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特許7543429ベース履物構造を用いて履物製品を形成するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ベース履物構造を用いて履物製品を形成するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/00 20220101AFI20240826BHJP
   A43B 13/18 20060101ALI20240826BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
A43B3/00
A43B13/18
A43B23/02 Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022559533
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021024426
(87)【国際公開番号】W WO2021202295
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/005,042
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モショフスキー,テア
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフェ,ランドール エス.
(72)【発明者】
【氏名】ンジーン,デイヴィッド
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-071054(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0147219(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0238645(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0317608(US,A1)
【文献】特表2011-502841(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000160(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/00
A43B 13/18
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品を形成する方法であって、
ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを備えるベース履物構造を選択することと、
前記選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することと、
前記モデルに関連する複数の利用可能なデザイン要素から1つ以上のデザイン要素を選択することであって、前記1つ以上のデザイン要素は、前記履物製品を形成するために前記ベース履物構造に追加することができるかまたは前記ベース履物構造に関して変更することができるデザイン要素である、選択することと、
前記1つ以上の選択されたデザイン要素に基づいて、前記モデルをアップデートすることと、
前記アップデートされたモデルから前記履物製品を生成することと、
を含み、
前記アッパーは、ベース材料と、1つ以上の補強要素もしくは裏地からなる内部支持構造と、前記アッパーのヒール部に配置されたクロージャ要素と、ひも締め領域とを備え、
前記1つ以上の選択されたデザイン要素の選択は、前記1つ以上の補強要素もしくは裏地と、前記クロージャ要素と、前記ひも締め領域とを画定する1つ以上の構造の選択を含む、方法。
【請求項2】
前記ベース履物構造は、ソール構造をさらに備え、前記ソール構造は前記アッパーに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソール構造は、ミッドソールとアウトソールとを備え、前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、前記ミッドソール用のクッション要素を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ソール構造はクッション要素を備え、前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、前記クッション要素の色を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ひも締め領域はアイステイを備え、前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、複数の利用可能なアイステイ構造からの前記アイステイの選択を備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のデザイン要素を選択することは、前記モデルに格納された複数の利用可能な履物デザインモデルから、1つの履物デザインモデルを選択することを含み、各履物デザインモデルは、前記ベース履物構造に関してアップデートされるおよび/または前記ベース履物構造に追加される所定のデザイン要素の組合せを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のデザイン要素を選択することは、前記モデルに格納されたデザイン要素からなる1つ以上のリストから、1つ以上のデザイン要素を個別に選択することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、前記アッパーの色と、前記アッパーの材料と、前記ソール構造の色と、前記ソール構造のスタイルと、前記アッパー用のオーバーレイとのうちの1つ以上を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ソール構造の前記スタイルは、前記ソール構造の形状と、サイズと、パターニングとのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、前記アッパー用のオーバーレイを含み、前記オーバーレイは、前記アッパーのヒール部と、アイステイと、内側/外側側部と、つま先部と、中足部とのうちの1つに配置されるように構成されたオーバーレイである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記選択されたオーバーレイは、所定の色、材料、形状およびサイズを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のデザイン要素を選択することは、前記モデル内に格納された利用可能なオプションのリストから、前記選択されたオーバーレイの色、材料、形状およびサイズのうちの1つ以上を選択することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アッパーはメッシュ材料を備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の選択されたデザイン要素は、所定のスタイルを有するソール構造を含み、前記選択されたソール構造の前記所定のスタイルは、前記ソール構造の形状、サイズおよびパターニングのうちの1つ以上を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ベース履物構造を選択することは、有限数の異なるベース履物構造から1つのベース履物構造を選択することを含み、前記異なるベース履物構造の各々は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを含み、前記異なるベース履物構造の各々は、前記有限数の異なるベース履物構造における前記他の異なるベース履物構造の各々とは異なって構成されたアッパーを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ベース履物構造を選択することは、有限数の異なるベース履物構造から1つのベース履物構造を選択することを含み、前記異なるベース履物構造の各々は、アッパーと、前記アッパーに結合されているソール構造とを含み、前記有限数の異なるベース履物構造の各々は、前記他の異なるベース履物構造の各々とは異なるソール構造を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の利用可能なデザイン要素は、1つ以上の変更可能なデザイン要素と、1つ以上の追加可能なデザイン要素(以下、「アドオンデザイン要素」という)とを含み、
前記変更可能なデザイン要素は、前記履物製品を形成するために前記ベース履物構造に関してアップデートすることができるデザイン要素であり、
前記アドオンデザイン要素は、前記履物製品を形成するために前記ベース履物構造に追加することができるデザイン要素であり、
前記モデル内に格納された利用可能で変更可能なデザイン要素の第1のリストから、1つ以上の変更可能なデザイン要素を選択することと、
前記モデル内に格納された利用可能なアドオンデザイン要素の第2のリストから、1つ以上のアドオンデザイン要素を選択することと、
前記1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、前記1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素とに基づいて前記モデルをアップデートすること
を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ベース履物構造を選択することは、複数の異なるベース履物構造からなる有限のリストから1つのベース履物構造を選択することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素は、前記アッパーの色および材料のうちの1つ以上を含む、請求項17または18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素は、前記ソール構造の1つ以上の構成要素の色、材料およびパターニングのうちの1つ以上を含む、請求項1719のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ソール構造がアウトソールとミッドソールとを備え、前記ミッドソールがミッドソールクッション要素を備え、前記1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素は、前記ミッドソールクッション要素の色、材料、サイズおよび位置のうちの1つ以上を含む、請求項1720のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素が、前記アッパー用のオーバーレイを含む、請求項1721のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記選択されたオーバーレイのデザインを選択することをさらに含み、前記デザインが、前記オーバーレイ用の色、材料およびグラフィックのうちの1つ以上を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素は、前記ソール構造のスタイルを含み、前記スタイルは、前記ソール構造の形状、サイズ、パターニングおよび色のうちの1つ以上を含む、請求項1723のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素は、前記アッパーに追加されるグラフィックおよび縫製ディテールのうちの1つ以上を含む、請求項1724のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、前記1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素とに基づいて前記モデルをアップデートすることは、前記モデル内で、前記選択された変更可能なデザイン要素を有するように前記ベース履物構造のベースデザイン要素をアップデートすることと、前記選択されたアドオンデザイン要素を前記ベース履物構造に追加することと、を含み、前記モデル内に前記アップデートを格納することをさらに含む、請求項1725のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれる、2020年4月3日に出願された米国仮特許出願第63/005,042号の利益を主張するものである。
【0002】
この開示は、一般に、履物製品に関し、および具体的には、ベース履物構造を用いて、複数の異なる履物製品を形成するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
履物製品は、典型的には、2つの主要な構成要素、すなわち、ソール構造とアッパーとを含む。ソール構造は、着用者の足を支持して着用者の足と地面との間にクッション性を与えるために構成されている。ソール構造は、地面に接触するように適合されているアウトソールを含んでもよい。アッパーは、ソール構造に結合されており、着用者の足をソール構造に固定するために構成されている。アッパーは、さまざまな色、縫製、オーバーレイ、グラフィクス等を含む異なるデザイン要素を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、同じベース履物構造から複数の異なる履物製品を形成する例示的な方法を示す模式図である。
図2図2は、ベース履物構造を用いて履物製品を形成するための例示的な方法に関するフローチャートである。
図3図3は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルからデザイン要素を個別に選択するための例示的な方法に関するフローチャートである。
図4図4は、各々が、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル内に格納することができる複数の所定のデザイン要素を含む、複数の異なる履物デザインモデルの例示的な表である。
図5図5は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル内に格納することができるベース履物構造の複数のベースデザイン要素用の複数のデザイン要素オプションの例示的な表である。
図6図6は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル内に格納することができるベース履物構造に追加することができる複数の追加的なデザイン要素用の複数のデザイン要素オプションの例示的な表である。
図7図7は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル内に格納することができるベース履物構造に追加される、選択されたデザイン要素用の複数のデザイン要素オプションの例示的な表である。
図8A図8Aは、アッパーと、ソール構造と、タンとを備えるベース履物構造の実施形態を示す。
図8B図8Bは、アッパーと、ソール構造と、タンとを備えるベース履物構造の実施形態を示す。
