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特許7543372ゲームの賞与方法及びこの方法を実施するための非一時的なコンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ゲームの賞与方法及びこの方法を実施するための非一時的なコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/02 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
A63F5/02 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022179251
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2021100364の分割
【原出願日】2007-12-05
(65)【公開番号】P2023011904
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】510159012
【氏名又は名称】ヨーロピアン レインボー ルーレット,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラングティム,メリサ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ガーマン,ダーレン,マリー
(72)【発明者】
【氏名】フート,スティーヴン
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-505207(JP,A)
【文献】特許第7176046(JP,B2)
【文献】特開2003-230657(JP,A)
【文献】特開2007-075593(JP,A)
【文献】特開2004-194898(JP,A)
【文献】米国特許第05553851(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの賞与方法であって、当該ゲームの賞与方法は、
プロセッサが、第1のプレーヤから第1の金額の第1の賭けを受け入れるステップであって、前記第1の賭けは、イベントの複数の可能な結果の中から前記イベントの特定の結果を予測し、該特定の結果の発生はプログレッシブジャックポットの支払いをもたらす、ステップと、
前記プロセッサが、第2のプレーヤから第2の金額の第2の賭けを受け入れるステップであって、前記第2の賭けも、前記イベントの前記特定の結果を予測する、ステップと、
前記イベントの前記特定の結果が発生したときに、
前記プロセッサが、前記イベントとは異なるランダムイベントの第1のセットの結果を前記第1のプレーヤに割り当てるステップであって、前記第1のセットの結果の確率が前記第1の金額に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの第2のセットの結果を前記第2のプレーヤに割り当てるステップであって、前記第2のセットの結果の確率が前記第2の金額に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの結果を決定するステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの前記結果が前記ランダムイベントの前記第1のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第1のプレーヤに賞与するステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの前記結果が前記ランダムイベントの前記第2のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第2のプレーヤに賞与するステップと、を含
前記イベントは、ルーレットベースのゲームイベントであり、
前記特定の結果は、ルーレットホイールのスロットの複数の選択によって定義され、該選択した複数のスロットは選択した文字列に対応し、前記選択した文字列は特定の単語を形成する、
ゲームの賞与方法。
【請求項2】
前記ランダムイベントは、所定の範囲内の乱数の選択である、請求項1に記載のゲームの賞与方法。
【請求項3】
前記第1のセットの結果は、前記所定の範囲のうちの第1の範囲に関連付けられ、前記第2のセットの結果は、前記所定の範囲のうちの第2の範囲に関連付けられる、請求項に記載のゲームの賞与方法。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記乱数が前記第1の範囲内にあるかどうかを判定するステップと、
前記プロセッサが、前記乱数が前記第2の範囲内にあるかどうかを判定するステップと、をさらに含む、請求項に記載のゲームの賞与方法。
【請求項5】
前記第1の範囲には、前記第2の範囲が含まれない、請求項に記載のゲームの賞与方法。
【請求項6】
前記所定の範囲に対する前記第1の範囲の割合が、前記イベントの前記特定の結果を予測する賭け金の総額に対する前記第1の金額の割合に少なくとも部分的に基づいており、前記所定の範囲に対する前記第2の範囲の割合が、前記イベントの前記特定の結果を予測する前記賭け金の総額に対する前記第2の金額の割合に少なくとも部分的に基づいている、請求項に記載のゲームの賞与方法。
【請求項7】
前記第1のセットの結果の前記確率は、前記イベントの前記結果を予測する賭け金の総額に対する前記第1の金額の割合に少なくとも部分的に基づいており、前記第2のセットの結果の前記確率は、前記イベントの前記結果を予測する前記賭け金の総額に対する前記第2の金額の割合に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載のゲームの賞与方法。
【請求項8】
前記プロセッサが、第3のプレーヤから第3の金額の第3の賭けを受け入れるステップであって、前記第3の賭けも、前記イベントの前記特定の結果を予測する、ステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの第3のセットの結果を第3のプレーヤに割り当てるステップであって、前記第3のセットの結果の確率が、前記第3の金額に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記プロセッサが、前記ランダムイベントの前記特定の結果が前記ランダムイベントの前記第3のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第3のプレーヤに賞与するステップと、をさらに含む、請求項1に記載のゲームの賞与方法。
【請求項9】
複数の命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、複数の動作を実行させ、該複数の動作には、
第1のプレーヤから第1の金額の第1の賭けを受け入れることであって、前記第1の賭けは、イベントの複数の可能な結果の中から前記イベントの特定の結果を予測し、該特定の結果の発生はプログレッシブジャックポットの支払いをもたらす、ことと、
第2のプレーヤから第2の金額の第2の賭けを受け入れることであって、前記第2の賭けも、前記イベントの前記特定の結果を予測する、ことと、
前記イベントの前記特定の結果が発生したときに、
前記イベントとは異なるランダムイベントの第1のセットの結果を第1のプレーヤに割り当てることであって、前記第1のセットの結果の確率が、前記第1の金額に少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記ランダムイベントの第2のセットの結果を前記第2のプレーヤに割り当てることであって、前記第2のセットの結果の確率が、前記第2の金額に少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記ランダムイベントの結果を決定することと、
前記ランダムイベントの前記結果が前記ランダムイベントの前記第1のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第1のプレーヤに賞与することと、
前記ランダムイベントの前記結果が前記ランダムイベントの前記第2のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第2のプレーヤに賞与することと、が含まれ、
前記イベントは、電子ルーレットベースのゲームイベントであり、
前記特定の結果は、電子ルーレットホイールのスロットの複数の選択によって定義され、前記選択した複数のスロットのそれぞれが選択した文字列に対応し、選択した文字列は特定の単語を形成する、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記ランダムイベントは、所定の範囲内の乱数の選択である、請求項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第1のセットの結果は、前記所定の範囲のうちの第1の範囲に関連付けられ、前記第2のセットの結果は、前記所定の範囲のうちの第2の範囲に関連付けられる、請求項10に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記複数の動作には、
