(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジンの燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F23R 3/60 20060101AFI20240826BHJP
F01D 25/28 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
F23R3/60
F01D25/28 D
(21)【出願番号】P 2021578127
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020040484
(87)【国際公開番号】W WO2021011195
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-23
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン、ステュアート クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】モーグル 2世、トーマス アラン
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-014127(JP,A)
【文献】特開平08-210642(JP,A)
【文献】米国特許第03990231(US,A)
【文献】特開2019-002674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/60
F01D 25/28
F02C 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(10)の燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリ(100)であって、前記軸方向保持アセンブリ(100)は、
燃焼器(14)の前方端部(27)と前記燃焼器(14)の後方端部(29)との間に延びる軸方向中心線(28)を画定する前記燃焼器(14)であって、前記燃焼器(14)は、前記軸方向中心線(28)から直交して外側に延びる半径方向(30)をさらに画定し、前記燃焼器(14)はライナ(38)およびケーシング(58)を含み、前記ケーシング(58)は、前記軸方向中心線(28)に沿って前記ライナ(38)から離間したフランジ(70)を含む、前記燃焼器(14)と、
前記フランジ(70)に取り外し可能に結合された第1の端部(114)と、前記ケーシング(58)から前記半径方向内側に位置する第2の端部(116)と、を有する取り付けプレート(106)と、
前記ライナ(38)に取り外し可能に結合されたクランプ(108)と、
前記軸方向中心線(28)に沿った前記ライナ(38)と前記ケーシング(58)との間の相対的な動きを低減するために、前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)および前記クランプ(108)に結合されたタイロッド(110)と
を備える、軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記タイロッド(110)が、前記半径方向(30)において前記ライナ(38)と前記ケーシング(58)との間に配置される、請求項1に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記タイロッド(110)が、前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)に調整可能に結合される、請求項1に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記取り付けプレート(106)の第1の側面(118)または第2の側面(120)の一方で前記タイロッド(110)と螺合する第1の締結具(128)と、
前記取り付けプレート(106)の前記第1の側面(118)または前記第2の側面(120)の他方で前記タイロッド(110)と螺合する第2の締結具(130)と、
をさらに備え、
前記タイロッド(110)に対する前記第1の締結具(128)および前記第2の締結具(130)の動きが、前記軸方向中心線(28)に沿って前記取り付けプレート(106)と前記クランプ(108)との間の距離を調整する、
請求項3に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)が、細長いスロット(144)を画定し、前記タイロッド(110)は、前記細長いスロット(144)を通って延びる、請求項1に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記クランプ(108)が、
第1の壁(138)と、前記第1の壁(138)から前記半径方向(30)に離間した第2の壁(140)と、を有するクランプフレーム(132)と、
前記第1の壁(138)と前記第2の壁(140)との間に配置されたクランププレート(134)と、
前記第1の壁(138)および前記クランププレート(134)に螺合するクランプロッド(136)と、
を備え、
前記第1の壁(138)に対する前記クランプロッド(136)の回転が、前記クランププレート(134)を前記第1の壁(138)と前記第2の壁(140)との間で前記半径方向(30)に移動させる、
請求項1に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記燃焼器(14)が、前記ケーシング(58)に結合されかつ前記ライナ(38)の周りに少なくとも部分的に円周方向(32)に配置されたスリーブ(50)をさらに備え、前記ライナ(38)および前記スリーブ(50)は、それらの間に流路(56)を画定し、
前記ライナ(38)は、前記ライナ(38)を通る開口部(72、126、148)と、前記ライナ(38)内の燃焼チャンバ(46)とを画定し、
前記クランプフレーム(132)の前記第1の壁(138)は、前記燃焼チャンバ(46)内に配置され、
前記クランプフレーム(132)の前記第2の壁(140)は、前記流路(56)内に配置され、
前記クランプロッド(136)は、前記ライナ(38)によって画定された前記開口部(72、126、148)を通って延在する、