図9A図9Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図9B図9Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図10A図10Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図10B図10Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図11A図11Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図11B図11Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図12A図12Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図12B図12Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図13A図13Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図13B図13Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図14A図14Aは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図14B図14Bは、図8A図8Bのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる複数の異なる履物製品を示す。
図15図15は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができるベース履物構造および例示的な異なる履物製品の別の実施形態を示す。
図16図16は、複数の異なる履物製品からベース履物構造を形成する例示的な方法を示す模式図である。
図17図17は、履物製品用のベース履物構造を形成するための例示的な方法に関するフローチャートである。
図18図18は、開示した方法を実施するための例示的なコンピューティングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
全体的な考慮事項
本願明細書に記載されているシステムおよび方法、ならびにそれらの個別の構成要素は、決して本願明細書に記載されている特定の用途またはシステムに限定されるように解釈すべきではない。代わりに、この開示は、単独で、および互いにさまざまな組合せおよびサブコンビネーションで、開示されている種々の実施形態のすべての新規および非自明の特徴および態様に関する。例えば、開示されている実施形態のどの特徴または態様も、本願明細書に開示されている情報を考慮して、当業者によって正しく認識されるように、互いにさまざまな組合せおよびサブコンビネーションで用いることができる。さらに、開示されているシステム、方法、およびそれらの構成要素は、任意の特定の態様または形状構成またはそれらの組合せに限定されることはなく、また、開示されている物や方法が、任意の1つ以上の特定の利点が提示されることまたは問題が解決されることを必要することもない。
【0006】
単数形の「1つの(「a」、「an」)」および「その(the)」は、この出願で用いられる場合、別段の断りが文脈にない限り、複数形を含むものとする。さらに、「含む(includes)」という用語は、「備える(comprises)」を意味するものとする。さらに、「結合された(coupled)」または「取付けられた(secured)」という用語は、物理的結合および化学的結合、および物品を一緒に結合するまたはつなぐ、他の実用的な方法を包含するものとし、別段の指示のない限り、例えば、「直接的に」結合されまたは取付けられている要素またはその表面に関して言及することにより、結合されている物品間の介在要素の存在を排除しない。さらに、「および/または」という用語は、そのフレーズにおける任意の1つの物品または物品の組合せを意味するものとする。
【0007】
開示されている方法のうちのいくつかの動作は、提示の都合上特定の順番で記載されているが、この記載の方法は、以下に記載されている具体的な言葉によって特定の順序付けが必要とされない限り、再配列を包含することを理解すべきである。例えば、連続的に記載されている動作は、場合によっては再配列してもよくまたは同時に実行してもよい。さらに、簡潔さのために、添付図面は、開示されている物や方法を、他の物や方法とともに用いることができるさまざまな方法を示していなくてもよい。加えて、その記載は、開示されている方法を説明するために、「提供する(provide)」、「生成する(produce)」、「判断する(determine)」および「選択する(select)」といった用語を用いることもある。これらの用語は、実行される実際の動作に関する概要である。それらの用語に対応する実際の動作は、特定の実施態様により変わるであろうし、また、この開示の利益を有する当業者が容易に認識できるものである。
【0008】
この開示の目的のために、履物製品(およびそのさまざまな構成要素部材の)部分は、履物が適切なサイズの足に着用された場合に、履物製品の当該部分にまたは当該部分の近傍に位置する足の領域に基づいて識別してもよい。例えば、履物製品および/またはソール構造は、足の前方に「足先領域」を、足の中間もしくはアーチ領域に「中足」領域を、ならびに足の後方に「かかと領域」を有していると考えてもよい。また、履物および/またはソール構造は、「外側側部」(足の「外部側」または「小指側」)と、「内側側部」(足の「内部側」または「親指側」)も含む。足先領域は、一般的に、つま先と、中足骨と趾骨とを繋ぐ関節と、に相当する履物の部分を含む。中足領域は、一般的に、足のアーチ領域と一致する履物の部分を含む。かかと領域は、一般的に、踵骨を含む足の後部に一致している。履物の外側側部および内側側部は、足先領域と、中足領域と、かかと領域とを通って延びており、および一般的に、履物の両側部に一致している(および中心長手方向軸によって離間されていると見なしてもよい)。これらの領域および側部は、履物の正確な領域を区別することを意図していない。より適切に言えば、「足先領域」、「中足領域」、「かかと領域」、「外側側部」、および「内側側部」という用語は、以下の議論で役に立つように、履物およびそのさまざまな構成要素の大略的領域を表すことを意図している。
【0009】
「例示的な」という用語は、本願明細書において用いる場合、非限定的な実施例、事例または例示として役に立つことを意味する。「例えば(e.g.)」や「例えば(for example)」という用語は、本願明細書において用いる場合、1つ以上の非限定的な実施形態、実施例、事例および/または例示のリストを紹介する。
【0010】
「ソール構造」という用語は、本願明細書において用いる場合、着用者の足を支持して地面または運動競技面に直接接触している面を支える材料の任意の組合せ、例えば、シングルソール、アウトソールとインナーソールとの組合せ、アウトソールとミッドソールとインナーソールとの組合せ、および外側被覆とアウトソールとミッドソールとインナーソールとの組合せを指す。
【0011】
「取付けられている(attached)」および「結合されている(coupled)」という用語は、本願明細書において用いる場合、物理的に接続されているかまたは繋がれていることを意味し、これは、別段の記載のない限り、直接取付けられている/結合されている物品と、取付けられている/結合されている物品間に介在要素によって取付けられている/結合されている物品とを含む。
【0012】
「履物製品」または「製品」という用語は、本願明細書において用いる場合、例えば、バスケットボールシューズ、バレーボールシューズ、テニスシューズ、ランニングシューズ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、ラグビーシューズ、ベースボールシューズ、スニーカー、登山靴、サンダル、ソックス等を含む任意のタイプの履物を意味する。
【0013】
しかし、図面は、一方の足(例えば、右足)のみに関する使用が意図された履物製品を示していてもよい。当業者およびこの開示の利益を有する者は、他方の足(例えば、左足)用の対応する履物製品が、右足用の履物製品の鏡像になるであろうことを正しく認識するであろう。
【0014】
「デザイン要素」という用語は、本願明細書において用いる場合、履物製品を、異なるデザイン要素を有する別の履物製品と区別するために視覚化して用いてもよい、履物製品の構成要素または要素を指す。デザイン要素は、履物製品の要素または構成要素の特徴(例えば、アッパー、アウトソール、ミッドソール、オーバーレイ等の色、材料、パターン、形状等)および/または履物製品のベース構造に加えることができる要素の特徴(例えば、オーバーレイ、縫製ディテール、テープ要素等)を含むことができる。
【0015】
別途説明されない限り、本願明細書で用いられているすべての技術用語および科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者に共通して理解されるのと同じ意味をもつ。本願明細書に記載されているものと同様のまたは等価な方法および材料を本開示の実施時またはテスト時に用いることができるが、適切な方法および材料は以下に記載されている。材料、方法および実施例は例示的なものにすぎず、限定を意図するものではない。本開示に関するその他の特徴は、詳細な説明、特許請求の範囲、要約および図面から明らかである。
【0016】
開示した技術
履物製品は、典型的には、2つの主要な構成要素、すなわち、ソール構造とアッパーとを含む。ソール構造は、着用者の足を支持して着用者の足と地面との間にクッション性を与えるために構成されている。アッパーは、ソール構造に結合されて、足収容キャビティを形成している。アッパーは、着用者の足をソール構造に固定するために構成され、および/または着用者の足を保護することができる。
【0017】
アッパーは、さまざまな材料、縫製、ディテール、オーバーレイ、グラフィクス等を含む異なるデザイン要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、アッパーの材料は、異なる色および/またはパターンを有することができる。さらに、オーバーレイ等のアッパー上に含まれている構成要素またはデザイン要素は、異なる材料、色、パターン、形状、サイズを備えることができ、およびアッパー上の異なる位置(例えば、かかと領域、外側/内側側部、つま革、つま先領域等)に配置することができる。くわえて、ソール構造は、異なる色、材料および/またはスタイル(例えば、形状、サイズ、パターニング等)といったさまざまなデザイン要素も有することができる。
【0018】
したがって、履物製品用のデザイン要素の多くの異なる組合せが可能であり、その組合せは、多くの異なる(例えば、視覚的に異なる)履物製品を形成するために用いることができる。個別の構成要素の構築およびそのような構成要素の履物製品への組み込みを含む履物製品の複雑性が原因で、新たなまたは最新のデザイン要素を有する新たな履物製品の開発に著しい時間と労力が必要となる可能性がある。
【0019】
本願明細書には、ベース履物構造を用いて履物製品を形成するさまざまな方法と、互いに異なるが同じベース履物構造を有している複数の履物製品を含む履物ラインと、履物製品用のベース履物構造を形成するためのさまざまな方法とが開示されている。
【0020】
1つの代表的な実施形態においては、履物製品を形成するための方法が提供される。その方法は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを備えているベース履物構造を選択することと、選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することと、そのモデルに関連する利用可能なデザイン要素のリストから1つ以上のデザイン要素を選択することと、1つ以上の選択されたデザイン要素に基づいて、そのモデルをアップデートすることと、そのアップデートされたモデルから履物製品を生成することと、を含む。1つ以上のデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に追加することができるかまたはベース履物構造に関して変更することができるデザイン要素である。
【0021】
別の代表的な実施形態においては、履物製品を形成するための方法が提供される。その方法は、ベース履物構造を選択することと、選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することと、そのモデルに関連する利用可能で変更可能なデザイン要素の第1のリストから、1つ以上の変更可能なデザイン要素を選択することと、そのモデルに格納された利用可能なアドオンデザイン要素のリストから、1つ以上のアドオンデザイン要素を選択することと、1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素とに基づいて、そのモデルをアップデートすることと、アップデートされたモデルから履物製品を生成することと、を含む。ベース履物構造は、ソール構造と、ソール構造に結合されているアッパーとを含むことができる。1つ以上の変更可能なデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に関してアップデートすることができるデザイン要素とすることができる。1つ以上のアドオンデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に追加することができるデザイン要素とすることができる。
【0022】
また別の代表的な実施形態においては、履物ラインが提供される。履物ラインは、それぞれ互いに異なっている複数の履物製品を含み、すべてが同じベース履物構造を有し、ベース履物構造は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを少なくとも備えている。複数の履物製品のうちの各履物製品は、複数の履物製品のうちの各履物製品が視覚的に異なるようにベース履物構造に追加された、異なるデザイン要素を含む。
【0023】
さらに別の代表的な実施形態においては、履物製品用のベース履物構造を形成するための方法が提供される。その方法は、視覚的に異なる2つ以上の異なる履物製品から、複数の構造的およびデザイン要素を取得することと、取得した複数の構造的およびデザイン要素からベース履物構造を決定することと、を含む。ベース履物構造は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを備え、かつ、2つ以上の異なる履物製品に共通している。
【0024】
開示されている技術の追加的な実施例は、添付図面を参照して以下で説明する。
【0025】
開示した技術に関する例示的な実施形態
図1は、複数の異なる履物製品を同じベース履物構造からどのようにして形成することができるかを示す模式図100である。具体的には、図1は、各々が同じベース履物構造から形成されている、第1の履物製品102と、第2の履物製品104と、第3の履物製品106とを含む3つの例示的な履物製品を示す。
【0026】
