(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】トナー用分級装置及びトナーの製造方法
(51)【国際特許分類】
G03G 9/08 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
G03G9/08 381
(21)【出願番号】P 2020200999
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田村 順一
(72)【発明者】
【氏名】若山 蘭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 克幸
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 祐一
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分級ローターを備えるトナー用分級装置であって、
該分級ローターは、該分級ローターの回転中心側から外周側へと延びる複数の羽根を有し、
該複数の羽根は、互いに所定の間隔を設けて配置され、
該間隔が、該分級ローターの回転中心領域に向けた開口部を形成し、
該複数の羽根は、第一の羽根群と、該第一の羽根群よりも短い長さの第二の羽根群と、を有しており、
該第一の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第二の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている、該第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が、それぞれ独立して1枚~2枚であり、
該分級ローターが回転した際に該第一の羽根群が描く軌跡を第一軌跡としたとき、該第一軌跡について、回転中心から該第一軌跡の外周側端部までの距離をL1とし、回転中心から該第一軌跡の中心側端部までの距離をL2とし、
該分級ローターが回転した際に第二の羽根群が描く軌跡を第二軌跡としたとき、該第二軌跡について、回転中心から該第二軌跡の外周側端部までの距離をL3とし、回転中心から該第二軌跡の中心側端部までの距離をL4としたとき、
該L1~L4が以下の関係を満たす
ことを特徴とする、トナー用分級装置
0.25≦(L3-L4)/(L1-L2)≦0.50
0.95≦L3/L1≦1.05
【請求項2】
隣り合う前記羽根同士は、略等間隔で配置されている、請求項1に記載のトナー用分級装置。
【請求項3】
下記(1)又は(2)を満たす、請求項1又は2に記載のトナー用分級装置。
(1)前記第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている前記第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が1枚であるとき、
第二の羽根の回転方向に対して上流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して下流側の面が平行であり、
第二の羽根の回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して上流側の面が平行である。
(2)前記第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている前記第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が2枚であるとき、
第一の羽根の回転方向に対して下流側の面と対向する面を持つ第二の羽根を第二の羽根A、該第二の羽根Aの回転方向に対して下流側の面と対向する面を持つ第二の羽根を第二の羽根Bとしたとき、
第一の羽根の回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第二の羽根Aの回転方向に対して上流側の面が平行であり、
第二の羽根Aの回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第二の羽根Bの回転方向に対して上流側の面が平行であり、
第二の羽根Bの回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して上流側の面と平行である。
【請求項4】
前記第一の羽根は、前記分級ローターの回転中心側端部から外周側端部に向かうに従い、前記分級ローターの回転方向に対して上流側となるように設けられ、
前記分級ローターの回転軸に垂直な方向に、前記分級ローターを切断した際の横断面において、前記分級ローターの回転中心と前記第一の羽根の回転中心側端部とを結ぶ直線と、前記第一の羽根の回転中心側端部と前記第一の羽根の外周側端部とを結ぶ直線と、がなす角θが、25°~70°である、請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー用分級装置。
【請求項5】
本体ケーシングと、
前記分級ローターの少なくとも一部が覆われた状態で設置されている案内手段と、
被分級粒子を導入するために、該本体ケーシングの側面に形成された、被分級粒子投入口及び前記被分級粒子投入口を有する被分級粒子供給手段と、
微粉が除かれた分級粒子を該本体ケーシング外に排出するために、該本体ケーシングの側面に形成された微粉排出口及び分級粒子抜取り口と、
該本体ケーシング内に、中心回転軸に取り付けられた、回転体であって該回転体の該分級ローター側側面に分散ハンマーを有する分散ローターと、
をさらに有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー用分級装置。
【請求項6】
前記分散ローターの周囲に間隔を保持して固定配置されているライナーをさらに有する、請求項5に記載のトナー用分級装置。
【請求項7】
前記ライナーの、前記分級ローターに対向する表面に、溝が設けられている、請求項6に記載のトナー用分級装置。
【請求項8】
トナー用分級装置を用いて被分級粒子の分級処理を行う分級工程を有するトナーの製造方法であって、
該トナー用分級装置が、請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー用分級装置である、トナーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナー用分級装置及びトナーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高い生産性が要求されるようになってきている。トナーにおいては、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーによる帯電性の安定化などにより、現像性や転写性が安定化し、高画質化を図ることができる。
