(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/16 20060101AFI20240826BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
G02B15/16
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2020053670
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真司
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-112909(JP,A)
【文献】特開2012-220827(JP,A)
【文献】特開2013-242505(JP,A)
【文献】特開2015-082068(JP,A)
【文献】特開2004-198855(JP,A)
【文献】特開2006-284790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配された負の第1レンズ群および正の第2レンズ群からなるズームレンズであって、
隣り合うレンズ群の間隔は、いずれもズーミングのために変化し、
前記第2レンズ群は、物体側から像側へ順に配された、正レンズ、負レンズ、正レンズ、および負レンズからなり、
前記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち最も像側に位置する負レンズは、非球面を有し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第2レンズ群に含まれる全ての正レンズの平均アッベ数をνd2pとし、ワイド端での空気換算バックフォーカスの最小値をbfwtとして、
-1.20<f1/f2<-0.80
68.00<νd2p<90.00
0.40<bfwt/f2<0.90
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記非球面を有する前記負レンズの焦点距離をf2n_asphとして、
-4.50<f2n_asph/f2<-0.80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第2レンズ群に含まれる全ての負レンズの平均アッベ数をνd2nとして、
25.00<νd2p-νd2n<45.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
第1レンズ群は、正レンズを含み、
前記第1レンズ群の前記正レンズのアッベ数をνd1pとし、前記第1レンズ群の前記正レンズの屈折率をNd1pとして、
13.00<νd1p<20.00
1.85<Nd1p<2.10
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第2レンズ群のうち最も物体側に配された正レンズと、該正レンズの隣に配された負レンズとは、それぞれ単レンズからなり、該正レンズと該負レンズとは、空気を介して離れ、該正レンズの像側の曲率半径をR12とし、該負レンズの物体側の曲率半径をR21として、
-0.10<(R12-R21)/(R12+R21)<0.70
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第2レンズ群に含まれる正レンズのうち最も物体側の正レンズの中心肉厚をd2p1とし、前記第2レンズ群に含まれる正レンズのうち最も像側の正レンズの中心肉厚をd2p2として、
0.50<(d2p1+d2p2)/f2<1.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第2レンズ群を構成する全レンズの中心肉厚の合計をd2Gとし、前記第2レンズ群の全長をTL2Gとして、
0.70<d2G/TL2G<0.99
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
物体側から像側へ順に配された負の第1レンズ群および正の第2レンズ群からなるズームレンズであって、
隣り合うレンズ群の間隔は、いずれもズーミングのために変化し、
前記第2レンズ群は、少なくとも2つの正レンズおよび少なくとも2つの負レンズを含み、
前記少なくとも2つの負レンズのうち最も像側に位置する負レンズは、非球面を有し、
前記第2レンズ群のうち最も物体側に配された正レンズと、該正レンズの隣に配された負レンズとは、それぞれ単レンズからなり、該正レンズと該負レンズとは、空気を介して離れ、該正レンズの像側の曲率半径をR12とし、該負レンズの物体側の曲率半径をR21とし、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記少なくとも2つの全ての正レンズの平均アッベ数をνd2pとし、ワイド端での空気換算バックフォーカスの最小値をbfwtとして、
-1.20<f1/f2<-0.80
75.89≦νd2p<90.00
0.40<bfwt/f2<0.90
-0.10<(R12-R21)/(R12+R21)<0.70
