(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20240826BHJP
A63F 13/24 20140101ALI20240826BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
A63F13/24
(21)【出願番号】P 2022567264
(86)(22)【出願日】2021-05-03
(86)【国際出願番号】 EP2021061565
(87)【国際公開番号】W WO2021224181
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/062451
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522430187
【氏名又は名称】テケルレク、コルクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テケルレク、コルクト
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-062447(JP,A)
【文献】特開平07-110740(JP,A)
【文献】特開2001-202152(JP,A)
【文献】特開平08-111144(JP,A)
【文献】実開昭63-171816(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0119687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033-3/039
A63F 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電子ユニット、好ましくはゲームコントローラ用の入力装置であって、
a)前記入力装置の外部からアクセス可能な作動セクションを有する、ユーザによる前記入力装置の作動のための作動要素を備え、
b)前記作動要素を、前記ユーザによって、作動範囲を画定する複数の作動位置にもっていくことができ、
c)前記作動要素が、特に実質的に変位平面内にある1つまたは複数の変位方向の変位によって前記作動位置に変位することができ、
d)前記作動要素の瞬間作動位置を直接的または間接的に検出する電子位置検出手段が設けられる、入力装置において、
e)前記作動要素が、前記入力装置内で、それぞれの瞬間変位方向に垂直に配向された瞬間ストローク方向に移動可能に案内され、
f)前記1つまたは複数の変位方向における前記作動範囲内の前記作動要素の変位中に、前記瞬間ストローク方向における前記作動要素のストローク運動が、前記作動要素の前記変位に応じた形で制御可能であるか、または制御される制御装置が、設けられることを特徴とする、入力装置。
【請求項2】
全ての瞬間変位方向が、厳密に前記変位平面内にあり、したがって、前記瞬間ストローク方向が、前記変位平面に垂直であり、前記作動要素の全ての作動位置において共通のストローク方向に沿って配向されることを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記作動要素が、案内装置によって、前記1つまたは複数の変位方向に変位可能に、かつ前記それぞれの瞬間ストローク方向に移動可能に案内されるように、前記入力装置内に取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記作動要素が、弾性要素によって、前記1つまたは複数の変位方向に変位可能に、かつ前記それぞれの瞬間ストローク方向に移動可能に前記入力装置内に取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記作動位置のうちの1つが、前記作動要素が作動が無い場合に配置される中立位置であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記作動範囲が円形であり、前記中立位置が
、前記作動範囲の中心に配置されることを特徴とする、請求項
5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記制御装置が、前記作動要素が前記1つまたは複数の変位方向に、特
に前記中立位置から変位されるときに、前記作動要素が前記それぞれの瞬間ストローク方向に前記入力装置内に少なくとも部分的に下降可能であるか、または下降されるように構成されることを特徴とする、請求項
5または6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記制御装置が、前記1つまたは複数の変位方向における前記作動要素の前記変位に依存する形の前記ストローク運動の確実な制御が実施されるように構成され、そのように前記作動要素と相互作用することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記制御装置が、制御面を有する制御要素を備え、前記作動要素が、前記制御面と相互作用するための制御セクションを有し、前記制御面が、前記1つまたは複数の変位方向への前記作動要素の前記変位中に、前記それぞれの瞬間ストローク方向への前記作動要素の前記ストローク運動が前記制御セクションと前記制御面との相互作用によって制御可能であるか、または制御されるように構成され、そのように前記作動要素に対して配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記制御セクションが、前記それぞれの瞬間ストローク方向に前記入力装置内に突出し、前記制御セクションが、前記それぞれの瞬間ストローク方向に前記制御面に対向して前記入力装置内に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記制御セクションが、前記作動セクションの反対側に位置するように前記作動要素上に形成されることを特徴とする、請求項9または10に記載の入力装置。
【請求項12】
前記作動要素の前記制御セクションが、全ての作動位置において前記制御面に当接することを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項13】
予圧装置が設けられ、前記予圧装置によって、前記作動要素は、前記制御セクションが前記制御面に押し付けられるように、前記制御面に対して前記それぞれの瞬間ストローク方向に予圧可能であるか、または予圧されることを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項14】