一般的なトナーの製造方法の一つとして、溶融混練粉砕法が知られている。溶融混練粉砕法によるトナー粒子の製造方法の具体例としては次のようなものである。結着樹脂、着色剤、離型剤などのトナー原料を溶融混練し、冷却固化した後、混練物を粉砕手段により微細化しトナー粒子を得る。その後必要に応じて、所望の粒度分布に分級したり、熱処理によるトナー粒子の球形化により円形度を調整したり、無機微粒子などの流動化剤を添加したりして、トナーを製造する。
【0003】
混練物の粉砕手段として各種粉砕装置が用いられるが、被粉砕物の投入口および排出口を有するケーシング内に、中心回転軸に支持され、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、この回転子の外側に、この回転子の外周面と所定の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子とを備え、投入口から排出口を流れる気流にのって回転子と固定子とが対抗する処理部を被粉砕物が通過する際に、回転子もしくは固定子の凸部もしくは凹部に衝突することで被粉砕物を粉砕する機械式粉砕装置(特許文献1)などが知られている。
また、粉砕装置により所望の粒径まで粉砕された粉砕物中には、粉砕工程中に発生する微粉が混入している。この微粉はトナー中に存在しているとかぶりなどの電子写真プロセス上の課題となるため、分級処理によって除去することが一般的である。
分級装置を用いた分級処理を有するトナーの製造方法としては、コアンダ効果を利用した気流式分級装置を用いたトナーの製造方法(特許文献2)や、遠心式風力分級機を用いたトナーの製造方法(特許文献3)などが知られている。
【0004】
遠心式風力分級機を用いる場合、被分級粒子であるトナー原料の混練物の粉砕物は、分級ローター外周側から内側に向かう気流により、投入口から分級ローター外周近傍に搬送され、分級ローター外周において、分級ローターの回転により遠心力を付与される。被分級粒子に働く遠心力は分級ローター外側に向かう力であり粒子の質量に比例するため、被分級粒子中の微粉に働く遠心力は分級ローター外周側から内側に向かう気流によって与えられる抗力よりも小さい。そのため、分級ローターの羽根と羽根の間を通過し分級ローターの内側と連通した微粉回収手段により回収され、被分級粒子から微粉を除去された分級物は分級ローター外側に配置された分級物回収手段により回収することで分級される。
また、同一円周上に一定の間隔で並んだ複数の羽根を有し、個々の羽根が分級ローターの中心と羽根の先端とを結ぶ直線に対して20°~65°の角度θをなすようにして配置されている分級手段を用いるトナーの製造方法も提案されている(特許文献4)。該製造方法に用いられる分級手段においては、高速で回転する分級ローターの外側から羽根と羽根の間に入り込む空気が、回転中心方向に向かう成分と、分級ローターの外側に弾き出される成分に分かれることにより渦を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-237816号公報
【文献】特開2001-201890号公報
【文献】特開2008-26457号公報
【文献】特開2010-160374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、分級処理は被分級粒子に働く抗力と遠心力のバランスを調整することで行われる。しかし、分級装置内の気流の乱れ、被分級粒子同士の凝集、被分級粒子が分級ローターに近づく際の速度のばらつきや分級ローターの羽根と羽根の間に渦が発生することなどの要因から、本来微粉として取り込まれるべきでない粒子も誤吸引して除去してしまう場合がある。被分級粒子の平均粒径と、分級工程によって除去されるべきである微粉の粒径が近くなるほど、該誤吸引による除去の比率が大きくなるため、トナーを小粒径化すると分級工程の収率が低下してしまうことが確認された。
また、特許文献4に記載のトナーの製造方法において発生する渦は羽根に沿う形状で発生するものと考えられる。なす角θが存在する場合は、前述の放射状の直線上に配置されている分級ローターよりもローターの外側で渦が発生するために、前記被分級粒子の誤吸引の比率が小さくなり収率が良化することが確認された。しかし、なす角θが大きくなりすぎると、分級ローターの内側の羽根と羽根の間隔が狭くなりすぎるために、微粉も通過しにくくなり、十分な微粉除去が出来ない場合や、圧力損失が増大してしまう場合があるなどの課題があることが確認された。
【0007】
上述の通り、高画質化のためにトナーの小粒径化が求められている。トナー原料の混合物を溶融混練した後の、粉砕工程によって得られる粉砕物の粒径が、最終的に得られるトナーの粒径に対して支配的である。このため、トナー小粒径化のためには粉砕物を小粒径化しなければならない。分級工程は電子写真プロセス上の課題要因となりうる微粉の除去を行う工程である。しかし、トナーを小粒径化すると、粉砕物の平均粒径と分級工程によって除去されるべきである粒子である微粉の粒径とが近くなってしまう。そのため、トナーとして適当な粒径であるため除去すべきでない粒子も一部微粉として除去されてしまうため収率が低下してしまうという問題がある。
また、遠心式風力分級機を用いて分級する際に、除去すべきでない被分級粒子の取り込みを抑制するために、分級ローターの羽根枚数を増やしたり、個々の羽根が分級ローターの中心と羽根の先端とを結ぶ直線に対してなす角θを大きくしたりするなどの手段が考えられる。しかし、これらの場合、分級ローターによる圧力損失が大きくなり、ブロワへの負荷が大きくなるという課題が生じる。
【0008】
本開示は、上記の問題点を解決し、小粒径のトナーを製造した場合でも、良好な収率を示すトナー用分級装置及びトナーの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、
分級ローターを備えるトナー用分級装置であって、
該分級ローターは、該分級ローターの回転中心側から外周側へと延びる複数の羽根を有し、
該複数の羽根は、互いに所定の間隔を設けて配置され、
該間隔が、該分級ローターの回転中心領域に向けた開口部を形成し、
該複数の羽根は、第一の羽根群と、該第一の羽根群よりも短い長さの第二の羽根群と、を有しており、
該第一の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの
回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第二の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている、該第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が、それぞれ独立して1枚~2枚であり、
該分級ローターが回転した際に該第一の羽根群が描く軌跡を第一軌跡としたとき、該第一軌跡について、回転中心から該第一軌跡の外周側端部までの距離をL1とし、回転中心から該第一軌跡の中心側端部までの距離をL2とし、
該分級ローターが回転した際に第二の羽根群が描く軌跡を第二軌跡としたとき、該第二軌跡について、回転中心から該第二軌跡の外周側端部までの距離をL3とし、回転中心から該第二軌跡の中心側端部までの距離をL4としたとき、
該L1~L4が以下の関係を満たす
ことを特徴とするトナー分級装置に関する。
0.25≦(L3-L4)/(L1-L2)≦0.50
0.95≦L3/L1≦1.05
【0010】
また、本開示は、トナー用分級装置を用いて被分級粒子の分級処理を行う分級工程を有するトナーの製造方法であって、
該トナー用分級装置が、本開示のトナー用分級装置である、トナーの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、小粒径のトナーを製造した場合でも、良好な収率を示すトナー用分級装置及びトナーの製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0014】
図1に、トナー用分級装置が備える分級ローターの概略図を示す。該分級ローターは、該分級ローターの回転中心側から外周側へと延びる複数の羽根を有し、
該複数の羽根は、互いに所定の間隔を設けて配置され、
該間隔が、該分級ローターの回転中心領域に向けた開口部を形成し、
該複数の羽根は、第一の羽根群と、該第一の羽根群よりも短い長さの第二の羽根群と、を有しており、
該第一の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第二の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている、該第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が、それぞれ独立して1枚~2枚であり、
該分級ローターが回転した際に該第一の羽根群が描く軌跡を第一軌跡としたとき、該第一軌跡について、回転中心から該第一軌跡の外周側端部までの距離をL1とし、回転中心から該第一軌跡の中心側端部までの距離をL2とし、
該分級ローターが回転した際に第二の羽根群が描く軌跡を第二軌跡としたとき、該第二軌跡について、回転中心から該第二軌跡の外周側端部までの距離をL3とし、回転中心から該第二軌跡の中心側端部までの距離をL4としたとき、
該L1~L4が以下の関係を満たす。
0.25≦(L3-L4)/(L1-L2)≦0.50
0.95≦L3/L1≦1.05
【0015】
上述の分級ローターを用いた場合、小粒径のトナーであっても十分に微粉を除去しつつ良好な収率を示すトナー用分級装置を提供できる。この要因について、本発明者らは以下のように想定している。
物体に働く遠心力は、[物体の質量]×[回転半径]×[回転運動の角速度の二乗]で示される。ここで被分級粒子の回転半径は、分級ローターの回転中心と被分級粒子との距離であると考えられる。
また、分級処理を実施する際、高速回転する分級ローターの隣り合う羽根と羽根の間には、渦が発生していると考えられる。この渦の中心部に近いほど風速が小さくなり、渦の中心部から遠いほど風速が大きくなると考えられることから、この渦の存在により局所的に強く内側に引き込む気流が発生し、本来除去すべきでない粒子に働く遠心力よりも、局所的に強く内側に引き込む気流が勝り、本来除去すべきでない粒子も引き込んで除去しまう場合がある。
この渦の大きさは、隣り合う羽根と羽根の間隔が大きいほど大きくなるものと推測されるため、分級ローターを通過する空気の総量が等しいとき、隣り合う羽根と羽根の間隔が大きいほど、強く内側に引き込む気流が発生している部分が分級ローター内に多く発生するため、本来除去すべきでない粒子も引き込んでしまう確率も高くなり、結果として収率を低下させてしまう。
【0016】
分級ローターは、該分級ローターの回転中心側から外周側へと延びる複数の羽根を有し、該複数の羽根は互いに所定の間隔を設けて配置され、該間隔が該分級ローターの回転中心領域に向けた開口部を形成する。
また、該複数の羽根は、第一の羽根群と、該第一の羽根群よりも短い長さの第二の羽根群と、を有する。
さらに、該第一の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されており、
該第二の羽根群に含まれる羽根同士は、羽根の長さが略同一であり、該分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描くように、互いに間隔を設けて配置されている。
さらにまた、該第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている、該第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が、それぞれ独立して1枚~2枚である。
これにより、分級ローター内側の開口部は、隣り合う2枚の第一の羽根によって形成されるため、羽根として第一の羽根群しか有さない分級ローターに対して、圧力損失の増大や被分級粒子や微粉が分級ローターの内側に付着することによる性能の低下がおこらないものと考えられる。分級ローター外側から気流が入り込む際に発生する渦の大きさは第一の羽根群のみしか存在しないローターと比較した場合よりも小さくできるため、収率を良
好なものとすることができる。
ここで、「羽根の長さが略同一」とは、羽根の長さが厳密に同一である場合に限られず、本開示の効果を損なわない程度に羽根の長さが同一である場合を含む。また、「分級ローターの回転時に略同一の軌跡を描く」とは、軌跡が厳密に同一である場合に限られず、本開示の効果を損なわない程度に軌跡が同一である場合を含む。
【0017】
また、分級ローターは、該分級ローターが回転した際に該第一の羽根群が描く軌跡を第一軌跡としたとき、該第一軌跡について、回転中心から該第一軌跡の外周側端部までの距離をL1とし、回転中心から該第一軌跡の中心側端部までの距離をL2とし、
該分級ローターが回転した際に第二の羽根群が描く軌跡を第二軌跡としたとき、該第二軌跡について、回転中心から該第二軌跡の外周側端部までの距離をL3とし、回転中心から該第二軌跡の中心側端部までの距離をL4としたとき、
