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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】香味制御を提供するエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240826BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240826BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/40
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021555214
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 IB2020051891
(87)【国際公開番号】W WO2020183301
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】16/353,556
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109222235(CN,A)
【文献】特表2017-507647(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121143(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208338878(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香味送達物品であって、
第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成され、段階的に変化する多孔率が、中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔の平均サイズが外壁の内面から外面まで実質的に連続した壁の厚さにわたって増加するように構成される中空細長ユニットと、
中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、
を備える香味送達物品。
【請求項2】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料は、ポリマー材料である、請求項1に記載の香味送達物品。
【請求項3】
ポリマー材料は、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、硝酸セルロース、再生セルロース、酢酸セルロースおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の香味送達物品。
【請求項4】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料が、セラミック材料である、請求項1に記載の香味送達物品。
【請求項5】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔が、内面および外面の一方では約10nm~約3μmの第1の平均サイズを有する、請求項1に記載の香味送達物品。
【請求項6】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔が、内面および外面の他方では約0.5μm~約30μmの第2の平均サイズを有する、請求項1に記載の香味送達物品。
【請求項7】
中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方が開いている、請求項1~3のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【請求項8】
中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方と係合する端部ユニットをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【請求項9】
端部ユニットが、それを通る複数の気流通路を備える格子構造である、請求項8に記載の香味送達物品。
【請求項10】
外側ケーシングをさらに備える、請求項8に記載の香味送達物品。
【請求項11】
香味送達マウスピースであって、
第1の端部と、対向する第2の端部とを含むマウスピースシェル内に配置された、請求項1~3のいずれか一項に記載の香味送達物品を含み、第2の端部が、空気が通過するように構成された1つ以上の開口部を含み、マウスピースシェル内に配置された香味送達物品が、香味送達物品とマウスピースシェルの内面との間でマウスピースシェルを通る空気の通過を可能にするように、マウスピースシェルの内面から離隔されている、香味送達マウスピース。
【請求項12】
マウスピースシェルは、マウスピースシェルの内面から内向きに延在する1つ以上の突起を備える、請求項11に記載の香味送達マウスピース。
【請求項13】
1つ以上の突起は、香味送達物品と接触し、マウスピースシェル内の香味送達物品の横方向位置を実質的に維持するように構成される、請求項12に記載の香味送達マウスピース。
【請求項14】
その第2の端部に近接してマウスピースシェル内に配置されたマンドレルをさらに備える、請求項11に記載の香味送達マウスピースであって、マンドレルが、香味送達物品の中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方と係合するように構成される、香味送達マウスピース。
【請求項15】
マウスピースシェルの第2の端部と係合するように構成された取り外し可能に交換可能なカバーをさらに備える、請求項11に記載の香味送達マウスピース。
【請求項16】
エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、
吸口端を有するカートリッジハウジングと、
エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、
エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、
マウスピースシェルの第1の端部がカートリッジハウジングの吸口端に取り付けられるように、カートリッジと係合される、請求項11に記載の香味送達マウスピースと、
を備えるカートリッジ。
【請求項17】
リザーバとヒータとの間でエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素をさらに備える、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
リザーバは繊維材料を含む、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
リザーバはタンクである、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項20】
電力源およびコントローラを含む電力ユニットハウジングと、
請求項16に記載のカートリッジと、
を備えるエアロゾル送達装置。
【請求項21】
エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、
吸口端を有するカートリッジハウジングと、
エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、
エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、
香味送達物品と、を備え、
香味送達物品が、
第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成され、段階的に変化する多孔率が、中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔の平均サイズが外壁の内面から外面まで実質的に連続した壁の厚さにわたって増加するように構成される中空細長ユニットと、
中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、
を備えるカートリッジ。
【請求項22】
空気入口と、カートリッジを通る気流通路と、をさらに備える、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
ヒータおよび香味送達物品がともに、気流通路内に実質的に配置される、請求項22に記載のカートリッジ。
【請求項24】
香味送達物品は、ヒータの上流の気流通路に配置される、請求項22に記載のカートリッジ。
【請求項25】
香味送達物品は、ヒータの下流の気流通路に配置される、請求項22に記載のカートリッジ。
【請求項26】
香味送達物品は、カートリッジハウジングの吸口端に取り付けられたマウスピースに配置される、請求項21に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達装置に関し、さらに詳細には、リザーバと、エアロゾルを生成するために電力を利用してエアロゾル前駆体組成物を加熱し得る気化アセンブリとを含むエアロゾル送達装置に関する。タバコから作製されたかタバコに由来し得る材料および/または成分を組み込むか、そうでなければタバコを組み込み得るエアロゾル前駆体組成物は、気化アセンブリによって加熱されて、人間が摂取するための吸入可能な物質を生成する。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。例示的な代替品には、固体燃料または液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達するか、そのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれる。例には、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品が挙げられる。
【0003】
喫煙品の改良品または代替品の目的は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源を参照されたい。ブランド名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源は、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品には、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号に記載されているものが含まれる。
【0004】
従来の種類の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの特性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris Incorporated製のACCORD(R)、InnoVapor LLC製のALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud Cigarettes製のCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Lorillard Technologies,Inc.製のBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.製のCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.製のDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar Australia製のEGAR(TM)、Joyetech製のeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK Ltd製のELUSION(TM)、Eonsmoke LLC製のEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLC製のFIN(TM)、Green Smoke Inc.USA製のSMOKE(R)、Greenarette LLC製のGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)製のHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.製のHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC Technology製のLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.製のLUCI(R)、Nicotek,LLC製のMETRO(R)、Sottera,Inc.製のNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLC製のNO.7(TM)、PremiumEstore LLC製のPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.製のRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLC製のRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.製のRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLC製のSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.製のGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLC製のSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.製のSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLC製のV2CIGS(TM)、VaporNine LLC製のVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.製のVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLC製のVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)、Mistic Ecigs製のMistic Menthol製品ならびにCN Creative Ltd.製のVype製品として市販されている。さらに他の電気式エアロゾル送達装置、特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エアロゾル送達装置のいくつかの既存の実施形態は、制御本体(すなわち電源アセンブリ)およびカートリッジ(すなわちリザーバハウジング)を含む。制御本体内に電源(例えば電池)が配置されてもよく、カートリッジ内にエアロゾル前駆体組成物が保持および/または貯蔵されてもよい。ユーザが所望するように、エアロゾル前駆体組成物に1つ以上の香味添加物を加えることができるカートリッジを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
様々な実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置に含まれることができるか、エアロゾル送達装置と組み合わせられることができる香味送達物品を提供する。香味送達物品は、内部に貯蔵された香味液がそこから外向きに香味送達物品の外面まで移動して、ガス流中に取り込まれることを可能にする規定の多孔率勾配を組み込むことができる。したがって、香味送達物品は、流れるガス流がそれに沿って通過し得る任意の位置でエアロゾル送達装置内に含まれるかエアロゾル送達装置に取り付けられるように構成される。
【0008】
本開示は、香味を提供するように各々が適合または構成された様々な物品を提供することができる。いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置のカートリッジおよび/またはエアロゾル送達装置のカートリッジに取り付け可能なマウスピースなどの追加の物品と組み合わされるように適合または構成されることができる香味送達物品に関するものとすることができる。さらなる実施形態では、本開示は、香味送達物品を含み、エアロゾル送達装置のカートリッジに取り付けられるように適合または構成された香味送達マウスピースに関するものとすることができる。他の実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置のカートリッジに関するものとすることができる。そのようなカートリッジは、カートリッジハウジングに直接含まれることができる、および/またはカートリッジハウジングに取り付けられたマウスピースに含まれることができる香味送達物品を含むことができる。なお、さらなる実施形態では、本開示は、電力ユニットとカートリッジとを含むエアロゾル送達装置に関しするものとすることができる。電力ユニットおよびカートリッジは、単一のハウジングに設けられることができるか、別個のハウジングに設けられることができる。エアロゾル送達装置は、特に、それと組み合わされた、例えば、カートリッジに含まれる、および/またはカートリッジに取り付けられたマウスピースに含まれる香味送達物品を含むことができる。
【0009】
例示的な実施形態では、本開示による香味送達物品は、第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成される中空細長ユニットと、中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、を備えることができる。さらなる実施形態では、香味送達物品は、任意の順序および数で組み合わされることができる以下の記述のうちの任意の1つ以上に関連してさらに定義されることができる。
【0010】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料は、ポリマー材料とすることができる。
【0011】
ポリマー材料は、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、硝酸セルロース、再生セルロース、酢酸セルロースおよびそれらの組合せからなる群から選択されることができる。
【0012】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料は、セラミック材料とすることができる。
【0013】
段階的に変化する多孔率は、中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔の平均サイズが、外壁の内面から外面まで、実質的に連続した壁の厚さにわたって増加するように構成さることができる。
【0014】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔は、内面および外面の一方では約10nm~約3μmの第1の平均サイズを有することができる。
【0015】
中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔は、内面および外面の他方では約0.5μm~約30μmの第2の平均サイズを有することができる。
【0016】
中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方は、開放させることができる。
【0017】
香味送達物品は、中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方と係合する端部ユニットをさらに含むことができる。
【0018】
端部ユニットは、それを通る複数の気流通路を含む格子構造とすることができる。
【0019】
香味送達物品は、外側ケーシングをさらに備えることができる。
【0020】
例示的な実施形態では、本開示は、第1の端部と、対向する第2の端部とを含むマウスピースシェル内に配置された、本明細書に別様に記載される香味送達物品を備える香味送達マウスピースであって、第2の端部が、空気が通過するように構成された1つ以上の開口部を含み、マウスピースシェル内に配置された香味送達物品が、香味送達物品とマウスピースシェルの内面との間でマウスピースシェルを通る空気の通過を可能にするように、マウスピースシェルの内面から離隔されている香味送達マウスピースを提供することができる。さらなる実施形態では、香味送達マウスピースは、任意の順序および数で組み合わされることができる以下の記述のうちの任意の1つ以上に関連してさらに定義されることができる。
【0021】
マウスピースシェルは、マウスピースシェルの内面から内向きに延在する1つ以上の突起を備えることができる。
【0022】
1つ以上の突起は、香味送達物品と接触し、マウスピースシェル内の香味送達物品の横方向位置を実質的に維持するように構成されることができる。
【0023】
香味送達マウスピースは、その第2の端部に近接してマウスピースシェル内に配置されたマンドレルをさらに備えることができ、マンドレルは、香味送達物品の中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方と係合するように構成される。
【0024】
香味送達マウスピースは、マウスピースシェルの第2の端部と係合するように構成された取り外し可能に交換可能なカバーをさらに備えることができる。
【0025】
例示的な実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、吸口端を有するカートリッジハウジングと、エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、マウスピースシェルの第1の端部がカートリッジハウジングの吸口端に取り付けられるように、カートリッジと係合される、本明細書に別様に記載される香味送達マウスピースと、を備えるカートリッジを提供することができる。さらなる実施形態では、カートリッジは、任意の順序および数で組み合わされることができる以下の記述のうちの任意の1つ以上に関連してさらに定義されることができる。
【0026】
カートリッジは、リザーバとヒータとの間でエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素をさらに備えることができる。
【0027】
リザーバは、繊維材料を含むことができる。
【0028】
リザーバは、タンクとすることができる。
【0029】
例示的な実施形態では、本開示は、電源およびコントローラを含む電源ユニットハウジングと、本明細書に別様に記載されるカートリッジと、を備えるエアロゾル送達装置を提供することができる。
【0030】
例示的な実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、吸口端を有するカートリッジハウジングと、エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、香味送達物品と、を備え、香味送達物品が、第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成される中空細長ユニットと、中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、を備えるカートリッジを提供することができる。さらなる実施形態では、カートリッジは、任意の順序および数で組み合わされることができる以下の記述のうちの任意の1つ以上に関連してさらに定義されることができる。
【0031】
カートリッジは、空気入口と、カートリッジを通る気流通路とをさらに備えることができる。
【0032】
ヒータおよび香味送達物品はともに、気流通路内に実質的に配置されることができる。
【0033】
香味送達物品は、ヒータの上流の気流通路に配置されることができる。
【0034】
香味送達物品は、ヒータの下流の気流通路に配置されることができる。
【0035】
香味送達物品は、カートリッジハウジングの吸口端に取り付けられたマウスピースに配置されることができる。
【0036】
本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0037】
実施形態1:第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成される中空細長ユニットと、中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、を備える香味送達物品。
【0038】
実施形態2:中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料は、ポリマー材料である、請求項1に記載の香味送達物品。
【0039】
実施形態3:ポリマー材料は、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、硝酸セルロース、再生セルロース、酢酸セルロースおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~2のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0040】
実施形態4:中空細長ユニットの実質的に連続した壁を形成する多孔質材料は、セラミック材料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0041】
実施形態5:中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔の平均サイズは、外壁の内面から外面まで、実質的に連続した壁の厚さにわたって増加するように、段階的に変化する多孔率が構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0042】
