(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】皮膚の処置のためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240826BHJP
A61B 17/3205 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B17/3205
(21)【出願番号】P 2021524047
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 US2019060131
(87)【国際公開番号】W WO2020097244
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516041254
【氏名又は名称】サイトレリス バイオシステムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディマッテオ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ハイガー,サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーゲル,アナ
(72)【発明者】
【氏名】ブリック,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,アラン
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】パンクラトフ,ミカイル
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマイアー,オイヴィン
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-506498(JP,A)
【文献】特表2017-533774(JP,A)
【文献】特表2016-529000(JP,A)
【文献】特表2017-528260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0015416(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 17/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚組織に美容効果をもたらすための装置であって、
(i)皮膚に接触するための遠位端を有し、中空針が前記皮膚組織に挿入され、また前記皮膚組織から引き抜かれたときに、前記皮膚組織の一部を除去するように構成された、少なくとも1つの前記中空針を含む針ハブ、
(ii)前記皮膚組織の表面に対して1つまたは複数の方向に前記針ハブを並進及び/または作動させる、前記針ハブに接続された並進及び/または作動機構、及び
(iii)前記皮膚組織の前記表面に対して前記装置を安定させる及び/または前記装置の一定の位置を維持するためのスペーサーを備え
、
前記針ハブが、第1の端部及び第2の端部を有する第1の管腔を含み、前記第1の管腔が前記少なくとも1つの中空針の管腔を含み、前記第1の管腔の前記第1の端部が前記中空針の前記遠位端にあり、
前記針ハブが、壁、第1の端部、及び第2の端部を有する第2の管腔を含み、前記第2の管腔の前記第1の端部が流体吸入ノズルであるかまたはそれを含み、
前記第1の管腔の前記第2の端部が前記第2の管腔の前記壁に開口部を形成するように、前記第1の管腔が前記第2の管腔に接続されている、前記装置。
【請求項2】
前記並進及び/または作動機構を少なくとも部分的に囲むハンドピースシェルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スペーサーが前記ハンドピースシェルに取り付けられている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記針ハブが単一の中空針を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記針ハブが一列に配置された3本の中空針を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記針ハブが針の2次元アレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の管腔及び前記第2の管腔のそれぞれが実質的に真っ直ぐであり、前記第1の管腔が前記第2の管腔に実質的に垂直であり、T字接合を形成する、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記流体吸入ノズルが収束ノズルである、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の管腔の前記第2の端部は、流体導管に接続され、低圧または真空が前記導管に加えられると、低圧または真空が前記第1の管腔及び前記第2の管腔に誘導され、流体が前記第2の管腔の前記第1の端部を通って前記第2の管腔の中に通りながら引き込まれ、それによって前記第1の管腔から皮膚組織を除去するようにする、請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
前記並進及び/または作動機構は、前記皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、前記少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向に、z軸に沿って前記針ハブを変位させるアクチュエータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータがボイスコイルであるか、またはボイスコイルを含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記z軸に沿った前記針ハブの位置を検出するための感知デバイスを含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項13】
前記並進及び/または作動機構は、前記皮膚の前記表面に平行な1つまたは複数の方向に前記針ハブを並進するx/yステージを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記並進及び/または作動機構は、前記針ハブをz軸の周りで回転させるための回転ステージを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記スペーサーが、前記皮膚組織の表面に接触し、(a)前記装置と前記皮膚組織の間の距離及び/または位置を維持し、及び/または(b)装置により処置及び/または接触されていない前記皮膚組織と比較して、処置中の前記皮膚組織の張りを維持または増加させるデバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記スペーサーが前記皮膚組織の前記表面に接触するためのフレームを含み、前記フレームがベース、内壁、及び外壁を含み、前記ベース、内壁、及び外壁は開いたチャネルを形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記チャネルが、前記フレームが前記皮膚の前記表面に配置されたときに、前記皮膚の前記表面、前記ベース、前記内壁、及び外壁が、フレーム管腔を形成するように構成される、請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
低圧または真空が流体導管に加えられると、低圧または真空が前記フレーム管腔に確立され、それによって皮膚組織を前記チャネルに向かって及び/または前記チャネル中に引き込むように、前記フレームが前記導管に接続される、請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記ベースが
前記チャネルへの1つまたは複数の突起を含む、請求項
16に記載の装置。
【請求項20】
前記フレームが、
前記皮膚組織の表面に依る、輪郭を描かれている、請求項
16に記載の装置。
【請求項21】
前記スペーサーが、前記皮膚の下にある組織に対する前記装置の位置を検出するためにセンサに接続されたスイッチを含み、
(a)前記フレームが前記皮膚の前記表面に配置され、低圧または真空が前記フレームに適用されるとき、前記スイッチは処置禁止位置にあり、
(b)前記フレーム
が、低圧または真空が前記フレームに加えられた後、前記フレームが前記皮膚の前記表面と接触している間、及び前記フレームが、前記皮膚の前記表面に実質的に垂直であ
って前記皮膚の前記表面から離れる方向に動かされた後、前記スイッチは処置が有効な位置にあり、
前記スイッチが前記処置禁止位置にあるとき、前記針ハブは、前記皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、前記少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向にz軸に沿って移動するのを防ぐことができ、
前記スイッチが前記処置が有効な位置にあるとき、前記針ハブは前記z軸に沿って移動可能である、請求項
16に記載の装置。
【請求項22】
前記
スイッチがプッシュロッドであるか、またはプッシュロッドを含む、請求項
21に記載の装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置を含むシステムであって、前記システムが、前記装置から1つまたは複数の組織部分を除去するための除去システムを含む、前記システム。
【請求項24】
前記除去システムが低圧源を含む、請求項
23に記載のシステム。
【請求項25】
前記低圧源が、第1の導管を介して前記少なくとも1つの中空針を含む前記針ハブに接続されて、前記少なくとも1つの中空針に吸引をもたらす、請求項
24に記載のシステム。
【請求項26】
前記低圧源が第2の導管を介して前記スペーサーに接続されて、前記スペーサー内に吸引をもたらす、請求項
25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの中空針が、皮膚に接触するために前記中空針の遠位端に設けられた少なくとも1つの第1のプロングを含み、前記第1のプロングの側面と前記中空針の縦軸との間の角度は少なくとも約20度である、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの中空針が、前記中空針の前記遠位端に第2のプロングを含む、請求項
27に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のプロング及び/または前記第2のプロングが平らな先端を備える、請求項
28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のプロング及び/または前記第2のプロングがエッジを備える、請求項
28に記載の装置。
【請求項31】
前記少なくとも1つの中空針の内径が、約0.14mmと0.84mmの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つの中空針の内径が、約0.24mmと0.40mmの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つの中空針は(i)真皮層内に、(ii)前記真皮層全体を通って前記真皮層と皮下脂肪層との接合部まで、または(iii)前記皮下脂肪層に延びるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
除去するように構成された前記皮膚組織の前記一部は、マイクロコアである、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記針ハブが針の2×2のアレイを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項36】
前記針ハブが針の3×2のアレイを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項37】
前記針ハブが針の3×3のアレイを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項38】
前記フレームが凹面である、請求項
20に記載の装置。
【請求項39】
前記除去システムが真空ポンプを含む、請求項
24に記載の装置。
【請求項40】
皮膚組織に美容効果をもたらすための装置であって、
(i)皮膚に接触するための遠位端を有し、中空針が前記皮膚組織に挿入され、また前記皮膚組織から引き抜かれたときに、前記皮膚組織の一部を除去するように構成された、少なくとも1つの前記中空針を含む針ハブを備え、前記針ハブは、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の管腔であって、前記第1の管腔が前記少なくとも1つの中空針の管腔を含み、前記第1の管腔の前記第1の端部が前記中空針の前記遠位端にある、前記第1の管腔と、
壁、第1の端部、及び第2の端部を有する第2の管腔であって、前記第1の管腔の前記第2の端部が前記第2の管腔の前記壁に開口部を形成するように、前記第1の管腔が前記第2の管腔に接続され、前記第2の管腔の前記第2の端部は、流体導管に接続され、低圧または真空が前記導管に加えられると、低圧または真空が前記第1の管腔及び前記第2の管腔に誘導され、流体が前記第2の管腔の前記第1の端部を通って前記第2の管腔の中に通りながら引き込まれ、それによって前記第1の管腔から皮膚組織を除去するようにする、前記第2の管腔とを含み、前記装置はさらに、
(ii)前記皮膚組織の表面に対して1つまたは複数の方向に前記針ハブを並進及び/または作動させる、前記針ハブに接続された並進及び/または作動機構を備える、前記装置。
【請求項41】
前記第1の管腔及び前記第2の管腔のそれぞれが実質的に真っ直ぐであり、前記第1の管腔が前記第2の管腔に実質的に垂直であり、T字接合を形成する、請求項
40に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年11月7日に出願された、名称「Systems and Methods for Skin Treatment」の米国仮特許出願第62/756,694号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の技術は、概して、生体組織を処置するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの人間の健康上の問題は、疾患、加齢、及び/または傷害に起因する組織の損傷、劣化、または喪失から生じる。これらの健康上の問題は、組織の構造及び/または機能の様々な変化、例えば瘢痕、硬化症、緊張、及び弛緩に現れる可能性がある。美容医学では、余分な組織及び/または皮膚のたるみの除去は、米国の人口の25%以上に影響を与える重要な懸念事項である。米国の1052人の女性(35~75歳)を対象とした最近の調査(2015年9月)では、調査対象の女性の78%が、肌のたるみを感じており、これらの女性の83%がそれを気にしていた。また、調査対象の女性の86%がしわがあると感じていた。
【発明の概要】
【0004】
組織の修復を望む患者への利便性、手頃な価格、及び利用可能性を維持しながら、現在利用できる低侵襲技術よりも高い有効性を提供する改善されたシステム及び方法が必要である。
【0005】
本明細書で説明するのは、周囲の(例えば、切除されていない)組織に熱エネルギーを与えることなく、複数のマイクロコアを選択的に切除することによって皮膚の処置(例えば、組織量の除去、皮膚の引き締め、皮膚の持ち上げ、及び/または皮膚のたるみの軽減)をするための、技術、方法、及び/またはデバイスである。本明細書で説明する技術、方法、及び/またはデバイスは、例えば、現在の外科的及び熱処理方法と比較して、より速い処置前の準備及び処置後の治癒時間を含む、皮膚の迅速かつ安全な処置に対する満たされていないニーズを満たす。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、皮膚の組織において美容効果を生み出すための装置を提供する。いくつかの実施形態では、提供される装置は、皮膚に接触するための遠位端を有し、中空針が皮膚組織に挿入され、また皮膚組織から引き抜かれたときに、皮膚組織の一部を除去するように構成された(例えば、マイクロコアを有する)、少なくとも1つの中空針を含む針ハブを含み得る。装置は、皮膚組織の表面に対して1つまたは複数の方向に針ハブを並進及び/または作動させる、針ハブに接続された並進及び/または作動機構を含み得る。装置は、皮膚組織の表面に対して皮膚組織を安定させる及び/または装置の一定の位置を維持するためのスペーサーを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、装置は、並進及び/または作動機構を少なくとも部分的に囲むハンドピースシェルを含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサーをハンドピースシェルに取り付けることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、針ハブは、単一の中空針を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、一列に配置された3本の中空針を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、針の2次元アレイ(例えば、2×2、3×2、または3×3のアレイ)を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、針ハブは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の管腔を含み得る。第1の管腔は、少なくとも1つの中空針の管腔であり得る、またはそれを含み得、第1の管腔の第1の端部は、中空針の遠位端にあり得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、針ハブは、壁、第1の端部及び第2の端部を有する第2の管腔を含み得る。第2の管腔の第1の端部は、流体吸入ノズルであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の管腔の第2の端部が第2の管腔の壁に開口部を形成するように、第1の管腔が第2の管腔に接続され得る。いくつかの実施形態では、第1の管腔及び第2の管腔のそれぞれは、実質的に真っ直ぐであり得、第1の管腔は第2の管腔に実質的に垂直であり得、T字接合を形成する。いくつかの実施形態では、流体吸入ノズルは、収束ノズルであり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の管腔の第2の端部は、流体導管に接続され、低圧または(部分的)真空が導管に加えられると、低圧または(部分的)真空が第1の管腔及び第2の管腔に誘導され、流体が第2の管腔の第1の端部を通って第2の管腔の中に通りながら引き込まれ、それによって第1の管腔から皮膚組織を除去するようにし得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、提供される装置は、皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向に、z軸に沿って針ハブを変位させるアクチュエータを備える並進及び/または作動機構を含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ボイスコイルであり得るか、またはボイスコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、z軸に沿った針ハブの位置を検出するための感知デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、並進及び/または作動機構は、皮膚の表面に平行な1つまたは複数の方向に針ハブを並進するx/yステージを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、針ハブをz軸の周りで回転させるための回転ステージを含む並進及び/または作動機構を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、提供される装置は、皮膚組織の表面に接触し、装置と皮膚組織の間の距離及び/または位置を維持するデバイスを含むスペーサーを含み得る。いくつかの実施形態では、提供される装置は、装置により処置及び/または接触されていない皮膚組織と比較して、処置中の皮膚組織の張りを維持または増加させる皮膚組織の表面に接触するデバイスを含むスペーサーを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、提供される装置は、皮膚組織の表面に接触するためのフレームを含むスペーサーを含み得、フレームがベース、内壁、及び外壁を含み、ベース、内壁、及び外壁は開いたチャネルを形成する。
【0015】
いくつかの実施形態では、チャネルが、フレームが皮膚の表面に配置されたときに、皮膚の表面、ベース、内壁、及び外壁が、フレーム管腔を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空が導管に加えられると、低圧または(部分的)真空がフレーム管腔に確立され、それによって皮膚組織をチャネルに向かって及び/またはチャネル中に引き込むように、フレームが流体導管に接続され得る。いくつかの実施形態では、ベースは、1つまたは複数の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、フレームは輪郭を描くことができる(例えば、フレームが凹面である)。
【0016】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、皮膚の下にある組織に対する装置の位置を検出するためにセンサに接続されたスイッチを含み得る。フレームが第1の位置にあるとき、例えば、皮膚の表面に配置され、低圧または(部分的)真空がフレームに適用されるとき、スイッチは「進むべからず」位置にあり得る。フレームが第2の位置にあるとき、例えば、低圧または(部分的)真空がフレームに加えられた後、フレームが皮膚の表面と接触している間、及びフレームが、皮膚の表面に実質的に垂直であり、皮膚の表面から離れる方向に動かされた後、スイッチは「進む」の位置にあり得る。スイッチが進むべからず位置にあるとき、針ハブは、皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向にz軸に沿って移動するのを防ぐことができる。スイッチが進むの位置にあるとき、針ハブはz軸に沿って移動できる場合がある。いくつかの実施形態では、センサは、プッシュロッドであり得るか、またはプッシュロッドを含み得る。
【0017】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載されるような装置を含むシステムを提供する。いくつかの実施形態では、提供されるシステムは、装置から1つまたは複数の組織部分を除去するための除去システムを含み得る。いくつかの実施形態では、除去システムは、低圧源(例えば、真空ポンプ)を含み得る。いくつかの実施形態では、低圧源が、第1の導管を介して少なくとも1つの中空針を含む針ハブに接続されて、少なくとも1つの中空針に吸引をもたらす。いくつかの実施形態では、低圧源が第2の導管を介してスペーサーに接続されて、スペーサー内に吸引をもたらす。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中空針は、皮膚に接触するために中空針の遠位端に設けられた少なくとも1つの第1のプロングを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のプロングの側面と中空針の縦軸との間の角度は、少なくとも約20度であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中空針は、中空針の遠位端に第2のプロングを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のプロング及び/または第2のプロングには平らな先端が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、第1のプロング及び/または第2のプロングにはエッジが含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中空針の内径は、約0.14mmと0.84mmの間であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中空針の内径は、約0.24mmと0.40mmの間であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中空針は(i)真皮層内に、(ii)真皮層全体を通って真皮層と皮下脂肪層との接合部まで、または(iii)皮下脂肪層に延びるように構成され得る。
【0020】
本明細書に記載されているプロセス及びシステムの少なくとも一部は、1つまたは複数の非一時的な機械可読記憶媒体に記憶されている命令を1つまたは複数の処理デバイスで実行することによって、制御することができる。非一時的な機械可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ、光ディスクドライブ、メモリディスクドライブ、ランダムアクセスメモリなどが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載のプロセス及びシステムの少なくとも一部は、様々な制御操作を実行するために1つまたは複数の処理デバイスによって実行可能な1つまたは複数の処理デバイス及びメモリ格納命令から構成されるコンピューティングシステムを使用して、制御することができる。
【0021】
1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び発明を実施するための形態において述べられる。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、ならびに請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】マイクロコアリングのための例示的な装置の切欠図である。
【
図2】マイクロコアリングのための例示的な装置の切欠図である。
【
図3】マイクロコアリングのための例示的な装置の斜視図である。
【
図4】マイクロコアリングのための例示的な装置の斜視切欠図である。
【
図5】マイクロコアリングのための例示的な装置の斜視図である。
【
図8】時間に対するコアリング手順中の例示的なボイスコイルの縦方向変位(z軸変位)、及び時間に対してボイスコイルにより費やされる電力(電圧(V)×電流(I)×ボイスコイル定数(K))の例示的なプロットを示す。
【
図9】ボイスコイルによって行われた仕事、例えばzアクチュエータの尺度として電力曲線下の面積(例えば、
図8に示される)に対するコアリングストローク(例えば、針ハブの単一のz作動サイクルであるストローク)の数の例示的なヒストグラムを示す。
【
図10】例示的な通常のコアリング手順中の時間に対するボイスコイルの速度、位置、及び加速度の例示的なプロットを示している。
【
図11】過度の過剰侵入及び硬組織との接触を伴うコアリング手順の前、最中、及び後の時間に対するボイスコイルの速度、位置、及び加速度の例示的なプロットを示している。
【
図12】皮膚組織に挿入された例示的な針ハブに取り付けられた例示的な針の切欠図である。
【
図13】異なる長さの深度制御スペーサー要素を有するマイクロコアリングのための2つの例示的な装置の側面図である。
【
図14】異なる長さの針を備えた3つの異なる例示的な針ハブの構成の側面図である。
【
図15】深度制御スペーサー要素が例示的な装置の遠位端の管状領域にねじ込まれている、マイクロコアリングのための例示的な装置の例示的な実施形態の側面図である。
【
図16】例えば、zアクチュエータを(動作中の皮膚の表面に対して)上昇または下降させるための例示的な機構を備えた例示的な装置の切欠図である。
【
図17】マイクロコアリング用の例示的な装置を使用したコアリング用の例示的なコアリングパターンを示している。
【
図18】マイクロコアリング用の例示的な装置を使用したコアリング用の例示的なコアリングパターンを示している。
【
図19】マイクロコアリングのための例示的な装置のための格納式の「ペンクリック」タイプの回転機構の半透明の切欠図である。
【
図20】
図20Aは、1本のコアリング針を備えた例示的な針ハブの切欠図である。
図20Bは、1本のコアリング針を備えた例示的な針ハブの半透明の図である。
図20Cは、1本のコアリング針を備えた例示的な針ハブにおける例示的なコアの除去手順を示す図である。
【
図21】例示的な針ハブの例示的なチャネルにおける流体の流れの計算流体力学シミュレーションの例示的な結果を示している。矢印は流れの方向を示す。矢印のグレースケールはマッハ数を示す。
【
図22】例示的な針ハブの例示的なチャネルにおける流体の流れの計算流体力学シミュレーションの例示的な結果を示している。グレーのスケールは流体の圧力を示す。
【
図27】3本の針を備えた例示的な針ハブ及びコアの除去システムの構成要素の斜視分解図である。
【
図30】3本の針を備えた例示的な針ハブ及びコアの除去システムの構成要素の斜視図である。
【
図31】3本の針を備えた例示的な針ハブの半透明の切欠図である。
【
図32】
図32Aは、例示的なハブシールドを備えた例示的な針ハブの斜視図である。
図32Bは、例示的なハブシールドを備えた例示的な針ハブの断面図である。
図32Cは、例示的なハブシールドを備えた例示的な針ハブの側面図である。
【
図33】例示的なハブシールド及び例示的なスペーサーを備えた例示的な針ハブの斜視図である。
【
図34】針ハブ上の進入シールドを含む例示的な針ハブアセンブリの断面図である。
【
図35】針ハブ上に円筒形の進入シールドを含む例示的な針ハブアセンブリの断面の概略図である。
【
図36】1本の針を備えた例示的な針ハブ及びコアの除去システムの構成要素の斜視分解図である。
【
図42】
図42Aは、例示的な真空スペーサーの断面図である。
図42Bは、例示的な真空スペーサーの部分的な断面図である。
【
図43】例示的な真空スペーサーシステムの斜視図である。
【
図44】例示的な真空スペーサーフレームの斜視図である。
【
図45】例示的な湾曲した真空スペーサーフレームの概略の斜視図である。
【
図46】例示的な真空スペーサーフレームの概略の斜視図である。
【
図47】例示的な真空スペーサーフレームグリッドの概略の斜視図である。
【
図48】例示的な真空スペーサーフレーム要素の概略の斜視断面図である。
【
図49】例示的な圧力フットシステムを含む例示的な真空スペーサーフレームの斜視図である。
【
図50】例示的な圧力フットシステムを含む例示的な真空スペーサーフレームの斜視図である。
【
図51】例示的な圧力フットシステムを含む例示的な真空スペーサーフレームの斜視図である。
【
図52】例示的な低圧または(部分的)真空システムの図である。
【
図53】針ハブ用のサブシステム及び真空スペーサー用のサブシステムを備えた例示的な低圧または(部分的)真空システムの図である。
【
図54】低圧または(部分的)真空チャネル及び内壁上の突起を含む例示的な真空位置合わせフレームの斜視図である。
【
図55】マイクロコアリングのための例示的な装置の例示的な遠位端構成要素の斜視図である。
【
図56】真空フレームを含む、マイクロコアリングのための例示的な装置の例示的な遠位端構成要素の斜視図である。
【
図58】
図58Aは、サブフレームの形態の内部位置合わせ要素を含むフレームを含むスペーサーを用いたマイクロコアリングのための例示的な装置の斜視図である。
図58Bは、サブフレームの形態の内部位置合わせ要素を含む例示的なスペーサーフレームを示す。
【
図59】
図59Aは、ワイヤのグリッドの形態の内部位置合わせ要素を含む例示的なスペーサーフレームを示す。
図59Bは、透明要素の形態の内部位置合わせ要素を含む例示的なスペーサーフレームを示す。
【
図60】ミラーアセンブリを含むスペーサーフレームを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の側面図である。
【
図61】カメラを含むスペーサーを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の斜視図である。
【
図62】光源を含むスペーサーを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の斜視図である。
【
図63】処置領域の表示を提供するための例示的なビジョンシステムの斜視図である。
【
図64】完全なコア除去(円)及び不完全なコア除去(円なし)を示す画像処理システムの例示的な出力を示している。
【
図65】皮膚の表面を横切るマイクロコアリングのための例示的な装置のモーショントラッキングの図を示している。
【
図66】進入シールドを含むマイクロコアリングのための例示的な装置のセクションの断面図である。
【
図67】マイクロコアリング用の装置用の例示的な進入シールドの斜視図である。
【
図68】マイクロコアリング用の装置用の進入シールドの例の断面図である。
【
図69】マイクロコアリング用の装置を保護するための例示的なスライディングプレートの断面図である。
【
図70】針ハブマウントを含むマイクロコアリング用の装置の斜視切欠図である。
【
図71】
図71Aは、(使い捨ての)針ハブのアレイを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の側面図である。
図71Bは、(使い捨ての)スペーサーのアレイを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の側面図である。
【
図72】(使い捨ての)針ハブ及び(使い捨ての)スペーサーのアレイを備えたマイクロコアリングのための例示的な装置の側面図である。
【
図73】例示的な針ハブの取り付け及び/またはマイクロコアリング用の例示的な装置の交換システム及び手順を示している。
【
図74】チャネルを含む例示的なスペーサーと、スペーサーに接続するためのレールを含むマイクロコアリングのための例示的な装置のハンドピースの遠位セクションとの斜視図である。
【
図75】例示的なスペーサー、及びスナップオン/ピンチオフ機構を備えたマイクロコアリングのための例示的な装置のハンドピースの遠位セクションの断面図である。
【
図76】マイクロコアリング用の例示的な装置に接続するためのねじ山を有する例示的なスペーサーの斜視図である。
【
図77】
図77A~77Dは、針ハブ及び/またはスペーサーを、マイクロコアリング用の例示的な装置へ接続するための例示的なスペーサー取り付けシステムを示している。
【
図78】
図78A及び78Bは、皮膚組織からマイクロコアを除去するための例示的な接着性接着フィルムの断面図である。
【
図79】
図79A及び79Bは、皮膚組織からマイクロコアを除去するための例示的な吸引デバイスの断面図である。
【
図80】皮膚組織からマイクロコアを除去するための掻き取りデバイスの断面図である。
【
図81】中空針の可能な針プロング構成の斜視図である。
【
図82】中空針のプロングの側面を示す概略図である。プロングの斜角αは、プロングの側面と中空針の縦軸との間の角度を指す。
【
図83】斜角が10度、20度、または30度の中空針の2,000、8,000、及び10,000回の作動サイクル後の針末尾の劣化を比較した写真を示している。
【
図84】
図84A、84B、84C、及び84Dは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)でコーティングされた中空針が10,000回の作動サイクル後に針の末尾の劣化のいずれの兆候を示さなかったのに対し、コーティングされていない中空針は、10,000回の作動サイクル後、針の末尾の劣化を示したことを示す実験結果を示す写真である。
図84Aは、いずれかの作動サイクルを受ける前のDLCコーティングされた針の写真である。
図84Bは、5,000回の作動サイクルを受けた後のDLCコーティングされた針の写真である。
図84Cは、10,000回の作動サイクルを受けた後のDLCコーティングされた針の写真である。
図84Dは、10,000回の作動サイクルを経た後のコーティングされていない針の写真である。
【
図85】例示的な中空針の管腔内のコアリングされた組織部分に対する針コアリング力及び組織の抵抗力を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で説明するのは、例えば、周囲の(例えば、切除されていない)組織に熱エネルギーを与えることなく、複数のマイクロコアを選択的に切除することによって、皮膚を処置する(例えば、組織の体積を削減する、皮膚を引き締める、皮膚を持ち上げる、及び/または皮膚のたるみを低減する)ために使用することができる技術、方法、及び/またはデバイスである。
【0024】
マイクロコアリング
一般に、本明細書で使用される「マイクロコアリング」という用語は、穴またはスリット内の出血及び/または凝固の程度を最小限に抑え、及び/または瘢痕形成を最小限に抑え、組織を切除し、必要に応じて部位から隔離するのに十分に小さい寸法の1つまたは複数(いくつかの実施形態では、複数、例えば、アレイ)の中空針、または他の非熱器具(複数可)(例えば、ブレード、チューブ、またはドリル)を利用する技術を指す。いくつかの実施形態では、組織を切除することは、例えば、組織部分が中空針の内側に形成され、周囲の組織から切り離されるように、その部位に中空針を挿入することによって、組織部分(例えば、「マイクロコア」)を形成することを意味し、それにより他の組織から分離されたマイクロコアが生成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマイクロコアリング技術は、切除された組織の隔離を含み得る。本明細書で使用される場合、「隔離」という用語は、組織に関して使用される場合、マイクロコアを切除し、次に切除されたマイクロコアを切除部位から除去することを意味する。特定の実施形態では、隔離された組織は永久に処分され得る。特定の実施形態において、隔離された組織は、例えば生検及び/または当技術分野で知られている組織学技術を使用して、診断目的のために使用され得る。多くの実施形態において、本明細書で提供される技術は、除去を最大化し、抽出された組織の(部分的または完全な)再挿入のリスクを最小化する。
【0026】
本明細書に具体的に記載されている中空針を使用する特定のマイクロコアリング技術、方法、及び/またはデバイスは、例示及び/または説明の目的として機能し、他の技術やデバイスを使用してマイクロコアを作成できることを理解されたい。本明細書に記載のマイクロコアリング技術は、いくつかの有利な特徴を含み得る。例えば、提供される技術は、例えば、対象のフィードバック及びその後のリアルタイムでの処置の調整を通じて、処置の過程でリアルタイムに結果を視覚化することを可能にし得る。
【0027】
代替的または追加的に、マイクロコアリングに使用される装置は、皮膚処置の程度を制御するのに有益である可能性があるマイクロサイズの特徴を含むことができる。
【0028】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法及び/またはデバイスは、外科医よりも必要な技能が少ない場合がある。したがって、特定の実施形態では、対象は、専門医以外によって、及び/または入院患者の外科的環境よりむしろ外来患者の環境で、処置され得る。いくつかの実施形態では、対象は、スパ、美容院、または自宅で処置され得る。すなわち、本開示は、皮膚の処置のサービスの、一貫した及び/または再現性のある実施が受け入れ可能で、及び/またはそれを可能にする技術を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている技術、方法、及び/またはデバイスは、一般的にリスクプロファイルが低く、より侵襲的な技術(例えば、形成外科)、または侵襲的である場合とそうでない場合があるエネルギーベースの技術(例えば、レーザー、高周波(RF)、または超音波)よりも予測可能な結果及び/またはリスクファクターを提供できる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の非熱的部分切除の技術、方法、及び/またはデバイスは、熱焼灼法の1つまたは複数の一般的な副作用を伴わない(または大幅に軽減する)皮膚の引き締め、皮膚の持ち上げ、及び/または皮膚のたるみの軽減を可能にする。熱焼灼技術は、組織の凝固と圧縮できない硬い組織コアの形成を可能にすることにより、皮膚の引き締めを抑制及び/または防止する。熱焼灼技術は、即時処置部位を囲む3次元熱影響部(HAZ)を作成する。部分焼灼レーザーは、熱感受性部位(目、神経など)でまたはその近くで使用できる、つまりレーザーは皮膚に1mmを超えて侵入しない(HAZが比較的小さい結果になる)が、他の熱焼灼技術(例えば、超音波ベースの技術)は、HAZが熱感受性組織にまで及び(永続的な)損傷を引き起こす可能性があるため、熱感受性部位の近くでは使用できない。本開示を読む当業者によって理解されるように、「熱感受性部位」は、放射線への曝露及び/または高温が、容認できない美容的及び/または生理学的結果の比較的高いリスクに関連している部位である。いずれにせよ、本明細書に記載の技術、方法、及び/またはデバイスは、一般に、少なくとも部分的に、熱的方法の損傷ゾーン(例えば、HAZ)よりも小さい組織損傷のゾーンのために、例えば、熱的方法などよりもリスクプロファイルが低い。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の特定の技術、方法、及び/またはデバイスの利点は、例えばレーザー処置及び/または超音波ベースの処置で観察されたものと比較して、特に低い(例えば、侵襲的技術及び/または熱技術などの他の技術で観察されるものよりも低い)程度の紅斑、紅斑のより速い寛解、及び皮膚の変色(色素沈着過剰または色素脱失)のより低い発生率、重症度、期間、及び/または特に低次の腫れ及び/または炎症を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される特定の技術、方法、及び/またはデバイスは、組織を切除した後(例えば、皮膚を処置した後数秒以内、例えば10秒以内)に穴またはスリットを迅速に閉じることを可能にし、それによって出血及び/または穴またはスリット内の凝固、及び/または瘢痕形成の程度を最小限に抑えることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される特定の技術、方法、及び/またはデバイスは、例えば、速射往復針または針アレイを使用することによって、及び/または数十、数百、さらには数千のマイクロコアの同時切除を可能にする大きな針アレイを使用することによって、処置時間を最小化しながら処置の効果を最大化するのに有用であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術、方法、及び/またはデバイスは、引き締めを最適化することにより(例えば、本明細書に記載されるように、皮膚のひだの範囲を制御することによって、例えば、一部の用途で皮膚のひだの範囲または皮膚の領域を増やすことによって、及び他の用途で皮膚のひだの範囲または皮膚の領域を減らすことによって)、治癒する時間を最小化しながら引き締めを最大化する及び/または美容効果が生じる時間を最低限にするのに有用である可能性がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術、方法、及び/またはデバイスは、隔離されたまたは部分的に焼灼された組織及び/または焼灼された組織部分からの細片の効率的なクリアランスを提供し、したがって、例えば、レーザーベースの技術と比較して、治癒のための時間を短縮し、皮膚の引き締め処置を改善し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術、方法、及び/またはデバイスは、切除及び/または組織隔離の前、最中、及び後の皮膚の効率的かつ効果的な位置決めを可能にし得る。皮膚を位置決めすることは、皮膚の引き締め方向を制御し、焼灼が所望の位置及び所望の寸法(例えば、厚さ、好ましい方向の幅、例えば、ランガー線に沿ってまたは直交する)で確実に起こるようにするために重要である。
【0037】
とりわけ、本開示は、望ましい処置時間を達成することができるマイクロコアリング技術が開発され得る(例えば、本明細書に記載されるように)洞察を包含し、及び/または熱的方法などと比較して、処置(組織除去処置など)からの治癒の1つまたは複数の側面を大幅に改善することができる。
【0038】
マイクロコアリングのためのシステム及び物品
概要
本明細書で説明するのは、例えば、皮膚組織に対して選択的にマイクロコアリングを行うことによって、皮膚を処置するための技術、方法、及び/またはデバイスである。特に、本明細書に記載されているのは、皮膚への挿入及び皮膚からの引き抜き後に、1つまたは複数の中空針の管腔内の組織部分を捕捉及び保持することによって組織部分に対してマイクロコアリングを行うことができる中空針、ならびに関連する装置、キット、及び方法である。マイクロコアリングされた組織部分は、中空針の管腔から除去して廃棄することができる。このプロセスを繰り返して、特に皮膚の所望の領域上に、対象の体の選択された部位に位置する、複数のコアリングされた皮膚組織部分を生成することができる。本明細書に記載の中空針、作動ユニット、装置、キット、及び方法は、組織の修復を望む患者への利便性、手頃な価格、及び利用可能性を維持しながら、現在利用可能な装置及び技術よりも高い有効性を提供し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、装置、例えば、手持ち式装置を含む。例示的な装置は、中空針が皮膚組織に挿入され、皮膚組織から引き抜かれるときに皮膚組織の一部(例えば、マイクロコア)を除去するように構成された少なくとも1つの中空針を含む針ハブを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は針ハブに接続された並進及び/または作動ユニットを含み得、例えば、皮膚組織の表面に対して1つまたは複数の方向に針ハブを並進及び/または作動させる。いくつかの実施形態では、装置は、皮膚組織の表面に対して装置を安定させる及び/または装置の一定の位置を維持するためのスペーサーを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、少なくとも部分的に並進及び/または作動ユニットを収容するために、ハンドピースシェルを含むハンドピースを含み得る。いくつかの実施形態では、ハンドピース及び/またはハンドピースシェルは、例えば、装置の遠位端(例えば、皮膚に接触するための装置の端)において、スペーサーを含み得るか、またはスペーサーに接続され得る。
【0040】
並進、作動、及び(位置の)検出
本明細書に記載の技術は、マイクロコアリングのための装置を含むシステムを含み得る。例示的な装置100が
図1に示されている。本明細書に記載の装置100は、針ハブ及び/または中空針を皮膚へ(例えば、z方向)、または皮膚を越える(例えば、x方向及び/またはy方向)よう駆動するための、1つまたは複数の作動機構を含む作動ユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、装置100の作動ユニットは、1つまたは複数のxアクチュエータ(例えば、xアクチュエータ101)、1つまたは複数のyアクチュエータ(例えば、yアクチュエータ102)、及び1つまたは複数のzアクチュエータ(例えば、zアクチュエータ103)であり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構、例えば、zアクチュエータ103は、1つまたは複数の針(図示せず)に接続された針ハブ(例えば、針ハブ110)を、例えばプッシュロッド106を介して取り外し可能に取り付けるために、針ハブマウント(例えば、針ハブマウント104)に接続され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマイクロコアリングのための装置は、ハンドピース(例えば、ハンドピース120)であり得るか、またはそれを含み得るハンドヘルドデバイスとして構成され得、例えば、装置の1つまたは複数の構成要素、例えば、アクチュエータ101、102、及び/または103、及び/または例えば1つまたは複数のアクチュエータを制御するための他の構成要素、例えば、プリント回路基板(PCB)105を収容するハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121)を含む。ハンドピースは、装置100の他の構成要素、例えば、スペーサー(例えば、スペーサー130)を含み得るか、またはそれらに取り外し可能に接続され得る。
【0041】
例示的な装置200が
図2に示されている。装置200は、xアクチュエータ201、yアクチュエータ202、及びzアクチュエータ203を含む。zアクチュエータ203は、例えば、プッシュロッド206を介して、例示的な針250を含む針ハブ210を取り外し可能に取り付けるために、針ハブマウント204に接続され得る。例示的な装置200は、例えば1つまたは複数のアクチュエータを制御するため、ハンドピース(例えば、ハンドピース220)を含み得、例えば、装置の1つまたは複数の構成要素、例えば、アクチュエータ201、202、及び203、及び/または他の構成要素、例えばプリント回路基板(PCB)205を収容するハンドピースシェル221を含む。ハンドピース220は、システムの1つまたは複数の構成要素、例えば、スペーサー230に取り外し可能に接続することができる。例示的なシステムは、針ハブ210に接続された真空管241を含む低圧または(部分的)真空システムを含み得る。
図3は、装置200の外観を示している。
【0042】
この例示的な装置400を、
図4に示す。装置400は、xアクチュエータ401、yアクチュエータ402、及びzアクチュエータ403を含む。zアクチュエータ403は、例えばプッシュロッド(図示せず)を介して、1つまたは複数、例えば3つの例示的な針450を含む針ハブ410を取り外し可能に取り付けるための針ハブマウント(図示せず)に接続され得る。例示的な装置400は、例えば1つまたは複数のアクチュエータを制御するため、ハンドピース(例えば、ハンドピース420)を含み得、例えば、装置の1つまたは複数の構成要素、例えば、アクチュエータ401、402、及び403及び/または他の構成要素、例えばプリント回路基板(PCB)405を収容するハンドピースシェル421を含む。ハンドピース420は、システムの1つまたは複数の構成要素、例えば、スペーサー430に取り外し可能に接続することができる。例示的なシステムは、針ハブ410に接続された真空管(図示せず)を含む真空システムを含み得る。
図5は、装置400の外観を示している。装置100、200、及び400は、本明細書に記載の技術の非限定的な例示的な実施形態である。装置100、200、及び400の1つまたは複数の特徴または構成要素は、交換可能であり得る、または交換可能に使用され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、装置の作動ユニット(例えば、
図6に示される例示的な作動ユニット)は、xアクチュエータ及びyアクチュエータ(例えば、xアクチュエータ101、yアクチュエータ102)及び/またはzアクチュエータ103のみを含み得る。zアクチュエータ103(例えば、ボイスコイル、ソレノイド、及び/またはz軸ハウジング内に配置された線形スクリュードライブ)は、装置の針アセンブリ(例えば、zアクチュエータ及び針ハブ)の一部であり得る。いくつかの実施形態では、x、y、及びzアクチュエータは、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針を、中空針の手動展開と比較して比較的短時間で、皮膚の表面の広い領域に及び/またはそれにわたって駆動することができる。いくつかの実施形態では、x、y、及びzアクチュエータは、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針を皮膚の表面の小さな領域(例えば、顔の小さな領域(例えば、鼻と上唇の間の領域))に及び/またはそれを横切るように駆動することができる。いくつかの実施形態では、x、y、及びzアクチュエータは、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針を、皮膚の表面の複数の大きな及び/または小さな領域に及び/またはそれを横切るように駆動することができる。
【0044】
図6に示される例示的な作動ユニットは、zアクチュエータ、例えば、ボイスコイルアクチュエータ、xアクチュエータ、例えば、線形スクリュードライブを含むxアクチュエータステージ、及びyアクチュエータ、例えば、線形スクリュードライブを含むyアクチュエータステージを含み得る。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ及びyアクチュエータは、同じ駆動機構を有する。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ及びyアクチュエータは、異なる駆動機構を有する。1つまたは複数のアクチュエータは、(例えば、制御システムの一部として)プリント回路基板に接続され得、これは、アクチュエータを駆動及び/または制御する及び/またはアクチュエータからフィードバックを受け取る、例えば、作動の閉ループ制御を提供する(例えば、制御システムに)ことができる。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ及びyアクチュエータ、例えば、xアクチュエータステージ及びyアクチュエータステージは、積み重ねられ得、例えば、x/yステージを形成する。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、xアクチュエータ及びzアクチュエータのスタック上、例えば、x/yステージに取り付けられ得、例えば、zアクチュエータは、xアクチュエータに取り付けられ得、またxアクチュエータは、yアクチュエータに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ及びyアクチュエータのスタックは、ハンドピースシェルの中または上に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、xアクチュエータ及びyアクチュエータは、ハンドピースシェル内またはハンドピースシェル上に別々に取り付けることができ、例えば、zアクチュエータがxアクチュエータとyアクチュエータ、例えば可動トラックに取り付けられ、及び/または接続されている。
【0045】
Z作動
zアクチュエータ、例えば、zアクチュエータ103、203、または403は、軸(例えば、z軸)に沿った針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針の変位を駆動することができ、例えば、中空針による皮膚への侵入及び/または挿入後の中空針の収縮を駆動する(例えば、
図7Aを参照)。いくつかの実施形態では、z軸は、処置される皮膚の表面701に実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、z軸は、処置される皮膚の表面に対してある角度、例えば、約90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、または10度である。いくつかの例示的な実施形態では、皮膚の表面に実質的に垂直な角度以外の角度でのコアリングは、マイクロコアのサイズ及び/または脂肪に対する真皮/表皮の比率を増加させる可能性がある(例えば、
図7Bを参照)。
【0046】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータ、例えば、zアクチュエータ103、203、または403は、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121、221、または421)によって収容されたハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)の内側に配置され得る。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、ハンドピースシェルの外部に配置することができ、ここで、zアクチュエータは、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針に機械的に結合されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、取り付けアセンブリを介して針ハブに接続され得る。いくつかの実施形態では、取り付けアセンブリは、プッシュロッド(例えば、ボイスコイルアクチュエータに接続されたz軸プッシュロッド、例えば、プッシュロッド106、206、または406)及び針ハブマウント(例えば、針ハブマウント104、204、または404)を含み得る。いくつかの実施形態では、zアクチュエータ(例えば、ボイスコイルアクチュエータ)は、装置の針アセンブリの一部であり、針ハブに取り外し可能に取り付けられ得る。
【0048】
本明細書に記載のzアクチュエータは、高速で動作して、処置時間及び中空針侵入中の皮膚組織のたわみを最小限に抑えることができる場合がある。いくつかの実施形態では、z方向の1つの作動サイクルは、約5ミリ秒から約50ミリ秒(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50ミリ秒)を要する場合がある。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、約20から約35ミリ秒(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ミリ秒)かけて、約20mmから約30mm(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm)皮膚組織に対して遠位方向に及び/または皮膚組織内に移動できる。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、約25ミリ秒から約30ミリ秒(例えば、25、26、27、28、29、または30ミリ秒)かけて約23mm皮膚組織に対して遠位方向に及び/または皮膚組織内に移動できる。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、約25から約35ミリ秒(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ミリ秒(例えば、30ミリ秒)かけて、約20mmから約30mm(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm(例えば、23mm))、約20mmから約30mm(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm(例えば、23mm))の侵入の深度から皮膚組織の中に、近位方向に移動できる。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、侵入した皮膚組織から近位方向に約23mm移動するのに約30ミリ秒要する場合がある。
【0049】
本明細書に記載のzアクチュエータはさらに、特定の挿入の力及び/または収縮力で動作することができる可能性がある。いくつかの実施形態では、中空針ごとに約0.5Nから約20Nの力(例えば、0.5N~0.75N、0.5N~1N、0.5N~1.25N、0.5N~1.5N、0.5N~2N、0.5N~5N、0.5N~10N、0.5N~12N、0.5N~15N、0.5N~20N、0.75N~1N、0.75N~1.25N、0.75N~1.5N、0.75N~2N、0.75N~5N、0.75N~10N、0.75N~12N、0.75N~15N、0.75N~20N、1N~1.25N、1N~1.5N、1N~2N、1N~5N、1N~10N、1N~12N、1N~15N、1N~20N、1.25N~1.5N、1.25N~2N、1.25N~5N、1.25N~10N、1.25N~12N、1.25N~15N、1.25N~20N、1.5N~2N、1.5N~5N、1.5N~10N、1.5N~12N、1.5N~15N、1.5N~20N、2N~5N、2N~10N、2N~12N、2N~15N、2N~20N、5N~10N、5N~12N、5N~15N、5N~20N、10N~12N、10N~15N、10N~20N、12N~15N、12N~20N、または15N~20N)を、例えば、1つまたは複数の中空針を皮膚に確実に挿入するために適用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、1つまたは複数の中空針を皮膚に確実に挿入するために、中空針あたり約10Nから20N(例えば、15N)の力を適用することができる。理論に拘束されることを望まないが、挿入の力は針ゲージと逆相関し得る。例えば、24ゲージの針(例えば、外径が約0.565mmの針)は、12Nの挿入の力で操作することができ、一方、20ゲージの針(例えば、外径が約0.9081mmの針)は、より高い挿入の力で操作できる。いくつかの実施形態では、装置は、皮膚から出し入れする中空針の挿入の力及び/または収縮力を制御または変更するために使用され得る特徴または設定を含み得る。いくつかの実施形態では、中空針を物理的に調整する(例えば、引っ込める)ことにより(例えばzアクチュエータが完全に引っ込められたとき、例えば装置の遠位端に対する中空針の位置を調整することにより、例えば、zアクチュエータの固定ベース構成要素の位置を調整することにより)、例えば、ベースユニット(例えば、制御システムの少なくとも一部を含むユニット)のユーザインターフェイス上の調整器具、例えばスクロールホイールを使用して、中空針により挿入の力及び/または収縮力を調整することができる。いくつかの実施形態では、調整器具、例えば、ベースユニットのユーザインターフェイス上のスクロールホイールを使用して、挿入の力及び/または収縮力を制御するためにzアクチュエータに電気信号を提供することができる。いくつかの実施形態では、ベースユニットのユーザインターフェイスを含むデジタル制御ユニットまたは制御システムは、例えば、中空針による皮膚への侵入と皮膚からの収縮の距離、速度、力及び/またはタイミングを制御することができる。パラメータ、例えば、挿入の力及び収縮力を監視することができる。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、以下に説明するように、閉ループ位置及び/または運動量/エネルギー制御システムを含む及び/またはそれに接続されているボイスコイルであるか、またはそれを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、位置、速度、加速度、ボイスコイル電流、及び/または電圧フィードバック信号を、z軸位置コントローラ、例えば、本明細書で説明されるようなデジタル制御ユニットの一部であるz軸位置コントローラへ供給することができる。フィードバック信号は、zアクチュエータに取り付けられた、または統合された1つまたは複数のセンサから取得できる。フィードバック信号は、直接測定、例えば、ボイスコイルなどのzアクチュエータに入るまたは出る電流及び/または電圧の測定から得ることができる。これらのフィードバック信号から、単独で、または既知のデータ、例えばボイスコイル及び/または針アセンブリの質量と組み合わせて、z軸位置コントローラ(例えば、デジタル制御ユニット上またはその一部として実装されている)を使用して、対象の真皮に挿入/侵入するのに必要な力及び/または対象の真皮から1本または複数のコアリング針を引き抜くのに必要な力を測定する及び/または計算することができる。
【0051】
真皮組織に侵入するのに必要な力は、種によって大きく異なる場合があり、処置する対象及び/または皮膚のタイプや領域によって異なる場合がある。例えば、腹部の真皮組織は顔の皮膚より厚い及び/または丈夫(侵入しにくい)可能性がある。豚の皮はヒトの皮膚よりもかなり厚い及び/または丈夫であり得る。真皮組織に侵入するのに必要な力は、使用される針の数及び/または構成によって異なる場合がある。理論に拘束されることを望まないが、単一の針ハブ上の針の数が増加するにつれて、真皮、例えば真皮の厚さ全体に侵入するのに必要な力が比例して増加する可能性がある。対象の真皮に完全に侵入するのに必要な力またはエネルギーの量を測定することができ、患者の皮膚の強さのインビボの指標、及び/または、z軸の方向にコアリング針に対して皮膚を押すことよって得られる弾力性の指標を、提供することができる。この情報は、対象の皮膚の特徴、例えば皮膚のたるみを評価するのに役立つ場合がある。緩い真皮組織は、健常な及び/またはハリのある皮膚と比較して、侵入する針に対する抵抗が少ない可能性がある。対象の真皮層に侵入するのに必要な力またはエネルギーの測定は、臨床医に有用な診断情報を提供し得る。例えば、対象の皮膚の質が各コアリング処置で改善するにつれて、皮膚の強さの特定の増加(侵入するコアリング針に対する対象の皮膚によってもたらされる増加した弾力性)が処置ごとに監視され得、皮膚の質の改善の指標を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態では、システムのいくつかの電気及び/または機械的パラメータは、例えば、組織の特性を判定するためコアリングの前、最中、及び/または後に、監視され得る。組織の特性は、ボイスコイル(アクチュエータ)の運動学などの組織に入る及び/または出る、1つまたは複数のセンサからのデータ及び/またはzアクチュエータの電気及び/または機械的パラメータからのデータに基づいて推測できる。データは、例えば、前記データを、各z作動の位置の情報(例えば、処置領域のx-y平面内)と組み合わせることにより、組織層(例えば、真皮、表皮、及び/または脂肪)の深度、各層の組織の質(例えば、健常、傷、緩い)を特徴付ける、及び/または組織の特徴、例えば、瘢痕または腫瘍の場所、形、及び/または体積を特徴付けるために、使用できる。
【0053】
いくつかの実施形態において、コアリングのプロセスは、コアリング及び/または1つまたは複数の中空コアリング針からの皮膚組織の除去の成功を確実にするために監視され得る。いくつかの実施形態では、コアリング針を患者の真皮層から除去するために必要な力の測定を使用して、コアの引っ込み/切除が成功したかどうかを示すことができる。1つまたは複数の針の管腔に(新しい)コアが存在する1つまたは複数の針を引っ込めるのに必要な力は、1つまたは複数の針の管腔に(新しい)コアが存在しない1つまたは複数の針を引っ込めるのに必要な力とは異なる場合がある。いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットを使用して、zアクチュエータのボイスコイルから受信したデータ(例えば、位置、速度、及び/またはボイスコイルの加速)、電流の引き込み、逆起電力(逆EMF)及び/または電圧を監視し、例えば、組織から1つまたは複数の針を引っ込めるのに必要な力の変化、及び/または組織から引っ込められている針の速度の変化に基づいて、ボイスコイルデータから成功したコアリング情報を導き出すことができる。いくつかの実施形態では、高周波エネルギーを針に適用することができ、出力パラメータを監視することができる。出力パラメータは、針内部の1つまたは複数のコアの存在に基づいて変化することができ、そのためコアリングの成功または失敗を示す。いくつかの実施形態では、高周波エネルギーを針に適用して、エネルギーを組織に伝達することができ、例えば、針が脂肪または中隔と接触しているときに高周波パルスを与えることによって、コアリングを改善すること及び/または選択的に組織をコアリングすることができる。いくつかの実施形態では、熱は、例えば、高周波エネルギーの伝達を介して、組織内で生成され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中空針と連通している流体システムの量及び/または圧力及び/または流量の変化を、例えば、1つまたは複数の圧力計を使用して監視して、コアリングの成功を判定することができる。いくつかの実施形態では、成功したコアリングは、1つまたは複数の針と連通している流体システムの1つまたは複数の構成要素の目視検査を使用して、例えば、1つまたは複数のカメラを使用して検証することができる。いくつかの実施形態では、流体システムの1つまたは複数の構成要素の電気的パラメータ、例えば、静電容量及び/または抵抗は、1つまたは複数の組織コアの存在を検出するために監視することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の針が皮膚組織に衝突することによって生成される音響信号を検出及び監視することができる。音響信号は、1つまたは複数の針のコアの存在に応じて変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように監視されるパラメータからの情報はまた、摩耗または損傷した針及び/または制限付き及び/または閉塞した針の管腔を検出するために使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、コアが抽出されなかった場合、使用者はコアリングの欠陥について通知され得、例えば、デジタル制御ユニットは、上記のようにコアリングの失敗を示すデータを受信及び処理し、ユーザインターフェイスへの出力信号を生成し、例えば、使用者に警告を表示し得る。次に、使用者は、システムの1つまたは複数の構成要素、例えば、針ハブを調べて、障害物/詰まりがあるかどうかを判定する。使用者は、例えば、コアリングの効果及び/または効率を改善するために、より深い針の深度を選択することができる。理論に縛られることを望まないが、1つまたは複数の針を引き抜くのに必要な総エネルギーを監視することにより、1つまたは複数のコアが完全に抽出されたかどうかを判定できる場合がある。例えば、1つまたは複数の針が真皮の厚さ全体、例えば脂肪層に侵入できない場合、1つまたは複数のコアが下にある(真皮)組織から放たれない可能性がある。これにより、1つまたは複数のコアリング針を引き抜くのに必要な力(エネルギー)が低下する可能性がある。
図8は、時間に対するコアリング手順中のボイスコイルの縦方向変位(z軸の変位)、及び時間に対するボイスコイルにより消費される電力(電圧(V)×電流(I)×ボイスコイル定数(K))の例示的なプロットを示す。ボイスコイルの作動中に測定された電力は、コアがある針を引っ込めるのに必要な電力が、コアのない針を引っ込めるのに必要な電力よりも高い可能性があることを示している。
図9は、ボイスコイルによって行われた仕事、例えばzアクチュエータの尺度として電力曲線下の面積(例えば、
図8に示される)に対するコアリングストローク(例えば、針ハブの単一のz作動サイクルであるストローク)の数の例示的なヒストグラムを示す。コアリングサイクルの成功中にzアクチュエータのボイスコイルによって行われる仕事は、針が、コアを除去せずに、例えば針の管腔にコアがない場合に、皮膚組織に出入りするときに、ボイスコイルによって行われる仕事よりも高次になる可能性がある。したがって、不十分な(部分的)コアリングまたはコアへの不具合が検出され得、デジタル制御ユニットは、例えば、ディスプレイまたは可聴音、あるいはその両方を介して、メッセージまたは警告を使用者に提供し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、針の侵入の深度は、例えば、デジタル制御ユニットを使用して、制御、例えば、デジタル制御され得る。いくつかの実施形態では、針の侵入の深度は、1つまたは複数の機械的限界停止のバックアップを用いてデジタル制御することができる。いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットを使用して、ボイスコイルデータ(例えば、ボイスコイルの位置、速度、及び/または加速)、電流の引き込み(例えば、針の負荷を示す)、及び/または電圧を監視し得て、例えば、ボイスコイルデータから侵入の深度を導き出す。これは、例えば、ボイスコイル、またはその可動構成要素を加速または減速することによって、組織の位置の検出を可能にし、事前に選択された深度で針の進行を停止することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータの動き(変位)及び/またはボイスコイルの(可動構成要素の)動き(変位)が、例えば、1つまたは複数の線形センサ(例えば、1つまたは複数のエンコーダ、例えば、z軸エンコーダ)及び/または1つまたは複数のホーミングセンサ(例えば、1つまたは複数の光学センサ)を使用して監視して、例えば、zアクチュエータが完全に格納されたとき(例えば、ボイスコイルアクチュエータの可動構成要素が皮膚の表面から最も近位の位置にあるとき、例えば皮膚の表面の方向の線形変位がゼロのとき)を検出することができる。いくつかの実施形態では、可動ボイスコイルの運動エネルギーの量は、皮膚に侵入する及び/または所望の深度に到達するのに必要なエネルギーの量と一致する。いくつかの実施形態では、開ループ制御システムを使用して、運動エネルギーに基づいて深度を制御することができる。いくつかの実施形態では、基準加速度計は、例えば、装置の動きを説明するために、デジタル制御ユニットにデータを提供するために、装置またはハンドピースの異なる構成要素、例えば、ハンドピースシェルに取り付けられるか、または接続され得る。
