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特許7543366閉鎖底部気化器ポッドと気化器とを備えるシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】閉鎖底部気化器ポッドと気化器とを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240826BHJP
【FI】
A24F40/42
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022170398
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2019549369の分割
【原出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2023015118
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】62/473,154
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522447048
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セルビー,ライアン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】カルカイラン,ライアン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-509523(JP,A)
【文献】国際公開第2018/122389(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖底部気化器ポッドであって、
気化可能材料と、
前記気化可能材料を貯蔵するように構成された閉鎖底部部材と、
前記閉鎖底部部材と流体連通状態にある空気入口と、
前記閉鎖底部部材と流体連通状態にある空気出口と、
前記閉鎖底部部材内に延在する内側チューブであって、前記空気入口、前記閉鎖底部部材、前記内側チューブ、および前記空気出口が空気流路を画定する、内側チューブと、
を有する、閉鎖底部気化器ポッドと、
前記閉鎖底部気化器ポッドを受け取るように構成された気化器であって、前記気化可能材料を加熱して気体を生成するように構成された熱源と、前記熱源からの熱を保持し、前記閉鎖底部気化器ポッドに向ける断熱と、前記断熱から前記熱源を離間させるための、前記断熱体内に位置決めされたスペーサと、を有する気化器と、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記閉鎖底部気化器ポッドは、
外側チューブであって、前記内側チューブは前記外側チューブの中にあり、前記内側チューブと前記外側チューブとの間の空間は、前記空気流路の一部である、外側チューブを有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記空気入口は、前記熱源の外部にあることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記空気入口および前記閉鎖底部部材は、前記閉鎖底部気化器ポッドの両端にあり、前記空気入口および前記空気出口は、前記閉鎖底部気化器ポッドの同じ端にあることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記内側チューブと前記閉鎖底部部材とは、前記空気入口から前記閉鎖底部部材へ空気が第1の方向に流れることを可能にする第1の空間を、それらの間に画定することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記内側チューブが、前記気化可能材料から生成され、前記空気に取り込まれた前記気体が、前記閉鎖底部部材から前記空気出口へ第2の方向に流れることを可能にする前記内側チューブ内の空間を画定することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記第1の方向と前記第2の方向とは逆方向であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
閉鎖底部気化器ポッドであって
気化可能材料と、
前記気化可能材料を貯蔵するように構成された閉鎖底部部材と、
前記閉鎖底部部材と流体連通状態にある空気入口と、
前記閉鎖底部部材と流体連通状態にある空気出口と、
前記閉鎖底部部材内に延在する内側チューブであって、前記空気入口、前記閉鎖底部部材、前記内側チューブ、および前記空気出口が空気流路を画定する、内側チューブと、
を有する、閉鎖底部気化器ポッドと、
前記閉鎖底部気化器ポッドを受け取るように構成された気化器であって、前記気化可能材料を加熱して気体を生成するように構成された熱源を有し、前記熱源は前記気化可能材料および前記空気流路から離間されている、気化器と、
を備えるシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記閉鎖底部気化器ポッドは、