前記乱数が前記第1の範囲内にあるかどうかを判定することと、
前記乱数が前記第2の範囲内にあるかどうかを判定することとがさらに含まれる、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第1の範囲には、前記第2の範囲が含まれない、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記所定の範囲に対する前記第1の範囲の割合が、前記イベントの前記特定の結果を予測する賭け金の総額に対する前記第1の金額の割合に少なくとも部分的に基づいており、前記所定の範囲に対する前記第2の範囲の割合が、前記イベントの前記特定の結果を予測する前記賭け金の総額に対する前記第2の金額の割合に少なくとも部分的に基づいている、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1のセットの結果の前記確率は、前記イベントの前記結果を予測する賭け金の総額に対する前記第1の金額の割合に少なくとも部分的に基づいており、前記第2のセットの結果の前記確率は、前記イベントの前記結果を予測する前記賭け金の総額に対する前記第2の金額の割合に少なくとも部分的に基づいている、請求項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記複数の動作には、
第3のプレーヤから第3の金額の第3の賭けを受け入れることであって、前記第3の賭けも、前記イベントの前記特定の結果を予測する、ことと、
前記ランダムイベントの第3のセットの結果を前記第3のプレーヤに割り当てることであって、前記第3のセットの結果の前記確率は、前記第3の金額に少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記ランダムイベントの前記結果が前記ランダムイベントの前記第3のセットの結果の中にある場合に、前記プログレッシブジャックポットを前記第3のプレーヤに賞与することとが含まれる、請求項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、運に左右されるゲームに関し、より詳細には、ルーレット盤およびそれに対して賭けられる賭け対象の新規なバリエーションに関する。本発明は、アルファベット文字および虹の各色を含むルーレット盤と、複数のボールとを備える。ボールは、少なくとも2つの文字上で静止し、文字の二連子、三連子などを形成することができる。文字の組み合わせにより階名または単語が形成されることがあり、それらの形成を音に結び付けることで、拡張されたゲーム体験を引き出すことができる。
【背景技術】
【0002】
ゲームは古来のものである。時を経て、核となるゲームのテーマおよび規則が発展し、幅広い人気を博し続けている。古来のゲームに新規な要素をもたらすため、ゲーム愛好者らは、発明的な遊び方のアプローチを通じてゲーム体験を拡張するように励み続けている。例えばルーレットは、中国起源およびローマ起源を含む多くの古来のソースに端を発している。
【0003】
その起源がいずれであれ、ルーレットは、胴元が別々の番号が付された37個または38個のポケットを有する丸形のルーレット盤を回転させ、ボールがかかるポケットに到着するカジノのギャンブルゲームに進化してきた。従来のルーレット盤は、赤と黒とが交互の背景を有する1~36の番号が順不同に付されたポケットすなわちホイールセクタを備える。現代のルーレット盤のほとんどは、さらに、番号「0」が付された少なくとも1つの緑色のポケットを備える。さらに、(欧州と異なり)米国では、ルーレット盤のほとんどが、欧州での遊戯におけるハウスアドバンテージと比較して米国におけるハウスアドバンテージを増加させる名目の「00」とマーキングされた第2の緑色のポケットを備える。
【0004】
米国ベースの遊戯では、プレーヤが単一の番号にベットして勝てば、配当率は35:1である。当然、他にもいくつかのベットのオプションがゲーマに与えられており、かかるオプションは、様々な組み合わせまたは範囲の複数の数に対するベット、すべての奇数もしくは偶数に対するベット、または色によるベットなどを含み、より低い払戻率を提供する。時を経て、基本的なルーレットのテーマに対する変形が進化してきており、それらは、コンピュータステーションを通じた電子的なベット、ボールスピン/盤の完全に電子的なシミュレーション、スロットマシン上またはインターネットゲームを通じたスタンドアローンゲーム、複数のボール、および数字以外の文字(黄道十二星座の記号等)を含む。
【0005】
確かに、ルーレットゲーム装置などに関する従来技術は良好に発展しており、従来技術についての調査により、いくつかの発明的なルーレットに基づくゲーム装置が従来技術において既知であることが判明する。発明者らが認識しているルーレット型のゲーム装置に関するより適切な従来技術のいくつかを、以下で簡潔に説明および提示する。
【0006】
Reinerらに付与された米国特許第3,853,324号明細書(’324号特許)は、運と技とを組み合わせたゲームを開示している。’324号特許は、ビンゴとして知られる人気のゲームの変形形態である運と技とを組み合わせたゲームを教示している。ゲームは、円形のプレイイングフィールドと、そこから延在する長手方向アレイと、大小の指示ボールをアレイに沿ってプレイイングフィールド上に推進させるためアレイの一端に装着されたボール推進機構とを含む。プレイイングフィールドは、反対方向に回転駆動される外側部材と内側円盤とを含む。外側部材には、プレイイングフィールド上に推進させられた大指示ボールを捕らえるように離間されている、小指示ボールを内側円盤上まで通過させるように離間されている、複数の指示子を携える隔壁が設けられている。内側円盤には、隔壁を通過する小指示ボールを収容するように構成された複数の指示子を携えるボール収容ポケットが設けられている。
【0007】
Whittenに付与された米国特許第4,222,561号明細書(’561号特許)は、ゲーム装置を開示している。’561号特許は、最初の文字の指定するためルーレット盤をスピンさせるとともに所定のセットの単語カテゴリカードから一度に1枚をランダムに選択することにより、そのように選択されたカテゴリと最初の文字との両方を満たす単語をプレーヤが回答するルーレット型の装置を教示している。’561号特許を精査することにより、ルーレット型の盤は、その上に一連のローマ式アルファベット文字を備える、ということが分かる。Whittenの盤は、その上に合計で36個の文字付き位置を含み、特定の文字は重複している。Whittenは、本装置を利用して、ルーレット盤による文字のランダムな選択を可能にすることで、関連する物体群(例えば、果物の種類等)に含まれる物体の最初の文字を指定している。特定の遊戯またはターンにおいて勝つため、対象のユーザまたはゲーマは、Whittenのルーレット盤上で選択された文字で始まる名称を有する物体を考え出さなければならない。
【0008】
Walkerに付与された米国特許第4,887,819号明細書(’819号特許)は、カジノボードゲームを開示している。’819号特許は、ルーレット盤の使用を組み込んだ比較的複雑なゲームを教示し、いくつかの異なる伝統的または従来の賭博ゲームの態様を組み合わせている。この点において、プレーヤは、ブラックジャックに類似のカードゲームまたはスロットマシンのいずれかを用いて、セグメント付き経路に沿って移動するスペースの数を決定し、特定のゲームは、プレーヤが前回の移動で到着したセグメントに含まれる指示により選択される。また、各セグメントはさらなる指示も含み、それらの指示のいくつかは、さらなるギャンブル装置を指定し、オッズを与える。これらのさらなる装置は、ルーレットゲームまたはダイスゲームであり、そのセグメントに到着したプレーヤは、指定されたオッズでこれらのゲームでギャンブルを行うことができる。他のプレーヤは、ルーレットゲームおよびダイスゲームが行われるときにギャンブルに参加することが可能である。ゲームの目的は、プレーヤがゲーム盤上で指定されたペナルティを回避し、その他のすべてのプレーヤが「破産」するかカジノバンクが「破産」するかのいずれかまでプレイイングチップの大半を取得することである。注目すべき点として、ルーレット盤についてのアルファベットレイアウトは開示されていない。
【0009】
Bergmannに付与された米国特許第5,259,616号明細書(’616号特許)は、ルーレット型のコイン動作式ゲーム機を開示している。’616号特許は、ルーレット盤として作動するスロットマシンを操作するためのプロセスを開示している。本プロセスによれば、ギャンブラは、コインを投入し、次いで選択キーを押圧することにより賭け金の金額を決定する。ゲームの結果は、マイクロプロセッサがランダムアルゴリズムにより決定する。選択された番号がヒットしたら、マイクロプロセッサは、コイン分配ユニットに主賞を排出するように指示する。選択された番号がヒットしたら、マイクロプロセッサは、ランダム発生器を伴う別のプロセッサを駆動する。ランダム発生器は、記述されたアルゴリズムによりゲイン乗算子を決定し、かかるゲイン乗算子は、ヒットした番号に対する賭け金の金額により乗算される。次いで、払戻ユニットに、ヒットした番号に対する賭け金とゲイン乗算子との積に対応する金額をコインで分配するように指示する。
