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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/65 20060101AFI20240826BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 36/46 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240826BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20240826BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
A61K36/65
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K36/46
A61K47/18
A61K47/20
A61K47/22
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021516250
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017657
(87)【国際公開番号】W WO2020218492
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2019085906
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
【審査官】菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-161675(JP,A)
【文献】特開2002-138033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/65
A61K 9/14
A61K 9/16
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 36/46
A61K 47/18
A61K 47/20
A61K 47/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/NAPRALERT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
を含有する、経口投与用固形状組成物(但し、桂皮、芍薬、甘草、大棗及び生姜の組み合わせからなる生薬を含有する疲労改善内服剤を除く。)
【請求項2】
成分(A)の含有量が、組成物全質量に対して0.5~50質量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(B)の含有量が、組成物全質量に対して0.5~20質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物が、気密包装体に収容されてなる包装体詰組成物。
【請求項6】
気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項に記載の包装体詰組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
平成から令和に変わろうとしている現在にあっても、疲労に悩まされる人口は増加の一途を辿っている。疲労は、「身体的または精神的活動の結果として生じる機能的な能力の低下した一時的な状態」と定義されており、QOLを低下させるのみならず、免疫力の低下等を引き起こして思わぬ疾患等に結びつくこともあるため、優れた疲労回復効果を有する医薬の提供が待ち望まれている状況にある。
【0003】
疲労回復効果を有する医薬として、シャクヤクやトチュウ等の生薬類を含有する医薬品が知られている(例えば、非特許文献1、2)。これらの成分は疲労回復効果だけでなく他にも種々の薬理作用を有することから、疲労回復用のみならず広く医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の成分として利用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】添付文書「馬場安寿丸」 アスゲン製薬(株)、2012年4月
【文献】添付文書「フローミンエース」 武田コンシューマーヘルスケア(株)、2017年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シャクヤク、トチュウは両者ともに、植物由来成分として種々の成分を含むものであることから、製剤化した場合に性状変化等の安定性上の問題が生じ易い。
本発明は、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を安定的に製剤化する新たな技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上に、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上に代表される両性化合物を共存させることにより、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を高温条件下で保存した場合に生じ得る性状変化(変色等)が抑制され、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を安定化できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)次の成分(A-1)及び(A-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(A-1)シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(A-2)トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)両性化合物;
を含有する、組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を高温条件下で保存した場合の性状変化が抑制され、保存安定性に優れる組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<成分(A-1)>
「シャクヤク」(芍薬)とは、第十七改正日本薬局方に記載の通り、シャクヤクPaeonia lactiflora Pallas(Paeoniaceae)の根を意味する。シャクヤクは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは粉砕、又は粉末に粉砕することができ、例えば、シャクヤクを粉末とした「シャクヤク末」も本発明に用いることができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、シャクヤクに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「シャクヤクの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
【0010】
なお、上記「シャクヤクの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、シャクヤクを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)等も本発明の「シャクヤクの抽出物」に包含される。
