(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】有機発光素子
(51)【国際特許分類】
H10K 50/12 20230101AFI20240826BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20240826BHJP
H10K 85/30 20230101ALI20240826BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20240826BHJP
H10K 101/10 20230101ALN20240826BHJP
H10K 101/30 20230101ALN20240826BHJP
H10K 101/40 20230101ALN20240826BHJP
H10K 101/60 20230101ALN20240826BHJP
【FI】
H10K50/12
C09K11/06 660
C09K11/06 690
H10K85/30
H10K85/60
H10K101:10
H10K101:30
H10K101:40
H10K101:60
(21)【出願番号】P 2021522981
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 KR2019009197
(87)【国際公開番号】W WO2020096167
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0134433
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0071766
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】カン, ソンウ
(72)【発明者】
【氏名】チョン, サンホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ヨンミ
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0105777(US,A1)
【文献】特開2017-120867(JP,A)
【文献】特開2004-234952(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0077420(US,A1)
【文献】国際公開第2017/082169(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードと、
前記アノードに対向したカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に介在され、発光層及び補助層を含む有機層と、を含み、
前記発光層と前記補助層は、直接接触し、
前記発光層は、ドーパントおよびホストを含み、第1化合物及び第2化合物を含まず、
前記補助層は、前記第1化合物及び前記第2化合物を含み、
前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~4を満足する、有機発光素子:
<式1>
T
1(D)>T
1(C1)
<式2>
S
1(D)<S
1(C1)
<式3>
S
1(C1)<S
1(C2)
<式4>
T
1(C1)>T
1(C2)
前記数式1~4で、
T
1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S
1
(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起三重項エネルギーレベルである。
【請求項2】
前記ドーパントは、光を放出し、
前記第1化合物及び前記第2化合物は、それぞれ光を放出しない、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記ドーパントは、440nm~480nmの最大発光波長を有する青色リン光を放出する、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記補助層は、前記アノードと前記発光層との間に介在される、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記ドーパントと前記ホストは、下記数式5をさらに満足する、請求項4に記載の有機発光素子:
<式5>
HOMO(D)>HOMO(H)
前記数式5で、
HOMO(D)は、前記ドーパントの最高占有分子軌道のエネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記ホストの最高占有分子軌道のエネルギーレベルである。
【請求項6】
前記補助層は、前記カソードと前記発光層との間に介在される、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記ドーパントと前記ホストは、下記数式6をさらに満足する、請求項6に記載の有機発光素子:
<式6>
HOMO(D)<HOMO(H)
前記数式6で、
HOMO(D)は、前記ドーパントの最高占有分子軌道のエネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記ホストの最高占有分子軌道のエネルギーレベルである。
【請求項8】
前記ドーパントは、遷移金属を含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記ドーパントは、下記化学式1で表される、請求項1に記載の有機発光素子:
<化学式1>
M
11(L
11)
n11(L
12)
n12
<化学式1A>
【化1】
前記化学式1及び1Aで、
M
11は、第1周期の遷移金属、第2周期の遷移金属、及び第3周期の遷移金属のうちから選択され、
L
11は、前記化学式1Aで表示されるリガンドのうちから選択され、n11は、1、2または3であり、
L
12は、有機リガンドであり、n12は、0~4の整数のうちから選択され、
X
11~X
14は、互いに独立して、NまたはCであり、X
11とX
12は、単結合または二重結合を介して連結され、X
13とX
14は、単結合または二重結合を介して連結され、
A
11及びA
12は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基であり、
Y
11は、単結合、O、S、C(=O)、N(Z
13)、C(Z
13)(Z
14)、C(Z
13)=C(Z
14)またはC(Z
13)であり、Y
11とX
12は、単結合または二重結合を介して連結され、Y
11とX
13は、単結合または二重結合を介して連結され、
Z
11及びZ
12は、互いに独立して、単結合、OまたはSであり、
R
11及びR
12は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
20アルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
20アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Z
15)(Z
16)(Z
17)、-N(Z
15)(Z
16)、-B(Z
15)(Z
16)、-C(=O(Z
15)、-S(=O)
2(Z
15)、及び-P(=O)(Z
15)(Z
16)のうちから選択され、R
11及びR
12のうち隣接する2つの基は、選択的に互いに結合し、置換もしくは非置換のC
5-C
30炭素環基、または置換もしくは非置換のC
1-C
30ヘテロ環基を形成することができ、
Z
13及びZ
14は、水素、重水素、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
Z
15~Z
17は、互いに独立して、C
1-C
10アルキル基、C
1-C
10アルコキシ基、C
6-C
20アリール基及びC
1-C
20ヘテロアリール基のうちから選択され、
互いに隣接した複数のR
11及びR
12のうち、2個、3個または4個は、選択的に互いに結合し、4配位リガンド、6配位リガンドまたは8配位リガンドを形成することができ、
b11及びb12は、互いに独立して、0~10の整数のうちから選択され、
*及び*’は、前記化学式1におけるM11との結合サイトである。
【請求項10】
前記ドーパントは、下記化合物のうちから選択される、請求項1に記載の有機発光素子:
【化2】
【請求項11】
前記第1化合物は、下記化学式2で表示される、請求項1に記載の有機発光素子:
<化学式2>
【化3】
前記化学式2で、
X
21は、N及びC(R
21)のうちから選択され、X
22は、N及びC(R
22)のうちから選択され、X
23は、N及びC(R
23)のうちから選択され、X
24は、N及びC(R
24)のうちから選択され、X
25は、N及びC(R
25)のうちから選択され、X
21~X
25のうち少なくとも一つは、Nであり、
Y
21は、単結合、O、S、N(Z
21)及びC(Z
21)(Z
22)のうちから選択され、
Y
22は、単結合、O、S、N(Z
23)及びC(Z
23)(Z
24)のうちから選択され、
Y
23は、単結合、O、S、N(Z
25)及びC(Z
25)(Z
26)のうちから選択され、
k21~k23は、互いに独立して、0、1及び2のうちから選択されるが、k21が0である場合、Y
21は、存在せず、k22が0である場合、Y
22は、存在せず、k23が0である場合、Y
23は、存在せず、
L
21は、置換もしくは非置換のC
5-C
60炭素環基、及び置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
a21は、0、1、2及び3のうちから選択され、
R
21~R
28、及びZ
21~Z
26は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、R
21~R
28のうち隣接する2つの基は、選択的に互いに結合し、置換もしくは非置換のC
5-C
30炭素環基、または置換もしくは非置換のC
1-C
30ヘテロ環基を形成することができ、
b26は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b27及びb28は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択され、
Q
1~Q
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基のうちから選択される。
【請求項12】
前記第1化合物は、下記化合物のうちから選択される、請求項1に記載の有機発光素子:
【化4】
【請求項13】
前記第2化合物は、下記化学式3で表示される、請求項1に記載の有機発光素子:
<化学式3>
【化5】
前記化学式3で、
X
31及びX
32は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
R
31~R
38は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
Q
1~Q
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基のうちから選択される。
【請求項14】
前記第2化合物は、下記化合物のうちから選択される、請求項1に記載の有機発光素子:
【化6】
【化7】
【化8】
。
【請求項15】
