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特許7543255静電型トランスデューサおよび静電型トランスデューサユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】静電型トランスデューサおよび静電型トランスデューサユニット
(51)【国際特許分類】
   H04R 19/02 20060101AFI20240826BHJP
   H04R 19/04 20060101ALI20240826BHJP
   G01D 5/241 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H04R19/02
H04R19/04
G01D5/241 A
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021515906
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2020014159
(87)【国際公開番号】W WO2020217855
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2019085574
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩一
(72)【発明者】
【氏名】田原 新也
(72)【発明者】
【氏名】中野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】那須 将樹
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-027756(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017184(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00- 5/252
G01D 5/39- 5/62
G01H 1/00-17/00
G01L 1/00-1/26
G01L 25/00
H01L 29/84
H02K 24/00-27/30
H02K 31/00-31/04
H02K 35/00-35/06
H02K 39/00
H02K 47/00-47/30
H02K 53/00
H02K 99/00
H02N 1/00- 1/12
H02N 3/00-99/00
H04R 11/00-11/06
H04R 11/14
H04R 13/00-15/02
H04R 19/00-19/04
H04R 21/00-21/02
H04R 23/00-23/02
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体シートと、
前記絶縁体シートに積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、少なくとも1つの端子部を備える少なくとも1つの電極シートと、
前記電極シートの電気抵抗率より小さい電気抵抗率を有し、前記電極シートの一部分の面に沿うように前記電極シートに接触した状態で配置され、前記電極シートに接触している部位において前記電極シートに電気的に接続された少なくとも1つのバイパス導体と、
を備える、静電型トランスデューサ。
【請求項2】
前記バイパス導体は、導電性繊維により形成されている、請求項1に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項3】
前記バイパス導体は、金属線により形成されている、請求項1に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項4】
前記バイパス導体は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されている、請求項1に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項5】
前記バイパス導体の電気抵抗率は、前記電極シートの電気抵抗率の10分の1以下である、請求項2-4の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項6】
前記電極シートは、長尺状に形成され、
前記バイパス導体は、長尺状に形成され、前記電極シートの長手方向に沿って配置される、請求項1-5の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項7】
前記バイパス導体は、前記電極シートの短手方向の中央部に、前記電極シートの長手方向に沿って配置される、請求項6に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項8】
前記静電型トランスデューサは、複数の前記バイパス導体を備え、
複数の前記バイパス導体は、前記電極シートの短手方向に並んで配置される、請求項6に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項9】
前記電極シートは、長尺状に形成され、長手方向の第一端部に配置された1つのみの端子部を備え、
前記バイパス導体は、長尺状に形成され、前記電極シートの長手方向に沿って配置され、
前記バイパス導体の長手方向の第一端部は、前記電極シートの長尺状において前記端子部側に位置し、
前記バイパス導体の長手方向の第二端部は、前記電極シートの長尺状において前記端子部とは反対側に位置する、請求項1-8の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項10】
前記電極シートは、長尺状に形成され、長手方向の中央部に配置された前記少なくとも1つの端子部を備え、
前記バイパス導体は、長尺状に形成され、前記電極シートの長手方向に沿って配置され、前記電極シートの長手方向の第一端部から前記第一端部とは反対側の第二端部に亘って配置される、請求項1-8の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項11】
前記電極シートは、長尺状に形成され、長手方向の第一端部に配置された第一端子部と長手方向の第二端部に配置された第二端子部とを備え、
前記バイパス導体は、長尺状に形成され、前記電極シートの長手方向に沿って配置され、前記電極シートの長手方向の第一端部から前記第一端部とは反対側の第二端部に亘って配置される、請求項1-8の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項12】
前記バイパス導体は、網目を有し且つシート状に形成されている、請求項1-11の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項13】
前記電極シートは、長尺状に形成され、
前記バイパス導体の前記網目の配向方向は、前記電極シートの長手方向に対して傾斜されている、請求項12に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項14】
前記バイパス導体は、波状に形成されている、請求項1-11の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項15】
前記電極シートは、前記電極シート自身の融着により前記絶縁体シートに固着されている、請求項1-14の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項16】
前記絶縁体シートは、エラストマーにより形成され、
前記電極シートは、前記電極シート自身の融着および前記絶縁体シートの融着により前記絶縁体シートに固着されている、請求項15に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項17】
前記静電型トランスデューサは、さらに、
前記絶縁体シートにおける前記電極シートとは反対面に積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、少なくとも1つの端子部を備える少なくとも1つの第二電極シートと、
前記第二電極シートの電気抵抗率より小さい電気抵抗率を有し、前記第二電極シートの面に沿うように前記第二電極シートに接触した状態で配置され、前記第二電極シートに接触している部位において前記第二電極シートに電気的に接続された少なくとも1つの第二バイパス導体と、
を備える、請求項1-16の何れか1項の静電型トランスデューサ。
【請求項18】
前記電極シートは、長尺状に形成され、長手方向の異なる位置にそれぞれ配置された第一端子部および第二端子部を備え、
前記バイパス導体は、長尺状に形成され、前記電極シートの長手方向に沿って配置され、
前記静電型トランスデューサは、さらに、
一端が前記第一端子部に電気的に接続される第一端子接続配線部と、
一端が前記第二端子部に電気的に接続され、他端が前記第一端子接続配線部の他端に接続される第二端子接続配線部と、
前記第一端子接続配線部と前記第二端子接続配線部との接続位置から1つの入出力端を構成する結合配線部と、
を備える、請求項1-17の何れか1項に記載の静電型トランスデューサ。
【請求項19】
絶縁体シートと、
前記絶縁体シートに積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、複数の端子部を備える電極シートと、
一端が前記複数の端子部のそれぞれに電気的に接続され、他端が相互に電気的に接続される複数の端子接続配線部と、
前記複数の端子接続配線部の他端同士の接続位置から1つの入出力端を構成する結合配線部と、
を備える、静電型トランスデューサ。
【請求項20】
中心線を有する芯材と、
請求項1-19の何れか1項に記載の静電型トランスデューサであって、裏面が前記芯材の前記中心線を中心とした外周面に対向するように、前記芯材の外周面に沿って配置された前記静電型トランスデューサと、
前記芯材の前記外周面と前記静電型トランスデューサの裏面との間に介在し、前記芯材および前記静電型トランスデューサに固着される樹脂内層材と、
を備える静電型トランスデューサユニットであって、
前記静電型トランスデューサにおいて前記芯材の前記外周面の周方向における端辺を第一端辺と定義し、
前記静電型トランスデューサの2つの前記第一端辺が、前記芯材の前記外周面の周方向において距離を隔てて対向配置され、
前記樹脂内層材は、前記2つの前記第一端辺の隙間に介在している、静電型トランスデューサユニット。
【請求項21】
前記静電型トランスデューサは、前記電極シートと電気的に接続される第一端子部または第一配線を有し、
