(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20240826BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240826BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2021101017
(22)【出願日】2021-06-17
【審査請求日】2023-04-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年1月29日付けで、株式会社コロプラが自社の白猫プロジェクト公式Twitter(https://twitter.com/wcat_project/status/1355046359552782336)にて、佐久間豊が発明したルーンドライブの機能を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 豊
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-058239(JP,A)
【文献】特許第6862598(JP,B1)
【文献】特開2018-015471(JP,A)
【文献】特開2012-143509(JP,A)
【文献】特開2020-103789(JP,A)
【文献】特開2007-075446(JP,A)
【文献】特開2009-136411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替える切替手段、
前記オートモードがオン状態であるときに、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた前記発動条件に対応する前記発動内容を実行する実行手段、
として機能させ、
前記実行手段は、前記オートモードがオン状態であっても、前記発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を優先して実行
し、
前記実行手段は、前記指標の全てがユーザによる一度の操作で選択されたときには、全ての前記指標に対応する前記発動内容を同時に実行する、
プログラム。
【請求項2】
前記実行手段は、前記指標のいずれかがユーザにより個別に選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を個別に実行す
る、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記発動条件は、前記発動内容が属するカテゴリごとに設けられ、それぞれの前記カテゴリには、前記発動内容を実行する際の優先度が設定され、
前記実行手段は、前記オートモードがオン状態であって、複数の前記発動条件が満たされたときに、複数の前記発動条件に対応する前記発動内容のうち、前記優先度の高い前記カテゴリに属する前記発動内容を優先して実行する、
請求項1又は2記載のプログラム。
【請求項4】
前記発動条件には、前記発動内容を実行する状況にあるか否かを判定するための発動状況条件、及び前記発動内容の効果を及ぼす対象を示す発動対象が含まれる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記発動対象は、ユーザが操作できるキャラクタ、ユーザが操作できないキャラクタ、背景オブジェクト、及びゲーム内の場面のいずれかである、
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記実行手段は、前記オートモードのオン状態又はオフ状態を切り替えるための操作部位の表示態様を、オン状態のときとオフ状態のときとで変化させ、オン状態のときの前記操作部位の表示態様を、オフ状態のときの前記操作部位の表示態様よりも際立つように表示させる、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、ゲーム方法及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、仮想世界の中でプレイヤがキャラクタを操作しながら所定の目的を達成していく様々なRPG(ロールプレインゲーム)が提供されている。下記特許文献1には、キャラクタの行動の詳細を設定することで、状況に応じてキャラクタを行動させるRPGを実行するゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のゲーム装置では、ゲームを実行するユーザが、ゲームの進行状況に応じた行動を詳細に設定する必要があり、ユーザの負担が大きかった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザの負担を軽減することができる端末装置、ゲーム方法及びゲームプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である端末装置は、ユーザの操作に基づいてゲームを実行する端末装置であって、ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えるとともに、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた発動条件に対応する発動内容を実行する、ゲーム実行部を備え、ゲーム実行部は、オートモードがオン状態である場合であっても、発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された指標に対応する発動内容を優先して実行する。
【0007】
本発明の他の態様であるゲーム方法は、プロセッサにより実行されるゲーム方法であって、プロセッサが、ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えるステップと、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた発動条件に対応する発動内容を実行するステップと、を実行し、実行するステップは、オートモードがオン状態である場合であっても、発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された指標に対応する発動内容を優先して実行する。
【0008】
本発明の他の態様であるゲームプログラムは、プロセッサに実行させるゲームプログラムであって、プロセッサに、ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えさせるステップと、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた発動条件に対応する発動内容を実行させるステップと、を実行させ、実行させるステップは、オートモードがオン状態である場合であっても、発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された指標に対応する発動内容を優先して実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの負担を軽減することができる端末装置、ゲーム方法及びゲームプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る端末装置を含むゲームシステムの構成を例示する図である。