前記制御面が、1つまたは複数の表面構造化領域を有し、前記表面構造化領域によって、前記制御面が前記制御セクション上を通過すると、触覚フィードバックを前記作動セクションにおいて前記ユーザに向けて生成することができることを特徴とする、請求項9から13のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項15】
前記制御面が、1つまたは複数の点、特に任意選択的に前記作動要素の前記中立位置に対応する点に凹部を有し、前記凹部が、前記制御セクションのための一時的な休止位置を画定することを特徴とする、
請求項5を引用する請求項9から14のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項16】
前記制御要素が、前記制御面が形成される制御動作リンクを備え、前記制御セクションが、好ましくは、前記1つまたは複数の変位方向における前記作動要素の前記変位に依存する形の前記ストローク運動の確実な制御が実施されるように、前記制御動作リンクと相互作用することを特徴とする、請求項9から15のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項17】
前記制御面が、少なくとも特定の領域において、前記1つまたは複数の変位方向の少なくとも1つに対して、前記それぞれの瞬間ストローク方向に、前記特定の領域に向かって、または前記特定の領域から離れるように湾曲するように構成されることを特徴とする、請求項9から16のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項18】
前記制御面が、実質的にドーム状に、特に球形ドームとして湾曲するように、好ましくは前記作動要素に向かって凸状にアーチ状になるように構成されることを特徴とする、請求項17に記載の入力装置。
【請求項19】
前
記制御面のプロファイルが、前記作動要素の前記中立位置における前記制御セクションの位置に対応する点で最大値を有し、特に球形ドームとして構成された制御面の場合、前記制御セクションが、前記作動要素が前記中立位置に位置するときに前記制御面の極領域内に配置されることを特徴とする、
請求項5を引用する請求項17または1
8に記載の入力装置。
【請求項20】
前記作動要素が、細長いレバーの形態で構成され、前記レバーの長手方向軸線が、全ての作動位置において前記それぞれの瞬間ストローク方向に配向され、特に、前記作動セクションが、前記作動要素の第1の長手方向端部に形成され、前記制御セクションが、前記長手方向において前記作動セクションの反対側に位置する第2の長手方向端部に形成されることを特徴とする、請求項9から19のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項21】
前記制御要素が、力が前記それぞれの瞬間ストローク方向に前記作動要素上に作用すると、前記制御要素が前記制御セクションによって偏向可能であるように、前記入力装置内で特に弾力的に偏向可能であるように配置されることを特徴とする、請求項9から20のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項22】
前記制御要素が、ユーザによって調整できるように前記入力装置内に配置されることを特徴とする、請求項9から21のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項23】
前記制御要素が、異なる制御面を有する異なる制御要素を前記入力装置に挿入することができるように、ユーザによって交換できるように前記入力装置内に配置されることを特徴とする、請求項9から22のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項24】
ユーザによって、対応する締結手段、特にラッチ手段によって前記制御要素を締結、特にラッチすることができる締結手段、特にラッチ手段が設けられることを特徴とする、請求項23に記載の入力装置。
【請求項25】
入力装置の作動要素の制御セクションを当接させるための、特に湾曲した制御面を有する、請求項23または24のいずれか一項に記載の入力装置用の制御要素。
【請求項26】
ユーザによって、前記入力装置の締結手段、特にラッチ手段に前記制御要素を締結、特にラッチすることができる締結手段、特にラッチ手段を備えることを特徴とする、請求項25に記載の制御要素。
【請求項27】
請求項1から24のいずれか一項に記載の入力装置を有する電子ユニット、特にモバイル電子ユニット。
【請求項28】
ゲームコントローラであることを特徴とする、請求項27に記載の電子ユニット。
【請求項29】
車両、特に自動車内に設置するための、請求項27または28のいずれか一項に記載の電子ユニット。
【請求項30】
請求項9から24のいずれか一項に記載の入力装置、または請求項9から24のいずれか一項に記載の入力装置を備える電子ユニット、および請求項25から26のいずれか一項に記載の少なくとも1つの追加の制御要素を備える、パーツセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電子ユニット、好ましくはゲームコントローラ用の入力装置であって、入力装置の外部からアクセス可能な作動セクションを有する、ユーザによる入力装置の作動のための作動要素を備え、作動要素を、ユーザによって、作動範囲を画定する複数の作動位置にもっていくことができ、作動要素は、特に変位平面内に実質的にある1つまたは複数の変位方向の変位によって作動位置に変位することができ、作動要素の瞬間作動位置を直接的または間接的に検出する電子位置検出手段が設けられる、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、多数の技術分野からの電子ユニットは、二次元ディスプレイを備えるユーザインターフェースをますます有するようになっている。そのようなユーザインターフェースは、多くの場合、ユーザが、例えば、カーソルまたは他の何らかのグラフィカルオブジェクトを移動させ、それをスクリーンによって予め規定された二次元画像平面内の所望の位置に配置することを可能にする入力装置を有する。ここでは、いわゆるジョイスティック、方向スライダ、またはアナログ4点ボタンが一般的に使用され、それによって所望の方向を入力することができる。しかし、方向入力ユニットは、方向スライダまたはスクロールホイールなどの1次元入力にも使用することができ、それによって、例えば、メニューなどのエントリの予め規定された選択を通じてカーソルを順次制御することができる。そのような入力装置は、例えば、GPSナビゲーションユニットに、車両電子機器システムの制御に、特にコンピュータゲームアプリケーション用のゲームコントローラの分野でも使用される。
【0003】