外側チューブであって、前記内側チューブは前記外側チューブの中にあり、前記内側チューブと前記外側チューブとの間の空間は、前記空気流路の一部である、外側チューブを有することを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記空気入口は、前記熱源の外部にあることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記空気入口および前記閉鎖底部部材は、前記閉鎖底部気化器ポッドの両端にあり、前記空気入口および前記空気出口は、前記閉鎖底部気化器ポッドの同じ端にあることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記内側チューブと前記閉鎖底部部材とは、前記空気入口から前記閉鎖底部部材へ空気が第1の方向に流れることを可能にする第1の空間を、それらの間に画定することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記内側チューブが、前記気化可能材料から生成され、前記空気に取り込まれた前記気体が、前記閉鎖底部部材から前記空気出口へ第2の方向に流れることを可能にする前記内側チューブ内の空間を画定することを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記第1の方向と前記第2の方向とは逆方向であることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、気化可能材料を含むシステム及び装置に関し、特に、内部に気化可能材料を含む閉鎖底部気化器パケットまたはポッドまたはカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
気化は、燃焼なしで、また通常、気化可能材料の燃焼温度未満の閾値温度に加熱することを通して液体または固体を気体または蒸気に変換することを含む。固体が気体または蒸気に変換されるとき、その現象は昇華と呼ばれる。液体が気体または蒸気に変換されるとき、その現象は蒸発または沸騰と呼ばれる。蒸発が表面現象であり、一方、沸騰はバルク現象(bulk phenomenon)である。まとめて、昇華、蒸発、及び沸騰は、本開示全体を通して相互交換可能に、気化させること(vaporizing)、気化(vaporization)、及び同様なものと呼ばれる。
【0003】
関連技術において、気化器は、ユーザーが吸入するために気化可能材料の有効成分(active ingredient)を気化させるために使用されるデバイスである。気化可能材料は、医薬用ワックス、電子リキッド(e-liquid)(「電子シガレット(e-cigarette)」または「ベイピング(vaping)」装置において一般に使用されるグルコールベース気化可能液体など)、タバコ、ユーカリ、シーシャ、植物材料のブレンドなどの植物材料(通常、乾燥植物材料)を含む医薬用オイル及びハーブ、及び他の気化可能材料を含む場合がある。
【0004】
通常手持ち式である場合がある個人気化器などの気化器は、可搬型である場合があり、また、通常、加熱要素などの可搬型熱源であって、通常、気化可能材料内の有効成分の沸点に達することによって、気化可能材料の有効成分が放出または気化されるまで、気化可能材料を加熱する、可搬型熱源に頼る場合がある。有効成分の放出される蒸気は、通常、ユーザーによって吸引される。
【0005】
関連技術の気化器は、喫煙または燃焼などの、物質を消費するための従来の技法に対して有利である場合がある。喫煙用物質が、ユーザーの呼吸系に損傷を引き起し、気化可能材料の燃焼または部分的燃焼に関連する発がん物質ならびに他の有害な物質をユーザーの身体内に送出する場合があることが一般に知られている。気化可能材料の燃焼点(combustion point)未満の温度で通常動作する気化器は、放出される発がん物質および他の有害な物質の量ならびにユーザーによって消費される発がん物質および他の有害な物質の量を望ましくは低減する場合がある。
【0006】
当技術分野で知られているように、個人気化器は、一般に、電力源、加熱要素などの熱源、気化可能材料を一時的に含むためのオーブンまたはボウル、及び、気化した材料をユーザーが吸引することを可能にするためのマウスピースを含む。使用時、ユーザーは、気化可能材料を気化器のボウル内に充填またはパックし、その後、加熱要素を使用して、ボウル内に貯蔵または含まれる気化可能材料の温度をその沸点を超えるまで上げ、気化可能材料内の有効物質を気化させることになる。気化した材料または蒸気は、その後、マウスピースを通してユーザーによって消費または吸引される。これは、気化可能材料が燃焼するのではなく、むしろ気化することを除いて、タバコを吸うためにパイプを使用する技術と同様である。
【0007】
同様に、タバコを吸うためにパイプを使用することと同様に、有効成分の気化後に、気化器のボウルは、通常、ボウル内に残った残留物を取り除くために、清浄化されなければならない。残留物を清浄化するプロセスは、退屈かつ時間がかるプロセスであり、不充分な清浄化は、気化器の性能の低下につながり得る。さらに、ボウルの不充分な清浄化は、ボウルを汚染する可能性があり、それは、その後の使用の享受に影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態において、気化器ポッドを使用するためのシステム及び装置(パケットまたはカートリッジとして同様に知られており、本明細書で相互交換可能に使用される)は、気化器のボウルを清浄化する必要性を取り除き、気化器ポッドへの空気入口を気化器ボウルの外部に位置決めすることによってゼロ清浄化システムを提供し得る。熱源の外部への空気入口の設置は、気化可能材料、残留物、及び/または他の汚染物質が、空気入口または空気出口などの任意の開口を通して気化器ポッドから外へ落ちるまたはその他の方法で出る場合、気化可能材料、残留物、及び/または他の汚染物質が、熱源内に集まらないことを保証する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態において、閉鎖底部気化器ポッドは開放上部端及び対向する開放下部端を有する本体を備える。本体の下部端において、気化可能材料を含むカプセルは、本体に密閉式に取り付けられ、閉鎖底部気化器ポッドを作成し得る。マウスピースは、開放上部端に配設または固着されて、ユーザーが、閉鎖底部気化器ポッドから空気を吸い込むことを容易にし得る。複数の実施形態において、閉鎖底部気化器ポッドは、気化器内に設置され、気化器の熱源内に位置決めされることができ、気化可能材料は、熱源によってその沸騰温度まで加熱される。気化可能材料内に存在する有効成分をその沸点まで加熱することは、出口を通して吸引され得る蒸気を生成する。