前記第一端子部または前記第一配線は、対向配置される前記2つの前記第一端辺の隙間に配置されている、請求項20に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項22】
前記静電型トランスデューサは、前記電極シートが配置されていない領域において、厚み方向に貫通すると共に樹脂注入孔または樹脂注入時の空気抜き孔として機能する少なくとも1つの第三貫通孔を有し、
前記樹脂内層材は、前記第三貫通孔に配置されている、請求項20または21に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項23】
前記静電型トランスデューサは、前記電極シートと電気的に接続される第一端子部または第一配線を有し、
前記第一端子部または前記第一配線は、前記第三貫通孔に配置されている、請求項22に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項24】
前記芯材は、前記中心線がリング状に形成された形状を有し、
前記静電型トランスデューサにおいて前記芯材の前記リング状の周回方向における端辺を第二端辺と定義し、
前記静電型トランスデューサの2つの前記第二端辺が、前記芯材の前記リング状の周回方向において距離を隔てて対向配置され、
前記樹脂内層材は、前記2つの前記第二端辺の隙間に介在している、請求項20-23の何れか1項に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項25】
前記静電型トランスデューサは、前記電極シートと電気的に接続される第一端子部または第一配線を有し、
前記第一端子部または前記第一配線は、対向配置される前記2つの前記第二端辺の隙間に配置されている、請求項24に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項26】
前記静電型トランスデューサは、さらに、裏面側に配置されるヒータシートを備え、
前記樹脂内層材は、前記ヒータシートと固着されている、請求項20-25の何れか1項に記載の静電型トランスデューサユニット。
【請求項27】
前記静電型トランスデューサは、さらに、
前記絶縁体シートにおける前記電極シートとは反対面に積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、少なくとも1つの端子部を備える少なくとも1つの第二電極シートと、
前記第二電極シートに電気的に接続される第二端子部または第二配線と、
を備え、
前記第二端子部または前記第二配線は、対向配置される前記2つの前記第一端辺の隙間に配置されている、請求項20-26の何れか1項に記載の静電型トランスデューサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電型トランスデューサおよび静電型トランスデューサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005-315831号公報には、人体の心拍数や呼吸数を計測する装置に用いられ、導電性布と誘電体とを備える静電型センサが記載されている。特開2014-190856号公報には、ステアリングホイールに適用された運転者の手放し状態を検出する静電型センサが記載されている。また、特開平5-172839号公報には、圧電フィルムの両面に設ける電極をメッシュ状とし、メッシュの度合を変えることにより、出力電圧を制御する圧電型センサが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、静電型トランスデューサ(センサおよびアクチュエータを含む)の取付対象の形状が、三次元形状(三次元曲面、複合平面を含む)である場合などにおいて、取付性の観点から、静電型トランスデューサに柔軟性が求められる。つまり、静電型トランスデューサを変形させながら取付対象に取り付けることができることが求められる。
【0004】
近年においては、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成された電極シートが開発されている。しかし、導電性フィラーを含むエラストマーにおいて、導電性フィラーの配合割合を高くすると硬くなり、導電性フィラーの配合割合を低くすると柔らかくなるが電気抵抗率が大きくなる。
【0005】
そこで、上記要請を満たすためには、導電性フィラーを含むエラストマーを電極シートとして用いる場合において、所望の柔軟性を有しつつ所望の電気抵抗率を有する導電性フィラーの配合割合とすることが必要となる。
【0006】
しかしながら、導電性フィラーを含むエラストマーを電極シートに用いる静電型センサにおいて、1つの検出領域が広い場合には、電極シートの電気抵抗の影響により検出領域内の位置によっては計測精度が低下する。同様に、静電型アクチュエータにおいて、1つの駆動領域が広い場合には、電極シートの電気抵抗の影響により1つの駆動領域の位置によっては駆動精度が低下する。
【0007】
本発明は、柔軟性を有しつつ、検出精度または駆動精度を向上させることができる静電型トランスデューサを提供することを目的とする。さらに、本発明は、静電型トランスデューサを備えるユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1.第一の静電型トランスデューサ)
第一の静電型トランスデューサは、絶縁体シートと、前記絶縁体シートに積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、少なくとも1つの端子部を備える少なくとも1つの電極シートと、前記電極シートの電気抵抗率より小さい電気抵抗率を有し、前記電極シートの一部分の面に沿うように前記電極シートに接触した状態で配置され、前記電極シートに接触している部位において前記電極シートに電気的に接続された少なくとも1つのバイパス導体とを備える。
【0009】
電極シートは、導電性フィラーを有するエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べて柔軟性を有する。従って、静電型トランスデューサを取付対象に取り付ける際に、取付性が良好となる。
【0010】
ただし、電極シートは、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べると電気抵抗率が大きくなる。しかし、上述した静電型トランスデューサは、バイパス導体を備える。バイパス導体により、端子部と端子部から遠い位置との間の実質の電気抵抗率は、小さくなる。従って、静電型センサとしての検出精度、または、静電型アクチュエータとしての駆動精度を向上させることができる。
【0011】
仮にバイパス導体が電極シートに比べて硬い材質であるとしても、バイパス導体は、電極シートの一部分に配置されているため、静電型トランスデューサとしての柔軟性に対して影響度は小さい。従って、静電型トランスデューサは、高い柔軟性を有する。
【0012】
(2.第二の静電型トランスデューサ)
第二の静電型トランスデューサは、絶縁体シートと、前記絶縁体シートに積層され、検出領域または駆動領域としての1つの対象領域を構成し、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成され、複数の端子部を備える電極シートと、一端が前記複数の端子部のそれぞれに電気的に接続され、他端が相互に電気的に接続される複数の端子接続配線部と、前記複数の端子接続配線部の他端同士の接続位置から1つの入出力端を構成する結合配線部とを備える。
【0013】
電極シートは、導電性フィラーを有するエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べて柔軟性を有する。従って、静電型トランスデューサを取付対象に取り付ける際に、取付性が良好となる。
【0014】
ただし、電極シートは、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べると電気抵抗率が大きくなる。しかし、上述した静電型トランスデューサを構成する電極シートは、1つの対象領域を構成すると共に複数の端子部を備える。そして、複数の端子部は、対応する端子接続配線部のそれぞれに電気的に接続され、複数の端子接続配線部は、1つの入出力端を構成する結合配線部に電気的に接続されている。つまり、1つの対象領域を構成する電極シートは、複数の端子部および複数の端子接続配線部を介して、1つの結合配線部に電気的に接続されている。このように、1つの対象領域は、複数の経路によって、1つの結合配線部に接続されている。
【0015】
従って、任意の位置が、ある端子部から遠い位置であっても、他の端子部から近い位置に位置させることが可能となる。そして、当該任意の位置において、静電型センサとしての検出精度、および、静電型アクチュエータとしての駆動精度は、当該任意の位置と複数の端子部の何れかの端子部との間における電気抵抗に依存する。つまり、位置に応じた電気抵抗の差を小さくすることができる。結果として、検出精度および駆動精度を向上させることができる。
【0016】
(3.静電型トランスデューサユニット)
静電型トランスデューサユニットは、中心線を有する芯材と、上記に記載の静電型トランスデューサであって、裏面が前記芯材の前記中心線を中心とした外周面に対向するように、前記芯材の外周面に沿って配置された前記静電型トランスデューサと、前記芯材の前記外周面と前記静電型トランスデューサの裏面との間に介在し、前記芯材および前記静電型トランスデューサに固着される樹脂内層材と、を備える静電型トランスデューサユニットであって、前記静電型トランスデューサにおいて前記芯材の前記外周面の周方向における端辺を第一端辺と定義し、前記静電型トランスデューサの2つの前記第一端辺が、前記芯材の前記外周面の周方向において距離を隔てて対向配置され、前記樹脂内層材は、前記2つの前記第一端辺の隙間に介在している。
【0017】
静電型トランスデューサを芯材の外周面に沿って配置する際に、樹脂内層材を芯材の外周面と静電型トランスデューサの裏面との間に配置し、樹脂内層材を芯材の外周面および静電型トランスデューサの裏面に固着させている。従って、静電型トランスデューサが芯材から剥がれることを防止できる。そして、静電型トランスデューサを芯材の外周面に綺麗に配置することができるため、静電型トランスデューサユニットの意匠性が良好となる。さらに、樹脂内層材を適用することにより、静電型トランスデューサユニットの製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】トランスデューサの全体構成を示す図である。
図2】第一例のトランスデューサにおける1つの対象領域に関する部分の構成図である。
