(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】感光性フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス及び関連方法
(51)【国際特許分類】
G02C 11/00 20060101AFI20240826BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20240826BHJP
G02C 7/10 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
G02C11/00
G02C7/04
G02C7/10
(21)【出願番号】P 2020567032
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 IB2020054586
(87)【国際公開番号】W WO2020230085
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-11
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】カーニック・エドワード・アール
(72)【発明者】
【氏名】コぺス・マイケル・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ファドリ・ゾラ
(72)【発明者】
【氏名】ソノダ・レイラニ・ケアヒ
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-203414(JP,A)
【文献】特開2018-205755(JP,A)
【文献】特表2011-530779(JP,A)
【文献】米国特許第10101599(US,B1)
【文献】特開2018-124543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 11/00
G02C 7/04
G02C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼に装着されていないフォトクロミックコンタクトレンズを非暗色化状態から暗色化状態への変化を実演する、又は前記暗色化状態から前記非暗色化状態への変化を実演する、コンタクトレンズ実演デバイスであって、
ハウジングと、
コンタクトレンズ領域を含む前記ハウジングの内面を形成する前記ハウジング内に配置された空洞であって、前記コンタクトレンズを受容し、前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、空洞と、
前記ハウジングの外面に配置され、前記コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされた観察窓と、
前記空洞内に配置された照明デバイスであって、前記コンタクトレンズ領域に200~460nmの波長を含む光を放射するように構成されている、照明デバイスと、
前記ハウジング内に配置され、前記照明デバイスに連結された制御回路であって、前記照明デバイスを作動させて、前記コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている、制御回路と、
を備え、
前記観察窓が、前記ハウジングの前記外面上の開口部を含み、前記空洞の前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた前記コンタクトレンズがUV光又はHEV光に暴露されたときに外部から視認可能であり、
加熱素子を含み、前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた加熱回路を更に備え、前記加熱回路が、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成され、
前記制御回路が、前記加熱回路に連結され、前記加熱回路を作動させて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成され、
前記加熱素子が、前記コンタクトレンズ領域内に配置されたドーム形状の金属部品を含み、前記ドーム形状の金属部品が、前記制御回路に電気的に結合されている、コンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項2】
前記照明デバイスが、400~450nmの波長を含む光を放射するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項3】
前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結されたスイッチを更に備え、前記制御回路が、前記スイッチの作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記200~460nmの波長を含む光を放射するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項4】
前記加熱回路が、前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に少なくとも35℃の熱を発生させるように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項5】
前記加熱回路が、前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に48~57℃の熱を発生させるように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項6】
前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された温度センサを更に備え、前記温度センサが、前記コンタクトレンズ領域内の温度を表す温度信号を生成するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項7】
前記制御回路が、前記温度信号に基づいて、前記加熱回路の作動を調節して、前記コンタクトレンズ領域内の前記温度を規定温度閾値に維持するように更に構成されている、請求項6に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項8】
前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された電池を更に備え、前記電池が、前記制御回路に電力を供給するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングの前記外面に配置された電池充電ポートを更に備え、
前記制御回路が、前記電池充電ポートに連結された充電管理回路を更に備え、前記充電管理回路が、前記電池充電ポートに接続された外部電源から前記電池を充電するように構成されている、
請求項8に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項10】
前記空洞が、コンタクトレンズパッケージを受容し、前記コンタクトレンズパッケージ内の前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されることによって、前記コンタクトレンズを受容するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項11】
前記空洞が、前記ハウジング内に配置されたスロットを含み、前記スロットが、前記ハウジングの前記外面に前記開口部を形成する遠位端と、前記遠位端から距離を置いて配置された前記ハウジング内の近位端とを含み、前記スロットが、前記コンタクトレンズ領域を含む前記ハウジングの前記内面を形成し、前記スロットが、前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項12】
前記スロットが、前記コンタクトレンズを含むコンタクトレンズパッケージを前記開口部を通じて受容し、前記コンタクトレンズパッケージ内の前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、請求項11に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項13】
前記ハウジングが、カバーと、基部と、を備え、前記カバーが、前記基部の周囲で開放され、前記基部上で閉鎖されて前記空洞を形成するように構成され、前記カバーが前記基部の周囲で開放されると、前記空洞が前記コンタクトレンズを受容するように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項14】
前記制御回路が、前記スイッチの前記作動に応答して、前記加熱回路を作動させて前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように更に構成されている、
請求項3に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項15】
前記制御回路が、前記照明デバイスを作動させ、前記スイッチの前記作動後に規定初期化期間にわたって前記加熱回路を作動させるように構成されている、請求項14に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項16】
前記制御回路が、前記スイッチの再作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記200~460nmの波長を含む光を放射するように構成されている、請求項14に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項17】
前記制御回路が、前記スイッチの前記再作動に応答して、前記加熱回路を作動させ続けて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成されている、請求項16に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項18】
前記空洞が、前記内面の上方に配置され、前記観察窓に隣接する第2の内面を更に画定し、
前記第2の内面に取り付けられた照明レンズを更に備え、前記照明レンズが、前記照明デバイスを備える、
請求項1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項19】
前記照明レンズが、前記開口部を有する円形状の前記ハウジングを備え、前記開口部が前記観察窓と軸方向に位置合わせされている、請求項18に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【請求項20】
患者の眼に挿入されていないときの、非暗色化状態から暗色化状態へのフォトクロミックコンタクトレンズの変化を実演する、又は前記暗色化状態から前記非暗色化状態への変化を実演する、方法であって、
前記コンタクトレンズをハウジング内に配置された空洞内に挿入して、前記コンタクトレンズを、前記ハウジング内のコンタクトレンズ領域と、前記コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされた前記ハウジングの外面に配置された観察窓とに位置合わせすることであって、前記観察窓が、前記ハウジングの前記外面上の開口部を含み、前記空洞の前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた前記コンタクトレンズがUV光又はHEV光に暴露されたときに外部から視認可能である、位置合わせすることと、
前記空洞内に配置された照明デバイスに結合された制御回路を作動させることと、
前記制御回路の前記作動に応答して、前記制御回路によって前記照明デバイスを作動させて、前記照明デバイスに、前記コンタクトレンズ領域に200~460nmの波長を含む光を放射させて、規定実演期間にわたって前記コンタクトレンズを前記200~460nmの波長を含む光に曝露することと、
前記制御回路が、前記制御回路の前記作動に応答して、加熱素子を含む加熱回路を作動させて、前記コンタクトレンズ領域内に配置されたドーム形状の金属部品を含む前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させることと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記制御回路が、前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された温度センサによって生成される前記コンタクトレンズ領域内の温度を表す温度信号に基づいて、前記加熱回路を調節して、前記コンタクトレンズ領域内の前記温度を規定温度に制御することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記加熱素子が、前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結されたスイッチの前記作動に応答して、前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記制御回路が、前記スイッチの前記作動後に規定初期化期間にわたって前記加熱回路を作動させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記制御回路が、前記スイッチの再作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記200~460nmの波長を含む光を放射することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記制御回路が、前記スイッチの前記再作動に応答して、前記加熱回路を作動させ続けて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させることを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行される複数のコンピュータ実行可能命令を含む命令プログラムを記憶して、前記プロセッサに、
照明デバイスを作動させて、前記照明デバイスに、ハウジングの空洞内に配置されたコンタクトレンズ領域
に200~460nmの波長を含む光を放射させて、規定実演期間にわたって、前記空洞内に挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズを前記200~460nmの波長を含む光に曝露し、
制御回路が、前記制御回路の作動に応答して、加熱素子を含む加熱回路を作動させて、前記コンタクトレンズ領域内に配置されたドーム形状の金属部品を含む前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、コンタクトレンズに関し、より具体的には、紫外(UV)光及び/又は高エネルギー可視(HEV)光への曝露によって活性化されるときに、透明な非暗色化状態から暗色化状態に変化するように構成されたフォトクロミックコンタクトレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
「トランジションズ」レンズとも呼ばれるフォトクロミックレンズを有する眼鏡が存在する。フォトクロミックレンズは、紫外(UV)光及び/又は高エネルギー可視(HEV)光への曝露に反応して、暗色化する材料を含む。レンズ暗色化の反応は、眼に有害であり得るUVA及び/又はUVB放射の遮断を含む、可視光スペクトル全体にわたりフィルタをかける役割を果たす。塩化銀又はハロゲン化銀に依存する最も旧式のガラスフォトクロミックレンズは、UV光に反応して暗色化する。今日のフォトクロミックレンズは、(例えば、クライゼン転位を介して)化学反応し、化学構造を開放平衡状態にシフトさせる化合物を使用して、UV光及び/又はHEV光の強度及び波長、並びに熱条件に基づいてレンズを暗色化する。光の曝露が除かれると、化合物は閉鎖平衡状態へとシフトし、フォトクロミックレンズを通常の透明な非暗色化状態に戻す。
【0003】
ソフトコンタクトレンズは、
1980年代から入手可能である。
近年、ソフトコンタクトレンズは、UV光及び/又はHEV光への曝露に応答して適合し
暗色化するフォトクロミック材料を含む
Transitions(商標)を備えた商品名ACUVUE(登録商標)OASYS