【0010】
本発明の幅広い態様において、閉鎖底部気化器ポッドは、閉鎖底部カプセルであって、閉鎖底部カプセル内に気化可能材料を貯蔵するように適合される、閉鎖底部カプセルと、カプセル内に空気を吸い込むための少なくとも1つの空気入口と、カプセルから空気を吸い出すための少なくとも1つの空気出口とを備え、少なくとも1つの空気入口は、少なくとも1つの空気出口に近接してまたは隣接して位置決めされ、空気流路は、少なくとも1つの空気入口、カプセル、及び少なくとも1つの空気出口から作成される。
【0011】
本発明の幅広い態様において、気化可能材料を気化させるためのシステムは、熱源を有する気化器と、カプセルとを備え、カプセルは、カプセル内に気化可能材料を貯蔵するように適合され、カプセル内に空気を吸い込むための少なくとも1つの空気入口及びカプセル内から空気を吸い出すための少なくとも1つの空気出口を備え、カプセルは、気化器内に保持され、少なくとも1つの空気入口は熱源の外部に位置決めされる。
【0012】
本発明の別の幅広い態様において、気化器ポッドを受け入れ、気化器ポッド内に貯蔵された気化可能材料の有効成分をエンドユーザーが気化させることを可能にするための気化器は、チャンバーであって、チャンバー内に気化器ポッドを受け取るための、チャンバーと整列したアパチャーを有するハウジングと、気化器ポッド内に貯蔵された気化可能材料を気化させるために気化器ポッドに十分な熱を提供するための、ハウジング内に配設された熱源と、閉鎖底部気化器ポッドを含むためのハウジング内に配設され、閉鎖底部気化器ポッドに熱源内の熱を向ける真空断熱体と、真空断熱体から熱源を離間させるためのスペーサと、熱源に電力を提供するための電力源とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の一実施形態の概略側面断面図であり、カプセル、空気入口、及び、空気出口であって、カプセルから外方にカプセルの底部から延在し、空気入口の反対に位置決めされた、空気出口を備える気化器ポッドを示す。
図1B】熱源内に配設された、図1Aによる実施形態の概略側面断面図である。
図2A】本発明の一実施形態の概略側面断面図であり、カプセル、空気入口、及び、空気出口であって、空気入口に対向してカプセルから外方に延在し、空気入口に隣接して位置決めされた、空気出口を備える気化器ポッドを示す。
図2B】熱源内に配設された、図2Aによる実施形態の概略側面断面図である。
図3A】本発明の一実施形態の概略側面断面図であり、カプセル、空気入口、及び、空気出口であって、カプセルの側面からカプセルから外方に延在し、空気入口に隣接して位置決めされた、空気出口を備える気化器ポッドを示す。
図3B】熱源内に配設された、図3Aによる実施形態の概略側面断面図である。
図4A】本発明の一実施形態の概略側面断面図であり、カプセル、空気入口、及び、空気出口であって、カプセルの上部からカプセルから外方に延在し、空気入口に近接して位置決めされた、空気出口を備える気化器ポッドを示す。
図4B】熱源内に配設された、図4Aによる実施形態の概略側面断面図である。
図5】本発明の一実施形態の側面図であり、マウスピース、少なくとも1つの入口を有する本体、及び気化可能材料を貯蔵するためのカプセルを示す。
図6図5による本発明の実施形態の側面断面図である。
図7図5によるカプセルの拡大側面図である。
図8】本発明の一実施形態の拡大側面図であり、半径方向に延在するフィンを有するカプセルを示す。
図9図5によるマウスピース及び本体の側面断面図である。
図10】本発明の一実施形態の側面図であり、マウスピースならびに外側チューブ及び内側チューブを有する本体を示す。
図11図10によるマウスピース及び本体の側面断面図である。
図12】本発明の一実施形態の側面図であり、気化器ポッドを受け取るように適合された気化器を示す。
図13図12による気化器の平面図であり、アパチャーであって、アパチャーを通して気化器ポッドを受け取るための、アパチャーを示す。
図14図12による気化器の平面図であり、熱源、電力源、気化器ポッドストップを有する3プロングケージを示す。
図15】本発明の一実施形態の側面断面図であり、熱源、ケージ、及び気化器ポッドストップを示す。
図16】本発明の一実施形態の側面断面図であり、保持手段を示す。
図17】本発明の一実施形態の側立面図であり、閉鎖機構を示す。
図18A】本発明の一実施形態の平面図であり、その閉鎖位置にあるアパチャードアを示す。
図18B図18Aによるアパチャードアの側面図である。
図19】その開放位置にある、図18Aによるアパチャードアの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
気化可能材料がユーザーによって消費または吸引された後に残された残留物による気化器ボウルのファウリングまたは汚染を低減する種々の方法が存在することを出願人は留意する。
【0015】
業界で知られている1つの一般的な方法は、使用ごとに加熱チャンバーまたはボウルを清浄化することである。しかし、上記で論じたように、加熱チャンバーの不充分な清浄化は、加熱チャンバーの性能の低下ならびに気化器及びユーザー経験のパフォーマンス低下につながり得る。ファウリングまたは汚染を低減するための従来技術において知られている別の方法は、内部に気化可能材料を含む置換可能カートリッジを使用することである。しかしながら、置換可能カートリッジを使用することは、置換可能カートリッジへの空気入口及び出口の開放による汚染または清浄化についての必要性を完全になくさない。さらに、置換可能カートリッジの使用は、高価であり、また、カートリッジが再生利用可能でないため、環境的に優しくない。