図3】第一例のトランスデューサを構成する静電シートおよび基材の部分を示す縦断面図であって、図2のIII-III断面図である。
図4】第一例のトランスデューサを示す図であって、静電シートを構成するバイパス導体の第二例を示す図である。
図5】第一例のトランスデューサを示す図であって、静電シートを構成するバイパス導体の第三例を示す図である。
図6】第二例の静電シートおよび基材の部分の縦断面図であって、図3に対応する図である。
図7】第三例のトランスデューサを示す図である。
図8】第四例のトランスデューサを示す図である。
図9】第五例のトランスデューサを示す図である。
図10】第六例のトランスデューサを示す図である。
図11】第七例のトランスデューサを示す図である。
図12】第八例のトランスデューサを示す図である。
図13】第九例のトランスデューサを示す図である。
図14】第一例のトランスデューサユニットとしてのステアリングホイールの正面図である。
図15図14のA-A拡大断面図である。
図16】第二例のトランスデューサユニットに適用されるトランスデューサを示す図である。
図17】第二例のトランスデューサユニットにおける図14のA-A拡大断面図である。
図18】第三例のトランスデューサユニットにおける図14のA-A拡大断面図である。
図19】第四例のトランスデューサユニットの製造方法を示すフローチャートである。
図20】第四例のトランスデューサユニットに適用されるトランスデューサを示す図である。
図21】プレ成形されたトランスデューサの正面図である。
図22図21のB-B拡大断面図である。
図23】射出成形前の断面図である。
図24】射出成型後の断面図である。
図25】射出成型後に金型を離脱させた状態の断面図である。
図26】第四例のトランスデューサユニットにおける図14のA-A拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1.静電型トランスデューサの適用対象)
静電型トランスデューサ(以下、「トランスデューサ」と称する)は、例えば、基材と、基材の取付面に取り付けられた静電シートとを備える。基材は、任意の部材であって、金属、樹脂、その他の材料により形成される。
【0020】
また、基材の取付面は、曲面、複合平面、平面と曲面の複合形状などの三次元形状に形成されてもよいし、基材の表面が単一平面形状に形成されてもよい。基材が可撓性を有する材料により形成されている場合に、当該基材の取付面に当該静電シートを取り付けることもできる。また、トランスデューサは、基材を備えることなく、当該静電シート単体として利用することもできる。
【0021】
静電シートは、一対の電極の間の静電容量の変化を利用して、振動や音などを発生させるアクチュエータとして機能させることができる。また、静電シートは、電極との間の静電容量の変化を利用して、外部からの押込力などを検出するセンサ、電位を有する導電体の接触または接近を検出するセンサとして機能させることができる。
【0022】
静電シートがアクチュエータとして機能する場合には、一対の電極に電圧が印加されることにより、一対の電極の間の電位に応じて絶縁体が変形し、絶縁体の変形に伴って振動が発生する。静電シートが押込力検出センサとして機能する場合には、外部からの押込力や振動や音などの入力に起因して絶縁体が変形することにより一対の電極の間の静電容量が変化し、一対の電極の間の静電容量に応じた電圧を検出することで、外部からの押込力などを検出する。
【0023】
また、静電シートが接触接近センサとして機能する場合には、電位を有する導電体の接触または接近により、電極と導電体との間の静電容量が変化し、変化した電極との間の静電容量に応じた電圧を検出することで、当該導電体の接触または接近を検出する。また、静電シートが接触接近センサとして機能する場合には、上記の他に、電位を有する導電体の接触または接近により、一対の電極の間の静電容量が変化し、変化した一対の電極の間の静電容量に応じた電圧を検出することで、当該導電体の接触または接近を検出することもできる。
【0024】
トランスデューサは、例えば、ポインティングデバイスであるマウスやジョイスティックの表面、車両部品の表面などに適用できる。車両部品としては、アームレスト、ドアノブ、シフトレバー、ステアリングホイール、ドアトリム、センタートリム、センターコンソール、天井などが含まれる。多くの場合、基材は、金属や硬質樹脂などの可撓性を有しない材料により形成されている。そして、トランスデューサは、対象者の状態の検出や対象者への振動などの付与を行うことができる。
【0025】
また、トランスデューサは、シート座面の表層側に配置されるようにしてもよい。この場合、トランスデューサは、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料により形成された基材に、静電シートを取り付けるように構成してもよい。また、トランスデューサは、基材を備えずに、静電シート単体により構成されるようにしてもよい。
【0026】
また、トランスデューサの静電シートは、ヒータ機能を有する構成とすることもできる。この場合、トランスデューサは、対象者の状態の検出や対象者への振動などの付与に加えて、対象者への熱の付与を行うことができる。
【0027】
(2.トランスデューサの全体構成)
トランスデューサ1の一例の全体構成について、図1を参照して説明する。トランスデューサ1は、少なくとも静電シート10と処理装置30とを備える。図1においては、トランスデューサ1は、さらに、長尺状の基材20を備える場合を例に挙げる。ただし、トランスデューサ1は、基材20を備えない構成とすることもできる。なお、以下において、静電シート10と基材20とのユニットを、トランスデューサ本体と称する。
【0028】
基材20は、図1においては、長尺状に形成されている場合を例に挙げる。基材20の形状は、上述したように任意の形状とすることができる。基材20は、金属や樹脂などの任意の材料により形成されている。
【0029】
静電シート10は、基材20の取付面に配置されている。静電シート10は、全体として弾性変形可能であって、柔軟性を有する。静電シート10は、主として、エラストマーにより形成されている。そして、基材20の取付面が三次元曲面であっても、静電シート10は、基材20の曲面状の取付面にそって取り付けることができる。特に、静電シート10を面方向に伸張させながら基材20の取付面に取り付けることで、静電シート10にしわが発生することを抑制することができる。
【0030】
静電シート10は、少なくとも1つの対象領域10a,10bを備える。図1においては、静電シート10は、2つの対象領域10a,10bを備える。ここで、第一の対象領域10aは、トランスデューサ1がセンサである場合には1つの検出領域として機能し、トランスデューサ1がアクチュエータである場合には1つの駆動領域として機能する。第二の対象領域10bも、第一の対象領域10aと同様である。
【0031】
静電シート10は、基材20に対応するように長尺状に形成されている。さらに、複数の対象領域10a,10bは、基材20の長手方向に並んで配置されている。また、それぞれの対象領域10a,10bの形状は、基材20の長手方向を長手方向とする長尺状に形成されている。なお、静電シート10は、基材20の幅方向(短手方向)に分割して配置してもよいし、基材20の長手方向および幅方向に分割して配置してもよい。静電シート10の形状は、適宜、任意の形状に形成することができる。
【0032】
処理装置30は、トランスデューサ1がセンサである場合には、静電シート10に電力を供給した場合に静電シート10から電圧または電流を取得し、取得した電圧または電流に基づいて対象動作の検出演算を行う。また、処理装置30は、トランスデューサ1がアクチュエータである場合には、静電シート10を駆動させるために供給する電力の演算を行い、演算した電力を静電シート10に供給する処理を行う。
【0033】
(3.第一例のトランスデューサ1の詳細構成)
第一例のトランスデューサ1の詳細構成について、図2および図3を参照して説明する。トランスデューサ1は、静電シート10と、基材20と、処理装置30とを備える。
【0034】
静電シート10は、少なくとも、絶縁体シート11と、第一電極シート12と、第一バイパス導体13とを備える。図2および図3においては、静電シート10は、さらに、第二電極シート14および第二バイパス導体15を備える場合を例に挙げる。ただし、静電シート10は、第二電極シート14および第二バイパス導体15を備えない構成とすることもできる。
【0035】
絶縁体シート11は、エラストマーにより形成されている。従って、絶縁体シート11は、弾性変形可能である。絶縁体シート11は、例えば、熱可塑性エラストマーにより形成されている。絶縁体シート11は、熱可塑性エラストマー自身により形成されるようにしてもよいし、熱可塑性エラストマーを素材として加熱することによって架橋されたエラストマーにより形成されるようにしてもよい。
【0036】
ここで、絶縁体シート11は、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系などのエラストマーから、1種以上を選択可能である。例えば、スチレン系エラストマーとしては、SBS、SEBS、SEPSなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、EEA、EMA、EMMAなどの他、エチレンとαオレフィンとの共重合体(エチレン-オクテン共重合体)などが挙げられる。
【0037】
絶縁体シート11は、熱可塑性エラストマー以外のゴム、樹脂を含んでいてもよい。例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)などのゴムを含む場合には、絶縁体シート11の柔軟性が向上する。絶縁体シート11の柔軟性を向上させるという観点から、絶縁体シートに可塑剤などの柔軟性付与成分を含有させてもよい。
【0038】
第一電極シート12は、絶縁体シート11の表面(図3の上面)側に積層されている。また、第一電極シート12は、導電性を有しつつ、柔軟性および面方向への伸縮性を有する。第一電極シート12は、導電性エラストマーにより形成されている。すなわち、第一電極シート12は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されている。
【0039】
第一電極シート12に用いられるエラストマーは、絶縁体シート11と主成分を同種とする材料により形成されるようにするとよい。すなわち、第一電極シート12は、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系などのエラストマーから、1種以上を選択可能である。例えば、スチレン系エラストマーとしては、SBS、SEBS、SEPSなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、EEA、EMA、EMMAなどの他、エチレンとαオレフィンとの共重合体(エチレン-オクテン共重合体)などが挙げられる。
