IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図1
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図2
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図3
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図4
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図5
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図6
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図7
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図8
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図9
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図10
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図11
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図12
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図13
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図14
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図15
  • 特許-カートリッジ及び画像形成装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】カートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
G03G15/08 340
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020094929
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189315
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 悠
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 直哉
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-074048(JP,A)
【文献】特開2016-200790(JP,A)
【文献】特開2011-215567(JP,A)
【文献】特開平08-050405(JP,A)
【文献】特開2018-077458(JP,A)
【文献】特開2012-108234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
現像剤を収容する収容室と、前記収容室と連通する現像室と、前記収容室に現像剤を取り入れるための供給口と、現像剤を受け入れる受入口と、前記受入口で受け入れた現像剤を前記供給口に案内するための搬送路と、を有する枠体と、
前記現像室に配置される現像剤担持体と、
前記搬送路に配置され、現像剤を前記受入口から前記供給口へ搬送する第1の搬送部材と、
前記収容室に配置され、現像剤を前記収容室から前記現像室へ搬送する第2の搬送部材であって、回転軸と、前記回転軸に一端が固定されるシート状部材と、を有する第2の搬送部材と、
を備え、
前記枠体は、第一の連通口を通じて前記収容室と連通する第一の通気路と、第二の連通口を通じて前記搬送路と連通する第二の通気路とを有し、前記第一の通気路と前記第二の通気路は前記枠体の外部に連通し、
前記シート状部材の先端は、カートリッジが使用される際の姿勢を取った状態で、前記第一の連通口よりも高い位置を通過し、
前記枠体の長手方向の一端側に前記受入口が位置し、前記搬送路は、前記一端側から前記長手方向の他端側に向かって延び、
前記長手方向において、前記第二の連通口は、前記受入口が配置される第一の位置と、前記供給口が配置される第二の位置との間に位置する
ことを特徴するカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジが使用される際の姿勢を取った状態で、水平方向に見た時、前記第一の連通口は前記搬送路と重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
空気が通過することを許容し、現像剤が通過することを規制するように、前記第一の通気路及び前記第二の通気路を封止するフィルタをさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記枠体は、前記フィルタを覆う覆い部を有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記覆い部は前記枠体の外部と連通する出口開口を有し、前記第一の通気路と前記第二の通気路は、前記出口開口を介して前記枠体の外部に連通し、
前記フィルタは、前記出口開口と前記第一の連通口の間、および前記出口開口と前記第二の連通口の間を塞ぐように配置される
ことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記枠体は、前記収容室を形成するための現像容器と、前記搬送路を形成するための搬送路形成部材とを有し、前記覆い部は前記搬送路形成部材に備えられることを特徴とする請求項4または5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記枠体は、前記枠体の外部と連通する出口開口を有し、前記第一の通気路と前記第二の通気路は、前記出口開口を介して前記枠体の外部に連通することを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第一の通気路を封止する第一のフィルタと、