該L1~L4が以下の関係を満たす。
0.25≦(L3-L4)/(L1-L2)≦0.50
0.95≦L3/L1≦1.05
(L3-L4)/(L1-L2)<0.25であると、第二の羽根が短すぎて渦の発生に寄与せず収率が向上しない。また、0.50<(L3-L4)/(L1-L2)の場合は、圧力損失が増大してしまう。(L3-L4)/(L1-L2)は0.25以上であり、0.30以上であることが好ましい。また、(L3-L4)/(L1-L2)は0.50以下であり、0.45以下であることが好ましい。当該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
【0018】
また、L3/L1<0.95である場合や、1.05<L3/L1である場合は、同一質量の被分級粒子に与える遠心力は[回転半径]×[回転運動の角速度の二乗]に依存するため、回転半径にバラツキが生じ、分級精度が低下する。L3/L1は、0.95以上であり、好ましくは1.00以上である。また、L3/L1は、1.05以下であり、好ましくは1.00以下である。当該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
【0019】
L1は、特に制限されず適宜設定することができるが、例えば60mm~120mmとしたり、70mm~100mmとしたりすることができる。
L2は、特に制限されず適宜設定することができるが、例えば20mm~100mmとしたり、30mm~70mmとしたりすることができる。
L3は、特に制限されず適宜設定することができるが、例えば60mm~120mmとしたり、70mm~100mmとしたりすることができる。
L4は、特に制限されず適宜設定することができるが、例えば40mm~110mmとしたり、60mm~90mmとしたりすることができる。
【0020】
さらに、羽根と羽根の間に生じる渦の大きさをそろえるという観点から、隣り合う羽根同士は略等間隔で配置されていることが好ましい。羽根と羽根の間隔が略等間隔であると、羽根と羽根の間隔が大きい箇所と小さい箇所とが生じにくく、羽根と羽根の間隔が小さい箇所が存在することで生じ得る、分級ローター内側の気流や被分級粒子の流路が狭くなって圧力損失が増大したり、被分級粒子や微粉が分級ローター内側に付着して分級ローターの性能が低下したりしにくくなる。
ここで、「羽根と羽根の間隔が略等間隔である」とは、羽根と羽根の間隔が厳密に等しい場合に限られず、本開示の効果を損なわない程度に該間隔が等しい場合を含む。
【0021】
また、分級ローターの回転中心側になるほど流路が狭くなるような形状の分級ローターである場合、内側に引き込む風が徐々に強くなるため、何らかの影響で誤吸引された大粒子が分級ローターの回転中心側で遠心力を得て、分級ローター外に排出されることは困難になる。
この懸念を抑制するという観点で、分級ローターは、下記(1)又は(2)を満たすことが好ましい。
(1)前記第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている前記第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が1枚であるとき、
第二の羽根の回転方向に対して上流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して下流側の面が平行であり、
第二の羽根の回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して上流側の面が平行である。
(2)前記第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に配置されている前記第二の羽根群に含まれる羽根の枚数が2枚であるとき、
第一の羽根の回転方向に対して下流側の面と対向する面を持つ第二の羽根を第二の羽根A、該第二の羽根Aの回転方向に対して下流側の面と対向する面を持つ第二の羽根を第二の羽根Bとしたとき、
第一の羽根の回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第二の羽根Aの回転方向に対して上流側の面が平行であり、
第二の羽根Aの回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第二の羽根Bの回転方向に対して上流側の面が平行であり、
第二の羽根Bの回転方向に対して下流側の面と、該面と対向する第一の羽根の回転方向に対して上流側の面と平行である。
【0022】
分級ローターは、
図2,10,11に示すように、分級ローターの回転軸に垂直な方向に、該分級ローターを切断した際の横断面において、該分級ローターの回転中心と該第一の羽根の回転中心側端部とを結ぶ直線と、該第一の羽根の回転中心側端部と該第一の羽根の外周側端部とを結ぶ直線と、がなす鋭角である、なす角θを持っていてもよい。
なす角θを持つとき、分級処理時に発生する渦の中心位置を分級ローターの回転中心に対して外側にすることができ、渦により大粒径粒子が引き込まれた場合であっても、遠心力が小さくならないために分級ローターの外側に戻ることが出来ると考えられるため、好ましい。上述の効果を十分なものとするためには、なす角θは25°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましい。またなす角θは、前記第一の羽根同士の内側端部付近の距離が近くなりすぎて、圧力損失の増大などの弊害を防ぐ観点から、70°以下であることが好ましく、65°以下であることがより好ましい。当該数値範囲は任意に組み合わせることができ、なす角θは例えば25°~70°とすることができる。
【0023】
分級ローターの製造手段としては特に制限されないが、例えば、各パーツを作成し溶接によって組み立てる方法、金属粉末をレーザ照射により溶融および凝固させて構造物を出力する金属3Dプリンタを用いる方法、金属金型を製作し、アルミ合金などの金属を溶融させたものを高い圧力で該金属金型に注入して成形するダイカスト鋳造法、3Dプリンタで製作した消失モデルを耐火物で覆い、外から熱をかけることで鋳型の中で消失させ、形成された空洞部分に金属を流し込む消失鋳造法などが例示できる。
一般に、溶接による製造やダイカスト鋳造法は、寸法精度が高いといった長所がある一方で作成期間が長くなるといった短所が知られ、金属3Dプリンタを用いる場合や消失鋳造法は複雑形状に対応可能かつ短納期という長所がある一方で製作サイズに制約があるなどの短所が知られている。分級ローターの製造手段としては、各製造手段の長所及び短所、並びに、目的とする分級ローターに要求される寸法、精度及び納期などを考慮して、適宜選択するとよい。
