(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ペメトレキセド製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20240826BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240826BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240826BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240826BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240826BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/02
A61K9/08
A61P35/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169793
(22)【出願日】2022-10-24
(62)【分割の表示】P 2020168373の分割
【原出願日】2016-02-19
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518293479
【氏名又は名称】イーグル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フェン-ジン チェン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エル. クリル
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0111905(US,A1)
【文献】国際公開第2013/179310(WO,A1)
【文献】特開2015-127300(JP,A)
【文献】特表2013-540104(JP,A)
【文献】国際公開第2015/193517(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第2666463(EP,A1)
【文献】国際公開第2015/102315(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
47/00-47/69
9/00-9/72
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20mg/mL~30mg/mLのペメトレキセド二酸;
200mg/mL~300mg/mLのプロピレングリコール;
12mg/mL~24mg/mLのトロメタミン;
必要に応じて、HCl;および
水
からなる液体医薬組成物であって、該組成物のpHが約7.4~7.6であり、該組成物が、複数回用量投与に適しており、約20v/v%のヘッドスペース酸素含量を持つ容器において2℃~8℃の温度で約14か月にわたり貯蔵した場合、該組成物が安定なままであり、その結果、該組成物が、該貯蔵後、3%w/w以下の全不純物を含む、液体医薬組成物。
【請求項2】
前記組成物が、
25mg/mLの前記ペメトレキセド二酸;
250mg/mL~300mg/mLの前記プロピレングリコール;
17mg/mL~21mg/mLの前記トロメタミン;
必要に応じて、HCl;および
水
からなり、前記組成物のpHが約7.4~7.6である、請求項1に記載の液体医薬該組成物。
【請求項3】
前記組成物が、
25mg/mLの前記ペメトレキセド二酸;
250mg/mL~300mg/mLの前記プロピレングリコール;
18mg/mL~20mg/mLの前記トロメタミン;
必要に応じて、HCl;および
水
からなり、前記組成物のpHが約7.4~7.6である、請求項1に記載の液体医薬該組成物。
【請求項4】
20mg/mL~30mg/mLのペメトレキセド二酸;
200mg/mL~300mg/mLのプロピレングリコール;
12mg/mL~24mg/mLのトロメタミン;
必要に応じて、HCl;および
水
からなる液体医薬組成物を含有するバイアルであって、該組成物のpHが約7.4~7.6であり、約20v/v%のヘッドスペース酸素含量を持つ容器において2℃~8℃の温度で約14か月にわたり貯蔵した場合、該組成物が安定なままであり、その結果、該組成物が、該貯蔵後、3%w/w以下の全不純物を含む、
バイアル。
【請求項5】
前記バイアルが、
25mg/mLの前記ペメトレキセド二酸;
250mg/mL~300mg/mLの前記プロピレングリコール;および
17mg/mL~21mg/mLの前記トロメタミン
を含有する、請求項4に記載のバイアル。
【請求項6】
前記バイアルが、
25mg/mLの前記ペメトレキセド二酸;
250mg/mL~300mg/mLの前記プロピレングリコール;および
18mg/mL~20mg/mLの前記トロメタミン
を含有する、請求項4に記載のバイアル。
【請求項7】
前記バイアルが、複数回用量バイアルである、請求項4に記載のバイアル。
【請求項8】
前記バイアルが、複数回用量バイアルである、請求項5に記載のバイアル。
【請求項9】
前記バイアルが、複数回用量バイアルである、請求項6に記載のバイアル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
抗葉酸活性を呈する化合物は、化学療法剤として周知の役割を有する。1つのそのような化合物は、ペメトレキセドであり、これは、化学名N-[4-[2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチル]ベンゾイル]-L-グルタミン酸および式(1):
【化1】
の構造を有する。
【0002】
ペメトレキセドは、胸膜中皮腫および非小細胞肺がんの治療において使用される。Eli Lillyのペメトレキセド製品であるALIMTAは、現在、注射用の凍結乾燥したペメトレキセド二ナトリウムの100mgおよび500mgバイアルで供給されている。処方情報によれば、注入用のALIMTAを調製するために、バイアルを十分な0.9%塩化ナトリウム注射液(保存剤フリー)中で再構成して、25mg/mLのALIMTAを含有する溶液を得る。次いで、この濃溶液を、0.9%塩化ナトリウム注射液(保存剤フリー)の溶液にさらに希釈する。処方情報は、再構成およびさらなる希釈が、0.9%塩化ナトリウム注射液(保存剤フリー)のみで推奨されていること、ならびに、「ALIMTAは、乳酸加リンゲル注射液,USPおよびリンゲル注射液,USPを含めた、カルシウムを含有する希釈剤と物理的に非適合性であり、したがって、これらを使用すべきではない」ことを警告している。
【0003】
乳酸加リンゲル注射液およびリンゲル注射液等のカルシウム含有希釈剤は、静脈内投与前の薬物製品の再構成および/または希釈のために医療現場において使用される一般的な溶液である。カルシウムを含有する希釈剤による再構成および/または希釈後に化学的に安定であるペメトレキセド剤形が必要である。より広範囲の利用可能な希釈剤に有用であることに加えて、そのような剤形の使用は、不適切な再構成または希釈による剤形の損失、および非適合性の希釈剤中で再構成または希釈されたペメトレキセドを患者が投与され得るリスクの両方を最小化するであろう。
【0004】
溶液中で、ペメトレキセドは、急速に加水分解を受け、分解する。この急速分解により、ペメトレキセド製剤は、長期安定性のために凍結乾燥されるか、または安定剤を含むかのいずれかでなくてはならない。しかしながら、凍結乾燥した製剤の再構成は多重ステップを要し、そのそれぞれは、ユーザーエラーのリスクを増大させる。加えて、凍結乾燥した製剤の再構成は、臨床的に不都合であり、最大30分かかり得る。
【0005】
ペメトレキセドの安定な使用準備済製剤が公知であるが、それらは、US6,686,365、CN101081305およびWO2012015810において記述されている通りの抗酸化剤もしくはアミノ酸等の安定剤、またはWO2013144814において記述されている通りの高レベルの非水性溶媒を要する。これらの追加原料への患者曝露を最小化することが有利であろう。