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のズームレンズと、
前記ズームレンズにより形成された像を撮る撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の撮像装置、ズーミングのために前記ズームレンズを制御する制御部と、を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記ズームレンズに対して制御信号を送信することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記ズームレンズを操作するための操作部材を有することを特徴とする請求項10または11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記ズームレンズのズームに関する情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像素子を含む監視カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置における撮影光学系として、高精細な撮像素子に対応した高い光学性能を有する光学系が要望されている。近年、監視カメラ市場の急速な拡大に伴い、設置や目立ちにくさの観点から、監視カメラの小型化の要望が強くなっている。また、暗所での撮影ができるように明るく(F値が小さく)、また、近赤外光でも高い光学性能で撮影ができる光学系が求められている。特許文献1は、物体側から像側へ順に配された負のレンズ群および正のレンズ群からなる2群ズームレンズを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のズームレンズは、F値が比較的小さく、近赤外波長でも色収差が補正されているが、小型の点では不十分である。
【0005】
本発明は、例えば、小型、明るさ、可視光から近赤外光にわたる高い光学性能の点で有利なズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配された負の第1レンズ群および正の第2レンズ群からなるズームレンズであって、隣り合うレンズ群の間隔は、いずれもズーミングのために変化し、前記第2レンズ群は、物体側から像側へ順に配された、正レンズ、負レンズ、正レンズ、および負レンズからなり、前記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち最も像側に位置する負レンズは、非球面を有し、前記第1レンズ群の焦点距離f1、前記第2レンズ群に含まれる全ての正レンズの平均アッベ数νd2p、ワイド端での空気換算バックフォーカスの最小値bfwtは、所定の条件を満足する。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、小型、明るさ、可視光から近赤外光にわたる高い光学性能の点で有利なズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の広角端におけるズームレンズの断面および移動軌跡を示す図である。
【
図2】実施例1の広角端、中間ズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図3】実施例2の広角端におけるズームレンズの断面および移動軌跡を示す図である。
【
図4】実施例2の広角端、中間ズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図5】実施例3の広角端におけるズームレンズの断面および移動軌跡を示す図である。
【
図6】実施例3の広角端、中間ズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図7】実施例4の広角端におけるズームレンズの断面および移動軌跡を示す図である。
【
図8】実施例4の広角端、中間ズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図9】各実施例における監視カメラの断面図である。
【
図10】各実施例における監視カメラの断面図である。
【
図11】各実施例における監視カメラの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各実施例は、小型かつF値が小さく、可視光から近赤外域まで高い光学性能を有するズームレンズ、およびそれを有する撮像装置に関する。
【0011】
図1、
図3、
図5、および
図7はそれぞれ、実施例1~4の広角端におけるズームレンズ1a~1dの断面および移動軌跡を示す図である。各実施例のズームレンズ1a~1dはそれぞれ、物体側から像側へ順に配された、負の屈折力を有する第1レンズ群L1および正の屈折力を有する第2レンズ群L2の2つのレンズ群からなる2群構成のズームレンズである。ズーミングに際して、第1レンズ群L1および第2レンズ群L2が共に独立に移動して各図中の矢印の方向に移動する。
【0012】
