(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】外壁パネルの作製方法および開口設備地組架台
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20240826BHJP
E04C 2/38 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
E04G21/16
E04C2/38 J
(21)【出願番号】P 2020062969
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雅司
(72)【発明者】
【氏名】橘 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】添田 智美
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-011646(JP,A)
【文献】特開2017-155489(JP,A)
【文献】実開平05-057139(JP,U)
【文献】特開2020-002668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/22
E04C 2/38
E06B 1/00- 1/70
E06B 3/00- 3/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外壁面材および当該外壁面材が固定されるパネル下地材を備える外壁パネルを当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台を用いて、開口設備を有する外壁パネルを作製する方法であって、上記地組架台による外壁パネルの作製過程で、予め或いは当該外壁パネルの作製と並行して作製しておいた、上記パネル下地材付きの開口設備を組み込むことを特徴とする外壁パネルの作製方法。
【請求項2】
外壁面材が固定されるパネル下地材が付いた開口設備を当該パネル下地材付きの開口設備が取り付けられる外壁パネルとは異なる場所で組み立てるための開口設備地組架台であって、上記パネル下地材を保持する保持部
として、上記パネル下地材の横胴縁が取付金物を介して固定される柱を備えることを特徴とする開口設備地組架台。
【請求項3】
請求項2に記載の開口設備地組架台において、上記保持部は、上記パネル下地材付きの開口設備が上記外壁パネルに固定される状態と同じ状態で上記パネル下地材を保持することを特徴とする開口設備地組架台。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の開口設備地組架台において、上記パネル下地材付きの開口設備を組むための作業高さが、グランドレベルから400mm以上2000mm以下の範囲内にあることを特徴とする開口設備地組架台。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の開口設備地組架台において、上記パネル下地材付きの開口設備を組み立てる複数の作業面部が背向配置で離間して設けられていることを特徴とする開口設備地組架台。
【請求項6】
請求項5に記載の開口設備地組架台において、上記背向配置の作業面部は、1000mm以上離間することを特徴とする開口設備地組架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の外壁面材および当該外壁面材の背面側に位置するパネル下地材を備える外壁パネルを当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台を用いて外壁パネルを作製する方法および開口設備地組架台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の外壁面材を上下に並べてパネル下地材で連結してなる外壁パネルに開口設備を効率的に組み込んでいく外壁の施工方法が開示されている。この外壁の施工方法は、開口設備が未装着とされる外壁パネルを地組架台上で組み立てる工程と、上記開口設備が未装着の外壁パネルを屋外側から建物の躯体に取り付ける工程と、上記建物の躯体に取り付けられた上記外壁パネルに屋内側から下地枠付きの開口設備を取り付ける工程と、を含む。
【0003】
