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特許7543051ゴム組成物およびゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ゴム組成物およびゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴム
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20240826BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20240826BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20240826BHJP
   C08K 5/54 20060101ALI20240826BHJP
   F16F 1/36 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
C08L21/00
C08L7/00
C08K3/04
C08K5/54
F16F1/36 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020159409
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022052896
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 芙茉
(72)【発明者】
【氏名】箕内 則夫
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102017211926(DE,A1)
【文献】特開2000-225805(JP,A)
【文献】特表2012-521443(JP,A)
【文献】特開2013-151584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
F16F 1/00- 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分および再生カーボンブラックを含有するゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴムであって、
前記再生カーボンブラックは、灰分量が13質量%以上であることを特徴とする防振ゴム
【請求項2】
前記ゴム組成物が、さらにシランカップリング剤を含有する請求項1に記載の防振ゴム
【請求項3】
前記ゴム組成物は、ゴム成分の全量を100質量部としたとき、前記再生カーボンブラックの含有量が5~60質量部である請求項1または2に記載の防振ゴム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物およびゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴムに関し、特に自動車用エンジンマウントなどの防振部材として好適に用いることができるゴム組成物およびゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車にはエンジンや車体の振動を吸収し、乗り心地の向上や騒音を防止するための防振ゴムが用いられている。特に、自動車のエンジンルームや排気系などに使用されるエンジンマウントなどの防振ゴムでは、近年のエンジンの高出力化などに伴い、高い耐熱性を要求されるようになってきている。
【0003】
従来、防振ゴムのゴム成分としては、天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドが一般に用いられており、これらのゴム成分を含むゴム組成物の加硫ゴムの耐熱性を向上する技術としては、ゴム組成物中の硫黄量を減らし、加硫促進剤を多く配合して加硫する技術(EV方式(EV;Efficient Vulcanization))が知られている。
【0004】
しかし、上記のようにゴム組成物中の硫黄量や加硫促進剤の配合量を最適化し、例えばモノスルフィド結合による架橋形態を多くすることにより、加硫ゴムの耐熱性の向上を図る場合、耐熱性はある程度改善するが、ゴム組成物の硫黄分子数が不足し、架橋結合が充分形成されないためゴム硬度が低下し、防振ゴムの支持性能を示す静的バネ定数(Ks)が低下し、同時に振動、騒音の防振性能を示す動的バネ定数(Kd)が上昇するため、動特性としての指標である動倍率(動的バネ定数/静的バネ定数)の値が大きくなり、防振性能が低下するという問題がある。また、ゴム組成物の強度や剛性が得られず耐疲労性が低下し、防振ゴムの耐久性が悪化するという問題がある。
【0005】
上記のとおり、防振ゴムの技術分野では、ある特性に着目して開発を行っても他の特性悪化に繋がる場合が多く、防振ゴムの低動倍率化および耐引裂性の両方を向上する技術の開発が望まれていた。
【0006】
下記特許文献1では、ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分と、再生カーボンブラックとを含有することを特徴とする防振ゴム用ゴム組成物が記載されている。また、下記特許文献2では、灰分量が0.1~10質量%であるカーボンブラックを含有するゴム組成物およびタイヤが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2013-15154号公報
【文献】特開2017-8223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術に関し、本発明者らが鋭意検討したところ、例えば防振ゴムとした時の低動倍率化および耐引裂性の両立が不十分であり、さらなる改良の余地があることが判明した。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に防振ゴムとした時の低動倍率化および耐引裂性の両立が可能であるゴム組成物、および該ゴム組成物を原料として加硫成形することにより得られる防振ゴムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は下記の如き構成により解決し得る。すなわち本発明は、ゴム成分および再生カーボンブラックを含有するゴム組成物であって、前記再生カーボンブラックは、灰分量が13質量%以上であることを特徴とするゴム組成物に関する。
【0011】
上記ゴム組成物において、さらにシランカップリング剤を含有することが好ましい。
【0012】