【0010】
Sackiteyに付与された米国特許第5,553,853号明細書(’853号特許)は、DNA関連技術を教示するためのゲーム装置および方法を開示している。’853号特許は、通常DNAに関連付けられるヌクレオチドの群からヌクレオチドを選択するためのセレクタを含むゲームを教示している。ヌクレオチドをランダムに選択し、選択されたヌクレオチドを記録することにより、各プレーヤは、ユニークなDNA配列を創出する。DNA配列を種々のゲームモチーフの1つにおいて用いることで、ゲームの勝利者が決定される。’853号特許を精査することにより、ルーレット型の盤は、その上に文字が付いた一連の71個の位置を有し、遊戯を可能にしている、ということが分かる。特定のアルファベット文字は繰り返されているが、いくつかの(ローマ式)アルファベット文字は盤から省略されている。
【0011】
Sherに付与された米国特許第5,755,440号明細書(’440号特許)は、拡張されたルーレットスタイルのゲームを開示している。’440号特許は、複数のボールとボールの各々を発射するための別々のトラックとを備える新しいルーレット装置を教示している。好適な実施形態では、2つのボールおよび2つのトラック、ならびにボールを発射するための特別な装置が存在している。一実施形態において、発射装置は空気駆動式であり、別の実施形態において、装置は、スピンする盤との接触によりボールを加速させる機械式である。いずれの場合も、発射装置は、手で保持するかまたはフレームに装着して、ボールをトラック内に推進させるように位置決めすることができる。本発明の別の態様において、ルーレット装置の盤は、動的ディスプレイとして提供され、かかる動的ディスプレイは、LCDおよび動的ホログラフィックディスプレイなどのいくつかの異なるタイプであってもよく、また、プレーヤが好みに合わせてベットを行うことができる電子プレーヤステーションが設けられる。多くの実施形態では、ボールの発射音、ルーレット装置内でボールが転がる音、雷鳴、および音楽などを含む音響効果によりゲームが拡張される。
【0012】
Cheeに付与された米国特許第6,164,647号明細書(’647号特許)は、カジノ盤ゲームシステムを開示している。’647号特許は、ユニークな番号およびユニークな色の少なくとも一方を各々が表す複数のセクションに分割された下側盤を備えるルーレットアセンブリを教示している。また、下側盤上に回転可能に装着されるとともに、ユニークな番号およびユニークな色の少なくとも一方を各々が表す複数のセクションに分割された上側盤も含まれる。上側盤および下側盤をスピンさせると、上側盤は速度が低下して下側盤に係合し、ユニークな番号および色の組み合わせが示される。’647号特許を精査することにより、機械的に複雑なルーレット盤が開示されている、ということが分かる。上側盤および下側盤をランダムに結合させることで、下側盤上で特定の色および番号の結果を選択することができる。注目すべき点として、ルーレット盤上におけるアルファベット表示は開示されていない。
【0013】
ともにCosmiに付与された米国特許第6,227,542号明細書(’542号特許)および米国特許第6,663,106号明細書(’106号特許)は、特定の改良型のルーレットおよび前記改良ルーレットの使用を伴う新しいギャンブルゲームを開示している。’542号特許および’106号特許は、互いに同軸で同じ軸を中心に回転する2つのボウルと、各々がボウルの一方の周囲を転がる2つの小ボールとを含み、各ボウル上に独立イベントを指すデータが刻印されている、新しいタイプのルーレットを教示している。第1の実施形態において、2つの独立イベントは、黄道十二星座の記号と0~31の数字とであり、黄道十二星座の記号は、外側のリング形状のボウル上に刻印されているのが好ましく、0~31の数字は、内側のボウル上に刻印されているのが好ましい。第2の実施形態において、2つのボウル上に刻印されたイベントは、アジア諸国(中国、韓国、日本等)において用いられる1つ以上の暦に関するものである。さらにその上、前記改良ルーレットの使用を伴う新しいギャンブルゲームが記載されている。
【0014】
Nadibaidzeに付与された米国特許第6,406,022号明細書(’022号特許)は、黄道十二星座の記号を伴うベットフィールドを有するルーレット型の大衆娯楽ゲームの遊戯方法を開示している。’022号特許は、1~36の様々な色の情報マークが形成された様々な色のステークスクエアを伴うとともに、数字情報マーク1、2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、および31を有するステークスクエア内に黄道十二星座の記号を伴う、ルーレット型のベットフィールドをシミュレートしたステークフィールドを用いる大衆娯楽方法を教示している。また、36個の主セクタおよび1つまたは2つの追加セクタを有する固定ルーレット盤の平坦画像も形成され、各主セクタは、第1に、素数1、2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、および31の位置に黄道十二星座の記号の画像を伴う1~36数字の画像を含むとともに、第2に、1~6の様々な個数の点である情報マークを伴う六面ダイスの2つの画像を含む。そして、プレーヤがステークフィールドのステークスクエア上でベットを行い、2つの六面ダイスを2組同時に振る手段により2対のランダムなギャンブル指数を選択するという手順が続く。
【0015】
Ilievskiによる米国特許出願公開第2005/0285336号明細書は、ローマ式アルファベットの26文字と2文字を有する位置とを含む25個の位置を有する、ルーレット盤を備えるアルファベットルーレットゲームを開示している。盤をスピンさせたときに単一の文字(もしくは2文字)のいずれかまたはいくつかの文字群のいずれかの文字が出現する可能性に対して、賭け対象面すなわちテーブルで賭け対象を賭ける。ゲームでは、また、盤を2回以上連続して回転させたときに所与の文字が出現する可能性に対しても賭けられる。さらに、盤を回転させたときに所与の1つまたは複数の単語に含まれる文字が出現する可能性に対して、賭ける機会が与えられる。所望により、プレーヤが1つまたは複数の色に対して賭け対象を賭けることができるように、盤上のアルファベット位置とテーブル上の対応する位置とを色付けすることができる。
【0016】
しかし、上で参照した特許および一般に存在が知られる他の従来技術をさらに検討することにより、従来技術は、複数のダイスおよびアルファベット文字を利用して階名文字二連子または単語を形成するためのルーレット型のゲームであって、かかる二連子および/または単語を、ルーレット型のボールにより形成されたときに、音を提供するための特定の手段に動作可能に結び付けることができ、かかるすべてが、ゲーマの感覚を刺激して全体的なゲーム体験を拡張するように作用する、ルーレット型のゲームを開示していない、ということが分かる。
【0017】
本明細書に含まれる文献、法令、材料、装置、物品などのいずれの検討も、本発明のための文脈の提供のみを目的とするものである。これらのいずれかまたはすべてが、先行技術基準の一部を形成する、または本願の優先日前にオーストラリア他において存在していた本発明の関連分野における通常の一般的知識であったことの自認として解釈すべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
このため、本発明のいくつかの実施形態は、鮮やかな虹をテーマとするルーレットゲームであって、虹のテーマを拡張することで、1つ以上のレベルの所謂ミステリージャックポット賞を可能にする、ルーレットゲームを提供する。様々なジャックポット賞を可能にする手段として、本発明のいくつかの実施形態は、ルーレットゲームのユーザを視覚的および/または聴覚的に刺激することにより達成される拡張された勝利体験を引き出すための階名ルーレットゲームを提供する。
【0019】
階名またはアルファベットのルーレットゲームの実施形態は、本質的に、ルーレット媒体、賭けを可能にするレイアウト、および複数のボールを備える。注目すべき点として、ルーレット媒体は、好ましくは盤またはシミュレーションによる盤により定義可能であり、複数のボール収容セクタと、聴覚音を提供するための特定の音提供手段とを備え得る。各ボール収容セクタは、盤または媒体に基づく選択アルファベット文字と虹タイプの選択配色とを擁する上側セクタ面を備え、選択虹配色は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、および紫色からなる色群から選択されるのが好ましい。いくつかの実施形態において、複数の選択ボール収容セクタは、選択聴覚音を提供するための音提供手段に合わせて協働可能に調整されている。
【0020】
賭け対象を賭けることを容易にするため、賭け対象支持面をルーレット盤に隣接して配設するのが好ましく、賭け対象支持面は、複数の賭け対象収容セクションを備え、各賭け対象収容セクションは、賭け対象に基づく選択アルファベット文字を擁する上側セクション面を有し、盤に基づく文字および賭け対象に基づく文字は、対をなす文字対応関係を有し得る。セクタ刺激すなわち文字識別ボールは、各々、ボール収容セクタの1つに収容可能であるのが好ましい。選択ボール収容セクタは、それらにセクタ刺激ボールが収容されたときに協働により選択聴覚音を提供し得る。いくつかの実施形態において、対をなす文字対応関係および選択聴覚音は、ともに、ゲーム体験を拡張するため、ユーザの感覚を視覚的および聴覚的に刺激するように作用する。
