(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ハンドリングシステム、指示装置、ハンドリング方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
B65G1/137 Z
(21)【出願番号】P 2021106646
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】小川 昭人
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108527322(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03520969(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第111776557(CN,A)
【文献】特開2020-104986(JP,A)
【文献】特許第6738112(JP,B2)
【文献】特開2019-025566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収納された第1コンテナを、前記第1コンテナの載置場所から運び出す第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボット及び第1載置台の一方から他方へ前記第1コンテナを移送する第1移送ロボットと、
前記第1載置台に置かれた前記第1コンテナから、前記物品を、第2載置台に置かれた第2コンテナへ移すピッキングロボットと、
前記第2コンテナを運搬する第2移動ロボットと、
前記第2移動ロボット及び前記第2載置台の一方から他方へ前記第2コンテナを移送する第2移送ロボットと、
を備えたハンドリングシステム。
【請求項2】
前記第1移動ロボットは、種類が互いに異なる複数の前記物品がそれぞれ収納された複数の前記第1コンテナを運搬する、請求項
1に記載のハンドリングシステム。
【請求項3】
前記第1移動ロボット、前記第1移送ロボット、及び前記ピッキングロボットへ指示を送信する指示装置をさらに備え、
前記指示装置は、
前記第2コンテナへ移される前記物品を収納した前記第1コンテナが、前記載置場所から前記第1載置台へ運ばれるように、前記第1移動ロボット及び前記第1移送ロボットへ前記指示を送信し、
前記物品を、前記第1コンテナから前記第2コンテナへ移すように、前記ピッキングロボットへ前記指示を送信する、
請求項1
又は2に記載のハンドリングシステム。
【請求項4】
前記第1載置台には、複数の前記第1コンテナを載置可能であり、
前記第2載置台には、複数の前記第2コンテナを載置可能である、請求項
3記載のハンドリングシステム。
【請求項5】
前記指示装置は、複数の前記物品が2つ以上の前記第1コンテナから1つの前記第2コンテナへ移されるように、前記指示を送信する、請求項
4記載のハンドリングシステム。
【請求項6】
前記指示装置は、1つの前記第1コンテナから、複数の前記物品が1つ以上の前記第2コンテナへ移されるように、前記指示を送信する、請求項
4又は
5に記載のハンドリングシステム。
【請求項7】
前記指示装置は、
複数の注文を含む注文リストに基づいて前記指示を生成し、
前記第1載置台に載置された前記複数の第1コンテナの1つから、前記複数の第2コンテナの1つへ移される前記物品の第1数が、平均の同一物品数よりも少ない場合に、前記複数の第1コンテナの別の1つから、前記複数の第2コンテナの別の1つへ移される前記物品の数が、前記第1数よりも多くなるように、前記指示を送信
し、
前記平均の同一物品数は、前記複数の注文における同一物品の数の平均値であり、
前記同一物品は、一度に同一の前記第1載置台に載置可能な前記第1コンテナに収納された物品である、請求項
4~
6のいずれか1つに記載のハンドリングシステム。
【請求項8】
前記指示装置は、
複数の注文を含む注文リストに基づいて前記指示を生成し、
前記複数の第2コンテナの1つへ移される前記物品の第2数が、平均の同一物品数よりも少ない場合に、移される物品の数が前記第2数よりも多い前記複数の第2コンテナの別の1つを前記第2載置台へ載置するように、前記指示を送信
し、
前記平均の同一物品数は、前記複数の注文における同一物品の数の平均値であり、
前記同一物品は、一度に同一の前記第1載置台に載置可能な前記第1コンテナに収納された物品である、請求項
4~
7のいずれか1つに記載のハンドリングシステム。
【請求項9】
前記指示装置は、前記第1移動ロボットが、連続して処理可能な注文が紐づけられた2つ以上の前記第1コンテナを同時に運搬するように、前記指示を送信する、請求項
4~
8のいずれか1つに記載のハンドリングシステム。
【請求項10】
前記第2載置台に載置される前記第2コンテナを収納部との間で入れ替える交換機構をさらに備え、
前記指示装置は、前記複数の第2コンテナのいずれかの前記交換機構による入替間隔が、平均の入替間隔よりも短い場合、前記物品が移された後に運び出される前記複数の第2コンテナの別の1つを前記第2載置台へ載置するように、前記指示を送信する、請求項
4~
9のいずれか1つに記載のハンドリングシステム。
【請求項11】
物品が収納された第1コンテナを、前記第1コンテナの載置場所から運び出す第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボット及び第1載置台の一方から他方へ前記第1コンテナを移送する第1移送ロボットと、
前記第1載置台に置かれた前記第1コンテナから、前記物品を、第2載置台に置かれた第2コンテナへ移すピッキングロボットと、
複数の注文を含む注文リストに基づいて指示を生成し、前記第2コンテナへ移される前記物品を収納した前記第1コンテナが、前記載置場所から前記第1載置台へ運ばれるように、前記第1移動ロボット及び前記第1移送ロボットへ前記指示を送信し、且つ、前記物品を、前記第1コンテナから前記第2コンテナへ移すように、前記ピッキングロボットへ前記指示を送信する、指示装置と、
前記第2載置台に載置される前記第2コンテナを収納部との間で入れ替える交換機構と、を備え、
前記第1載置台には、複数の前記第1コンテナを載置可能であり、
前記第2載置台には、複数の前記第2コンテナを載置可能であり、
前記指示装置は、前記複数の第2コンテナのいずれかの前記交換機構による入替間隔が、平均の入替間隔よりも短い場合、前記物品が移された後に運び出される前記複数の第2コンテナの別の1つを前記第2載置台へ載置するように、前記指示を送信する、ハンドリングシステム。
【請求項12】
物品が収納された第1コンテナを、前記第1コンテナの載置場所から運び出す第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボット及び第1載置台の一方から他方へ前記第1コンテナを移送する第1移送ロボットと、
前記第1載置台に置かれた前記第1コンテナから、前記物品を、第2載置台に置かれた第2コンテナへ移すピッキングロボットと、
複数の注文を含む注文リストに基づいて指示を生成し、前記第2コンテナへ移される前記物品を収納した前記第1コンテナが、前記載置場所から前記第1載置台へ運ばれるように、前記第1移動ロボット及び前記第1移送ロボットへ前記指示を送信し、且つ、前記物品を、前記第1コンテナから前記第2コンテナへ移すように、前記ピッキングロボットへ前記指示を送信する、指示装置と、備え、
前記第1載置台には、複数の前記第1コンテナを載置可能であり、
前記第2載置台には、複数の前記第2コンテナを載置可能であり、
前記指示装置は、前記第1載置台に載置された前記複数の第1コンテナの1つから、前記複数の第2コンテナの1つへ移される前記物品の第1数が、平均の同一物品数よりも少ない場合に、前記複数の第1コンテナの別の1つから、前記複数の第2コンテナの別の1つへ移される前記物品の数が、前記第1数よりも多くなるように、前記指示を送信し、
前記平均の同一物品数は、前記複数の注文における同一物品の数の平均値であり、
前記同一物品は、一度に同一の前記第1載置台に載置可能な前記第1コンテナに収納された物品である、ハンドリングシステム。
【請求項13】
物品が収納された第1コンテナを、前記第1コンテナの載置場所から運び出す第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボット及び第1載置台の一方から他方へ前記第1コンテナを移送する第1移送ロボットと、
前記第1載置台に置かれた前記第1コンテナから、前記物品を、第2載置台に置かれた第2コンテナへ移すピッキングロボットと、
複数の注文を含む注文リストに基づいて指示を生成し、前記第2コンテナへ移される前記物品を収納した前記第1コンテナが、前記載置場所から前記第1載置台へ運ばれるように、前記第1移動ロボット及び前記第1移送ロボットへ前記指示を送信し、且つ、前記物品を、前記第1コンテナから前記第2コンテナへ移すように、前記ピッキングロボットへ前記指示を送信する、指示装置と、備え、
前記第1載置台には、複数の前記第1コンテナを載置可能であり、
前記第2載置台には、複数の前記第2コンテナを載置可能であり、
前記指示装置は、前記複数の第2コンテナの1つへ移される前記物品の第2数が、平均の同一物品数よりも少ない場合に、移される物品の数が前記第2数よりも多い前記複数の第2コンテナの別の1つを前記第2載置台へ載置するように、前記指示を送信し、
前記平均の同一物品数は、前記複数の注文における同一物品の数の平均値であり、
前記同一物品は、一度に同一の前記第1載置台に載置可能な前記第1コンテナに収納された物品である、ハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ハンドリングシステム、指示装置、ハンドリング方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナを運搬し、そのコンテナに収納された物品を別のコンテナへ移す、ハンドリングシステムがある。このシステムについて、ハンドリングに要する時間を短縮可能な技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ハンドリングに要する時間を短縮可能な、ハンドリングシステム、指示装置、ハンドリング方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るハンドリングシステムは、第1移動ロボットと、第1移送ロボットと、ピッキングロボットと、を備える。前記第1移動ロボットは、物品が収納された第1コンテナを、前記第1コンテナの載置場所から運び出す。前記第1移送ロボットは、前記第1移動ロボット及び第1載置台の一方から他方へ前記第1コンテナを移送する。前記ピッキングロボットは、前記第1載置台に置かれた前記第1コンテナから、前記物品を、第2載置台に置かれた第2コンテナへ移す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係るハンドリングシステムを表す模式図である。
【
図7】ピッキングロボットの具体例を表す斜視図である。
【
図8】物品に関するデータの具体例を表すテーブルである。
【
図9】物品に関するデータの具体例を表すテーブルである。
【
図11】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図12】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図14】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図15】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図17】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図18】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図20】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図21】指示に関する規則を説明するための模式図である。