前記補助層の厚みは、3nm~10nmである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記有機層は、前記アノードと前記発光層との間に介在された正孔輸送領域、及び/または前記発光層と前記カソードとの間に介在された電子輸送領域をさらに含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層またはその任意の組み合わせを含み、
前記電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項17】
第1副画素領域、第2副画素領域及び第3副画素領域に区画された基板と、
前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された複数のアノードと、
前記複数のアノードと対向したカソードと、
前記複数のアノードと前記カソードとの間に介在され、前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された第1発光層、第2発光層及び第3発光層を含む有機層と、を含み、
前記有機層は、前記第
1副画素領域に配置され
、前記第1発光層と直接接触する補助層を含み、
前記第
1発光層は、ドーパントを含み、
前記補助層は、第1化合物及び第2化合物を含み、
前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~4を満足する、有機発光素子:
<式1>
T
1(D)>T
1(C1)
<式2>
S
1(D)<S
1(C1)
<式3>
S
1(C1)<S
1(C2)
<式4>
T
1(C1)>T
1(C2)
前記数式1~4で、
T
1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S
1(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起三重項エネルギーレベルである。
【請求項18】
前記有機層の前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域も補助層をさらに含む、請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記第1発光層は、青色リン光を放出し、
前記第2発光層は、緑色リン光を放出し、
前記第3発光層は、赤色リン光を放出する、請求項17に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、従来の素子に比べ、視野角が広く、コントラストに優れるだけではなく、応答時間が短く、輝度、駆動電圧及び応答速度の特性に優れ、多色化が可能である。
【0003】
前記有機発光素子は、基板上部に第1電極が配置されており、前記第1電極上部に、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport region)及び第2電極が順次形成されている構造を有することができる。前記第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。前記正孔及び前記電子のようなキャリアは発光層領域で再結合し、励起子(exciton)を生成する。該励起子が、励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、補助層を含む有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によれば、アノードと、前記アノードに対向したカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に介在され、発光層及び補助層を含む有機層と、を含み、前記発光層と前記補助層は、直接接触して、前記発光層は、ドーパントを含み、前記補助層は、第1化合物及び第2化合物を含み、前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~3を満足する有機発光素子が提供される:
<式1>
T1(D)>T1(C1)
<式2>
S1(D)<S1(C1)
<式3>
S1(C1)<S1(C2)
前記数式1~3で、
T1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S1(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルである。
【0006】
他の側面によれば、第1副画素領域、第2副画素領域及び第3副画素領域に区画された基板と、
前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された複数のアノードと、
前記複数のアノードと対向したカソードと、
前記複数のアノードと前記カソードとの間に介在され、前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された第1発光層、第2発光層及び第3発光層を含む有機層を含み、
前記有機層は、前記第3副画素領域に配置された補助層を含み、
前記第3発光層は、ドーパントを含み、
前記補助層は、第1化合物及び第2化合物を含み、
前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~3を満足する、有機発光素子が提供される:
<式1>
T1(D)>T1(C1)
<式2>
S1(D)<S1(C1)
<式3>
S1(C1)<S1(C2)
前記数式1~3で、
T1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S1(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の、特定条件を満足する物質を含む有機発光素子は、寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例による有機発光素子の構造を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の他の実施例によるフルカラー有機発光素子の構造を概略的に示した図である。
【
図3】本発明の有機発光素子のエネルギーレベル模式図を示した図である。
【
図4】化合物301~304のトランジェント電界発光スペクトルを示した図である。
【
図5】実施例及び比較例による有機発光素子の電界発光スペクトルを示した図である。
【
図6】実施例及び比較例による有機発光素子の寿命を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態にも実現される。
【0010】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それに係わる重複する説明は、省略する。
【0011】
以下の実施例において、単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0012】
以下の実施例において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在するということを意味ものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0013】
以下の実施例において、膜、領域、構成要素のような部分が、他の部分の「上」または「上部」にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0014】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されてもあり、縮小されてもいる。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0015】
本明細書において、「最低励起三重項エネルギーレベル」は、CH2Cl2と各化合物との混合物(1*10-5M濃度)を石英セルに入れた後、液体ヘリウム(4K)に入れ、PR650スペクトル比色計(spectral colorimeter)を利用し、フォトルミネセンススペクトルを測定し、それを一般常温フォトルミネセンススペクトルと比較し、低温でしか観測されないピークだけを分析し、そこから最低励起三重項エネルギーレベルを計算したものである。または、各化合物のPMMA(polymethyl methacrylate)混合物(10重量%)を準備した後、スピンコーティングして得られたフィルムに対し、PR650スペクトル比色計を利用し、フォトルミネセンススペクトルを測定し、それを一般常温フォトルミネセンススペクトルと比較し、低温でしか観測されないピークだけを分析し、そこから最低励起三重項エネルギーレベルを計算した。
【0016】
本明細書において、「最低励起一重項エネルギーレベル」は、CH2Cl2と各化合物との混合物(1*10-5M濃度)を石英セルに入れた後、Hitachi F-4500蛍光分光光度計(fluorescence spectrophotometer)を利用して測定された常温フォトルミネセンススペクトルから、最低励起一重項エネルギーレベルを計算したものである。
【0017】
本明細書において、「有機層」は、前記有機発光素子において、アノード極とカソード極との間に介在された単一及び/または複数の全ての層を示す用語である。前記「有機層」の層に含まれた物質が有機物に限定されるものではない。
【0018】
本明細書において、「(有機層が)化学式1で表示される化合物を含む」というのは、「(有機層が)前記化学式1の範疇に属する1種の化合物、または前記化学式1の範疇に属する互いに異なる2種以上の化合物を含んでもよい」とも解釈される。
【0019】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施例による有機発光素子10の概略的な断面図である。
【0021】
図1を参照すれば、有機発光素子10は、アノード110と、アノード110に対向したカソード120と、アノード110とカソード120との間に介在され、発光層及び補助層を含む有機層130と、含み、前記発光層と前記補助層は、直接接触し、前記発光層は、ドーパントを含み、前記補助層は、第1化合物及び第2化合物を含み、前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~3を満足する:
<式1>
T
1(D)>T
1(C1)
<式2>
S
1(D)<S
1(C1)
<式3>
S
1(C1)<S
1(C2)
前記数式1~3で、
T
1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S
1(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルである。
【0022】
本発明の一実施例による有機発光素子の最低励起三重項エネルギーレベル及び最低励起一重項エネルギーレベルを示した模式図を
図3に示した。
【0023】
前記数式1を満足する有機発光素子は、発光層で生成された三重項のうち一部を補助層に移動させることができる。それにより、励起子消滅(exciton annihilation)及びクエンチング(quenching)に関与する三重項の濃度を調節し、発光層内に、三重項・三重項消滅(triplet-triplet annihilation)及び三重項・ポーラロンクエンチング(triplet-polaron quenching)を低減させ、励起子消滅確率を低下させることにより、前記有機発光素子の寿命を延長させることができる。
【0024】
