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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】固体撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021024300
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126302
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小西 武文
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-188049(JP,A)
【文献】特開2018-160558(JP,A)
【文献】特開2013-038312(JP,A)
【文献】特開2019-145875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/778
H04N 25/771
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローバルシャッタ共有画素を隣接配置した2×2画素ユニットを、複数個配置した固体撮像装置であって、
隣接する前記2×2画素ユニットは、列方向に2画素周期、行方向に1画素周期で複数個配置され、
前記2×2画素ユニットは、第1のグローバルシャッタ共有画素と、前記第1のグローバルシャッタ共有画素と同一のレイアウトを列方向に反転した配置の第2のグローバルシャッタ共有画素とが行方向および列方向にそれぞれ1/2画素ピッチずつずらして隣接配置され、
前記第1のグローバルシャッタ共有画素および前記第2のグローバルシャッタ共有画素のそれぞれは、1対の単位画素が列方向に対向配置され、電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部と、前記フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷に応じて画素信号を生成する信号電荷検出部と、前記フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷を排出する信号電荷リセット部とを共有し、
前記1対の単位画素のそれぞれは、光信号を光電変換して電荷を蓄積するフォトダイオード部と、前記フォトダイオード部に蓄積される電荷を転送する第1の電荷転送部と、前記第1の電荷転送部によって転送される電荷を保持する電荷保持部と、前記電荷保持部に保持される電荷を前記フローティングディフュージョン部に転送する第2の電荷転送部とを備え
前記第1のグローバルシャッタ共有画素内の上側の単位画素の前記第2の電荷転送部と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素内の上側の単位画素の前記第2の電荷転送部とが第1の行読み出し駆動信号で駆動され、
前記第1のグローバルシャッタ共有画素の下側の単位画素の前記第2の電荷転送部と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素の下側の単位画素の前記第2の電荷転送部とが第2の行読み出し駆動信号で駆動される、固体撮像装置。
【請求項2】
前記単位画素はさらに、前記フォトダイオード部の飽和電荷量よりも多い電荷を排出する第3の電荷転送部を備え、
前記第1のグローバルシャッタ共有画素内の単位画素の前記第3の電荷転送部のオーバーフロードレイン部と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷リセット部のドレイン部とが、同一の第1半導体領域によって構成される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記単位画素はさらに、前記フォトダイオード部の飽和電荷量よりも多い電荷を排出する第3の電荷転送部を備え、
前記第1のグローバルシャッタ共有画素内の単位画素の前記第3の電荷転送部のオーバーフロードレイン部と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷検出部のドレイン部とが、同一の第1半導体領域によって構成される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷検出部に接続される行選択信号と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷検出部に接続される行選択信号とが、同じ信号波形であり、別の配線で接続される、請求項1~のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷リセット部に接続される行リセット信号と、前記第2のグローバルシャッタ共有画素内の前記信号電荷リセット部に接続される行リセット信号とが、同じ信号波形であり、別の配線で接続される、請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1のグローバルシャッタ共有画素に接続される前記行選択信号および前記行リセット信号の配線の並びと、前記第2のグローバルシャッタ共有画素に接続される前記行選択信号および前記行リセット信号の配線の並びとが逆である、請求項に記載の固体撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像に対応したグローバルシャッタ動作を行う固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グローバルシャッタ画素を用いた固体撮像装置が種々開発されている。これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1は、斜め方向に並べられている複数の画素でFD(フローティングディフュージョン)等の素子を共有する場合に用いられる固体撮像素子に関する。固体撮像素子は、少なくともFDを共有する複数の画素から成る共有画素組が斜め方向に並べられている画素アレイと、共有画素組を成す各画素の光電変換部を避けてジグザグに配線されている垂直信号線とを備え、垂直信号線は、共有画素組との接続部において他の垂直信号線と接近するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/173793号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示された固体撮像素子においては、2画素共有の共有画素組を斜め方向に傾けた上で、水平および垂直の両方向に1/2画素ピッチずらして配置することにより解像度を向上させている。さらには隣接する2本の信号出力線の配置を交差させることにより、対称性が良く、感度特性を損なうことのない画素配置を実現している。しかしながら、共有画素組が斜め方向となっているため、読み出しライン数が多くなり、フレームレートが低くなるといった問題点がある。
【0006】
本発明の一態様は、読み出しライン数を削減して、高フレームレートを可能にした固体撮像装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、グローバルシャッタ共有画素を隣接配置した2×2画素ユニットを、複数個配置した固体撮像装置であって、隣接する2×2画素ユニットは、列方向に2画素周期、行方向に1画素周期で複数個配置され、2×2画素ユニットは、第1のグローバルシャッタ共有画素と、第1のグローバルシャッタ共有画素と同一のレイアウトを列方向に反転した配置の第2のグローバルシャッタ共有画素とが行方向および列方向にそれぞれ1/2画素ピッチずつずらして隣接配置され、第1のグローバルシャッタ共有画素および第2のグローバルシャッタ共有画素のそれぞれは、1対の単位画素が列方向に対向配置され、電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部と、フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷に応じて画素信号を生成する信号電荷検出部と、フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷を排出する信号電荷リセット部とを共有し、1対の単位画素のそれぞれは、光信号を光電変換して電荷を蓄積するフォトダイオード部と、フォトダイオード部に蓄積される電荷を転送する第1の電荷転送部と、第1の電荷転送部によって転送される電荷を保持する電荷保持部と、電荷保持部に保持される電荷をフローティングディフュージョン部に転送する第2の電荷転送部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、読み出しライン数を削減して、高フレームレートを可能にした固体撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
図2】本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ共有画素の平面レイアウト図である。
図3】本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ共有画素の回路構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ2×2画素ユニットの平面レイアウト図である。
図5】本発明の実施形態に係る固体撮像装置の平面レイアウト図である。
図6図5に示す本発明の実施形態に係る固体撮像装置の平面レイアウトに、第2の電荷転送部に接続される行読み出し駆動配線を太線で追加した図である。