【0016】
したがって、本発明の実施形態は、気化器ボウルのファウリング及び/または汚染をなくすことによって、ゼロ清浄化システム及び装置を提供する。
【0017】
本発明による一実施形態において、気化器のボウルは、保護シーブまたはライナーで裏打ちされて、気化器ボウルが、気化可能材料、残留物、及び/または、他の汚染物質と直接接触することを防止し得る。ライナーは、気化可能材料をライナー内に完全に含むために下部端でシールされ、また、ユーザーが所望の気化可能材料をライナーに充填または含有することを可能にするために、対向する上部端で開放し得る。気化可能材料は、その後、気化器内で熱源によって気化することができ、結果として得られる蒸気は、ユーザーによって吸引され得る。気化器業界において、気化器ポッド(気化器パケットまたはカートリッジとして同様に知られており、本明細書で相互交換可能に使用される)の開放端は、通常、ユーザーのマウス内に設置されて、気化器ポッドから気化したいずれの材料も吸引または消費する。この開放端は、通常、気化器ポッドの上部端と呼ばれ、したがって、開放端からの遠位端は、通常、底部端と呼ばれる。
【0018】
ボウルの外部表面の気化可能材料からの断熱は、気化可能材料の気化中に生成される任意の残留物をユーザーがボウルから一掃する必要性を取り除き、ボウル及び気化器の寿命を全体的に増加させ、また、エンドユーザーによる享受の向上のために信頼性がありかつ一貫性があるパフォーマンスを生成する。
【0019】
ライナーは、好ましくは、ライナー内に含まれる気化可能材料を気化するときにライナーが溶融することを防止するために、気化可能材料の沸点より十分に高い融点を有する材料で作られるべきである。ライナーは、同様に好ましくは、ライナーが気化せず、ユーザーによって消費または吸入されないことを保証するために、気化可能材料の沸点より十分に高い沸点を有する材料で作られるべきである。例えば、ライナーは金属またはガラスで作られ得る。
【0020】
それでも、ライナーが使用されて、ボウルの外部表面が気化可能材料と直接接触することを防止するが、ライナー自身は、その後の使用が残留物によって汚染されないことを保証するために、使用ごとに依然として十分に清浄化されなければならない。ライナーを清浄化するプロセスは、時間がかかりかつ退屈であるままである。
【0021】
したがって、一実施形態において、ライナーは、比較的容易に処分可能である材料で作られ、使用ごとにライナーを清浄化する必要性を取り除く。別の実施形態において、ライナーは、全体的な環境フットプリントを低減するために、堆肥化され得る生物分解可能材料で同様に作られ得る。
【0022】
複数の実施形態において、ライナーは、閉鎖底部気化器ポッドを形成するように、本体または管状伸長部に密閉式に取り付けられるように適合される閉鎖底部カプセルであり得る。管状伸長部は、カプセル及びカプセル内に貯蔵された気化可能材料を気化器の熱源内に位置決めするのに十分な長さであり、気化した材料を吸引するためにユーザーが管状伸長部の周りに自分の唇を置く(配置する)ことを可能にするのに十分な空間を提供し得る。
【0023】
複数の実施形態において、閉鎖底部カプセルは、紙、植物セルロース、フォイル、ガラス、金属、プラスチック、または、上記で論じた任意の他の適した材料などの任意の硬質材料または任意の柔軟性材料から作られ得る。複数の実施形態において、気化器ポッド、カプセル、またはカートリッジは、再利用可能、処分可能、再生利用可能、堆肥化可能、及び/または、生物分解可能であり得る。閉鎖底部気化器ポッドの実施形態は、気化器内への/からの気化可能材料のローディング/アンローディングを簡略化し、気化器のボウルを清浄化する必要性を低減し、予め充填されたポッドを有するユーザーに対して便宜を提供する。
【0024】
複数の実施形態において、閉鎖底部気化器ポッド、パケット、またはカートリッジは、カプセルに吸い込まれる空気、及び、気化した有効成分がユーザーによって吸引されるときにカプセルを出る空気の流れを制御するのを支援するためのマウスピースを含み得る。空気流の制御の増加は、蒸気の有効性を高め、ユーザーは、気化した有効成分を吸引するために同じ量の周囲環境空気を吸引する必要がない。マウスピースは、カプセル内から吸い込まれる蒸気を含む空気の量を増加させ、同時に、ユーザーが吸引するときに気化器ポッドを囲む空気から吸い込まれる空気の量を減少させるために、カプセルと流体連通状態にあるように適合され得る。一実施形態において、マウスピースは、気化器ポッドの一体部品であり得る、または、気化器ポッドに永久的にまたは取り外し可能に固着され得る別個のコンポーネントであり得る。
【0025】
カプセルに流体接続したマウスピースは、マウスピースを通して直接吸引するためにユーザーによって使用され得る、または、既存のマウスピースまたは気化器のさらなるコンポーネントに空気を吸い込むために使用されて、空気がユーザーによって吸引される前に、一時的に貯蔵する、分析する、処理する、加熱する、冷却する、濃縮する、風味を希薄化する、輸送する、またはその他の方法で修飾する。
【0026】
複数の実施形態において、マウスピースが、長さが調整可能であり得、また、マウスピース及び/またはカプセル内へならびに/またはそれらからの空気流を調製するための機構またはコンポーネントを含み得ることを当業者は理解することになる。他の実施形態において、知られている方法を使用するマウスピースは、カプセル及び/またはマウスピースを密閉することが可能であり得る。マウスピースは、タール、微粒子、または他の材料が、パケットからマウスピースに入る、及び/または、マウスピースを出てカプセルに入る、及び/または、マウスピースを出てユーザーに入ることを防止することを意図される、スクリーン、フィルター、弁、または他の同様のデバイスを同様に含み得る。