としてJohnson&Johnson Vision Care,Inc.によって設計されている。このフォトクロミックコンタクトレンズの一例は、「
PHOTOCHROMIC MATERIALS HAVING EXTENDED PI-CONJUGATED SYSTEMS AND
COMPOSITIONS AND ARTICLES INCLUDING THE SAME」と題する米国特許出願公開
第2014/0225049号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらのフォトクロミックコンタクトレンズは、
コンタクトレンズを装用する患者に対して、煩わしい光を低減するという恩恵を享受する機会を提供する。
図1Aは、個々のコンタクトレンズパッケージ102内
に、Johnson&Johnson Vision
Care,Inc.製のTransitionsTM(フォトクロミック)ソフトコンタクトレンズ100を有する
パッケージ入りACUVUE(登録商標)OASYSの
図である。
図1Bは、
通常の非暗色化状態にあるフォトクロミックソフトコンタクトレンズ100N
と、UV光及び/又はHEV光への曝露後の暗色化状態にある別のフォトクロミックソフトコンタクトレンズ100Tの
図である。
【0004】
典型的には、組成物又は物品に組み込まれたときに所望の光学効果を達成するために必要なフォトクロミック材料の量は、フォトクロミック材料が1分子当たりに吸収する化学線の量に部分的に依存する。すなわち、フォトクロミック材料が1分子当たりに吸収する化学線の量が多いほど、フォトクロミック材料が閉鎖形態から開放形態に変換される可能性が高くなる(すなわち、確率が高くなる)。化学線に対する比較的高いモル吸収係数(又は「吸光係数」)を有するフォトクロミック材料を使用して作製されるフォトクロミック組成物及び物品は、一般に、所望の光学的効果を達成しながらも、比較的低いモル吸収係数を有するフォトクロミック材料よりも低い濃度で材料を使用することができる。
【0005】
上述のように、フォトクロミックレンズからUV/HEV露光が除かれると、レンズは通常の非暗色化状態に戻る。フォトクロミックレンズに使用されるフォトクロミック材料は、UV光に曝露されると非暗色化状態から暗色化状態に調整する。フォトクロミックの熱感度により、暗色化状態から非暗色化状態へと遷移する退色速度は、周囲温度に比べ体温下の方が高速であり、このことは本質的に暗色化レベルに影響を及ぼす。例えば、フォトクロミックレンズは、レンズが室温にあるとき、UV光に曝露されると、通常の非暗色化状態から高暗色化状態へと変化し得る。その後、フォトクロミックレンズがゆっくりと非暗色化状態へと退色し得るのに対して、フォトクロミックレンズが眼の温度(すなわち、体温)で角膜と接触している場合には、光に曝露されたときにレンズはさほど暗色化されず、よって、非暗色化状態へと大幅に速く退色する。これにより、購入候補の患者に対する、医師又は他の技術者による眼上性能を表すフォトクロミックコンタクトレンズの実演が、非現実的な暗色レベル及びゆるやかな退色速度のために困難になる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される態様は、感光性フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス、及びその関連方法を含む。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、屋外に出てレンズを太陽光に曝露させる必要なく、通常の非暗色化(例えば、透明な)状態から暗色化状態へのフォトクロミックコンタクトレンズの適合の容易かつ簡便な実演を行うのに役立つ。例えば、医師又は技術者が、フォトクロミックコンタクトレンズを購入する患者の決定の一環として、オフィス環境におけるフォトクロミックコンタクトレンズの変化を患者に対して実演できることを望む場合がある。フォトクロミックコンタクトレンズは、紫外(UV)光及び/又は高エネルギー可視(HEV)光への曝露の作用として、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化する。
【0007】
したがって、本明細書に開示される例示的態様では、フォトクロミックコンタクトレンズの変化の簡便かつ効率的な実演を提供するために、本明細書に開示される実施例では、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演されたフォトクロミックコンタクトレンズをUV/HEV光に曝露するための発光デバイスを含むコンタクトレンズ実演デバイスとして提供される。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演されるパッケージ入りフォトクロミックコンタクトレンズを受容するように構成された空洞を含む。本明細書に開示される実施例では、空洞は、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズが損傷から保護し、かつ実演後にコンタクトレンズを廃棄しなくてもすむように、パッケージ入りフォトクロミックコンタクトレンズを受容することができる大きさを有する。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは観察窓を含み、人はその観察窓から、空洞内に完全に配置された状態のコンタクトレンズを見て、非暗色化状態から暗色化状態へのコンタクトレンズの変化を観察することができる。挿入されたコンタクトレンズを、実演プロセスにおいて非暗色化状態(例えば、透明)から暗色化状態に変化させるために、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス内の制御回路は、UV/HEV発光デバイスに、フォトクロミックコンタクトレンズに対してUV/HEV光を放射させるように構成されている。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの空洞は、コンタクトレンズをUV/HEV光と位置合わせして、発光素子が作動されたときにコンタクトレンズがUV/HEV光に曝露されるように設計されている。フォトクロミックコンタクトレンズのUV/HEV光への一定期間の曝露後、フォトクロミックコンタクトレンズは、非暗色化状態から暗色化状態に変化し、その変化は観察窓を通じて見ることができる。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、一定期間後にUV/HEV光を停止してフォトクロミックコンタクトレンズを非暗色化状態に戻すことで、非暗色化状態から暗色化状態に変化し、その後、非暗色化状態に戻る変化全体を実演するように更に構成されている。
【0008】
一般に、フォトクロミックレンズに使用されるフォトクロミック材料は、低い周囲温度でUV/HEV光に曝露されたときよりも、体温でUV/HEV光に曝露されたときに、より迅速に非暗色化状態から暗色化状態へと変化する。換言すれば、非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックレンズの変色速度は、低い周囲温度よりも体温下の方が速い。したがって、フォトクロミック材料は、元々、UV/HEV光に曝露されるとき、周囲温度に比べて体温においてはさほど暗色化されないため、フォトクロミック材料は、所与の期間にわたってUV/HEV光への曝露が除かれた後、低い周囲温度に比べて体温の方が暗色化状態から非暗色化状態へとより迅速に戻ることになる。しかしながら、実演中に、フォトクロミックコンタクトレンズは、体温で患者に装着されない。
【0009】
したがって、本明細書に開示される他の例示的態様では、眼の温度において患者の眼に装着されているフォトクロミックコンタクトレンズをシミュレートして、暗色化状態から非暗色化状態に戻るフォトクロミックコンタクトレンズの変化をより迅速に実演するために、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズを加熱し、その温度を上昇させる任意の加熱回路も含むことができる。この点に関して、本明細書で論じる例では、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、実演プロセス中に加熱回路を作動させて加熱素子を作動し、実演デバイスに挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズを加熱するように更に構成することができる。加熱回路は、効果的な伝熱のために空洞内に配置されたときに、加熱素子がフォトクロミックコンタクトレンズに近接して配置された状態で、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスのアセンブリ内に配置される。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、フォトクロミックコンタクトレンズをUV/HEV光に曝露する発光デバイスの作動前及び/又は作動中に、加熱回路を作動させるように構成されている。これにより、フォトクロミックコンタクトレンズが調節されて、フォトクロミックコンタクトレンズは、UV/HEV光に曝露されたとき、加熱されなかった場合に生じる状態よりも暗色化されていない状態に変化する。このため、フォトクロミックコンタクトレンズは、UV/HEV光に曝露されなくなったときに、暗色化状態から非暗色化状態へより迅速に変化することができる。トランジションズコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路はまた、発光デバイスの停止後、一定期間加熱回路を作動させたままにして、フォトクロミックコンタクトレンズを暗色化状態から非暗色化状態により迅速に戻すように構成されてもよい。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、発光デバイスの停止後、一定期間作動された加熱回路を停止するように構成されている。
【0010】
これに関して、例示的な一態様では、コンタクトレンズ実演デバイスが提供される。コンタクトレンズ実演デバイスは、ハウジングを備える。コンタクトレンズ実演デバイスは、ハウジング内に配置され、コンタクトレンズ領域を含むハウジング内の内面を形成する空洞も備える。空洞は、コンタクトレンズを受容し、コンタクトレンズをコンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている。コンタクトレンズ実演デバイスは、ハウジングの外面に配置され、コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされた観察窓も備える。コンタクトレンズ実演デバイスは、空洞内に配置された照明デバイスも備える。照明デバイスは、コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている。コンタクトレンズ実演デバイスは、ハウジング内に配置され、照明デバイスに連結された制御回路も備える。制御回路は、照明デバイスを作動させて、コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている。
【0011】
別の例示的な態様では、眼に挿入されていないときの、非暗色化状態から暗色化状態へのフォトクロミックレンズの変化を実演する方法が提供される。本方法は、コンタクトレンズをハウジング内に配置された空洞内に挿入して、コンタクトレンズを、ハウジング内のコンタクトレンズ領域と、コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされたハウジングの外面に配置された観察窓とに位置合わせすることを含む。本方法は、空洞内に配置された照明デバイスに結合された制御回路を作動させることを更に含む。本方法は、制御回路の作動に応答して、制御回路によって照明デバイスを作動させて、照明デバイスに、コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射させて、規定実演期間にわたってコンタクトレンズをUV光又はHEV光に曝露することを更に含む。
【0012】
別の例示的態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が、プロセッサによって実行される複数のコンピュータ実行可能命令を含む命令プログラムを記憶して、プロセッサに、照明デバイスを作動させて、照明デバイスに、ハウジングの空洞内に配置されたコンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射させて、規定実演期間にわたって、空洞内に挿入されたコンタクトレンズをUV光又はHEV光に曝露させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】Johnson&Johnson Vision Care,Inc
.製のパッケージ入りACUVUE(登録商標)ソフトコンタクトレンズの図である。
【
図1B】
非暗色化状態にあるフォトクロミックコンタクトレンズと、紫外(UV)光及び/又は高エネルギー可視(HEV)光への曝露後の暗色化状態にある別のフォトクロミックコンタクトレンズの
図である。
【
図2A】
パッケージ入りコンタクトレンズを受容し、UV及び/又はHEV照明デバイス及び観察窓と位置合わせして、加熱回路の加熱素子に近接して配置するように構成されたスロットの形態の空洞を含む、例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの左側面斜視図で
あり、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を
加えるための照明デバイス及び加熱回路を作動させる制御回路を含み、
通常の非暗色化状態から暗色化状態へ変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す。
【
図2B】
図2Aのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの上面図であり、
パッケージ入りコンタクトレンズは、スロット内に完全に挿入され、
フォトクロミッ
クコンタクトレンズ実演デバイスの照明デバイス及び加熱素子と位置合わせされて、デバイスのコンタクトレンズ領域内に配置されている。
【
図2C】
図2Aのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの正面図であり、パッケージ入りコンタクトレンズはスロットに挿入されていない。
【
図2D】
内面と、内面上のコンタクトレンズ領域とを提供する内部構成要素の上面図であり、コンタクトレンズ領域は、コンタクトレンズ領域に隣接してハウジング内に
配置される加熱素子用の開口部を有している。
【
図2E】
図2Aのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスのハウジングのカバーの底面図である。
【
図3】
パッケージ入りコンタクトレンズ内のコンタクトレンズの変化を実演するための、図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス内の制御回路によって制御される例示的な実演プロセスを示す図であり、
挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズを照明及び加熱して、通常の非暗色化状態から暗色化状態へ、次いで通常の非暗色化状態へ戻し、フォトクロミックコンタクトレンズの有効性を実演する
。
【
図4A】フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの待機動作モード
での図3の実演プロセスの第1の工程における、
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
左上斜視図である。
【
図4B】フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの待機動作モード
での図3の実演プロセスの第1
の工程における、
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
左上斜視図である。
【
図4C】
図3の実演プロセスの第2及び第3の工程における
パッケージ入りコンタクトレンズの可視光
での照明中の、
