(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】電子部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20240826BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240826BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H05K13/04 B
G02F1/1345
G02F1/13 101
(21)【出願番号】P 2020166477
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】手島 慶
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-019189(JP,A)
【文献】特開2011-199234(JP,A)
【文献】国際公開第2008/102592(WO,A1)
【文献】特開2019-179858(JP,A)
【文献】特開2011-085642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
G02F 1/1345
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板状部材から打ち抜かれたフィルム状電子部品の端子をブラシ清掃する第1の端子清掃装置と、
ブラシ清掃された前記端子の両面を薬液清掃する第2の端子清掃装置と、
前記第1の端子清掃装置及び前記第2の端子清掃装置により前記端子が清掃された前記フィルム状電子部品を実装対象に実装する実装装置と、
を有する電子部品実装装置。
【請求項2】
ブラシ清掃された前記フィルム状電子部品を前記実装装置へと受け渡す移送装置を更に有し、
前記第2の端子清掃装置は、前記移送装置が前記フィルム状電子部品を前記実装装置へと受け渡す経路上において前記端子の両面を薬液清掃する、
請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記第2の端子清掃装置は、薬液を浸透させた清掃シートで前記端子の両面を拭く、
請求項1または2に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記第2の端子清掃装置は、前記フィルム状電子部品において前記端子が並ぶ方向に前記端子の両面を拭く、
請求項3に記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
前記第2の端子清掃装置は、前記フィルム状電子部品において前記端子が並ぶ方向に垂直な方向に前記端子の両面を拭く、
請求項3に記載の電子部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビやパーソナルコンピュータ等のディスプレイとして普及している液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの製造工程には、表示パネルに駆動用の電子部品を実装するパネルの組み立て工程がある。
【0003】
この組み立て工程では、表示パネルに対して、フィルム状の回路基板の上にドライバIC等を実装したCOF(Chip on Film)と称されるフィルム状電子部品を実装する方法が知られている。より詳細には、表示パネルの表示領域の周囲に形成された端子に対して、フィルム状電子部品の端子が加熱圧着され、接続される。
【0004】
このような加熱圧着接続の前に、フィルム状電子部品の端子に異物が付着していると、接続不良を引き起こす。異物としては、空気中の埃やフィルム状電子部品の製造時に生じるバリ等が含まれる。バリは、部品の製造に伴う切削や打ち抜き等の加工によって、部品の端部に残る不要部分である。特許文献1では、このような異物をあらかじめ除去するために、フィルム状電子部品の端子をブラシ清掃することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のブラシ清掃では小さな異物を除去するのは困難であった。
【0007】
本発明は、フィルム状電子部品の端子に付着した異物を除去し、歩留まりを向上させる電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子部品実装装置は、薄板状部材から打ち抜かれたフィルム状電子部品の端子をブラシ清掃する第1の端子清掃装置と、ブラシ清掃された前記端子の両面を薬液清掃する第2の端子清掃装置と、前記第1の端子清掃装置及び前記第2の端子清掃装置により前記端子が清掃された前記フィルム状電子部品を実装対象に実装する実装装置と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィルム状電子部品の端子に付着した異物を除去し、歩留まりを向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態で用いられるフィルム状電子部品と実装対象の表示パネルを示す斜視図である。
【