【0006】
そのため、最小限量の追加原料を加えた、安定な非凍結乾燥ペメトレキセド組成物が必要である。この目的のために、本発明者らは、安定なペメトレキセド製剤を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第6,686,365号明細書
【文献】中国特許第101081305号明細書
【文献】国際公開第2012015810号
【文献】国際公開第2013144814号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
ある特定の実施形態では、本発明は、ペメトレキセドと、0.30ml/mL未満の濃度で存在する非水性溶媒とを含む医薬組成物であって、薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドの初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物を対象とする。
【0009】
さらなる実施形態では、本発明は、25mg/mLのペメトレキセドと、250μL/mLのプロピレングリコールと、水とを含む医薬組成物であって、薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドの初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物を対象とする。
【0010】
またさらなる実施形態では、本発明は、10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、0.30ml/mL未満の濃度で存在する非水性溶媒とを含む医薬組成物であって、2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物を対象とする。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明は、25mg/mLのペメトレキセドと、250μL/mLのプロピレングリコールと、水とを含む医薬組成物であって、2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物を対象とする。
【0012】
ある特定の実施形態では、本発明は、ペメトレキセドと、0.30ml/mL未満の濃度で存在する非水性溶媒とを含む医薬組成物であって、薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物を対象とする。
【0013】
さらなる実施形態では、本発明は、25mg/mLのペメトレキセドと、250μL/mLのプロピレングリコールと、水とを含む医薬組成物であって、薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物を対象とする。
【0014】
またさらなる実施形態では、本発明は、10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、0.30ml/mL未満の濃度で存在する非水性溶媒とを含む医薬組成物であって、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物を対象とする。
【0015】
さらなる実施形態では、本発明は、25mg/mLのペメトレキセドと、250μL/mLのプロピレングリコールと、水とを含む医薬組成物であって、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物を対象とする。
【0016】
本発明の追加の実施形態は、以下を含む。
1. a)ペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも12時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
2. 希釈ならびに
a)少なくとも24時間、および
b)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を保持する、実施形態1に記載の医薬組成物。
3. 希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも95%を保持する、実施形態1に記載の医薬組成物。
4. 希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも98%を保持する、実施形態1に記載の医薬組成物。
5. 前記薬学的に許容される希釈剤が、通常生理食塩水、注射用水、水中5%デキストロース、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液からなる群から選択される、実施形態1に記載の医薬組成物。
6. 10から50mg/mLのペメトレキセドを含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
7. 25mg/mLのペメトレキセドを含む、実施形態6に記載の医薬組成物。
8. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1に記載の医薬製剤。
9. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、実施形態8に記載の医薬製剤。
10. プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、実施形態9に記載の医薬製剤。
11. 少なくとも0.50mL/mLの水を含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
12. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、実施形態1に記載の医薬組成物。
13. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、実施形態1に記載の医薬組成物。
14. 抗酸化剤を実質的に含まない、実施形態1に記載の医薬組成物。
15. a)25mg/mLのペメトレキセドと、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
16. 薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも48時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む、実施形態15に記載の医薬組成物。
17. a)10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
18. a)少なくとも18か月、および
b)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む、実施形態17に記載の医薬組成物。
19. a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも95%を含む、実施形態17に記載の医薬組成物。
20. a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも98%を含む、実施形態17に記載の医薬組成物。
21. 25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度を有する、実施形態17に記載の医薬組成物。
22. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態17に記載の医薬製剤。
23. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、実施形態22に記載の医薬製剤。
24. プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、実施形態23に記載の医薬製剤。
