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特許7543285効果のない衛生習慣によって引き起こされる病気および感染症を減少させるための衛生管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】効果のない衛生習慣によって引き起こされる病気および感染症を減少させるための衛生管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021545914
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020017043
(87)【国際公開番号】W WO2020163617
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】62/801,865
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/801,875
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ブライアント ヘイズ
(72)【発明者】
【氏名】アルバート ゴールドフェイン
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ バン ホーク
(72)【発明者】
【氏名】エミリー ゲイナー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ウェグナー
(72)【発明者】
【氏名】イロナ ファーマン ウィアート
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0357886(US,A1)
【文献】特開2012-185695(JP,A)
【文献】特開2015-191527(JP,A)
【文献】特開2017-037379(JP,A)
【文献】特表2015-513329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄効果を制御する方法であって、
対象表面に対して洗浄を実施する個人によって着用されるウェアラブルコンピューティングデバイスによって、洗浄イベント中に前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス、又はネットワークを通じて前記ウェアラブルコンピューティングデバイスと動作可能に接続されたリモートコンピューティングデバイスによって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する前記動きに基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを前記対象表面の洗浄の質の閾値レベルに関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、前記対象表面の洗浄の質を決定することであって、前記参照動きデータは、少なくとも一つのトレーニングエピソードの間に前記個人により実施された動きデータを含む、ことと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、前記対象表面が前記洗浄の質の閾値レベルまで効果的に洗浄されていないことを決定したことに応答して動作を実施することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、前記対象表面が前記洗浄の質の閾値レベルまで効果的に洗浄されたことを決定したことに応答して洗浄検証情報を記憶することをさらに含み、前記洗浄検証情報は、前記対象表面および前記洗浄イベントの時間に関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも1つのセンサから、動きデータを受信することを含み、
前記対象表面の前記洗浄の質を決定することが、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記少なくとも1つの信号特徴を、前記対象表面の洗浄に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
動きデータを受信することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第1のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの加速度に対応する第1の動きデータを受信することと、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第2のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの角速度に対応する第2の動きデータを受信することと、を含み、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することが、前記第1の動きデータの少なくとも1つの信号特徴および前記第2の動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記対象表面の前記洗浄の質の閾値レベルが、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記動作を実施することは、前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すユーザアラートを発行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象表面の前記洗浄の質を前記決定することが、少なくとも、
前記洗浄イベント中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面が洗浄されているときに対応する前記動きデータの部分の前記洗浄の質を示す少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの部分の前記洗浄の質を示す前記少なくとも1つの信号特徴を、前記洗浄の質に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対象表面の前記洗浄の質を決定することが、少なくとも、
前記洗浄イベント中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面に対して実施された洗浄のエリアを決定することと、
前記対象表面に対して実施されることが決定された洗浄の前記エリアを、前記対象表面に関連付けられている参照エリアデータと比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記動作を実施することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記対象表面の前記洗浄の質が前記洗浄の質の閾値レベルよりも低いことを示すアラートを発行することを含み、前記アラートは、前記対象表面が洗浄を実施する前記個人によって洗浄されているのと実質的にリアルタイムで発行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに無線で送信することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスにおいて、洗浄を実施する前記個人が前記対象表面を効果的に洗浄したかどうかを決定することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスから前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに、対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すデータを無線で送信することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示す前記データを受信したことに応答して前記動作を実施することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、
指示を含むメモリと、を備える、ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
前記指示は、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記少なくとも1つのセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が洗浄イベント中に対象表面に対して洗浄動作を実施している間に、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きデータを受信することと、
動きデータを前記対象表面の洗浄の質の閾値レベルに関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、前記動きデータに基づいて、前記対象表面の洗浄の質を決定することであって、前記参照動きデータは、少なくとも一つのトレーニングエピソードの間に前記個人により実施された動きデータを含む、ことと、
前記対象表面が前記洗浄の質の閾値レベルにまで効果的に洗浄されていないと決定したことに応答して動作を実施することと、を行わせる、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記少なくとも1つの信号特徴を、前記対象表面の洗浄に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、によって前記洗浄の質を決定させる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すユーザアラートを少なくとも発行することによって前記動作を実施させる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面が洗浄されている時間に対応する前記動きデータの前記部分の前記洗浄の質を示す少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記部分の前記洗浄の質を示す前記少なくとも1つの信号特徴を、前記洗浄の質に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、
によって、前記対象表面の前記洗浄の質を決定させる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記洗浄動作中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面に対して実施された洗浄のエリアを決定することと、
前記対象表面に対して実施されると決定された前記洗浄のエリアを、前記対象表面に関連付けられている参照エリアデータと比較することと、
によって前記対象表面の前記洗浄の質を決定させる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記洗浄の質が洗浄の質の閾値レベルよりも低いことを示すアラートを少なくとも発行することによって前記動作を実施させ、前記アラートが、前記個人が前記対象表面に対して前記洗浄動作を実施しているのと実質的にリアルタイムで発行される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
総合衛生管理の方法であって、
ウェアラブルコンピューティングデバイス、又はネットワークを通じて前記ウェアラブルコンピューティングデバイスと動作可能に接続されたリモートコンピューティングデバイスによって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者が洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定し、それにより、非洗浄行動中の前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを区別することであって、前記動きの特徴は、慣性動きデータの一軸及び/又は多軸の特徴を含む、ことと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている動きデータを参照した前記動きの特徴の比較に基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、前記特定のタイプの洗浄行動中に前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを、前記特定のタイプの洗浄行動に対する洗浄の質の閾値レベルに関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することであって、前記参照動きデータは、少なくとも一つのトレーニングエピソードの間に前記着用者により実施された動きデータを含む、ことと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施された前記特定のタイプの洗浄行動が、前記洗浄の質の閾値レベルを満たさないことを決定したことに応答して動作を実施することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記特定のタイプの洗浄行動が、床表面洗浄行動、機器洗浄行動、および手衛生洗浄行動からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、複数の異なるタイプの洗浄行動の実施中に、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の異なるタイプの洗浄行動のうちの一つが、手衛生洗浄行動であり、少なくとも一つの他の前記複数の異なるタイプの洗浄行動が、床表面洗浄行動、機器の洗浄行動、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する前記動きに基づいて、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施された洗浄順序を決定することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、前記洗浄順序を、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施されることが期待される目標順序と比較することと、
以下:
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が前記目標順序で実施されなかったことを決定したことに応答してユーザアラートを発行すること、及び
前記ウェアラブルコンピューティングデバイス又は前記リモートコンピューティングデバイスによって、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が前記目標順序で実施されなかったことを決定したことに応答して、複数の異なるタイプの実施された前記洗浄行動に関連付けられている洗浄順序情報を記憶することのうちの少なくとも1つを行うことと、
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記目標順序が、前記他の複数の異なるタイプの洗浄行動に続く前記手衛生洗浄行動を有する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/801,865号、および2019年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/801,875号の利益を主張するものであり、その各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、洗浄を実施する個人が着用するウェアラブルコンピューティングデバイスを介した洗浄効果の監視および制御を含む、衛生活動を管理するためのデバイスおよび技術に関する。
【背景技術】
【0003】
効果のない洗浄は、病原体の伝播の主な原因の1つであり、毎年何百万もの病気や感染症を引き起こしている。例えば、米国疾病予防管理センターは、米国では毎年4,800万人が食中毒のために病気になり、12万8,000人が入院し、3,000人が死亡していると推定している。さらに、世界保健機関は、毎年世界中で何億人もの患者がヘルスケア関連感染症の影響を受けており、入院患者全体の7~10%が入院中に少なくとも1つのヘルスケア関連感染症にかかっていると推定している。ウイルスおよび細菌は、病原体の感染経路の管理に注意を払わなければ、空港、スポーツスタジアム、美術館、およびホテルなど、他の公共または半公共の場所を簡単に通過する可能性もある。
【0004】
堅牢で積極的な衛生慣行を実施することは、病原体の侵入と感染から保護するための最良の方法である。使用される衛生習慣のタイプは、運営環境によって異なるが、体系的な手洗い、管理された食品調理技術、環境内の接触面の体系的な洗浄および滅菌などを含み得る。環境内の衛生活動を管理するための計画および実践を確立することはできるが、衛生準拠監視システムがないことから、準拠の追跡および制御が困難になっている。また洗浄作業を担当する従業員は新人であることが多く、離職率が高く、場合によっては割り当てられたタスクを実施するための動機および献身度が低いことも、衛生準拠の確保に関連する課題を悪化させている。
【発明の概要】
【0005】
一般に、本開示は、洗浄を実施する個人に関連するコンピューティングデバイスを配備して、それらの洗浄行動の効果を追跡することによって、衛生活動を管理するためのデバイス、システム、および技術を対象とする。コンピューティングデバイスは、例えば、洗浄イベント中など、個人の動きによって引き起こされるコンピューティングデバイスの動きに関連する洗浄運動を検出および測定する1つ以上のセンサを含むことができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、洗浄を実施する個人によって、その肩とその指先(例えば、手首、上腕)との間の場所などにおいて着用される。いずれの場合も、コンピューティングデバイスは、割り当てられたタスクを実行する個人に関連する動きを検出することができ、この動きは、洗浄活動中の動き、および洗浄活動間の隙間の動きを含むことができる。コンピューティングデバイスによって生成された動きデータを分析して、個人によって実施されている洗浄の効果を決定することができる。いくつかの構成では、コンピューティングデバイスの動作は、決定された洗浄の効果に基づいて制御され、洗浄を実施する個人に、動作に応答して個人の洗浄活動を変更させる。追加的または代替的に、決定された洗浄の効果は、洗浄イベントのために記憶され、洗浄されている環境の洗浄検証情報を提供することができる。
【0006】
洗浄イベント中に監視される衛生活動のタイプは、洗浄される環境に対して確立された衛生習慣によって異なる場合がある。一例として、洗浄を実施する個人には、洗浄される特定の数の対象表面を割り当てることができる。例えば、ヘルスケア環境の場合、洗浄される表面は、ライトスイッチ、テーブルトップ、ベッドレール、ドアノブ、薬剤分注ポール、および蛇口ハンドルなどを含み得る。食品調理環境(例えば、レストラン、ケータリング施設)の場合、表面は、食品調理カウンター、床表面、フライヤー、グリル、ストーブ表面、電子レンジ面、冷蔵庫面などを含み得る。いずれの場合も、洗浄を実施する個人には、洗浄されるいくつかの表面が割り当てられてもよい。
【0007】
動作中、コンピューティングデバイスは、個人のタスクを実行する洗浄を実施する個人によって引き起こされるデバイスの動きに対応する信号を生成することができる。洗浄の対象となる各表面は、その対象表面の洗浄に関連付けられている、異なる動き信号を有することがある。コンピューティングデバイスによって生成された動きデータは、各対象表面に関連付けられている参照動きデータと比較することができる。動きデータが、洗浄を実施している個人が対象表面を見落としたことを示している場合、コンピューティングデバイスは動作を実施することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、見落とした対象表面の洗浄を完了するようにユーザに指示するアラートを実質的にリアルタイムで提供することができる。
【0008】
追加的または代替的に、任意の特定の対象表面の洗浄の質はまた、洗浄動作中にコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを使用して決定することもできる。例えば、特定の表面の洗浄中にコンピューティングデバイスによって生成された動きデータは、その対象表面の洗浄の質に関連付けられている参照動きデータと比較することができる。洗浄の質に関連付けられている参照動きデータは、対象表面が洗浄される徹底性および/または対象表面の範囲または面積に対応することができる。
【0009】
いくつかの用途では、コンピューティングデバイスを携帯する個人は、洗浄および非洗浄タスクを実施すること、および/または複数の異なる洗浄タスクを実施することを任されてもよい。例えば、個人のプロトコルでは、環境内の1つ以上の対象表面を洗浄してから、他のタスクに移る前に、自分で個別の手の消毒イベントを実施するように指示される場合がある。コンピューティングデバイスは、この活動の全過程の間の動きに対応する信号を生成することができる。コンピューティングデバイスによって生成された動きデータを参照動きデータと比較して、洗浄行動と非洗浄行動を分類および区別することができる。洗浄行動に対応するものとして識別された動きデータは、実施された特定のタイプの洗浄行動(例えば、手での洗浄ではなく表面の洗浄)を決定するためにさらに分析することができる。いくつかの例では、その特定の洗浄行動の質は、その特定の洗浄行動の洗浄の質に関連付けられている動きデータを参照してさらに評価される。このようにして、複数の異なるタイプの衛生活動を監視および/または制御するために、総合的な衛生管理システムを提供することができる。
【0010】
本明細書に記載するように、衛生準拠の監視および制御を追加することにより、本技術のユーザは、効果のないまたは不完全な洗浄を通じて病原体感染の事象を減少させることができる。例えば、食品調理環境を運営している組織は、本技術を導入する前と比較して、本技術を導入した後の施設に関連する食中毒の発生を減少することを確認できる。別の例として、ヘルスケア機関は、本技術を導入する前と比較して、本技術を導入した後のヘルスケア関連感染の発生が減少していることを確認できる。他の環境および用途も本技術の恩恵を受けることができる。
【0011】
一例では、追跡された洗浄効果を通じて効果のない洗浄によって引き起こされる病気および感染を減少させる方法が記載されている。本方法は、複数の対象表面に対して洗浄を実施する個人が着用するウェアラブルコンピューティングデバイスによって、洗浄イベント中にウェアラブルデバイスに関連する動きを検出することを含む。本方法はまた、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きに基づいて、ウェアラブルデバイスによって生成された動きデータを、複数の対象表面の各々の洗浄に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、個人が複数の対象表面の各々に対して洗浄動作を実施したかどうかを決定することも含む。さらに、本方法は、個人が複数の対象表面のうちの少なくとも1つに対して洗浄動作を実施していないことを決定したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイスによって動作を実施することを含む。
【0012】
別の例には、ウェアラブルコンピューティングデバイスが記載されている。デバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、および実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに特定の行動を実施させる指示を含むメモリを含む。この例は、行動が、少なくとも1つのセンサから、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が洗浄イベント中に複数の対象表面に対して洗浄動作を実施している間に、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きデータを受信することを含むことを指定する。行動はまた、動きデータに基づいて、動きデータを複数の対象表面の各々の洗浄に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、個人が複数の対象表面の各々に対して洗浄動作を実施したかどうかを決定することを含む。行動はまた、個人が複数の対象表面のうちの少なくとも1つに対して洗浄動作を実施していないことを決定することに応答して、動作を実施することを含む。
【0013】
別の例には、洗浄効果を追跡するための顧客固有のシステムを確立する方法が記載されている。本方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人によって、複数の対象表面の各々に対して洗浄動作を実施することを含み、複数の対象表面は、後続の洗浄イベントに関連して洗浄を追跡することが望まれる対象表面として選択される。本方法はまた、ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、複数の対象表面の各々に対して実施される洗浄動作中のウェアラブルデバイスの動きに関連付けられている動きデータを生成することも含む。本方法はさらに、洗浄動作中に生成された動きデータの異なる部分を、個人が洗浄動作を実施した複数の対象表面の各々のうちの特定の1つに関連付けることを含む。さらに、本方法は、複数の異なる対象表面の各々について、複数の異なる対象表面の各々の動きデータの関連する異なる部分から、実施されている洗浄動作を示す参照データを決定することを含む。本方法は、後続の洗浄イベントに関連して使用するために、複数の異なる対象表面の各々の参照データを記憶することをさらに含む。
【0014】
別の例には、洗浄効果を制御する方法が記載されている。本方法は、対象表面に対して洗浄を実施する個人が着用するウェアラブルコンピューティングデバイスによって、洗浄イベント中にウェアラブルデバイスに関連する動きを検出することを含む。本方法はまた、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きに基づいて、ウェアラブルデバイスによって生成された動きデータを対象表面の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、対象表面の洗浄の質を決定することも含む。本方法は、対象表面が洗浄の閾値質まで効果的に洗浄されていないことを決定したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイスによって動作を実施することをさらに含む。
【0015】
別の例には、ウェアラブルコンピューティングデバイスが記載されている。デバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、および実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに特定の行動を実施させる指示を含むメモリを含む。行動は、少なくとも1つのセンサから、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が洗浄イベント中に対象表面に対して洗浄動作を実施している間に、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きデータを受信することを含む。行動はまた、動きデータを対象表面の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、動きデータに基づいて、対象表面の洗浄の質を決定することも含む。行動はさらに、対象表面が洗浄の閾値質まで効果的に洗浄されていないことを決定したことに応答して、動作を実施することを含む。
【0016】