既知のジョイスティックは、典型的には、傾斜可能なレバーを有し、傾斜方向は、運動方向としてスクリーンの二次元画像平面上にマッピングされる。入力の強度は、例えば、傾斜の程度に比例することができる。このようにして、例えば、コンピュータプログラムのグラフィカルオブジェクト、特にコンピュータゲーム内のキャラクタが、画像平面内に配置されるか、または仮想二次元または三次元空間内で制御されることが可能である。傾斜の程度、すなわち入力の強度は、例えば、仮想空間内で移動が行われる速度を決定する。
【0004】
典型的には、ゲームコントローラの場合、そのようなジョイスティックは親指を使用して制御され、一方で手の残りの部分はゲームコントローラを保持する。したがって、ジョイスティックは、グリップを変更することなく親指で入力装置の作動範囲に到達できるように、比較的短い。これに対応して、レバーの長さによって予め規定された傾斜半径は、人間工学的に快適な移動半径と比較して小さく、すなわち、ジョイスティックは指の下で外方に傾斜し、指は自然にジョイスティックの移動経路に追従することができない。特に、前記指を使用してジョイスティックをその作動範囲の縁部まで傾けるために、指を過度に伸ばさなければならないことが起こり得る。したがって、ユーザの筋骨格系に対する不快感または損傷さえも、使用中に生じ得る。
【0005】
二次元方向スライダなどの他の方向入力ユニットも同様に、直線運動が自然な運動に対応せず、ユーザが不快に感じる可能性があるという欠点を有する。さらに、スライダの位置から、ユーザは、入力の程度に関して限られた結論しか引き出すことができず、これは、対照的に、傾斜可能なジョイスティックの場合、傾斜の程度によって容易に知覚可能である。
【0006】
特にコンピュータゲーム用途では、そのような入力ユニットが比較的長期間にわたってユーザによって操作されなければならないことが起こり得、これにより、ユーザの筋骨格系が損傷する可能性が高まる。特に、現代のゲームコンソールの出現により、コンピュータゲームが幅広い視聴者にアクセス可能になり、その結果、人間工学的で快適な操作を可能にする入力ユニットに対してかなりの需要がある場合もある。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明によって対処される問題は、電子ユニット、特にゲームコントローラ用の冒頭で述べた技術分野に属する入力装置であって、この入力装置は、構造的に簡単な方法で、ユーザによる人間工学的で快適な作動または操作を可能にする、入力装置を提供することである。
【0008】
問題に対する解決策は、請求項1の特徴によって規定される。本発明によれば、特に電子ユニット、好ましくはゲームコントローラ用の入力装置は、入力装置の外部からアクセス可能な作動セクションを有する、ユーザによる入力装置の作動のための作動要素を備え、作動要素は、ユーザによって、作動範囲を画定する複数の作動位置にもってくることができる。ここで、作動要素は、特に実質的に変位平面内にある1つまたは複数の変位方向への変位によって作動位置に変位することができる。入力装置は、作動要素の瞬間作動位置を直接的または間接的に検出する電子位置検出手段をさらに備える。本発明によれば、作動要素は、入力装置内で、それぞれの瞬間変位方向に垂直に配向された瞬間ストローク方向に移動可能に案内され、制御装置が、設けられ、制御装置によって、1つまたは複数の変位方向における作動範囲内の作動要素の変位中、瞬間ストローク方向における作動要素のストローク運動が、作動要素の変位に応じた形で制御可能であるか、または制御される。
【0009】
このようにして、作動要素は、瞬間作動位置に応じた形で異なるストローク位置を有することができ、すなわち、作動要素が1つまたは複数の変位方向に変位されると、前記作動要素は、瞬間ストローク方向のストローク運動を実行することが達成される。例えば、作動要素は、中立位置からの変位が増加するにつれて、入力装置内に徐々に下降されてもよく、または入力装置から徐々に上昇されてもよい。具体的には、例えば、ゲームコントローラの、指を使用して操作することができるジョイスティックとしての構成の場合、作動要素の変位の増加に伴って指が過度に伸ばされないことをこうして確実にすることができ、作動要素の、提供される結合された変位可能性およびストローク可動性は、指のより自然な動きに対応する。特に、本発明によれば、変位中、ストローク運動は、ユーザの指から離れて、またはユーザの指に向かって行うことができる。
【0010】
制御装置は、ストロークプロファイルをユーザが個人的な要件に適合させることができるように、ユーザによって適合可能であるように構成され得る。したがって、快適な作動に加えて、例えば長期使用の場合の関節損傷を防止することが可能である。同様に、制御装置によって達成され、変位に応じた形で制御される作動要素のストローク運動は、ユーザによる作動の主観的知覚を強化または強調することができる。用途に応じて、変位方向の変位に応じた形で下降および上昇する組み合わせストロークプロファイルも有利であり得ることは自明である。
【0011】
この場合、「作動要素」は、ユーザによって機械的に作動させることができ、横方向変位の形態の位置の変化によって異なる変位位置にもっていくことができる要素を指す。作動要素は、例えば、特にジョイスティックの形態の変位可能なボタンまたはレバーを備えることができる。好ましくは、作動要素は、細長い構成であり、それぞれ瞬間ストローク方向に長手方向軸線を有するように配向される。
【0012】
作動要素の「作動セクション」は、ユーザと作動要素との相互作用のために設けられる領域または構造を指す。作動セクションの構成および配置は、好ましくは、ユーザと作動要素との間の接触が提供される支持方向を指定する。例えば、作動セクションは、指を支持するための板状窪み、または手全体によって把持されるためのハンドルを備えることができる。指のための窪みの場合、指は、窪みの構成によって予め規定された支持方向に置かれる。ハンドルの場合、載置方向をハンドルによって予め規定することができる。支持方向は、好ましくは、本発明に従って制御されるストローク運動の作用がユーザによって最適に知覚されるように、それぞれの瞬間ストローク方向に対応する。作動セクションは、好ましくは、全作動範囲にわたってユーザが容易かつ快適にアクセスできるように、入力装置のさらなる構成要素にわたって外方向に突出する。
【0013】
「作動範囲」は、作動要素を1つまたは複数の作動位置に変位させることができる範囲を指す。したがって、作動範囲は、全ての可能な作動位置によって形成される範囲として規定される。2つの作動位置間の移行の方向を指す1つまたは複数の変位方向はまた、様々な作動位置によって予め規定される。好ましくは、連続的に分散された作動位置が作動範囲内で想定されることが可能であり、すなわち、作動範囲内の全ての位置が作動位置を構成する。作動範囲は、2つの反対方向に向けられた変位方向のみが存在し、作動要素が線形スライダの意味で変位可能であるように、直線範囲であってもよい。しかし、作動範囲は、好ましくは、作動要素が二次元で変位され得るように面状である。作動範囲は、所望の用途に応じて、異なる形状であってもよく、例えば、円形、十字形または長方形の形状であってもよい。