請求項6に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記タイロッド(110)が、前記クランププレート(134)に結合される、請求項6に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記クランプフレーム(132)が、前記第1の壁(138)から前記第2の壁(140)まで前記半径方向(30)に延在する第3の壁(142)をさらに含み、前記第3の壁(142)は、前記タイロッド(110)が延在する細長いスロット(144)を画定する、請求項8に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項10】
前記クランプロッド(136)が、第1の部分(150)および第2の部分(152)を含み、前記第1の部分(150)は、第2の部分(152)とは異なる直径を有する、請求項6に記載の軸方向保持アセンブリ(100)。
【請求項11】
ガスタービンエンジン(10)が、
燃焼器(14)の前方端部(27)と前記燃焼器(14)の後方端部(29)との間に延びる軸方向中心線(28)を画定する前記燃焼器(14)であって、前記燃焼器(14)は、前記軸方向中心線(28)から直交して外側に延びる半径方向(30)をさらに画定し、前記燃焼器(14)は、
ライナ(38)を通る開口部(72、126、148)と、前記ライナ(38)内の燃焼チャンバ(46)とを画定する前記ライナ(38)と、
前記ライナ(38)の周りに少なくとも部分的に円周方向(32)に配置されたスリーブ(50)であって、前記スリーブ(50)および前記ライナ(38)は、それらの間に流路(56)を画定する、スリーブ(50)と、
前記スリーブ(50)に結合されたケーシング(58)であって、前記ケーシング(58)は、前記軸方向中心線(28)に沿って前記ライナ(38)から離間したフランジ(70)を含む、ケーシング(58)と、
を備える、前記燃焼器(14)と、
複数の軸方向保持ツール(102)であって、各軸方向保持ツール(102)は、
前記フランジ(70)に取り外し可能に結合された第1の端部(114)と、前記ケーシング(58)から前記半径方向内側に位置する第2の端部(116)と、を含む取り付けプレート(106)と、
前記ライナ(38)に取り外し可能に結合されたクランプ(108)と、
前記半径方向(30)において前記ライナ(38)と前記ケーシング(58)との間に配置されたタイロッド(110)であって、前記タイロッド(110)は、前記軸方向中心線(28)に沿った前記ライナ(38)と前記ケーシング(58)との間の相対的な動きを低減するために、前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)および前記クランプ(108)に結合されている、タイロッド(110)と、
を備える、複数の軸方向保持ツール(102)と
を備える、ガスタービンエンジン(10)。
【請求項12】
前記複数の軸方向保持ツール(102)の各々が、前記燃焼器(14)の周りで互いに円周方向(32)に離間している、請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項13】
前記タイロッド(110)が、前記半径方向(30)において前記ライナ(38)と前記ケーシング(58)との間に配置される、請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項14】
前記タイロッド(110)が、前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)に調整可能に結合される、請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項15】
各軸方向保持ツール(102)が、
前記取り付けプレート(106)の第1の側面(118)または第2の側面(120)の一方で前記タイロッド(110)と螺合する第1の締結具(128)と、
前記取り付けプレート(106)の前記第1の側面(118)または前記第2の側面(120)の他方で前記タイロッド(110)と螺合する第2の締結具(130)と、
をさらに備え、
前記タイロッド(110)に対する前記第1の締結具(128)および前記第2の締結具(130)の動きが、前記軸方向中心線(28)に沿って前記取り付けプレート(106)と前記クランプ(108)との間の距離を調整する、
請求項14に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項16】
前記取り付けプレート(106)の前記第2の端部(116)が、細長いスロット(144)を画定し、前記タイロッド(110)は、前記細長いスロット(144)を通って延びる、請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項17】
各クランプ(108)が、
第1の壁(138)と、前記第1の壁(138)から前記半径方向(30)に離間した第2の壁(140)と、を有するクランプフレーム(132)と、
前記第1の壁(138)と前記第2の壁(140)との間に配置されたクランププレート(134)と、
前記第1の壁(138)および前記クランププレート(134)に螺合するクランプロッド(136)と、
を備え、
前記第1の壁(138)に対する前記クランプロッド(136)の回転が、前記クランププレート(134)を前記第1の壁(138)と前記第2の壁(140)との間で前記半径方向(30)に移動させる、
請求項11に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項18】
前記クランプフレーム(132)の前記第1の壁(138)が、前記燃焼チャンバ(46)内に配置され、
前記クランプフレーム(132)の前記第2の壁(140)が、前記流路(56)内に配置され、
前記クランプロッド(136)は、前記ライナ(38)によって画定された前記開口部(72、126、148)を通って延在する、
請求項17に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項19】