別の例には、総合衛生管理の方法が記載されている。本方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに基づいて、ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者が洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定し、それにより、非洗浄行動中のウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを区別することと、を含む。本方法は、異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている動きデータを参照した動きの特徴の比較に基づいて、ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することを含む。本方法はまた、特定のタイプの洗浄行動中にウェアラブルデバイスによって生成された動きデータを、特定のタイプの洗浄行動に対する洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、実施された特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することも含む。本方法は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者によって実施された特定のタイプの洗浄行動が、洗浄の閾値質を満たさないことを決定したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイスによって動作を実施することをさらに含む。
【0017】
別の例には、ウェアラブルコンピューティングデバイスが記載されている。デバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、および実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに特定の行動を実施させる指示を含むメモリを含む。行動は、少なくとも1つのセンサから、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連付けられている動きデータを受信することと、動きデータに基づいて、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定し、それにより、非洗浄行動中のウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを区別することと、を含む。行動は、異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている動きデータを参照した動きの特徴の比較に基づいて、ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することをさらに含む。行動はまた、特定のタイプの洗浄行動中に生成された動きデータを、特定のタイプの洗浄行動の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、実施された特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することとも含む。行動は、実施された特定のタイプの洗浄行動が洗浄の閾値質を満たさないことを決定したことに応答して、動作を実施することをさらに含む。
【0018】
1つ以上の例の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】洗浄イベント中に洗浄を実施する個人の洗浄効果を追跡するように構成されたコンピューティングシステムの例を示す概念図である。
【0020】
図2】本開示の1つ以上の態様に従って構成されたウェアラブルコンピューティングデバイスの例を示すブロック図である。
【0021】
図3A】本開示に従って評価される、任意選択で例示的な道具を使用して洗浄される可能性のある例示的な表面および/または機器を示している。
図3B】本開示に従って評価される、任意選択で例示的な道具を使用して洗浄される可能性のある例示的な表面および/または機器を示している。
図3C】本開示に従って評価される、任意選択で例示的な道具を使用して洗浄される可能性のある例示的な表面および/または機器を示している。
【0022】
図4】例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングして、その後、洗浄を実施する個人が、確立されたプロトコルの一部として洗浄されることが意図された複数の対象表面の各々を洗浄したかどうかを決定するための例示的なプロセスを示す流れ図である。
【0023】
図5】例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングして、その後、洗浄を実施する個人が対象表面を洗浄の閾値質まで効果的に洗浄したかどうかを決定するための例示的なプロセスを示す流れ図である。
【0024】
図6】例えば、総合衛生管理システムの一部として、複数の異なる洗浄行動を後で評価するために、例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングするための例示的なプロセスを示す流れ図である。
【0025】
図7】ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者に指定できる手衛生プロトコルの例を示している。
【0026】
図8】本開示の1つ以上の態様による、効果のない洗浄によって引き起こされる病気および感染を減少さるための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す流れ図である。
【0027】
図9】本開示の1つ以上の追加の態様による、効果のない洗浄によって引き起こされる病気および感染を減少さるための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの別の例示的な動作を示す流れ図である。
【0028】
図10】本開示の1つ以上の態様による、総合衛生管理のための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す流れ図である。
【0029】
図11】実験中に生成された線形加速度および回転速度のデータの描画である。
図12】実験中に生成された線形加速度および回転速度のデータの描画である。
【0030】
図13図11および図12の実験のために生のサンプルデータから生成された単一の時間領域特徴表現の例を示す。
【0031】
図14図11図13の実験データの二値分類の候補特徴から決定された上位2つの特徴を示す。
【0032】
図15】動きデータを利用した模擬レストランコンテキストフロアケア研究の一環として使用された道具の3つの例示的なタイプの識別を示す描画である。
【0033】
図16】動きデータを利用した模擬病院コンテキスト研究の一部として実施された5つの対象表面の例示的な識別を示す描画である。
【0034】
図17A】洗浄プロトコルの実行をガイドするのを助けるためにユーザに表示され得る連続した一連の例示的なユーザインターフェースグラフィックスを示す。
図17B】洗浄プロトコルの実行をガイドするのを助けるためにユーザに表示され得る連続した一連の例示的なユーザインターフェースグラフィックスを示す。
図17C】洗浄プロトコルの実行をガイドするのを助けるためにユーザに表示され得る連続した一連の例示的なユーザインターフェースグラフィックスを示す。
図17D】洗浄プロトコルの実行をガイドするのを助けるためにユーザに表示され得る連続した一連の例示的なユーザインターフェースグラフィックスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
一般に、本開示は、1つ以上の衛生関連タスクを実施しながら、個人に関連する動きを検出するためにウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、活動量計、コンピュータ化された時計など)を利用するデバイス、システム、および技術を対象とする。コンピューティングシステム(例えば、サーバ、携帯電話など)は、ネットワークを介してウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、アクティビティトラッカー、時計)と通信することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、時間の経過とともに、動き(例えば、加速度、角速度、傾斜の変化など)を検出することができ、検出された動きに関する情報を(例えば、動きデータとして)ネットワークを介してコンピューティングシステムに提供することができる。いくつかの実装では、コンピューティングシステムおよび/またはウェアラブルコンピューティングデバイスは、実施されている特定の衛生活動に対応する動きデータの特徴を識別することができる。
【0036】
例えば、コンピューティングシステムは、例えば、各対象物体の洗浄に関連付けられている動きデータをその物体の洗浄に対応する参照動きデータと比較することによって、洗浄の対象となる特定の物体が実際に洗浄されたかどうかを決定することができる。別の例として、コンピューティングシステムは、例えば、その対象物体の洗浄のレベルに関連付けられている動きデータを、物体の洗浄の閾値レベルに対応付けられている参照動きデータと比較することによって、洗浄の対象となる特定の物体が効果的に洗浄されたかどうかを決定することができる。
【0037】
さらに別の例として、コンピューティングシステムは、動きの過程の間に実施される異なるタイプの衛生活動を区別し、それらの衛生活動のうちの1つ以上に関連付けられている衛生準拠を評価することができる。例えば、コンピューティングシステムは、コンピューティングデバイスの着用者が第1のタイプの洗浄動行動(例えば、床表面洗浄、機器の洗浄)および第2のタイプの洗浄行動(例えば、着用者の手の洗浄)を実施したことを決定することができる。コンピューティングシステムは、一方または両方の洗浄行動の質および/または洗浄行動が実施された順序を決定することができる。コンピューティングシステムは、洗浄行動の質および/または洗浄の順序が、行動が実施された環境に設定された衛生準拠基準に準拠しているかどうかをさらに決定することができる。
【0038】
いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、1つ以上の衛生行動が実施された環境に関連付けられている洗浄検証情報を生成および記憶する。対象となる洗浄行動が実際に実施されたことを監視または検証する能力を有さない現在使用されているいくつかの洗浄準拠プログラムとは異なり、本開示による技術は、洗浄準拠のデータ検証済み証拠を提供することができる。洗浄準拠データは、例えば、洗浄イベント中に特定の表面および/または物体が洗浄されたこと、1つ以上の表面および/または物体の洗浄の質、および/または実施された洗浄行動のタイプを示す、実施された1つ以上の洗浄行動に対応する情報を記憶されてもよい。洗浄準拠データはまた、洗浄行動が実施された時間に対応するタイムスタンプ、および/または洗浄行動中に実施された実際の洗浄動作に対応するデータ、および/または測定のコンテキストに対応する他のメタデータ(例えば、部屋識別、GPS測位)を含むこともできる。このようにして、洗浄業者は、実施された衛生サービスを証明する検証情報を提供することができ、場所の所有者または運営者は、その施設の衛生準拠の証拠を有することができる。
【0039】
洗浄検証情報を提供することに加えて、またはその代わりに、本開示によるコンピューティングシステムは、洗浄イベント中にウェアラブル洗浄デバイスによって検出された動きデータに基づいて決定された洗浄効果情報に基づいて動作の実施を呼び出すか、またはウェアラブルコンピューティングデバイスがそれを開始することができる。例えば、ウェアラブル洗浄デバイスは、ユーザアラート機能をアクティブにし、および/または洗浄準拠基準の違反を示すデバイスを着用している個人に情報を出力することができる。このような違反は、洗浄を実施する個人が、洗浄の対象となる表面を見落とした、対象表面を洗浄の質の閾値レベルまで洗浄しなかった、および/または誤った洗浄行動のシーケンスを実施した(例えば、手衛生洗浄行動を機器洗浄行動の前に実施した、またはその逆を行った)ことを示すことができる。いくつかの実装では、ウェアラブル洗浄デバイスは、違反が発生しているのと実質的にリアルタイムで違反を着用者に通知する動作を実施することができる。その結果、着用者は、洗浄準拠違反に対処するために即座に修正行動を講じることができる。追加的または代替的に、ウェアラブル洗浄デバイスによって実施される動作は、ウェアラブル洗浄デバイスの着用者にトレーニングを発行して、実施される修正行動についてユーザに指示することができる。
【0040】
本開示の1つ以上の態様に従って洗浄準拠の監視および制御を提供することによって、本技術のユーザは、効果のないまたは不完全な洗浄を通じて病原体感染の事象を減少させることができる。例えば、食品調理環境を運営している組織は、本技術を導入する前と比較して、本技術を導入した後の施設に関連する食中毒の発生を減少することを確認できる。別の例として、ヘルスケア機関は、本技術を導入する前と比較して、本技術を導入した後のヘルスケア関連感染の発生が減少していることを確認できる。効果のない洗浄に起因する感染および/または病気の発生率は、本技術を導入する前と比較して、本技術を導入した後に少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少する可能性がある。
【0041】
本開示を通して、コンピューティングシステム(例えば、サーバなど)および/またはコンピューティングデバイス(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイスなど)が、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスに関連付けられている情報(例えば、加速度、向きなど)を分析することができる例が記載されている。そのような例は、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスが、ユーザ(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している人)から情報を分析する許可を受信した後にのみ、分析を実施できるように実装されてもよい。例えば、後述するように、モバイルコンピューティングデバイスがユーザと、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスとに関連付けられている情報を収集することができるか、または利用することができる後述の状況において、ユーザは、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスのプログラムまたは機能がユーザ情報(例えば、ユーザの職業、連絡先、勤務時間、勤務履歴、トレーニング履歴、ユーザの好み、および/またはユーザの過去および現在の場所に関する情報)を収集および利用することができるかどうかを制御するために、および/またはコンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスがユーザに関連し得るコンテンツを受信できるかどうかおよび/または受信する方法を指示するために、入力を提供する機会を提供されえる。さらに、特定のデータは、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスによって記憶または使用される前に1つ以上の方法で処理されてもよく、その結果、個人を特定できる情報が削除される。例えば、ユーザのアイデンティティを処理して、ユーザに関する個人を特定できる情報を決定できないようにするか、ユーザの地理的位置を一般化して、位置情報(都市、郵便番号、または州レベルなど)を取得できないようにし、それによりユーザの特定の場所を決定できないようにする。したがって、ユーザは、ユーザに関する情報がどのように収集され、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングデバイスによって使用されるかを制御することができる。
【0042】
図1は、洗浄イベント中に洗浄を実施する個人の洗浄効果を追跡するように構成されたコンピューティングシステム10の例を示す概念図である。システム10は、本開示の1つ以上の態様による、洗浄を実施する個人によって着用されてもよく、洗浄イベント中のその個人の動きを示すデータを生成することができるウェアラブルコンピューティングデバイス12を含む。システム10はまた、リモートコンピューティングシステム14およびネットワーク16も含む。
【0043】
図1は、1つ以上の衛生行動(例えば、表面洗浄)が実施され得る環境18内に位置付けられたウェアラブルコンピューティングデバイス12を示している。図示の例では、環境18は、寝室20および浴室22を有するヘルスケア環境として描かれている。寝室20は、いくつかの例示的な表面を挙げれば、テレビのリモコン20A、ベッドレール20B、および投薬支援ポール20Cなどの、洗浄イベント中に洗浄されることを意図した1つ以上の対象表面を有し得る。同様に、浴室22は、いくつかの例示的な表面を再び挙げると、流し台/蛇口22Aおよびトイレ22Bなどの、洗浄イベント中に洗浄されることを意図された1つ以上の対象表面を有し得る。このようなヘルスケア環境は、院内感染の収縮の影響を受けやすく、患者の健康にとって重要な衛生および洗浄プロトコルの厳格な準拠を可能にする。そうは言っても、本開示の技術は、そのような例示的な環境に限定されない。むしろ、本開示の技術は、衛生準拠の検証された証拠を有することが望ましい任意の場所で利用することができる。本開示の態様が利用され得る例示的な環境には、食品調理環境、ホテルの部屋環境、食品調理工場、および酪農場が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、人に着用され、保持され、または他の方法で物理的に取り付けられてもよく、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きの指示(例えば、センサデータ)を処理および分析するように構成された1つ以上のプロセッサを含む、任意のタイプのコンピューティングデバイスであってもよい。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の例には、時計、アクティビティトラッカー、コンピュータ化されたアイウェア、コンピュータ化されたグローブ、コンピュータ化された宝石(例えば、コンピュータ化されたリング)、携帯電話、またはウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している、保持している、または他の方法で取り付けている人の動きを検出するために使用できるハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア他の任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。そのようなウェアラブルコンピューティングデバイスは、人の指、手首、腕、胴体、または洗浄イベントの実施中の着用者の行動に関連する運動を検出するのに十分な他の身体の場所に取り付けることができる。いくつかの例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、着用者の身体の一部分(例えば、身の回り)に物理的に固定されたバンドに取り付けられたハウジングを有し得る。他の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用者に物理的に取り付ける別個の固定バンドを有することなく、着用者が着用する衣類のポケットに挿入可能であってもよい。
【0045】
リモートコンピューティングシステム14とは別の別個の要素として図1に示されているが、いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム14の機能の一部またはすべては、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって実装されてもよい。例えば、モジュール26およびデータストア28、30、および32は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12において局所的に存在して、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに関する情報を受信し、本明細書に記載した分析を実施することができる。したがって、本明細書には、特定の機能がウェアラブルコンピューティングデバイス12およびリモートコンピューティングシステム14によってそれぞれ実施されると記載されているが、機能のいくつかまたはすべては、本開示の範囲から逸脱することなく、リモートコンピューティングシステムからウェアラブルコンピューティングデバイスに、またはその逆にシフトされてもよい。
【0046】
本明細書で使用される場合、「洗浄行動」という句は、多次元でそれに関連する運動を有し、洗浄を実施するために道具を利用する場合もしない場合もある洗浄行動を指す。洗浄行動のいくつかの例には、個人が特定の物体(例えば、ドアノブ、トイレ)を、任意選択で特定の道具(例えば、雑巾、ブラシ、モップ)を使用して洗浄すること、および個人が自分の身体の一部を洗浄すること(例えば、手洗い)が挙げられる。洗浄行動としては、表面にクリーナーをスプレーする、モップから水を絞る、バケツに水を入れる、雑巾を浸すなど、洗浄力を発揮する前に行われる準備運動が挙げられる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「実質的にリアルタイム」という用語は、個人がまだ洗浄を行っている間、または個人が修正洗浄動作を実施するために洗浄が発生した環境にまだいるかもしくは近接している、洗浄の終了に十分に近い時間的な近接にいる間を意味する。
【0048】
洗浄される表面に関連して本明細書で使用される場合、「ヘルスケア環境」という語句は、ヘルスケア活動の一部として採用される器具、デバイス、カート、ケージ、家具、構造物、建物などの表面を意味する。ヘルスケア表面の例としては、医用器械または歯科用器械の表面、医用器具または歯科用器具の表面、患者の健康を監視するために用いられる電子装置の表面、およびヘルスケアが行われる構造物の床、壁、または固定備品の表面が挙げられる。ヘルスケア表面は、病院、外科手術室、虚弱者用の部屋、出産用の部屋、葬儀場、および臨床診断室内に見られる。これらの表面は、「硬表面」(例えば、壁、床、ベッドパンなど)、もしくは織物表面、例えば、編み物、織物、および不織布の表面(例えば、外科用衣類、カーテン、ベッドリネン、包帯など)、もしくは患者ケア機器(呼吸器、診断用器具、シャント、ボディスコープ、車椅子、ベッドなど)、もしくは外科用機器および診断用機器として代表されるものであり得る。ヘルスケア表面には、動物のヘルスケアにおいて用いられる物品および表面が含まれる。
【0049】
洗浄すべき表面に関連して本明細書で使用される場合、「食品調理表面」という語句は、食品調理、調理、または保存活動の一部として使用される道具、機械、設備、構造、または建物などの表面を指す。食品加工表面の例としては、食品加工または調理機器(例えば、スライシング機器、缶詰機器、または輸送機器で、水路を含む)の表面、食品加工用品(例えば、台所用具、食器、洗浄用品、およびバーガラス(bar glasses)の表面、および食品加工が行われる構造物の床、壁、または固定備品の表面を含む。食品調理表面の例は、オーブン、フライヤー、グリル、電子レンジ、冷蔵庫、カウンタートップ、貯蔵容器、流し台、飲料用チラーおよびウォーマー、肉用の冷水または熱水に見られる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「洗浄動作」という語句は、洗浄運動を示し、およびそれに対応する運動の実施を意味する。洗浄運動は、土壌除去、病原体の個体数の減少、およびそれらの組み合わせを支援するために個人が実施する運動である可能性がある。
【0051】
本明細書で使用される場合、「参照動きデータ」という語句は、参照移動に対応する生のセンサデータ、および参照動きに対応する生のセンサデータから導出された、またはそれに基づくデータの両方を指す。参照動きデータが生のセンサデータから、またはそれに基づいて導出される実装では、参照動きデータは、生のセンサデータのよりコンパクトな表現を提供することができる。例えば、参照動きデータは、1つ以上の時間枠粒度特徴、モデル内の係数、または生の参照データの他の数学的変換の形で記憶されてもよい。
【0052】
図1では、ネットワーク16は、任意のパブリックまたはプライベート通信ネットワークを表す。ウェアラブルコンピューティングデバイス12およびリモートコンピューティングシステム14は、任意の好適な通信技術を使用して、ネットワーク16を介してデータを送受信することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ネットワークリンク24Aを使用してネットワーク16に動作可能に結合されてもよい。リモートコンピューティングシステム14は、ネットワークリンク24Bによってネットワーク16に動作可能に結合されてもよい。ネットワーク16は、動作可能に相互結合され、それによってウェアラブルコンピューティングデバイス12とリモートコンピューティングシステム14との間の情報の交換を提供するネットワークハブ、ネットワークスイッチ、ネットワークルータなどを含んでもよい。いくつかの例では、ネットワークリンク24Aおよび24Bは、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ATM、または他のネットワーク接続であってもよい。そのような接続は、無線および/または有線接続であってもよい。
【0053】
システム10のリモートコンピューティングシステム14は、1つ以上のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピュータ(例えば、携帯電話)、メインフレーム、サーバ、クラウドコンピューティングシステムなどの、ネットワークリンク24Bを介してネットワーク16に情報を送受信することができる、任意の好適なモバイルまたは固定リモートコンピューティングシステムを表す。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム14は、ネットワーク16を通じて1つ以上のサービスを提供するクラウドコンピューティングシステムを表す。ウェアラブルコンピューティングデバイス12などの1つ以上のコンピューティングデバイスは、リモートコンピューティングシステム14を使用して、クラウドによって提供される1つ以上のサービスにアクセスすることができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、リモートコンピューティングシステム14を使用して、クラウド内のデータを記憶および/またはアクセスすることができる。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム14の一部またはすべての機能は、携帯電話、タブレットコンピュータなどのモバイルコンピューティングプラットフォーム内に存在し、ウェアラブルコンピューティングデバイス12と同じ地理的場所にある場合とない場合がある。例えば、リモートコンピューティングシステム14の一部またはすべての機能は、いくつかの例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を備えた環境18内にあるモバイルコンピューティングデバイス内に存在し、その中から実行されてもよく、および/またはウェアラブルデバイス自体に存在し、その中に実装されてもよい。
【0054】