【0014】
作動要素の「変位」とは、作動要素の、特に、有利にはユーザの手または指の意図された支持方向に対して横方向である横方向変位方向における実質的な並進運動を指す。実質的な並進運動とは、主に並進性であるが、状況によっては、回転運動の小さな成分を含み得る運動を指す。これに対応して、1つまたは複数の変位方向のうちの少なくとも1つにおける作動要素の変位は、わずかに湾曲した経路をたどることができ、ここで、「わずかに湾曲した」は、この変位方向における作動範囲の最大寸法よりも大きい、好ましくは少なくとも2倍の大きさである最小曲率半径を指す。この場合、瞬間的な変位方向は、変位平面からわずかに突出することができる。しかし、変位は、好ましくは、作動要素の全ての点が作動中に同じ変位、すなわち平行変位を受ける純粋な並進運動である。
【0015】
「瞬間変位方向」は、ここでは、作動要素が現在変位されている三次元空間内の方向を指す。可能な瞬間変位方向の全体は、好ましくは、実質的に変位平面内にあり、すなわち、瞬間変位方向は、好ましくは変位平面から15°未満のわずかな偏差しか有さない。ここで、変位平面は、全ての瞬間変位方向の平均偏差が最小となる平面として決定される。したがって、中立位置に対して対称に構成された作動範囲の場合、変位平面は、通常、作動要素が中立位置にあるときの瞬間ストローク方向に垂直な平面として定義される。しかし、好ましくは、全ての瞬間変位方向の全体が、厳密に変位平面内にある。
【0016】
「電子位置検出手段」は、作動要素の作動位置を検出し、それを電子信号に変換するのに適した任意のタイプの既知の検出手段を含むことができる。次いで、電子信号は、内部または外部の評価ユニットによって処理することができる。既知のそのような検出手段は、例えば、光学的、電気的、磁気的および/または静電的検出原理に基づいており、例えば、入力装置内に配置され、作動要素上に配置された基準マーカを検出するセンサ、または作動要素に取り付けられ、入力装置内に配置された基準マーカを検出するセンサを含む。多数の適切な検出手段が当業者に知られており、関連文献が参照される。
【0017】
本発明によれば、「瞬間ストローク方向」は、それぞれの瞬間変位方向に対して垂直に配置される。移動可能な取り付けにより、作動要素は、瞬間ストローク方向のストローク運動を実行することができる。この目的のために、作動要素は、好ましくは、入力装置内で、それぞれの瞬間変位方向に垂直に配向された瞬間ストローク方向に線形に移動可能に案内される。この目的のために、作動要素は、入力装置のさらなる構成要素上のリニアガイド内に直線的に移動可能に取り付けられ、リニアガイドの案内方向は、いずれの場合も瞬間ストローク方向の方向を指す場合が特に好ましい。この場合、ストローク運動は純粋な並進運動である。ストローク運動は、瞬間ストローク方向に沿って2つの相反する方向に行うことができる。瞬間ストローク方向は、変位平面に対して実質的に垂直であることが好ましく、すなわち、それらは、垂直配向から約15度以下の偏差を有する。作動要素は、好ましくは、作動範囲内の全ての作動位置において正確に1つの瞬間ストローク方向に移動可能に案内される。
【0018】
ストロークプロファイルは、重ねられたストローク運動および変位の場合に作動要素の点がそれに沿って移動する経路を指す。したがって、本発明によれば、作動要素の一点のストロークプロファイルは、1つまたは複数の変位方向の変位中にストローク運動を制御する制御装置によって決定される。
【0019】
上述したように、特に好ましい実施形態では、全ての瞬間変位方向が、厳密に変位平面内にある。したがって、瞬間ストローク方向は、変位平面に垂直であり、作動要素の全ての作動位置において、共通のストローク方向に沿って配向される。言い換えれば、これは、瞬間ストローク方向が全ての作動位置において互いに平行に配向されることを意味する。この場合、作動要素は、変位中に純粋な並進運動を実行し、これは、設計の観点から通常実施がより容易である。この場合、作動要素の可能な全体的な運動は、変位平面内の純粋な並進変位と共通のストローク方向の純粋な並進ストローク運動との重ね合わせから構成される。あるいは、上述したように、瞬間変位方向は、例えば、変位がわずかに湾曲した経路をたどる場合、変位平面からわずかに逸脱する、すなわち、変位平面から突出することができる。この場合、変位平面からの偏差が15°を超えない場合、1つまたは複数の瞬間変位方向は、変位平面内に実質的にあると見なされる。
【0020】
好ましい実施形態では、作動要素は、案内装置によって、1つまたは複数の変位方向に変位可能に、かつそれぞれの瞬間ストローク方向に移動可能に案内されるように、入力装置内に取り付けられる。案内装置は、例えば、入力装置上に変位可能に取り付けられ、瞬間ストローク方向に移動可能に案内されるように作動要素がさらに取り付けられる、案内プレートを備えることができる。この場合、作動要素が1つまたは複数の変位方向に変位する間、案内プレートは、前記作動要素と共に変位される。さらに、案内装置はまた、制御装置の機能部分を形成することもでき、すなわち、制御装置は、ストローク運動のための制御機能と作動要素のための案内機能とを実行する。この目的のために、制御装置は、例えば、双方向平行四辺形ガイドを有するテーブルとして構成されてもよく、そのテーブル上部に作動要素が配置されるか、またはそのテーブル上部が作動要素を形成する。双方向平行四辺形の案内により、テーブル上部は、回転することなく二次元で横方向に変位することができ、このプロセスでは、それぞれの瞬間ストローク方向に、重ねられたストローク運動を実行する。
【0021】
あるいは、同様に好ましくは要件に応じて、作動要素は、弾性要素によって、1つまたは複数の変位方向に変位可能に、かつそれぞれの瞬間ストローク方向に移動可能に入力装置内に取り付けられてもよい。この場合、作動要素は、例えば、弾性要素上に直接、瞬間ストローク方向に移動可能に案内されるように取り付けられ、弾性要素は、入力装置に固定的に接続されてもよい。作動要素の並進変位可能性は、この場合、弾性要素の弾性によって達成され得る。
【0022】
さらに好ましい実施形態では、作動位置の1つは、作動要素が作動が無い場合に配置される中立位置を形成する。中立位置は、作動範囲内で別個の作動位置を形成する。入力装置は、好ましくは、作動が無い場合に作動要素を中立位置にリセットする1つまたは複数の弾力的な弾性要素などのリセット装置を備える。
【0023】