25. 少なくとも0.50mL/mLの水を含む、実施形態17に記載の医薬組成物。
26. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、実施形態17に記載の医薬組成物。
27. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、実施形態17に記載の医薬組成物。
28. 抗酸化剤を実質的に含まない、実施形態17に記載の医薬組成物。
29. a)25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度と、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
30. 2℃から8℃の温度で少なくとも24か月にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む、実施形態29に記載の医薬組成物。
31. a)ペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも12時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
32. 希釈ならびに
a)少なくとも24時間、および
b)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
33. 希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が5%w/w以下の全不純物を含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
34. 希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が2%w/w以下の全不純物を含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
35. 前記薬学的に許容される希釈剤が、通常生理食塩水、注射用水、水中5%デキストロース、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液からなる群から選択される、実施形態31に記載の医薬組成物。
36. 10から50mg/mLのペメトレキセドを含む、実施形態31に記載の医薬組成物。
37. 25mg/mLのペメトレキセドを含む、実施形態36に記載の医薬組成物。
38. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態31に記載の医薬製剤。
39. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、実施形態38に記載の医薬製剤。
40. プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、実施形態39に記載の医薬製剤。
41. 少なくとも0.50mL/mLの水を含む、実施形態31に記載の医薬組成物。
42. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、実施形態31に記載の医薬組成物。
43. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、実施形態31に記載の医薬組成物。
44. 抗酸化剤を実質的に含まない、実施形態31に記載の医薬組成物。
45. a)25mg/mLのペメトレキセドと、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
46. 薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも48時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、実施形態45に記載の医薬組成物。
47. a)10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
48. a)少なくとも18か月、および
b)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
49. a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が5%w/w以下の全不純物を含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
50. a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が2%w/w以下の全不純物を含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
51. 25mg/mLのペメトレキセドを含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
52. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態47に記載の医薬製剤。
53. 前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、実施形態52に記載の医薬製剤。
54. プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、実施形態53に記載の医薬製剤。
55. 少なくとも0.50mL/mLの水を含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
56. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、実施形態47に記載の医薬組成物。
57. 前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、実施形態47に記載の医薬組成物。
58. 抗酸化剤を実質的に含まない、実施形態47に記載の医薬組成物。
59. a)25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度と、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
60. 2℃から8℃の温度で少なくとも24か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、実施形態59に記載の医薬組成物。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1A~1Dは、ある特定のペメトレキセド製剤の安定性に対するプロピレングリコール(PG)の効果を描写する。
【
図1B】
図1A~1Dは、ある特定のペメトレキセド製剤の安定性に対するプロピレングリコール(PG)の効果を描写する。
【
図1C】
図1A~1Dは、ある特定のペメトレキセド製剤の安定性に対するプロピレングリコール(PG)の効果を描写する。
【
図1D】
図1A~1Dは、ある特定のペメトレキセド製剤の安定性に対するプロピレングリコール(PG)の効果を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
別段の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語について複数の定義がある場合には、別段の記載がない限り、この節における定義を優先する。
【0019】
本明細書において使用される場合、「単一最大不純物」は、パーセンテージで最大HPLCピークを持つ不純物を指す。
【0020】
本明細書において使用される場合、「ペメトレキセドの初期投薬濃度」は、貯蔵前の希釈時におけるペメトレキセドの濃度を指す。
【0021】
本明細書において使用される場合、「初期ペメトレキセド濃度」は、希釈および/または貯蔵前の製剤化時におけるペメトレキセドの濃度を指す。