一般に、履物製品は、2つの主要構成要素、すなわち、(図1のベース履物構造110上に示すように)ソール構造112とアッパー114とを含む。ソール構造112は、アウトソール116とミッドソール118とを含むことができる。アウトソール116は、1つ以上のトラクション面によって構成することができ、ならびに/またはミッドソール118および/もしくはアッパー114の少なくとも一部を覆うようにおよび/もしくは保護するように構成することができる。ミッドソール118は、アッパー114とアウトソール116との間に配置することができ、およびクッション性を与えるように構成することができる。いくつかの実施形態においては、図1に示すように、ソール構造112は、ミッドソールクッション要素119等の1つ以上のクッション要素を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態において、アウトソール116は、ミッドソールクッション要素119に隣接して配置された半透明部分117を備えることができる。
【0027】
アッパー114は、ソール構造112とアッパー114との間に足収容キャビティを形成するように、(例えば、シュトローベルを介して)ミッドソールに結合することができる。例えば、アッパー114は、足を収容するように構成された内部空洞を画定するために、縫製するか、接着接合するか、成型するか、または別の方法で形成してもよい、1つ以上の材料要素(例えば、テキスタイル、フォーム、革および合成皮革)を含んでもよい。
【0028】
アッパー114は、いくつかの実施形態において、製造時に、アッパー114の開口端部を閉じ合わせて接続するように作用する縫い目(例えば、縫製)であってもよいクロージャ要素130を含むことができる。図1に示すように、クロージャ要素130は、アッパー114のヒール部分(または領域)に沿って垂直方向に延びることができる。
【0029】
アッパー114は、トップライン132と、(縫い目を含んでもよい)カラー仕上げ部134と、ひも締め領域120とをさらに含むことができる。ひも締め領域120は、足の周りでアッパー114を閉じるように締め付けることができるひも124を受け入れるための開口122(例えば、ひも穴)を含む。ひも締め領域120は、開口122をしっかり固定するように作用するアイステイ126をさらに含む。
【0030】
アッパー114は、異なる位置に、例えば、アッパー114のヒール部に、つま先部に、内側側部および/または外側側部等に配置された1つ以上の補強要素および/または裏地を備えている(図1の外観図では見えない可能性がある)内部支持構造を含むこともできる。1つの実施例として、図1に示すように、アッパー114は、アッパー114のカラー仕上げ部134とヒール部とに近接してアッパー114の内側側部と外側側部とに配置された第1の補強要素108を含むことができる。
【0031】
履物製品は、いくつかの実施形態においてはアッパー114の部分と見なすことができるタン136をさらに備えることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造110は、図1に示すように、アッパー114とソール構造112の両方を備えていてもよい。
【0033】
他の実施形態では、ベース履物構造110は、アッパー114のみを備えていてもよい(およびソール構造112を備えていなくてもよい)。しかし、ベース履物構造112のアッパー114は、図1に示すソール構造112等のソール構造に結合されるように構成することができる。以下で、図15を参照してさらに説明するように、アッパー114のみを備えるベース履物構造から異なる履物製品を形成する場合、異なるソール構造(例えば、異なるサイズ、形状、スタイルおよび/または構成要素を有するソール構造)は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルから選択することができる。したがって、選択されたソール構造は、所望の履物製品を形成するためにベース履物構造110のアッパー114と組合せることができる。
【0034】
図1に示すように、ベース履物構造110のアッパー114は、ベース材料138と、(図1に示す第1の補強要素108を含む)内部支持構造と、クロージャ要素130と、トップライン132と、カラー仕上げ部134と、ひも締め領域120とを備えることができる。
【0035】
他の実施形態では、ベース履物構造110のアッパー114は、図1に示す要素のサブセット、例えば、ベース材料138と、(1つ以上の支持要素および/または補強要素を含んでもよい)内部支持構造と、クロージャ要素130と、トップライン132と、を備えることができる。さらに他の実施形態では、ベース履物構造110のアッパー114は、図1に示すもの以外の異なるまたは追加的なベース構成要素または要素(例えば、追加的なまたは異なる縫い目またはディテール、内部または外部の支持要素または補強要素、締めひも、タン、アイステイ、ストラップ等)を備えていてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、アッパー114のベース材料138は、ニットまたはメッシュ材料(例えば、工学的メッシュ材料)とすることができる。他の実施形態では、ベース履物構造110のアッパー114のベース材料138は、別の材料、例えば、革または合成皮革を備えることができる。
【0037】
図1を見て分かるように、ベース履物構造110のアッパー114は、ある程度包括的であってもよく(単純化してもよく)、(例えば、単一の材料または最小限の材料からなる)ベース材料138と、例えば、中間色とを備える。以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態において、アッパー114のベース材料138(例えば、アッパーの材料の色)は、変更(カスタマイズ)してもよいデザイン要素である。
【0038】
第1の履物製品102、第2の履物製品104および第3の履物製品106の各々は、ベース履物構造110のデザイン要素を変更することにより、または、デザイン要素をベース履物構造110に追加することにより、アッパー114とソール構造112とを含む図1のベース履物構造110から作ることができ、それにより、3つの異なる履物製品が生じる。
【0039】
本願明細書で用いる場合、「デザイン要素」は、履物製品を、異なるデザイン要素を有する別の履物製品と区別するために視覚化して用いてもよい、履物製品の構成要素または要素であってもよい。デザイン要素は、履物製品の要素または構成要素の特徴(例えば、アッパー、アウトソール、ミッドソール、オーバーレイ等の色、材料、パターン、形状等)および/または履物製品のベース構造に加えることができる要素の特徴(例えば、オーバーレイ、縫製ディテール、テープ要素等)を含むことができる。
【0040】
図1に示すように、およびさらに以下で説明するように、異なる履物製品上に含まれる変更されたデザイン要素および/または追加的なデザイン要素は、異なるクロスハッチングによって表されている。例えば、デザイン要素の異なる色および/または材料は、図1および本願明細書に提示されている他の図面において、異なるクロスハッチングによって表されていてもよい。
【0041】
実施例として、図1に示す第1の履物製品102は、ベース履物構造110と同じ、全体的なソール構造112およびアッパー114を有している。しかし、第1の履物製品102において、ミッドソールクッション要素119と、アウトソール116の半透明部117は、異なるクロスハッチングによって示されているように、ベース履物構造110とは異なる色になっており、一方、ソール構造112の残りの部分(例えば、形状、サイズおよびパターニングを含む構造)は、ベース履物構造110におけるものと同じままである。
【0042】
第1の履物製品102のアッパー114は、ベース履物構造110と同じベース材料138で形成されている。しかし、第1の履物製品102となるように、追加的なデザイン要素がベース履物構造110に追加されている。図1の実施例に示すように、それらの追加的な要素は、アイステイオーバーレイ140と、つま先キャップオーバーレイ142と、第1のヒールオーバーレイ144と、(第1のヒールオーバーレイ144に少なくとも部分的に重なっている)第2のヒールオーバーレイ146と、(第2のヒールオーバーレイ142に少なくとも部分的に重なっている)第3のヒールオーバーレイ148とを含む。さらに、第1の履物製品は、(異なるクロスハッチングによって示すように)ベース履物構造110のタン136とは異なる材料および/または色からなるタン150を有している。
【0043】
また、第2の履物製品104も、ベース履物構造110と同じアッパー114およびソール構造112から作られている。しかし、第2の履物製品104は、第1の履物製品102とは視覚的に異なっている。
【0044】
例えば、第2の履物製品104におけるミッドソール118およびアウトソール116のベースカラーは、ベース履物構造110のものから変更されて、第1の履物製品102のものとは異なっている(例えば、ホワイトの代わりにブラック)。さらに、第2の履物製品104は、異なる色の付いたクッション要素117と、アウトソール116の半透明部117とを有している。
【0045】
また、第2の履物製品104は、(例えば、ベース材料138の上部にわたって縫製されたか、または付着された)、アッパー114のベース材料138に付加された複数のオーバーレイも有している。例えば、第2の履物製品のアッパー114は、異なるデザイン(例えば、色、形状およびパターン)のアイステイオーバーレイ152と、つま先キャップオーバーレイ154と、一続きの重複内側/外側側部オーバーレイ156とを含む。実施例として、一続きの重複内側/外側側部オーバーレイ156の各々は、異なる色であり、アッパー114のベース材料138とは異なる材料からなる。ソール構造に対するこれらのオーバーレイの追加と色の変更は、第1の履物製品102と異なるビジュアルスタイルを有する第2の履物製品104をもたらす。
【0046】
また、第3の履物製品106も、ベース履物構造110と同じアッパー114およびソール構造112から作られているが、第1の履物製品102および第2の履物製品104と比較した場合、異なるビジュアルスタイルおよび外観を有している。第3の履物製品106を得るためにベース履物構造110に関して変更されているデザイン要素は、クッション要素117の色と、アウトソール116の半透明部117とを含む。第3の履物製品106を得るためにベース履物構造110に追加されたデザイン要素は、第1のアイステイオーバーレイ158と、第2のアイステイオーバーレイ160と、つま先キャップおよび内側/外側オーバーレイ162と、内側/外側側部オーバーレイ164と、つま先縫製要素166とを含む。
【0047】
このようにして、ベース履物構造110のデザイン要素を変えることにより、および/またはベース履物構造110にデザイン要素を追加することにより、(例えば、視覚的に異なる外観を有する)複数の異なる履物製品(例えば、図1に示す実施例)を、より効率的に形成することができる。具体的には、共通のフレームワーク(ベース履物構造)を用いることにより、異なる履物製品を、より速く、かつ、より少ない手間で作ることができる。したがって、ベース履物構造は、以下でさらに説明するように、そこから多くの異なる履物製品を作ることができるベースとして有用である。
【0048】
図1は、同じベース履物構造から得ることができる、可能性のある3つの履物製品の実施例を示しているが、同じベース履物構造から、図1に示すものとは異なるデザイン要素の異なる組合せを有する多数の追加的な履物製品を構築することが可能であることを認識すべきである。したがって、図1に示されていない異なるデザイン要素の組合せが、同じベース履物構造を用いて可能である。
【0049】
図2は、ベース履物構造を用いて履物製品を形成するための方法200のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法200と、本願明細書に記載されているその他の方法(例えば、方法300および方法1700)は、人のユーザによって操作可能であるコンピューティングシステムによって少なくとも部分的に実行してもよい。このようなコンピューティングシステムの実施例は、以下でさらに説明するように、図18に示されている(例えば、コンピューティングシステム1800)。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、コンピューティングシステム(例えば、1つ以上の印刷システムまたは印刷装置)との電子的通信(例えば、有線または無線の通信)で、情報を送受信して1つ以上のシステムを制御するための適切なハードウェアシステムを含んでもよい。例えば、コンピューティングシステムは、1つ以上のコンピュータ、サーバ、プロセッサ、記憶装置、ユーザ入力装置(例えば、キーボードおよびマウス)、ビューイングインタフェース(例えば、モニタまたはスクリーン)等を含むことができる。しかし、他の実施形態では、他の形態のハードウェアシステムを用いてもよい。1つ以上の記憶装置は、限定するものではないが、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含む、磁気、光学、光磁気および/またはメモリを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法200および/または本願明細書に記載されている他の方法の少なくとも一部を実行するためのコンピュータ実行可能命令は、1つ以上の記憶装置(例えば、メモリおよび/またはストレージ)に格納してもよく、また、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行してもよい。例えば、以下でさらに説明するように、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のユーザ入力と関連して命令を実行することができる。いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、図2図3および図17に関連して以下でさらに説明するように、ベース履物構造と、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル(例えば、履物製品のコンピュータ支援設計の描写)とを設計するためのソフトウェアも含むことができる。
【0051】
図2に戻ると、方法200は、202においてベース履物構造を選択することによって始まる。いくつかの実施形態において、ベース履物構造は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを含む。他の実施形態では、ベース履物構造は、ソール構造と、ソール構造に結合されているアッパーとを含む。いくつかの実施形態において、ベース履物構造は、アッパーと結合されるように構成されているタンを追加的に含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造は、複数の異なるデザインのおよび視覚的に異なる履物製品を、ベース履物構造から開始する(および以下でさらに説明するように、変更または追加する)ことによって生成することができるように、より基本的な材料および色を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態において、ベース履物構造のアッパーは、1つの(例えば、単一の)主要材料(例えば、メッシュ材料等の布地)と、基本的な支持要素(例えば、内部側支持構造)および縫製要素とで構成することができる。実施例として、基本的な支持要素および縫製要素は、1つ以上の補強要素および/または裏地(例えば、アッパーライナー)と、(ヒールにおける、ヒールカバーステッチともいう)クロージャ要素とを備えることができる。いくつかの実施形態において、ベース履物構造のアッパーは、基本的なアイステイをさらに含んでもよい。
【0053】
別の実施例として、いくつかの実施形態において、ベース履物構造のソール構造は、標準的な材料と、より中間的な色(例えば、ホワイト、オフホワイト、グレー等)とを備えることができる、ミッドソールとアウトソールとを備えることができる。
【0054】
上記および以下でさらに説明するように、実施例のベース履物構造を、図1(ベース履物構造110)、図8A図8B(ベース履物構造800)および図15(ベース履物構造1510)に示す。
【0055】
いくつかの実施形態において、202において、ベース履物構造を選択することは、複数の異なるベース履物構造からなる有限リストから1つのベース履物構造を選択することを含む。例えば、2つ以上のベース履物構造が、所望の履物製品を形成するために利用可能である可能性がある。複数のベース履物構造からなるリストの各ベース履物構造は、異なる構造またはデザインのアッパーおよび/またはソール構造を含むことができる。1つの実施例として、各ベース履物構造は、複数のベース履物構造からなるリスト内の各他のベース履物構造とは異なる構造のアッパーを有することができる。異なる構造のアッパーは、異なる全体形状のアッパー、異なる数、組合せまたは形状の内部支持要素、異なる縫製要素、異なるひも締め領域等を含んでもよい。
【0056】
上述したようなベース履物構造の構成要素およびデザイン要素は、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデル(例えば、コンピュータモデル)に格納することができる。いくつかの実施形態において、モデルは、コンピューティングシステムの記憶装置に格納することができ、および以下でさらに説明するように、図18に示すコンピューティングシステム1800等のコンピューティングシステムのプロセッサによって検索することができる。
【0057】
したがって、204において、上記方法は、選択したベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することを含む。いくつかの実施形態において、履物製品の1つ以上のモデルは、各ベース履物構造に対応する1つのモデルを含む、コンピューティング装置のメモリに格納することができる。したがって、2つ以上のベース履物構造が選択用に利用可能である場合、2つ以上のモデルを格納して、ユーザによって選択可能にすることができる。実施例として、履物製品のモデルは、ベース履物構造から形成することができる履物製品のコンピュータ支援設計(CAD)データと、ベース履物構造に関して変更することができ、または、ベース履物構造に追加することができる複数のデザイン要素オプションとを含むことができる。複数のデザイン要素オプションは、モデル内に格納することができ、および選択用にユーザに提示することができる。
【0058】
206に進むと、方法200は、モデルに格納された利用可能なデザイン要素のリストから、1つ以上のデザイン要素を選択することを含む。上記で紹介されたように、1つ以上のデザイン要素は、所望の履物製品を形成するためにベース履物構造に追加することができるかまたはベース履物構造に関してアップデートすることができるデザイン要素とすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、206における方法は、208において、利用可能な組合せのリストから所定のデザイン要素の組合せを選択することを含んでもよい。例えば、複数の異なる履物デザインモデルを、リストまたは表として、履物製品のモデル内に格納することができる。各履物デザインモデルは、ベース履物構造に関してアップデートすることができる、および/またはベース履物構造に追加することができる複数の所定のデザイン要素の組合せを含むことができる。履物製品のモデルの一部であってもよい、または、そのモデルに格納されていてもよいこのような表の実施例を図4に示す。
【0060】
図4の例示的な表に示すように、表400は、ユーザが選択してもよい複数の履物デザインモデル(欄402)を含むことができる。例えば、ユーザには、視覚的に(例えば、図9A図14Bに示す画像のうちの1つ等の、選択された履物デザインモデルから作ることができる、結果として生じる履物製品の画像を介して)、または、複数の履物デザインモデルを列記しているリストまたはドロップダウンメニューを介して、表内の複数の履物デザインモデルを提示してもよい。
【0061】
各利用可能な履物デザインモデルは、履物製品を作るために、ベース履物構造を用いて一緒に組合せられる複数の所定のデザイン要素を含むことができる。各履物デザインモデルについてのこのような所定のデザイン要素の実施例を、表400の欄404に示す。実施例として、履物デザイン要素のうちの1つについての所定のデザイン要素は、アッパー(例えば、メッシュアッパー)の色と、ミッドソールの色と、ミッドソールクッション要素の色と、アッパーのソリッド部の色と、アッパーのクリア部の色と、アイステイの色と、ヒールカバーステッチ(例えば、アッパークロージャ要素)の色とを含むことができる。いくつかの実施形態において、列記されるデザイン要素は、色とともに、材料のタイプを含んでいてもよい。
【0062】
表400内の所定のデザイン要素は、ベース履物構造に追加される追加的な要素をさらに含んでもよい。このような追加的な要素の実施例は、(つま先キャップオーバーレイの特定の色を含む)つま先キャップ要素と、(特定の色を含む)外側/内側テープ要素またはオーバーレイと、(特定の色を含む)アイステイオーバーレイと、(特定の色を含む)ヒールオーバーレイとを含む。各履物デザインモデルは、位置、形状および/もしくはサイズに関する、格納された所定のデータ、ならびに/またはさまざまな列記されたオーバーレイもしくはアドオン特徴のデザインを含んでもよい。履物デザインモデルの一部であってもよい追加的なデザイン要素は、異なるデザイン要素の材料(例えば、オーバーレイ材料)を含んでもよい。
【0063】
他の実施形態では、追加的なまたは図4に示すものと異なる所定のデザイン要素が可能であることに留意すべきである。
【0064】
図2に戻ると、いくつかの実施形態において、206における方法は、210において、格納されたデザイン要素の1つ以上のリストから、1つ以上のデザイン要素を個別に選択することを追加的にまたは代替的に含んでもよい。格納されたデザイン要素の1つ以上のリストは、204において検索されたモデル内に格納することができる。いくつかの実施形態においては、選択されたベース履物構造と、履物製品の対応するモデルとに基づいて、利用可能なデザイン要素オプションのプリセットリストをそのモデルに格納することができ、および選択用にユーザに対して利用可能にすることができる。例えば、選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品の各モデルは、ベース履物構造に関して変更できるかまたはベース履物構造に追加することができる要素の異なる組合せを有していてもよい。それらの異なる組合せの要素は、いくつかの実施形態においては、選択することができる利用可能なオプションのリスト(例えば、アッパー材料についての可能な色のリスト、アッパーのオーバーレイについての可能な色および材料のリスト等)を有していてもよい。
【0065】
1つ以上のリスト(または、表、チャート等)からデザイン要素を個別に選択するための、より詳細な例示的な方法300が図3に示されている。具体的には、方法300は、302において、格納されているオプションのリストから、モデルの(例えば、変更可能な)ベースデザイン要素を選択することによって始まり、ベースデザイン要素は、ベース履物構造の構成要素用のデザイン要素を含んでいる。例えば、ベースデザイン要素は、モデルに格納されている利用可能で変更可能なデザイン要素の1つ以上のリストを含んでもよく、変更可能なデザイン要素は、所望の履物製品を形成するためにベース履物構造に関してアップデートすることができるデザイン要素である。1つの実施例として、ベースまたは変更可能なデザイン要素は、ベース履物構造のアッパーの色、材料等を含むことができる。別の実施例において、ベースまたは変更可能なデザイン要素は、ベース履物構造のソール構造の1つ以上の構成要素(例えば、アウトソールおよび/またはミッドソール)の色、材料等を含むことができる。
【0066】
格納されている利用可能なベースデザイン要素の1つ以上のリストは、モデルに格納することができる。「リスト」という用語は、本願明細書において用いる場合、行、列、表で構成されているか、または、ユーザがアクセス可能な他の何らかの視覚的に識別可能な構成、例えば、一連の画像またはアイコンで構成されているかにかかわらず、所望の情報(例えば、利用可能なベースデザイン要素)の、何らかの一覧表を指す。モデルに格納され、ユーザによる選択用に利用可能な、利用可能なベースデザイン要素オプションのこのような表の実施例を図5に示す。具体的には、図5は、ベース履物構造の複数の構成要素または要素を行502に含む例示的な表500を示す。これらの構成要素のデザイン要素(例えば、スタイル)は、所望の履物製品を形成するために変更することができる。実施例として、行502に列記されている変更可能な構成要素は、アッパー、ミッドソール、ミッドソールクッション要素、アウトソール、アイステイおよびヒールカバーステッチ(例えば、クロージャ)を含む。他の実施形態では、ベース履物構造の代替的または追加的な構成要素は、表500または同様の表またはリストに列記することができる。
【0067】
表500の各列は、ベース履物構造の対応する構成要素用のデザイン要素オプションのリストを含む。例えば、列504は、アッパー用に選択することができる利用可能なデザイン要素オプションのリストを含む。実施例として、列記されている異なるオプション(例えば、オプションA、オプションB、…)は、アッパーの色および/または材料(例えば、ホワイトメッシュ、ブラックメッシュ、グレーレザー等)とすることができる。いくつかの実施形態において、アッパーの初期設定のデザイン要素は、ベース履物構造のモデルに格納されているアッパーのベース材料および色とすることができる。
【0068】
別の実施例として、列506は、ミッドソールクッション要素用に選択することができる、利用可能なデザイン要素オプションのリストを含む。例えば、列記されている異なるオプション(例えば、オプションA、オプションB、…)は、色、材料、サイズ(例えば、長さまたは高さ)および/または場所(例えば、ミッドソールに沿った位置)とすることができる。実施例として、列506のオプションAは、「クリア」であってもよいが、クッション要素の材料、場所およびサイズは、モデル内に予め設定され、およびオプションBは、「グリーン」であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、アウトソールがベース履物構造の一部である場合、アウトソールのスタイルまたはデザインは、表500または同様のリストまたは表に含めることができる。例えば、列508のオプションのリストは、ソール構造の色、材料、形状、サイズおよび/またはパターニングのうちの1つ以上(例えば、それらの組合せ)を含む、アウトソール用の利用可能なデザイン要素オプションを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、ソール構造の形状およびサイズは、予め決定してモデル内に設定することができるが、色および/またはパターニング(例えば、凹み、溝、トラクション要素パターン等)は、選択可能および変更可能にすることができる。他の実施形態では、ソール構造の全体的なスタイルは、異なるソール構造(例えば、異なる全体的な形状、サイズ等)を列508に列記できるように、変更可能にすることができる。
【0070】
図3に戻ると、304において、方法300は、格納されているオプションのリストから、モデルの1つ以上の追加的な(例えば、アドオン)デザイン要素を選択することを含む。1つ以上の追加的なデザイン要素は、ベース履物構造に追加される(例えば、アッパーに追加される)デザイン要素を含むことができる。
【0071】
「追加的な」または「アドオン」デザイン要素は、本願明細書において用いる場合、選択されたベース履物構造には当初存在していないデザイン要素とすることができる。しかし、任意のアドオンデザイン要素がベース履物構造の一部(ひいては、ベース履物構造のベースまたは変更可能なデザイン要素)であってもよい。例えば、第1のベース履物構造用のアドオン要素を、第2のベース履物構造のベース要素として含めてもよい。したがって、デザイン要素が、「アドオン」デザイン要素として分類されるか否かは、それがベース履物構造の一部であるか否か(例えば、アドオン要素が、当初選択されたベース履物構造に含まれていない)に基づいて決定される。
【0072】
1つの実施例として、追加的なデザイン要素は、アッパー用のオーバーレイ(例えば、アッパーのヒール部、アイステイ部、内側/外側側部、つま先部または中足部)に配置されたオーバーレイ)を含むことができる。別の実施例として、追加的なデザイン要素は、(例えば、形状、サイズ、パターニングおよび/または色のうちの1つ以上を含んでもよい)ソール構造のスタイルを含むことができる。別の実施例として、追加的なデザイン要素は、所望の履物製品を形成するために、グラフィック、縫製ディテール、または、ベース履物構造のアッパーに追加する(例えば、印刷する、付着させる、または縫い付ける)ことができる他のデザイン要素を含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造のアッパーまたは別の構成要素に追加されたグラフィックは、ベース履物構造のアッパーまたは他の構成要素に印刷されたか、または付着された、写真(例えば、画像)、パターン、ラインディテール等を含んでもよい。いくつかの実施形態において、グラフィックは、アッパーの材料またはオーバーレイの材料の一部であっても(例えば、一体化されていても)よい。
【0074】
格納されて利用可能な追加的なデザイン要素の1つ以上のリストは、(例えば、リスト、表等として)モデルに格納することができる。モデルに格納されてユーザによる選択用に利用可能な、利用可能な追加的な(例えば、アドオン)デザイン要素オプションのこのような表の実施例を図6に示す。具体的には、図6は、行602において、ベース履物構造に追加することができる複数の異なるタイプのデザイン要素を含む例示的な表600を示す。そして、表600の各列は、選択されたデザイン要素用の複数のオプション(例えば、デザインオプション)を含む。
【0075】
実施例として、行602に列記されているアドオンデザイン要素は、つま先キャップオーバーレイ、外側/内側テープオーバーレイ、アイステイオーバーレイ、中足オーバーレイ、アッパーグラフィック(例えば、アッパーの一部に印刷されたグラフィック)、およびアウトソールスタイル(例えば、構造、形状、サイズ、パターニング等)を含む。他の実施形態では、代替的または追加的なアドオンデザイン要素は、表600または同様の表またはリストに列記することができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、選択されたアドオンデザイン要素(例えば、オーバーレイ)は、所定の色、材料、形状および/またはサイズを有する。例えば、ユーザが、つま先キャップオーバーレイの列604から「オプションB」を選択する場合、オプションBは、(モデル内に予め設定されている)所定の形状およびアッパーのつま先領域上の位置と、所定の形状および/またはサイズと、所定の色および/またはグラフィックまたはパターンと、所定の材料と、を有するつま先キャップオーバーレイを含んでもよい。このようにして、列604の「オプションB」を選択すると、所望の履物製品を形成するために、ベース履物構造上に配置される所望のオーバーレイを画定するためのさらなる選択は必要ない可能性がある。