【0040】
ただし、第一電極シート12は、絶縁体シート11よりも高い軟化点を有するようにされている。これは、絶縁体シート11自身の融着(例えば熱融着)により絶縁体シート11に第一電極シート12を固着する際に、絶縁体シート11が第一電極シート12より先に軟化することができるようにするためである。
【0041】
1つの第一電極シート12は、図1に示す1つの対象領域10aを構成する。なお、対象領域10bについては、別の第一電極シート12が構成する。詳細には、第一電極シート12は、1つの第一電極シート本体12aと、1つの端子部12bとを備える。第一電極シート本体12aが、1つの対象領域10aに一致する形状に形成されている。従って、第一電極シート本体12aは、長尺状に形成されている。
【0042】
1つの端子部12bは、第一電極シート本体12aの長手方向の第一端部(図2の右端)に配置されている。端子部12bは、処理装置30と電気的に接続される部位である。端子部12bと処理装置30とは、絶縁体シート11上に形成された配線と、絶縁体シート11の外部に設けられた配線とにより電気的に接続される。ここで、図2において、端子部12bは、第一電極シート本体12aから外側に突出した部位としたが、第一電極シート本体12aの周縁とすることもできる。
【0043】
第一電極シート12は、絶縁体シート11自身の融着(例えば熱融着)により絶縁体シート11に固着されている。さらには、第一電極シート12自身の融着(例えば熱融着)により、第一電極シート12と絶縁体シート11とが固着されている。つまり、第一電極シート12と絶縁体シート11とは、相互の融着によって固着されている。
【0044】
第一バイパス導体13は、第一電極シート12の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。特に、第一バイパス導体13の電気抵抗率は、第一電極シート12の電気抵抗率の10分の1以下とすると効果的である。
【0045】
さらに、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の一部分の面に沿うように第一電極シート12に接触した状態で配置されている。特に、第一バイパス導体13は、長尺状に形成されている。第一バイパス導体13は、第一電極シート12の長手方向に沿って配置されている。ここでいう、長尺状とは、直線状に限られるものではなく、長さを有するものであればよい。
【0046】
また、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の長手方向の第一端部(図2の右端)から、第一端部とは反対側の第二端部(図2の左端)に亘って配置されている。つまり、第一バイパス導体13の長手方向の第一端部は、第一電極シート12の長尺状において端子部12b側に位置する。一方、第一バイパス導体13の長手方向の第二端部は、第一電極シート12の長尺状において端子部12bとは反対側に位置する。
【0047】
さらに、第一バイパス導体13は、第一電極シート12に接触している部位において、第一電極シート12に電気的に接続されている。ここで、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の表面または裏面に積層されるようにしてもよいし、第一電極シート12に埋設されるようにしてもよい。なお、第一バイパス導体13の具体例については、後述する。
【0048】
第二電極シート14は、絶縁体シート11の裏面(図3の下面)側、すなわち絶縁体シート11における第一電極シート12とは反対面に積層されている。つまり、第二電極シート14は、絶縁体シート11と基材20との間に配置されている。第二電極シート14は、第一電極シート12と同様に形成されている。
【0049】
第二バイパス導体15は、第二電極シート14の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。第二バイパス導体15は、第二電極シート14の一部分の面に沿うように第二電極シート14に接触した状態で配置されている。特に、第二バイパス導体15は、長尺状に形成されている。第二バイパス導体15は、第二電極シート14の長手方向に沿って配置されている。ここでいう、長尺状とは、直線状に限られるものではなく、長さを有するものであればよい。
【0050】
さらに、第二バイパス導体15は、第二電極シート14に接触している部位において、第二電極シート14に電気的に接続されている。ここで、第二バイパス導体15は、第二電極シート14の表面または裏面に積層されるようにしてもよいし、第二電極シート14に埋設されるようにしてもよい。なお、第二バイパス導体15は、第一バイパス導体13と同様である。
【0051】
(4.第一例のトランスデューサ1による効果)
第一電極シート12は、導電性フィラーを有するエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べて柔軟性を有する。第二電極シート14も同様である。従って、トランスデューサ1を基材20に取付対象に取り付ける際に、取付性が良好となる。
【0052】
ただし、第一電極シート12は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べると電気抵抗率が大きくなる。ここで、第一電極シート12単体において、端子部12bと端子部12bに近い位置P1(図2に示す)との間の電気抵抗率は、小さい。しかし、第一電極シート12単体において、端子部12bと端子部12bから遠い位置P2(図2に示す)との間の電気抵抗率は、大きくなる。当然に、第一電極シート12単体において、端子部12bと位置P3(図2に示す)との間の電気抵抗率は、中間程度となる。
【0053】
しかし、トランスデューサ1は、第一バイパス導体13を備える。第一バイパス導体13により、第一電極シート12の端子部12bと端子部12bから遠い位置P2との間の実質の電気抵抗率は、小さくなる。端子部12bと位置P3との間の実質の電気抵抗率も、同様に小さくなる。従って、トランスデューサ1がセンサである場合には、検出精度を向上させることができる。また、トランスデューサ1がアクチュエータである場合には、駆動精度を向上させることができる。
【0054】
仮に第一バイパス導体13が第一電極シート12に比べて硬い材質であるとしても、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の一部分に配置されているため、トランスデューサ1としての柔軟性に対して影響度は小さい。従って、トランスデューサは、高い柔軟性を有する。そして、第二電極シート14および第二バイパス導体15による作用については、第一電極シート12および第一バイパス導体13と同様の作用を有する。
【0055】
(5.バイパス導体の具体例)
第一バイパス導体13の具体例について説明する。なお、第二バイパス導体15は、第一バイパス導体13と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
(5-1.直線状の金属線)
第一バイパス導体13の第一例は、金属線により形成されている。金属線は、例えば、銅線、ニクロム線などである。この場合、第一バイパス導体13の電気抵抗率は、第一電極シート12の電気抵抗率の10分の1以下、さらには100分の1以下とすることができる。
【0057】
さらに、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の幅方向(短手方向)の中央部に、第一電極シート12の長手方向に平行な直線状に形成されている。第一バイパス導体13は、第一電極シート12自身の融着(例えば熱融着)により、第一電極シート12に固着される。
【0058】
第一バイパス導体13を金属線とすることにより、実質の電気抵抗率をより小さくする効果を奏する。さらに、第一バイパス導体13を直線状とすることにより、第一バイパス導体13の成形および設置が容易となる。
【0059】
(5-2.導電性布)
第一バイパス導体13の第二例は、図4に示すように、導電性布により形成されている。導電性布とは、導電性繊維により形成された織物または不織布である。ここで、導電性繊維は、柔軟性を有する繊維の表面を導電性材料により被覆することにより形成される。導電性繊維は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂繊維の表面に、銅やニッケルなどをメッキすることにより形成される。この場合、第一バイパス導体13の電気抵抗率は、第一電極シート12の電気抵抗率の10分の1以下、さらには100分の1以下とすることができる。
【0060】
さらに、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の幅方向(短手方向)の中央部に、第一電極シート12の長手方向に平行な直線状に形成されている。第一バイパス導体13は、第一電極シート12自身の融着(例えば熱融着)により、第一電極シート12に固着される。
【0061】
第一バイパス導体13を導電性布とすることにより、実質の電気抵抗率をより小さくする効果を奏する。さらに、第一バイパス導体13を導電性布とすることにより、第一バイパス導体13の成形および設置が容易となる。さらに、第一バイパス導体13を導電性繊維により形成することにより、第一バイパス導体13の孔に第一電極シート12が軟化して入り込む。従って、第一バイパス導体13は、第一電極シート12とより強固に固着される。
【0062】
さらに、第一バイパス導体13を、網目を有し且つシート状に形成されている導電性布とし、さらに網目の配向方向を、第一電極シート12の長手方向に対して傾斜させている(図4の角度φ)。これにより、第一バイパス導体13が、第一電極シート12の長手方向に伸張することができる。つまり、第一バイパス導体13は、第一電極シート12が長手方向に伸張する際に、第一電極シート12の伸張変形に追従することができる。その結果、トランスデューサ1の伸張性能が高くなる。特に、第一バイパス導体13の網目の配向方向を、第一電極シート12の長手方向に対して、45°傾斜させるとよい。これにより、トランスデューサ1の長手方向の伸張性能および短手方向の伸張性能を高くなる。
【0063】
(5-3.波状の金属線)