本発明において、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、シャクヤク乾燥エキスが好ましい。
【0011】
シャクヤクの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載等、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、シャクヤクを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加え抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
【0012】
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール等の低級1価アルコール(好適には炭素数1~6の1価アルコール)や、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール(好適には炭素数2~6の多価アルコール)をはじめとするアルコール類(好適には炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール);ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抽出溶媒としては、特に限定されないが、水、低級1価アルコール、低級多価アルコール又はこれらの2種以上の混液が好ましく、水、低級1価アルコール又はこれらの混液がより好ましく、水、エタノール、又は水とエタノールの混液が特に好ましい。
【0013】
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出等が挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間~14日間程度とするのが好ましい。
【0014】
本発明において、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、シャクヤク末、シャクヤク乾燥エキス、シャクヤクエキス-A、芍薬エキス(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0015】
本発明において、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、組成物全質量に対して、0.05~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.5~10質量%がさらに好ましく、1~5質量%が特に好ましい。また、シャクヤクの抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、組成物全質量に対して原生薬換算量で0.1~40質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく、5~20質量%が特に好ましい。
【0016】
<成分(A-2)>
「トチュウ」(杜仲)とは、第十七改正日本薬局方に記載の通り、トチュウEucommia ulmoides Oliver (Eucommiaceae)の樹皮を意味する。トチュウは必要に応じてその形態を調節することができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、トチュウに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「トチュウの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「トチュウの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、トチュウを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)等も本発明の「トチュウの抽出物」に包含される。
本発明において、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、トチュウ乾燥エキスが好ましい。
【0017】
トチュウの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記したシャクヤクの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
【0018】
本発明において、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、トチュウ流エキス、トチュウ流エキス-L、トチュウ流エキス-N、トチュウ乾燥エキス(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0019】
本発明において、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、組成物全質量に対して、0.05~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.1~10質量%がさらに好ましく、0.25~5質量%がさらに好ましく、0.5~3質量%が特に好ましい。また、トチュウの抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、組成物全質量に対して原生薬換算量で1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、10~30質量%が特に好ましい。
【0020】
また、本発明の組成物には、上記の成分(A)のうち、(A-1)シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上のみを含有する態様、(A-2)トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上のみを含有する態様、成分(A-1)及び(A-2)を組み合わせた態様が包含されるが、これらの中では、性状変化を抑制する観点から、成分(A-1)のみを含有する態様、成分(A-1)及び(A-2)を組み合わせた態様が好ましい。
【0021】
<成分(B)>
本発明において「両性化合物」とは、分子内に酸性の官能基と塩基性の官能基とを有する化合物及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。ここで、酸性の官能基としては特に限定されないが、例えば、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。また、塩基性の官能基としては特に限定されないが、例えば、アミノ基(1級~3級アミノ基及び4級アンモニウム基)等が挙げられる。さらに、塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、具体的には例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩等が挙げられる。さらに、両性化合物は水和物やアルコール和物等の溶媒和物であってもよい。
【0022】
