(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】サーバシステム、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240826BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240826BHJP
B41J 29/38 20060101ALN20240826BHJP
【FI】
G06F3/12 358
G06F3/12 303
G06F3/12 387
H04N1/00 127A
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2020148370
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 和哉
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0036296(US,A1)
【文献】特開2015-138495(JP,A)
【文献】特開2014-146199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0142656(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを受信して前記受信した印刷ジョブを画像形成装置に印刷処理させるクラウドプリントサービスを提供するサーバ
システムであって、
クライアント端末または他のクラウドプリントサービスを提供する他のサーバ
システムから、印刷ジョブを受信する第1の受信手段と、
前記画像形成装置を介して行われた指示であって、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブの設定を変更する指示を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段が受信した前記指示が、前記第1の受信手段が前記他のサーバ
システムから受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバ
システムに通知する通知手段と、
を有し、
前記通知手段は、
前記第2の受信手段が受信した前記指示が、前記第1の受信手段が前記クライアント端末から受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバシステムに通知しない
ことを特徴とするサーバ
システム。
【請求項2】
前記通知手段は、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブが前記画像形成装置によって印刷処理された後に前記通知を行う
ことを特徴とする請求項
1に記載のサーバ
システム。
【請求項3】
前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブを記憶する記憶手段と、
前記指示に応じて前記記憶されている印刷ジョブの設定を変更する変更手段と、
前記受信した印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、をさらに有し、
前記送信手段は、
前記第2の受信手段が前記指示を受信した場合、前記変更手段によって設定が変更された印刷ジョブを送信する
ことを特徴とする請求項1
または2に記載のサーバ
システム。
【請求項4】
前記変更手段は、前記第2の受信手段が所定の回数を超えて受信した前記指示に対しては、前記記憶されている印刷ジョブの設定の変更を行わない
ことを特徴とする請求項
3に記載のサーバ
システム。
【請求項5】
前記所定の回数は1回である
ことを特徴とする請求項
4に記載のサーバ
システム。
【請求項6】
前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブが前記他のサーバ
システムから送信された印刷ジョブである場合、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブの印刷処理を実行した画像形成装置を識別するための情報を前記他のサーバ
システムに通知する第2の通知手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載のサーバ
システム。
【請求項7】
クラウドプリントサービスを提供するサーバ
システムであって、
クライアント端末から印刷ジョブを受信する第1の受信手段と、
他のクラウドプリントサービスを提供する他のサーバ
システムであって印刷ジョブを画像形成装置に送信して印刷処理させる前記他のサーバ
システムに、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブを送信する送信手段と、
前記画像形成装置を介して行われた指示であって、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブの設定を変更する指示の内容を受信する第2の受信手段と、
前記指示の内容を反映して、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブに関するレポートを生成する生成手段と、
前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブの印刷処理を実行した画像形成装置を識別するための情報を、前記他のサーバシステムから受信する第3の受信手段と、
を有することを特徴とするサーバ
システム。
【請求項8】
前記第2の受信手段は、前記第3の受信手段が受信した情報に基づき特定された画像形成装置から前記指示の内容を受信する
ことを特徴とする請求項
7に記載のサーバ
システム。
【請求項9】
前記第2の受信手段は、前記他のサーバ
システムから前記指示の内容を受信する
ことを特徴とする請求項
7に記載のサーバ
システム。
【請求項10】
前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブを記憶する記憶手段と、
前記第2の受信手段が受信した前記指示の内容に基づき、前記記憶されている印刷ジョブの設定を変更する変更手段と、をさらに有し、
前記生成手段は、
前記変更手段によって設定が変更された印刷ジョブに基づき、前記レポートを生成する
ことを特徴とする請求項