【0021】
本発明の態様によれば、中央処理手段、賭け対象入力手段、および視覚的表示ユニットを有する電子ゲーム装置であって、本明細書に記載のゲームまたは方法を行うように構成されている、電子ゲーム装置が提供される。
【0022】
本装置は、スロットマシン、携帯機器、パーソナルコンピュータ、タッチスクリーンモニタ、手持ち式データ入出力装置、携帯電話、タブレット、キオスク、デジタルテレビジョン、または携帯情報端末の形態を呈するのが好ましい。
【0023】
いくつかの考えられる実施形態において、本装置は通信手段を含んでもよく、かかる通信手段は、無線接続、インターネット接続、携帯電話接続、構内通信網による接続、または広域通信網による接続のいずれか1つ以上の使用を含んでもよい。
【0024】
中央処理手段は、視覚的表示ユニットに、少なくとも1つの盤および少なくとも1つのボールを選択的に表示させるように構成されているのが好ましい。1つの考えられる実施形態において、盤およびボールは、シミュレートされたものであってもよく、ゲームの結果は、乱数発生器の出力に少なくとも部分的に依存していてもよい。別の考えられる実施形態において、盤およびボールは、実在するものであってもよく、ゲームの結果は、盤およびボールに少なくとも部分的に依存していてもよい。
【0025】
本発明の別の態様によれば、電子ゲーム装置に、本明細書に記載のゲームまたは方法を行うように命令するための実行可能コードを含む電子可読媒体が提供される。
【0026】
本明細書を通じて、単語「comprise(備える)」またはその変形(「comprises」もしくは「comprising」等)は、述べられた要素、整数、もしくはステップ、または要素群、整数群、もしくはステップ群を含むが、それ以外のいずれの要素、整数、もしくはステップ、または要素群、整数群、もしくはステップ群も除外しないことを示唆するものと理解されたい。
【0027】
本発明の他の必須でない特徴および特定の要素、ならびにその利点は、限定的でない例により提供される以下の説明および添付の図面から解明され、または明らかになろう。
【0028】
本発明の実施形態は、以下の特許図面の簡単な説明を考慮することでより明白になろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1のルーレット盤の平面図であり、各々が選択ローマ式アルファベット文字と一連の虹の7色の1つとを擁する複数のボール収容セクタを示す。
図2】本発明の第2のルーレット盤の平面図であり、各々が選択ローマ式アルファベット文字を擁する複数のボール収容セクタと、「D」および「O」(すなわち「D.O.」)の文字セクタに配置された2つの文字識別ボールとを示す。
図3】本発明の第3のルーレット盤の平面図であり、各々が選択ローマ式アルファベット文字を擁する複数のボール収容セクタと、「W」、「I」、および「N」(すなわち「WIN.」)の文字セクタに配置された3つの文字識別ボールとを示す。
図4】本発明の第4のルーレット盤の平面図であり、各々が選択ローマ式アルファベット文字を擁する複数のボール収容セクタと、「P」、「L」、「A」、および「Y」(すなわち「P.L.A.Y.」)の文字セクタに配置された4つの文字識別ボールとを示す。
図5】本発明の第2のルーレット盤の一部の部分側断面図であり、2つのボール発射トラックリングにおける2つの文字識別ボールを示す。
図6】本発明の第3のルーレット盤の一部の部分側断面図であり、3つのボール発射トラックリングにおける3つの文字識別ボールを示す。
図7】本発明の第4のルーレット盤の一部の部分側断面図であり、4つのボール発射トラックリングにおける4つの文字識別ボールを示す。
図8】本発明の第1の賭け対象レイアウトテーブルの図であり、明瞭さのため色を除去した状態のローマ式アルファベット文字セットを示す。
図9】本発明の第1の配当率表であり、第1のベット名称コラム、第1の個数コラム、第1の配当率コラム、および第1の期待値コラムを示す。
図10】3レベルの「ミステリージャックポット」テーブルの図であり、ミステリージャックポット最小値コラム、ミステリージャックポット最大値コラム、およびミステリージャックポット百分率コラムを示す。
図11】本発明の第2のルーレット盤のための第2の配当率表の図であり、第2のベット名称コラム、第2の個数コラム、第2の配当率コラム、および第2の期待値コラムを示す。
図12】13個のテーブルシートを示すサンプルの第2の賭け対象レイアウトテーブルを伴う第1の賭け対象レイアウトテーブルの図であり、各シートが明瞭さのため色を除去した状態の自らのユニークな3文字の単語を擁する。
図13】本発明の第3のルーレット盤のための第3の配当率表の図であり、第3のベット名称コラム、第3の個数コラム、第3の配当率コラム、および第3の期待値コラムを示す。
図14】本発明の第4のルーレット盤のための第4の配当率表の図であり、第4のベット名称コラム、第4の個数コラム、第4の配当率コラム、および第4の期待値コラムを示す。
図15】本発明の第3の賭け対象レイアウトテーブルの図であり、明瞭さのため色を除去した状態のロシア式アルファベット文字セットを示す。
図16】本発明の第3の賭け対象レイアウトテーブルのための第5の配当率表の図であり、第5のベット名称コラム、第5の個数コラム、第5の配当率コラム、および第5の期待値コラムを示す。
図17】本発明の第4の賭け対象レイアウトテーブルの図であり、明瞭さのため色を除去した状態のロシア式アルファベット文字セットを示す。
図18】本発明の第4の賭け対象レイアウトテーブルのための第6の配当率表の図であり、第6のベット名称コラム、第6の個数コラム、第6の配当率コラム、および第6の期待値コラムを示す。
図19】2レベルの「ミステリージャックポット」テーブルの図であり、ミステリージャックポット最小値コラム、ミステリージャックポット最大値コラム、およびミステリージャックポット百分率コラムを示す。
図20】本発明の第1の賭け対象レイアウトテーブルの拡大図であり、明瞭さのため代表的な7色を含む状態のローマ式アルファベット文字セットを示す。
図21】手持ち式ユニット(図の上方左側に示す)、携帯電話(図の下方左側に示す)、スロットマシン(図の中央に示す)、タッチスクリーン液晶表示ユニット(図の上方右側に示す)、およびノートブック型コンピュータ(図の下方右側に示す)の形態の様々な電子ゲーム装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実装例は、一般に、スピンさせられる少なくとも2つのボールと、ボールが静止したときに選択すなわち識別される2つのアルファベット文字とを伴う音楽または音を用いるアルファベット虹色ルーレットゲームに関する。本発明の目的のため、アルファベット文字に対する視覚的に刺激的な背景として、虹タイプの各色を含むのが好ましく、かかる各色は、図1において30で示す赤色、31で示す橙色、32で示す黄色、33で示す緑色、34で示す青色、35で示す藍色、および36で示す紫色を含み得る、と考えられる。赤色30、橙色31、黄色32、青色34、藍色35、および紫色36の各色は、図20においてさらに参照する。好適な虹の各色である赤色30、橙色31、黄色32、緑色33、青色34、藍色35、および紫色36は、伝統的な光学スペクトルを記憶するために用いられる周知のROY G.REV記憶法により、本発明の設計に組み込むことができる、と考えられる。いずれの数の他の異なる色および電磁波波長も、設計者の好みまたは選定により本発明の設計に組み込むことができるものと思われる。
【0031】
第1の配当率表20(本発明の1ボール式ルーレット盤と組み合わせて用いる)を図9に示し、かかる配当率表20は、本発明の第1の実施形態についての異なる勝利オッズを表している。第2の配当率表21(本発明の2ボール式ルーレット盤と組み合わせて用いる)を図11に示し、かかる配当率表2は、本発明の第2の実施形態についての異なる勝利オッズを表している。
【0032】
図9における配当率コラムを図11に対して比較精査すると、図11において2つの配当率が示されている、ということが分かる。これは、選択されたベット基準では、選択された番号の1つまたは両方へのヒットに対する異なる払戻率を表している。例えば、ユーザまたはプレーヤが虹の色である黄色32を選択し、ボールの1つが黄色32に到着すれば、彼/彼女には「同じ金額」が払い戻される。しかし、両方のボール12が黄色32に到着すれば、ユーザまたはプレーヤには19:1で払い戻される。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態の主たる目的は、ルーレットの単一の「スピン」によりトリガ単語または階名をスペリングすることであり、この点において、複数のボール12により、プレーヤが前記トリガ単語または階名をスペリングすなわち形成することが可能になる、ということに留意すべきである。「音階」と呼ばれる音楽を用いる追加のベットのオプションを含めることで、以下のソルフェージュ文字二連子または全音階スケールの階名、すなわち「DO(ド)」、「RE(レ)」、「MI(ミ)」、「FA(ファ)」、「SO(ソ)」、「LA(ラ)」、「TI(シ)」のいずれかが生じた場合、プレーヤにプログレッシブまたはジャックポット賞を与えることができる。このジャックポットは、約46ゲーム毎に生じることが予期される。これにより、ジャックポットパラメータをどのように設定するか、ジャックポットにベットする手段、および賞の分割によって、ジャックポット賞金金額を低~中程度にする余地が与えられる。