【0077】
別の実施例として、アウトソールの列606から「オプションA」を選択すると、選択されたアウトソールデザイン要素は、例えば、予め設定されたデザインのパターニング(例えば、溝、凹み、トラクション要素)、色および材料を備えた特定の構造/形状を有する、所定のスタイルおよび/または形状を有していてもよい。以下でさらに説明するように、複数の異なる履物製品を作るために、ベース履物構造に追加するために選択された(アウトソールを含む)異なるソール構造の実施例を図15に示す。
【0078】
図3に戻ると、いくつかの実施形態において、方法300は、306において、利用可能なデザインからなるリストから、選択された追加的なデザイン要素のデザイン(例えば、形状、色、材料等)を選択することをさらに含む。例えば、選択されたデザイン要素のデザインを選択することは、モデルに格納された利用可能なオプションからなるリストから、選択されたオーバーレイの色、材料、形状およびサイズのうちの1つ以上を選択することを含んでもよい。
【0079】
選択されたデザイン要素のデザインを選択する実施例を図7に示す。具体的には、図7は、選択されたベース履物構造に一致する履物製品のモデルに格納することができる例示的な表700を示す。表700の実施例においては、ヒールオーバーレイのデザイン要素が選択されている(方法300の304において選択されている)。ヒールオーバーレイを選択すると、ヒールオーバーレイの1つ以上の追加的なデザイン要素オプションが、選択用に利用可能であってもよい。例えば、図7に示すように、表700は、選択されたヒールオーバーレイ用の所望の色を選択するための第1の列702と、(例えば、材料タイプおよび/または材料のテクスチャーを含んでもよい)選択されたヒールオーバーレイ用の所望の材料を選択するための第2の列704とを含んでもよい。他の実施形態では、表700は、選択されたデザイン要素用の追加的なまたは代替的なデザインオプションを含むことができる。さらに、選択された異なるデザイン要素(例えば、ヒールオーバーレイとひも穴オーバーレイとつま先キャップオーバーレイ)は、格納されて選択可能な異なるデザインオプションを有していてもよい(例えば、ひも穴オーバーレイは、複数の特定のひも穴を含むおよび/またはそれを覆う特定のひも穴を含む、追加的な列を有していてもよい)。
【0080】
このようにして、各履物モデルは、格納されたデザイン要素と、格納されたデザイン要素オプションとからなる表および/またはリストの所定のセットを有していてもよい。例えば、第1のベース履物構造に一致する第1の履物モデルは、第2のベース履物構造に一致する第2の履物モデルとは異なる、格納されたデザイン要素オプションの組合せを有していてもよい。
【0081】
図3に戻ると、上記方法の306の後、方法300は終了して、方法200の212に戻ってもよい。
【0082】
図2に示すように、212における方法は、(1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、1つ以上の選択された追加的なデザイン要素とを含む)1つ以上の選択されたデザイン要素に基づいてモデルをアップデートすることを含む。いくつかの実施形態において、モデルをアップデートすることは、変更されたデザイン要素を含むように、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルをアップデートすることを含むことができる。例えば、このことは、選択されたデザイン要素を有するように、モデル内で、ベース履物構造のベース要素を変えること(例えば、ホワイトまたはグレーの代わりに、ブラックになるようにアッパーの色をアップデートすること)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、モデルをアップデートすることは、追加的な選択されたデザイン要素を含むように、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルをアップデートすることを含むことができる。例えば、このことは、モデル内で、選択されたデザイン要素(例えば、オーバーレイ)を、ベース履物構造のアッパーに追加することを含んでもよい。そして、これらのアップデートは、アップデートされたモデルが所望の履物製品を表すように、モデル内に格納することができる。
【0083】
214において、方法200は、アップデートされたモデルから履物製品を生成することを含む。いくつかの実施形態において、履物製品を生成することは、1つ以上の公知の製造技術を用いて、ベース履物構造から履物製品を生成することを含むことができる。例えば、追加的な選択されたデザイン要素は、コンピューティングシステムと電子的に通信する1つ以上の付加的な製造装置(例えば、3Dプリンタ)を用いて、ベース履物構造に印刷または付着させてもよい。その結果として生じる履物製品は、ユーザが選択したすべての変更されたおよび追加的なデザイン要素を含むことができる。したがって、ベース履物構造の要素を変更することにより、および/またはベース履物構造のモデルにデザイン要素を追加することにより、ユニークな履物製品を、より容易かつ迅速に作ることができる。
【0084】
図8A図8Bは、例示的なベース履物構造800を示し、図9A図14Bは、図8A図8Bのベース履物構造800から形成することができる履物製品のモデルのデザイン要素をカスタマイズおよび/または選択することによって形成することができる例示的な異なる履物製品を示す。
【0085】
まず、図8A図8Bを参照すると、ベース履物構造800は、アッパー802と、ソール構造804と、アッパー802に結合されるように構成されているタン806とを含むことができる。代替的な実施形態においては、ベース履物構造800は、アッパー802を単独で備えてもよく、およびソール構造804およびタン806を含んでいなくてもよい。さらに他の実施形態では、ベース履物構造800は、ソール構造804ではなく、アッパー802およびタン806を備えていてもよい。
【0086】
図8Aに示すように、アッパー802は、ベース材料808(例えば、メッシュ材料)と、アッパーライナー810と、アイステイ812と、(本願明細書においては、クロージャ要素とも呼ばれる)ヒールカバーステッチ814と、つま革縫製要素816とを含む。いくつかの実施形態において、ベース履物構造800のアッパー802は、つま革縫製要素816を含んでいなくてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造800のアッパー802は、図8Aに示すものに加えて、1つ以上の内部支持要素(図8Aには図示せず)等の要素を含むことができる。
【0088】
さらに、図8Aに示すように、ソール構造804は、ミッドソール818と、アウトソールのソリッド部820と、ミッドソールクッション要素822と、アウトソールのクリア(例えば、透明または半透明)部824とを含む。代替的な実施形態においては、ソール構造は、図8Aに示すものとは異なるか、または追加的な要素または構成要素を含んでもよい。例えば、代替的な実施形態において、ソール構造804は、ミッドソールクッション要素822と、アウトソールのクリア部824とを含んでいなくてもよく、または、それらの構成要素は、異なる構成(例えば、サイズ、形状、またはソール構造804に沿った位置)を有していてもよい。
【0089】
図8Bに示すように、ベース履物構造800のタン806は、いくつかの実施形態においてはアッパー802のベース材料808(例えば、メッシュ材料)と同じである、ベース材料826を含む。タン806は、ライナー828と、スキン830と、ジグザグステッチ832とをさらに含む。いくつかの実施形態において、タン806のライナー828は、アッパーライナー810と同じ材料である。
【0090】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造800のカラーパレットは、やや中間色(例えば、ホワイト、グレーおよびクリア)であってもよい。1つの可能性のある実施例として、ベース材料808およびタンのベース材料826はホワイトメッシュ材料とすることができ、アッパーライナー810およびタンのライナー828はグレーとすることができ、タンのスキン830はクリアとすることができ、タンのジグザグステッチ832はホワイトとすることができ、アイステイ812はクリアなフィルム材料とすることができ、ヒールカバーステッチ814はグレーとすることができ、つま革縫製要素816はグレーとすることができ、ミッドソール818およびアウトソールのソリッド部820はホワイトまたはオフホワイトとすることができ、ならびにミッドソールクッション要素822およびアウトソールのクリア部824はクリアにすることができる。
【0091】
ベース履物構造800の上述した構成要素のデザイン要素(例えば、色、材料等)を変更することにより、および/または追加的な要素をベース履物構造800に追加することにより、図9A図14Bに示すような、複数の異なる履物製品を形成することができる。以下でさらに説明するように、図9A図14Bに示す履物製品の各々は、同じベース履物構造800を有している。しかし、図9A図14Bに示す履物製品の各々は、そのベース履物構造に関して変更されているおよび/またはそのベース履物構造に追加されている、変更されたおよび/または追加的なデザイン要素の異なる組合せを含んでもよい。
【0092】
以下でさらに説明するように、各履物製品の異なる追加的なデザイン要素は、異なる材料および/または色を含んでもよい。追加的なデザイン要素に用いられる異なる色を、図9A図14Bにおいて、異なるクロスハッチングによって示す。
【0093】
図9A図14Bは、上述したような図2図3の方法200および300を介して形成することができる履物製品を表してもよい。したがって、各履物製品の変更されたおよび/または追加的なデザイン要素は、ベース履物構造800から形成することができる履物製品のモデルからユーザが選択してもよい。
【0094】
さらに、図9A図14Bは、それぞれは互いに異なっている(例えば、視覚的に異なっている)が、すべて同じベース履物構造(例えば、図8A図8Bに示すベース履物構造800)を有している複数の履物製品からなる履物ラインを表すことができる。
【0095】
例えば、図9A図9Bに示すように、第1の履物製品900は、ベース履物構造800を用いて形成することができる。第1の履物製品900は、同じベース材料808を有するアッパー802と、ベース履物構造800と同じ色を有するソール構造804とを含む。ベース履物構造800から変更されている第1の履物製品900のデザイン要素は、ベース履物構造800のアイステイとは異なる色(例えば、グレー)、材料および形状を有するアイステイ812と、異なる色(例えば、レッド)になっているタンのジグザグステッチ832とを含む。
【0096】
第1の履物製品900は、第1の履物製品900を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素も含む。それらの追加的なデザイン要素は、(いくつかの実施形態においては、レッドであってもよい)つま先キャップオーバーレイ902と、(いくつかの実施形態においては、グレーであってもよい)外側/内側テープ(例えば、オーバーレイ)要素904と、(いくつかの実施形態においては、レッドであってもよい)アイステイオーバーレイ906と、(いくつかの実施形態においては、ホワイトであってもよい)ヒールオーバーレイ908とを含む。追加的なデザイン要素(例えば、オーバーレイ)は、アッパー802のベース材料808とは異なる材料を含んでもよい。図9A図9Bに示すように、第1の履物製品900は、ベース履物構造800とは異なる視覚的外観を有しているが、ベース履物構造800のモデルを用いて形成されていることにより、同様の全体的構造を有している。
【0097】
図10A図10Bは、ベース履物構造800を用いて形成された第2の履物製品1000を示す。ベース履物構造800から変更されている第2の履物製品1000のデザイン要素は、(ベース履物構造800のアイステイとは異なる色(レッド)、材料および形状を有している)アイステイ812と、(異なる色(ホワイト)を有している)タンのライナー828と、(異なる色(レッド)を有している)タンのジグザグステッチ832とを含む。
【0098】
また、第2の履物製品1000は、第2の履物製品1000を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素も含む。これらの追加的なデザイン要素は、(いくつかの実施形態においては、ブラックであってもよい)つま先キャップおよび中足オーバーレイ1002と、(いくつかの実施形態においては、グレーであってもよい)外側/内側テープ要素(例えば、オーバーレイ)1004と、(いくつかの実施形態においては、グレーであってもよい)底部アイステイオーバーレイ1006と、(いくつかの実施形態においては、ホワイトであってもよい)ヒールオーバーレイ1008と、フローティングストリップジグザグ要素1010と、(いくつかの実施形態においては、レッドであってもよく、およびミッドソール818の残りの部分とは異なる材料からなっていてもよい)ミッドソールデザイン要素1012とを含む。第2の履物製品1000の追加的なデザイン要素(例えば、オーバーレイ)は、アッパー802のベース材料808とは異なる材料からなっていてもよい。
【0099】
第2の履物製品900は、使用されている、変更されたおよび追加的なデザイン要素の異なる組合せにより、第1の履物製品900とは異なる視覚的外観を有しているが、第1の履物製品および第2の履物製品はともに、ベース履物構造800のモデルを用いて形成されていることにより、同じ全体的構造を有している。実施例として、第2の履物製品1000の外側/内側テープ要素1004は、第1の履物製品の外側/内側テープ要素904と同じ色および/または材料であってもよいが、外側/内側テープ要素1004は、外側/内側テープ要素904とは異なるサイズおよび形状であり、および異なるオーバーレイとともに用いられ、それによって、第2の履物製品1000に、第1の履物製品900とは異なる視覚的外観およびデザイン(例えば、スタイル)を与えている。
【0100】
図11A図11Bは、ベース履物構造800を用いて形成された第3の履物製品1100を示す。ベース履物構造800から変更されている第3の履物製品1100のデザイン要素は、ベース材料808と、タンのベース材料826と、アウトソールのソリッド部820と、ミッドソール818とを含む(すべて、ベース履物構造とは異なる色、例えば、ブラックを有している)。追加的な変更されたデザイン要素は、(異なる色、例えば、ホワイトを有する)アッパーライナー810と、(異なる色、例えば、ホワイトを有する)タンのライナー828と、(異なる色、例えば、レッドを有する)タンのジグザグステッチ832と、(異なる色、例えば、グリーンを有する)ミッドソールのクッション要素822およびアウトソールのクリア部824とを含む。
【0101】