いくつかの実装では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ウェアラブルコンピューティングデバイスがリモートコンピューティングシステムと通信していないときでさえ、リモートコンピューティングシステム14による処理のための動きを示すデータを生成および記憶することができる。実際には、例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、リモートコンピューティングシステム14および/またはネットワーク16との接続を定期的に失う可能性がある。これらおよび他の状況では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、オフライン/切断状態で動作して、ウェアラブルコンピューティングデバイスがオンライン/リモートコンピューティングシステム14と接続されている場合にウェアラブルコンピューティングデバイスが実施するのと同じ機能またはより限定された機能を実施することができる。コンピューティングデバイス12とリモートコンピューティングシステム14との間で接続が再確立されると、コンピューティングデバイスは、デバイスがオフラインであった期間中に生成された記憶されたデータを転送することができる。異なる例では、コンピューティングデバイス12は、無線接続がネットワーク16を介して再確立されたとき、またはコンピューティングデバイスがドッキングステーションに接続されたときに、リモートコンピューティングシステム14との接続を再確立して、コンピューティングデバイスに一時的に記憶された情報のダウンロードを容易にすることができる。
【0055】
図1の例のリモートコンピューティングシステム14は、洗浄効果決定モジュール26と、対象表面比較データストア28、洗浄の質比較データストア30、および洗浄行動比較データストア32を含むものとして図示されている1つ以上のデータストアと、を含む。洗浄効果決定モジュール26は、リモートコンピューティングシステム14に存在するおよび/またはそこで実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの混合物を使用して説明される動作を実施することができる。リモートコンピューティングシステム14は、複数のプロセッサまたは複数のデバイスを使用して洗浄効果決定モジュール26を実行することができる。リモートコンピューティングシステム14は、基礎となるハードウェア上で実行される仮想マシンとして、洗浄効果決定モジュール26を実行することができる。洗浄効果決定モジュール26は、オペレーティングシステムまたはコンピューティングプラットフォームのサービスとして実行することができる。洗浄効果決定モジュール26は、コンピューティングプラットフォームのアプリケーション層で1つ以上の実行可能プログラムとして実行することができる。
【0056】
データストアとして説明される機能は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が準拠した洗浄行為を実施したかどうかを決定するために洗浄効果決定モジュール26がアクセスできる実際のデータ、モデル化されたデータ、または他の方法で導出されたデータを記憶するための任意の好適な記憶媒体を表すことができる。例えば、データストアは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成されたデータを評価するために洗浄効果決定モジュール26がアクセスすることができるルックアップテーブル、データベース、チャート、グラフ、関数、方程式などを含んでもよい。洗浄効果決定モジュール26は、1つ以上のデータストアに含まれる情報から生成された特徴に依存して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12から取得されたセンサデータが、洗浄の対象となるすべての表面を洗浄する、1つ以上の対象表面を適切に徹底的に洗浄する、および/または特定の指定された洗浄行動を実施するなど、人が特定の洗浄準拠行為を実施したことを示しているかどうかを決定してもよい。データストアに記憶されたデータは、図4図6に関してより詳細に説明したように、1つ以上のトレーニングセッションからおよび/またはそれに基づいて生成されてもよい。リモートコンピューティングシステム14は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12などのネットワーク16に接続されたデバイスへのクラウドベースのサービスとしてデータストアに記憶されたデータへのアクセスを提供することができる。
【0057】
洗浄効果決定モジュール26は、洗浄を実施し、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用しているか、着用していた個人が、準拠した洗浄活動を実施したかどうかを示す情報の要求(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12からの要求)に応答してもよい。洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12からリンク24Bおよびネットワーク16を介してセンサデータを受信し、センサデータを、リモートコンピューティングシステム14のデータストアに記憶された1つ以上の比較データセットと比較することができる。洗浄効果決定モジュール26は、リンクを介してネットワーク16を通じてリモートコンピューティングシステム14からウェアラブルコンピューティングデバイス12に情報を送信することによって、要求に応答することができる。
【0058】
洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって検出された情報に基づいて、洗浄行為のいくつかの異なる特性および洗浄プロトコルへの準拠を決定するために実装されてもよい。一般に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、以下でより詳細に説明するように、リモートコンピューティングシステム14に送信するために、着用者の動きを示す情報(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の方向、場所、向き、位置、高さなどを示すデータ)を出力することができる。洗浄効果決定モジュール26は、例えば、リモートコンピューティングシステム14に記憶されたデータを参照して、洗浄イベント、または動きデータが捕捉された期間中に、洗浄行動に関連する動きを洗浄行動に関連しない動きから識別してもよい。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄行動に関連する動きデータをさらに分析して、例えば、1つ以上のデータストアに記憶された比較データに基づいて、そのような行動が1つ以上の標準に準拠しているかどうかを決定することができる。
【0059】
一実施形態では、洗浄を実施する個人は、洗浄イベント中に洗浄される複数の表面のスケジュールを割り当てられてもよい。洗浄される表面のスケジュールは、環境内の個人が頻繁に触れ、汚染の対象となる表面、または洗浄準拠プロトコルの一部として洗浄されることが望まれる表面に対応してもよい。洗浄を実施する個人は、洗浄イベント中にどの表面を洗浄すべきか、および任意選択で、表面を洗浄すべき順序および/または各表面を洗浄すべき徹底度について指示されてもよい。
【0060】
洗浄イベントの実施中に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに対応する情報を出力することができる。洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12から動きデータを受信し、データストア28に記憶された対象表面比較データを参照して動きデータを分析することができる。対象表面比較データストア28は、洗浄を実施する個人が洗浄をすることをスケジュールしている対象表面の各々について、洗浄に対応するデータを含んでもよい。
【0061】
いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、特定の表面の洗浄に対応する動きデータの1つ以上の特徴を決定する。洗浄の対象となる各表面は、その対象表面に固有であり、それを、洗浄されることが意図されている他の対象表面と区別する、三次元空間内の寸法および/または向きを有し得る。したがって、各対象表面の洗浄に関連する動きは、データセット内の各対象表面の洗浄に関連する動きを区別する固有のサインまたは比較データセットを提供することができる。対象表面を定義するデータの特定の特徴は、例えば、対象表面の特性およびウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成されたセンサデータの特性に応じて変化してもよい。対象表面比較データストア28は、洗浄されることを意図されている各対象表面の洗浄に対応するデータを含んでもよい。例えば、対象表面比較データストア28は、洗浄されるようにスケジュールされている複数の対象表面の各々の洗浄に関連する参照動きデータから生成された特徴を含んでもよい。
【0062】
洗浄効果決定モジュール26は、対象表面比較データストア28内の特徴に関連して、洗浄イベント中に生成された動きデータの1つ以上の特徴を分析して、個人がどの対象表面に対して洗浄を実施したかを決定することができる。洗浄効果決定モジュール26は、対象表面比較データストア28への参照に基づいて、洗浄されることがスケジュールされている1つ以上の対象表面が洗浄されたか、または実際に洗浄されなかったかを決定することができる。リモートコンピューティングシステム14は、洗浄イベント中に洗浄されることがスケジュールされている少なくとも1つの対象表面が洗浄されていないことが決定された場合に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12と通信して、ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して動作を開始することができる。
【0063】
別の実装として、洗浄を実施する個人は、洗浄イベント中に対象表面を洗浄すべき質について指示されてもよい。洗浄の質は、対象表面を適切に洗浄する方法について個人をトレーニングする洗浄プロトコルを通じて指示されてもよい。洗浄プロトコルの例示的な特性は、対象表面を洗浄するために使用される技術、対象表面を洗浄するときに洗浄器具を介して加えられる力の量、洗浄される対象表面の範囲またはエリア、および/または対象表面に対して実施されるべき洗浄の継続時間を指定し得る。
【0064】
いくつかの例では、洗浄プロトコルは、実施される1つ以上の連続した活動、および/または1つ以上の洗浄活動を実施するときに使用される特定の洗浄技術または連続した技術を指定してもよい。洗浄プロトコルの一部として指定され得る洗浄活動の例とには、洗浄される表面の順序が含まれる(例えば、部屋を上から下へ、湿った状態から乾いた状態へ、および/または汚れの少ないところから多いところへ)。指定され得る洗浄技術の例には、特定の表面で使用される特定のタイプの洗浄(例えば、重複するストロークを使用したこする動作)、および/または特定の表面に対して実施される一連の連続した洗浄ステップ(例えば、目に見える汚れを除去した後に消毒する)が含まれる。
【0065】
洗浄イベントの実施中に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに対応する情報を出力することができる。洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12から動きデータを受信し、データストア30に記憶された洗浄の質比較データを参照して動きデータを分析することができる。洗浄の質比較データストア30は、洗浄を実施する個人によって洗浄されることが意図されている対象表面の洗浄の質に対応するデータを含んでもよい。
【0066】
いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、表面の洗浄の質に対応する動きデータの1つ以上の特徴を決定する。動きデータは、実施された洗浄行動の作業量または強度を示すことができる。追加的または代替的に、動きデータは、洗浄されている表面のエリア(例えば、三次元空間における寸法および向き)を示すことができ、動きデータは、洗浄を実施する個人が対象表面の全体を洗浄したかどうかを示すことができる。またさらに、追加的または代替的に、動きデータは、表面に対して実施される洗浄技術のタイプ、または一連の異なる洗浄技術を示すことができる。洗浄の質を定義するデータの特定の特徴は、例えば、質洗浄を指示する洗浄プロトコルの特性、洗浄されている表面の特性、および/またはウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成されるセンサデータの特性に応じて変化し得る。
【0067】
洗浄の質比較データストア30は、各表面の洗浄の質に対応するデータを含んでもよく、その洗浄の質は評価されることが意図されている。洗浄の質比較データストア30は、各表面の準拠した洗浄の質に関連付けられている参照動きデータから生成された特徴を含んでもよく、その洗浄の質は評価されることが意図されている。参照動きデータは、好適なまたは準拠した質レベルに対応するものとして、参照動きデータの発信者によって示された洗浄の閾値レベルに対応してもよい。
【0068】
洗浄効果決定モジュール26は、洗浄の質比較データストア30の特徴と比較して、洗浄イベント中に生成された動きデータの1つ以上の特徴を分析して、個人が洗浄を実施した表面が閾値レベルの質まで洗浄されたかどうかを決定することができる。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄の質比較データストア30を参照して、対象表面が閾値レベルの質まで洗浄されたかどうか、または表面が閾値レベルの質まで洗浄されなかったかどうかを決定することができる。リモートコンピューティングシステム14は、対象表面が閾値レベルの質まで洗浄されていないことが決定された場合に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12と通信して、ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して動作を開始することができる。
【0069】
別の例示的な実装として、洗浄を実施する個人は、作業のプロトコルの一部として実施される複数の洗浄行動を割り当てられてもよい。各特定のタイプの洗浄行動は、互いに特定のタイプの洗浄行動とは異なっていてもよく、いくつかの例では、望ましくは、指定された順序で実施することができる。例えば、実施され得る1つのタイプの洗浄行動は、環境18内の1つ以上の表面が洗浄されることが望まれる環境洗浄行動である。これらのタイプの洗浄行動の例には、床表面の洗浄行動(例えば、掃くこと、モップ掛け)および非床表面の洗浄行動(例えば、環境18内の機器の洗浄)が含まれる。実施され得る別のタイプの洗浄行動は、個人が手洗いプロトコルを実施する手衛生洗浄イベントなどの個人洗浄行動である(例えば、アルコール含有消毒剤、石鹸および水を使用する)。総合衛生管理プログラムの一部として、個人を実施された異なるタイプの洗浄行動の各々の効果および/または順序を評価することができる。
【0070】
例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、着用者が複数の洗浄行動および非洗浄行動を実施する期間中のウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに対応する情報を出力することができる。洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12から動きデータを受信し、洗浄行動比較データストア32を参照して動きデータを分析することができる。洗浄行動比較データストア32は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人によって実施され得る複数の異なるタイプの洗浄行動に対応するデータを含んでもよい。各タイプの洗浄行動は、洗浄行動比較データストア32に記憶されている洗浄行動に関連付けられた動きサインを有することができる。
【0071】
洗浄効果決定モジュール26は、洗浄行動比較データストア32を参照して、洗浄行動に関連する動きデータを非洗浄行動に関連する動きデータから区別することができる。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄行動比較データストア32を参照して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動をさらに決定することができる。いくつかの実装では、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄の質比較データストア30をさらに参照して、ウェアによって実施される1つ以上の特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質をさらに決定することができる。
【0072】
いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、着用者によって実施される複数の洗浄行動に対応する動きデータの1つ以上の特徴を決定する。各洗浄行動には、それを他の各タイプの洗浄行動と区別する、それに関連付けられている動きデータを有してもよい。したがって、複数の洗浄行動の実施中に生成された動きデータにより、各特定の洗浄行動を互いに特定の洗浄行動と区別することができる。特定の洗浄行動を定義するデータの特定の特徴は、例えば、実施される洗浄行動のタイプおよびウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成されるセンサデータの特性に応じて変化してもよい。洗浄行動比較データストア32は、洗浄動作を非洗浄行動から区別するデータを含んでもよい。洗浄行動比較データストア32は、各タイプの洗浄行動に対応するデータをさらに含んでもよく、その準拠は評価されることが意図されている。例えば、洗浄行動準拠データストア32は、動きデータから決定され得る各タイプの洗浄行動に関連付けられている参照動きデータから生成された特徴を含んでもよい。
【0073】
洗浄効果決定モジュール26は、異なる洗浄行動を定義する特徴と比較して、動きの過程で生成される動きの1つ以上の特徴を分析することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、動きの継続時間(例えば、洗浄イベント)中に生成された移動データの1つ以上の特徴を分析して、例えば洗浄行動準拠データストア32を参照して、洗浄行動に対応する動きの期間を非洗浄行動に対応する動きの期間と区別することができる。追加的または代替的に、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄の期間に対応する動きの1つ以上の特徴を分析して、例えば、洗浄行動コンプライアンスデータストア32を参照して、洗浄の各期間に実施される洗浄行動の特定のタイプを決定することができる。洗浄行動準拠データストア32は、実施された特定のタイプの洗浄行動のうちの1つ以上が、例えば、清潔な質比較データストア30を参照して、閾値レベルの質で実施されたかどうかをさらに決定することができる。
【0074】
いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、動きの継続時間中に生成された移動データの1つ以上の特徴を分析して、例えば洗浄行動準拠データストア32を参照して、洗浄行動に対応する動きの期間を非洗浄行動に対応する動きの期間と区別することができる。洗浄効果決定モジュール26は、動きデータの1つ以上の特徴をさらに分析して、例えば、洗浄行動準拠データストア32を参照して、指定された洗浄の順序(例えば、部屋を上から下へ、湿った状態から乾いた状態へ、および/または、汚れの少ないところから多いところへ)が実施されたかどうかを決定することができる。追加的または代替的に、洗浄効果決定モジュール26は、動きデータの1つ以上の特徴をさらに分析して、例えば、洗浄行動準拠データストア32を参照して、特定の表面が指定された技術または指定された一連の技術(例えば、重複するストロークを使用したこする行動、目に見える汚れを除去した後に消毒を行う)を使用されて洗浄されたかどうかをさらに決定することができる。
【0075】
リモートコンピューティングシステム14は、実施された洗浄活動がプロトコル標準に準拠していない場合、実施されることが期待される特定のタイプの洗浄行動が実施されなかった、および/または、特定のタイプの洗浄行動が閾値レベルの洗浄の質閾値未満で実施された場合など、ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して動作を開始するためにウェアラブルコンピューティングデバイス12と通信することができる。
【0076】
いくつかの例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、リモートコンピューティングシステム6への送信のために、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の動きの指示(例えば、方向、速度、場所、向き、位置、高さなどを示すデータ)を含む情報を出力することができる。動きの指示を含む情報を出力することに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、リモートコンピューティングシステム14から、実施されている、または実施された洗浄の効果に関する情報を受信することができる。情報は、洗浄を実施し、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人が、洗浄の対象となるすべての表面に対して洗浄動作を実施したこと、または、逆に、洗浄の対象となる少なくとも1つの表面に対して洗浄動作を実施しなかったことを示すことができる。追加的または代替的に、情報は、洗浄を実施し、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人が、閾値レベルの質まで洗浄を実施したこと、または逆に、閾値レベルの質まで洗浄を実施しなかったことを示すことができる。さらに別の例として、情報は、洗浄を実施し、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人が、記憶された洗浄プロトコルの一部として実施されると期待される特定のタイプの洗浄行動を実施していないこと、および/または個人が特定のタイプの洗浄行動を実施したが、それを閾値レベルの質まで実施しなかったこと、および/または誤った順序で実施したことを示すことができる。
【0077】
図1の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、時計またはアクティビティトラッカーなどの手首に取り付けられたデバイスとして示されている。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、上述したように、様々な異なるハードウェアデバイスを使用して実装することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12として使用される特定のタイプのデバイスとは無関係に、デバイスは、様々な特徴および機能を備えて構成されてもよい。
【0078】
図1の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ユーザインターフェース40を含むものとして示されている。ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の入力デバイスとして、および出力デバイスとして機能することができる。ユーザインターフェース40は、様々な技術を使用して実装されてもよい。例えば、ユーザインターフェース40は、マイクロフォンを使用する入力デバイスとして、およびスピーカを使用する出力デバイスとして機能して、オーディオベースのユーザインターフェースを提供することができる。ユーザインターフェース40は、プレゼンスセンシティブ入力ディスプレイ、例えば、抵抗膜式タッチスクリーン、弾性表面波タッチスクリーン、容量式タッチスクリーン、投射型容量式タッチスクリーン、感圧式スクリーン、音響パルス認識タッチスクリーン、または別のプレゼンスセンシティブディスプレイ技術などを使用して、入力デバイスとして機能することができる。ユーザインターフェース40は、任意の1つ以上のディスプレイデバイス、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ドットマトリックスディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、e-ink、またはウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザに可視情報を出力することができる同様のモノクロまたはカラーディスプレイなど、を使用して、出力(例えば、ディスプレイ)デバイスとして機能することができる。
【0079】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40は、物理的に押し下げ可能なボタンおよび/またはウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザからの触覚入力を受信できるプレゼンスセンシティブディスプレイを含んでもよい。ユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザからの1つ以上のジェスチャを検出することによって(例えば、ユーザが指またはスタイラスペンを使用してユーザインターフェース40の1つ以上の場所に触れたり指し示したりする)、触覚入力の指示を受信することができる。ユーザインターフェース40は、例えば、プレゼンスセンシティブディスプレイにおいて、ユーザに出力を提示することができる。ユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって提供される機能に関連付けられ得るグラフィカルユーザインターフェースとして出力を提示することができる。例えば、ユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12において実行されるか、またはそれによってアクセス可能であるアプリケーション(例えば、電子メッセージアプリケーション、インターネットブラウザアプリケーションなど)の様々なユーザインターフェースを提示することができる。ユーザは、アプリケーションのそれぞれのユーザインターフェースと対話して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12に機能に関連する動作を実施させることができる。追加的または代替的に、ユーザインターフェース40は、例えば、ハプティック発生器を通じて、触覚フィードバックを提示することができる。
【0080】
図1は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が、三次元空間におけるデバイスの動きに対応するデータを生成するための1つ以上のセンサデバイス42(本明細書では「センサ42」とも呼ばれる)を含むことを示す。マイク、カメラ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、温度計、ガルバニック皮膚反応センサ、圧力センサ、気圧計、周囲光センサ、心拍数モニタ、高度計などを含むセンサデバイス42の多くの例が存在する。いくつかの例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、1つ以上のセンサデバイス42の一部として、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の現在の場所に対応する場データおよびセンサデータを有するGPS信号(例えば、GPS衛星から)を受信するための全地球測位システム(GPS)無線を含んでもよい。センサ42は、1つ以上の次元でウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを示すデータを生成し、その動きデータを、モジュール44などのウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上のモジュールに出力することができる。いくつかの実装では、センサデバイス42は、三軸加速度計を使用して実装される。追加的または代替的に、センサデバイス42は、三軸ジャイロスコープを使用して実装されてもよい。