図2】実施形態の電子部品実装装置の全体構成を示す簡略平面図である。
【
図3】実施形態の電子部品実装装置のフィルム状電子部品を実装する工程を示す説明図である。
【
図4】実施形態の打抜供給装置の打ち抜き前(A)、打ち抜き後(B)を示す説明図である。
【
図5】実施形態の移動機構の動作を示す説明図である。
【
図6】実施形態の第2の端子清掃装置を示す正面図である。
【
図7】実施形態の第2の端子清掃装置の動作を示す説明図である。
【
図8】実施形態のフィルム状電子部品の実装手順を示すフローチャートである。
【
図9】変形例の端子を拭く方向を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図面は、各部材、各構成部を模式的に示したものであり、その寸法や間隔等を正確に示したものではない。
【0012】
[実装部品及び実装対象]
本実施形態による実装部品は、
図1(A)に示すようなフィルム状電子部品Fである。フィルム状電子部品Fは、柔軟性のある樹脂製のフィルムに電子部品が実装されており、一方の面の端部に端子Tが形成されている部品である。このフィルム状電子部品Fは、複数がシート状又はテープ状の薄板状部材に形成されたものを、個別に打ち抜くことにより実装される部品として準備される。端子Tは、フィルム状電子部品Fの一辺に沿って並んでいる。各端子Tは、この並び方向に垂直な方向に延びて互いに平行に配置されている。なお、複数の端子Tをまとめて端子Tとして説明することもある。
【0013】
フィルム状電子部品Fの実装対象は、フィルム状電子部品Fの端子Tと電気的な接続を行う部品である。本実施形態の実装対象は、
図1(B)に示すように、液晶、有機EL等の表示装置を構成する表示パネルDである。つまり、表示機能及び電極を備えた部材である。なお、実装対象としては、フィルム状電子部品Fの端子Tと電気的な接続を行う導電性を有する部分を有する部品に、広く適用可能である。例えば、フレキシブル配線板等のプリント配線された基板を実装対象としても良い。
【0014】
[電子部品実装装置]
[全体構成]
本実施形態が適用される電子部品実装装置の全体構成を説明する。
図2及び
図3に示すように、電子部品実装装置は、打抜供給装置10、実装装置30、受渡装置40、第1の端子清掃装置50、第2の端子清掃装置60、制御装置80を有する。
【0015】
打抜供給装置10は、打抜金型ユニット130によって、テープ状等の薄板状部材STからフィルム状電子部品Fを打ち抜いて、フィルム状電子部品Fを供給する装置である。
【0016】
実装装置30は、フィルム状電子部品Fを、実装対象である表示パネルDに圧着する装置である。受渡装置40は、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取って、実装装置30に渡す装置である。打抜供給装置10から受渡装置40へのフィルム状電子部品Fの受け取りには、保持ヘッドHが用いられる。
【0017】
第1の端子清掃装置50及び第2の端子清掃装置60は、受渡装置40が実装装置30へとフィルム状電子部品Fを受け渡す経路上において、当該フィルム状電子部品Fの端子Tに付着した異物を除去する装置である。
【0018】
制御装置80は、打抜供給装置10、実装装置30、受渡装置40、第1の端子清掃装置50、第2の端子清掃装置60を制御する装置である。この制御装置80は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成される。制御装置80は、各部の制御内容がプログラムされており、PLCやCPUなどの処理装置によりそのプログラムが実行される。
【0019】
なお、電子部品実装装置の設置面に平行な面において、打抜供給装置10と実装装置30が並ぶ方向をY方向、これに直交する方向をX方向として、Y方向に沿う軸をY軸、X方向に沿う軸をX軸とする。Y軸及びX軸が形成するXY平面は、フィルム状電子部品F及び表示パネルD及びこれを支持する各平面に平行である。
【0020】
また、XY平面に直交する軸をZ軸とする。Z軸は、フィルム状電子部品F及び表示パネルD及びこれを支持する各平面に垂直である。XY平面が水平面である場合には、Z軸は高さ方向、鉛直方向となる。さらに、Z軸を中心としてXY平面に平行な回転方向をθ方向とする。これらの方向は、電子部品実装装置の各構成の位置関係を述べるための表現であり、設置面に設置される際の位置関係や方向を限定するものではない。
【0021】
[打抜供給装置]
打抜供給装置10は、
図2及び
図4に示すように、供給部110、テーブル120、打抜金型ユニット130、駆動機構140を有する。
【0022】
供給部110は、電子部品が形成されたキャリアテープ等のテープ状の薄板状部材STを巻回したリールが着脱され、電子部品の打ち抜き部分を順次送り出す機構である(
図2参照)。このため、供給部110には、リールの回転中心が装着され、リールの回転軸を担うシャフトと、薄板状部材STを送り出す送りローラが設けられている。テーブル120は、打抜金型ユニット130が装着される台である。
【0023】
打抜金型ユニット130は、