実施形態6:中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔は、内面および外面の一方では約10nm~約3μmの第1の平均サイズを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0043】
実施形態7:中空細長ユニットの実質的に連続した壁内の細孔は、内面および外面の他方では約0.5μm~約30μmの第2の平均サイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0044】
実施形態8:中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方が開いている、請求項1~7のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0045】
実施形態9:中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方または両方と係合する端部ユニットをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0046】
実施形態10:端部ユニットは、それを通る複数の気流通路を備える格子構造である、請求項1~9のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0047】
実施形態11:外側ケーシングをさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の香味送達物品。
【0048】
実施形態12:第1の端部と、対向する第2の端部とを含むマウスピースシェル内に配置された、請求項1~11のいずれか一項に記載の香味送達物品を備える香味送達マウスピースであって、第2の端部が、空気が通過するように構成された1つ以上の開口部を含み、マウスピースシェル内に配置された香味送達物品が、香味送達物品とマウスピースシェルの内面との間でマウスピースシェルを通る空気の通過を可能にするように、マウスピースシェルの内面から離隔されている香味送達マウスピース。
【0049】
実施形態13:マウスピースシェルは、マウスピースシェルの内面から内向きに延在する1つ以上の突起を備える、請求項12に記載の香味送達マウスピース。
【0050】
実施形態14:1つ以上の突起は、香味送達物品と接触し、マウスピースシェル内の香味送達物品の横方向位置を実質的に維持するように構成される、請求項12~13のいずれか一項に記載の香味送達マウスピース。
【0051】
実施形態15:その第2の端部に近接してマウスピースシェル内に配置されたマンドレルをさらに備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の香味送達マウスピースであって、マンドレルは、香味送達物品の中空細長ユニットの第1の端部および第2の端部の一方と係合するように構成される香味送達マウスピース。
【0052】
実施形態16:マウスピースシェルの第2の端部と係合するように構成された取り外し可能に交換可能なカバーをさらに備える、請求項12~15のいずれか一項に記載の香味送達マウスピース。
【0053】
実施形態17:エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、吸口端を有するカートリッジハウジングと、エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、マウスピースシェルの第1の端部がカートリッジハウジングの吸口端に取り付けられるように、カートリッジと係合される、請求項12~16のいずれか一項に記載の香味送達マウスピースと、を備えるカートリッジ。
【0054】
実施形態18:リザーバとヒータとの間でエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素をさらに備える、請求項17に記載のカートリッジ。
【0055】
実施形態19:リザーバが繊維材料を含む、請求項17~18のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0056】
実施形態20:リザーバはタンクである、請求項17~19のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0057】
実施形態21:電源およびコントローラを含む電源ユニットハウジングと、請求項17~20のいずれか一項に記載のカートリッジと、を備えるエアロゾル送達装置。
【0058】
実施形態22:エアロゾル送達装置のためのカートリッジであって、吸口端を有するカートリッジハウジングと、エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバと、エアロゾル前駆体組成物を気化させるように構成されたヒータと、香味送達物品と、を備え、香味送達物品が、第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部貯蔵容積を画定する実質的に連続した壁から形成された中空細長ユニットであって、実質的に連続した壁が、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成される中空細長ユニットと、中空細長ユニットの内部貯蔵容積によって収容された香味液と、を備えるカートリッジ。
【0059】
実施形態23:空気入口と、カートリッジを通る気流通路と、をさらに備える、請求項22に記載のカートリッジ。
【0060】
実施形態24:ヒータおよび香味送達物品がともに、気流通路内に実質的に配置される、請求項22~23のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0061】
実施形態25:香味送達物品は、ヒータの上流の気流通路に配置される、請求項22から24のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0062】
実施形態26:香味送達物品は、ヒータの下流の気流通路に配置される、請求項22から25のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0063】
実施形態27:香味送達物品は、カートリッジハウジングの吸口端に取り付けられたマウスピースに配置される、請求項22~26のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【0064】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0065】
本開示の態様の理解を支援するために、ここで添付の図面を参照するが、添付の図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、添付の図面では、同様の参照番号は同様の要素を指す。図面は例示にすぎず、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本開示の実施形態によるエアロゾル送達装置の例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図2】本開示による香味送達物品の中空細長ユニットの例示的な実施形態の斜視図を示す。
図3A】本開示による香味送達物品の中空細長ユニットの例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図3B】本開示による香味送達物品の中空細長ユニットの壁の例示的な実施形態の一部の部分断面図を示す。
図4】本開示による香味送達物品の例示的な実施形態の分解図を示す。
図5】本開示による香味送達物品の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図6】本開示による香味送達物品の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図7】本開示によるエアロゾル送達装置のマウスピース内に存在する香味送達物品の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図8】本開示による香味送達物品、およびエアロゾル送達装置のためのマウスピースの例示的な実施形態の分解図を示す。
図9】本開示による香味送達物品およびマウスピースの例示的な実施形態の分解図を示す。
図10】本開示の例示的な実施形態によるマウスピースシェルの透視図を示す。
図11】本開示による香味送達物品およびマウスピースの例示的な実施形態の分解図を示す。
図12】本開示の例示的な実施形態によるマウスピースシェルの透視図を示す。
図13】本開示の例示的な実施形態による香味送達物品を含むマウスピースの部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の変形例を含む。
【0068】
本開示は、エアロゾル送達装置の説明を提供する。エアロゾル送達装置は、電気エネルギーを使用して材料を加熱して、吸入可能な物質を形成してもよい。そのような物品は、「手持ち式」装置と見なされるのに十分に小型であってもよい。エアロゾル送達装置は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供してもよい。エアロゾル送達装置は、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成し得ず、むしろ、その物品または装置は、物品または装置の特定の構成要素の揮発または気化に起因する(煙状と記載されると考えられ得る、目に見えるエアロゾルと考えられることができるエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成し得るが、他の実装形態では、エアロゾルは目に見えない場合がある。いくつかの実装形態では、エアロゾル送達装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでもよい。このように、エアロゾル送達装置は、電子タバコ(「e-cigarette」)などの電子喫煙品として特徴付けることができる。
【0069】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関連する実装形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実装形態と組み合わせて使用されてもよい。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0070】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成されることができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)とすることができる。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0071】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的動作を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0072】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、外側シェルまたは外側本体内に設けられた多数の構成要素を含む。外側シェルまたは外側本体の全体的な設計は変えることができ、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変えることができる。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のシェルから形成されることができるか、または細長い本体が2つ以上の分離可能な部品から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、形状を実質的に管状とすることができ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備えることができる。ただし、他の実施形態では、様々な他の形状および構成が使用されてもよい(例えば、長方形またはフォブ形状(fob-shaped))。したがって、本明細書に記載のエアロゾル送達装置は、所望の任意の構成をとり得る。
【0073】
