(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】継手及びそれを用いた物干し具
(51)【国際特許分類】
F16B 7/04 20060101AFI20240826BHJP
F16B 12/40 20060101ALI20240826BHJP
D06F 57/08 20060101ALI20240826BHJP
D06F 57/06 20060101ALN20240826BHJP
【FI】
F16B7/04 301U
F16B12/40 C
D06F57/08 B
D06F57/06
(21)【出願番号】P 2021011205
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】720000269
【氏名又は名称】積水樹脂商事株式会社
(72)【発明者】
【氏名】来田 恭平
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-018194(JP,A)
【文献】実開昭57-107006(JP,U)
【文献】実開昭49-021709(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/00- 7/22
F16B 12/00- 12/60
D06F 57/08
D06F 57/06
A47F 5/00- 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のパイプが挿入される筒状の第1挿入部と、
前記第1挿入部の外周面から外方に向けて突設され、他方のパイプが挿入される筒状の第2挿入部と、
前記第2挿入部に外嵌される締め付け部材と、
を備えた継手であって、
前記第1挿入部は、前記第2挿入部側に向けて形成され、該第1挿入部の内部空間から外部空間に通じる開口部と、前記開口部内に配置された押さえ部材を有し、
前記第2挿入部は、前記締め付け部材が外嵌されることにより縮径されるとともに、
前記第2挿入部に外嵌された締め付け部材は、前記押さえ部材を前記第1挿入部の内部空間側に押圧するようになされた
ことを特徴とする継手。
【請求項2】
前記第2挿入部は、前記他方のパイプの挿入方向に沿って形成されたスリットを有し、
前記スリットは前記開口部に通じており、
前記押さえ部材は、前記スリットに通じる突起部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記押さえ部材は、一端に前記突起部が形成され、他端が開口部の内周壁に接続されるとともに、締め付け部材の押圧により弾性変形可能である
ことを特徴とする請求
項2に記載の継手。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の継手を用いた物干し具であって、
パイプ状の縦材と、
前記縦材の下端部に前記継手を介して接続した横方向に配置されたパイプ状の脚部と
、を備え、
前記縦材は前記第2挿入部内に挿入され、前記脚部は前記第1挿入部内に挿入されている
ことを特徴とする物干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ同士を接続させるための継手、及びこの継手を用いて組み立てられた物干し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプ同士を接続するための継手としては様々なものが提案されている。例えば、パイプの端部同士を接続して、直線状、又は直角状に連結する、すなわち、2個のパイプを所定の角度で連結するための継手や、一方のパイプの端部を他方のパイプの中間部に接続することによって、パイプをT型に連結するための継手を挙げることができる。
【0003】