【0058】
硬組織への衝突は、例えば真皮層及び/または皮下脂肪層を越えた侵入などの過剰侵入の結果として発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、コントローラ、例えば、デジタル制御ユニットを使用して、命令されたz軸の位置と、zアクチュエータ及び/またはボイスコイルの実際のz軸の位置との間の不一致を監視することができ、及び/またはzアクチュエータ及び/またはボイスコイルの減速を監視するために使用できる。場合によっては、例えば、針が命令された深度に達する前に、侵入できない構造に衝突するために、命令されたz軸位置と実際のz軸位置との間に不一致が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、そのような不一致が検出され得る場合及び/または減速が特定の閾値を超える場合、例えば減速及び/または加速/減速曲線の振幅が特定の閾値、例えば、約10m/s2、20m/s2、30m/s2、40m/s2、50m/s2、60m/s2、70m/s2、80m/s2、90m/s2、100m/s2、200m/s2、300m/s2、400m/s2、500m/s2、または1000m/s2を超える場合、警告通知が(例えば、ディスプレイを介したデジタル処理ユニットによって)、使用者に伝達され得る。
【0059】
図10は、例示的な通常のコアリング手順中の時間に対するボイスコイルの速度、位置、及び加速度の例示的なプロットを示している。命令されたz軸位置は実際のz軸位置と一致する。また、減速は約250m/s
2未満である。
【0060】
図11は、約600m/s
2の衝撃での減速をもたらす過度の過剰侵入及び硬組織との接触を伴うコアリング手順の前、最中、及び後の、時間に対するボイスコイルの速度、位置、及び加速の例示的なプロットを示している。この例では、針先がひどく損傷していた。いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットは、減速を監視するために使用することができ、例えばディスプレイを介して使用者に障害通知を提供するために使用することができる。特定の閾値よりも大きい測定された減速(例えば、10m/s
2、20m/s
2、30m/s
2、40m/s
2、50m/s
2、60m/s
2、70m/s
2、80m/s
2、90m/s
2、100m/s
2、200m/s
2、300m/s
2、400m/s
2、500m/s
2、または1000m/s
2)では、針の寿命が終了する場合がある。いくつかの実施形態では、針ハブは、例えば、針ハブマウントに取り付けられたときに、例えば、針ハブ上または針ハブ内に配置された無線周波数識別(RFID)チップからデジタル制御ユニットによって受信された信号を介して識別され得る。いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットは、1つまたは複数の損傷した針を含む針ハブが交換されるまで、例えば、(損傷した)針ハブに関連するRFIDチップの除去及び異なるRFIDチップを使用した針ハブの取り付けによって示されるように、装置の使用、例えばzアクチュエータの作動をブロックする用途に使用することができる。
【0061】
深度の制御
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置、例えば装置100、200、または400は、中空針が皮膚へ侵入する深度を、例えば、zアクチュエータ(例えば、zアクチュエータ103、203、または403)の1つまたは複数のパラメータを制御することによって、制御または変更するために使用できる1つまたは複数の特徴または設定を含み得る。いくつかの実施形態では、調整器具、例えば、ベースユニットのユーザインターフェイス上のスクロールホイールなどを使用して、中空針による皮膚への許容される侵入の深度を調整することができる。いくつかの実施形態では、許容される深度の調整は、中空針を物理的に調整する(例えば、引っ込める)ことによって、例えば、装置の遠位端に対して中空針の位置を調整することによって、例えば、zアクチュエータが完全に格納される(作動サイクルの最も近位の位置で)とき、例えば、zアクチュエータの固定したベース構成要素の位置を調整することにより、実行され得る。いくつかの実施形態では、調整器具、例えば、ベースユニットのユーザインターフェイス上のスクロールホイールを使用して、侵入の深度を制御するためにzアクチュエータに電気信号を提供することができる。いくつかの実施形態では、ベースユニットのユーザインターフェイスを含むデジタル制御ユニットは、中空針による皮膚への侵入と皮膚からの収縮の深度及び/またはタイミングを制御することができる。例えば、操作者は、ベースユニットのコンピュータ構成要素をプログラムして、針ハブ及び/または中空針の皮膚への特定の変位を、処置される領域に基づいて要求することができる。本明細書に記載のzアクチュエータは、中空針を、例えば厚い皮膚に(例えば、患者の背中または瘢痕組織内)約10mmまで、または薄い皮膚(例えば、患者の頬)に約1mmまで変位させるようにプログラムまたは設定することができる。本明細書に記載のzアクチュエータは、(i)真皮層内に、(ii)真皮層全体を通って真皮層と皮下脂肪層との接合部まで、または(iii)皮下脂肪層に延びるよう、中空針を変位させるようにプログラムまたは設定することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術で使用することができるフィードバック及び/または深度制御システム(例えば、装置100、200、または400)は、電気的に絶縁された針を含み得る。いくつかの実施形態では、コアリング針は、遠位先端を除いて、電気的に絶縁され得る(例えば、針の外面は、例えば、絶縁コーティングによって電気的に絶縁され得る)、例えば、針は、皮膚に接触するための針の遠位端から約0.2mm、0.5mm、0.7mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmの長さに沿って絶縁させ(曝され)なくてよい。例示的なzアクチュエータ1203に接続され、例示的なスペーサー1230を通過する、例示的な針ハブ1210に取り付けられた例示的な絶縁させた針1250が、
図12に示されている。電気信号、例えば、無線周波数(RF)信号は、先端(例えば、先端1251)及び絶縁された管腔または本体(例えば、本体1252)を有する針(例えば、針1250)に印加され得る。針の先端からの電気的フィードバック(例えば、電圧、電流、及び/またはインピーダンスの変化)は、針が対象の皮膚に侵入するときに、監視することができる。理論に拘束されることを望まないが、針(例えば、針の先端、例えば、先端1251)が真皮層1201を通過し、脂肪層1202に入り始めると、検出されたインピーダンスの測定可能な変化が、例えば、組織タイプ間の電気的特性の違いにより、先端で起こり得る。いくつかの実施形態では、インピーダンスのこの変化は、z軸位置/深度の指標として使用され得て、フィードバック用に使用する、例えばデジタル制御ユニットに送信されることができ、それはひいては、インピーダンス情報を使用して、例えば侵入の深度を制御または調整するために、zアクチュエータへの信号を生成またはトリガーすることができる。例えば、針先が所望の完全な真皮の厚さの深度に達すると、デジタル制御ユニットへのインピーダンスのフィードバックにより、ユニットがzアクチュエータに信号を送り、患者の真皮から停止及び逆転(退縮)することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムは、ボイスコイルデータ、例えば、位置、速度、加速度、電流の引き込み及び/または電圧を監視するために使用され得る制御システム、例えば、デジタル制御ユニットを含み得る。デジタル制御ユニットを使用して、事前にプログラムされたコマンド及び信号に基づいて、及び/または電気的に絶縁された針を含む深度制御システムなどの深度制御システムからの信号に基づいて、zアクチュエータのボイスコイルを制御(例えば、加速または減速)することができる。いくつかの実施形態では、ボイスコイルアクチュエータ及び/またはzアクチュエータの動きは、線形センサ(エンコーダなど)及び/またはホーミングセンサ(例えば、光学センサ)を使用して監視でき、それは、ボイスコイルアクチュエータまたはzアクチュエータの可動構成要素が皮膚の表面から完全に引き込まれたとき、例えば、作動サイクルの最も遠位の位置にあるときを検出し得る。いくつかの実施形態では、例えばカメラを使用するビジョンシステムを使用して、針の移動を監視することができる。装置またはハンドピースの中または上、例えばハンドピースシェルの中または上にある基準加速度計は、例えばデバイスの動きを説明するために、入力データをデジタル制御ユニットに提供することができる。いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットは、ボイスコイル内の運動エネルギーの量を、針ハブが特定の距離に到達するために必要なエネルギー、例えば、針が特定の深度に到達するために必要なエネルギーに一致させるようにプログラムされ得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、露出したRFの先端、例えば、針先端1251が完全に脂肪層内に配置されるまで、またはRFの先端が脂肪層の所定の深度(例えば、脂肪層の深度1mm、2mm、または3mm)に達するまで、針をさらに前進させてよい。これは、スキンコアだけでなく脂肪の除去も所望される用途に役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、皮下注射針、例えば、皮膚をコアリングすることを意図しない内径1mm未満の針を、対象の真皮の中及びそれを通って下の脂肪層内に前進させることができ、その結果、対象の真皮を経て穴に至り得るが、コアはもたらさない。いくつかの実施形態において、真皮の下の脂肪または他の組織は、例えば、脂肪吸引手順を使用して、針の管腔を介して引き抜かれ得る。いくつかの実施形態では、脂肪層に到達したというRFの先端からの信号は、組織吸引機構を作動させるために使用され得るデジタル制御ユニットへの入力信号として使用され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、装置は、1つまたは複数の皮膚の表面または層検出技術を含み得る1つまたは複数の深度制御システムを含み得る、またはそれらに接続され得る。皮膚の表面または皮膚の層の検出技術は、針の静電容量を監視し、その変化を検出して、皮膚の層に対する針の位置/深度を推測するシステム及び/または方法を含み得る。皮膚の表面または皮膚の層の検出技術は、音響技術、例えば、皮膚の表面への1つまたは複数の針の衝撃を「聞く」ために使用され得るマイクロフォンを含み得る。皮膚の表面または皮膚層の検出技術は、皮膚の表面の位置及び/または針/ボイスコイルの移動を検出及び/または監視するための視覚システム(例えば、1つまたは複数のカメラ)を含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、深度制御システムは、例えば、針の進行を制御する(例えば、停止する)ために、真皮/脂肪の界面を検出するための1つまたは複数の技術を含み得る。静電容量は空気から真皮、脂肪にかけて変化し、インピーダンスの検出及び/または監視の技術に類似した技術を使用して、例えば1つまたは複数の絶縁または部分的に絶縁された針を使用して、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)を断熱材として使用して、検出及び/または監視できる。
【0067】
いくつかの実施形態では、深度制御システムは、超音波、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)、または他の音響または視覚ベースの技術を使用して、1つまたは複数の針による侵入、例えば、脂肪/真皮の侵入の深度を評価するための1つまたは複数の技術を含み得る。いくつかの実施形態では、真皮層の厚さは、視覚、音響、または電気のシステムまたは方法によって以前に除去されたコアを評価することによって判定することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、機械的深度制御技術を、本明細書に記載の技術と共に使用することができる。機械的深度制御技術は、1つまたは複数の深度制御スペーサー、例えば、本明細書に記載のスペーサーフレームに取り付けられた深度制御スペーサー要素、または針ハブのz作動を制限し得る他の移動制限器具を含み得る。いくつかの実施形態では、機械的深度制御技術は、単独で、または例えば上記のように、電気技術と組み合わせて使用することができる。
図13は、本明細書に記載の例示的な装置の2つの実施形態を示し、各実施形態は、装置の遠位端、例えば、本明細書に記載の(真空)スペーサーフレームに、またはその上に、異なる長さの深度制御スペーサー要素1301または1301’を有する。一定の針の長さ及び作動距離では、深度制御スペーサー要素によって、より長い針の作動距離が範囲とされるので、より長い深度制御スペーサー要素は、より浅い侵入の深度を引き起こす可能性がある。
図14は、侵入の深度を制御するための異なる長さの針、例えば、例示の針1450、1450’、及び1450’’を備えた3つの異なる例示の針ハブ構成を示す。
図15は、本明細書に記載の例示的な装置の例示的な実施形態を示し、深度制御スペーサー要素1501は、例示的な装置の遠位端の管状領域にねじ込まれる。針の侵入の深度は、深度制御スペーサー要素の位置を調整することによって、例えば、装置のねじ込み式の端部領域で深度制御スペーサー要素を回転させることによって制御することができる。
図16は、zアクチュエータ、zアクチュエータ1603、及び/またはボイスコイルアクチュエータの可動構成要素であるかまたはそれを含むことができる作動ユニットを(動作中に皮膚の表面に対して)上昇または下降させるための機構、例えば、雌ねじ式機構を含む、本明細書に記載の例示的な装置の例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態では、雌ねじ式機構は、ラックアンドピニオンまたはラックアンドワームの配置、例えば、ラック1601及びワーム1602であるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、雌ねじ式機構は、手動で作動させることができ(例えば、ホイールを介して、例えば、ハンドピースシェル、例えば、ホイール1604上で)、またはモーターを介して作動させることができる。
【0069】
反動補償器
z軸ボイスコイル(またはその可動構成要素)が加速及び減速するとき、例えば、ハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)及び/またはzアクチュエータを含む作動ユニットを収容するハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121、221、または421)を含む装置に反力を与えることができる。ハンドピースは、使用者、操作者が保持することができ、最適な人間工学に構成することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース及びその構成要素(例えば、ハンドピースシェル)は、例えば、使用者の快適さのために、可能な限り軽量に作られている。理論に拘束されることを望まないが、装置の質量が小さいと、装置の慣性が低下するため、ハンドピースに感じられる反動効果が悪化する可能性がある。いくつかの実施形態では、複数の針、例えば、針アレイを使用することができる。所与の針ハブ上の針の数が多いほど、それに対応して、針を患者の真皮に、または患者の真皮を通して打ち込むために、例えば全厚さのコアを得るために、より大きい規模の加速が必要となり、これは、使用者が感じる反動を悪化させる可能性がある。本明細書に記載の装置、例えば、超軽量ハンドピースを備えた装置及び/または複数の針を備えた針ハブは、反動補償機構の恩恵を受ける可能性があり、使用者の体験及び/またはハンドピースの位置の安定性を、例えば質量カウンタをz軸ストロークに移動し、使用者の感じる反動をキャンセルまたは減少させることにより、向上させ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、複数のボイスコイルアクチュエータを含み得る。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、それらの移動軸に沿って配置されたデュアルカウンタボイスコイルまたはボイスコイルアクチュエータを備える。デュアルカウンタボイスコイルは、動作中に一方のボイスコイル(またはその可動構成要素)が他方のボイスコイル(またはその可動構成要素)の運動量の変化の影響をキャンセルまたは低減するように使用することができる。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、動作中のボイスコイル(またはその可動構成要素)の運動量の変化の影響を低減するために、反動補償器、例えば、カウンタバランス質量を含み得るか、またはそれに接続され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、z軸カウンターマスコントローラーを含むシステム(例えば、デジタル制御ユニット)にフィードバックを提供し得るハンドピース加速度計(例えば、ハンドピースシェルに取り付けられているか、または接続されている)を含み得る。ハンドピース加速度計によって検出される加速度を最小限に抑えるために、z軸カウンターマスコントローラーを使用できる。いくつかの実施形態では、z軸カウンターマスコントローラーは、カウンターマスウェイト、例えば金属片を含み得、これは、装置の中または上、例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピースシェル内または上に、zアクチュエータ及び/またはZアクチュエータによって変位した針ハブのボイスコイル(またはその可動構成要素)の運動方向と実質的に平行及び/または反対の方向に移動可能に取り付けられ得る。z軸カウンターマスコントローラーは、カウンターマスウェイトを動かすためのモーターを含み得、電子制御システムを含み得る。いくつかの実施形態では、電子制御システム(例えば、デジタル制御ユニット)を使用して、例えば、加速度計から得られたデータに基づいて、装置、例えば、ハンドピースの動きを監視し、カウンターマスウェイトを、装置、例えば、ハンドピースの移動方向と反対の方向に、移動させることができる。いくつかの実施形態では、電子制御システムを使用して、zアクチュエータの針ハブ及び/またはボイスコイルの動きを監視し、針ハブ及び/またはボイスコイルの動きの方向と反対の方向にカウンターマスウェイトを動かすことができる。いくつかの実施形態では、z軸カウンターマスウェイトは等しい重量であり得、zアクチュエータのボイスコイル(またはその可動構成要素)と等しいが反対の加速度及び/または速度で移動され得、これは、加速度計からの加速度のフィードバックなしで、z軸ボイスコイルの動きによって引き起こされた反動をキャンセルし得る。いくつかの実施形態では、カウンターマスウェイトは、zアクチュエータまたはzアクチュエータによって変位された針ハブのボイスコイル(またはその可動構成要素)と実質的に同じ速度で、実質的に同じ距離を移動することができる。いくつかの実施形態では、カウンターマスウェイトは、装置の操作者によって感じられる反動を、キャンセルするのではなく減らすように作用することができる。例示的な実施形態では、z軸カウンターマスウェイトは、zアクチュエータまたはzアクチュエータによって変位された針ハブのボイスコイル(またはその可動構成要素)の移動方向と反対の方向に移動することができるが、zアクチュエータのボイスコイル(の可動構成要素)またはzアクチュエータによって変位した針ハブの移動距離のほんの一部によってのみである。これにより、感じられる反動の最悪の「エッジ」が減少する可能性がある。これは、zアクチュエータまたはzアクチュエータによって変位した針ハブのボイスコイル(またはその可動構成要素)の移動距離の終わりで発生する可能性があり、最大加速または最大減速の期間であり得る。いくつかの実施形態では、反動補償カウンターマスウェイトは、zアクチュエータと実質的に同様のボイスコイルアクチュエータによって駆動され得、反動補償ボイスコイルアクチュエータは、往復カウンターマスウェイトを、zアクチュエータのボイスコイル(またはその可動構成要素)またはzアクチュエータによって変位された針ハブの移動の方向と反対の方向に動かすように配置される。
【0072】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、装置またはその構成要素を低温(例えば、約43℃未満、例として、約43、42、41、40、39、38、37、36、または35℃未満)に維持するように構成され得て、対象及び/または使用者の不快感を回避する、及び/または皮膚組織への損傷を回避する(例えば、皮膚組織のコラーゲンは高温、例えば40℃を超える温度に敏感)。低温を維持する特性を有するアクチュエータの種類には、ボイスコイルアクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、カム付きモーター、親ねじ付きモーター(例えば、ステッピングモーター)、及び圧電アクチュエータが含まれる。いくつかの実施形態では、低温zアクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータである。
【0073】
XYアクチュエータ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、針ハブ及び/または1つもしくは複数の中空針を皮膚を横切って並進させるための「x」及び/または「y」アクチュエータ(例えば、x/yアクチュエータ)、例えば、xアクチュエータ101、201、もしくは401、及び/またはyアクチュエータ102、202、もしくは402を含み得る。x/yアクチュエータは、皮膚処置の適用範囲を確立するために使用される場合がある。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、変位範囲(例えば、第1のx/y位置と第2のx/y位置の間の最大距離)が比較的小さく、例えば約10mm未満(例えば、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mm)の場合がある。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、変位範囲が比較的大きい場合がある(例えば、最大約30mm)。x/yアクチュエータは、高い位置精度(例えば、選択された位置と実際の位置との間の距離、例えば、中空針の距離)で動作することができる。例えば、x/yアクチュエータは、選択した位置から半径30μm以内(例えば、30、25、20、15、10、または5μm以内)で皮膚に侵入するように中空針を配置することができる。x/yアクチュエータは、処置領域全体で継続的な処置を可能にする可能性のある高い位置の精度で動作する可能性がある。高い位置の精度は、以前に作成された穴に再び入れるようにする場合、及び/またはコアリングが完全には達成されなかった場合など、以前にターゲットにした位置でコアリングを繰り返す場合がある。いくつかの実施形態では、針は、例えば、2つの入口の間でxまたはy方向に並進することなく、以前に作成された、または以前に同じ針によって標的にされた穴に再び入ることができる。いくつかの実施形態では、針は、以前に作成された、または以前に別の針によって標的にされた穴に入ることができる。いくつかの実施形態では、薬物または他の物質を穴に送達するために、針は、以前に作成された穴に再び入ることができる。
【0074】
処置領域は、複数の処置部位を含む皮膚の領域、例えば、9つの1cm2の処置部位を含む3cm×3cmの処置領域であり得る。x/yアクチュエータは、針ハブ及び/または装置の1つまたは複数の中空針の、1つの治療部位から治療領域内の隣接する治療部位への移動を容易にし得る。x/yアクチュエータは、針ハブ及び/または装置の1つまたは複数の中空針の、各治療領域内の移動を容易にし得る。x/yアクチュエータは、治療領域内の隣接する治療部位間のギャップを回避し、及び/または治療領域内の隣接する治療部位間の重複を回避し得る高い位置の精度で動作し得る。いくつかの実施形態で、x/yアクチュエータにより、様々な穴のパターンを作成できる場合がある。いくつかの実施形態では、穴のパターンは、規則的または不規則、均一または不均一であり得る。通常のパターンには行及び/または等間隔の穴のアレイが含まれる。不規則なパターンにはランダムなパターンが含まれる。均一なパターンには、長方形または等間隔の穴のアレイが含まれる。不均一なパターンには、間隔の異なる穴のあるアレイが含まれる。いくつかの実施形態では、パターンは、例えば、組織の状態及び/または望ましい処置の効果に一致するように、事前に設定または事前にプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、パターンは、デバイスの動作中に変更または修正され得る。本明細書で説明される技術で生成され得るアレイのパターンは、以下で詳細に説明される。
【0075】
x/yアクチュエータはまた、処置時間を最小限に抑えるために、比較的高速で動作する場合もある。いくつかの実施形態では、x及び/またはy方向における1つの作動サイクルは、約50ミリ秒から約250ミリ秒(例えば、50、75、100、125、150、175、200、225、または250ミリ秒)要する場合がある。いくつかの実施形態では、x及び/またはy方向の1つの作動サイクルは、約120ミリ秒から約160ミリ秒(例えば、120、125、130、135、140、145、150、155、または160ミリ秒(例えば、約140ミリ秒))を要する場合がある。いくつかの実施形態では、x及び/またはy方向の1つの作動サイクルは、約0.6mmから約1mm(例えば、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、または1mm)移動するために、約120ミリ秒から約160ミリ秒(例えば、120、125、130、135、140、145、150、155、または160ミリ秒(例えば、約140ミリ秒))を要する場合がある。いくつかの実施形態では、x及び/またはy方向における1つの作動サイクルは、約0.833mm移動するのに約140ミリ秒要する場合がある。
【0076】
いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、中空針ごとに約0.5Nから約20Nの力(例えば、0.5N~0.75N、0.5N~1N、0.5N~1.25N、0.5N~1.5N、0.5N~2N、0.5N~5N、0.5N~10N、0.5N~12N、0.5N~15N、0.5N~20N、0.75N~1N、0.75N~1.25N、0.75N~1.5N、0.75N~2N、0.75N~5N、0.75N~10N、0.75N~12N、0.75N~15N、0.75N~20N、1N~1.25N、1N~1.5N、1N~2N、1N~5N、1N~10N、1N~12N、1N~15N、1N~20N、1.25N~1.5N、1.25N~2N、1.25N~5N、1.25N~10N、1.25N~12N、1.25N~15N、1.25N~20N、1.5N~2N、1.5N~5N、1.5N~10N、1.5N~12N、1.5N~15N、1.5N~20N、2N~5N、2N~10N、2N~12N、2N~15N、2N~20N、5N~10N、5N~12N、5N~15N、5N~20N、10N~12N、10N~15N、10N~20N、12N~15N、12N~20N、または15N~20N)で動作することができ、皮膚を横切って針を並進させるように適用することができる。いくつかの実施形態では、中空針あたり約5Nから15N(例えば、10N)の力を加えて、針を皮膚を横切って並進させることができる。
【0077】
x/yアクチュエータは、装置またはその構成要素を低温(例えば、約43℃未満、例えば、約43、42、41、40、39、38、37、36、または35℃未満)に維持するように構成し、対象及び/または使用者の不快感を生じる可能性のあるレベルまで装置の温度を上げることを避けることができる。低温を維持する特性を有するアクチュエータの種類には、ボイスコイルアクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電磁アクチュエータ、カム付きモーター、圧電アクチュエータ、及び親ねじ付きモーター(例えば、ステッピングモーター)が含まれる。いくつかの実施形態では、x/yアクチュエータは、親ねじ付きステッピングモーターである。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置の1つまたは複数の構成要素は、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針を固定するように、及び/または中空針(複数可)の角運動(例えば、ぐらつき)を防止または最小化するように選択または設計することができる。いくつかの実施形態では、x、y及び/またはzアクチュエータは、針ハブ及び/または1つまたは複数の中空針のいずれかの大きな角度の動き(例えば、ぐらつき)を引き起こすことなく動作し得る。いくつかの実施形態では、zアクチュエータは、1つまたは複数の中空針のいずれかの大きな角運動(例えば、ぐらつき)なしに、直線に1つまたは複数の中空針を挿入する及び/または引き抜くことができる。挿入中の針(複数可)の角運動を5度未満、例えば4、3、または2度未満に最小化または低減するように、中空針を針ハブに固定することができる。約1~1.5度という挿入中の針の角運動は公称公差内である可能性があるが、約4~5度以上という挿入中の針の角運動は、可能であれば、避ける必要がある場合がある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中空針(複数可)を針アセンブリの他の構成要素、例えば針ハブに結合する構成要素は、1つまたは複数の中空針をしっかりと固定するために低い機械的公差で設計され得る。これにより、繰り返し使用することにより生じる可能性のある中空針(複数可)の構造的完全性の不安定化及び/または低下の蔓延を減少させ得る、またはそのリスクを低下させる可能性がある。針(複数可)をしっかりと固定すると、針(複数可)の効果を低下させる可能性のある針先端(複数可)のくすみ、湾曲、及びねじ曲がりを防止し得る及び/または最小限に抑え得る。針(複数可)をしっかりと固定することで、過度に打つリスク(例えば、針によって作られた穴を再び打つ)を減らすこともできる。
【0079】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ、例えば、z、x、及びyアクチュエータは、1つまたは複数のボタン、キー、トグル、スイッチ、ねじ、ダイヤル、カーソル、スピンホイール、または他の構成要素によって、独立してまたは一緒に作動させることができる。いくつかの実施形態では、z、x、及びyアクチュエータのそれぞれは、別々に制御することができる(例えば、ボタンなどの別々の起動構成要素を使用することによって、またはユーザインターフェイスで別々の制御を使用することによって)。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、アクチュエータまたはセンサからのまたはそれへの1つまたは複数の入力信号または出力信号を選択し、単一のラインで信号を送信するマルチプレクサを含む。
【0080】
回転ステージ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置及び/または作動ユニットは、例えば、処置される皮膚の表面に垂直な軸の周り、例えば、z軸の周りに、針ハブを回転させるための回転ステージであり得るか、またはそれを含み得る。回転ステージは、1つまたは複数のモーター及び/またはアクチュエータ、例えば、電気モーター、例えばステッピングモーターを含み得る。いくつかの実施形態では、回転ステージは、例えば、上記のようなzアクチュエータ、及び/または回転機構であるか、またはそれを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、zアクチュエータの動きまたはzアクチュエータによる動きは、針ハブ及び/または1つまたは複数の針、例えば針アレイに、例えば、約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または90度の回転、及び/または約100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、180度、200度、210度、220度、230度、240度、250度、260度、270度、280度、300度、310度、320度、330度、340度、350度、または360度の回転を引き起こし得る。例示的な実施形態では、zアクチュエータのまたはそれによる各々の動きは、針ハブ及び/または1つもしくは複数の針、例えば針アレイに、例えば、zアクチュエータのz軸の周りの回転を生じさせ得る。例示的な実施形態では、3x3の針アレイは、zアクチュエータの各作動中に90度回転させることができる。この例では、
図17及び
図18に示されるように、パターンは4つの象限を有し得、4つのz作動(またはストローク)が完全なパターンを含み得る。例示的な実施形態では、装置は、順次パターン化のために使用され得るか、またはそのように構成され得、例えば、すべての針は、同じ象限または同等物、例えば、任意のサイズまたは形状(例えば、三角形、長方形、または多角形)のセクタに作用する(
図17を参照)。例示的な実施形態では、装置は、同時のパターン化のために使用または構成され得、例えば、針は、2つ以上の異なる象限または同等物(例えば、任意のサイズまたは形状のセクタ)に作用し得る。
図18は、同時のパターン化の例を示している。部分的に塗りつぶされた円は、現在のz作動中に作成された穴を示し、完全に塗りつぶされた円は、前のz作動中に作成された穴を示す。本明細書に記載の装置は、穴のパターンを完成させるために任意の数のストローク用に構成することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、単一の平面並進機構、例えば、円の半径に沿った並進を含む回転機構を使用することができる。針ハブ及び/またはデカルト座標系(x、y)のzアクチュエータの位置をエンコードする代わりに、針ハブ及び/またはzアクチュエータの位置は、極の座標(例えば、半径r、角度シータ)でエンコードできる。いくつかの実施形態では、2自由度の回転機構を使用することにより、x/y並進の必要性が排除され、したがって、xアクチュエータ及び/またはyアクチュエータの必要性が排除され得る。これにより、装置の重量が減少し、ハンドピースのサイズが減少し、及び/またはコストが削減する可能性がある。ハンドピースのサイズ、例えば、ハンドピースのシェルの直径の縮小は、本明細書に記載の装置の使いやすさに関して、使用者にとって有利である可能性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、例えば、
図19に示すように、回転ステージまたは格納式の「ペンクリック」タイプの回転機構、及び反動補償器(例えば、z軸の加速/減速によるハンドピースの動きを低減または排除するためにzアクチュエータの反対側に移動するカウンターマス)を含み得る超微細精度、軽量、及び低コストのコアリング装置であり得る。
【0083】
針ハブ
本明細書に記載の技術は、針ハブを含むシステム及び/または装置を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、1つまたは複数の針ジョイントを含む針ハブアセンブリであるか、またはそれを含み得て、例えば1つまたは複数の(中空の)針を受け入れる及び/または保持する。いくつかの実施形態では、針ハブは、壁、第1の端部及び第2の端部を有する第1の管腔を含み得る。第1の管腔は、例えば、第1の管腔の第1の端部が皮膚に接触するための中空針の遠位端にある、中空針の管腔を含み得るか、またはそれと流体連通していてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、針ハブは、2つ以上の管腔を含む、例えば、互いに流体連通している針ハブアセンブリであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、壁、第1の端部及び第2の端部を有する第2の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔は、第1の管腔と流体連通していてもよく、例えばそれにおいて第1の管腔は、中空針の管腔を含み得るか、それとまたは流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔は、第1の管腔の第2の端部が第2の管腔の壁に開口部を形成するように接合部を形成する、第2の管腔に接続され得る。これは、以下でさらに説明するように、第1の管腔からの(例えば、例示的な中空針からの)材料、例えば、スキンコアの除去を促進し得る。2つの管腔を備えた例示的な針ハブ2010が