一実装形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、ハウジングまたはシェルとして画定され得る1つの外側本体内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のシェルを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するシェルを含む制御本体または電源ユニットを備えることができ、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)として構成された取り外し可能に取り付けられたシェルを備えることができる。単一シェルタイプのユニット内または複数部品の分離可能シェルタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0074】
本開示のエアロゾル送達装置は、電力源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電力源からエアロゾル送達装置の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および/または停止するための手段)、ヒータまたは発熱部材(例えば、一般に「噴霧器」の一部と呼ばれる電気抵抗加熱要素もしくは誘導加熱要素または構成要素)、およびエアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にする吸口端領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出されることができるように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを備えてもよい。
【0075】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は変えることができる。特定の実装形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザの口に近接して配置されるように構成され得るエアロゾル送達装置の端部の近くに配置されて、ユーザへのエアロゾル送達を最大にすることができる。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(それ自体が1つ以上の香味料、薬剤または他の添加物を含有し得る)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに加熱要素が配置されることができる。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成しているまたは生成している(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では交換可能に使用される。
【0076】
上述したように、エアロゾル送達装置は、電池および/または他の電源(例えば、キャパシタ)を組み込み、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供してもよい。電力源は様々な実装形態をとることができる。一例では、電力源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。電力源は、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく構成するような大きさとしてもよい。さらに、一実施形態では、電力源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0077】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。その構成要素、その操作方法、その中に含まれる材料および/または他のその特性が本開示の装置に含まれ得る市販製品の例、ならびに本開示のエアロゾル送達装置に使用され得る構成要素および関連技術の製造業者、設計者および/または譲受人が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願第15/222,615号明細書に記載されている。
【0078】
本開示によるエアロゾル送達装置に利用され得る構成要素を示す、エアロゾル送達装置100の例示的な一実施形態が、図1に示されている。エアロゾル送達装置100は、その中に示されている切取図に見られるように、機能的関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列されることができる電力ユニット102およびカートリッジ104を備えることができる。電力ユニット102とカートリッジ104との係合は、(図示されるように)圧入、ねじ込み、締り嵌め、磁気などとすることができる。具体的には、本明細書でさらに説明するような接続構成要素が使用されてもよい。例えば、電力ユニットは、カートリッジ上のコネクタと係合するように構成されたカプラを含んでもよい。
【0079】
特定の実施形態では、電力ユニット102およびカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、電力ユニットは、交換式電池または充電式電池を有してもよく、したがって、典型的な電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。例えば、一端にUSBコネクタと、対向端に電力ユニットコネクタとを含むアダプタが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されている。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを備えてもよい。
【0080】
図1に示すように、電力ユニット102は、制御構成要素106(例えば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ部品、マイクロコントローラなど)、流量センサ108、電池110およびLED112を含むことができる電力ユニットシェル101から形成されることができ、このような構成要素は、可変に位置合わせされることができる。LEDに加えて、またはLEDの代替として、追加のインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含めることができる。発光ダイオード(LED)構成要素などの、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類ならびにそれらの構成および使用は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書およびScatterdayの米国特許第8,539,959号明細書、Gallowayらの米国特許出願公開第2015/0020825号明細書ならびにSearsらの米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に記載されている。
【0081】
カートリッジ104は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ134に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように構成された液体輸送要素136と流体連通しているリザーバ144を囲むカートリッジシェル103から形成されることができる。液体輸送要素は、毛細管作用などによって液体を輸送するように構成された1つ以上の材料から形成されることができる。液体輸送要素は、例えば、繊維材料(例えば、有機綿、酢酸セルロース、再生セルロース布、ガラス繊維)、多孔質セラミック、多孔質炭素、黒鉛、多孔質ガラス、焼結ガラスビーズ、焼結セラミックビーズ、毛細管などから形成されることができる。したがって、液体輸送要素は、開放細孔ネットワーク(すなわち、流体が、要素を通る複数の方向に、1つの細孔から別の細孔へ流れ得るように相互接続された複数の細孔)を含む任意の材料とすることができる。
【0082】
電流が印加されると熱を生成するように構成された様々な実施形態の材料を使用して、抵抗加熱要素134を形成してもよい。ワイヤコイルを形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、チタン、白金、銀、パラジウム、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。加熱要素の様々な他の実装形態も同様に使用されてもよい。例えば、円筒形ウィックの周りに金属メッシュが配置されてもよいか、リボン状またはシート状ウィック上にリボン状金属メッシュが配置されてもよい。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる2015年12月3日に出願された米国特許出願公開第2017/0020193号明細書に記載されているように、加熱要素は、放射加熱を介して、液体輸送要素内に配置されたエアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成されてもよい。別の実装形態では、その内容が参照により本明細書に組み込まれる2015年11月6日に出願された米国特許出願公開第2017/0127722号明細書に記載されているように、加熱要素は、誘導加熱を介してエアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成されてもよい。本発明のエアロゾル送達装置では、様々なヒータ構成要素が使用されてもよい。様々な実装形態では、1つ以上のマイクロヒータまたは類似の固体ヒータが使用されてもよい。本開示の装置に使用するのに適したマイクロヒータ、およびマイクロヒータを組み込んだ噴霧器が、参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0083】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部128がカートリッジシェル103内に(例えば、吸口端に)存在してもよい。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0084】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品150を含んでもよい。電子部品150は、有線または無線手段によって、制御構成要素106および/または外部装置と通信するように構成されてもよい。電子部品150は、カートリッジ104またはその基部140内のどこに配置されてもよい。
【0085】
制御構成要素106および流量センサ108は別個に図示されているが、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として、制御構成要素および流量センサが組み合わされてもよいことが理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が電力ユニットの中心軸線に対して長さ方向に平行とすることができるという点で、図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、空気流量センサは、それが取り付けられることができるそれ自体の回路基板または他の基部要素を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。
【0086】
電力ユニット102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。図1に示すように、電力ユニット102は、内部にキャビティ125を有するカプラ124を含むことができる。カートリッジ104は、カプラ124と係合するように構成された基部140を含むことができ、キャビティ125内に嵌合するように構成された突出部141を含むことができる。このような係合は、電力ユニット102とカートリッジ104との間の安定した接続を容易にするとともに、電力ユニット内の電池110および制御構成要素106とカートリッジ内のヒータ134との間の電気接続を確立することができる。さらに、電力ユニットシェル101は、空気入口118を含むことができ、空気入口118はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラ124に接続し、これにより、カプラ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでカプラのキャビティ125を通過し、突出部141を介してカートリッジ内に入ることが可能になる。
【0087】