【0034】
上記のジャックポット手法は、電子スロットマシン型バージョンのルーレットゲーム上で、またはオンライン、ネットワーク、もしくはインターネットベースの媒体において動作するように容易に調整することができ、個々のプレーヤベースのマシンをいくつかの同様のマシンのチェーンにリンクさせ、かかるマシンをすべて共通のジャックポットにリンクさせることができる、と考えられる。このシナリオでは、比較的頻繁に勝利者が生まれる。「音階」での勝利者がいた場合は、「DO、RE、MI」音楽すなわち音階がジャックポットコントローラにより演奏される。スロットマシンでの代替の実装例において、各々が異なる「音階」ステーション名を有する7つの異なるスロットをジャックポットに設けることも可能である。従って、各ステーションが任意のスピンにおいてヒットする確率は、因数7により低下し、その結果、より高額な賞金となる。本発明のいくつかの実施形態により検討される「音階」によるベットのオプションに関するさらなる情報については、図11を参照されたい。
【0035】
本発明の別の拡張例または実装例では、3つのボール12を利用することできる、と考えられる。この場合、既定のリストにある3文字の単語が形成された場合に勝利となるようにボールが到着するかどうかに基づく、追加のプログレッシブジャックポットを含むことができる、と考えられる。例えば、単語「WIN」の形成(図3に略示)は、プログレッシブ賞の獲得を意味し得る。図12を精査することにより、13個の「シート」40がテーブルに配置され、各シート40は、自らのユニークな3文字の単語41を有し得る、ということが分かる。
【0036】
リンクされたプログレッシブに参加する電子スロットマシン(またはオンラインゲームポートホール等)について、各スロットは、自らのユニークな3文字の単語/コードを有することも可能である、と考えられる。プレーヤがゲームしているマシン上にその単語/コードが出現したら、プログレッシブジャックポットが獲得される。任意の指定された3文字の単語41が単一のスピンにおいて出現する確率は、0.00038、すなわち2600ゲーム毎に一度である。テーブル全体、すなわち13個のシート40すなわちステーションのすべてが有効であれば、プログレッシブジャックポットは、平均で200ゲーム毎に一度獲得されることが予期される。注目すべき点として、図13をさらに精査することにより、カテゴリにおけるいくつのボール12がヒットするかによって異なる配当率が存在する、ということが分かる。例えば、コラムベットが選択された場合、1つのボール12がヒットしても配当はなく、2つのボール12がヒットすれば配当率は2:1であり、3つのボール12のすべてがヒットすれば配当率は15:1である。
【0037】
テーブルゲームまたはリンクされた電子的なスロットタイプもしくはオンラインポートホールタイプのルーレットゲームについては、アルファベット虹色ルーレットテーブルにおける各「シート」40が、そのシート40のみにプログレッシブジャックポットが適用される自らのユニークな単語41を有する、ということが考えられる。従って、図12に略示するように、1つのシート40には単語「WIN」、別のシート40には「NOW」、別のシート40には「RED」などのように割り当てることが可能である。この構造により、プログレッシブジャックポットを獲得した唯一の単語41に対して、複数のパトロンが同時に勝利した場合に配当率が極端に低下するという問題が解決される。各プレーヤがプログレッシブジャックポットに参加する他のすべてのプレーヤから独立しているゲームマシンについては、電子テーブルゲーム(EGM)(スロットを伴うハイブリッド化されたテーブルゲーム)が、自動的かつランダムに単語41を割り当てるか、またはプレーヤに既定のリストから単語41を選択させることが可能である。前者のシナリオでは、単語41を割り当てるための手段が、各スロットステーションに、「音階」ジャックポットまたは「WIN」ジャックポットから指示されたように単語41を指定するステップを含み得る、と考えられる。
【0038】
ジャックポットへの参加は、以下に要約する3つのオプションの1つを含み得る、と考えられる。(1)プレーヤは、ジャックポット単語にベットを行うことができる。このオプションは、より高い配当率をもたらし得る。(2)他のいずれかのベットを行ったプレーヤは、それらの単語が出現すれば自動的にプログレッシブを獲得する権利を得る。(3)少なくとも最低ベット額(システム設定パラメータとすることができる)を賭けたプレーヤは、それらの単語が出現すれば、自動的にプログレッシブを獲得する権利を得る。このバリエーションに対するさらなるオプションとして、3つのボール12に代えて4つのボール12をスピンさせる、すなわち導入する。次いで、プレーヤに4文字の単語を割り当て、単語のすべての4文字が出現すればプログレッシブジャックポットを獲得することが可能である。この構造の利点は、より高額なプログレッシブ賞金が獲得され得ることである。注目すべき点として、上に提示した参加オプションのいずれも選ぶことができる。
【0039】
さらに、ミステリージャックポットのオプションを構造に組み込むことができる、と考えられる。本発明のこの態様では、3ボール式ゲームすなわちバージョンについて、唯一の勝利する単語の組み合わせ「WIN」が存在する。唯一の単語であることに伴う困難は、多くのプレーヤがジャックポットを共有するため、賞金があまり多くなく、ユニークでない、という点である。この問題は、容易に対策を行うことができる。ジャックポット勝利トリガが生じた(例えば、3つのボール12が引かれ、単語「WIN」がスペリングされた)状況において、二次ジャックポット勝利者選択プロセスを行う。各プレーヤを、そのゲームに対して賭けたすべての金銭、クレジット、または他の同様の資産により評価するのが好ましい。
【0040】
例えば、WINイベントが生じたゲームにおいて、2人のプレーヤ(プレーヤAおよびプレーヤB)のみが存在していたものと仮定する。プレーヤAは、そのゲームに10クレジットをベットし、プレーヤBは、90クレジットをベットしていた。各プレーヤは、それぞれ10および90の評価を与えられ、それは、プレーヤAに0.1の確率、プレーヤBに0.9の確率が割り当てられることを意味する。ジャックポットコントローラが乱数を引くことで、いずれのプレーヤが勝利するかを決定する。例えば、乱数が0.01~1の範囲であるものとして、引かれた乱数が0.05であれば、プレーヤAの勝利とし、0.75であれば、プレーヤBの勝利とする。これは、ゲームを運営するゲーム運営体にとって大いに有益である、というのも、ジャックポットが比較的高額になり始めたときに、プレーヤは、WINジャックポットが生じたときに勝利者に選択される可能性を高めるため、常々より大きく賭けるように促されるためである。同じ原理を上述の音階ジャックポットに適用することも可能である。
【0041】
上記では、本発明により本来教示される特定のゲーム授賞法について説明した。この点において、ゲーム授賞法は、ゲーム体験を拡張するように良好に作用し得るものであり、複数の賭け対象付き予想を受け付けるステップであって、かかる賭け対象付き予想は、アルファベット文字またはルーレットゲームにより形成可能な有意な文字列の形成により定義可能であることが好ましいイベント結果を予想するものである、ステップを含む。注目すべき点として、賭け対象付き予想は、大きさが異なる特定の賭け対象合計を必ず含むものとすることができる。予想を受け付けた後に、それらに、賭け対象合計の大きさに対応する確率評価を割り当てる。次いで、授賞コントローラから、0.01(1%)~1(100%)の数値範囲から選択された(百分率形式の)乱数を引く。乱数を引いた後に、それを、当初提供された賭け対象合計に対応する様々な確率評価の間の差を表す確率評価と比較する。次いで、差を評価し、最も高く評価された賭け対象合計にクレジット、トークン、または現金などの資産を授与する。
【0042】
2つ以上のボール12を用いる任意のゲームにおいて音を指示するには、音階の単語すなわち階名がヒットした場合に、階名唱法における楽音(文字の二連子の階名(「DO」、「RE」、「MI」、「FA」、「SO」、「LA」、「TI」)に対応する)を提供することができる、と考えられる。この点において、選択聴覚音は、全音階スケールを有するとともに、階名唱法における階名文字二連子群に合わせて調整されているのが好ましく、かかる階名文字二連子群は、「DO」、「RE」、「MI」、「FA」、「SO」、「LA」、および「TI」で構成され、階名文字二連子「DO」は、全音階スケールにおける主音に対応する、と考えられる。図2に略示するDOトリガイベントを精査されたい。
【0043】