【
図2】
図1に示すサーバの機能構成を例示する図である。
【
図3】
図1に示す端末装置の機能構成を例示する図である。
【
図5】オートモードがオン状態のときの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[ゲームシステムのシステム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る端末装置10を含むゲームシステム1の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態に係るゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備える。
【0013】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワークNを介して接続する。ネットワークNは、例えば、インターネット、移動体通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
[サーバのハードウェア構成]
サーバ20は、例えば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータが該当し得る。
図1に示すように、サーバ20は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25とを備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0015】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、例えば、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0016】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出した各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0017】
なお、本実施形態に係るプログラムは、例えば、複数の端末装置10とサーバ20との協働によりゲームを実現するゲームプログラムである。また、各種データには、例えば、ゲーム情報等のゲームに関するデータ、ユーザ情報、及び端末装置10とサーバ20との間で送受信する指示や通知が含まれる。
【0018】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0019】
通信IF24は、サーバ20における各種データの送受信を制御する。
【0020】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含むことができる。
【0021】
[端末装置のハードウェア構成]
端末装置10は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯端末が該当し得る。端末装置10は、ユーザがコンピュータゲームを実行する際にプレイヤとして使用可能な可搬型の端末であることが望ましい。
【0022】
図1に示すように、端末装置10は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、タッチスクリーン16とを備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0023】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPU及びGPU等を含み得る。プロセッサ11は、例えば、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0024】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROM、及びRAM等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラム及び各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0025】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等の不揮発性記憶装置により構成される。ストレージ13には、例えば、ゲームに関する各種データが格納される。
【0026】
通信IF14は、各種データの送受信を制御する。通信IF14は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は携帯電話回線網等を介した通信、及び近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0027】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、例えば、端末装置10が備える物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含むことができる。
【0028】
タッチスクリーン16は、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品である。入力部17は、例えばタッチパッドによって構成される。表示部18は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0029】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作等)により、入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部17は、例えば、タッチセンシング部を含むことができる。タッチセンシング部は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0030】
[サーバの機能構成]
図2は、サーバ20の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態に係るサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データ及びプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、及び、複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0031】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザ及び端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10又はパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に従って、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成及び保存することができる。