図7図5に示す本発明の実施形態に係る固体撮像装置の平面レイアウトに、行選択トランジスタに接続される駆動配線と、リセットトランジスタに接続される駆動配線とを太線で追加した図である。
図8】本発明の実施形態に係る固体撮像装置の画素信号の読み出し方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同一の部材には同一の符号を付し、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらの詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト>
図1は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。単位画素100は、フォトダイオード部PDと、フォトダイオード部PDに隣接し第1のゲート電極で覆われた第1の電荷転送部TRXと、第1の電荷転送部TRXに対しフォトダイオード部PDと異なる方向に隣接する電荷保持部(図示せず)と、電荷保持部に対し第1の電荷転送部TRXと異なる方向に隣接する第2のゲート電極で覆われた第2の電荷転送部TRGとを含む。
【0012】
単位画素100はさらに、第2の電荷転送部TRGに対し電荷保持部と異なる方向で隣接する第1導電型半導体領域のフローティングディフュージョン部FDと、フォトダイオード部PDに対し第1の電荷転送部TRXと異なる方向に隣接する第3のゲート電極で覆われた第3の電荷転送部OFGと、第3の電荷転送部OFGに対しフォトダイオード部PDと異なる方向で隣接し電源電圧VDDに接続されるオーバーフロードレイン部とを含む。
【0013】
<固体撮像装置のグローバルシャッタ共有画素の平面レイアウト>
図2は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ共有画素の平面レイアウト図である。フローティングディフュージョン部FDの接続配線を太線で示している。グローバルシャッタ共有画素は、図2に示すように、まず、2つの単位画素100-1および100-2をフローティングディフュージョン部FDで接続し、列方向(図の上下方向)に対向配置する。
【0014】
さらに、太線で示される画素100-2内の配線によりそのゲート電極がフローティングディフュージョン部FDと接続されるソースフォロワートランジスタSFおよび行選択トランジスタSELで構成される信号電荷検出部と、さらには同じ太線で示される画素100-2内の配線を介してそのソース部がフローティングディフュージョン部FDと接続され、そのドレイン部が電源電圧VDDに接続されるリセットトランジスタ(信号電荷リセット部)RSTとを2つの単位画素100-1および100-2で共有することにより構成される。なお、単位画素100-1と100-2との画素ピッチをaとする。
【0015】
図3は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ共有画素100-1および100-2の回路構成を示す図である。グローバルシャッタ共有画素100-1および100-2は、第1の電荷転送部TRX1およびTRX2と、第2の電荷転送部TRG1およびTRG2と、オーバーフローゲート(第3の電荷転送部)OFG1およびOFG2と、フォトダイオード部PD1およびPD2と、電荷保持部MEM1およびMEM2と、フローティングディフュージョン部FDと、リセットトランジスタRSTと、ソースフォロワートランジスタSFと、行選択トランジスタSELとを含む。
【0016】
フォトダイオード部PD1は、入射した光を光電変換によって電荷に変換して蓄積する光電変換部として機能する。フォトダイオード部PD1のアノード端子が接地され、カソード端子が第1の電荷転送部TRX1および第3の電荷転送部OFG1に接続される。
【0017】
第1の電荷転送部TRX1は、図示しない第1の転送信号によって駆動する。第1の電荷転送部TRX1がオンになると、フォトダイオード部PD1に蓄積されている電荷が電荷保持部MEM1に転送される。フォトダイオード部PD1から電荷保持部MEM1への電荷の転送は、固体撮像素子が有する全ての単位画素で略同一のタイミングで行われ、全ての単位画素で電荷が一斉に転送される。電荷保持部MEM1は、フォトダイオード部PD1から転送される電荷を保持する。
【0018】
第2の電荷転送部TRG1は、後述の行読み出し駆動信号によって駆動する。第2の電荷転送部TRG1がオンになると、電荷保持部MEM1に蓄積されている電荷がフローティングディフュージョン部FDに転送される。
【0019】
オーバーフローゲートOFG1は、図示しない排出信号によって駆動する。オーバーフローゲートOFG1がオンになると、フォトダイオード部PD1に溜まっている電荷が電源配線VDDに排出される。また、オーバーフローゲートOFG1は、フォトダイオード部PD1の飽和電荷量よりも多い電荷が光電変換によって発生した場合に、フォトダイオード部PD1から電源配線VDDに電荷をオーバーフローさせる(溢れさせる)機能を有している。