ベットのレイアウトは、(1)サイコロ賭博におけるフィールドベットとまったく同じ概念のグループノート(かかる概念とは、「DO」がヒットした場合、他の6つの音の場合の払い戻しの概ね2倍を払い戻す、というもの)と、(2)全音階スケールの7つの音の各々についてのインディヴィジュアルサイドベットと、(3)プログレッシブ/ミステリージャックポットの組み合わせに対するトリガと、を含む3種類のベットを工夫により網羅することも可能である、と考えられる。階名の単語の二連子「DO」は、ルーレットなどの運に左右されるゲームにおける従来の賞品である金銭を意味する一般的なスラングである「dough」と発音されることに留意されたい。この階名および音の内容についての遊びは、ゲーム体験を増大すなわち拡張する特徴の1つに過ぎない、と考えられる。
【0044】
2つのボール12をスピンさせる機械式ルーレット装置を利用した場合、グループすなわちフィールドベットでは、「RE」、「MI」、「FA」、「SO」、「LA」、または「TI」が出現すれば36:1、「DO」が出現すれば73:1で払い戻される、と考えられる。この種のベットに対する全体的なリターンは、91.08%となる。各インディヴィジュアルサイドベットでは、295:1で払い戻され、この種のベットに対する全体的なリターンは、91.08%となる。7つの音階文字二連子(または階名)のいずれかがマッチすればジャックポットがトリガされ、ジャックポットは、約46.5ゲーム毎に発生することになる。3つのボール12を回転させる場合、グループすなわちフィールドベットでは、「RE」、「MI」、「FA」、「SO」、「LA」、または「TI」が出現すれば12:1、「DO」が出現すれば29:1で払い戻される。この種のベットに対する全体的なリターンは、91.85%となる。各インディヴィジュアルサイドベットでは、99:1で払い戻され、この種のベットに対する全体的なリターンは、91.38%となる。7つの音階の単語のいずれかがマッチングすればジャックポットがトリガされ、ジャックポットは、約15.75ゲーム毎に発生することになる。3つのボールから2つの音階の単語が形成された場合(例えば、「FAL」、「SOD」、または「MIT」)は割り増しの合計が払い戻されるように、配当を操作することも可能である、と考えられる。いくつかのゲーム運営体は、多額のベットについての責任を制限することを望むかもしれない、ということに留意すべきである。例えば、最大の配当を10,000ドルとすることができる、と考えられる。
【0045】
サイドベットは以下のように要約することができる、と考えられる。(1)虹の各色である赤色30、橙色31、黄色32、青色34、藍色35、および紫色36は、従来の赤色および黒色と同様に、6つの異なるベットを可能にするように作用させる。(2)注目すべき点として、緑色33は、トップライン上の小額のストリートベットを表し得るため、必要ない。(3)コラム。(4)ファースト12およびラスト12。(5)ストリート、ダブルストリート。(6)音階「フィールド」ベット。(7)音階インディヴィジュアルサイドベット(7)、(ペア、コーナー(個数4の群))。
【0046】
従って、本発明の好適な実施形態は、一般に、色彩豊かな階名ルーレットゲームに関し、かかるゲームは、有意な文字列(単音節の単語を含む)の形成に対して賞を提供するように設計されている、と考えられる。形成された文字列は、さらに、イベントによりトリガされたときに音を提供するための特定の手段に動作可能に結び付けることができる。従って、階名ルーレットゲームは、視覚的および聴覚的な階名に基づく刺激を通じて拡張された勝利体験を引き出すように良好に作用し得る。本発明の実施形態の階名ルーレットゲームは、図1図7に示し参照するルーレット盤10と、図8図12図15図17、および図20に示す参照する賭け対象レイアウト、すなわち賭けを可能にする構造すなわち面11と、図2図7に示し参照する複数のセクタ刺激すなわち文字識別球体すなわちボール12とを備えるのが好ましい。
【0047】
ルーレット盤10は、図1図4に示し説明する均等に離間された径方向内方の複数の球体収容セクタ13と、図1図7に示し説明する径方向外方の複数の球体発射トラックリング14と、図2に参照符号15で(ルーレット盤10と回路をなすスピーカとして)概略的に示す聴覚音を提供するための特定の手段すなわち音提供手段とを備える。図1図4図5図7に対して比較精査すると、当初は径方向外方にあるボール12をセクタ13に(径方向内方に)案内することで、リング14から様々なセクタ13への配置よりランダムにするため、トラックリング14は段状であるのが好ましい、ということが分かる。さらに、利用されるボール12または識別される文字18の数によっては、図5図7の全体的な検討から分かるように、配置をよりランダムにする手段として、トラックリング14の数はボール12の数に等しいのが好ましい、と考えられる。
【0048】
上述のように、各球体収容セクタ13は、色付けされた上側セクタ面を備えるのが好ましく、かかる面の各々は、さらに、盤に基づく選択アルファベット文字18を擁するのが好ましい、と考えられる。図1および図20の精査から分かるように、複数の色は、様々な種類のハッチングマークにより表されている。例えば、図1に示すローマ式アルファベット文字YおよびZは、色表現に関する米国特許商標庁規則に基づき緑色と指定されるハッチングマークにより表されるように、緑色33で色付けされるのが好ましい。同様に、ローマ式アルファベット文字A、H、O、およびVは、赤色30で色付けされるのが好ましく、ローマ式アルファベット文字B、I、M、およびWは、橙色31で色付けされるのが好ましく、ローマ式アルファベット文字C、J、Q、およびXは、黄色32で色付けされるのが好ましく、ローマ式アルファベット文字E、L、R、およびSは、青色34で色付けされるのが好ましく、ローマ式アルファベット文字D、K、P、およびUは、藍色35で色付けされるのが好ましく、ローマ式アルファベット文字F、G、N、およびTは、紫色36で色付けされるのが好ましい。先に提示したように、上記の色は、光学スペクトルまたは虹の各色についてのよく用いられる記憶法ROY(G.)BIVを含む、すなわち表す。
【0049】
機械式バージョンのルーレットゲームについては、複数の選択球体収容セクタ13が、音を発するための特定の圧力感知部(特に図示せず)を備えることができる、と考えられる。従って、選択球体収容セクタ13(すなわち、音の提供を可能にするセクタ)の圧力感知部が、部分的に、音提供手段を構成し得るものと考えられる。例えば、ボール12が選択セクタ13上で静止したとき、選択音を提供するように動作する回路を閉じるように圧力感知スイッチを作動させることができる、と考えられる。電子(スロットタイプまたはオンラインゲームタイプ)バージョンのルーレットゲームについては、選択セクタ13を、文字識別ボール12により指示されるように音を鳴らすように事前にプログラムすることができる、と考えられる。
【0050】
本発明の賭け対象面すなわちレイアウト11、すなわち賭けを可能にする構造は、賭け対象を賭けることを容易にするため、ルーレット盤10に隣接して配設するのが好ましい、と考えられる。この点については、図8図12図15図17、および図20を参照されたい。上記の図面を精査することにより、ゲーマは、ボールの配置前に複数の賭け対象収容セクション、すなわち賭けを可能にするセクション16上で賭け対象を賭けることができる、ということが分かる。賭け対象収容セクション16の各々は、上側セクション面を備え、かかるセクション面は、各々、盤に基づく文字18と一対一の対応関係を有する賭け対象に基づく選択アルファベット文字17を擁する。盤に基づく文字18および賭け対象に基づく文字17は、対をなす文字対応関係を有し、従って、セクション16も、先に示した内訳に対応する虹色の背景を有するのが好ましいことを理解されたい。図20を精査することにより、例えば、Aは赤色30で色付けされ、Cは黄色32で色付けされ、Gは紫色36で色付けされ、Iは橙色31で色付けされ、Kは藍色35で色付けされ、Sは青色34で色付けされる、ということが分かる。視覚的解釈の容易さのため、図20に示す残りのセクション16は、意図的に色付けを省略した状態(そうでない場合は必ず色付けが存在する)で示している。
【0051】
セクタ刺激すなわち文字識別球体すなわちボール12は、図2図4に略示するように、球体発射トラックリング14から発射可能であるとともに、球体収容セクタ13の1つに収容可能である。階名唱法における階名(例えば、「DO」)の形成などのトリガイベントが発生すると、音提供手段15により音(図2において参照符号19)が提供される。換言すれば、選択球体収容セクタ13は、セクタ刺激球体12がセクタに収容されたときに協働により選択聴覚音19を提供するように作用する。盤10とレイアウト11との間の対をなす文字対応関係と選択聴覚音19とは、ともに、拡張されたゲーム体験を引き出すため、ユーザの感覚を視覚的および聴覚的に刺激するように作用する。
【0052】
上記の説明は、かなりの具体的な記載を含んでいるが、この具体的な記載は、本発明の範囲に対する限定として解釈すべきでなく、本発明の例示として解釈すべきである。例えば、上で説明したように、本発明は、本質的に、ゲームユーザを視覚的および聴覚的に刺激するための階名ルーレットゲームを開示するものであり、かかる階名ルーレットゲームは、盤などの特定のルーレット媒体と、複数のセクタ刺激ボールとを備える、と考えられる。ボールの配置の結果に対して賭けることが好ましい場合は、賭け対象支持面すなわちレイアウトをさらに提供してもよい。