【0022】
本明細書において使用される場合、「室温」は、約20℃から約25℃である。
【0023】
ペメトレキセドまたは薬学的に許容されるその塩は、本発明の組成物中に、無水ペメトレキセド二酸として計算した場合、約10mg/mLから約50mg/mLの間の濃度で存在する。本発明のある特定の実施形態では、ペメトレキセドは、約10mg/mLから約40mg/mLで、約10mg/mLから約30mg/mLで、約10mg/mLから約20mg/mLで、約20mg/mLから約50mg/mLで、約20mg/mLから約40mg/mLで、約20mg/mLから約30mg/mLで、約30mg/mLから約50mg/mLで、約30mg/mLから約40mg/mLで、または約40mg/mLから約50mg/mLで存在する。本発明のさらなる実施形態では、ペメトレキセドは、約10mg/mL、約15mg/mL、20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mLで、または約50mg/mLで利用可能である。
【0024】
ペメトレキセドは、組成物中に、二酸、一酸、薬学的に許容される塩として、またはそれらの組合せとして存在する。本発明のある特定の実施形態では、ペメトレキセドは、ペメトレキセド二ナトリウムとして存在し、本発明のさらなる実施形態では、ペメトレキセドは、ペメトレキセド二カリウムとして存在する。本発明のさらにさらなる実施形態では、ペメトレキセドは、ペメトレキセドメグルミンとして存在する。本発明のまたさらなる実施形態では、ペメトレキセドは、ペメトレキセドトロメタミンとして存在する。
非水性溶媒
【0025】
好適な非水性溶媒は、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、ニトリル、非プロトン性極性溶媒、酸性溶媒、およびそれらのいずれか2つまたはそれよりも多くの混合物を含むがこれらに限定されない。有用なアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、変性エチルアルコール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、ポリヒドロキシアルコール、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等を含む。有用なケトンは、プロパノン、2-ブタノン等を含む。有用なエステルは、例えば、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸t-ブチル等を含む。有用なエーテルは、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等を含む。有用な芳香族炭化水素は、例えば、 等を含む。有用なニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル等を含む。有用な非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド(dimethylformide)(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチ
ルアセトアミド(DMA)等を含む。
【0026】
本発明のある特定の実施形態では、非水性溶媒は、アルコールである。本発明のさらなる実施形態では、非水性溶媒は、ポリヒドロキシアルコールである。本発明のまたさらなる実施形態では、非水性溶媒は、プロピレングリコールである。本発明のさらにさらなる実施形態では、非水性溶媒は、ポリエチレングリコールである。本発明の特定の実施形態では、非水性溶媒は、低分子量ポリエチレングリコールである。本発明の他の実施形態では、非水性溶媒は、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、またはそれらの組合せからなる群から選択される。本発明のある特定の実施形態では、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール等であるがこれらに限定されない、1つを超える非水性溶媒が存在する。
【0027】
本発明のある特定の実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、約50mg/mLから300mg/mLの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、約50mg/mLから100mg/mL、50mg/mLから200mg/mL、50mg/mLから250mg/mL、50mg/mLから300mg/mL、100mg/mLから200mg/mL、100mg/mLから250mg/mL、100mg/mLから300mg/mL、200mg/mLから250mg/mL、200mg/mLから300mg/mL、または250mg/mLから300mg/mLで存在する。
【0028】
特定の実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、製剤の30重量パーセント(wt.%)以下の濃度で存在する。さらなる実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、製剤の少なくとも5重量パーセント(wt.%)の濃度で存在する。本発明のある特定の実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、製剤の5~30重量パーセント(wt.%)で存在する。本発明の特定の実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、約10~30wt.%、15~30wt.%、20~30wt.%、25~30wt.%、5~28%、10~28wt.%、15~28wt.%、20~28wt.%、25~28wt.%、5~25%、10~25wt.%、15~25wt.%、20~25wt.%、25~28wt.%、5~20%、10~20wt.%、15~20wt.%、5~15%、10~15wt.%、または5~10wt%で存在する。
【0029】
特定の実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、300μL/mL以下の濃度で存在する。さらなる実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、少なくとも50μL/mLの濃度で存在する。本発明のある特定の実施形態では、非水性溶媒は、約50μL/mLから300μL/mLの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態では、非水性溶媒は、希釈前に、約50μL/mLから100μL/mL、50μL/mLから200μL/mL、50μL/mLから250μL/mL、50μL/mLから275μL/mL、50μL/mLから300μL/mL、100μL/mLから200μL/mL、100μL/mLから250μL/mL、100μL/mLから275μL/mL、100μL/mLから300μL/mL、200μL/mLから250μL/mL、200μL/mLから300μL/mL、または250μL/mLから300μL/mLで存在する。
【0030】
ある特定の実施形態では、水は、希釈前に、少なくとも約500μL/mLの濃度で存在する。本発明の他の実施形態では、水は、希釈前に、少なくとも約600μL/mL、750μL/mLまたは950μL/mLの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態では、水は、希釈前に、約500μL/mLから950μL/mLの濃度で存在する。本発明のまたさらなる実施形態では、水は、希釈前に、約500μL/mLから800μL/mL、500μL/mLから700μL/mL、500μL/mLから600μL/mL、600μL/mLから750μL/mL、600μL/mLから800μL/mL、600μL/mLから950μL/mL、700μL/mLから800μL/mL、700μL/mLから950μL/mL、または750μL/mLから950μL/mLで存在する。