【0024】
トナー用分級装置は、被分級粒子中の微粉を除去するための前記分級ローターを有していれば特に限定されず、例えば、トナー用分級装置本体中に、被分級粒子を供給する供給手段、分級処理後の分級物の回収手段などを有することができる。被分級粒子の粒径が小さくなるほど、単位質量当たりの粒子数が増えるため、粒子同士の接触点が増えて凝集体
を形成しやすくなる。この凝集体を解しつつ分級処理を進めることができるという観点から、トナー用分級装置は、
図3に示されるような
円筒形状の本体ケーシングと、
前記分級ローター31と、
該分級ローターの少なくとも一部が覆われた状態で設置されている円筒状の案内手段36と、
被分級粒子を導入するために、該本体ケーシングの側面に形成された、被分級粒子投入口34及び該被分級粒子投入口34を有する被分級粒子供給手段35と、
微粉が除かれた分級粒子を該本体ケーシング外に排出するために、該本体ケーシングの側面に形成された微粉排出口39及び分級粒子抜取り口37と、
該本体ケーシング内に、中心回転軸に取り付けられた回転体であって該回転体の該分級ローター31側側面に分散ハンマー(例えば角型のブロック)33を有する分散ローター32と、
を有することが好ましい。該本体ケーシングと該案内手段36は、円筒形状に限定されず、任意の形状とすることができる。
前記案内手段36の存在により、第一の空間Aでは分級ローター31に向かう上昇気流が発生し、第二の空間Bでは、分散ローター32側に向かう下降気流が発生することで、分散ハンマー33により被分級粒子の凝集体を解砕しつつ分級処理を行うことができると考えられる。該分散ハンマー33は被分級粒子の凝集体を解砕することができれば角型のブロックに限定されず、任意の形状とすることができる。
さらに、トナーの平均円形度を上げることで流動性を向上できるという観点から、前記分散ローター32の周囲に間隔を保持して固定配置されているライナー38を有することがさらに好ましい。該ライナー38は、該分散ローター32に対向する表面に、溝が設けられていることが好ましい。
被分級粒子は、回転する分散ハンマーや前記ライナーの分散ハンマーとの対向面などと衝突する際に、被分級粒子の凸部が潰され、結果として平均円形度が上昇すると考えられる。分級時の微粉除去効率が低いと、微粉除去効率が高い場合に比べ、ケーシング内に存在する被分級粒子数が多い状態が維持されるため粒子の平均円形度向上効果が低下する場合がある。
【0025】
分級ローターが有する羽根の高さは特に制限されず、分級ローターおよび分級装置の寸法ならびに被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができるが、例えば50mm~100mmとすることができる。
また、分級ローターが有する羽根の総枚数(第一の羽根の枚数と第二の羽根の枚数の合計)は特に制限されず、分級ローターおよび分級装置の寸法ならびに被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができるが、例えば50枚~100枚とすることができる。分級ローターが有する第一の羽根の枚数も特に制限されず、分級ローターおよび分級装置の寸法ならびに被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができるが、例えば10枚~40枚とすることができる。分級ローターが有する第二の羽根の枚数も特に制限されず、分級ローターおよび分級装置の寸法ならびに被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができるが、例えば20枚~50枚とすることができる。
さらに、分級ローターに配置されている羽根の間隔は、分級ローターの回転中心領域に向けた開口部が形成されていれば特に制限されず、分級ローターおよび分級装置の寸法ならびに被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができる。例えば、隣り合って配置されている羽根の、分級ローターの外周側端部における間隔は、5mm~10mmとすることができる。
【0026】
分級ローターの直径は特に制限されず、分級装置の寸法および被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができるが、例えば60mm~120mmとすることができる。
また、分級装置における本体ケーシングの高さ、内径などの寸法は特に制限されず、分
級ローターの寸法および被処理粒子の量などに応じて適宜設定することができる。本体ケーシングの高さは、例えば150mm~500mmとすることができる。また、内径が例えば150mm~500mmの本体ケーシングを、本開示の分級装置における本体ケーシングとして用いることができる。
【0027】
トナー用分級装置は、溶融混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法など公知の製造方法で得られた粉体粒子に適用することが可能であるが、特にトナーを小粒径化する際に微粉が発生しやすいという観点から溶融混練粉砕法において好適に用いることができる。以下、溶融混練粉砕法によってトナーを製造する手順について説明するが、以下の手順に限定されるものではない。
【0028】
<トナー粒子の製造方法>
まず、原料混合工程では、トナー原料として、少なくとも結着樹脂を所定量秤量して配合し、混合する。必要に応じて、着色剤、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤、該離型剤を分散させる分散剤、帯電制御剤などを混合してもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーなどがある。
【0029】
更に、溶融混練工程では、上記原料混合工程で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤などを分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できるなどの優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダーなどが一般的に使用される。
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる溶融混練物は、溶融混練後、2本ロールなどで圧延され、水冷などで冷却する冷却工程を経て冷却される。
【0030】