前記第二の通気路を封止する第二のフィルタと、
を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記枠体は、前記収容室を形成するための現像容器と、前記搬送路を形成するための搬送路形成部材とを有することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジが使用される際の姿勢を取った状態で、前記第一の連通口は、鉛直方向において、前記搬送路よりも高い位置で前記収容室に連通する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記供給口は、前記長手方向において、前記収容室の略中央に位置している
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記搬送部材は、前記長手方向に延びる回転軸と、前記回転軸の外周面に螺旋状に設けられた羽根部と、を有するスクリューである
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジが使用される際の姿勢を取った状態で、前記現像室は前記収容室の上方に位置することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な請求項1~13のいずれか1項に記載のカートリッジと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、現像に用いるトナー(現像剤)が外部へ漏れ出ることを防ぐことが必要となる一方、トナー収容室内の内圧上昇を抑制する仕組みが必要となる。トナー収容室の内外で空気を通過させる方法が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-200790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置においてトナーが収容される空間の内圧上昇のメカニズムは、装置構成に応じて様々である。例えば、トナー収容室に対し、スクリュー等の搬送部材が配されたトナー搬送路を介してトナーを補給するような装置構成の場合、トナー収容室と搬送路のそれぞれにおいて内圧が上昇する場合がある。内圧の上昇により、トナー収容室を備えるカートリッジから現像剤が飛散することや、トナー搬送路の上流側でトナーのつまりが発生するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、トナー(現像剤)の収容室と搬送路の内圧の上昇を抑制することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジは、
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
現像剤を収容する収容室と、前記収容室と連通する現像室と、前記収容室に現像剤を取り入れるための供給口と、現像剤を受け入れる受入口と、前記受入口で受け入れた現像剤を前記供給口に案内するための搬送路と、を有する枠体と、
前記現像室に配置される現像剤担持体と、
前記搬送路に配置され、現像剤を前記受入口から前記供給口へ搬送する第1の搬送部材と、
前記収容室に配置され、現像剤を前記収容室から前記現像室へ搬送する第2の搬送部材であって、回転軸と、前記回転軸に一端が固定されるシート状部材と、を有する第2の搬送部材と、
を備え、
前記枠体は、第一の連通口を通じて前記収容室と連通する第一の通気路と、第二の連通口を通じて前記搬送路と連通する第二の通気路とを有し、前記第一の通気路と前記第二の通気路は前記枠体の外部に連通し、
前記シート状部材の先端は、カートリッジが使用される際の姿勢を取った状態で、前記第一の連通口よりも高い位置を通過し、
前記枠体の長手方向の一端側に前記受入口が位置し、前記搬送路は、前記一端側から前記長手方向の他端側に向かって延び、
前記長手方向において、前記第二の連通口は、前記受入口が配置される第一の位置と、前記供給口が配置される第二の位置との間に位置する
構成を特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な本発明のカートリッジと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナー収容室と現像剤搬送経路の内圧の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の現像ユニットの概略断面図
図2】実施例1の電子写真画像形成装置の概略断面図
図3】実施例1のプロセスカートリッジの主断面図
図4】実施例1のプロセスカートリッジの前方からの全体斜視図
図5】実施例1のプロセスカートリッジの後方からの全体斜視図
図6】実施例1のトナーカートリッジ(Y・M・C)の主断面図
図7】実施例1のトナーカートリッジ(K)の主断面図
図8】実施例1のトナーカートリッジ(Y・M・C)の後方からの全体斜視図
図9】実施例1の現像ユニットを右側から見た側面断面図
図10】実施例1の現像ユニットの供給口における概略断面図
図11】比較例のトナー収納室の内圧が上昇した現像ユニットの概略断面図
図12】比較例の現像剤搬送経路の内圧が上昇した現像ユニットの側面断面図
図13】実施例2の現像ユニットの斜視図
図14】実施例2の現像ユニットの説明図
図15】実施例3の現像ユニットの斜視図
図16】実施例3の現像ユニットの説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
<実施例1>