各図において、SPは絞り(開口絞り)であり、第2レンズ群L2の物体側に配置されている。Gは、光学フィルターやフェースプレート等に相当する光学ブロックである。IPは、像面であり、ズームレンズ1a~1dを撮像光学系として用いる場合にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。
【0013】
図2、
図4、
図6、および
図8はそれぞれ、実施例1~4の広角端、中間ズーム位置、望遠端における収差図である。球面収差において、d、g、tはそれぞれd線(587.56nm)、g線(435.84nm)、t線(1013.98nm)を示す。非点収差において、M、Sはそれぞれd線におけるメリディオナル像面、サジタル像面を示す。歪曲収差は、d線に関して示している。倍率色収差において、d線に対するg線、t線の収差を示している。
【0014】
次に、
図1、
図3、
図5、および
図7を参照して、ズームレンズ1a~1dを構成する各レンズ群の移動方法に関して説明する。広角端から望遠端へのズーミングは、第1レンズ群L1および第2レンズ群L2をそれぞれ独立に移動させることにより行われる。前述のように、各実施例のズームレンズ1a~1dのズームタイプは、ネガティブリード(負群先行)の2群構成である。これは、第1レンズ群L1を負のパワーとしつつ、各レンズ群の間隔を変化させることによりズーミングを行い、広角化に好適な構成としている。ズーミングに際して、像側に位置する正の第2レンズ群L2を移動させることにより行い、それに伴う像面変動を負の第1レンズ群L1で補正する。各実施例によれば、可動群を2つのみとすることにより、鏡筒構造の簡略化が可能となり、小型化に有利な構成となる。なお、フォーカシングは、第1レンズ群L1の移動により行われる。
【0015】
各実施例のズームレンズ1a~1dは、物体側から像側へ順に配された負の第1レンズ群L1および正の第2レンズ群L2からなり、隣り合うレンズ群の間隔は、いずれもズーミングのために変化する。第2レンズ群L2は、少なくとも2つの正レンズG21、G23および少なくとも2つの負レンズG22、G24を含む。少なくとも2つの負レンズのうち像側に位置する負レンズG24は、非球面を有する(各実施例の負レンズG24は非球面を両面に有する)。第1レンズ群L1の焦点距離をf1、第2レンズ群L2の焦点距離をf2、少なくとも2つの正レンズG21、G22の平均アッベ数をνd2p、ワイド端(または変倍全域)における空気換算バックフォーカスの最小値をbfwtとする。このとき、以下の条件式(1)~(3)を満足する。
【0016】
-1.20<f1/f2<-0.80 ・・・(1)
68.00<νd2p<90.00 ・・・(2)
0.40<bfwt/f2<0.90 ・・・(3)
条件式(1)、(3)は、第1レンズ群L1に対する第2レンズ群L2とバックフォーカスとの関係を規定することにより、高い光学性能かつ小型化の効果を得るための条件である。第1レンズ群L1は、広角ズームとして比較的パワーが強い(焦点距離が短い)。第2レンズ群L2は、変倍群として適切にパワーを設定している。条件式(2)は、可視光だけでなく近赤外領域まで色収差を補正するために必要な条件であり、色収差補正に効果の高いガラスを適切に使用する条件である。
【0017】
条件式(1)の上限を超えると、第1レンズ群L1のパワーが強くなりすぎて色収差が大きく発生し、好ましくない。一方、条件式(1)の下限を超えると、第1レンズ群L1としてのパワーが弱くなり、小型化のためには好ましくない。
【0018】
条件式(2)の上限を超えると、色収差補正としての効果は得られるが、この条件を満たすガラスは一般に屈折率が低くなる特性を有するため、レンズ単体としてのパワーを得にくくなり小型化には好ましくない。一方、条件式(2)の下限を超えると、色収差補正が不足し、好ましくない。
【0019】
条件式(3)は、必要最低限のバックフォーカスと第2レンズ群L2のパワーとの関係を規定している。小型化のためには、第2レンズ群L2のバックフォーカスが広角端において最も短くなるような構成が良い。条件式(3)の上限を超えると、バックフォーカスが長くなり過ぎ、小型化のためには好ましくない。一方、条件式(3)の下限を超えると、第2レンズ群L2のパワーが弱くなる傾向が強くなり、これに応じて第2レンズ群L2のズーミングのための移動量が大きくなりすぎ、小型化のためには好ましくない。
【0020】
各実施例のズームレンズ1a~1dは、以上のような構成を満足することにより実現される。また各実施例において、好ましくは、以下の条件式の少なくとも一つを満足する。以下、各条件式およびその技術的味について説明する。
【0021】
第2レンズ群L2のうち非球面を有する負レンズG24の焦点距離をf2n_asphとするとき、以下の条件式を満足する。
【0022】
-4.50<f2n_asph/f2<-0.80 ・・・(4)