前記数式2を満足する有機発光素子は、前記数式2を満足することにより、前記第1化合物の一重項を、前記ドーパントに遷移させることにより、前記発光層においては、光が放出されるが、前記補助層においては、光が放出されないのである。すなわち、前記補助層は、発光層としての役割を行うものではなく、前記発光層の過剰三重項の濃度を調節する役割のみを行うことになる。それにより、前記ドーパントは、光を放出し、前記第1化合物及び前記第2化合物は、それぞれ光を放出しない。
【0025】
前記数式3を満足する有機発光素子は、前記ドーパントから前記第2化合物に移動する三重項が、前記第2化合物の一重項に遷移された後、さらに前記第1化合物またはドーパントにエネルギー伝達を誘導し、三重項拡散による効率低下分を補償することにより、有機発光素子の効率を向上させることができる。
【0026】
また、前記有機発光素子は、前記ドーパントと、前記第1化合物及び第2化合物とが互いに異なる層に含まれることにより、有機発光素子の効率が向上しうる。該ドーパント、該第1化合物及び該第2化合物が同一層に均一に分布することになれば、同一層内における拡散現象による発光領域の分布変化を誘導し難いだけではなく、励起子・ポーラロンクエンチング及び励起子・励起子消滅が発生することにより、有機発光素子の効率が急激に低くなってしまう。従って、前記有機発光素子は、前記ドーパントと前記第1化合物とが互いに異なる層に含まれるようにすることにより、効果的に有機発光素子の効率を向上させることができる。
【0027】
前述の効果を得るためには、必ず前記発光層と前記補助層は、直接接触してなければならならず、前記発光層と前記補助層との間に、他層がさらに介在されることがあってはならない。
【0028】
例えば、前記ドーパントは、440nm~480nmの最大発光波長を有する青色リン光を放出することができる。
【0029】
一般的に、青色リン光の場合、赤色リン光または緑色リン光に比べ、三重項・三重項消滅及び三重項・ポーラロンクエンチングによる消滅確率が高いので、相対的に寿命が非常に短い。それにもかかわらず、本発明の有機発光素子は、青色リン光素子についても向上した寿命を提供することができる。
【0030】
前記有機発光素子は、下記式数4をさらに満足することができるが、それに限定されるものではない:
<式4>
T1(C1)>T1(C2)
前記式4で、
T1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T1(C2)は、前記第2化合物の最低励起三重項エネルギーレベルである。
【0031】
前記数式4をさらに満足する場合、前記ドーパントから前記第1化合物を介して移動する三重項も、いずれも前記第2化合物またはドーパントに移動することができるために、前記有機発光素子の効率を向上することができる。
【0032】
一実施例において、前記補助層は、前記アノードと前記発光層との間にも介在される。その場合、前記有機発光素子の発光領域(再結合領域)は、アノード側に偏っていてもよい。
【0033】
前記補助層が前記アノードと前記発光層との間に介在される場合、前記発光層は、ホストをさらに含み、前記ドーパントと前記ホストは、下記数式5をさらに満足することができるが、それに限定されるものではない:
<式5>
HOMO(D)>HOMO(H)
前記式5で、
HOMO(D)は、前記ドーパントの最低占有分子軌道のエネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記ホストの最低占有分子軌道のエネルギーレベルである。
【0034】
そのような実施例において、前記ホストの正孔移動度は、前記ホストの電子移動度に比べてはるかに高いか、あるいは前記ドーパントの正孔移動度は、前記ドーパントの電子移動度に比べてはるかに高くなってもよい。
【0035】
そのような実施例において、前記ドーパントは、ヘテロレプティックイリジウム化合物またはホモレプティックイリジウム化合物でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0036】
他の実施例において、前記補助層は、前記カソードと前記発光層との間に介在されてもよい。その場合、前記有機発光素子の発光領域(再結合領域)は、カソード側に偏っていてもよい。
【0037】
前記補助層が、前記カソードと前記発光層との間に介在される場合、前記発光層は、ホストをさらに含み、前記ドーパントと前記ホストは、下記数式6をさらに満足することができるが、それに限定されるものではない:
<式6>
HOMO(D)<HOMO(H)
前記式6で、
HOMO(D)は、前記ドーパントの最低占有分子軌道のエネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記ホストの最低占有分子軌道のエネルギーレベルである。
【0038】
そのような実施例において、前記ホストの電子移動度は、前記ホストの正孔移動度に比べてはるかに高いか、あるいは前記ドーパントの電子移動度は、前記ドーパントの正孔移動度に比べてはるかに高くなってもよい。
【0039】
そのような実施例において、前記ドーパントは、イリジウム化合物または白金化合物であってもよく、それらに限定されるものではない。
【0040】
例えば、前記第1化合物と前記第2化合物との重量比は、10:90~5:95であってもよく、それに限定されるものではない。
【0041】
例えば、前記ドーパントは、遷移金属を含んでもよい。それにより、前記ドーパントは、遷移金属・リガンド遷移により、リン光を放出することができる。
【0042】
具体的には、前記ドーパントは、下記化学式1によって表示されてもよく、それに限定されるものではない:
<化学式1>
M
11(L
11)
n11(L
12)
n12
<化学式1A>
【化1】
前記化学式1及び1Aで、
M
11は、第1周期の遷移金属、第2周期の遷移金属、及び第3周期の遷移金属のうちから選択され、
L
11は、前記化学式1Aで表示されるリガンドのうちから選択され、n11は、1、2または3であり、
L
12は、有機リガンドであり、n12は、0~4の整数のうちから選択され、
X
11
~X
14は、互いに独立して、NまたはCであり、X
11とX
12は、単結合または二重結合を介して連結され、X
13とX
14は、単結合または二重結合を介して連結され、
A
11及びA
12は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基であり、
Y
11は、単結合、O、S、C(=O)、N(Z
13)、C(Z
13)(Z
14)、C(Z
13)=C(Z
14)またはC(Z
13)であり、Y
11とX
12は、単結合または二重結合を介して連結され、Y
11とX
14は、単結合または二重結合を介して連結され、
Z
11及びZ
12は、互いに独立して、単結合、OまたはSであり、
R
11及びR
12は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
20アルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
20アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)、-Si(Z
15)(Z
16)(Z
17)、-N(Z
15)(Z
16)、-B(Z
15)(Z
16)、-C(=O(Z
15)、-S(=O)
2(Z
15)、及び-P(=O)(Z
15)(Z
16)のうちから選択され、R
11及びR
12のうち隣接する2つの基は、選択的に(optionally)互いに結合し、置換もしくは非置換のC
5-C
30炭素環基、または置換もしくは非置換のC
1-C
30ヘテロ環基を形成することができ、
Z
13及びZ
14は、水素、重水素、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、
ビフェニリル基、
ターフェニリル基またはナフチル基であり、
Z
15~Z
17は、互いに独立して、C
1-C
10アルキル基、C
1-C
10アルコキシ基、C
6-C
20アリール基及びC
1-C
20ヘテロアリール基のうちから選択され、
互いに隣接した複数のR
11及びR
12のうち、2個、3個または4個は、選択的に互いに結合し、4配位リガンド、6配位リガンドまたは8配位リガンドを形成することができ、
b11及びb12は、互いに独立して、0~10の整数のうちから選択され、
*及び*’は、前記化学式1におけるM
11との結合サイトである。
【0043】
さらに具体的には、前記ドーパントは、下記化合物のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない:
【化2】
例えば、前記第1化合物は、△E
STが0.2eV以上であってもよい。前記第1化合物は、前記ドーパントに比べ、低い最低励起三重項エネルギーレベルを有し、高い最低励起一重項エネルギーレベルを有するが、前記第1化合物が青色リン光を放出する化合物であることにより、前記ドーパントの△E
STが少なくとも0.2eVにはなる。それにより、前記第1化合物は、△E
STが0.2eV以上になってこそ、本発明の数式1及び2が満足されるのである。
【0044】
また、前記第1化合物は、放射減衰速度定数(Kr)が108s-1以下であってもよく、それに限定されるものではない。
【0045】
他の例として、前記第1化合物は、下記化学式2によって表されてもよく、それに限定されるものではない:
<化学式2>
【化3】
前記化学式2で、
X
21は、N及びC(R
21)のうちから選択され、X
22は、N及びC(R
22)のうちから選択され、X
23は、N及びC(R
23)のうちから選択され、X
24は、N及びC(R
24)のうちから選択され、X
25は、N及びC(R
25)のうちから選択され、X
21~X
25のうち少なくとも一つは、Nであり、
Y
21は、単結合、O、S、N(Z
21)及びC(Z
21)(Z
22)のうちから選択され、
Y
22は、単結合、O、S、N(Z
23)及びC(Z
23)(Z
24)のうちから選択され、
Y
23は、単結合、O、S、N(Z
25)及びC(Z
25)(Z
26)のうちから選択され、
k21~k23は、互いに独立して、0、1及び2のうちから選択されるが、k21が0である場合、Y
21は、存在せず、k22が0である場合、Y
22は、存在せず、k23が0である場合、Y
23は、存在せず、
L
21は、置換もしくは非置換のC
5-C
60炭素環基、及び置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
a21は、0、1、2及び3のうちから選択され、
R
21~R
28、及びZ
21~Z
26は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、R
21~R
28のうち隣接する2つの基は、選択的に互いに結合し、置換もしくは非置換のC
5-C
30炭素環基、または置換もしくは非置換のC
1-C
30ヘテロ環基を形成することができ、
b26は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b27及びb28は互いに独立して、1、2及び3のうちから選択され
Q
1~Q
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
ビフェニリル基及び
ターフェニリル基のうちから選択される。
【0046】