本開示による有用なカプラおよび基部は、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、図1に見られるように、カプラは、基部140の内周142と嵌合するように構成された外周126を画定してもよい。一実施形態では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラ124は、基部の内周に画定された1つ以上の凹部178と係合するように構成された1つ以上の突起129を外周126に画定してもよい。ただし、カプラに基部を連結するために、構造、形状および構成要素の様々な他の実施形態が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ104の基部140と電力ユニット102のカプラ124との間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の実施形態では、それらの間の接続は、例えば、電力ユニットが、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに再利用され得るように、解放可能であってよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、実質的に棒状または実質的に管形状または実質的に円筒形状であってよい。他の実施形態では、追加の形状および寸法、例えば、長方形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。具体的には、電力ユニット102は、棒状でなくてもよく、むしろ実質的に長方形、円形であってよいか、何らかの追加の形状を有してもよい。同様に、電力ユニット102は、実質的に従来の紙巻タバコの大きさであると予測される電力ユニットよりも実質的に大きくてよい。
【0089】
図1に示されるリザーバ144は、容器(例えば、エアロゾル前駆体組成物に対して実質的に不浸透性の壁から形成される)とすることができるか、または繊維状リザーバとすることができる。容器の壁は柔軟なものとすることができ、または折り畳み可能とすることができる。あるいは、容器の壁は実質的に剛性とすることができる。容器リザーバは、タンクと称され得る。また、容器の少なくとも一部に繊維材料が提供されてもよい。例示的な実施形態では、リザーバ144は、カートリッジシェル103の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を備えることができる。リザーバ144にはエアロゾル前駆体組成物が保持されることができる。例えば、液体成分が、リザーバ144によって収着的に保持されることができる(すなわち、リザーバ144が繊維材料を含む場合)。リザーバ144は、液体輸送要素136と流体接続することができる。この実施形態では、液体輸送要素136は、毛細管作用を介して、金属ワイヤコイルの形態である加熱要素134に、リザーバ144に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、加熱要素134は液体輸送要素136を伴った加熱構成にある。
【0090】
使用時に、ユーザが物品100を吸引すると、センサ108によって空気流が検出され、加熱要素134が作動され、加熱要素134によってエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。物品100の吸口端を吸引すると、周囲空気が空気入口118に入り、カプラ124内のキャビティ125と、基部140の突出部141内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と組み合わさって、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、加熱要素134から吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、物品100の吸口端内の口元開口部128から出る。
【0091】
1つ以上の実施形態では、本開示に従ってマウスピース165が提供され、マウスピースは、カートリッジ104の吸口端に接続するように適合または構成されることができる。以下にさらに説明するように、香味送達物品290は、カートリッジの吸口端に近接するなど、カートリッジ104に含まれてもよい。香味送達物品290は、カートリッジシェル103によって少なくとも部分的に囲まれるように、カートリッジ104の内部に直接配置されてもよい。代替的または追加的に、香味送達物品290は、マウスピース165内に配置されることができる。さらに、様々な実施形態では、マウスピース165は、カートリッジ104の吸口端に関連付けられるか、取り付けられるか、他の方法で接続されることができる。例えば、マウスピース165は、ねじ山接続、磁気接続、圧入(または摩擦嵌合)接続などを介するなど、カートリッジ104の吸口端に取り外し可能に取り付けられるように適合または構成されることができる。さらに、マウスピース165は、カートリッジシェル103の外部の少なくとも一部の上に配置されるように適合または構成されることができる。あるいは、マウスピース165は、カートリッジシェル103の吸口端に形成された開口部に挿入されるように適合または構成されることができる。
【0092】
入力装置がエアロゾル送達装置に含まれていてもよい。入力は、ユーザが装置の機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれていてもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上のプッシュボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれる2015年3月10日に出願されたSearsらの米国特許出願第14/643,626号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれるHenryらの米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。
【0093】
いくつかの実施形態では、入力は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピューティング装置を具備してもよい。具体的には、エアロゾル送達装置は、USBコードまたは類似のプロトコルの使用などを介して、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して入力として作用するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2016/0007561号明細書に記載されているような、読み出し要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、コンピュータまたは他のコンピューティング装置に関連してアプリケーションまたは他のコンピュータプログラムを使用して、エアロゾル送達装置に制御命令を入力してもよく、そのような制御命令は、例えば、ニコチン含有量および/または含有される追加の香味の含有量を選択することによって、特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0094】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当技術分野に記載され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができる電池の例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0095】
エアロゾル送達装置は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)に発熱要素への電力の供給を制御するためのセンサまたは検出器を組み込むことができる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合に発熱要素への電力供給をオフにし、吸引中に発熱要素による発熱を作動させるか引き起こすために電力供給をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickのPCT国際公開第2010/003480号に記載されている。
【0096】
エアロゾル送達装置は、吸引中に発熱要素への電力量を制御するための制御機構を組み込むことが最も好ましい。代表的な種類の電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書およびPanの米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書およびAmpoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書ならびにHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0097】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書およびDavisらの米国特許出願公開第2014/0059780号明細書ならびにBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許第8,910,640号明細書に記載されている。
【0098】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込んでいることが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末化されたタバコ薄片などのタバコの部分または小片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0099】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Lorillard TechnologiesのBLU(TM)製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0100】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが非常に好ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。典型的には、エアロゾル送達システム内、特にエアロゾル生成部品内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約2g未満、一般に約1.5g未満、多くの場合約1g未満、頻繁に約0.5g未満である。
【0101】
本開示のエアロゾル送達システムに組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。
【0102】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な実施形態に適用されることができる。ただし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。図1に示されたか、そうでなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれてもよい。
【0103】
本開示の1つ以上の実施形態では、エアロゾル送達装置は、香味送達物品を含んでもよい。ただし、前記香味送達物品は、通過するガス流に香味液の粒子または液滴を取り込むことが望ましい様々な装置に提供され得る「独立型」要素であると理解される。例えば、ネブライザ、エアロゾル発生器、薬剤送達装置、加熱式(HNB)喫煙品、カーボンタバコ加熱製品(carbon tobacco heated product)(CTHP)、電気タバコ加熱製品(ETHP)などはいずれも、本明細書に記載の香味送達物品の組込みから利益を得ることができる。したがって、エアロゾル送達装置と組み合わせた香味送達物品の説明は、本発明の完全な開示のための例を提供するためのものにすぎず、香味送達物品の使用はエアロゾル送達装置との組合せに限定されると考えられるべきであることが理解される。
【0104】
本明細書に記載の香味送達物品290は、香味液を保持するか、そうでなければ収容するための貯蔵ユニットを備えることができる。そのような貯蔵ユニットの一例が図2に示されている。そこに見られるように、貯蔵ユニットは、第1の端部211と第2の端部213との間に延在する実質的に連続した壁207から形成された中空細長ユニット205として示されている。中空細長ユニット205は、中空空間216内に内部貯蔵容積を画定することができる。
【0105】
中空細長ユニット205は、実質的にチューブまたは中空円筒の形態であるとして示されているが、様々な形状をとることができる。例えば、中空細長ユニットは、正方形、長方形、楕円形、三角形多角形などのような断面形状を有することができる。中空細長ユニット205の直径は、その長さにわたって実質的に連続した直径を有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、その長さに沿って変えることができる。例えば、直径は、第2の端部の直径が第1の端部の直径よりも約25%~約500%、約50%~約400%または約75%~約250%大きくなるように、第1の端部211から第2の端部213まで増加してもよい。あるいは、直径は、第1の端部の直径が第2の端部の直径よりも約25%~約500%、約50%~約400%または約75%~約250%大きくなるように、第1の端部211から第2の端部213まで減少してもよい。したがって、中空細長ユニット205は、実質的に円錐形または円錐台形の形状であってよい。