7から9のいずれか1項に記載のサーバ
システム。
【請求項11】
前記変更手段は、前記第2の受信手段が所定の回数を超えて受信した前記指示の内容に対しては、前記記憶されている印刷ジョブの設定の変更を行わない
ことを特徴とする請求項
10に記載のサーバ
システム。
【請求項12】
前記所定の回数は1回である
ことを特徴とする請求項
11に記載のサーバ
システム。
【請求項13】
印刷ジョブを受信して前記受信した印刷ジョブを画像形成装置に印刷処理させるクラウドプリントサービスの制御方法であって、
クライアント端末または他のクラウドプリントサービスを提供する他のサーバ
システムから、印刷ジョブを受信する第1の受信ステップと、
前記画像形成装置を介して行われた指示であって、前記第1の受信ステップで受信した印刷ジョブの設定を変更する指示を受信する第2の受信ステップと、
前記第2の受信ステップで受信した前記指示が、前記第1の受信ステップで前記他のサーバ
システムから受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバ
システムに通知し、
前記第2の受信ステップで受信した前記指示が、前記第1の受信ステップで前記クライアント端末から受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバシステムに通知しない通知ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
クラウドプリントサービスの制御方法であって、
クライアント端末から印刷ジョブを受信する第1の受信ステップと、
他のクラウドプリントサービスを提供する他のサーバ
システムであって、印刷ジョブを画像形成装置に送信して印刷処理させる前記他のサーバ
システムに、前記第1の受信ステップで受信した印刷ジョブを送信する送信ステップと、
前記画像形成装置を介して行われた指示であって、前記第1の受信ステップで受信した印刷ジョブの設定を変更する指示の内容を受信する第2の受信ステップと、
前記指示の内容を反映して、前記第1の受信ステップで受信した印刷ジョブに関するレポートを生成する生成ステップと、
前記第1の受信ステップで受信した印刷ジョブの印刷処理を実行した画像形成装置を識別するための情報を、前記他のサーバシステムから受信する第3の受信ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1から
12のいずれか1項に記載のサーバ
システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、サーバシステム、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティングシステムを介して端末および画像形成装置間の印刷ジョブの送受信を行うクラウドプリントサービスがある。クラウドプリントサービスには、GoogleCloudPrint(登録商標)、MicrosoftHybridCloudPrint(登録商標)、UniflowOnLine(登録商標)のように、複数のクラウドプリントサービスが存在する。
【0003】
また、クラウドプリントサービスによって提供される機能の一部には、ユーザが出力枚数等を管理するためのレポートを生成する機能がある。クラウドプリントサービスよって生成されるレポートにより、ユーザは、月別の総印刷枚数、ユーザ単位またはプリンタ単位での印刷枚数等を確認することができる。
【0004】
特許文献1には、クラウドプリントサービスを提供するためのシステムとして、ネットワークで接続された、クライアント端末、プリントサービス装置、および画像形成装置を含む印刷システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クラウドプリントサービス(CPSとも記す)を用いた印刷システムでは、複数のCPSを連携させて印刷システムを構築することが考えられる。
図4の印刷システムは、複数のCPSを連携させた印刷システムの例である。
図4に示すように、CPS405又はCPS406を宛先としてユーザがクライアント端末から印刷ジョブを投入した場合、印刷ジョブがCPS404を経由して画像形成装置に転送される印刷システムの構成が考えられる。この構成によって、複数のクライアント端末がそれぞれ異なるCPSと接続されている場合であっても、画像形成装置に印刷ジョブを送信するCPSを集約することができる。
【0007】
CPS405又はCPS406にクライアント端末から投入された印刷ジョブが、CPS404を経由して画像形成装置に送信された場合において、画像形成装置を介して当該印刷ジョブに含まれる印刷設定の変更の指示がされる場合がある。この場合、印刷ジョブが投入されたCPS405又はCPS406は、印刷ジョブに含まれる印刷設定が変更されたことを確認できない。このため、CPS405又はCPS406によって生成されたレポートの内容が、画像形成装置が実際に出力した際の印刷設定の内容と異なる虞がある。
【0008】
本開示の技術は、印刷ジョブが投入されたCPSから別のCPSを経由して画像形成装置に印刷ジョブの印刷処理を実行させる場合でも、印刷ジョブが投入されたCPSのレポートに、画像形成装置から行われた設定の変更を適切に反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のサーバシステムは、印刷ジョブを受信して前記受信した印刷ジョブを画像形成装置に印刷処理させるクラウドプリントサービスを提供するサーバシステムであって、
クライアント端末または他のクラウドプリントサービスを提供する他のサーバシステムから、印刷ジョブを受信する第1の受信手段と、前記画像形成装置を介して行われた指示であって、前記第1の受信手段が受信した印刷ジョブの設定を変更する指示を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段が受信した前記指示が、前記第1の受信手段が前記他のサーバシステムから受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバシステムに通知する通知手段と、を有し、前記通知手段は、前記第2の受信手段が受信した前記指示が、前記第1の受信手段が前記クライアント端末から受信した印刷ジョブに対する指示である場合、前記指示の内容を前記他のサーバシステムに通知しないことを特徴とするサーバシステム。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、印刷ジョブが投入されたCPSから別のCPSを経由して画像形成装置に印刷ジョブの印刷処理を実行させる場合でも、印刷ジョブが投入されたCPSのレポートに、画像形成装置から行われた設定の変更を適切に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】クラウドプリントサービスを用いた印刷処理を説明するための図。