【0027】
図1A及び図1Bを参照すると、一実施形態において、気化器ポッド10は、カプセル20であって、カプセル20内に気化可能材料を含むための、カプセル20と、カプセル20内に空気を吸い込むための、カプセル20と流体連通状態の少なくとも1つの空気入口30と、カプセル20内の気化可能材料から生成される蒸気を含む空気をカプセル20から吸い出すための、カプセル20と流体連通状態の少なくとも1つの空気出口40とを備える。
【0028】
図1Bに示すように、気化器ポッド10は、カプセル20が気化器及び熱源50内に保持されるように熱源50内に位置決めされ得るが、空気入口30は、熱源50の外側または外部に位置決めされる。熱源50の外側に空気入口30を設置することは、気化器ポッド10、特にカプセル20からのいずれの気化可能材料も、熱源50内に入り集まるためにカプセル20を出ないまたはカプセル20から外に落ちないことを保証する。
【0029】
図2A及び図2Bを参照すると、また、別の実施形態において、気化器ポッド10の少なくとも1つの空気入口30は、カプセル20の底部からカプセル20から外方に延在して、少なくとも1つの空気出口40に隣接して位置決めされ、それにより、閉鎖底部カプセルを作成する。
【0030】
図3A及び図3Bは、別の実施形態を示し、少なくとも1つの空気入口30は、閉鎖底部カプセル20の側面から閉鎖底部カプセル20から外方に延在し、少なくとも1つの空気出口40に隣接して位置決めされ得る。
【0031】
図4A及び図4Bは、別の実施形態を示し、少なくとも1つの空気入口30は、閉鎖底部カプセル20の上部から閉鎖底部カプセル20から外方に延在し、少なくとも1つの空気出口40に隣接して位置決めされ得る。
【0032】
図5及び図6を参照すると、一実施形態において、閉鎖底部気化器ポッド10は、開放上部端70及び開放下部端80を有する本体60を備える。図示するように、マウスピース90は、開放上部端70に取り付けられることができ、気化可能材料を含む閉鎖底部カプセル20は、下部端80に密閉式に取り付けられる。
【0033】
図6により詳細に示すように、本体60は、外側環状部110を有する外側チューブ100と、外側環状部110内に配設された内側チューブ120であって、外側チューブ100と内側チューブ120との間に環状空間130を作成する、内側チューブ120とをさらに備える。一実施形態において、内側チューブ120は、外側チューブ100の外側環状部110内に同心に配設され、外側チューブ100の上側縁150を超えて延在する上側部分140を有し得る。(図1参照)。上側部分140は、内側チューブ120の上側肩部160を画定する。
【0034】
複数の実施形態において、気化器ポッド10は、本体60の上部端70において少なくとも1つの空気取り込み部30を組み込むように適合され、内部に気化可能材料を含む閉鎖底部カプセル20がカプセル20の内部領域内にあることを保証する。少なくとも1つの空気取り込み部30を本体60の上部端70に隣接して位置決めすることは、複数の空気取り込み部が、気化器内で熱源の外側に、外部に、または、熱源から離間してかつその上に位置決めされることを可能にし、閉鎖底部カプセル20の内容物の完全な断熱を保証し、カプセルの内容物(残留物及び/または気化可能材料)が熱源の外部表面に直接接触することを防止する。この完全な断熱は、汚染の可能性を低減するだけでなく、使用後の気化器の清浄化についての必要性を取り除く。
【0035】
戻って図5を参照すると、少なくとも1つの空気入口30は、本体60の開放上部端70に近接してまたは隣接して位置決めされ、外側チューブ100と内側チューブ120との間に生成される環状空間130と流体連通状態にある。図示するように、環状空間130は、本体60の長さだけ延在し、閉鎖底部カプセル20と流体連通状態にある。
【0036】
図示するように、少なくとも1つの空気入口30は、気化器ポッド10の上部端70に近接してまたは隣接して位置決めされ得る。一実施形態において、少なくとも1つの空気入口は、2つ以上の空気入口であることができ、2つ以上の空気入口から、空気がポッド10に吸い込まれ、ポッド10を通って閉鎖底部カプセル20まで移動する。図6に示すように、また、複数の実施形態において、空気は、少なくとも1つの空気入口30を通して吸い込まれ、少なくとも1つの流入通路を通して閉鎖底部カプセル20まで移動する。空気が閉鎖底部カプセル20から吸い出されることを可能にするために、ポッド10は、閉鎖底部カプセル20から外方に延在する少なくとも1つの取り込み通路から断熱された、内側環状部170などの流出通路をさらに備え得る。図示するように、また、一実施形態において、流出通路は、マウスピース90と流体連通状態であり得る。流出通路は、閉鎖底部カプセル20に永久的にまたは取り外し可能に取り付けられ得る。
【0037】
閉鎖底部カプセル20の上に少なくとも1つの空気入口30を組み込む実施形態は、気化器ポッド10が、底部で閉鎖され、完全に自己充足型であることを可能にし、空気流路は熱源の外側から始まり、マウスピース90の外に出され、その間じゅう、空気流は、熱源の外部表面のいずれの部分からも完全に断熱される。これは、完全にゼロ清浄化システムを可能にする。
【0038】
一実施形態において、また、図7を参照して、閉鎖底部カプセル20は、内部に気化可能材料を貯蔵するための貯蔵キャビティ200を作成するために内側シェル190上に嵌合する外側シェル180を備え得る。一実施形態において、内側シェル190は、外側シェル180内に同心に位置決めされ、接続され得る。