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの上面図であり、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの加熱動作モードを示す。
【
図4D】
図3の実演プロセスの第4の工程における
パッケージ入りコンタクトレンズのUV/HEV光
での照明中の、
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの上面図であり、
フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスのレンズ実演動作モードで、コンタクトレンズは通常の非暗色化状態にある。
【
図4E】
図3の実演プロセスの第5の工程における
パッケージ入りコンタクトレンズのUV/HEV光
での照明中の、
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの上面図であり、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
レンズ実演動作モードで、コンタクトレンズは暗色化状態にある。
【
図5】UV/HEV及び/又は可視光を放射するように構成された照明デバイス
と、加熱素子に接続された加熱回路と、に連結された制御回路を含む、
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
電気的概略図であり、制御回路は、状態マシンを実行して
図3の実演プロセスを実行し、加熱回路に
は加熱素子を制御し、照明回路にはUV/HEV及び/又は可視光の
放出を制御するように指示するように構成されている。
【
図6】
図5の加熱回路として
採用され得る加熱回路の、より詳細な例示的な電気的概略図である。
【
図7】
図5の照明デバイスとして
採用され得る照明回路の
、より詳細な例示的な概略図である。
【
図8】
図3のフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの実演プロセスの例示的な動作モード、及び各動作モードにおけるフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス内の
各種デバイスの状態を示す図表である。
【
図9】
図3の実演プロセスにおける
各種動作モード中の、
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス内の可視及び照明デバイスの例示的な状態を示す
表である。
【
図10A】
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス
と、充電ケーブル及び電力変換器を
取り付けた及び取り付けていない構造で有する例示的な
構成要素と、を示す図である。
【
図10B】
図2A~
図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス
と、充電ケーブル及び電力変換器を
取り付けた及び取り付けていない構造で有する例示的な
構成要素と、を示す図である。
【
図11】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの例示的な電池充電プロセスを示す
図である。
【
図13A-1】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
完全かつ部分上面図である。
【
図13A-2】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの
完全かつ部分上面図である。
【
図13B】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの正面図
である。
【
図13C】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの右側面図
である。
【
図13D】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの左側面図
である。
【
図13E】
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの底面図
である。
【
図14A】加熱回路と、加熱回路に
連結され、
図7のコントローラ回路に接続されるように構成されたリボンインターフェースケーブルを有する回路基板上に
搭載された
加熱素子と、を含むヒータアセンブリの上面図及び底面図である。
【
図14B】加熱回路と、加熱回路に
連結され、
図7のコントローラ回路に接続されるように構成されたリボンインターフェースケーブルを有する回路基板上に
搭載された
加熱素子と、を含むヒータアセンブリの上面図及び底面図である。
【
図15A】
図14A及び14
Bの加熱回路及びその加熱素子を含むヒータアセンブリの分解図である。
【
図15B】
図14A及び
図14Bのヒータアセンブリの回路
基板に搭載されるように構成された組付け済みの加熱素子の底面図である。
【
図16A】2つの
観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図
であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させて
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す
ことができる。
【
図16B】2つの
観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図
であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させて
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す
ことができる。
【
図16C】
2つの観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された別の例示的なフォトクロミックコンタク
トレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すことができる。
【
図17A】
2つの観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された、開放及び閉鎖構成の別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図
であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すことができる。
【
図17B】
2つの観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された、開放及び閉鎖構成の別の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すことができる。
【
図18A】
2つの観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された、開放及び閉鎖構成の別の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すことができる。
【
図18B】
2つの観察窓と位置合わせされた2つのパッケージ入りコンタクトレンズを受容し、位置合わせするように構成された、開放及び閉鎖構成の別の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含むことで、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すことができる。
【
図19A】
観察窓、並びに図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含む他の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す。
【
図19B】
観察窓、並びに図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含む他の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す。
【
図19C】
観察窓、並びに図2A~図2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの回路及びデバイスなどのような回路及びデバイスを含む他の例示的なフォ
トクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの図であり、この実演デバイスは、照明デバイス及び加熱回路を作動させてパッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、本開示のいくつかの例示的な態様について説明する。「例示的な」という文言は、本明細書では、「実例、事例、又は例証としての役割を果たす」を意味する。本明細書で「例示的な」として記載される任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0015】
本明細書に開示される態様は、感光性フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス、及びその関連方法を含む。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、屋外に出てレンズを太陽光に曝露させる必要なく、通常の非暗色化(例えば、透明な)状態から暗色化状態へのフォトクロミックコンタクトレンズの適合の容易かつ簡便な実演を行うのに役立つ。例えば、医師又は技術者が、フォトクロミックコンタクトレンズを購入する患者の決定の一環として、オフィス環境におけるフォトクロミックコンタクトレンズの変化を患者に対して実演できることを望む場合がある。フォトクロミックコンタクトレンズは、紫外(UV)光及び/又は高エネルギー可視(HEV)光への曝露の作用として、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化する。
【0016】
したがって、本明細書に開示される例示的態様では、フォトクロミックコンタクトレンズの変化の簡便かつ効率的な実演を提供するために、本明細書に開示される実施例では、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演されたフォトクロミックコンタクトレンズをUV/HEV光に曝露するための発光デバイスを含むコンタクトレンズ実演デバイスとして提供される。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演されるパッケージ入りフォトクロミックコンタクトレンズを受容するように構成された空洞を含む。本明細書に開示される実施例では、空洞は、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズが損傷から保護し、かつ実演後にコンタクトレンズを廃棄しなくてもすむように、パッケージ入りフォトクロミックコンタクトレンズを受容することができる大きさを有する。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは観察窓を含み、人はその観察窓から、空洞内に完全に配置された状態のコンタクトレンズを見て、非暗色化状態から暗色化状態へのコンタクトレンズの変化を観察することができる。挿入されたコンタクトレンズを、実演プロセスにおいて非暗色化状態(例えば、透明)から暗色化状態に変化させるために、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス内の制御回路は、UV/HEV発光デバイスに、フォトクロミックコンタクトレンズに対してUV/HEV光を放射させるように構成されている。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの空洞は、コンタクトレンズをUV/HEV光と位置合わせして、発光素子が作動されたときにコンタクトレンズがUV/HEV光に曝露されるように設計されている。フォトクロミックコンタクトレンズのUV/HEV光への一定期間の曝露後、フォトクロミックコンタクトレンズは、非暗色化状態から暗色化状態に変化し、その変化は観察窓を通じて見ることができる。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、一定期間後にUV/HEV光を停止してフォトクロミックコンタクトレンズを非暗色化状態に戻すことで、非暗色化状態から暗色化状態に変化し、その後、非暗色化状態に戻る変化全体を実演するように更に構成されている。
【0017】
一般に、フォトクロミックレンズに使用されるフォトクロミック材料は、低い周囲温度でUV/HEV光に曝露されたときよりも、体温でUV/HEV光に曝露されたときに、より迅速に非暗色化状態から暗色化状態へと変化する。換言すれば、非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックレンズの変色速度は、低い周囲温度よりも体温下の方が速い。したがって、フォトクロミック材料は、元々、UV/HEV光に曝露されるとき、周囲温度に比べて体温においてはさほど暗色化されないため、フォトクロミック材料は、所与の期間にわたってUV/HEV光への曝露が除かれた後、低い周囲温度に比べて体温の方が暗色化状態から非暗色化状態へとより迅速に戻ることになる。しかしながら、実演中に、フォトクロミックコンタクトレンズは、体温で患者に装着されない。
【0018】
したがって、本明細書に開示される他の例示的態様では、眼の温度において患者の眼に装着されているフォトクロミックコンタクトレンズをシミュレートして、暗色化状態から非暗色化状態に戻るフォトクロミックコンタクトレンズの変化をより迅速に実演するために、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズを加熱し、その温度を上昇させる任意の加熱回路も含むことができる。この点に関して、本明細書で論じる例では、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、実演プロセス中に加熱回路を作動させて加熱素子を作動し、実演デバイスに挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズを加熱するように更に構成することができる。加熱回路は、効果的な伝熱のために空洞内に配置されたときに、加熱素子がフォトクロミックコンタクトレンズに近接して配置された状態で、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスのアセンブリ内に配置される。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、フォトクロミックコンタクトレンズをUV/HEV光に曝露する発光デバイスの作動前及び/又は作動中に、加熱回路を作動させるように構成されている。これにより、フォトクロミックコンタクトレンズが調節されて、フォトクロミックコンタクトレンズは、UV/HEV光に曝露されたとき、加熱されなかった場合に生じる状態よりも暗色化されていない状態に変化する。このため、フォトクロミックコンタクトレンズは、UV/HEV光に曝露されなくなったときに、暗色化状態から非暗色化状態へより迅速に変化することができる。トランジションズコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路はまた、発光デバイスの停止後、一定期間加熱回路を作動させたままにして、フォトクロミックコンタクトレンズを暗色化状態から非暗色化状態により迅速に戻すように構成されてもよい。フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスの制御回路は、発光デバイスの停止後、一定期間作動された加熱回路を停止するように構成されている。
【0019】
図2A~2Eは、実演目的のために、
通常の非暗色化状態から暗色化状態へのフォトクロミックコンタクトレンズの変化を実演することができるフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス200(「実演デバイス200」とも呼ばれる)の一例を示す。以下でより詳細に説明するように、実演デバイス200は、