例えば、前記化学式2で、k21~k23の和は、2及び3のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0047】
例えば、前記化学式2で、Y21は、単結合及びC(Z21)(Z22)のうちから選択され、Y22は、単結合及びC(Z23)(Z24)のうちから選択され、Y23は、単結合及びC(Z25)(Z26)のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0048】
具体的には、前記第1化合物は、下記化合物のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない:
【化4】
【化5】
【0049】
例えば、前記第2化合物は、下記数式7及び8-1を満足するか、あるいは下記数式7及び8-2を満足することができるが、それらに限定されるものではない。
<式7>
S1(C2)<T2(C2)
<式8-1>
K(T2→T1)≪K(T2→S1)
<式8-2>
K(T2→S0)≪K(T2→S1)
前記数式7、8-1及び8-2で、
S1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
T2(C2)は、前記第2化合物の2番目の励起三重項エネルギーレベルであり、
K(T2→T1)は、前記第2化合物の2番目の励起三重項エネルギーレベルから最低励起三重項エネルギーレベルへの転移速度定数であり、
K(T2→S0)は、前記第2化合物の2番目の励起三重項エネルギーレベルから最低一重項エネルギーレベルへの転移速度定数であり、
K(T2→S1)は、前記第2化合物の2番目の励起三重項エネルギーレベルから最低励起一重項エネルギーレベルへの転移速度定数である。
【0050】
前記数式8-1及び8-2を満足するか否かということは、前記第2化合物のトランジェント電界発光スペクトル(transient EL spectrum)において、テーリング(tailing)があるか否かということにより、理論的にも予測される。
【0051】
他の例として、前記第2化合物は、下記化学式3によって表されてもよく、それに限定されるものではない:
<化学式3>
【化6】
前記化学式3で、
X
31及びX
32は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
R
31~R
38は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
Q
1~Q
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
ビフェニリル基及び
ターフェニリル基のうちから選択される。
【0052】
具体的には、前記第2化合物は、下記化合物のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない:
【化7】
【化8】
【化9】
前記補助層の厚みは、
3nm~
10nmであってもよい。具体的には、前記補助層の厚みは、
5nm~
10nmであってもよく、それに限定されるものではない。Åである前述の範囲を満足すれば、有機発光素子の駆動電圧の上昇なしに、寿命及び効率を向上させることができる。
【0053】
[第1電極110]
アノード110は、例えば、基板上部に、アノード用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成されてもよい。前記アノード110は、正孔注入が容易になるように、高い仕事関数を有する物質のうちから選択されてもよい。
【0054】
アノード110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極であってもよい。該透過型電極を形成するために、アノード用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びその任意の組み合わせ(combination)のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。または、該半透過型電極または該反射型電極を形成するために、アノード用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0055】
アノード110は、単一層である単層層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。例えば、アノード110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、それに限定されるものではない。
【0056】
アノード110上部には、有機層130が配置されている。前述のように、有機層130は、発光層131及び第1励起子消光層132を含む。有機層130は、アノード110と発光層131との間に介在された正孔輸送領域(hole transport region)(図示せず)、及び発光層131とカソード120との間に介在された電子輸送領域(electron transport region)(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0057】
[有機層(150)]
前記第1電極110上部には、有機層150が配置されている。前記有機層150は、発光層及び補助層を含む。
【0058】
前記有機層150は、前記第1電極110と前記発光層との間に介在された正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極190との間に介在された電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0059】
[有機層150における正孔輸送領域]
前記正孔輸送領域は、i)単一の物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0060】
前記正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光補助層及び電子阻止層(EBL)のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0061】
例えば、前記正孔輸送領域は、複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造を有するか、あるいはアノード110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0062】
前記正孔輸送領域は、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化(methylated)NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、CzSi、TCTA、下記化学式201で表示される化合物及び下記化学式202で表示される化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい:
【化10】
【化11】
<化学式201>
【化12】
<化学式202>
【化13】
前記化学式201及び202で、
L
201~L
204は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリーレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
L
205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q
201)-*’、置換もしくは非置換のC
1-C
20アルキレン基、置換もしくは非置換のC
2-C
20アルケニレン基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリーレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
xa5は、1~10の整数のうちから選択され、
R
201~R
204、及びQ
201は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちからも選択される。
【0063】
例えば、前記化学式202で、R201とR202は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いに連結されてもよく、R203とR204は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いに連結されてもよい。
【0064】
一実施例によれば、前記化学式201及び202で、
L201~L205は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;のうちから選択され、
前記Q31~前記Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0065】
他の実施例によれば、xa1~xa4は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0066】
さらに他の実施例によれば、xa5は、1、2、3または4であってもよい。
【0067】
さらに他の実施例によれば、R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリルギ及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択されてもよく、
前記Q31~前記Q33に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0068】
さらに他の実施例によれば、前記化学式201で、R201~R203のうち少なくとも一つは、互いに独立して、
フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0069】
さらに他の実施例によれば、前記化学式202で、i)R201とR202は、単結合を介しても互いに連結され、かつ/あるいはii)R203とR204は、単結合を介して互いに連結されてもよい。
【0070】
さらに他の実施例によれば、前記化学式202で、R201~R204のうち少なくとも一つは、
カルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたカルバゾリル基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0071】
前記化学式201で表示される化合物は、下記化学式201Aによって表されてもよい:
<化学式201A>
【化14】
【0072】
例えば、前記化学式201で表される化合物は、下記化学式201A(1)によって表されてもよく、それに限定されるものではない:
<化学式201A(1)>
【化15】
【0073】
さらに他の例として、前記化学式201で表される化合物は、下記化学式201A-1によって表されてもよく、それに限定されるものではない:
<化学式201A-1>
【化16】
【0074】
一方、前記化学式202で表される化合物は、下記化学式202Aによって表されてもよい:
<化学式202A>
【化17】
【0075】
さらに他の実施例によれば、前記化学式202で表される化合物は、下記化学式202A-1によって表示されてもよい:
<化学式202A-1>
【化18】
【0076】
前記化学式201A,201A(1),201A-1,202A及び202A-1で、