【0039】
図示するように、一実施形態において、内側シェル190は、内側シェル190の上部端の管状ニップル210、及び、ニップル210から軸方向に外方に延在する管状伸長部220を備える。管状伸長部220の下部端に隣接して、管状伸長部220及び管状ニップル210に貯蔵キャビティ200を流体接続するためのアパチャー230が存在する。
【0040】
複数の実施形態において、また、図8に示すように、管状伸長部220は、少なくとも1つの溝250を形成するための少なくとも1つの半径方向に延在するフィン240をさらに備え得る。図8に示す特定の実施形態において、少なくとも1つの半径方向に延在するフィン240は、十字状環状断面プロファイルを画定する半径方向に延在する4つのフィン240、240、240、240をさらに備える。半径方向に延在するフィン240のそれぞれのフィンの外側縁260は、外側シェル180の内部表面270に係合し、溝250と結合して、少なくとも1つの空気チャネル280を作成し、少なくとも1つの空気チャネル280は、本体60の環状空間130及び閉鎖底部カプセル20の貯蔵キャビティ200に流体接続する。
【0041】
戻って図6を参照すると、少なくとも1つの空気入口30、環状空間130、空気チャネル280、管状伸長部220、ならびに、環状ニップル210、内側環状部170、及びマウスピース90は全て、結合して、空気流路を形成または作成し、それにより、ユーザーが自分のマウスをマウスピース90上に設置し、吸入すると、外側空気は、気化器の外側から環状空間130内に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、環状空間130を通り、貯蔵キャビティ200内に移動する。一実施形態において、環状空間130は流入通路として振る舞う。吸い込まれた空気が貯蔵キャビティ200内に入ると、貯蔵キャビティ200内の気化したいずれの材料も、吸い込まれた空気内に浸透し、それと混合し得る。
【0042】
吸い込まれた空気は、その後、アパチャー230を通り、管状伸長部220及びニップル210を通って移動し、内側環状部170に入る。最後に、吸い込まれた空気は、少なくとも1つの空気出口40を通って気化器ポッド10を出て、マウスピース90に入って、ユーザーによって消費または吸入され得る。一実施形態において、内側環状部170は、流出通路として振る舞う。
【0043】
戻って図5及び図6を参照すると、一実施形態において、マウスピース90は、本体60を介して閉鎖底部カプセル20に固着され、かつ、それと流体連通状態にあり得る。そのため、ユーザーが吸引すると、閉鎖底部カプセル20から吸い出された(または、ユーザーによって吸引された)空気は全て、閉鎖底部カプセル20の内部の中または内側に起因し、高濃度の気化した有効成分を含む。
【0044】
図9により詳細に示すように、一実施形態において、マウスピース90は、上側リップ部分290及び下側管状壁300を備え得る。複数の実施形態において、下側管状壁300は、外側チューブ100の上側縁150に係合するための壁肩部310をさらに備え得る。
【0045】
図10及び図11を参照すると、マウスピース90は本体60に固着され得る。図示するように、一実施形態において、上側部分140は、マウスピース90内に延在し得、内側チューブ120の上側肩部160は、マウスピース90のリップ肩部320に係合し得る。外側チューブ100は、マウスピース90の壁肩部310に同様に係合し得る。上側部分140及び下側管状壁300は、環状空間130及び環状流入通路を少なくとも1つの空気入口30に流体接続させるマウスピース空気進路330を作成する。
【0046】
複数の実施形態において、マウスピースは、単一または複数部品で構成され、適切である、任意のサイズ、形状、形態、または設計で作られる場合がある。マウスピースは、紙、植物セルロース、フォイル、ガラス、金属、プラスチック、または任意の他の適した材料を含む、種々の柔軟性があるまたは軟質の材料で作られる場合がある。マウスピースは、処理可能、再利用可能、再生利用可能、生物分解可能、及び/または堆肥化可能である場合がある。
【0047】
他の実施形態において、空気取り込み部及び/または出口は、既存の気化器マウスピース内に嵌合するように設計される場合がある、または、気化器のマウスピースを置換するように設計される場合がある、または、独立に働くように設計される場合がある、または、マウスピース拡張器、風味付きマウスピース、ろ過器、水ベースろ過システム、または他のアクセサリーなどのさらなるコンポーネントと共に働くように設計される場合がある
【0048】
図示しないが、複数の実施形態において、マウスピースは、マウスピースを気化器内に誘導する及び/またはマウスピースを気化器に固定するための機構、ガイド、マウント、クリップ、アタッチメント、または、他のシステムを含み得る。複数の実施形態において、マウスピースは、パケットを気化器内に誘導する及び/またはパケットを気化器内に固定するための機構、ガイド、マウント、クリップ、アタッチメント、または、他のシステムを含み得る。やはり他の実施形態において、マウスピースは、マウスピース及び/またはパケットを気化器から取り外すための機構、ガイド、マウント、クリップ、アタッチメント、または、他のシステムを含み得る。
【0049】
図12を参照すると、一実施形態において、気化器ポッド10は、気化可能材料を伝導によって加熱する気化器340において使用され得る。すなわち、気化器340は熱源を含むことができ、熱源は、閉鎖底部カプセル20及び閉鎖底部カプセル20内の内容物を加熱するためにポッド10の閉鎖底部カプセル20と直接接触状態にあり得る。気化可能材料の有効成分が気化するため、蒸気は、蒸気と混合するために少なくとも1つの空気入口30からカプセルに空気を吸い込むことによってユーザーによって吸引され、その後、閉鎖底部カプセル20から、マウスピース90を通って吸い出されて、ユーザーによって消費され得る。複数の実施形態において、伝導性気化器を使用して、ポッド10に吸い込まれる空気が冷却され得る。