第一バイパス導体13の第三例は、図5に示すように、金属線により形成されている。金属線は、第一例と同様である。さらに、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の幅方向(短手方向)の中央部に、波状に形成されている。これにより、第一電極シート12の幅方向の縁における実質の電気抵抗率を小さくすることができる。また、第一バイパス導体13が、第一電極シート12の長手方向に伸張することができる。つまり、第一バイパス導体13は、第一電極シート12が長手方向に伸張する際に、第一電極シート12の伸張変形に追従することができる。その結果、トランスデューサ1の伸張性能が高くなる。
【0064】
(5-4.網目状の金属線)
第一バイパス導体13の第四例は、柔軟性及び伸縮性を有する薄膜のパンチングメタルにより形成されている。つまり、第一バイパス導体13は、網目状に形成されている。第一バイパス導体13の網目の配向方向を、第一電極シート12の長手方向に対して傾斜させるとよい。特に、第一バイパス導体13の網目の配向方向を、第一電極シート12の長手方向に対して、45°傾斜させるとよい。これにより、トランスデューサ1の長手方向の伸張性能および短手方向の伸張性能を高くなる。
【0065】
(5-5.導電性エラストマー)
第一バイパス導体13の第五例は、導電性エラストマーにより形成されている。つまり、第一バイパス導体13は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されている。ただし、第一バイパス導体13は、第一電極シート12よりも電気抵抗率が小さい。従って、同種の導電性フィラーの適用する場合には、第一バイパス導体13は、第一電極シート12よりも導電性フィラーの割合が高くなる。ここで、第一バイパス導体13に適用されるエラストマーは、第一電極シート12と同種のエラストマーを適用するのが好ましい。
【0066】
第一バイパス導体13をエラストマーとすることにより、トランスデューサ1全体の柔軟性がより高いものとなる。さらに、第一バイパス導体13のエラストマーを第一電極シート12のエラストマーと同種とすることにより、両者の固着性能がより高くなる。
【0067】
(6.第二例のトランスデューサ2)
第二例のトランスデューサ2について、図6を参照して説明する。図6に示すように、トランスデューサ2は、静電シート10と、基材20と、静電シート10の裏面と基材20の表面との間に配置されたヒータシート40と、処理装置30とを備える。つまり、トランスデューサ2は、センサまたはアクチュエータの機能に加えて、ヒータ機能を有する。
【0068】
ここで、静電シート10は、上記トランスデューサ1における静電シート10を適用することができる。ただし、静電シート10を構成する絶縁体シート11は、ヒータシート40の熱を静電シート10の表面に伝達できるようにすることと、耐熱性を確保するために、以下の材料により形成するとよい。
【0069】
絶縁体シート11の熱伝導率は、0.3W/m・K以上である。好適な熱伝導率は、0.4W/m・K以上、さらには0.5W/m・K以上である。絶縁体シート11は、熱伝導率が比較的大きく、かつ絶縁性の無機フィラーを有することが望ましい。絶縁体シート11の熱伝導率を大きくするために用いる無機フィラー(熱伝導性フィラー)の好適な熱伝導率は、5W/m・K以上、好ましくは10W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上である。熱伝導率が比較的大きい無機フィラーとしては、金属フィラー、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどが挙げられる。金属フィラーの他に、窒化ホウ素、炭化ケイ素なども、熱伝導率が比較的大きい無機フィラーとして用いることができる。
【0070】
また、絶縁体シート11に難燃性を付与するという観点から、絶縁体シート11は、難燃性かつ絶縁性の無機フィラーを有することが好ましい。難燃性フィラーとしては、水酸化物フィラー、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。水酸化物フィラーの他に、窒化ホウ素なども、難燃性フィラーとして用いることができる。また、難燃性フィラーを、絶縁体シート11の熱伝導率を大きくするために用いる無機フィラー(熱伝導性フィラー)として兼用させることもできる。
【0071】
また、絶縁体シート11の絶縁性を確保するという観点から、絶縁体シート11の体積抵抗率は、1×1012Ω・cm以上である。好適な体積抵抗率は、1×1013Ω・cm以上である。
【0072】
ヒータシート40は、静電シート10の裏面側、すなわち、第二電極シート14の裏面側に配置されている。ヒータシート40は、ヒータ線41と、ヒータ線41を被覆するヒータ絶縁層42とを備える。ヒータ線41は、金属の合金系材料であり、例えば、ニッケルクロム、鉄クロムなどである。ヒータ線41は、シート状となるように、例えば、線材を往復に形成したり、渦巻き状に巻回したりして形成されている。
【0073】
ヒータ絶縁層42は、ヒータ線41を囲み、ヒータ線41が露出しないように配置されている。ヒータ絶縁層42は、絶縁体シート11と同様の材料により形成されるとよい。さらに、ヒータ絶縁層42の表面側の一部分が、自身の融着(例えば熱融着)により、第二電極シート14の裏面に固着される。さらに、ヒータ絶縁層42の表面側は、絶縁体シート11の裏面露出面にも、自身の融着により固着される。また、ヒータ絶縁層42の裏面側の一部分が、自身の融着(例えば熱融着)により、基材20の取付面に固着される。
【0074】
トランスデューサ2は、ヒータ機能を有することから、対象者の状態の検出や対象への振動などの付与に加えて、対象者への熱の付与を行うことができる。特に、絶縁体シート11およびヒータ絶縁層42の熱伝導率を上記のようにすることで、ヒータ線41の熱を、静電シート10の表面に伝達することができる。また、絶縁体シート11およびヒータ絶縁層42が難燃性フィラーを有することで、耐熱効果を向上させることができる。
【0075】
また、ヒータ線41に電力を供給することに伴って、ヒータ線41がノイズ発生源となるおそれがある。しかし、第二電極シート14は、ヒータ線41に対して高いシールド機能を発揮する。つまり、ヒータ線41に供給される電力によってノイズを発生したとしても、第二電極シート14がシールド機能を発揮することができる。その結果、トランスデューサ2は、センサとしての検出精度やアクチュエータとしての動作精度を良好とすることができる。
【0076】
(7.第三例のトランスデューサ3)
第三例のトランスデューサ3について、図7を参照して説明する。第三例のトランスデューサ3において、第一例のトランスデューサ1と同一構成については同一符号を付す。
【0077】
第三例のトランスデューサ3は、複数の第一バイパス導体13a,13b、および、複数の第二バイパス導体15a,15bを備える。複数の第一バイパス導体13a,13bは、長尺状に形成されている。第一バイパス導体13a,13bは、直線状の金属線、波状の金属線、網目状の金属線、導電性布、導電性エラストマーなどを適用できる。
【0078】
第一バイパス導体13a,13bは、第一電極シート12の短手方向に並んで配置されている。一方の第一バイパス導体13は、第一電極シート12の短手方向の一方の辺に近い位置に配置され、他方の第一バイパス導体13は、第一電極シート12の短手方向の他方の辺に近い位置に配置される。つまり、2つの第一バイパス導体13a,13bは、第一電極シート12の短手方向の中央を挟んで両側に配置される。
【0079】
複数の第一バイパス導体13a,13bを配列することにより、端子部12bと端子部12bから遠い位置P2,P3との間の実質の電気抵抗率を小さくすることができる。複数の第二バイパス導体15a,15bも、複数の第一バイパス導体13a,13bと同様である。
【0080】
(8.第四例のトランスデューサ4)
第四例のトランスデューサ4について、図8を参照して説明する。第四例のトランスデューサ4において、第三例のトランスデューサ3と同一構成については同一符号を付す。
【0081】
第四例のトランスデューサ4は、第一バイパス導体13a,13b,13c、第二バイパス導体15a,15b,15cを備える。第一バイパス導体13a,13bおよび第二バイパス導体15a,15bは、第三例のトランスデューサ3と同様である。第一バイパス導体13cは、第一バイパス導体13aにおける端子部12b側の端部と、第一バイパス導体13bにおける端子部12b側の端部とを連結する。第二バイパス導体15cは、第一バイパス導体13aにおける端子部12b側の端部と、第一バイパス導体13bにおける端子部12b側の端部とを連結する。
【0082】
複数の第一バイパス導体13a,13bを配列すると共に第一バイパス導体13cにより連結することで、端子部12bと端子部12bから遠い位置P2,P3との間の実質の電気抵抗率を小さくすることができる。第二バイパス導体15a,15b,15cも、第一バイパス導体13a,13b,13cと同様である。
【0083】
(9.第五例のトランスデューサ5)
第五例のトランスデューサ5について、図9を参照して説明する。第五例のトランスデューサ5において、第一例のトランスデューサ1と同一構成については同一符号を付す。
【0084】
第一電極シート12は、1つの第一電極シート本体12aと、1つの端子部12cとを備える。1つの端子部12cは、第一電極シート本体12aの長手方向の中央部(図9の左右方向中央)に配置されている。つまり、第一電極シート本体12aを長手方向に2つに等しく分割した場合において、当該分割位置に1つの端子部12cが配置されている。そして、第一バイパス導体13は、第一電極シート12の長手方向の第一端部(図9の右端)から、第一端部とは反対側の第二端部(図9の左端)に亘って配置されている。
【0085】
従って、1つの端子部12cを長手方向の中央部に配置することにより、端子部12cから第一電極シート12の両端の位置P1,P2までの距離が短くなる。さらに、第一バイパス導体13を介在することにより、端子部12cと位置P1,P2との間の実質の電気抵抗率を小さくできる。なお、第二電極シート14は、1つの第二電極シート本体14aと、1つの端子部14cとを備える。端子部14cは、第一電極シート12の端子部12cと同様である。
【0086】
(10.第六例のトランスデューサ6)
第六例のトランスデューサ6について、図10を参照して説明する。第六例のトランスデューサ6において、第一例のトランスデューサ1と同一構成については同一符号を付す。
【0087】