上記ゴム組成物において、ゴム成分の全量を100質量部としたとき、前記再生カーボンブラックの含有量が5~60質量部であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は前記いずれかに記載のゴム組成物を加硫成形してなる防振ゴムに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分および再生カーボンブラックを含有し、かかる再生カーボンブラックは、灰分量が13質量%以上であるため、その加硫ゴムは低動倍率化および耐引裂性の両立が可能となり、特に防振ゴム用途に好適に使用可能である。本発明に係るゴム組成物の加硫ゴムにおいて、低動倍率化および耐引裂性の両立が可能となる理由は明らかではないが、以下の現象(i)および(ii)により、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中で再生カーボンブラックの分散性が著しく向上していることが考えられる。
(i)灰分量が13質量%以上である再生カーボンブラックは、カーボンブラック表面が高活性化されているため、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中で再生カーボンブラックの分散性が著しく向上していること、
(ii)ケイ素を主成分とする灰分自体も、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中での再生カーボンブラックの分散性向上に寄与し得ること。
【0015】
なお、灰分量が13質量%以上である再生カーボンブラックと共に、ゴム組成物中にシランカップリング剤を含有する場合、加硫ゴムの耐引裂性を維持しつつ、さらなる低動倍率化が可能となる。この理由としては明らかではないが、再生カーボンブラックとシランカップリング剤とを併用することにより、表面が活性化された再生カーボンブラックの分散性がさらに向上することが考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るゴム組成物においては、ゴム成分として天然ゴム単独、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドが使用される。天然ゴムとジエン系合成ゴムとをブレンドする場合、ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、およびアクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。かかるジエン系合成ゴムの重合方法やミクロ構造は限定されず、これらのうちの1種または2種以上を天然ゴムにブレンドして使用することができる。
【0017】
天然ゴムとジエン系合成ゴムとをブレンドする場合、そのブレンド比は特に限定されるものではないが、天然ゴムが有する特性を維持するため、天然ゴムをゴム成分中、50重量%以上含有することが好ましく、90重量%以上含有することがより好ましい。なお、天然ゴムおよびジエン系合成ゴムに加えて、ゴム成分として使用可能なゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPM)などのオレフィン系ゴム、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)などのハロゲン化ブチルゴム、その他ポリウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、およびクロロスルホン化ポリエチレンなどを含めた合成ゴム類などが挙げられる。
【0018】
再生カーボンブラックは、当業者に公知の手法により製造することができる。ただし、高温で熱分解することにより製造された再生カーボンブラックは、表面の活性化度が高まり、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中での再生カーボンブラックの分散性が著しく向上する。したがって、本発明においては、熱分解することによって得られた再生カーボンブラックを使用することが好ましい。本発明においては、表面の活性化度を高め、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中での再生カーボンブラックの分散性を向上させる観点から、灰分量が13質量%以上である再生カーボンブラックを使用する。再生カーボンブラックが含む灰分量の上限は特に限定がないが、例えば30質量%程度が例示可能である。なお、再生カーボンブラック中の灰分量は、JIS K 6218-2に準拠して測定可能である。得られる加硫ゴムの低動倍率化および耐引裂性のさらなる両立を図るためには、ゴム組成物中の再生カーボンブラックの配合量は、ゴム成分の全量を100質量部に対して、5~60質量部であることが好ましく、10~40質量部であることがより好ましい。
【0019】
本発明に係るゴム組成物においては、ゴム組成物中、さらには加硫ゴム中での再生カーボンブラックの分散性を向上させるために、灰分量が13質量%以上である再生カーボンブラックと共に、ゴム組成物中にシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム用として通常用いられるものであればよく、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシラン;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランなどが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。得られる加硫ゴムの耐引裂性を維持しつつ、さらなる低動倍率化を図るためには、ゴム組成物中のシランカップリング剤の配合量は、ゴム成分の全量を100質量部に対して、0.5~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましい。
【0020】
本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分、再生カーボンブラック、シランカップリング剤と共に、当業者に公知のカーボンブラック、硫黄、加硫促進剤、シリカ、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合し用いることができる。
【0021】
再生カーボンブラック以外のカーボンブラックとしては、当業者に公知のカーボンブラックが使用可能であり、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどが用いられる。ただし、再生カーボンブラックを配合することにより、加硫ゴムの低動倍率化および耐引裂性のさらなる両立を図るためには、(再生カーボンブラック以外のカーボンブラック)/(再生カーボンブラック)の比率は、0/100~80/20であることが好ましい。