図4に示すように、ダイ131、パンチ132、支持部133、シャフト134を有する。ダイ131は、供給部110から送り出される薄板状部材STが載置される平面を有し、抜き孔131aが形成された平板状の部材である。抜き孔131aは、フィルム状電子部品Fの外形と略一致する貫通孔である。ダイ131は、テーブル120の上面に固定されており、テーブル120には、抜き孔131aに対応する位置に、抜き孔131aよりも大きな貫通孔である開口120aが設けられている。
【0024】
パンチ132は、抜き孔131aの内縁と略一致する外縁を有する略直方体形状の抜き型である。パンチ132の底面は、
図4(A)に示すように、ダイ131に載置された薄板状部材STに向かい、
図4(B)に示すように、Z軸に沿って抜き孔131aに挿入されるまで移動することにより、薄板状部材STからフィルム状電子部品Fを打ち抜く。パンチ132の底面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを負圧により吸着保持する。
【0025】
支持部133は、パンチ132を昇降可能に支持する構成部である。支持部133は、支柱133a、支持板133bを有する。支柱133aは、ダイ131上に立ち上げられた4本の棒状の部材である。支持板133bは、支柱133aの上端にダイ131の上面に平行に取り付けられた板状体である。
【0026】
シャフト134は、Z軸に平行に設けられる棒状の部材である。シャフト134は、支持板133bを摺動可能に挿通され、下端がパンチ132の上面に接続されている。また、シャフト134は、図示しないバネによって支持板133bに対して上向きに付勢されている。また、シャフト134の上昇は、図示しないストッパによって規制される。これにより、シャフト134に外力が加わらない状態において、パンチ132が上昇端(
図4(A)の状態)に位置付けられるようになっている。
【0027】
駆動機構140は、パンチ132をZ軸に沿って移動させることにより、フィルム状電子部品Fの打ち抜きを行う機構である。駆動機構140は、シャフト134を介して、パンチ132をダイ131に接離する方向に駆動する。駆動機構140としては、エアシリンダ等を用いることができる。さらに、駆動機構140は、シャフト134の上端に接離可能に設けられている。より具体的には、エアシリンダの本体が、打抜供給装置10の本体に固定されており、エアシリンダのロッドの先端がシャフト134の上端と、僅かな隙間を空けて対向する。そして、ロッドが下降してシャフト134に当たることにより、シャフト134を押し下げる態様となっている。なお、ロッドの先端とシャフト134とは、互いの端部が隙間を空けて対向する態様ではなく、着脱可能に設けても良い。
【0028】
パンチ132の下方の移動端は、
図4に示すように、保持ヘッドHに対してフィルム状電子部品Fを供給する供給位置Sとなる。供給位置Sは、打抜供給装置10がフィルム状電子部品Fを外部に渡す水平面であり、高さが一定となるように設定されている。つまり、パンチ132は、下降して打ち抜いたフィルム状電子部品Fを吸着保持しながら、保持ヘッドHが受け取り可能な供給位置Sまで達して停止する。なお、本実施形態では、水平方向において供給位置Sを画する領域は、パンチ132、抜き孔131aと略一致している。
【0029】
以上のような打抜供給装置10は、
図2に示すように、平面視で、X軸に沿って左右に一対設けられている。一方の打抜供給装置10aと他方の打抜供給装置10bとは、平面視で後述する移送装置430を挟む位置に配設されている。以下、打抜供給装置10a、10bを区別しない場合には、打抜供給装置10とする。
【0030】
[実装装置]
実装装置30は、
図2及び
図3に示すように、表示パネルDの電極に対して、フィルム状電子部品Fの端子Tを、ACFを介して加熱圧着する装置である。ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)は、基材となる樹脂の中に、小さな導電粒子が多数入ったシート状の部材である。なお、実装装置30による加熱圧着は、最終的な圧着を行う前の仮圧着である。実装装置30による仮圧着後に、図示はしないが、下流の工程に配置された本圧着部による本圧着が行われる。従って、本実施形態では、仮圧着のことも実装として説明する。
【0031】
実装装置30は、テーブル310、仮圧着ヘッド320、バックアップ330を有する。
【0032】
テーブル310は、表示パネルDが載置される水平な板状体である。テーブル310の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成され、表示パネルDを負圧により吸着保持する。テーブル310は、図示しない駆動機構によって、X方向、Y方向及びθ方向に移動可能に設けられている。
【0033】
仮圧着ヘッド320は、後述する受渡装置40から受け取ったフィルム状電子部品Fを、テーブル310に支持された表示パネルDに重ね、加熱及び加圧する。仮圧着ヘッド320の先端内部には、空気圧回路に接続された吸着ノズルが設けられている。吸着ノズルは、空気圧回路の真空源が発生させる負圧によって、受渡装置40に保持されたフィルム状電子部品Fを上方から吸着保持する。仮圧着ヘッド320は、吸着保持したフィルム状電子部品Fを移動させ、テーブル310に支持された表示パネルDに重ねるために、図示しない駆動機構によって、X方向、Y方向、Z方向及びθ方向に移動可能に設けられている。