上記冷却工程で得られた溶融混練物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどで粗粉砕される。更に、イノマイザー(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)などの機械式粉砕機を用い微粉砕することで微粉砕物を得る。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。
【0031】
粉砕工程で得られた粉砕物を被分級粒子として、トナー用分級装置を用いて該被分級粒子の分級処理(分級工程)を行うことで、トナー粒子を得る。
得られたトナー粒子はそのままトナーとしてもよいが、トナーに求められる機能性を付与するために、必要に応じて、トナー粒子にシリカなどの無機微粒子を添加したのちに、熱球形化処理などを行ってトナーとしてもよい。
【0032】
トナーの転写性の向上に対応するためには、トナーの平均円形度は0.955以上が好ましく、0.960以上であることがより好ましい。また、クリーニング不良を抑制するという観点から平均円形度は0.990以下が好ましい。
また、トナーの重量平均粒径は、トナーにより形成される画像の高画質化という観点から、小粒径であることが好ましく、具体的には3.00μm~6.00μmであることが好ましく、3.00μm~5.00μmであることがより好ましい。トナーの重量平均粒径は小さいことが好ましいが、3.00μm以上の場合、クリーニングブレードをすり抜けて画像不良の要因となりにくくなる。
さらに、トナーの3μm以下の個数%は20.0個数%以下が好ましく、15.0個数
%以下がさらに好ましく、10.0個数%以下がより好ましい。
【0033】
<トナーの原料>
次に、結着樹脂を少なくとも含むトナーの原料について説明する。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、一般的な樹脂を用いることができ、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが例示できる。この中でも、低温定着性を良好にするという観点からは非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。なお、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点からは、低分子量ポリエステル樹脂と高分子量ポリエステル樹脂を併用してもよい。
また、さらなる低温定着性の向上と保管時の耐ブロッキング性の観点からは、結晶性ポリエステル樹脂を可塑剤として用いることもできる。
【0034】
<着色剤>
トナー原料は着色剤を含有することができる。トナー原料に含有され得る着色剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
該着色剤としては、公知の有機顔料若しくは油性染料、カーボンブラック、又は磁性体などが挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
マゼンタ系着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
黒色系着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、前記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
該着色剤は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0035】
<離型剤>
必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤を用いてもよい。該離型剤としては、低分子量ポリオレフィン類、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、エステルワックス類、カルナバワックス、炭化水素系ワックスなどが一般的に例示できる。
【0036】
トナー及び原料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10
.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
【0037】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【0038】
<トナーの3μm以下個数%の測定方法>
トナーの個数平均粒径(D4)の測定方法の(7)の工程において、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、3μm以下の粒径領域における個数%の累積値が3μm以下個数%である。
【0039】
<平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」(ヴェルヴォ
クリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
尚、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
【実施例】
【0040】
以下、実施例及び比較例を用いて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示の態様はこれらに限定されない。以下、実施例及び比較例における部数は、特に断りがない限り全て質量部基準である。
【0041】
<結着樹脂の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0部(多価アルコール総モル数に対して100mol%)
・テレフタル酸:28.0部(多価カルボン酸総モル数に対して96mol%)
・2-エチルヘキサン酸スズ(エステル化触媒):0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、220℃の温度で撹拌しつつ、8時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した。
・無水トリメリット酸:1.3部(多価カルボン酸総モル数に対して4mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)を得た。ASTM D36-86に従って測定した得られた結着樹脂の軟化点は110℃であった。
【0042】
<トナー用粉砕粒子(被分級粒子)の製造例>
・結着樹脂 86部
・フィッシャートロプシュワックス(炭化水素ワックス、融点90℃)