また、第3の履物製品1100は、第3の履物製品1100を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素も含む。これらの追加的なデザイン要素は、つま先キャップ要素1102(例えば、オーバーレイまたは被覆材料要素)と、アイステイオーバーレイ1104と、中足シュラウド1106と、中足シュラウドジグザグステッチ1108と、中足オーバーレイ1110と、中間層オーバーレイ1112と、底部層オーバーレイ1114と、外側/内側テープ要素1116と、ヒールオーバーレイ1118と、足先材料またはクッション要素1120とを含む。上記で紹介したように、第3の履物製品のさまざまな追加的なデザイン要素は、異なる材料を含んでもよく、および/またはデザイン要素の異なるクロスハッチングによって示すように、互いに異なる色(例えば、グレー、グリーン、レッド等のさまざまな色合い)を有していてもよい。
【0102】
図12A図12Bは、ベース履物構造800を用いて形成された第4の履物製品1200を示す。ベース履物構造800から変更されている第4の履物製品1200のデザイン要素は、ベース材料808と、タンのベース材料826と、アッパーライナー810と、タンのライナー828と、タンのジグザグステッチ832とを含む(すべて、ベース履物構造とは異なる色、例えば、ブラックを有している)。追加的な変更されたデザイン要素は、(異なる色(グレー)と、材料と、形状とを有する)アイステイ812と、(異なる色、例えば、グリーンを有する)ヒールカバーステッチと、(異なる色、例えば、オフホワイトを有する)ミッドソール818とを含む。
【0103】
また、第4の履物製品1200は、第4の履物製品1200を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素も含む。これらの追加的なデザイン要素は、つま先キャップオーバーレイ1202と、外側/内側テープ要素1204と、アイステイオーバーレイ1206と、ヒールオーバーレイ1208と、ミッドソールデザイン要素1210と、足先材料またはクッション要素1212とを含む。第4の履物製品1200の追加的なデザイン要素(例えば、オーバーレイ)は、アッパー802のベース材料808とは異なる材料、およびいくつかの実施形態においては、図9A図14Bに示す他の履物製品とは異なる材料からなっていてもよい。例えば、外側/内側テープ要素1204は、布地タイプの材料の代わりに、箔状材料からなっていてもよい。
【0104】
図13A図13Bは、ベース履物構造800を用いて形成された第5の履物製品1300を示す。ベース履物構造800から変更されている第5の履物製品1300のデザイン要素は、ベース材料808と、タンのベース材料826と、アッパーライナー810と、タンのライナー828と、タンのジグザグステッチ832とを含む(すべて、異なる色、例えば、ブラックを有する)。追加的な変更されたデザイン要素は、(異なる色(グレー)、材料および形状を有する)アイステイ812と、(異なる色、例えば、グリーンを有する)ヒールカバーステッチと、(異なる色、例えば、オフホワイトを有する)ミッドソール818とを含む。
【0105】
第5の履物製品1300は、第5の履物製品1300を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素も含む。これらの追加的なデザイン要素は、つま先キャップおよび中足オーバーレイ1302と、外側/内側タップ要素1304と、底部アイステイオーバーレイ1306と、ヒールオーバーレイ1308と、フローティングストリップジグザグ要素1310と、ミッドソールデザイン要素1312と、足先材料またはクッション要素1314とを含む。
【0106】
図14A図14Bは、ベース履物構造800を用いて形成された第6の履物製品1400を示す。ベース履物構造800から変更されている第6の履物製品1400のデザイン要素は、ベース材料808(図14Aでは、複数のオーバーレイによって見えないが、以下でさらに言及する)と、タンのベース材料826と、アッパーライナー810と、タンのライナー828と、タンのジグザグステッチ832とを含む(すべて、異なる色、例えば、ブラックを有している)。追加的な変更されたデザイン要素は、(異なる色、例えば、グリーンを有する)ヒールカバーステッチと、(異なる色、例えば、オフホワイトを有する)ミッドソール818とを含む。
【0107】
また、第6の履物製品1400も、第6の履物製品1400を形成するためにベース履物構造800に追加されている、複数の追加的なデザイン要素を含む。これらの追加的なデザイン要素は、つま先キャップオーバーレイ1402と、アイステイオーバーレイ1404と、(アイステイ812の代わりに、アイステイオーバーレイ1404の下に延びている)中足シュラウド1406と、中足シュラウドジグザグステッチ1408と、中足オーバーレイ1410と、中間層オーバーレイ1412と、底部層オーバーレイ1414と、外側/内側テープ要素1416と、ヒールオーバーレイ1418と、ミッドソールデザイン要素1420と、足先材料またはクッション要素1422とを含む。
【0108】
このように、図9A図14Bは、6つの例示的な異なる履物製品を示している。これら6つの履物製品の各々は、(例えば、アッパー802と、ソール構造804と、タン806とからなる)同じベース履物構造と、変更されたおよび追加的なデザイン要素の異なる組合せとを用いて形成されている。図9A図14Bに関連して上述した異なるオーバーレイまたはデザイン要素は、異なる色および/または材料からなっていてもよく、同じタイプのオーバーレイ(例えば、つま先キャップオーバーレイ)であっても、異なる履物製品では異なるサイズ、形状および向きを有していてもよい。
【0109】
上述したデザイン要素(例えば、オーバーレイ、クッション要素、縫製ディテール等)は、例示的であり、および限定を意味するものではないことに留意すべきである。代替的な実施形態においては、同じベース履物構造から形成された履物製品は、図9A図14Bに示す履物製品とは異なる視覚的外観を有する追加的な異なる履物製品を形成する異なるデザイン要素の異なる組合せを有していてもよい。
【0110】
図15は、複数の、異なるデザインの、異なる履物製品を作るために用いることができるベース履物構造の別の例示的な実施形態を示す。具体的には、図15は、各々が同じベース履物構造1510から形成される、第1の履物製品1502と、第2の履物製品1504と、第3の履物製品1506とを含む3つの例示的な履物製品を示す模式図1500を示す。
【0111】
ベース履物構造1510は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパー1512を含む。しかし、図15の実施形態において、アッパー1512に結合されて図示されているソール構造は、ベース履物構造1510の一部ではない。代替的な実施形態において、ソール構造は、追加的に、ベース履物構造1510の一部とすることができる。
【0112】
アッパー1512は、ベースである第1の材料1540を備えることができる。
【0113】
模式図1500に示すように、第1の履物製品1502、第2の履物製品1504および第3の履物製品1506の各々は、同じアッパー1512(例えば、同じ形状およびサイズを含む全体的な構造)を有している。しかし、アッパー1512の材料および/またはグラフィックは、第1の履物製品1502、第2の履物製品1504および第3の履物製品1506の各々において、ベース履物構造1510から変更してもよい。
【0114】
さらに、第1の履物製品1502、第2の履物製品1504および第3の履物製品1506の各々は、異なるソール構造を有している。したがって、ソール構造のスタイルまたはデザインは、第1の履物製品1502、第2の履物製品1504および第3の履物製品1506の各々を形成するためにベース履物構造1510に追加された追加的なデザイン要素であってもよい。ソール構造のスタイルは、ソール構造の形状、サイズおよびパターニング(例えば、凹み、溝、トラクション要素等)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0115】
例えば、第1の履物製品1502は、第1のソール構造1514を有している。図15に示すように、第1のソール構造1514は、第1の履物製品1502のヒール部よりもつま先部に近い、第1のソール構造1514上のある位置に配置された第1のクッション要素1516を含む。また、第1のソール構造1514は、第1の履物製品1502から離れて、アッパー1512のヒール部よりもさらに外向きに広がっているヒール部1518も有している。
【0116】
さらに、第1の履物製品1502のアッパー1512は、ベース履物構造1510と同じ第1の材料1540を備えている。しかし、第1の履物製品1502の第1の材料1540は、第1のグラフィック要素1542を含む。いくつかの実施形態において、第1のグラフィック要素1542は、第1の材料1540上に印刷してもよい。さらに、第1の履物製品1502は、グラフィックパターンを有する第1のヒールオーバーレイ1544を含む。
【0117】
第2の履物製品1504は、第1のソール構造1514とは異なる(例えば、視覚的に異なる)第2のソール構造1520を有している。第2のソール構造1520は、複数の凹みを含むトラクション面1522(例えば、地面対向面)と、複数の溝1524を含むミッドソールとを含む。図15に示すように、第2のソール構造1520のヒール部は、第1のソール構造1514ほど外向きに広がってはいない。さらに、第2のソール構造1520は、クッション要素を含んでいない。
【0118】
さらに、第2の履物製品1504のアッパー1512は、ベース履物構造1510の第1の材料1540とは異なる第2の材料1546を備えている。第2の材料1546は、第2のグラフィック要素1548を含む。また、第2の履物製品1504は、グラフィックパターンを含んでいない第2のヒールオーバーレイ1550も含んでいる。
【0119】
第3の履物製品1506は、第1のソール構造1514および第2のソール構造1520の各々とは異なる(例えば、視覚的に異なる)第3のソール構造1526を有している。第3のソール構造1526は、その地面対向面1528上の(第1および第2のソール構造上のこの面と比較して)より目立つ湾曲部を備えたプロファイルと、第1のセットの下方溝1530と、第2のセットの上方溝1532と、アッパー1512のヒール部から外向きに広がるヒール部1534とを含む。このようにして、第3のソール構造1526の全体的な形状およびパターニングは、第1のソール構造1514および第2のソール構造1520とは異なっている。
【0120】
さらに、第3の履物製品1506のアッパー1512は、ベース履物構造1510と同じ第1の材料1540を備えている。しかし、第3の履物製品1506の第1の材料1540は、第3のグラフィック要素1552を含む。第3のグラフィック要素1552は、幾何学形状的に第2のグラフィック要素1548と同様であってもよい。いくつかの実施形態において、第3のグラフィック要素1552は、第2のグラフィック要素1548とは異なる色を有していてもよい。さらに、第3の履物製品1506は、第1のヒールオーバーレイ1544を含む。
【0121】
このようにして、互いに視覚的に異なる(およびそのためユニークである)異なる履物製品を、アッパーの材料および/またはグラフィックを変更することにより、および/または異なるスタイルのソール構造を、ベース履物構造のアッパーに追加することによって形成することができる。
【0122】
いくつかの実施形態においては、(図1に示すベース履物構造110、図8Aに示すベース履物構造800および/または図15に示すベース履物構造1510等の)ベース履物構造は、2つ以上の履物製品のブレンドとして形成してもよい。例えば、ベース履物構造は、複数の視覚的に異なる履物製品に対するベースの、または共通する構造として形成してもよい。
【0123】
実施例として、図16は、3つすべての履物製品に共通している構造を有するベース履物構造1610を形成するために、第1の履物製品1602と、第2の履物製品1604と、第3の履物製品1606とを含む3つの視覚的に異なる履物製品をどのように用いることができるかを示す模式図1600である。図17を参照して以下でさらに説明するように、ベース履物構造1610は、(図1を参照して上述したように)第1の履物製品1602、第2の履物製品1604および第3の履物製品1606の各々の構造的要素およびデザイン要素を評価した後に、3つの履物製品の各々を、(図1を参照して上記で説明したように)ベース履物構造1510のデザイン要素を変更することによってまたはベース履物構造1510にデザイン要素を追加することによって生成することができるように、それらの履物製品のすべてに対して包括的である構造を見い出すことによって決めることができる。
【0124】
図17を参照すると、履物製品用のベース履物構造を形成するための方法1700が図示されている。方法1700は、1702において、2つ以上の異なる(例えば、視覚的に異なる)履物製品から構造的およびデザイン要素を得ることによって始まる。実施例として、図16の第1の履物製品1602、第2の履物製品1604および第3の履物製品1606からの構造的およびデザイン要素を得てもよい。例えば、履物製品の構造的要素は、アッパーの構造(例えば、形状およびサイズ、支持構造要素等を含む全体的な幾何学形状)、(例えば、いくつかの実施形態において、アウトソールとミッドソールとを含む)ソール構造、ならびに/または履物製品の各々のタンを含んでもよい。履物製品のデザイン要素は、(例えば、ベース材料、オーバーレイおよび縫製要素を含む)アッパー、ソール構造およびタンの材料、色、パターニング、グラフィック等のデザイン要素のうちのいずれを含んでもよい。
【0125】
1702において構造的およびデザイン要素を得ることは、2つ以上の履物製品の各々(例えば、図16における第1の履物製品1602、第2の履物製品1604および第3の履物製品1606)に対するすべての構造的およびデザイン要素を得ることと、それらをリスト、データベースまたは他の組織的システムに入力することと、を含むことができる。1つの実施例において、この得ることは、処理システム(例えば、図18を参照して以下で説明するコンピューティングシステム等のコンピューティングシステムのプロセッサ)によって自動的に行ってもよい。例えば、コンピューティングシステムは、2つ以上の異なる履物製品の各々の構造的およびデザイン要素に関するデータ(例えば、ユーザからの入力、または、画像、コンピュータ支援設計モデルを含んでもよい画像システムからの入力、および/または2つ以上の履物製品の各々に関する構造的およびデザイン要素のリストまたは表)を受け取ってもよい。1つの実施形態において、構造的およびデザイン要素を得ることは、各履物製品のデジタル画像を捉えるように構成されている画像システムによって実行していてもよい。別の実施形態では、この得ることは、ユーザによって行われてもよく、およびコンピューティングシステムに入力されてもよく、または、参照用に手動でコンパイルされてもよい。
【0126】
方法1700は、得られた構造的およびデザイン要素からベース履物構造を決めるために、1702から1704へ続き、ここで、そのベース履物構造は、2つ以上の異なる履物製品に対して包括的である。例えば、図16において、第1の履物製品1602、第2の履物製品1604および第3の履物製品1606の各々に共通している構造的およびデザイン要素は、ベース履物構造1610を形成するために用いることができる。したがって、1704における方法は、1702で得られた要素から、2つ以上の異なる履物製品に対して共通する構造的要素および/またはデザイン要素を決めることと、決められた共通の構造的要素および/またはデザイン要素を用いて、ベース履物構造を生成することと、を含むことができる。