図20A及び20Bに示されている。
【0085】
第1及び第2の管腔及び/または第1の管腔と第2の管腔との間の接合部は任意の形状及び/または構成を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の管腔及び第2の管腔のそれぞれは、実質的に真っ直ぐであり得、第1の管腔は第2の管腔に実質的に垂直であり得、T字形の接合を形成する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の管腔は、ある角度で、例えば、約0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、または90度で接続され得る。いくつかの実施形態では、第1の管腔及び第2の管腔の一方または両方が湾曲していてもよい及び/または実質的に直線及び/または湾曲したセクションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、管腔、例えば、第1の管腔及び第2の管腔の一方または両方は、管腔の長さに沿って一定の直径を有し得るか、または管腔の長さに沿って変化する直径を有し得る。管腔は、任意の断面形状、例えば、円形、正方形、楕円形、長方形、角形、またはそれらの任意の組み合わせを有し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の管腔は、例えば、第1の管腔の第1の端部が、皮膚に接触するための中空針の遠位端にある、中空針(例えば、針2050)の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔の第1の端部は、流体吸入ノズル、例えば、空気取り入れノズル2001であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、流体吸入ノズルは、収束ノズル、発散ノズル、収束発散ノズル、円筒形ノズル、及び/またはフルストコニカルノズルであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔または流体吸入ノズルは、ノズルを通過する流体から不純物(例えば、ほこり)を除去するためのフィルタ、例えばフィルタ2003を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔の第1の端部(例えば、ノズル)は、例えば、入口2002で、周囲雰囲気に曝され得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔の第1の端部(例えば、ノズル2001)は、例えば、第2の管腔の第2の端部の出口2004で、流体導管に接続され得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔の第1の端部(例えば、ノズル2001)は、流体導管に接続されなくてもよい。
【0087】
コアの除去
本明細書に記載の針ハブは、中空針からの組織の除去のために、またはそれを容易にするために使用することができる。いくつかの実施形態では、針ハブは、組織、例えば、1つまたは複数のスキンコアを1つ以上の針から除去するのを容易にするために使用され得る、流体システム、例えば流体ベースのコア除去システムに接続され得るか、またはその一部であり得る。コアリング針が対象の皮膚組織の真皮(及び/または下の脂肪層に)の中または真皮を通して打ち込まれるとき、例えば1つまたは複数の完全な厚さのスキンコアが、針の管腔に押し上げられる。同じ針で反復操作していると、中空針の管腔及び/または針ハブの第1の管腔内に複数のスキンコアがたまることがあり、一緒に圧縮される場合がある。反復操作すると、1つまたは複数のスキンコアが中空針の管腔及び/または針ハブの第1の管腔を埋める可能性がある。同じ針を反復操作すると、1つまたは複数のスキンコアが中空針の管腔の開口部から及び/または針ハブの第1の管腔から(例えば、第1の管腔の第2の端部から)押し出される可能性がある。いくつかの実施形態では、第1の管腔は、上記のように第2の管腔に接続することができ、例えば、第1の管腔は、第1の管腔の第2の端部が第2の管腔の壁に開口部を形成するように接合部を形成する第2の管腔に接続する。いくつかの実施形態では、第2の管腔の第2の端部は、低圧または(部分的)真空が導管に適用されるとき、低圧または(部分的)真空が第1の管腔及び第2の管腔に誘導されるように、例えば、流体が第2の管腔の第1の端部を通って第2の管腔に引き込まれるように、流体導管に接続することができる。
【0088】
理論に拘束されることを望まないが、コアが第1の管腔、例えば中空針の管腔から出現し始め、第2の管腔に入ると、コアは第2の管腔における流体の流れ(例えば、気流、例えば、高速気流、例えば、(ほぼ)超音速気流)及び関連する抗力との交差に曝され得る。任意の流体、例えば任意のガス(例えば、空気、二酸化炭素、または窒素ガス)または任意の液体(例えば、水、生理食塩水、水溶液、または油)、またはそれらの任意の組み合わせを使用することができる。いくつかの実施形態では、第2の管腔内の流体の流れ(例えば、気流)は、第1の管腔から現れる第1のコアの側面に横方向の力(抗力)を及ぼし、これは、コアを第1の管腔から引き込むことができる(例えば、コアは柔軟性があり、曲がる可能性があるため、コアの側面に作用する力を引張力に変換するため)。いくつかの実施形態では、同じ針の反復操作中に、複数のコアが中空針の管腔及び/または第1の管腔に入ることができる。第1の管腔内の出現するコア(例えば、第1のコア)の後ろに(例えば、第1の管腔、例えば中空針の管腔に沿って遠位に)積み重なる1つまたは複数のコアは、出現するコアを第2の管腔に押し込むことができる。いくつかの実施形態では、コア(例えば、出現するコア)は、流体の流れからの横方向の力と、出現するコアの後ろに積み重なる1つまたは複数のコアから加えられる力の両方に曝され得る。いくつかの実装形態では、吸引力が第1の管腔(例えば、中空針の管腔)に作用し得、これにより、1つまたは複数のコアが第1の管腔から、例えば第2の管腔に吸引され得る。
図20Cは、例えば、針ハブ2010における例示的なコア除去手順を示す図であり、真空ライン2005を介した針ハブ2010との流体接続において第2の管腔の下流の真空源によって、空気が空気取り入れ口2002を介して第2の管腔に引き込まれる。1つまたは複数のスキンコア2000を第1の管腔から第2の管腔に引き込むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、管腔、例えば第2の管腔は、ベンチュリ様ノズルとして構成され得る。流体、例えば空気は、ノズル、例えば、第2の管腔の第1の端部にある流体吸入ノズルを通して引き出され得る。いくつかの実施形態では、流体吸入ノズルは、フィルタ、ノズル入口、及び/または断面の狭窄部を含み得、それに続くより大きな断面のチューブ、例えば、第2の管腔は、収束発散ダクトとして構成され得る。いくつかの実施形態では、一定の気流が、流体吸入ノズルを通して引き出され得る。流体の流れ、例えば、空気の流れは、管腔の収束部分を通って加速し、収束発散ダクト、例えば、管腔の最小断面積の狭窄部で最大空気速度に達する可能性がある。第1の管腔は、第1の管腔の第2の端部(例えば、中空針の近位端)が狭窄部でまたはその近くで第2の管腔の壁に開口部を形成するように接合部を形成する第2の管腔に接続され得る。第1の管腔の第2の端部(例えば、中空針の近位端)を横切る空気の速度は、第1の管腔の第2の端部(例えば、その中及び/またはその周辺)で低圧を生成するように十分に高くてもよい。第1の管腔の第2の端部での低圧(例えば、大気圧より低い圧力)は、第1の管腔に吸引を生じさせ、これにより、第1の管腔内の1つまたは複数のコアが、第1の管腔の第2の端部に向かって及び/またはそれから引かれる可能性がある。このプロセスは、単独で、または例えば第1の管腔の皮膚組織への移動によって引き起こされる、例えば第1の管腔の第1の端部を介して第1の管腔に引き込まれる1つまたは複数の(積み重ねられた)コアによって及ぼされる力と組み合わせて発生し、第1の管腔内部の新しいコアの形成を引き起こし得る。
【0090】
図21及び
図22は、例示的なチャネル(例えば、第2の管腔)での計算流体力学(CFD)のシミュレーションの結果を示しており、「急な」円錐/フルストコニカルの入口(収束)を含む、及び入口(発散)から下流のより長い「浅い」フルストコニカルプロファイルを備える。例示的なモデルは、例示的な針の管腔を含むか、またはそれに接続された管腔を表す3つの追加のチャネル(例えば、第1の管腔)を含む。この例示的なシミュレーションでは、コアリング針の管腔(例えば、第1の管腔)がブロックされて、コアが積み重ねられて針の管腔がブロックされているかのように流れの効果が示される。積み重ねられたコアは互いに付着する可能性があり、コアのスタックから各コアを「切り離す」ために、非常に高速の気流(例えば、ガスの場合は(ほぼ)超音速の流れ)が必要になる場合がある。流体の流量及び/または速度はチャネルのサイズに依存する場合がある。流体(例えば、ガス(例えば、空気))の流量は、チャネル内の最大マッハ数が約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、または1.0になるように調節され得る。いくつかの実施形態では、チャネル内の最大マッハ数は約0.72である。いくつかの実施形態では、チャネル内の流れは超音速であり得る(例えば、チャネル内の最大マッハ数は、約1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、または2.0である)。
図21は、矢印が流れの方向を示すチャネルの切欠セクションを示している。矢印のグレースケールは、例のチャネルの外側のほぼゼロから、例の第2のチャネルの最も狭い点のまたはその近くの(ほぼ)超音速流(マッハ1)までの範囲の流速を示す。
図22は、グレースケールが流体圧力を示すチャネルの切欠セクションを示している。例示的なチャネルの発散部分で減圧が観察され、これは第1の管腔への吸引力を示し得る。
【0091】
本明細書でさらに説明するように、上記の第1及び第2の管腔を含む例示的な流体システムは、補助技術、例えば、1つまたは複数のバルブ、ポンプ、フィルタ、組織トラップ、チューブ、及びチューブコネクタを含むか、またはそれらに接続することができる。管腔、例えば第2の管腔を通る流体の流れ(例えば、空気の流れ)は、連続的またはパルス状に制御され得る。いくつかの実施形態では、流体の流れはオン/オフにパルス化される。パルス状の流れは、スキンコアに作用する力の方向の変化を引き起こす可能性があり、それはスキンコアの除去及び/または流体の流れでの輸送を助けることができる。いくつかの実施形態では、流体システム(例えば、吸引システム)は、1つまたは複数の中空針の管腔に直接接続され得、例えば、上記のように、第2の管腔及びクロスフローシステムなしで、1つまたは複数の第1の管腔に接続され得る。
【0092】
流体ベースのコアの除去には、他の構成と技術を使用できる。いくつかの実施形態では、ガスの流れ(例えば、空気の流れ)の代わりに液体の流れを使用して、1つまたは複数のコアを除去することができる。いくつかの実施形態では、閉ループ油圧システムを使用して、管腔(例えば、第2の管腔)を通して液体を吸引して、1つまたは複数のコアを除去することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術で使用される針及び/または第1の管腔は、1つまたは複数の横方向の開口部を有し得る。いくつかの実装形態では、例示的な針2351及び/または第1の管腔は、2つ以上の横方向の開口部、例えば
図23Aに示されるように、例えば、互いに向かい合った2つの開口部を有し得る。いくつかの実施形態では、流体デバイス、例えば、吸引デバイスまたはマニホルド2302は、第1の横方向の開口部の上またはその近くに配置することができる。負圧または吸引力は、流体デバイス、例えば、吸引デバイスに加えられ得る。第2の開口部及び/または針の管腔及び/または第1の管腔に、負圧または吸引力が誘導され得る。針管腔及び/または第1の管腔の内部にある1つまたは複数のスキンコア2000が、吸引力で、例えば第1の開口部を介して上及び/または外に吸引され得る。いくつかの実施形態では、横方向の開口部は、例示的な針2352の管腔及び/または第1の管腔への突起2353を含み得るか、またはそれに接続され得て、例えば、1つまたは複数の組織コア2000を針管腔及び/または第1の管腔から、例えば
図23Bに示されるように誘導する。いくつかの実施形態では、コア2000は、単純な積み重ねによって針から除去され得る。古いコアは、例えば
図23Bに示されるように、例えば横方向の開口部から押し出される、針の繰り返し挿入によって生成される後続のコアによって押し出され得る。いくつかの実施形態では、横方向の開口部からコア2000を除去するために吸引を使用することはできない。
【0094】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコア2000は、内部除去ツール、例えば、プッシュロッドによって、管腔、例えば、第1の管腔から除去され得る。いくつかの実施形態では、内部組織除去ツールは、中空針の管腔の内側に適合するピストンまたはピンであり得る(例えば、管腔の内側に(部分的)真空を作り出すことなく(例えば、組織除去ツールと中空針の管腔の壁の間の空隙は、空気の通過を可能にするのに十分な大きさであり得る))。いくつかの実施形態では、内部除去ツールはピストンであり得る。除去ツール(例えば、ピストンまたはプッシュロッド)は、コアリングされた組織部分の構造的完全性を壊さない場合がある。いくつかの実施形態では、内部除去ツール(例えば、ピストンまたはプッシュロッド)は、1つまたは複数のコアリングされた組織部分を、完全に除去するのが難しい可能性のあるコアリングされた組織部分の断片としてではなく、代わりに、実質的に無傷のコアリングされた組織部分として、第1の管腔(例えば、中空針)の管腔から押し出すことができる。除去プロセス中に実質的に無傷の組織部分としてコアリングされた組織部分の構造的完全性を維持することは、中空針からの効率的かつ完全な組織の除去を容易にし得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、組織除去ツールは、流体システム、例えば、流体ベースのコア除去システムと組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の例示的な針2450は、針の先端が、例えば、
図24Aに示されるように、マニホルド管腔を含む吸引マニホルド、例えば、マニホルド2403の中またはそれに隣接して配置され得るように、皮膚から針チャネル内に後退し得る。いくつかの実施形態では、マニホルド、例えば、マニホルド2403は、2つの吸気口で構成され得る。マニホルド管腔と針チャネル2404との交差の上流の第1の吸気口、例えば、吸気口2401は、例えば、流体の流速を加速するためのノズル、例えば収束ノズルであり得るか、またはそれを含み得る。第2の吸気口、例えば吸気口2402は、針チャネル2404との交差の下流に配置することができる。針管腔内にコア2000を含む針2450が針チャネル内に引っ込められ、例えば、近位方向に移動するとき、針管腔内の除去ツール、例えば、プッシュロッド2410は、コアが近位方向、例えばマニホルド管腔と針チャネルの交差の交差にまたはその近くに移動することを防止する。除去ツール、例えば、プッシュロッド2410は、静止しているか、または移動可能であり得、例えば、針の移動方向と反対の方向に移動し得る。いくつかの実施形態では、例えば、除去ツールによって所定の位置に保持されたコアと組み合わせた針の近位方向の動きは、例えば、
図24Bに示されるように、コア2000を流体の流れに曝す。スキンコア2000は、第2の吸気口、例えば、吸気口2402を通して吸引され、及び/または第1の吸気口、例えば、吸気口2401を通して生成された流体の流れによって押され得て、交差から除去することができる(
図24C)。
【0096】
いくつかの実施形態では、針ハブは、例えば、上記のように、流体ベースのコア除去システムを含まない場合がある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の針の反復操作中に、針の管腔内のコアを積み重ねて、管腔から、例えば、正の変位によって針管腔の近位端から押し出すことができる。針管腔の近位端から出るコアは、針の近位の空間、例えば、レセプタクルに堆積され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコア2000は、例えば、
図25A~25Cに示すように、膜、例えば膜2501を横切って、除去ツール、例えば、プッシュロッド2510を「拭く」ことによって、レセプタクル(例えば、トラップ2520)に堆積され得る。例示的な針2550は、本明細書に記載されるように、除去ツール、例えば、プッシュロッド2510に対して移動することができ、これにより、1つまたは複数のスキンコア2000が、例えば、針2550の遠位端で、針2550の管腔から出ることができる(
図25A、
図25B)。スキンコア2000は、針の遠位開口部を除去するので、除去ツール、例えば、プッシュロッド2010に取り付けられたままであり得る(
図25B)。除去ツール、例えば、プッシュロッド2510、及び/または針2550が引っ込められると、可撓性膜2501が除去ツール(例えば、プッシュロッド2010)及び/またはスキンコア2000に接触し、除去ツールからスキンコアを除去することができる(
図25C)。1つまたは複数の「拭き取られた」スキンコア2000は、レセプタクル、例えば、レセプタクル2520に収集され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、針がレセプタクルを覆う膜2601に穴を開けた後、1つまたは複数のコア2000をレセプタクルに堆積させることができる(
図26A及び
図26B)。例示的な針2650は、上記のように、除去ツール、例えば、プッシュロッド2610に対して(例えば、針及び/またはプッシュロッドを動かすことによって)移動することができ、これにより、1つまたは複数のスキンコア2000が、例えば、針2650の遠位端で針の管腔から出ることができる(
図26C)。スキンコア2000は、針2650の遠位開口部を除去するので、除去ツール、例えば、プッシュロッド2610に取り付けられたままであり得る。除去ツール、例えば、プッシュロッド2610、及び/または針が引っ込められると、可撓性膜2601が除去ツール及び/またはスキンコア2000に接触し、除去ツール(例えば、プッシュロッド2610)からスキンコアを除去することができる(
図26D)。1つまたは複数の「拭き取られた」スキンコア2000は、レセプタクル、例えば、レセプタクル2620に収集され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムは、例えば、使用の間隔に1つまたは複数の針を洗浄するための、例えば、生理食塩水フラッシングまたはリンスシステムを含む、リンスシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、リンスシステムは、1つまたは複数の針を受け入れることができる滅菌生理食塩水用容器を含み得る。いくつかの実施形態では、低圧を1つまたは複数の針に加えて、1つまたは複数の針を通して生理食塩水を吸引し、したがって、1つまたは複数の針管腔から任意の細片を取り除くことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、例えば、コアの除去を容易にするために、潤滑剤を使用することができる。例えば、針の先端及び/または空気の入口は、組織及び液体の除去を助けるために、液体、例えば生理食塩水を噴霧または浸漬することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、針の管腔及び/または第1の管腔は円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、針の管腔及び/または第1の管腔は、フルストコニカルであり得、例えば針の管腔及び/または第1の管腔の近位端は、皮膚に接触するために遠位端よりも大きな直径を有し得、例えば、管腔を通る組織の通過を改善する。
【0102】
本明細書に記載の技術と共に使用できる他の組織除去ツールは、2017年3月29日に提出され、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、PCT出願番号第PCT/US2017/02475号に記載されている。
【0103】
本明細書に記載の技術、例えば、装置100、200、または400と共に使用することができる例示的な針ハブ及びコア除去システムが、
図27に示されている。いくつかの実施形態では、針ハブ2710は、例えば、3つの例示的な針2705、及び針ハブインサート2702を保持するための針ハブ本体2701を含み得る。いくつかの実施形態では、針、例えば、針2705の1つまたは複数は、針ハブの1つまたは複数の管腔、例えば、針ハブ本体2701に完全にまたは部分的に挿入され得る。針は、針ハブ本体に接着、溶接、または圧入することができる。いくつかの実施形態では、針、例えば、針2705の1つまたは複数は、挿入されることなく、針ハブの1つまたは複数の管腔、例えば、針ハブ本体2701に取り付けることができ、例えば、1つまたは複数の針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体2701に外部から取り付けることができる。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ2710は、例えば、周囲空気から不純物を除去するために、フィルタ2704を含み得る。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ2710は、二次インサート2703、例えば、金属(例えば、鋼)インサートを含み得る。いくつかの実施形態では、二次インサート2703を使用して、例えば、針ハブインサート2702を所定の位置に保持することができる。いくつかの実施形態では、二次インサート2703、例えば、金属(例えば、鋼)インサートを使用して、針ハブ2710が、例えば針ハブマウントを介して、本明細書に記載の装置の1つまたは複数の構成要素に接続されている、例えば、しっかりと接続されている、例えばzアクチュエータにしっかりと取り付けられていることを確認することができる。いくつかの実施形態では、電気信号またはRFID信号を使用して、接続を検証することができる。いくつかの実施形態では、二次インサート2703は、RFIDタグを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブ、例えば、針ハブ2710は、使い捨てユニットとして実装され得る。いくつかの実施形態では、針ハブ、例えば、針ハブ2710は、1つまたは複数の使い捨てユニット、例えば、1つまたは複数の針及び/または針マウントとして実装されるいくつかの構成要素を含むように構成され得る。例示的な針ハブは、例えば、二次インサート2703に取り付けられるか、または組み込まれる、タグまたはチップまたは他の識別子を含み得る。いくつかの実装形態では、識別子を使用して、特定の針ハブを識別することができ、例えば、本明細書で説明するように針ハブの使用を監視することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ2710及びコア除去システムは、例えば、針ハブ本体2701の管腔の端部で、例えば、針ハブ2710に接続された、例えば、第2の管腔の第2の端部で、第1のチューブ2706などの流体導管を含み得る。いくつかの実施形態では、流体導管、例えば、第1のチューブ2706は、コネクタ、例えば、第1の端部、第2の端部、及び第3の端部を有するYコネクタ2707に接続され得る。いくつかの実施形態では、第1のチューブ2706は、Yコネクタ2707の第1の端部に接続され得る。いくつかの実施形態では、Yコネクタ2707は、Yコネクタ2707をスペーサー、例えば、以下で説明する真空スペーサーの足またはフレームに接続することができる流体導管(例えば、チューブ)に接続され得る第2の端部を含み得る。いくつかの実施形態では、Yコネクタ2707は、流体導管、例えば、第2のチューブ2708に接続された第3の端部を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のチューブ2708は、コネクタ、例えば、段付きコネクタ2709に接続されるか、またはコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ、例えば、段付きコネクタ2709は、針ハブ及び/またはコア除去システムを流体システム、例えば、低圧システム、例えば、真空ポンプに接続して、以下に説明するように、システムに(部分的)真空を誘導することができる。
【0105】
図28Aは、例示的な針ハブ本体2701の断面図を示す。いくつかの実施形態では、針ハブ本体2701は、1つまたは複数の第1の管腔、例えば、3つの第1の管腔2801、またはその1つまたは複数の部分を含み得る。いくつかの実施形態では、針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体2701の第1の管腔(例えば、管腔2801)に完全にまたは部分的に挿入され得る。いくつかの実施形態では、針、例えば、管腔を有する中空針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体2701に取り付けられ得、その結果、針ハブ本体の第1の管腔及び針管腔が接続され(例えば端と端を)、一緒に針ハブ、例えば、針ハブ2710の第1の管腔、またはその一部を形成する。いくつかの実施形態では、針ハブ本体2701は、流体吸入ノズル、例えば、ノズル2802を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブ本体2701の流体吸入ノズル、例えば、ノズル2802は、針ハブ本体の第2の管腔の一部を構成することができ、及び/または針ハブ本体の第2の管腔の第1の端部に配置することができる(
図28B)。いくつかの実施形態では、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体2701は、第2の管腔、またはその一部、例えば、針ハブ本体2701の第2の管腔の上流セクション2803を含み得る。いくつかの実施形態では、流体吸入ノズル及び針ハブ本体の第2の管腔、例えば、針ハブ本体2701の第2の管腔の上流セクション2803は、針ハブの第2の管腔の一部であり得る。
図28C~28Eは、例示的な針ハブ本体2701の斜視図を示す。
【0106】
図29Aは、例示的な針ハブインサート2702の断面図を示す。いくつかの実施形態では、針ハブインサート、例えば、針ハブインサート2702は、1つまたは複数の第1の管腔、例えば、3つの第1の管腔2901、またはその1つもしくは複数の部分を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブインサートは、針ハブインサート2702の1つまたは複数の第1の管腔が、針ハブ本体に針ハブインサートが挿入されるときに、針ハブ本体の1つまたは複数の第1の管腔、例えば、針ハブ本体2701の第1の管腔2801と整列するように構成され得る。いくつかの実施形態では、中空針の管腔、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体2701の第1の管腔、及び針ハブインサート、例えば、針ハブインサート2702の第1の管腔を接続することができ(例えば、端と端を)、一緒に針ハブ、例えば針ハブ2710の第1の管腔、またはその一部を形成する。例えば、管腔2901’は管腔2801’と整列し得、管腔2901’’は管腔2801’’と整列し得、管腔2901’’’は管腔2801’’’と整列し得る。いくつかの実施形態では、中空針の管腔は、中空針の管腔、針ハブ本体2701の管腔、及び針ハブインサート2702の第1の管腔が接続されて(例えば、端と端を)、一緒に針ハブ2710の第1の管腔、またはその一部を形成するように、針ハブ本体2701に挿入することができる。いくつかの実施形態では、針ハブインサート2702は、第2の管腔、例えば、第1の端部及び第2の端部を有する第2の管腔2902を含み得る。いくつかの実施形態では、流体吸入ノズル、例えば、ノズル2802、針ハブ本体2701の第2の管腔(例えば、上流セクション2803)、及び針ハブインサート2702の第2の管腔2902)は、位置合わせし、針ハブ2710の第2の管腔を構成することができ、または針ハブ2710の第2の管腔の一部であり得る。いくつかの実施形態では、針ハブインサート2702は、針ハブインサート2702が針ハブ本体2701に挿入されると、針ハブ本体2701の吸気ノズル(例えば、ノズル2802)を通って針ハブに入る流体が、針ハブインサート2702の管腔の第1の端部の開口部を通って、針ハブインサート2702の第2の管腔2902に続いて入り得るように構成され得る。次に、流体は、針ハブインサート2702の第2の管腔2902を横断し、針ハブインサート2702の第2の管腔2902の第2の端部2903の開口部を通って針ハブインサート2702の第2の管腔2902を出ることができる。針ハブインサート2702の第2の管腔2902の第2の端部にある開口部2903を通って針ハブインサート2702の第2の管腔2902を出る流体は、針ハブ本体2701の第2の管腔、例えば、針ハブ本体2701の第2の管腔の上流セクション2803に入り得る。いくつかの実施形態では、針ハブインサート2701の第2の管腔2902の第2の端部の開口部2903は、針ハブインサートの第2の管腔2902の第1の端部の開口部2904よりも大きな断面積を有する。いくつかの実施形態では、針ハブ本体2701の第2の管腔(例えば、上流セクション2803)、及び針ハブインサート2702の第2の管腔2902は、針ハブ2710の第2の管腔を構成できるか、または針ハブ2710の第2の管腔の一部であり得る。
図29B及び
図29Cは、例示的な針ハブインサート2702の斜視図を示す。
【0107】
図30は、本明細書に記載の技術と共に使用することができる、組み立てられた例示的な針ハブ2710及びコア除去システムを示す。
図27は、3本の針2705を含む、組み立てられた例示的な針ハブ2710の半透明の図を示す。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムは、流体または他の物質が装置(例えば、装置100、200、または400)、例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420の遠位開口部に入るのを防ぐ技術を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、流体または他の物質が装置、例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420の遠位開口部に入るのを防ぐために、シールドを含み得るか、またはシールドに接続され得る。
図32A~Cは、例示的なハブシールド3220に接続された、針ハブ2710と実質的に類似または同一であり得る例示的な針ハブ3210を示す。いくつかの実施形態では、針ハブ、例えば、針ハブ3210が、x方向またはy方向(例えば、皮膚の表面に実質的に平行)に移動し、及び/またはz方向に(例えば、皮膚の表面に実質的に垂直に)移動する場合、例示的なハブシールド3220は、針ハブ3210と共に移動することができる。いくつかの実施形態では、例示的なハブシールド3220は、ハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)の遠位開口部または遠位端がハブシールド3220及び/または針ハブ3210の少なくとも一部によって覆われるようなサイズになっている。
図33は、例示的なハンドピース遠位端構成要素3301及び例示的なスペーサー3302に移動可能に取り付けられた例示的な針ハブ3310及びハブシールド3220を示す。例示的なスペーサー、例えばスペーサー3302については、以下でさらに説明する(例えば、スペーサー4000または4100)。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ3310及びハブシールド3220、例示的なハンドピース遠位端構成要素3301及び/または例示的なスペーサー3302は再利用可能である可能性がある。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ3310及びハブシールド3220、例示的なハンドピース遠位端構成要素3301及び/または例示的なスペーサー3302は使い捨てである可能性がある。いくつかの実施形態では、例示的なハブシールド3220は、ハンドピース遠位端構成要素3301に解放可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、例えば、針ハブ、ハブシールド、及びまたはハンドピース遠位端構成要素が使い捨てである場合、例示的なハブシールド3220は、保管及び/または輸送中に(例えば、開閉可能なロック機構、例えば、フック機構を介して)ハンドピース遠位端構成要素3301に接続され得るが、ハンドピース、例えばハンドピース220にハンドピース遠位端構成要素3301が接続された後、ハンドピース遠位端構成要素3301から解放され得る。他の例示的な実施形態を以下に論じる。
【0109】
いくつかの実施形態では、流体または他の物質が装置(例えば、装置100、200、または400)に入るのを防ぐための技術は、複数の構成要素を含み得る。例示的な針ハブ3410、例示的な進入シールド3420、及び例示的なシールドレシーバ3421を含む例示的な針ハブアセンブリが
図34に示されている。この実施形態の動作原理を示す概略図が
図35に示されている。例示的な円筒形進入シールド3420は、1つまたは複数の針または針ハブ3410の近位に配置され得、針ハブと共に、例えば、処置される皮膚の表面に垂直なz方向に移動し得る。針ハブ3410は、例えば、プッシュロッド3405を介して、x、y、及びzアクチュエータに接続することができる。例えば皮膚の表面に平行に、xy方向に移動可能な例示的なシールドレシーバ3421は、針ハブ3410がシールドとシールドレシーバとの間の重なりを維持しながらすべての方向に移動できるように、円筒形シールドの内側に配置され得る。これにより、いずれかの潜在的な汚染物質に対して曲がりくねった経路を作成し、それによりハンドピースの内部構成要素を保護することができる。
【0110】
図36は、実質的に上記のように(例えば、