第六例のトランスデューサ6において、第一電極シート12は、第一電極シート本体12aと、複数の端子部12b,12dとを備える。複数の端子部12b,12dは、第一電極シート12の長手方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。本例においては、トランスデューサ6は、2つの端子部12b,12dを備える場合を例に挙げる。第一端子部12bは、第一電極シート12の長手方向の第一端部に配置されている。第二端子部12dは、第一電極シート12の長手方向の第二端部に配置されている。なお、第一電極シート12の長手方向の中央部に、さらに1以上の端子部を追加することもできる。
【0088】
第一バイパス導体13は、第一電極シート12の長手方向の第一端部(図10の右端)から、第一端部とは反対側の第二端部(図10の左端)に亘って配置されている。つまり、第一バイパス導体13の長手方向の第一端部は、第一電極シート12の長尺状において第一端子部12b側に位置する。一方、第一バイパス導体13の長手方向の第二端部は、第一電極シート12の長尺状において第二端子部12d側に位置する。
【0089】
また、第二電極シート14は、第二電極シート本体14aと、第一端子部14bと、第二端子部14dとを備える。第二電極シート14における第一端子部14bおよび第二端子部14dは、第一電極シート12のものと同様である。
【0090】
さらに、トランスデューサ6において、端子部12b,12d,14b,14dと、処理装置30とは、第一端子接続配線部51、第二端子接続配線部52と、結合配線部53とを備える。
【0091】
第一端子接続配線部51は、一端が第一端子部12b,14bに電気的に接続される。第二端子接続配線部52は、一端が第二端子部12d,14dに電気的に接続される。そして、第一端子接続配線部51の他端と第二端子接続配線部52の他端とが電気的に接続される。結合配線部53は、第一端子接続配線部51と第二端子接続配線部52との接続位置から1つの入出力端を構成する。そして、結合配線部53は、処理装置30に接続される。
【0092】
つまり、結合配線部53には、第一端子接続配線部51に流れる電流と第二端子接続配線部52に流れる電流とが合成された電流が流れる。従って、処理装置30にとって、第一電極シート12における位置P1と位置P2とは、いずれも端子部12b,12dの近傍に位置するため、実質の電気抵抗はほぼ同一となる。第一端子部12bおよび第二端子部12dから電気抵抗が最も大きくなる位置が、位置P3となる。
【0093】
従って、第一電極シート12および第一バイパス導体13において、各端子部12b,12dを基点とした場合の電気抵抗の分布が、第一電極シート12を長手方向に2分割される。つまり、端子部12b,12dから電気抵抗が最も大きくなる位置を、長手方向の中央の位置P3とすることができるため、第一電極シート12の電気抵抗の影響を小さくすることができる。従って、検出精度または駆動精度を向上させることができる。
【0094】
なお、第一電極シート12が、長手方向の両端に端子部12b,12dを備え、さらに長手方向の中間に1以上の端子部を備える場合には、第一電極シート本体12aを等間隔に2以上に分割し、両端および各分割位置に端子部を配置するとよい。分割数をMとした場合には、端子部の数は、両端の2個と、中間のM-1個となる。つまり、合計の端子部の数は、M+1個となる。この場合、各端子部から電気抵抗が最も大きくなる位置までの長さは、第一電極シート本体12aを分割した1つ当たりの長さの半分となる。第二電極シート14も同様である。
【0095】
(11.第七例のトランスデューサ7)
第七例のトランスデューサ7について、図11を参照して説明する。第七例のトランスデューサ7において、第一例のトランスデューサ1と同一構成については同一符号を付す。
【0096】
第七例のトランスデューサ7において、第一電極シート12は、第一電極シート本体12aと、複数の端子部12e,12fとを備える。複数の端子部12e,12fは、第一電極シート12の長手方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。ただし、複数の端子部12e,12fは、第一電極シート12の長手方向の両端には配置されておらず、長手方向の中間に配置されている。
【0097】
本例においては、第一電極シート本体12aを長手方向に4つに等しく分割する。そして、3つの分割位置のうち、両端側の2箇所に、第一端子部12eと第二端子部12fが配置される。つまり、中央の分割位置には、端子部12e,12fが配置されていない。
【0098】
この場合、第一端子部12eおよび第二端子部12dから電気抵抗が最も大きくなる位置が、位置P1,P2,P3のそれぞれとなる。つまり、電気抵抗が最も大きくなる位置までの長さが、第一電極シート12を4分割した長さとなる。従って、端子部12e,12fから最も大きくなる電気抵抗を小さくすることができるため、検出精度または駆動精度を向上させることができる。
【0099】
ここで、第一電極シート12が両端に端子部を備えない場合には、第一電極シート本体12aを長手方向に等間隔にN(Nは偶数)に等しく分割して、端子部は、N-1個の分割位置のうち、両端の2個の分割位置に配置し、且つ、1個飛ばしで配置するとよい。つまり、端子部の数は、N/2個となる。この場合、各端子部から電気抵抗が最も大きくなる位置までの長さは、第一電極シート本体12aを分割した1つ当たりの長さとなる。第二電極シート14も同様である。
【0100】
(12.第八例のトランスデューサ8)
第八例のトランスデューサ8について、図12を参照して説明する。第八例のトランスデューサ8において、第七例のトランスデューサ7と同一構成については同一符号を付す。
【0101】
第八例のトランスデューサ8は、第七例のトランスデューサ7において第一電極シート本体12aを長手方向に分割した場合に、端子部を配置しない分割位置にて、第一電極シート12および第一バイパス導体13を分断させた構成を有する。第二電極シート14および第二バイパス導体15についても同様である。
【0102】
すなわち、トランスデューサ8において、第一電極シート12は、第一分割電極シート12gと端子部12eとを備えるシートと、第一分割電極シート12hと端子部12dとを備えるシートとにより構成される。第二電極シート14は、第二分割電極シート14gと端子部14eとを備えるシートと、第二分割電極シート14hと端子部14dとを備えるシートとにより構成される。第一バイパス導体13は、第一分割バイパス導体13d,13eにより構成される。第二バイパス導体15は、第二分割バイパス導体15d,15eにより構成される。
【0103】
第八例のトランスデューサ8は、実質的に、第七例のトランスデューサ7と同様の効果を奏する。つまり、第一電極シート本体を長手方向に等間隔にL(Lは2以上の整数)に等しく分断した場合に、端子部は、分断された各領域の長手方向の中央部に配置することになる。第二電極シート14も同様である。
【0104】
(13.第九例のトランスデューサ9)
第九例のトランスデューサ9について、図13を参照して説明する。第八例のトランスデューサ8において、第六例のトランスデューサ6と同一構成については同一符号を付す。トランスデューサ9は、静電シート10と、基材20と、処理装置30と、配線50とを備える。トランスデューサ9は、第六例のトランスデューサ6における第一バイパス導体13および第二バイパス導体15を備えない構成である。
【0105】
静電シート10は、少なくとも、絶縁体シート11と、第一電極シート12とを備える。静電シート10は、さらに、第二電極シート14を備える場合を例に挙げる。第一電極シート12は、1つの第一電極シート本体12aと、複数の端子部12b,12dとを備える。複数の端子部12b,12dは、第一電極シート12の長手方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。
【0106】
第二電極シート14は、絶縁体シート11の裏面側、すなわち絶縁体シート11における第一電極シート12とは反対面に積層されている。第二電極シート14は、1つの第二電極シート本体14aと、複数の端子部14b,14dとを備える。
【0107】
配線50は、対象領域10aを構成する第一電極シート12における複数の端子部12b,12dと処理装置30とを電気的に接続する配線である。配線50は、第一電極シート12に接続される配線として、複数の端子接続配線部51,52と、結合配線部53とを備える。また、配線50は、第二電極シート14に接続する配線として、複数の端子接続配線部56,57(反対面端子接続配線部)と、結合配線部58(反対面結合配線部)とを備える。
【0108】
第一電極シート12は、導電性フィラーを有するエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べて柔軟性を有する。第二電極シート14も同様である。従って、トランスデューサ1を基材20に取付対象に取り付ける際に、取付性が良好となる。
【0109】
ただし、第一電極シート12は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べると電気抵抗率が大きくなる。ここで、第一電極シート12単体において、第一端子部12bと第一端子部12bに近い位置P1との間の電気抵抗は、小さい。しかし、第一電極シート12単体において、第一端子部12bと第一端子部12bから遠い位置P2(図2に示す)との間の電気抵抗は、大きくなる。当然に、第一電極シート12単体において、第一端子部12bと第一電極シート12の長手方向の中間に位置する位置P3との間の電気抵抗は、中間程度となる。
【0110】
しかし、第一電極シート12は、1つの対象領域10aを構成すると共に複数の端子部12b,12dを備える。つまり、位置P2は、第一端子部12bからは遠いが、第二端子部12dからは近い。従って、第一電極シート12単体において、位置P2は、第一端子部12bとの間の電気抵抗は大きいが、第二端子部12dとの間の電気抵抗は小さくなる。
【0111】
そして、複数の端子部12b,12dは、対応する端子接続配線部51,52のそれぞれに電気的に接続され、複数の端子接続配線部51,52は、1つの入出力端を構成する結合配線部53に電気的に接続されている。つまり、1つの対象領域10aを構成する第一電極シート12は、複数の端子部12b,12dおよび複数の端子接続配線部51,52を介して、1つの結合配線部53に電気的に接続されている。このように、1つの対象領域10aは、複数の経路によって1つの結合配線部53に接続されている。
【0112】
つまり、結合配線部53には、第一端子接続配線部51に流れる電流と第二端子接続配線部52に流れる電流とが合成された電流が流れる。従って、処理装置30にとって、第一電極シート12における位置P1と位置P2とは、いずれも端子部12b,12dの近傍に位置するため、実質の電気抵抗はほぼ同一となる。第一端子部12bおよび第二端子部12dから電気抵抗が最も大きくなる位置が、位置P3となる。
