビーズによるリチウムイオン取り込みを、pH測定と元素分析を使用してモニタリングする。カラムを出るブラインを、NaOHを使用して中性のpHに調節する。リチウムイオン取り込みの後、カラムを水で洗い流す。
【0144】
酸とブラインを交互に流す前述の工程を繰り返すことによって、カラムを操作する。このカラムは、ブラインからリチウムを抽出し、かつ濃縮LiCl溶液を生成するために作動する。カラム操作中に、コーティングされたイオン交換粒子を、保護バリアを提供する表面コーティングによって分解と劣化から保護する。
【0145】
カラム操作からのLiCl溶液を、Li2CO3、LiOH、およびLiの金属を含むリチウム原料へと処理する。これらのリチウム原料を、バッテリー、合金、および他の製品での使用のために販売する。
【0146】
<実施例8:カラム内のコーティングされたイオン交換粒子(Li2TiO3/SiO2)を含む多孔質ビーズの使用>
リチウムは、コーティングされたイオン交換粒子を含む多孔質ビーズを装填したイオン交換カラムを使用して、ブラインから抽出される。
【0147】
コーティングされたイオン交換粒子(Li2TiO3/SiO2)は、活物質と保護表面コーティングで構成される。活物質はLi2TiO3であり、およびコーティングはSiO2である。Li2TiO3を合成し、次にLi2TiO3の表面にSiO2コーティングを蒸着させることによって粒子を生成する。コーティングされたイオン交換粒子は、96重量%の活物質と、4重量%のコーティングで構成され、4ミクロンの平均径を有し、およびコーティングの厚みはおよそ35nmである。
【0148】
多孔質ビーズを、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)にポリ塩化ビニルを溶解することによって生成し、溶液を作る。次に、この溶液をコーティングされたイオン交換粒子と混合してスラリーを形成する。スラリーを水溶液に滴下して多孔質ビーズを形成する。ビーズは20重量%のポリ塩化ビニルマトリックス、および80重量%のコーティングされたイオン交換粒子で構成される。ビーズは、1mmの平均径と25%の多孔性を有する。
【0149】
ブラインは、およそ50ppmのLi、60,000ppmのNa、かつK、Mg、Caおよびclを含む他の化学種を含む、天然のブラインである。
【0150】
イオン交換カラムは長さ2m、および直径50cmである。カラムにビーズを充填する。0.5M HClを、カラムの底にポンプで送り込み、カラムのてっぺんからLiCl溶液を溶出する。コーティングされたイオン交換粒子は水素イオンを吸収し、同時にリチウムイオンを放出して、LiClを産出する。Li2TiO3活物質を、プロトン化状態に変える。カラムからのリチウム回収を、pH測定と元素分析を使用してモニタリングする。リチウム回収後、カラムを水で洗い流す。
【0151】
酸処理の後、ブラインはカラムを通って下に流される。コーティングされたイオン交換粒子(Li2TiO3/SiO2)は、リチウムイオンを吸収し、同時に水素イオンを放出する。プロトン化物質をリチウム化状態に変える。カラム内の多孔質ビーズによるリチウムイオン取り込みを、pH測定と元素分析を使用してモニタリングする。カラムを出るブラインを、NaOHを使用して中性のpHに調節する。リチウム取り込みの後、カラムを水溶液でフラッシングして汚染物質を除去した。
【0152】
酸とブラインを交互に流す前述の工程を繰り返すことによって、カラムを操作する。このカラムは、ブラインからリチウムを抽出し、かつ濃縮LiCl溶液を生成するために操作される。カラム操作中に、イオン交換粒子を、保護バリアを提供する表面コーティングによって分解と劣化から保護する。
【0153】
カラム操作からのLiCl溶液を、Li2CO3、LiOH、およびLiの金属を含むリチウム原料へと処理する。これらのリチウム原料を、バッテリー、合金、および他の製品での使用のために販売する。
【0154】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されたが、そのような実施形態が単なる例として提供されていることは、当業者にとって明白だろう。多数の変形、変更、および置き換えが、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到されるだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲内の方法と構造、およびそれらの同等物を包含することが、意図されている。