作動範囲は、好ましくは円形である。このようにして、円の中心から進行すると、作動要素は、全ての変位方向において同じ程度まで変位平面内で変位することができる。これは、例えばゲームパッドまたはナビゲーション装置の場合によくあるように、作動要素がディスプレイ上の二次元表現上の方向入力のためにジョイスティックの意味で使用される用途に特に適している。好ましくは、中立位置は、任意選択的に円形作動範囲の中心に配置される。用途に応じて同様に好まれ得る作動範囲の他の構成は、楕円形、十字形、星形または長方形、特に正方形であってもよく、直線または蛇行作動範囲もまた、一次元変位性の場合に考えられる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、制御装置は、作動要素が1つまたは複数の変位方向に変位するとき、前記作動要素がそれぞれの瞬間ストローク方向に入力装置内に少なくとも部分的に下降可能であるか、または下降されるように構成される。これは、特に作動要素が中立位置から変位されるときに有利である。この場合、作動要素は、入力装置内に向けられるストローク運動を実行し、作動要素の作動セクションは、入力方向に向かって下降する。したがって、作動要素のストロークは、変位が中立位置から外れるにつれて減少する。ストロークは、好ましくは、中立位置から変位が増加するにつれて漸進的に減少する。
【0025】
好ましい実施形態では、制御装置は、1つまたは複数の変位方向における作動要素の変位に応じた形でストローク運動の確実な制御が実施されるように構成され、そのように作動要素と相互作用する。確実な制御は、作動要素のストロークが確実に指定され、したがって作動要素の位置が、全ての作動位置において一意に決定されるという利点を有する。例えば、作動要素が確実に制御された方法で案内される制御動作リンクを備える制御装置により、確実な制御を達成することができる。
【0026】
特に好ましい実施形態では、制御装置は、制御面を有する制御要素を備え、作動要素は、制御面と相互作用するための制御セクションを有する。ここで、制御面は、1つまたは複数の変位方向への作動要素の変位中に、瞬間ストローク方向への作動要素のストローク運動が制御セクションと制御面との相互作用によって制御可能であるか、または制御されるように構成され、そのように作動要素に対して配置される。制御面を有する制御要素を備える制御装置の構成は、作動要素の本発明によるストローク運動を制御するための特に単純な設計解決策を提供する。ここで、作動要素の制御セクションは、作動要素の変位中に制御面上を通過し、制御面の制御プロファイルが、トレースされる。したがって、剛性作動要素の場合、制御面の制御プロファイルの結果、変位中の作動要素のストロークプロファイルが直接生じる。ここで、制御セクションは、例えば、摺動面を有し、それによって制御面上を摺動することができ、または作動要素に取り付けられ、制御面上を転動するボールなどの転動体を備えることができる。
【0027】
制御セクションは、有利には、それぞれの瞬間ストローク方向に入力装置内に突出し、制御セクションは、それぞれの瞬間ストローク方向に制御面に対向して入力装置内に配置される。したがって、ストローク方向に見て、作動要素および制御面は、外側から内側に向かって前後に配置される。制御面は、好ましくは、その主な範囲がそれぞれの瞬間ストローク方向に実質的に垂直に、すなわち作動範囲または変位平面に実質的に平行に延びる一方で、制御面の制御プロファイルは、ストローク方向に変化する。これに対応して、制御セクションは、好ましくは、作動セクションの反対側の作動要素上に形成される。
【0028】
原則として、制御面は、代替的に、それぞれの瞬間ストローク方向に対して作動要素に対して横方向にオフセットされるように配置されてもよく、作動要素の制御セクションは、この場合、例えば瞬間ストローク方向に対して横方向に制御面に向かって延びてもよい。
【0029】
作動要素の制御セクションは、好ましくは、全ての作動位置において制御面に当接する。あるいは、制御セクションは、作動範囲の特定の領域でのみ制御面と相互作用し、他の領域では制御面から持ち上げられ、それにより、これらの領域の変位中に作動要素のストローク運動が発生しないことも考えられる。
【0030】
好ましくは、予圧装置が設けられ、予圧装置によって、作動要素は、制御セクションが制御面に押し付けられるように、制御面に対してそれぞれの瞬間ストローク方向に予圧可能であるか、または予圧される。予圧装置は、例えば、圧縮ばねまたは弾力的な弾性スリーブとして構成されてもよく、圧縮ばねまたは弾性スリーブは、例えば案内装置上で支持され、制御面の方向のばね力によって、案内装置上に形成されたストッパを介して作動要素上に作用する。適切な予圧装置の構成および配置には、当然ながら多数の別の可能性もある。
【0031】
さらなる有利な実施形態によれば、制御セクションが制御面に押し付けられるように、作動要素と制御面との間に磁気結合が設けられる。これは、特に、制御セクションが全ての作動位置において制御面に押し付けられるように実現される。磁気結合は、予圧装置の代替として、または予圧装置に加えて提供されてもよい。
【0032】
磁気結合は、好ましくは、電磁石と強磁性材料との組み合わせによって生成される。電磁石は、磁力を調整できるという利点を有する。強磁性材料は、例えば、鉄、コバルトおよび/またはニッケルであってもよい。
【0033】
磁気結合は、特に、制御セクション上に設けられた磁石と、強磁性材料を含むか、もしくは強磁性材料からなる制御面とを備えるか、または磁気結合は、強磁性材料を含むか、もしくは強磁性材料からなる制御セクションと、制御面の領域内に設けられた磁石とを備える。ここで、磁石は、永久磁石および/または電磁石であってもよい。
【0034】
さらなる可能な実施形態では、磁気結合は、2つの永久磁石によって実現され、特に、第1の永久磁石は、制御セクション上に配置され、第2の永久磁石は、制御面の領域内に配置される。しかし、原理的には、磁気結合を実現するために他の構成も可能である。
【0035】
作動要素を介してユーザに追加のフィードバックを提供するために、制御面は、1つまたは複数の表面構造化領域を有することができ、この表面構造化領域によって、前記制御面が制御セクション上を通過すると、触覚フィードバックを作動セクションにおいてユーザに向けて生成することができる。ここで、表面構造化領域は、例えば、さらなる変位の場合に作動範囲の区切りにおけるストッパを示すことができる。しかし、表面構造化領域はまた、作動要素の変位に応じた入力装置の動作モードの変化、または例えば、中立位置からの十分な変位の場合、「歩行」から「走行」への移行などのゲームモードの変化を示すことができる。
【0036】
制御面が、これを超える作動要素の変位を防止するリミッタを有すると好ましい。特に、リミッタは、作動要素の制御セクションのためのストッパを形成するように設計される。
【0037】