【
図23】5つ目の規則及び6つ目本発明の規則が適用されない場合のタイミングチャートである。
【
図24】実施形態に係るハンドリングシステムの具体的な実施例を示す模式図である。
【
図25】実施例に係るハンドリングシステムにおける指示装置の具体的構成を示す模式図である。
【
図26】実施例に係るハンドリングシステムによる処理を示すフローチャートである。
【
図27】処理リストの生成方法を示すフローチャートである。
【
図28】処理リストの最適化方法を示すフローチャートである。
【
図29】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図30】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図31】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図32】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図33】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図34】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図35】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【
図36】最適化の具体例を説明するためのデータである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
図1は、実施形態に係るハンドリングシステムを表す模式図である。
実施形態に係るハンドリングシステム1は、
図1に表したように、第1移動ロボット11、第2移動ロボット12、第1移送ロボット21、第2移送ロボット22、ピッキングロボット31、第1載置台41、第2載置台42、及び指示装置90を備える。
【0009】
第1移動ロボット11は、第1コンテナが載置された載置場所から、第1コンテナを運び出す。第1コンテナには、物品が収納される。1つの第1コンテナは、1種類の物品を複数収納しても良いし、複数種類の物品を収納しても良い。第1移動ロボット11は、1度に1つの第1コンテナのみを運搬可能であっても良いし、1度に複数の第1コンテナを運搬可能であっても良い。例えば、第1移動ロボット11は、複数の第1コンテナが収納された棚を運搬しても良い。第1移動ロボット11は、棚又は第1コンテナを保持した状態で移動することで、第1コンテナを運搬する。第1移動ロボット11は、第1移送ロボット21が設置された場所へ第1コンテナを運搬する。
【0010】
第1移送ロボット21は、第1移動ロボット11及び第1載置台41の一方から他方へ、第1コンテナを移送する。すなわち、第1移送ロボット21は、第1移動ロボット11から第1載置台41へ、ピッキングされる物品が収納された第1コンテナを移送する。また、第1移送ロボット21は、ピッキングが完了した後に、第1載置台41から第1移動ロボット11へ第1コンテナを移送する。
【0011】
第1載置台41には、第1コンテナを載置可能である。例えば、第1移送ロボット21は、1度に1つの第1コンテナを移送可能である。例えば、第1載置台41には、複数の第1コンテナを載置可能である。又は、1つの第1コンテナを載置可能な第1載置台41が、複数設けられても良い。
【0012】
ピッキングロボット31は、物品を第1コンテナから第2コンテナへ移す。より具体的には、ピッキングロボット31は、第1コンテナから物品をピックアップし、その物品を第2コンテナの中へ載置する。
【0013】
ここでは、ピッキングロボット31による物品のピックアップ及び載置を、物品の「ピッキング」と呼ぶ。また、第1移動ロボット11による第1コンテナの運搬、第1移送ロボット21による第1コンテナの移送、ピッキングロボット31によるピッキング、第2移送ロボット22による第2コンテナの移送、及び第2移動ロボット12による第2コンテナの運搬を含む一連の処理を、物品の「ハンドリング」と呼ぶ。
【0014】
第2載置台42には、第2コンテナを載置可能である。ピッキングロボット31は、1度に1つの物品のみをピッキング可能であっても良いし、1度に複数の物品をピッキング可能であっても良い。例えば、第2載置台42には、複数の第2コンテナを載置可能である。又は、1つの第2コンテナを載置可能な第2載置台42が、複数設けられても良い。
【0015】
第2移送ロボット22は、第2移動ロボット12及び第2載置台42の一方から他方へ、第2コンテナを移送する。すなわち、第2移送ロボット22は、第2移動ロボット12から第2載置台42へ、物品が収納される第2コンテナを移送する。また、第2移送ロボット22は、第2載置台42から第2移動ロボット12へ、ピッキングによって物品が収納された第2コンテナを移送する。
【0016】
第2移動ロボット12は、物品が収納された第2コンテナを保持した状態で移動する。これにより、第2移動ロボット12は、第2コンテナを運搬する。例えば、第2移動ロボット12は、1度に複数の第2コンテナを運搬可能である。第2移動ロボット12は、第2移送ロボット22が設置された場所から別の場所へ、複数の第2コンテナを運搬する。
【0017】
指示装置90は、第1移動ロボット11、第2移動ロボット12、第1移送ロボット21、第2移送ロボット22、及びピッキングロボット31へ、指示を送信する。第1移動ロボット11、第2移動ロボット12、第1移送ロボット21、第2移送ロボット22、及びピッキングロボット31は、指示装置90からの指示に従って動作する。
【0018】
図1の例では、第1コンテナC1は、棚Aに載置される。第1コンテナC1は、床の上に載置されても良い。複数の第1移動ロボット11のそれぞれは、複数の棚Aの一部に収納された複数の第1コンテナC1を、第1移送ロボット21の場所へ運搬する。それぞれの第1移動ロボット11は、1つの棚Aを運搬することで、複数の第1コンテナC1を運搬する。
【0019】
第1移送ロボット21は、1回の移送において、いずれかの第1移動ロボット11によって運搬された複数の第1コンテナC1の1つを第1載置台41へ移送する。
【0020】
第1載置台41には、2つの第1コンテナC1を載置可能である。第2載置台42には、2つの第2コンテナC2を載置可能である。ピッキングロボット31は、1回のピッキングを含む動作において、第1載置台41に載置されたいずれかの第1コンテナC1から、第2載置台42に載置されたいずれかの第2コンテナC2へ、1つの物品を移す。
【0021】
複数の第2移動ロボット12のそれぞれは、複数の第2コンテナC2を、第2移送ロボット22の場所へ運搬する。それぞれの第2移動ロボット12は、1つの棚を運搬することで、複数の第2コンテナC2を運搬する。
【0022】
第2移送ロボット22は、1回の移送において、第2載置台42に載置されたいずれかの第2コンテナC2を、いずれかの第2移動ロボット12へ移送する。
【0023】
図2(a)~
図2(c)は、移動ロボットの具体例を表す斜視図である。
図2(a)に示した移動ロボット100は、棚、第1コンテナ、又は第2コンテナを上部に載せて運搬することができる。移動ロボット100は、車体101、保持部102、走行部103、及び検出部104を含む。
【0024】
保持部102は、車体101の上部に設けられている。保持部102は、車体101に対して上下に可動である。走行部103は、モータ、車輪などを含み、車体101を走行させる。検出部104は、運搬対象の棚、コンテナなどを検出する。検出部104は、カメラ等のセンサを含む。検出部104は、測距センサなどを含んでも良い。
【0025】
棚A1の運搬時には、
図2(b)に示すように、移動ロボット100は、棚A1の下に移動する。保持部102が上昇し、棚A1を下方から支持する。この状態で、走行部103が動作することで、棚A1を運搬できる。
図2(c)に示すように、保持部102は、コンテナCを下方から支持しても良い。コンテナCは、第1コンテナ又は第2コンテナである。
【0026】
図3は、移動ロボットの別の具体例を示す斜視図である。
図3に示す移動ロボット110は、車体111、収納部112、搬送部113、駆動機構114、走行部115、及び検出部116を含む。収納部112は、車体111の上に設けられている。収納部112は、上下方向に並んだ複数の収納スペースを有し、それぞれのスペースにコンテナCを収納可能である。コンテナCは、第1コンテナ又は第2コンテナである。搬送部113は、棚A2と収納部112との一方から他方へ、コンテナCを搬送する。駆動機構114は、搬送部113を上下方向に沿って駆動させる。走行部115は、モータ、車輪などを含み、車体111を走行させる。検出部116は、運搬対象の棚、コンテナなどを検出する。検出部116は、カメラ等のセンサを含む。検出部116は、測距センサなどを含んでも良い。
【0027】
例えば、移動ロボット110は、棚A2からコンテナCを搬送する際、駆動機構114を動作させ、搬送部113を対象のコンテナCと同じ高さに位置させる。搬送部113は、棚A2から、コンテナCを取り出す。駆動機構114は、搬送部113を上下方向に沿って駆動させ、コンテナCを所定の収納スペースと同じ高さに位置させる。搬送部113は、コンテナCを収納スペースに収納する。移動ロボット110は、複数の第1コンテナを収納部112に収納して運搬できる。同様に、移動ロボット110は、複数の第2コンテナを収納して運搬できる。移動ロボット110は、運搬した第2コンテナを、棚に搬送できる。これにより、第2コンテナを棚に保管できる。
【0028】
図2又は
図3に表した移動ロボット100又は110を、第1移動ロボット11又は第2移動ロボット12として用いることができる。移動ロボット100及び110は、走行部に複数のローラ及び駆動源を含む無人搬送車(AGV)である。移動ロボット100及び110は、床に設置されたガイドに沿って走行する。又は、移動ロボット100及び110は、指示装置90又は他のコンピュータによって設定された走行ルートに沿って走行しても良い。移動ロボット100及び110は、検出部のセンサを用いて、周囲の状況に合わせて、自律的に走行しても良い。
【0029】
第1移動ロボット11及び第2移動ロボット12は、
図2又は
図3に表した例以外に、無人フォークリフト、無人クレーン、又はドローンであっても良い。
【0030】
図4、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、及び
図6(b)は、移送ロボットの具体例を表す斜視図である。
図4に示す移送ロボット200は、基台201、駆動機構202、マニピュレータ203、及びエンドエフェクタ210を含む。基台201は、床に設置されている。駆動機構202は、基台201の上に設けられている。駆動機構202は、基台201の上方において、マニピュレータ203を上下方向に沿って駆動させる。この例では、マニピュレータ203は、水平多関節型である。エンドエフェクタ210は、マニピュレータ203の先端に取り付けられている。
【0031】