【0031】
特定の実施形態では、水は、希釈前に、製剤の少なくとも約50wt.%の濃度で存在する。さらなる実施形態では、水は、希釈前に、少なくとも約60wt.%、75wt%または95wt.%の濃度で存在する。本発明のある特定の実施形態では、水は、希釈前に、少なくとも約50~95wt.%の濃度で存在する。本発明の 、水は、希釈前に、少なくとも約50~60wt.%、50~70wt.%、50~80wt.%、60~70wt.%、60~80wt.%、60~95wt.%、70~80wt.%または70~95wt.%の濃度で存在する。
【0032】
本発明のある特定の実施形態では、製剤は、抗酸化剤および/またはアミノ酸を実質的に含まない。本発明の特定の実施形態では、製剤は、抗酸化剤を実質的に含まない。本発明のさらなる実施形態では、製剤は、キレート剤を実質的に含まない。本明細書において使用される場合、抗酸化剤、アミノ酸および/またはキレート剤を実質的に含まないとは、製剤が、1つまたは複数の抗酸化剤、アミノ酸および/またはキレート剤を、安定化効果を有するために十分な濃度では含まないことを意味する。
【0033】
特定の実施形態では、製剤は、アスコルビン酸および誘導体、トコフェロールおよび誘導体、没食子酸プロピル、チオグリセロール、ラクトビオン酸、メチオニン、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(Eethylenediaminetetraaceticacid)(EDTA)
および誘導体、ゲンチシン酸モノエタノールアミン、グルタチオン、プロピオン酸、アセトン重亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、クエン酸および誘導体、三塩基性(クエン酸三ナトリウム二水和物)、またはそれらの好適な混合物からなる群から選択される添加物を実質的に含まない。本明細書において使用される場合、実質的に含まないは、製剤が、上記に挙げた1つまたは複数の添加物を、安定化効果を有するために十分な濃度では含まないことを意味する。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、製剤は、トロメタミンを含む。本発明のある特定の実施形態では、製剤は、約12から24mg/mLのトロメタミンを含む。本発明のさらなる実施形態では、製剤は、約12から14mg/mLのトロメタミン、約12から16mg/mLのトロメタミン、約14から16mg/mLのトロメタミン、約14から18mg/mLのトロメタミン、約16から18mg/mLのトロメタミン、約16から20mg/mLのトロメタミン、約17から19mg/mLのトロメタミン、約17から21mg/mLのトロメタミン、約18から20mg/mLのトロメタミン、約18から22mg/mLのトロメタミン、約20から22mg/mLのトロメタミン、約20から24mg/mLのトロメタミン、または約22から24mg/mLのトロメタミンを含む。本発明のさらにさらなる実施形態では、製剤は、約18mg/mLのトロメタミンを含む。
【0035】
本発明のある特定の実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約6か月にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明の特定の実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約1年にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明のさらなる実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約18か月にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約2年にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約6か月にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明のある特定の実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約1年にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明のさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約18か月にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約2年にわたる貯蔵後、実質的に分解されない。
【0037】
本発明の他の実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0038】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0039】
本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0040】
本発明のさらにさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0041】
本発明の特定の実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約85%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約90%を保持し、製剤は、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約92%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約95%を保持し、製剤は、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約97%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約98%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0042】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、2~8℃で少なくとも約6か月、約12か月、約18か月、または約24か月にわたる貯蔵後、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約85%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約90%を保持し、製剤は、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約92%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約95%を保持し、製剤は、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約97%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約98%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0043】
本発明のある特定の実施形態では、製剤は、薬学的に許容される希釈剤中でさらに希釈される。好適な希釈剤は、生理食塩水、デキストロース、水、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液を含むがこれらに限定されない。本発明のある特定の実施形態では、製剤を、リンゲル注射液または乳酸加リンゲル注射液等のカルシウム含有希釈剤中で希釈することができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態では、製剤は、薬学的に許容される希釈剤中、ペメトレキセドの好適な初期投薬濃度に希釈される。本発明のある特定の実施形態では、ペメトレキセドの初期投薬濃度は、患者の体重、年齢および状態ならびに希釈剤の体積等であるがこれらに限定されない種々の要因に基づき、医師または当業者によって決定することができる。さらなる実施形態では、ペメトレキセドは、初期投薬濃度に希釈され、投与前にさらに希釈することができる。