両性化合物としては、具体的には例えば、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、DL-アラニン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アルギニン塩酸塩、L-イソロイシン、グリシン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、L-グルタミン酸カリウム、L-グルタミン酸ナトリウム、L-トレオニン、L-バリン、L-シスチン、L-システイン、L-システイン塩酸塩水和物、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、L-フェニルアラニン、DL-メチオニン、L-メチオニン、L-リシン、L-リシン塩酸塩、L-ロイシン等のアミノ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物(なお、アミノ酸にはL-アミノ酸、D-アミノ酸及びそれらの等量混合物(DL-アミノ酸)が存在するが、本明細書においては、特にこれらの立体異性を特定しない限り、いずれの立体異性をも包含する(例えば、「アルギニン」は、L-アルギニンもD-アルギニンもDL-アルギニンも包含される概念である。));L-カルニチン、カルニチン塩化物等のアミノ酸の第4級アンモニウム化物及びその塩並びにそれらの溶媒和物;メチルメチオニンスルホニウムクロライド等のメチオニンのスルホニウム化物及びその塩並びにそれらの溶媒和物;タウリン;オロチン酸;オロチン酸コリン等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
なお、これらは公知の成分であり、公知の方法により製造してもよく、また、市販品を用いてもよい。
【0023】
本発明において、両性化合物としては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、カルニチン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、タウリン、トレオニン、バリン、シスチン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リシン、ロイシン、システイン、オロチン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アスパラギン酸、アルギニン、イソロイシン、カルニチン、グリシン、グルタミン酸、タウリン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、リシン、ロイシン、システイン、オロチン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、リシン、アルギニン、ヒスチジン及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上がさらにより好ましく、L-アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上が殊更好ましく、L-アルギニン塩酸塩が特に好ましい。
【0024】
本発明において、両性化合物の含有量は特に限定されないが、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、組成物全質量に対して、0.001~20質量%が好ましく、0.05~12質量%がより好ましく、0.5~7質量%が特に好ましい。また、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、組成物全質量に対して、0.01~15質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく1~5質量%が特に好ましい。
【0025】
また、本発明において、組成物中のシャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と両性化合物との含有質量比率は特に限定されないが、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化の抑制の観点から、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、両性化合物を0.001~20質量部含有するのが好ましく、0.05~15質量部含有するのがより好ましく、0.5~10質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.01~18質量部含有するのが好ましく、0.1~13質量部含有するのがより好ましく、1~7質量部含有するのが特に好ましい。
また、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量を原生薬量に換算した場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、両性化合物を0.001~6質量部含有するのが好ましく、0.01~4質量部含有するのがより好ましく、0.1~2質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.005~5質量部含有するのが好ましく、0.05~3質量部含有するのがより好ましく、0.1~1質量部含有するのが特に好ましい。
【0026】
また、本発明において、組成物中のシャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と両性化合物との含有質量比率は特に限定されないが、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化の抑制の観点から、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、両性化合物を0.001~18質量部含有するのが好ましく、0.05~10質量部含有するのがより好ましく、0.5~5質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.01~13質量部含有するのが好ましく、0.1~8質量部含有するのがより好ましく、1~3質量部含有するのが特に好ましい。
また、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量を原生薬量に換算した場合においては、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、両性化合物を0.0001~5質量部含有するのが好ましく、0.005~3質量部含有するのがより好ましく、0.05~1質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.001~4質量部含有するのが好ましく、0.01~2質量部含有するのがより好ましく、0.1~0.5質量部含有するのが特に好ましい。
【0027】
また、本発明において、組成物中のトチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と両性化合物との含有質量比率は特に限定されないが、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化の抑制の観点から、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、両性化合物を0.01~16質量部含有するのが好ましく、0.1~12質量部含有するのがより好ましく、1~8質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.05~14質量部含有するのが好ましく、0.5~10質量部含有するのがより好ましく、3~6質量部含有するのが特に好ましい。