継手にパイプを固定する構造としては、例えば、パイプの外径よりやや小さい筒状の挿入部を継手に設けて、パイプをハンマー等でたたき込むものを挙げることができる。また、パイプの外径よりやや大きい筒状の挿入部を継手に設け、挿入部を軸方向(長手方向)に対して半筒状に分割し、パイプを挿入した後に、挿入部の外形が小さくなるように締め付け具を取付けることによりパイプを固定するものも利用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、パイプ端部を支持する継手部が突設された継手本体と、パイプ端部に外嵌される挿入筒となされてパイプ端部とともに前記継手部に嵌入される固定具とからなり、継手本体の継手部の内周側面の周方向にテーパー状面が形成され、対する固定具の挿入筒の外側面には上記テーパー状面と相対する位置と箇所数の突起が形成されるとともに、挿入筒の周縁にはナット部が形成され、パイプ端部が嵌入された固定具を継手本体の継手部に嵌入させた後、そのナット部を所定角度回転させた際、固定具の前記突起が継手部の内周面のテーパー状面に強圧されることによってパイプが継手に強固に接続されることを特徴とする継手とパイプの接続構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記継手とパイプの接続構造によると、継手とパイプとが強度的に安定した接続がなされ、特に強い力のかかる用途に対しても継手が繰り返し使用を経た後にも強度上不安なく使用できるものであるが、継手に対して、ひとつのパイプごとに挿入筒を設けて、パイプごとに接続する必要があったので、接続作業が繁雑になるおそれがあった。
【0007】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、継手を介してパイプ同士を接続する際に、一方のパイプの固定作業により、他方のパイプも継手に固定することができる継手を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る継手は、一方のパイプが挿入される筒状の第1挿入部と、前記第1挿入部の外周面から外方に向けて突設され、他方のパイプが挿入される筒状の第2挿入部と、前記第2挿入部に外嵌される締め付け部材と、を備えた継手であって、前記第1挿入部は、前記第2挿入部側に向けて形成され、該第1挿入部の内部空間から外部空間に通じる開口部と、前記開口部内に配置された押さえ部材を有し、前記第2挿入部は、前記締め付け部材が外嵌されることにより縮径されるとともに、前記第2挿入部に外嵌された締め付け部材は、前記押さえ部材を前記第1挿入部の内部空間側に押圧するようになされたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、押さえ部材は、一端に突起部が形成され、他端が開口部の内周壁に接続されるとともに、締め付け部材の押圧により弾性変形可能であることが好ましい。
【0010】
また本発明において、前記第二の挿入部は、前記第二のパイプの挿入方向に沿って形成されたスリットを有し、前記スリットは前記開口部に通じており、前記押さえ部材は、前記スリットに通じる突起部を有していることが好ましい。
【0011】
また本発明に係る物干しは、前記継手を用いた物干し具であって、パイプ状の縦材と、前記縦材の下端部に前記継手を介して接続した横方向に配置されたパイプ状の脚部とを備え、縦材は第2挿入部内に挿入され、脚部は第1挿入部内に挿入されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る継手によれば、第二のパイプを継手に固定するための締め付け部材により、第一のパイプも固定することができるので、パイプの接続作業が容易となる。
【0013】
または、本発明に係る物干し具によれば、パイプ状の縦材と、縦材の下端部に継手を介して接続した横方向に配置されたパイプ状の脚部とを備えているので、継手の締め付けを緩めることにより、縦材を軸にして脚部が回動可能となるとため、物干しとして使用する時は脚部の向きを所定の方向とし、使用しないときは脚部の向きや固定位置を変えて、省スペースの状態に変更して片付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る継手を用いた物干し具の説明図である。
【
図2】
図1の物干し具の他の使用状態を示すA矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。図面において、10は一方のパイプとしての脚部、20は他方のパイプとしての縦材、30は本発明に係る継手であって、本発明に係る継手30は、一方のパイプとしての脚部10と他方のパイプとしての縦材20とを接続するものである。また、本発明に係る物干し具100は、脚部10と縦材20との接続に継手30を用いたものである。
【0016】
図1、
図2は、本発明に係る物干し具100の実施の一形態を示す説明図であって、
図1は物干しとして使用する場合、
図2は物干しの使用が終わって片付けるために省スペース状態にした場合を表している。なお、