【0045】
本発明の他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約95%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約97%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約98%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0046】
本発明のまた他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約95%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約97%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約98%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0047】
本発明のさらに他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約95%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約97%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約98%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0048】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0049】
本発明の他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0050】
本発明のさらに他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0051】
本発明のまた他の実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0052】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0053】
本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、希釈および約2℃から約8℃で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0054】
本発明の他の実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約95%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約97%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約98%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約99%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0055】
本発明のまた他の実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約95%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約97%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約98%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約99%、ペメトレキセドのその投薬濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0056】
本発明のさらに他の実施形態では、製剤は、希釈およびほぼ室温で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約85%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約90%、ペメトレキセドのその初期投薬濃度の少なくとも約92%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約95%を保持し、製剤は、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約97%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約98%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99%、その初期ペメトレキセド濃度の少なくとも約99.5%を保持する。
【0057】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0058】
本発明の他の実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0059】
本発明のさらに他の実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の不純物、約8%w/w以下の不純物、約6%w/w以下の不純物、約5%w/w以下の不純物、約4%w/w以下の不純物、約3.5%w/w以下の不純物、約3%w/w以下の不純物、約2.5%w/w以下の不純物、約2%w/w以下の不純物、約1.5%w/w以下の不純物、約1%w/w以下の不純物、約0.5%w/w以下の不純物、約0.2%w/w以下の不純物、約0.1%w/w以下の不純物を含む。
【0060】
本発明のさらなる実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約12時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0061】
本発明のさらにさらなる実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約24時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0062】
本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、希釈および室温で少なくとも約48時間にわたる貯蔵後、約10%w/w以下の単一最大不純物、約8%w/w以下の単一最大不純物、約6%w/w以下の単一最大不純物、約5%w/w以下の単一最大不純物、約4%w/w以下の単一最大不純物、約3.5%w/w以下の単一最大不純物、約3%w/w以下の単一最大不純物、約2.5%w/w以下の単一最大不純物、約2%w/w以下の単一最大不純物、約1.5%w/w以下の単一最大不純物、約1%w/w以下の単一最大不純物、約0.5%w/w以下の単一最大不純物、約0.2%w/w以下の単一最大不純物、約0.1%w/w以下の単一最大不純物を含む。
【0063】
本発明の特定の実施形態では、製剤は、約20v/v%、18v/v%、16v/v%、14v/v%、12v/v%、10v/v%、8v/v%、6v/v%、5v/v%、4v/v%、3v/v%、2v/v%または1v/v%酸素未満のヘッドスペース酸素濃度を持つバイアル内にある。
【0064】