【0020】
同様に、フォトダイオード部PD2は、入射した光を光電変換によって電荷に変換して蓄積する光電変換部として機能する。フォトダイオード部PD2のアノード端子が接地され、カソード端子が第1の電荷転送部TRX2および第3の電荷転送部OFG2に接続される。
【0021】
第1の電荷転送部TRX2は、図示しない第1の転送信号によって駆動する。第1の電荷転送部TRX2がオンになると、フォトダイオード部PD2に蓄積されている電荷が電荷保持部MEM2に転送される。フォトダイオード部PD2から電荷保持部MEM2への電荷の転送は、固体撮像素子が有する全ての単位画素で略同一のタイミングで行われ、全ての単位画素で電荷が一斉に転送される。電荷保持部MEM2は、フォトダイオード部PD2から転送される電荷を保持する。
【0022】
第2の電荷転送部TRG2は、後述の行読み出し駆動信号によって駆動する。第2の電荷転送部TRG2がオンになると、電荷保持部MEM2に蓄積されている電荷がフローティングディフュージョン部FDに転送される。
【0023】
オーバーフローゲートOFG2は、図示しない排出信号によって駆動する。オーバーフローゲートOFG2がオンになると、フォトダイオード部PD2に溜まっている電荷が電源配線VDDに排出される。また、オーバーフローゲートOFG2は、フォトダイオード部PD2の飽和電荷量よりも多い電荷が光電変換によって発生した場合に、フォトダイオード部PD2から電源配線VDDに電荷をオーバーフローさせる(溢れさせる)機能を有している。
【0024】
ソースフォロワートランジスタSFは、フローティングディフュージョン部FDに蓄積されている電荷に応じたレベルの画素信号を、行選択トランジスタSELを介して垂直信号線VSLに出力する。すなわち、フローティングディフュージョン部FDがソースフォロワートランジスタSFのゲート電極に接続される構成とすることにより、フローティングディフュージョン部FDおよびソースフォロワートランジスタSFは、フォトダイオード部PD1またはPD2において発生した電荷を、その電荷に応じたレベルの画素信号に変換する変換部として機能する。
【0025】
行選択トランジスタSELは、後述の行選択信号によって駆動する。行選択トランジスタSELがオンになると、ソースフォロワートランジスタSFから出力される画素信号が垂直信号線VSLに出力可能な状態となる。ソースフォロワートランジスタSFおよび行選択トランジスタSELは、信号電荷検出部として機能する。
【0026】
リセットトランジスタRSTは、後述の行リセット信号(RST信号)によって駆動する。リセットトランジスタRSTがオンになると、フローティングディフュージョン部FDに蓄積されている電荷が電源配線VDDに排出されて、フローティングディフュージョン部FDがリセットされる。
【0027】
フローティングディフュージョン部FDは、ソースフォロワートランジスタSFのゲート電極に接続された所定の蓄積容量を有する第1導電型半導体領域であり、電荷保持部から転送される電荷を蓄積する。なお、フローティングディフュージョン部FD、リセットトランジスタRST、ソースフォロワートランジスタSFおよび行選択トランジスタSELは、2つの単位画素100-1および100-2で共有される。
【0028】
<固体撮像装置のグローバルシャッタ2×2画素ユニットの平面レイアウト>
図4は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置のグローバルシャッタ2×2画素ユニットの平面レイアウト図である。フローティングディフュージョン部FDの接続配線を太線で示している。なお、単位画素100-11および100-21で1つのグローバルシャッタ共有画素が構成され、単位画素100-12および100-22で他のグローバルシャッタ共有画素が構成される。
【0029】
グローバルシャッタ2×2画素ユニットは、図2に示すグローバルシャッタ共有画素(100-1,100-2)に対し、同じグローバルシャッタ共有画素を列方向(上下方向)に反転し、行方向および列方向にそれぞれ画素ピッチaに対してa/2ずつずらして隣接配置されている。
【0030】
図4に示すように、左側のグローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)の上側のフォトダイオードPD11に隣接するオーバーフローゲートOFG11のオーバーフロードレイン部のVDDは、右側のグローバルシャッタ共有画素(100-12,100-22)のリセットトランジスタRST2のドレイン端子に接続されるVDDと共有されている。
【0031】
<固体撮像装置の平面レイアウト>