制御回路の制御下で、フォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス200に設置されたフォトクロミックコンタクトレンズにUV光及び/又はHEV光を放射
し、フォトクロミックコンタクトレンズを通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化させる照明デバイスを含む。実演デバイス200は、フォトクロミックコンタクトレンズをUV及び/又はHEV光に曝露してフォトクロミックコンタクトレンズを正常
な非暗色化状態から暗色化状態に変化させ、次に、UV光及び/又はHEV光への曝露を
停止して暗色化状態から非暗色化状態へと変化させる各種動作モードにおいて、自動実演プロセスを実行するように構成することができる。
【0020】
この点に関し、
図2Aは、例示的な実演デバイス200の左側面斜視図
である。実演デバイス200は、制御回路204及び照明デバイス206を含む
構成要素を内部に収容するように構成されたハウジング202を含み、これらの構成要素は、コンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100をUV/HEV光に曝露して、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
非暗色化状態から暗色化状態に変化させる自動実演プロセスを実行するように構成されている。
図2Aに示されるように、本実施例のスロット208の形態の空洞207は、
実演デバイス200のハウジング202内に配置され、図2Bの実演デバイス200の上面図に示されるように、挿入されたコンタクトレンズパッケージ102を受容するように構成
されている。図2Cは、
実演デバイス200の正面図であり、スロット208を更に示すためにコンタクトレンズパッケージ102がスロット208に挿入されていない。スロット208は、ハウジング202の基部212に固定的に取り付けられたハウジング202のカバー
210に形成され、フォトクロミックコンタクトレンズ100及び/又はコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100を受容するための内部チャンバ214を形成する。例えば、カバー210及び基部212は、
ネジなどの締結具によって、又は相補的なスロットと係合するように構成された付勢部材などの機械的手段によって一緒に取り付けられてもよい。一実施例では、カバー210及び基部212は、生理食塩水溶液などの外側の液体漏れに対して耐性のあるシールを形成する。スロット208は、
図2B及び2Cに示されるような遠位端216を有する。スロット208は、
図2A~2Cに示されるように、
遠位端216においてコンタクトレンズパッケージ102を受容するようにサイズ決め及び構成された
開口部218をカバー210に形成する。
図2A及び2Bに示されるように、
本実施例では開口部である観察窓220が、カバー210の外面222
に配置され、それにより、スロット208を含む空洞207内に挿入されたコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100を、
完全に挿入され、照明デバイス206によってUV/HEV光に曝露されたときに見ることができる。
図2A及び2Bに示され、以下でより詳細に説明されるように、実演デバイス200は
、制御回路204によって実演プロセスを開始するために押すことができるボタンの形態の外部スイッチ224を含む。
【0021】
図2Dは、ハウジング202の内部チャンバ214の内側に嵌合し、スロット208の底面228を形成する内部構成要素226を示す。スロット208の遠位端216からの内部構成要素226
は、図2Cの実演デバイス200の正面図
にも示されている。
図2Dを参照すると、内部構成要素226は、スロット208の底面228を形成する内面230を提供し、コンタクトレンズパッケージ102がスロット208に完全に挿入されたときにフォトクロミックコンタクトレンズ100が位置合わせされるコンタクトレンズ領域232を提供する。内部構成要素226は
、スロット208の近位端236を形成する後壁234も含む。後壁234と共に内部構成要素226の側壁238A
、238Bは、挿入されたコンタクトレンズパッケージ102が挿入され、
一致させるスロット208の内部空間240を形成する。内部空間240は、スロット208に完全に挿入されたコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100がコンタクトレンズ領域232と軸方向に
位置合わせされるように設計されている。コンタクトレンズ領域232は、
観察窓220と軸方向に位置合わせされる。
よって、スロット208は、フォトクロミックコンタクトレンズ100が実演デバイス200に挿入されたときに見ることができるように、挿入されたコンタクトレンズパッケージ102のフォトクロミックコンタクトレンズ100を
観察窓220と位置合わせする。以下で更に詳細に説明するように、内部構成要素226は
、ハウジング202内に設置された任意の加熱回路244を露出させるように構成されている開口部242も含む。開口部242は、コンタクトレンズ領域232と位置合わせされ、
その下方に位置する。加熱回路244は、開口部242及びコンタクトレンズ領域232と位置合わせされた加熱素子245を含む。このようにして、加熱素子245がコンタクトレンズ領域232
と位置合わせされてその下方に位置することにより、スロット208に挿入されたコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100は、
加熱素子245の真上及び隣接に位置することで、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズ100の周囲温度を上昇させてフォトクロミックコンタクトレンズ100を加熱することができる。前述したように、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、
UV光及び/又はHEV光に曝露されたとき、高温で非暗色化状態から暗色化状態へとより迅速に変化することができる。
本実施例では、加熱素子245は、制御回路204の制御下で電流に結合されて熱を発生させるように構成された
アルミニウム製のドーム形状の構成要素246である。加熱回路244
は、加熱素子245に結合され、制御回路204と相互接続されるプリント回路基板(PCB)247を含む。
【0022】
図2Eは、照明デバイス206の例示的な詳細を示すための、
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス200のハウジング202のカバー210の底面図である。
図2Eに示されるように、
本実施例では、照明デバイス206は、カバー210の内面248に取り付けられる。
本実施例では、照明デバイス206は、
観察窓220の外縁の周りに隣接して形成された円形状PCB254を収容する半透明の円形
状ハウジング252を含む照明レンズ250の形態で提供される。UV/HEV発光ダイオード(LED)256は、PCB254に
搭載される。このように、UV/HEV LED256が制御回路204によって
作動されると、UV/HEV LED256は、
フォトクロミックコンタクトレンズ
100が配置されるコンタクトレンズ領域232に到達するUV光及び/又はHEV光を放射し、コンタクトレンズのパッケージ102がスロット208内に挿入されると、フォトクロミックコンタクトレンズ100はコンタクトレンズ
領域232と観察窓220と位置合わせする。UV光は、10~400nmの波長帯にある。HEV光は、400~450nmの波長帯にある。例えば、UV/HEV LED256は、200~460ナノメートル(nm)、一
実施例では405nmの波長を含む光を
放射するように構成されてもよい。以下でより詳細に説明するように、白色光LEDなどの可視LED258も、PCB254
に搭載され、制御回路204に(例えば、リボンケーブル260を介して)結合することができる。可視LED258は、可視スペクトルの光を放射することができる。制御回路204は、
可視LED258を作動させて、コンタクトレンズ領域232を視認可能に照らすように構成することができる。暗色化状態へ及び暗色化状態からの変色前後のフォトクロミックコンタクトレンズ100を見るために、実演デバイス200のユーザに視覚的インジケータを提供する
だけでなく、コンタクトレンズ領域232に可視照明を提供することが望ましい場合がある。
【0023】
本実施例では、UV/HEV LED256及び可視LED258は、アレイ状に配置される。UV/HEV LED256は、照明レンズ250の周囲で約90度
相互にオフセットされる。この構成により、作動されたときにUV/HEV LED256によって
コンタクトレンズ領域232に放射されるUV/HEV光が均一に分布され、非暗色化状態から暗色化状態へフォトクロミックコンタクトレンズ100を均一に変化させる。同様に、可視LED258は、照明レンズ250の周りで約90度
相互にオフセット
される。この構成
により、照明レンズ250の周囲で
作動されたときに可視LED258
が均一な分布を提供する。この構成により、作動されたときに可視LED258によってコンタクトレンズ領域232に放射される可視光が均一に分布され、コンタクトレンズ領域232内のフォトクロミックコンタクトレンズ100を均一に
照らす。
図3は、実演デバイス200のスロット208に挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズ100の変化を実演するように構成され得る、
図2A~2Cの実演デバイス200の制御回路204の例示的な実演プロセス300を示す図である。制御回路204のより例示的な実装詳細について
、以下でより詳細に説明する。
図3の例示的な実演プロセス300
を、
図2A~2Eの実演デバイス200内の要素を参照して説明
する。
【0024】
この点に関して、
図3に示されるように、実演プロセス300の第1の工程302(1)
では、前述し例示したように、フォトクロミックコンタクトレンズ100を収容するコンタクトレンズパッケージ102を実演デバイス200のスロット208内に挿入することができる。この工程302(1)は、制御回路204
の待機動作モードで実行され、このモードの後で、制御回路204が作動されてフォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域232内に配置
し、フォトクロミックコンタクトレンズ100を照明デバイス206によってUV/HEV光に曝露
されるようにフォトクロミックコンタクトレンズ100を準備し、フォトクロミックコンタクトレンズ100の変化を実演する
。これは
、実演デバイス200の左上斜視図である図4Aにも示されており、コンタクトレンズパッケージ102は、スロット208内にまだ完全に挿入されておらず、スロット208に挿入される過程にある。
図4Bは、コンタクトレンズパッケージ102がスロット208内に完全に挿入された状態の実演デバイス200を示す。
【0025】
引き続き
図3を参照すると、
本例では、実演プロセス300の次の工程302(2)
では、
ユーザが、実演デバイス200内のスイッチ224を作動させて、制御回路204に、挿入されたフォトクロミックコンタクトレンズ100の変化の実演を開始させることができる。これにより、制御回路204は、待機動作モードから加熱動作モードに入る。以下でより詳細に説明するように、
制御回路204は、スイッチ224の作動に応答して、照明デバイス206内の可視LED258を作動させて、可視LED258
から可視光をコンタクトレンズ領域232に放射させる。制御回路204は、可視LED258に
本実施例では可視(例えば白色)光304を放射させて、スイッチ224の作動を確認し、実演プロセスが制御回路204によって開始
されているという視覚的インジケータ又はフィードバックをユーザに提供する。これは
、実演デバイス200の上面図である図4Cにも示されており、コンタクトレンズパッケージ102がスロット208に完全に挿入され、可視光304が照明デバイス206によって放射されている。
本実施例では、制御回路204はまた、スイッチ224の作動に応答して任意選択の加熱回路244を作動させて、加熱素子245を電流に結合
し、次いで、加熱素子245に熱を発生させ、スロット208に挿入されたコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100を含むコンタクトレンズ領域232の周囲温度を上昇させる。上述したように、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズ100の温度を上昇させることにより、
暗色化状態から非暗色化状態へと変化するフォトクロミックコンタクトレンズ100の退色速度をより速くすることができる。非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズ100の
退色速度は、フォトクロミックコンタクトレンズ100が
非暗色化状態から暗色化状態に変化する速度又は
スピードである。
よって、実演中にフォトクロミックコンタクトレンズ100の温度を上昇させること
で、医師又は他の技術者による眼上
性能を表すフォトクロミックコンタクトレンズ100の実演
に、一層現実味を持たせることができる。
【0026】
本実施例では、加熱動作モードの工程302(2)において、制御回路204は、照明デバイス206に、加熱回路244が
動作中であり、加熱素子245に熱を発生させて、
周辺領域の温度を制御回路204に対してプログラムされた又は予めプログラムされた規定閾値温度まで
上昇させる過程中であることを示す視覚的インジケータとして、可視LED258をパルス放射させる。例えば、規定閾値温度は55℃であってもよい。加熱動作モードでは、制御回路204は、加熱素子245が規定初期化期間、又は周囲領域内の温度が規定閾値温度まで上昇するまで、加熱素子245を
作動させ続けるように構成することができる。以下でより詳細に説明するように、制御回路204は、制御回路204が規定閾値温度に到達したことを制御回路204が検出するまで、可視LED258を
パルス放射するように構成され得る。その後、制御回路204は、
図3の工程302(3)に
示されるように、加熱回路244を調節して、コンタクトレンズ領域232内の温度を規定閾値温度に維持することができる。
本実施例では、コンタクトレンズ領域232の温度が規定閾値温度に
到達した後、制御回路204は、照明デバイス206を制御して、温度が規定閾値電圧に到達したことをユーザに
示す視覚的インジケータとして
可視LED258をパルス放射するのではなく、点灯し続けてもよい。
【0027】
引き続き
図3を参照すると、
本実施例では、コンタクトレンズ領域232内の温度が規定閾値温度に
到達した後、制御回路204は、
レンズ実演動作モードにおいて、可視LED258を停止させ、UV/HEV LED256を作動させるように照明デバイス206を作動させることができる。
作動されたときのUV/HEV LED256は、コンタクトレンズ領域232
をUV/HEV光で照らす。本実施例では、制御回路204は、コンタクトレンズ領域232の温度が規定閾値温度に到達し維持された後、ユーザによるスイッチ224の別の単一の作動/再作動に応答して、レンズ実演動作モードに入ること
によって、可視LED258を停止し、UV/HEV LED256を作動させて、
UV/HEV光306をコンタクトレンズ領域232に放射させることができる。これは
、実演デバイス200の上面図である図4Dにも示されており
、コンタクトレンズパッケージ102がスロット208に完全に挿入され、UV/HEV光306が照明デバイス206によってコンタクトレンズ領域232に放射されて、フォトクロミックコンタクトレンズ100をUV/HEV光306に
曝露している。前述したように、フォトクロミックコンタクトレンズ100をUV/HEV光306に曝露することにより、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、
非暗色化状態から暗色化状態に変化する。レンズ実演動作モードでは、本実施例の工程302(4)において、制御回路204は、加熱回路244を制御し続けて、コンタクトレンズ領域232内の温度を