特許文献2には、下地枠付きの開口設備を当該下地枠付きの開口設備が取り付けられる外壁パネルとは異なる場所で組み立てるための開口設備地組架台であって、上記下地枠を保持する保持部を備える開口設備地組架台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-2668号公報
【文献】特開2019-11646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、外壁パネルの横胴縁とは別に下地枠が付いた下地枠付きの開口設備を取り付けるので、外壁パネル側の横胴縁と上記下地枠によって、枠が2重に存在する構造となる。
【0006】
また、特許文献2の発明では、開口設備地組架台で作成した下地枠付きの開口設備を、外壁パネルの開口側に既に横胴縁が取り付けられた作製途中の外壁パネルに組み付けており、上記横胴縁に下地枠付きの開口設備を精度よく取り付けることは容易ではなかった。
【0007】
この発明は、上記の事情に鑑み、開口設備の下地を簡素化でき、また、外壁パネルに開口設備を精度よく取り付けることができる外壁パネルの作製方法および開口設備地組架台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の外壁パネルの作製方法は、上記の課題を解決するために、複数の外壁面材および当該外壁面材の背面側に位置するパネル下地材を備える外壁パネルを当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台を用いて、開口設備を有する外壁パネルを作製する方法であって、上記地組架台による外壁パネルの作製過程で、予め或いは当該外壁パネルの作製と並行して作製しておいた、上記パネル下地材付きの開口設備を組み込むことを特徴とする。
【0009】
上記の方法であれば、作製途中の外壁パネルの開口箇所に、横胴縁等のパネル下地材を開口設備が無い単体状態で取り付けるのではなく、開口設備が既に取り付けられた状態のパネル下地材を、作製途中の外壁パネルの開口箇所に取り付ける。開口設備とパネル下地材との間で必要な直角出しの調整、パネル開口と開口設備の高さ合わせや中心合わせを、上記外壁パネルの作製過程において行うのではなく、当該現場と別の場所や工場において予め或いは並行して行うことができる。このように、作製途中の外壁パネルの開口箇所に、このような調整済のパネル下地材付きの開口設備を取り付けることができるので、外壁パネルの作成時間を短縮化することができる。また、開口設備の下地を2重にする必要がなく、開口設備の下地を簡素化できる。
【0010】
また、この発明の開口設備地組架台は、パネル下地材付きの開口設備を当該パネル下地材付きの開口設備が取り付けられる外壁パネルとは異なる場所で組み立てるための開口設備地組架台であって、上記パネル下地材を保持する保持部を備えることを特徴とする。
【0011】
上記の開口設備地組架台であれば、外壁パネルを作製する地組架台とは別の場所で、上記外壁パネルの作製と並行してパネル下地材付きの開口設備を作製することができる。
【0012】
上記保持部は、上記パネル下地材付きの開口設備が上記外壁パネルに固定される状態と同じ状態で上記パネル下地材を保持してもよい。これによれば、開口設備地組架台でのパネル下地材付きの開口設備の作製で用いた締結部材を、作製過程の外壁パネルにおいて、パネル下地材の固定に利用することができる。
【0013】
上記パネル下地材付きの開口設備を組むための作業高さが、グランドレベルから400mm以上2000mm以下の範囲内にあってもよい。これによれば、開口設備地組架台での開口設備とパネル下地材との組み付けを、比較的低所で行うことができる。
【0014】
上記パネル下地材付きの開口設備を組み立てる複数の作業面部が背向配置で離間して設けられていてもよい。これによれば、少ないスペースで多くのパネル下地材付きの開口設備を作製することが可能となる。
【0015】
上記背向配置の作業面部は、1000mm以上離間してもよい。これによれば、上記2つの作業面部の間に人が入って背面側で必要な作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明であれば、開口設備の下地を簡素化でき、また、外壁パネルに開口設備を精度よく取り付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】外壁パネルの構造例を示した概略の斜視図である。
【
図2】同図(A)は
図1の外壁パネルにおける外壁面材の上部および下部を示した断面図であり、同図(B)は