【0050】
一実施形態において、気化器ポッド10は、気化可能材料を対流によって加熱する気化器340において使用され得る。すなわち、空気は熱源を通過し、加熱された空気は、閉鎖底部カプセル20に入って、気化可能材料を加熱し、それにより、蒸気を生成する。蒸気が生成されると、ユーザーは、上述した伝導性気化器の場合と同様に吸引し得る。
【0051】
別の実施形態において、気化器ポッド10は、気化可能材料を放射加熱によって加熱する気化器340において使用され得る。すなわち、閉鎖底部カプセル20から離間した熱源からの赤外線加熱は、閉鎖底部カプセル20内の気化可能材料を加熱するために使用され得る。加熱方法として伝導を使用する実施形態と同様に、閉鎖底部カプセル20内に吸い込まれる空気は冷たい可能性がある。なぜならば、冷たい空気は、その後、気化可能材料の有効成分を気化するのに十分な温度までカプセル内で加熱されるからである。
【0052】
別の実施形態において、気化器ポッド10は、気化可能材料を、伝導、対流、放射加熱、または3つの任意の組み合わせによって加熱する気化器において使用され得る。
【0053】
図13を参照すると、気化器340は、気化器アパチャー350であって、気化器アパチャー350を通して気化器ポッド10を受け取るための、気化器アパチャー350を備える。図14により詳細に示すように、気化器340は、ハウジング360の上部端380に位置決めされた気化器アパチャー350と一列であるチャンバー370を画定するハウジング360、気化器ポッドに熱を提供するための熱源390、断熱体400、及び電力源410を備え得る。より詳細に示さないが、熱源390が、内部に気化可能材料を含む閉鎖底部カプセル20を受け取り、電力源410が、熱源390に動作可能に接続されて、必要な電力を提供し、それにより、熱を生成することを当業者は理解することになる。
【0054】
図15を参照すると、一実施形態において、熱源390及び断熱体400は、気化器340から断熱状態で示される。図示するように、断熱体400は、外側壁420及び内側壁430を有する真空断熱チャンバーであり得る。断熱体400は、断熱チャンバーの内部空間440内で熱源390によって生成された熱を維持し、気化器ポッド10のカプセルに熱を向ける。断熱体400は、気化器340の効率を上げ、それにより、熱損失を低減し得る。複数の実施形態において、断熱体400は、気化器340のウォームアップ時間を低減することができ、電力源410及び気化器340の寿命を増加させることができる。複数の実施形態において、断熱体400は、効率を上げ最大にするために熱源390内の熱を保持及び/または維持し、他のコンポーネントの適切な機能を使用可能にし、かつ、過熱を回避するために、気化器の電力源及び他のコンポーネントを冷たく維持することができ、ユーザーが保持するのに快適であるように、気化器の外部を接触できるほど冷たく維持する。
【0055】
図示するように、また、複数の実施形態において、断熱材400は管状で円錐の底部を持ち得る。しかし、断熱体400の形状が円錐である必要はなく、断熱体400内に固定される気化器ポッドの形状を補完することになる形状であり得ることを出願人は留意する。一実施形態において、断熱体400は、単に、円筒チューブまたは断熱体の他の形状であり得る。
【0056】
図示するように、熱源390は、断熱体400の内部空間440内に位置決めされ、気化器ポッドを受容するために十分なサイズである。管状リングとして示されるが、熱源390は、コイルを含む種々の形状であり得る。
【0057】
同様に図示するように、また、複数の実施形態において、ケージ、プロング、タング、チューブ、または他の手段などのスペーサ450は、熱源390と断熱体400との間の分離を維持するのを支援することができ、熱源390内にカプセルを位置決めするのを支援することができる。
【0058】
一実施形態において、また、図15に示すように、ケージ450は、3プロングケージであり得る。別の実施形態において、ケージ450は、単一プロングであり得る。別の実施形態において、ケージ450は、熱源390内で閉鎖底部カプセルを支援する及び/または位置決めするための気化器ポッドストップ460をさらに備え得る。
【0059】
図16を参照すると、複数の実施形態において、気化器340は、気化器ポッドを内部に固定するための保持手段470を備え得る。複数の実施形態において、保持手段470は、気化器ポッド10がチャンバー370及び気化器340内に固定されることを保証するために、チャンバー370の周りに均等にかつ円周方向に分配された、重ね板ばねなどの、或る方向に力を提供する少なくとも1つの付勢機構であり得る。
【0060】
一実施形態において、保持手段470は、気化器使用の安全性を高める第2の機能を果たし得る。保持手段470が気化器ポッド10と接触すると、保持手段470は、チャンバー370から半径方向に外方に離れて付勢される。保持手段470の半径方向外方への付勢は、気化器ポッドが気化器に挿入されたこと及び電力を熱源390に提供することが安全であることを示す信号を、中央処理ユニットまたはCPU(図示せず)に提供し得る。接触点としてのこの2次機能は、気化器ポッド10が気化器340内に存在しないときに電力が熱源390に不必要に提供されないことを保証し、それにより、気化器340の寿命を増加させる。複数の実施形態において、保持手段470は、保持手段470が、その通常の休止位置にある、すなわち、付勢されていないときに、気化器ポッドが気化器でないことを示す信号をCPUに同様に送出し得る。