規定閾値温度に維持して、眼の体温で人の眼に装着されるフォトクロミックコンタクトレンズ100をシミュレートする。前述したように、
比較的高い温度(例えば、体温)において、非暗色化状態から
暗色化状態へと遷移するフォトクロミックコンタクトレンズ100の
退色速度は、比較的低い温度(例えば、周囲温度)において、非暗色化状態から
暗色化状態へと遷移するフォトクロミックコンタクトレンズ100の
退色速度未満である。したがって、フォトクロミックコンタクトレンズ100の高温を維持することにより、
いったんフォトクロミックコンタクトレンズ100
がUV/HEV光306に曝露されなくなると、フォトクロミックコンタクトレンズ100
は暗色化状態から非暗色化状態により迅速に戻ることができる。加熱動作モードにおいてコンタクトレンズ領域232内の温度が
規定閾値温度に達した後、ユーザ
が、規定期間(例えば、90秒)内にスイッチ224を作動/再作動させない場合、制御回路204は、スイッチ224が作動されたときに加熱動作モードに入る準備ができている工程302(1)
での待機動作モードに実演デバイス200を戻す。
【0028】
図3を引き続き参照すると、規定実演期間(例えば、5秒)、制御回路204
が、レンズ実演動作モードにおいて、照明デバイス206を作動させてUV/HEV LED256を作動させ、コンタクトレンズ領域232に
UV/HEV光306を放射し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をUV/HEV光306に曝露する
と、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、
非暗色化状態から暗色化状態へと変化する。これは、
実演デバイス200の上面図である図4Eにも示されており、フォトクロミックコンタクトレンズ100が
暗色化状態にある。規定閾値温度
でのUV/HEV LED256への曝露に基づいて、フォトクロミックコンタクトレンズ100が
非暗色化状態へと変化するのに
かかる時間を経験的に理解する
ことにより、制御回路204に対して
規定実演時間を選択及び/又はプログラムすることができる。次に、工程302(5)において、制御回路204は、照明デバイス206に、UV/HEV LED256を停止させ、照明デバイス206内の可視LED258を
再作動させて、暗色化状態にあるフォトクロミックコンタクトレンズ
100が見えるように可視光304を
用いてユーザに示すように構成されてもよい。制御回路204は、
規定期間(例えば、90秒)、可視LED258の
作動を維持するようにプログラムすることができ、
その間、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、UV/HEV光306に
曝露されなくなる結果、暗色化状態から非暗色
化状態へと変化し始める。
本実施例のレンズ実演動作モードでは、制御回路204は、加熱回路244を作動させて、コンタクトレンズ領域232及びフォトクロミックコンタクトレンズ100内の温度を規定の閾値温度に
維持するため、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、周囲温度の場合よりも迅速に非暗色化状態に戻る。制御回路204は
任意で、工程302(4)に
戻り、スイッチ224の2回の作動など、スイッチ224の異なる作動によってレンズ実演動作モ
ードの工程を繰り返すことによって、実演プロセス300を再開するよう
に更に構成されてもよい。
【0029】
引き続き
図3を参照すると、
レンズ実演動作モードの工程302(6)において、制御回路204がUV/HEV LED256を
停止し、照明デバイス206内の可視LED258を再作動
させてから規定期間(例えば、90秒)が経過した後、制御回路204は、工程302(7)に示すように、待機動作モードに戻るように
構成され得る。待機動作モードでは、制御回路204は、照明デバイス206内の可視LED258を停止する。次いで、ユーザ
は通常、スロット208からフォトクロミックコンタクトレンズ100を取り外す。しかしながら、
本実施例では、ユーザは、
いかなる動作中もスロット208からフォトクロミックコンタクトレンズ100を取り外す
のを妨げられない。更に、
本実施例では、ユーザは、実演プロセス300を
キャンセルすることができ、
瞬間的な作動と区別可能な規定期間(例えば、5秒)にわたってスイッチ224を連続的に作動させることによって、制御回路204を実演プロセス300の任意の時間又は
工程で待機動作モードに
入らせることができる。
【0030】
図5は、制御回路204、加熱回路244、及び照明デバイス206を含む、
図2A~2Cの実演デバイス200の
電気的概略図であり、これらの回路及び/又は
その構成要素の例示的な詳細を更に
示し説明する。この点に関して、本実施例の制御回路204は、加熱回路244及びその加熱素子245を有するヒータPCB502と、照明デバイス206を支持する照明PCB504と
は別個のメインPCB500上に設けられる。制御回路204は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のコントローラ回路であり得るコントローラ505を含む。制御回路204は、第1のインターフェース506、より具体的には
ヒータドライバ回路508を介して
、加熱回路244に連結されている。
ヒータドライバ回路508は、制御回路204から第1のインターフェース506を介して信号を受信するように構成されており、
この信号は、ヒータドライバ回路508が加熱素子245を作動(通電)するか、又は
停止する(通電しない)かを示す。前述したように、制御回路204は、加熱動作モードで加熱素子245を作動させて、実演デバイス200のコンタクトレンズ領域232内に熱を発生
させることによってフォトクロミックコンタクトレンズ100の温度を上昇させるように
、ヒータドライバ回路508に指示する。
本実施例の加熱回路244は
、例えばサーミスタであり得る温度センサ510も含む。温度センサ510は、その周囲領
域、本実施例ではコンタクトレンズ領域232内の温度を感知し、コンタクトレンズ領域232内の温度を表す
温度信号512を第2のインターフェース514を介して生成するように構成されている。コントローラ505は、温度信号512に基づいて温度センサ510によって検知された温度を測定するように構成されている。上述したように、
次に、コントローラ505は、測定された温度が所望の規定温度閾値を下回ると、ヒータドライバ回路508を作動させ、測定された温度が所望の規定温度閾値を上回ると、ヒータドライバ回路508を停止させることによって、温度を調節することができる。
【0031】
図6は、
図5に示される実演デバイス200
内の加熱回路244のより詳細な例示的な電気
的概略図である。図6に示されるように、インターフェース506は、コントローラ505からの信号を伝送して、
ヒータドライバ回路508を作動及び停止するように構成された1 TMP-CTL及び2 TMP-CTLを共に結合する2つの温度制御ピンを含む。加熱素子245の両端に印加されるピン5 VDOとピン1/2間の電圧差を生じさせ、加熱素子245に電流を流す信号は、加熱素子245を作動させる。加熱素子245の両端に印加されるピン5 VDOとピン1/2間の電圧差を生じさせず、加熱素子245に電流を流さない信号は、加熱素子245を停止させる。また、図6は、加熱回路244内の温度センサ510を示す。本例の温度センサ510は、Texas Instruments
製のTMP709-Q1チップであり得るセンサチップ600を含む。図示の抵抗器及びコンデンサを含む受動素子の値は、温度センサ510が温度を表すピン6 TMP
-DET上の温度信号512を生成するように、本実施例では温度センサ510の閾値温度を設定するように選択される。温度センサ510は、温度が規定温度閾値を上回る又は下回ることを示すバイナリ信号
として、又は検出された温度レベルを示し、後でコントローラ505によって処理され得る、規定温度閾値を超えるか否かを示すアナログ値として、温度信号512を生成するように構成されてもよい。
【0032】
図5を再び参照すると、制御回路204はまた、照明回路515を介して照明デバイス206とインターフェース接続される。制御回路204のコントローラ505は、
照明回路515とインターフェース接続され、照明回路は、本実施例ではUV/HEV LED256及び可視LED258の両方を含む照明デバイス206とインターフェース接続される
。本実施例の照明回路515は、インターフェース518を介してコントローラ505にインターフェース接続された光セレクタ回路516を含む。光セレクタ回路516は、コントローラ505によって提供される光選択信号519に基づいて、照明デバイス206内のUV/HEV LED256又は可視LED258のいずれかを
作動させるように構成されている。光セレクタ回路516は、UV/HEV LED256
とのインターフェース520、及び可視LED258
とのインターフェース522を含む。照明回路515は、コントローラ505
とのインターフェース526及び照明デバイス206とのインターフェース528
を介して連結される光ドライバ回路524も含む。照明デバイス206内のUV/HEV LED256を
作動させるために、コントローラ505は、
インターフェース518を介して信号を光セレクタ回路516に送信して、光セレクタ回路516に対して、インターフェース520又は522のいずれかを作動させて、インターフェース526を介して光ドライバ回路524によって提供される電力をUV/HEV LED256又は可視LED258のいずれかに
供給するように指示する。
図3の実演プロセスで論じた例示的な実演デバイス200では、UV/HEV LED256及び可視LED258は、同時に
作動されるように設計されていない。前述したように、コントローラ505は、実演デバイス200の動作モードに基づいて、照明デバイス206内のUV/HEV LED256及び可視LED258を作動及び停止するように構成されている。例えば、光ドライバ回路524は、
Diodes Inc.製のAP3156チップであり得る。
【0033】
図7は、図5の照明回路515にインターフェース接続された照明デバイス206のより詳細な例示的な概略図である。同図に示されるように、4つのUV/HEV LED256(1)~256(4)及び4つの可視LED258(1)~258(4)が、本実施例では照明デバイス206内に設けられる。図2Eで説明し示したように、照明デバイス206、UV/HEV LED256、及び可視LED258は、実演デバイス200内の照明レンズ250に設けられる。光セレクタ回路516とUV/HEV LED256との間のインターフェース520、光セレクタ回路516と可視LED258との間のインターフェース522、及び光ドライバ回路524と照明デバイス206との間のインターフェース528が図7に示される。
【0034】
図5を再び参照すると、本実施例では、制御回路204は、電池532に連結されて電池532の充電を制御する充電管理回路530も含む。電池532は、充電式電池であってもよい。コントローラ505は、電池532を充電するように充電管理回路530に指示するように構成されている。コントローラ505は、電池532に連結された電池検出回路533とインターフェース接続され、電圧などの電池532の電池状態を検出するように構成されている。電池532が完全に充電されたとき、コントローラ505は、電池532の充電を中断するように充電管理回路530に指示する。充電管理回路530は、本実施例ではユニバーサルシリアルバス(USB)ポートである電池充電ポート534に連結される。電力充電ケーブル(図示せず)は、電池充電ポート534に接続されて、充電管理回路530の制御下で電池532を充電するための電力を提供するように構成されている。コントローラ505はまた、充電ポート検出回路536とインターフェース接続され、充電ポート検出回路は、充電ケーブルが電池充電ポート534に接続されたときを検出し、次いで、電池532が電池検出回路533によって検出される際に完全に充電されていない場合、電池充電ポート534を介して受け取った電力に基づいて電池532を充電するように充電管理回路530に指示するように構成されている。制御回路204は電力管理回路538を更に含み、電力管理回路は、コントローラ505にインターフェース接続され、電池532から制御回路204、加熱回路244、照明回路515、及び照明デバイス206の電力消費構成要素への電力の分配を制御する。
【0035】
図5にも示されるように、スイッチ224が設けられ、コントローラ505にインターフェース接続される。コントローラ505は、スイッチ224がユーザの押圧によって作動されたときを検出するように構成され、作動の持続時間を検出するように更に構成されている。
【0036】
図8は、
図3に示され
上述されるような、実演デバイス200の実演プロセス300の例示的な動作モード
と、各動作モードについて、
図5に記載された実演デバイス200内の
各種デバイスの状態と、を示す図表800であり、コントローラ505とこれらの各種デバイスとの間の相互作用を更に説明する。この点に関して、待機動作モードでは、スイッチ224は
停止される。制御回路204は、
照明デバイス206内のUV/HEV LED256及び可視LED258を
オフ状態で停止する。制御回路204は、加熱回路244に、加熱素子245をオフ状態で停止させる。電池532は、スイッチ224の作動を検出するためにコントローラ505に十分な電力が引き込まれているアイドル状態にある。コントローラ505は、スイッチ224の作動を検出する待機モードにある。
【0037】
引き続き
図8を参照すると、スイッチ224
の作動(例えば、少なくとも
2秒の作動)の検出に応答して、コントローラ505は、加熱動作モードに入り、
照明デバイス206の可視LED258を作動
させて規定時間に基づいてパルス放射するように、照明回路515に指示するように構成されている。コントローラ505は、電池532がコントローラ505によってより
低電力状態で検出されない限り、照明回路515に
、照明デバイス206のUV/HEV LED256を作動させないように指示するように構成
されており、低電力状態で検出される場合、コントローラ505は、電池532が
低電力状態で検出されないとき
の通常のパルス速度よりも高速(例えば、3倍)で、照明デバイス206の可視LED258をパルス放射するように、照明回路515に指示するように構成されている。コントローラ505は、加熱回路244に、加熱素子245を作動させて、コンタクトレンズ領域232内に熱を発生
させ、規定温度閾値(例えば、55℃+/-5℃)の温度を得るよう
指示するように構成されている。制御回路204は、加熱回路244を制御して、加熱素子225
に、少なくとも35℃(例えば、35℃~+/-2℃)、好ましくは
48~57℃の範囲の温度まで上昇させるように構成されてもよい
。
【0038】
電池充電ポート534が電源に接続されていない場合、充電管理回路530は、電池532が電力を放電することを可能にし、接続されている場合、充電管理回路530は作動されず、電池532は充電されない。コントローラ505は、加熱回路244に、加熱素子245を制御して、可視LED258がパルス放射されている間、規定温度閾値(例えば、55℃~+/-5℃)の温度を維持するように指示する。温度が規定温度閾値に到達すると、コントローラ505は、可視LED258が作動されたままでパルス放射されないように、照明回路515に指示するように構成される。次に、コントローラ505は規定期間(例えば、90秒)内でスイッチ224の別の作動を検出するまで待機し、検出されると、コントローラ505はレンズ実演動作モードに入る。コントローラ505が、規定期間内のスイッチ224の別の作動を検出しない場合、コントローラ505は待機動作モードに戻る。
【0039】
引き続き
図8を参照すると、レンズ実演動作モードでは、スイッチ224が
作動されている(例えば、<1秒)ことがコントローラ505によって
検出されている。コントローラ505は、照明回路515に、照明デバイス206のUV/HEV LED256を規定期間
(例えば、10秒)作動させて、フォトクロミックコンタクトレンズ100を暗
色化状態に変化させ、続いて
、UV/HEV LED256を停止し、可視LED258を規定期間(例えば、170秒)
作動させるよう指示するように構成され、その後、コントローラ505は待機動作モードに入る。コントローラ505は、加熱回路244に、