図1の上下に並ぶ外壁面材の嵌め込み箇所の断面図である。
【
図3】外壁パネルの地組架台を実線で示し、外壁パネルを仮想線で示した正面図である。
【
図4】開口設備を備える外壁パネルの一例を示した概略の背面図である。
【
図5】
図4の開口設備の箇所を拡大して示す背面図である。
【
図6】外壁パネルの開口箇所以外を実線で示し、パネル下地材付きの開口設備を仮想線で示した説明図である。
【
図7】実施形態にかかる開口設備地組架台を示すとともに、この開口設備地組架台によるパネル下地材付きの開口設備の作製を示した立体視による説明図である。
【
図8】実施形態にかかる開口設備地組架台によるパネル下地材付きの開口設備の作製過程を示した正面視の説明図である。
【
図9】実施形態にかかる開口設備地組架台およびパネル下地材付きの開口設備を示した側面視の説明図である。
【
図10】
図8の一部を拡大して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、外壁パネル5は、例えば、複数の横長の外壁面材51を上下に並べてパネル下地材52で相互に連結された構造を有する。
図1に示す例では、パネル連結用のパネル下地材52として、最も端位置の2本の縦胴縁52aと、中央側の例えば4本の縦胴縁52bを備えている。縦胴縁52aは、角形鋼管等の閉鎖断面鋼材からなっている。一方、縦胴縁52bは、リップ溝型鋼や溝型鋼等の開放断面鋼材からなる。なお、パネル下地材52の全てを閉鎖断面鋼材である縦胴縁52aとすることもでき、また、パネル下地材52の全てを開放断面鋼材である縦胴縁52bとすることもできる。
【0019】
外壁面材51は、例えば、
図2(A)、(B)に示すように、不燃断熱材51aを鋼板51b、51cで挟み込んだ金属サンドイッチパネルである。2枚の外壁面材51を上下に並べた場合、下段に位置する外壁面材51の上端面に形成された横幅方向に長い2か所の凹部51dに、上段に位置する外壁面材51の下端面に形成された横幅方向に長い2か所の凸部51eが嵌まり込むことにより、上下の外壁面材51が互いに面外方向に位置ずれしないように組み合わされる。
【0020】
図3に示すように、外壁パネル地組架台1を用いることによって、外壁面材51およびパネル下地材52を備える外壁パネル5を、当該外壁パネル5が取り付けられる建物躯体の外壁取付箇所とは異なる場所で組み立てることができる。
【0021】
上記外壁パネル地組架台1は、上記外壁面材51の側面側に位置する支柱部11Aと、上記外壁面材51の後面側となる位置に配置された奥側支柱部11Bと、上記支柱部11A、11Bの下側と中側と上側とにそれぞれ掛け渡される3本の梁部12と、を備える。
【0022】
例えば、上記支柱部11Aの下部側は、下段の梁部12の前面側に固定されており、上記支柱部11Aの中央側および上部側は、中段と上段の梁部12の前面側にスペーサを介してそれぞれ固定されている。中段と上段の梁部12は、上記縦胴縁52a、52bの後面側に設けられる。また、上記奥側支柱部11Bの下端は、下段の梁部12の上面上に固定され、上記奥側支柱部11Bの上部は、上段の梁部12の前面側に固定されている。
【0023】
上段に位置する上記梁部12および中段に位置する上記梁部12上には、閉鎖断面鋼材からなる上記縦胴縁52aを保持するパネル下地材保持具2および開放断面鋼材からなる上記縦胴縁52bを保持するパネル下地材保持具3が固定されている。なお、下段に位置する上記梁部12には、上記縦胴縁52a、52bが差し込まれる位置決め凸部或いは上記縦胴縁52a、52bの側面が当接される位置決め板部が設けられる。
【0024】
作業者は、上記縦胴縁52a、52bをセットした後に、外壁面材51をセットし、このセットした上記外壁面材51の上端部側にビス等をねじ込み、上記外壁面材51を先にセットした上記縦胴縁52a、52bに固定する。この作業を繰り返すことで外壁パネル5が作製される。
【0025】
ここで、
図4に示すように、外壁パネル5に開口設備4を設けることもできる。この開口設備4としては、ガラリ、アルミサッシ、ガラス開口部、スチールドア、換気扇、シャッター等がある。開口設備4を外壁パネル5において固定するために、開口設備4から最も近い左右の縦胴縁間を横断するように、開口設備4の上下箇所においてパネル下地材52としての横胴縁52cを備える。
【0026】
さらに詳細に説明すると、