【0106】
中空細長ユニット205の大きさは、それが含まれることになる追加の装置の大きさと、その中に貯蔵される香味液の所望の容積とに応じて変えることができる。例えば、中空細長ユニット205は、約0.5cm~約5cm、約0.5cm~約3cm、約0.5cm~約2.5cmまたは約0.5cm~約2cmの長さを有することができる。中空細長ユニット205の長さは、その長手方向軸線に沿って測定されることができる。中空細長ユニット205はさらに、長手方向軸に対して横方向に測定可能な平均直径または他の寸法(例えば、幅)を有することができ、そのような他の寸法は、約0.2cm~約2cm、約0.3cm~約1.8cmまたは約0.5cm~約1.5cmとすることができる。中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207の厚さは、ユニットの長手方向軸線に沿って変えることができる。いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁207の厚さは、好ましくは、ユニットの長手方向軸線に沿って実質的に均一である。実質的に連続した壁207は、例えば、約0.05mm~約5mm、約0.1mm~約4mmまたは約0.25mm~約3mmの平均厚さを有することができる。中空細長ユニット205内に画定された中空空間216の内部貯蔵容積は、約2cm~約500cm、約10cm~約250cm、約25cm~約200cmまたは約50cm~約100cmとすることができる。
【0107】
中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207は、中空空間216内に貯蔵された香味液が相互接続された細孔を通って拡散するか吸い上がることができるように構成された多孔質材料から形成されることができる。このように、香味液は、実質的に連続した壁207の内面221に接触し、相互接続された細孔を通過して実質的に連続した壁の外面223に達する。したがって、実質的に連続した壁207は、ナノ多孔質、微多孔質および/またはマクロ多孔質材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁207は、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、硝酸セルロース、再生セルロース、酢酸セルロースおよびそれらの組合せなどの1つ以上のポリマー材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。例えば、実質的に連続した壁207は、前述の材料のいずれかから単独でまたは1つ以上を組み合わせて形成された繊維から少なくとも部分的に形成されてもよい。同様に、本開示の1つ以上の実施形態では、前述の材料のうちのいずれか1つ以上が使用から明示的に除外されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁207は、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのようなセラミック材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。所望であれば、材料の組合せが利用されてもよい。さらに、中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207は、1つ以上の層(例えば、一層、二層、三層、四層またはそれ以上の層)から形成されてもよく、別個の層が異なる材料から形成されてもよい。複数の層が使用される場合、層は、共押出、または当技術分野で公知の他の技術を使用して調製されることができる。したがって、実質的に連続した壁207は、中空空間216内に貯蔵された香味液を吸収し、実質的に連続した壁の厚さを通る毛細管作用を介して液体香味材料を輸送するように構成されることができる。液体香味材料が実質的に連続した壁207の外面に到達すると、液体香味材料の粒子または液滴が、その外面に沿って通過するガス流によって取り込まれることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁207(またはその複数の層のうちの1つ以上)は、実質的に連続した壁の厚さにわたって段階的に変化する多孔率を有する多孔質材料から形成されることができる。本明細書で使用される場合、段階的に変化する材料または機能的に段階的に変化する材料とは、局所的な材料特性の特定の変化が達成されるように、組成、微細構造またはその両方が局所的に変化する材料であると理解される。機能的に段階的に変化する材料は、壁の分子モデリングの離散的または連続的な変化を可能にするように構造的に設計されることができるという点で、本明細書に記載の実質的に連続した壁を形成するのに特に有用である。これにより、壁の厚さにわたって毛細管作用が変化するコーティングを調製することが可能になる。実質的に連続した壁は、特に、平均細孔径が壁の厚さにわたって変えることができるという点で機能的に段階的に変化すると定義されることができる。いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁を形成する材料は、平均細孔径が壁の内層または内側部分から壁の外層または外側部分に向かって増加するように機能的に段階的に変化する。したがって、壁では、壁の内層または内側部分の平均細孔径が壁の外層または外側部分の平均細孔径よりも小さくなるように、壁の内層または内側部分から壁の外層または外側部分までの平均細孔径を機能的に段階的に変化させることができる。さらなる実施形態では、実質的に連続した壁を形成する材料は、平均細孔径が壁の内層または内側部分から壁の外層または外側部分に向かって減少するように機能的に段階的に変化する。したがって、壁では、壁の内層または内側部分の平均細孔径が壁の外層または外側部分の平均細孔径よりも大きくなるように、壁の内層または内側部分から壁の外層または外側部分までの平均細孔径を機能的に段階的に変化させることができる。
【0110】
その厚さにわたって機能的に段階的に変化する実質的に連続した壁207を有する中空細長ユニット205の例示的な実施形態が図3Aに示されている。そこに見られるように、実質的に連続した壁207は、第1の層または内層231と、第2の層または外層233とから形成される。内層231は、第1の平均細孔径を有する多孔質材料から形成され、外層233は、第2の平均細孔径を有する多孔質材料から形成される。相対的に言えば、いくつかの実施形態では、第1の平均細孔径は第2の平均細孔径よりも小さくすることができ、第2の平均細孔径は第1の平均細孔径よりも大きくすることができる。他の実施形態では、第1の平均細孔径は第2の平均細孔径よりも大きくすることができ、第2の平均細孔径は第1の平均細孔径よりも小さくすることができる。所望であれば、第1の(内)層231と第2の(外)層233との間に1つ以上の中間層が含まれてもよく、1つ以上の中間層は、第1の(内)層の平均細孔径と第2の(外)層の平均細孔径との間に入る平均細孔径を示すことができる。したがって、実質的に連続した壁207は、平均細孔径が壁の厚さにわたって変化するという点で機能的に段階的に変化する。内層231および外層233は実質的に同じ厚さを有するものとして示されているが、層の相対的な厚さは、実質的に連続した壁207の全厚にわたる蒸気液体の移動を変更するために所望に応じて変化させられることができる。例えば、実質的に連続した壁207の外面223に存在する香味液の量を増加させるために、または壁を通る香味液の流量を増加させるために、外層233は内層231よりも大きい厚さを有してもよい。したがって、外層に対する内層231の厚さの比は、約0.1~約1、約0.2~約1、約0.5~約1または約0.75~約1であり得る。他の実施形態では、外層に対する内層231の厚さの比は、約1~約10、約1~約8または約1~約5とすることができる。
【0111】
図3Bは、実質的に連続した壁207のさらなる例示的な実施形態を提供し、壁の部分断面の拡大図を示す。図3Bの実施形態では、実質的に連続した壁207は、単一の材料層から実質的にまたは完全に形成される。ただし、単一の材料層は、その厚さにわたって段階的に変化する。実質的に連続した壁207は、複数の細孔227を含む。図示されるように、実質的に連続した壁207は、壁の内面221またはその近傍に比較的小さな細孔227aを有し、壁の外面223またはその近傍に比較的大きな細孔227bを有する。ただし、代替的な実施形態では、比較的小さな細孔は、壁の外面223またはその近傍にあるものとすることができ、比較的大きな細孔は、壁の内面221またはその近傍にあるものとすることができる。いくつかの実施形態では、語句「内面に」とは、内面に隣接し、実質的に連続した壁207の総厚の約5%~約45%、約5%~約35%または約5%~約25%の距離だけ外向きに延在することができる容積を意味することができる。好ましくは、画定された容積は、壁の内面の実質的に全体の周りに延在する。同様に、いくつかの実施形態では、語句「外面に」とは、外面に隣接し、実質的に連続した壁207の総厚の約5%~約45%、約5%~約35%または約5%~約25%の距離だけ内向きに延在することができる容積を意味することができる。好ましくは、画定された容積は、壁の外面の実質的に全体の周りに延在する。
【0112】
比較的小さな細孔は第1の平均サイズを有することができ、比較的大きな細孔は第2の平均サイズを有することができる。さらなる実施形態では、第1の平均サイズと第2の平均サイズとの間の中間平均サイズを有する細孔も存在することができる。中間平均サイズは、第3の平均サイズと称されることができる。1つ以上の実施形態では、比較的小さな細孔の第1の平均サイズは、約10nm~約3μm、約100nm~約3μm、約250μm~約2.5μmまたは約500nm~約2μmとすることができる。さらなる実施形態では、比較的大きな細孔の第2の平均サイズは、約0.5μm~約30μm、約1μm~約30μm、約2μm~約25μmまたは約3μm~約20μmとすることができる。いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁207の厚さのほぼ内側半分の細孔は、第1の平均細孔径を有してもよく、実質的に連続した壁の厚さのほぼ外側半分の細孔は、第2の平均細孔径を有してもよい。
【0113】
平均細孔径の段階的変化の範囲は、中空空間216からの香味液が実質的に連続した壁207の厚さを通ってどれだけ速く吸い上がって、その外面223から移動される液体を補充するかを決定するように変更されることができる。これは、中空空間216内に存在する香味液の性質と、所与の時間に取込みに利用可能であることが望ましい香味液の総量とに基づいて変えることができる。したがって、第2の細孔径を有する細孔227を含む実質的に連続した壁207の容積は、利用可能になる香味液の量をそれぞれ減少または増加させるために、所望に応じて減少または増加させられることができる。例えば、第2の平均細孔径を有する細孔227は、実質的に連続した壁207の総厚の約外側65%、約外側45%、約外側35%、約外側25%、約外側15%または約外側5%に存在することができる。あるいは、第1の平均細孔径を有する細孔227は、実質的に連続した壁207の総厚の約外側65%、約外側45%、約外側35%、約外側25%、約外側15%または約外側5%に存在することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、実質的に連続した壁を通る液体の吸上げ特性が変化し得るように、実質的に連続した壁207の厚さにわたって細孔形態を段階的に変化させてもよい。例えば、実質的に連続した壁207の内面221付近の細孔形態は、比較的急速な吸上げが生じるようなものであってよく、細孔形態は、吸上げ速度が低下するように内面から外向きに移動するように変化してもよい。したがって、実質的に連続した壁207の外面223付近の細孔形態は、内面221付近の実質的に連続した壁の部分に対して比較的遅い吸上げが生じるようなものであってよい。
【0115】