電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、この電子写真感光体に作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。例えば、電子写真感光体と、前記プロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。また、電子写真感光体と現像手段とをそれぞれカートリッジ化し、前者を感光体ユニット(もしくはクリーニングユニット)とし、後者を現像ユニットとする場合があるが、かかる構成に限定されるものではない。
【0011】
本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置100(以下、画像形成装置100)の全体構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る画像形成装置100の概略図である。本実施例において、プロセスカートリッジ1、及び、トナーカートリッジ13は画像形成装置100の装置本体に対して着脱自在となっている。ここで、装置本体とは、画像形成装置100の構成からカートリッジBを除いた構成部分のことをさす。
【0012】
図2の画像形成装置の模式的断面図は、通常想定される装置設置床面として水平面上に画像形成装置が載置された状態と示している。例えば、後述する現像ユニットの使用時の姿勢の上下左右の方向は、図2が基準となる。また、図2の紙面に垂直な方向が、感光ドラムや現像ローラなどの回転軸線方向かつ長手方向、各ユニットの枠体などの長手方向に
対応する。以下の説明では、図2に示した各構成の位置関係等を基準とし、図2以外の各図の位置関係等が規定される。
【0013】
本実施例に係る画像形成装置100は、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。すなわち、4つの画像形成部により、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像(現像剤像)を重ね合わせて形成することでフルカラーの画像を記録用紙、プラスチックシート等の記録材に形成する。本実施例では、第1~4の画像形成部の構成と動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下において、特に区別を必要としない場合は、添え字であるY~Kを省略して総括的に説明する。第1~4の画像形成部を構成する第1~第4のプロセスカートリッジ1は、水平方向に並んで配置されている。各プロセスカートリッジ1は、ドラムユニット4と現像ユニット6から形成される。ドラムユニット4は、像担持体としての感光ドラム7と、感光ドラム7の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電ローラ8、及び、クリーニング手段としてのクリーニングブレード10を有する。現像ユニット6は、現像ローラ11と現像剤T(以下、トナー)を収容し、感光ドラム7上に静電潜像を現像する現像手段を有する。ドラムユニット4と現像ユニット6は、互いに揺動可能に連結されている。なお、第1のプロセスカートリッジ1Yは、現像ユニット6内にイエロー(Y)のトナーを収容している。同様に、第2のプロセスカートリッジ1Mは、マゼンタ(M)、第3のプロセスカートリッジ1Cは、シアン(C)、第4のプロセスカートリッジ1Kは、ブラック(K)のトナーを収容している。
【0014】
プロセスカートリッジ1は、画像形成装置100に設けられた装着ガイド(不図示)、位置決め部材(不図示)などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能になっている。また、プロセスカートリッジ1の下方には静電潜像を形成するためのスキャナユニット12が配置されている。さらに、画像形成性装置においてプロセスカートリッジ1より後方(プロセスカートリッジ1の着脱方向下流側)に廃トナー搬送ユニット23が配置されている。
【0015】
第1~第4のトナーカートリッジ13は、各プロセスカートリッジ1に収容されるトナーの色と対応した順序で、プロセスカートリッジ1の下方にそれぞれ水平方向に並んで配置されている。すなわち、第1のトナーカートリッジ13Yは、イエロー(Y)のトナーを収容している。同様に、第2のトナーカートリッジ13Mは、マゼンタ(M)、第3のトナーカートリッジ13Cは、シアン(C)、第4のトナーカートリッジ13Kは、ブラック(K)のトナーを収納している。そして、各トナーカートリッジ13は、同色のトナーを収容したプロセスカートリッジ1にトナーを補給する。
【0016】
トナーカートリッジ13の補給動作は、画像形成装置100の装置本体に設けられた残量検知部(不図示)が、プロセスカートリッジ1内のトナー残量不足を検知した際に行われる。トナーカートリッジ13は、画像形成装置100に設けられた装着ガイド(不図示)、位置決め部材(不図示)などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能になっている。なお、プロセスカートリッジ1、トナーカートリッジ13の詳細説明は後述する。
【0017】
トナーカートリッジ13の下方には、第1~第4のトナー搬送装置14が各トナーカートリッジ13に対応して配置される。各トナー搬送装置14は、各トナーカートリッジ13から受け取ったトナーを上方に搬送し、各現像ユニット6にトナーを供給する。
【0018】
プロセスカートリッジ1の上方には、中間転写ユニット19が設けられている。中間転写ユニット19は、一次転写部S1側を下方にして略水平に配置されている。各感光ドラム7に対向する中間転写体としての中間転写ベルト18は、回転可能な無端状のベルトで