図5に示すように、上記横胴縁52cと、この端面が突き当たる箇所の縦胴縁52a、52bとで形成される角部には、例えば、L字形状を有する取付金物55が配置される。各取付金物55がボルト56によって縦胴縁52a、52bに固定されることにより、横胴縁52cと、縦胴縁52a、52bとが枠状に固定される。開口設備4の周囲部には、取付枠41が設けられている。
【0027】
次に、
図6乃至
図10を参照して、外壁パネル5の作製の途中工程で、当該外壁パネル5に開口設備4を設ける方法について説明していく。
図6では、未だ取り付けられていないパネル下地材付きの開口設備100を二点鎖線で示している。このパネル下地材付きの開口設備100におけるパネル下地材は、上記開口設備4の取付枠41の上面側および下面側に位置する横胴縁52cである。
【0028】
図7、
図8、
図9および
図10に示すように、開口設備地組架台6は、長手方向に直交する方向に離間する一方の梁61と他方の梁61を有する。各梁61上には、長手方向に所定の間隔で且つ梁61に直角に複数の柱62が固定されている。両梁61について、柱62の配置間隔は等しくされる。また、一方の梁61上の柱62と他方の梁61上の柱62は、繋ぎ部63によって、上端側で相互に固定されている。この実施形態では、梁61および柱62はH形鋼からなり、繋ぎ部63はLアングルからなる。一方の梁61と他方の梁61は、図示しないジャッキを用いて同一水平面内に配置される。
【0029】
また、開口設備地組架台6において、パネル下地材付きの開口設備100を組むための作業高さは、グランドレベルから400mm以上2000mm以下の範囲となっている。上記作業高さの最上は、後述する保持部65における最も上側の保持部65の高さであり、上記作業高さの最下は、保持部65における最も下側の保持部65の高さである。すなわち、上記作業高さは保持部65の高さにより定まる。なお、外壁パネル地組架台1の高さは、例えば、5000mm程度あり、この外壁パネル地組架台1によって外壁パネル5の高い位置に直接に開口設備を設置する作業は、比較的高所での作業となる。
【0030】
また、開口設備地組架台6では、パネル下地材付きの開口設備100を組み立てる作業面部60が横に2つ並んでおり、また、上記2つの作業面部60が背向配置で離間し、合計4つの作業面部60が存在する。上記背向配置の作業面部60の離間距離は、当該離間方向に隣り合う2本の柱62の中心間距離とする。上記背向配置の作業面部60は、1000mm以上2500mm以下の範囲で離間するのが望ましい。この実施形態では、上記背向配置の作業面部60は2000mm離間している。横に並ぶ作業面部60は、互いに異なる寸法のパネル下地材付きの開口設備100の組み立てに用いられる。
【0031】
また、開口設備地組架台6の各作業面部60は、当該作業面部60の横幅を規定する柱62において、パネル下地材である上記横胴縁52cを保持する保持部65を備える。保持部65は、例えば、取付金物55に挿通されるボルト56が螺合される雌螺子部である。
図10において、取付金物55に加えた破線は、取付位置を示している。或る作業面部60の横幅を規定する柱62の間隔は、上記外壁パネル5上の或るパネル下地材付きの開口設備100が取り付けられる開口を形成する縦胴縁の間隔に対応している。そして、上記保持部65は、上記パネル下地材付きの開口設備100が上記外壁パネル5に固定される状態と同じ状態で上記パネル下地材である横胴縁52cを保持する。なお、取付金物55は、溶接またはボルト留め等によって、開口設備100に先に取り付けておいても良いし、外壁パネル5における縦胴縁52a、52bに先に取り付けておいても良い。
【0032】
上記保持部65は、所定の高さ位置に設けられる。この保持部65によって横胴縁52cが保持されると、上記梁61の上面から、当該保持部65で支持されるパネル下地材付きの開口設備100における開口設備4の下面位置(有効開口下端、取付枠41の下枠部の天端)までの高さが設計上の高さとなる。そして、このように保持部65で横胴縁52cが保持されると、当該横胴縁52cの上下間隔および水平も定まる。
【0033】
また、各作業面部60の横幅を規定する2本の柱62における水平距離の中央位置を、有効開口の水平方向中心とする。すなわち、パネル下地材である上記横胴縁52cを保持部65によって保持した状態で、開口設備4の水平方向中央を、上記2本の柱62における水平距離の中心に合わせるように、開口設備地組架台6上でパネル下地材付きの開口設備100を組み立てる。なお、このパネル下地材付きの開口設備100では、取付枠41の両端縦枠部の横に、縦部材101が上下の横胴縁52cに渡って設けられている。