【0081】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ユーザインターフェースモジュール44、および任意選択で、追加のモジュール(例えば、洗浄効果決定モジュール26)を含んでもよい。各モジュールは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12に存在するおよび/またはそこで実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの混合物を使用して説明される動作を実施することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、1つ以上のプロセッサを使用して各モジュールを実行することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、基礎となるハードウェア上で実行される仮想マシンとして各モジュールを実行することができる。各モジュールは、オペレーティングシステムおよび/またはコンピューティングプラットフォームの1つ以上のサービスとして実行することができる。各モジュールは、クラウドおよび/またはクラスタベースのコンピューティングシステムによって提供される1つ以上のサービスなど、1つ以上のリモートコンピューティングサービスとして実行することができる。各モジュールは、コンピューティングプラットフォームのアプリケーション層で1つ以上の実行可能プログラムとして実行することができる。
【0082】
ユーザインターフェースモジュール44は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12に関連付けられているユーザインターフェース機能を提供するだけでなく、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の他のモジュール(例えば、モジュール46)および他の構成要素(例えば、ユーザインターフェース40、センサデバイス42)、ならびにリモートコンピューティングシステム14および/またはネットワーク16との間の仲介者として機能することによって、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の主制御モジュールとして機能することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12に代わって仲介者または制御モジュールとして機能することにより、ユーザインターフェースモジュール44は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12がユーザに安定した期待される機能を提供することを保証することができる。ユーザインターフェースモジュール44は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12がどのように動作するかを制御するために、機械学習または他のタイプの規則に基づく技術または確率的人工知能技術に依存してもよい。
【0083】
ユーザインターフェースモジュール44は、例えば、洗浄効果決定モジュール26によって行われた1つ以上の洗浄決定に応答して、ユーザインターフェース40に1つ以上の動作を実施させることができる。例えば、ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザインターフェース40に、ユーザインターフェースに関連するオーディオ(例えば、音)、グラフィックス、または他のタイプの出力(例えば、ハプティックフィードバックなど)を提示させることができる。出力は、行われた1つ以上の洗浄決定に応答することができ、いくつかの例では、非準拠であると決定された洗浄行為を修正するために、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者に洗浄情報を提供することができる。
【0084】
例えば、ユーザインターフェースモジュール44は、ネットワーク16を介して、洗浄効果決定モジュール26から情報を受信することができ、これにより、ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザインターフェース40を制御して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者に情報を出力する。例えば、洗浄効果判定モジュール26が、ユーザが特定の準拠した洗浄行為を実施した(例えば、洗浄の対象となっている各表面に対して洗浄動作を実施した、対象表面を洗浄の閾値質まで洗浄した、および/または、特定のタイプの洗浄行動を実施した、および/または、洗浄の閾値質までそのような行動を実施した)かどうかを決定すると、ユーザインターフェースモジュール44は、洗浄効果決定モジュール26が行った決定に対応する情報をネットワーク16を介して受信することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12が特定の準拠した洗浄動作を実施したかどうかの決定に応答して、ユーザインターフェースモジュール44は、動作を実施するようにウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御することができ、その例を以下でより詳細に説明する。
【0085】
システム10によって決定された洗浄効果情報は、様々な異なる方法で使用することができる。上記のように、洗浄の効果情報は、洗浄イベント用に記憶して、洗浄されている環境の洗浄検証情報を提供することができる。追加的または代替的に、洗浄効果情報は、例えば、システム10または別のコンピューティングシステム上で実行されるスケジュールモジュールに通信されてもよく、スケジュールモジュールは、洗浄動作が実施されている環境における特定のリソースの利用可能性をスケジュールする。ヘルスケア環境では、例えば、スケジュールモジュールは、部屋(例えば、病室、手術室)の利用可能性を決定し、部屋が以前の使用(例えば、洗浄した)から引き渡されて利用可能である時間に基づいて、部屋に対する患者の割り当て/手順をスケジューリングすることができる。別の例として、スケジュールモジュールは、機器が以前の使用(例えば、洗浄された)から引き渡されて利用可能である時間に基づいて、使用する機器の利用可能性を決定することができる。システム10によって決定された洗浄効果情報は、リソース(例えば、部屋、機器)が洗浄されることが予測される時間、および/または洗浄が完了する時間を決定するために、スケジュールモジュールに通信されてもよい。例えば、スケジュールモジュールは、システム10によって生成された実質的にリアルタイムの洗浄効果および進行情報に基づいて、リソースが特定の時間期間(例えば、X分)で利用可能であると予測されると決定されてもよい。次に、スケジュールモジュールは、この情報に基づいてリソースの後続の使用をスケジュールすることができる。
【0086】
別の例として、システム10によって決定された洗浄効果情報を使用して、システムを使用して洗浄者をトレーニングし、および/またはインセンティブを与えることができる。コンピューティングシステム10は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって監視される洗浄性能に基づいて、システムを使用して洗浄者に1つ以上のインセンティブを発行するインセンティブシステムを含むか、またはそれと通信することができる。インセンティブシステムは、個々のユーザが、ユーザが着用しているウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された運動データに基づいて決定された1つ以上の目標(例えば、効率目標、質目標)を達成したことに応答して、表彰(例えば、ユーザインターフェース40を介して、および/または電子メールおよび/またはテキストメッセージを介して発行された励ましのメッセージ)および/または報酬(例えば、金銭的報酬、賞品)を発行することができる。
【0087】
図2は本開示の1つ以上の態様に従って構成されたウェアラブルコンピューティングデバイスの例を示すブロック図である。例えば、図2のウェアラブルコンピューティングデバイスは、デバイスの着用者が特定の準拠した洗浄行為(例えば、洗浄の対象となる各表面に対して洗浄動作を実施した、対象表面を洗浄の閾値質まで洗浄した、および/または特定のタイプの洗浄行動を実施した、および/または洗浄の閾値質までそのような行動を実施した、および/または対象洗浄順序で実施した)を実施したかどうかを決定するように構成されてもよい。図2のウェアラブルコンピューティングデバイス12を、図1のシステム10のコンテキスト内で以下に説明する。図2は、システム10のウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つの特定の例のみを示しており、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の他の多くの例は、他の例で使用されてもよく、図2に示される例示的なウェアラブルコンピューティングデバイス12に含まれるものとは異なる構成要素のサブセット、追加の構成要素、または異なる構成要素を含んでもよい。
【0088】
図2の例に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、ユーザインターフェース40、センサデバイス42、1つ以上のプロセッサ50、1つ以上の入力デバイス52、1つ以上の通信ユニット54、1つ以上の出力デバイス56、および1つ以上のストレージデバイス58を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイス12のストレージデバイス48はまた、ユーザインターフェースモジュール44、洗浄効果決定モジュール60、アプリケーションモジュール62A~62Z(総称して「アプリケーションモジュール62」と呼ばれる)、ならびにデータストア64、66、および68も含む。
【0089】
洗浄効果決定モジュール60は、一般に、システム10のリモートコンピューティングシステム14の洗浄効果決定モジュール26に対応し得る。データストア64、66、および68は、それぞれ、図1のリモートコンピューティングシステム14のデータストア28、30、および32に対応し得る。したがって、リモートコンピューティングシステム14によってまたはその上で実施されるものとして説明される機能(ウェアラブルコンピューティングデバイス12上で実施される機能と組み合わせて)は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12上でのみ実施されてもよく、および/または処理タスクは、リモートコンピューティングシステム14からウェアラブルコンピューティングデバイス12にシフトされてもよい。
【0090】
通信チャネル70は、構成要素間通信のために(物理的、通信的、および/または動作的に)ウェアラブルコンピューティングデバイス12の構成要素の各々を相互接続することができる。いくつかの例では、通信チャネル70は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、またはデータを通信するための他の任意の方法を含んでもよい。
【0091】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上の入力デバイス52は、入力を受け取ることができる。入力の例は、触覚、オーディオ、およびビデオ入力である。一例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の入力デバイス52は、プレゼンスセンシティブディスプレイ、タッチセンシティブスクリーン、マウス、キーボード、音声応答システム、ビデオカメラ、マイク、または人間または機械からの入力を検出するための任意の他のタイプのデバイスを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上の出力デバイス56は、出力を生成することができる。出力の例は、触覚、オーディオ、およびビデオ出力である。一例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の出力デバイス56は、着用者に触覚フィードバックを提供するハプティック発生器を含む。
【0092】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上の通信ユニット54は、1つ以上のネットワーク上でネットワーク信号を送信および/または受信することによって、1つ以上のネットワークを介して外部デバイス(例えば、リモートコンピューティングシステム14)と通信することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、通信ユニット54を使用して、図1のリモートコンピューティングシステム14との間でデータを送受信することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、通信ユニット54を使用して、セルラー無線ネットワークなどの無線ネットワーク上で無線信号を送信および/または受信することができる。同様に、通信ユニット54は、全地球測位システム(GPS)ネットワークなどの衛星ネットワーク上で衛星信号を送信および/または受信することができる。通信ユニット54の例としては、ネットワークインターフェースカード(例えば、イーサネットカードなど)、光トランシーバ、無線周波数トランシーバ、GPS受信機、または情報を送信および/または受信することができる任意の他のタイプのデバイスが挙げられる。通信ユニット54の他の例は、短波無線、セルラーデータ無線、無線イーサネットネットワーク無線、ならびにユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラが挙げられる。
【0093】
いくつかの例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40は、入力デバイス52および/または出力デバイス56の機能を含んでもよい。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の内部構成要素として示されているが、ユーザインターフェース40はまた、入力および出力を送信および/または受信するためにウェアラブルコンピューティングデバイス12とデータパスを共有する外部構成要素も表す。例えば、一例では、ユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の外部パッケージ(例えば、携帯電話の画面)内に位置付けられ、それに物理的に接続されたウェアラブルコンピューティングデバイス12の組み込み構成要素を表す。別の例では、ユーザインターフェース40は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のパッケージから外側に位置付けられ、それから物理的に分離されたウェアラブルコンピューティングデバイス12の外部構成要素(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の他の構成要素と有線および/または無線データパスを共有するデバイス)を表す。
【0094】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12内の1つ以上のストレージデバイス64~68は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の動作中に処理するための情報を記憶することができる(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、図1のデータストア28に対応する対象表面比較データ64、洗浄の質比較データ66(図1のデータストア30に対応している)、および/または洗浄行動比較データ68(図1のデータストア32に対応している)を記憶してもよい。そのようなデータは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12での実行中に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の他のモジュールおよび機能によってアクセスされてもよい。いくつかの例では、ストレージデバイス58は一時的なメモリであり、これは、ストレージデバイス58の主な目的が長期的な記憶ではないことを意味する。ウェアラブルコンピューティングデバイス12上のストレージデバイス58は、揮発性メモリとして情報を短期的に記憶するように構成されてもよく、したがって、電源が切られた場合、記憶された内容を保持しない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、および当技術分野で知られている他の形態の揮発性メモリが挙げられる。
【0095】
いくつかの例では、ストレージデバイス58はまた、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。ストレージデバイス58は、揮発性メモリよりも大量の情報を記憶するように構成されてもよい。ストレージデバイス58はさらに、不揮発性メモリ空間としての情報の長期的な記憶のために、電源オン/オフサイクル後に情報を保持するように構成されてもよい。不揮発性メモリの例としては、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、フラッシュメモリ、または電気的にプログラム可能なメモリ(EPROM)または電気的に消去可能およびプログラム可能な(EEPROM)メモリの形式が挙げられる。ストレージデバイス58は、任意のモジュール、デバイス、および/またはシステムによって実施されるものとして本明細書に記載する特徴および機能を実施するためのプログラム指示および/またはデータを記憶することができる。
【0096】
1つ以上のプロセッサ50は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12内で機能を実装し、および/または指示を実行することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12上のプロセッサ50は、ユーザインターフェースモジュール44、洗浄効果決定モジュール60、およびアプリケーションモジュール62の機能を実行する、ストレージデバイス58によって記憶された指示を受信および実行することができる。プロセッサ50によって実行されるこれらの指示は、プログラム実行中に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12に、ストレージデバイス58内に情報を記憶させることができる。プロセッサ50は、モジュール(例えば、44、60、62)の指示を実行して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12に、洗浄の1つ以上の特性への準拠を決定させ、いくつかの例では、1つ以上の非準拠の行為を決定することに応答して、動作の実行を制御することができる。例えば、プロセッサ50は、ユーザインターフェース40に、可聴タイプのアラート、視覚タイプのアラート、および/またはハプティックフィードバックタイプのアラートのうちの少なくとも1つを出力させる指示を実行することができる。そのような1つ以上のアラートは、洗浄プロトコルへの非準拠を示す情報(例えば、洗浄の対象となるすべての表面を洗浄しなかったこと、特定の表面を閾値の洗浄の質まで洗浄しなかったこと)を提供し、非準拠を修正するための行為をユーザに指示し、非準拠の活動の詳細を特定し(例えば、見落とした対象表面を特定する)、および/または、実施された洗浄がコンプライアンス標準を満たさなかったことをユーザに通知することができる。
【0097】
アプリケーションモジュール62は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が実行することができる任意の追加のタイプのアプリケーションを含んでもよい。アプリケーションモジュール62は、スタンドアロンのアプリケーションまたはプロセスであってもよい。いくつかの例では、アプリケーションモジュール62は、他のアプリケーションによって実施される機能および動作を実行または制御するためのウェアラブルコンピューティングデバイス12のオペレーティングシステムまたはコンピューティングプラットフォームを表す。
【0098】
本開示の1つ以上の態様を利用して、様々な異なる表面および物体を洗浄することができる。このような表面の例については、図4に関連して以下に詳しく説明する。いくつかの例では、洗浄が実施される1つ以上の表面は、図1に関連して以下に関連して論じられるように、ヘルスケア環境に位置する。他の例では、洗浄が実施される1つ以上の表面は、食品調理環境に位置する。図3A図3Cは、本開示に従って洗浄効果を評価する、任意選択で例示的な道具を使用して洗浄される可能性のある例示的な表面および/または機器を示している。図3Aは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が従うように指定され得る床洗浄プロトコルの例を示している。図3Bは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が従うように指定され得るグリル洗浄プロトコルの例を示している。図3Cは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が従うように指定され得る例示的なフライヤー洗浄プロトコルを示す。
【0099】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12を使用して1つ以上の洗浄効果の決定を行うために、1つ以上の較正プロセスを実施して、後続の洗浄イベント中に参照するためにデータストアに記憶された比較データを生成することができる。例えば、後続の洗浄活動中にウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が、デバイスまたはその類似物(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成されたものと同等の動きデータを生成するデバイス)を使用して較正プロセスを経る監視プロセスを使用することができる。あるいは、ウェアラブルコンピューティングデバイスの使用中に参照される比較データを生成するために、グローバルな、ユーザ固有ではないトレーニングが実施されてもよく、これは、ユーザ固有の較正の必要性を取り除くのに役立ち得るが、精度が低い可能性がある。したがって、いくつかの実装では、データストア(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14内)に記憶された参照動きデータは、1つ以上のトレーニングエピソード中に取得された動きデータから生成され、このトレーニングエピソードでは、1つ以上のトレーナー(後に洗浄を実施する個人とは異なる)が、ウェアラブルコンピューティングデバイス12またはその等価物を着用しながら、洗浄動作(例えば、複数の対象表面またはその等価物の各々に対する)を実施する。他の実装では、データストアに記憶された参照動きデータは、後続の洗浄動作(例えば、複数の対象表面またはその同等物の各々に対する)を実施する実際の個人がウェアラブルコンピューティングデバイス12またはその等価物を着用している1つ以上のトレーニングエピソードの間に取得された動きデータから生成される。
【0100】
比較データがどのように生成されるかに関係なく、コンピューティングシステム10を使用して、洗浄される異なる表面および/またはエリア、および/またはそれらの表面および/またはエリアに対して実施される異なるレベルの洗浄(例えば、異なる洗浄プロトコル)に関連付けられている比較データを生成および/または記憶することができる。いくつかの例では、ユーザは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が、ウェアラブルコンピューティングデバイスが以前に監視するために使用されたのとは異なる1つ以上の表面、部屋、および/またはエリアの洗浄を監視するために再割り当てされることを示すユーザ入力をコンピューティングシステム10に提供することができる。あるいは、コンピューティングシステム10は、ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された運動データに基づいて、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が再割り当てされたことを自動的に決定することができる。いずれの場合も、コンピューティングシステム10は、測定のコンテキストおよび/またはウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成された運動データが後続の動作中に比較される比較データをリセットすることができる。追加的または代替的に、コンピューティングシステム10は、実施される洗浄のレベルおよび/または洗浄データが比較されるプロトコルを変更することができる(例えば、病室が日々の保守洗浄からより徹底的な排出洗浄に切り替えられる場合など)。
【0101】
図4は、例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングして、その後、洗浄を実施する個人が、確立されたプロトコルの一部として洗浄されることが意図されている複数の対象表面の各々を洗浄したかどうかを決定するための例示的なプロセスを示す流れ図である。図4に示されるプロセスは、図1および図2に示されるウェアラブルコンピューティングデバイス12などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。説明のために、図4図1のコンピューティングシステム10のコンテキスト内で以下に説明する。図4のプロセスは、後続の洗浄中にウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人によって実施されてもよいし、後続の洗浄を実施することになる個人以外の異なる個人(例えば、トレーナー)によって実施されてもよいことを理解すべきである。いくつかの例では、図4のプロセスは単一の個人によって実施され、他の実装では、複数の異なる個人がプロセスを実施して、より広いユーザ集団に対応する集合データセットを生成する。例えば、本明細書に記載された技術のいずれかによる参照動きデータの生成は、(1)単一セッションにおける単一の個人、(2)各々の単一セッションにおける複数の個人、(3)複数のセッションにわたる単一の個人、および/または(4)複数のセッションにわたるそれぞれ複数の個人によって実施されてもよい。
【0102】
図4の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を装着している個人が、複数の対象表面(100)の各々に対して洗浄動作を実施する。複数の対象表面は、少なくとも5つの表面、または少なくとも10の表面、または少なくとも15の表面などの、少なくとも2つの表面であってもよい。いくつかの実装では、各対象表面は対象物体である。したがって、対象表面に対して洗浄動作を実施することの記述は、対象物体に対してそのような洗浄動作を実施することによって実装することができる。各対象物体は、洗浄される物体の範囲を定義する三次元空間内の境界を有することがある。各対象物体の境界は、各対象物体に対して実施される洗浄動作が、他の各対象物体に対して実施される洗浄動作とは異なる動きをもたらすように、洗浄されることが意図されている他の対象物体とは異なる場合がある。
【0103】