前記タイロッド(110)が、前記クランププレート(134)に結合される、請求項17に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項20】
前記クランプフレーム(132)が、前記第1の壁(138)から前記第2の壁(140)まで前記半径方向(30)に延在する第3の壁(142)をさらに含み、前記第3の壁(142)は、前記タイロッド(110)が延在する細長いスロット(144)を画定する、請求項19に記載のガスタービンエンジン(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してガスタービンエンジンに関する。より詳細には、本開示は、ガスタービンエンジンの燃焼器構成要素の軸方向の動きを低減または防止するための軸方向保持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機と、1つまたは複数の燃焼器と、タービンと、排気セクションとを含む。圧縮機は、ガスタービンエンジンに入る作動流体(例えば、空気)の圧力を徐々に高め、この圧縮された作動流体を燃焼器(複数可)に供給する。圧縮された作動流体および燃料(例えば、天然ガス)は、燃焼器(複数可)内で混合および燃焼して燃焼ガスを生成する。次いで、燃焼ガスは、各燃焼器からタービンに流れ、そこで膨張して仕事を発生させる。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、発電機に接続されたロータシャフトを回転させて、電気を発生させることができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
各燃焼器は、典型的には、ライナ、スリーブ、および燃焼器ケーシングを含む。より具体的には、ライナは、圧縮された作動流体と燃料との混合物が燃焼する燃焼チャンバを画定する。スリーブは、ライナを少なくとも部分的に円周方向に囲む。この点において、スリーブおよびライナは、圧縮空気が燃焼チャンバに入る前に流れることができる流路を画定する。さらに、燃焼器ケーシングは、スリーブに結合され、燃焼チャンバの上流に配置されたチャンバを画定する。1つまたは複数の燃料ノズルは、燃焼器ケーシングによって画定されたチャンバ内に配置され、各燃料ノズルは、燃料を燃焼チャンバに供給する。
【0004】
ガスタービンエンジンを製造するとき、燃焼器の様々な構成要素は、一般に、燃焼器がエンジンに設置される前に予め組み立てられるか、そうでなければ緩く結合される。したがって、予め組み立てられた燃焼器は、一般に、工場内でガスタービンエンジンの最終組み立て位置に輸送されなければならない。しかしながら、予め組み立てられた燃焼器のライナおよびケーシングは、典型的には、燃焼器の軸方向中心線に沿ったそのような構成要素の動きを防止または最小化するように互いに結合されない。このように、燃焼器の燃料ラインは輸送中に損傷する可能性があり、それによって高価で時間のかかる修理を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本技術の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されるか、または説明から明らかであり得るか、または本技術の実施を通じて学ぶことができる。
【0007】
一態様では、本開示は、ガスタービンエンジンの燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリに関する。軸方向保持アセンブリは、燃焼器の前方端部と燃焼器の後方端部との間に延びる軸方向中心線を画定する燃焼器を含むことができる。燃焼器は、軸方向中心線から直交して外側に延びる半径方向をさらに画定することができる。燃焼器は、ライナおよびケーシングを含むことができ、ケーシングは、軸方向中心線に沿ってライナから離間したフランジを含む。さらに、軸方向保持アセンブリは、フランジに取り外し可能に結合された第1の端部と、ケーシングから半径方向内側に配置された第2の端部とを有する取り付けプレートを含むことができる。さらに、軸方向保持アセンブリは、ライナに取り外し可能に結合されたクランプを含むことができる。さらに、軸方向保持アセンブリは、軸方向中心線に沿ったライナとケーシングとの間の相対的な動きを低減するために、取り付けプレートの第2の端部およびクランプに結合されたタイロッドを含むことができる。
【0008】
別の態様では、本開示は、ガスタービンエンジンに関する。ガスタービンエンジンは、燃焼器の前方端部と燃焼器の後方端部との間に延びる軸方向中心線を画定する燃焼器を含むことができる。燃焼器は、軸方向中心線から直交して外側に延びる半径方向をさらに画定することができる。燃焼器は、ライナを通る開口部と、ライナ内の燃焼チャンバとを画定するライナを含むことができる。さらに、燃焼器は、ライナの周りに少なくとも部分的に円周方向に配置されたスリーブを含むことができ、スリーブとライナとは、それらの間に流路を画定する。さらに、燃焼器は、スリーブに結合されたケーシングを含むことができ、ケーシングは、軸方向中心線に沿ってライナから離間したフランジを含む。ガスタービンエンジンはまた、複数の軸方向保持ツールを含むことができる。各軸方向保持ツールは、フランジに取り外し可能に結合された第1の端部と、ケーシングから半径方向内側に配置された第2の端部とを含む取り付けプレートを含むことができる。各軸方向保持ツールはまた、ライナに取り外し可能に結合されたクランプを含むことができる。さらに、各軸方向保持ツールは、半径方向においてライナとケーシングとの間に配置されたタイロッドを含むことができる。したがって、タイロッドは、軸方向中心線に沿ったライナとケーシングとの間の相対的な動きを低減するために、取り付けプレートの第2の端部およびクランプに結合され得る。
【0009】
本技術のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
様々な実施形態を実施する最良の形態を含む、本技術の完全かつ可能な開示が、添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の態様によるガスタービンエンジンの一実施形態の概略図である。
【
図2】本開示の態様によるガスタービンエンジンの燃焼器の断面側面図である。