図27の実施形態について説明されるように)、単一の針、例えば、針3605に対して構成された例示的な針ハブ及びコア除去システムを示す。いくつかの実施形態では、針ハブ3610は、例えば、例示的な針3605を保持するための針ハブ本体3601、及び針ハブインサート3602を含み得る。針ハブインサート3602は、針ハブインサート2702と実質的に類似または同じであり得る。いくつかの実施形態では、針、例えば、針3605は、針ハブの1つまたは複数の管腔、例えば、針ハブ本体3601に完全にまたは部分的に挿入され得る。針は、針ハブ本体に接着、溶接、または圧入することができる。いくつかの実施形態では、針、例えば、針3605は、挿入されることなく、針ハブの1つまたは複数の管腔、例えば、針ハブ本体3601に取り付けることができ、例えば、針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601に外部から取り付けることができる。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ3610は、例えば、周囲空気から不純物を除去するために、フィルタ3604を含み得る。いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ3610は、二次インサート3603、例えば、金属(例えば、鋼)インサートを含み得る。いくつかの実施形態では、二次インサート3603を使用して、例えば、針ハブインサート3602を所定の位置に保持することができる。いくつかの実施形態では、二次インサート3603、例えば、金属(例えば、鋼)インサートを使用して、針ハブ3610が、例えば針ハブマウントを介して、本明細書に記載の装置の1つまたは複数の構成要素に接続されている、例えばしっかりと接続されている、例えばzアクチュエータにしっかりと取り付けられていることを確認することができる。いくつかの実施形態では、電気信号またはRFID信号を使用して、接続を検証することができる。いくつかの実施形態では、二次インサート3603は、RFIDタグを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブ、例えば、針ハブ3610は、使い捨てユニットとして実装され得る。いくつかの実施形態では、針ハブ、例えば、針ハブ3610は、1つまたは複数の使い捨てユニット、例えば、1つ及び/またはある針マウントとして実装されるいくつかの構成要素を含むように構成され得る。例示的な針ハブは、例えば、二次インサート3603に取り付けられるか、または組み込まれる、タグまたはチップまたは他の識別子を含み得る。いくつかの実装形態では、識別子を使用して、特定の針ハブを識別することができ、例えば、以下で説明するように針ハブの使用を監視することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、例示的な針ハブ3610及びコア除去システムは、例えば、針ハブ本体3601の管腔の端部で、例えば、針ハブ3610に接続された、例えば、第2の管腔の第2の端で、第1のチューブ3606などの流体導管を含み得る。いくつかの実施形態では、流体導管、例えば、第1のチューブ3606は、コネクタ、例えば、第1の端部、第2の端部、及び第3の端部を有するYコネクタ3607に接続され得る。いくつかの実施形態では、第1のチューブ3606は、Yコネクタ3607の第1の端部に接続され得る。いくつかの実施形態では、Yコネクタ3607は、Yコネクタ3607をスペーサー、例えば、以下で説明する真空スペーサーの足またはフレームに接続することができる流体導管(例えば、チューブ)に接続され得る第2の端部を含み得る。いくつかの実施形態では、Yコネクタ3607は、流体導管、例えば、第2のチューブ3608に接続された第3の端部を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のチューブ3608は、コネクタ、例えば、段付きコネクタ3609に接続されるか、またはコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ、例えば、段付きコネクタ3609は、針ハブ及び/またはコア除去システムを流体システム、例えば、低圧システム、例えば、真空ポンプに接続して、以下に説明するように、システムに(部分的)真空を誘導することができる。
【0112】
図36に示されるような例示的なシステムと共に使用される例示的な針ハブ本体3601が、
図37A~37Eに示されている。いくつかの実施形態では、例えば、
図29の3602または2702に示されるような針ハブインサートは、
図36に示されるような単一の針システムで使用され得る。いくつかの実施形態では、単一の第1の管腔を備えた針ハブインサートを、
図36に示されるような単一の針システムで使用することができる。
図37Aは、例示的な針ハブ本体3601の断面図を示す。いくつかの実施形態では、針ハブ本体3601は、第1の管腔、例えば、第1の管腔3701、またはその1つまたは複数の部分を含み得る。いくつかの実施形態では、針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601の第1の管腔に完全にまたは部分的に挿入され得る。いくつかの実施形態では、針、例えば、管腔を有する中空針は、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601に取り付けられ得、その結果、針ハブ本体の第1の管腔3701及び針管腔が接続され(例えば端と端を)、一緒に針ハブ、例えば、針ハブ3610の第1の管腔、またはその一部を形成する。いくつかの実施形態では、中空針の管腔、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601の第1の管腔、及び針ハブインサート、例えば、針ハブインサート3602または2702の第1の管腔を接続することができ(例えば、端と端を)、一緒に針ハブ、例えば針ハブ3610の第1の管腔、またはその一部を形成する。いくつかの実施形態では、中空針の管腔、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601の第1の管腔、及び針ハブインサート2702の第1の管腔2901’’を接続することができ(例えば、端と端を)、一緒に針ハブ、例えば針ハブ3610の第1の管腔、またはその一部を形成する。いくつかの実施形態では、針ハブ本体3601は、流体吸入ノズル、例えば、ノズル3702を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブ本体3601の流体吸入ノズル、例えば、ノズル3702は、針ハブ本体の第2の管腔の一部を構成することができ、及び/または針ハブの第2の管腔の第1の端部に配置することができる(
図37B)。いくつかの実施形態では、針ハブ本体、例えば、針ハブ本体3601は、第2の管腔、またはその一部、例えば、針ハブ本体3601の第2の管腔の上流セクション3702を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブ本体の流体吸入ノズル、例えば、ノズル3702及び第2の管腔、例えば針ハブ本体3601の第2の管腔の上流セクション3703を、針ハブの第2の管腔の一部にすることができる。
図37C~37Eは、例示的な針ハブ本体3601の斜視図を示す。
【0113】
任意の針/管腔構成の針ハブは、本明細書に記載の技術と共に使用することができる。
図38Aは、1つのコアリング針を備えた例示的な針ハブを示す。
図38Bは、2つのコアリング針を備えた例示的な針ハブを示す。
図38Cは、3本のコアリング針を備えた針ハブを示している。コアリング針は、一次元または二次元のアレイに配置することができ、位置合わせまたはずらして配置することができ、及び/または均一または不均一に間隔を空けることができる。異なる長さの針を同じアレイで使用することができる。
図36Aは、6×1の針アレイを示し、
図39Bは、3×3の針アレイを示し、
図39Cは、同じアレイ内に異なる長さの針を有する3×3の針アレイを示している。
【0114】
消耗品の検出-針ハブ
針ハブは、単回使用アイテムまたは再利用可能なアイテムとして構成または実装することができる。いくつかの実施形態では、再利用可能な針ハブは滅菌可能及び/またはオートクレーブ可能であり得る(例えば、耐熱材料で構成されている場合がある)。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の針ハブ(例えば、針ハブ2710または針ハブ3610)は、針ハブを識別するためのタグを含み得る。いくつかの実施形態では、タグは、読み取り専用であり得る集積回路(IC)チップであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、タグは、読み取り及び書き込みチップであり得るチップであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、タグは、例えば、RF信号を使用してリーダーとデータを交換するように動作可能であるチップであり得るか、またはそれを含み得、内蔵アンテナ及び集積回路を含み得、例えばタグはRFIDタグであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、タグは、針ハブ(例えば、針ハブ2710または針ハブ3610)の二次インサート(例えば、二次インサート2703または3603)の中または上などで、針ハブに取り付けられた、または針ハブに統合されたRFIDチップであり得るか、またはそれを含み得る。
【0116】
いくつかの実装形態では、識別子を使用して、特定の針ハブを識別することができ、例えば、以下で説明するように針ハブの使用を監視することができる。
【0117】
スペーサー
本明細書に記載の技術は、スペーサーを含むシステム及び/または装置を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサーは、本明細書に記載の装置(例えば、装置100、200、または400)の一部であるか、またはそれに接続され得、例えば、例示的な装置のハンドピース(例えば、ハンドピース120、220または420)、例えばハンドピースシェルの一部であるか、またはそれに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、スペーサーを使用して、針のベース位置(例えば、収縮位置)と処置される皮膚の表面との間で一定の距離を維持することができる。いくつかの実施形態では、スペーサーは、例えば、針のベース位置と処置する皮膚の表面との間の距離(及び/またはzアクチュエータとそれの間の距離)を調整するために、調整可能または移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、針のベース位置と処置する皮膚の表面との間の距離(及び/またはzアクチュエータとそれの間の距離)は、コアリング手順中に調整することができる。いくつかの実施形態では、針のベース位置と処置する皮膚の表面との間の距離(及び/またはzアクチュエータとそれの間の距離)は、コアリング手順の前に調整することができ、コアリング手順の間一定のままにすることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、コアリング手順中に処置される皮膚の表面に対する装置の距離及び/または位置(例えば、一定の距離及び/または位置)を維持するための1つまたは複数のデバイスであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサーは、処置されていない皮膚と比較して、処置中の皮膚組織の張力を維持または増加させるための1つまたは複数のデバイスであるか、またはそれを含み得、及び/または本明細書に記載の装置に接触され得る。いくつかの実施形態では、距離及び/または位置を維持するための1つまたは複数のデバイスは、皮膚組織の張力を維持または増加させるための1つまたは複数のデバイスとは異なる。いくつかの実施形態では、距離及び/または位置を維持するための1つまたは複数のデバイスは、皮膚組織の張力を維持または増加させるための1つまたは複数のデバイスと同じである。いくつかの実施形態では、距離及び/または位置を維持するための1つまたは複数のデバイス及び/または皮膚組織の張力を維持または増加させるための1つまたは複数のデバイスは、フックを含み得、棘は、フレーム、ピン、ローラー、鉗子、グリッパー、フック、針、棘、及び/または接着剤を含む1つ以上の組織固定器具を含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、スペーサーは、真空スペーサーであり得るか、または真空スペーサーを含み得る。例示的な真空スペーサー4000が
図40A~40Cに示されている。例示的な真空スペーサーは、処置される皮膚組織の表面に接触するためのフレーム4001を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサー4000のフレーム4001は、フレームが、例えば、1つまたは複数のコアリング針によってコアリングされるなど、処置される皮膚の領域の周りに境界を形成するように構成され得る。スペーサーの例示的なフレームは、ベース、内壁4010、及び外壁4015を含み得、この場合、ベース、内壁、及び外壁は、フレーム内に開いたチャネルを形成する。例示的なチャネル4002は、フレームが皮膚の表面に配置されると、皮膚の表面、ベース、内壁4010、及び外壁4015が管腔、例えばフレーム管腔を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、フレーム4001は、例えば、チャネル4002に引き込まれる皮膚組織の量を減らすためなどで、1つまたは複数の突起、例えば、1つまたは複数の突起4003を含み得る。
【0120】
図41A及び
図41Bは、(真空)フレーム4101、例示的なフレームチャネル4102、及び例示的な突起4103を備えた別の同様の例示的なスペーサー4100を示す。例示的なスペーサー4100は、
図33に示されるスペーサー3302と実質的に類似または同じであり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、フレーム、例えば、フレーム4001または4101は、低圧(例えば、大気圧未満)または(部分的)真空が流体導管に加えられるとき、低圧または(部分的)真空がフレーム管腔(例えば、フレーム管腔4002または4102)で確立されるように、流体導管に接続され得る。
図42A及び42Bは、第1の端部4202及び第2の端部4203を有する接続管腔4201を含む例示的な真空スペーサーフレーム(例えば、フレーム4000)のセクションを示す。いくつかの実施形態では、接続管腔4201の第1の端部4202は、フレーム管腔、例えば管腔4002に開口部を形成し得る。いくつかの実施形態では、接続管腔4201の第2の端部4203は、流体導管の管腔の端部に接触することができる。いくつかの実施形態では、流体導管は、
図27に示されるように、Yコネクタ2707(例えば、Yコネクタの第2の端部)及び/または低圧源、例えば真空ポンプに接続され得る。フレーム管腔の低圧または(部分的)真空により、皮膚組織がチャネルに向かって引き寄せられる(例えば、吸い込まれる)可能性がある。
【0122】
いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネル(例えば、チャネル4002または4102)に低圧(例えば、大気圧未満)または(部分的)真空を適用すると、フレームに接触する皮膚組織に吸引力が加えられ得る。これは、真空スペーサーフレームの近く(例えば、囲まれている)または接触している皮膚の領域の張力の増加を引き起こす可能性がある。理論に拘束されることを望まないが、低圧または(部分的)真空下で真空スペーサーフレームに囲まれた皮膚組織の張力が増加すると、皮膚の表面の平面が安定し得、コアリング針による表面の侵入が始まると、コアリング中の針の動き(「テンティング」)の方向で針と接触している皮膚の動きは、真空スペーサーフレームを適用しない同様の手順中の皮膚の動きと比較して減少している。コアリング針は、皮膚の表面に真空スペーサーフレームを適用せずに同様の手順で必要とされるよりも、遅い速度及び/または少ない力で、真皮に侵入し得る。いくつかの例示的な実施形態では、真空スペースフレームの適用は、例えば、皮膚の動きの減少のために、真空スペーサーフレームを適用しない同様の手順と比較して、例えば、皮膚の表面及び/または真空スペーサーフレームに関して、針のより一貫した/再現可能な侵入の深さをもたらせる。いくつかの例示的な実施形態では、真空スペーサーフレームの適用は、皮膚の動きの減少または1つまたは複数の皮膚層の圧迫に起因して、真空スペーサーフレームを適用しない同様の手順と比較して、同様の効果を達成するために必要な、例えば皮膚の表面及び/または真空スペーサーフレームに関連して、針のより低次の侵入の深さをもたらせる。真空スペーサーフレームを使用すると、外傷を減らし(ダウンタイムを減らし)、安全性を高め、及び/または過剰侵入の可能性を減らせる。いくつかの実施形態では、真空フレーム内で生成される低圧または(部分的)真空により、使用者は、真空フレームに接続された皮膚組織を皮膚の下の解剖学的構造から引き離すことができ、例えば、針が作動中に望ましくない下層に接触する可能性を減らすことができる。真空スペーサーフレームを使用しない例示的手順では、針が皮膚に侵入しているときに、コアリング針が皮膚を針先端の動きの方向に押しのける可能性があり、これにより、例えば完全な厚さのコアを除去するために、患者の真皮下部及び隣接する脂肪層に到達するために針によるより深い侵入が必要になる可能性がある。
【0123】
図43は、例示的な真空スペーサー(例えば、スペーサー4000)、真空スペーサー4000のフレーム4001に接続される例示的な流体導管4301、及び真空スペーサー(例えば、真空スペーサー4000)を、例えば、コアリング装置(例えば、装置100、200、または400)のハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピース121、221、または421)に接続する接続フレーム4302を示している。
図44は、例えば、コアリング中に皮膚を安定させるために、張られたフレーム内に皮膚を引き込むための例示的な真空スペーサーフレーム4401(フレーム4000及びフレーム4100に実質的に類似)を示す。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレーム(例えば、フレーム4401)は、例えば、フレームの位置決めを支援するために、及び/または組織の安定化をもたらすために、サブフレーム(例えば、サブフレーム4405)を含み得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレーム(例えば、フレーム4401)内のチャネルは、例えば
図44に示すように、1つまたは複数の突起(例えば、突起4403)、例えば、真空スペーサーフレーム内のチャネル(例えば、チャネル4402)のベース(例えば、ベース4411)から突出する1つまたは複数の構造を含み得、例えば、フレーム管腔全体にわたって均一な吸引圧力を確保する。真空スペーサーフレーム内のチャネルと皮膚の表面(例えば、フレーム管腔)によって形成される管腔に低圧または(部分的)真空が加えられると、皮膚組織がチャネルのベースに向かって引き寄せられる可能性がある。皮膚組織は、フレーム管腔に開口部を形成し得る接続管腔の第1の端部を遮断し、フレーム管腔と、低圧または(部分的)真空を提供する流体導管(例えば、導管4301)との間の流体連通を遮断し、潜在的に真空スペーサーフレームと皮膚の表面の間の低圧接続を破壊し得る。真空スペーサーフレーム内のチャネルのベースから突出する1つまたは複数の構造は、皮膚組織による接続管腔の第1の端部の閉塞を防ぐように構成され得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレーム内のチャネルは、1つ以上のくぼみ、例えば、フレーム管腔全体にわたって均一な吸引圧力を確保するために、真空スペーサーフレーム内のチャネルのベースに延びる、例えば1つ以上の空洞を含む。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレーム内のチャネルのベース(例えば、ベース4411)に延びる1つまたは複数の空洞は、皮膚組織による接続管腔の第1の端部の閉塞を防ぐように構成され得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレーム内のチャネルは、1つまたは複数の突起(例えば、突起4003、4103、または4403)及び1つまたは複数のくぼみを含み得、例えば、フレーム管腔全体にわたって均一な吸引圧力を確保する。いくつかの実施形態では、フレームチャネル構成及び/または突起構成及び/またはくぼみ構成は、組織の種類及び/または処置される場所に応じて選択または変更できる。理論に縛られることを望まないが、皮膚組織が柔らかくなったり緩んだりすると、より近い及び/または大きな突起は、皮膚組織が突起と壁(例えば、外壁4415及び内壁4410)との間の空間及び/または別の突起に入るのを防止または妨害するものであり得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネル(例えば、チャネル4002、4102、または4402)は、約2.5mmの幅(例えば、約2.5mmのフレーム(例えば、小フレーム4000、4100、または4401)の内壁(例えば、内壁4010または4410)と外壁(例えば、外壁4015または4415)の間の最短距離)を有し得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネルは、約2mmの深度(例えば、フレームのベースと、ベースの反対側で、フレームの外壁と実質的に接触している平坦な表面との間の平均距離)を有し得る。真空スペースフレームのチャネルは、例えば、安定化される組織に応じて、任意のサイズを有することができ、及び/または複雑な解剖学的領域へのアクセスを改善することができる。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネルは、約0.5mm、1mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、10.0mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、または50mmの幅(例えば、フレームの内壁と外壁との間の最短距離)を有し得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネルは、幅(例えば、フレームの内壁と外壁との間の最短距離)が、0から100mmの間、10mmから90mmの間、20mmから80mmの間、または30mmから70mmの間であり得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネル(例えば、チャネル4002、4102または4402)は、深度(例えば、フレームのベース(例えば、フレーム4401のベース4411)と、ベースの反対側で、フレームの外壁(例えば、外壁4415)と実質的に接触している平坦な表面との間の平均距離)が、約0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、10.0mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、または50mmを有し得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーフレームのチャネルは、深度(例えば、フレームのベース(例えば、フレーム4401のベース4411)と、ベースの反対側で、フレームの外壁と実質的に接触している平坦な表面との間の平均距離)が0から100mmの間、10mmから90mmの間、20mmから80mmの間、または30mmから70mmを有し得る。
【0127】
真空スペーサーのフレームのサイズ及び/または形状は、装置が使用され得る対象の体の位置に依存し得る。複数のバリエーションを使用することができる。いくつかの実施形態では、スペーサーフレームによって囲まれた、または包囲された、例えばスペーサーフレームの内壁(例えば、フレーム4401の壁4410)によって包囲された皮膚の領域は、任意の領域、例えば、約0.2cm
2、0.4cm
2、0.6cm
2、0.8cm
2、1.0cm
2、1.2cm
2、1.4cm
2、1.6cm
2、1.8cm
2、2.0cm
2、2.2cm
2、2.4cm
2、2.6cm
2、2.8cm
2、3.0cm
2、3.5cm
2、4.0cm
2、4.5cm
2、5.0cm
2、5.5cm
2、6.0cm
2、6.5cm
2、7.0cm
2、7.5cm
2、8.0cm
2、8.5cm
2、9.0cm
2、9.5cm
2、10cm
2、15cm
2、または20cm
2の領域を有し得る。いくつかの実施形態では、真空スペーサーのフレームは、例えば、処置される組織表面の曲率に応じて、湾曲させるまたは輪郭を描くことができる(例えば、
図45を参照のこと)。輪郭のあるフレームは、平坦なフレームと比較して、フレームと皮膚の表面との間の接触を改善し得る。いくつかの実施形態では、スペーサーのフレーム、例えば、真空スペーサーは、例えば、
図44に示されるように、例えば、フレームの内壁の間に、サブフレームまたは他の構造を含み得る。いくつかの実施形態では、サブフレーム(例えば、グリッド)または他の構造を、組織をさらに安定化するために、または装置の位置合わせのために使用することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、真空スペーサーのフレームは、非隣接真空チャネルセクション、例えば、フレームの反対側にある2つのより長いチャネル(例えば、長方形フレーム内)、または非直交セクションを含み得る。例示的な実施形態(
図46)では、フレームは、低圧または(部分的)真空を伝導しないフレーム要素によって接続された2つの別個の(平行な)真空フレーム要素を含む。例示的な実施形態(
図47)では、フレームは、真空フレーム要素のグリッドを含む。フレーム要素は、直線または曲線であり得るか、互いに直交するか、または互いに異なる角度であり得る。内側と外側のチャネルの壁は同じ高さである可能性がある。いくつかの実施形態では、内壁(例えば、フレーム4401の内壁4410)は、例えば、
図48に示されるように、外壁(例えば、フレーム4401の外壁4415)よりも低い高さを有し得る。いくつかの実施形態では、内壁は、外壁よりも高い高さを有し得る。異なる構成で、真空スペーサーのフレームによって引き起こされる伸びの量が増減している場合がある。
【0129】
システム内の圧力、例えば、真空スペーサーのフレーム管腔内の圧力は、ほぼ完全真空(0kPa)から約50kPaの範囲であり得、例えば、圧力は、約0kPaと周囲大気圧との間であり得、0kPaと100kPaの間、5kPaと90kPaの間、10kPaと80kPaの間、15kPaと70kPaの間、20kPaと65kPaの間、25kPaと60kPaの間、または30kPaと50kPaの間である。いくつかの実施形態では、圧力は、コアリング手順の間一定に保たれ得るか、または調整され得る。いくつかの実施形態では、圧力は、例えば、流体の流量及び/または圧力を測定することによって監視することができる。組織特性は、例えば、下層組織の挙動を監視するために監視することができる。いくつかの実施形態では、フレームは、1つまたは複数のセンサ、例えば、圧力センサ、電気センサ、光学センサ、またはカメラを含むか、またはそれらに接続され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、例えば、zアクチュエータの作動を制御するための圧力スイッチを含み得る。装置(例えば、装置100、200、または400)の真空スペーサーが対象の皮膚の表面に接続され、低圧または(部分的)真空が真空の空間のフレームに適用されると、使用者は装置を、皮膚の表面から離して、例えば、皮膚の表面から離れる、また皮膚の表面に対して実質的に垂直な方向に移動する(例えば、やさしく引き上げる)ことができる。装置の移動中、装置と皮膚との間の接触が維持され得る。移動中に、装置に接続させている皮膚が持ち上げられる及び/または下にある組織から離れている場合がある。コアリング手順の間、記載されているように持ち上げられた皮膚組織に入る針は、例えば、zアクチュエータのコアリング深度設定が不適切なために、針が皮膚層を過剰に侵入する可能性がある場合真皮層及び/または皮下脂肪層の下の組織に接触するのを防ぐことができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム及び/または装置は、例えば、皮膚組織に取り付けられた装置が上記のように動かされる(例えば、引き上げられた)場合を除いて、zアクチュエータが動くのを防ぐための圧力スイッチを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム及び装置と共に使用されるデジタル制御システムは、皮膚の表面に対する装置及び/または皮膚の下にある組織の位置を検出するためにセンサに接続され得る圧力スイッチを含み得る。いくつかの実施形態では、フレームが皮膚の表面に配置され、低圧または(部分的)真空がフレームに適用される場合、スイッチは「進むべからず」の位置にある。低圧または(部分的)真空がフレームに加えられた後、フレームが皮膚の表面と接触している一方で、装置及び/またはフレームが皮膚の表面に実質的に垂直であり、皮膚の表面から離れる方向に動かされた後、スイッチは「進む」の位置にある。スイッチは、フレームまたはそれに直接隣接している皮膚または皮膚組織(例えば、フレームの外壁から20mm、15mm、10mm、または5mm未満離れている皮膚組織)と接触しているフレームと皮膚との間の接触圧力を連続的に感知するセンサからの信号を介して(例えば、機械的または電気的に)作動され得る。装置を動かす(例えば、引き上げる)と、接触圧力が低下し得る。いくつかの実施形態では、接触圧力が閾値未満に低下すると、スイッチは「進むべからず」の位置から「進む」の位置に移動することができる。スイッチが進むべからず位置にあるとき、針ハブ及び/またはzアクチュエータは、皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向にz軸に沿って移動するのを防ぐ(例えば、デジタル式の制御システムによって)ことができる。スイッチが進むの位置にあるとき、針ハブ及び/またはzアクチュエータはz軸に沿って移動可能である。
【0132】
いくつかの実施形態では、例えば
図49に示されるように、例示的な圧力スイッチ構成は、例えば真空スペーサー(例えば、スペーサー4000または4100)のフレーム(例えば、フレーム4001、4101、4401)に隣接する圧力フットタブ4901を含む圧力フットを含む。圧力フットには、スプリング(スイッチに接続されている、図示せず)及び/またはプッシュロッド(例えば、プッシュロッド4902)が含まれる場合があり、これは、圧力フットタブ4901を遠位に(例えば、皮膚の表面に向かって)押すことができる。圧力フットプッシュロッドは、例えば、圧力フットタブを遠位に(例えば、皮膚の表面に向かって)、及びフレーム/皮膚表面接触面に、例えば、少なくとも部分的に皮膚接触端4905を超えて(
図50を参照、矢印5001がプッシュロッド4902の運動の方向を示す)遠位に伸ばすために、ばね荷重をかけることができる。進む/進むべからずスイッチ(例えば、スイッチ5101)は、プッシュロッド4902の近位端上またはその近くに配置され得、例えば、接続5102において、前記プッシュロッド4902に接続され得る(
図51を参照のこと)。スペーサーフレーム(例えば、フレーム4001、4101、4401)を皮膚の表面に配置した場合及び/またはフレーム内に低圧または真空が確立された場合、圧力フットタブ4901及びプッシュロッド4902を近位に押すことができる。プッシュロッドを近位に動かすと、スイッチ(スイッチ5101など)が格納位置または「進むべからず」位置に移動する。スイッチは、本明細書に記載されるようにデジタル制御ユニットに接続され得、これは、スイッチ(例えば、スイッチ5101)から進むべからず信号が受信されたときに、コアリング(例えば、針ハブのz作動)が防止されるようにプログラムされ得る。スペーサーフレーム(例えば、フレーム4001、4101または4401)が近位に動かされる(例えば、引き上げられる)皮膚組織に接続される場合、圧力フットタブは、例えば、ばねの圧力によって遠位に延びることができ、それにより、プッシュロッド(例えば、4902)を遠位に移動させ、スイッチ(例えば、スイッチ5101)を「進む」位置に移動させることを許容するまたはそれを行わせるようにすることができる。本明細書に記載のデジタル制御ユニットは、進むという信号がスイッチ(例えば、スイッチ5101)から受信されたときに、コアリング(例えば、針ハブのz作動)が許可されるように、例えば、zアクチュエータが移動可能になるようプログラムされ得る。
【0133】
スペーサー、例えば本明細書に記載の真空スペーサーは、安全性の向上を提供し得、標的化されていないより深い組織は、針先端の届かないところにとどまる。使用者が装置を皮膚の表面に向かって(遠位に)押し下げた場合、スイッチを「進むべからず」または処置禁止位置に移動する(またはそのままにしておく)ことができる。使用者が引き上げて皮膚の表面から離すと、プッシュロッドがスペーサーフレームの遠位端に向かって伸び、スイッチを「進む」または処置が有効な位置に移動することができる。圧力スイッチを備えた装置は、技術訓練の補助として使用することができ、及び/または適切な「プルアップ」技法を教えるために使用できる。
【0134】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなスペーサー、例えば、真空スペーサーは、フック、針、棘、及び/または接着剤を含む1つ以上の組織固定器具を含み得、例えば、皮膚組織をフレームに一時的に取り付ける。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置(例えば、装置100、200、または400)を、他の器具と組み合わせて顔面組織の処置に使用することができる。いくつかの実施形態では、舌圧子の適用は、組織、例えば顔及び/または首の張りを誘発するのに役立つ場合があり、これがコアリング手順に有益である可能性がある。処置後、例えば治癒を改善するために、及び/または皮膚の張りを増し、例えば、さらなる処置を改善するべく、冷たい(例えば、凍結させた)タオルをコアリングした組織に適用することができる。
【0135】
付属品
真空ポンプシステム
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム及び/または装置(例えば、装置100、200、または400)は、1つまたは複数の低圧及び/または(部分的)真空生成システムを、例えば、針ハブからのコア除去のための低圧または(部分的)真空を提供するため及び/またはスペーサーフレーム及び/または針ハブに低圧または(部分的)真空、例えば吸引を提供するために、含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたは装置は、単一のポンプ、レギュレーター、制御弁、及び/またはインレットフィルタを使用する低圧または(部分的)真空システムを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたは装置は、複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)ポンプ、レギュレーター、制御弁、及び/またはインレットフィルタを使用する低圧または(部分的)真空システムを含み得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムの要素、例えばポンプを装置、例えばハンドピースに接続する圧力導管、例えばチューブは使い捨てであり得る。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、1つまたは複数のフィルタ、例えば、空気がシステムまたは装置に引き込まれる間に周囲空気から細片を除去するための空気入口フィルタ、または針ハブとポンプの間の1つまたは複数のフィルタを含み得、例えば、ポンプを細片及び/または汚染から保護する。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、1つまたは複数のトラップ、例えば、流体トラップ及び/または針ハブの上流にあるスキンコア収集トラップを含み得る。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、真空スペーサー、例えば、スペーサーフレーム、及び針ハブを接続するための接続導管を含み得る。いくつかの実施形態では、バルブ、例えば、電子ピンチバルブを使用して、導管内の流量及び/または圧力(例えば、吸引)を、例えば、チューブの1つまたは複数のセクションを折り畳むことにより、制御することができる。圧力は、他のタイプのバルブを使用して制御することもできる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電磁弁を圧力制御に使用することができる。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、システム応答を改善するための内圧アキュムレータを含み得る。例示的な低圧または(部分的)真空システムの図が
図52に示されている。
【0137】
いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システム内の圧力は、周囲空気へのベントまたは開口部(例えば、導管内のベントまたは開口部)を含む手動バルブを介して制御され得る。低圧または(部分的)真空、例えば吸引が望まれる場合、周囲への例示的なベントまたは開口部を閉じることができる。例示的なベントまたは開口部は、バルブによって、またはベントまたは開口部を使用者の指で覆うことによって閉じることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、例えば真空スペーサーを使用する組織安定化は、針ハブからのコア除去に必要な流体圧力とは異なる、スペーサー、例えばスペーサーフレームへの流体圧力の適用を必要とし得る。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムの異なる場所または構成要素における圧力は、例えば、低圧または(部分的)真空システムの1つまたは複数の構成要素または区画を通る流量を制限することによって、制御することができる。いくつかの実施形態では、流量は、例えば、針ハブまたは真空スペーサー、または針ハブまたは真空スペーサーの上流の1つまたは複数の導管に組み込まれたオリフィスによって、制御され得る。いくつかの実施形態では、流れの制限は、電子バルブを使用して、針ハブまたは真空スペーサーに制限流路を作成することによって、または針ハブもしくは真空スペーサーの上流の1つもしくは複数の導管に制限流路を作成することによって達成または制御することができる。針ハブ用のサブシステム及び真空スペーサー用のサブシステムを備えた例示的な低圧または(部分的)真空システムの図を、
図53に示す。
【0139】
いくつかの実施形態では、システムは、2つの独立した低圧または(部分的)真空システムを含み得、一方はコアの除去のために針ハブに接続され、他方は皮膚の組織に真空スペーサーフレームを取り付けるために真空スペーサーフレームに接続される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の独立した(部分的)真空システムまたは装置はそれぞれ、複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)ポンプ、レギュレーター、制御弁、及び/またはインレットフィルタを使用する低圧または(部分的)真空システムを含み得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、1つまたは複数の圧力計及び/または1つまたは複数の流量計を含み得、低圧または(部分的)真空システムまたはその構成要素の圧力を、例えば連続的または散発的に監視する。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、吸引機能のアクティブ制御及び監視、及び/または針ハブからコアを除去するためのサブシステムでの性能及び/または吸引機能のアクティブ制御及び監視用及び/または皮膚組織に真空スペーサーフレームを取り付けるためのサブシステムでの性能のためのデジタル処理ユニットを含むか、またはそれに接続され得る。いくつかの実施形態では、低圧または(部分的)真空システムは、各機能の吸引力を連続的に調整することができる。
【0141】
位置決めと位置合わせ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたは装置(例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420)は、皮膚を横切って装置を駆動するための並進機構(例えば、x及びy並進)を含み得る。いくつかの実施形態では、並進機構は、例えば、駆動輪またはロッドを含み得る。いくつかの実施形態では、並進機構は、皮膚を横切る装置の自動または手動の並進を可能にし得る。並進構成要素(例えば、ホイール)は、装置の中または上に配置することができ、または装置の外部に配置することができ、例えば、ハンドピースの中または上に配置するか、またはハンドピースの外部に配置することができる。いくつかの実施形態では、並進機構は、ボタン、キー、トグル、スイッチ、ねじ、カーソル、ダイヤル、スピンホイール、または他の構成要素などのアクチベータによって作動され得、及び/またはデジタル処理ユニットとユーザインターフェイスを使用してデジタル制御することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたは装置(例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420)は、光学追跡システムなどの位置検出デバイスまたはシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、位置検出システムは、カメラ、赤外線センサ、フォトダイオード、LED、及び/または検出器であるか、またはそれらを含み得、対象または処置領域に関連する装置の動きを追跡するのを助けることができる。光学的追跡機構は、皮膚を横切って装置を手動で並進させる場合に、皮膚の表面への中空針の配置を容易にし得る。いくつかの実施形態では、位置検出機構のための制御電子機器は、装置内または装置の外部に配置され得、例えば、本明細書に記載されるようにデジタル処理ユニットに統合され得る。いくつかの実施形態では、位置検出機構は、前の針挿入と現在の装置の位置との間の距離を監視し得、装置が所望の位置(例えば、針が最後に挿入された位置から定義された距離の位置)に達したときに、皮膚侵入機構を作動させるために制御電子機器に信号を送ることができる。所望の距離及び/または位置は、デジタル処理ユニットと通信するユーザインターフェイスで制御することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたは装置はまた、装置及び/または針ハブ及び/または装置の1つまたは複数の中空針の位置決め(例えば、位置合わせ)を容易にするためのガイドまたはテンプレートを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドまたはテンプレートは、装置の1つまたは複数の中空針がたどるための事前設定されたアレイパターン(例えば、本明細書でさらに説明される)を設ける1つまたは複数の穴または開口部を含み得る。ガイドまたはテンプレートは、単独で使用することも、位置検出機構と組み合わせて使用することもできる。いくつかの実施形態では、中空針は、x及び/またはyアクチュエータによって並進され、ガイドまたはテンプレートを横切って移動し、ガイドまたはテンプレートによって設定されたアレイパターンに従って、ガイドまたはテンプレートの穴または開口部の皮膚組織部分を除去し得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、システムまたは装置(例えば、装置100、200、または400)を、位置合わせフレームを使用して位置決め及び/または位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、装置の遠位部分、例えば、スペーサーフレーム(例えば、上記のような真空スペーサーのフレーム、例えば、フレーム4001、4101、または4401)は、位置合わせフレームの中、上、または周囲に配置され得、例えば、位置合わせフレーム上のマーキング(例えば、視覚的マーカー、突起、または磁石)に沿って、処置される表面上に装置を位置合わせする。いくつかの実施形態では、位置合わせフレーム上のマーカーは、位置合わせフレーム内の突起またはくぼみを含み得る。いくつかの実施形態では、位置合わせフレームは、例えば、本明細書に記載されるように、例えば、真空スペーサーフレームに関して本明細書に記載されるように下層組織を安定化するために、低圧または(部分的)真空システムに接続され得る。
図54は、低圧または(部分的)真空チャネル5401及びフレームの内壁上の突起5402を含む例示的な真空位置合わせフレーム5400を示す。いくつかの実施形態では、真空位置合わせフレームは、真空スペーサーフレームと組み合わせて、または真空スペーサーなしのコアリング装置と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、真空位置合わせフレームは、(部分的)真空または低圧によって誘発される皮膚の張力を乱すことなく、手順中(例えば、装置のスペーサーフレームによって囲まれた領域よりも広い領域をカバーするための複数のコアリングサイクル)に装置の再適用を可能にし得る。
図55は、例えば、
図54に示すような位置合わせフレーム5400と共に使用される、装置(例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420の遠位端に取り付けられた、またはその一部)の例示的な遠位端構成要素5500を示す。(真空)位置合わせフレーム(例えば、フレーム5400)上の突起5402は、コアリング中に遠位端構成要素5501の1つまたは複数のくぼみ(例えば、くぼみ5501)に挿入され、装置の所望の位置を維持し得る。コアリングサイクルの完了後、装置は(真空)位置合わせフレームに沿って次の位置に移動することができる。いくつかの実施形態では、装置の遠位端構成要素は、例えば、
図56に示されるように、真空スペーサーフレーム端部5600として実装され得る。いくつかの実施形態では、チャネル5601を含む真空フレーム端部5600(上記の真空フレーム、例えば、フレーム4001と同様)は、例えば、1つ以上の外壁上に、例えば、以前に作成された一列の穴を備えた装置と視覚的に整列するために使用できる1つ以上の特徴5602を含み得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、スペーサーまたはその構成要素、例えば、上記のようなスペーサーのフレーム(例えば、フレーム4001、4101、または4401)は、例えば、
図57A及び
図57Bの例えばスペーサー5700に示されるように、移動可能な位置合わせ要素を含み得る。
図57Aでは、可動位置合わせ要素5702は、処置される皮膚の表面5703に向かって延びる。いくつかの実施形態では、可動位置合わせ5702要素は、透明の材料で作製され得、コアリングの前に視覚的に位置合わせされ得、例えば、以前にコアリングされた穴の列に沿って位置合わせされるか、または解剖学的特徴に沿って位置合わせされ得る。
図57Bは、スペーサー5700のスペーサーフレームが皮膚の表面5703に接触するように装置が皮膚の表面に向かって移動するときの格納位置にある可動位置合わせ要素5702を示している。いくつかの実施形態では、可動位置合わせ要素は、可動位置合わせ要素が伸長位置にあるときにスイッチの作動がz作動を防止させ得るようにプログラムされた制御ユニットに接続されたスイッチを含み得るか、またはそれに接続され得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、スペーサーフレーム、例えば、真空スペーサーフレーム(例えば、フレーム4401、例えば、
図44に示される)は、1つまたは複数の内部位置合わせ要素を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサーフレームは、サブフレーム、例えば、
図44に示されるようなサブフレーム4405を含み得、これを、1つまたは複数のサブフレーム要素を、以前にコアリングした穴の列に位置合わせするのに使用することができる。サブフレーム5805を使用した、上記のフレームと実質的に同様の例示的なスペーサーフレーム5801の例示的な位置合わせが、
図58Aに示されている。スペーサーフレームのバーは、以前に製造されたコアと位置合わせすることができる。サブフレームを使用した例示的な真空スペーサーフレームの別の例示的な位置合わせが
図58Bに示されている。いくつかの実施形態では、スペーサーフレームは、ワイヤ(例えば、
図59Aのフレーム5901に示されるようなワイヤ5902)のグリッドの形態または透明要素(例えば、
図59Bのフレーム5901に示されるような透明要素5903)の形態の1つ以上の内部位置合わせ要素を含み得る。
【0147】
光学技術またはデバイスは、例えば、コアリング中に皮膚の領域を視覚的に検査するために、または装置、例えば、装置100、200、または400を位置合わせするために使用され得る。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、フレームを含む真空スペーサーは、処置されている(例えば、コアリングされている)皮膚の領域が処置中に見えるままであるように構成される(例えば、サイズが決められる)ことができる。いくつかの実施形態では、スペーサーは、装置の側面から及び/または装置の近位の位置から(例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420)視線を作り出す1つまたは複数の構造を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサー及び/またはスペーサーフレームは、透明、半透明(semi-transparent及び/またはtranslucent)の素材で作ることができる。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ミラーアセンブリを含み得、例えば、位置決め及び視線を調整するためにボールジョイントに接続されたミラーを含み得る。ミラーアセンブリ6001と組み合わせた例示的なスペーサー6000が
図60に示されている。1つまたは複数のミラー6002は、例えば、ボールジョイント6003上に移動可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ミラーアセンブリ内のミラーは、例えば、視覚的拡大を提供するために、凹面または凸面のミラーであり得る。いくつかの実施形態では、装置は、ディスプレイスクリーンに接続されたカメラを含み得るか、またはカメラに接続され得る。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、
図61に示されるように、コアリング中に皮膚領域(例えば、例示的なスペーサー6100の例示的なスペーサーフレーム6101の)を視覚化するためのカメラ(例えば、カメラ6102)を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、例えば、処置領域の位置決めまたは監視を支援するために、1つまたは複数の照明源を含み得る。いくつかの実施形態では、照明源は、発光ダイオード(LED)及び/または発光体に接続された光ファイバーケーブルを含み得る。光源6201を含む装置の例示的な実施形態が
図62に示されている。いくつかの実施形態では、光の交差偏光及び/または特定の波長の光を使用して、例えば、皮膚のコントラストを最適化し、グレア及び/または望ましくない反射を低減する、及び/または奥行き知覚を改善することができる。光の波長及び/または光強度は、例えば、コアリングされた穴などの特定の構造または組織の視認性を改善するために調整することができる。
【0148】
光学デバイス及び技術を使用して、例えば光投影デバイスを含む装置(例えば、装置100、200、または400)を位置合わせさせることができる。いくつかの実施形態では、光投影デバイスを使用して、皮膚領域に十字線を投影し、装置の視覚的位置合わせを支援することができる。使用できる光投影技術は、発光ダイオード(LED)、レーザー、及び/またはデジタル光処理技術と共に使用することができる無支援の目視検査に使用できる他の発光体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、直接目視検査を利用して、及び/またはビジョンシステムを使用して、例えば、カメラとディスプレイを使用して、位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、ビジョンシステムは、例えば、
図63に示されるように、以前にコアリングされた領域上の所望の位置のオーバーレイの表示を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、画像処理システム及び方法(例えば、本明細書に記載の装置の画像化システムによってキャプチャされたデータを使用してデジタル処理ユニットに実装される)を使用して、例えば、既にコアリングされた領域を分析することによって、使用者を誘導することができ、次の領域をコアリングするための装置の配置に関するガイダンスを使用者に提供することができる。画像処理システムはまた、コアリング手順を(例えば、リアルタイムで)評価するために、例えば、コアリングの失敗を判定するのに使用され得る。完全なコアの除去(円)を示す画像処理システムの例示的な出力が
図64に示されている。コアの除去が不完全なことは、コア領域に円がないことにより示され得る、またはその逆であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、1つまたは複数の位置追跡機構、例えば、皮膚の表面上の装置の動きを追跡するために使用することができるローラー、トラックボール、及び/またはレーザーを含み得る(例えば、対象の皮膚上の例示的な装置6500の動きを示す
図65を参照のこと)。いくつかの実施形態では、装置は、皮膚の表面と接触しているボールと、装置が皮膚の表面上を移動するときのボールの移動データをキャプチャするための電気機械デバイスとを含み得る。ボールの動きのデータは、装置の位置を追跡するために使用できる。位置情報は、(例えば、デジタル処理ユニットによって)処理され、例えば、スクリーン上に、例えば、皮膚領域画像上のオーバーレイを示すように表示され得る。
【0149】
ハンドピースの侵入シールド
本明細書に記載の装置(例えば、装置100、200、または400)は、単回使用の構成要素及び/または再利用可能な構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、例えば、処置手順の完了後に廃棄される単回使用の構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、装置の1つまたは複数の構成要素、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121、221、または421)によって収容された構成要素は、再利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、ハンドピースシェルは、洗浄及びまたは滅菌されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハンドピースシェルは、例えばエタノールまたは漂白剤を使用して拭くことによって洗浄することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピースシェルは、動作中に使い捨てドレープで覆われ得る。
【0150】
上述のように、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムは、流体または他の物質が装置、例えば、ハンドピース、例えば、ハンドピース120、220、または420の遠位開口部に入るのを防ぐ技術を含み得る。いくつかの実施形態では、ハンドピース進入シールド(例えば、ハンドピース進入シールド6601は、装置(例えば、装置100)の遠位端もしくはその近くに、またはハンドピース(例えば、ハンドピース120)の遠位端に、例えば
図66に示されるように取り付けられ得る。ハンドピース進入シールド6601は、針ハブ(例えば、針ハブ110)がx、y、及び/またはz方向に動く間にハンドピースの内部、例えばハンドピースシェルにより収容された構成要素を保護することができるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハンドピース進入シールド(例えば、ハンドピース進入シールド6601)は、
図67に示すように、針ハブ、例えば、ダイヤフラム6701とのシールを提供するように構成された針ハブオリフィスを含む可撓性ダイヤフラムであり得るか、またはそれを含み得る。ダイヤフラムは、ポリマーまたは他の可撓性の材料でできていて、例えば、x及び/またはy方向への針ハブの動きを可能にすることができ、再利用可能または使い捨ての場合がある。いくつかの実施形態では、ダイヤフラムは、ハンドピース、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121)に取り付けられ得、針ハブが針ハブオリフィス、例えば、針ハブオリフィス6702内で自由にスライドしながらシールを維持できるように、針ハブと接触シールを形成し得る。いくつかの実施形態では、ダイヤフラム、例えば、
図68に示されるようなダイヤフラム6801は、例えば、クランプ6802または同様のものを使用して、針ハブオリフィスで針ハブに接続され得る。クランプされたダイヤフラムは、針ハブがz方向に(例えば、皮膚の表面に垂直に)及び/またはx/y方向に(例えば、皮膚の表面に平行に)動くことを可能にするのに十分に柔軟であり得る。針ハブが、例えば、z方向に(例えば、処置される皮膚の表面に垂直に)作動されると、針ハブオリフィスは、針ハブと一緒に、例えば、
図68に示されるように、例えばz方向に共に移動する。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、進入シールドダイヤフラムの動きによる、ハンドピース内の空気の体積の変化を補償するための第2のダイヤフラムまたは他の技術を含み得る。いくつかの実施形態では、可撓性ダイヤフラムは、針ハブオリフィスで針ハブに接続され得、例えば、針ハブの収縮(近位の移動)を助けるために、針ハブにz方向に力を及ぼすように構成され得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、
図69に示されるように、ハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)の内部を(さらに)保護するためのスライディングプレート、例えば、スライディングプレート6901を含み得る。スライディングプレートは、x及び/またはy方向で移動可能であり得、例えば、針ハブ、例えば、針ハブ6910に接続されたzアクチュエータのシャフト(例えば、z軸プッシュロッド6902)の周りの1つまたは複数のシール6903を含み得る。スライディングプレート6901の周りのシール(例えば、シール6903)の組み合わせは、汚染物質の侵入を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、装置は、1つまたは複数のベローズ(ダイヤフラムと同様に実装され得る)、面及びシャフトシール(例えば、スライディングプレートと同様)、及び/またはスライディングソックスを含むシーリング技術を含み得るか、またはそれらに接続され得る。
【0152】
消耗品の検出―ハンドピース
いくつかの実施形態では、針ハブ(例えば、針ハブ110、210、または410、または針ハブ2710または3610)は、消耗品として実装され得、例えば、針ハブは、一定量の使用後に廃棄され得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、特定の数の挿入/抽出サイクル、例えば、約50サイクル、100サイクル、150サイクル、200サイクル、250サイクル、300サイクル、350サイクル、400サイクル、450サイクル、500サイクル、600サイクル、700サイクル、800サイクル、900サイクル、または約1000サイクル後に交換することができる。いくつかの実施形態では、針ハブは、特定の時間、例えば、針ハブが装置(例えば、装置100、200、または400)の中または上に配置された時間の後に、例えば、針ハブマウントが取り付けられた後、置き換えることができる。いくつかの実施形態では、針ハブは、単回使用アイテムであり得、例えば、針ハブは、それが装置から取り外された後、例えば、針ハブマウントから外された後、再び使用され得ない。これにより、例えば、別の対象での針ハブの再利用を防ぎ、感染の可能性を減らすことで、安全性を向上させることができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、針ハブは、固有の識別子を含み得る。いくつかの実施形態では、識別子は、針ハブ(例えば、二次インサート2703または3603の内部または上などにあるタグ、例えば、チップ(例えば、RFIDチップ))に取り付けられるか、または組み込まれ得、特定の針ハブを識別するため、例えば、針ハブの使用状況を監視するために使用され得る。いくつかの実施形態では、タグは、タグが要素、例えば、読み取り/書き込み要素に(直接)接触する(例えば、触わる)か、そうでなければそれに接続することができるように、針ハブに取り付けられ得、これは、針ハブが取り付けられている場合、例えば針ハブマウントに取り付けられている場合、装置(例えば、針ハブマウント、ハンドピース及び/またはzアクチュエータ)に固定されているか、または装置に統合されている。いくつかの実施形態では、読み取り/書き込み要素は、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル121、221、または421)に取り付けられる、ハンドピースに固定または移動可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、読み取り/書き込み要素は、針ハブタグ(例えば、チップ)からデータを受信して、前記信号を処理する及び/または針ハブタグにデータを書き込むように動作可能であり得るデジタル処理ユニットと電子通信することができる。いくつかの実施形態では、読み取り/書き込み要素及び針ハブタグは、近距離無線通信(NFC)システムとして実装できる。いくつかの実施形態では、針ハブタグは、それに格納されたデータ(例えば、電子データ)、例えば、固有の識別子及び/または特定の最大サイクル数をコードするデータを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブが、例えば、針ハブマウントに取り付けられている場合、デジタル処理ユニットは、針ハブが実際に取り付けられて読み取り/書き込み要素を介してタグとのデータ交換を開始することができるという信号を受信し得る。コアリング中、デジタル処理ユニットは、例えば、それに取り付けられたセンサを介して、zアクチュエータから、またはボイスコイルとの間の電気信号からデータを受信し得、プログラムを実行して、挿入/抽出サイクルの数をカウントする場合がある。特定のサイクル数、例えば、デジタル処理ユニットに事前にプログラムされた数及び/または針ハブタグに格納された数に達すると、デジタル処理ユニットにより、zアクチュエータの移動が停止する、例えば、針ハブが取り外されて新しい針ハブが取り付けられるまで、z作動がブロックされることがある。いくつかの実施形態では、デジタル処理ユニットは、読み取り/書き込み要素に、データ(例えば、電子データ)、例えば、針ハブが取り付けられた及び/または使用されたことを示すデータを針ハブ上のタグに書き込ませることができる。いくつかの実施形態では、デジタル処理ユニットは、針ハブが装置に取り付けられた直後に、読み取り/書き込み要素にデータ、例えば、針ハブが取り付けられた及び/または使用されたことを示すデータをタグに書き込ませることができる。いくつかの実施形態では、装置のデジタル処理ユニットは、針ハブが以前に取り付けられたことを示すそのようなデータが、例えば、読み取り書き込み要素を介して受信される場合、z作動を防止するようにプログラムされ得る。これにより、針ハブを取り外した後、針ハブを再利用できなくなる可能性がある。
【0154】
いくつかの実施形態では、針ハブの取り付け、例えば、針ハブマウントへの針ハブの取り付けは、例えば、ホール効果センサを含むホールスイッチデバイスを使用して検証することができる。ホール効果センサは、磁場に応じて出力電圧を変化させる可能性のあるトランスデューサーである。いくつかの実施形態では、針ハブは、針ハブがハンドピース及び/またはzアクチュエータに適切に取り付けられたときに、例えば針ハブマウントまたはハンドピースでホール効果センサを作動させるように動作可能な磁気要素を、例えば近位端に含み得る。取り付け時に、ホール効果スイッチデバイスは、ホール効果センサから信号を受信し、信号をデジタル処理ユニットに送信することができ、例えば、zアクチュエータロックを解放させることができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、リードスイッチデバイスを、ホールスイッチデバイスの代わりに、またはそれに加えて使用することができる。リードスイッチは、磁場の存在によって作動する電気スイッチである。いくつかの実施形態では、針ハブは、針ハブが例えば針ハブマウントに適切に取り付けられたときに、例えば針ハブマウントのリードスイッチを作動させるように動作可能な磁気要素を、例えば近位端に含み得る。リードスイッチデバイスは、リードスイッチから信号を受信し、信号をデジタル処理ユニットに送信することができ、例えば、zアクチュエータロックを解放させることができる。
【0156】
本明細書に記載の装置(例えば、装置100、200、または400)と共に使用することができる針ハブマウントの例示的な実施形態が、
図70に示されている。例示的な針ハブ(図示せず)は、針ハブマウント、例えば、針ハブマウント7001に取り付けられている。いくつかの実施形態では、針ハブマウントは、zエンコーダ(例えば、エンコーダ7002)、例えば、1つまたは複数のセンサに接続されて、z作動を監視し、例えば、z作動サイクルをカウントすることができる。ホールセンサ(磁場の大きさを測定するために使用できるデバイス)(図示せず)は、ハンドピースの中または上、例えば、ハンドピースシェル(例えば、ハンドピースシェル7021)と、NFC/ホール効果センサボード、例えばボード7003)との間に取り付けられ得る。NFC/ホール効果センサボードは、例えば、デジタル処理ユニット(例えば、本明細書に記載の制御ユニット)と針ハブとの間にNFC用の電子要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ホールスイッチデバイスを使用して、スペーサー、例えば、本明細書に記載の真空スペーサー(例えば、スペーサー4000または4100)の存在及び/または適切な取り付けを、例えば、スペーサーをハンドピースシェル上のスペーサークリップに接続するとき確認することができる。
【0157】
上記のように、いくつかの実施形態では、デジタル制御ユニットをプログラムする及び/または使用して、針ハブへの潜在的な損傷を検出し、針ハブが交換されるまで、装置、例えばzアクチュエータの作動をブロックすることができる。いくつかの実施形態では、損傷した針ハブの交換は、損傷した針ハブに関連するタグ(例えば、チップ)の除去、及び針ハブと異なるタグ(例えば、チップ)との接続によって示され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、針ハブ(例えば、針ハブ110、210、または410、または針ハブ2710または3610)及びスペーサー、例えば、真空スペーサー(例えば、スペーサー4000または4100)は、ハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)から取り外し可能であり得、一緒にまたは互いに独立して交換可能であり得る。いくつかの実施形態では、装置の本明細書に記載のハンドピース(例えば、ハンドピース7120)は、例えば、
図71Aに示されるように、本明細書に記載の針ハブ(例えば、針ハブ7110)を最初に取り付けられ得、次に、本明細書に記載のスペーサー、例えば、真空スペーサー7130を、例えば、
図71Bに示されるように、取り付けられる。いくつかの実施形態では、装置のハンドピースは、最初にスペーサー、例えば、真空スペーサーが取り付けられ、次に針ハブが取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、装置のハンドピース(例えば、ハンドピース7120)は、例えば
図72に示すように、例えば、1つの操作において、針ハブ(例えば、針ハブ7110)及びスペーサー、例えば、真空スペーサー7130を取り付けられ得る。針ハブ及びスペーサー、例えば、真空スペーサーは、別々に包装され得るか、または、例えば、針ハブ及びスペーサーの同時取り付けのために一緒に包装され得る。いくつかの実施形態では、包装デバイス(例えば、箱)は、設置及び/または除去ツールとして機能し得る特徴、例えば、インサートを有し得る。いくつかの実施形態では、チューブ、流体/細片トラップ(複数可)及び/またはシステムもしくは装置の他の構成要素は交換可能である可能性がある、及び/または針ハブ及び/またはスペーサーと一緒に包装され得る。
【0159】
例示的な針ハブの取り付け及び/または交換手順が
図73に示されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の針ハブは、ハンドピース、例えば、針ハブマウント及び/またはzアクチュエータ(例えば、ボイスコイルアクチュエータ)に、磁石にて固定することができる(例えば、針ハブ及び/または針ハブマウントに永久磁石または電磁石を使用する)。いくつかの実施形態では、針ハブ上の幾何学的特徴及び/または針ハブマウントを使用して、針ハブの向きを制御することができる。いくつかの実施形態では、針ハブは、スナップ、ねじ山、及び/またはバヨネットカップリングなどの機械的手段によって取り付けることができる。いくつかの実施形態では、包装器具、例えば、針先プロテクターは、設置及び/または除去用ツールとして使用され得る。いくつかの実施形態では、設置及び/または除去用ツールは、例えば、針ハブを数分の1回転ひねることにより、針ハブを解放及び/または取り外すために、利用することができる。いくつかの実施形態では、取り付け手順のステップを逆にして針ハブを解放及び/または取り外すことができる。いくつかの実施形態では、針ハブは、電磁石、または手動及び/または機械式デバイスを使用して排出され得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、本明細書に記載の真空スペーサー(例えば、スペーサー4000または4100)は、ハンドピース(例えば、ハンドピース120、220、または420)に取り外し可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、真空スペーサーは、ハンドピースの遠位端で1つまたは複数のレールと係合することができる、近位端の1つまたは複数のチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、例示的なスペーサーをハンドピースに取り付けるために、例示的なスペーサー(例えば、スペーサー7430)の1つまたは複数のチャネル7431は、ハンドピース、例えば本明細書に記載されるような、例えば
図74に示されるようなハンドピースシェルの遠位端7422で、1つまたは複数のレール7401上をスライドすることができる。チャネル7431の端部にある1つまたは複数の戻り止め7432は、1つまたは複数のスナップ7402と係合して、スペーサー7430を所定の位置にロックすることができる。レール7401は、スムーズに係合するために傾斜路7403を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドピースの遠位端、例えば、遠位端7422は、例えばスペーサー、例えば、スペーサー7430のアクチュエータのz軸の周りなどでの回転を防止するために、スペーサー7430(図示せず)上の凹部と係合可能なポスト7404を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、スペーサー7430は、例えば、ハンドピースのためにスペーサー7430を除去するために、プルタブ7434を含み得る。いくつかの実施形態では、ハンドピースは、スペーサー、例えば真空スペーサーの近位端で1つまたは複数のレールと係合することができる、遠位端のチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、真空スペーサーは、例えば、
図75に示されるように、スナップオン/ピンチオフ機構、例えば、機構7501を使用して、ハンドピースに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば、真空スペーサー7600は、例えば
図76に示すように、スペーサーを所定の位置に固定するために、戻り止め(例えば、戻り止め7601)を備えたバヨネット及び/または1/4回転装置を使用してハンドピースに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、スペーサー、例えば真空スペーサーは、スペーサー上の磁気コネクタ及び/またはハンドピースを使用することによって、または1つ以上のボール/迅速接続ジョイントを使用することによって、スペーサーをハンドピースにねじ込むことにより、ハンドピースに取り付けられ得る。
【0161】
例示的なスペーサー取り付けシステムが