あり、複数の張架ローラに張架されている。中間転写ベルト18の内面には、一次転写部材として一次転写ローラ20が中間転写ベルト18を介して各感光ドラム7と一次転写部S1を形成する位置にそれぞれ配置されている。また、二次転写部材である二次転写ローラ21は、中間転写ベルト18に接触し、中間転写ベルト18を介して対向側のローラと二次転写部S2を形成している。さらに、左右方向(二次転写部S2と中間転写ベルトが張架される方向)において、二次転写部S2と反対側に中間転写ベルトクリーニングユニット22が配置される。
【0019】
中間転写ユニット19のさらに上方には、定着ユニット25が配置されている。定着ユニット25は、加熱ユニット26と、加熱ユニット26に圧接する加圧ローラ27とで構成される。また、装置本体の上面は、排出トレイ32が配設されており、排出トレイ32と中間転写ユニット19の間に廃トナー回収容器24が配設されている。さらに、装置本体の最下部には、記録材3を収容するための給紙トレイ2が配設されている。
【0020】
次に、画像形成装置100における画像形成動作について、図2、及び図3を用いて説明する。画像形成時には、感光ドラム7は、図3の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。中間転写ベルト18は、矢印Bの方向(感光ドラム7の回転に順方向)に回転駆動される。
【0021】
まず、感光ドラム7の表面が帯電ローラ8によって一様に帯電される。次に、スキャナユニット12から照射されたレーザー光によって感光ドラム7の表面が走査露光されることで、感光ドラム7上に画像情報に基づいた静電潜像が形成される。感光ドラム7上に形成された静電潜像は、現像ユニット6によってトナー像として現像される。このとき、現像ユニット6は画像形成装置100本体に設けられた現像加圧ユニット(不図示)によって加圧されている。そして、感光ドラム7上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ20によって中間転写ベルト18上に一次転写される。
【0022】
例えば、フルカラー画像の形成時には、第1~4の画像形成部の一次転写部S1Y~S1Kにおいて上述したプロセスが順次に行われることで、中間転写ベルト18上に各色のトナー像が順次に重ね合わされる。一方、給紙トレイ2に収容されている記録材3は、所定の制御タイミングで給送され、中間転写ベルト18の移動と同期して二次転写部S2へと搬送される。そして、記録材3を介して中間転写ベルト18に当接している二次転写ローラ21によって、中間転写ベルト18上の4色トナー像は一括して記録材3上に二次転写される。
【0023】
その後、トナー像が転写された記録材3は、定着ユニット25に搬送される。定着ユニット25において記録材3が加熱・加圧されることで記録材3にトナー像が定着する。その後、定着済の記録材3が排出トレイ32に搬送されることで画像形成動作が完了する。
【0024】
また、一次転写工程後に感光ドラム7上に残留した一次転写残トナー(廃トナー)は、クリーニングブレード10によって除去される。二次転写工程後に中間転写ベルト18上に残留した二次転写残トナー(廃トナー)は、中間転写ベルトクリーニングユニット22によって除去される。クリーニングブレード10、及び、中間転写ベルトクリーニングユニット22によって除去された廃トナーは、装置本体に設けられる廃トナー搬送ユニット23によって搬送され、廃トナー回収容器24に蓄積される。なお、画像形成装置100は、所望の単独またはいくつか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
【0025】
次に、本実施例に係る画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ1の全体構成について図3図4図5を用いて説明する。図3は、本実施例に係るプロセスカー
トリッジ1の断面図である。図4は、前方(プロセスカートリッジ1の装置本体に対する着脱方向における上流側)から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図である。図5は、後方(プロセスカートリッジ1の上記着脱方向における下流側)から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図であり、(a)は、後方の斜め下方から見上げたときの斜視図、(b)は、後方の斜め上方から見下ろしたときの斜視図である。
【0026】
プロセスカートリッジ1は、ドラムユニット(像担持ユニット、クリーニングユニット)4と現像ユニット6から形成される。ドラムユニット4と現像ユニット6は、回転支持ピン30を中心として、揺動可能に結合される。ドラムユニット4は、ドラムユニット4内の各種部材を支持するクリーニング枠体5を有する。また、ドラムユニット4内には、感光ドラム7、帯電ローラ8、クリーニングブレード10の他に、感光ドラム7の回転軸線方向に平行な方向に延びる廃トナースクリュー15を有する。クリーニング枠体5には、感光ドラム7を回転可能に支持し、感光ドラム7から廃トナースクリュー15に駆動を伝達するためのクリーニングギア列31を備えるクリーニング軸受33が、ドラムユニット4の長手両端に配設されている。
【0027】
ドラムユニット4に設けられる帯電ローラ8は、感光ドラム7に向かって、両端に配置された帯電ローラ加圧ばね36で矢印C方向に付勢されている。帯電ローラ8は、感光ドラム7に対して従動するように設けられ、感光ドラム7が画像形成時に矢印A方向に回転駆動されると、矢印Dの方向(感光ドラム7の回転に順方向)に回転する。ドラムユニット4に設けられるクリーニングブレード10は、一次転写後に感光ドラム7の表面に残った転写残トナー(廃トナー)を除去するための弾性部材10aと、弾性部材10aを支持するための支持部材10bとから構成されている。クリーニングブレード10によって感光ドラム7の表面から除去された廃トナーは、クリーニングブレード10とクリーニング枠体5により形成される廃トナー収容室9に収容される。廃トナー収容室9に収容された廃トナーは、廃トナー収容室9内に設置される廃トナー搬送スクリュー15によって画像形成装置100の後方(プロセスカートリッジ1の着脱方向下流側)に向かって搬送される。搬送された廃トナーは、廃トナー排出部35から排出され、画像形成装置100の廃トナー搬送ユニット23へと受け渡される。