【
図3】本開示の態様によるガスタービンエンジンの燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリの一実施形態の上面図であり、特に、燃焼器のライナと燃焼器のケーシングとを結合する複数の軸方向保持ツールを示す。
【
図4】概ね線4-4に沿って取られた
図3に示す軸方向保持ツールの1つの断面図である。
【
図5】
図4に示す軸方向保持ツールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および図面における符号の反復使用は、本技術の同じまたは類似の特徴もしくは要素を表すことを意図している。
【0013】
以下で、本技術の実施形態を詳しく参照するが、その1つまたは複数の例が、添付の図面に示されている。詳細な説明では、図面中の特徴を参照するために数字および文字による符号を用いる。図面および説明の同様のまたは類似の符号は、本技術の同様のまたは類似の部品を参照するために使用されている。本明細書において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、1つの構成要素と別の構成要素とを区別するために交換可能に用いることができ、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図しない。「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向を指し、「下流」は流体が流れていく方向を指す。
【0014】
各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際、本技術の範囲または趣旨を逸脱せずに、修正および変更が本発明において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴を別の実施形態で使用し、さらに別の実施形態を得ることができる。したがって、本技術は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるような修正および変更を包含することが意図されている。
【0015】
一般に、本開示は、ガスタービンエンジンの燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリに関する。具体的には、いくつかの実施形態では、軸方向保持アセンブリは、(例えば、ガスタービンエンジンに燃焼器を設置するときに)燃焼器の輸送および取り扱い中の燃焼器のライナと燃焼器ケーシングとの間の軸方向の動きを低減または防止するための1つまたは複数の軸方向保持ツールを含むことができる。この点において、各軸方向保持ツールは、燃焼器ケーシングのフランジに取り外し可能に結合された第1の端部を有する取り付けプレートを含むことができる。各取り付けプレートはまた、燃焼器ケーシングから半径方向内側に配置された第2の端部を含むことができる。さらに、各軸方向保持ツールは、ライナに取り外し可能に結合されたクランプを含むことができる。例えば、一実施形態では、クランプ(複数可)は、ライナと、ライナを少なくとも部分的に囲み、かつ燃焼器ケーシングに結合されたスリーブとの間の半径方向の動きを低減または防止することができる。さらに、各軸方向保持ツールは、対応する取り付けプレートの第2の端部および対応するクランプに結合されたタイロッドを含むことができる。したがって、軸方向保持ツール(複数可)は、燃焼器の軸方向中心線に沿ったライナと燃焼器ケーシングとの間の相対的な動きを低減または防止することができる。したがって、軸方向保持アセンブリは、燃焼器の燃料ラインおよび/または他の構成要素に損傷を与えることなく、燃焼器の輸送および取り扱いを可能にする。
【0016】
産業用または陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本明細書に示されて説明される本技術は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の技術は、これらに限られるわけではないが、航空ガスタービン(例えば、ターボファンなど)、および海洋ガスタービンなど、任意の種類のターボ機械において使用され得る。
【0017】
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示の態様によるガスタービンエンジン10の一実施形態の概略図を示している。図示するように、ガスタービンエンジン10は、一般に、圧縮機12と、圧縮機12の下流に配置された1つまたは複数の燃焼器14と、燃焼器(複数可)14の下流に配置されたタービン16とを含むことができる。さらに、ガスタービンエンジン10は、圧縮機12とタービン16とを結合する1つまたは複数のシャフト18を含むことができる。
【0018】
ガスタービンエンジン10の動作中、空気などの作動流体(例えば、矢印20によって示される)が圧縮機12に流入することができる。次に、圧縮機12は、作動流体20を徐々に圧縮して、加圧作動流体(例えば、矢印22によって示される)を燃焼器(複数可)14に供給することができる。加圧された作動流体22は、燃料(例えば、矢印24によって示される)と混合し、燃焼器(複数可)14内で燃焼して燃焼ガス(例えば、矢印26によって示される)を生成することができる。燃焼ガス26は燃焼器(複数可)14からタービン16に流れ、そこでロータブレード(図示せず)が燃焼ガス26から運動エネルギーおよび/または熱エネルギーを抽出する。このエネルギー抽出により、シャフト(複数可)18が回転することができる。シャフト18の機械的回転エネルギーは、圧縮機12に動力を供給するため、および/または発電するために使用され得る。その後、燃焼ガス26は、ガスタービンエンジン10から排出され得る。
【0019】
図2は、本開示の態様によるガスタービンエンジンの燃焼器14の一実施形態を示している。図示するように、燃焼器14は、燃焼器14の前方端部27および燃焼器14の後方端部29から延びる軸方向中心線28を画定することができる。さらに、燃焼器14は、軸方向中心線28から直交して外側に延びる半径方向30を画定することができる。さらに、燃焼器14は、軸方向中心線28の周りに円周方向に延びる円周方向32を画定することができる。