L201~L203、xa1~xa3、xa5、及びR202~R204に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
R211及びR212に係わる説明は、本明細書において、R203に係わる説明を参照し、
R213~R217は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基のうちから選択されてもよい。
【0077】
前記正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT39のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない:
【化19】
【化20】
【化21】
【0078】
前記正孔輸送領域の厚みは、約10nm~約1,000nm、例えば、約10nm~約100nmでもある。前記正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含むならば、前記正孔注入層の厚みは、約10nm~約900nm、例えば、約10nm~約100nmであり、前記正孔輸送層の厚みは、約5nm~約200nm、例えば、約10nm~約150nmであってもよい。前記正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0079】
[p-ドーパント]
前記正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。前記電荷生成物質は、前記正孔輸送領域内に、均一にも不均一にも分散されている。
【0080】
前記電荷生成物質は、例えば、p-ドーパントであってもよい。
【0081】
一実施例によれば、前記p-ドーパントのLUMO(lowest unoccupied molecular orbital)は、-3.5eV以下であってもよい。
【0082】
前記p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0083】
例えば、前記p-ドーパントは、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)のようなキノン誘導体;
タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;
1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN);及び
下記化学式221で表示される化合物;のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない:
<HAT-CN> <F4-TCNQ>
【化22】
<化学式221>
【化23】
【0084】
前記化学式221で、
R221~R223は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択されるが、前記R221~前記R223のうち少なくとも一つは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、-Fで置換されたC1-C20アルキル基、-Clで置換されたC1-C20アルキル基、-Brで置換されたC1-C20アルキル基、及び-Iで置換されたC1-C20アルキル基のうちから選択された少なくとも1つの置換基を有する。
【0085】
[有機層150における発光層]
前記有機発光素子10がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、個別副画素別に、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層にパターニングすることができる。または、前記発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうちから選択された2以上の層が、接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうちから選択された2以上の物質が、層区分なしに混合された構造を有し、白色光を放出することができる。
【0086】
前記発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。前記ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0087】
前記発光層において、ドーパントの含量は、一般的に、ホスト約100重量部に対し、約0.01~約15重量部の範囲から選択されてもよく、それに限定されるものではない。
【0088】
前記発光層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmであってもよい。前記発光層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0089】
[発光層におけるホスト]
前記ホストは、下記化学式301で表される化合物を含んでもよい。
<化学式301>
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21
前記化学式301で、
Ar301は、置換もしくは非置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xb11は、1、2または3であり、
L301は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xb1は、0~5の整数のうちから選択され、
R301は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、及び-P(=O)(Q301)(Q302)のうちから選択され、
xb21は、1~5の整数のうちから選択され、
Q301~Q303は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0090】
一実施例によれば、前記化学式301で、Ar301は、
ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン;のうちから選択される環構造であり、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0091】
前記化学式301で、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介して互いに連結されてもよい。
【0092】
他の実施例によれば、前記化学式301で表示される化合物は、下記化学式301-1または301-2によって表されてもよい:
<化学式301-1>
【化24】
<化学式301-2>
【化25】
【0093】
前記化学式301-1~301-2で、
A301~A304は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピリミジン、インデン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、インドール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフトフラン、ベンゾナフトフラン、ジナフトフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、ベンゾナフトチオフェン及びジナフトチオフェンのうちから選択される環構造であり、
X301は、O、SまたはN-[(L304)xb4-R304]であり、
R311~R314は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択され、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1、R301、及びQ31~Q33に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
L302~L304に係わる説明は、互いに独立して、前記L301に係わる説明を参照し、
xb2~xb4に係わる説明は、互いに独立して、前記xb1に係わる説明を参照し、
R302~R304に係わる説明は、互いに独立して、前記R301に係わる説明を参照する。
【0094】
例えば、前記化学式301,301-1及び301-2で、L301~L304は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択され、
前記Q31~前記Q33に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0095】
他の例として、前記化学式301,301-1及び301-2で、R301~R304は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;のうちから選択され、
前記Q31~前記Q33に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0096】
さらに他の例として、前記ホストは、アルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、前記ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体及びZn錯体のうちから選択されてもよい。
【0097】
前記ホストは、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフチレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、ビス(4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)ジフェニルシラン(BCPDS)、4-(1-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)クロロヘキシル)フェニル)ジフェニル-ホスフィンオキシド(POPCPA)、及び下記化合物H1~H55のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない:
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【0098】
[有機層150においける発光層に含まれたリン光ドーパント]
前記リン光ドーパントは、前記化学式1で表示される化合物を含んでもよい。
【0099】
[有機層150における発光層に含まれた蛍光ドーパント]
前記蛍光ドーパントは、アリールアミン化合物またはスチリルアミン化合物を含んでもよい。
【0100】
前記蛍光ドーパントは、下記化学式501で表される化合物を含んでもよい:
<化学式501>
【化31】
前記化学式501で、
Ar
501は、置換もしくは非置換のC
5-C
60炭素環基、または置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
L
501~L
503は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリーレン基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd1~xd3は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
R
501及びR