本発明のある特定の実施形態では、製剤は、単回用量バイアル内にある。本発明のさらなる実施形態では、製剤は、複数回用量バイアル内にある。本発明のさらにさらなる実施形態では、製剤は、同じ患者による使用が意図された複数回用量バイアル内にある。本発明のまたさらなる実施形態では、製剤は、異なる患者による使用が意図された複数回用量バイアル内にある。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、ペメトレキセドを投与することを必要とする患者にペメトレキセドを投与する方法であって、有効量の、本明細書において記述されている通りの製剤を投与するステップを含む、方法に関する。さらなる実施形態では、本発明は、ペメトレキセドを投与することを必要とする患者にペメトレキセドを投与する方法であって、有効量の、ペメトレキセドと、30wt%未満で存在する非水性溶媒とを含む製剤を投与するステップを含む、方法に関する。さらなる実施形態では、本発明は、ペメトレキセドを投与することを必要とする患者にペメトレキセドを投与する方法であって、有効量の、ペメトレキセドとプロピレングリコールとを含む製剤を投与するステップを含み、プロピレングリコールは、5~30wt%で存在する、方法に関する。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
ペメトレキセド安定性に対する非水性溶媒の効果
表1において記述されている通りの製剤を、次の通りに調製した。
【0067】
注射用水、好適な塩基溶液(0.1~1N NaOHまたはKOH)および存在するならばクエン酸を合わせ、混合して、視覚的に均一な混合物を得た。ペメトレキセド二酸を、連続的にかき混ぜながら混合物に徐々に添加し、得られた均質懸濁液を、すべての固体が完全に溶解するまでかき混ぜた。溶液のpHを、約7.4~7.6に調整した。次いで、存在するならばプロピレングリコールをペメトレキセド溶液に添加し、視覚的に均一な混合物が得られるまで、混合物をかき混ぜた。溶液のpHを、7.4~7.6に調整した。
【表1】
【0068】
製剤B、C、FおよびIの安定性を、加速条件下、60℃および40℃/75%RHで、数日間にわたって試験した。試料を種々の時点で採取し、試験前にHPLC希釈剤(60:40(v/v、水:ACN))で希釈した。不純物をHPLCによって測定した。
【0069】
結果を、表2A~2Dおよび
図1A~1Dに示す。
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【表2D】
【0070】
製剤B、IおよびK(表4を参照、上述した通りに調製したもの)の長期安定性も、リアルタイムおよび予測で測定した。結果を表3に示す。
【表3】
【表4】
【0071】
(実施例2)
希釈後のペメトレキセド製剤Kの安定性。
製剤Kの希釈後最大48時間にわたるペメトレキセドの安定性を評価した。通常生理食塩水、注射用水および水中5%デキストロース、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液は、直接購入し、そのまま使用した。各希釈剤のpHを試験し、表6に記録した。
【表6-1】
【0072】
製剤K(25mg/mL)を、上記に挙げた希釈剤中で0.15、1.5および15mg/mLに希釈した。混合物を2~8℃で貯蔵し、12、24および48時間で、外観、アッセイ、不純物およびpHについて試験した。時間ゼロ試料とするために、希釈直後に試料を採取した。0.15mg/mLの試料を、さらなる希釈なしにそのまま分析し、一方で、1.5mg/mLおよび15mg/mLの試料を試験前にHPLC希釈剤(60:40(v/v、水:ACN))で希釈した。結果を表6および7に示す(各表は、別個の研究を表す)。
【表6-2】
【表7】
【0073】
前述の詳細な記述は、理解の明晰さのみのために記されたものであり、修正は当業者には明らかとなるため、その記述から不必要な限定を理解すべきではない。
【0074】
本発明をその具体的な実施形態に関連して記述してきたが、さらなる修正が可能であり、本出願は、概して本発明の原理に準拠し、本開示からのそのような発展を含む、本発明のあらゆる変形形態、使用または適応を、本発明が関係する技術分野内の公知のまたは慣行的実務に入るものとして、ならびに、以上でおよび添付の特許請求の範囲において次の通りに記載されている本質的な特色に適用され得るものとして、包含することが意図されていると理解されるであろう。
【0075】
本明細書において引用されている、ありとあらゆる特許、特許出願および公報の、請求項、図および/または図面を含む開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
a)ペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも12時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
(項目2)
希釈ならびに
a)少なくとも24時間、および
b)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を保持する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目3)
希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも95%を保持する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目4)
希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵の際、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも98%を保持する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目5)
前記薬学的に許容される希釈剤が、通常生理食塩水、注射用水、水中5%デキストロース、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液からなる群から選択される、項目1に記載の医薬組成物。
(項目6)
10から50mg/mLのペメトレキセドを含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目7)
25mg/mLのペメトレキセドを含む、項目6に記載の医薬組成物。
(項目8)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、項目1に記載の医薬製剤。
(項目9)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、項目8に記載の医薬製剤。
(項目10)
プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、項目9に記載の医薬製剤。
(項目11)
少なくとも0.50mL/mLの水を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目12)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、項目1に記載の医薬組成物。
(項目13)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、項目1に記載の医薬組成物。
(項目14)
抗酸化剤を実質的に含まない、項目1に記載の医薬組成物。
(項目15)
a)25mg/mLのペメトレキセドと、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
(項目16)
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも48時間にわたる貯蔵後、前記組成物がペメトレキセドの前記初期投薬濃度の少なくとも90%を含む、項目15に記載の医薬組成物。
(項目17)