7部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。混練時のバレル温度は、混練物の出口温度が120℃になるよう設定した。混練物の出口温度は、安立計器社製ハンディタイプ温度計HA-200Eを用い直接計測した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を用いて、ローター回転数11000rpm、粉砕フィード10Kg/hの条件で、上記粗砕物を粉砕することで微粉砕物1を得た。さらにローター回転数11000rpm、粉砕フィード10Kg/hの条件で前記微粉砕物1を粉砕することでトナー用粉砕粒子1(被分級粒子1)を得た。該トナー用粉砕粒子1の重量平均粒径は5.45μmであり、3μm以下個数%は34.2%であり、平均円形度は、0.950であった。
【0043】
また、上記粗砕物を、ローター回転数12000rpm、粉砕フィード12Kg/hの条件で粉砕することで微粉砕物2を得た。さらにローター回転数12000rpm、粉砕フィード12Kg/hの条件で前記微粉砕物2を粉砕することでトナー用粉砕粒子2(被分級粒子2)を得た。該トナー用粉砕粒子2の重量平均径は4.50μmであり、3μm以下個数%は41.2%であり、平均円形度は、0.952であった。
【0044】
<トナー用分級装置>
トナー用分級装置の構成として、
図3に示されるトナー用分級装置を用いた。該トナー用分級装置は、
円筒形状の本体ケーシングと、
該本体ケーシングに、中心回転軸に取り付けられた回転体であって該回転体の分級ローター側側面に分散ハンマー33を複数個有し、高速で回転する円盤状の分散ローター32と、
該分散ローター32の周囲に間隔を保持して配置されたライナー38、
被分級粒子を分級するための手段である分級ローター31、
該分級ローター31により選別された所定粒径以下の微粉を排出除去するための微粉排出口39と、
分散ローターの下部から冷風を導入するための冷風導入口(図示せず)と、
被分級粒子を本体ケーシング内部へ導入するための被分級粒子供給口34及び該被分級粒子投入口34を有する被分級粒子供給手段35と、
分級処理後の分級粒子を排出するための粉体排出口37と、
分級ローター31の少なくとも一部が覆われた状態で設置されている、円筒形状の案内手段36と
から構成されている。
該案内手段36により、トナー用分級装置内の本体ケーシングの空間を、被処理粒子を分級ローター31に導入する方向に気流が発生している空間Aと、被処理粒子を分散ローター32とライナー38の間に導入する方向に気流が発生している空間Bとに仕切られている。
また、微粉排出口39は、排出された微粉を回収するための微粉回収手段(サイクロン)40と連通しており、該微粉回収手段40と連通するブロワ41と接続されている。該ブロワ41を用いて分級ローター31の外側から内側に向かう気流を発生させることができる。また、本体ケーシング内部の圧力(分級装置入口側静圧)及び微粉排出口部分の圧力(分級装置出口側静圧)を測定するための静圧計42を設置した。
分級ローターの形状のみが異なり、ブロワ風量やローター回転数などの分級条件が同じ条件下において、分級装置前後のΔ静圧が低い場合、分級ローター固有の圧力損失が低いと考えることが出来る。分級装置による圧力損失が小さい場合、分級に必要な風量を出力した際のブロワへの負荷が低く抑えられるという観点で好ましい。
【0045】
本体ケーシングの空間の高さは300mmであり、内径は300mmであった。分散ローターの外径は285mmであり、
図4に示すように分散ローター上に分散ハンマーを8個取り付け、分散ハンマーの長さ/幅/高さをそれぞれ、30mm/20mm/20mmとした。
円筒状の案内手段は、
図5に示すように、案内手段支持部材51と接続されており、案
内手段支持部材と本体ケーシングをビスなどで接続することで任意の位置に設置できるようにした。前記案内手段の直径は250mmであり、高さは230mmであり、案内手段上端とケーシング上端との距離は20mmとした。
【0046】
<ライナー>
ライナー1としては
図6に示すような複数の凸部と、該凸部と該凸部との間に形成される凹部とを有し、その凹凸の形状が三角形状であり、該凸部と該凸部との繰り返し距離が3mmであり、該凹部の深さhが3.0mmであり、ライナーの高さが50mmであった。ライナー2としては、ライナー1の凹凸面を無くし表面を平滑にしたものを用いた。
【0047】
<実施例1に用いる分級ローター1-1~1-10>
本実施例1に用いる分級ローター1-1は
図1に示す形状である。第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に、前記第二の羽根群に含まれる羽根を1枚配置した。L1は82mm、L2は57mm、L3は82mm、L4は70mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。
また、分級ローター1-2~分級ローター1-5に関して、分級ローター1-1と異なる点を表1に示した。
分級ローター1-6は
図7に示す形状である。第二の羽根群に含まれる羽根の形状を、分級ローター外側の厚みが分級ローター内側の厚みより大きくなるようにし、羽根同士の対向面が平行となるように調節した。
分級ローター1-7は
図8に示す形状である。第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に、前記第二の羽根群に含まれる羽根を2枚配置した。L1は82mm、L2は57mm、L3は82mm、L4は70mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。また、分級ローター1-8及び1-9に関して、分級ローター1-7と異なる点を表1に示した。
分級ローター1-10は
図13に示す形状である。分級ローター1-10については、第二の羽根群の形状に含まれる羽根を、分級ローター外側の厚みが分級ローター内側の厚みより大きくなるようにし、羽根同士の対向面が平行となるように、分級ローター1-8を調節した。
【0048】
<比較例1に用いる比較ローター1-1~1-9>
比較例1に用いる比較ローター1-1は
図9に示す形状であり、L1は82mm、L2は57mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。
比較ローター1-2、1-3については比較ローター1-1と異なる点を表1に示した。
また、比較ローター1-4~1-7については分級ローター1-1と異なる点を表1に示した。
比較ローター1-8及び1-9については分級ローター1-7と異なる点を表1に示した。
【0049】
【0050】
<実施例1>