【0034】
仮圧着ヘッド320の先端は、フィルム状電子部品Fを表示パネルDに重ねた状態で、図示しない加熱装置によって加熱される。さらに、仮圧着ヘッド320は、その上方に設けられた図示しない加圧部材によって、表示パネルDに重ねたフィルム状電子部品Fを加圧する。このようにして、フィルム状電子部品Fは加熱され、表示パネルDに対して仮圧着される。
【0035】
バックアップ330は、仮圧着ヘッド320による仮圧着の際に、仮圧着ヘッド320との間で表示パネルD及びフィルム状電子部品Fを挟む部材である。
【0036】
[受渡装置]
受渡装置40は、
図2及び
図3に示すように、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取って、実装装置30に渡す装置である。受渡装置40は、移動機構420、移送装置430を有する。
【0037】
(移動機構)
移動機構420は、
図5に示すように、打抜供給装置10と後述する移送装置430との間で、保持ヘッドHを移動させる機構である。移動機構420は、例えば、保持ヘッドHをY方向及びZ方向に駆動する。保持ヘッドHの上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを負圧により吸着保持する。これにより、保持ヘッドHは、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取り、移送装置430に渡す。
【0038】
(移送装置)
移送装置430は、
図2に示すように、保持ヘッドHが保持したフィルム状電子部品Fを受け取って、実装装置30に渡す装置である。移送装置430は、保持ヘッドHからフィルム状電子部品Fを受け取り、実装装置30に渡す。実装装置30において、フィルム状電子部品Fが表示パネルDに実装される。
【0039】
移送装置430は、
図3に示すように、第1のアーム431、第2のアーム432を有する。第1のアーム431は、図示しない駆動機構によって、θ方向に移動可能に設けられた長尺の部材である。第1のアーム431の一端には、空気圧回路に接続された吸着ノズル431aが設けられている。吸着ノズル431aは、空気圧回路の真空源による負圧によって、保持ヘッドHに保持されたフィルム状電子部品Fを上方から吸着保持する。詳細には、フィルム状電子部品Fの端子Tが形成された端面の裏側を吸着保持する。この第1のアーム431は、
図2に実線と破線とで示すように、図示しない駆動源によって90°ずつ間欠回転を行う。また、回転後に吸着ノズル431aが打抜供給装置10及び後述の第1の端子清掃装置50に対向する位置を停止位置4311と呼ぶ。さらに、回転後に吸着ノズル431aが移動機構420の保持ヘッドHからフィルム状電子部品Fを受け取る停止位置を停止位置4312と呼ぶ。停止位置4312は、
図2においてX方向の2か所存在するが、以降では特に
図2の実線で示される停止位置を指すものとする。加えて、回転後に吸着ノズル431aが第2のアーム432に対向する実装装置30側の位置を停止位置4313と呼ぶ。
【0040】
第2のアーム432は、第1のアーム431と実装装置30との間に配設されている。第2のアーム432は、図示しない駆動機構によって、X方向、Z方向及びθ方向に移動可能に設けられた長尺の部材である。第2のアーム432の一端には、吸着ノズル432aが設けられている。吸着ノズル432aは、図示はしないが、空気圧回路に接続され、真空源による負圧によって、フィルム状電子部品Fを吸着保持する。吸着ノズル432aは、第1のアーム431の吸着ノズル431aに保持されたフィルム状電子部品Fの端子Tが形成された面側の、端子Tが形成されていない部分を下方から吸着保持する。この時、フィルム状電子部品Fの端子Tは、吸着ノズル432aの外側にはみ出して(オーバーハングして)いる。好ましくは、フィルム状電子部品Fの端子Tが形成されている側を、吸着ノズル432aの端面から、端子Tを清掃するのに必要最小量を突出させた位置で吸着保持する。この第2のアーム432は、
図2に実線と破線とで示すように、図示しない駆動源によって90°ずつ間欠回転を行う。回転後に吸着ノズル432aが第1のアーム431に対向する位置を停止位置4321と呼ぶ。より詳細には、停止位置4321は、停止位置4313に停止する第1のアーム431に対向する位置である。さらに、
図2に示すように、後述の第2の端子清掃装置60に対して接離する方向(X方向)にも移動する。また、回転後に吸着ノズル432aが第2の端子清掃装置60に対向する実線で示される位置を停止位置4322と呼ぶ。
【0041】
[第1の端子清掃装置]
第1の端子清掃装置50は、
図2及び