【0113】
従って、位置P2が、第一端子部12bから遠い位置であっても、第二端子部12dから近い位置に位置させることが可能となる。そして、第一電極シート12における任意の位置P1,P2,P3において、静電型センサとしての検出精度、および、静電型アクチュエータとしての駆動精度は、当該任意の位置P1,P2,P3と複数の端子部12b,12dの何れかの端子部との間における電気抵抗に依存する。つまり、位置に応じた電気抵抗の差を小さくすることができる。結果として、検出精度および駆動精度を向上させることができる。
【0114】
例えば、複数の端子接続配線部51,52の電気抵抗が同一とした場合、結合配線部53と位置P1との間の電気抵抗と、結合配線部53と位置P2との間の電気抵抗とは、同一となる。つまり、位置P1における検出精度または駆動精度と、位置P2における検出精度または駆動精度とは、同等となる。
【0115】
さらに、位置P3は、第一端子部12bからの距離も、第二端子部12dからの距離も同一である。つまり、位置P3が、第一端子部12bおよび第二端子部12dの何れかから最も遠い位置に位置することになる。換言すると、第一電極シート12において、最大の電気抵抗が、第一端子部12bと位置P3との間のものとなる。従って、仮に、第一電極シート12が第二端子部12dを備えない場合と比較した場合には、本例における最大の電気抵抗が半分となる。
【0116】
なお、第一電極シート12が、長手方向の両端に端子部12b,12dを備え、さらに長手方向の中間に1以上の端子部を備える場合には、第一電極シート本体12aを等間隔に2以上に分割し、両端および各分割位置に端子部を配置するとよい。分割数をMとした場合には、端子部の数は、両端の2個と、中間のM-1個となる。つまり、合計の端子部の数は、M+1個となる。この場合、各端子部から電気抵抗が最も大きくなる位置までの長さは、第一電極シート本体12aを分割した1つ当たりの長さの半分となる。従って、検出精度または駆動精度がより向上する。また、上記において第一電極シート12について説明したが、第二電極シート14(反対面電極シート)についても、同様の効果を奏する。
【0117】
(14.静電型トランスデューサユニットの適用対象)
静電型トランスデューサユニット(以下、「トランスデューサユニット」と称する)は、中心線を有する部材である。中心線を有する部材とは、直線状の中心線を有する部材(棒状)、曲がった中心線を有する部材などを含む。当該部材の横断面(軸直角断面)は、円形、楕円形、多角形など、任意の形状とすることができる。また、当該部材は、両端を有する部材、リング状や枠状などの無端状の部材などを含む。例えば、ジョイスティック、アームレスト、ドアノブ、シフトレバー、ドアトリム、センタートリムなどは、両端を有する部材の例となる。また、ステアリングホイールの把持部分は、無端状の部材の例となる。なお、ステアリングホイールの把持部分は、例えばC字型などの円弧状の場合には、両端を有する部材の例としても挙げられる。
【0118】
(15.トランスデューサユニット100の例)
トランスデューサユニット100の例として、ステアリングホイール200を例に挙げて、図14を参照して説明する。ステアリングホイール200は、例えば、運転者の手の接触を検出することができるセンサの機能を有するステアリングホイールを例に挙げる。なお、ステアリングホイール200は、運転者の手に対して振動などを付与するアクチュエータの機能を有するようにしてもよい。
【0119】
ステアリングホイール200は、図14に示すように、中心に位置するコア部201、リング状の把持部202、コア部201と把持部202とを連結する複数の連結部203,204,205とを備える。把持部202は、運転者が操舵するために把持する部位である。把持部202が、運転者の手が接触したことを検出するためのセンサの機能を有する。
【0120】
ここで、本例においては、把持部202は、ほぼ全周に亘ってセンサの機能を有する。例えば、把持部202は、前面、裏面の2つの領域のそれぞれにおける接触を検出することができる。つまり、把持部202は、前面に配置されたトランスデューサ112a、裏面に配置されたトランスデューサ112bを備える。
【0121】
(16.第一例のトランスデューサユニット110)
第一例のトランスデューサユニット110の構成について、図14および図15を参照して説明する。特に、トランスデューサユニット110の例として、ステアリングホイール200の把持部202の詳細構成について説明する。
【0122】
ステアリングホイール200の把持部202は、中心線を有する芯材111と、トランスデューサ112a,112bと、樹脂内層材113と、外皮材114とを備える。芯材111の正面形状は、例えば、リング形状に形成されている。つまり、芯材111は、リング状の中心線を有する部材である。芯材111は、例えばアルミニウムなど、導電性を有する金属により形成されている。そして、芯材111は、例えば、グランド電位に接続されている。芯材111は、図14に示す連結部203,204,205に連結されている。芯材111の軸直角断面形状は、例えばU字状に形成されている場合を例に挙げるが、円形、楕円形、多角形など任意の形状とすることができる。なお、芯材111は、非導電性の樹脂により形成されてもよい。
【0123】
トランスデューサ112a,112bは、上述したトランスデューサ1-9の何れかを適用する。図15においては、図上側に、前面のトランスデューサ112aが配置されており、図下側に、裏面のトランスデューサ112bが配置されている。図15においては、トランスデューサ112a,112bは、絶縁体シート11、第一電極シート12、第二電極シート14を備える場合を図示する。例えば、第一電極シート12がセンサ電極として機能し、第二電極シート14がシールド電極として機能する。
【0124】
トランスデューサ112a,112bは、芯材111の外面に対して距離を隔てて対向配置されている。つまり、図15に示すように、トランスデューサ112a,112bは、芯材111の中心線を中心とした外周面に対向するように、芯材111の外周面に沿って配置されている。さらに、トランスデューサ112a,112bは、芯材111のリング状の周回方向に沿って配置されている。
【0125】
ここで、トランスデューサ112a,112bを構成する第二電極シート14が、芯材111側に配置されている。つまり、第二電極シート14の裏面が、芯材111の中心線を中心とした外周面に対向するように、芯材111の外周面に沿って、かつ、芯材111の周回方向に沿って配置されている。つまり、第二電極シート14の裏面が、トランスデューサ112a,112bの裏面を構成する。
【0126】
ここで、図15に示すように、トランスデューサ112a,112bにおいて芯材111の外周面の周方向における端辺を、第一端辺112a1,112b1と定義する。また、図14に示すように、トランスデューサ112a,112bにおいて芯材111のリング状の周回方向における端辺を、第二端辺112a2,112b2と定義する。
【0127】
トランスデューサ112a,112bの2つの第一端辺112a1,112b1が、芯材111の外周面の周方向において距離を隔てて対向配置されている。例えば、図15においては、トランスデューサ112aの第一端辺112a1とトランスデューサ112bの第一端辺112b1とが、芯材111の外周面の周方向において距離を隔てて対向配置されている。
【0128】
また、トランスデューサ112a,112bの2つの第二端辺112a2,112b2が、芯材111のリング状の周回方向において距離を隔てて対向配置されている。例えば、図14においては、トランスデューサ112aの第二端辺112a2とトランスデューサ112bの第二端辺112b2とが、芯材111のリング状の周回方向において距離を隔てて対向配置されている。
【0129】
樹脂内層材113は、芯材111の外周面とトランスデューサ112a,112bの裏面との間に介在し、芯材111およびトランスデューサ112a,112bに固着される。樹脂内層材113は、射出成形により成形される。芯材111およびトランスデューサ112a,112bを金型のインサートとすることにより、射出成形が完了する時点において、樹脂内層材113が、芯材111およびトランスデューサ112a,112bに固着される。樹脂内層材113は、例えば、発泡ウレタンなどの発泡樹脂により成形されている。なお、樹脂内層材113は、非発泡樹脂を用いることもできる。
【0130】
さらに、樹脂内層材113は、芯材111の外周面の周方向において、対向配置されている2つの第一端辺112a1,112b1の隙間に介在している。また、樹脂内層材113は、芯材111のリング状の周回方向において、対向配置されている2つの第二端辺112a2,112b2の隙間に介在している。
【0131】
外皮材114は、トランスデューサ112a,112bの表面を被覆する。外皮材114は、樹脂を用いて射出成形により成形してもよいし、皮革を用いることもできる。
【0132】
トランスデューサ112a,112bを芯材111の外周面に沿って配置する際に、樹脂内層材113を芯材111の外周面とトランスデューサ112a,112bの裏面との間に配置し、樹脂内層材113を芯材111の外周面およびトランスデューサ112a,112bの裏面に固着させている。従って、トランスデューサ112a,112bが芯材111から剥がれることを防止できる。
【0133】
さらに、トランスデューサ112a,112bにおいて対向する2つの端辺(第一端辺及び第二端辺)の隙間に樹脂内層材113を介在させることにより、トランスデューサユニット110の意匠性が良好となる。また、樹脂内層材113を適用することにより、トランスデューサユニット110の製造が容易となる。
【0134】
ここで、トランスデューサ112a,112bが、上述した第六例のトランスデューサ6のようにヒータシート40を備える構成の場合には、樹脂内層材113は、ヒータシート40に固着される。
【0135】
(17.第二例のトランスデューサユニット120)
第二例のトランスデューサユニット120の構成について、図16および図17を参照して説明する。トランスデューサユニット120の例として、第一例と同様に、ステアリングホイール200の把持部202の詳細構成について説明する。また、第二例のトランスデューサユニット120において、第一例と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0136】