照明デバイス206のUV/HEV LED256が
作動されている間、及びその後、可視LED258が作動され
ている間、加熱素子245を制御
して、温度を規定温度閾値(例えば、55℃~+/-5℃)に維持するように指示する。電池充電ポート534が
電源に接続されていない場合、充電管理回路530は、電池532が電力を放電することを可能にし、
接続されている場合、充電管理回路530は
作動されず、電池532
は充電されない。
【0040】
図9は、
図3の実演プロセス300における
各種動作モードの間、
図2A~2Cの実演デバイス200内の照明デバイス206の例示的な状態を示す
表900である。
図9に
示されるように、待機動作モードでは、コントローラ505は、
照明回路515に、UV/HEV LED256及び可視LED258を
オフ状態で停止するように指示する。加熱動作モードでは、コントローラ505は、照明回路515に、コンタクトレンズ領域232の温度が規定温度閾値に
到達する前に加熱素子245が加熱中に熱を発生させている間
、UV/HEV LED256をオフ状態にしたまま可視LED258をパルス
放射するように指示する。その後、一定温度に達
すると、コントローラ505は、照明回路515に、UV/HEV LED256を
オフ状態にしたまま、可視LED258を一定のオン状態に維持するように指示する。次いで、レンズ実演動作モード
では、コントローラ505は、照明回路515に、照明デバイス206のUV/HEV LED256を規定
期間作動させて、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
暗色化状態に変化させ(例えば、10秒)、続いてUV/HEV LED256を停止し、可視LED258
を規定期間(例えば、170秒)作動させるよう指示するように構成されている。
【0041】
図
10A及び10Bは、図2A~2Cの実演デバイス200と、充電ケーブル1000及び電力変換器1002(例えば、交流(AC)-直流(DC)コンバータ)を取り付けた及び取り付けていない構造で含む例示的な電力充電構成要素と、を示す図である。
図10A及び10Bに示され、
図5を参照して説明されるように、実演デバイス200は、充電ケーブル1000のUSBコネクタ1004を受容するように構成された電池充電ポート534を含む。充電ケーブル1000の他端は、電力変換器1002のポート1008に挿入されるように構成されたUSBコネクタ1006を含む。
よって、電力変換器1002がAC電力コンセントなどの外部電源に差し込まれると、電力変換器1002は、
図5に記載されるように、AC電力をDC電力に変換して、DC電力を制御回路204に供給するように構成
されている。
【0042】
図11は、
図2A~2Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス200の例示的な電池充電プロセス1100を示す。
図11に示されるように、図5の電池532
の充電に関する先の
説明を参照すると、コントローラ505
は、電池充電ポート534に
連結された充電ケーブル1000を検出すると、照明回路515に、UV/HEV LED256を停止し
、可視LED258を作動させて、工程1102(1)に示されるよう
な充電状態を示すよう
指示するように構成されている。電池検出回路533からの信号に基づいて電池532が完全に充電されていないとコントローラ505が判定した場合、コントローラ505は、照明回路515に、可視LED258を規定期間(例えば、0.5秒)点滅させ、次いで別の
規定期間(例えば、2秒)オフにするように指示する。電池検出回路533からの信号に基づいて電池532が完全に充電されているとコントローラ505が
判定した場合、コントローラ505は、工程1102(2)において可視LED258を停止するように照明回路515に指示する
。
【0043】
図12は、実演デバイス200の例示的な物理的構成要素を更に例示するための、
図2A~図2Cの実演デバイス200の分解図である。
図12に示されるように、実演デバイス200は、基部212に固定されて内部チャンバ214を形成するように構成された外側カバー210を含む。前述したように、
観察窓220は、カバー210の外面222を
貫通して配置される。カバー210は
、スイッチ224を受容するための開口部1200を更に含み、
本実施例ではボタンであるスイッチ224へのユーザによる外部アクセスを提供する。内部構成要素226は、ハウジング202の内部チャンバ214の内側に嵌合し、スロット208の底面228を形成するように構成
されている。UV/HEV LED256及び可視LED258を収容する照明レンズ250は、内部構成要素226とカバー210との間に適合するように構成されているものとして示されている。照明レンズ250は、カバー1204を受容して、
及びUV/HEV LED256及び可視LED258を搭載した照明デバイス206(
図2Eを参照)のPCB254を収容するように構成された内部チャンバ1206を形成する、
基部1202によって形成される。照明レンズ250の
基部1202及びカバー1204は、
互いに軸方向に位置合わせされた開口部1208A、1208Bを有し、観察窓220と、内部構成要素226に形成
されるコンタクトレンズ領域232に挿入され得るコンタクトレンズパッケージ102との間に
開かれたアクセスを提供する。防水シリコンプラグ
1210、1212が、内部構成要素226と加熱素子アセンブリ1214の一部
である加熱素子245との間に配置される。シリコンOリング1216は、加熱素子アセンブリ1214と加熱板1218との間に配置される。
設けられるディバイダ1220は、締結具1222によってカバー210に固定されて、下方の加熱素子アセンブリ1214を内部構成要素226に固定して、加熱素子245をコンタクトレンズ領域232に位置合わせし、ディバイダ1220と基部212との間に別個の区画1224を提供して電池532を収容する
ように構成されている。基部212は、カバー210の受容部(図示せず)に固定的に取り付けられて、カバー210を基部212に固定する締結具1228(例えば、ネジ)を受容するように構成された穴1226を含む。
【0044】
図13A-1~
図13Eは、完全に組み立てられた実演デバイス200を示す。
図13A-1及び13A-2
はそれぞれ、
図2A及び
図2Bに前述した実演デバイス200のそれぞれの
完全上面図及び部分上面図である。
図13Bは、
図2Aに
示され、前述した実演デバイス200の正面図
である。
図13C及び13Dは
それぞれ、
図2A~2Cの実演デバイス200の右側面図及び左側面図
である。
図13Eは、カバー210を基部212に固定
する図12の締結具1228を受容するように構成された穴1226を示す実演デバイス200の底面図
である。
熱放散のため、通気口1300A、1330B、1330Cが示されるように基部212に設けられてもよい。
【0045】
図14A及び14Bは
それぞれ、加熱回路244を提供し、PCB247
に搭載された加熱素子245を含む加熱素子アセンブリ1214の上面図及び底面図である。リボンインターフェースケーブル1400は、加熱回路244に
連結され、
図5の加熱回路244とコントローラ505との間にインターフェース506
、514を
設けるように構成されている。PCB247は、PCB247を内部構成要素226に取り付けるため
の締結具を受容
し、加熱素子245をコンタクトレンズ領域232に隣接して配置するように構成され
た開口部1402A、1402Bを含む。前述したように、加熱素子245は、コンタクトレンズのよう
な形状に設計されたドーム形状の金属部品で
あるため、加熱素子245の全ての点と、実演デバイス200のスロット208に挿入されたコンタクトレンズパッケージ102内のフォトクロミックコンタクトレンズ100との間の直接距離
がほぼ同じ距離であることにより、フォトクロミックコンタクトレンズ100の全ての領域を
ほぼ均一に加熱する。
【0046】
図15A及び15Bは、加熱素子245の例示的な構成要素を例示する加熱回路244内の加熱素子アセンブリ1214の分解組立図である。
図15Aに
示されるように、加熱素子アセンブリ1214は、
図15BのPCB247に直接
搭載されるように構成された電気トレース1502を含むヒータ1500を含み、電気トレース1502をPCB247上の導電体に
連結して、電流が電気トレース1502を通って流れることを可能にする。金属ドームカバー1504は、ヒータ1500の上方に接触して
配置され、ヒータ1500の電気トレース1502を流れる電流を
導くように構成されている。金属ドーム1506は、金属ドームカバー1504上に取り付けられ、ヒータ1500が電流で通電されると、金属ドームカバー1504から電流を
導く。
【0047】
なお、照明デバイス及び/又は加熱回路を制御して、
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加え、通常の非暗色化状態から暗色化状態へ変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示すように構成されたフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス
は、上述し、図2A~図2Eに示した例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス200に限定されない。例えば、コンタクトレンズを受容するためのスロットを含まない別のフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスを使用して、フォトクロミックコンタクトレンズを実演することができる。例えば、別のフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイスは、
基部に形成され、カバーによってアクセス可能である空洞にコンタクトレンズを挿入すること
のできる計数を有し、このカバーは、基部を中心に開放されて空洞へのアクセスを提供し、光及び/熱の曝露と観察のために空洞内で実演されるコンタクトレンズを固定するように構成されている。
【0048】
この点に関し、
図16A~16Cは、照明デバイス及び/又は加熱回路を制御して、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えるように構成された、別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1600(「実演デバイス1600」)の図
であり、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを示す。実演デバイス1600は、2つのコンタクトレンズパッケージを保持するように構成された2つの
観察窓1602(1)、1602(2)を有するカバー1604を含む。
図16Aは、
図10の充電ケーブル1000であり得る充電ケーブルが接続された、実演デバイス1600の上面図
である。実演デバイス1600は、ヒンジ1605
により基部1606に取り付けられたカバー1604を含む。カバー1604は、ヒンジ1605を中心に回転させて
基部1606
上で開閉させることにより、
コンタクトレンズパッケージを挿入し、カバー1604が
閉鎖されたときコンタクトレンズパッケージ
を固定することを可能にし、コンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズを
観察窓1602(1)、1602(2)と位置合わせするように
構成されている。
図16Bは、充電ケーブルが接続されていない、実演デバイス1600の上面図
である。
図16Bは、実演デバイス1600の側上面斜視図
である。
図2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれ
も、
図16A~16Cの実演デバイス1600
に含めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを例示することができる。非限定的な例として、実演デバイス1600は、
一方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露
する一方で、
他方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露しないように、照明デバイスを作動させるように
構成することができる。これにより、人は、
比較のため、暗色化状態に変化する装着フォトクロミックコンタクトレンズ
と、暗色化状態に変化しない別の
装着フォトクロミックコンタクトレンズと比較すること
ができる。
【0049】
図17A及び17Bは、照明デバイス及び/又は加熱回路を制御して、
パッケージ入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えるように構成された、別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1700(「実演デバイス1700」)を
示し、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを例示する。実演デバイス1700は、図示
されるように2つのコンタクトレンズパッケージ102を保持するように構成された2つの
観察窓1702(1)、1702(2)を有するカバー1704を含むハウジング1701を備える。カバー1704は、ヒンジ1705によって
基部1706に取り付けられる。カバー1704は、ヒンジ1705を中心に回転
させて基部1706上で開閉させることにより、カバー1704が開放されたときにコンタクトレンズパッケージ102
を挿入し、カバー1704が
閉鎖されたときにコンタクトレンズパッケージを固定することを可能に
し、フォトクロミックコンタクトレンズ100を観察窓1702(1)、1702(2)と位置合わせするように構成されている。ハウジング1701の
基部1706は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をそれぞれのコンタクトレンズ領域1710(1)、1710(2)に位置合わせするように構成された空洞1708を形成する。
本実施例では、空洞1708は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を収容
するコンタクトレンズパッケージ102を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
対応するコンタクトレンズ領域1710(1)、1710(2)に位置合わせするように構成されている。コンタクトレンズ領域1710(1)、1710(2)
が、対応する観察窓1702(1)、1702(2)と軸方向に位置合わせされる結果、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、カバー1704が
基部1706上で閉鎖されたときに観察窓1702(1)、1702(2)を通して視認可能である。
【0050】
図
2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれも、
図17A及び17Bの実演デバイス1700に
含めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示することができる。非限定的な例として、実演デバイス1700は、
一方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露
する一方で、他方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露しないように、照明デバイスを作動させるように構成
することができる。これにより、人
は、比較のため、暗色化状態に変化する装着フォトクロミックコンタクトレンズと、暗色化状態に変化しない別の装着フォトクロミックコンタクトレンズとを比較することができる。
図18A及び18Bは、照明デバイス及び/又は加熱回路を制御して、
パッケージ入りコンタクトレンズに光及び熱を加えるように構成された、別の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1800(「実演デバイス1800」)を
示し、通常の非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを例示する。実演デバイス1800は、図示