また、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量を原生薬量に換算した場合においては、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、両性化合物を0.0001~5質量部含有するのが好ましく、0.005~3質量部含有するのがより好ましく、0.05~1質量部含有するのが特に好ましい。特に、両性化合物としてアルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.001~4質量部含有するのが好ましく、0.01~2質量部含有するのがより好ましく、0.1~0.5質量部含有するのが特に好ましい。
【0028】
本発明において「組成物」は、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的に応じて医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等において通常利用される形状とすることができる。具体的には例えば、錠剤(口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠、口腔用錠剤(トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤を含む。)を含む。)、カプセル剤、顆粒剤(発泡顆粒剤を含む。)、散剤、丸剤等の固形状製剤;経口液剤(エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤を含む。)、シロップ剤、口腔用液剤等の液状製剤;経口ゼリー剤、口腔用半固形剤等の半固形状製剤等の、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、固形状の組成物が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形がより好ましく、錠剤及び顆粒剤よりなる群から選ばれる剤形が特に好ましい。
【0029】
本発明の組成物は、上記した形状・剤形に応じて医薬品分野、医薬部外品分野、化粧品分野、食品分野等において公知の方法、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の方法に従って製造することができる。
本発明の組成物には、上記した成分のほかに、医薬品分野、医薬部外品分野、化粧品分野、食品分野等において使用される担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、コーティング剤等)の1種又は2種以上を配合してもよい。
【0030】
賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、ショ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン等が挙げられる。
崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。
着色剤としては、タール色素、三二酸化鉄等が挙げられる。
矯味剤としては、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。
コーティング剤としては、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーS、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等のフィルム形成高分子等が挙げられる。なお、フィルム形成させる際に、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール等の可塑剤;タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、法定色素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の粉体を配合することもできる。
本発明においては、これら担体のうち1種又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0031】
また、本発明の組成物には、上記した成分の他に、薬効成分を配合してもよい。このような薬効成分は特に限定されず、組成物を適用する疾患・症状等に応じて適宜検討して選択すればよいが、例えば、レチノール類(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油等)、肝油類(肝油、強肝油等)、ビタミンD類(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等)、ビタミンE類(コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール等)、ビタミンB1類(塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン等)、ビタミンB2類(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール等)、ビタミンB12類(塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン等)、ビタミンC類(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等)、ニコチン酸類(ニコチン酸、ニコチン酸アミド等)、パントテン酸類(パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等)、ビオチン、イノシトール、イノシトールヘキサニコチネート、ウルソデオキシコール酸、ガンマ-オリザノール、カルシウム塩類(グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム等)、マグネシウム塩類(炭酸マグネシウム等)、グルクロン酸類(グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、ルチン、肝臓水解物、ニンジン(人参)、ニンニク(大蒜)、エゾウコギ(蝦夷五加)、オウギ(黄耆)、ヨクイニン(ヨク苡仁)、インヨウカク、ロクジョウ(鹿茸)、ハンピ(反鼻)、ゴオウ(牛黄)、ローヤルゼリー、オウセイ(黄精)、クコシ(枸杞子)、ボレイ(牡蠣)、ボウイ(防已)、タイソウ(大棗)、ショウキョウ(生姜)、コウジン(紅蔘)、カイクジン(海狗腎)、カシュウ(何首烏)、ケイヒ、ガラナ、サイコ(柴胡)、センキュウ(川きゅう)、クラテグス、ブクリョウ(茯苓)、カフェイン類(カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等)等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
本発明の組成物の投与方法としては特に限定されず、経口投与及び非経口投与が挙げられ、組成物の利用目的等に応じて適宜選択することができるが、経口投与が好ましい。また、組成物の用法や用量は特に制限されず、組成物の利用目的や投与方法、組成物の剤形等に応じて適宜選択・決定すればよい。上記用量は、組成物がシャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する場合においては、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を、例えば成人に対して1~1000mg/日程度服用できる量であり、10~150mg/日程度服用できる量であるのが好ましい。また、組成物がトチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する場合においては、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を、例えば成人に対して10~3000mg/日程度服用できる量であり、100~600mg/日程度服用できる量であるのが好ましい。