【0020】
図示するように、燃焼器14は、ガスタービンエンジン10の圧縮機吐出ケーシング34内に設置されてもよく、そうでなければ少なくとも部分的に収容されてもよい。圧縮機吐出ケーシング34は、燃焼器14の様々な構成要素を少なくとも部分的に取り囲む圧力プレナム36を少なくとも部分的に画定することができる。さらに、圧力プレナム36は、圧縮機12(
図1)に流体結合されてもよい。したがって、圧力プレナム36は、そこから圧縮された作動流体22を受け取り、受け取った圧縮された作動流体22を燃焼器14に供給することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、燃焼器14は、燃焼ライナまたはダクト38を含むことができる。より具体的には、ライナ38は、ライナ38の前方端部40からライナ38の後方端部42まで燃焼器14の軸方向中心線28に沿って延在することができる。次いで、後方端部42は、タービン16の入口44に隣接して配置され得る。一実施形態では、前方端部40は、ほぼ円筒形の断面を有することができ、後方端部42は、ほぼ長方形の断面を有することができる。さらに、図示するように、ライナ38は、加圧された作動流体22と燃料24(
図1)との混合物が燃焼して燃焼ガス26(
図1)を形成する燃焼チャンバまたはゾーン46を少なくとも部分的に画定することができる。さらに、ライナ38はまた、燃焼ガス26をタービン入口44に向けて導くために、燃焼器14を通る高温ガス経路48を少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、ライナ38は、単一の構成要素(ユニボディとして知られている)として形成されてもよい。しかしながら、代替的な実施形態では、ライナ38は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0022】
さらに、燃焼器14は、燃焼器14の軸方向中心線28に沿ってスリーブ50の前方端部52からスリーブ50の後方端部54まで延在する外側スリーブ50を含むことができる。図示するように、いくつかの実施形態では、スリーブ50は、ライナ38を部分的に円周方向に囲むことができる。さらに、スリーブ50は、ライナ38から半径方向30に離間して、それらの間に流路56を画定することができる。この点において、スリーブ50は、圧力プレナム36と流路56とを流体結合する複数の開口部(図示せず)を画定することができる。したがって、圧縮された作動流体22は、最終的に燃焼チャンバ46に送達するために、圧力プレナム36から流路56を通って流れることができる。一般に、スリーブ50は、(例えば、ライナ38とスリーブ50との間の温度勾配に起因して)軸方向中心線28に沿った相対的な動きを可能にするために、ライナ38に対して拘束されていないか、ライナ38から切り離されていてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ50は、単一の構成要素(ユニボディとして知られている)として形成されてもよい。しかしながら、代替的な実施形態では、スリーブ50は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0023】
さらに、燃焼器14は、スリーブ50の前方端部52に結合された燃焼器ケーシング58を含むことができる。具体的には、いくつかの実施形態では、燃焼器ケーシング58は、燃焼器14の軸方向中心線28に沿って、燃焼器ケーシング58の前方端部60から燃焼器ケーシング58の後方端部62まで延在することができる。さらに、図示するように、燃焼器ケーシング58は、燃焼器14のヘッドエンド容積部64を内部に画定することができる。ヘッドエンド容積部64は、軸方向中心線28に沿って燃焼チャンバ46の上流に配置され得る。この点において、燃料24を燃焼チャンバ46に供給するために、1つまたは複数の燃料ノズル66をヘッドエンド容積部64内に配置することができる。さらに、エンドカバー68は、燃焼器ケーシング58の前方端部60に結合されてもよい。例えば、一実施形態では、エンドカバー68は、(例えば、ボルトまたは他の適切な締結具を介して)燃焼器ケーシング58の取り付けフランジ70に結合され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、燃焼器ケーシング58は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0024】
上述した、
図1および
図2に示すガスタービンエンジン10の構成は、本主題を例示的な使用分野において配置するためにのみ提供される。したがって、本主題は、ガスタービンエンジン構成の任意の方法に容易に適合可能であり得ることを理解されたい。
【0025】
ここで
図3を参照すると、本開示の態様によるガスタービンエンジンの燃焼器構成要素のための軸方向保持アセンブリ100の一実施形態の概略図が示されている。一般に、軸方向保持アセンブリ100は、
図1および
図2を参照して上述したガスタービンエンジン10を参照して本明細書で説明される。しかしながら、開示されたシステム100は、一般に、任意の他の適切なエンジン構成を有するガスタービンエンジンと共に使用され得る。
【0026】
図示のように、燃焼器ケーシング58の取り付けフランジ70は、複数の取り付け開口部72を画定することができる。一般に、各取り付け開口部72は、エンドカバー68(
図2)を燃焼器ケーシング58の前方端部60に結合するための適切な締結具(例えば、ボルト)を受け入れることができる。
図3に示す実施形態では、取り付けフランジ70は、12個の取り付け開口部72を画定する。さらに、取り付けフランジ70は、円周方向32に沿って互いに離間していてもよい(例えば、30度ごと)。しかしながら、代替的な実施形態では、取り付けフランジ70は、任意の他の適切な数の取り付け開口部72を画定することができる。さらに、取り付け開口部72は、任意の他の適切な方法で取り付けフランジ70に配置され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、1つまたは複数の軸方向保持ツール102を含むことができる。一般に、燃焼器14がガスタービンエンジン10の圧縮機吐出ケーシング34(