エンドエフェクタ210は、フォーク状の支持部211と、吸着部212と、を含む。吸着部212は、支持部211上を水平に移動する。吸着部212は、コンテナCの側面を吸着する。支持部211は、コンテナCを下方から支持する。支持部211及び吸着部212により、コンテナCが保持される。保持後に、吸着部212を支持部211に対して水平移動させて押し出し、吸着を解放することで、コンテナCが棚A1及び載置台40の一方から他方に移送される。載置台40には、複数のコンテナCを載置可能である。載置台40には、例えばガイド機構40aが設けられている。ガイド機構40aによって、載置台40に対してコンテナCを正確な位置決めできる。エンドエフェクタ210は、支持部211をコンテナCの下に差し込んだり、コンテナCの一部を挟み込んだりすることで、コンテナCを保持しても良い。
【0032】
図4に表した移送ロボット200を、第1移送ロボット21又は第2移送ロボット22として用いることができる。載置台40は、第1載置台41又は第2載置台42として用いることができる。移送ロボット200は、
図4に表した例以外に、マニピュレータ203として、垂直多関節ロボット、パラレルリンクロボット、又は直交ロボットを含んでも良い。
図4に示した例では、移送ロボット200は、移動ロボット100によって運搬された棚A1と載置台40との間でコンテナCを移送している。移送ロボット200は、移動ロボット110の収納部112と載置台40との間でコンテナCを移送することも可能である。
【0033】
図5(a)及び
図5(b)に示す移送ロボット220は、移動ロボットと載置台40との間でコンテナを移送するための保持機構221及び駆動機構222を含む。また、移送ロボット220は、駆動機構223、センサ224、センサ225、及び載置台40を含む。保持機構221は、フォーク状であり、コンテナCを下方から支持することで、コンテナCを保持する。駆動機構222は、保持機構221を前後方向に沿って移動させる。駆動機構223は、保持機構221及び駆動機構222を上下方向に沿って駆動させる。センサ224は、移動ロボットと載置台40との間でコンテナCが移送されたことを検出する。センサ225は、ピッキングロボット31によって物品が把持されたことを検出する。ピッキングロボット31は、センサ224及び225の検出結果に連動しても良い。
【0034】
移送ロボット220が、移動ロボットによって運搬されている棚から、1つのコンテナCを移送するときの例を説明する。駆動機構223は、保持機構221、駆動機構222、及び載置台40を、棚に保管されたコンテナCと同じ高さに位置させる。駆動機構222は、
図5(a)に示すように、保持機構221を前方へ駆動させ、保持機構221をコンテナCの下に差し込む。駆動機構222は、保持機構221を後方へ駆動させ、コンテナCを載置台40の上に載置する。駆動機構223は、
図5(b)に示すように、保持機構221及び載置台40を上下方向に沿って移動させる。例えば、駆動機構223は、ピッキングロボット31によってピッキングされるときの高さに、載置台40を位置させる。
【0035】
図6(a)及び
図6(b)に示す移送ロボット230は、移動ロボットと載置台40との間でコンテナを移送するための駆動機構231を含む。また、移送ロボット230は、駆動機構232、収納部233、駆動機構234、センサ235、センサ236、及び載置台40を含む。駆動機構231は、
図6(b)に示すように、移動ロボット110と載置台40との間で、左右方向に沿ってコンテナCを移送する。駆動機構232は、載置台40を上下方向に沿って駆動させる。収納部233は、コンテナCの収納スペースを有する。移送ロボット230は、上下方向及び左右方向に並んだ複数の収納スペースを有する。駆動機構234は、収納部233と載置台40との間で、前後方向に沿ってコンテナCを搬送する。センサ235は、収納部233と載置台40との間でコンテナCが移送されたことを検出する。センサ236は、ピッキングロボット31によって物品が把持されたことを検出する。ピッキングロボット31は、センサ235及び236の検出結果に連動しても良い。
【0036】
移送ロボット230は、駆動機構232、収納部233、及び駆動機構234により構成された交換機構250を含む。交換機構250は、載置台40に載置されたコンテナCを交換できる。具体的には、交換機構250は、載置台40に載置されたコンテナCを、いずれかの収納部233に収納する。交換機構250は、別の収納部233に収納されたコンテナCを、載置台40に載置する。また、移送ロボット230の駆動機構231及び移動ロボット110は、出荷機構251を構成する。出荷機構251は、対象のコンテナCを出荷する。出荷は、物品が収納されたコンテナCを、第2移動ロボットや第2移送ロボット、第2載置台42などが配置された場所から、発送される荷物がまとめられる集荷場へ運び出す処理である。
【0037】
図5(a)及び
図5(b)に示した移送ロボット220又は
図6(a)及び
図6(b)に示した移送ロボット230が、第1移送ロボット21又は第2移送ロボット22として用いられても良い。特に、移送ロボット220は、棚から物品を容易に移送でき、第1移送ロボット21として好適である。移送ロボット230は、載置台40のコンテナCを交換でき、第2移送ロボット22として好適である。
【0038】
図7は、ピッキングロボットの具体例を表す斜視図である。
図7に示したピッキングロボット300は、マニピュレータ310及びエンドエフェクタ320を含む。マニピュレータ310は、複数のサーボモータで駆動される多関節ロボットである。
図7に示す例では、マニピュレータ310は、第1軸311~第6軸316の6つの軸を有する、垂直多関節ロボットである。マニピュレータ310は、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直動ロボット、及びパラレルリンクロボットから選択される2つ以上の組み合わせを含んでも良い。エンドエフェクタ320は、マニピュレータ310の先端に取り付けられている。
【0039】
エンドエフェクタ320は、吸着パッド321、屈曲軸322、及び力センサ323を含む。吸着パッド321は、エンドエフェクタ320の先端に設けられ、物品を吸着する。吸着パッド321の屈曲軸322により、マニピュレータ310の先端に対して回転可能である。力センサ323は、物品へのエンドエフェクタ320の接触を検出する。エンドエフェクタ320は、吸着の他、ジャミング、挟み込み、多指機構による把持などの方式により物品を把持しても良い。エンドエフェクタ320は、複数の方式を備えても良い。これにより、より多様な物品を扱うことが可能になる。
【0040】
ピッキングロボット300は、筐体301の上に設置される。図示した例では、エンドエフェクタ320は、物品の上面を吸着することで、物品を保持する。ピッキングロボット300は、コントローラ330をさらに含む。コントローラ330は、指示装置90からの指示を受信する。コントローラ330は、指示装置90から送信された指示に応じて、ピッキングロボット300を制御してピッキング処理を実行させる。これにより、ピッキングロボット300により、ピッキング処理が自動的に行われる。ピッキング処理は、コンテナCからの物品の取り出し、異なるコンテナ又はトレイへの物品の置き換え、物品の箱詰めなどの処理を含む。
【0041】
図7に表したピッキングロボット300を、ピッキングロボット31として用いることができる。
【0042】
ピッキング処理のためのシステムは、ピッキングロボット300の他、センサ類、第1載置台41、第2載置台42、各種センサ、電源、ボンベ、コンプレッサー、真空ポンプ、UI等の外部インタフェース、安全機構などを含む。第1載置台41には、ピッキング対象の物品が収納された第1コンテナC1が載置される。第2載置台42には、取り出された物品が収納される第2コンテナC2が載置される。電源は、ピッキングロボット300の各種駆動部等に電力を供給する。ボンベは、圧縮空気を貯留している。安全機構は、例えばライトカーテン、衝突検知器などを含む。
【0043】
例えば
図7に示したセンサシステム400が設けられる。センサシステム400は、センサ401、センサ402、センサ403、センサ404、及びセンサ405を含む。センサ401は、第1載置台41の上方に設けられ、第1コンテナC1の内部の状態を計測する。センサ402は、第2載置台42の上方に設けられ、第2コンテナC2の内部の状態を計測する。センサ403は、センサ401の付近に設けられ、マニピュレータ310が把持した物体を計測する。センサ401~403は、それぞれ、支持部411~413によって支持されている。センサ401~403は、RGB画像カメラ、距離画像カメラ、レーザーレンジファインダ、Light Detection and Ranging(LiDAR)などの、画像情報又は3次元情報が取得可能なセンサを含む。センサ404は、第1載置台41に載置された第1コンテナC1の重量を計測する。センサ405は、第2載置台42に載置された第2コンテナC2の重量を計測する。
【0044】
第1載置台41及び第2載置台42として、
図7に示すように、専用の台が用いられても良い。移動ロボット100の保持部102又は移動ロボット110の搬送部113が載置台として利用されても良い。
【0045】
例えば、第1移動ロボット11による第1コンテナの運搬順序、第2移動ロボット12による第2コンテナの運搬順序、第1移送ロボット21による第1コンテナの移送順序、第2移送ロボット22による第2コンテナの移送順序、及びピッキングロボット31によるピッキングの順序は、指示装置90から指示される。
【0046】
実施形態の利点を説明する。
物品のハンドリングに要する時間を短縮するためには、ロボットが稼働していない待機時間を短縮することが有効である。一般的に、移動ロボットによるコンテナの運搬、及び移送ロボットによるコンテナの移送は、ピッキングロボットによるピッキングに比べて、より長い時間を要する。コンテナの運搬及び移送の頻度が、ピッキングに比べて高いと、ピッキングロボットの待機時間が延び、ハンドリングの時間が延びる。
【0047】
実施形態に係るハンドリングシステム1では、第1移送ロボット21が、第1移動ロボット11及び第1載置台41の一方から他方へ、第1コンテナを移送する。そして、ピッキングロボット31は、第1載置台41に置かれた第1コンテナから、物品を、第2載置台42に置かれた第2コンテナへ移す。第1移送ロボット21及び第1載置台41を設けることで、第1移動ロボット11が移動ロボット100又は110のように複数の第1コンテナを運搬する場合でも、いずれかの第1コンテナを第1載置台41へ載置できる。ピッキングロボット31は、載置された第1コンテナから第2コンテナへ物品を自動的にピッキングできる。実施形態に係るハンドリングシステム1によれば、物品のハンドリングに必要な処理をより自動化し、人による作業を削減できる。
【0048】
好ましくは、第1移動ロボット11は、種類が互いに異なる複数の物品が収納された複数の第1コンテナを運搬する。これにより、第1移動ロボット11が第1コンテナの運搬のために移動する回数を低減し、ハンドリングに要する時間を短縮できる。
【0049】
好ましくは、指示装置90は、後述する1つ目~6つ目の規則から選択される少なくともいずれかに従った指示を生成し、その指示を各ロボットへ送信する。これにより、ピッキングロボット31の待機時間を短縮でき、ハンドリングに要する時間を短縮できる。
【0050】
指示装置90は、物品に関するデータ及び注文リストを参照しながら、複数の規則に従った指示を生成する。
【0051】
図8及び
図9は、物品に関するデータの具体例を表すテーブルである。
図8に表した物品管理データD1は、物品ID、物品名、物品情報、保管管理情報等を含む。物品情報は、物品の重量、及び物品のサイズを含む。物品管理データD1は、物品の特徴等をさらに含んでも良い。保管管理情報は、保管されている物品の数量及び物品の保管場所を含む。具体的には、保管管理情報は、棚ID、サブ棚ID、コンテナID、及びサブコンテナIDを含む。棚IDは、物品が保管されている棚の識別番号である。サブ棚IDは、棚の何段目にあるかを示す識別番号である。コンテナIDは、棚に収納されたコンテナの識別番号である。サブコンテナIDは、コンテナ内の区分けされた領域の識別番号である。物品ID[MMMM002]のように、同じ物品であっても、複数の場所に保管されることもある。