502は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd4は、1~6の整数のうちから選択されてもよい。
【0101】
一実施例によれば、前記化学式501で、Ar501は、
ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレン;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレン;のうちからも選択される環構造である。
【0102】
他の実施例によれば、前記化学式501で、L501~L503は、互いに独立して、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;のうちからも選択される。
【0103】
さらに他の実施例によれば、前記化学式501で、R501及びR502は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択され、
前記Q31~前記Q33は、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0104】
さらに他の実施例によれば、前記化学式501で、xd4は、2であってもよく、それに限定されるものではない。
【0105】
例えば、前記蛍光ドーパントは、下記化合物FD1~FD22のうちから選択されてもよい:
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0106】
または、前記蛍光ドーパントは、下記化合物のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【化36】
【化37】
【0107】
[有機層150における電子輸送領域]
前記電子輸送領域は、i)単一の物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0108】
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層(ETL)及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0109】
例えば、前記電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0110】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域におけるバッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、π電子欠乏性含窒素環を少なくとも一つ含む金属非含有化合物を含んでもよい。
【0111】
前記「π電子欠乏性含窒素環」は、環形成モイエティであり、少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有するC1-C60ヘテロ環基を意味する。
【0112】
例えば、前記「π電子欠乏性含窒素環」は、i)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基であるか、ii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基のうち2以上が互いに縮合されているヘテロ多環基であるか、あるいはiii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基のうち少なくとも一つと、少なくとも1つのC5-C60炭素環基とが互いに縮合されているヘテロ多環基であってもよい。
【0113】
前記π電子欠乏性含窒素環の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、アザカルバゾールなどを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0114】
例えば、前記電子輸送領域は、下記化学式601で表示される化合物を含んでもよい。<化学式601>
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21
前記化学式601で、
Ar601は、置換もしくは非置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xe11は、1、2または3であり、
L601は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xe1は、0~5の整数のうちから選択され、
R601は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)、及び-P(=O)(Q601)(Q602)のうちから選択され、
前記Q601~前記Q603は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
xe21は、1~5の整数のうちから選択される。
【0115】
一実施例によれば、前記xe11個のAr601、及びxe21個のR601のうち少なくとも一つは、前述のようなπ電子欠乏性含窒素環を含んでもよい。
【0116】
一実施例によれば、前記化学式601で、環Ar601は、
ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾール;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾール;のうちから選択されてもよく、
前記Q31~前記Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0117】
前記化学式601で、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに連結されてもよい。
【0118】
他の実施例によれば、前記化学式601で、Ar601は、アントラセン基であってもよい。
【0119】
さらに他の実施例によれば、前記601で表される化合物は、下記化学式601-1によって表されてもよい:
<化学式601-1>
【化38】
前記化学式601-1で、
X
614は、NまたはC(R
614)であり、X
615は、NまたはC(R
615)であり、X
616は、NまたはC(R
616)であり、X
614~X
616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L
611~L
613は、互いに独立して、前記L
601に係わる説明を参照し、
xe611~xe613は、互いに独立して、前記xe1に係わる説明を参照し、
R
611~R
613は、互いに独立して、前記R
601に係わる説明を参照し、
R
614~R
616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、
ビフェニリル基、
ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0120】
一実施例によれば、前記化学式601及び601-1で、L601、及びL611~L613は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0121】
他の実施例によれば、前記化学式601及び601-1で、xe1及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0122】
さらに他の実施例によれば、前記化学式601及び601-1で、R601、及びR611~R613は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602);のうちから選択され、
前記Q601及び前記Q602に係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0123】
前記電子輸送領域は、下記化合物ET1~ET36のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない:
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【0124】
または、前記電子輸送領域は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq
3、BAlq、3-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール(TAZ)、NTAZ及びTSPO1(ジフェニル(4-(トリフェニルシリル)フェニル)-ホスフィンオキシド)のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【化43】
【0125】
前記バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nm~約100nm、例えば、約3nm~約30nmであってもよい。前記バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性または電子調節特性を得ることができる。
【0126】
前記電子輸送層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約15nm~約50nmであってもよい。前記電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0127】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0128】
前記金属含有物質は、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。前記アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン及びCsイオンのうちから選択されてもよく、前記アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン及びBaイオンのうちから選択されてもよい。前記アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0129】
例えば、前記金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。前記Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(リチウムキノレート(LiQ))またはET-D2を含んでもよい。
【化44】
【0130】
前記電子輸送領域は、第2電極190からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。前記電子注入層は、前記第2電極190と直接接触することができる。
【0131】
前記電子注入層は、i)単一の物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0132】
前記電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0133】
前記アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb及びCsのうちから選択されてもよい。一実施例によれば、前記アルカリ金属は、Li、NaまたはCsであってもよい。他の実施例によれば、前記アルカリ金属は、LiまたはCsであってもよく、それらに限定されるものではない。