条件式(4)は、第2レンズ群L2に非球面を使うことによりレンズ枚数を削減し、適切にこのパワーを設定することにより小型化の効果を大きく得るための条件である。条件式(4)の上限を超えると、非球面を有する負レンズのパワーが強くなりすぎ、非点収差や像面湾曲などの特性が低下し、高い像高での解像(MTF)が得られなくなり好ましくない。一方、条件式(4)の下限を超えると、非球面を有する負レンズG24のパワーが弱くなりすぎ、光学系としてのガラス枚数を削減することができず小型化が困難となり、好ましくない。
【0023】
少なくとも2つの正レンズG21、G23の平均アッベ数をνd2p、少なくとも2つの負レンズG22、G24の平均アッベ数をνd2nとするとき、以下の条件式(5)を満足する。
【0024】
25.00<νd2p-νd2n<45.00 ・・・(5)
条件式(5)は、軸上および倍率色収差を補正するための条件であり、特に可視光に対する近赤外光の色収差を効果的に補正するための条件である。条件式(5)の上限を超えると、第2レンズ群L2の正レンズと負レンズのアッベ数のバランスが崩れるため、良好に補正を行うことができず、好ましくない。一方、条件式(5)の下限を超えると、色収差の補正が不足し、特に可視光に対する近赤外光の軸上色収差が発生し、可視光と近赤外光が混在した光源下では解像が不足するため、好ましくない。
【0025】
第1レンズ群L1は、少なくとも1枚の正レンズG13を含む。第1レンズ群L1の正レンズG13のアッベ数をνd1p、第1レンズ群L1の正レンズG13の屈折率をNd1pとするとき、以下の条件式(6)、(7)を満足する。
【0026】
13.00<νd1p<20.00 ・・・(6)
1.85<Nd1p<2.10 ・・・(7)
条件式(6)、(7)は、第1レンズ群L1の正レンズG13の材料特性を規定した条件である。アッベ数は、第1レンズ群L1の物体側に位置する負レンズG11、G12で発生する倍率色収差に対して、正レンズG13を比較的高分散材料を用いることでキャンセルさせる効果を有する。条件式(6)の上限を超えると、倍率色収差の補正が不足するため、好ましくない。一方、条件式(6)の下限を超えると、倍率色収差の補正が過剰となるため、好ましくない。条件式(7)の上限を超えると、ズームレンズ1a~1dの全系のペッツバール和のバランスに影響し、像面湾曲の特性が低下するため、好ましくない。一方、条件式(7)の下限を超えると、屈折率が低くなり、第1レンズ群L1としてのレンズ径が大きくなるため、小型化の観点から好ましくない。
【0027】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、および負レンズG24で構成される。これは、F値を小さくしつつズームレンズ1a~1dの全系を小型化するために、第2レンズ群L2の構成を規定したものである。第2レンズ群L2の最も像側には絞りSPが設けられている。このため、光束径が大きくなる最も物体側のレンズを正レンズG21とすることにより、効果的に球面収差を補正している。正レンズG21の後続群は、負レンズG22、正レンズG23、および負レンズG24のレンズ構成とすることにより、球面収差の残存収差を補正しつつ非点収差などの軸外収差を合わせて補正しやすくなる。
【0028】
第2レンズ群L2のうち最も物体側に配された正レンズG21と、正レンズG21の隣に配された負レンズG22とは、それぞれ単レンズからなる。正レンズG12と負レンズG22とは、空気(空気レンズ)を介して離れ、正レンズG21の像側の曲率半径をR12、負レンズG22の物体側の曲率半径をR21とするとき、以下の条件式(8)を満足する。
【0029】
-0.10<(R12-R21)/(R12+R21)<0.70 ・・・(8)
条件式(8)は、最も物体側に位置する空気レンズの形状について、空気レンズとしての効果を利用して特に球面収差の補正を適正化する条件である。条件式(8)の上限を超えると、空気レンズとしてのパワーが得られにくくなるため補正効果を得られなくなり、好ましくない。一方、条件式(8)の下限を超えると、空気レンズとしてのパワーが大きくなりすぎ過剰補正となるため、好ましくない。
【0030】
また各実施例において、2つの正レンズG21、G23のうち物体側の正レンズG21の中心肉厚をd2p1、2つの正レンズG21、G23のうち像側の正レンズG23の中心肉厚をd2p2とするとき、以下の条件式(9)を満足する。
【0031】
0.50<(d2p1+d2p2)/f2<1.20 ・・・(9)
条件式(9)は、軸上および倍率色収差を良好に補正するための条件である。正レンズとしては、比較的アッベ数が大きくなる硝材を用いているがガラス厚を適切に設定することにより色収差補正の効果を得ている。条件式(9)の上限を超えると、正レンズの肉厚が大きくなりすぎ、小型化の観点から好ましくない。一方、条件式(9)の下限を超えると、色収差補正の効果が得られなくなるため、好ましくない。
【0032】
また各実施例において、第2レンズ群L2を構成する全レンズの中心肉厚の合計をd2G、第2レンズ群L2の全長(最も物体側のレンズの物体側面から最も像側のレンズの像側面までの長さ)をTL2Gとするとき、以下の条件式(10)を満足する。
【0033】
0.70<d2G/TL2G<0.99 ・・・(10)