【0032】
図2に示すように、サーバ20は、機能的な構成として、例えば、制御部210と記憶部220とを有する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222及びユーザ情報223がある。
【0033】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222及びユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0034】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0035】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値や、クエストに関する情報を含む。クエストは、達成条件が設定されたゲーム内のイベントである。このクエストには、達成条件に加え失敗条件が設定されていてもよい。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0036】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、及びゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0037】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213及び同期処理部214を有する。
【0038】
送受信部211は、各種データを送信又は受信する。例示的に、送受信部211は、各種データ及びプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0039】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20及び端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0040】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。例示的に、サーバ処理部212は、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードの追加、更新、又は削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0041】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。例示的に、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードを、追加、更新、又は削除する。
【0042】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。例えば、同期処理部214は、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0043】
[端末装置の機能構成]
図3は、端末装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、及び、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0044】
図3に示すように、端末装置10は、機能的な構成として、例えば、制御部110と記憶部120とを有する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122及びユーザ情報123がある。
【0045】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122及びユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0046】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含むため、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0047】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0048】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム実行部113及び表示制御部114を有する。
【0049】
操作受付部111は、タッチスクリーン16の入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的に、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作を受け付けた場合に、入力位置の座標及び入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作が挙げられる。入力操作は、タッチスクリーン16に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。操作受付部111は、例えば、連続して検知されていた入力操作が途切れたことを検出した場合に、入力部17に対する入力操作が解除されたものと検知する。
【0050】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてユーザに入力された操作についても、上記入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0051】
送受信部112は、各種データを送信又は受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0052】
送受信部112は、ゲーム情報122又はユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、及びマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータ及びそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0053】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0054】
ゲーム実行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0055】