【0134】
前記アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちから選択されてもよい。
【0135】
前記希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb及びGdのうちから選択されてもよい。
【0136】
前記アルカリ金属化合物、前記アルカリ土類金属化合物及び前記希土類金属化合物は、前記アルカリ金属、前記アルカリ土類金属及び前記希土類金属の酸化物及びハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化化物、ヨウ化物など)のうちから選択されてもよい。
【0137】
前記アルカリ金属化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、及びLiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物のうちから選択されてもよい。一実施例によれば、前記アルカリ金属化合物は、LiF、Li2O、NaF、LiI、NaI、CsI、KIのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0138】
前記アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)のようなアルカリ土類金属化合物のうちから選択されてもよい。一実施例によれば、前記アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO及びCaOのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0139】
前記希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、ScO3、Y2O3、Ce2O3、GdF3及びTbF3のうちから選択されてもよい。一実施例によれば、前記希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0140】
前記アルカリ金属錯体、前記アルカリ土類金属錯体及び前記希土類金属錯体は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンを含み、前記アルカリ金属錯体、前記アルカリ土類金属錯体及び前記希土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0141】
前記電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせだけからなるか、あるいは前記有機物をさらに含んでもよい。前記電子注入層が有機物をさらに含む場合、前記アルカリ金属、前記アルカリ土類金属、前記希土類金属、前記アルカリ金属化合物、前記アルカリ土類金属化合物、前記希土類金属化合物、前記アルカリ金属錯体、前記アルカリ土類金属錯体、前記希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせは、前記有機物からなるマトリックスに均一または不均一にも分散されている。
【0142】
前記電子注入層の厚みは、約0.1nm~約10nm、約0.3nm~約9nmであってもよい。前記電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0143】
[第2電極190]
前述のような有機層150上部には、第2電極190が配置されている。前記第2電極190は、電子注入電極であるカソードであってもよく、このとき、前記第2電極190用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。
【0144】
前記第2電極190は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、ITO及びIZOのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。前記第2電極190は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極であってもよい。
【0145】
前記第2電極190は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0146】
一方、有機発光素子は、第1キャッピング層及び/または第2キャッピング層をさらに含んでもよい。具体的には、該第1キャッピング層、該第1電極、該有機層及び第2電極190が順に積層された構造を有するか、該第1電極、該有機層、該第2電極及び該第2キャッピング層が順に積層された構造を有するか、あるいは該第1キャッピング層、該第1電極、該有機層、該第2電極及び該第2キャッピング層が順に積層された構造を有することができる。
【0147】
該第1電極、該有機層及び該第2電極に係わる説明は、
図1に係わる説明を参照する。
【0148】
有機発光素子の有機層において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極及び第1キャッピング層を経て、外部に取り出されるか、あるいは有機発光素子の有機層において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極及び第2キャッピング層を経て、外部でも取り出される。
【0149】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。
【0150】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層は、互いに独立して、有機物からなる有機キャッピング層、無機物からなる無機キャッピング層、あるいは有機物及び無機物を含む複合キャッピング層でもある。
【0151】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環化合物、ヘテロ環化合物、アミン系化合物、ポルピン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。前記炭素環化合物、ヘテロ環化合物及びアミン系化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br及びIのうちから選択された少なくとも1つの元素を含む置換基で置換することができる。一実施例によれば、前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層、互いに独立して、アミン系化合物を含んでもよい。
【0152】
他の実施例によれば、前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、前記化学式201で表される化合物、または前記化学式202で表される化合物を含んでもよい。
【0153】
さらに他の実施例によれば、前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、前記化合物HT28~HT33、及び下記化合物CP1~CP5のうちから選択された化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化45】
【0154】
[製造方法]
前記正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザー熱転写(LITI:laser induced thermal imaging、LITI)法のような多様な方法を利用し、所定領域に形成されてもよい。
【0155】
該真空蒸着法により、前記正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100~約500℃の蒸着温度、約10-8~約10-3torrの真空度、及び約0.001~約10nm/secの蒸着速度の範囲内で、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択されてもよい。
【0156】
該スピンコーティング法により、前記正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、コーティング条件は、例えば、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度、及び約80℃~200℃の熱処理温度の範囲内で、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択されてもよい。
【0157】
図2は、本発明の他の実施例によるフルカラー有機発光素子20の概略的な断面図である。以下においては、有機発光素子10と異なる点のみについて具体的に説明する。
【0158】
図2を参照すれば、有機発光素子20は、第1副画素領域、第2副画素領域及び第3副画素領域に区画された基板と、前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された複数のアノード221,222,223と、前記複数のアノードと対向したカソード280と、前記複数のアノード221,222,223と前記カソード280との間に介在され、前記基板の前記第1副画素領域、前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域それぞれに配置された第1発光層221、第2発光層222及び第3発光層223を含む有機層と、を含み、前記有機層は、前記第1副画素領域に配置された補助層を含み、前記第1発光層は、ドーパントを含み、前記補助層は、第1化合物及び第2化合物を含み、前記ドーパント、前記第1化合物及び前記第2化合物は、下記数式1~3を満足する:
<式1>
T
1(D)>T
1(C1)
<式2>
S
1(D)<S
1(C1)
<式3>
S
1(C1)<S
1(C2)
前記数式1~3で、
T
1(D)は、前記ドーパントの最低励起三重項エネルギーレベルであり、
T
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起三重項エネルギーレベルであり、
S
1(D)は、前記ドーパントの最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C1)は、前記第1化合物の最低励起一重項エネルギーレベルであり、
S
1(C2)は、前記第2化合物の最低励起一重項エネルギーレベルである。
【0159】
例えば、前記有機層の前記第2副画素領域及び前記第3副画素領域も、補助層をさらに含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0160】
そのような実施例において、前記第1発光層は、青色リン光を放出し、前記第2発光層は、緑色リン光を放出し、前記第3発光層は、赤色リン光を放出することができるが、それらに限定されるものではない。
【0161】
[置換基の一般的な定義]