【0052】
図9に表した棚管理データS1は、棚ID、棚位置情報、及び棚ステータスを含む。棚位置情報は、フロアID、エリアID、及びポジション等を含む。フロアIDは、棚が置かれているフロアを示す識別番号である。エリアIDは、フロア内のエリアの位置を示す識別番号である。ポジションは、エリア内での棚の配置を碁盤目状の位置情報で示している。棚ステータスは、その棚の状態を示す。棚ステータスには、その棚が移動可能であるか、又は移動ロボット等によって既に運搬中であるかなどの状態を示す情報が逐次更新される。
【0053】
図10は、注文リストの具体例である。
図10に表した注文リストL1は、リスト番号、出荷箱番号、宛先ID、物品番号、数量、出荷情報、及び付帯情報等を含む。出荷箱番号は、注文番号及び小口番号を含む。小口番号は、注文が複数の小口に分けられたことを識別するための情報である。送り先は、宛先IDで識別される。出荷情報は、出荷の期限等の情報を含む。付帯情報は、注文された物品の取り扱いに関する注意情報などを含む。
【0054】
指示装置90は、物品管理データD1を使って、注文リストにある物品がどの棚のどのコンテナに保管されているかを検索することができる。そして、指示装置90は、棚管理データS1を用いて、その棚がどのポジションに置かれているかを検索することができる。さらに、指示装置90は、棚管理データS1を用いて、検索した棚が移動可能なことを確認し、第1移動ロボット11に棚の運搬を指示することができる。
【0055】
図11(a)~
図11(d)と
図12(a)~
図12(d)は、指示に関する規則を説明するための模式図である。
1つ目の規則によると、処理の指示は、第2載置台におかれた1つの第2コンテナに対して、2つ以上の第1コンテナのそれぞれから物品が移されるように、順序が決定される指示となっている。2つ目の規則によると、処理の指示は、第1載置台41におかれた1つの第1コンテナから、複数の第2コンテナへ物品が移されるように、順序が決定される指示となっている。1つ目の規則と2つ目の規則について、
図11(a)~
図12(d)を用いて説明する。
【0056】
指示装置90は、物品データ及び注文リストを参照する。指示装置90は、1つ目の規則に従って、1つの注文に含まれ且つ互いに異なる複数の第1コンテナにそれぞれ収納される複数の物品が有るか検索する。この結果、例えば
図11(a)に表したように、第1移動ロボット11aが、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を運搬するように指示される。第1移動ロボット11bが、第1コンテナC1bを含むコンテナ群を運搬するように、指示される。ここで、第1コンテナC1aに収納された物品B1、及び第1コンテナC1bに収納された物品B2が、1つの注文に含まれる。
【0057】
指示装置90は、
図11(b)に表したように、第1コンテナC1aを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、1つの第2コンテナC2aを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第2コンテナC2aは、前記1つの注文と紐付けられる。
【0058】
指示装置90は、
図11(c)に表したように、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1bを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1cを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所へ運搬するように、第1移動ロボット11cへ指示を送信する。
【0059】
次に、指示装置90は、2つ目の規則に従って、第1コンテナC1bに収納されている物品B2が含まれる注文が別にあるかを検索する。この結果、指示装置90は、第2コンテナC2bを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B1のピッキングと並行して実行される。
【0060】
指示装置90は、
図11(d)に表したように、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1aを第1移動ロボット11aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。第1コンテナC1aの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。また、指示装置90は、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所から運び出すように、第1移動ロボット11aへ指示を送信する。
【0061】
指示装置90は、
図12(a)に表したように、第1コンテナC1cを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。また、指示装置90は、物品B1及びB2が収納された第2コンテナC2aを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2aの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。2つ目の規則が適用されたことにより、第1コンテナC1bからは、第2コンテナC2aと第2コンテナC2bの2つの第2コンテナに連続して物品を移送することができている。
【0062】
指示装置90は、
図12(b)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1bを第1移動ロボット11bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2cを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2cの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0063】
指示装置90は、
図12(c)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、物品B2及びB3が収納された第2コンテナC2cを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1dの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0064】
指示装置90は、
図12(d)に表したように、第1コンテナC1dに収納された物品B4を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを第1移動ロボット11cへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2dを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2dの移送は、物品B4のピッキングと並行して実行される。
【0065】
図13は、
図11(a)~
図11(d)と
図12(a)~
図12(d)に示した各処理のタイミングを示すタイミングチャートである。
図13において、列には、経過した時間が示されている。行には、実行された処理が示されている。ハッチングされたセルは、各ロボットが動作している時間を示す。セルに記載された番号は、各ロボットが処理した第1コンテナ、第2コンテナ、物品の番号を示している。1つ目の規則により、1つの第2コンテナに対して、2つ以上の第1コンテナのそれぞれから連続して物品が移されるように、順序が決定される。2つ目の規則により、1つの第1コンテナから、複数の第2コンテナへ連続して物品が移されるように、順序が決定される。この結果、各ロボットの待機時間を減らすことが可能となり、物品のハンドリングのスループットが向上する。
【0066】
(※ご提案請求項4対応)
図14(a)~
図14(d)と
図15(a)~
図15(d)は、指示に関する規則を説明するための模式図である。
3つ目の規則によると、処理の指示は、第1載置台におかれた1つの第1コンテナにおいて、第2コンテナに移送される物品の割り当て数(第1数)が少ない場合には、第2コンテナに移送される物品の割り当て数が第1数よりも多い他の第1コンテナが選択され、第1載置台に置かれる指示となっている。3つ目の規則について、
図14(a)~
図15(d)を用いて説明する。
【0067】
指示装置90は、物品データ及び注文リストを参照する。指示装置90は、注文に含まれる同一物品の数が1つか、又はその注文に含まれる同一物品の数が対象とする注文リスト全体の平均の同一物品数に比べて少ないか判定する。同一物品の数が1つ又は平均よりも少ないと判定されると、指示装置90は、3つ目の規則に従って、その物品のハンドリングを、別の物品のハンドリングと並行して実行されるように処理順序を決定する。当該別の物品のハンドリングとして、1つ又は複数の注文に含まれる同一物品の数が前者のハンドリングよりも多いハンドリングが選択される。例えば、当該別の物品のハンドリングとして、1つ又は複数の注文に含まれる同一物品の数が注文リスト全体の平均の同一物品数よりも多いハンドリングが選択される。選択されうるハンドリングが複数ある場合には、指示装置90は、第1載置台41において、同時又はペアとして処理される第1コンテナの平均同一物品数がなるべく均一化されるように順序を決定する。ただし、ここの同一物品とは、一度に同一の第1載置台に載置可能な第1コンテナに収納される物品を意味する。すなわち、物品IDが異なる物品であっても、同じコンテナIDのコンテナに保管された物品であれば、それらの処理時間を同様に扱うことができる。
【0068】
この結果、例えば
図14(a)に表したように、第1移動ロボット11aが、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を運搬するように指示される。第1移動ロボット11bが、第1コンテナC1bを含むコンテナ群を運搬するように、指示される。第1移動ロボット11a及び11bは、コンテナ群を収納した棚を運搬しても良い。ここで、第1コンテナC1aに収納された物品B1が複数個注文されている一方、第1コンテナC1bに収納された物品B2は1個だけ注文されている。
【0069】
指示装置90は、
図14(b)に表したように、第1コンテナC1aを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、1つの第2コンテナC2aを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1aの移送及び第2コンテナC2aの移送は、並行して実行される。
【0070】
指示装置90は、
図14(c)に表したように、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1bを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送は、物品B1のピッキングと並行して実行される。
【0071】
指示装置90は、