各洗浄動作は、任意選択で、対象表面または物体の洗浄に先行する予備洗浄準備運動とともに、対象表面または物体の洗浄に対応する動き行動であってもよい。各洗浄動作は、道具(例えば、モップ、ブラシ、噴霧器、スポンジ、拭き取り布)の助けを借りて、またはそれを使わずに、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人によって実施されてもよい。各洗浄動作は、個人の手、腕、および/または身体の1つ以上の次元での動きを伴っていてもよい。例えば、洗浄動作は、洗浄に対応する手の水平、垂直、および/または回転の動きを伴っていてもよく、それにより、力は、例えば、洗浄道具を介して、個人の手から洗浄される対象表面に伝達される。例えば、実施され得る洗浄動作の1つのタイプは、個人が自分の身体を動かして対象表面を拭き取る洗浄動作である。実施され得る別のタイプの洗浄動作は、個人が床拭きまたはモップ掛け運動を実施する床洗浄動作であり、例えば、個人が直立し、床表面まで延びる道具を通じて力を伝達する。実施され得るタイプの洗浄動作の別の例は、機器の洗浄動作である。機器の洗浄動作は、環境内の通常の動作中にアクティブであるかまたは使用されている機器を個人が洗浄する動作であってもよい。
【0104】
洗浄の対象となる表面または物体は、洗浄イベント中に洗浄されるべき表面を指定する洗浄プロトコルに従って選択されてもよい。プロトコルに従って洗浄するために選択される特定の表面は、洗浄プロトコルが実行されるアプリケーションおよび環境によって異なることになる。洗浄の対象となり得る例示的な表面(例えば、ホテルまたはヘルスケア環境)としては、ライトスイッチ、テーブルトップ、ベッドレール、ドアノブ、薬剤分注ポール、テレビのリモコン、およびそれらの組み合わせを定義するものが挙げられるが、これらに限定されない。(例えば、食品調理環境において)洗浄の対象となり得る他の例示的な表面としては、グリル、フライヤー、冷蔵庫、電子レンジ、およびそれらの組み合わせなどの、環境で使用される機器を定義するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
一般に、洗浄の対象となる表面のタイプには、床表面および非床表面が含まれ、それらが存在する床よりも高い表面および物体であってもよい。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人は、床表面に対してモップ掛け、掃き取り、および/またはデッキブラシ掛け洗浄行動を実施することができる。追加的または代替的に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人は、流し台、蛇口ハンドル、トイレ、カウンタートップなど、およびそれらの組み合わせの洗浄などの、床以外の表面洗浄行動を実施してもよい。各対象表面は、平らな水平表面、平らな垂直表面、空洞、円柱、球、およびそれらの組み合わせを有する異議を定義することができる。
【0106】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用しながら各対象表面に対して洗浄動作を実施する個人は、プロトコルに従って洗浄動作を実施することができる。プロトコルは、各対象表面に対してどのように洗浄動作を実施するか、例えば、使用する洗浄道具のタイプ、洗浄する表面の範囲、および/または洗浄動作の1つ以上の段階で適用する力のタイプおよび方向を指定することができる。言い換えれば、洗浄プロトコルは、図4のトレーニング技術に従ってウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している間に従うことになり、また後続の洗浄イベントの間に従うように指示される、各対象表面を洗浄するために従うべき技術を指示することができる。
【0107】
図4の技術によれば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42は、複数の対象表面(102)の各々に対して実施される洗浄動作中のウェアラブルコンピューティングデバイス12の動きに関連する動きデータを生成することができる。そのような動きデータは、各対象表面に対して実施される洗浄動作中のウェアラブルコンピューティングデバイス12の三次元加速度を示し、および/または洗浄動作中のウェアラブルコンピューティングデバイスの三次元向きを示すことができる。生成され得る他のセンサデータには、GPSデータなど、上述されたデータが含まれる。
【0108】
1つ以上のトレーニングセッション中にウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータは、図4(104)の技術に従って、異なる対象表面の洗浄に関連付けることができる。例えば、コンピューティングシステム10内で実行される1つ以上のモジュール(例えば、モジュール26)は、センサデバイス42によって生成されたデータを受信し、動きデータの異なる部分を、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人が洗浄動作を実施した、複数の対象表面の各々の特定の1つに関連付けることができる。
【0109】
例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータは、リモートコンピューティングシステムにおいて実行される1つ以上のモジュールによる分析のために、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14に無線で送信されてもよい。センサデバイス42によって生成された動きデータの異なる部分は、いくつかの異なる方法で、対応する対象表面に関連付けられてもよい。一例として、トレーニングイベントに関連する個人は、対象表面に対して洗浄動作が実施されているとき(例えば、洗浄動作の開始および停止を示すことによって)、リモートコンピューティングシステム14に(例えば、ユーザインターフェース40を介して)通知することができる。言い換えれば、トレーニングイベントに関連付けられている個人は、各対象表面の洗浄を動きデータの対応する部分に割り当てることができ、リモートコンピューティングシステム14は、特定の対象表面に対して実施される洗浄動作中に生成された動きデータをその対象表面に関連付けることができるようになる。
【0110】
別の例として、対象表面および/または対象表面自体を洗浄するために使用される道具に関連付けられている通信ユニットは、その対象表面が洗浄されているときの指標を提供することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、特定の対象表面を洗浄することに関連付けられている道具および/または対象表面対象表面自体に関連付けられている通信ユニット(例えば、近距離通信無線、Wi-Fi無線、CB無線、Bluetooth(登録商標)無線など)から通信信号を受信し、それによって、その対象表面が洗浄されているときを示すことができる。リモートコンピューティングシステム14は、特定の対象表面が洗浄されている時間に対応するデータ(例えば、対象表面および/または対象表面エミッタに関連付けられている洗浄道具によって提供される信号に対応する)を受信し、その対象表面に対する洗浄動作に対応する動きデータをそのターゲット面と関連付けることができる。
【0111】
洗浄中に生成された動きデータの異なる部分を関連付けるために使用される特定の技術とは無関係に、図4の例示的な技術は、複数の異なる対象表面の各々について対象表面に対して実施されている洗浄動作を示す参照データを決定することを含む(106)。例えば、リモートコンピューティングシステム14で実行されるモジュール(例えば、特徴生成モジュール)は、各対象表面に関連する動きデータを処理して、その対象表面に対して実施される洗浄動作を示す動きデータから1つ以上の特徴を生成することができる。各対象表面に対して実施される洗浄動作に関連する動きデータは、時間領域特徴時間枠および/または設定された継続時間(例えば、1秒)を有する周波数領域時間枠を使用してフィルタリングすることができ、継続時間時間枠が短いほど、より多くの粒度が提供される。対照的に、より長い継続時間時間枠は、処理要件を減少させ、より多くのサイクルの洗浄運動(例えば、拭き取り、こすり洗い、モップ掛け)が周波数領域で表示される機会が得られる。動きデータを特性付けるための候補機能は、リモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに記憶され、動きデータの生成に適用されてもよい。各候補特徴は、特定の対象表面に関連付けられている洗浄動作を構成するキネティックな運動の異なる側面に対応し得る。
【0112】
候補特徴は、センサデバイス42によって生成された動きセンサデータの異なる側面および/またはデータの異なる領域に対して生成されてもよい。例えば、センサデバイス42が、1つ以上の軸にわたって慣性動きデータ(例えば、加速度データ、ジャイロスコープデータ)を生成するように構成されている場合、センサデータに対して一軸および/または多軸の特徴を生成することができる。単一軸の特徴は、単一の慣性測定ユニット(IMU)軸の変換である(例えば、x、y、またはz軸での加速度またはジャイロスコープの読み取り)。感度特徴は、所与の時点での複数のIMU軸の変換である多軸機能にすることもできる。
【0113】
追加的または代替的に、候補特徴は、センサデバイス42によって生成された動きセンサデータの異なる領域に対して生成されてもよい。例えば、時間領域特徴は、センサデータの各時間領域時間枠に変換を適用することによって生成されてもよい。別の例として、周波数領域フーリエ特徴は、各周波数領域時間枠内のセンサデータの離散フーリエ変換から生じるスペクトルに変換を適用することによって生成されてもよい。さらなる例として、ウェーブレット特徴は、各周波数領域時間枠内のセンサデータの離散ウェーブレット変換から生じるスペクトルに適用された変換によって生成されてもよい。
【0114】
生成され得る機能のクラスの一例は、一軸時間領域特徴である。各単軸IMUデータ(例えば、加速度センサデータ(例えば、x、y、および/またはz)および/またはジャイロスコープセンサデータ(例えば、x、y、および/またはz))の各々の時間領域時間枠に適用することができる基本関数としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。平均値、中央値、分散値、標準偏差、最大値、最小値、時間枠範囲、二乗平均平方根(RMS)、一変量信号振幅面積(SMA)、ゼロクロス、平均絶対ジャーク、絶対ジャークの標準偏差、一変量SMAジャーク、およびそれらの組み合わせ。
【0115】
生成され得る機能のクラスの別の例は、多軸時間領域特徴である。センサデータの複数軸にわたる各時間領域時間枠に適用することができる基本関数としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。xy相関、yz相関、xz相関、信号大きさ面積の合計、信号ベクトル大きさの平均、信号ベクトル大きさの標準偏差、最大xy差、最大yz差、最大xz差。
【0116】
生成され得る特徴のさらなる例のクラスは、一軸周波数領域フーリエ特徴である。各周波数領域時間枠での時間領域信号の領域フーリエ変換から生じるスペクトルに適用できる基本関数としては、DCオフセット、ピーク周波数(例えば、トップ3)、ピーク振幅(例えば、トップ3)、およびスペクトルエネルギーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0117】
生成され得る関数のさらなる例のクラスは、一軸ウェーブレット特徴である。各周波数領域時間枠での時間領域信号の離散ウェーブレット変換から生じるスペクトルに適用できる基本関数には、ウェーブレット持続性(例えば、低、低-中、中-高、および高のバンド)およびスペクトルエネルギー(例えば、低、低-中、高-中、および高のバンド)が含まれるがこれらに限定されない。
【0118】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成され、特定の対象表面の洗浄に関連付けられているデータの各継続時間セグメントについて、任意またはすべての候補特徴を生成することができる。そのように生成された特徴は、分析された運動の各継続時間または時間枠の特徴ベクトルを形成することができ、そのようなすべてのベクトルの時系列は、特徴選択が実施される特徴マトリックスを形成する。
【0119】
各対象表面に対して実施される洗浄動作に関連する動きデータを特徴付けるための複数の候補特徴を生成した後、1つ以上の特定の候補特徴を選択して、洗浄イベント中の動きデータの後続の分析および特徴付けに使用される参照動きデータを定義することができる。特定の特徴は、空間における特徴の分離可能性に基づいて、候補特徴のプールから(例えば、リモートコンピューティングシステム14上で実行されるモジュールによって)選択することができる。すなわち、所望の参照データ、例えば、異なる対象表面対象表面と比較した1つの対象表面の洗浄を適切にまたは最もよく区別する特徴を選択することができる。
【0120】
候補特徴は、任意のタイプの教師あり学習アルゴリズムを使用して生成および選択することができる。使用できる教師あり学習アルゴリズムの例としては、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、k最近傍法、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、および/またはアンサンブル分類器と呼ばれる教師あり学習アルゴリズムの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0121】
図4の技術では、特性付けのために洗浄動作が実施された各対象表面の参照データを(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12上のデータストア64および/またはリモートコンピューティングシステム14上のデータストア28に)記憶することができる(108)。参照動きデータは、生データの形式で記憶することができる。追加的または代替的に、参照動きデータは、一方の対象表面に対して実施されている洗浄動作に関連する動きを、各他の対象表面に対して実施されている洗浄動作に関連する動きから区別する、上述した特徴選択プロセスを通じて識別された特徴セットの形式で記憶されてもよい。したがって、参照動きデータの説明は、生の参照動きデータを後続の分析で使用する必要があることを意味するのではなく、生の参照動きデータから派生したデータまたはそれに基づくデータを使用できることを理解されたい。いずれの場合でも、複数の対象表面の各々で実施されている洗浄動作に関連付けられている参照データは、後続の洗浄イベントの評価および/または特性付けに関連して使用するために記憶されてもよい。
【0122】
図5は、例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングして、その後、洗浄を実施する個人が対象表面を洗浄の閾値質まで効果的に洗浄したかどうかを決定するための例示的なプロセスを示す流れ図である。図5に示されるプロセスは、図1および図2に示されるウェアラブルコンピューティングデバイス12などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。説明のために、図5もまた図1のコンピューティングシステム10のコンテキスト内で以下に説明する。図5のプロセスは、後続の洗浄中にウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人によって実施されてもよいし、図4に関連して上述したように、後続の洗浄を実施することになる個人以外の異なる個人(例えば、トレーナー)によって実施されてもよいことを理解すべきである。
【0123】
図5の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人は、1つ以上の対象表面に対して洗浄動作を実施し、その洗浄の質は、後続の洗浄イベント(120)中に特性付けられることが意図されている。対象表面は、図4に関連して上記を含む、本明細書で説明されるそれらの表面または物体のいずれかであってもよい。各対象表面は、洗浄される物体の範囲を定義する三次元空間内の境界を有する物体を定義することができる。
【0124】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用して洗浄を実施する個人は、プロトコルに従って、対象表面に対して洗浄動作を実施することができる。プロトコルは、表面の洗浄の閾値質を定義することができる。例えば、プロトコルは、プロトコルへの準拠が表面が洗浄の閾値質まで洗浄されていることを示し、プロトコルへの非準拠が表面が洗浄の閾値質まで洗浄されていないことを示すように確立することができる。
【0125】
プロトコルは、対象表面に対してどのように洗浄動作を実施するか、例えば、使用する洗浄道具のタイプ、洗浄する表面の範囲、および/または洗浄動作の1つ以上の段階で適用する力のタイプおよび方向を指定することができる。例えば、洗浄プロトコルは、対象表面を洗浄するために従うべき技術を指示することができ、後続の洗浄イベント中にウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している間に従うと、表面が洗浄の閾値質まできれいであることを示す。プロトコルは、様々な表面の洗浄特性、病原体の死滅時間、および洗浄の閾値質を達成するためのプロトコルの開発を導く他の経験的または実験的データの知識を有する洗浄専門家によって開発されてもよい。
【0126】
図5の技術によれば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42は、対象表面(122)に対して実施される洗浄動作中のウェアラブルコンピューティングデバイス12の動きに関連する動きデータを生成することができる。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム14内で実行されている1つ以上のモジュールは、さらなる処理のためにセンサデバイス42によって生成されたデータを受信することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータは、リモートコンピューティングシステムにおいて実行される1つ以上のモジュールによる分析のために、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14に無線で送信されてもよい。センサデバイス42によって生成された動きデータが、洗浄の閾値質を確立するためのプロトコルに従った対象物体の洗浄に関連付けられているもの以外の動きデータを含む場合、洗浄に対応するセンサデバイス42によって生成された動きデータの一部分は、例えば、図4に関連して上述したように、洗浄に関連付けられてもよい。
【0127】
図5の例示的な技術は、対象表面(124)に対して実施された洗浄の閾値質を示す参照データを決定することを含む。例えば、リモートコンピューティングシステム14上で実行されるモジュール(例えば、特徴生成モジュール)は、対象表面の洗浄に関連する動きデータを処理して、参照データの特性を生成することができる。例えば、生の動きデータを処理して、例えば、図4に関連して上述した特徴生成技術に従って、対象表面に対して実施される洗浄の質に関連する動きデータを特性付けるための複数の候補特徴を生成することができる。次に、1つ以上の特定の候補特徴を選択して、例えば、図4に関連して上述した特徴選択技術に従って、対象表面の清潔の質を特性付けるために、洗浄中に生成された動きデータの後続の分析および特徴付けに使用される参照動きデータを定義することができる。
【0128】
対象表面の洗浄の質に対応する対象表面に対して生成された参照データは、記憶されてもよい(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12上のデータストア66および/またはリモートコンピューティングシステム14上のデータストア30に)(126)。参照動きデータは、生データの形式で記憶することができる。追加的または代替的に、参照動きデータは、対象表面に対して実施される洗浄の質に関連する動きを識別する特徴選択プロセスを通じて識別される特徴セットの形式で記憶されてもよい。データの形式とは関係なく、表面に対して実施された清潔の質に関連付けられている参照データは、後続の洗浄イベントの評価および/または特性付けに関連して使用するために記憶することができる。
【0129】
図6は、例えば、総合衛生管理システムの一部として、複数の異なる洗浄行動を後で評価するために、例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスをトレーニングするための例示的なプロセスを示す流れ図である。複数の異なる洗浄行動は、3つ以上の洗浄行動など、少なくとも2つの異なるタイプの洗浄行動を含んでもよい。実施できる洗浄行動の例としては、床表面の洗浄行動、機器の洗浄行動、および手衛生の洗浄行動が挙げられる。実施され得る他のタイプの洗浄行動としては、高所の表面(例えば、トイレ、ドアノブ、カウンター、および上述したものなどの他の表面)に対して実施される洗浄行動など、非床表面および非機器の洗浄行動が挙げられる。図6に示されるプロセスは、図1および図2に示されるウェアラブルコンピューティングデバイス12などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。説明のために、図6もまた図1のコンピューティングシステム10のコンテキスト内で以下に説明する。図6のプロセスは、後続の洗浄中にウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人によって実施されてもよいし、図4に関連して上述したように、後続の洗浄を実施することになる個人以外の異なる個人(例えば、トレーナー)によって実施されてもよいことを理解すべきである。
【0130】
図6の例では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人は、複数の異なる洗浄行動を実行し、それらの各々は、後続の洗浄イベント(130)中に実施されてもよい。目標洗浄行動は、図4に関して上記を含む、本明細書で説明される任意の表面または物体に対して実施される非手衛生洗浄行動を含んでもよい。各対象表面は、洗浄される物体の範囲を定義する三次元空間内の境界を有する物体を定義することができる。対象洗浄行動はまた、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が着用者の手を洗浄する手衛生洗浄行動を含んでもよい。
【0131】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用して洗浄を実施する個人は、対応するプロトコルに従って各洗浄行動を実施することができる。手衛生以外の洗浄行動の場合、プロトコルは、例えば、図3A図3C図4、および図5に関連して上述したように、対象表面に対して洗浄動作をどのように実施するかを指定することができる。手衛生洗浄行動については、対応する手衛生洗浄プロトコルを使用することができる。図7は、他のプロトコルを使用することができるが、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が従うように指定することができる手衛生プロトコルの例を示している。
【0132】
図6の技術によれば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42は、実施される各洗浄行動中、および任意選択で、非洗浄行動が実施されているときの洗浄行動の間のウェアラブルコンピューティングデバイス12の動きに関連する動きデータを生成することができる(132)。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム14内で実行されている1つ以上のモジュールは、さらなる処理のためにセンサデバイス42によって生成されたデータを受信することができる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータは、リモートコンピューティングシステムにおいて実行される1つ以上のモジュールによる分析のために、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14に無線で送信されてもよい。センサデバイス42によって生成された動きデータが動きデータ複数の洗浄行動を含む場合、各洗浄行動に対応するセンサデバイス42によって生成された運動データの一部分は、例えば、図4に関連して上述したように、その洗浄行動に関連付けることができる。
【0133】
図6の例示的な技術は、各特定のタイプの洗浄行動を他の各タイプの洗浄行動から区別する、実施された各タイプの洗浄行動を示す参照データを決定することを含む(134)。例えば、リモートコンピューティングシステム14上で実行されるモジュール(例えば、特徴生成モジュール)は、各洗浄行動に関連する動きデータを処理して、参照データの特性を生成することができる。例えば、生の動きデータを処理して、例えば、図4に関して上述した特徴生成技術に従って、各洗浄行動に関連する動きデータを特性付けるための複数の候補特徴を生成することができる。次に、1つ以上の特定の候補特徴を選択して、例えば、図4に関連して上述した特徴選択技術に従って、複数の洗浄行動の実施中に生成された動きデータの後続の分析および特性付けに使用される参照動きデータを定義することができる。
【0134】
各タイプの洗浄行動について生成された参照データは、記憶されてもよい(例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12上のデータストア68および/またはリモートコンピューティングシステム14上のデータストア32に)(136)。参照動きデータは、生データの形式で記憶することができる。追加的または代替的に、参照動きデータは、ある特定のタイプの洗浄行動に関連する動きを他の特定のタイプの洗浄行動から区別する特徴選択プロセスを通じて識別される機能セットの形式で記憶されてもよい。データの形式とは関係なく、特定のタイプの各洗浄行動に関連する参照データを記憶して、後続の洗浄イベントの評価および/または特性付けに関連して使用することができる。
【0135】
図4図6に関連して上述した例示的な較正技術は、類似の特性の一般的な表面に対して実施され得るが、後続の使用で実際に洗浄されるそれらの表面とは異なる寸法を有する。例えば、1つ以上のトレーニングセッションが実施されてもよく、その間に、洗浄される対象表面の代表的な代替物が洗浄される。一例として、洗浄動作は、後続の使用中に洗浄される実際の流し台とは異なる一般的な流し台に対して実施されてもよい。一般的な流し台の洗浄によって生成されたデータは、流し台の洗浄に関連する参照動きデータとして記憶され、その後、実際の流し台の洗浄を特性付けるために使用されてもよい。後続の使用中に洗浄することが意図されている実際の表面の一般的な代替物を使用すると、グローバルな、または顧客固有ではない参照動きデータセットの開発を容易にすることができる。
【0136】
他の実装では、図4図6に関連して上述した例示的な較正技術は、後続の使用で洗浄される実際の表面(またはその実質的に正確な複製)で実施されてもよい。例えば、記載された較正技術のうちの1つ以上は、洗浄効果がその後評価されることが意図されている環境で、および実際の対象表面(またはその実質的に正確な複製)に対して実施されて、より正確な参照動きデータを生成することができる。
【0137】
後続の使用において、洗浄効果決定モジュール26は、1つ以上のデータストアに記憶された比較データを参照して、洗浄イベント中に生成された動きデータを分析することができる。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中の動きが洗浄行動または非洗浄行動に関連するかどうかを決定し、および/または洗浄イベント中の動きが洗浄行動が1つ以上の標準に準拠していることを示すかどうかを決定してもよい。
【0138】
実際には、特定の洗浄イベントは、通常のまたは計画された洗浄過程から逸脱することがある。例えば、洗浄イベントは、洗浄対象のエリアが通常期待されるよりも著しく多く汚れている場合、計画された洗浄過程から逸脱してもよい。これにより、1つ以上の表面に対して、その表面のための洗浄プロトコルで指定されている以上の追加洗浄が必要になる場合がある。汚れのひどいエリアはまた、洗浄プロトコルの一部として洗浄するように指定されていない1つ以上の表面の洗浄を必要としてもよい。別の例として、洗浄イベントが中断され、洗浄を実施する個人が洗浄プロトコルを完了しない場合がある。これは、例えば、洗浄を実施する個人が洗浄イベント中に代替のタスクを実施するように再割り当てされた場合、または外部条件により洗浄イベントを終了する必要がある場合(例えば、ヘルスケア環境で患者の部屋の保守洗浄を実施する洗浄者が緊急の患者の必要性を認識した場合など)に発生する可能性がある。