【0061】
他の実施形態において、気化器ポッドがチャンバー370内に位置決めされているか否かを示すための信号は、2次重ね板ばねまたは安全スイッチなどの、2次手段によって達成され得る。
【0062】
幾つかの実施形態において、各気化器ポッド上に機械可読情報を格納するためのシステムは、機械可読情報を読み取るためのシステムと共に組み込まれ得る。機械可読情報は、各ポッド内に含まれる気化可能材料に関する情報、ポッドが製造された日付、賞味期限、ポッド内に含まれる気化可能材料の量、消費された気化可能材料の量、シリアルナンバー、ポッドまたはその内容物に関する情報、ポッドに関して使用するための動作パラメータ、あるいは、ポッドに関連するまたは関連しない他の情報を含み得る。この情報は、読出し専用情報または読出し-書き込み情報であることができ、印刷されたテキスト及び/またはグラフィックスなどの知られている技術を使用してポッド上に格納され得る。複数の実施形態において、情報は、バーコード、RFID、NFC、あるいは、他の可視、電子、または磁気通信手段を使用して格納され機械で読み取られ得る。
【0063】
機械可読情報は、同様に、異なる気化可能材料についての最適温度、気化時間を設定することによって気化器の挙動を自動的に制御するためのプログラミング情報を含み得る、または、音、触覚フィードバック、温度変化などのような、特別の感覚フィードバックフィーチャを増加させる命令を提供し得る。
【0064】
一実施形態において、機械可読情報は、気化器ポッド上に書き込まれ得る。
【0065】
戻って図14を参照すると、一実施形態において、バーコードなどの機械可読情報は、気化器ポッド10上に配設することができ、光学カメラ480を使用して読み取ることができる。複数の実施形態において、機械可読情報の読み取りは、光490及び/またはレンズ500の支援によって高められ得る。
【0066】
機械可読情報として格納される、最適温度などの動作パラメータは、熱源390を制御し得る中央処理ユニットまたはCPU(図示せず)に中継され得る。
【0067】
図17~19を参照すると、本発明の気化器の実施形態は、気化器が、使用されていないかまたは気化器ポッドを内部に挿入されていないときに、閉鎖することができる閉鎖機構510をさらに備え得る。閉鎖機構510は、ドア530、及び、ドア530の開放及び/または閉鎖を支援するためのモーター540を含むドアハウジング520を主に備え得る。ドア530の閉鎖は、外部の汚れまたは異物が、誤ってチャンバー370に入らず、気化器340の内部及び熱源390及び断熱体400に損傷をもたらさないことを保証する。
【0068】
図示しないが、機械可読情報の所定の部分は、ハウジング340上に配設される、LEDスクリーンなどのスクリーン上でユーザーに表示され得る。一実施形態において、Bluetooth(登録商標)またはWifiまたは同様な技術が使用されて、機械可読情報を、表示するために2次デバイスに送信またはその他の方法で通信し得る。複数の実施形態において、機械可読情報は、同様に、エンドユーザーに可聴的に、触知的に、または視覚的に通信され得る。
【0069】
別の実施形態において、また、知られている技術を使用して、電力源410は充電式であり得る。特定の実施形態において、電力源410は、ユニバーサルシリアルバス(USB:universal serial bus)ポートを使用して充電され得る。それでも、別の実施形態において、気化器は、触覚フィードバック振動器を有し得る。
【0070】
本明細書で詳細に示され述べられる情報は、本開示の目的及び本開示の現在のところ好ましい実施形態を完全に達成することが可能であり、したがって、本開示によって幅広く企図される主題を表す。本開示の範囲は、他の実施形態であって、当業者に明らかになることができ、また、添付特許請求の範囲以外の何物によっても、相応して制限されない、他の実施形態を完全に包含し、単数形で行われる要素に対する参照は、明示的にそのように述べられない限り、「ただ1つ(one and only one)」ではなくむしろ、「1つまたは複数(one or more)」を意味することを意図される。上述した好ましい実施形態及び当業者によって考えられるさらなる実施形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により明示的に組み込まれ、本開示によって包含されることを意図される。
【0071】
さらに、本開示によって解決されることを求められるそれぞれのまたは全ての問題に対処するシステムまたは方法についての要件は、そのようなシステムまたは方法が特許請求の範囲によって包含されるため、全く存在しない。さらに、本開示のいずれの要素、コンポーネント、または方法ステップも、要素、コンポーネント、または方法ステップが特許請求の範囲において明示的に挙げられるか否かによらず、公衆に献上されていることを意図されない。しかしながら、当業者に明らかになるように、特許請求の範囲で述べたように、本開示の範囲から逸脱することなく、形態、材料、ワークピース、及び作製材料詳細における種々の変更及び修正を行うことができることは、本開示によって同様に包含される。
【0072】
本明細書で述べる例示的な実施形態は、網羅的であること、または、開示される厳密な形態に本開示の範囲を限定することを意図されない。例示的な実施形態は、当業者がその教示を理解することを可能にするように、本開示の原理ならびにその適用及び実用的な使用を説明するために選択され述べられる。
【0073】
上記開示を考慮して、当業者に明らかになるように、多くの変更及び修正が、本開示の範囲から逸脱することなく本開示の実施において可能である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19