図2は
図1の物干し具100を省スペース状態にしたA矢視図である。
【0017】
物干し具100は、左右に配置された縦材20と、縦材20、20間に架設された横材40と、縦材20の下端部に継手30を介して取付けられた脚部10とを備えたものであり、縦材20、20と横材40、40により矩形状に形成されている。本形態においては、縦材20、横材40及び脚部10は、金属製の丸パイプであり、以下の説明においても、特に記載しない限りは金属製の丸パイプとして説明するが、他の形状、例えば、断面楕円形状でもよく、断面矩形状でもよい。また材質としては、アルミニウム合金や、鋼材、ステンレス鋼材、金属箔を組み合わせて用いられる、いわゆる、クラッド管のような複合材料を用いてもよい。
【0018】
上側の横材40は、左端部がL型ジョイント51を介して左側の縦材20の上端部に接続されている。反対の右端部はT型ジョイント52を介して右側の縦材20の上端部に接続されている。なお、T型ジョイント52は、横材40とは反対側に、横材40より小径のパイプ状の張り出し横材41が取付けられており、横材40と張り出し横材41とが直線状に配置されている。そして、張り出し横材41は、長手方向に移動可能である。
図1は張り出し横材41が張り出された状態、
図2は張り出し横材41がT型ジョイント52の内側を通って横材40内に挿入されて収納された状態となるものである。
【0019】
下側の横材40は、左右両端部がL型ジョイント53、53を介して、左右の縦材20、20の下部に接続されている。具体的には、L型ジョイント53、53は、縦材20が上下方向に貫通する筒状の貫通部53aと、貫通部53aの上端部から横方向に突設されて、横材40の端部が挿入される筒状の挿入部53bとを有している。これにより、下側の横材40は、左右のL型ジョイント53、53を介して、上下方向の高さ位置を変更することができる。
【0020】
次に、脚部10と継手30との接続構造について説明する。
図3は
図1のB-B線拡大断面図であり、
図4は
図1の継手30の説明図である。継手30は、脚部10が挿入される筒状の第1挿入部31を有している。本形態では、
図1に示すように、脚部10は第1挿入部31を貫通しており、両端部にキャップ11、11が取付けられている。キャップ11の外径は第1挿入部31の内径よりも大きいので、キャップ11は第1挿入部31に挿入することができない。これにより、脚部10は、継手30が緩んでいる時は、両端部のキャップ11、11の間において、第1挿入部31に対して長手方向の任意の位置に移動することができる。
【0021】
次に、縦材20と継手30との接続構造及び固定方法について説明する。継手30は、第1挿入部31の外周面に突設され、縦材20が挿入される筒状の第2挿入部32と、第2挿入部32に外嵌される締め付け部材60とを備えている。本形態では、第2挿入部32は、第1挿入部31の径方向に突設されている。なお、
図3において、右側に示しているのは、締め付け部材60のみの断面図である。
【0022】
縦材20の下端部を第2挿入部32内に挿入した後、第2挿入部32に締め付け部材60を外嵌すると、第2挿入部32が縮径されて、第2挿入部32の内周面が挿入された縦材20を押圧する。これにより、縦材20が第2挿入部32によって固定される。
【0023】
更に具体的に説明すると、締め付け部材60は円筒状であって、内周面は、第1挿入部31側である下方が径大であって、反対側が径小となるテーパ状となされている。このテーパ状の内周面には雌ねじ部61が形成されている。
【0024】
一方、第2挿入部32は、縦材20の挿入方向である突設方向にスリット33が形成されている。本形態では、スリット33は、第1挿入部31の外周面に達しており、第2挿入部32を形成する側壁部34の対向する位置に形成され、側壁部34が2個に分割されている。更に、側壁部34の外周面には雄ねじ部35が形成されており、雄ねじ部35が雌ねじ部61に螺合するように締め付け部材60を第2挿入部32に外嵌することにより、第2挿入部32が縮径されて、側壁部34の内周面が縦材20を押圧する。これにより、縦材20が第2挿入部32によって固定される。なお、本形態では、側壁部34に雄ねじ部35が形成され、締め付け部材60に雌ねじ部61が形成されたものであるが、締め付け部材60が側壁部34(第2挿入部32)に嵌合されて、第2挿入部32が縮径するものであれば良いので、図示しないが、側壁部34に雌ねじ部が形成され、締め付け部材60に雄ねじ部が形成されたものであればよい。