図5は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置1の平面レイアウト図である。フローティングディフュージョン部FDの接続配線を太線で示している。本実施形態に係る固体撮像装置は、図3に示すグローバルシャッタ2×2ユニットを、列方向に2画素周期、行方向に1画素周期で複数個配列することにより構成される。
【0032】
図5に示すように、例えば、左上側のグローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)の下側のフォトダイオードPD21に隣接するオーバーフローゲートOFG21のVDDは、その右下側のグローバルシャッタ共有画素(100-32,100-42)のソースフォロワートランジスタSF22のドレイン部に接続されるVDDと共有されている。なお、他のグローバルシャッタ共有画素についても、同様に配置され、同様に接続される。
【0033】
図5においては、グローバルシャッタ共有画素(100-13,100-23)とグローバルシャッタ共有画素(100-14,100-24)とで、1つのグローバルシャッタ2×2画素ユニットが構成される。また、グローバルシャッタ共有画素(100-31,100-41)とグローバルシャッタ共有画素(100-32,100-42)とで、1つのグローバルシャッタ2×2画素ユニットが構成される。同様に、グローバルシャッタ共有画素(100-33,100-43)とグローバルシャッタ共有画素(100-34,100-44)とで、1つのグローバルシャッタ2×2画素ユニットが構成される。
【0034】
<固体撮像装置の行読み出し駆動配線>
図6は、図5に示す本発明の実施形態に係る固体撮像装置1の平面レイアウトに、第2の電荷転送部TRGに接続される行読み出し駆動配線を太線で追加した図である。行読み出し駆動配線TRG1~TRG4は、列方向に配列された各グローバルシャッタ共有画素の境界部にジグザグに配線され、各グローバルシャッタ共有画素の上側の第2の電荷転送部TRGが同じ行読み出し駆動配線(TRG1,TRG3)で接続され、下側の第2の電荷転送部TRGが同じ行読み出し駆動配線(TRG2,TRG4)で接続されている。
【0035】
<固体撮像装置の行選択トランジスタSELに接続される駆動配線およびリセットトランジスタRSTに接続される駆動配線>
図7は、図5に示す本発明の実施形態に係る固体撮像装置の平面レイアウトに、行選択トランジスタSELに接続される駆動配線と、リセットトランジスタRSTに接続される駆動配線とを太線で追加した図である。
【0036】
行選択トランジスタSEL11、SEL12、SEL13およびSEL14に駆動配線(行選択信号)SEL1が接続される。画素配列内では別の配線となっているが、図示しない画素周辺回路部で接続されており、同じ波形が供給される。
【0037】
行選択トランジスタSEL21、SEL22、SEL23およびSEL24に駆動配線SEL2が接続される。画素配列内では別の配線となっているが、行選択信号SEL1と同様に、図示しない画素周辺回路部で接続されており、同じ波形が供給される。
【0038】
リセットトランジスタRST11、RST12、RST13およびSEL14に駆動配線(行リセット信号)RST1が接続される。画素配列内では別の配線となっているが、図示しない画素周辺回路部で接続されており、同じ波形が供給される。
【0039】
リセットトランジスタRST21、RST22、RST23およびSEL24に駆動配線RST2が接続される。画素配列内では別の配線となっているが、行リセット信号RST1と同様に、図示しない画素周辺回路部で接続されており、同じ波形が供給される。
【0040】
各駆動配線SEL1、SEL2、RST1およびRST2は、各グローバルシャッタ共有画素の境界部にジグザグに配線されている。駆動配線SEL1とRST1とは、各グローバルシャッタ共有画素に対し、2本の配線で接続されるが、図7に示すようにグローバルシャッタ共有画素の上側に配線される場合と、下側に配線される場合とで列方向の配列順序が逆になっている。
【0041】
図8は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置1の画素信号の読み出し方法を説明するための図である。図8に示すように、ジグザグに配置された単位画素から画素信号を読み出すことにより、従来技術と比較して、読み出し回数を半分にすることができる。したがって、高フレームレートで動作させることができ、高速読み出しが可能となる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態における固体撮像装置によれば、2つの単位画素100-1および100-2をフローティングディフュージョン部FDで接続し、列方向(図の上下方向)に対向配置してグローバルシャッタ共有画素とする。そして、グローバルシャッタ共有画素の上側の第2の電荷転送部TRGが行読み出し駆動配線で接続され、下側の第2の電荷転送部TRGが別の行読み出し駆動配線で接続されるようにした。これによって、読み出しライン数を削減することができ、高フレームレートを実現することが可能となった。