上述したように、香味液は、中空細長ユニット205の内部貯蔵容積(すなわち、中空空間216)によって収容されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、リザーバ144(図1を参照)内に保持されたエアロゾル前駆体組成物は、香味付けされていないエアロゾル前駆体組成物を含んでもよいが、香味付けされたエアロゾル前駆体組成物(すなわち、1つ以上の香味料を含むエアロゾル前駆体組成物)も企図される。次いで、香味液は、エアロゾル前駆体成分を含む組成物の形態でそれ自体提供され得る1つ以上の香料を含むことができる。本明細書で使用される場合、「香料」への言及は、香味液中に存在することができ、エアロゾル化されユーザに送達されることができ、味および/または芳香に関して感覚的体験を付与する化合物または成分を指すことを意図している。例示的な香味料には、限定するものではないが、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香料に従来使用される種類および特徴の香料および香味パッケージが含まれる。また、高果糖コーンシロップなどのシロップが使用されることができる。好適であり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。開示された製品に好適であり得る香料材料の他の例については、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれるWilliamsの米国特許出願公開第2002/0162562号明細書、Williamsの米国特許出願公開第2002/0162563号明細書、Atchleyらの米国特許出願公開第2003/0070687号明細書、Williamsの米国特許出願公開第2004/0020503号明細書、Breslinらの米国特許出願公開第2005/0178398号明細書、Stricklandらの米国特許出願公開第2006/0191548号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、Stricklandらの米国特許出願公開第2007/0186942号明細書、Dubeらの米国特許出願公開第2008/0029110号明細書、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0029116号明細書、Muaらの米国特許出願公開第2008/0029117号明細書、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号明細書およびNeilsenらの米国特許出願公開第2008/0209586号明細書を参照されたい。香味料への言及は、上記のような任意の単一の香味料に限定されるべきではなく、実際、1つ以上の香味料の組合せを表す場合があることに留意されたい。
【0116】
中空細長ユニット205は、第1の端部211および第2の端部213の一方または両方が実質的に開いているように構成されることができる。これにより、中空空間216に香味液を充填するのを容易にすることができる。ただし、開放端はまた、エアロゾル送達装置などの追加の装置の一部内に香味送達装置を配置するのに有用となることができる1つ以上の端部ユニットの1つ以上の部分と係合するように構成されてもよい。特に、香味送達物品290は、中空細長ユニット205の第1の端部211および第2の端部213の一方または両方の上に配置された端部ユニットをさらに備えることができる。端部ユニットは、実質的にプラグまたはキャップ(例えば、図9の要素371を参照)することができ、または実質的にフレームの形態とすることができる。図4に示すように、第1の端部フレーム245は、中空細長ユニット205の第1の端部211と係合するように配置され、第2の端部フレーム246は、中空細長ユニットの第2の端部213と係合するように配置される。図示される例示的な実施形態では、第1の端部フレーム245と第2の端部フレームとは実質的に同一である。ただし、それぞれの端部フレームは異なる構造を有してもよい。例示的な実施形態では、両端部フレーム(245、246)は、ハブおよびスポーク構成を有する。特に、第1の端部フレーム245は、中央ハブ245aを含み、中央ハブ245aから複数のアーム245b(例えば、実質的に円形の断面を有するスポークとして構成されるか、実質的に細長い断面を有するベーンとして構成される)が延在し、外側フレーム壁245cと接続している。図4の例示的な実施形態では、フレーム(245、246)は実質的に円形であるが、他の形状も包含されることが理解される。加えて、さらに少ない数またはさらに多い数のアーム245bが使用されてもよく、フレーム(245、246)の各要素の寸法は独立して変化してもよい。同様に、第2の端部フレーム246は、中央ハブ246aを含み、中央ハブ246aから複数のアーム246b(例えば、実質的に円形の断面を有するスポークとして構成されるか、実質的に細長い断面を有するベーンとして構成される)が延在し、外側フレーム壁246cと接続している。第2のフレーム246は、ハブ246aから延在し、中空細長ユニット205の第2の端部213の中空空間216に挿入されるように構成されたシャフト246eをさらに含む。ただし、フレーム(245、246)を中空細長ユニット205の第1の端部211および第2の端部213と係合させるための他の機構も包含される。図示されるように、シャフト246と中空細長ユニット205の第2の端部213との係合は、中空空間216に貯蔵された香味液がシャフトの周りに漏れないように封止係合であることが好ましい。図5は、中空細長ユニット205のそれぞれの第1の端部211および第2の端部213と係合する2つの端部フレーム(245、246)と組み合わされた香味送達物品290の様々な要素を示す。
【0117】
フレームの各々を形成する中央ハブ(245a、246a)、複数のアーム(245b、246b)およびフレーム壁(245c、246c)は、それらの間に複数の開口部(245d、246d)を画定し、前記開口部は、ガス流が通過するのに適している。したがって、ハブ、アームおよびフレーム壁の配置は、それを通る複数の気流通路を備える格子構造を画定することができる。格子構造は、図4の例示的な実施形態に示すようなホイール型の設計であってよいが、端部フレームを形成するように複数の相互接続セクションを含む他の格子構造も包含される。
【0118】
端部フレーム(245、246)は、香味液と反応しない任意の好適な材料から形成されることができる。いくつかの実施形態では、端部フレーム(245、246)は、実質的に非多孔質であるか、非常に低いナノ多孔性を有することができ、その結果、香味液はそれを通って実質的に全く移動しない。非限定的な例として、端部フレーム(245、246)は、ポリマーおよび/またはセラミックなどの不活性材料から作製されることができる。
【0119】
香味送達物品290は、図5に示すように実質的に提供されることができる(香味液を充填されていることを含む)。ただし、いくつかの実施形態では、香味送達物品290は、図6に示すように外側ケーシング260をさらに含むことが望ましい場合がある。外側ケーシング260は、第1の端部フレーム245から第2の端部フレーム246まで延在することができ、様々な装置への挿入に適したユニットとして香味送達物品290を提供するのに有用となることができる。特定の実施形態では、外側ケーシング260は、香味送達装置(または香味送達装置が挿入される装置)が使用されていない場合に、実質的に連続した壁207の外面223を越える蒸発による香味液の損失を低減または防止するのに有用となることができる。同様に、外側ケーシング260は、香味送達ユニットの追加の構成要素からのあらゆる起こり得る漏れを保持するのに有用となることができる。非限定的な例として、外側ケーシング260は、限定するものではないが、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを含むポリマーなどの任意の好適な材料から形成されることができる。さらなる例として、シリコーンまたは同様の材料が使用されてもよい。
【0120】
香味送達物品290は、ガス流に所望の香料効果を付与するために有益に有用である。したがって、香味送達物品290は、ガス流の流れを提供するように構成された任意の種類の装置と組み合わせられることができる。これは、例示的な実施形態では、図1に示すようなエアロゾル送達装置、または部品の異なる構成を有するが、通過する空気流に取り込まれ、それによりエアロゾルを形成することができる蒸気を形成するようにエアロゾル前駆体液体に作用するという同じ機能を提供するように意図されたエアロゾル送達装置を含むことができる。例えば、図1に戻ると、カートリッジ104が電力ユニットと係合されると、カートリッジの吸口端にある開口部128を通して吸引するユーザが、空気入口118を通して空気を進入させる。空気は、リザーバ144を通っておよび/またはリザーバ144の周りを流れ、ヒータ134によって液体輸送要素136内のエアロゾル前駆体組成物を加熱することによって形成された蒸気を取り込み、それにより、開口部128を通って出るエアロゾルを形成し得る。したがって、エアロゾル送達装置を通る1つ以上の気流通路が存在することができる。このように、ヒータ134は、形成された蒸気が、カートリッジ104を通って流れる空気に取り込まれるために効率的に利用可能になるように、気流通路内に実質的に配置されることができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の香味送達物品290は、気流通路内に実質的に配置されることができる。例えば、図1では、ヒータ134とカートリッジ104の吸口端にある開口部128との間に開放空間が存在する。したがって、本明細書に記載の香味送達物品290は、そのような開放空間に配置されてもよい。そのような構成では、香味送達物品290は、ヒータ134の下流の気流通路に配置される。このように、ヒータ134から吸引されたエアロゾルは、香味液(本明細書に記載の香料を含む)の粒子または液滴を取り込むために香味送達物品290を通過してもよい。さらなる実施形態では、カートリッジ104は、リザーバ144と基部140との間に追加の空間を含むように構成されてもよい。そのような実施形態では、カートリッジを通って流れる空気は、最初に香味送達物品290を通過してからヒータ134を通過するかヒータ134の周りを通ってエアロゾルを形成する。このように、エアロゾルを形成するために使用される空気は、空気がヒータ134から形成された蒸気と混ざってエアロゾルを形成して開口部128を通って引き込まれる際に、その中に取り込まれた香味液の粒子または液滴を既に含む。したがって、香味送達物品290は、ヒータ134の上流の気流通路内に配置されることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本開示は、具体的には、エアロゾル送達装置のためのマウスピースを提供することができる。マウスピースは、その中に配置された香味送達装置を含むことができ、したがって、そのように形成された香味送達マウスピースは、エアロゾル送達装置などの別の物品と組み合わせられるように適合または構成されることができる。
【0123】
香味送達マウスピース265の例示的な実施形態を図7に示す。そこに見られるように、マウスピース265は、第1の端部267(または追加の装置にマウスピースを接続するように構成された接続端、例えば、図1に示すカートリッジ104の吸口端)と、第2の端部268(または吸口端)とを有するシェル266から形成されることができる。第1の端部(または接続端)267は、例えば、ねじ山接続、磁気接続または圧入接続を介してエアロゾル送達装置に接続するように適合または構成されることができる。マウスピース265の第1の端部267は、カートリッジ104の吸口端の開口部128と、またはマウスピースが取り付けられ得る追加の装置の同様の開口部と実質的に位置合わせすることができる開口部267aを含むことができる。マウスピース265に含まれる香味送達装置290は、ここでも、第1の端部211と第2の端部213との間に延在する実質的に連続した壁207から形成される中空細長ユニット205を含む。中空細長ユニット205は、香味液を貯蔵するための内部貯蔵容積を画定する。フレーム246は、中空細長ユニット205の第2の端部213に取り付けられ、フレームは実質的に、本明細書に別様に記載される通りである。中空細長ユニット205の第1の端部211には、床部材271aと、そこから突出し、中空細長ユニット205の第1の端部211と係合するように構成された延長部271bと、床部材から下方に延在する1つ以上のカーテン271cとを含むプラグユニット271がある。1つ以上のカーテン271cは、床部材271aの円周の周りに部分的にのみ延在し、マウスピース265の第1の端部267の開口部267aから一定の距離だけ床部材を分離する。このように、マウスピース265の開口部267aを通って入るエアロゾルは、床部材271aの底部に衝突し、カーテンの周りの空間を通って外向きに広がる。次いで、エアロゾルは、マウスピース265を長手方向に通過し、中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207の外面223を通り過ぎなければならず、そこで香味液の粒子または液滴がエアロゾルに取り込まれるようになる。次いで、香味液の粒子または液滴を取り込んだエアロゾルは、第2のフレーム246のアーム246b間の開口部246dを通過して、その第2の端部268を通ってマウスピース265から出る。構成要素の組合せは、図8に提供されるマウスピースと香味送達物品との組合せの例示的な実施形態の分解図にさらに示されている。
【0124】