図2)に設置される場合、エンドカバー68および燃料ノズル66(
図2)は、燃焼器14内に設置されないか、またはそうでなければ存在しない可能性がある。この点において、軸方向保持ツール(複数可)102は、燃焼器14のヘッドエンド容積部64、燃焼チャンバ46、および流路56内に配置され得る。具体的には、以下でより詳細に説明するように、各軸方向保持ツール102は、燃焼器ケーシング58の取り付けフランジ70およびライナ38の前方端部40に結合され得、その結果、そのような燃焼器14の設置および関連する輸送/取り扱い中に、ツール(複数可)102が軸方向中心線28に沿ってスリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の相対的な動きを集合的に低減または防止する。例えば、図示の実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、2つの軸方向保持ツール102を含み、そのようなツール102は、円周方向32に互いに180度離間している。しかしながら、代替的な実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、任意の他の適切な数の軸方向保持ツール102を含むことができる。例えば、代替的な一実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、4つの軸方向保持ツール102を含むことができ、そのようなツール102は、円周方向32に互いに90度離間している。
【0028】
さらに、いくつかの実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、1つまたは複数のクランプ104を含むことができる。一般に、各クランプ104は、ライナ38の前方端部40とスリーブ50の前方端部52との間に結合されて、燃焼器14の設置、輸送、および取り扱い中のスリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の半径方向30の動きを低減または防止することができる。したがって、一実施形態では、クランプ(複数可)104は、ライナ38を半径方向内側に、スリーブ50を半径方向外側に押すことによって、そのような半径方向の動きを低減/防止するウェッジクランプであってもよい。さらに、図示の実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、2つのクランプ104を含み、そのようなクランプ104は、互いに180度離間し、軸方向保持ツール102から90度離間している。しかしながら、代替的な実施形態では、軸方向保持アセンブリ100は、任意の他の適切な数のクランプ104(ゼロクランプ104を含む)を含むことができ、および/またはクランプ104は、任意の他の適切な構成または位置決めを有することができる。さらに、以下でより詳細に説明するように、各軸方向保持ツール102は、ライナ38とスリーブ50との間に結合されたクランプを含むことができ、スリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の相対的な半径方向の動きをさらに防止することができる。
【0029】
図4および
図5は、本開示の態様による軸方向保持ツール102の一実施形態の異なる図を示している。具体的には、
図4は、燃焼器14内に設置され、
図3の線4-4の周りに全体的に取られた軸方向保持ツール102の断面図を示している。さらに、
図5は、燃焼器14から取り外された軸方向保持ツール102の斜視図を示している。
【0030】
いくつかの実施形態では、軸方向保持ツール102は、一般に、取り付けプレート106、クランプ108、およびタイロッド110を含むことができる。より具体的には、軸方向保持ツール102が燃焼器14内に設置されると、取り付けプレート106は、燃焼器ケーシング58に取り外し可能に結合され得る。さらに、クランプ108は、ライナ38の前方端部40に取り外し可能に結合され得る。この点において、タイロッド110は、取り付けプレート106とクランプ108とに結合され、それらの間に延びることができる。したがって、タイロッド110は、取り付けプレート106とクランプ108との間の選択された距離(例えば、矢印112によって示される)を維持して、軸方向中心線28に沿ったスリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の相対的な動きを低減または防止することができる。
【0031】
図示のように、取り付けプレート106は、半径方向30の第1の端部114と第2の端部116との間、および軸方向中心線28に沿って第1の側面118と第2の側面120との間に延在してもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、取り付けプレート106の第1の端部114は、燃焼器ケーシング58のフランジ70に取り外し可能に結合され得る。この点において、第1の端部114は、フランジ70によって画定された取り付け開口部72のうちの1つと少なくとも部分的に半径方向および円周方向に整列した開口部122を画定することができる。したがって、図示のボルトなどの締結具124を開口部72,122内に部分的に受け入れて、取り付けプレート106を燃焼器ケーシング58に取り外し可能に結合することができる。さらに、取り付けプレート106の第2の端部116を、燃焼器ケーシング58の半径方向内側に(すなわち、燃焼器14の軸方向中心線28により近くに)配置することができる。さらに、一実施形態では、第1の端部114によって画定される開口部122は、細長いスロットに対応することができる。そのような実施形態では、細長いスロットは、燃焼器ケーシング58に対する取り付けプレート106の第2の端部116の半径方向位置の調整を可能にすることができ、それによって軸方向保持ツール102を異なる燃焼器構成に設置することを可能にする。
【0032】