図3に示すように、第1のアーム431の打抜供給装置10側の停止位置4311に対応して、第1のアーム431の下方に配設されている。第1の端子清掃装置50は、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fの端子Tに付着した異物やバリを除去する装置である。第1の端子清掃装置50は、ブラシ51を有する。ブラシ51は、X方向の軸を中心に、図示しないモータ等の駆動源によって回動可能に設けられている。ブラシ51は、図示しない駆動機構によって、第1のアーム431に保持されたフィルム状電子部品Fの端子Tに対して、接離する方向に移動可能に設けられている。
【0042】
[第2の端子清掃装置]
(概要)
第2の端子清掃装置60は、
図2に示すように、第2のアーム432の停止位置4322に対応して、第2のアーム432のX方向に配設される。第2の端子清掃装置60は、図示しない駆動機構によって、X方向、Y方向及びθ方向に移動可能に設けられる。
【0043】
第2の端子清掃装置60は、
図6に示すように、第1の清掃ツール61、第2の清掃ツール62、給排機構63を有し、フィルム状電子部品Fの端子Tから異物を除去する装置である。より詳細には、第2の端子清掃装置60は、給排機構63から供給される清掃シートCが張設された第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62の間に、第2のアーム432から突き出されたフィルム状電子部品Fの端子Tを挟み、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62をY方向、すなわち、端子Tが並ぶ方向に水平移動させることによって、フィルム状電子部品Fの端子Tに付着した異物を拭き取る。
【0044】
(清掃シート)
本実施形態に使用される清掃シートCは、フィルム状電子部品Fの端子Tを清掃するためのシートである。清掃シートCは、合成繊維からなり、清掃対象を清拭するための織布又は不織布である。清掃シートCは、帯状の長尺の部材であり、フィルム状電子部品Fの端子Tが並ぶ一辺よりも短い幅Wを有する。本実施形態の幅Wは、約10mmである。清掃シートCの幅Wを約10mmとすることで、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62から吐出される薬液がシート全体に満遍なく浸透し、薬液の付着量にムラが生じにくいことが、実験等で解かっている。また、清掃シートCは、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62に張設された状態で、第2の端子清掃装置60に設けられた給排機構63によって、送り出し、巻き取りが行われる。なお、薬液とは、例えばアルコール、純水など、フィルム状電子部品Fに付着した異物やバリを除去するための洗浄液である。
【0045】
(清掃ツール)
第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62は、
図6に示すように、清掃シートCが張設される直方体形状の部材である。第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62は、Z方向に並設されている。ここでは、第1の清掃ツール61が、第2の清掃ツール62によりも上方に設けられている。第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62は、フィルム状電子部品Fの端子Tを挟む面である清掃面に図示しない吐出穴を有する。本実施形態の吐出穴は、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62のいずれにおいても、清掃シートCの幅W方向に複数設けられる。第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62は、この吐出穴から薬液を吐出することで、張設された清掃シートCに薬液を浸透させる。
【0046】
第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62は、互いに対向する方向(Z方向)に接離可能に設けられている。より詳細には、第1の清掃ツール61の上方には、駆動機構61aが設けられ、第2の清掃ツール62の下方には、駆動機構62a及び駆動機構62bが設けられている。駆動機構61aは、例えばモータ及びボールねじからなり、第1の清掃ツール61をZ方向に駆動させる。駆動機構62bは、例えばエアシリンダであり、第2の清掃ツール62をZ方向に駆動させる。駆動機構62aは、例えばダイヤフラムシリンダであり、第2の清掃ツール62がフィルム状電子部品Fの端子Tに加える押圧力を調整する。換言すると、第1の清掃ツール61との間でフィルム状電子部品Fの端子Tを挟む力を調節する。
【0047】
(給排機構)
給排機構63は、供給部631、方向転換部632、排出部633を有する。
【0048】