【
図2】複数のクラウドプリントサービスを有する印刷システムを示す図。
【
図3】クラウドプリントサービスで生成されるレポートを示す図。
【
図4】複数のクラウドプリントサービスを有する印刷システムを示す図。
【
図5】複数のクラウドプリントサービスを用いた比較例の印刷処理を説明するための図。
【
図6】クラウドプリントサービスのハードウエア構成を示すブロック図。
【
図7】クラウドプリントサービスの機能構成を示すブロック図。
【
図9】複数のクラウドプリントサービスを用いた印刷処理を説明するための図。
【
図10】クラウドプリントサービスにおける処理を説明するためのフローチャート。
【
図11】複数のクラウドプリントサービスを用いた印刷処理を説明するための図。
【
図12】クラウドプリントサービスにおける処理を説明するためのフローチャート。
【
図13】クラウドプリントサービスで生成されるレポートの比較例を示す図。
【
図14】複数のクラウドプリントサービスを用いた印刷処理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の技術を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0013】
<実施形態1>
[クラウドプリントサービスについて]
本実施形態の説明に先立ち、クラウドプリントサービスについて説明する。クラウドプリントサービスとは、クラウドコンピューティングシステムを介して端末および画像形成装置間の印刷ジョブの送受信を行うプリントサービスである。以下、クラウドプリントサービス(CPS)とはクラウドプリントサービスを提供するサーバ装置を指すものとして説明する。
【0014】
図1は、ネットワークで接続されたクライアント端末、CPS、および画像形成装置を含む印刷システムによる、印刷処理を説明するためのシーケンス図である。
図1を用いて、CPSを用いた印刷システムによる印刷処理の概要を説明する。各処理の説明における記号「S」は、当該フローにおけるステップであることを意味する。なお、説明の便宜上、ユーザの動作にも「S」を付して説明する。
【0015】
まず、管理者が画像形成装置を、管理者が所属するクラウドプリントサービスのテナントへ登録する。管理者は、テナントに所属するユーザのうち、どのユーザに画像形成装置の使用を許可させるかを設定する。テナントとはユーザがクラウド上に展開する1つのサービスシステムを意味する(S101~S102)。
【0016】
画像形成装置の使用を許可されたユーザは、クライアント端末からCPSへ印刷ジョブを投入する(S103)。CPSは、受信した印刷ジョブをCPSのストレージに記憶させる(S104)。この後、ユーザは画像形成装置にログインし、画像形成装置は、CPSに記憶されている印刷ジョブの印刷ジョブ情報を受信する(S105~S107)。ユーザは、印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定を確認し、印刷設定を変更する場合、印刷設定の変更の指示を画像形成装置に行う(S108)。印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定の変更要求を、画像形成装置から受信したCPSは、記憶している印刷ジョブの印刷設定を変更する(S109~S111)。そして、ユーザが印刷の実行を画像形成装置に対して指示することで(S112)、画像形成装置はCPSから、印刷設定が変更された印刷ジョブを取得して印刷処理を行う(S113~S115)。画像形成装置がCPSから印刷ジョブを取得する方法はプル方式でもプッシュ方式でもよい。画像形成装置が印刷処理を完了すると、画像形成装置はCPSに印刷ジョブの完了通知を送信する(S116)。
【0017】
図2は、複数のCPSを連携させてクラウドコンピューティングシステムによる印刷環境を実現するため印刷システムの例を示す構成図である。
図2の印刷システムでは、ユーザは、CPS204~206のうちの何れかと契約していれば、端末201~203から印刷システム内の画像形成装置407へ印刷ジョブを送信してプリントを行うことができる。クラウドストレージサービスや文書編集サービスなどを有する複合的なクラウドサービスの一部の機能としてCPSによるプリントサービスを提供するクラウドサービスもある。
【0018】
図3は、CPSによって提供されるレポートを説明するための図である。CPSがユーザに提供する機能の一部として、出力枚数等を管理するためのレポートを生成してユーザに提供するレポート機能がある。レポート機能は、画像形成装置から印刷ジョブの完了通知を受けた場合、印刷処理時のカラー印刷またはモノクロ印刷の印刷枚数などを記憶しておいて、印刷履歴の集計結果等をユーザに提供する機能である。レポート機能によれば、月別の総印刷枚数や、ユーザ単位またはプリンタ単位での印刷枚数などを確認することができるため、プリンタ管理者は、月別の総印刷枚数から印刷に係る出金管理等の処理を容易に行うことができる。また、レポート機能によれば、ユーザが現在の印刷枚数を確認することができるため、ユーザ毎の印刷枚数に上限を設けている場合でも、ユーザは印刷枚数の上限を超えないように管理することができる。
【0019】
[本実施形態の印刷システムの構成]
図4は本実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の印刷システムは、クライアント端末401~403、CPS404~406、および画像形成装置407を有する。
【0020】
クライアント端末401~403は各CPS404~406に対して印刷ジョブを投入(送信)するクライアント端末である。
【0021】