図77に示されている。いくつかの実施形態では、針ハブ及びスペーサー、例えば、真空スペーサー、包装される及び/または一緒にマウントされる。例示的なジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ(例えば、アセンブリ7700)は、第1の位置から第2の位置に移動可能である可動またはスライド可能な要素、例えば、円形のスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)を含み得る(
図77A)。いくつかの実施形態では、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)が第1の位置にあるとき、可動またはスライド可能な要素は、針ハブ(例えば、針ハブ7710)及びスペーサー(例えば、スペーサー7730)の両方に係合し得る。いくつかの実施形態では、可動またはスライド可能な要素が第2の位置にあるとき、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)は、スペーサー(例えば、スペーサー7730)及びハンドピース(例えば、ハンドピース7720)の両方に係合し得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)は、針ハブ、スペーサー、及び/またはハンドピースの1つまたは複数の溝またはレールと係合することができる円形のスライド可能な要素であり得る。可動またはスライド可能な要素が第1の位置にあるとき、針ハブが保持される及び/またはスペーサーに対して所定の位置にロックされ、例えば、可動またはスライド可能な要素は、針ハブ及びスペーサーの両方に係合する。例示的なジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリは、例えば、ジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ(例えば、アセンブリ7700)を、ハンドピース(例えば、ハンドピース7720)の遠位端でタング(例えば、タング7721)の上にスライドさせることによって、ハンドピース(例えば、ハンドピース7720)に接続され得る(
図77B及び
図77B’)。保管中及び/またはジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ(例えば、アセンブリ7700)をタング(例えば、タング7721)上にスライドさせている間、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)は、第1の位置に留まる。ジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ(例えば、アセンブリ7700)がハンドピース上のその最終的な位置にあるとき、例えば、アセンブリをタング(例えば、タング7721)上に(完全に)スライドさせた後、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)は、第2の位置(
図77C)に移動(例えば、回転)され得る。いくつかの実施形態では、ジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ上の1つまたは複数の溝またはレールは、ハンドピース上の1つまたは複数の溝またはレールと位置合わせでき、可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)が、例えばタング7721上で、スペーサー(例えば、スペーサー7730)及びハンドピース(例えば、ハンドピース7720)の両方において、溝またはレールと係合することを可能にし、したがって、スペーサーとハンドピースとの間の接続を形成することができる。可動またはスライド可能な要素(例えば、リングロック7701)が第2の位置にあるとき、スライド可能な要素は、針ハブ(例えば、針ハブ7710)の溝またはレールを外すことができ、針ハブは、スペーサー(例えば、スペーサー7730)から取り外すことができ、したがって、針ハブ(例えば、針ハブ7710)の移動(例えば、作動)を可能にする。ハンドピースからジョイントスペーサー及び針ハブアセンブリ(例えば、アセンブリ7700)を取り外すために、上記の手順を逆にすることができる(
図77D及び
図77E)。
【0163】
代替的なコア抽出実装
本明細書に記載のシステムは、組織を除去せずにコアリングするために実装することができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の針は、1つ以上のマイクロコアを生成するために使用され得るが、針は、コアが所定の位置に残った状態で組織から抽出され得る。いくつかの実施形態では、組織コアの除去は、1つまたは複数の別個のシステムの構成要素を使用して達成することができる。いくつかの実施形態では、接着フィルムが、マイクロコアを含む組織に適用され得る(
図78Aを参照のこと)。接着フィルム(例えば、フィルム7801)が除去されると、1つまたは複数の組織コア2000がフィルムに付着したままであり、除去することができる(
図78Bを参照のこと)。いくつかの実施形態では、別個の吸引デバイス7900を使用して、例えば、
図79A及びBに示されるように、コアリング後に1つまたは複数の組織コア2000を除去することができる。いくつかの実施形態では、掻き取りデバイス8000を使用して、掻き取りデバイスが処置された皮膚の表面を横切って移動するときに1つまたは複数のマイクロコアを係合し、したがって、例えば
図80に示すように、1つまたは複数のコア2000をそれぞれの穴から引っ張ることができる。
【0164】
針
本明細書に記載の例示的な装置は、少なくとも1つの中空針を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の例示的な装置は、少なくとも1つの第1のプロングを有する少なくとも1つの中空針を含み得る。いくつかの実施形態では、プロングの側面と中空針の縦軸との間の角度(例えば、斜角α)は、少なくとも約20度であり得る(例えば、斜角αは、約20度より大きくてよく、例えば20度、22度、24度、26度、28度、30度、32度、34度、36度、38度、及び40度超であるか、または約20~約40度の角度、20~40度、20~38度、20~36度、20~34度、20~32度、20~30度、20~28度、20~26度、20~24度、20~22度、22~40度、24~40度、26~40度、28~40度、30~40度、32~40度、34~40度、36~40度、または38~40度の間であってよい)。特に、プロングの側面と中空針の縦軸との間の角度(例えば、斜角α)は、約30度であり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、中空針のプロングの先端はエッジであり得る。いくつかの実施形態では、中空針のプロングの先端は、少なくとも2つの寸法を有する平らな先端である。いくつかの実施形態では、中空針のプロングは、先端の微細な特徴を含む。中空針は、針先端のねじ曲がりや摩耗(鈍くなるなど)、針の尾部の劣化、針のねじ曲がりなど、使用中に頻繁に針が損傷するのを防ぐように構成されている場合がある。中空針は、多数の作動サイクル(例えば、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、1,0000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、または20,000を超える作動サイクル)にわたって機械的完全性と耐久性を維持するように設計することができる。針はまた、高いコアリング率で皮膚から組織部分を効果的に除去することができる。いくつかの実施形態では、皮膚組織に美容効果をもたらすために、好ましくは、中空針の管腔にある皮膚組織の一部を捕捉することにより中空針が皮膚組織の一部を除去するように、装置の中空針を所定の力を使用して皮膚組織に所定の深度まで挿入することができる。
【0166】
プロング
図81に示すように、装置の中空針の遠位端8120(例えば、皮膚組織に侵入する針の端)は、1つまたは複数のプロング8121を形成するように成形され得る。いくつかの実施形態では、装置の中空針は、遠位端に1つのプロング、2つのプロング、または2つより多いプロング(例えば、3つ、4つ、5つ、または6つのプロング)を有し得る。中空針の縦軸に対してある角度で中空針の遠位端の片側を研削することによって、1つのプロングを有する中空針を形成することができる。中空針の縦軸に対してある角度で中空針の遠位端の反対側を研削することによって、2つのプロングを有する中空針を形成することができる。
【0167】
中空針の遠位端にあるプロングの幾何学形状は、斜角によって特徴付けることができる。斜角、例えば、
図82に示されるような角度αは、プロングの側面8231と中空針の縦軸8232との間の角度を指す。「2α」の角度は、中空針のプロングの2つの側面の間の角度、例えば、中空針の側面8231と側面8233との間の角度を指す。いくつかの実施形態では、プロングの側面と中空針の縦軸との間の斜角αは、少なくとも約20度(例えば、約20度から約40度の間(例えば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40度))であり得る。プロングの側面と中空針の縦軸との間の角度は、約30度であり得る。2つ以上のプロングを有する中空針の場合(例えば、
図83に示されるように)、各プロングは、同じ斜角または異なる斜角を有し得る。いくつかの実施形態では、2つのプロング、例えば、第1のプロング及び第2のプロングを有する中空針の場合、第1のプロングの側面と中空針の縦軸との間の角度は、約20度と約30度の間(例えば、20、22、24、26、28、または30度)であり得、第2のプロングの側面と中空針の縦軸との間の角度は、約30度と約40度の間(例えば、30、32、34、36、38、または30度)であり得る。例えば、第1のプロングは、20度の斜角αを有し得、第2のプロングは、30度の斜角αを有し得る。
【0168】
少なくとも約20度以上の斜角αは、皮膚組織への挿入及び引き抜きのいくつかの作動サイクルにわたって針の機械的完全性を改善し得る。下の表1は、2αの斜角が40度の2プロング(各プロングの斜角αが20度)中空針が、2αの斜角が20度の2プロング(各プロングの斜角αは10度)の中空針に比べて、針先端のねじ曲がりの発生を低減できることを示している。例示的な実装形態では、合わせて、それぞれが10°の斜角αである5本の2プロング中空針と、それぞれが20°の斜角αである5本の2プロング中空針とが、テストされた。
【表1】
【0169】
さらに、
図83は、プロングの針斜角αを増加させることにより、多数の作動サイクルにわたる針末尾の劣化の発生を低減し得ることも示している。
図83に示すように、斜角αが10度の中空針は、2,000回の作動サイクルの前に針の末尾の劣化の兆候(破線の円で示される)を示したが、斜角αが20度の中空針と斜角αが30度の中空針は、10,000回の作動サイクルにわたって、針末尾の劣化の明らかな兆候を示さなかった。
【0170】
中空針のプロングの先端は、様々な幾何学形状のものである可能性がある。例えば、プロングの先端は、鋭い先端またはエッジ(例えば、一次元のエッジ)を有し得る。いくつかの実施形態では、先端にエッジを備えるプロングの場合、プロングの斜角のそれぞれは、少なくとも約20度(例えば、約20度から約40度(例えば、約30度))であり得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のプロング、例えば2つのプロングを有する中空針の場合、プロングは、異なる斜角(例えば、第1のプロングで約20度の斜角α、及び第2のプロングで約30度の斜角α)を有し得る。プロングの先端は、平らな先端(例えば、二次元を有する平らな先端)であり得る。例えば、平らな先端には長さと幅を有する場合がある。プロングの平らな先端の表面(長さ/幅)は、中空針の縦軸に対してある角度にあり得る。例えば、平らな先端の表面は、中空針の縦軸に垂直であり得(例えば、中空針の縦軸に対して90度の角度)、または平らな先端の表面は、中空針の縦軸に対して90度ではない角度(例えば、約3と約89度の間、例えば、3~89度、例えば、3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、または89度)であり得る。平らな先端の表面は、水平であってもよく、異なる幾何学形状、例えば、弧、溝、または非水平であってもよい。二次元の平らな先端を有するプロングの場合、プロングの各斜角は、約2度から約40度の間(例えば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40度)であり得る。針は、それぞれが2次元の平らな先端を有する1つまたは2つのプロングを有し得、そのプロングの一方または両方は、少なくとも約20度(例えば、約20度から約40度(例えば、約30度))の斜角αを有する。一次元のエッジまたは二次元の平らな先端を有する針は、針先端がねじ曲がる可能性が低くなり得る。
【0171】
ゲージ、内径、及び長さ
本明細書に記載の装置の中空針は、18から30のゲージ(例えば、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ゲージ)を含む任意のゲージのものであり得る。中空針のゲージは、22から25(例えば、22、23、24、または25ゲージ)であり得る。装置の中空針は、約0.14mmから約0.84mmの内径を有し得る(例えば、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、または0.84mm)。中空針の内径は、中空針の内腔の直径を指す場合がある。中空針の内径は、約0.24mmから約0.40mmであり得る(例えば、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、または0.4mm)。中空針の内径は、約0.5mmから約2.5mmであり得る(例えば、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5mm)。したがって、いくつかの実施形態では、装置の中空針によって除去された皮膚組織の一部(例えば、コアリングされた組織部分)の直径は、一般に、中空針の内径に相応し得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、中空針の外径及び/または内径は、その長さ全体にわたって異なる可能性があり、その結果、中空針の1つの領域の直径は、同じ針の別の領域の外径及び/または内径とは異なり得る。中空針の直径の変化は、連続的である場合とそうでない場合がある。いくつかの実施形態では、中空針は完全に円筒形であってもなくてもよい。例えば、1つまたは複数の中空針は、1つまたは複数の次元で、それらの長さの一部またはすべてに沿って、長方形、鋸歯状、スカラップ状、及び/または不規則であり得る。いくつかの実施形態では、内腔の直径は、中空針の長さに沿って異なり得る。いくつかの実施形態では、針は、少なくとも20度(例えば、約20度と約40度の間(例えば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40度))の斜角α、及びその長さ全体にわたり可変の内腔直径を備える、スウェイジされた中空針であり得る。スウェイジされた中空針は、中空針の遠位端の近く(例えば、皮膚組織に侵入する針の端の近く)でより短い直径を有し得る。いくつかの実施形態において、内径は、中空針の近位端において(例えば、皮膚に侵入する先端から離れて)より広くあり得る。これは、中空針からのコアリングされた組織部分の除去を容易にする可能性があり、中空針の除去の必要性を制限する可能性がある、及び/または針詰まりの発生を減らすことができる。
【0173】
装置の中空針は、様々な長さのものであり得、様々な有効な長さ(例えば、皮膚組織に侵入するように構成された中空針の長さ)を有し得る。有効な長さは、約0.5mmから約10mmまで変化し得(例えば、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、または10mm)、手動または自動制御を使用するよう調整可能/選択可能であり得る(例えば、本明細書に記載されるように、例えば、スクロールホイールまたは電磁アクチュエータなどの作動機構を使用する)。中空針の有効な長さは、処置が必要な皮膚の領域に応じて調整及び選択することができる。いくつかの実施形態では、約0.5mmから約2mm(例えば、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、または2mm)の有効な長さを有する中空針を使用して、薄い皮膚、例えばまぶたの皮膚を処置することができる。まぶたの皮膚の表皮層及び真皮層の厚さは、約0.5mmから約1mm(例えば、0.5、0.6、0.8、または1)であり得る。約5mmから約10mm(例えば、5、6、7、8、9、または10mm)の有効な長さを有する中空針を使用して、厚い皮膚、例えば健常な皮膚組織よりも厚い場合のある、背中の皮膚または瘢痕組織を処置することができる。皮膚の表皮層の厚さは、約0.05m~約2mmであり得る(例えば、0.05~2、0.05~1.95、0.05~1.9、0.05~1.85、0.05~1.8、0.05~1.75、0.05~1.7、0.05~1.65、0.05~1.6、0.05~1.55、0.05~1.5、0.05~1.45、0.05~1.4、0.05~1.35、0.05~1.3、0.05~1.25、0.05~1.2、0.05~1.15、0.05~1.1、0.05~1.05、0.05~1、0.05~0.95、0.05~0.9、0.05~0.85、0.05~0.8、0.05~0.75、0.05~0.7、0.05~0.65、0.05~0.6、0.05~0.55、0.05~0.5、0.05~0.45、0.05~0.4、0.05~0.35、0.05~0.3、0.05~0.25、0.05~0.2、0.05~0.15、0.05~0.1、0.1~2、0.15~2、0.2~2、0.25~2、0.3~2、0.35~2、0.4~2、0.45~2、0.5~2、0.55~2、0.6~2、0.65~2、0.7~2、0.75~2、0.8~2、0.85~2、0.9~2、0.95~2、1~2、1.05~2、1.15~2、1.2~2、1.25~2、1.3~2、1.35~2、1.4~2、1.45~2、1.5~2、1.55~2、1.6~2、1.65~2、1.7~2、1.75~2、1.8~2、1.85~2、1.9~2、または1.95~2mm)。皮膚の真皮層の厚さは、2~8mmであり得る(例えば、2~8、2~7.5、2~7、2~6.5、2~6、2~5.5、2~5、2~4.5、2~4、2~3.5、2~3、2~2.5、2.5~8、3~8、3.5~8、4~8、4.5~8、5~8、5.5~8、6~8、6.5~8、7~8、または7.5~8mm)。中空針の有効な長さは、皮膚の表皮層及び/または真皮層に侵入するように調整及び選択することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、中空針の有効な長さは、1つまたは複数のスペーサーを使用して調整することもでき、これについては、本明細書でさらに詳細に説明する。中空針のパラメータは、皮膚の面積と処置する状態に基づいて選択できる。例えば、頬の薄くて緩い皮膚の処置は、有効な長さが約2mmで中程度のゲージ(例えば、25ゲージ)を有する中空針により利益を得ることができ、一方、背中の厚い皮膚の処置または瘢痕組織の処置は、5mmに近い有効な長さとより厚いゲージ(例えば、22ゲージ)を有する中空針により利益を得ることができる。装置の中空針は、皮膚組織の様々な深度まで延びるように構成され得る。いくつかの実施形態では、中空針の侵入深度は、中空針の有効な長さ(例えば、約2mmから約5mm)によって判定され得る。いくつかの実施形態では、中空針は(i)真皮層内に、(ii)真皮層全体を通って真皮層と皮下脂肪層との接合部まで、及び/または(iii)皮下脂肪層に延びるように構成することができる。
【0175】
針コーティング
いくつかの実施形態では、中空針は、機械的完全性、耐久性、信頼性を改善または維持し、及び/または中空針の機械的、生物学的、または電気的な特性に影響を与えることができる材料(例えば、硬い材料)でコーティングすることができる。コーティング材料は、皮膚組織へ繰り返し挿入する及び引き抜く際の針先端及び末尾の損傷、焼灼、摩耗、及び引き裂きを防ぐのに、役立つ可能性がある。装置の中空針をコーティングするために使用できる材料(例えば、硬い材料)の例には、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、及びダイヤモンドライクカーボン(DLC)が含まれるが、これらに限定されない。硬い材料は、中空針の外面、中空針の内面(例えば、内腔の表面)、またはその両方の表面にコーティングとして塗布することができる。
図84A~84Cに示される実験から得た結果が、DLCでコーティングされた中空針が、豚の皮膚への挿入と引き抜きの10,000回の作動サイクルにわたる針の末尾と先端の劣化の減少を呈したことを示すのに対し、コーティングされていない中空針は、豚の皮膚への挿入と引き抜きの10,000回の作動サイクルにわたる針の末尾と先端の劣化(破線の円で示されている)を示した(
図84D)。
【0176】
針管腔の表面
中空針の管腔表面は、コアリング力、コアリング率、及び/または中空針の挿入の力に影響を及ぼし得る。理論に拘束されることを望まないが、管腔表面とコアリングされた組織部分との間の摩擦により、コアリング力、コアリング率、及び挿入の力を決めることができる。本明細書に記載の中空針は、コアリング率を最大限にし、コアリングされた組織の除去をもたらさない中空針の挿入を最小限にするように設計することができる。コアリング力(例えば、針が皮膚から引き抜かれているときに、装置の中空針によって、コアリングされた組織部分に加えられる力)が組織抵抗力を超えると、組織部分が皮膚から分離する。組織抵抗力は、組織部分とその周囲の組織との接続により決まり得る。例えば、中空針が皮膚の真皮層を通して完全に挿入されるとき、組織抵抗力は、針の管腔の組織部分と皮下脂肪層との間の接続によって決まり得る。したがって、コアリング力が組織抵抗力を超える場合、コアリングされた組織部分は、中空針の管腔に捕捉され、皮膚から除去され得る(
図85を参照)。粗い管腔表面は、コアリングされた組織部分と管腔表面との間の摩擦を増加させる可能性があり、その結果、挿入の力が増加し、コアリング力が増加し、及び/またはコアリング率が増加する可能性がある。管腔表面の潤滑は、コアリングされた組織部分と管腔表面との間の摩擦を減少させる可能性があり、その結果、挿入の力が減少し、コアリング力が減少し、コアリング率が低下する可能性がある。過度に粗く不均一な管腔表面は、針の劣化の発生率を高める可能性があり(例えば、針の末尾及び/または先端の劣化)、管腔からコアリングされた組織部分を除去するのが困難になる可能性があり、及び/または滑らか及び/または均質な管腔表面の針に比べて針詰まりを引き起こし得る。管腔表面の粗さの程度は、針の耐久性、挿入の力、針の管腔から組織を除去する能力、及び針の劣化に対する抵抗(例えば、針の末尾及び先端の劣化)を損なうことなく、コアリング力及び/またはコアリング率を増加させるよう最適化することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、中空針及び方法は、少なくとも約5%のコアリング率を有し得る(例えば、約5%から約100%、例えば5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~85%、5%~80%、5%~75%、5%~70%、5%~65%、5%~60%、5%~55%、5%~50%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~95%、15%~95%、20%~95%、25%~95%、30%~95%、35%~95%、40%~95%、45%~95%、50%~95%、55%~95%、60%~95%、65%~95%、70%~95%、75%~95%、80%~95%、85%~95%、または90%~95%)。
【0178】
いくつかの実施形態では、中空針及び方法は、約3N~約10Nのコアリング力を発揮し得る(例えば、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10N)。いくつかの実施形態では、20度の斜角αを有する2プロング中空針は、約3N~約10Nのコアリング力を発揮し得る(例えば、3、3.5、4、4.5、5.5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10N)。
【0179】
コーティング材及び/または潤滑剤は、管腔表面の粗さの程度に影響を及ぼし、したがって管腔表面とコアリングされた組織部分との間の摩擦に影響を与え得る。中空針の管腔表面は、管腔表面の粗さを低減するために、中空針に潤滑剤または研磨媒体を流すことによって研磨することができる。潤滑剤の例には、塩ベースの潤滑剤(例えば、緩衝生理食塩水(例えば、PBS))、糖ベースの潤滑剤(例えば、スクロース及びグルコース溶液)、及び/または界面活性剤ベースの潤滑剤(例えば、Tween20を含む溶液)が含まれるがこれらに限定されない。中空針の管腔表面の粗さの程度は、中空針を製造するために使用される製造プロセスによっても影響を受ける可能性がある。以下の表2は、シングルプラグ、ダブルプラグ、及び/または沈没式の製造プロセスを用いて製造された中空針のRa(粗さプロファイルの算術平均)及びRz(粗さの深度の平均)で測定された管腔の表面の粗さを示す。ダブルプラグプロセスを使用して作成された中空針の管腔表面は、シングルプラグプロセスを使用して作成された中空針の管腔表面よりも滑らかである(Ra及びRz値が低い)可能性がある。
【表2】
【0180】
アレイパターン
本明細書に記載のシステム及び/または装置の1つまたは複数の中空針は、皮膚組織の一部を除去すると、皮膚にアレイパターンを形成するように、例えば、針ハブ上に配置することができる。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、1つまたは複数の行、またはランダムもしくはセミランダムな空間的分布の穴を含み得る。アレイパターンのサイズ及び幾何学形状は、処置される皮膚の領域及び状態に基づいて生成され得る。いくつかの実施形態では、口周囲領域の処置のために小さなアレイパターンを生成することができ、一方、腹部の処置のためには大きなアレイパターンが適している場合がある。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、異なる数及び/または配置の複数の中空針を使用して生成され得る。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、例えばアレイパターンを生成するためのxアクチュエータ及び/またはyアクチュエータによって、1つの中空針を使用して生成され得、これは、複数の作動サイクルを経て、皮膚領域の表面を横切って並進され得る。いくつかの実施形態では、アレイパターンは、複数の中空針(例えば、中空針のアレイ)を使用して生成することができ、中空針は、アレイパターンを生成するために1つまたは複数の作動サイクルを経ることができる。皮膚組織に穴のアレイパターンを生成するために必要な作動サイクルの数は、アレイパターンのサイズ、中空針のゲージ及び/または内径及び/または外径、中空針の数、異なるサイズの複数の針のサイズ分布、及び/または除去される皮膚組織の量、例えば、除去される皮膚組織の面積分率によって決定され得る。除去された組織の「面積分率」とは、装置の1つまたは複数の中空針(複数可)によって生成された穴によって覆われた皮膚組織表面の画分を指す。言い換えれば、除去された組織の面積分率は、総皮膚処置面積に対するコアリングされた組織部分の総量によって覆われた面積の比率を指す。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中空針を、処置領域内の組織の約0.01~約0.65の面積分率を除去するように使用または構成することができる(例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、または0.65)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中空針を、処置領域内の組織の約0.1未満、例えば0.01~約0.05の面積分率を除去するように使用または構成することができる(例えば、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、または0.05)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の中空針を、処置領域内の組織の約0.02から約0.03の面積分率を除去するように使用または構成することができる(例えば、0.02、0.021、0.022、0.023、0.024、0.025、0.026、0.027、0.028、0.029、または0.03、例えば0.025)。いくつかの実施形態では、組織の約0.01から約0.65(例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、または0.65)の面積分率を、例えばしわの減少のために、処置領域内で除去することができる。いくつかの実施形態では、組織の約0.02から約0.03(例えば、0.02、0.021、0.022、0.023、0.024、0.025、0.026、0.027、0.028、0.029、または0.03、例えば、0.025)の面積分率を、例えばしわの減少のために、処置領域内で除去することができる。以下の表3は、24ゲージの中空針を使用する様々な身体領域の処置のために必要な作動サイクル数の例を示している。
【表3】
【0181】
本明細書に記載の装置は、同じまたは異なる構成を有する1つまたは複数の中空針への取り外し可能な取り付けのために構成され得る。いくつかの実施形態では、装置は、わずか1つまたは数百もの中空針を有し得る。いくつかの実施形態では、1~100本の中空針が存在し得る(例えば、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、10~20、10~40、10~60、10~80、10~100、20~40、20~60、20~80、20~100、40~60、40~80、40~100、60~80、60~100、または80~100の中空針)。アレイパターンを生成するために複数の中空針のアレイを使用することは、より広い領域及び/またはより短い時間での皮膚の処置を容易にし得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、中空針のアレイ内の2つの中空針の間の最小距離は、約0.1mmから約50mmの間であり得る(例えば、0.1mm~0.2mm、0.1mm~0.5mm、0.1mm~1mm、0.1mm~2mm、0.1mm~5mm、0.1mm~10mm、0.1mm~15mm、0.1mm~20mm、0.1mm~30mm、0.1mm~40mm、0.1mm~50mm、0.2mm~0.5mm、0.2mm~1mm、0.2mm~2mm、0.2mm~5mm、0.2mm~10mm、0.2mm~15mm、0.2mm~20mm、0.2mm~30mm、0.2mm~40mm、0.2mm~50mm、0.5mm~1mm、0.5mm~2mm、0.5mm~5mm、0.5mm~10mm、0.5mm~15mm、0.5mm~20mm、0.5mm~30mm、0.5mm~40mm、0.5mm~50mm、1mm~2mm、1mm~5mm、1mm~10mm、1mm~15mm、1mm~20mm、1mm~30mm、1mm~40mm、1mm~50mm、2mm~5mm、2mm~10mm、2mm~15mm、2mm~20mm、2mm~30mm、2mm~40mm、2mm~50mm、5mm~10mm、5mm~15mm、5mm~20mm、5mm~30mm、5mm~40mm、5mm~50mm、10mm~15mm、10mm~20mm、10mm~30mm、10mm~40mm、10mm~50mm、15mm~20mm、15mm~30mm、15mm~40mm、15mm~50mm、20mm~30mm、20mm~40mm、20mm~50mm、30mm~40mm、30mm~50mm、または40mm~50mm)。いくつかの実施形態では、中空針のアレイ内の2つの中空針の間の距離は、約15mm未満である。いくつかの実施形態では、最小距離は、アレイパターンの最小サイズに対応し得、一方、最大距離は、アレイパターンの最大サイズまたは次元に対応し得る。
【0183】
コアリング手順は、例えば、しわ、瘢痕、または犬の耳などの特定の組織タイプにコアリングを適合させるために、または瘢痕または腫瘍などの特定の特徴を追跡するために、適合及び/または最適化され得る。コアリングの深度、穴の密度、及び/またはパターンを適合及び/または最適化させることができる。いくつかの実施形態では、処置領域及び処置される皮膚の状態に基づいて、異なるサイズ及び幾何学形状のアレイパターンを生成することができる。また、いくつかの実施形態では、作動機構との互換性及び/または所与の装置の電子機器の制御を生じさせるために、アレイパターンが生成され得る。いくつかの実施形態では、装置の作動機構及び/または制御電子機器は、所望のアレイパターンのサイズ及び/または幾何学形状との適合性のために選択され得る。いくつかの実施形態では、長い線形アレイパターンは、駆動輪を備えた並進機構を使用して生成され得、一方、大きな長方形のアレイは、x及び/またはyアクチュエータを使用して皮膚全体に中空針(複数可)を駆動するよう生成され得る。いくつかの実施形態では、パターンは、手順中に、例えば、コアリングプロセス中に、例えば、リアルタイムでの処置を適合及び/または最適化するように、事前にプログラムまたは適応され得る。いくつかの実施形態では、コアリング手順の適合及び/または最適化は、組織の特性に基づくことができる。いくつかの実施形態では、適合及び/または最適化は、ボイスコイルデータ(例えば、運動学及び/または電子機器)に基づいて実行され得、または他のデータ、例えば、コアリング手順の前、最中、及び/または後に得られる音響、光学、または無線周波数のデータに基づいて実行される場合がある。
【0184】
例示的な装置では、1つまたは複数の中空針は、装置が適用される皮膚領域(例えば、処置領域)の、1cm2の面積あたり約10~約1000またはそれ以上のコアリングされた組織部分を提供するように構成され得る(例えば、1cm2の面積あたり、10~50、10~100、10~200、10~300、10~400、10~500、10~600、10~700、10~800、10~900、10~1000、10~2000、10~4000、10~6000、10~8000、10~10000、50~100、50~200、50~300、50~400、50~500、50~600、50~700、50~800、50~900、50~1000、50~2000、50~4000、510~6000、50~8000、50~10000、100~200、100~300、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~2000、100~4000、100~6000、100~8000、100~10000、200~300、200~400、200~500、200~600、200~700、200~800、200~900、200~1000、200~2000、200~4000、200~6000、200~8000、200~10000、300~400、300~500、300~600、300~700、300~800、300~900、300~1000、300~2000、300~4000、300~6000、300~8000、300~10000、400~500、400~600、400~700、400~800、400~900、400~1000、400~2000、400~4000、400~6000、400~8000、400~10000、500~600、500~700、500~800、500~900、500~1000、500~2000、500~4000、500~6000、500~8000、500~10000、600~700、600~800、600~900、600~1000、600~2000、600~4000、600~6000、600~8000、600~10000、700~800、700~900、700~1000、700~2000、700~4000、700~6000、700~8000、700~10000、800~900、800~1000、800~2000、800~4000、800~6000、800~8000、800~10000、900~1000、900~2000、900~4000、900~6000、900~8000、900~10000、1000~2000、1000~4000、1000~6000、1000~8000、1000~10000、2000~4000、2000~6000、2000~8000、2000~10000、4000~6000、4000~8000、4000~10000、6000~8000、6000~10000、or8000~10000の組織部分)。