【0028】
現像ユニット6は、現像ユニット6内の各種部材を支持する現像枠体16を有する。現像枠体16は、現像ローラ11と供給ローラ17とが内部に設けられる現像室16aと、トナーが収容され、第2の搬送部材としての撹拌部材29が内部に設けられるトナー収納室(トナー収容室)16bとに分けられる。
【0029】
現像室16aには、現像ローラ11、供給ローラ17、現像ブレード28が設けられている。現像ローラ11は、トナーを担持しており、画像形成時は矢印E方向に回転し、感光ドラム7と接触することで感光ドラム7にトナーを搬送する。また、現像剤担持体としての現像ローラ11は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において現像軸受ユニット34によって回転可能に支持されている。現像剤供給部材としての供給ローラ17は、現像ローラ11と接触しつつ現像軸受ユニット34によって回転可能に支持されており、画像形成時は矢印F方向に回転する。さらに、現像ローラ11上に形成されるトナー層の厚みを規制する、層厚規制部材としての現像ブレード28が、現像ローラ11の表面に当接するように配置されている。現像軸受ユニット34は現像枠体16の一部と呼ぶことができる。
【0030】
トナー収納室16bには、収納されたトナーTを撹拌するとともに、現像室連通口16cを介して供給ローラ17へトナーを搬送するための撹拌部材29が設けられている。撹拌部材29は、現像ローラ11の回転軸線方向に平行な回転軸29aと、可撓性を有するシート状部材である搬送部材としての撹拌シート29bとを有する。撹拌シート29bの
一端が回転軸29aに取り付けられ(固定され)、撹拌シート29bの他端が自由端となっており、回転軸29aが回転して撹拌シート29bが矢印G方向に回転することで、撹拌シート29bによってトナーが撹拌される。
【0031】
現像ユニット6は、現像室16aとトナー収納室16bとを連通する現像室連通口16cを有する。本実施例では、現像ユニット6が通常使用される姿勢(使用時の姿勢、画像形成時の姿勢)において、現像室16aは、トナー収納室16bの上方に位置している。撹拌部材29によって汲み上げられたトナー収納室16b内のトナーは、現像室連通口16cを通って現像室16aに供給される。さらに、現像ユニット6には、着脱方向下流側の一端にトナー受入口(補給口)40が設けられる。トナー受入口40の上部には、受入口シール部材45と、前後方向に移動可能なトナー受入口シャッタ41が配置されている。トナー受入口40は、プロセスカートリッジ1が画像形成装置100に装着されていない場合は受入口シャッタ41によって閉じられている。受入口シャッタ41は、プロセスカートリッジ1の着脱動作に連動し、画像形成装置100に付勢されて開く構成となっている。
【0032】
トナー受入口40に連通して受入搬送路としてのトナー搬送経路42が設けられ、その内部には受入搬送スクリュー(搬送部材)43が配置されている。さらに、現像ユニット6の長手略中央付近にはトナー収納室16bへトナーを供給するための収納室連通口(供給口)44が設けられ、トナー搬送経路42とトナー収納室16bを連通している。トナー搬送経路42は、トナー受入口40が設けられた現像枠体16の長手方向の一端側から該長手方向の他端側に向かって延びている。受入搬送スクリュー43は、トナー搬送経路42内を現像ローラ11や供給ローラ17の回転軸線方向と平行に延びる回転軸43aと、回転軸43aの外周面に螺旋状に回転軸43aの一端から他端にかけて設けられた羽根部43bと、を有している。受入搬送スクリュー43は、回転することにより、トナー受入口40から受け入れたトナーを、トナー搬送経路42内の一端側から他端側に向かって案内し、収納室連通口44を介してトナー収納室16bに搬送・供給する。
【0033】
図6図7図8を用いて、本実施例に係る画像形成装置100に装着されるトナーカートリッジ13の全体構成について説明する。図6(a)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)の、長手方向(前後方向)の中央部における断面図である。図6(b)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)の、長手方向(前後方向)の後方側の給開口52における断面図である。図7(a)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13K)の、長手方向(前後方向)の中央部における断面図である。図7(b)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13K)の、長手方向(前後方向)の後方側の給開口52における断面図である。図8(a)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)の、後方から見たときの斜視図である。図8(b)は、本実施例に係るトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)の、後方から見たときの、サイドカバー62を取り除いた場合の斜視図である。
【0034】
トナーカートリッジ13は、トナーカートリッジ13内の各種部材を支持する補給枠体50と、内部にトナーを収納する補給トナー収納室51を備える。また、通常使用される姿勢(使用時の姿勢)において、下側に補給枠体開口52が設けられる。補給トナー収納室51内には、補給トナー撹拌部材53、補給トナー搬送スクリュー54、仕切り部材55が設けられている。第1~第3のトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)にはそれぞれカラー(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))のトナーが収容され、第4のトナーカートリッジ(13K)にはブラック(K)のトナーが収容される。なお、本実施例においては、第1~第3のトナーカートリッジ(13Y、13M、13C)と比べ、第4のトナーカートリッジ(13K)の方が幅方向(左右方向)において大きい(トナーの収容可能量が多い)構成となっている。