トナー用分級装置に実施分級ローター1-1及びライナー2を取り付け、分級ローター回転数8000rpm、分散ローター回転数7000rpm、ブロワ風量6.0m3/min、分級サイクル60sec(被分級粒子投入時間10sec、分級処理時間30sec、処理後分級粒子回収時間20sec)、トナー用粉砕粒子1を被分級粒子として、1サイクルあたりの被分級粒子投入量200gの条件で、60サイクル分級処理することでトナー1-1を得た。また、表2に示すように条件を変更することによってトナー1-2~1-10及び比較トナー1―1~1-9を得た。
さらに、上述の測定手段によって、トナー1-1~1-11及び比較トナー1―1~1-10の重量平均粒径D4、3μm以下個数%および平均円形度を測定した。また、被分級粒子の投入量(200g×60サイクル)と得られたトナーの質量から分級収率を求め、評価結果を表2にまとめた。
また、各々の分級条件における、被分級粒子投入前(空運転時)の分級ローター出口側静圧を分級ローター入口側静圧から差し引き、分級ローター前後のΔ静圧を算出した。
【0051】
<評価1-1:収率の評価基準>
A:収率75.0%以上
B:収率65.0%以上、75.0%未満
C:収率55.0%以上、65.0%未満
D:収率55.0%未満
【0052】
<評価1-2:分級ローター前後のΔ静圧の評価基準>
A:4.80kPa未満
B:4.80kPa以上、5.00kPa未満
C:5.00kPa以上、5.20kPa未満
D:5.20kPa以上
【0053】
<評価1-3:3μm以下個数%の評価基準>
A:10.0個数%未満
B:10.0個数%以上、15.0個数%未満
C:15.0個数%以上、20.0個数%未満
D:20.0個数%以上
【0054】
<総合評価>
A:評価1-1~1-3においてすべての項目がAランクであった(非常に優れている)B:評価1-1~1-3の最低項目においてBランクが1項目でもあった(優れている)C:評価1-1~1-3の最低項目においてCランクが1項目でもあった
D:評価1-1~1-3においてDランクが1項目でもあった(本開示では許容できない)
【0055】
<参考評価:平均円形度>
A:平均円形度 0.960以上(良好である)
B:平均円形度 0.960未満
【0056】
【0057】
<実施例2に用いる分級ローター2-1~2-10>
本実施例2に用いる分級ローター2-1は
図2に示す形状である。回転中心と第一の羽根の回転中心側端部とを結ぶ直線と、羽根の回転中心側端部と外側端部とを結ぶ直線とのなす角θは60°であった。第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に、前記第二の羽根群に含まれる羽根を1枚配置した。L1は82mm、L2は57mm、L3は82mm、L4は70mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。
また、分級ローター2-1~2-8に関して、分級ローター2-1と異なる点を表3に示した。
分級ローター2-9は
図10に示す形状である。第二の羽根群に含まれる羽根の形状を、分級ローター外側の厚みが分級ローター内側の厚みより大きくなるようにし、羽根同士の対向面が平行となるように調節した。
分級ローター2-10は
図11に示す形状である。第一の羽根群に含まれる隣り合う2枚の羽根の間に、前記第二の羽根群に含まれる羽根を2枚配置した。L1は82mm、L2は57mm、L3は82mm、L4は73mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。
【0058】
<比較例2に用いる比較ローター2-1~2-6>
比較例2に用いる比較ローター2-1は
図12に示す形状であり、L1は82mm、L2は57mm、分級ローターの開口部の高さ88mmであった。
比較ローター2-2については、比較ローター2-1と異なる点を表3に示した。
また、比較ローター2-3~2-6については、分級ローター2-1と異なる点を表3
に示した。
【0059】
【0060】
<実施例2>
トナー用分級装置に実施分級ローター2-1及びライナー2を取り付け、分級ローター回転数9000rpm、分散ローター回転数7000rpm、ブロワ風量10m3/min、分級サイクル60sec(被分級粒子投入時間10sec、分級処理時間30sec、処理後分級粒子回収時間20sec)、トナー用粉砕粒子2を被分級粒子として、1サイクルあたりの被分級粒子投入量200gの条件で、60サイクル分級処理することでトナー2-1を得た。また、表4に示すように条件を変更することによってトナー2-2~2-11及び比較トナー2―1~2-7を得た。
さらに、上述の測定手段によって、トナー2-1~2-11及び比較トナー2―1~2-7の重量平均粒径D4、3μm以下個数%および平均円形度を測定した。また、被分級粒子の投入量(200g×60サイクル)と得られたトナーの質量から分級収率を求め、評価結果を表4にまとめた。
また、各々の分級条件における、被分級粒子投入前(空運転時)の分級ローター入口側静圧を分級ローター出口側静圧から差し引き、分級ローター前後のΔ静圧を算出した。
【0061】
<評価2-1:収率の評価基準>
A:収率70.0%以上
B:収率60.0%以上、70.0%未満
C:収率50.0%以上、60.0%未満
D:収率50.0%未満
【0062】
<評価2-2:分級ローター前後のΔ静圧の評価基準>
A:7.40kPa未満
B:7.40kPa以上、7.70kPa未満
C:7.70kPa以上、8.00kPa未満
D:8.00kPa以上
【0063】
<評価2-3:3μm以下個数%の評価基準>
A:10.0個数%未満
B:10.0個数%以上、15.0個数%未満
C:15.0個数%以上、20.0個数%未満
D:20.0個数%以上
【0064】
<総合評価>
A:評価2-1~2-3においてすべての項目がAランクであった(非常に優れている)B:評価2-1~2-3の最低項目においてBランクが1項目でもあった(優れている)C:評価2-1~2-3の最低項目においてCランクが1項目でもあった
D:評価2-1~2-3においてDランクが1項目でもあった(本開示では許容できない)
【0065】
<参考評価:平均円形度>
A:平均円形度 0.960以上(良好である)
B:平均円形度 0.960未満
【0066】
【符号の説明】
【0067】
11.第一の羽根、12.第二の羽根、13.分級ローター枠体上部、14.分級ローター枠体下部、31.分級ローター、32.分散ローター、33.分散ハンマー、34.被分級粒子投入口、35.被分級粒子供給手段、36.案内手段、37.分級物抜取り口、38.ライナー、39.微粉排出口、40.微粉回収手段(サイクロン)、41.ブロワ、42.静圧計、51.案内手段支持部材