されるように2つのコンタクトレンズパッケージ102を保持するように構成された2つの
観察窓1802(1)、1802(2)を有するカバー1804を含むハウジング1801を備える。カバー1804は、ヒンジ1805に
より基部1806
に取り付けられる。カバー1804は、ヒンジ1805を中心に回転
させて基部1806上で開閉させることにより、カバー1804が開放されたときにコンタクトレンズパッケージ102
を挿入し、カバー1804が閉鎖されたときにコンタクトレンズパッケージを固定することを可能にし、フォトクロミックコンタクトレンズ100を観察窓1802(1)、1802(2)と位置合わせするように構成されている。ハウジング1801の
基部1806は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をそれぞれのコンタクトレンズ領域1810(1)、1810(2)に位置合わせするように構成された空洞1808を形成する。
本実施例では、空洞1808は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を収容
するコンタクトレンズパッケージ102を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
対応するコンタクトレンズ領域1810(1)、1810(2)に位置合わせするように構成されている。コンタクトレンズ領域1810(1)、1810(2)
が、対応する
観察窓1802(1)、1802(2)と軸方向に位置合わせ
される結果、
フォトクロミックコンタクトレンズ100は、カバー1804が基部1806上で閉鎖されたときに観察窓1802(1)、1802(2)を通じて視認可能である。
【0051】
図2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれも、
図18A及び18Bの実演デバイス1800に含
めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示することができる。非限定的な例として、実演デバイス1800は、
一方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露
する一方で、
他方の装着されたフォトクロミックコンタクトレンズパッケージをUV/HEV光に同時に曝露しないように、照明デバイスを作動させるように
構成することができる。これにより、人は、
比較のため、暗色化状態に変化する装着フォトクロミックコンタクトレンズ
と、暗色化状態に変化しない別の
装着フォトクロミックコンタクトレンズと
を比較すること
ができる。
【0052】
図19A~19Cは、照明デバイス及び/又は加熱回路を制御して、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えるようにそれぞれ
構成された、他の例示的なフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1900、1910、1920を示し、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示する。
図19Aのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1900(「実演デバイス1900」)は、
図示されるように1つのコンタクトレンズパッケージ102を保持するように構成された1つの
観察窓1902を有するカバー1904を含むハウジング1901を備える。カバー1904は、ヒンジ1905を用いて
基部1906
に取り付けられる。ヒンジ1905は、カバー1904及び基部1906の成形型からの
残りの材料によって形成された
一体ヒンジであってもよい。カバー1904は、
ヒンジ1905を中心に回転させて基部1906上で開閉させることにより、カバー1904が開放されたときにコンタクトレンズパッケージ102
を挿入し、カバー1904が
閉鎖されたときにコンタクトレンズパッケージを
固定することを可能にし、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
観察窓1902と位置合わせするように構成されている。ハウジング1901の
基部1906は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域1909に位置合わせするように構成された空洞1908を形成する。
本実施例では、空洞1908は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
収容するコンタクトレンズパッケージ102を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域1909に位置合わせするように構成されている。コンタクトレンズ領域
1909が観察窓1902と軸方向に位置合わせされる結果、フォトクロミックコンタクトレンズ100は、
カバー1904が基部1906上で閉鎖されたときに観察窓1902を通じて視認可能である。
【0053】
図2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれも、
図19Aの実演デバイス1900に
含めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示することができる。
【0054】
図19Bのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1910(「実演デバイス1910」)は、
図2A~2Cの実演デバイス200と類似している。実演デバイス1910は、
図示されるように1つのコンタクトレンズパッケージ102を保持するように構成された1つの
観察窓1912を有するカバー1914を含むハウジング1911を含む。カバー1914は、
基部1916に取り付けられ、
基部1916を中心に開閉させることにより、コンタクトレンズ
パッケージ102を挿入し、カバー1914が閉鎖されたときにコンタクトレンズパッケージを
固定することを可能にし、
フォトクロミックコンタクトレンズ100を観察窓1912と位置合わせするように構成されている。ハウジング1911の
基部1916は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域1917に位置合わせするように構成された空洞1918を形成する。
本実施例では、空洞1918は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
収容するコンタクトレンズパッケージ102を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100を
対応するコンタクトレンズ領域1917に位置合わせするように
構成されている。コンタクトレンズ領域1917が
観察窓1912と軸方向に位置合わせされる結果、フォトクロミックコンタクトレンズ100
は、カバー1914が基部1916上で閉鎖されたときに観察窓1912を通じて視認可能である。
【0055】
図2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれも、
図19Bの実演デバイス1910に
含めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示することができる。
【0056】
図19Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス1920(「実演デバイス1920」)は、図示
されるように1つのコンタクトレンズパッケージ102を保持するように構成された1つの
観察窓1922を有する
基部1926を含むハウジング1921を
備える。基部1926は、
観察窓1922を
通じて見ることができる
、スロット1925を
介して挿入されたコンタクトレンズパッケージ102を受容するように構成されている。スロット1925は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域1929に位置合わせするように構成された空洞1928を形成する。この実施例では、空洞1928は、フォトクロミックコンタクトレンズ100を収容
するコンタクトレンズパッケージ102を受容し、フォトクロミックコンタクトレンズ100をコンタクトレンズ領域1929に位置合わせする
ように構成されている。コンタクトレンズ領域1929は、
観察窓1922と軸方向に位置合わせされる結果、コンタクトレンズパッケージ102がスロット1925内に挿入されたときにフォトクロミックコンタクトレンズ100が
観察窓1922を通じて視認可能である。
【0057】
図2A~2Eの実演デバイス200に含まれる回路及び構成要素のいずれも、
図19Cの実演デバイス1920に
含めて、照明デバイス及び/又は加熱回路を作動させて、パッケージ
入りコンタクトレンズに
光及び熱を加えて、通常の
非暗色化状態から暗色化状態に変化するフォトクロミックコンタクトレンズのプロセスを
例示することができる。
【0058】
図2A~
図2C、
図16A~
図16C、
図17A~
図17B、
図18A~
図18B、及び
図19A~
図19Cのフォトクロミックコンタクトレンズ実演デバイス
200、1600、1700、1800、1900
、1910
、1920内の制御回路204及び/又はそのコントローラ505は、本明細書で論じられるプロセス及び制御動作を実行するためのソフトウェア命令を実行するように構成された、
図20に示されるようなコンピュータシステム2000
を含むことができる。
本実施形態における例示的なコンピュータシステム2000は、処理回路2002又はプロセッサ2002
、メインメモリ2004(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、及びスタティックメモリ2006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)を含み、これらはデータバス2008を介して
相互に通信することができる。あるいは、処理装置2002は、メインメモリ2004及び/又は
スタティックメモリ2006に直接、又は何らかの他の接続手段を介して接続されてもよい。処理装置2002は、コントローラであってもよく、メインメモリ2004又はスタティックメモリ2006は、任意の種類のメモリであってもよい。
【0059】
処理装置2002は、マイクロプロセッサや中央処理部などの1つ以上の汎用処理装置を表す。より具体的には、処理装置2002は、複雑な命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、長大命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。処理装置2002は、本明細書で説明される動作及び工程を実行するための命令2016内の処理ロジックを実行するように構成されている。
【0060】
コンピュータシステム2000は、ネットワークインターフェース回路2010を更に含んでもよい。コンピュータシステム2000はまた、命令を実行するときにコンピュータシステム2000に伝達される入力及び選択を受信するための入力2012を含んでもよく、又は含まなくてもよい。コンピュータシステム2000はまた、ディスプレイ、ビデオディスプレイユニット(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、及び/又はカーソル制御デバイス(例えば、マウス)を含むが、これらに限定されない出力2014を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0061】
コンピュータシステム2000は、コンピュータ可読媒体2018に記憶された命令2016を含むデータ記憶デバイスを含んでもよく、又は含まなくてもよい。命令2016はまた、コンピュータ可読媒体を構成するコンピュータシステム2000、メインメモリ2004、及び処理回路2002による実行中に、メインメモリ2004内及び/又は処理回路2002内に、完全に又は少なくとも部分的に存在してもよい。命令2016は、ネットワークインターフェース回路2010を介してネットワーク2020上で更に送信又は受信されてもよい。
【0062】
コンピュータ可読媒体2018は、例示的な実施形態では単一媒体であることが示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データ基部、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むように解釈されるべきである。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、処理装置によって実行される命令セットを記憶、符号化、又は実行することができ、処理装置に、本明細書に開示される実施形態の方法のうちのいずれか1つ以上を実行させる、任意の媒体を含むものと解釈されるべきである。したがって、「コンピュータ可読媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体、並びに搬送波信号を含むように解釈されるべきである。
【0063】
本明細書に開示される実施形態は、様々な工程を含む。本明細書に開示される実施形態の工程は、ハードウェア構成要素によって実行されてもよく、又は機械実行可能命令で具現化されてもよく、この命令を使用して、当該命令でプログラムされた汎用プロセッサ又は専用プロセッサに工程を実行させてもよい。あるいは、工程は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実行されてもよい。
【0064】
本明細書に開示される実施形態は、コンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供されてもよく、このコンピュータプログラム製品又はソフトウェアは、命令を記憶する機械可読媒体(又はコンピュータ可読媒体)を含んでもよく、この命令を使用してコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムして、本明細書に開示される実施形態によるプロセスを実行してもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械可読媒体は、機械可読記憶媒体(例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。
【0065】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、本明細書に記載される機能を実行するように設計されたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせにより実装又は実行されてもよい。コントローラはプロセッサであってもよい。プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0066】
本明細書に開示される実施形態は、ハードウェア、及びハードウェアに記憶され、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態のコンピュータ可読媒体に存在し得る命令に具現化されてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに連結される。代替的に、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに存在してもよい。ASICは遠隔ステーションに存在してもよい。代替的に、プロセッサ及び記憶媒体は、遠隔ステーション、基地局、又はサーバ内の別個の構成要素として存在してもよい。
【0067】
特に明示的な記載のない限り、本明細書に記載されたいかなる方法も、その工程が特定の順序で実行される必要があるものと解釈されることは全く意図されていない。したがって、方法の請求項でその工程が従うべき順序を実際に列挙してなく、工程が特定の順序に制限されることを請求項又は説明で特に明記されていない場合、特定の順序が暗示されるようなことは全く意図されていない。
【0068】