【0034】
実施形態の外壁パネルの作製方法では、外壁パネル地組架台1による外壁パネルの作製過程で、予め或いは当該外壁パネルの作製と並行して、開口設備地組架台6上でパネル下地材付きの開口設備100を作製し、この作製しておいたパネル下地材付きの開口設備100を、開口設備地組架台6から取り外し、この取り外したパネル下地材付きの開口設備100を、外壁パネル地組架台1上に移送して、作製途中の外壁パネルの開口箇所に組み込む。
【0035】
この実施形態の外壁パネルの作製方法であれば、作製途中の外壁パネル5の開口箇所に、パネル下地材である横胴縁52cを開口設備4が無い単体状態で取り付けるのではなく、開口設備4が既に取り付けられた状態の横胴縁52cを、作製途中の外壁パネル5の開口箇所に取り付ける。開口設備4と横胴縁52cとの間で必要な直角出しの調整、パネル開口と開口設備4の高さ合わせや中心合わせを、上記外壁パネル5の作製過程において行うのではなく、当該現場と別の場所や工場において予め或いは並行して行うことができる。よって、作製途中の外壁パネルの開口箇所に、このような調整済のパネル下地材付きの開口設備100を取り付けることができるので、外壁パネル5の作成時間を短縮化することができる。また、開口設備4の下地を2重にする必要がなく、開口設備4の下地を簡素化できる。さらに、外壁パネル地組架台1に縦胴縁52a、縦胴縁52bを取り付けた後、開口部地組架台6で製作された開口設備100を縦胴縁52a、52bに取り付けて、適宜シーリングやフラッシング等を施し、最後に外壁面材51を取り付けることで、止水性に優れた外壁パネル5を製作することができる。
【0036】
また、実施形態の開口設備地組架台6であれば、外壁パネル5を作製する外壁パネル地組架台1とは別の場所で、外壁パネル5の作製と並行してパネル下地材付きの開口設備100を作製することができる。
【0037】
また、上記保持部65は、上記パネル下地材付きの開口設備100が上記外壁パネル5に固定される状態と同じ状態でパネル下地材である横胴縁52cを保持することができる。これにより、開口設備地組架台6でのパネル下地材付きの開口設備100の作製で用いた締結部材(取付金物55、ボルト56)を、作製過程の外壁パネル5において、パネル下地材である横胴縁52cの固定に利用できる。
【0038】
パネル下地材付きの開口設備100を組むための作業高さが、グランドレベルから400mm以上2000mm以下の範囲であると、開口設備地組架台6での開口設備4とパネル下地材である横胴縁52cとの組み付けを、比較的低所で行うことができる。
【0039】
パネル下地材付きの開口設備100を組み立てる複数の作業面部60が背向配置で離間して設けられていると、少ないスペースで多くのパネル下地材付きの開口設備100を作製することが可能となる。
【0040】
上記背向配置の作業面部60が1000mm以上離間していると、背向する2つの作業面部の間に人が入って背面側で必要な作業を行うことができる。なお、作業性と設置性を考慮して、上記背向配置の作業面部60は、1500mm以上2000mm以下の範囲で離間しているのが望ましい。
【0041】
また、上記開口設備地組架台6は、表裏両面で4つの作業面部60を有したが、これに限らず、例えば、表裏両面で8つの作業面部60を有してもよい。また、開口設備地組架台6は、片面にだけ作業面部60を有するものでもよい。
【0042】
保持部65と取付金物55は、ボルト56で螺合するだけではなく、ボルト56で螺合した上で、溶接してもよい。また、保持部65と取付金物55を、ボルト56で螺合せずに溶接してもよい。さらに、保持部65と取付金物55は、袋ナットを用いて螺合した後に、溶接してもよい。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 :外壁パネル地組架台
2 :パネル下地材保持具
3 :パネル下地材保持具
4 :開口設備
5 :外壁パネル
6 :開口設備地組架台
11A :支柱部
11B :奥側支柱部
12 :梁部
41 :取付枠
51 :外壁面材
51a :不燃断熱材
51b :鋼板
51c :鋼板
51d :凹部
51e :凸部
52 :パネル下地材
52a :縦胴縁
52b :縦胴縁
52c :横胴縁
55 :取付金物
56 :ボルト
60 :作業面部
61 :梁
62 :柱
63 :繋ぎ部
65 :保持部
100 :開口設備
101 :縦部材