エアロゾル送達装置または同様の装置と組み合わせるための香味送達マウスピース365のさらなる例示的な実施形態が図9に示されている。そこに見られるように、マウスピース365は、第1の端部367(または追加の装置にマウスピースを接続するように構成された接続端、例えば、図1に示すカートリッジ104の吸口端)と、第2の端部368(または吸口端)とを有するシェル366から形成されることができる。第1の端部(または接続端)367は、例えば、本明細書で別途言及されるような任意の好適な接続を介してエアロゾル送達装置に接続するように適合または構成されることができる。
【0125】
マウスピース365に含まれる香味送達装置290は、ここでも、第1の端部211と第2の端部213との間に延在する実質的に連続した壁207から形成される中空細長ユニット205を含む。中空細長ユニット205は、香味液を貯蔵するための内部貯蔵容積を画定する。中空細長ユニット205の第1の端部211には、プラグユニット371が設けられ、中空細長ユニット205の第1の端部211と係合し、そこから香味液が漏れるのを実質的に防止するように適合または構成される。このように、マウスピース365の第1の端部367に入るエアロゾルは、プラグユニット371に衝突し、中空細長ユニット205の周りを通過するために外向きに広がる。次いで、エアロゾルは、マウスピース365を長手方向に通過し、中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207の外面223を通り過ぎなければならず、そこで香味液の粒子または液滴がエアロゾルに取り込まれるようになる。マウスピース365のシェル366の第2の端部368は、香味液の粒子または液滴を取り込んだエアロゾルを通過させるための複数のエアロゾル開口部369aを含む端壁369を含む。
【0126】
マウスピース365のシェル366は、その内部構成要素を明らかにするように図10にさらに示されている。見られるように、シェル366は、内面366bおよび外面366cを有する壁366aから形成される。内面366cは、シェル366の内面から一定の距離だけ内向きに延在する複数の突起372を含む。突起372の数は、必要に応じて変えることができ、シェル366内の中空細長ユニット205の横方向位置を維持するように適合または構成される。例示的な実施形態では、突起372は、シェル366内の中空細長ユニット205の実質的に中心にされた位置決めを維持するように適合または構成されることができる。突起372は、マウスピース365のシェル366の内部を通るエアロゾル流を実質的に妨げないように、内面366bの円周の周りに不連続に離隔されている。例示されるように、突起は、シェルの第2の端部368よりもシェルの第1の端部に近くなるように、シェルの第1の端部367に近接して配置される。好ましくは、この実施形態では、突起は、シェル366の長手方向長さのほぼ中間点とシェルの第1の端部367との間に配置されることができる。
【0127】
ェル366の端壁369は、シェルの内部に内向きに突出し、中空細長ユニット205の第2の端部213の開口部と係合するような大きさおよび形状のマンドレル369b(または同様の機能を提供する他の要素)をさらに含む。したがって、マンドレル369bと突起372とは協働して、マウスピース365のシェル366内の香味送達装置290の位置決めを実質的に安定させることができる。マンドレル369bは、好ましくは、シェル366の端壁369上の実質的に中央に配置される。マウスピース365のシェル366は、例えば、シェル366の壁366aの内面366bがエアロゾル送達装置の外面との摩擦嵌合を確立するように、エアロゾル送達装置の吸口端の外面の周りを実質的に摺動するような大きさとすることができる。このように、非限定的な例として、マウスピース365は、エアロゾル送達装置または同様の装置に取り外し可能に接続されてもよい。
【0128】
エアロゾル送達装置または同様の装置と組み合わせるための香味送達マウスピース465の別の例示的な実施形態が図11に示されている。そこに見られるように、マウスピース465は、第1の端部467(または追加の装置にマウスピースを接続するように構成された接続端、例えば、図1に示すカートリッジ104の吸口端)と、第2の端部468(または吸口端)とを有するシェル466から形成されることができる。第1の端部(または接続端)467は、例えば、本明細書で別途言及されるような任意の好適な接続を介してエアロゾル送達装置に接続するように適合または構成されることができる。図示されるように、マウスピース465の第1の端部467は、フランジ475で広がる前に、一定の距離だけ第2の端部468に向かって延在する。したがって、フランジ475と第1の端部467との間の領域は、カートリッジの吸口端の開口部に挿入されるように適合または構成されたインサート476に形成されてもよい。したがって、非限定的な例として、マウスピース465は、エアロゾル送達装置または同様の装置に取り外し可能に接続されてもよい。
【0129】
マウスピース465に含まれる香味送達装置290は、ここでも、第1の端部211と第2の端部213との間に延在する実質的に連続した壁207から形成される中空細長ユニット205を含む。中空細長ユニット205は、香味液を貯蔵するための内部貯蔵容積を画定する。中空細長ユニット205の第1の端部211には、プラグユニット471が設けられ、中空細長ユニット205の第1の端部211と係合し、そこから香味液が漏れるのを実質的に防止するように適合または構成される。このように、マウスピース465の第1の端部467に入るエアロゾルは、プラグユニット471に衝突し、中空細長ユニット205の周りを通過するために外向きに広がる。次いで、エアロゾルは、マウスピース465を長手方向に通過し、中空細長ユニット205の実質的に連続した壁207の外面223を通り過ぎなければならず、そこで香味液の粒子または液滴がエアロゾルに取り込まれるようになる。マウスピース465のシェル466の第2の端部468は、香味液の粒子または液滴を取り込んだエアロゾルを通過させるための開口部469aを含む。
【0130】
マウスピース465のシェル466は、その内部構成要素を明らかにするように図12にさらに示されている。見られるように、シェル466は、内面466bおよび外面466cを有する壁466aから形成される。シェル466は、シェルの内部に内向きに突出し、中空細長ユニット205の第2の端部213の開口部と係合するような大きさおよび形状のマンドレル469b(または同様の機能を提供する他の要素)をさらに含む。マンドレル369bは、マンドレル469bを実質的に中心位置決めされた位置に維持し、中空細長ユニット205の実質的に連続した壁297の周りを通過するエアロゾルがシェルの第2の端部468の開口部469aを通ってシェル366から出ることを可能にするためにそれらの間に空隙も提供する複数のスペーサ479によってシェル466の内面466bに取り付けられる。
【0131】
香味送達装置に貯蔵された香味液は、通過する空気流(および/またはエアロゾルの流れ)に取り込まれやすくなるため、香味液の特定の含有量が、取り囲んでいる周囲空気中に自然に揮発する可能性がある。これは、香味送達装置内に存在する香味液の量がごくわずかであることを表し得るが、香味送達装置および/またはマウスピースに、香味液の損失を実質的に防止するように適合または構成された構成要素を提供することが望ましい場合がある。さらに具体的には、これにより、望ましくない場合に香気または臭気がマウスピース、または香味送達装置を含む別の装置から漏れるのを実質的に防止または低減することができる。同様に、これにより、香味送達装置の使用寿命を望ましくなく短縮する可能性がある、装置の不使用時の香味液の損失を実質的に防止または低減することができる。
【0132】
1つ以上の実施形態では、本開示によるマウスピース(265、365、465)は、揮発した香味液(またはそうでなければ香味送達装置からしみ出すか、そうでなければ漏れる可能性がある非揮発性液)がマウスピースから出るのを実質的に防止するように適合または構成された1つ以上の構成要素を含むことができる。例示的な一実施形態では、図11に見られるように、取り外し可能に交換可能なカバー480が設けられることができる。取り外し可能に交換可能なカバー480は、マウスピースシェル466の第2の端部468の少なくとも一部を覆うような大きさおよび寸法とすることができる少なくとも1つのキャップ481を含むことができる。他の実施形態では、キャップ481は、マウスピースシェル466の第2の端部468にある開口部469aに少なくとも部分的に挿入するように適合または構成されてもよい。したがって、キャップは、上記の機能的態様を提供することができ、装置が使用されていない場合にマウスピースシェル466の第2の端部468の汚染を実質的に防止する衛生的機能を提供してもよい。図示されるように、キャップ481の紛失を防止するのを助けるために、取り外し可能に交換可能なカバー480は、場合により、一端がキャップに接続され、対向端が、マウスピースシェル466のインサート476の周りを摺動するような大きさとすることができるループ483に接続されたステム482を含むことができる。ただし、キャップ481をマウスピース465のシェル466に取り付けるための他の構成も包含される。取り外し可能に交換可能なカバー480は、シリコーンまたは可撓性ポリマー材料から形成されてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、揮発した香味液がマウスピースから出るのを実質的に防止するために、1つ以上の弁が利用されてもよい。図13に示すように、マウスピース565は、第1の端部(または取付端)567および第2の端部(または吸口端)568を有するシェル566を含む。シェル566の内側では、マンドレル569bをシェルに取り付けるためにスペーサ579が利用され、本明細書に別様に記載される中空細長ユニット205がマンドレルに取り付けられる。マウスピース565は、閉位置に示されているが、空気がマウスピースを通ってシェル566の第1の端部567からシェルの第2の端部568まで流れる際に開くように適合または構成される弁585(例えば、一方向弁または逆止弁)を含む。弁568は、弁に含まれるか別個の要素とすることができるばねなどの適切な付勢機構によって閉位置に付勢されることができる。図13に示すように、マウスピース565は、エアロゾル送達装置の吸口端を覆うマウスピースの摩擦嵌合を提供するのを助けるために、シェル566の第1の端部567に近接して配置された1つ以上の突出部586を含むことができる。突出部は、マウスピースをエアロゾル送達装置の端部にあまりにも大きく押し込み、その結果、中空細長ユニット205が損傷し得るか、不十分な量の空気および/またはエアロゾルがエアロゾル送達装置の吸口端からマウスピースを通って流れることを実質的に防止するように適合または構成されることができる。
【0134】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の様々な構成要素を提供するキットを対象とすることができる。例えば、キットは、1つ以上のカートリッジを有する制御本体を備えることができる。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに備えることができる。キットは、1つ以上の電池を有する制御本体をさらに備えることができる。キットは、1つ以上のカートリッジおよび1つ以上の充電構成要素および/または1つ以上の電池を有する制御本体をさらに備えることができる。さらなる実施形態では、キットは、複数のカートリッジを備えることができる。キットは、複数のカートリッジおよび1つ以上の電池および/または1つ以上の充電構成要素をさらに備えることができる。キットは、追加のキット構成要素のうちの1つ以上を収容するケース(または他の梱包、運搬もしくは保管構成要素)をさらに含むことができる。ケースは、再使用可能なハードコンテナまたはソフトコンテナであってよい。さらに、ケースは、単なる箱または他の梱包構造体であってよい。なお、さらなる実施形態では、開示されるキットは、本明細書に記載のマウスピースおよび本明細書に記載の1つ以上の香味送達物品を備えることができる。さらに、キットは、エアロゾル送達装置とともに使い捨てに使用するために一緒に梱包された複数のマウスピースを備えることができる。なお、さらに、キットは、本明細書に記載の1つ以上のマウスピースおよび1つ以上の香味送達物品および/または1つ以上のカートリッジを含むことができる。
【0135】
装置の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な実装形態に適用されることができる。ただし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
【0136】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実装形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13