【0127】
図16に示す実施例において、これらの共通要素は、図16に示す形状を有するアッパー1614と、アウトソール1616を含むソール構造1612と、図16に示す形状およびパターニング(例えば、凹みや地面対向面形状)を有するミッドソール1618とを含んでもよい。共通要素は、補強要素1608等の、アッパー1614の1つ以上の内部支持要素および/または補強要素をさらに含んでもよい。共通要素は、ミッドソールクッション要素1619と、アウトソール1616の半透明部1617とをさらに含んでもよい。共通要素は、(例えば、共通のタン構造を有する)タン1636をさらに含んでもよい。
【0128】
そして、これらの実施例の共通の構造的およびデザイン要素は、ベース履物構造(例えば、図16に示すベース履物構造1610)を形成するために組合せることができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、ベース履物構造を決めることは、決められた共通の構造的およびデザイン要素からベース履物構造を構築することによって、手動で実行することができる。ベース履物構造を構築することは、ベース履物構造の物理的モデルを構築することと、(例えば、本願明細書において説明したようなコンピューティングシステムと、コンピュータ支援設計ソフトウェア等のソフトウェアとを介して)ベース履物構造のコンピュータモデルを構築することと、を含むことができる。
【0130】
他の実施形態では、1704においてベース履物構造を決めることは、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって自動的に実行することができる。例えば、1つ以上のプロセッサは、1702において決められたかまたは受け取った各履物製品の構造的およびデザイン要素から、共通の構造的およびデザイン要素を決めることができる。そして、1つ以上のプロセッサは、決められた共通の構造的およびデザイン要素からベース履物構造を決めることができるかまたは仮想的に構築することができる。
【0131】
1706において、方法1700は、1704において決められたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを作り出すことを含む。いくつかの実施形態において、そのモデルは、ベース履物構造と、所望の履物製品を形成するために、ベース履物構造に関してカスタマイズ(例えば、変更)することができる、および/またはベース履物構造に追加することができる複数の選択可能なデザイン要素とを含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、履物製品のモデルを作り出すことは、ベース履物構造と、コンピュータ支援設計ソフトウェア等の対応するソフトウェアと、ベース履物構造から形成することができる履物製品用の可能なデザイン要素に関する(例えば、コンピューティングシステムの1つ以上の記憶装置に格納された、または、ネットワークを介してアクセス可能な)データベースとを用いて、コンピューティングシステムを介して実行することができる。例えば、ベース履物構造の構成要素(例えば、アッパー構造、ソール構造構成要素および構造等)に基づいて、プロセッサは、どのデザイン要素が可能であるかを判断することができ、および、ベース履物構造から所望の履物製品を形成するために選択してもよい。モデルに含めることができ、およびユーザが選択することができる可能性のあるデザイン要素オプションの実施例は、図2図7を参照して上述されている。
【0133】
したがって、1706において履物製品のモデルを作り出した後に、方法1700は、そのモデルと、ユーザからの、そのモデル内の所望のデザイン要素に関する、受け取った1つ以上の入力とを用いて、所望の(例えば、カスタマイズされた、または、ユニークな)履物製品を作るために、1708に進むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、方法は、1706において、モデルのデザイン要素オプションをユーザに提示することと、最終的な履物製品に対してどのデザイン要素が望ましいかに関するユーザ入力を受け取ることと、を含んでもよい。その後、選択されたデザイン要素を含む所望の履物製品を作ることができ、最終的な履物製品はベース履物構造を有している。1706における方法に関するさらなる詳細は、図2図3を参照して上述されている。
【0134】
このように、ベース履物構造は、2つ以上の異なる(例えば、視覚的に異なる)履物製品の構造的要素(例えば、幾何学形状)とデザイン要素とのブレンドであってもよい。本願明細書において説明したように、ベース履物構造は、ベース履物構造のディテールを変更する(例えば、色、材料およびパターンを変える)ことによって、および/またはデザイン要素をベース履物構造に追加する(例えば、オーバーレイを追加する、ディテール、グラフィックを縫製する等)ことによってカスタマイズが可能な、より包括的な材料およびデザイン要素を備えることができる。その結果として、互いに異なり、およびユニークなデザインを有する複数の履物製品を、同じベース履物構造を用いて作ってもよい。このアプローチは、顧客が望むように、多くの異なる履物製品の作成および製造における時間、費用および手間を節約することができる。
【0135】
例示的な制御システムおよびコンピューティングシステム
上述したように、本願明細書において説明した履物製品に関する方法およびラインは、より時間効率の良い方法で、かつ手間を減らして製造される(各々が、異なる視覚的スタイルまたはデザインを有する)多くの異なる履物製品をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、ベース履物構造から異なる履物製品を形成するための、およびベース履物構造を形成するための方法のうちの少なくともいくつかは、ユーザからの入力とともにコンピューティングシステムを用いて実施してもよい。
【0136】
図18は、上述したイノベーションを実施してもよい、適切なコンピューティングシステム1800の一般化した実施例を示す。そのイノベーションは種々の汎用または特定用途のコンピューティングシステムにおいて実施してもよいため、コンピューティングシステム1800には、用途または機能の範囲に関する何らかの限定を示唆することは意図されていない。例えば、コンピューティングシステム1800は、ハードウェアおよびソフトウェアを実施するために用いることができる。
【0137】
図18を参照すると、コンピューティングシステム1800は、1つ以上の処理ユニット1810、1815と、不揮発性メモリ1820と、メモリ1825とを含む。図18において、この基本的な構成1830は、点線内に含まれている。処理ユニット1810、1815は、複数の異なる履物製品からベース履物構造を形成するための命令と、そのベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを作り出すための命令と、本願明細書において開示したように(例えば、図2図3および図17を参照して上述したように)ベース履物構造から形成することができる履物製品の同じモデルを用いて、カスタマイズした履物製品を作るための命令とを含む、コンピュータ実行可能命令を実行する。処理ユニットは、汎用中央処理ユニット(「CPU」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)内のプロセッサ、または、他の任意のタイプのプロセッサとすることができる。多重処理システムにおいては、複数の処理ユニットが、処理出力を増加させるためのコンピュータ実行可能命令を実行する。例えば、図18は、中央処理ユニット1810と、グラフィック処理ユニット(「GPU」)またはコプロセッシングユニット1815を示す。有形のメモリ1825は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等)、または、処理ユニットがアクセス可能な、これら2つのある組合せとすることができる。メモリ1825は、本願明細書に記載されている1つ以上のイノベーションを、処理ユニットによる実行に適しているコンピュータ実行可能命令の形で実施するソフトウェア1880を格納している。
【0138】
コンピューティングシステムは、追加的な形状構成を有していてもよい。例えば、コンピューティングシステム1800は、ストレージ1840と、1つ以上の入力装置1860と、1つ以上の出力装置1850と、1つ以上の通信接続部1870とを含む。バス、コントローラまたはネットワーク等の相互接続機構(図示せず)が、コンピューティングシステム1800の構成要素を相互接続している。典型的には、オペレーティングシステムソフトウェア(図示せず)が、コンピューティングシステム1800内で実行する他のソフトウェア用の動作環境を提供し、およびコンピューティングシステム1800の構成要素のアクティビティを調整する。
【0139】
有形のストレージ1840は、リムーバブルまたは非リムーバブルであってもよく、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD‐ROM、DVD、または、情報を格納するために使用することができるとともにコンピューティングシステム1800内でアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。ストレージ1840は、本願明細書に記載されている1つ以上のイノベーションを実施するためのソフトウェア1880用の命令を格納している。
【0140】
入力装置1860は、コンピューティングシステム1800に入力を供給するキーボードまたは他の装置(例えば、マウスまたは撮像装置)等のタッチ入力装置であってもよい。ビデオ符号化の場合、入力装置1860は、画像センサと、ビデオカードと、TVチューナーカードとを備えたカメラ、または、ビデオ入力をアナログまたはデジタルの形態で受け入れる同様の装置、または、ビデオサンプルをコンピューティングシステム1800内に読み込むCD‐ROM、CD‐RW、DVD、またはBlu‐Rayとすることができる。いくつかの実施形態において、画像情報(例えば、図16に示すもの等の2つ以上の異なる履物製品の画像情報)を捉えることが可能な撮像装置は、捉えた光学画像を、電気信号を介してコンピューティングシステムに送信される情報に変換してもよい。これらの電気信号を受信すると、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサ1810、1815は、この情報を用いて、撮像装置に対して可視であってもよい、履物製品に関するさまざまな情報(例えば、それらの位置、向き、色、グラフィック等を含む構造的およびデザイン要素)を判断することができる。この情報は、ベース履物構造を決めるために、および図17を参照して上述したように、ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを作成するために用いることができる。
【0141】
出力装置1850は、出力を受け取るか、または、コンピューティングシステム1800からの命令、もしくは一連の命令により、コンピューティングシステム1800によって制御される何らかの装置(例えば、ロボットシステム、3次元印刷システム、および/または本願明細書に記載されている履物製品のアップデートされたモデルに従って、履物製品を形成もしくは構成するために用いられるその他のシステム等)とすることができる。
【0142】
通信接続部1870は、通信媒体(例えば、接続ネットワーク)を介した別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、圧縮されたグラフィック情報、ビデオまたはその他のデータ等の情報を変調データ信号で伝える。通信接続部1870は、有線接続(メガビットまたはギガビットEthernet、Infiniband、電気的接続、または光ファイバ接続を介したFibre Channel)に限定されず、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標)を介したRF接続、WiFi(IEEE 802.11a/b/n)、WiMax、セルラー、サテライト、レーザ、赤外線)および開示されているエージェント、ブリッジ、およびエージェントデータコンシューマ用のネットワーク接続を提供するための他の適切な通信接続部も含む。バーチャルホスト環境において、通信接続部は、バーチャルホストによって提供される仮想化されたネットワーク接続部とすることができる。
【0143】
開示されている方法のうちのいくつかの実施形態は、開示されている技術のすべてまたは一部をコンピューティングクラウド1890内で実施する、コンピュータ実行可能命令を用いて実行することができる。例えば、開示されているコンピュータ実行可能命令は、コンピューティング環境1830内に配設されているプロセッサによって実行することができ、または、開示されているコンピュータ実行可能命令は、コンピューティングクラウド1890内に配設されたサーバ上で実行することができる。
【0144】
コンピュータ可読媒体は、コンピューティング環境1800内でアクセスすることができる利用可能な媒体である。実施例として、および非限定的には、コンピューティング環境1800の場合、コンピュータ可読媒体は、メモリ1820および/またはストレージ1840を含む。容易に理解されるように、コンピュータ実行可能命令という用語は、メモリ1820およびストレージ1840等のデータストレージ用の媒体を含むが、変調データ信号または他の一時的な信号等の伝送媒体は含まない。
【0145】
イノベーションは、対象の実在のまたは仮想のプロセッサ上のコンピューティングシステムで実行される、プログラムモジュール内に含まれているもの等のコンピュータ実行可能命令という一般的な文脈で説明することができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または、特定のデータタイプを実施する、ルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、さまざまな実施形態において所望されるように、プログラムモジュール間で結合するかまたは分割してもよい。プログラムモジュール用のコンピュータ実行可能命令は、ローカルのまたは分散型のコンピューティングシステム内で実行してもよい。
【0146】
開示した技術の追加的な実施例
開示した技術の追加的な実施例を以下に列記する。
【0147】
実施例1。履物製品を形成する方法であって、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを備えるベース履物構造を選択することと、選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することと、モデルに関連する複数の利用可能なデザイン要素から1つ以上のデザイン要素を選択することであって、1つ以上のデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に追加することができるかまたはベース履物構造に関して変更することができるデザイン要素である、選択することと、1つ以上の選択されたデザイン要素に基づいてモデルをアップデートすることと、アップデートされたモデルから履物製品を生成することと、を含む、方法。