図14(d)に表したように、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第2コンテナC2bを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第2コンテナC2bの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。
【0072】
指示装置90は、
図15(a)に表したように、第1コンテナC1bを第1移動ロボット11bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。また、指示装置90は、物品B1及びB2が収納された第2コンテナC2aを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2aの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。
【0073】
指示装置90は、第1コンテナC1bを含むコンテナ群を、第1載置台41bが設置された場所から運び出すように、第1移動ロボット11bへ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを含むコンテナ群を、第1載置台41bが設置された場所へ運搬するように、第1移動ロボット11cへ指示を送信する。第1移動ロボット11bが第1コンテナC1bを所定の棚に収納すると、指示装置90は、次のコンテナを運搬するように第1移動ロボット11bへ指示を送信する。
【0074】
指示装置90は、
図15(b)に表したように、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2cを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2cの移送は、物品B1のピッキングと並行して実行される。
【0075】
指示装置90は、
図15(c)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1aを第1移動ロボット11aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、物品B1が2つ収納された第2コンテナC2bを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1aの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0076】
指示装置90は、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所から運び出すように、第1移動ロボット11aへ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所へ運搬するように、第1移動ロボット11bへ指示を送信する。
【0077】
指示装置90は、
図15(d)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2dを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1dの移送及び第2コンテナC2dの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0078】
図16は、
図14(a)~
図14(d)と
図15(a)~
図15(d)に示した各処理のタイミングを示すタイミングチャートである。
図16において、列には、経過した時間が示されている。行には、実行された処理が示されている。ハッチングされたセルは、各ロボットが動作している時間を示す。セルに記載された番号は、各ロボットが処理した第1コンテナ、第2コンテナ、物品の番号を示している。3つ目の規則によれば、例えば30秒~60秒の間で、第1載置台41aの第1コンテナC1aから複数の物品B1が第2コンテナC2a及びC2bへピッキングされる一方、第1載置台41bでは、第1コンテナC1bからの物品B2のピッキング及び第1コンテナC1cへの入れ替えが行われている。これにより、30秒以降のいずれのタイミングにおいても、ピッキング処理が実行されている。
【0079】
このように、3つ目の規則を適用することで、コンテナ等の入れ替えによるピッキングロボット31の待機時間を抑えることが可能になる。例えば、移送又はピッキングの処理を途切れることなく実行することができる。通常、注文に含まれる同一物品の数が平均より少ない場合には、第1コンテナの入れ替え頻度が上昇する。これにより、ピッキングロボット31が設置された場所に対して、第1コンテナを入れ替えるために、ピッキングロボット31の待機時間が増えるという課題が生じる。これに対し、3つ目の規則によれば、2つ以上のコンテナの載置場所がある第1載置台について、一方の載置場所に物品取り出し回数の少ない第1コンテナが置かれた場合、他方の載置場所には、物品取り出し回数の多い第1コンテナが移送される。一方の載置場所に載置された第1コンテナに対する移送又はピッキングが、他方の載置場所に載置された別の第1コンテナに対する移送又はピッキングと同時、又はその前後に実行されることで、ハンドリングのスループットを向上させることができる。
【0080】
図17(a)~
図17(d)と
図18(a)~
図18(d)は、指示に関する規則を説明するための模式図である。
例えば、第2載置台におかれた1つの第2コンテナにおいて、移される物品の割り当て数(第2数)が少ない場合がある。4つ目の規則によると、処理の指示は、第2載置台に置く他の第2コンテナには、第1コンテナから移される物品の割り当て数が第2数よりも多いものが選択される指示である。4つ目の規則について、
図17(a)~
図18(d)を用いて説明する。
【0081】
指示装置90は、物品データ及び注文リストを参照する。指示装置90は、注文に含まれる物品の数が平均未満か、又は注文に含まれる1度に処理可能な物品の数が平均未満か判定する。指示装置90は、注文に含まれる物品の数、又は注文に含まれる1度に処理可能な物品の数が、1か否かを判定しても良い。いずれかの数が平均未満と判定されると、指示装置90は、第4の規則に従って、1度に処理可能な物品の数が前記注文よりも多い別の注文と並行して、前記注文を処理できるように処理順序を決定する。ここで、特に選択肢が複数ある場合には、第2載置台42で同時又はペアとして処理される第2コンテナの平均同一物品数がなるべく均一化されるように順序を決定する。ここで、1度に処理可能な物品とは、第2載置台等の作業領域に第2コンテナが継続して載置されている状態でピッキングを実行可能な物品を意味する。
【0082】
この結果、例えば
図17(a)に表したように、第1移動ロボット11aが、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を運搬するように指示される。第1移動ロボット11bが、第1コンテナC1bを含むコンテナ群を運搬するように、指示される。第1移動ロボット11a及び11bは、コンテナ群を収納した棚を運搬しても良い。
【0083】
指示装置90は、
図17(b)に表したように、第1コンテナC1aを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2aを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1aの移送及び第2コンテナC2aの移送は、並行して実行される。
【0084】
指示装置90は、
図17(c)に表したように、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1bを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2bを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B1のピッキングと並行して実行される。ここで、第2コンテナC2aに紐づけられた注文には複数個の物品が含まれているのに対し、第2コンテナC2bに紐づけられた注文には、物品B2のみが含まれている。すなわち、第2コンテナC2aに紐づけられた注文に含まれる物品の数は、平均同一物品数よりも多い。第2コンテナC2bに紐づけられた注文に含まれる物品の数は、1であり、平均同一物品数よりも少ない。
【0085】
指示装置90は、
図17(d)に表したように、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1aを第1移動ロボット11aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。第1コンテナC1aの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。
【0086】
指示装置90は、第1コンテナC1aを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所から運び出すように、第1移動ロボット11aへ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを含むコンテナ群を、第1載置台41aが設置された場所へ運搬するように、第1移動ロボット11cへ指示を送信する。
【0087】
指示装置90は、
図18(a)に表したように、第1コンテナC1cを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。また、指示装置90は、物品B2が収納された第2コンテナC2bを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。指示装置90は、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。
【0088】
指示装置90は、
図18(b)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1bを第1移動ロボット11bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2cを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2cの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0089】
指示装置90は、第1コンテナC1bを含むコンテナ群を、第1載置台41bが設置された場所から運び出すように、第1移動ロボット11bへ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを含むコンテナ群を、第1載置台41bが設置された場所へ運搬するように、第1移動ロボット11dへ指示を送信する。
【0090】
指示装置90は、
図18(c)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、物品B1、B2及びB3が収納された第2コンテナC2aを第2移動ロボット12へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1dの移送及び第2コンテナC2aの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0091】
指示装置90は、
図18(d)に表したように、第1コンテナC1dに収納された物品B4を第2コンテナC2cに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを第1移動ロボット11cへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2dを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2dの移送は、物品B4のピッキングと並行して実行される。