【0035】
補給撹拌部材53は、トナーカートリッジ13の長手方向に平行に配置され、回転可能に補給枠体50に支持されている。また、補給撹拌部材53は、回転軸53aと、可撓性を有するシートである搬送部材としての補給撹拌シート53bとを有する。補給撹拌シート53bの一端が回転軸53aに取り付けられ、補給撹拌シート53bの他端が自由端となっている。回転軸53aが回転して補給撹拌シート53bが矢印G方向に回転することで、補給撹拌シート53bによってトナーが撹拌され、トナーを補給搬送スクリュー54に送る。補給トナー搬送スクリュー54は、補給トナー撹拌部材の回転軸線に平行に配置され、回転可能に補給枠体50に支持されている。補給トナー搬送スクリュー54は回転することで、補給トナー収納室内のトナーを前方から後方(トナーカートリッジ着脱方向において上流から下流側)に搬送する。すなわち、トナーをトナー補給開口52に向けて搬送する。仕切り部材55は、補給枠体50とでトンネル部56を形成する。トンネル部56は、補給トナー搬送スクリュー54の外径に対応して形成され、補給トナー搬送スクリュー54によって搬送されたトナーを擦切って定量搬送する役割を持っている。また同様に、仕切り部材55は、補給枠体50とでトナー排出室57を形成する。トナー排出室57には補給枠体開口52が設けられる。また、伸縮可能な蛇腹部58aを備えるポンプ58が、内部と連通して設けられる。ポンプ58は、後述する駆動列によって伸縮し、その内部容積を変動させることができる。ポンプ58の伸縮に伴って、補給トナー収容室51及びトナー排出室57の内圧が変動し、補給枠体開口52からの吸排気が行われることで安定的にトナーの排出を行うことができる。
【0036】
トナーカートリッジ13の後方側には駆動列が配置される。画像形成装置本体100から駆動入力ギア59が回転駆動を受け取り、カムギア60に回転を伝達する。カムギア60にはカム溝60aが設けられており、リンク機構61のリンク突起部61aがカム溝60aと係合している。リンク機構61はサイドカバー62に前後方向に移動可能に支持される。リンク機構61は、カムギア60が回転することでカム突起部61aがカム溝60aの山部と谷部を交互に通過することにより、前後方向に往復運動する。リンク機構61はポンプ58の結合部58bと連結されており、ポンプ58はリンク機構61と連動して結合部58bが往復運動する。そして、ポンプ58の蛇腹部58aが伸縮することでポンプ58の内部容積が変動し、結果として補給トナー収容室51及びトナー排出室57の内圧が変動する。
【0037】
次に、前述した補給トナー搬送スクリュー54の端部には、スクリューギア64が設けられており、スクリューギア64はカムギア60から回転駆動を受け取り、補給トナー搬送スクリュー54を回転させる。また、トナー排出室57には通常使用される姿勢(使用時の姿勢)において、下面に補給枠体開口52と、補給口63が設けられた補給口シャッタ41が、前後方向に移動可能に補給枠体50に支持されている。補給枠体開口52は、トナーカートリッジ13が画像形成装置100に装着されていない場合は補給口シャッタ41によって閉じられている。補給口シャッタ41は、トナーカートリッジ13の着脱動作に連動し、画像形成装置100に付勢されて所定の位置に移動する構成となっている。補給口シャッタ41が画像形成装置100に装着されたとき、補給枠体開口52と補給口63は連通し、トナーカートリッジ13からのトナー排出が可能となる。
【0038】
図1図9を用いて、トナーカートリッジ13から現像ユニット6へ現像剤が補給され
る構成について説明する。図1は、トナー収容室16bと現像剤搬送経路42の内圧の変
化を説明するための現像ユニット6の概略断面図である。図9は、現像ユニット6を右側から見た側面断面図である。図1に示すように、現像ユニット6は、現像枠体16内に形成された、現像室16a及びトナー収納室16bを有する。現像室16aには、現像ロー
ラ11、供給ローラ17、現像ブレード28、及び封止シート部材66が設けられている。トナー収納室16bは、現像室16aの下方に配置されている。ここで、トナー収納室
16bは、現像室16aに供給するトナーを収納する。現像室16aとトナー収納室16bとの間には、トナーが通過するための現像室連通口16cが設けられている。また、図9に示すように、現像ユニット6の現像枠体16は、トナー搬送経路42、搬送部材43、供給口44、及びトナー受入口(補給口)40を有する。トナーカートリッジ13からトナー受入口40にトナーが搬送されると、トナー搬送経路42内の搬送部材43によって供給口44へトナーが搬送され、トナー収納室16bにトナーが補給される。
【0039】
図11図12に示す、比較例に係る現像ユニット6aの構成を用いて、前述のように、トナー受入口40から供給口44へ搬送部材43がトナー搬送経路42にあるトナーを搬送する場合に、トナー収納室16b、及びトナー搬送経路42の内圧上昇について説明する。比較例の現像ユニット6aは、本実施例の現像ユニット6の後述する特徴的な内圧抑制構成を備えていない構成となっている。図11は、トナー収納室16bの内圧が上昇したときの比較例の現像ユニット6aの様子を示す概略断面図である。図12は、トナー搬送経路42の内圧が上昇したときの比較例の現像ユニット6aの様子を右側から見た側面断面図である。図11に示すように、搬送部材43がトナーを搬送し、トナー収納室16bの内圧が上昇した場合、トナー収納室16bと連通する現像室16aの内圧も上昇する。この現像室16aの内圧上昇により、現像ローラ11と当接している封止シート部材66、及び現像ブレード28の間に隙間ができ、隙間からトナー飛散が発生する。図12に示すように、搬送部材43がトナーを搬送し、トナー搬送経路42の内圧が上昇した場合、搬送部材43の搬送能力T1が低下し、トナーカートリッジの搬送能力T2を下回ると、供給口44より上流側のトナー搬送経路42、もしくはトナー搬送装置14、補給枠体開口52のトナーの詰まりに繋がる。よってT1>T2の場合はトナーが正常に補給されるが、T1<T2の場合はトナーの詰まりが発生する。