【0139】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40は、洗浄イベントが期待される洗浄プロトコルから逸脱したとき、例えば、洗浄プロトコルが完了しなかったために、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する個人が示すことができるように構成されてもよい。ユーザインターフェース40は、物理的に押し下げ可能なボタンを含んでもよく、および/または洗浄イベントが、計画された洗浄プロトコルがプロトコルによって指定された通りに実行されないような、期待される行動過程から逸脱していることを示すために、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザから1つ以上のジェスチャを受信してもよい(例えば、ユーザがユーザインターフェースの1つ以上の場所に触れるかまたは指し示す)。
【0140】
洗浄が計画された洗浄プロトコルから逸脱していることを示すユーザ入力に応答して、様々な異なる行動が実施されてもよい。一例として、洗浄イベントに関連する動きデータは、期待される洗浄プロトコルから逸脱するものとして指定されてもよい。そのように指定された動きデータは、期待されるプロトコルから逸脱するものとしてユーザインターフェース40を介して指定されていない1つまたは動き洗浄イベント中に他の動きデータからフィルタリングされるか、または他の方法で別々に扱われてもよい。これにより、異常な洗浄イベントを標準の洗浄イベントから分離することにより、より正確な洗浄検証情報を生成、表示、および/または記憶できるようになる。追加的または代替的に、期待されるプロトコルから逸脱していると指定された洗浄イベントの数および頻度を追跡し、例えば、閾値および/または異なる洗浄者間で比較することができる。これにより、どの洗浄者が他の洗浄者よりも期待されるプロトコルから逸脱していると指定されたより多くの洗浄イベントを経験しているかについての洞察が得られ、洗浄者の補足トレーニング、特定の洗浄プロトコルの変更、および/または例外的に指定された洗浄イベントの数を減少させるための環境の変化が示される可能性がある。
【0141】
図8は、本開示の1つ以上の態様による、効果のない洗浄によって引き起こされる病気および感染を減少さるための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す流れ図である。図8に示される技術は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。
【0142】
図8の例示的な技術では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、洗浄イベント中にデバイスに関連する動きを検出することができる(150)。動きは、イベント中に洗浄されることが意図されている複数の対象表面で、洗浄イベント中に洗浄を実施する個人によって生成されてもよい。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、センサデバイス42を介して動きを検出し、動きに対応する動きデータを生成することができる。
【0143】
洗浄イベント中の洗浄の対象となる複数の表面は、図4に関連して上述したものを含む、本明細書に記載した任意の表面および物体であってもよい。洗浄イベント中に洗浄を実施する個人は、例えば、各対象表面に対して実施される洗浄動作に対応する参照動きデータを生成するために使用されるのと同じプロトコルであり得る洗浄プロトコルに従って、複数の対象表面の各々を洗浄するように指示されてもよい。
【0144】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12の少なくとも1つのセンサは、洗浄動作中の動きに対応する動きデータを生成することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上のプロセッサは、生成された動きデータを受信し、動きデータまたはそこから導出されたデータのリモートコンピューティングシステム14への送信を制御することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される1つ以上のプロセッサ50は、データを受信し、洗浄効果決定モジュール26に、実施された洗浄の効果を評価させる指示を実行することができる。
【0145】
リモートコンピューティングシステム14上で実行される洗浄効果決定モジュール26は、洗浄を実施する個人が、洗浄の対象となる複数の表面の各々に対して洗浄動作を実施したかどうかを決定することができる(152)。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中にウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータを、データストア28内の複数の対象表面の各々の洗浄に関連する参照動きデータと比較して、そのような決定を行うことができる。例えば、洗浄効果決定モデル26は、洗浄イベントの継続時間全体にわたって生成された動きデータを、複数の対象表面の各々に関連する参照動きデータと比較して、例えば、洗浄イベント中の任意の時間期間に生成された動きデータが複数の対象表面の各々に対応しているかどうかを決定してもよい。洗浄イベント中に生成された動きデータが、少なくとも1つの対象表面に関連付けられている参照データに関連すると決定されない場合、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中に対象表面に対して洗浄動作が実施されなかったことを決定してもよい。
【0146】
いくつかの実装では、洗浄効果決定モジュール26は、受信された動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定して、洗浄イベント中に生成された動きデータを参照動きデータと比較する。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中にセンサデバイス42によって生成された受信された動きデータのための複数の信号特徴を決定することができる。受信した動きデータについて生成された1つ以上の信号特徴は、較正プロセス中に選択された特徴に対応して、ある対象表面に対して実施される洗浄動作を異なる対象表面に対して実施される洗浄動作と区別することができる。例えば、1つ以上の信号特徴は、図4に関連して上述したものに対応し得る。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中に生成された動きデータについて決定された1つ以上の信号特徴を、例えば、図4に関連して上述したように、複数の対象表面の洗浄の各々に対応して、較正中に生成され、データストア28に記憶された参照信号特徴データと比較してもよい。
【0147】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12が複数のセンサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープを含む)で実装される場合、複数のセンサの各々は、洗浄イベント中に対応する動きデータを生成することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される洗浄効果決定モジュール26は、複数のセンサの各々によって生成され、それらから受信される動きデータに基づいて、1つ以上の信号特徴を決定することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の加速度に対応する第1の動きデータと、ウェアラブルコンピューティングデバイス(ジャイロスコープの場合)の角速度に対応する第2の動きデータとを受信することができる。洗浄効果決定モジュール26は、第1の動きデータに基づいて少なくとも1つの信号特徴を決定し、第2の動きデータに基づいて少なくとも1つの追加の信号特徴を決定して、洗浄イベント中に実施される動きを特性付けることができる。
【0148】
洗浄の対象となる表面の特性に応じて、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を装着している個人は、複数の異なるタイプの洗浄動作を実施することができる。例えば、対象表面の1つのタイプは、洗浄動作として水平方向の拭き取り動きを有する水平表面(例えば、カウンタートップ)であってもよい。別のタイプの対象表面は、洗浄動作として垂直方向の拭き取り動きを有する垂直表面(例えば、投薬支援ポータル)であってもよい。さらに別のタイプの対象表面は、回転式拭き取り動きを伴うさらに異なるタイプの洗浄動作によって特性付けられる、洗浄される弧状の形状を有するドアノブであってもよい。したがって、洗浄される表面のタイプおよび/または各タイプの表面を洗浄するために指定されたプロトコルに応じて、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人は、洗浄イベント中に1つ以上の洗浄動作を実施することができる。
【0149】
いくつかの例では、洗浄を実施する個人は、複数の対象表面のうちの第1の表面に対して少なくとも第1の洗浄動作を実施し、複数の対象表面のうちの第2の表面に対して第1の洗浄動作とは異なる第2の洗浄動作を実施する。いくつかの追加の例では、洗浄を実施する個人は、洗浄の対象となる複数の異なる表面の各々に対して異なる洗浄動作を実施する。
【0150】
図8の技術は、洗浄を実施する個人が複数の対象表面のうちの少なくとも1つに対して洗浄動作を実施していないと決定された場合に動作を実施するウェアラブルコンピューティングデバイス12を含む(154)。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェースモジュール44は、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14から情報を受信することができ、洗浄イベント中に洗浄の対象となる表面のうちの少なくとも1つの表面が実際に洗浄動作を実施されていないことを示している。ユーザインターフェースモジュール44は、そのような指示を受信したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御して、1つ以上の動作を実施してもよい。
【0151】
例えば、ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザインターフェース40が可聴、触覚、および視覚アラートのうちの少なくとも1つを発行することを制御することによって動作を実施してもよい。アラートは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のアラート状態を着用者に通知する一般的なアラートであってもよく、またはアラートの内容について着用者により具体的な情報を提供してもよい。例えば、ユーザアラートは、可聴および/または視覚(例えば、テキスト)配信を介して、洗浄を実施する個人が、対象表面のうちの少なくとも1つに対して洗浄動作を実施していないことを示してもよい。いくつかの例では、ユーザアラートは、例えば、対象表面の名前または他の識別情報を記述することによって、ユーザが洗浄動作を実施していない特定の表面を識別する情報を出力する。他の実装では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、スケジュールシステム、トレーニングシステム、または洗浄および/または衛生性能を示すデータを利用する他のシステムなどの外部システムと通信することによって動作を実施することができる。
【0152】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって実施される動作は、例えば、洗浄動作が対象表面に対して実施されていないと決定した後、任意の所望の時間に実施されてもよい。例えば、対象表面に対して洗浄動作が実施されなかったことを示すためのウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御する動作は、例えば、トレーニング演習および/または洗浄の質管理評価の一部として、洗浄イベントが完了した後に実施されてもよい。他の例では、動作は、洗浄イベントの実施に実質的にリアルタイムでウェアラブルコンピューティングデバイス12を介してアラートを発行するために実施されてもよい。例えば、アラートは、個人がまだ洗浄を実施している間に、まだ洗浄イベントを実行している間、および/または個人が修正洗浄動作(例えば、洗浄の対象となった1つ以上の見落とした表面に対して洗浄動作を実施した)を実施するために、洗浄イベントの終了に十分近い時間的近接性で発行されてもよい。
【0153】
洗浄準拠を容易にし、および/または実質的にリアルタイムの洗浄効果フィードバックを提供するのを助けるために、洗浄を実施する個人は、目標順序で各対象表面に対して洗浄動作を実施するように指示されてもよい。言い換えれば、洗浄を実施する個人は、表面が洗浄されることになる指示された連続した順序を有し得る。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄動作が実施された各表面が洗浄された順序を決定することができる。洗浄効果決定モジュール26は、表面洗浄順序を、各表面が洗浄されると期待される目標順序と比較し、(例えば、リモートコンピューティングシステム14および/またはウェアラブルコンピューティングデバイス12のデータストアに記憶されている)洗浄の目標順序における実際の洗浄順序の間に何らかの逸脱があるかどうかを決定することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、例えば、洗浄動作が各表面に対して実施されるときに、洗浄イベントと実質的にリアルタイムで順序分析を実施することができ、対象表面が見落とされたことを実質的にリアルタイムで決定することができる。そのような対象表面は、洗浄を実施する個人が表面の洗浄動作を行うのを忘れた、または洗浄を実施する個人が目標順序で表面を洗浄することを怠り、まだ表面を洗浄するために戻っていないという点で見落とされる可能性がある。
【0154】
洗浄を実施する個人が、目標順序で複数の対象表面の各々に対して洗浄動作を実施していないと決定したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によってユーザアラートを発行することができる。ユーザアラートは、前述のユーザアラートのいずれかであり、実施された洗浄動作の誤った順序を識別する情報を含んでもよく含まなくてもよい。追加的または代替的に、情報は、実施された洗浄動作の順序(例えば、洗浄された表面の順序)を識別するウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに、任意選択で洗浄に対応するタイムスタンプおよび/または洗浄の目標順序を識別する情報とともに記憶されてもよい。
【0155】
図8の例示的な技術では、洗浄検証情報は、動作を実施することに加えて、またはその代わりに、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに記憶されてもよい(156)。例えば、洗浄効果決定モジュール26が、洗浄を実施する個人が複数の対象表面の各々を洗浄したと決定した場合、複数の対象表面に関連付けられている洗浄検証情報、洗浄イベントの時間(例えば、タイムスタンプ)、および/または測定のコンテキスト(例えば、部屋識別、GPS測位)に対応する他のメタデータは、データストアに記憶されてもよい。洗浄イベントに関連するセンサデバイス42によって生成された動きデータは、洗浄検証情報の一部として記憶されてもされなくてもよい。いずれの場合も、洗浄検証情報は、洗浄を実施する個人が実際に必要なプロトコル標準に従って洗浄を実施したという定量化可能な証拠を提供することができる。準拠した洗浄行為に関連付けられている洗浄検証情報を記憶することができる一方で、非準拠の動作(例えば、すべての対象表面で実施されなかった洗浄)に関連する情報も、例えば、トレーニング、分析、および改善のために記憶できることを理解されたい。
【0156】
いくつかの実装では、洗浄効果決定モジュール26はまた、洗浄されたとみなされる(例えば、洗浄動作が実施された)対象表面のうちの1つ以上に対してウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者によって実施される洗浄の質を評価することもできる。一例では、洗浄効果決定モジュール26は、対象表面に対して実施される洗浄動作の継続時間を、洗浄の質に対応するデータストアに記憶された閾値継続時間と比較することができる。閾値継続時間は、各対象表面を洗浄する必要がある最小時間を指定することができ、これは、物体のサイズと形状、および汚染される傾向によって異なる場合がある。洗浄効果決定モジュール26が、対象表面に対して実施された洗浄動作の継続時間が閾値持続時間以上であることを決定した場合、モジュールは、対象表面に対して実施された清潔の質が洗浄の閾値質を満たしていると決定してもよい。
【0157】
追加的または代替的に、洗浄効果決定モジュール26は、特定の対象表面の洗浄に関連する動きデータを分析して、データストア30内のその対象表面の洗浄の質に関連する動きデータを参照することができる。洗浄効果決定モジュール26がデータストア30を参照して洗浄の質を決定することができる例示的なプロセスに関する追加の詳細は、以下の図9に関連して説明される。
【0158】
図9は、本開示の1つ以上の追加の態様による、効果のない洗浄によって引き起こされる病気および感染を減少さるための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す流れ図である。図9に示される技術は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。
【0159】
図9の例示的な技術では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、洗浄イベント中にデバイスに関連する動きを検出することができる(160)。動きは、洗浄イベント中に洗浄を実施する個人によって生成されてもよく、対象表面は、イベント中に洗浄の閾値質まで洗浄されることが意図されている。ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、センサデバイス42を介して動きを検出し、動きに対応する動きデータを生成することができる。
【0160】
洗浄イベント中の洗浄の閾値質までの洗浄の対象となる表面は、図4に関連して説明したものを含む、本明細書で説明した任意の表面および物体であってもよい。洗浄イベント中に洗浄を実施する個人は、洗浄プロトコルに従って表面を洗浄するように指示されもよく、例えば、洗浄の閾値質に対応する参照動きデータを生成するために使用され、データストア30に記憶されたものと同じプロトコルであってもよい。
【0161】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12の少なくとも1つのセンサは、洗浄動作中の動きに対応する動きデータを生成することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上のプロセッサは、生成された動きデータを受信し、動きデータまたはそこから導出されたデータのリモートコンピューティングシステム14への送信を制御することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される1つ以上のプロセッサ50は、データを受信し、洗浄効果決定モジュール26に評価させる指示、および実施された洗浄の効果を実行することができる。
【0162】
リモートコンピューティングシステム14上で実行される洗浄効果決定モジュール26は、洗浄を実施する個人が、洗浄の閾値質で対象表面を洗浄したかどうかを決定することができる(162)。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中にウェアラブルコンピューティングデバイス12のセンサデバイス42によって生成された動きデータを、データストア30に記憶された表面の洗浄の閾値質に関連する参照動きデータと比較して、そのような決定を行うことができる。
【0163】
いくつかの実装では、洗浄効果決定モジュール26は、受信された動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定して、洗浄イベント中に生成された動きデータを参照動きデータと比較する。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中にセンサデバイス42によって生成された受信された動きデータのための複数の信号特徴を決定することができる。受信した動きデータに対して生成された1つ以上の信号特徴は、表面の洗浄の質を確立するために較正プロセス中に選択されたそれらの特徴に対応し得る。例えば、1つ以上の信号特徴は、図4および図5に関連して上述したものに対応し得る。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中に生成された動きデータについて決定された1つ以上の信号特徴を、例えば、図5に関して上述したように、表面に対する洗浄の質に対応する較正中に生成され、およびデータストア30に記憶された参照信号特徴データと比較してもよい。
【0164】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12が複数のセンサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープを含む)で実装される場合、複数のセンサの各々は、洗浄イベント中に対応する動きデータを生成することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される洗浄効果決定モジュール26は、複数のセンサの各々によって生成され、それらから受信される動きデータに基づいて、1つ以上の信号特徴を決定することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の加速度に対応する第1の動きデータと、ウェアラブルコンピューティングデバイス(ジャイロスコープの場合)の角速度に対応する第2の動きデータとを受信することができる。洗浄効果決定モジュール26は、第1の動きデータに基づいて少なくとも1つの信号特徴を決定し、第2の動きデータに基づいて少なくとも1つの追加の信号特徴を決定して、洗浄イベント中に実施される動きを特性付けることができる。
【0165】
いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、対象表面に対して実施されている洗浄動作に関連する動き以外の動きを含む、洗浄イベントの継続時間全体にわたって生成された動きデータを受信する。例えば、動きデータは、洗浄行動および非洗浄行動の期間を含んでもよい。別の例として、動きデータは、洗浄の質が評価されている対象表面以外の表面が洗浄される期間を含んでもよい。
【0166】
洗浄効果決定モジュール26は、動きデータの異なる部分を異なる洗浄行動に関連付けることによって、センサデバイス42から受信した動きデータを分離することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、洗浄イベント中に受信した動きデータの一部分を、対象表面が洗浄されている時間と関連付けることができる。洗浄効果決定モジュール26は、動きデータの一部分を、図4に関連して上述したそれらの関連付け技術を含む、任意の好適な技術を使用して洗浄されている特定の表面に関連付けることができる。追加的または代替的に、洗浄効果決定モジュール26は、例えば、動きデータの特徴分析に基づいて、動きデータを洗浄活動および非洗浄活動に対応する期間にアルゴリズム的に分割することができる。
【0167】
したがって、いくつかの例では、洗浄効果決定モジュール26は、例えば、洗浄イベントの全体の継続時間とは対照的に、対象表面が洗浄されている時間に対応する動きデータのその部分のみの洗浄の質を示す1つ以上の信号特徴を決定することができる。次に、洗浄効果決定モジュール26は、関連する動きデータに基づいて生成された1つ以上の信号特徴を、データストア30に記憶された参照動きデータと比較することができる。
【0168】
いくつかの例では、データストア30に記憶された参照動きデータは、洗浄の徹底に対応する(例えば、使用された洗浄技術および/または洗浄を実施する際に適用された作業量を示す)。追加的または代替的に、データストア30に記憶された参照動きデータは、洗浄される対象表面のエリアまたは範囲に対応してもよい。例えば、参照動きデータは、三次元空間内の対象表面の境界を定義してもよい。これらの例では、洗浄効果決定モジュール26は、センサデバイス42によって生成されたデータに基づいて、対象表面に対して実施された洗浄のエリアを決定することができる。洗浄のエリアは、洗浄動作が実施された二次元または三次元の空間に対応してもよい。したがって、洗浄効果決定モジュール26は、対象表面に対して実施された洗浄のエリアを、データストア30に記憶された対象表面上の参照エリアデータと比較することによって、洗浄の質を決定することができる。洗浄効果決定モジュール26は、例えば、洗浄動作が洗浄の閾値質を満たしているかどうかを決定するために、対象表面に対して実施された洗浄エリアが洗浄される閾値目標エリアよりも大きいかどうかを決定することができる。
【0169】
図9の技術は、洗浄を実施する個人が表面(156)に対して閾値質の洗浄を実施していないと決定された場合に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が動作を実施することを含む。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェースモジュール44は、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14から情報を受信して、洗浄イベント中に洗浄の対象となる表面が洗浄の閾値質まで洗浄されていないことを示す情報を受信してもよい。ユーザインターフェースモジュール44は、そのような指示を受信したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御して、1つ以上の動作を実施してもよい。
【0170】
例えば、ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザインターフェース40が可聴、触覚、および視覚アラートのうちの少なくとも1つを発行することを制御することによって動作を実施してもよい。アラートは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のアラート状態を着用者に通知する一般的なアラートであってもよく、またはアラートの内容について着用者により具体的な情報を提供してもよい。例えば、ユーザアラートは、可聴および/または視覚(例えば、テキスト)配信を介して、洗浄を実施する個人が、洗浄の閾値質まで表面に対する洗浄動作を実施していないことを示すことができる。
【0171】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって実施される動作は、任意の所望の時間に実施されてもよい。例えば、表面に対して閾値質の洗浄が実施されなかったことを示すためのウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御する動作は、例えば、トレーニング演習および/または洗浄の質管理評価の一部として、洗浄イベントが完了した後に実施されてもよい。他の例では、動作は、洗浄イベントの実施に実質的にリアルタイムでウェアラブルコンピューティングデバイス12を介してアラートを発行するために実施されてもよい。例えば、アラートは、個人がまだ洗浄を実施している間に、および/または個人が修正洗浄動作を実施する(例えば、表面をさらに洗浄する)ために洗浄イベントの終了に十分に近い時間的近接性で発行されてもよい。