【0053】
ルーレット媒体は、複数のボール収容セクタを備えるのが好ましく、各ボール収容セクタは、ソルフェージュを可能にする媒体に基づく選択アルファベット文字を擁するセクタ面を備えるのが好ましい。この最後の点において、ローマ式アルファベット文字は、アルファベット文字の一形態に過ぎない、ということに留意されたい。図15および図17を精査することにより、ロシア式アルファベット文字セットなどの他のアルファベット文字をゲームに組み込んだ場合も、本明細書に提示する教示に含まれるものとすることができる、ということが分かる。注目すべき点として、図9図11図13、および図14図16および図18に対して比較精査すると分かるように、配当構造および勝利オッズは、アルファベット文字セットによって多少変更することができる。ギリシャ語、中国語、日本語、アラビア語、および他の同様のアルファベット文字セットなど、他の種類のアルファベット文字セットを用いることができ、階名唱法は、ローマ式アルファベット文字列などにより記述された有意な文字列に結び付けられた音階に限定されない、ということに留意されたい。
【0054】
セクタ刺激ボールすなわち文字識別子は、協働により単一のスピンによる単語または階名の形成を可能にするため、ボール収容セクタの1つに収容可能である。単一のスピンによる単語または階名の形成は、対をなす文字対応関係により拡張され、ユーザを視覚的に刺激するとともに、拡張されたゲーム体験を引き出すように良好に作用し得る、と考えられる。注目すべき点として、ルーレット媒体は、ミステリージャックポットなどを含むがそれらに限定されない可変の配当手法を可能にするための虹タイプの選択配色を擁し得る。さらに、ルーレットゲームは、形成された有意な文字列と一対一の対応関係を有する聴覚音を提供するための特定の音提供手段を備えるのが好ましい。
【0055】
さらに、本発明の概念によれば、特定のルーレットゲーム方法が教示される、と考えられる。この点において、本発明のルーレットゲーム方法は、ルーレットゲーム体験を拡張するように良好に作用し得る、と考えられる。ルーレットゲーム方法は、視覚的に知覚可能なアルファベット文字を、中心のルーレット盤の(回転)軸に対する径方向近隣に編成するステップと;文字識別子(ボール12等)を、回転軸に対する径方向近隣、例えばボール収容セクタ13などに、ランダムに配置するステップと;配置された文字識別子により複数のアルファベット文字を識別するステップと;識別されたアルファベット文字により1つ以上の有意な文字列を形成するステップと;形成された有意な文字列を、図12に提示する有意な文字列、すなわちWIN、NOW、RED、SHE、FOR、HUG、MAN、BAR、YES、DOG、AXE、SUN、およびCA、またはソルフェージュを可能にする文字列DO、RE、MI、FA、SO、LA、およびTIなどの既定の有意な文字列と比較するステップと;を含むのが好ましい。
【0056】
他のステップとして、文字識別子を回転軸に対する径方向近隣にランダムに配置する前に、虹タイプの各色を回転軸に対する径方向近隣に編成するステップを含んでもよい。注目すべき点として、電子的(スロットタイプまたはオンラインゲームタイプ)ルーレット形式の場合は、色の編成をランダムに割り当てるか、または周期的に変更することができる。さらに、ルーレットのスピンが行われる前にゲーマが選択アルファベット文字、色、または文字列を選択する場合と同様に、ボールすなわち文字識別子を回転軸に対する径方向近隣にランダムに配置する前に、特定の有意な文字列の形成を予想するステップを行ってもよい。典型的には、予想ステップ中に、金銭、クレジット、または他の同様の資産などの資産を賭けるステップを行う。
【0057】
さらに、ルーレットゲーム方法は、形成された有意な文字列を選択既定文字列と比較した後に、金銭、クレジット、または他の同様の資産などの資産を授与するステップを含んでもよい。授与は、ミステリージャックポットおよびいずれの数の他の配当構造の形態を呈してもよい。注目すべき点として、有意な文字列の形成中に選択音を鳴らすステップを含んでもよく、かかる場合、形成された有意な文字列は、階名唱法における選択音に対応するのが好ましい。
【0058】
本発明のいくつかの好適な実施形態は、電子スロットマシン52などの1つ以上の電子ゲーム装置上で、または多端末電子ゲーム装置を経由して、遊戯を行うことができる、と考えられる。また、本発明のいくつかの好適な実施形態は、1つ以上の携帯機器、例えば、図21に一般に示し参照する携帯情報端末(PDA)50などの手持ち式データ入出力装置、携帯電話51、表示画面56を各々有するタッチスクリーン液晶表示(LCD)ユニット53、タブレット、キオスク、デジタルテレビジョン、または他のかかる電子装置上で、遊戯を行うことができる、と考えられる。
【0059】
いくつかの考えられる実施形態では、各種の電子装置の組み合わせがともに相互作用することで、複数のプレーヤの間でのゲームプレイを容易にする。かかる相互作用の協調は、インターネット接続、携帯電話接続、構内通信網による接続、または広域通信網による接続の使用を含む、装置が利用可能な通信手段を介して行うことができる。当業者により理解されるように、多くのかかる電子装置は、通信目的で電波55を送信および受信するため、アンテナなどの送受信手段を含む。加えて、多くのかかる電子装置は、賭け取引を容易にするため、クレジットカード57から情報を読み出すように構成されたカードリーダなどを含む。
【0060】
図21に略示するタイプなどのタッチスクリーンLCDユニット53は、カジノまたはゲーム運営体においてより実施しやすいオプションであり、プレーヤにとって好適なインタフェースを定義することができる、ということに留意されたい。さらに、乱数-シンボル発生器を通じて得られる結果に対する疑念のため、プレーヤは、ゲームで勝利する組み合わせが生じる様子を視覚化することをしばしば望む、ということに留意されたい。乱数またはシンボル発生器は、電子的な実施形態のいくつかの中核であり得るが、本教示の特定の態様では、完全にまたは部分的に電子的なバージョンで良好に実装することが可能である、と考えられる。
【0061】
電子的に実装された一実施形態では、プレーヤがボタンまたはタッチスクリーンなどの入力手段を用いて賭けオプションを選択する、と考えられる。「遊戯」が開始すると、中央処理手段は、表示画面56上でシミュレートされた盤のスピンをシミュレートする。また、中央処理手段は、少なくとも1つのシミュレートされたボールが、シミュレートされた盤の周りでスピンするとともに、シミュレートされたセクタにおいて静止するように、表示画面56上で示す。各スピンの結果が表示されると、中央処理手段は、プレーヤに分配される賞を算出する。
【0062】
別の考えられる実施形態では、実在する(シミュレートされたものでなく)盤および少なくとも1つのボールのスピンを、電子ゲーム装置の表示画面56上に示し、ゲームの結果を、ボールが静止した物理的なセクタに依存させてもよい。さらに別の考えられる実施形態では、結果を、1つ以上の物理的なボールの静止位置と乱数発生器の出力との組み合わせに依存させてもよい。
【0063】
好適なルーレットゲームおよびそれに関連する特定の方法を参照して本発明を説明したが、それらにより、新規のゲームまたはゲーム方法が限定されることを意図するものではなく、それらの変形も、上述の開示、以下の特許請求の範囲、および添付の図面の幅広い範囲および趣旨に含まれることを意図するものである。
【0064】
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
ゲームユーザを視覚的および聴覚的に刺激するための階名ルーレットゲームであって:
ルーレット盤であって、前記ルーレット盤は、複数の均等に離間された径方向内方の球体収容セクタ、複数の径方向外方の球体発射リング、および聴覚音を提供するための音提供手段を備え、各球体収容セクタは、各々が選択アルファベット盤文字を擁する上側セクタ面を備え、複数の選択球体収容セクタは、選択聴覚音を提供するための前記音提供手段に合わせて協働可能に調整されている、ルーレット盤と;
複数の賭け対象収容セクションであって、各賭け対象収容セクションは、各々が選択アルファベット賭け対象文字を擁する上側セクション面を備え、前記盤文字および前記賭け対象文字は、対をなす文字対応関係を有する、賭け対象収容セクションと;
複数のセクタ刺激球体であって、前記セクタ刺激球体は、各々、前記球体発射リングから発射可能であるとともに前記球体収容セクタの1つに収容可能であり、前記選択球体収容セクタは、それらに前記セクタ刺激球体が収容されたときに協働により前記選択聴覚音を提供し、前記対をなす文字対応関係および前記選択聴覚音により、ユーザを視覚的および聴覚的に刺激する、セクタ刺激球体と;を備える、階名ルーレットゲーム。
〔態様2〕
前記上側セクタ面および前記上側セクション面は選択配色を擁し、前記選択配色は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、および紫色からなる色群から選択される、態様1に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様3〕