供給部631は、Y軸方向に平行な回動軸を有する供給リール631a、プーリ631b、631cを有する。供給リール631aは、清掃シートCが巻回され、回動により清掃シートCが送り出されるリールである。供給リール631aは、第1の清掃ツール61の上方であって、第1の清掃ツール61からX方向に離間して設けられ、図示しないモータによって回動することにより、清掃シートCを所定長ずつ送出可能に設けられている。プーリ631b、631cは、供給リール631aから送り出された清掃シートCの移動をガイドすることにより、第1の清掃ツール61に向けて清掃シートCを送り出す。プーリ631cから送り出された清掃シートCは、第1の清掃ツール61に張設され、方向転換部632へと送り出される。プーリ631cの回転軸は、図示しないガイド機構によって、Z方向の所定の範囲内で移動可能に設けられている。プーリ631cは、この移動により、第1の清掃ツール61に対する清掃シートCのテンションを変化させることが出来る。
【0049】
方向転換部632は、Y軸方向に平行な回動軸を有するプーリ632a、632b、632cを有する。プーリ632a、632b、632cは、第1の清掃ツール61に張設された清掃シートCの移動をガイドすることにより、第2の清掃ツール62に向けて清掃シートCを送り出す。プーリ632cから送り出された清掃シートCは、第2の清掃ツール62に張設され、排出部633へと送り出される。プーリ632aは、第1の清掃ツール61と略同じ高さであって、供給リール631aの略真下に設けられる。プーリ632bは、プーリ632aの略真下に設けられる。プーリ632cは、第2の清掃ツール62と略同じ高さであって、第2の清掃ツール62とプーリ632bとの間に設けられる。また、清掃シートCは、プーリ632bとプーリ632cとの間で、表裏が反転し、フィルム状電子部品Fの一方の面を清掃した清掃シートCの面が、フィルム状電子部品Fの他方の面を清掃しないよう送り出される。
【0050】
排出部633は、Y軸方向に平行な回動軸を有する送りローラ633a、ニップローラ633b、プーリ633c、633dを有する。送りローラ633aは、プーリ632bの略真下に設けられ、図示しないモータにより回動可能に設けられている。ニップローラ633bは、送りローラ633aとの間で清掃シートCを挟み、送りローラ633aの回動とともに回動して、清掃シートCを排出する。なお、ニップローラ633bは、図示しないシリンダによって、送りローラ633aに付勢されている。プーリ633c、633dは、第2の清掃ツール62からの清掃シートCの移動をガイドすることにより、清掃シートCを送りローラ633aに送り出す。プーリ633dの回転軸は、図示しないガイド機構によって、Z方向の所定の範囲内で移動可能に設けられている。プーリ633dは、この移動により、第2の清掃ツール62に対する清掃シートCのテンションを変化させることが出来る。
【0051】
[制御装置]
制御装置80は、機構制御部81、記憶部82、入出力制御部83を有する。
【0052】
機構制御部81は、打抜供給装置10、実装装置30、受渡装置40、第1の端子清掃装置50、第2の端子清掃装置60の各部の動作を制御する。記憶部82は、上記の各部を実現するためのプログラム、データ等、本実施形態の制御に必要な情報を記憶する。入出力制御部83は、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
【0053】
さらに、制御装置80には、入力装置、出力装置が接続されている。入力装置は、オペレータが、制御装置80を介して電子部品実装装置を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。出力装置は、電子部品実装装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とする表示装置等の出力手段である。
【0054】
[動作]
以上のような本実施形態の動作を、
図7及び
図8を参照しつつ説明する。
図7は第2の端子清掃装置60の動作を、
図8はフィルム状電子部品の実装手順を、それぞれ示す。
【0055】
まず、
図5(A)に示すように、移動機構420が、保持ヘッドHを打抜供給装置10の直下に来るように移動させる。打抜供給装置10においては、
図4(B)に示すように、フィルム状電子部品Fが打ち抜かれる。打ち抜かれたフィルム状電子部品Fは、パンチ132により吸着された状態で供給位置Sまで下降して、保持ヘッドHにより吸着が行われた後に、パンチ132による吸着が解除される。これにより、保持ヘッドHが、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを受け取る(ステップS01)。
【0056】
移動機構420は、
図3及び
図5(B)に示すように、フィルム状電子部品Fを受け取った保持ヘッドHを、
図2において、停止位置4312に停止した第1のアーム431の端部の吸着ノズル431aの下部に移動させる。そして、フィルム状電子部品Fが吸着ノズル431aに接触する位置まで保持ヘッドが上昇し、吸着ノズル431aにより吸着が行われた後に、保持ヘッドHによる吸着が解除され、下降することにより、フィルム状電子部品Fは、第1のアーム431に渡される(ステップS02)。
【0057】
第1のアーム431は、フィルム状電子部品Fを吸着保持した状態で回動することにより、第1の端子清掃装置50の直上にフィルム状電子部品Fを位置付ける。そして、第1の端子清掃装置50が上昇して、回転するブラシ51がフィルム状電子部品Fの端子Tの縁部に接触する。これにより、フィルム状電子部品Fの端子Tに付着した異物がブラシ清掃される(ステップS03)。