【0092】
図19は、
図17(a)~
図17(d)と
図18(a)~
図18(d)に示した各処理のタイミングを示すタイミングチャートである。
図19において、列には、経過した時間が示されている。行には、実行された処理が示されている。ハッチングされたセルが、各ロボットが動作している時間であり、セルに記載された番号は各ロボットが処理した第1コンテナ、第2コンテナ、物品の番号を示している。4つ目の規則によれば、例えば30秒~60秒の間で、第2載置台42aの第2コンテナC2aへ物品B1~B3がピッキングされる一方、第2載置台42bでは、第2コンテナC2bへの物品B2のピッキング及び第2コンテナC2cへの入れ替えが行われている。これにより、30秒以降のいずれのタイミングにおいても、ピッキング処理が実行されている。
【0093】
このように、4つ目の規則を適用することで、コンテナ等の入れ替えによる待機時間を抑えることが可能になる。例えば、移送又はピッキングの処理を途切れることなく実行することができる。通常、注文に含まれる物品の数が1つの時など、注文に含まれる1度に処理可能な物品の数が少ない場合には、第2コンテナの入れ替え頻度が上昇する。コンテナ入れ替えに伴い、ピッキングロボット31の待機時間が増えるという課題が生じる。これに対し、4つ目の規則によれば、2つ以上の載置場所がある第2載置台に対して、一方の載置場所に物品のピッキング回数の少ない第2コンテナが置かれた場合には、他方の載置場所には物品のピッキング回数の多い別の第2コンテナが移送される。一方の載置場所に載置された第2コンテナに対する移送又はピッキングが、他方の載置場所に載置された別の第2コンテナに対する移送又はピッキングと同時、又はその前後に実行されることで、ハンドリングのスループットを向上させることができる。
【0094】
図20(a)~
図20(d)と
図21(a)~
図21(d)は、指示に関する規則を説明するための模式図である。
図20(a)~
図20(d)と
図21(a)~
図21(d)に示す例では、ハンドリングシステム1は、交換機構50、出荷機構51a、及び出荷機構51bをさらに含む。交換機構50は、第2コンテナを入れ替える。入れ替えでは、交換機構50と第2載置台42との間で、第2コンテナC2が移送される。出荷機構51a及び51bは、物品が収納された第2コンテナC2を出荷する。交換機構50として、
図6(a)及び
図6(b)に示した移送ロボット230の交換機構250を用いることができる。出荷機構51a及び51bとして、移送ロボット230の出荷機構251を用いることができる。
【0095】
交換機構50は、注文の処理状況に応じて、第2コンテナの入れ替えを行う。1つの第2コンテナに紐づけられた注文の物品の種類が多いとき、第2コンテナが第2載置台42に置かれた一度の処理では、注文に含まれるすべての物品のピッキングが完了しない場合がある。この場合、注文に含まれる複数の物品の一部が収納された第2コンテナは、いったん第2載置台42から交換機構50へ移送される。その間、第2載置台では、別の第2コンテナへのピッキングが行われる。その後、交換機構50に保持されている第2コンテナと紐づけされた物品を収納した第1コンテナが、第1載置台の設置場所へ運搬されてきたタイミングで、その第2コンテナは、第2載置台に戻される。戻された第2コンテナに対して、注文の残りの物品についてのピッキングが再開される。このような第2コンテナの入れ替えを行う機構が交換機構50である。また、注文に含まれるすべての物品のピッキングが完了した第2コンテナは、出荷機構51a又は51bによって、運搬されて出荷される。
【0096】
図20(a)~
図20(d)と
図21(a)~
図21(d)は、指示に関する規則を説明するための模式図である。
5つ目の規則によると、処理の指示は、第1移動ロボット11が、連続して処理可能な注文が紐づけられた第1コンテナを複数個、同時に運搬する指示となっている。6つ目の規則によると、指示装置90は、いずれかの第2コンテナの交換機構50による入替間隔が、注文リスト全体の平均の入替間隔に比べて短いか判定する。6つ目の規則による処理の指示は、第2載置台の一方の第2コンテナの入替間隔が平均よりも短い場合には、第2載置台の他方には、出荷処理が発生する第2コンテナが選択される指示となっている。5つ目と6つ目の規則について、
図20(a)~
図21(d)を用いて説明する。
【0097】
指示装置90は、物品データ及び注文リストを参照する。指示装置90は、5つ目の規則に従って、連続して処理が可能な複数の第1コンテナを同時に移動させる。また、6つ目の規則に従って、出荷処理が行われる第2コンテナの次に処理を行う第2コンテナには、コンテナの入れ替え間隔の短い処理を割り当てる。この結果、例えば
図20(a)に表したように、複数の第1移動ロボット11aと11bが、複数の第1コンテナC1a~C1cを運搬するように、指示される。ここで、第1移動ロボット11aは、第1コンテナC1aと第1コンテナC1cを同時に運搬してくる。
【0098】
指示装置90は、
図20(b)に表したように、第1コンテナC1aを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、1つの第2コンテナC2aを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。
【0099】
指示装置90は、
図20(c)に表したように、第1コンテナC1aに収納された物品B1を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。第1コンテナC1bの移送及び第2コンテナC2bの移送は、物品B1のピッキングと並行して実行される。
【0100】
指示装置90は、
図20(d)に表したように、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2bに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1aを第1移動ロボット11aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。さらに、第2コンテナC2aを運び出すように出荷機構51aに指示を送信する。加えて、第2コンテナC2cを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1a、第2コンテナC2a、第2コンテナC2cの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。
【0101】
指示装置90は、
図21(a)に表したように、第1コンテナC1cを第1載置台41aへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。また、指示装置90は、物品B2が収納された第2コンテナC2bを運び出すように、出荷機構51bに指示を送信する。さらに、第2コンテナC2dを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1bに収納された物品B2を第2コンテナC2aに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2bと第2コンテナC2dの移送は、物品B2のピッキングと並行して実行される。このように、移動ロボットの移動回数を減らすことができる。少ない数の移動ロボットで、対応が可能になるため、システムのコストダウンができる。また、注文が完了した第2コンテナの出荷と注文の完了していない第2コンテナの載置台への移送を同時に行うことで、処理の並列度を高め、スループットの向上を実現している。
【0102】
指示装置90は、
図21(b)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2dに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1bを第1移動ロボット11bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2cを運び出すように出荷機構51aへ指示を送信する。さらに、第2コンテナC2eを第2載置台42aへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1b、第2コンテナC2c、及び第2コンテナC2eの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0103】
指示装置90は、
図21(c)に表したように、第1コンテナC1cに収納された物品B3を第2コンテナC2eに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1dを第1載置台41bへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、物品B3が収納された第2コンテナC2dを交換機構50へ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1dの移送及び第2コンテナC2dの移送は、物品B3のピッキングと並行して実行される。
【0104】
指示装置90は、
図21(d)に表したように、第1コンテナC1dに収納された物品B4を第2コンテナC2eに移すように、ピッキングロボット31へ指示を送信する。また、指示装置90は、第1コンテナC1cを第1移動ロボット11cへ移送するように、第1移送ロボット21へ指示を送信する。指示装置90は、第2コンテナC2fを第2載置台42bへ移送するように、第2移送ロボット22へ指示を送信する。第1コンテナC1cの移送及び第2コンテナC2fの移送は、物品B4のピッキングと並行して実行される。
【0105】
図22は、
図20(a)~
図20(d)と
図21(a)~
図21(d)に示した各処理のタイミングを示すタイミングチャートである。
図22において、列には、経過した時間が示されている。行には、実行された処理が示されている。ハッチングされたセルが、各ロボットが動作している時間であり、セルに記載された番号は各ロボットが処理した第1コンテナ、第2コンテナ、物品の番号を示している。
【0106】
このように、5つ目と6つ目の規則を適用することで、第1移動ロボットの呼び出し回数を低減し、コンテナ等の入れ替えによる待機時間を抑えることが可能になる。例えば、移送やピッキングの処理を途切れることなく実行することができる。通常、注文数に対して、第1移動ロボット11の数が少ない場合には、第1移動ロボットが呼び出しに間に合わず、待機時間が発生する。また、第2コンテナの入れ替え頻度が高いと、交換機構50の処理に時間がかかり、他のロボットの待機時間が増えるという課題が生じる。これに対し、5つ目の規則によれば、連続して処理可能な注文を紐づけた第1コンテナを複数個、同時に運搬する。また、6つ目の規則によれば、第2コンテナの入れ替え間隔の短い処理が発生する場合には、第2載置台の他方の処理は出荷処理が発生する第2コンテナを移送し、処理を行う。この結果、物品の仕分け処理のスループットを向上させることができる。
【0107】
図23は、5つ目の規則及び6つ目の規則が適用されない場合のタイミングチャートである。
図23において、列には、経過した時間が示されている。行には、実行された処理が示されている。ハッチングされたセルが、各ロボットが動作している時間であり、セルに記載された番号は各ロボットが処理した第1コンテナ、第2コンテナ、物品の番号を示している。
図22に表したフローチャートでは、30秒~80秒のいずれにおいてもピッキングが行われているのに対して、