CPS404はクライアント端末401から印刷ジョブを受信し、かつ、印刷システム内の他のCPS405、406からも印刷ジョブを受信するCPSである。そして、CPS404は、受信した印刷ジョブを画像形成装置407に印刷処理させるCPSである。CPS405、CPS406を本明細書では外部CPS405、外部CPS406と記すことがある。
【0022】
外部CPS405、406はクライアント端末402、403から印刷ジョブを受信して、受信した印刷ジョブを、CPS404に転送して、CPS404を介して画像形成装置407に印刷処理を行わせるCPSである。なお、外部CPS405、406は、画像形成装置407以外の不図示の画像形成装置と接続されていてもよく、その場合、CPS404を介さないで不図示の画像形成装置に印刷処理を行わせることが可能なCPSでもよい。
【0023】
CPS404は「CompanyA.canon.com」、CPS405は「CompanyA.onmicrosoft.com」、CPS406は「CompanyA.gmail.com」をテナント名称とするものとして説明する。
【0024】
画像形成装置407はCPS404と通信可能に接続されており、CPS404から印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する。画像形成装置407は、例えばプリンタによって実現される。
【0025】
このように、本実施形態の印刷システムは、複数のCPS404~406を連携させたクラウドによる印刷環境を実現するための印刷システムである。画像形成装置407に接続して画像形成装置に印刷ジョブを送信するCPSは、CPS404のみとなるように構築されている。このため、外部CPS405と接続しているクライアント端末402から、外部CPS405に印刷ジョブが投入された場合、当該印刷ジョブは、CPS404を経由して、実際に印刷を行う画像形成装置407までを転送される構成である。このような印刷システムの構成は、外部CPS405のテナントに対して、CPS404を仮想プリンタとして登録することにより実現できる。この構成によって、複数のCPS404~406が受信した印刷ジョブは、1つのCPS404によって集約される。このため、例えば、
図4の印刷システムによれば、印刷ジョブを集約する1つのCPSによって画像形成装置の出力枚数の管理を行うことができる。
【0026】
印刷システムの各構成要素はネットワーク400により通信可能に接続されている。ネットワークは例えばインターネット等のLAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ATM等のいずれかである。または、これらの組み合わせで実現される通信ネットワークでもよい。つまり、ネットワーク400はデータの送受信が可能であればよい。
【0027】
[複数のCPSを有する印刷システムによる印刷処理の比較例]
図5は、
図1のシーケンス図を、複数のCPSを有する
図4の印刷システムに適用した場合の、
図4の印刷システムによる印刷処理の比較例を示すシーケンス図である。
図5では
図1と異なり登録処理は省略している。
図5は、外部CPS405が受信した印刷ジョブの印刷処理を示すシーケンス図である。
【0028】
外部CPS405に印刷ジョブが投入されると(S501~S502)、CPS404は、外部CPS405から印刷ジョブを受信して、受信した印刷ジョブを記憶する(S503~S505)。
【0029】
CPS404は印刷ジョブを記憶したことに応じて、クライアント端末から印刷ジョブが投入された外部CPS405に対して、印刷ジョブの完了通知を行う(S506)。外部CPS405は、印刷ジョブの完了通知を受けて、当該印刷ジョブの印刷結果をレポートに反映する(S519)。S507~S518の処理は、S105~S116の処理を同様である。
【0030】
比較例による印刷処理では、S506に示すように、CPS404が印刷ジョブを記憶した時点で当該印刷ジョブの印刷処理が完了したものとして、CPS404は印刷ジョブの完了を外部CPS405に通知する。その後、印刷ジョブの印刷設定が画像形成装置407を介して変更された場合でも、比較例では、外部CPS405は、印刷ジョブの印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定が変更されたことを確認することができない。このため、例えば、カラー印刷の印刷ジョブを、ユーザが画像形成装置から印刷設定をモノクロに変更して印刷した場合、外部CPS405によるレポート生成では、当該印刷ジョブによる印刷はカラーで行われたものとしてレポートが生成されてしまう。
【0031】
プリントサービス以外のクラウドサービスを含む複合的なクラウドサービスの一部として、CPSによるプリントサービスを提供している場合がある。例えば、外部CPS405によるプリントサービスが複合的なクラウドサービスの一部として提供されていることがある。この場合、複合的なクラウドサービスを利用しているユーザは、CPS404のレポート機能ではなく、外部CPS405のレポート機能を利用することが考えられる。そのユーザには、誤った印刷集計結果等を示すレポートが外部CPS405から提供されてしまう。このため、例えば、外部CPS405から提供されたレポートによって、そのユーザは、誤って印刷枚数を認識してしまう虞がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、外部CPSから印刷ジョブを受信して、受信した印刷ジョブを画像形成装置に送信するCPS404は、クライアント端末から印刷ジョブが投入された外部CPSに対して印刷ジョブ情報の変更要求を行う。外部CPSは印刷ジョブ情報の変更要求に含まれる印刷ジョブ情報の変更内容に基づき、記憶している印刷ジョブ情報を変更することができる。
【0033】
[ハードウエア構成]
図6は、CPS404のハードウエア構成を示すブロック図である。なお、外部CPS405、406のハードウエア構成も、以下で説明するCPS404の構成と同様である。
【0034】