ゲーム実行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム実行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム実行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的に、ゲーム実行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0056】
ゲーム実行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム実行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置及び向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム実行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域及びこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0057】
仮想カメラの位置及び向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム実行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム実行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離及び角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121及び221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0058】
ゲーム実行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標及び入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム実行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム実行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム実行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加又は削除する。
【0059】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0060】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム実行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(user interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0061】
[複数の発動内容をオートモードで実行させる機能]
本実施形態に係るゲームシステム1は、上述した各構成において、例えば、操作キャラクタがユーザの操作に基づいてゲーム空間内で対戦を繰り返しながら旅を続けるゲームを実行する。そして、このゲームシステム1は、ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作に従って個別に実行する通常モードに加え、ユーザからの操作を受けずに発動内容を実行するオートモード機能を有することに特徴がある。通常モード時の処理内容及びオートモード時の処理内容について、以下に詳細に説明する。
【0062】
それぞれのモード時に実行される発動内容は、ゲーム内で発動される効果に関するものであり、例えば、“攻撃力+200%”、“通常攻撃のダメージ+250%”、“アクションスキル強化+150%”、“HP自動回復”、“SP自動回復”、“状態異常回復&無効”、“攻撃速度+100%”、“自動反撃待機”等が、発動内容として含まれる。
【0063】
発動内容は、カテゴリごとに設定することができる。発動内容が属するカテゴリとして、例えば、火力系、スキル強化系、HP回復系、SP回復系、状態回復系、速度系、特殊系等を設けることができる。
【0064】
したがって、例えば、火力系のカテゴリに属する発動内容として、“攻撃力+200%”、“通常攻撃のダメージ+250%”等を設け、スキル強化系のカテゴリに属する発動内容として、“アクションスキル強化+150%”等を設けることができる。また、HP回復系のカテゴリに属する発動内容として、“HP自動回復”、“HP吸収”等を設け、SP回復系のカテゴリに属する発動内容として、“SP自動回復”等を設け、状態回復系のカテゴリに属する発動内容として、“状態異常回復&無効”等を設けることができる。さらに、速度系のカテゴリに属する発動内容として、“攻撃速度+100%”、“移動速度+100%”等を設け、特殊系のカテゴリに属する発動内容として、“自動反撃待機”、“付与効果解除無効”等を設けることができる。
【0065】
ゲーム実行部113は、ゲームの進行中に、ゲーム画面上にユーザが操作可能な指標として表示されている複数の発動内容のうちいずれか一つの発動内容がユーザの操作により選択された場合には、その選択された発動内容を実行する。また、ゲーム実行部113は、ゲームの進行中に、複数の発動内容の全てがユーザによる一度の操作で選択された場合には、全て発動内容を同時に実行する。
図4を参照して具体的に説明する。
【0066】
図4には、発動内容の実行をユーザが設定操作するための操作部位D(指標)が例示されている。同図では、操作部位Dが、ゲーム画面の右下領域に表示されている。操作部位Dの中心領域に円状の部位Dxが表示され、その円状の部位Dxの中心から放射状に流れるように三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddと、一つのオートモード設定部位Daが表示されている。
【0067】
三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddには、例えば、それぞれ異なるカテゴリに属する発動内容が割り当てられる。なお、発動内容設定部位は、三つであることに限定されず、二つ以上の発動内容設定部位を任意に設けることができる。また、円状の部位Dxは、発動用のゲージとしての機能を有することとしてもよい。発動用のゲージは、例えば、発動内容を発動できる時間や値等の残量を示すものであってよい。
【0068】
オートモード設定部位Da及び各発動内容設定部位Db、Dc、Ddは、通常は円状の部位Dxの周囲に接するように配置される。円状の部位Dxをユーザがタッチすると、オートモード設定部位Da及び各発動内容設定部位Db、Dc、Ddが放射状に飛び出して
図4に例示されている位置で止まる。ユーザが画面にタッチしたまま三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddのいずれかに達するまでスワイプ操作すると、スワイプ操作により選択された発動内容設定部位に割り当てられた発動内容が、円状の部位Dxにセットされ、そのセットされた一つの発動内容が実行される。