さらに、取り付けプレート106の第2の端部116は、タイロッド110に結合されてもよい。この点において、第2の端部116は、タイロッド110を受け入れる開口部126を画定してもよい。例えば、一実施形態では、開口部126は、細長いスロットに対応することができる。そのような実施形態では、細長いスロットは、取り付けプレート106の第2の端部116に対するタイロッド110の半径方向位置の調整を可能にし、それによって軸方向保持ツール102を異なる燃焼器構成に設置することを可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、タイロッド110はねじ式であってもよい。そのような実施形態では、1つまたは複数の適切な締結具128,130がタイロッド110を取り付けプレート106に結合し、それによって取り付けプレート106とクランプ108との間の距離112を設定することができる。一実施形態では、距離112は、異なる燃焼器構成に対応するように調整可能であってもよい。例えば、そのような実施形態では、第1の締結具128は、(例えば、取り付けプレート106の第1の側面118に隣接して)取り付けプレート106の一方の側でタイロッド110と螺合してもよい。さらに、第2の締結具130は、(例えば、取り付けプレート106の第2の側面120に隣接して)取り付けプレート106の他方の側でタイロッド110と螺合してもよい。したがって、締結具128,130を回転させて、軸方向中心線28に沿って取り付けプレート106に対してタイロッド110を移動させることができ、それによって距離112の調整を可能にする。しかしながら、代替的な実施形態では、取り付けプレート106は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0033】
上述のように、軸方向保持ツール102は、ライナ38の前方端部40に結合されたクランプ108を含むことができる。一般に、クランプ108は、スリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の相対的な半径方向の動きを低減または防止することができる。したがって、いくつかの実施形態では、クランプ108は、ライナ38を半径方向内側に、スリーブ50を半径方向外側に押すことによって、そのような半径方向の動きを低減/防止することができる。すなわち、クランプ108は、ウェッジクランプであってもよい。より具体的には、クランプ108は、クランプフレーム132、クランププレート134、およびクランプロッド136を含むことができる。この点において、クランプロッド136は、クランプフレーム132をスリーブ50に接触させ、クランププレート134をライナ38に接触させることができる。したがって、クランプフレーム132は、スリーブ50に半径方向外向きの力(すなわち、軸方向中心線28から離れる方向に向けられた力)を加えることができ、クランププレート134は、ライナ38に半径方向内向きの力(すなわち、軸方向中心線28に向かう力)を加えることができる。そのような対向する力は、スリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間の相対的な半径方向の動きを低減または防止することができる。さらに、そのような対向する力はまた、クランプ108をライナ38の前方端部40に結合するのを助けることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、クランプフレーム132は、第1の壁138、第2の壁140、および第3の壁142を含むことができる。より具体的には、第1および第2の壁138,140は、一般に、ライナ/スリーブ/燃焼器ケーシング38/50/58に平行に向けられてもよい。第3の壁142は、第1の壁138から第2の壁140まで半径方向30に延びてもよい。したがって、一実施形態では、クランプフレーム132は、一般にU字形状を有することができる。さらに、第1の壁138は、燃焼器14の燃焼チャンバ46内に配置されてもよく、第2の壁140は、燃焼器14の流路56内に配置されてもよい。この点において、第3の壁142は、燃焼器14のヘッドエンド容積部64内に配置されてもよい。さらに、第3の壁142は、ライナ38の最前面または縁部上に配置され、かつ/またはこれと接触してもよい。しかしながら、代替的な実施形態では、クランプフレーム132は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、上述のように、クランプ108はクランププレート134を含むことができる。より具体的には、クランププレート134は、クランプフレーム132の第1の壁138と第2の壁140との間に配置されてもよい。この点において、クランププレート134は、クランプフレーム132の第1の壁138と第2の壁140との間で半径方向30に移動可能であってもよい。以下でより詳細に説明するように、クランププレート134は、クランプロッド136の回転がクランププレート134を第1の壁138と第2の壁140との間で移動させるように、クランプロッド136と螺合してもよい。さらに、クランププレート134は、ライナ38に半径方向内向きの力を加えるのに適したブロックまたはプレートに対応することができる。しかしながら、代替的な実施形態では、クランププレート134は、任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0036】
さらに、いくつかの実施形態では、クランププレート134は、タイロッド110がスリーブ/燃焼器ケーシング50/58とライナ38との間に半径方向30に配置されるように、タイロッド110に結合されてもよい。具体的には、一実施形態では、クランプフレーム132の第3の壁142は、そこを通って延びる細長いスロット144を画定してもよい。したがって、タイロッド110は、クランププレート134に結合するために、取り付けプレート106から細長いスロット144を通って延びることができる。この点において、細長いスロット144は、クランププレート134がタイロッド110に結合されたときに、クランププレート134がクランプフレーム132の第1の壁138と第2の壁140との間で半径方向30に移動することを可能にすることができる。さらに、一実施形態では、グロメット146がクランプフレーム132の第3の壁142と接触するように、グロメット146をクランプフレーム132と取り付けプレート106との間に配置することができる。しかしながら、代替的な実施形態では、タイロッド110は、クランプ108の任意の他の適切な構成要素または部分に結合されてもよい。