CPU601は内部デバイスで接続される各デバイス(ROM、RAMなど)を直接あるいは間接的に制御し、CPS404の機能を実現するためのプログラムを実行する。ROM602はBIOS等を記憶する。RAM(直接記憶装置)603は、CPU601のワーク領域として用いられ、また、本実施形態のCPS404の機能を実現するためのソフトウェアモジュールをロードするための一時記憶領域として用いられる。間接記憶装置604は、基本ソフトウェアであるOS、およびソフトウェアモジュールを記憶し、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、またはSSD(ソリッドステートドライブ)などで構成される。出力装置606は、例えば液晶ディスプレイやLED等で構成され、各種情報を表示する。入力装置605は、キーボード、ポインティングデバイス等で構成され、ユーザによる各種操作を受け付ける。I/F607は、ネットワーク400に接続するためのインターフェースである。
【0035】
[機能構成]
図7は、CPS404の機能構成を示すブロック図である。外部CPS405、406の機能構成も、以下で説明するCPS404の機能構成と同様である。CPS404は、送受信部701、制御部702、ページ生成部703、設定管理部704、認証部705、および印刷管理部706を有する。
【0036】
送受信部701は、クライアント端末401のWebブラウザまたは連携する外部CPS405、406との通信を処理し、データの送受信を行う。制御部702は、送受信部701が受け付けたリクエストに従って処理を実行する。ページ生成部703は、クライアント端末401のWebブラウザにレスポンスを返すためのWebページを生成する。
【0037】
設定管理部704は、CPS404に関する各種設定情報、連携する外部CPS405、406の情報、CPS404に登録されている画像形成装置407の情報を設定DB707に記憶して情報の制御を行う。
【0038】
認証部705は、CPS404~406のユーザアカウント情報が記憶されている認証DB708を用いて、CPS404にログイン要求したユーザを認証し、また、外部CPS405、406へのユーザ認証要求を制御する。
【0039】
印刷管理部706は、クライアント端末401から受信した印刷ジョブまたは連携する外部CPS405、406から受信した印刷ジョブを印刷ジョブDB709に記憶する制御を行う。また、印刷管理部706は、印刷ジョブに対してレンダリングなどの画像処理を行う。
【0040】
図7の各部の機能は、CPS404のCPU601がROM602または間接記憶装置604に記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより実現される。または、上記の各部の一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウエアで実現してもよい。
【0041】
[本実施形態の印刷システムによる印刷処理について]
図8は、印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報を示す図である。
図8の印刷ジョブ情報は、クライアント端末から外部CPS405に投入された印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報の例である。印刷ジョブ情報には、外部CPS405が受信した印刷ジョブを識別するための一意の識別子を示すジョブIDを保持する領域801がある。また、印刷ジョブ情報には、ユーザが画像形成装置407において印刷ジョブを識別するための情報であるジョブ名を保持する領域802と、印刷を実行するユーザ名を保持する領域803と、が含まれる。さらに印刷ジョブ情報には、印刷時にカラー印刷かモノクロ印刷か行うかを示す情報、および印刷時に片面印刷か両面印刷かを行うかを示す情報等を含む印刷設定の情報を保持する領域804が含まれる。
【0042】
図9は、
図4の印刷システムにおける、本実施形態の印刷処理を示すシーケンス図である。
図9のシーケンス図で示されるそれぞれの装置における処理は、それぞれ装置のCPUがROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。また、
図9におけるステップの一部または全部の機能を、それぞれの装置のASICや電子回路等のハードウエアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローにおけるステップであることを意味する。なお、説明の便宜上、ユーザの動作にも「S」を付して説明する。
図9は、
図5と同様に外部CPS405が受信した印刷ジョブの印刷処理を示すシーケンス図である。
【0043】
S901においてクライアント端末402から外部CPS405に印刷ジョブが投入される。S902において外部CPS405は、クライアント端末402から投入された印刷ジョブを記憶する。
【0044】
次のS903~S905は、CPS404が外部CPS405から印刷ジョブを受信するためのステップである。S903においてCPS404は、外部CPS405に対して、印刷ジョブの送信を要求する。S904において外部CPS405は、印刷ジョブの送信要求を受信すると、S902で記憶した印刷ジョブをCPS404に送信する。S905においてCPS404は受信した印刷ジョブを記憶する。本実施形態では、
図5の比較例と異なり、CPS404は、受信した印刷ジョブの記憶に応じて外部CPS405に対して印刷ジョブの完了の通知は行わない。
【0045】
S906~S908は、画像形成装置407が、CPS404に記憶されている印刷ジョブの印刷ジョブ情報を取得するためのステップである。S906においてユーザは、画像形成装置407にログインする。S907においてユーザのログインを受け付けた画像形成装置407は、CPS404に対して、CPS404が記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報の送信要求を行う。S908においてCPS404は印刷ジョブ情報の送信要求を受信すると、画像形成装置407に印刷ジョブ情報を送信する。
【0046】
ユーザは、画像形成装置407が受信した印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定を確認し、印刷設定を変更する場合は、印刷設定の変更の指示を画像形成装置407に対して行う。本シーケンス図では、ユーザは、印刷設定の変更を指示するものとして説明する。S909でユーザが画像形成装置407を介して印刷設定の変更を指示すると、S910において印刷設定の変更の指示を受け付けた画像形成装置407は、印刷ジョブ情報の変更要求(変更指示)をCPS404に送信する。
【0047】