【0043】
フレームレート(1画面を読み出すために必要な時間)は、1ラインあたりの読み出し時間(1ライン当たりのAD変換時間)に、読み出しライン数を掛けて計算する。したがって、画素数が同じでも、読み出しライン数が半分になるとフレームレートは単純に2倍となる。
【0044】
また、グローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)の上側のフォトダイオードPD11に隣接するオーバーフローゲートOFG11のオーバーフロードレイン部のVDDが、グローバルシャッタ共有画素(100-12,100-22)のリセットトランジスタRST2のドレイン端子に接続されるVDDと共有されるようにした。したがって、グローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)と、グローバルシャッタ共有画素(100-12,100-22)との配置が効率的に行えるようになり、フォトダイオード部および電荷保持部の特性を保持することが可能となった。
【0045】
また、グローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)の下側のフォトダイオードPD21に隣接するオーバーフローゲートOFG21のVDDが、グローバルシャッタ共有画素(100-32,100-42)のソースフォロワートランジスタSF22のドレイン部に接続されるVDDと共有されるようにした。したがって、グローバルシャッタ共有画素(100-11,100-21)と、グローバルシャッタ共有画素(100-32,100-42)との配置が効率的に行えるようになり、フォトダイオード部および電荷保持部の特性を保持することが可能となった。
【0046】
固体撮像素子の感度特性および飽和電荷量は、フォトダイオード部PDの面積に依存する。また、グローバルシャッタ画素の飽和電荷量は、電荷保持部MEMの面積に依存する。したがって、配置を効率的に行うことにより、斜め画素配置としてもフォトダイオード部PDおよび電荷保持部MEMの面積を保持でき、通常の画素配列で同等の特性を保持できる。
【0047】
その他、各単位画素のレイアウトが同一であり、各グローバルシャッタ共有画素のレイアウトを同一とすることにより、各画素の感度・飽和電荷量・暗時ノイズ特性・電荷転送特性等、様々な特性を均一にすることが可能になる。
【0048】
また、行選択トランジスタSEL11、SEL12、SEL13およびSEL14に駆動配線(行選択信号)SEL1が接続され、行選択トランジスタSEL11およびSEL13に接続される駆動配線と、行選択トランジスタSEL12およびSEL14に接続される駆動配線とが、別の配線となるようにした。したがって、行選択信号SEL1の配線が効率的に行えるようになった。
【0049】
また、リセットトランジスタRST11、RST12、RST13およびSEL14に駆動配線(行リセット信号)RST1が接続され、リセットトランジスタRST11およびRST13に接続される駆動配線と、リセットトランジスタRST12およびRST14に接続される駆動配線とが、別の配線となるようにした。したがって、行リセット信号RST1の配線が効率的に行えるようになった。
【0050】
また、駆動配線SEL1とRST1とが、各グローバルシャッタ共有画素に対し、2本の配線で接続されるが、グローバルシャッタ共有画素の上側に配線される場合と、下側に配線される場合とで列方向の配列順序が逆になるようにした。したがって、行選択信号SEL1と行リセット信号RST1との配線が効率的に行えるようになった。
【0051】
<まとめ>
本発明の態様1に係る固体撮像装置は、グローバルシャッタ共有画素を隣接配置した2×2画素ユニットを、複数個配置した固体撮像装置であって、隣接する2×2画素ユニットは、列方向に2画素周期、行方向に1画素周期で複数個配置され、2×2画素ユニットは、第1のグローバルシャッタ共有画素と、第1のグローバルシャッタ共有画素と同一のレイアウトを列方向に反転した配置の第2のグローバルシャッタ共有画素とが行方向および列方向にそれぞれ1/2画素ピッチずつずらして隣接配置され、第1のグローバルシャッタ共有画素および第2のグローバルシャッタ共有画素のそれぞれは、1対の単位画素が列方向に対向配置され、電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部と、フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷に応じて画素信号を生成する信号電荷検出部と、フローティングディフュージョン部に蓄積される電荷を排出する信号電荷リセット部とを共有し、1対の単位画素のそれぞれは、光信号を光電変換して電荷を蓄積するフォトダイオード部と、フォトダイオード部に蓄積される電荷を転送する第1の電荷転送部と、第1の電荷転送部によって転送される電荷を保持する電荷保持部と、電荷保持部に保持される電荷をフローティングディフュージョン部に転送する第2の電荷転送部とを備える。