【0069】
ユーザがスワイプ操作する際に、三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddを順次なぞるように操作すると、三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddにそれぞれ割り当てられた発動内容が、円状の部位Dxにセットされ、そのセットされた三つの発動内容が同時に実行される。
【0070】
このように、本実施形態に係る端末装置10によれば、複数ある発動内容を個別に選択して実行する場合と、複数ある発動内容の全てを選択して実行する場合とで、実行される発動内容を異ならせることができる。
【0071】
次に、オートモード時に特有の機能について説明する。オートモードは、複数ある発動条件のいずれかが満たされた場合に、その満たされた発動条件に対応する発動内容を自動的に実行する機能である。オートモードは、ゲームの進行中に、上記のスワイプ操作によってオートモード設定部位Daを選択するたびに、オン状態とオフ状態とを切り替えることができる。
【0072】
発動条件は、発動内容が属するカテゴリごとに設けられる。発動条件には、例えば、発動状況条件と発動対象とが含まれる。発動状況条件は、対応する発動内容を実行する状況にあるか否かを判定するための条件である。発動対象は、対応する発動内容の効果を及ぼす対象である。これにより、設定された発動状況条件に基づいて発動内容を実行する状況にあるか否かを判定し、発動内容を実行する状況にある場合に、設定された発動対象に対して発動内容の効果を及ぼすことができる。
【0073】
具体的に、火力系の発動状況条件として、“操作キャラクタが敵キャラクタをターゲットした場合”等を設け、スキル強化系の発動状況条件として、“操作キャラクタがスキルを発動した場合”等を設けることができる。また、HP回復系の発動状況条件として、“操作キャラクタのHPが〇〇%以下の場合”等を設け、SP回復系の発動状況条件として、“操作キャラクタのSPが〇〇%以下の場合”等を設けることができる。さらに、状態回復系の発動状況条件として、“操作キャラクタが状態異常になった場合”等を設け、特殊系の発動状況条件として、“優先度が上位の発動状況条件を満たしていない場合、かつ半径〇m以内に敵キャラクタがいる場合”等を設けることができる。
【0074】
発動対象として、例えば、ユーザが操作可能な操作キャラクタ、ユーザが操作できないキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)、背景オブジェクト(例えば、建物、木、石等)、及びゲーム内の場面(例えば、ゲーム内の場所、ゲーム中のステージ等)を設けることができる。
【0075】
ゲーム実行部113は、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかの発動条件が満たされたか否かを判定する。そして、ゲーム実行部113は、条件が満たされた発動条件に対応する発動内容を実行する。これにより、ゲームの進行状況に合わせて、複数ある発動内容の中から適切な発動内容を決定して実行させることが可能となる。このようなオートモード機能によって、キャラクタ等の機能を知らないユーザに対して、そのキャラクタ等の機能を認知させることが可能となる。
【0076】
ゲーム実行部113は、オートモードがオン状態である場合であっても、三つの発動内容設定部位Db、Dc、Ddのいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、その選択された発動内容設定部位に対応する発動内容を優先して実行することができる。
【0077】
ここで、各カテゴリに対して、発動内容を実行する際の優先度を設定することができる。例えば、優先度の高い方から順に、状態回復系、スキル強化系、HP回復系、特殊系、火力系、SP回復系、速度系のように設定することができる。
【0078】
ゲーム実行部113は、オートモードがオン状態のときに、複数の発動条件が満たされた場合に、複数の発動条件に対応する発動内容のうち、優先度が高い方のカテゴリに属する発動内容を優先して実行することができる。
【0079】
ゲーム実行部113は、例えば、以下の(1-1)乃至(1-4)の条件(セット条件)を全て満たす場合に、発動内容を実行するようにセットすることができる。
【0080】
(1-1)オートモード設定部位Daがオン状態であること。
(1-2)発動用のゲージが所定の発動可能割合(例えば50%)以上残っていること。
(1-3)発動内容設定部位Db、Dc、Ddのいずれかがユーザにより選択され、発動内容が実行されている状態になっていないこと。
(1-4)発動内容が属するカテゴリごとに設けられる発動条件を満たすこと。
【0081】
ゲーム実行部113は、例えば、以下の(2-1)乃至(2-3)の条件(変更条件)を全て満たす場合に、既にセットされている発動内容を変更する(切り替える)ことができる。
【0082】
(2-1)他の発動内容が既にセットされた状態であること。
(2-2)既にセットされた発動内容がセットされてから所定の時間(例えば3秒)以上経過していること。
(2-3)既にセットされた発動内容の優先度よりも高い優先度の発動内容に対応する発動条件が満たされたこと。
【0083】
ゲーム実行部113は、例えば、以下の(3-1)及び(3-2)のいずれか一方の条件(解除条件)を満たす場合に、オートモードのオン状態を維持したまま、発動内容を実行せずに解除する(発動内容の実行を停止又は中止する)ことができる。
【0084】
(3-1)発動内容が既にセットされた状態であり、かつ、その発動内容が属するカテゴリごとに設けられる発動解除条件を満たすこと。
(3-2)発動用のゲージが所定の解除用割合(例えば0%)以下になったこと。
【0085】
上記(3-1)の発動解除条件は、発動内容が属するカテゴリごとに設けられる。具体的に、火力系の発動解除条件として、“敵キャラクタを〇秒以上ターゲットしていない場合”等を設け、スキル強化系の発動解除条件として、“発動したスキルが終了してから〇秒以上経過している場合”等を設けることができる。また、HP回復系の発動解除条件として、“発動内容をセットしてから〇秒以上経過し、HPが〇〇%以上の場合”等を設け、SP回復系の発動解除条件として、“発動内容をセットしてから〇秒以上経過し、SPが〇〇%以上の場合”等を設けることができる。さらに、状態回復系の発動解除条件として、“〇秒以上状態異常にない場合”等を設け、特殊系の発動解除条件として、“発動内容をセットしてから〇秒以上経過し、優先度が上位の他の発動状況条件を満たした場合”等を設けることができる。
【0086】