a)10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
(項目18)
a)少なくとも18か月、および
b)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む、項目17に記載の医薬組成物。
(項目19)
a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも95%を含む、項目17に記載の医薬組成物。
(項目20)
a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも98%を含む、項目17に記載の医薬組成物。
(項目21)
25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度を有する、項目17に記載の医薬組成物。
(項目22)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、項目17に記載の医薬製剤。
(項目23)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、項目22に記載の医薬製剤。
(項目24)
プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、項目23に記載の医薬製剤。
(項目25)
少なくとも0.50mL/mLの水を含む、項目17に記載の医薬組成物。
(項目26)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、項目17に記載の医薬組成物。
(項目27)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、項目17に記載の医薬組成物。
(項目28)
抗酸化剤を実質的に含まない、項目17に記載の医薬組成物。
(項目29)
a)25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度と、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む医薬組成物。
(項目30)
2℃から8℃の温度で少なくとも24か月にわたる貯蔵後、前記組成物が前記初期ペメトレキセド濃度の少なくとも90%を含む、項目29に記載の医薬組成物。
(項目31)
a)ペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも12時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
(項目32)
希釈ならびに
a)少なくとも24時間、および
b)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目33)
希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が5%w/w以下の全不純物を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目34)
希釈ならびに
a)少なくとも12時間、
b)少なくとも24時間、および
c)少なくとも48時間
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が2%w/w以下の全不純物を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目35)
前記薬学的に許容される希釈剤が、通常生理食塩水、注射用水、水中5%デキストロース、リンゲル注射液および乳酸加リンゲル注射液からなる群から選択される、項目31に記載の医薬組成物。
(項目36)
10から50mg/mLのペメトレキセドを含む、項目31に記載の医薬組成物。
(項目37)
25mg/mLのペメトレキセドを含む、項目36に記載の医薬組成物。
(項目38)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、項目31に記載の医薬製剤。
(項目39)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、項目38に記載の医薬製剤。
(項目40)
プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、項目39に記載の医薬製剤。(項目41)
少なくとも0.50mL/mLの水を含む、項目31に記載の医薬組成物。
(項目42)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、項目31に記載の医薬組成物。
(項目43)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、項目31に記載の医薬組成物。
(項目44)
抗酸化剤を実質的に含まない、項目31に記載の医薬組成物。
(項目45)
a)25mg/mLのペメトレキセドと、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも24時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
(項目46)
薬学的に許容される希釈剤による、ペメトレキセドの初期投薬濃度への希釈の際、2℃から8℃の温度で少なくとも48時間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、項目45に記載の医薬組成物。
(項目47)
a)10から50mg/mLの初期濃度のペメトレキセドと、
b)0.30mL/mL未満で存在する非水性溶媒と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
(項目48)
a)少なくとも18か月、および
b)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、項目47に記載の医薬組成物。
(項目49)
a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が5%w/w以下の全不純物を含む、項目47に記載の医薬組成物。
(項目50)
a)少なくとも12か月、
b)少なくとも18か月、および
c)少なくとも24か月
から選択される期間にわたる貯蔵後、前記組成物が2%w/w以下の全不純物を含む、項目47に記載の医薬組成物。
(項目51)
25mg/mLのペメトレキセドを含む、項目47に記載の医薬組成物。
(項目52)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、アルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組合せからなる群から選択される、項目47に記載の医薬製剤。
(項目53)
前記非水性溶媒が、プロピレングリコールである、項目52に記載の医薬製剤。
(項目54)
プロピレングリコールが、250μL/mLで存在する、項目53に記載の医薬製剤。(項目55)
少なくとも0.50mL/mLの水を含む、項目47に記載の医薬組成物。
(項目56)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二酸の形態である、項目47に記載の医薬組成物。
(項目57)
前記ペメトレキセドが、ペメトレキセド二ナトリウムの形態である、項目47に記載の医薬組成物。
(項目58)
抗酸化剤を実質的に含まない、項目47に記載の医薬組成物。
(項目59)
a)25mg/mLの初期ペメトレキセド濃度と、
b)250μL/mLのプロピレングリコールと、
c)水と
を含む医薬組成物であって、
2℃から8℃の温度で少なくとも12か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む医薬組成物。
(項目60)
2℃から8℃の温度で少なくとも24か月にわたる貯蔵後、前記組成物が8%w/w以下の全不純物を含む、項目59に記載の医薬組成物。