図23に表したフローチャートでは、50秒及び70秒においてピッキングロボット31が待機している。このように、規則を適用しない場合、ピッキングロボットの待機時間が多く発生し、単位時間当たりの物品の処理数、すなわちスループットが低下することがわかる。
【0108】
(実施例)
図24は、実施形態に係るハンドリングシステムの具体的な実施例を示す模式図である。
図24では、それぞれの保管エリアに複数の棚Aが置かれている。指示装置90からの指令により、第1移動ロボット11が、いずれかの棚Aを指定されたワークステーションに運搬する。ワークステーションは、作業員Wが作業する複数のワークステーションWS1と、ロボットが作業する複数のワークステーションWS2と、を含む。ロボットが作業するワークステーションWS2では、第1移送ロボット21が、運搬された棚Aから第1コンテナC1を、第1移送ロボット21の一部である第1載置台41に移送する。ワークステーションWS2では、第2移送ロボット22が、第2移送ロボット22の一部である交換機構50から、第2コンテナC2を、第2載置台42に移送する。ピッキングロボット31は、第1載置台41に置かれた第1コンテナC1から第2載置台42に置かれた第2コンテナC2に物品をピッキングする。ピッキングが完了した第2コンテナC2は出荷機構51に移送され、第2移動ロボット12によって集荷場に運搬される。
【0109】
本実施例では、第1移送ロボット21として、
図5(a)及び
図5(b)に示した移送ロボット220が用いられる。第2移送ロボット22として、
図6(a)及び
図6(b)に示した移送ロボット230が用いられる。交換機構50及び出荷機構51として、移送ロボット230の交換機構250及び出荷機構251がそれぞれ用いられる。
【0110】
図25は、実施例に係るハンドリングシステムにおける指示装置の具体的構成を示す模式図である。
指示装置90は、ロボット群制御部91、ロボット群制御部92、倉庫管理部93、機器実行制御部94、ワークステーション制御部95、及びデータベース管理部96を含む。制御部11pは、第1移動ロボット11を制御する。ロボット群制御部91は、それぞれの制御部11pと接続され、複数の第1移動ロボット11を制御する。制御部12pは、第2移動ロボット12を制御する。ロボット群制御部92は、それぞれの制御部12pと接続され、複数の第2移動ロボット12を制御する。倉庫管理部93は、倉庫の物品の在庫状況や注文の処理などを統合して管理する。機器実行制御部94は、倉庫内の複数の機器を制御し、これらの機器を連携して運用可能とする。ワークステーション制御部95は、ワークステーションの機器を制御する。ワークステーション制御部95は、第1移送ロボット21を制御する制御部21p、第2移送ロボット22を制御する制御部22p、及びピッキングロボット31を制御する制御部31pと接続される。これにより、ワークステーション制御部95は、ワークステーションに設置された機器を制御する。ワークステーション制御部95は、さらに、表示及びI/O制御部35と接続される。表示及びI/O制御部35は、作業員の端末装置との情報伝達、安全系等の機器制御を行う。データベース管理部96は、注文管理データ、物品管理データ、棚管理データ、機器データ、運用状況データ等のデータを管理する。
【0111】
図26は、実施例に係るハンドリングシステムによる処理を示すフローチャートである。
ハンドリングシステム1は、外部からの注文に応じて、ハンドリングを開始する。第1ステップS1-1では、指示装置90が、注文及びデータベースの情報をもとに、物品の処理リストを生成する。参照されるデータベースの情報は、物品管理データD1や、棚管理データS1、各種ロボットの機能データ、各種ロボットの運用状況データなどである。第2ステップS1-2では、指示装置90の指示に従い、第1移動ロボット11が、指定された棚をワークステーションWS2に運搬する。第3ステップS1-3では、第2移送ロボット22が、交換機構50の収納部から、指示装置90で指定された第2コンテナC2を第2載置台42に取り出す。このとき、既にIDが割り振られた第2コンテナが取り出されても良い。空の第2コンテナが取り出され、この第2コンテナに対して、ラベル等で番号付けされたり、既存の番号に処理の為のIDが新たに割り振られたりしても良い。
【0112】
第4ステップS1-4では、第1移送ロボット21が、第1移動ロボット11が運搬してきた棚Aから、指定された第1コンテナC1を第1載置台41に取り出す。第5ステップS1-5では、ピッキングロボット31が、第1載置台41に載置されている、指定された第1コンテナC1から、指定された物品を取り出す。第6ステップS1-6では、ピッキングロボット31が、取り出した物品を指定された第2コンテナC2に収納する。第7ステップS1-7では、指示装置90が、第1載置台41の第1コンテナC1から第2載置台42の第2コンテナC2への物品のピッキングが完了しているかどうかを判定する。ピッキング可能な物品がある場合には、第5ステップS1-5へ移行する。物品のピッキングが完了していれば、第8ステップS1-8へ移行する。
【0113】
第8ステップS1-8では、第1移送ロボット21が、第1コンテナC1を第1載置台41から棚Aに移送する。第9ステップS1-9では、第2移送ロボット22が、第2載置台42の第2コンテナC2を交換する、又は出荷機構51を用いて第2コンテナC2を出荷する。第10ステップS1-10では、第1移動ロボット11が、指示装置90の指示に従って、第1コンテナC1が戻された棚Aを、所定の棚設置位置または、他のワークステーションに運搬する。第11ステップS1-11では、指示装置90が、すべての処理が完了しているか判定する。すべての処理が完了していると判定されれば、処理は終了する。処理が残っている場合には、第1ステップS1-1に移行し、処理が繰り返される。
【0114】
図27は、処理リストの生成方法を示すフローチャートである。
指示装置90は、処理リスト生成時には、第1ステップS2-1で、上位システム又は外部システムから注文リストを受信する。第2ステップS2-2で、注文リストとデータベースに保管されたデータとに基づいて、注文に従った物品の仕分けを行うための処理リストを生成する。参照されるデータは、物品管理データ、棚管理データ等である。この時、指示装置90は、処理リストのバッチ分割や順番などを、機器データや運用状況データ等を踏まえて最適化する。ここで、バッチとは、逐次的なデータを一定期間または一定量集めたデータセットのことである。第3ステップS2-3では最適化された処理リスト送信し、処理リスト生成処理を完了する。
【0115】
図28は、処理リストの最適化方法を示すフローチャートである。
第1ステップS3-1では、指示装置90は、受信した注文リストの解析を行い、注文リストに含まれる注文を、物品管理データ、棚管理データと紐づける。第2ステップS3-2では、指示装置90は、紐づけされたリストを、出荷情報に基づいて、午前や午後等の時間帯別のバッチに分割する。指示装置90は、さらに、リストを、ワークステーションごとのバッチに分割する。このとき、同じ物品や同じコンテナがなるべく同一箇所で処理されるようにしたり、壊れ物が特定のワークステーションに振り分けられたりする。第3ステップS1-3では、指示装置90は、バッチに分割されたリストを第1コンテナ(ID?)でソートする。第4ステップS1-4では、ソートされたリストをコンテナIDでブロック化する。第5ステップS1-5では、第1コンテナ番号のブロックを解析し、ブロック毎に並べ替えを行う。
【0116】
並べ替えは、次の規則に従って行われる。第1に、初期ブロックが決定される。第2に、初期ブロックのリストの第2コンテナ番号と同じ第2コンテナ番号が含まれているブロックが2番目のブロックとして選択される。その初期ブロックと第2ブロック両方に含まれる第2コンテナ番号を基(キー)として、初期ブロックと2番目のブロックが紐づけられる。第3に、次のブロックが選択される場合には、前のブロックで基(キー)として紐づけに用いられていない第2コンテナ番号から、新たなキーとなる第2コンテナ番号を選択し、その新たなキーとなる第2コンテナ番号によって、第2ブロックと次のブロックを紐づけする。第4に、複数の選択肢がある場合には、同じ第2コンテナが複数含まれているブロックを優先的に選択し、第2コンテナの入れ替え回数が多いブロック、又は第2コンテナが少ない(例えば1つ)ブロックの優先順位を下げる。第5に、第2コンテナの入れ替え数の多いブロックが、同じ第2コンテナの処理を複数回連続して処理可能なブロックの直後に並べられて、連続して処理するペアが設定される。第6に、大きいブロックの直後に小さいブロックが並べられて、連続して処理するペアが設定される。この時、複数の選択肢がある場合には、同じ第2コンテナ番号が含まれているブロックどうしが優先的にペアに設定される。第6ステップS3-6では、大きなサイズのブロックを分割して、小さいサイズのブロックを間に組み入れる。第7ステップS3-7では、ブロック間で同じ第2ブロックが連続して処理可能なように、ブロック内の処理順序が並べ替えられる。以上の処理で、処理リストの最適化処理が完了する。
【0117】
本実施例では、ルールベースの最適化手法を用いたが、リストの最適化は1つ目から6つ目の規則を満たすように、数理計画問題として最適化したり、機械学習手法を用いて最適化を行ったりしても良い。
【0118】
図29~
図36は、最適化の具体例を説明するためのデータである。
図29から
図36を用いて、
図28の最適化の流れを説明する。
図29(a)は、注文リストの例を示す。
図29(b)は、データベースから抽出された物品データ及び棚管理データの抜粋情報を示す。第1ステップS3-1では、注文リストを、物品データ及び管理データと紐づけ、
図30のリストを生成する。ここで、指示装置90は、同じ種類の物品が複数個所に保存されているか判定する。例えば、物品[YYYY001]が抽出される。指示装置90は、このような物品について、棚ID等を参照し、他の物品に同じ棚を用いているものがあれば、そちらを優先的に選択する。この場合、物品[YYYY002]も、棚ID[AAA002]に保存されている。指示装置90は、物品[YYYY001]を棚ID[AAA002]の棚から移送することを決定する。指示装置90は、さらにこの情報を解析し、取り扱い注意(fragile)の付帯情報がある注文[XXX0003]を、物品[YYYY001]を含む注文番号[XXX0001]とは別バッチで処理することを決定する。また、指示装置90は、午後の出荷[MAR06PM]指定のある注文[XXX0007]、別フロア[2F]に商品が保存されている注文[XXX0008]を、それぞれ[XXX0001]や[XXX0003]とは別バッチで処理することを決定する。
【0119】
第2ステップS3-2では、指示装置90は、解析結果をもとに、リストをそれぞれのバッチとして抽出する。そして、指示装置90は、運用状況データ及び機器データベースを参照し、処理可能なワークステーションを決定する。
図31は、抽出されたバッチリストの1つを示す。
図32及び
図33は、
図31のデータから次の処理に必要な部分を抽出したリストを示す。
図32のリストは、抽出したリストを示す。
図33は、
図32に示すリストからデータを抽出し、変換したリストである。この変換では、棚IDとサブ棚IDが結合され、第1コンテナ番号に変換されている。注文番号と小口番号が結合され、第2コンテナ番号に統合されている。
【0120】
第3ステップS3-3では、指示装置90は、このリストを第1コンテナ番号でソートする。第4ステップS3-4では、指示装置90は、第1コンテナ番号を用いてブロック化を行う。