ここで、オートモードがオン状態であるのか、オフ状態であるのかを認識し易くするために、ゲーム実行部113は、オートモード設定部位Daの表示態様を、オン状態のときとオフ状態のときとで変化させることが好ましい。例えば、オン状態のときのオートモード設定部位Daの表示態様を、オフ状態のときのオートモード設定部位Daの表示態様よりも際立つように表示させる。具体的に、オン状態のときに、オートモード設定部位Daの縁部分を目立つ色で表示し、オフ状態のときに、オートモード設定部位Daの縁部分を目立たない色で表示する。
【0087】
これにより、ゲーム進行中にオン状態とオフ状態とを切り替え可能な操作部位が、現時点でオン状態であるのか、オフ状態であるのかを、ユーザがゲームを進行しながら一目で確認できるようになる。
【0088】
[オートモードがオン状態のときの処理の流れ]
図5を参照して、オートモードがオン状態のときの処理の流れについて説明する。
【0089】
最初に、端末装置10のゲーム実行部113は、オートモードがオン状態であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定がNOである場合(ステップS101;NO)、ゲーム実行部113は、YESになるまで本処理を待機する。
【0090】
上記ステップS101の判定で、オートモードがオン状態であると判定した場合(ステップS101;YES)、ゲーム実行部113は、発動内容設定部位Db、Dc、Ddのいずれかがユーザにより選択されたか否かを判定する(ステップS102)。この判定がYESである場合(ステップS102;YES)、ゲーム実行部113は、選択された発動内容設定部位に対応する発動内容を実行し(ステップS103)、後述するステップS109に処理を移行する。
【0091】
上記ステップS102で、発動内容設定部位Db、Dc、Ddがいずれもユーザにより選択されていないと判定した場合(ステップS102;NO)、ゲーム実行部113は、いずれかの発動条件が満たされたか否かを判定する(ステップS104)。この判定がNOである場合(ステップS104;NO)、ゲーム実行部113は、後述するステップS108に処理を移行する。
【0092】
上記ステップS104で、いずれかの発動条件が満たされたと判定した場合(ステップS104;YES)、ゲーム実行部113は、その発動条件に対応する発動内容を実行する(ステップS105)。
【0093】
続いて、ゲーム実行部113は、発動用のゲージが所定の解除用割合以下になったか否かを判定する(ステップS106)。この判定がNOである場合(ステップS106;NO)、ゲーム実行部113は、後述するステップS108に処理を移行する一方、この判定がYESである場合(ステップS106;YES)、ゲーム実行部113は、オートモードのオン状態を維持したまま、発動内容を実行せずに解除する(ステップS107)。
【0094】
続いて、ゲーム実行部113は、オートモード設定部位Daが選択されたか否かを判定する(ステップS108)。この判定がNOである場合(ステップS108;NO)、ゲーム実行部113は、上記ステップS102に処理を移行する。
【0095】
上記ステップS108で、オートモード設定部位Daが選択されたと判定された場合(ステップS108;YES)、ゲーム実行部113は、オートモードをオン状態からオフ状態に切り替えて(ステップS109)、本処理を終了する。
【0096】
上述したように、実施形態に係る端末装置10によれば、ゲームの進行中に、ユーザがオートモードをオン状態又はオフ状態に切り替えることができ、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、その発動条件に対応する発動内容を自動的に実行させることができる。加えて、オートモードがオン状態である場合であっても、複数ある発動内容設定部位のいずれか一つ以上をユーザが選択すると、その選択された発動内容設定部位に対応する発動内容を優先して実行させることができる。
【0097】
これにより、ゲームを実行するユーザが、ゲームの進行状況に応じた行動を詳細に設定することなく、操作キャラクタ等にゲームの進行状況に適した行動をとらせながらゲームを進めることが可能となる。それゆえ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0098】
また、実施形態に係る端末装置10によれば、複数ある指標をユーザが個別に選択する場合と、複数ある指標の全てをユーザが選択する場合とで、実行される発動内容を異ならせることができる。
【0099】
さらに、実施形態に係る端末装置10によれば、オートモード時に複数の発動内容が実行可能になった場合に、優先度の高い順に発動内容を選択して、自動的に実行させることができる。
【0100】
[ソフトウェアによる実現例]
制御部110及び制御部210の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0101】
後者の場合、制御部110及び制御部210は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM又は記憶装置(これらを「記録媒体」という。)、上記プログラムを展開するRAM等を備える。そして、コンピュータ(又はCPU)が、上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的を達成することができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0102】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0103】
また、上述した実施形態に係るゲームシステム1は、端末装置10が備える機能のうち少なくとも一部をサーバ20が備えるように構成されていてもよいし、サーバ20が備える機能のうち少なくとも一部を端末装置10が備えるように構成されていてもよい。さらに、端末装置10及びサーバ20以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、他の装置にゲームシステム1における処理の少なくとも一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラム121及び221を実行するコンピュータは、端末装置10、サーバ20、及び他の装置のいずれであってもよい。
【0104】
また、本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0105】
[付記1]
ユーザの操作に基づいてゲームを実行する端末装置(10)であって、
ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えるとともに、
前記オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた前記発動条件に対応する前記発動内容を実行する、ゲーム実行部(113)を備え、
前記ゲーム実行部(113)は、前記オートモードがオン状態である場合であっても、前記発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を優先して実行する、