【0185】
ベースユニットとユーザインターフェイス
本明細書に記載の装置(例えば、装置100、200、または400)は、ベースユニット及び/または制御ユニットと通信していてもよく、これには、例えば、ユーザインターフェイス、電源、制御電子機器、例えば、デジタル処理ユニット、装置の動作を駆動するための機構、及び他の構成要素が含まれ得る。ベースユニットは、本明細書に記載のシステムまたは装置(例えば、装置100、200、または400)のいずれかまたはすべての態様を動作及び/または制御するようにプログラムされ得る、例えば、デジタル処理ユニットを含むコンピュータを含み得る。ベースユニットは、例えば、システム内に低圧または(部分的)真空を生成するため、及び/またはシステム及び/または装置の1つまたは複数の構成要素を通して流体を移動させるため、1つまたは複数のポンプ、バルブ、トラップ、アクチュエータ、スイッチ、及び/またはチューブを含み得る。
【0186】
ベースユニットのユーザインターフェイスは、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、スクリーン、タッチスクリーン、キーボード、カーソル、ダイヤル、インジケーター、ディスプレイ、及び/または他の構成要素を含むことができ、1つ以上のデジタル処理ユニットに接続することができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、システムの1つまたは複数の構成要素の適切な結合及び/または取り付け、例えば支持ベース、zアクチュエータ(例えば、ボイスコイル)、1つまたは複数の中空針、流体導管、吸引管、トラップ、低圧及び/または(部分的)真空生成システム、圧力発生源(例えば、真空ポンプ)、及びまたはニードルアセンブリの適切な結合及び/または取り付けを示すように構成またはプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、例えば、装置の充電及び/または電力供給状態、中空針(複数可)のモード及び/または位置、高圧(例えば、正圧)もしくは低圧(例えば、部分的真空)の適用、1つもしくは複数の装置の構成要素の作動、及び/または他のしるしを示すように構成またはプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、装置の中空針(複数可)の数及び種類、処置領域、処置範囲(例えば、除去された皮膚の表面積の面積分率)、1つまたは複数の中空針の配置、中空針(複数可)による潜在的な侵入の深度、機構または操作モード、中空針(複数可)の使用数に関する情報、及びその他の情報を提供するように構成またはプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、パラメータ及び/または動作モード、高圧(例えば、正圧)もしくは低圧(例えば、部分的真空)の適用、及び/または1つもしくは複数の中空針(複数可)による皮膚への侵入の作動を調整するための器具を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスはまた、別のユニットから情報を送信及び/または受信するように構成またはプログラムされ得る。例えば、装置のユーザインターフェイスでの使用者のアクションは、ベースユニットのユーザインターフェイスによって反映され得るか、またはその逆であり得る。
【0187】
ベースユニットは、ボタン、キー、スイッチ(例えば、ハンドスイッチまたはフットスイッチ)、トグル、スピンホイール、及び/またはパラメータ及び/または動作モードを調整するための他の起動機構を含み得、圧力、例えば、高圧(例えば、正圧)または低圧(例えば、部分的真空)の適用、1つまたは複数の中空針(複数可)による皮膚への侵入の深さ及び/または持続時間、及び/またはベースユニット及び/または圧力発生源の電源のオンまたはオフを調整することができる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は、ベースユニットのユーザインターフェイスに統合され得る。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、使用者がシステム、例えば低圧システム及び/またはz作動の1つまたは複数の機能を、使用者の手を使用せずに、例えばハンドピースのグリップを維持しながら操作することを可能にし得る、1つまたは複数のフットスイッチを含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のフィードバックデバイス及び/または制御部は、装置、例えば、ハンドピースに統合することができ、ライト、スクリーン、振動器具及び/またはオーディオ信号発生器を含むことができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、装置の動作を制御するための電子機器、圧力発生源を含み得、及び/または他の構成要素が装置に結合する。例えば、ベースユニットは、1つまたは複数のマイクロコントローラ、プログラマブルロジック、ディスクリート要素、及び/またはその他の構成要素を含み得る。ベースユニットは、1つまたは複数の電源を備え得るか、またはベースユニットの外部の電源への1つまたは複数の接続を含み得る。電源には、バッテリー、オルタネーター、発電機、及び/またはその他の構成要素が含まれ得る。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、システムの動作のために主電力(交流)を直流に変換するための1つまたは複数のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、電池式装置で使用するための電池充電ステーションを含み得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、例えば、中空針が針ハブに適切に設置されていること、針ハブが作動ユニットに適切に結合されていること、装置が充電されているか、さもなければ電力が供給されていること(例えば、残りの電池寿命の量)、1つまたは複数の中空針が伸長または収縮位置にあること、圧力発生源が装置に結合されていること、コアリングされた組織部分を収集するためのトラップの充填レベル、及び/またはその他の情報を示し得るユーザインターフェイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、装置の中空針(複数可)の数、中空針(複数可)の配置、中空針(複数可)による組織侵入の潜在的な深度、機構または動作モード、及び/またはその他の情報などの装置に関する情報を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、ボタン、キー、スイッチ、トグル、スピンホイール、LEDディスプレイ、及び/またはタッチスクリーンを含むことができ、これにより、使用者が装置の操作中に様々なパラメータまたは設定を注視及び変更して圧力発生源を作動及び/または停止し、及び/または1つまたは複数の中空針(複数可)による皮膚への侵入を開始することができるようにする。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスはまた、別のユニット、例えばコンピュータ、例えばデジタル処理ユニットから情報を送信及び/または受信するように構成され得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、例えば、車輪上で移動可能な構造を含む、カートであるか、またはカートを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のポンプ、トラップ、ユーザインターフェイスがカートに取り付けられている。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、装置もしくはハンドピースを支持するため、及び/または装置もしくはハンドピースの移動及び/または安定化を容易にするために、可動関節アームを介して、ベースユニット、例えばカートに接続される。
【0191】
材料
本明細書に記載の技術(例えば、中空針、針ハブ、作動ユニット、装置、キット、及び本明細書に記載の方法)は、任意の材料を含み得る(例えば、で構成され得る/から製造され得る)。例えば、針ハブは、任意のポリマーまたはプラスチックを含み得る及び/またはそれから形成される。このような材料には、アルギン酸塩、ヒアルロン酸ベンジル、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、キトサン、コラーゲン、デキストラン、エポキシ、ゼラチン、ヒアルロン酸、親水コロイド、ナイロン(例えば、ナイロン6またはPA6)、ペクチン、ポリ(3-ヒドロキシルブチレート-コ-ポリ(3-ヒドロキシルブチレート)、ポリアルカン、ポリアルケン、ポリアルキン、ポリアクリレート(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステル(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEO/ポリカーボネート/ポリウレタン(PEO/PC/PU)、ポリ(エチレン酢酸ビニルコポリマー)(PEVA)、PEVA/ポリ乳酸(PEVA/PLA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、PET/ポリ(エチレンナフタレート)(PET/PEN)ポリグラクチン、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール酸/ポリ乳酸(PGA/PLA)、ポリイミド(PI)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-L-ラクチド(PLLA)、PLLA/PC/ポリビニルカルバゾール(PLLA/PC/PVCB)、ポリ(β-リンゴ酸)-コポリマー(PMLA)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリビニルカルバゾール(PVCB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、シリコーン、レーヨン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載の装置またはシステムで使用することができるポリマー及び/またはプラスチックは、セラミックや粒子などのポリマー及び/またはプラスチックへの添加剤が、機械的特性を変化させる複合材料であり得る。
【0192】
本明細書に記載の技術の要素(例えば、針アセンブリ、作動ユニット、または他の構成要素の全部または一部などの、装置の全部または一部)はまた、任意の有用な金属または金属合金を含み得る及び/またはそれから形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、中空針は金属針であり得る。本明細書に記載の装置またはシステムで使用できる金属及び合金は、ステンレス鋼;チタン;ニッケルチタン(NiTi)合金;ニッケル-チタン-ニオブ(NiTiNb)合金;ニッケル-鉄-ガリウム(NiFeGa)合金;ニッケル-マンガン-ガリウム(NiMnGa)合金;銅-アルミニウム-ニッケル(CuAlNi)合金;銅-亜鉛(CuZn)合金;銅-スズ(CuSn)合金;銅-亜鉛-アルミニウム(CuZnAl)合金;銅-亜鉛-シリコン(CuZnSi)合金;銅-亜鉛-スズ(CuZnSn)合金;銅-マンガン合金;金-カドミウム(AuCd)合金;銀-カドミウム(AgCd)合金;鉄-白金(FePt)合金;鉄-マンガン-シリコン(FeMnSi)合金;コバルト-ニッケル-アルミニウム(CoNiAl)合金;コバルト-ニッケル-ガリウム(CoNiGa)合金;またはチタン-パラジウム(TiPd)合金を含む。本明細書に記載されている技術の要素は、ガラスを含み得る及び/またはガラスから形成され得る。例えば、装置は、1つまたは複数のガラスの中空針を含み得る。
【0193】
本明細書に記載のシステム、中空針、針アセンブリ、作動ユニット、装置、キット、及び/または方法は、1つまたは複数の接着剤を含み得る。接着剤は、要素間の表面に配置するか、そうでなければ、例えば、本明細書に記載の装置の要素に接着することができる。接着剤の例は、生体適合性マトリックス(例えば、コラーゲン(例えば、コラーゲンスポンジ)、低融点アガロース(LMA)、ポリ乳酸(PLA)、及び/またはヒアルロン酸(例えば、ヒアルロナン(hyaluranon))の少なくとも1つを含むもの);光増感剤(例えば、ローズベンガル、リボフラビン-5-リン酸(R-5-P)、メチレンブルー(MB)、N-ヒドロキシピリジン-2-(1H)-チオン(N-HTP)、ポルフィリン、またはクロリン、及びその前駆体);光化学剤(例えば、1,8ナフタルイミド);合成接着剤(例えば、シアノアクリレート接着剤、ポリエチレングリコール接着剤、またはゼラチン-レゾルシノール-ホルムアルデヒド接着剤);生物学的シーラント(例えば、リボフラビン-5-リン酸とフィブリノーゲンの混合物、フィブリンベースのシーラント、アルブミンベースのシーラント、またはデンプンベースのシーラント);またはフックまたはループ及びアイシステム(例えば、Velcro(登録商標)に使用)を含む。いくつかの実施形態では、接着剤は生分解性である。
【0194】
いくつかの実施形態では、接着剤は感圧接着剤(PSA)であり得る。感圧接着剤の特性は、タック(初期接着)、剥離強度(接着)、及びせん断強度(凝集)の3つのパラメータによって決まる。感圧接着剤は、溶剤型、水系、ホットメルト法など、いくつかの方法で合成できる。タックは、わずかな圧力と短い滞留時間での初期接着であり、接触面を濡らす接着剤の能力に依存する。剥離強度は、PSAを接触面から取り除くのに必要な力である。剥離接着力は、タック、接着歴(力、滞留時間など)、接着剤の組成など、多くの要因に依存する。せん断強度は、連続応力に対する接着剤の耐性の尺度である。せん断強度は、接着剤の内部接着、架橋、粘弾性特性など、いくつかのパラメータの影響を受ける。永久接着剤は一般に剥離に耐性があり、非常に高い剥離強度とせん断強度を備えている。感圧接着剤には、天然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン-ブタジエン及びスチレン-エチレン共重合体)、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、アクリル、シリコーン、及びエチレン-酢酸ビニル共重合体が含まれ得る。共重合体の接着特性は、ガラス転移温度(Tg)または架橋度を変更して(モノマー成分を介して)組成を変更することで変更できる。一般に、Tgが低い共重合体は剛性が低く、Tgが高い共重合体は剛性が高くなる。PSAのタックは、粘度や機械的特性を変更するための構成要素を追加することで変更できる。感圧接着剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Czech et al.,“Pressure-Sensitive Adhesives for Medical Applications,”in Wide Spectra of Quality Control,Dr.Isin Akyar(Ed.,published by InTech),Chapter 17(2011)にさらに記載されている。
【0195】
システム、装置、方法、またはキットは、1つまたは複数の有用な治療薬を含むか、またはそれを送達するために使用され得る。例えば、本明細書に記載の装置の中空針は、1つまたは複数の治療薬を皮膚に投与するように構成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置の中空針を使用して、コアリングされた組織部分を除去することにより、局所血液供給及び局所灌流への直接的なチャネルまたは穴を作成することができる。いくつかの実施形態では、直接的なチャネルまたは穴を使用して、1つまたは複数の有用な治療薬を送達することができる。中空針のサイズ(例えば、直径及び/または有効な長さ)に応じて、異なる直径及び/または侵入深度の穴が作成され得る。例えば、大きな直径(例えば、18ゲージ)及び/または長い有効な長さを有する中空針を使用して、大量の治療薬を送達するための送達チャネルとして使用できる大きな及び/または深い穴を作成することができる。いくつかの実施形態では、穴を塞ぐことができる。いくつかの実施形態では、穴は、送達された治療薬が皮膚から漏れるのを防ぎ、及び/または処置された皮膚の領域の水分を維持するために、包帯(例えば、圧縮または密封包帯)及び/または閉鎖(例えば、包帯、止血鉗子、縫合糸、または接着剤)で覆われ得る。装置の中空針によって作成された穴を介した有用な治療薬の送達は、治療薬の投与の正確な制御を提供し得る。
【0196】
本明細書に記載の技術を使用して送達され得る治療薬の例には、1つ以上の成長因子(例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)、線維芽細胞成長因子(FGF)、表皮成長因子(EGF)、及びケラチノサイト成長因子);1つまたは複数の幹細胞(例えば、脂肪組織由来幹細胞及び/または骨髄由来間葉系幹細胞);1つまたは複数の美白剤(例えば、ハイドロキノン);1つまたは複数のビタミンA誘導体(例えば、トレチノイン)、1つまたは複数の鎮痛薬(例えば、パラセタモール/アセトアミノフェン、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬(本明細書に記載のもの)、シクロオキシゲナーゼ-2特異的阻害剤(本明細書に記載のもの)、デキストロプロポキシフェン、ココダモール、オピオイド(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルヒネ、ペチジン、ブプレノルフィン、トラマドール、またはメタドン)、フェンタニル、プロカイン、リドカイン、テトラカイン、ジブカイン、ベンゾカイン、p-ブチルアミノ安息香酸2-(ジエチルアミノ)エチルエステルHCl、メピバカイン、ピペロカイン、ジクロニン、またはベンラファキシン);1つまたは複数の抗生物質(例えば、セファロスポリン、バクチトラシン、ポリミキシンB硫酸塩、ネオマイシン、トリブロモフェネートビスマス、またはポリスポリン);1つまたは複数の抗真菌剤(例えば、ナイスタチン);1つまたは複数の抗炎症剤(例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルビプロフェン、ピロキシカム、インドメタシン、ジクロフェナク、スリンダック、ナプロキセン、アスピリン、ケトロラック、またはタクロリムス)、シクロオキシゲナーゼ-2特異的阻害剤(COX-2阻害剤、例えば、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、エトリコキシブ、及びセレコキシブ(Celebrex(登録商標)))、グルココルチコイド剤、Tリンパ球機能に向けられた特定のサイトカイン)、ステロイド(例えば、グルココルチコイドなどのコルチコステロイド)(例えば、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、コルチゾン、デオキシコルチコステロンアセテート、デキサメタゾン、フルドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、プレドニソン、プレドニゾロン、またはトリアムシノロン)またはミネラルコルチコイド剤(例えば、アルドステロン、コルチコステロン、またはデオキシコルチコステロン))、または免疫選択性抗炎症性誘導体(例えば、フェニルアラニン-グルタミン-グリシン(FEG)及びそのD-異性体(feG)));1つまたは複数の抗菌剤(例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、ヨウ素(例えば、ヨードチンキ、ポビドンヨード、またはルゴールヨード))、または銀、例えば硝酸銀(例えば、0.5%溶液として)、銀スルファジアジン(例えば、クリームとして)、または1つまたは複数の有用な担体中のAg+(例えば、高密度ポリエチレンのナノ結晶銀コーティングを含むActicoat(登録商標)などのアルギン酸塩、Smith&Nephew、ロンドン、英国から入手可能、またはアルギン酸塩の混合物を含むSilvercel(登録商標)、カルボキシメチルセルロース、及び銀でコーティングされたナイロン繊維、Systagenix、ガトウィック、英国から入手可能;フォーム(例えば、軟親水性ポリウレタンフォームと銀を含むContreet(登録商標)フォーム、ColoplastA/S、Humlebaek、デンマークから入手可能);親水コロイド(例えば、イオン性銀及び親水コロイドを含むAquacel(登録商標)Ag、Conva Tec Inc.、ニュージャージー州スキルマンから入手可能);またはヒドロゲル(例えば、イオン性銀を含むSilvasorb(登録商標)、Medline Industries Inc.、マサチューセッツ州マンスフィールドから入手可能));1つまたは複数の消毒剤(例えば、エタノールなどのアルコール(例えば、60~90%)、1-プロパノール(例えば、60~70%)、及び2-プロパノール/イソプロパノールの混合物;ホウ酸;次亜塩素酸カルシウム;過酸化水素;マヌカハニー及び/またはメチルグリオキサール;フェノール(石炭酸)化合物、例えば、3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリクロロフェニルメチルヨードサリチル、またはトリクロサン;ポリヘキサニド化合物、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB);塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMB)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン(例えば、グルコン酸クロルヘキシジン)、またはオクテニジン(例えば、二塩酸オクテニジン)などの第4級アンモニウム化合物;重炭酸ナトリウム;塩化ナトリウム;次亜塩素酸ナトリウム(例えば、Dakin溶液中のホウ酸と任意に組み合わせて);またはトリアリールメタン染料(例えば、ブリリアントグリーン));1つまたは複数の抗増殖剤(例えば、シロリムス、タクロリムス、ゾタロリムス、ビオリムス、またはパクリタキセル);1つまたは複数の皮膚軟化剤;1つまたは複数の止血剤(例えば、コラーゲン、例えば、ミクロフィブリルコラーゲン、キトサン、カルシウム負荷ゼオライト、セルロース、無水硫酸アルミニウム、硝酸銀、カリウムミョウバン、酸化チタン、フィブリノーゲン、エピネフリン、アルギン酸カルシウム、ポリ-N-アセチルグルコサミン、トロンビン、凝固因子(複数可)(例えば、II、V、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、またはフォンウィルブランド因子、ならびにそれらの活性化形態)、凝固促進剤(例えば、没食子酸プロピル)、抗線溶薬(例えば、イプシロンアミノカプロン酸またはトラネキサム酸)など);1つまたは複数の凝固促進剤(例えば、本明細書に記載の任意の止血剤、デスモプレシン、凝固因子(複数可)(例えば、II、V、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、またはフォンウィルブランド因子、ならびにその活性化形態)、凝固促進剤(例えば、没食子酸プロピル)、抗線溶薬(例えば、イプシロンアミノカプロン酸)など);1つまたは複数の抗凝固剤(例えば、ヘパリンまたはその誘導体、例えば、低分子量ヘパリン、フォンダパリヌクス、またはイドラパリヌクス;アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、またはプラスグレルなどの抗血小板薬;直接第Xa因子阻害剤、例えばアピキサバンまたはリバロキサバンなどの第Xa因子阻害剤;直接トロンビン阻害剤、例えば、アルガトロバン、ビバリルジン、ダビガトラン、ヒルジン、レピルジン、またはキシメラガトランなどのトロンビン阻害剤;または、ワルファリン(クマジン)、アセノクマロール、アトロメンチン、フェニンジオン、またはフェンプロクモンなどのクマリン誘導体またはビタミンK拮抗薬);コルチコステロイド及び非ステロイド性免疫モジュレーター(例えば、NSAIDS、例えば任意の本明細書に記載されているもの)を含む1つまたは複数の免疫モジュレーター;1つまたは複数のタンパク質;及び/または1つまたは複数のビタミン(例えば、ビタミンA、C、及び/またはE)が含まれる。ボツリヌス毒素、脂肪(例えば、自家)、ヒアルロン酸、コラーゲンベースの充填剤、または他の充填剤のうちの1つまたは複数もまた、皮膚に投与され得る。多血小板血漿も皮膚に投与することができる。本明細書に記載の1つまたは複数の治療薬は、デポ剤として処方することができる。一般に、デポ剤は通常、非デポ剤よりも長時間作用する。いくつかの実施形態において、デポ剤は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳剤)もしくはイオン交換樹脂を使用して、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として製剤化され得る。
【0197】
いくつかの実施形態において、治療薬は、抗凝固剤及び/または凝固促進剤を含み得る。例えば、出血の程度を制御することによって、及び/または処置された皮膚領域で凝固すると、皮膚の引き締め効果がより効果的に制御される可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書の方法及びデバイスは、1つ以上の抗凝固剤、1つ以上の凝固促進剤、1つ以上の止血剤、1つ以上の充填剤、またはそれらの組み合わせを含むか、または投与するために使用することができる。特定の実施形態では、治療薬は、1つもしくは複数の抗凝固剤(例えば、皮膚の治癒またはスリット/穴の閉鎖の前に血餅の形成を阻害するため)及び/または1つもしくは複数の止血剤もしくは凝固促進剤の使用を含む、処置された皮膚領域における出血及び/または凝固の程度を制御する。
【0198】
本明細書に記載されている異なる実施形態の構成要素を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態を形成することができる。構成要素は、それらの動作に悪影響を与えることなく、本明細書に記載されているシステム、装置などから除外することができる。さらに、図に示されている、または示唆されている論理フローは、望ましい結果を達成するために、示されている特定の順序または連続した順序を必要としない。本明細書で説明する機能を実行するために、様々な個別の構成要素を1つ以上の個別の構成要素に組み合わせることができる。
【0199】
例示的実施形態
実施形態1:皮膚組織に美容効果をもたらすための装置であって、
(i)皮膚に接触するための遠位端を有し、中空針が前記皮膚組織に挿入され、また前記皮膚組織から引き抜かれたときに、前記皮膚組織の一部(例えば、マイクロコア)を除去するように構成された、少なくとも1つの前記中空針を含む針ハブ、
(ii)前記皮膚組織の表面に対して1つまたは複数の方向に前記針ハブを並進及び/または作動させる、前記針ハブに接続された並進及び/または作動機構、及び
(iii)前記皮膚組織の前記表面に対して前記装置を安定させる及び/または前記装置の一定の位置を維持するためのスペーサーを備える、前記装置。
【0200】
実施形態2:前記並進及び/または作動機構を少なくとも部分的に囲むハンドピースシェルを含む、実施形態1の装置。
【0201】
実施形態3:前記スペーサーが前記ハンドピースシェルに取り付けられている、実施形態1または2の装置。
【0202】
実施形態4:前記針ハブが単一の中空針を含む、実施形態1~3のいずれかの装置。
【0203】
実施形態5:前記針ハブが一列に配置された3本の中空針を含む、実施形態1~4のいずれかの装置。
【0204】
実施形態6:前記針ハブが針の2次元アレイ(例えば、2×2、3×2、または3×3のアレイ)を含む、実施形態1~5のいずれかの装置。
【0205】
実施形態7:前記針ハブが、第1の端部及び第2の端部を有する第1の管腔を含み、前記第1の管腔が前記少なくとも1つの中空針の管腔を含み、前記第1の管腔の前記第1の端部が前記中空針の前記遠位端にある、実施形態1~6のいずれかの装置。
【0206】
実施形態8:前記針ハブが、壁、第1の端部、及び第2の端部を有する第2の管腔を含み、前記2の管腔の前記第1の端部が流体吸入ノズルであるかまたはそれを含む、実施形態1~7のいずれかの装置。
【0207】
実施形態9:前記第1の管腔の前記第2の端部が前記第2の管腔の前記壁に開口部を形成するように、前記第1の管腔が前記第2の管腔に接続されている、実施形態1~8のいずれかの装置。
【0208】
実施形態10:前記第1の管腔及び前記第2の管腔のそれぞれが実質的に真っ直ぐであり、前記第1の管腔が前記第2の管腔に実質的に垂直であり、T字接合を形成する、実施形態1~9のいずれかの装置。
【0209】
実施形態11:前記流体吸入ノズルが収束ノズルである、実施形態1~10のいずれかの装置。
【0210】
実施形態12:前記第2の管腔の前記第2の端部は、流体導管に接続され、低圧または真空が前記導管に加えられると、低圧または真空が前記第1の管腔及び前記第2の管腔に誘導され、流体が前記第2の管腔の前記第1の端部を通って前記第2の管腔の中に通りながら引き込まれ、それによって前記第1の管腔から皮膚組織を除去するようにする、実施形態1~11のいずれかの装置。
【0211】
実施形態13:前記並進及び/または作動機構は、前記皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、前記少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向に、z軸に沿って前記針ハブを変位させるアクチュエータを備える、実施形態1~12のいずれかの装置。
【0212】
実施形態14:前記アクチュエータがボイスコイルであるか、またはボイスコイルを含む、実施形態1~13のいずれかの装置。
【0213】
実施形態15:前記z軸に沿った前記針ハブの位置を検出するための感知デバイスを含む、実施形態1~14のいずれかの装置。
【0214】
実施形態16:前記並進及び/または作動機構は、前記皮膚の前記表面に平行な1つまたは複数の方向に前記針ハブを並進するx/yステージを含む、実施形態1~15のいずれかの装置。
【0215】
実施形態17:前記並進及び/または作動機構は、前記針ハブを前記z軸の周りで回転させるための回転ステージを含む、実施形態1~16のいずれかの装置。
【0216】
実施形態18:前記スペーサーが、前記皮膚組織の表面に接触し、(a)前記装置と前記皮膚組織の間の距離及び/または位置を維持し、及び/または(b)装置により処置及び/または接触されていない前記皮膚組織と比較して、処置中の前記皮膚組織の張りを維持または増加させるデバイスを含む、実施形態1~17のいずれかの装置。
【0217】
実施形態19:前記スペーサーが前記皮膚組織の前記表面に接触するためのフレームを含み、前記フレームがベース、内壁、及び外壁を含み、前記ベース、内壁、及び外壁は開いたチャネルを形成する、実施形態1~18のいずれかの装置。
【0218】
実施形態20:前記チャネルが、前記フレームが前記皮膚の前記表面に配置されたときに、前記皮膚の前記表面、前記ベース、前記内壁、及び外壁が、フレーム管腔を形成するように構成される、実施形態1~19のいずれかの装置。
【0219】
実施形態21:低圧または真空が流体導管に加えられると、低圧または真空が前記フレーム管腔に確立され、それによって皮膚組織を前記チャネルに向かって及び/または前記チャネル中に引き込むように、前記フレームが前記導管に接続される、実施形態1~20のいずれかの装置。
【0220】
実施形態22:前記ベースが1つまたは複数の突起を含む、実施形態1~21のいずれかの装置。
【0221】
実施形態23:前記フレームが輪郭を描かれている(例えば、前記フレームが凹面である)、実施形態1~22のいずれかの装置。
【0222】
実施形態24:前記スペーサーが、前記皮膚の下にある組織に対する前記装置の位置を検出するためにセンサに接続されたスイッチを含み、
(a)前記フレームが前記皮膚の前記表面に配置され、低圧または真空が前記フレームに適用されるとき、前記スイッチは「進むべからず」位置にあり、
(b)前記フレームのとき、低圧または真空が前記フレームに加えられた後、前記フレームが前記皮膚の前記表面と接触している間、及び前記フレームが、前記皮膚の前記表面に実質的に垂直であり、前記皮膚の前記表面から離れる方向に動かされた後、前記スイッチは「進む」の位置にあり、
前記スイッチが前記進むべからず位置にあるとき、前記針ハブは、前記皮膚組織の表面に実質的に垂直であり、前記少なくとも1つの中空針の縦軸に実質的に平行な方向にz軸に沿って移動するのを防ぐことができ、
前記スイッチが前記進むの位置にあるとき、前記針ハブは前記z軸に沿って移動可能である、実施形態1~23のいずれかの装置。
【0223】
実施形態25:前記センサがプッシュロッドであるか、またはプッシュロッドを含む、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0224】
実施形態26:実施形態1~25のいずれかの装置を含むシステムであって、前記システムが、前記装置から1つまたは複数の組織部分を除去するための除去システムを含む、前記システム。
【0225】
実施形態27:前記除去システムが低圧源(例えば、真空ポンプ)を含む、実施形態26のシステム。
【0226】
実施形態28:前記低圧源が、第1の導管を介して前記少なくとも1つの中空針を含む前記針ハブに接続されて、前記少なくとも1つの中空針に吸引をもたらす、実施形態26~27のいずれかのシステム。
【0227】
実施形態29:前記低圧源が第2の導管を介して前記スペーサーに接続されて、前記スペーサー内に吸引をもたらす、実施形態26~28のいずれかのシステム。
【0228】
実施形態30:前記少なくとも1つの中空針が、皮膚に接触するために前記中空針の遠位端に設けられた少なくとも1つの第1のプロングを含み、前記第1のプロングの側面と前記中空針の縦軸との間の角度は少なくとも約20度である、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0229】
実施形態31:前記少なくとも1つの中空針が、前記中空針の前記遠位端に第2のプロングを含む、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0230】
実施形態32:前記第1のプロング及び/または前記第2のプロングが平らな先端を備える、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0231】
実施形態33:前記第1のプロング及び/または前記第2のプロングがエッジを備える、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0232】
実施形態34:前記少なくとも1つの中空針の内径が、約0.14mmと0.84mmの間である、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0233】
実施形態35:前記少なくとも1つの中空針の内径が、約0.24mmと0.40mmの間である、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0234】
実施形態36:前記少なくとも1つの中空針は(i)真皮層内に、(ii)前記真皮層全体を通って前記真皮層と皮下脂肪層との接合部まで、または(iii)前記皮下脂肪層に延びるように構成されている、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0235】
実施形態37:中空針とその中に移動可能に配置されたプッシュロッドとを含む装置。
【0236】
本明細書に記載の異なる実施形態の要素を組み合わせて、上記に具体的に記載されていない他の実施形態を形成することができる。要素は、本明細書に記載の技術、システム、装置、コンピュータプログラム、ユーザインターフェイスなどから、それらの動作または一般的な技術の動作に悪影響を与えることがなければ、除外される場合がある。さらに、様々な別個の要素を1つまたは複数の個別の要素に組み合わせて、本明細書に記載の機能を実行することができる。
【0237】
様々な実施形態の先行する説明は、例示及び説明の目的で提示されている。前述の説明は、特許請求の範囲を本明細書に開示された実施形態に限定することを意図するものではない。