条件式(10)は、小型でありながら良好に光学性能を得るための条件である。小型化のためには、ガラス枚数を減らすことが良いが、これは逆に各収差補正を困難にすることになる。これは、光線が通過するガラス媒体と空気との光路長のバランスをとることで解決することができる。条件式(10)の上限を超えると、空気を通過する領域が少なくなり、収差補正のための適切な屈折力(ガラスとしてのパワー)を持たせることができず、像面湾曲や非点収差などを補正できなくなるため、好ましくない。一方、条件式(10)の下限を超えると、各レンズのパワーが弱くなる傾向となり、非点収差やコマ収差などの補正には好ましくない。
【0034】
各実施例のズームレンズ1a~1dは、撮像装置に用いられる。撮像装置は、ズームレンズ1a~1dにより形成された像を受光する(撮る)撮像素子12を有する。撮像素子12は、デジタル的に像を処理するためにCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。
【0035】
本実施形態において、条件式(1)~(10)の少なくとも一つの数値範囲はそれぞれ、以下の条件式(1a)~(10a)のように設定することが好ましい。
【0036】
-1.15<f1/f2<-0.82 ・・・(1a)
70.00<νd2p<89.50 ・・・(2a)
0.45<bfwt/f2<0.90 ・・・(3a)
-4.00<f2n_asph/f2<-1.00 ・・・(4a)
26.50<νd2p-νd2n<43.50 ・・・(5a)
14.00<νd1p<19.50 ・・・(6a)
1.86<Nd1p<2.09 ・・・(7a)
0.05<(R12-R21)/(R12+R21)<0.65 ・・・(8a)
0.60<(d2p1+d2p2)/f2<1.15 ・・・(9a)
0.74<d2G/TL2G<0.97 ・・・(10a)
より好ましくは、条件式(1)~(10)の少なくとも一つの数値範囲はそれぞれ、以下の条件式(1b)~(10b)のように設定することが好ましい。
【0037】
-1.10<f1/f2<-0.85 ・・・(1b)
72.00<νd2p<89.00 ・・・(2b)
0.50<bfwt/f2<0.90 ・・・(3b)
-3.50<f2n_asph/f2<-1.20 ・・・(4b)
28.00<νd2p-νd2n<42.00 ・・・(5b)
15.00<νd1p<19.00 ・・・(6b)
1.88<Nd1p<2.08 ・・・(7b)
0.02<(R12-R21)/(R12+R21)<0.60 ・・・(8b)
0.70<(d2p1+d2p2)/f2<1.10 ・・・(9b)
0.78<d2G/TL2G<0.95 ・・・(10b)
次に、各実施例のズームレンズ1a~1dのレンズ構成を説明する。以下、レンズ構成は、特に断りがない限り、物体側から像側へ向かって配置されている順に説明する。
図1、
図3、
図5、および
図7の断面図において、左側が被写体側(物体側)であり、右側が像側である。広角端と望遠端は、ズームレンズ群が機構上、光軸OAに沿って移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。広角端から望遠端における各レンズ群の移動は、各断面図に示される矢印(実線)のような軌跡をとる。
【0038】
第2レンズ群L2の実線の曲線と点線の曲線はそれぞれ、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端へのズーム位置への、像面変動を補正するための移動軌跡である。例えば望遠端のズーム位置において無限遠物体から近距離物体へフォーカシングを行う場合、各断面図中の矢印Fに示されるように移動させている。
【0039】
絞りSPは、第2レンズ群L2の前方に設けられており、ズーミングに際して第2レンズ群L2と一体的に移動する。また、絞りSPを独立に移動させる構成としても良く、これによりフレア光の原因となる光線をカットし易くなるなどの有利な面もある。
【0040】
以下、各実施例のレンズ構成およびそれを有する撮像装置について詳述する。各実施例のズームレンズは、2群構成であり、負・正のパワー配置となっている。ズーミングに際して第1レンズ群L1および第2レンズ群L2が移動する。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は像側に凸形状となるような軌跡をとり、第2レンズ群L2は、物体側へ単調に移動する。
【0041】
第1レンズ群L1は、物体側に凸形状のメニスカス負レンズG11、両凹形状の負レンズG12、および、物体側に凸形状のメニスカス負レンズG13からなる。第2レンズ群L2は、両凸形状の正レンズG21、両凹形状(実施例1、2)または像側に凸のメニスカス形状(実施例3、4)の負レンズG22、両凸形状の正レンズG23、および両凹形状の負レンズG24からなる。負レンズG24は、両面非球面であり、非点収差や像面湾曲などの収差を良好に補正している。なお、非球面の材料としてはガラスのみに限定されるものではなく、成形性が良いプラスチック材料などを用いても良い。正レンズG21、G23は、アッベ数が大きい低分散系ガラスが用いられ、倍率色収差や軸上色収差を良好に補正する。
【0042】