端末装置(10)。
【0106】
この構成により、ゲームの進行中に、ユーザがオートモードをオン状態又はオフ状態に切り替えることができ、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、その発動条件に対応する発動内容を自動的に実行させることができるとともに、オートモードがオン状態である場合であっても、複数ある指標のいずれか一つ以上をユーザが選択すると、その選択された指標に対応する発動内容を優先して実行させることができる。
【0107】
[付記2]
前記ゲーム実行部(113)は、前記指標のいずれかがユーザにより個別に選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を個別に実行する一方、前記指標の全てがユーザによる一度の操作で選択されたときには、全ての前記指標に対応する前記発動内容を同時に実行する、
付記1記載の端末装置(10)。
【0108】
この構成により、複数ある指標をユーザが個別に選択する場合と、複数ある指標の全てをユーザが選択する場合とで、実行される発動内容を異ならせることができる。
【0109】
[付記3]
前記発動条件は、前記発動内容が属するカテゴリごとに設けられ、それぞれの前記カテゴリには、前記発動内容を実行する際の優先度が設定され、
前記ゲーム実行部(113)は、前記オートモードがオン状態である場合に、複数の前記発動条件が満たされたときに、複数の前記発動条件に対応する前記発動内容のうち、前記優先度の高い前記カテゴリに属する前記発動内容を優先して実行する、
付記1又は2記載の端末装置(10)。
【0110】
この構成により、オートモード時に複数の発動内容が実行可能になった場合に、優先度の高い順に発動内容を選択して、自動的に実行させることができる。
【0111】
[付記4]
前記発動条件には、前記発動内容を実行する状況にあるか否かを判定するための発動状況条件、及び前記発動内容の効果を及ぼす対象を示す発動対象が含まれる、
付記1から3のいずれかに記載の端末装置(10)。
【0112】
この構成により、設定された発動状況条件に基づいて発動内容を実行する状況にあるか否かを判定し、発動内容を実行する状況にある場合に、設定された発動対象に対して発動内容の効果を及ぼすことができる。
【0113】
[付記5]
前記発動対象は、ユーザが操作できるキャラクタ、ユーザが操作できないキャラクタ、背景オブジェクト、及びゲーム内の場面のいずれかである、
付記4記載の端末装置(10)。
【0114】
この構成により、ユーザが操作できるキャラクタに対して発動内容の効果を及ぼすことにとどまらず、ユーザが操作できないキャラクタや、背景オブジェクト、ゲーム内の場面に対しても発動内容の効果を及ぼすことができる。
【0115】
[付記6]
前記ゲーム実行部(113)は、前記オートモードのオン状態又はオフ状態を切り替えるための操作部位の表示態様を、オン状態のときとオフ状態のときとで変化させ、オン状態のときの前記操作部位の表示態様を、オフ状態のときの前記操作部位の表示態様よりも際立つように表示させる、
付記1から5のいずれかに記載の端末装置(10)。
【0116】
この構成により、ゲーム進行中にオン状態とオフ状態とを切り替え可能な操作部位が、現時点でオン状態であるのか、オフ状態であるのかを、ユーザがゲームを進行しながら一目で確認できるようになる。
【0117】
[付記7]
【0118】
プロセッサ(11)により実行されるゲーム方法であって、
前記プロセッサ(11)が、
ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えるステップと、
前記オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた前記発動条件に対応する前記発動内容を実行するステップと、
を実行し、
前記実行するステップは、前記オートモードがオン状態である場合であっても、前記発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を優先して実行する、
ゲーム方法。
【0119】
この構成により、ゲームの進行中に、ユーザがオートモードをオン状態又はオフ状態に切り替えることができ、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、その発動条件に対応する発動内容を自動的に実行させることができるとともに、オートモードがオン状態である場合であっても、複数ある指標のいずれか一つ以上をユーザが選択すると、その選択された指標に対応する発動内容を優先して実行させることができる。
【0120】
[付記8]
プロセッサ(11)に実行させるゲームプログラム(121)であって、
前記プロセッサ(11)に、
ゲーム内で発動される効果に関する発動内容をユーザからの操作を受けずに実行するオートモードを、ゲームの進行中に、ユーザからの操作に従ってオン状態又はオフ状態に切り替えさせるステップと、
前記オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、当該満たされた前記発動条件に対応する前記発動内容を実行させるステップと、
を実行させ、
前記実行させるステップは、前記オートモードがオン状態である場合であっても、前記発動内容の実行を指示するための複数の指標のいずれか一つ以上がユーザにより選択されたときには、当該選択された前記指標に対応する前記発動内容を優先して実行させる、
ゲームプログラム(121)。
【0121】
この構成により、ゲームの進行中に、ユーザがオートモードをオン状態又はオフ状態に切り替えることができ、オートモードがオン状態である場合に、複数ある発動条件のいずれかが満たされると、その発動条件に対応する発動内容を自動的に実行させることができるとともに、オートモードがオン状態である場合であっても、複数ある指標のいずれか一つ以上をユーザが選択すると、その選択された指標に対応する発動内容を優先して実行させることができる。
【符号の説明】
【0122】
1…ゲームシステム、10…端末装置、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、14…通信IF、15…入出力IF、16…タッチスクリーン、17…入力部、18…表示部、20…サーバ、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信IF、25…入出力IF、110…制御部、111…操作受付部、112…送受信部、113…ゲーム実行部、114…表示制御部、120…記憶部、121…ゲームプログラム、122…ゲーム情報、123…ユーザ情報、210…制御部、211…送受信部、212…サーバ処理部、213…データ管理部、214…同期処理部、220…記憶部、221…ゲームプログラム、222…ゲーム情報、223…ユーザ情報、N…ネットワーク、D…操作部位、Dx…円状の部位、Da…オートモード設定部位、Db、Dc、Dd…発動内容設定部位