【0025】
次に、継手30に対する脚部10の固定方法について、
図3~
図5を用いて説明する。なお、
図5は、継手30の平面図である。第1挿入部31は、第2挿入部32側に向けて形成され、第1挿入部31の内部空間から外部空間に通じる開口部36を有している。本形態では、開口部36は第1挿入部31の長手方向に沿って細長形状にされるとともに、第2挿入部32の両スリット33、33に通じている。そして、開口部36内には、押さえ部材37が配置されている。
【0026】
押さえ部材37は、本形態では、開口部36の内部空間よりもやや小さく形成されている。押さえ部材37の両端部は、外方に立ち上がる突起部38を有しており、突起部38はスリット33に通じている。つまり、突起部38がスリット33により形成された空間内に配置されており、平面視において突起部38と締め付け部材60の下端部とが重合する位置関係となっている。
【0027】
これにより、締め付け部材60を第2挿入部32に外挿して第1挿入部31側に移動させると、締め付け部材60の下端部が突起部38に当接し、更に、突起部38を第1挿入部31の内部空間側に押圧するので、第1挿入部31に挿入された脚部10を下方に押圧する。したがって、押圧された押さえ部材37により、脚部10は第1挿入部31内で固定される。
【0028】
本形態では、押さえ部材37は、開口部36の内周面と一部接続されている。具体的には、押さえ部材37の長手方向中間部と開口部36の内周面とが接続されており、この接続箇所から、開口部36の両側端部に向けて押さえ部材37が延設された形態であって、押さえ部材37の中間部がいわゆる固定端、両端部がいわゆる自由端となる。
【0029】
これにより、継手30と押さえ部材37とを別々に準備する必要がなくなる。また、本形態では、合成樹脂により押さえ部材37が継手30と一体に形成されているので、前述した締め付け部材60の外挿操作により、締め付け部材60の下端部が押さえ部材37の突起部38を下方に押圧する力が作用すると、突起部38付近が下方に向けて弾性的に変形して、第1挿入部31内の脚部10を下方に押圧するので、脚部10を下方に向けて押圧することができるため、脚部10を第1挿入部31内で固定することができる。開口部36の内周面と押さえ部材37との隙間は、突起部38付近が下方に向けて弾性変形した時に、開口部36の内周面と干渉しない範囲で、適宜設定することができる。
【0030】
突起部38は、押さえ部材37の一方の端部のみに形成されたもの、すなわち、締め付け部材60と当接する突起部38がひとつでもよいが、本形態のように、突起部38を2個有する方が、脚部10をより強固に固定できるので好ましい。
【0031】
また、押さえ部材37の突起部38、38間に縦材20が配置可能な方が好ましい。これにより、縦材20を第2挿入部32内の奥側まで挿入することができる。
【0032】
このように、本発明に係る継手30を用いることで、脚部10と縦材20との接続作業が容易となる。つまり、すなわち、第2挿入部32に締め付け部材60を外挿する外挿操作により、縦材20のみならず、脚部10も固定することができる。また、外挿操作について増し締めすることにより脚部10及び縦材20の固定の程度をより強くすることができる。したがって、脚部10と縦材20とをそれぞれ別々に固定する操作が必要なくなる。
【0033】
また、本発明に係る継手30を用いて接続された脚部10と縦材20とにおいて、締め付け部材60を緩めることにより、脚部10の位置変更が可能となる。すなわち、縦材20は、第2挿入部32内で長手方向を軸として回動可能となるので、継手30の第1挿入部31に挿通された脚部10は、縦材20を軸として回動可能となる。これにより、
図1及び
図2に示すように、脚部10の長手方向の向きを容易に変更することができる。
【0034】
加えて、第1挿入部31内での脚部10の固定状態も緩むので、脚部10と継手30との位置関係を変更することができる。例えば、
図1に示す様な脚部10の長手方向中央部付近を継手30に固定する場合と、
図2に示す様な脚部10の端部付近を継手30に固定する場合を挙げることができる。また、脚部10の向きや固定位置を変更した後に、前述した締め付け部材60の外挿操作をすれば、その位置で脚部10を固定することができる。