特に、リミッタは、制御面の縁部領域内でストローク方向に突出する突起部であり、特に制御面を取り囲み、制御面の縁部領域内でストローク方向に突出する突起部である。
【0038】
制御面は、好ましくは、その代わりにまたは加えて、1つまたは複数の点、特に任意選択的に作動要素の中立位置に対応する点に凹部を有し、この凹部は、制御セクションのための一時的な休止位置を画定する。ここで、凹部は、好ましくは、作動要素の制御セクションの構成に適合され、それにより、前記制御セクションは、凹部に導入され、そこで一時的な休止位置に留まることができる。凹部は、作動要素が、存在し得る中立位置へのリセット力に逆らって休止位置に留まるように構成され得る。作動要素を制御面に対してそれぞれ瞬間ストローク方向に予圧する予圧装置の場合、作動要素は、凹部内にさらに押し込まれる。
【0039】
用途に応じて好まれる実施形態では、制御要素は、制御面が形成される制御動作リンクを備え、制御セクションは、1つまたは複数の変位方向における作動要素の変位に依存する形のストローク運動の確実な制御が実施されるように、制御動作リンクと相互作用する。制御動作リンクによる確実な制御は、作動要素のストロークが全ての作動位置において確実に予め規定されるという利点を有する。特に、この場合、作動要素を制御面から持ち上げることができない。
【0040】
好ましい実施形態では、制御面は、少なくとも特定の領域において、1つまたは複数の変位方向のうちの少なくとも1つに対して、それぞれ瞬間ストローク方向に、この領域に向かってまたはこの領域から離れるように湾曲するように構成される。言い換えれば、これは、制御面が、変位平面に垂直であり、1つまたは複数の変位方向のうちの少なくとも1つが存在する仮想平面を有する断面において、曲率を有する制御プロファイルを有することを意味する。ここで、制御面は、例えば、部分円筒面またはドームとして構成されてもよい。任意の複雑な湾曲を有する制御プロファイルも考えられることは自明である。好ましい実施形態では、制御面は、変位平面に垂直に配向された垂直仮想軸線に対して湾曲して回転対称であるように構成される。これは、作動範囲が円形である実施形態において特に有利である。ここで、曲率は、所望の制御プロファイルに応じて凸状および/または凹状であってもよい。あるいは、制御面は、制御プロファイルに湾曲部分が存在しないように、縁部で交わる直線または平面セクションのみを有する。
【0041】
制御面は、好ましくは、実質的にドーム状に、特に球形ドームとして湾曲するように、好ましくは作動要素に向かって凸状にアーチ状になるように構成される。ここで、湾曲制御面の制御プロファイルは、好ましくは、作動要素の中立位置における制御セクションの位置に対応する点で最大値を有する。ここで、最大値とは、特に共通のストローク方向において、変位平面に向かって最も遠くに延び、変位平面からより大きい距離にある領域によってのみ囲まれる領域を指す。特に、球形ドームとして構成された制御面の場合、制御セクションは、作動要素が中立位置にあるときに制御面の極領域内に配置される。ここで、極領域は、このような最大値を形成する。最大で、作動要素は、最大のストロークを有し、すなわち、最大限に外側に突出する。しかし、上記で説明したような局所的な凹部は、最大で休止位置に設けられ得ることは自明である。
【0042】
好ましい実施形態では、作動要素は、細長いレバーの形態で構成され、レバーの長手方向軸線は、全ての作動位置においてそれぞれの瞬間ストローク方向に配向される。ここで、細長いレバーは、一般にジョイスティックと称される作動要素を形成することができる。しかし、レバーは、例えば、加速レバーの意味で、または変位ゲートを有するギアシフト構成と同様に、一次元的に変位可能なレバーとして構成されてもよい。ここで、特に、作動セクションは、作動要素の第1の長手方向端部に形成され、制御セクションは、ストローク方向において作動セクションの反対側に位置する第2の長手方向端部に形成される。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、制御要素は、力がそれぞれの瞬間ストローク方向に作動要素上に作用すると、制御要素が制御セクションによって偏向可能であるように、入力装置内で特に弾力的に偏向可能であるように配置される。これは、制御要素が、作動圧力によって瞬間ストローク方向に作動要素上に偏向されることによって、スイッチまたはボタンを作動させるように機能することができるという利点を有する。ここで、対応するスイッチまたはボタンが、好ましくは、作動要素の反対側に位置する制御要素の側に配置される。
【0044】
制御要素は、有利には、ユーザによって調整できるように入力装置内に配置され得る。このようにして、ストロークプロファイルは、作動要素に対する制御要素の位置を調整することによって、ユーザの要求に適合させることができる。同様に、入力装置は、必要に応じて、このようにして機械的に較正され得る。
【0045】
さらなる有利な実施形態では、制御要素は、異なる制御面を有する異なる制御要素を入力装置に挿入することができるように、ユーザによって交換できるように入力装置内に配置される。このようにして、同じ入力装置で異なるストロークプロファイルを実装することが可能である。したがって、ユーザは、制御要素を交換することによって、入力装置を自身の要件に容易に適合させることができる。この目的のために、入力装置には、好ましくは、ユーザによって、対応する締結手段、特にラッチ手段によって制御要素を締結、特にラッチすることができる締結手段、特にラッチ手段が、設けられる。ここで、入力装置の締結手段および制御要素の締結手段は、容易な相互締結が可能であるように、相補的であるように構成されることが好ましい。
【0046】
したがって、本発明はまた、交換可能であるように構成される、入力装置用の制御要素を備える。ここで、制御要素は、別個の交換可能な部分として構成され、入力装置の作動要素の制御セクションの当接のための制御面、特に湾曲した制御面を有する。ここで、制御要素は、好ましくは、ユーザによって入力装置の締結手段、特にラッチ手段に制御要素を締結、特にラッチすることができる締結手段、特にラッチ手段を備える。ここで、制御要素の締結手段は、好ましくは、入力装置の対応する締結手段と相補的であるように構成される。好ましくは、制御要素は、例えば、入力装置の保持ベイに挿入され、そこにラッチされ得る。この目的のために、入力装置は、例えば、特に保持ベイ内に挿入ガイドを有することができ、制御要素は、例えば、挿入ガイド内で案内することができる案内ストリップを有することができ、この案内ストリップによって、前記制御要素を挿入ガイドに挿入することができる。ここで、締結手段、特に入力装置のラッチ手段は、保持ベイ、特に例えば挿入ガイド内に形成されてもよく、それにより、制御要素の対応する締結手段、特にラッチ手段は、挿入運動中に制御要素を締結するように自動的に相互作用する。