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の線状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、前記C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0162】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、前記C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素二重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、前記C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0163】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、前記C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素三重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、前記C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0164】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、前記C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0165】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素単環基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、前記C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0166】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0167】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価単環基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、前記C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0168】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有する。前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0169】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。前記C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含まれる。前記C6-C60アリール基及び前記C6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、前記2以上の環は互いに縮合されうる。
【0170】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する二価基を意味する。前記C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが含まれる。前記C1-C60ヘテロアリール基及び前記C1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0171】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、前記C6-C60アリール基である)を示し、前記C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、前記C6-C60アリール基である)を示す。
【0172】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリールオキシ基は、-OA104(ここで、A104は、前記C1-C60ヘテロアリール基である)を示し、前記C1-C60ヘテロアリールチオ基は、-SA105(ここで、A105は、前記C1-C60ヘテロアリール基である)を示す。
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8~60を有する)を意味する。前記一価非芳香族縮合多環基の具体例には、フルオレニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、前記一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0173】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60を有する)を意味する。前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、カルバゾリル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0174】
本明細書において、C5-C60炭素環基とは、環形成原子として炭素のみを含む炭素数5~60の単環基または多環基を意味する。前記C5-C60炭素環基は、芳香族炭素環基または非芳香族炭素環基であってもよい。前記C5-C60炭素環基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基であってもよい。または、前記C5-C60炭素環基に連結された置換基の個数により、前記C5-C60炭素環基は、三価基または四価基であるというように、多様な変形が可能である。
【0175】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環基とは、前記C5-C60炭素環基と同一構造を有するものの、環形成原子として、炭素(炭素数は、1~60でもある)以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む基を意味する。
【0176】
本明細書において、前述の置換されたC5-C60炭素環基、置換されたC1-C60ヘテロ環基、置換されたC3-C10シクロアルキレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC3-C10シクロアルケニレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC6-C60アリーレン基、置換されたC1-C60ヘテロアリーレン基、置換された二価非芳香族縮合多環基、置換された二価非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換されたC1-C60ヘテロアリールオキシ基、置換されたC1-C60ヘテロアリールチオ基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
前述のQ11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC6-C60アリール基、ビフェニリル基及びターフェニリル基のうちから選択されてもよい。
【0177】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0178】
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ビフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0179】
本明細書において、「ターフェニリル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ターフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0180】
本明細書において、*及び*’は、取り立てての定義がない限り、当該化学式において、隣接原子との結合サイトを意味する。
【実施例】
【0181】
以下において、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施例による化合物及び有機発光素子について、さらに具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量と、Bのモル当量は、互いに同一である。
【0182】
評価例1:最低励起三重項エネルギーレベル(T
1)及び最低励起一重項エネルギーレベル(S
1)の測定
前述の方法を介して最低励起三重項エネルギーレベル及び最低励起一重項エネルギーレベルを計算して下記表1に示した。
【表1】
【0183】
評価例2:第2化合物のトランジェントELスペクトルの測定
化合物301~304につき、トランジェントELを測定し、その結果を
図4に示した。
【0184】
図4から、前記化合物301~304が、数式7,8-1及び8-2を満足することを確認することができる。
【0185】
実施例1
コーニング(Corning)15Ω/cm2(120nm)ITOガラス基板(アノード)を50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にこのガラス基板を設けた。
【0186】
前記硝子基板上部に、HAT-CN及びNPDを5:95の体積比で10nm厚に真空蒸着し、正孔注入層を形成した後、次に、NPDを30nm厚に真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。
【0187】
前記正孔輸送層上部に、オルト-CBP(ホスト)と化合物103(ドーパント)とを90:10の重量比で同時蒸着し、20nm厚の発光層を形成した。
【0188】
前記正孔輸送層上部に、化合物201及び化合物304を10:90の体積比で共蒸着し、3nm厚の補助層を形成した。
【0189】
次に、前記補助層上部に、BPyPmBを30nm厚に真空蒸着し、電子輸送層を形成した。前記電子輸送層上部に、LiQを1nm厚に真空蒸着し、電子注入層を形成し、Alを蒸着し、10nm(カソード)厚に真空蒸着し、有機発光素子を製造した。
【0190】
実施例2
前記発光層の厚みを30nmにしたことを除いては、実施例1と同一方法を使用し、有機発光素子を製造した。
【0191】
実施例3~5
前記補助層の第1化合物及び第2化合物を、それぞれ下記表2に記載されたように変更させたことを除いては、実施例1と同一方法を使用し、有機発光素子を製造した。
【0192】
比較例1
補助層を形成しないことを除いては、実施例1と同一方法を使用し、有機発光素子を製造した。
【0193】
評価例3
前記実施例1~3、及び比較例1及び2で作製された有機発光素子のELスペクトル、電流効率及び寿命を、Keithley SMU236及び輝度計PR650を利用して測定し、その結果を表2、
図5及び
図6に示した。寿命(T
95)は、有機発光素子駆動後、輝度(@1,000nit)が、初期輝度(100%)の95%になるのにかかる時間を測定したものである。このとき、TTA低下率及びTPQ低下率は、それぞれ経時的な輝度低減量を、下記式Xから抽出し、寄与度につき、定性的に比較した値である:
<式X>
【数1】
【0194】
【0195】
前記表2から、実施例1及び2の有機発光素子は、比較例1よりはるかに長い寿命(具体的には、それぞれ約52%及び73%が向上する)を有しながら、類似レベルの電流効率を有するということを確認することができる。
【0196】
また、
図5から、数式2を満足する実施例1の有機発光素子は、補助層から光が放出されないが、数式2を満足することができない比較例2の有機発光素子は、補助層から光が放出されることを確認することができる。