トランスデューサ112a,112bは、図16に示すように、第一電極シート12と電気的に接続される第一端子部112a3,112b3を備える。第一端子部112a3,112b3は、第一電極シート12と同様に成形されており、第一電極シート12の長辺から張り出している。
【0137】
また、トランスデューサ112a,112bは、図16に示すように、第二電極シート14と電気的に接続される第二端子部112a4,112b4を備える。第二端子部112a4,112b4は、第二電極シート14と同様に成形されており、第二電極シート14の長辺から張り出している。
【0138】
図17に示すように、第一端子部112a3,112b3の少なくとも一部および第二端子部112a4,112b4の少なくとも一部は、対向配置される第一端辺112a1,112b1の隙間に配置されている。そして、第一端子部112a3,112b3の端および第二端子部112a4,112b4の端は、外皮材114よりも外側に延びており、第一配線121および第二配線122に電気的に接続されている。なお、第一配線121および第二配線122は、例えば、ステアリングホイール200のコア部201付近まで延びており、検出回路(図示せず)に接続されている。
【0139】
つまり、第一端子部112a3,112b3の少なくとも一部および第二端子部112a4,112b4の少なくとも一部を、対向配置される第一端辺112a1,112b1の隙間に配置することにより、意匠性を良好とすることができる。
【0140】
また、第一端子部112a3,112b3の少なくとも一部および第二端子部112a4,112b4の少なくとも一部は、第一端辺112a1,112b1の隙間に代えて、対向配置される第二端辺112a2,112b2の隙間に配置してもよい。
【0141】
(18.第三例のトランスデューサユニット130)
第三例のトランスデューサユニット130の構成について、図18を参照して説明する。トランスデューサユニット130の例として、第二例と同様に、ステアリングホイール200の把持部202の詳細構成について説明する。また、第三例のトランスデューサユニット130において、第二例と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0142】
トランスデューサ112a,112bは、図18に示すように、第一電極シート12と電気的に接続される第一配線121を備える。例えば、第一配線121の一端は、第一電極シート12の長辺に接続されている。また、トランスデューサ112a,112bは、第二電極シート14と電気的に接続される第二配線122を備える。第二配線122の一端は、第二電極シート14の長辺に接続されている。
【0143】
図18に示すように、第一配線121の少なくとも一部および第二配線122の少なくとも一部は、対向配置される第一端辺112a1,112b1の隙間に配置されている。そして、第一配線121の他端および第二配線122の他端は、外皮材114よりも外側に延びており、例えば、ステアリングホイール200のコア部201付近まで延びており、検出回路(図示せず)に接続されている。つまり、第一配線121の少なくとも一部および第二配線122の少なくとも一部を、対向配置される第一端辺112a1,112b1の隙間に配置することにより、意匠性を良好とすることができる。
【0144】
また、第一配線121の少なくとも一部および第二配線122の少なくとも一部は、第一端辺112a1,112b1の隙間に代えて、対向配置される第二端辺112a2,112b2の隙間に配置してもよい。
【0145】
(19.第四例のトランスデューサユニット140および製造方法)
第四例のトランスデューサユニット140の構成および製造方法について、図19図26を参照して説明する。トランスデューサユニット140の例として、第二例と同様に、ステアリングホイール200の把持部202の詳細構成について説明する。また、第三例のトランスデューサユニット130において、第二例と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0146】
図20に示すトランスデューサ112をシート状に成形する(ステップS1)。トランスデューサ112は、図16に示す2つのトランスデューサ112a,112bを一体化したシートである。つまり、2つのトランスデューサ112a,112bの絶縁体シート11の部分が一体化されている。また、トランスデューサ112は、第一端子部112a3,112b3および第二端子部112a4,112b4を有する。シート状のトランスデューサ112は、短辺である第一端辺112fを有し、長辺である第二端辺112gを有する。
【0147】
さらに、トランスデューサ112は、第一電極シート12および第二電極シート14が配置されていない領域において、厚み方向に貫通する第三貫通孔112eを有する。本例では、トランスデューサ112a,112bの間に、2つの第三貫通孔112eが形成されている。
【0148】
続いて、シート状のトランスデューサ112を、図21に示すように、筒状のリング状にプレ成形する(ステップS2)。プレ成形されたトランスデューサ112は、リング状の周回方向において、2つの第一端辺112fが対向するように成形されている。図21においては、下側に、対向する部位が位置する。
【0149】
さらに、図22に示すように、プレ成形されたトランスデューサ112は、筒状の中心線を中心とする外周面において、2つの第二端辺112gが対向するように成形されている。図21および図22に示すように、対向する2つの第二端辺112gは、リング状の中心を向く側に位置する。
【0150】
続いて、図23に示すように、金型300内に、芯材111と、リング状にプレ成形されたトランスデューサ112をセットする(ステップS3)。続いて、図23に示すように、射出成形により、樹脂内層材113を成形する(ステップS4)。このとき、第三貫通孔112eを、射出成形するための樹脂注入孔として機能させ、対向する第一端辺112fの隙間、または、対向する第二端辺112gの隙間を、樹脂注入時の空気抜き孔として機能させる。この他に、対向する第一端辺112fの隙間、または、対向する第二端辺112gの隙間を、射出成形するための樹脂注入孔として機能させ、第三貫通孔112eを、樹脂注入時の空気抜き孔として機能させるようにしてもよい。そして、対向する第一端辺112fの隙間、対向する第二端辺112gの隙間、および、第三貫通孔112eには、樹脂内層材113が配置されている。
【0151】
そして、図25に示すように、金型300を離脱させることで、芯材111、トランスデューサ112、および、樹脂内層材113が成形される。続いて、図26に示すように、外皮材114を、射出成形などにより成形する(ステップS5)。このようにして、トランスデューサユニット140としてのステアリングホイール200が完成する。上記のように製造されたトランスデューサユニット140は、製造が容易であると共に、意匠性が良好となる。
【0152】
ここで、上記において、第一端子部112a3,112b3および第二端子部112a4,112b4は、対向する第二端辺112gの隙間に配置されることになる。ただし、この他に、第一端子部112a3,112b3および第二端子部112a4,112b4は、対向する第一端辺112fの隙間に配置されるようにしてもよい。さらには、第一端子部112a3,112b3および第二端子部112a4,112b4は、第三貫通孔112eに配置されるようにしてもよい。
【0153】
また、図18に示したように、トランスデューサ112が、第一端子部112a3,112b3および第二端子部112a4,112b4を有さない場合に、第一配線121および第二配線122を有する場合には、第一配線121および第二配線122を、対向する第二端辺112gの隙間に配置されるようにしてもよい。また、第一配線121および第二配線122を、対向する第一端辺112fの隙間に配置されるようにしてもよい。または、第一配線121および第二配線122を、第三貫通孔112eに配置されるようにしてもよい。
【0154】
(19.その他)
上記の第一例-第四例のトランスデューサユニット110,120,130,140における第一端子部112a3,112b3、第二端子部112a4,112b4は、上記の第一例-第九例のトランスデューサの端子部12b,12c,12d,12e,12fに対応する位置に設けられるが、その他に位置に設けてもよい。
【0155】
上記の第一例-第四例のトランスデューサユニット110,120,130,140においては、前面にトランスデューサ112aが配置され、裏面にトランスデューサ112bが配置される構成を示したが、前面および後面の一方または両方に、複数のトランスデューサを配置してもよい。
【0156】
この場合、リング状の周回方向において対向配置される隣接するトランスデューサの第二端辺の隙間に樹脂内層材を介在させることができる。この場合、複数のトランスデューサは、リング状の周回方向の中間位置などに、それぞれ、第一端子部および第二端子部を備えるようにしてもよい。また、複数のトランスデューサは、リング状の周回方向に対向するそれぞれの第二端辺に、第一端子部および第二端子部を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0157】
1,2,3,4,5,6,7,8,9:静電型トランスデューサ、10:静電シート、10a,10b:対象領域、11:絶縁体シート、12:第一電極シート、12a:第一電極シート本体、12b,12c,12d,12e,12f:端子部、12g,12h:第一分割電極シート、13,13a,13b,13c:第一バイパス導体、13d,13e:第一分割バイパス導体、14:第二電極シート、14a:第二電極シート本体、14b,14c,14d,14e,14f:端子部、14g,14h:第二分割電極シート、15:第二バイパス導体、15a,15b,15c:第二バイパス導体、15d,15e:第二分割バイパス導体、20:基材、30:処理装置、40:ヒータシート、41:ヒータ線、42:ヒータ絶縁層、50:配線、51,56:第一端子接続配線部、52,57:第二端子接続配線部、53,58:結合配線部、100,110,120,130,140:トランスデューサユニット、111:芯材、112,112a,112b:トランスデューサ、112a1,112b1:第一端辺、112a2,112b2:第二端辺、112a3,112b3:第一端子部、112a4,112b4:第二端子部、112e:第三貫通孔、112f:第一端辺、112g:第二端辺、113:樹脂内層材、114:外皮材、121:第一配線、122:第二配線、200:ステアリングホイール、201:コア部、202:把持部、203,204,205:連結部、300:金型
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