図34(a)は、ブロック化した結果を示す。第5ステップS3-5では、指示装置90は、規則に基づいて、ブロックの並べ替えを行う。例えば、指示装置90は、[AAA0025]ブロックの第2コンテナ番号[XXX000101]を基に、つぎのブロックを決定する。[AAA0025]ブロックと紐づけ可能なブロックは、[AAA0028]ブロック、[AAA0050] ブロック、及び[AAA0065] ブロックである。このうち、[AAA0065]ブロックは、1つの第2コンテナを含む。[AAA0050]ブロックについては、第2コンテナの入れ替え回数が2回である。これは、[AAA0028]ブロックにおける1回の入れ替えよりも多く、 [AAA065] ブロックにおける0回の入れ替えよりも多い。このため、[AAA0028]ブロックが次のブロックとして選択される。
【0121】
次に、指示装置90は、[AAA0028]ブロックを参照する。[AAA0028]ブロックでは、第2コンテナ番号[XXX000201]が紐づけに用いられていない。指示装置90は、第2コンテナ番号[XXX000201]を基に、次のブロックを決定する。ここで、第2コンテナ[XXX000201]を多く含む[AAA0050]ブロックが選択される。このように、規則に基づいて、順序が決定される。
図34(b)は、決定された結果を示す。さらに、指示装置90は、第2コンテナが1つの[AAA0065]ブロックを、第2コンテナ数の多い[AAA0050]ブロックとペアを設定する。
図35(a)は、その結果を示すリストである。
【0122】
第6ステップS3-6では、指示装置90は、サイズの大きい[AAA0050]ブロックを分割して、小さい[AAA0065]ブロックを挿入する。第7ステップS3-7では、指示装置90は、ブロック間で第2コンテナ番号が連続するようにブロック内でリストを並べ替える。
図35(b)は、並べ替えの結果を示す。このリストは、1つ目から6つ目の規則を満たしている。
【0123】
例えば、第1載置台に置かれた[AAA0025]と[AAA0028]の第1コンテナから、それぞれ、[YYYY001]と[YYYY002]の物品が、[XXX000101]の第2コンテナへそれぞれピッキングされる。これらの指示は、第1の規則に基づく。
【0124】
[AAA0025]の第1コンテナからは、[YYYY001]の物品が、第2載置台に置かれた[XXX000401]と[XXX000101]の第2コンテナへそれぞれピッキングされる。これらの指示は、第2の規則に基づく。
【0125】
[AAA0065]の第1コンテナからのピッキングは、[AAA0050]の第1コンテナからのピッキングと並行して行われる。[AAA0065]の第1コンテナからピッキングされる物品の数は、1である。[AAA0050]の第1コンテナからピッキングされる物品の数は、4である。これらの指示は、第3の規則に基づく。
【0126】
[AAA0038]の第1コンテナが第1載置台へ載置されたとき、[XXX000501]の第2コンテナへピッキングされる物品の数は、1である。一方、[XXX000401]の第2コンテナには、[AAA0038]と[AAA0047]の第1コンテナから、より多くの3つの物品がピッキングされる。これらの指示は、第4の規則に基づく。
【0127】
[AAA0025]と[AAA0028]の第1コンテナは、ともに、棚ID[AAA002]の同じ棚に収納されている。第1移動ロボット11は、[AAA002]の棚を運搬することで、連続して処理可能な注文が紐づけられた[AAA0025]と[AAA0028]の第1コンテナを同時に運搬する。この指示は、第5の規則に基づく。
【0128】
[XXX000501]の第2コンテナには、[AAA0096]、[AAA0038]、[AAA0047]、及び[AAA0073]の第1コンテナからそれぞれ物品がピッキングされる。[XXX000501]の第2コンテナについては、他の第2コンテナに比べて、第2載置台への入れ替え回数が多い。[XXX000501]の第2コンテナへ物品がピッキングされる際、[XXX000201]、[XXX000401]、[XXX000601]などの第2コンテナが出荷される。これらの指示は、第6の規則に基づく。
【0129】
第1~第6の規則に従って生成された指示により、効率的なハンドリングを実現できる。
【0130】
図36は、
図35(b)のリストを用いた場合の処理の流れを示す。
図36において、[>>]は、第1移送ロボット21が、棚から指定された第1コンテナを取り出す動作を示す。[<<]は、第1移送ロボット21が、指定された第1コンテナを棚に戻す動作を示す。それぞれの処理時間における、第1移送ロボットの各セルについて、太枠内の上の段は、第1載置台41aを示す。下の段は、第1載置台41bを示す。[>]は、第2移送ロボット22が、交換機構50から指定された第2コンテナを取り出す動作を示す。[<]は、第2移送ロボット22が、指定された第2コンテナを、交換機構50に戻す動作を示す。それぞれの処理時間における、第2移送ロボットの各セルについて、太枠内の上の段は、第2載置台42aを示す。下の段は、第2載置台42bを示す。[↓]は、出荷機構を用いて第2コンテナを出荷する動作を示す。[ピック→]は、第1載置台の第1コンテナから、第2載置台の第2コンテナに物品を移動する動作を示す。
図36から、ピッキングロボットはほぼ待機することなく動いており、効率の良いハンドリングが実現できていることが分かる。
【0131】
図37は、ハードウェア構成を表す模式図である。
指示装置90は、例えば
図37に表したハードウェア構成を有する。
図37に表したコンピュータ500は、CPU501、ROM502、RAM503、記憶装置504、入力インタフェース505、出力インタフェース506、及び通信インタフェース507を含む。
【0132】
ROM502は、コンピュータ500の動作を制御するプログラムを格納している。ROM502には、上述した各処理をコンピュータ500に実現させるために必要なプログラムが格納されている。RAM503は、ROM502に格納されたプログラムが展開される記憶領域として機能する。
【0133】
CPU501は、処理回路を含む。CPU501は、RAM503をワークメモリとして、ROM502又は記憶装置504の少なくともいずれかに記憶されたプログラムを実行する。プログラムの実行中、CPU501は、システムバス508を介して各構成を制御し、種々の処理を実行する。
【0134】
記憶装置504は、プログラムの実行に必要なデータや、プログラムの実行によって得られたデータを記憶する。
【0135】
入力インタフェース(I/F)505は、コンピュータ500と入力装置505aとを接続する。入力I/F505は、例えば、USB等のシリアルバスインタフェースである。CPU501は、入力I/F505を介して、入力装置505aから各種データを読み込むことができる。
【0136】
出力インタフェース(I/F)506は、コンピュータ500と出力装置506aとを接続する。出力I/F506は、例えば、Digital Visual Interface(DVI)やHigh-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))等の映像出力インタフェースである。CPU501は、出力I/F506を介して、出力装置506aにデータを送信し、出力装置506aにデータを出力させることができる。
【0137】
通信インタフェース(I/F)507は、コンピュータ500外部のサーバ507aと、コンピュータ500と、を接続する。通信I/F507は、例えば、LANカード等のネットワークカードである。CPU501は、通信I/F507を介して、サーバ507aから各種データを読み込むことができる。
【0138】
記憶装置504は、Hard Disk Drive(HDD)及びSolid State Drive(SSD)から選択される1つ以上を含む。入力装置505aは、マウス、キーボード、マイク(音声入力)、及びタッチパッドから選択される1つ以上を含む。出力装置506aは、モニタ、及びプロジェクタ、及びプリンタから選択される1つ以上を含む。タッチパネルのように、入力装置505aと出力装置506aの両方の機能を備えた機器が用いられても良い。
【0139】
以上で説明した、ハンドリングシステム、指示装置、又はハンドリング方法によれば、物品のハンドリングに必要な処理をより自動化でき、人による作業を削減できる。また、コンピュータを、指示装置として動作させるためのプログラムを用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0140】
上記の種々のデータの処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク及びハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又は、他の非一時的なコンピュータで読取可能な記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されても良い。
【0141】
例えば、記録媒体に記録された情報は、コンピュータ(または組み込みシステム)により読み出されることが可能である。記録媒体において、記録形式(記憶形式)は任意である。例えば、コンピュータは、記録媒体からプログラムを読み出し、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させる。コンピュータにおいて、プログラムの取得(または読み出し)は、ネットワークを通じて行われても良い。
【0142】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0143】
1:ハンドリングシステム、 11,11a~11d:第1移動ロボット、 11p:制御部、 12:第2移動ロボット、 12p:制御部、 21:第1移送ロボット、 21p:制御部、 22:第2移送ロボット、 22p:制御部、 31:ピッキングロボット、 31p:制御部、 35:表示及びI/O制御部、 40:載置台、 40a:ガイド機構、 41,41a,41b:第1載置台、 42,42a、42b:第2載置台、 50:交換機構、 51,51a、51b:出荷機構、 90:指示装置、 91,92:ロボット群制御部、 93:倉庫管理部、 94:機器実行制御部、 95:ワークステーション制御部、 96:データベース管理部、 100:移動ロボット、 101:車体、 102:保持部、 103:走行部、 104:検出部、 110:移動ロボット、 111:車体、 112:収納部、 113:搬送部、 114:駆動機構、 115:走行部、 116:検出部、 200:移送ロボット、 201:基台、 202:駆動機構、 203:マニピュレータ、 210:エンドエフェクタ、 211:支持部、 212:吸着部、 220:移送ロボット、 221:保持機構、 222:駆動機構、 223:駆動機構、 224:センサ、 225:センサ、 230:移送ロボット、 231:駆動機構、 232:駆動機構、 233:収納部、 234:駆動機構、 235:センサ、 236:センサ、 250:交換機構、 251:出荷機構、 300:ピッキングロボット、 301:筐体、 310:マニピュレータ、 320:エンドエフェクタ、 321:吸着パッド、 322:屈曲軸、 323:力センサ、 330:コントローラ、 400:センサシステム、 401~405:センサ、 411~413:支持部、 500:コンピュータ、 501:CPU、 502:ROM、 503:RAM、 504:記憶装置、 505:入力インタフェース、 505a:入力装置、 506:出力インタフェース、 506a:出力装置、 507:通信インタフェース、 507a:サーバ、 508:システムバス、 A,A1,A2:棚、 B1~B4:物品、 C:コンテナ、 C1,C1a~C1d:第1コンテナ、 C2,C2a~C2f:第2コンテナ、 L1:注文リスト、 S1:棚管理データ、 W:作業員、 WS1,WS2:ワークステーション