【0033】
さらに、本発明において、上記組成物は、気密包装体に収容されていてもよい(なお、以下、本明細書において、組成物が気密包装体に収容されてなるものを「包装体詰組成物」と称する。)。本発明の組成物を気密包装体に収容することにより、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を一層抑制することができる。なお、この場合において、包装体詰組成物は、気密包装体以外に更に下記「気密包装体」に該当しない包装(以下、「他の包装」とも称する。)を備えていてもよく、また、上記組成物は、気密包装体に直接的又は間接的に収容されていればよい。気密包装体に間接的に収容された態様としては、例えば、上記組成物を上記「他の包装」に収容し、これを気密包装体に収容した態様が挙げられる。
【0034】
本明細書において「気密包装体」とは、通常の取扱い、運搬又は保存等の状態において、固形状又は液状の異物の侵入を抑制し得る包装を意味し、第十七改正日本薬局方 通則に定義される「気密容器」及び「密封容器」を包含する概念である。気密包装体としては、定形、不定形のいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、ビン包装、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等が挙げられる。気密包装体としては、これらを複数組み合わせたものであってもよく、具体的には例えば、組成物をまずPTP包装にて包装し、これをさらにピロー包装にて包装する態様等が挙げられる。
【0035】
気密包装体の包装材料(素材)は特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン(低密度(LDPE)、中密度(MDPE)、高密度(HDPE)を含む)、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリスチレン等)、金属(アルミニウム等)等の、医薬品や食品等の分野で用いられる材料を、1種単独で又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。
【0036】
例えば、ビン包装に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、上記ガラス、プラスチック、金属等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。ビン包装の材料としては、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ガラス、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンがより好ましく、ガラス、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンがさらに好ましく、ガラスが特に好ましい。
ビン包装するに際しては例えば、組成物を、ビン内に適当な数量格納し、次いで、適当な栓や蓋で封をすればよい。なお、ビンは、格納する組成物の数量等に応じた大きさのものを適宜選択すればよく、ビンの容量としては例えば、10~500mL程度であり、14~400mLが好ましく、24~350mLがより好ましい。
【0037】
また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエステル(PET)、グリコール変性PET(PET-G)、二軸延伸ナイロン(ONy、PA)、セロハン、紙、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸ポリプロピレン(CPP、IPP)、アイオノマー樹脂(IO)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、二軸延伸ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、環状ポリオレフィン(COC)、無延伸ナイロン(CNy)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、硬質塩化ビニル(VSC)等の樹脂や、アルミニウム箔(AL)のような金属箔等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。
【0038】
SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等をするに際しては、上記したような包装材料の1種以上を用いたシートを用いて、公知の方法で製造すればよく、この場合において、当該包装材料を適宜組合せた多層構造とすることもできる。シートとして、2種以上の包装材料を用いた多層構造とする方法としては、当該包装材料をラミネートして積層シートを製造する方法が挙げられる。積層シートは、押出しラミネート、ドライラミネート、共押出しラミネート、サーマルラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート等の公知の方法で製造することができる。また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用のシートは、公知の市販品を用いることもできる。
【0039】
上記シートにおいて、1種の包装材料を用いた単層シートとしては、PVCシートやCPPシート等が挙げられ、また2種以上の包装材料を用いた積層シートとしては、そのシート構成が、例えば、PVCとPVDCを積層したもの(PVC/PVDC。以下、同様に略する。)、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC、CPP/COC/CPP、PVC/PCTFE、CPP/PCTFE、PVC/AL/PA、PVC/AL、CPP/AL、CPP/CPP/CPP(左記シートは、CPPとして、2種以上を用いるものである。)等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0040】
PTP包装の形態としては、公知の方法で樹脂シート等に所望数形成したポケットに、組成物を1個又は1投与単位ずつ格納し、次いでアルミニウム箔等の金属箔を構成材料とするシートをフタ材として用いて蓋をすることが挙げられる。なお、ポケットを形成するシートとしてもアルミニウム箔を構成材料とするシートを用いた、いわゆる両面アルミPTP包装としてもよい。PTP包装をする場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、PTP包装をさらにピロー包装(例えば、アルミピロー包装等)により包装するのが好ましい。
SP包装やピロー包装、スティック包装の形態としては、公知の方法で樹脂シートやアルミニウム箔を構成材料とするシート等を用いて、組成物を1個又は1投与単位ずつ包装することが挙げられる。SP包装やピロー包装、スティック包装をする場合においては、シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、アルミニウム箔を構成材料とするシートを用いるのが好ましい。