【0172】
いくつかの実装では、洗浄検証情報は、動作を実施することに加えて、またはその代わりに、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに記憶されてもよい(166)。例えば、洗浄効果決定モジュール26が、洗浄を実施する個人が対象表面を洗浄の閾値質まで洗浄したと決定した場合、表面に関連付けられている洗浄検証情報、洗浄イベントの時間(例えば、タイムスタンプ)、および/または測定のコンテキスト(例えば、表面の識別、GPS測位)に対応する他のメタデータは、データストアに記憶されてもよい。洗浄イベントに関連するセンサデバイス42によって生成された動きデータは、洗浄検証情報の一部として記憶されてもされなくてもよい。いずれの場合も、洗浄検証情報は、洗浄を実施する個人が実際に必要な質標準に従って洗浄を実施したという定量化可能な証拠を提供することができる。準拠した洗浄行為に関連付けられている洗浄検証情報を記憶することができる一方で、非準拠の動作(例えば、洗浄の閾値質を満たしていない洗浄)に関連する情報も、例えば、トレーニング、分析、および改善のために記憶できることを理解されたい。
【0173】
図10は、本開示の1つ以上の態様による、総合衛生管理のための洗浄効果を追跡するように構成された例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す流れ図である。図10に示される技術は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14などのコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。
【0174】
図10の例示的な技術では、ウェアラブルコンピューティングデバイス12は、洗浄行動および非洗浄行動を含み得る活動の過程の間に動きデータを生成することができる(178)。動きデータは、例えば、洗浄イベント中に、活動を実行する個人によって生成されてもよい。洗浄活動は、1つ以上の特定のタイプの清潔な行動に対応し得るが、非洗浄行動は、洗浄行動の前、間、および/または後の動きに対応し得る。
【0175】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12の少なくとも1つのセンサは、例えば、洗浄および非洗浄行動中の、ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者による動きに対応する動きデータを生成することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス12の1つ以上のプロセッサは、生成された動きデータを受信し、動きデータまたはそこから導出されたデータのリモートコンピューティングシステム14への送信を制御することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される1つ以上のプロセッサ50は、データを受信し、洗浄効果決定モジュール26に、実施された洗浄の効果を評価させる指示を実行することができる。
【0176】
リモートコンピューティングシステム12上で実行される洗浄効果決定モデル26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者が洗浄行動を実施していることを示す動きデータの少なくとも1つの特徴を決定することができる(180)。受信した動きデータに対して生成された1つ以上の信号特徴は、較正プロセス中に選択されたそれらの特徴に対応して、洗浄を非洗浄行動から区別することができる。例えば、1つ以上の信号特徴は、図4および図6に関連して上述したものに対応し得る。洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12から受信して生成された動きデータについて決定された1つ以上の信号特徴を、較正中に生成され、データストア32に記憶された参照信号特徴データと比較することができる。
【0177】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12が複数のセンサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープを含む)で実装される場合、複数のセンサの各々は、洗浄イベント中に対応する動きデータを生成することができる。リモートコンピューティングシステム14上で実行される洗浄効果決定モジュール26は、複数のセンサの各々によって生成され、それらから受信される動きデータに基づいて、1つ以上の信号特徴を決定することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の加速度に対応する第1の動きデータと、ウェアラブルコンピューティングデバイス(ジャイロスコープの場合)の角速度に対応する第2の動きデータとを受信することができる。洗浄効果決定モジュール26は、第1の動きデータに基づいて少なくとも1つの信号特徴を決定し、第2の動きデータに基づいて少なくとも1つの追加の信号特徴を決定して、洗浄イベント中に実施される動きを特性付けることができる。
【0178】
実施され得る洗浄行動の例示的なタイプには、環境18内の1つ以上の表面が洗浄される環境洗浄行動が含まれる。これらのタイプの洗浄行動の例には、床表面の洗浄行動(例えば、掃くこと、モップ掛け)および非床表面の洗浄行動(例えば、環境18内の機器の洗浄)が含まれる。実施され得る別のタイプの洗浄行動は、個人が手洗いプロトコルを実施する手衛生洗浄イベントなどの個人洗浄行動である(例えば、アルコール含有消毒剤、石鹸および水を使用する)。対照的に、非洗浄行動は、個人または環境洗浄活動に関連しない動きデータを生成する任意の活動であってもよい。
【0179】
図10の例示的な技術は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成された動きデータから実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することをさらに含む(182)。例えば、リモートコンピューティングシステム12上で実行される洗浄効果決定モデル26は、実施され、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成された動きデータの複数のタイプの清潔な行動の各々に対応する動きデータの少なくとも1つの特徴を決定することができる。受信した動きデータに対して生成された1つ以上の信号特徴は、較正プロセス中に選択されたそれらの特徴に対応して、特定のタイプの洗浄活動を互いに特定のタイプの洗浄活動から区別することができる。例えば、1つ以上の信号特徴は、図4および図6に関連して上述したものに対応し得る。洗浄効果決定モジュール26は、各洗浄活動に関連する動きデータについて決定された1つ以上の信号特徴を、較正中に生成され、データストア32に記憶された参照信号特徴データと比較することができる。
【0180】
図10の例では、洗浄効果決定モジュール26は、データストア30内のその特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質に関連する動きデータを参照して、1つ以上の特定のタイプの洗浄行動に関連する動きデータを分析することができる(184)。洗浄効果決定モジュール26が、データストア30を参照して特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することができる例示的なプロセスに関する追加の詳細は、上記の図9に関して説明される。
【0181】
いくつかの実装では、複数の洗浄行動を実施する個人は、目標順序で各洗浄行動を実施するように指示されてもよい。言い換えれば、洗浄を実施する個人は、異なる洗浄行動が実施されるように指示された連続した順序を有し得る。例えば、指示された順序は、個人がすべての非手衛生洗浄行動を実施し、次に手衛生洗浄行動を実施することを指定してもよい(例えば、その後非洗浄活動を実施する前に)。
【0182】
洗浄効果決定モジュール26は、各特定のタイプの洗浄行動が実施された順序を決定することができる。洗浄効果決定モジュール26は、洗浄行動順序を、各行動が実施されると期待される目標順序と比較し、(例えば、リモートコンピューティングシステム14および/またはウェアラブルコンピューティングデバイス12のデータストアに記憶されてもよい)実際の洗浄順序と洗浄の目標順序の間に何らかの逸脱があるかどうかを決定することができる。例えば、洗浄効果決定モジュール26は、実施されている洗浄行動を用いて実質的にリアルタイムで順序分析を実施することができる。
【0183】
ウェアラブルコンピューティングデバイス12を着用している個人が目標順序で各洗浄行動を実施していないと決定したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によってユーザアラートを発行することができる。ユーザアラートは、前述のユーザアラートのいずれかであり、実施された洗浄行動の誤った順序を識別する情報を含んでもよく含まなくてもよい。追加的または代替的に、情報は、実施された洗浄行動の順序を識別するウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに、任意選択で洗浄に対応するタイムスタンプおよび/または洗浄の目標順序を識別する情報とともに記憶されてもよい。
【0184】
図10の技術は、特定のタイプの洗浄行動を実施する個人がその行動に対する行動の閾値質の洗浄を実施していないと決定された場合に、ウェアラブルコンピューティングデバイス12が動作を実施することを含む(186)。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェースモジュール44は、ネットワーク16を介してリモートコンピューティングシステム14から、特定の洗浄行動(例えば、手衛生行動または非手衛生行動)が洗浄の閾値質まで実施されていないことを示す情報を受信することができる。ユーザインターフェースモジュール44は、そのような指示を受信したことに応答して、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御して、1つ以上の動作を実施してもよい。
【0185】
例えば、ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザインターフェース40が可聴、触覚、および視覚アラートのうちの少なくとも1つを発行することを制御することによって動作を実施してもよい。アラートは、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のアラート状態を着用者に通知する一般的なアラートであってもよく、またはアラートの内容について着用者により具体的な情報を提供してもよい。例えば、ユーザアラートは、可聴および/または視覚(例えば、テキスト)配信を介して、洗浄を実施する個人が、洗浄の閾値質まで洗浄行動を実施していないことを示すことができる。他の例では、動作は、洗浄行動の実施に実質的にリアルタイムでウェアラブルコンピューティングデバイス12を介してアラートを発行するために実施されてもよい。例えば、アラートは、個人がまだ洗浄行動を実施している間に、および/または個人が修正洗浄行動を実施する(例えば、さらに洗浄する)ために洗浄行動の終了に十分に近い時間的近接性で発行されてもよい。
【0186】
いくつかの実装では、洗浄検証情報は、動作を実行することに加えて、またはその代わりに、ウェアラブルコンピューティングデバイス12および/またはリモートコンピューティングシステム14に関連付けられているデータストアに記憶されてもよい(188)。洗浄行動に関連するセンサデバイス42によって生成された動きデータは、洗浄検証情報の一部として記憶されてもされなくてもよい。いずれの場合も、洗浄検証情報は、洗浄を実施する個人が実際に特定の洗浄行動を実施した、および/または必要な質標準に従って洗浄行動を実施したという定量化可能な証拠を提供することができる。準拠した洗浄行為に関連付けられている洗浄検証情報を記憶することができる一方で、非準拠の動作(例えば、洗浄の閾値質を満たしていない洗浄)に関連する情報も、例えば、トレーニング、分析、および改善のために記憶できることを理解されたい。
【0187】
図1に関連して上で上述したように、ユーザインターフェースモジュール44は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40に、オーディオ(例えば、音)、グラフィックス、またはユーザインターフェースに関連付けられている他のタイプの出力(例えば、ハプティックフィードバックなど)を提示させることができる。出力は、行われた1つ以上の洗浄決定に応答することができ、いくつかの例では、非準拠であると決定された洗浄動作を修正するために、ウェアラブルコンピューティングデバイス12の着用者に洗浄情報を提供することができる。例えば、洗浄効果判定モジュール26が、ユーザが特定の準拠した洗浄行為を実施した(例えば、洗浄の対象となっている各表面に対して洗浄動作を実施した、対象表面を洗浄の閾値質まで洗浄した、および/または、特定のタイプの洗浄行動を実施した、および/または、洗浄の閾値質までそのような行動を実施した)かどうかを決定すると、ユーザインターフェースモジュール44は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12を制御して、準拠または非準拠行動に関するアラートを出力することができる。
【0188】
特定の洗浄行為への準拠または非準拠に基づいてユーザインターフェース40を制御することに加えて、またはその代わりに、ウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザインターフェース40は、洗浄プロトコルを通じてユーザを案内するのに役立つ情報を提供することができる。例えば、ユーザインターフェース40は、実施される洗浄プロトコルをウェアラブルコンピューティングデバイス12のユーザに通知する、可聴、触覚、および/または視覚情報を提供することができる。情報は、洗浄される表面の順序および/または洗浄技術が洗浄される1つ以上の表面に対して実施される順序を提供するなどの段階的な指示を提供することができる。
【0189】
いくつかの実装では、洗浄プロトコルの特定のステップの完了(例えば、特定の表面の洗浄、表面に対する特定の洗浄技術の使用)は、ウェアラブルコンピューティングデバイス12によって生成された動きデータに基づいて自動的に検出される。ユーザインターフェース40は、プロトコルの前のステップの完了を自動的に検出することに応答して実施される洗浄プロトコルの次のステップをユーザに通知する情報を発行することができる。追加的または代替的に、ユーザは、ユーザインターフェース40と対話して、洗浄プロトコルの特定のステップが完了したことを手動で示し、および/または洗浄プロトコルの異なるステップのガイダンス出力にナビゲートすることができる。ユーザインターフェース40は、ユーザの手動入力に応答して実施される洗浄プロトコルのステップをユーザに通知する情報、例えば、プロトコルの前のステップが完了したことの指示に応答して実施される洗浄プロトコルの次のステップをユーザに通知する情報を発行することができる。
【0190】
図17A図17Dは、洗浄プロトコルの実行をガイドするのを助けるためにユーザに表示され得る連続した一連の例示的なユーザインターフェースグラフィックスを示す。図17Aは、ドレッサーまたはベッドサイドテーブルの画像を備えた例示的なウェアラブルコンピューティングデバイス12を示しており、ドレッサーまたはベッドサイドテーブルを洗浄するようにユーザを案内している。図17Bは、トレイテーブルの画像を備えた例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスを示しており、ドレッサーまたはベッドサイドテーブルの洗浄が完了した後にトレイテーブルを洗浄するようにユーザを案内している。図17Cは、椅子の画像を備えた例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスを示しており、トレイテーブルの洗浄が完了した後に椅子を洗浄するようにユーザを案内している。図17Dは、ライトスイッチの画像を備えた例示的なウェアラブルコンピューティングデバイスを示しており、椅子の洗浄が完了した後にライトスイッチを洗浄するようにユーザを案内している。
【0191】
上述した例では、機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つ以上の指示またはコードとして、コンピュータ可読媒体に記憶または送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体などの有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体、または、例えば、通信プロトコルに従って、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含んでもよい。このように、コンピュータ可読媒体は、一般に、(1)非一時的である有形のコンピュータ可読記憶媒体、または(2)信号もしくは搬送波などの通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示に記載した技術の実装のための指示、コード、および/またはデータ構造を取り出すために1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のプロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0192】
限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、フラッシュメモリ、または指示もしくはデータ構造の形で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体で構成され得る。また、接続はいずれもコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレステクノロジを使用して、ウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから指示が送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術が媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、または他の一時的な媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形の記憶媒体を対象としていることを理解されたい。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびBlu-ray(登録商標)ディスクが含まれ、ディスクは通常データを磁気的に再生し、ディスクはレーザーを使用して光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含める必要がある。
【0193】
指示は、1つ以上のプロセッサ、例えば、1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の同等の集積または離散論理回路などによって実行され得る。したがって、本明細書で使用される場合、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、前述の構造のいずれか、または本明細書に記載した技術の実装に好適な任意の他の構造を指す場合がある。さらに、いくつかの態様では、本明細書に記載した機能は、専用のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内で提供され得る。また、これらの技術は、1つ以上の回路または論理要素に完全に実装され得る。
【0194】
本開示の技術は、多種多様なデバイスまたは装置に実装され得る。開示された技術を実施するように構成されたデバイスの機能的側面を強調するために、本開示では様々な構成要素、モジュール、またはユニットが記載されているが、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要としない。むしろ、上述したように、様々なユニットは、ハードウェアユニットに組み合わされるか、または好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアと組み合わせて、上述した1つ以上のプロセッサを含む相互運用ハードウェアユニットの集合によって提供され得る。
【0195】
以下の例は、本開示による、衛生追跡および準拠システムおよび技術に関する追加の詳細を提供し得る。
【実施例
【0196】
ウェアラブルデバイスを使用して洗浄活動を追跡および/または監視する機能を評価するために、実験を実施した。携帯電話で実行される様々なデータロガーアプリと、様々な解剖学的位置(手首、腕、ポケット)に取り付けられたスタンドアロンデバイス(例えば、スマートウォッチ)を使用して、実験を数回繰り返した。各デバイス構成によって提供された結果は一貫していた。
【0197】
この特定の例では、三軸加速度計と三軸ジャイロスコープを有する手首装着型慣性測定ユニット(IMU)を使用して測定データを取得した。1人の被験者が次のように洗浄シーケンスを実施した。(1)テーブルトップをゆっくりと前後に4回拭いた後、続いて(2)テーブルトップを素早く7回擦った後、(3)テーブルトップをゆっくりと円形に1回拭く。被験者は、洗浄運動の各々の間に数秒間一時停止した。
【0198】
手首装着型IMUは、50Hzでサンプリングされた生データを生成し、次の6つの量を含んでいた。(1)x、y、z軸の線形加速度(三軸加速度計からサンプリング)および(2)x、y、z軸の回転数(三軸ジャイロスコープからのサンプリング)。実験セッションを126秒続け、時系列でこれら6つの値の126x50=6300行を生成した。図11および図12は、実験中に生成された線形加速度および回転速度データの描画である。
【0199】
セッションはビデオ録画され、活動ラベルの2つのシーケンスが作成された。(1)二値対象:洗浄するかまたは洗浄しない、および(2)マルチクラスの対象:拭くか、擦るか、洗浄しない。教師あり学習には、ラベル付けされたデータの初期トレーニングセットからモデルをトレーニングすることが含まれ、所与の対象シーケンスが、パイプラインがトレーニングする予測モデルのタイプ(二値またはマルチクラス)を決定する。簡単にするために、マルチクラス対象を作成するために、この実験には技術のバリエーション(拭くことと擦ること)のみが含まれている。一般に、使用される道具、洗浄の対象、洗浄の技術、またはそれらの任意の組み合わせを含む、他の多くのマルチクラスラベルが可能である。
【0200】
ウェアラブルIMUデータを、さらなる処理のためにフィルタリングした。データは、ウェアラブルのゆるみ、衣服との接触、および/または周囲の物体との突然の衝突など、信号品質に影響を与える可能性のある様々なノイズ源の影響を受けた。そのため、フィルタリング操作を介してデータを平滑化することが望ましいと考えた。使用されたアルゴリズムは、生データの望ましくないスパイクとトラフを効果的に除去するN点移動中央値フィルタである。
【0201】
フィルタリング後、次の2つのスライディング時間枠がデータ上に渡され、特徴マトリックスが生成された。1秒の時間領域特徴時間枠と5秒の周波数領域時間枠。周波数領域時間枠は時間領域時間枠と完全に重複しており、その結果、両方の時間枠が毎秒スライドするため、5秒の周波数領域時間枠でカバーされるのは1秒の新しいデータのみである。周波数領域時間枠は、ウェーブレット特徴を生成するための時間枠としても機能する。図13は、生のサンプルデータから生成された例示的な単一の時間領域特徴表現を示している。
【0202】
データ分析プロセスの次のステップで、洗浄活動を構成する原始的なキネティックな運動の様々な側面を公開するために、データの候補特徴が生成された。各特徴は、元の生データのコンパクトな秒単位の表現を示している。候補生成ステップは、図4に関連して上述したように、異なる特徴ファミリ内の基本関数に変換を適用する(すなわち、変換する)ことによって組み合わせて特徴を作成した。実験データの場合、フィルタリングされたデータの1秒ごとに合計189個の候補特徴が生成され、その1秒の運動の特徴ベクトルが生成された。そのようなすべてのベクトルの時系列は、特徴選択が実施された特徴マトリックスを形成した。
【0203】
特徴選択中に、特徴空間内の活動対象を最もよく区別する次元を選択するために、特徴選択ルーチンを指定した。実装したように、上位の特徴の数は特徴の選択時に構成可能なパラメータであったが、189個すべてがスコアとランキングを受信した。実験データでは、二値対象分類用に選択された上位5つの機能は次のとおりである。
【表1】
【0204】
特徴を優れた候補にするのは、特徴空間でクラスを適切に分離することである。特徴空間のペアとトリプルは、異なる色でラベル付けされた活動クラスを使用して散布図を介して表現することができる。図14は、実験データの二値分類のための候補特徴から決定された上位2つの特徴を示している。データは、これら2つの特徴が、対象クラス(洗浄する、洗浄しない)間で優れた線形分離可能性を提供することを示している。より多くのクラス(洗浄しない、擦る、および拭く)に正確に分類するには、より多くの特徴が必要であった。
【0205】
特徴選択に続いて、教師あり学習分類器のトレーニングセットを作成するために、特徴マトリックスを秒単位の対象ラベルに追加した。正確な分類アルゴリズムは、パイプラインに渡されるパラメータであった。様々な分類アルゴリズムをテストしたが、実験データに対して(二値設定とマルチクラス設定の両方で)効果的に実施される傾向のあるアンサンブル分類器のクラスは、ランダムフォレスト分類器であった。次の表は、実験データに適用された10分割交差検証によって評価された10個の特徴のランダムフォレストの分類レポートである。
【表2】
【表3】
【0206】
前の例では、技術のみ(拭くことと擦ること)によってモデルのセグメント化された洗浄運動をトレーニングするために使用されるマルチクラスラベリング。より一般的には、洗浄分類器の出力は、トレーニングサンプルのラベル付けに道具、対象、および技術の組み合わせを利用することができる。これらの各々は、より自然な方法で予測された洗浄行動を抽出することができる。(1)道具:洗浄行動で対象によって取り扱われる洗浄装置(例えば、雑巾、トイレブラシ、モップ、ほうき、ダスター)、(2)対象:対象が洗浄している物体を構成する表面の集合、(3)技術:被験者が洗浄行動を実行する方法。図15は、動きデータを利用した模擬レストランコンテキストフロアケア研究の一部として実施された、次の3つのタイプの道具の識別を示す描画である。ほうき(掃く)、モップ、およびデッキブラシ。図16は、動きデータを利用した模擬病院コンテキスト研究の一環として実施された5つの対象表面の例示的な識別を示す描画である。以下の項目[1]~[57]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
洗浄効果を制御する方法であって、
対象表面に対して洗浄を実施する個人によって着用されるウェアラブルコンピューティングデバイスによって、洗浄イベント中に前記ウェアラブルデバイスに関連する動きを検出することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する前記動きに基づいて、前記ウェアラブルデバイスによって生成された動きデータを前記対象表面の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、前記対象表面の洗浄の質を決定することと、
前記対象表面が前記洗浄の閾値質まで効果的に洗浄されていないことを決定したことに応答して、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって動作を実施することと、を含む、方法。
[2]