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行えることは当業者には明白であろう。本発明の趣旨及び内容を組み込む開示される実施形態の修正の組み合わせ、部分的組み合わせ、及び変形を当業者が思いつくことがあるため、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズ実演デバイスであって、
ハウジングと、
コンタクトレンズ領域を含む前記ハウジングの内面を形成する前記ハウジング内に配置された空洞であって、コンタクトレンズを受容し、前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、空洞と、
前記ハウジングの外面に配置され、前記コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされた観察窓と、
前記空洞内に配置された照明デバイスであって、前記コンタクトレンズ領域に紫外(UV)光又は高エネルギー可視(HEV)光を放射するように構成されている、照明デバイスと、
前記ハウジング内に配置され、前記照明デバイスに連結された制御回路であって、前記照明デバイスを作動させて、前記コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている、制御回路と、
を備える、コンタクトレンズ実演デバイス。
(2) 前記照明デバイスが、200~460ナノメートル(nm)の波長を含む光を放射するように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(3) 前記観察窓が、前記ハウジングの前記外面を貫通する開口部を含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(4) 前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結されたスイッチを更に備え、前記制御回路が、前記スイッチの作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(5) 前記照明デバイスが、前記コンタクトレンズ領域に可視光を放射するように更に構成され、
前記制御回路が、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に可視光を放射するように構成されている、
実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【0070】
(6) 前記制御回路及び前記照明デバイスに連結された光セレクタ回路を更に備え、
前記光セレクタ回路が、前記照明デバイスを制御して、前記制御回路から受信した光選択信号に応答して、UV光若しくはHEV光、又は可視光を放射するように構成されている、
実施態様5に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(7) 加熱素子を含み、前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた加熱回路を更に備え、前記加熱回路が、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成され、
前記制御回路が、前記加熱回路に連結され、前記加熱回路を作動させて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成されている、
実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(8) 前記加熱素子が、前記コンタクトレンズ領域内に配置されたドーム形状の金属部品を含み、前記ドーム形状の金属部品が、前記制御回路に電気的に結合されている、実施態様7に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(9) 前記加熱回路が、前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に少なくとも35℃の熱を発生させるように構成されている、実施態様7に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(10) 前記加熱回路が、前記加熱素子に、前記コンタクトレンズ領域内に48~57℃の熱を発生させるように構成されている、実施態様7に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【0071】
(11) 前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された温度センサを更に備え、前記温度センサが、前記コンタクトレンズ領域内の温度を表す温度信号を生成するように構成されている、実施態様7に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(12) 前記制御回路が、前記温度信号に基づいて、前記加熱回路の作動を調節して、前記コンタクトレンズ領域内の前記温度を規定温度閾値に維持するように更に構成されている、実施態様11に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(13) 前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された電池を更に備え、前記電池が、前記制御回路に電力を供給するように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(14) 前記ハウジングの前記外面に配置された電池充電ポートを更に備え、
前記制御回路が、前記電池充電ポートに連結された充電管理回路を更に備え、前記充電管理回路が、電池充電ポートに接続された外部電源から前記電池を充電するように構成されている、
実施態様13に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(15) 前記空洞が、コンタクトレンズパッケージを受容し、前記コンタクトレンズパッケージ内の前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されることによって、前記コンタクトレンズを受容するように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【0072】
(16) 前記空洞が、前記ハウジング内に配置されたスロットを含み、前記スロットが、前記ハウジングの前記外面に開口部を形成する遠位端と、前記遠位端から距離を置いて配置された前記ハウジング内の近位端とを含み、前記スロットが、前記コンタクトレンズ領域を含む前記ハウジングの前記内面を形成し、前記スロットが、前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(17) 前記スロットが、前記コンタクトレンズを含むコンタクトレンズパッケージを前記開口部を通じて受容し、前記コンタクトレンズパッケージ内の前記コンタクトレンズを前記コンタクトレンズ領域に位置合わせするように構成されている、実施態様16に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(18) 前記ハウジングが、カバーと、基部と、を備え、前記カバーが、前記基部の周囲で開放され、前記基部上で閉鎖されて前記空洞を形成するように構成され、前記カバーが前記基部の周囲で開放されると、前記空洞が前記コンタクトレンズを受容するように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(19) 前記制御回路が、前記制御回路に連結されたスイッチの作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記可視光を放射するように更に構成されている、実施態様5に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(20) 前記制御回路が、前記スイッチの前記作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記可視光をパルス放射するように構成されている、実施態様19に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【0073】
(21) 前記空洞内に配置され、前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた加熱素子を含む加熱回路を更に備え、前記加熱回路が、前記制御回路に連結され、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成され、
前記制御回路が、前記スイッチの前記作動に応答して、前記加熱回路を作動させて前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように更に構成されている、
実施態様19に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(22) 前記制御回路が、前記照明デバイスを作動させ、前記スイッチの前記作動後に規定初期化期間にわたって前記加熱回路を作動させるように構成されている、実施態様21に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(23) 前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された温度センサを更に備え、前記温度センサが、前記コンタクトレンズ領域内の温度を表す温度信号を生成するように構成され、
前記制御回路は、
前記温度センサによって生成された前記温度信号に基づいて、前記コンタクトレンズ領域内の前記温度を測定し、
測定された前記温度が規定閾値温度を超えることに応答して、前記照明デバイスを停止して、前記コンタクトレンズ領域への前記可視光の放射を中止するように更に構成されている、
実施態様21に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(24) 前記制御回路が、前記スイッチの再作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域にUV光又はHEV光を放射するように構成されている、実施態様23に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(25) 前記制御回路が、前記スイッチの前記再作動に応答して、前記加熱回路を作動させ続けて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させるように構成されている、実施態様24に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
【0074】
(26) 前記制御回路が、
前記照明デバイスを停止させて、前記コンタクトレンズ領域への前記UV光又は前記HEV光の放射を中止し、
前記照明デバイスを作動させて、前記コンタクトレンズ領域に可視光を放射するように更に構成されている、
実施態様24に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(27) 前記制御回路が、前記照明デバイスを停止して、前記コンタクトレンズ領域内の前記可視光の放射を中止するように更に構成されている、実施態様26に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(28) 前記空洞が、前記内面の上方に配置され、前記観察窓に隣接する第2の内面を更に画定し、
前記第2の内面に取り付けられた照明レンズを更に備え、前記照明レンズが、前記照明デバイスを備える、
実施態様1に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(29) 前記照明レンズが、開口部を有する円形状のハウジングを備え、前記開口部が前記観察窓と軸方向に位置合わせされている、実施態様28に記載のコンタクトレンズ実演デバイス。
(30) 眼に挿入されていないときの、非暗色化状態から暗色化状態へのフォトクロミックレンズの変化を実演する方法であって、
コンタクトレンズをハウジング内に配置された空洞内に挿入して、前記コンタクトレンズを、前記ハウジング内のコンタクトレンズ領域と、前記コンタクトレンズ領域に軸方向に位置合わせされた前記ハウジングの外面に配置された観察窓とに位置合わせすることと、
前記空洞内に配置された照明デバイスに結合された制御回路を作動させることと、
前記制御回路の前記作動に応答して、前記制御回路によって前記照明デバイスを作動させて、前記照明デバイスに、前記コンタクトレンズ領域に紫外(UV)光又は高エネルギー可視(HEV)光を放射させて、規定実演期間にわたって前記コンタクトレンズを前記UV光又は前記HEV光に曝露することと、
を含む、方法。
【0075】
(31) 前記制御回路が、前記制御回路の前記作動に応答して、加熱回路を作動させて、加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させることを更に含む、実施態様30に記載の方法。
(32) 前記制御回路が、前記ハウジング内に配置され、前記制御回路に連結された温度センサによって生成される前記コンタクトレンズ領域内の温度を表す温度信号に基づいて、前記加熱回路を調節して、前記コンタクトレンズ領域内の前記温度を規定温度に制御することを更に含む、実施態様31に記載の方法。
(33) 前記制御回路が、前記空洞内に配置された前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記UV光又は前記HEV光を放射する前に、前記制御回路に結合されたスイッチの作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に可視光を放射すること、を更に含む、実施態様30に記載の方法。
(34) 前記照明デバイスを作動させて前記可視光を放射することが、前記スイッチの前記作動に応答して、前記コンタクトレンズ領域に前記可視光をパルス放射することを含む、実施態様33に記載の方法。
(35) 前記制御回路が、前記空洞内に配置された加熱素子を含む加熱回路を作動させることを更に含み、前記コンタクトレンズ領域に位置合わせされた前記加熱素子が、前記スイッチの前記作動に応答して、前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させる、実施態様33に記載の方法。
【0076】
(36) 前記制御回路が、前記スイッチの前記作動後に規定初期化期間にわたって前記加熱回路を作動させることを含む、実施態様35に記載の方法。
(37) 前記制御回路が、
前記コンタクトレンズ領域内の温度を測定することと、
測定された前記温度が規定閾値温度を超えることに応答して、前記照明デバイスを停止して、前記コンタクトレンズ領域への前記可視光の放射を中止することと、
を更に含む、実施態様35に記載の方法。
(38) 前記制御回路が、前記スイッチの再作動に応答して、前記照明デバイスを作動させて前記コンタクトレンズ領域に前記UV光又は前記HEV光を放射することを含む、実施態様37に記載の方法。
(39) 前記制御回路が、前記スイッチの前記再作動に応答して、前記加熱回路を作動させ続けて、前記加熱素子に前記コンタクトレンズ領域内に熱を発生させることを更に含む、実施態様38に記載の方法。
(40) 前記制御回路が、
前記照明デバイスを停止して、前記コンタクトレンズ領域への前記UV光又は前記HEV光の放射を中止することと、
前記照明デバイスを作動させて、前記コンタクトレンズ領域に可視光を放射することと、
を更に含む、実施態様38に記載の方法。
【0077】
(41) 前記制御回路が、前記照明デバイスを停止して、前記コンタクトレンズ領域内の前記可視光の放射を中止することを更に含む、実施態様40に記載の方法。
(42) 非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行される複数のコンピュータ実行可能命令を含む命令プログラムを記憶して、前記プロセッサに、
照明デバイスを作動させて、前記照明デバイスに、ハウジングの空洞内に配置されたコンタクトレンズ領域に紫外(UV)光又は高エネルギー可視(HEV)光を放射させて、規定実演期間にわたって、前記空洞内に挿入されたコンタクトレンズを前記UV光又は前記HEV光に曝露する、非一時的コンピュータ可読媒体。