【0047】
本発明はさらに、本発明による入力装置を有する電子ユニット、特にモバイル電子ユニットに関する。電子ユニットは、好ましくはゲームコントローラである。しかし、本発明による入力装置は、特にスクリーン上の表現のために二次元入力を必要とする他の電子ユニット、例えば携帯電話、固定式もしくは携帯型ナビゲーションユニット、または携帯型ゲーム機にも有利に使用することができる。車両、特に自動車、例えば内蔵ナビゲーションユニットに設置するための電子ユニットでの使用もまた、特に有利である。ここで、「車両」は、陸上車両、航空機または船舶などの任意の種類の車両を包含する。本発明による入力装置は、有利には、ステアリングホイールまたはセンターコンソール上の操作要素としても使用され得る。
【0048】
本発明はまた、制御要素が交換可能であるように配置された本発明による入力装置、またはそのような入力装置を備える電子ユニット、およびそのような入力装置用の少なくとも1つの追加の制御要素も備える、パーツセットもさらに備える。ここで、追加の制御要素は、ユーザが入力装置の作動要素のストローク運動をそれらの要件に個別に適合させることができるように、交換パーツとして機能することができ、または入力装置の制御要素とは異なる制御面を有することができる。パーツセットはまた、好ましくはそれぞれ異なる構成の制御面を有する、2つ以上の追加の制御要素を備えてもよいことは自明である。
【0049】
本発明のさらなる有利な実施形態および特徴の組み合わせは、以下の詳細な説明および特許請求の範囲からその全体が明らかになるであろう。
【0050】
本実施形態の説明に用いる図は、以下を概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】制御要素を備える制御装置を有する本発明による入力装置の断面図である。
【
図2】案内プレートを備える案内装置を有する本発明による入力装置のさらなる実施形態の断面図である。
【
図3】弾性案内要素を備える案内装置を有する本発明による入力装置のさらなる実施形態の断面図であり、交換可能な制御要素が設けられている。
【
図4】制御要素がストローク方向に偏向可能であるように配置されている、本発明による入力装置のさらなる実施形態の断面図である。
【
図5】作動要素がわずかに湾曲した経路上で変位可能である、本発明による入力装置のさらなる実施形態の断面図である。
【
図6a】入力装置の断面が
図2の断面図に対応する、二次元方向入力用の入力装置のストローク方向の平面図である。
【
図6b】入力装置の断面が
図2の断面図に対応する、一次元方向入力用の入力装置のストローク方向の平面図である。
【
図7a】本発明による入力装置の可能な作動範囲の輪郭の平面図である。
【
図7b】本発明による入力装置の可能な作動範囲の別の輪郭の平面図である。
【
図7c】本発明による入力装置の可能な作動範囲の別の輪郭の平面図である。
【
図7d】本発明による入力装置の可能な作動範囲の別の輪郭の平面図である。
【
図8a】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための例示的な断面プロファイルである。
【
図8b】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための別の例示的な断面プロファイルである。
【
図8c】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための別の例示的な断面プロファイルである。
【
図8d】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための別の例示的な断面プロファイルである。
【
図8e】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための別の例示的な断面プロファイルである。
【
図8f】本発明による入力装置の制御要素の制御面の構成のための別の例示的な断面プロファイルである。
【
図9】
図3に示す本発明による入力装置の交換可能な制御要素の斜視図である。
【
図10】制御装置が4つの棒状支持体を有する場合の、本発明による入力装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図11】制御装置が3つの棒状支持体を有する場合の、本発明による入力装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図12】制御装置が単一の棒状支持体を有する場合の、本発明による入力装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図13】
図1に示す入力装置と同様であるが、異なるタイプの制御装置を有する、本発明による入力装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図14】本発明による入力装置で使用することができる作動要素の図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
原則として、同じ部分は、図面において同じ参照符号で示されている。
【0053】
図1は、本発明による入力装置1の概略断面図を示す。
【0054】
この実施形態では、作動要素2は、棒状本体2.1を有する。作動要素2の長手方向軸線Lは、本体2.1の長手方向軸線によって画定される。本体2.1の外部からアクセス可能な長手方向端部には、作動セクション2.2が設けられており、この作動セクションは、この場合、ユーザの指のための板状支持体として構成される。入力装置1内に突出する、本体2.1の長手方向Lに反対側の長手方向端部には、制御セクション2.3が形成される。本実施形態では、制御セクション2.3は、本体2.1のドーム状の丸みとして構成されているが、例えば、本体2.1に回転可能に取り付けられたボールなどの1つまたは複数の転動体を備えてもよい。
【0055】
作動要素2は、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない案内装置4(この点に関して、例えば
図2および
図3を参照されたい。)によって、長手方向軸線Lに垂直な変位平面V内で、1つまたは複数の作動位置B
1およびB
2(破線)になるように平行に変位可能であるように、入力装置1内に配置される。ここで、作動要素2は、案内装置4上に長手方向軸線Lの方向に移動可能に取り付けられ、それにより、作動要素2は、中立位置Nならびに作動位置B
1およびB
2の各々において、各々が長手方向軸線Lに沿って配向されたストローク方向H
NまたはH
1およびH
2のストローク運動を実行することができる。ストローク方向H
N、H
1、およびH