【0052】
上記の構成によれば、読み出しライン数を削減することができ、高フレームレートを実現することが可能となる。
【0053】
本発明の態様2に係る固体撮像装置は、上記態様1において、第1のグローバルシャッタ共有画素内の上側の単位画素の第2の電荷転送部と、第2のグローバルシャッタ共有画素内の上側の単位画素の第2の電荷転送部とが第1の行読み出し駆動信号で駆動され、第1のグローバルシャッタ共有画素の下側の単位画素の第2の電荷転送部と、第2のグローバルシャッタ共有画素の下側の単位画素の第2の電荷転送部とが第2の行読み出し駆動信号で駆動される。
【0054】
上記の構成によれば、読み出しライン数を削減することができ、高フレームレートを実現することが可能となる。
【0055】
本発明の態様3に係る固体撮像装置は、上記態様1または2において、単位画素はさらに、フォトダイオード部の飽和電荷量よりも多い電荷を排出する第3の電荷転送部を備え、第1のグローバルシャッタ共有画素内の単位画素の第3の電荷転送部のオーバーフロードレイン部と、第2のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷リセット部のドレイン部とが、同一の第1半導体領域によって構成される。
【0056】
上記の構成によれば、第1のグローバルシャッタ共有画素と、第2のグローバルシャッタ共有画素との配置が効率的に行えるようになり、フォトダイオード部および電荷保持部の特性を保持することが可能となる。
【0057】
本発明の態様4に係る固体撮像装置は、上記態様1または2において、単位画素はさらに、フォトダイオード部の飽和電荷量よりも多い電荷を排出する第3の電荷転送部を備え、第1のグローバルシャッタ共有画素内の単位画素の第3の電荷転送部のオーバーフロードレイン部と、第2のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷検出部のドレイン部とが、同一の第1半導体領域によって構成される。
【0058】
上記の構成によれば、第1のグローバルシャッタ共有画素と、第2のグローバルシャッタ共有画素との配置が効率的に行えるようになり、フォトダイオード部および電荷保持部の特性を保持することが可能となる。
【0059】
本発明の態様5に係る固体撮像装置は、上記態様1~4のいずれかにおいて、第1のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷検出部に接続される行選択信号と、第2のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷検出部に接続される行選択信号とが、同じ信号波形であり、別の配線で接続される。
【0060】
上記の構成によれば、行選択信号の配線が効率的に行えるようになる。
【0061】
本発明の態様6に係る固体撮像装置は、上記態様5において、第1のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷リセット部に接続される行リセット信号と、第2のグローバルシャッタ共有画素内の信号電荷リセット部に接続される行リセット信号とが、同じ信号波形であり、別の配線で接続される。
【0062】
上記の構成によれば、行リセット信号の配線が効率的に行えるようになる。
【0063】
本発明の態様7に係る固体撮像装置は、上記態様6において、第1のグローバルシャッタ共有画素に接続される行選択信号および行リセット信号の配線の並びと、第2のグローバルシャッタ共有画素に接続される行選択信号および行リセット信号の配線の並びとが逆である。
【0064】
上記の構成によれば、行選択信号と行リセット信号との配線が効率的に行えるようになる。
【0065】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 固体撮像装置
100,100-1~100-2,100-11~100-44 単位画素
PD,PD1~PD2,PD11~PD44 フォトダイオード
TRX,TRX1~TRX2,RX11~TRX44 第1の電荷転送部
TRG,TRG1~TRG2,TRG11~TRG44 第2の電荷転送部
OFG,OFG1~OFG2,OFG11~OFG44 オーバーフローゲート部
FD フローティングディフュージョン部
SF,SF11~SF24 ソースフォロワートランジスタ
SEL,SEL11~SEL24 行選択トランジスタ
RST,RST11~RST24 信号電荷リセット部
VDD 電源配線
図1
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図8