【0058】
そして、第1の端子清掃装置50の下降により清掃は終了し、第1のアーム431は、さらに回動することにより、フィルム状電子部品Fを第2のアーム432の吸着ノズル432aの上部に移動させる。具体的には、停止位置4321で停止した第2のアーム432の吸着ノズル432aの真上に第1のアーム431の吸着ノズル431aが位置するように、実装装置30側の停止位置4313に第1のアーム431を移動させる。そして、第2のアーム432の吸着ノズル432aがフィルム状電子部品Fに接触する位置まで、第2のアーム432が上昇して、吸着ノズル432aがフィルム状電子部品Fを吸着する。その後、吸着ノズル431aによる吸着が解除され、第2のアームが下降することにより、フィルム状電子部品Fは、第2のアーム432に渡される(ステップS04)。その際、端子Tを清掃する為に、吸着ノズル432aは、フィルム状電子部品Fの端子Tが形成されている側を、吸着ノズル432aの端面から突出する位置で吸着保持する。
【0059】
第2のアーム432は、フィルム状電子部品Fを吸着保持した状態で90°回動することにより、
図7(A)に示すように、フィルム状電子部品Fの端子Tを、第2の端子清掃装置60に対向するように、停止位置4322で停止させる。さらに、第2のアーム432は、第2の端子清掃装置60に向けて移動することにより、
図7(B)に示すように、フィルム状電子部品Fの端子Tを、第1の清掃ツール61と第2の清掃ツール62との間に差し入れる(ステップS05)。この時、端子Tの一端は、平面視で第2の清掃ツール62のに張設された清掃シートCの表面に対向している。
【0060】
続いて、
図7(C)に示すように、フィルム状電子部品Fの端子Tは、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62に挟持される。より詳細には、まず、第1の清掃ツール61が下降して、端子Tが形成されていない側に接触する。次に、第2の清掃ツール62が上昇し、端子T側に接触する。この時、駆動機構62aにより、端子Tに対する押圧力が調節される。すなわち、端子Tは、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62に張設された清掃シートCにその両面を挟持される。なお、端子Tは、フィルム状電子部品Fの一面(ここでは下面)にのみ形成されている。すなわち、端子Tの両面とは、端子Tが形成された面とその端子Tの裏側の面を指す。
【0061】
最後に、
図7(D)に示すように、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62が、端子Tの一端から他端に向けて(Y方向)スライドすることにより、端子Tに付着した異物が薬液清掃される(ステップS06)。この時、清掃シートCは端子Tの両面に接触するので、端子Tの形成されている下面だけでなく、フィルム状電子部品Fの上面も清掃される。
【0062】
そして、第1の清掃ツール61が上昇、第2の清掃ツール62が下降して、フィルム状電子部品Fの挟持を開放し、第2の端子清掃装置60による清掃が終了する。その後、第2のアーム432は、第2の端子清掃装置60から離間する方向(X方向)に移動し、90°回動して、フィルム状電子部品Fを実装装置30の仮圧着ヘッド320の下部に移動させる。そして、仮圧着ヘッド320が下降してフィルム状電子部品Fの吸着が行われた後に、第2のアーム432の吸着ノズル432aによる吸着が解除されることにより、フィルム状電子部品Fは、仮圧着ヘッド320に渡される(ステップS07)。その後、仮圧着ヘッド320が上昇して、テーブル310に支持された表示パネルDの圧着位置へ移動する。最後に、仮圧着ヘッド320により、フィルム状電子部品Fの端子Tが、ACFを介して、表示パネルDの端子に加熱圧着される(ステップS08)。フィルム状電子部品Fが仮圧着された表示パネルDは、本圧着部に搬送されて本圧着が行われる。
【0063】
なお、上記のフィルム状電子部品Fの供給は、まず、一方の打抜供給装置10aによって行われる。そして、打抜供給装置10aの供給部110の薄板状部材STが無くなると、他方の打抜供給装置10bに切り替えて、継続してフィルム状電子部品Fの供給が行われる。打抜供給装置10bからの薄板状部材STの供給が行われている間に、打抜供給装置10aの薄板状部材STのリールが交換され、他方の打抜供給装置10bの薄板状部材STが無くなると、再び打抜供給装置10aによるフィルム状電子部品Fの供給に切り替わる。これにより、電子部品実装装置を停止させることなく、実装を継続して行うことができる。
【0064】
[作用効果]