【0040】
これに対し、本実施例の現像ユニット6は、トナーカートリッジ13からトナー収納室16bにトナーを補給する場合に、トナー収納室16bとトナー搬送経路42の内圧上昇を抑制することができる構成を備えている。本実施例の現像ユニット6は、図1に示すように、現像枠体16に、トナー収納室16bと連通し、現像枠体16外部との通気を行うための第一の連通口67と、トナー搬送経路42と連通し、現像枠体16外部との通気を行うための第二の連通口68とを備える。第一の連通口67が配置される部分において、現像枠体16は、トナー収納室16bの内部と現像枠体16の外部とを連通する第一の通気路を有する。第一の通気路は、第一の連通口67を通じてトナー収納室16bと連通するということができる。第二の連通口68が配置される部分において、現像枠体16は、トナー搬送経路42の内部と現像枠体16の外部とを連通する第二の通気路を有する。第二の通気路は、第二の連通口68を通じてトナー搬送経路42と連通するということができる。これにより、トナーカートリッジ13から現像剤が補給され、トナー収納室16bの内圧が上昇しようとしても、第一の連通口67により形成される第一の通気路を経てトナー収納室16bが外部と通気され、内圧上昇が抑制される。同様に、トナー搬送経路42の内圧が上昇しようとしても、第二の連通口68により形成される第二の通気路を経てトナー搬送経路42が外部と通気され、内圧上昇が抑制される。
【0041】
図9に示すように、第二の連通口68は、現像枠体16の長手方向において、トナー搬送経路42においてトナー受入口40が配置される第一の位置と、供給口44が配置される第二の位置との間に設けられている。また、図9に示すように、第一の連通口67は、現像ユニット6が使用される際の姿勢を取った状態で、水平方向に見たときに、トナー搬送路42と重ならない位置(本実施例では上方)に配置されている。本実施例では、第一の連通口67と第二の連通口68の現像枠体16の長手方向における位置が一致しているが、ずれた配置となっていてもよい。また、トナーはトナー収容室16aにおいて供給口40よりも下方に堆積しやすいため、第一の連通口67は、鉛直方向においてトナー搬送経路42よりも高い位置で重ならないように配置することが好ましい。図1に示すように
、本実施例において、第一の連通口67は、現像ユニット6が通常使用される姿勢において、第一の連通口67は、撹拌部材29(図3参照)の回転軸線よりも鉛直方向で上方に配置されている。また、撹拌シート29bが、トナー収容室16aの内壁のうち、供給口44と第一の連通口67が配置された部分に当接する。これにより、供給口44と第一の連通口67の周囲から、トナー収容室16a内のトナーが断続的に除去される。第一の連通口67が形成されるトナー収納室16bの内壁と、水平線のなす角は、トナーの安息角よりも大きい。これにより、トナー収納室16bの内部において、第一の連通口67の上にトナーが堆積し続けることを抑制できる。さらに、第二の連通口68が形成されるトナー搬送経路42の内壁は、重力方向で下方を向いている。これにより、トナー搬送経路42の内部において、第二の連通口68の上にトナーが堆積し続けることを抑制できる。
【0042】
<実施例2>
図13図14を用いて、本発明の実施例2について説明する。本実施例において実施例1と共通する構成については同じ符号を付し、再度の説明を省略する。本実施例において特に説明しない事項については、実施例1と同様である。
【0043】
実施例1の現像ユニット6において通気口として機能する第一の連通口67と第二の連通口68は、トナー漏れ防止の観点からは、それぞれが形成する通気路をフィルタ等で封止することが好ましい。すなわち、各通気路をフィルタ等で封止することで、空気の通過は許容し、トナーの通過は規制するように構成することである。実施例2は、実施例1の現像ユニット6に対してトナー封止のためのフィルタを設けたことを特徴とする。フィルタは、トナーの通過を規制し、空気の通過は許容する。
【0044】
図13(a)は、本発明の実施例2の現像ユニット6bの斜視図であり、図13(b)は、図13(a)の図示構成において、スクリューパイプ46、フィルタ69及びフィルタ保持部47を取り除いて示した斜視図である。図14(a)は、本発明の実施例2における現像ユニット6bの模式的断面図である。図14(b)は、図13(b)に対応する、本発明の実施例2の現像ユニット6bを右側から見た側面断面図(トナー搬送経路42部分を断面で示す)である。
【0045】
ここで、スクリューパイプ46は、現像枠体16の一部として、トナー搬送経路42を形成する搬送路形成部材である。なお、現像枠体16のうちスクリューパイプ46等を除いた部分であって、主としてトナー収納室16bを形成する部分を指して現像容器と呼んでもよい。第二の連通口68は、現像容器にスクリューパイプ46を取り付けることによって、現像容器とスクリューパイプ46の間に形成される。
【0046】