【0022】
硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物における硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましい。
【0023】
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
【0024】
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
【0025】
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分、再生カーボンブラック、シランカップリング剤、必要に応じて、硫黄、加硫促進剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進剤、老化防止剤、ワックスなどを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
【0026】
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。
【0027】
上記各成分を混練し、成形加工した後、加硫を行うことで、低動倍率化および耐引裂性の両方が向上した防振ゴムを得ることができる。かかる防振ゴムは、エンジンマウント、トーショナルダンパー、ボディマウント、キャップマウント、メンバーマウント、ストラットマウント、マフラーマウントなどの自動車用防振ゴムを始めとして、鉄道車両用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム、免震ゴム支承などの防振、免震ゴムに好適に用いることができ、特に低動倍率化および耐引裂性向上を必要とする自動車用防振ゴムの構成部材として有用である。
【実施例
【0028】
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。
【0029】
(ゴム組成物の調製)
ゴム成分100質量部に対して、表1の配合処方に従い、実施例1~15および比較例1~4のゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調整した。表1~2に記載の各配合剤を以下に示す。
【0030】
・ポリマー(天然ゴム(NR)):RSS#3
・カーボンブラック:商品名「シーストV」、東海カーボン社製
・再生カーボンブラック1:商品名「Pyro Carbon」、Dongsung Ecore社製(灰分量11.9%)
・再生カーボンブラック2:商品名「rC6400」、pyrolyx社製(灰分量14.0%)
・再生カーボンブラック3:商品名「cct-6400」、pyrolyx社製(灰分量20%)
・シランカップリング剤1:商品名「Si69」、エボニック・デグザ社製
・シランカップリング剤2:商品名「VP Si363]」、エボニック・デグザ社製
・シランカップリング剤3:商品名「NXT」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製
・酸化亜鉛:商品名「亜鉛華3号」、三井金属工業社製
・脂肪酸:商品名「工業用ステアリン酸」、花王社製
・老化防止剤1:商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製
・老化防止剤2:商品名「ノクラックMBZ」、川口化学工業社製
・硫黄:商品名「5%オイル処理硫黄」、細井化学工業社製
・促進剤1:商品名「ノクセラーDM-P(DM)」、大内新興化学工業社製
・促進剤2:商品名「CZ」、大内新興化学工業社製
・促進剤3:商品名「ノクセラーTT-P(TT)」、大内新興化学工業社製
【0031】
実施例1~15および比較例1~4
各ゴム組成物について、以下の条件で評価を行った。なお、加硫ゴム製造時の加硫条件は、170℃で13分間加熱加硫するものとした。
【0032】
[耐引裂性]
JIS K6252-1クレセント型試験片を使用し、上記加硫条件で加硫ゴム試験片を作製した。試験片を引き裂くのに要する力を、JIS K6252に準じて測定した。実施例1~13および比較例2~3については比較例1の引裂強さを100とした指数で、実施例14~15については比較例4の引裂強さを100とした指数で、各例の耐引裂性を評価した。指数が大きいほど耐引裂性に優れる。結果を表1~2に示す。
【0033】
[動倍率]
(静的バネ定数(Ks))
各ゴム組成物を加硫しつつプレス成形して、円柱形状(直径50mm、高さ25mm)の加硫ゴムサンプルを作製した。作製したテストピースを円柱軸方向に2回、7mm圧縮させた後、歪が復元する際の荷重たわみ曲線から、1.5mmおよび3.5mmのたわみ荷重を測定し、これらの値から静的バネ定数(Ks)(N/mm)を算出した。
(動的バネ定数(Kd))
静的バネ定数(Ks)を測定する際に使用したテストピースを円柱軸方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮した位置を中心として、下方から100Hzの周波数で振幅0.05mmの定変位調和圧縮振動を与え、上方のロードセルにて動的加重を検出し、JIS-K 6394に準拠して動的バネ定数(Kd)(N/mm)を算出した。
(動倍率:Kd/Ks)
動倍率は、以下の式より算出した。
(動倍率)=(動的バネ定数(Kd))/(静的バネ定数(Ks))
実施例1~13および比較例2~3については比較例1の動倍率を100とした指数で、実施例14~15については比較例4の動倍率を100とした指数で、各例の動倍率を評価した。指数が小さいほど、加硫ゴムの動倍率が低く、優れることを意味する。結果を表1~2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1~2の結果から、実施例1~15に係るゴム組成物の加硫ゴムは、再生カーボンブラックの分散性向上に起因して、低動倍率化および耐引裂性の両立ができていることがわかる。特に灰分量が13質量%以上である再生カーボンブラックと共に、ゴム組成物中にシランカップリング剤を含有する、実施例9~13および15に係るゴム組成物の加硫ゴムは、シランカップリング剤と併用することにより、再生カーボンブラックの分散性がさらに高まることに起因して、加硫ゴムの耐引裂性を維持しつつ、さらなる低動倍率化が可能となることがわかる。一方、灰分量が11.9質量%である再生カーボンブラックを含有する、比較例2に係るゴム組成物の加硫ゴムは、低動倍率化および耐引裂性が殆ど向上しなかった。また、灰分量が11.9質量%である再生カーボンブラックと共に、ゴム組成物中にシランカップリング剤を含有する、比較例3に係るゴム組成物の加硫ゴムにおいても、低動倍率化および耐引裂性が殆ど向上しなかった。