(1)本実施形態の電子部品実装装置は、薄板状部材STから打ち抜かれたフィルム状電子部品Fの端子Tをブラシ清掃する第1の端子清掃装置50と、ブラシ清掃された端子Tの両面を薬液清掃する第2の端子清掃装置60と、第1の端子清掃装置50及び第2の端子清掃装置60により端子Tが清掃されたフィルム状電子部品Fを実装対象に実装する実装装置30と、を有する。これにより、第1の端子清掃装置50によって、フィルム状電子部品Fが打ち抜かれたときに生じるバリや打ち抜きの際に生じて付着した塵埃を端子Tから除去することが来る。また、引き続いて第2の端子清掃装置60によって、端子Tが形成されたフィルム状電子部品Fの端部の両面が清掃されるので、ブラシ清掃では除去し切れない塵埃やブラシ清掃により飛散したバリについても除去することが出来、歩留まりを向上させたフィルム状電子部品Fの実装をすることが出来る。さらに、実装時に押圧される、フィルム状電子部品Fの端子Tが形成された面の反対面(裏面)に付着した異物も除去できるので、仮圧着ヘッド320とフィルム状電子部品Fとの間に異物を挟み込むことが無くなるので、仮圧着ヘッド320によるフィルム状電子部品Fの吸着及び圧着の精度を向上させることが出来る。
【0065】
(2)本実施形態の電子部品実装装置は、ブラシ清掃されたフィルム状電子部品Fを実装装置30へと受け渡す移送装置430を更に有し、第2の端子清掃装置60は、移送装置430がフィルム状電子部品Fを実装装置30へと受け渡す経路上において端子Tの両面を薬液清掃する。これにより、ブラシ清掃後から実装装置30へとフィルム状電子部品Fを受け渡すまでの間に、端子Tに新たに異物が付着しても、確実に異物を除去することが出来る。
【0066】
(3)第2の端子清掃装置60は、薬液を浸透させた清掃シートCで端子Tの両面を拭く。この時、清掃シートCに万遍なく、かつ清掃において十分で、端子Tに残存することのない適量の薬液とする吐出ノズルの数、配置、吐出量、清掃シートCの幅とするので、確実に端子Tおよびその裏面を清掃できる。また、薬液が端子Tに残存して端子Tの圧着が不良となることを防ぐことが出来る。
【0067】
(4)第2の端子清掃装置60が端子Tの両面を拭く方向は、端子Tが並ぶ方向である。これにより、複数の端子Tをまとめて拭くことが出来る。
【0068】
[変形例]
(1)上記の態様では、清掃シートCの幅Wを、フィルム状電子部品Fの端子Tが並ぶ一辺よりも短いものとしたが、これに限られない。例えば、清掃シートCの幅Wを、フィルム状電子部品Fの端子Tが並ぶ一辺と略同じかそれ以上としても良い。そうすることで、清掃するために第2の端子清掃装置60が移動する距離が短くなるのでタクトタイムが向上する。この場合、例えば図示しないスプレー装置から清掃シートCに薬液を噴霧することが好ましい。そうすることで、より確実に薬液をシート全体に満遍なく浸透させることができる。また、予め薬液を浸した別のシートを準備しておき、清掃シートCをこの別のシートに押し付けることで、清掃シートCに薬液を浸透させることもできる。薬液を浸した別のシートは、例えば清掃シートCの経路上に設けられ、図示しない押付部により清掃シートCに押し付けられる。このようにすることで、上記の態様と同様に、薬液の付着量にムラが生じにくい。
【0069】
(2)清掃シートCの幅Wが、フィルム状電子部品Fの端子Tが並ぶ一辺と略同じかそれ以上である場合、フィルム状電子部品Fの端子Tを拭く方向は、上記の態様と同様に端子Tが並ぶ方向としても良いが、これに限られない。すなわち、
図9に示すように、端子Tが並ぶ方向と垂直な方向に端子Tを拭くことも出来る。この場合、各端子Tが延びる方向に清掃シートCを移動させて拭くことになるので、各端子T間に付着した異物を除去し易い。さらに、清掃シートCを移動させる際に、清掃シートCが端子Tに引っかかり、フィルム状電子部品Fが歪むおそれを低減することが出来る。
【0070】
(3)上記の態様では、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62を移動させて端子Tを拭いたが、第1の清掃ツール61及び第2の清掃ツール62を固定し、フィルム状電子部品Fを吸着保持した第2のアーム432を移動させることによって、端子Tを拭いても良い。この場合、第2のアーム432は、図示しない駆動機構によって、X方向及びθ方向に加え、Y方向にも移動可能に設けられる。
【0071】
(4)上記の態様では、薬液を浸透させた清掃シートCにより端子Tの清掃を行ったが、これに限られない。例えば、薬液を浸透させたスポンジで端子Tを清掃しても良いし、端子Tに直接薬液を吹き付けて異物を除去しても良い。
【0072】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
10、10a、10b 打抜供給装置
110 供給部
120 テーブル
130 打抜金型ユニット
140 駆動機構
30 実装装置
310 テーブル
320 仮圧着ヘッド
330 バックアップ
40 受渡装置
420 移動機構
430 移送装置
431 第1のアーム
431a 吸着ノズル
432 第2のアーム
432a 吸着ノズル
50 第1の端子清掃装置
51 ブラシ
60 第2の端子清掃装置
61 第1の清掃ツール
62 第2の清掃ツール
63 給排装置
80 制御装置
81 機構制御部
82 記憶部
83 入出力制御部
C 清掃シート
D 表示パネル
F フィルム状電子部品
H 保持ヘッド
ST 薄板状部材
T 端子