図14(a)に示すように、本実施例の現像ユニット6bは、第一の連通口67と第二の連通口68をそれぞれ封止するためのフィルタ69を有している。図14(b)に示すように、本実施例の現像ユニット6aは、実施例1と同様、第一の連通口67が、現像枠体16の長手方向において、供給口44とトナー受入口40との間の位置にあり、かつ第二の連通口68と重なる位置にある。また、第二の連通口68は、高さ方向において、トナー搬送経路内42の任意の位置に設けられている。本実施例の現像ユニット6aは、第一の連通口67と第二の連通口68の両者を同時に封止するように単一のフィルタ69が配置されている。フィルタ69は、スクリューパイプ46と一体に設けられたフィルタ保持部47に保持されている。フィルタ69は、材質がウレタンフォームからなる板状のフィルタ部材であり、フィルタ保持部47に対して圧入されて保持されている。フィルタ保持部47には開口70が設けられており、この開口70が、現像枠体16において枠体内部の通気、脱気のための枠体開口部(出口開口)となる。本実施例において、開口70は複数設けられる。鉛直方向(重力方向と同じ)において、開口70の位置と、第一の連通口67の位置は、少なくとも一部重なるように配置されている。したがって、図14に示
すように、水平方向に沿って見た時に、開口70と第一の連通口67は少なくとも部分的に重なる。
【0047】
フィルタ保持部47は、現像枠体16においてスクリューパイプ46の外壁面から第一の連通口67と第二の連通口68とを覆うように上方に延出して形成された覆い部をなし、その内側にフィルタ69を保持している。開口70は、フィルタ保持部47においてフィルタ69を保持している部分に設けられており、フィルタ69は、開口70と第一の連通口67の間と開口70と第二の連通口68との間をそれぞれ塞ぐように配置されている。したがって、第一の連通口67と第二の連通口68は、それぞれフィルタ69と開口70を介して現像枠体16の外部と通気連通する。かかる構成により、第一の連通口67とフィルタ69と開口70とを介してトナー収納室16bと現像枠体16外部との間を連通する第一の通気路が形成される。また、第二の連通口68とフィルタ69と開口70とを介してトナー搬送経路42と現像枠体16外部との間を連通する第二の通気路が形成される。これら第一の通気路と第二の通気路は、通気経路の一部を共有する通気路と言うことができる。つまり、トナー収納室16bと現像枠体16外部とは、第一の連通口67と開口70を介して連通する。トナー搬送経路42と現像枠体16外部とは、第二の連通口68と開口70を介して連通する。
【0048】
本実施例によれば、第一の連通口67と第二の連通口68の2つの連通口に対して、ひ
とつのフィルタ69を用いて封止できるため、各連通口をそれぞれ個別のフィルタで封止するのに対して、部品コストを削減することができる。
【0049】
なお、本実施例では、連通口が2つであったが、3つ以上の連通口設け、かつそれらをひとつのフィルタで封止するように構成してもよい。
【0050】
また、フィルタ69は、上述のとおり、板状のフィルタ部材であり、本実施例では、略垂直な姿勢で保持され、一方の面が第一の連通口67を封止し、他方の面が開口70を封止し、端面が第二の連通口68を封止する構成となっている。しかし、フィルタ部材はかかる構成には限定されない。また、第一の連通口67、第二の連通口68の大きさや形状の組合せも任意であり、特定の構成に限定されるものではない。例えば、フィルタ69が、略水平の姿勢で保持され、水平な一方の面で第二の連通口68を封止し、略垂直方向に開口した開口70を水平な他方の面で下方から封止し、略垂直の端面で第一の連通口67を封止するような構成であってもよい。
【0051】
また、第一の連通口67、第二の連通口68の配置も、ひとつのフィルタ69で封止することが可能であれば、長手方向に一致していなくてもよく、長手方向に多少ずれた構成であってもよい。
【0052】
<実施例3>
図15図16を用いて、本発明の実施例3について説明する。本実施例において実施例1、2と共通する構成については同じ符号を付し、再度の説明を省略する。本実施例において特に説明しない事項については、実施例1、2と同様である。
【0053】
実施例3の現像ユニット6cは、第一の連通口67及び第二の連通口68にそれぞれ個別にフィルタを使用する構成となっている。本実施例において、各フィルタの材質は、実施例2で示したものと同じものを用いた。
【0054】
図15(a)は、本発明の実施例3の現像ユニット6cの斜視図であり、第一のフィルタ71及び第二のフィルタ72の図示を省略した図である。図15(b)は、図15(a)の図示構成において、第一のフィルタ71及び第二のフィルタ72を追加して示した斜
視図である。図16(a)は、本発明の実施例3における現像ユニット6cの模式的断面図である。図16(b)は、本発明の実施例3の現像ユニット6cを右側から見た側面断面図(トナー搬送経路42部分を断面で示す)である。
【0055】
図16(b)に示すように、第一の連通口67は、長手方向において、現像枠体16においてトナー収容室16bの側壁を形成する部分の任意の位置にあり、高さ方向において、トナー搬送経路42と重ならない位置に設けられている。第二の通気口68は、現像枠体16の長手方向において、供給口44と補給口40の間の位置にあり、高さ方向において、現像剤搬送経路42の任意の位置に設けられる。
【0056】
図16(b)に示すように、本実施例の現像ユニット6cでは、第一の通気口67を第一のフィルタ71が封止し、第二の通気口68を第二のフィルタ72が封止する。これにより、実施例1、2と同様に、トナーカートリッジ13からトナー収納室16bに現像剤を補給する場合に、トナー収納室16bと現像剤搬送経路42の内圧上昇を抑制することができる。また、本実施例によれば、第一の連通口67と第二の連通口68を設ける位置の自由度が高くなり、汎用性のある装置構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0057】
6…現像ユニット(カートリッジ)、16…現像枠体、16b…トナー収納室(収容室)、44…供給口、40…トナー受入口、42…トナー搬送経路(搬送路)、43…受入搬送スクリュー(搬送部材)、67…第一の連通口、68…第二の連通口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16