次に、
図9および
図10を参照して、各実施例のズームレンズ1a~1dを備えた監視カメラについて説明する。
図9は、監視カメラ100aの断面図である。監視カメラ100aは、実施例1のズームレンズ1a(または、実施例2~4のズームレンズ1b~1dでもよい)と、ドームカバー15とを備えている。ドームカバー15は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等のプラスチック材料により数ミリ程度の厚さで成形されている。これにより、ドームカバー付きを前提とした撮像装置とするときは、ドームカバー15の影響(焦点距離や材質)を考慮した設計を行い、諸収差の補正を行っても良い。
図10は、監視カメラ100bの断面図である。監視カメラ100bは、実施例1のズームレンズ1a(または、実施例2~4のズームレンズ1b~1dでもよい)と、平板形状の保護カバー17とを備えている。
【0043】
次に、
図11を参照して、ズームレンズ1a(1b~1d)を撮像光学系として用いた撮像装置(監視カメラ100)を説明する。
図11は、監視カメラ100の説明図であり、
図11(A)は監視カメラ100の外観図、
図11(B)は監視カメラ100の使用例をそれぞれ示す。
【0044】
図11(A)において、11は監視カメラ本体、12はカメラ本体11に内蔵され、ズームレンズ1a(1b~1d)により形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。13は、撮像素子12により光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリ部である。14は、撮像素子12によって光電変換された被写体像を転送するためのネットワークケーブルである。
図11(B)は、ドームカバー15を装着し監視カメラ100を天井に取り付けて使用したときの例である。なお、撮像装置は監視カメラに限定されるものではなく、ビデオカメラやデジタルカメラ等の他の撮像装置にも適用可能である。
【0045】
各実施例によれば、小型かつF値が小さく、可視光から近赤外域まで高い光学性能を有するズームレンズおよび撮像装置を提供することができる。
【0046】
なお、各実施例のズームレンズ1a~1dと、ズームレンズを制御する制御部とを含めた撮像システム(監視カメラシステム)を構成してもよい。この場合、制御部は、ズーミングに際して各レンズ群が上述したように移動するようズームレンズを制御することができる。このとき、制御部がズームレンズと一体的に構成されている必要はなく、制御部をズームレンズとは別体として構成してもよい。例えば、ズームレンズの各レンズを駆動する駆動部に対して遠方に配置された制御部(制御装置)が、ズームレンズを制御するための制御信号(命令)を送る送信部を備える構成を採用してもよい。このような制御部によれば、ズームレンズを遠隔操作することができる。
【0047】
また、ズームレンズを遠隔操作するためのコントローラーやボタンなどの操作部(操作部材)を制御部に設けることで、ユーザの操作部への入力に応じてズームレンズを制御する構成を採ってもよい。例えば、操作部として拡大ボタン及び縮小ボタンを設けてもよい。この場合、ユーザが拡大ボタンを押したらズームレンズの倍率が大きくなり、ユーザが縮小ボタンを押したらズームレンズの倍率が小さくなるように、制御部からズームレンズの駆動部に信号が送られるように構成すればよい。
【0048】
また、撮像システムは、ズームレンズのズームに関する情報(移動状態)を表示する液晶パネルなどの表示部を有していてもよい。ズームレンズのズームに関する情報とは、例えばズーム倍率(ズーム状態)や各レンズ群の移動量(移動状態)である。この場合、表示部に示されるズームレンズのズームに関する情報を見ながら、操作部を介してユーザがズームレンズを遠隔操作することができる。このとき、例えばタッチパネルなどを採用することで表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0049】
次に、実施例1~4に対応する数値実施例1~4を示す。各数値実施例において、物体側から面番号を順に示し、rは曲率半径、dは間隔、nd、νdはそれぞれd線を基準とした屈折率、アッベ数を示す。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0050】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー(F値)、半画角(°)は全て各実施例のズームレンズが無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。BF(バックフォーカス)は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものであり、ガラスブロックを含まない場合の値である。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0051】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、「*」の符号を付している。非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向h軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12をそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数とするとき、以下の式で表される。