【0041】
なお、本明細書において、包装体詰組成物における組成物の包装体内部での占有率(容積率)は、包装体がビン包装の場合、通常、25~90%であり、28~75%が好ましく、30~50%がより好ましい。また、包装体がSP包装、PTP包装、ピロー包装、スティック包装の場合、通常、30~98%であり、40~95%が好ましく、45~93%がより好ましく、50~90%が特に好ましい。なお、この場合において、占有率とは、包装体内部の全容積に対する組成物の占有率を意味するものであり、包装体内部に格納した組成物の破損防止のための詰め物や中栓等は、空間占有率を算出するに際して考慮されるものではない。
【0042】
気密包装体としては、市販の包装体をそのまま用いてもよく、また市販の包装材料を加工して用いてもよい。市販品のビン包装の包装体としては、例えば、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製)、錠剤ビン(東京硝子(株)製)、Z-シリーズ(阪神化成工業(株)製)等が挙げられる。また、市販品のピロー包装の包装体としては、ラミジップ(登録商標)((株)生産日本社製)等が挙げられる。さらに、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用の包装材料としては、スミライトVSS、スミライトVSL、スミライトNS、スミライトFCL(以上、住友ベークライト(株)製)、TASシリーズ(大成化工(株)製)、PTP用ビニホイル、PTP用スーパーホイル(以上、三菱樹脂(株)製)、ニッパクアルミ箔(日本製箔(株)製)、アルミ箔銀無地(大和化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0043】
組成物を気密包装体に収容する方法は特に限定されるものではなく、包装体内への組成物の投入等の適当な手段により、組成物を包装体内に配置することで達成できる。この場合において、包装体内に組成物とともに乾燥剤(例えば、円柱状(錠剤型)のものやシート状のもの)を投入する手段を用いてもよい。
【0044】
本発明の組成物及び包装体詰組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等として利用でき、その利用目的は特に限定されないが、種々の薬理作用を有するシャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有することから、好適には医薬(なお、ここで「医薬」には、医薬品のほか医薬部外品も包含する概念である。)として、より好適には疲労回復用の医薬として、さらに好適には眼精疲労、筋疲労、腰痛、肩こり、全身倦怠等の諸症状の緩和、又は滋養強壮、栄養補給(例えば、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期等の場合の栄養補給)、体力増強のための医薬として用いることができる。
【0045】
本明細書は、これらに何ら限定されるものではないが、例えば以下の態様の実施形態を開示する。
[1A] 次の成分(A)及び(B):
(A)シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)両性化合物;
を含有する、組成物。
[2A] 成分(A)が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを含む溶媒を抽出溶媒としたものである、[1A]記載の組成物。
[3A] 成分(B)が、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、カルニチン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、タウリン、トレオニン、バリン、シスチン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リシン、ロイシン、システイン、オロチン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、 [1A]又は[2A]記載の組成物。
[4A] 固形状の組成物である、[1A]~[3A]のいずれか記載の組成物。
[5A] 剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1A]~[4A]のいずれかに記載の組成物。
[6A] 疲労回復用の医薬である、[1A]~[5A]のいずれかに記載の組成物。
【0046】
[1B] [1A]~[6A]のいずれかに記載の組成物が、気密包装体に収容されてなる包装体詰組成物。
[2B] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]記載の包装体詰組成物。
【0047】
[1C] 次の成分(A):
(A)シャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
と、次の成分(B):
(B)両性化合物;
とを、同一の組成物中に含有せしめる工程を含む、組成物中のシャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の安定化方法(好適には、性状変化の抑制方法。特に好適には、変色及び/又は塊化の抑制方法。)。
[2C] 成分(A)が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを含む溶媒を抽出溶媒としたものである、[1C]記載の方法。
[3C] 成分(B)が、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、カルニチン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、タウリン、トレオニン、バリン、シスチン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リシン、ロイシン、システイン、オロチン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、 [1C]又は[2C]記載の方法。
[4C] 組成物が、固形状の組成物である、[1C]~[3C]のいずれか記載の方法。
[5C] 組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1C]~[4C]のいずれかに記載の方法。
[6C] 組成物が、疲労回復用の医薬である、[1C]~[5C]のいずれかに記載の方法。
【0048】
[1D] 前記工程で得られた組成物を気密包装体に収容する工程をさらに含む、[1C]~[6C]のいずれかに記載の方法。
[2D] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1D]記載の方法。
【実施例
【0049】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、各種成分の量(質量部)は、換算量を明記しない限り、各種成分をそのまま秤量して得られた量を示す。
【0050】
[試験例1]安定性試験 その1
下記に示す各サンプルを、ガラス瓶(A-102K:磯矢硝子工業(株)製)に入れ、蓋をせずに60℃で3日間保存した。保存開始前、及び3日間保存後のサンプルの状態を目視で確認し、保存前後でのサンプルの性状変化を評価した。
結果を表1に示す。
【0051】
[サンプル1]