【0148】
実施例2。ベース履物構造がソール構造をさらに備え、ソール構造がアッパーに結合されている、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例1の方法。
【0149】
実施例3。ソール構造が、ミッドソールとアウトソールとを備え、1つ以上の選択されたデザイン要素は、ミッドソール用のクッション要素を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例2の方法。
【0150】
実施例4。ソール構造がクッション要素を備え、1つ以上の選択されたデザイン要素がクッション要素の色を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例2の方法。
【0151】
実施例5。アッパーが、ベース材料と、1つ以上の補強要素および裏地からなる内部支持構造と、アッパーのヒール部に配置されたクロージャ要素と、ひも締め領域とを備え、1つ以上の選択されたデザイン要素は、1つ以上の補強要素および裏地と、クロージャ要素と、ひも締め領域とを画定する1つ以上の構造の選択を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0152】
実施例6。ひも締め領域がアイステイを備え、1つ以上の選択されたデザイン要素は、複数の利用可能なアイステイ構造からのアイステイの選択を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例5の方法。
【0153】
実施例7。1つ以上のデザイン要素を選択することは、モデルに格納されている複数の利用可能な履物デザインモデルから、1つの履物デザインモデルを選択することを含み、各履物デザインモデルは、ベース履物構造に関してアップデートされるおよび/またはベース履物構造に追加される所定のデザイン要素の組合せを含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれかの方法。
【0154】
実施例8。1つ以上のデザイン要素を選択することは、モデルに格納されているデザイン要素の1つ以上のリストから、1つ以上のデザイン要素を個別に選択することを含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例1~6のいずれか1つの方法。
【0155】
実施例9。1つ以上の選択されたデザイン要素は、アッパーの色と、アッパーの材料と、ソール構造の色と、ソール構造のスタイルと、アッパー用のオーバーレイとのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0156】
実施例10。ソール構造のスタイルは、ソール構造の形状と、サイズと、パターニングとのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例9の方法。
【0157】
実施例11。1つ以上の選択されたデザイン要素は、アッパー用のオーバーレイを含み、オーバーレイは、アッパーのヒール部と、アイステイと、内側/外側側部と、つま先部と、中足部とのうちの1つに配置されるように構成されているオーバーレイである、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0158】
実施例12。選択されたオーバーレイは、所定の色、材料、形状およびサイズを有している、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例11の方法。
【0159】
実施例13。1つ以上のデザイン要素を選択することは、モデル内に格納された利用可能なオプションのリストから、選択されたオーバーレイの色、材料、形状およびサイズのうちの1つ以上を選択することをさらに含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例11の方法。
【0160】
実施例14。アッパーがメッシュ材料からなる、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0161】
実施例15。1つ以上の選択されたデザイン要素が、所定のスタイルを有するソール構造を含み、選択されたソール構造の所定のスタイルは、ソール構造の形状、サイズおよびパターニングのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0162】
実施例16。ベース履物構造を選択することは、有限数の異なるベース履物構造から1つのベース履物構造を選択することを含み、異なるベース履物構造の各々は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを含み、異なるベース履物構造の各々は、複数のベース履物構造からなるリストにおける他の異なるベース履物構造の各々とは異なって構成されたアッパーを有する、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0163】
実施例17。ベース履物構造を選択することは、有限数の異なるベース履物構造から1つのベース履物構造を選択することを含み、異なるベース履物構造の各々は、アッパーと、アッパーに結合されているソール構造とを含み、異なるベース履物構造の各々は、他の異なるベース履物構造の各々とは異なるソール構造を有している、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に先行の実施例のいずれか1つの方法。
【0164】
実施例18。履物製品を形成する方法であって、ソール構造と、ソール構造に結合されているアッパーとを備えるベース履物構造を選択することと、選択されたベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを検索することと、モデル内に格納された利用可能で変更可能なデザイン要素の第1のリストから、1つ以上の変更可能なデザイン要素を選択することであって、1つ以上の変更可能なデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に関してアップデートすることができるデザイン要素である、選択することと、モデル内に格納された利用可能なアドオンデザイン要素の第2のリストから、1つ以上のアドオンデザイン要素を選択することであって、1つ以上のアドオンデザイン要素は、履物製品を形成するためにベース履物構造に追加することができるデザイン要素である、選択することと、1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素とに基づいてモデルをアップデートすることと、アップデートされたモデルから履物製品を生成することと、を含む、方法。
【0165】
実施例19。ベース履物構造を選択することは、複数の異なるベース履物構造からなる有限のリストから1つのベース履物構造を選択することを含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18の方法。
【0166】
実施例20。1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素は、アッパーの1つ以上の色および材料を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18および19のいずれか1つの方法。
【0167】
実施例21。1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素が、ソール構造の1つ以上の構成要素の色、材料およびパターニングのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~20のいずれか1つの方法。
【0168】
実施例22。ソール構造がアウトソールおよびミッドソールを備え、ミッドソールがミッドソールクッション要素を備え、1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素は、ミッドソールクッション要素の色、材料、サイズおよび位置のうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~21のいずれか1つの方法。
【0169】
実施例23。1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素が、アッパー用のオーバーレイを含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~22のいずれか1つの方法。
【0170】
実施例24。選択されたオーバーレイのデザインを選択することをさらに含み、そのデザインは、オーバーレイ用の色、材料およびグラフィックのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例23の方法。
【0171】
実施例25。1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素がソール構造のスタイルを含み、そのスタイルは、ソール構造の形状、サイズ、パターニングおよび色のうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~24のいずれか1つの方法。
【0172】
実施例26。1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素が、アッパーに追加されるグラフィックおよび縫製ディテールのうちの1つ以上を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~25のいずれか1つの方法。
【0173】
実施例27。1つ以上の選択された変更可能なデザイン要素と、1つ以上の選択されたアドオンデザイン要素とに基づいてモデルをアップデートすることは、モデル内で、選択された変更可能なデザイン要素を有するようにベース履物構造のベースデザイン要素をアップデートすることと、選択されたアドオンデザイン要素をベース履物構造に追加することと、を含み、そのモデル内にアップデートを格納することをさらに含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例18~26のいずれか1つの方法。
【0174】
実施例28。同じベース履物構造を有する複数の異なる履物製品であって、そのベース履物構造が、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを少なくとも備える、複数の異なる履物製品を備え、異なる履物製品の各々は、複数の異なる履物製品の各履物製品が構造的に異なるようにベース履物構造に追加された異なるデザイン要素を含む、履物ライン。
【0175】
実施例29。ベース履物構造のアッパーが、ベース材料および形状を備える、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例28の履物ライン。
【0176】
実施例30。ベース履物構造がソール構造をさらに備える、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例28および29のいずれか1つの履物ライン。
【0177】
実施例31。異なるデザイン要素がオーバーレイを含み、複数の異なる履物製品の各々に追加されるオーバーレイは、複数の異なる履物製品のうちの他の製品に追加された各他のオーバーレイとは異なる、履物製品上の異なる位置、異なる色、異なる形状、異なるサイズ、または、グラフィックのうちの少なくとも1つを有する、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例28~30のいずれか1つの履物ライン。
【0178】
実施例32。異なるデザイン要素がソール構造を含み、複数の異なる履物製品の各々に追加されるソール構造は、複数の異なる履物製品の他の製品に追加される各他のソール構造とは異なる形状、サイズおよびパターニングのうちの少なくとも1つを有する、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例28、29および31のいずれか1つの履物ライン。
【0179】
実施例33。異なるデザイン要素がグラフィックを含み、複数の異なる履物製品の各々に追加されるグラフィックは、複数の異なる履物製品の他の製品に追加される各他のグラフィックとは視覚的に異なる、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例28~32のいずれか1つの履物ライン。
【0180】
実施例34。履物製品用のベース履物構造を形成する方法であって、視覚的に異なる2つ以上の異なる履物製品から、複数の構造およびデザイン要素を得ることと、得られた複数の構造およびデザイン要素からベース履物構造を決定することと、を含み、ベース履物構造は、ソール構造に結合されるように構成されているアッパーを備え、かつ2つ以上の履物製品に対して包括的である、方法。
【0181】
実施例35。ベース履物構造を決定することが、2つ以上の異なる履物製品に共通する、得られた複数の構造およびデザイン要素から構造およびデザイン要素を決定することと、決定された共通の構造およびデザイン要素からベース履物構造を構築することと、を含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例34の方法。
【0182】
実施例36。ベース履物構造から形成することができる履物製品のモデルを作り出すことをさらに含み、そのモデルは、ベース履物構造と、ユーザが選択することができ、かつ履物製品を作り出すためにベース履物構造に関して変更することができるかまたはベース履物構造に追加することができる複数の選択可能なデザイン要素とを含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例34および35のいずれか1つの方法。
【0183】
実施例37。ユーザにより選択された複数の選択可能なデザイン要素からのデザイン要素に関する、受け取った1つ以上の入力に基づいて、モデルをアップデートすることをさらに含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例36の方法。
【0184】
実施例38。アップデートされたモデルから履物製品を作り出すことをさらに含む、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例37の方法。
【0185】
実施例39。2つ以上の異なる履物製品は、ベース履物構造の1つ以上のデザイン要素を変更することと、ベース履物構造に1つ以上のデザイン要素を追加することと、のうちの1つ以上によって、ベース履物構造から形成することができる、本願明細書におけるいずれか1つの実施例、特に実施例34~38のいずれか1つの方法。
【0186】
実施例40。ベース履物構造がソール構造をさらに備える、本願明細書におけるいずれかの実施例、特に実施例34~39のいずれか1つの方法。
【0187】
開示した技術の原理を適用してもよい多くの可能な実施形態を考慮して、例示されている実施形態は、開示されている技術の好適な実施例にすぎないことが正しく認識されるべきであり、また、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18