前記上側セクタ面および前記上側セクション面は、ローマ式アルファベット文字を擁する、態様2に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様4〕
前記選択聴覚音は全音階スケールを有する、態様3に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様5〕
前記選択聴覚音は、階名唱法における階名文字二連子群に合わせて調整され、前記階名文字二連子群は、「DO(ド)」、「RE(レ)」、「MI(ミ)」、「FA(ファ)」、「SO(ソ)」、「LA(ラ)」、および「TI(シ)」で構成されている、態様4に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様6〕
ゲームユーザを刺激するための階名ルーレットゲームであって:
ルーレット媒体であって、前記ルーレット媒体は、複数のボール収容セクタおよび複数のボールを備え、各ボール収容セクタは、各々が選択アルファベット盤文字を擁する上側セクタ面を備え、前記ボールは、各々、前記ボール収容セクタの1つに収容可能であり、前記選択ボール収容セクタは、それらに前記ボールが収容されたときに協働により単語の形成を可能にし、前記単語の形成によりユーザを視覚的に刺激する、ルーレット媒体;を備える、階名ルーレットゲーム。
〔態様7〕
前記上側セクタ面は選択配色を擁し、前記選択配色は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、および紫色からなる色群から選択され、前記選択配色により、配当構造の変化を可能にする、態様6に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様8〕
複数の賭け対象収容セクションであって、各賭け対象収容セクションは、各々が選択アルファベット賭け対象文字を擁する上側セクション面を備え、前記盤文字および前記賭け対象文字は、対をなす文字対応関係を有する、賭け対象収容セクションを備える、態様7に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様9〕
前記ルーレット媒体は、聴覚音を提供するための音提供手段を備え、前記選択ボール収容セクタは、選択聴覚音を提供するための前記音提供手段に合わせて協働可能に調整され、前記選択ボール収容セクタは、それらに前記ボールが収容されたときに協働により前記選択聴覚音を提供し、前記対をなす文字対応関係および前記選択聴覚音は、ユーザを視覚的および聴覚的に刺激する、態様8に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様10〕
前記選択ボール収容セクタは、ソルフェージュを可能にする文字を擁する、態様9に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様11〕
前記上側セクタ面および前記上側セクション面は、ローマ式アルファベット文字を擁する、態様10に記載の階名ルーレットゲーム。
〔態様12〕
前記選択聴覚音は、階名唱法における階名文字二連子群に合わせて調整され、前記階名文字二連子群は、「DO(ド)」、「RE(レ)」、「MI(ミ)」、「FA(ファ)」、「SO(ソ)」、「LA(ラ)」、および「TI(シ)」で構成されている、態様11に記載のアルファベットルーレットゲーム。
〔態様13〕
ルーレットゲーム体験を拡張するためのルーレットゲーム方法であって:
視覚的に知覚可能なアルファベット文字を、中心軸に対する径方向近隣に編成するステップと;
文字識別子を、前記中心軸に対する径方向近隣にランダムに配置するステップと;
前記配置された文字識別子により複数のアルファベット文字を識別するステップと;
前記識別されたアルファベット文字により有意な文字列を形成するステップと;
前記形成された有意な文字列を既定の有意な文字列と比較するステップと;を含む、ルーレットゲーム方法。
〔態様14〕
前記中心軸は回転軸であり、前記アルファベット文字の編成は、文字識別子のランダムな配置を容易にするため前記回転軸を中心に回転可能である、態様13に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様15〕
文字識別子を前記回転軸に対する径方向近隣にランダムに配置する前に、前記有意な文字列の形成を予想するステップを含む、態様14に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様16〕
前記文字識別子を前記回転軸に対する径方向近隣にランダムに配置する前に、虹の各色を前記回転軸に対する径方向近隣に編成するステップを含む、態様14に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様17〕
有意な文字列の形成を予想しながら資産を賭けるステップを含む、態様15に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様18〕
前記形成された有意な文字列を前記選択既定文字列と比較した後に、資産を授与するステップを含む、態様17に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様19〕
有意な文字列の形成中に選択音を鳴らすステップを含む、態様14に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様20〕
前記形成された有意な文字列は、階名唱法における前記選択音に対応する、態様14に記載のルーレットゲーム方法。
〔態様21〕
ゲーム体験を拡張するためのゲーム授賞方法であって:
複数の賭け対象付き予想を受け付けるステップであって、前記賭け対象付き予想は、イベント結果を予想するとともに、大きさが異なる賭け対象合計を含む、ステップと;
前記賭け対象付き予想に確率評価を割り当てるステップであって、前記確率評価は、賭け対象合計の大きさに対応する、ステップと;
授賞コントローラから乱数を引くステップであって、前記乱数は、0.01~1の数値範囲から選択される、ステップと;
前記確率評価を前記乱数と比較するステップと;
前記確率評価と前記乱数との間の差を評価するステップであって、前記差は前記賭け対象合計に対応する、ステップと;
最も高く評価された賭け対象合計に資産を授与するステップと;を含む、ゲーム授賞方法。
〔態様22〕
前記ゲーム体験は、ルーレットに基づくゲーム体験である、態様21に記載のゲーム授賞方法。
〔態様23〕
前記賭け対象付き予想を受け付ける前に、視覚的に知覚可能なアルファベット文字が、中心軸に対する径方向近隣に編成される、態様22に記載のゲーム授賞方法。
〔態様24〕
前記イベント結果は、有意な文字列の形成により定義され、前記有意な文字列は、前記視覚的に知覚可能なアルファベット文字により形成可能である、態様23に記載のゲーム授賞方法。
〔態様25〕
中央処理手段、賭け対象入力手段、および視覚的表示ユニットを有する電子ゲーム装置であって、前記装置は、態様1~12のいずれか一項に記載のゲームを行うように構成されている、電子ゲーム装置。
〔態様26〕
中央処理手段、賭け対象入力手段、および視覚的表示ユニットを有する電子ゲーム装置であって、前記装置は、態様13~24のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されている、電子ゲーム装置。
〔態様27〕
前記装置は、スロットマシン、携帯機器、パーソナルコンピュータ、タッチスクリーンモニタ、手持ち式データ入出力装置、携帯電話、タブレット、キオスク、デジタルテレビジョン、または携帯情報端末のいずれか1つである、態様25または26に記載の電子ゲーム装置。
〔態様28〕
前記装置は通信手段を含む、態様25~27のいずれか一項に記載の電子ゲーム装置。
〔態様29〕
前記通信手段は、無線接続、インターネット接続、携帯電話接続、構内通信網による接続、または広域通信網による接続のいずれか1つ以上の使用を含む、態様28に記載の電子ゲーム装置。
〔態様30〕
前記中央処理手段は、前記視覚的表示ユニットに、少なくとも1つの盤および少なくとも1つのボールを選択的に表示させるように構成されている、態様25~29のいずれか一項に記載の電子ゲーム装置。
〔態様31〕
前記少なくとも1つの盤および前記少なくとも1つのボールは、シミュレートされたものである、態様30に記載の電子ゲーム装置。
〔態様32〕
前記少なくとも1つの盤および前記少なくとも1つのボールは、実在するものである、態様30に記載の電子ゲーム装置。
〔態様33〕
ゲームの結果は、乱数発生器の出力に少なくとも部分的に依存している、態様25~32のいずれか一項に記載の電子ゲーム装置。
〔態様34〕
ゲームの結果は、少なくとも1つの実在する盤および少なくとも1つの実在するボールに少なくとも部分的に依存している、態様25~33のいずれか一項に記載の電子ゲーム装置。
〔態様35〕
電子ゲーム装置に、態様1~12のいずれか一項に記載のゲームを行うように命令するための実行可能コードを含む電子可読媒体。
〔態様36〕
電子ゲーム装置に、態様13~24のいずれか一項に記載の方法を行うように命令するための実行可能コードを含む電子可読媒体。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21