【0052】
x=(h2/r)/[1+{1-(1+K)(h/r)2}1/2]+A4・h4+A6・h6+A8・h8+A10・h10+A12・h12
また、例えば「e-Z」の表示は「10-Z」を意味する。半画角に関しては、歪曲収差を考慮した撮影可能画角に関する半画角(ω)の数値である。
? 表1は、各数値実施例と各条件式との関係を示す。
【0053】
[数値実施例1]
面データ
面番号 r d nd νd
1 413.852 0.90 1.77250 49.6
2 5.674 2.79
3 -19.601 0.60 1.52249 59.8
4 23.299 0.83
5 13.736 2.20 1.94595 18.0
6 37.216 (可変)
7(絞り) ∞ 0.27
8 6.041 2.98 1.49700 81.5
9 -5.482 0.15
10 -5.027 0.50 1.65412 39.7
11 77.636 0.19
12 5.511 4.12 1.49700 81.5
13 -5.837 0.24
14* -43.185 1.70 1.58313 59.4
15* 8.054 (可変)
16 ∞ 0.50 1.52000 61.4
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.71859e-003 A 6=-6.95253e-005 A 8= 3.43371e-006
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.35636e-003 A 6= 1.60144e-004 A 8= 1.17287e-005
A10=-7.99639e-007 A12= 7.99768e-022
各種データ
ズーム比 2.41
広角 中間 望遠
焦点距離 3.60 6.14 8.68
Fナンバー 2.24 2.89 3.55
半画角 41.63 27.54 20.25
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 33.16 29.34 29.29
BF(In air) 5.76 8.38 11.01
間隔 広角 中間 望遠
d 6 9.76 3.31 0.64
d15 1.26 3.88 6.51
各群焦点距離
1 -7.37
2 7.62
単レンズ(エレメント)焦点距離
G11 -7.45
G12 -20.28
G13 22.01
G21 6.33
G22 -7.2
G23 6.48
G24 -11.5
[数値実施例2]
面データ
面番号 r d nd νd
1 230.235 0.90 1.69680 55.5
2 5.300 2.83
3 -17.804 0.60 1.51823 58.9
4 27.407 1.14
5 12.569 2.20 1.98612 16.5
6 22.003 (可変)
7(絞り) ∞ 0.24
8 5.825 2.82 1.43700 95.1
9 -5.046 0.15
10 -4.697 0.50 1.60562 43.7
11 81.575 0.19
12 5.285 4.03 1.49700 81.5
13 -5.924 0.24
14* -120.201 1.80 1.53113 55.8
15* 7.687 (可変)
16 ∞ 0.50 1.52000 61.4
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.81269e-003 A 6=-1.93114e-004 A 8= 1.11847e-005
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.39641e-003 A 6= 2.02235e-005 A 8= 3.09969e-005
A10=-1.52457e-006 A12= 5.19989e-022
各種データ
ズーム比 2.41
広角 中間 望遠
焦点距離 3.60 6.14 8.67
Fナンバー 2.24 2.89 3.55
半画角 41.63 27.54 20.25
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 32.82 29.47 29.68
BF(In air) 6.10 8.83 11.56
間隔 広角 中間 望遠
d 6 8.93 2.85 0.33
d15 0.94 3.68 6.41
各群焦点距離
1 -7.01
2 7.55
単レンズ(エレメント)焦点距離
G11 -7.8
G12 -20.73
G13 26.64
G21 6.72
G22 -7.32
G23 6.38