シャクヤク乾燥エキス(シャクヤク乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)を、そのままサンプル1とした。
[サンプル2]
シャクヤク乾燥エキス(シャクヤク乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)1質量部に対し、L-アルギニン塩酸塩(L-アルギニン塩酸塩:協和発酵バイオ(株)製)を1質量部の割合で混合し、得られた混合物をサンプル2とした。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示す試験結果から、シャクヤク乾燥エキスのみ(サンプル1)では60℃3日間の保存により塊化及び褐色への変色が生じたのに対し、シャクヤク乾燥エキスとL-アルギニン塩酸塩との混合物(サンプル2)では、かかる性状変化が抑制されることが確認された。
以上の試験結果から、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上に代表される両性化合物とを共存せしめることにより、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制できることが明らかとなった。
【0054】
[試験例2]安定性試験 その2
下記に示すサンプル3を、ガラス瓶(A-102K:磯矢硝子工業(株)製)に入れ、蓋をして気密包装し、40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で9日間保存した。保存開始前、及び9日間保存後のサンプルの状態を目視で確認し、保存前後でのサンプルの性状変化を評価した。
結果を表2に示す。
【0055】
[サンプル3]
シャクヤク乾燥エキス(シャクヤク乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)1質量部に対し、L-アルギニン塩酸塩(L-アルギニン塩酸塩:協和発酵バイオ(株)製)を1質量部の割合で混合し、得られた混合物をサンプル3とした。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示す試験結果から、シャクヤク乾燥エキスとL-アルギニン塩酸塩との混合物を気密包装体(ビン包装)に収容した場合(サンプル3)は、試験例1と比較してより長期間、苛酷な条件で保存したときにおいても性状変化が発生しにくいことが確認された。
このように、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上に代表される両性化合物とを共存せしめ、かつこれを気密包装体に収容することにより、長期間、苛酷な条件で保存した場合でも、シャクヤク及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を発生しにくくすることができた。
【0058】
[試験例3]安定性試験 その3
下記に示す各サンプルを、ガラス瓶(A-102K:磯矢硝子工業(株)製)に入れ、蓋をせずに60℃で3日間保存した。保存開始前、及び3日間保存後のサンプルの状態を目視で確認し、保存前後でのサンプルの性状変化を評価した。
結果を表3に示す。
【0059】
[サンプル4]
トチュウ乾燥エキス(トチュウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)を、そのままサンプル4とした。
[サンプル5]
トチュウ乾燥エキス(トチュウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)1質量部に対し、L-アルギニン塩酸塩(L-アルギニン塩酸塩:協和発酵バイオ(株)製)を1質量部の割合で混合し、得られた混合物をサンプル5とした。
【0060】
【表3】
【0061】
表3に示す試験結果から、トチュウ乾燥エキスのみ(サンプル4)では60℃3日間の保存により塊化及び黒色への変色が生じたのに対し、トチュウ乾燥エキスとL-アルギニン塩酸塩との混合物(サンプル5)では、かかる性状変化が抑制されることが確認された。
以上の試験結果から、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と、アルギニン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上に代表される両性化合物とを共存せしめることにより、トチュウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制できることが明らかとなった。
【0062】
製造例1
以下の成分を1錠中に含有する600mgの糖衣錠を、常法に従って製造した。
加工ダイサン末 40mg
トチュウ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量143mg)
シャクヤク乾燥エキス
13.5mg(原生薬換算量94.5mg)
オウギ乾燥エキス 8mg(原生薬換算量64mg)
エゾウコギ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量250mg)
ガラナ乾燥エキス 100mg(原生薬換算量750mg)
チアミン硝化物 5mg
リボフラビン 2mg
ピリドキシン塩酸塩 5mg
ガンマ-オリザノール 56.3mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム
10.35mg
無水カフェイン 25mg
パントテン酸カルシウム 13mg
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
タルク
アラビアゴム末
沈降炭酸カルシウム
精製白糖
ゼラチン
ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
リン酸水素ナトリウム水和物
酸化チタン
黄色5号
カルナウバロウ
【0063】
製造例2
以下の成分を1錠中に含有する500mgの糖衣錠を、常法に従って製造した。
加工ダイサン末 30mg
トチュウ乾燥エキス 7mg(原生薬換算量100mg)
シャクヤク乾燥エキス 8.55mg(原生薬換算量60mg)
オウギ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量80mg)
エゾウコギ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量250mg)
ケイヒ乾燥エキス 15mg(原生薬換算量330mg)
ニンジン乾燥エキス 20mg(原生薬換算量80mg)
リボフラビン 2mg
ピリドキシン塩酸塩 5mg
シアノコバラミン 0.06mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 56.3mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム
10.35mg
無水カフェイン 25mg
ニコチン酸アミド 12.5mg
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
タルク
アラビアゴム末
沈降炭酸カルシウム
精製白糖
ゼラチン
ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
リン酸水素ナトリウム水和物
酸化チタン
黄色5号
カルナウバロウ
【0064】
製造例3
以下の成分を1錠中に含有する500mgの糖衣錠を、常法に従って製造した。
加工ダイサン末 25mg