【0035】
また、本発明に係る物干し具100は、締め付け部材60を緩めることにより、脚部10の向きや継手30に対する固定位置を変更することができるので、物干しとして使用する時は、
図1に示すように、脚部10の長手方向の向きを横材40に対して直交する方向に配置すれば、自立することができる。一方、物干しを片付ける時は、
図2に示すように、脚部10の長手方向の向きを前横材40の長手方向に変えることで、省スペースの状態に変更することができる。
【0036】
以上、本発明に係る継手30及び物干し具100について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0037】
例えば、本形態に係る継手30は、一方のパイプの端部を他方のパイプの中間部に接続する、T型継手であるが、第1挿入部31の一端を閉鎖したものとすれば、パイプの端部同士を接続する、L型継手として用いることができる。
【0038】
本発明にかかる継手30は、一方のパイプ(脚部10)が挿入される筒状の第1挿入部31と、第1挿入部31の外周面から外方に向けて突設され、他方のパイプ(縦材20)が挿入される筒状の第2挿入部32と、第2挿入部32に外嵌される締め付け部材60と、を備えた継手30であって、第1挿入部31は、第2挿入部32側に向けて形成され、該第1挿入部31の内部空間から外部空間に通じる開口部36と、開口部36内に配置された押さえ部材37を有し、第2挿入部32は、締め付け部材60が外嵌されることにより縮径されるとともに、第2挿入部32に外嵌された締め付け部材60は、押さえ部材37を第1挿入部31の内部空間側に押圧することを特徴とするものである。
【0039】
これにより、第2挿入部32に締め付け部材60を外挿する外挿操作により、第2挿入部32内に挿入された他方のパイプ(縦材20)を固定するとともに、第1挿入部31内に挿入された一方のパイプ(脚部10)も固定することができる。
【0040】
また、本発明において、第2挿入部32は、他方のパイプ(縦材20)の挿入方向に沿って形成されたスリット33を有し、スリット33は開口部36に通じており、押さえ部材37は、スリット33に通じる突起部38を有している
ことが好ましい。
【0041】
これにより、締め付け部材60の外挿操作により、第2挿入部32は縮径しやすくなるので他方のパイプ(縦材20)を固定しやすくなる。加えて、締め付け部材60の下方に押さえ部材37の突起部38を配置させやすくなるので、締め付け部材60の外挿操作により、押さえ部材37を第1挿入部31の内部空間側に押圧しやすくなる。
【0042】
本発明において、押さえ部材37は、一端に突起部38が形成され、他端が開口部36の内周壁に接続されるとともに、締め付け部材60の押圧により弾性変形可能であることが好ましい。
【0043】
これにより、継手30と押さえ部材37を別々に用意する必要がなくなる。
【0044】
また、本発明に係る物干し具100は、前記継手30を用いた物干し具100であって、パイプ状の縦材20と、縦材20の下端部に継手30を介して接続した横方向に配置されたパイプ状の脚部10とを備え、縦材20は第2挿入部32内に挿入され、脚部10は第1挿入部31内に挿入されている特徴とするものである。
【0045】
これにより、継手30の締め付けを緩めることにより、縦材20を軸にして脚部10が回動可能となり、かつ、継手30に対して位置変更可能となるので、物干しとして使用する時は脚部10の向きを所定の方向とし、使用しないときは脚部10の向きや継手30に対する固定位置を変えて、省スペースの状態に変更して片付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る継手は、二本のパイプを接続する際に、一方のパイプの固定操作に伴って、他方パイプの固定もできるので、パイプを複数組み合わせて用いられる物干し具に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 脚部
11 キャップ
20 縦材
30 継手
31 第1挿入部
32 第2挿入部
33 スリット
34 側壁部
35 雄ねじ部
36 開口部
37 押さえ部材
38 突起部
40 横材
41 張り出し横材
51 L型ジョイント
52 T型ジョイント
53 L型ジョイント
53a 貫通部
53b 挿入部
60 締め付け部材
61 雌ねじ部
100 物干し具