S911においてCPS404は、印刷ジョブ情報の変更要求を受信すると、記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報を、画像形成装置407からの変更要求に応じて変更する処理を行う。
【0048】
図10(a)は、S911の印刷ジョブ情報の変更処理を行う前に行われる、CPS404による処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図10のフローチャートで示される処理はCPS404のCPU601がROM602に記憶されているプログラムコードをRAM603に展開し実行することにより行われるものとして説明する。また、
図10におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウエアで実現してもよい。
【0049】
CPU601は、画像形成装置407から印刷ジョブ情報の変更要求が送信されるか監視しており、S1001においてCPU601は、画像形成装置407から印刷ジョブ情報の変更要求を受信したかを判定する。画像形成装置407から印刷ジョブ情報の変更要求を受信した場合、S1002に進み、CPU601はS911の処理を行う。即ち、CPU601は、記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報を、画像形成装置407から受信した変更要求に含まれる変更内容に従い、変更する。
【0050】
図10(b)は、S911の印刷ジョブ情報の変更処理後に行われる、CPS404による処理を説明するためのフローチャートである。CPS404で記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報の変更が完了をすると、S1010においてCPU601は、S911で変更した印刷ジョブ情報を含む印刷ジョブは、外部CPSから受信した印刷ジョブであるかを判定する。
【0051】
印刷ジョブが外部CPSから受信した印刷ジョブである場合(1010がYES)、S1011に進む。S1011においてCPU601は、当該印刷ジョブを送信した外部CPS(クライアント端末から印刷ジョブが投入された外部CPS)に、印刷ジョブ情報の変更要求を送信する。本ステップの処理は、
図9のシーケンス図のS912の処理である。S912(S1011)においてCPS404が外部CPS405に送信する変更要求の内容は、変更される印刷設定を有する印刷ジョブを識別するための情報と、変更される印刷設定の内容を示す情報と、が少なくとも含まれる。例えば、印刷設定が変更された後の印刷ジョブ情報を送信する。
【0052】
印刷ジョブが外部CPSから受信した印刷ジョブでない場合(1010がNO)、S1011の処理は行わないで本フローチャートの処理は終了する。この場合、シーケンス図におけるS912、S913の処理は行われない。
【0053】
次に、外部CPS405では、
図10(a)と同様の処理が行われる。即ち、外部CPS405のCPU(不図示)は、CPS404から印刷ジョブ情報の変更要求が送信されるか監視している。そしてCPS404から印刷ジョブ情報の変更要求を受信した場合、外部CPS405のCPUはS913の処理を行う。即ち、S913において、変更要求を受信した外部CPS405は、外部CPS405が記憶している当該印刷ジョブの印刷ジョブ情報を変更する。具体的には、CPS404から受信した変更要求に含まれる印刷ジョブ情報に含まれるジョブIDから、変更対象となる印刷ジョブを特定して、特定された印刷ジョブの印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定を変更する。
【0054】
一方、S914においてCPS404は、画像形成装置407に対して、印刷ジョブ情報の変更が完了した旨を通知する。
【0055】
S915~S918は画像形成装置407が印刷ジョブの印刷処理を行う処理である。S915でユーザが画像形成装置407に印刷実行を指示すると、S916において画像形成装置407は、CPS404に対して、ユーザが印刷指示した印刷ジョブの送信要求を行う。S917においてCPS404は、印刷ジョブの送信要求を受信すると、送信要求された印刷ジョブを画像形成装置407に送信する。印刷設定の変更がユーザから指示された場合、本ステップでは、印刷設定の変更が反映された印刷ジョブが送信される。S918において画像形成装置407は受信した印刷ジョブの印刷処理を実行する。
【0056】
S919において画像形成装置407は、印刷処理が完了すると、CPS404に印刷ジョブの完了を通知する。S920においてCPS404は、画像形成装置407からの印刷ジョブの完了通知の受信に応じて、外部CPS405へ印刷ジョブの完了の通知を行う。
【0057】
S921において外部CPS405は、記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報に基づき、印刷処理が完了した印刷ジョブの印刷結果をレポートに反映するための処理を行う。
【0058】
以上説明したように本実施形態では、画像形成装置407から印刷設定が変更された場合であっても、外部CPS405に記憶されている印刷ジョブの印刷ジョブ情報に、その印刷設定の変更内容が反映されている。このため、印刷処理が完了した印刷ジョブの結果を適切にレポートに反映することができる。
【0059】
なお、上記の説明では、印刷処理が完了する前に印刷ジョブ情報を更新することで、CPSから提供されるレポートに、実際の印刷時の情報を正しく反映する方法を説明した。他にも、例えば、CPSは、印刷処理が完了する前に行われた印刷ジョブ情報の変更履歴も含めてレポートに反映させる機能を有していてもよい。この場合、CPSは、変更要求を受け付けた場合、印刷ジョブ情報ではなく、レポートに表示される情報を変更するという構成であってもよい。例えば、
図9のS913では印刷ジョブ情報を変更するのではなく、印刷ジョブ情報の変更要求を受信したら、その都度その変更内容をレポートに反映して変更履歴が分かるようなレポートを生成してもよい。また、その際に、印刷ジョブ情報と整合性をとるようにすることが好ましい。
【0060】
<実施形態2>