トチュウ乾燥エキス 7mg(原生薬換算量100mg)
シャクヤク乾燥エキス 8.55mg(原生薬換算量60mg)
オウギ乾燥エキス 15mg(原生薬換算量120mg)
エゾウコギ乾燥エキス 7mg(原生薬換算量175mg)
L-アルギニン塩酸塩 25mg
チアミン硝化物 5mg
リボフラビン 2mg
ピリドキシン塩酸塩 5mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 56.3mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム
10.35mg
無水カフェイン 25mg
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
タルク
アラビアゴム末
沈降炭酸カルシウム
精製白糖
ゼラチン
ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
リン酸水素ナトリウム水和物
酸化チタン
黄色5号
カルナウバロウ
【0065】
製造例4
以下の成分を1錠中に含有する500mgの糖衣錠を、常法に従って製造した。
加工ダイサン末 25mg
トチュウ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量143mg)
シャクヤク乾燥エキス
13.5mg(原生薬換算量94.5mg)
オウギ乾燥エキス 17mg(原生薬換算量136mg)
エゾウコギ乾燥エキス 8mg(原生薬換算量200mg)
ニンジン乾燥エキス 20mg(原生薬換算量80mg)
チアミン硝化物 5mg
リボフラビン 2mg
ピリドキシン塩酸塩 5mg
シアノコバラミン 0.06mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 56.3mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム
10.35mg
無水カフェイン 25mg
ニコチン酸アミド 12.5mg
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
タルク
アラビアゴム末
沈降炭酸カルシウム
精製白糖
ゼラチン
ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
リン酸水素ナトリウム水和物
酸化チタン
黄色5号
カルナウバロウ
【0066】
製造例5
以下の成分を1錠中に含有する550mgの糖衣錠を、常法に従って製造した。
加工ダイサン末 30mg
トチュウ乾燥エキス 10mg(原生薬換算量143mg)
シャクヤク乾燥エキス 13.5mg(原生薬換算量94.5mg)
オウギ乾燥エキス 15mg(原生薬換算量120mg)
エゾウコギ乾燥エキス 7mg(原生薬換算量175mg)
L-アルギニン塩酸塩 25mg
ガラナ乾燥エキス 100mg(原生薬換算量750mg)
リボフラビン 2mg
ピリドキシン塩酸塩 5mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 56.3mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム
10.35mg
無水カフェイン 25mg
パントテン酸カルシウム 13mg
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
タルク
アラビアゴム末
沈降炭酸カルシウム
精製白糖
ゼラチン
ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
リン酸水素ナトリウム水和物
酸化チタン
黄色5号
カルナウバロウ
【0067】
製造例6
1錠(500mg)当りに以下の成分を含有する糖衣錠を、常法に従って製造した。製造した糖衣錠90錠をプラスチック容器(ポリエチレン製の10K規格瓶)に収容した。
ニンニクエキスパウダー 16.65mg(原生薬換算量200mg)
オウギ乾燥エキス 15mg(原生薬換算量120mg)
ガラナ乾燥エキス 13.35mg(原生薬換算量100mg)
チアミン硝化物 5mg
リボフラビン 3.5mg
L-アスコルビン酸ナトリウム 56.3mg
ニコチン酸アミド 16mg
パントテン酸酸カルシウム 13.05mg
L-アルギニン塩酸塩 25mg
アラビアゴム
カルナウバロウ
クロスポビドン
ステアリン酸マグネシウム
ゼラチン
タルク
ヒドロキシプロピルセルロース
ヒプロメロース
ポリエチレングリコール
リン酸水素ナトリウム
黄色5号
結晶セルロース
酸化チタン
白糖
炭酸カルシウム
【0068】
製造例7
1錠(500mg)当りに以下の成分を含有するフィルムコーティング錠を、常法に従って製造した。製造したフィルムコーティング錠90錠をプラスチック容器(ポリエチレン製の10K規格瓶)に収容した。
ベンフォチアミン 2.305mg
ボウイ乾燥エキス 40mg(原生薬換算量500mg)
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 150mg
メコバラミン 0.01mg
ガンマ-オリザノール 1.7mg
ヒドロキシプロピルセルロース
結晶セルロース
クロスカルメロースナトリウム
ステアリン酸マグネシウム
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体
ヒプロメロース
酸化チタン
カルナウバロウ
【0069】
製造例8
1錠(500mg)当りに以下の成分を含有するフィルムコーティング錠を、常法に従って製造した。製造したフィルムコーティング錠90錠をプラスチック容器(ポリエチレン製の10K規格瓶)に収容した。
ベンフォチアミン 2.305mg
ボウイ乾燥エキス 40mg(原生薬換算量500mg)
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 133mg
シアノコバラミン 0.01mg
ヘプロニカート 16.7mg
ヒドロキシプロピルセルロース
結晶セルロース
クロスカルメロースナトリウム
ステアリン酸マグネシウム
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体
ヒプロメロース
酸化チタン
カルナウバロウ
【0070】
製造例9
1錠(500mg)当りに以下の成分を含有するフィルムコーティング錠を、常法に従って製造した。製造したフィルムコーティング錠90錠をプラスチック容器(ポリエチレン製の10K規格瓶)に収容した。
ベンフォチアミン 6.915mg
ボウイ乾燥エキス 40mg(原生薬換算量500mg)
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 133mg
シアノコバラミン 0.01mg
オキソアミヂン末 1.7mg
ヒドロキシプロピルセルロース
結晶セルロース
クロスカルメロースナトリウム
ステアリン酸マグネシウム
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体
ヒプロメロース
酸化チタン
カルナウバロウ
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、種々の薬理作用を有するシャクヤク及びトチュウ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有し、保存安定性に優れる組成物を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。