G24 -13.54
[数値実施例3]
面データ
面番号 r d nd νd
1 20.199 0.90 1.67790 55.3
2 5.300 4.36
3 -20.814 0.60 1.48749 70.2
4 10.331 1.77
5 11.097 2.20 1.95906 17.5
6 17.079 (可変)
7(絞り) ∞ 0.00
8 6.118 2.62 1.49700 81.5
9 -8.979 0.30
10 -6.757 0.50 1.75520 27.5
11 -28.531 0.57
12 5.446 3.50 1.49700 81.5
13 -9.682 0.76
14* -436.341 1.72 1.53113 55.8
15* 8.097 (可変)
16 ∞ 0.50 1.52000 61.4
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.04738e-003 A 6=-1.93933e-004 A 8= 2.14349e-005
A10=-8.97559e-007 A12= 5.27016e-022
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.98411e-003 A 6=-2.08018e-005 A 8= 3.21100e-005
各種データ
ズーム比 2.39
広角 中間 望遠
焦点距離 3.10 5.25 7.40
Fナンバー 2.24 2.86 3.49
半画角 45.91 31.37 23.39
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 34.37 29.87 29.24
BF(In air) 4.40 6.55 8.69
間隔 広角 中間 望遠
d 6 10 3.36 0.58
d15 2.12 4.26 6.41
各群焦点距離
1 -7.10
2 7.09
単レンズ(エレメント)焦点距離
G11 -10.86
G12 -14.07
G13 27.99
G21 7.77
G22 -11.84
G23 7.6
G24 -14.95
[数値実施例4]
面番号 r d nd νd
1 16.847 0.90 1.69680 55.5
2 5.300 4.64
3 -18.712 0.60 1.48749 70.2
4 10.321 1.28
5 9.819 2.20 1.92286 18.9
6 14.844 (可変)
7(絞り) ∞ 0.00
8 5.683 2.48 1.49700 81.5
9 -19.805 0.30
10 -8.559 0.50 1.80518 25.4
11 -48.958 0.15
12 5.633 3.25 1.48749 70.2
13 -7.799 0.66
14* -84.062 1.78 1.53113 55.8
15* 9.837 (可変)
16 ∞ 0.50 1.52000 61.4
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.17527e-003 A 6=-2.11347e-004 A 8= 2.12300e-005
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.25345e-003 A 6=-1.48874e-006 A 8= 3.03069e-005
A10=-1.09958e-006 A12= 5.29696e-022
各種データ
ズーム比 2.50
広角 中間 望遠
焦点距離 3.45 6.04 8.63
Fナンバー 2.14 2.79 3.44
半画角 42.85 27.91 20.34
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 35.58 31.56 31.62
BF(In air) 4.02 4.02 4.02
間隔 広角 中間 望遠
d6 10.79 4.01 1.30
d15 1.52 4.29 7.05
各群焦点距離
1 -7.15
2 7.63
単レンズ(エレメント)焦点距離
G11 -11.46
G12 -13.55
G13 25.97
G21 9.18
G22 -12.95
G23 7.29
G24 -16.47
【0054】
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0056】
例えば、各実施例で説明したレンズの形状や枚数は、これに限定されるものではない。また各実施例において、一部のレンズおよびレンズ群を光軸OAに対して垂直方向の成分を持つように移動させ、これにより手ぶれ等の振動に伴う像ブレを補正するように構成してもよい。また各実施例において、電気的な補正手段により、歪曲収差や色収差などを補正するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1a~1d ズームレンズ
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
G21、G23 正レンズ
G22、G24 負レンズ