実施形態1では、CPS404から印刷設定変更情報を受けて、外部CPS405の印刷ジョブ情報を変更できる状態であった。しかしながら、レポート結果はカラー・モノクロの出力枚数を受けて印刷における出金管理に用いられることもあるため、印刷ジョブ情報を制限なく変更できる状態であることは管理の面で好ましくないことがある。そこで、本実施形態では、印刷ジョブ情報の変更に制限を設けることにより、適切でない印刷ジョブ情報の変更を受け付けないようにする方法を説明する。本実施形態は、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0061】
図11は、
図4の印刷システムにおける本実施形態の印刷処理を示すシーケンス図である。
図11を用いて、本実施形態の印刷処理を説明する。
【0062】
S1101~S1111は、S901~S911と同一であるため説明を省略する。本実施形態のCPS404は、実施形態1とは異なり、画像形成装置407から印刷ジョブ情報の変更要求を受けてS1111で記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報を変更した後、外部CPS405に印刷ジョブ情報の変更要求は行わない。後述するように、画像形成装置407から印刷ジョブの完了通知を受けた後に、CPS404は、クライアント端末から印刷ジョブが投入された外部CPS405に印刷ジョブ情報の変更要求を行う。
【0063】
S1112~S1117の処理は、S914~S919の処理と同様であるため説明を省略する。S1117で画像形成装置407による印刷ジョブの完了の通知をCPS404が受信すると、S1118においてCPS404は、外部CPS405に対して、印刷ジョブ情報の変更要求を行う。CPS404は画像形成装置407から複数回、印刷ジョブ情報の変更要求がされた場合であっても、CPS405への印刷ジョブ情報変更要求は、所定の回数のみ行う、本実施形態では、所定の回数は1回として説明する。CPS404は、外部CPS405への印刷ジョブ情報の変更要求をする場合、最後の印刷ジョブ情報の状態を外部CPS405へ通知する。
【0064】
S1119において外部CPS405は、変更要求された印刷ジョブの印刷ジョブ情報を、変更要求に応じて変更する処理を行う。本実施形態の外部CPS405は、印刷ジョブの変更要求を受信した場合、変更要求に応じて印刷ジョブ情報を変更するかを判定して、印刷ジョブ情報に反映すべきと判定した場合のみ、記憶している印刷ジョブの印刷ジョブ情報を変更する。
【0065】
図12は、外部CPS405において、印刷ジョブ情報の変更要求を受け付けた場合に行われる処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図12のフローチャートで示される処理はCPS405のCPU(不図示)がROM(不図示)に記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われるものとして説明する。また、
図12におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウエアで実現してもよい。
【0066】
S1201において外部CPS405のCPUは、印刷ジョブ情報の変更要求を受信したかを判定する。印刷ジョブ情報の変更要求を受信した場合(S1201がYES)、S1202において外部CPS405のCPUは、変更要求された印刷ジョブのステータスが「Completed」であるか判定する。印刷ジョブのステータスは、印刷ジョブの完了通知を受けて、「Completed」に変更される。このため、印刷ジョブの完了通知後の変更要求を受け付けないようにするために、本ステップの処理を行う。
【0067】
印刷ジョブのステータスが「Completed」でない場合(S1202がNO)、S1203において外部CPS405のCPUは、変更要求を受けた印刷ジョブに対する印刷ジョブ情報の変更要求が1回目であるかを判定する。変更要求が1回目であれば(S1203がYES)、S1204において外部CPS405のCPUは、
図11のS1119の処理を行う。即ち、外部CPS405のCPUは、受信した変更要求に含まれる変更内容に応じて、変更要求を受けた印刷ジョブの印刷ジョブ情報を変更する。
【0068】
一方、印刷ジョブのステータスが「Completed」である場合(S1202がYES)、または受信した変更要求が2回目以降の変更要求である場合(S1203がNO)は、S1204の処理はスキップする。即ち、外部CPS405のCPUは、変更要求を受けた印刷ジョブの印刷ジョブ情報を変更しない。
【0069】
S1120~S1121の処理は、S920~S921の処理と同様であるため説明を省略する。
【0070】
以上説明したように本実施形態によれば、印刷ジョブ情報の変更に制限を設けることにより、適切でない印刷ジョブ情報の変更を受け付けないようにすることができる。
【0071】
なお、
図12のフローチャートの処理を、CPS404の印刷ジョブ情報の変更処理において行う形態でもよい。例えば、実施形態1で説明したようにS1111の処理の前に
図10(a)の処理が行われるが、
図10(a)の処理に代えて
図12の処理がCPS404のCPUによって行われてもよい。
【0072】
<実施形態3>
図4の印刷システムでは、クライアント端末から印刷ジョブが投入された外部CPSは、CPS404にその印刷ジョブを送信して、CPS404が画像形成装置にその印刷ジョブの印刷処理を行わせる。この場合、外部CPSは、印刷ジョブがどの画像形成装置によって印刷処理されたかを確認できない。このため、外部CPSによって提供されるレポートでは、画像形成装置ごとに集計される印刷結果が適切に集計されていないことがある。
【0073】
図13は、外部CPS405によって生成される画像形成装置ごとの印刷処理結果が集計されたレポートの比較例である。
図13のレポートに記載されている「プリンタ名」は、CPS405に登録されている画像形成装置を識別するための名称であり、
図13ではプリンタ名が示す夫々の画像形成装置から出力されたページ数が集計されている。しかし、外部CPS405において、CPS404は仮想プリンタとして登録されており、CPS404は実際の画像形成装置ではない。このため、外部CPS405は、印刷ジョブがCPS404を経由して実際にどの画像形成装置で印刷処理されたが確認できない。例えば、印刷ジョブが、CPS404から「プリンタA」の画像形成装置に投入されて印刷処理された場合であっても、
図13のようにCPS404によって印刷処理されたものとしてページ数が集計されてレポートが生成されてしまう。