前記対象表面が前記洗浄の閾値質まで効果的に洗浄されたことを決定したことに応答して、前記対象表面および前記洗浄イベントの時間に関連付けられている洗浄検証情報を記憶することをさらに含む、項目1に記載の方法。
[3]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも1つのセンサから、動きデータを受信することを含み、
前記対象表面の前記洗浄の質を決定することが、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記少なくとも1つの信号特徴を、前記対象表面の洗浄に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、を含む、項目1に記載の方法。
[4]
動きデータを受信することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第1のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの加速度に対応する第1の動きデータを受信することと、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第2のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの角速度に対応する第2の動きデータを受信することと、を含み、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することが、前記第1の動きデータの少なくとも1つの信号特徴および前記第2の動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することを含む、項目3に記載の方法。
[5]
前記対象表面の前記洗浄の閾値質が、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、項目3に記載の方法。
[6]
前記参照信号特徴データは、トレーナが前記ウェアラブルコンピューティングデバイスまたはその同等物を着用しながら前記対象表面またはその同等物を洗浄する一つ又は複数のトレーニングエピソード中に取得された動きデータから生成される、項目3に記載の方法。
[7]
前記参照信号特徴データは、洗浄を実施する前記個人が前記ウェアラブルコンピューティングデバイスまたはその同等物を着用しながら前記対象表面またはその同等物を洗浄する一つ又は複数のトレーニングエピソード中に取得された動きデータから生成される、項目3に記載の方法。
[8]
前記動作を実施することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、可聴、触覚、および視覚アラートのうちの1つを発行することを含む、項目1に記載の方法。
[9]
前記動作を実施することは、前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すユーザアラートを発行することを含む、項目1に記載の方法。
[10]
前記対象表面が、ヘルスケア環境内に位置し、ライトスイッチ、テーブルトップ、ベッドレール、ドアノブ、および薬剤分注ポールからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[11]
前記洗浄イベント中の前記ウェアラブルデバイスに関連する前記動きが、拭き取り洗浄動作を含む、項目10に記載の方法。
[12]
前記対象表面が、食品調理環境内に位置し、床表面、グリル表面、フライヤー表面、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[13]
前記対象表面の前記洗浄の質を前記決定することが、少なくとも、
前記洗浄イベント中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面が洗浄されているときに対応する前記動きデータの部分の前記洗浄の質を示す少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの部分の前記洗浄の質を示す前記少なくとも1つの信号特徴を、前記洗浄の質に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、を含む、項目1に記載の方法。
[14]
前記対象表面の前記洗浄の質を決定することが、少なくとも、
前記洗浄イベント中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面に対して実施された洗浄のエリアを決定することと、
前記対象表面に対して実施されることが決定された洗浄の前記エリアを、前記対象表面に関連付けられている参照エリアデータと比較することと、を含む、項目1に記載の方法。
[15]
前記動作を実施することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記対象表面の前記洗浄の質が前記洗浄の閾値質よりも低いことを示すアラートを発行することを含み、前記アラートは、前記対象表面が洗浄を実施する前記個人によって洗浄されているのと実質的にリアルタイムで発行される、項目1に記載の方法。
[16]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、リストバンドデバイスおよびアームバンドデバイスからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[17]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、洗浄を実施する前記個人によって着用される衣類のポケット内に配置可能である、項目1に記載の方法。
[18]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、グラフィカルユーザインターフェースおよびハプティック発生器のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の方法。
[19]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを、一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに無線で送信することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスにおいて、洗浄を実施する前記個人が前記対象表面を効果的に洗浄したかどうかを決定することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスから前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに、対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すデータを無線で送信することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示す前記データを受信したことに応答して、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって前記動作を実施することと、をさらに含む、項目1に記載の方法。
[20]
ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、
指示を含むメモリと、を備える、ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
前記指示は、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記少なくとも1つのセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している個人が洗浄イベント中に対象表面に対して洗浄動作を実施している間に、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きデータを受信することと、
動きデータを前記対象表面の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、前記動きデータに基づいて、前記対象表面の洗浄の質を決定することと、
前記対象表面が前記洗浄の閾値質にまで効果的に洗浄されていないと決定したことに応答して動作を実施することと、を行わせる、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
[21]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記対象表面および前記洗浄イベントの時間に関連付けられている洗浄検証情報を記憶させる、項目20に記載のデバイス。
[22]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記少なくとも1つの信号特徴を、前記対象表面の洗浄に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、によって前記洗浄の質を決定させる、項目20に記載のデバイス。
[23]
前記少なくとも1つのセンサが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの加速度に対応する第1の動きデータを生成するように構成された第1のセンサと、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの角速度に対応する第2の動きデータを生成するように構成された第2のセンサと、を備え、
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記第1の動きの第1の信号特徴および前記第2の動きデータの第2の信号特徴を少なくとも決定することによって、前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することを行わせる、項目22に記載のデバイス。
[24]
前記対象表面の前記洗浄の閾値質が、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、項目22に記載のデバイス。
[25]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して可聴、触覚、および視覚アラートのうちの1つを少なくとも発行することによって前記動作を実施させる、項目20に記載のデバイス。
[26]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記対象表面が効果的に洗浄されていないことを示すユーザアラートを少なくとも発行することによって前記動作を実施させる、項目20に記載のデバイス。
[27]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面が洗浄されている時間に対応する前記動きデータの前記部分の前記洗浄の質を示す少なくとも1つの信号特徴を決定することと、
前記動きデータの前記部分の前記洗浄の質を示す前記少なくとも1つの信号特徴を、前記洗浄の質に関連付けられている参照信号特徴データと比較することと、
によって、前記対象表面の前記洗浄の質を決定させる、項目20に記載のデバイス。
[28]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも、
前記洗浄動作中に受信した前記動きデータの部分を、前記対象表面が洗浄されている時間に関連付けることと、
前記対象表面に対して実施された洗浄のエリアを決定することと、
前記対象表面に対して実施されると決定された前記洗浄のエリアを、前記対象表面に関連付けられている参照エリアデータと比較することと、
によって前記対象表面の前記洗浄の質を決定させる、項目20に記載のデバイス。
[29]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記洗浄の質が洗浄の閾値質よりも低いことを示すアラートを少なくとも発行することによって前記動作を実施させ、前記アラートが、前記個人が前記対象表面に対して前記洗浄動作を実施しているのと実質的にリアルタイムで発行される、項目20に記載のデバイス。
[30]
総合衛生管理の方法であって、
ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの着用者が洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定し、それにより、非洗浄行動中の前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを区別することと、
異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている動きデータを参照した前記動きの特徴の比較に基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することと、
前記特定のタイプの洗浄行動中に前記ウェアラブルデバイスによって生成された動きデータを、前記特定のタイプの洗浄行動に対する洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施された前記特定のタイプの洗浄行動が、前記洗浄の閾値質を満たさないことを決定したことに応答して、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって動作を実施することと、を含む、方法。
[31]
前記特定のタイプの洗浄行動が、床表面洗浄行動、機器洗浄行動、および手衛生洗浄行動からなる群から選択される、項目30に記載の方法。
[32]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、複数の異なるタイプの洗浄行動の実施中に、前記ウェアラブルデバイスに関連する動きを検出することをさらに含む、項目30に記載の方法。
[33]
前記複数の異なるタイプの洗浄行動のうちの一つが、手衛生洗浄行動であり、少なくとも一つの他の前記複数の異なるタイプの洗浄行動が、床表面洗浄行動、機器の洗浄行動、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目32に記載の方法。
[34]
前記洗浄行動が、食品調理環境内で実施され、
前記少なくとも一つの他の前記複数の異なるタイプの洗浄行動が、グリル表面洗浄行動、フライヤー表面洗浄行動、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される機器洗浄行動を含む、項目33に記載の方法。
[35]
実施された前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の質を決定することが、実施された前記複数の異なるタイプの洗浄行動の各々の前記洗浄の質を決定することを含む、項目33に記載の方法。
[36]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する前記動きに基づいて、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施された洗浄順序を決定することと、
前記洗浄順序を、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施されることが期待される目標順序と比較することと、
前記複数の異なるタイプの洗浄行動が前記目標順序で実施されなかったことを決定したことに応答して、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、ユーザアラートを発行することと、
複数の異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている洗浄順序情報を記憶することと、のうちの少なくとも1つを行うことと、を行う、項目33に記載の方法。
[37]
前記目標順序が、前記他の複数の異なるタイプの洗浄行動に続く前記手衛生洗浄行動を有する、項目36に記載の方法。
[38]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施された前記特定のタイプの洗浄行動が前記洗浄の閾値質を満たすことを決定したことに応答して、前記特定のタイプの洗浄行動に関連付けられている洗浄検証情報を記憶することをさらに含む、項目30に記載の方法。
[39]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きに基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者が前記洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定することは、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第1のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの加速度に対応する第1の動きデータを受信すること、および前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの少なくとも第2のセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの角速度に対応する第2の動作データを受信することを含み、
前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することは、前記第1の動きデータの少なくとも1つの信号特徴および前記第2の動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することを含む、項目30に記載の方法。
[40]
前記洗浄の閾値質が、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、項目30に記載の方法。
[41]
異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている前記参照動きデータおよび前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の閾値質に関連付けられている前記参照動きデータが、各々、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者が、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスまたはその同等物を着用している間に前記特定のタイプの洗浄行動を実施する一つ又は複数のトレーニングエピソード中に取得された動作データから生成される、項目30に記載の方法。
[42]
前記動作を実施することが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記洗浄の質が前記洗浄の閾値質よりも低いことを示すアラートを発行することを含み、前記アラートが、前記特定のタイプの洗浄行動が実施されているのと実質的にリアルタイムで発行される、項目30に記載の方法。
[43]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、リストバンドデバイスおよびアームバンドデバイスからなる群から選択される、項目30に記載の方法。
[44]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、洗浄を実施している前記個人によって着用される衣類のポケット内に配置可能である、項目30に記載の方法。
[45]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、グラフィカルユーザインターフェースおよびハプティック発生器のうちの少なくとも1つを備える、項目30に記載の方法。
[46]
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって生成された動きデータを、一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに無線で送信することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスにおいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者が前記洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスにおいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施される前記特定のタイプの洗浄行動を決定することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスにおいて、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の質を決定することと、
前記一つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスから前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の質が前記洗浄の閾値質を満たさないことを示すデータを無線で送信することと、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスが、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の質が前記洗浄の閾値質を満たさないことを示す前記データを受信したことに応答して、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって前記動作を実施することと、をさらに含む、項目30に記載の方法。
[47]
ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きを検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのプロセッサと、
指示を含むメモリと、を備える、ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
前記指示は、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記少なくとも1つのセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスに関連する動きデータを受信することと、
前記動きデータに基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している前記個人が洗浄行動を実施していることを示す動きの少なくとも1つの特徴を決定し、それにより、非洗浄行動中の前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの動きを区別することと、
異なるタイプの洗浄行動に関連する動きデータを参照した前記動きの特徴の比較に基づいて、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施される特定のタイプの洗浄行動を決定することと、
前記特定のタイプの洗浄行動中に生成された前記動きデータを、前記特定のタイプの洗浄行動の洗浄の閾値質に関連付けられている参照動きデータと少なくとも比較することによって、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の洗浄の質を決定することと、
実施された前記特定のタイプの洗浄行動が前記洗浄の閾値質を満たさないことを決定したことに応答して動作を実施することと、を行わせる、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
[48]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記少なくとも1つのセンサから、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを着用している前記個人が複数の異なるタイプの洗浄行動を実施している間の動きデータを受信させる、項目47に記載のデバイス。
[49]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの前記着用者によって実施された一つの特定のタイプの洗浄行動として、手衛生洗浄行動を決定することと、
床表面洗浄行動、機器洗浄行動、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの他の特定のタイプの洗浄行動を決定することと、を行わせる、項目48に記載のデバイス。
[50]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、実施された前記複数の異なるタイプの洗浄行動の各々の前記洗浄の質を少なくとも決定することによって、実施された前記特定のタイプの洗浄行動の前記洗浄の質を決定させる、項目48に記載のデバイス。
[51]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記動きデータに基づいて、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施された洗浄順序を決定することと、
前記洗浄順序を、前記複数の異なるタイプの洗浄行動が実施されることが期待される目標順序と比較することと、
前記複数の異なるタイプの洗浄行動が前記目標順序で実施されなかったことを決定したことに応答して、
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスによって、ユーザアラートを発行することと、
前記複数の異なるタイプの洗浄行動に関連付けられている洗浄順序情報を前記メモリに記憶することと、のうちの少なくとも1つを行わせることと、を行わせる、項目48に記載のデバイス。
[52]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記特定のタイプの洗浄行動に関連付けられている洗浄検証情報を記憶させる、項目47に記載のデバイス。
[53]
前記少なくとも1つのセンサが、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの加速度に対応する第1の動きデータを生成するように構成された第1のセンサと、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスの角速度に対応する第2の動きデータを生成するように構成された第2のセンサと、を備え、
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記第1の動きの第1の信号特徴および前記第2の動きデータの第2の信号特徴を少なくとも決定することによって、前記動きデータの少なくとも1つの信号特徴を決定することを行わせる、項目47に記載のデバイス。
[54]
前記対象表面の前記洗浄の閾値質が、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、項目47に記載のデバイス。
[55]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、可聴、触覚、および視覚アラートのうちの少なくとも1つを発行することによって前記動作を実施させる、項目47に記載のデバイス。
[56]
前記対象表面の前記洗浄の閾値質が、前記少なくとも1つの信号特徴の大きさおよび周波数のうちの少なくとも1つに対応する、項目47に記載のデバイス。
[57]
前記指示が、実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスを介して、前記洗浄の質が洗浄の閾値質よりも低いことを示すアラートを発行することによって前記動作を実施させ、前記アラートが、前記個人が実施されている前記特定のタイプの洗浄行動を実施しているのと実質的にリアルタイムで発行される、項目47に記載のデバイス。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A-17D】