【0037】
上述のように、クランプロッド136は、一般に、クランプフレーム132をスリーブ50に接触させ、クランププレート134をライナ38に接触させることができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、クランプロッド136は、クランプフレーム132の第1の壁138を通って延び、これに螺合してもよい。さらに、クランプロッド136はまた、ライナ38の前方端部40およびクランププレート134によって画定された開口部148を通って延びることができる。この点において、クランプフレーム132に対するクランプロッド136の回転は、クランプロッド136をクランプフレーム132に対して半径方向30に並進またはその他の方法で移動させることができる。クランプロッド136の半径方向の動きは、クランプフレーム132の第1の壁138と第2の壁140との間でクランププレート134を半径方向30に移動させることができる。さらに、一実施形態では、ねじ式ロッド136は、クランプフレーム132の第1の壁138と第2の壁140との間に配置された第1の部分150と、第1の壁138を通って延びる第2の部分152とを含んでもよい。そのような実施形態では、クランプロッド136がクランプフレーム132の第1の壁138から外れるのを防止するために、第1の部分150は第2の部分152よりも大きい直径を有してもよい。さらに、一実施形態では、クランプロッド136の容易な回転を可能にするために、ハンドル154をねじ式ロッド136の半径方向内側端部に結合することができる。
【0038】
一般に、軸方向保持ツール102は、燃焼器14内に設置されて、軸方向中心線28に沿っておよび/または半径方向30に、ライナ38とスリーブ/燃焼ケーシング50/58との間の相対的な動きを低減または防止することができる。より具体的には、取り付けプレート106の第1の端部114は、(例えば、締結具(複数可)124を介して)燃焼器ケーシング58のフランジ70に取り外し可能に結合され得る。そのような結合の後、取り付けプレート106の第2の端部116、クランプ108、およびタイロッド110は、燃焼器ケーシング58から半径方向内側に配置されてもよい。第1および第2の締結具128,130は、取り付けプレート106とクランプ108との間の距離112を調整するためにタイロッド110に対して回転されてもよい。そのような距離112は、クランプロッド136を軸方向中心線28に沿ってライナ38によって画定された開口部148と位置合わせするように調整され得る。その後、クランプロッド136をクランプフレーム132に対して回転させることにより、クランプロッド136は開口部148を通って延び、クランププレート134に係合することができる。クランプロッド136の継続的な回転は、クランプフレーム132の第2の壁140をスリーブ50と接触させ、クランププレート134をライナ38と接触させることができる。このような接触により、第2の壁140がスリーブ50に半径方向外向きの力を及ぼし、クランププレート134がライナ38に半径方向内向きの力を及ぼすことができる。しかしながら、代替的な実施形態では、軸方向保持ツール102は、任意の他の適切な方法で燃焼器14内に設置されてもよい。例えば、クランプ108は、取り付けプレート106が燃焼器ケーシング58に取り外し可能に結合される前に、ライナ38とスリーブ50との間に結合されてもよい。
【0039】
上述のように、軸方向保持アセンブリ100は、複数の軸方向保持ツール102を含むことができる。そのような実施形態では、各軸方向保持ツール102は、上述したのと同じ方法であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、軸方向保持アセンブリ100はまた、1つまたは複数のクランプ104を含むことができる。いくつかの実施形態では、クランプ104は、軸方向保持ツール(複数可)102のクランプ(複数可)108と同じまたは同様に構成され得る。このような実施形態では、クランプ104は、クランプ(複数可)108と同じ方法でライナ38とスリーブ50との間に設置され得る。
【0040】
本明細書は、最良の形態を含め、本技術を開示するために、また、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含め、当業者が本技術を実施することができるように、例を使用している。本技術の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、あるいは特許請求の範囲の文言との実質的な相違がない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0041】
10 ガスタービンエンジン
12 圧縮機
14 燃焼器
16 タービン
18 シャフト
20 作動流体、矢印
22 加圧された作動流体、圧縮された作動流体、矢印
24 燃料、矢印
26 燃焼ガス、矢印
27 前方端部
28 軸方向中心線
29 後方端部
30 半径方向
32 円周方向
34 圧縮機吐出ケーシング
36 圧力プレナム
38 ライナ、ダクト
40 前方端部
42 後方端部
44 タービン入口
46 燃焼チャンバ、ゾーン
48 高温ガス経路
50 外側スリーブ
52 前方端部
54 後方端部
56 流路
58 燃焼器ケーシング
60 前方端部
62 後方端部
64 ヘッドエンド容積部
66 燃料ノズル
68 エンドカバー
70 取り付けフランジ
72 取り付け開口部
100 軸方向保持アセンブリ、システム
102 軸方向保持ツール
104 クランプ、ゼロクランプ
106 取り付けプレート
108 クランプ
110 タイロッド
112 距離、矢印
114 第1の端部
116 第2の端部
118 第1の側面
120 第2の側面
122 開口部
124 締結具
126 開口部
128 第1の締結具
130 第2の締結具
132 クランプフレーム
134 クランププレート
136 クランプロッド、ねじ式ロッド
138 第1の壁
140 第2の壁
142 第3の壁
144 細長いスロット
146 グロメット
148 開口部
150 第1の部分
152 第2の部分
154 ハンドル