【0074】
そこで、本実施形態では、クライアント端末から投入された印刷ジョブを印刷処理するために他のCPSを経由して印刷ジョブを送信する外部CPSにおいて生成されるレポートおいて、画像形成装置ごとの印刷結果が適切に反映される方法を説明する。本実施形態は、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0075】
図14は、
図4の印刷システムにおける本実施形態の印刷処理を示すシーケンス図である。
図14を用いて本実施形態の印刷処理を説明する。なお、本実施形態の印刷処理は、実施形態2のように印刷ジョブの完了通知後に、印刷ジョブ情報の変更要求を行うものとして説明する。
【0076】
S1401~S1419は、S1101~S1119と同一であるため説明を省略する。本実施形態のCPS404は、S1418で印刷ジョブの印刷ジョブ情報の変更要求を行った後、S1420において、外部CPS405へ出力プリンタ情報を通知する。そして、出力プリンタ情報を通知した後、CPS404は、印刷ジョブの完了の通知を外部CPS405に対して行う。
【0077】
図15は、S1420でCPS404から外部CPS405へ送信する「出力プリンタ情報」の内容を示す図である。出力プリンタ情報には、外部CPS405における印刷ジョブを識別するための一意の識別子であるジョブID1501が含まれる。さらに、印刷ジョブの印刷処理を行った画像形成装置の筐体を識別するための一意の識別子であるデバイスシリアル番号1502、画像形成装置のIPアドレス1503などが含まれる。
【0078】
S1421において外部CPS405は、CPS404から出力プリンタ情報を受信して、レポートに反映する情報として出力プリンタ情報を記憶する。
【0079】
S1422においてCPS404は印刷ジョブの完了を通知する。印刷ジョブの完了通知を受信した外部CPS405は、S1423において、記憶した出力プリンタ情報に基づき、印刷結果をレポートに反映する。具体的には、外部CPS405は、今回投入された印刷ジョブがどの画像形成装置から出力されたかを、「出力プリンタ情報」と、CPS405に記憶されている「プリンタ情報一覧」から特定する処理を行う。そして、印刷ジョブ情報に基づき特定された画像形成装置によって印刷処理が完了したものとして印刷ジョブの印刷結果をレポートに反映するための処理を行う。
【0080】
図16は、外部CPS405に記憶されている「プリンタ情報一覧」を示す図である。プリンタ情報一覧には、外部CPS405に登録されているデバイスの情報が保持されている。例えば、プリンタ情報一覧には、登録されている画像形成装置ごとに、画像形成装置を識別するための一意の識別子であるデバイスID、プリンタ名、デバイスシリアル番号、IPアドレスなどが保持されている。つまり、
図16のプリンタ情報一覧には、プリンタ名が「プリンタA」の画像形成装置と、プリンタ名が「プリンタB」の画像形成装置と、の情報が少なくとも保持されている。
図16における、領域1601は、プリンタ名が「プリンタA」の画像形成装置の情報を保持する領域であり、領域1602は、プリンタ名が「プリンタB」の画像形成装置の情報を保持する領域である。
【0081】
外部CPS405は、出力プリンタ情報に保持されているデバイスシリアル番号、または画像形成装置のIPアドレスと、一致するデバイスシリアル番号、または画IPアドレスをプリンタ情報一覧から検索する。そして、デバイスシリアル番号、またはIPアドレスが一致したプリンタ情報一覧に保持されているデバイスを、今回投入された印刷ジョブを印刷処理した画像形成装置として特定する。例えば、
図15の出力プリンタ情報では、ジョブID1501が「1」の印刷ジョブを印刷処理した画像形成装置のデバイスシリアル番号1502は「dev0000001」である。これは、
図16のプリンタ情報一覧に保持されているデバイスのうち、「プリンタA」のデバイスシリアル番号と一致する。このため、外部CPS405は、ジョブID1501が「1」の印刷ジョブが「プリンタA」の画像形成装置から印刷処理されたと特定することができる。この場合、S1423において外部CPS405は、クライアント装置から投入された印刷ジョブは、「プリンタA」の画像形成装置から印刷処理されたものとしてレポートに反映する処理を行う。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、印刷ジョブが投入されたCPSから、別のCPSを経由して印刷した場合でも、印刷ジョブが投入されたCPSは、画像形成装置ごとに印刷結果を集計してレポートに反映することができる。
【0083】
なお、上記の説明では、CPS404から送信された出力プリンタ情報に保持されているデバイスシリアル番号、またはIPアドレスに基づき、印刷処理を実行した画像形成装置を決定するものとして説明した。他にも、CPS404は、印刷処理を実行した画像形成装置のプリンタ名も出力プリンタ情報に併せて通知してもよい。外部CPS405は、出力プリンタ情報に含まれるデバイスシリアル番号又はIPアドレスで検索してもプリンタ情報一覧から画像形成装置を見つけられなかった場合、CPS404から受信したプリンタ名を用いて、レポートに反映する処理を行ってもよい。
【0084】
<その他の実施形態>
上記の実施形態では、クライアント装置から印刷ジョブが投入された外部CPSは、印刷ジョブ情報の変更要求をCPS404から受信するものとして説明した。他にも、外部CPSが、印刷ジョブを印刷処理した画像形成装置から直接、印刷ジョブ情報の変更要求を受信できる形態でもよい。
【0085】
例えば、CPS404が外部CPS405に印刷ジョブ情報の変更要求を送信する処理に代えて、出力プリンタ情報を送信する処理を行う。次に、外部CPS405は出力プリンタ情報に基づき、印刷処理を行った画像形成装置を特定して、その画像形成装置に当該印刷ジョブの出力結果を要求する。画像形成装置は、外部CPS405に対して、当該印刷ジョブの印刷処理の結果を通知する。このような方法によって、外部CPS405が最終的に印刷処理された際の印刷設定を適切に受信できるようにしてもよい。
【0086】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0087】
404 クライアントプリントサービス
405 クライアントプリントサービス
407 画像形成装置
701 送受信部
601 CPU