2は、変位平面Vに垂直な共通のストローク方向Hに沿って平行に配向される。
【0056】
図1の図では、作動要素2は、実線で示されている中立位置Nに位置している。中立位置Nにおいて、作動要素2は、変位平面Vに平行な基準面Rに対してh
Nのストロークを有する。基準面Rは、例えば、入力装置1の外側によって画定されてもよく、これを超えて、中立位置にある作動要素2は、ストロークh
Nだけ外側に突出する。
【0057】
作動要素2は、制御セクション2.3が入力装置1の制御装置3の制御要素3.1の制御面3.2に接した状態にある。制御要素3.1は、作動要素2の長手方向Lに作動要素2とは反対側に入力装置1内に配置される。制御面3.2は、作動要素2の方を向いている。制御面3.2は、基準面Rに対して、基準面Rに向かって凸状にアーチ状である湾曲したプロファイルを有する。
図1の実施形態では、制御面3.2は、球形ドームとして構成される。しかし、制御面3.2はまた、他のプロファイルを有してもよい(例えば、
図8a~
図8fを参照)。
【0058】
作動要素2の制御セクション2.3は、中立位置において、球形ドーム形状制御面3.2の極に配置される。したがって、制御面3.2は、中立位置Nに対応する制御セクション2.3の位置に最大値を有し、制御面3.2は、最大値において、基準面Rの方向に、すなわち外部空間の方向にも、本体2.1のストローク方向Hまたは長手方向軸線Lの方向に最大限に延びる。
【0059】
作動要素2は、変位平面Vにそれぞれある変位方向V
1またはV
2の変位によって、中立位置Nから作動位置B
1およびB
2に変位され得る。変位方向V
1およびV
2は、
図1の図において互いに反対に向けられている。変位方向V
1およびV
2の変位中、作動要素2は、あらゆる位置において、瞬間変位方向に変位される。この実施形態では、瞬間変位方向は全て厳密に変位平面V内に位置し、それによって、その長手方向軸線Lに沿った全ての位置における作動要素2の可動性によって規定される瞬間ストローク方向が、それぞれの瞬間変位方向に対して垂直であることもあり得る。
【0060】
変位方向V
1またはV
2の一方における変位の間、作動要素2は、制御セクション2.3が制御面3.2上にある状態で摺動する。したがって、制御面3.2の凸状湾曲のために、作動要素2は、変位方向V
1またはV
2における中立位置Nからの変位中、ストローク方向Hに入力装置1内に下降される。制御セクション2.3を制御面と接触したままにするには、例えば、ユーザによって作動要素2にLの方向に力が加えられる必要があり得るか、または予圧装置6が設けられてもよく、この予圧装置は、制御面に向かう方向Lのばね力Fによって作動要素2上に作用する(例えば、
図2を参照)。
【0061】
制御面3.2によってこのように制御される作動要素2のストローク運動により、前記作動要素は、作動位置B
1におけるストロークh
1と作動位置B
2におけるストロークh
2とを有する。
図1の実施形態では、ストロークh
1およびh
2はそれぞれ、中立位置Nにおけるストロークh
Nよりも小さい。したがって、変位方向V
1およびV
2の変位中、作動要素2は、入力装置1内に下降され、それにより、作動要素2の作動セクション2.2は、制御面3.2のプロファイルに追従するストローク運動を実行する。
【0062】
入力装置1の前述の構成要素は、例えば、入力装置1をより明確にするために
図1には示されていないベース構造5と相互作用し(例えば、
図2を参照)、例えば、前記ベース構造上に形成されるか、または前記ベース構造に締結されることは自明である。入力装置1はまた、入力装置を外部に少なくとも部分的に区切り、要件に応じて好まれる実施形態では、ベース構造5を同時に形成することができる、ハウジングを備えることができる。同様に、作動位置B
N、B
1およびB
2が例示的な性質のものであり、特に明記しない限り、作動要素はそれぞれの場合に多数の、例えば連続的に分散された作動位置をとってもよいことは自明である。
【0063】
図2は、本発明による入力装置1のさらなる実施形態を示し、この場合、案内装置4は、入力装置1のベース構造5の対応する案内スロットまたはレール4.2内で変位平面V内で変位可能に案内される、案内プレート4.1として構成される。この場合、案内スロット4.2は、案内プレート4.1が二次元で変位可能に案内されるようにベース構造5に取り付けられるように構成され得る。同様に、案内スロット4.2は、一次元変位のみが可能であるように構成されてもよい(この点に関して、例えば
図6aおよび
図6bも参照されたい)。
【0064】
案内スロット4.2において、弾力的な弾性要素4.3は、例えば、ベース構造5上に配置されてもよく、弾力的な弾性要素は、外力が作用していないとき、前記案内プレートが作動要素の中立位置Nに対応する位置に戻されるように、案内プレート4.1上にリセット力を及ぼす。さらに、案内装置4は、作動要素2の変位可能性を制限し、したがって作動範囲Aを画定する1つまたは複数のストッパ4.4を備えることができる(例えば、
図7a~
図7dを参照)。本実施形態では、ストッパ4.4はベース構造5に形成されているが、別個の構成要素によって設けられてもよく、またはハウジング上に形成されてもよい。
【0065】
図2の実施形態は、予圧装置6をさらに備えることができ、予圧装置によって、作動要素2は、制御面3.2に対する制御セクション2.3の均一な当接が保証されるように、制御面3.2に対してその長手方向Lに予圧される。予圧装置6は、ばね要素、この場合は圧縮下で作用し、例えば作動要素2の棒状本体2.1に取り付けられた螺旋ばね6.1を備える。螺旋ばね6.1は、案内プレート4.1と制御セクション2.3との間に配置され、作動要素2上に形成された突起2.4上で制御面3.2に向かって支持される。逆方向では、螺旋ばね6.1は、案内プレート4.1上に支持されている。螺旋ばねの適切な予圧により、このようにして、B
N、B
1またはB
2などの全ての作動位置において、作動要素2が、その制御セクション2.3によって制御面3.2に対する押圧力Fで押圧されることが達成され得る。ここで、Fは、作動位置に応じた形で大きさが変化し得るが、常に長手方向Lの方向、したがってストローク方向H、または例えばH
N、H
1またはH
2に配向される。
【0066】
図3は、入力装置1のさらなる可能な実施形態を概略的に示し、案内装置4は、ベース構造5上に案内される案内プレート4.1の代わりに弾性案内要素4.5を備える。案内要素4.5は、ベース構造5上に支持され、例えば、変位方向V
1およびV
2の方向、すなわち変位平面Vの方向にそのベース構造に締結される。案内要素4.5は、変位平面の方向に弾性的に伸縮可能であり、圧縮可能であり、それにより、前記案内要素は、作動要素2の変位方向への変位中に圧縮され、そして反対方向に延ばされる。案内要素4.5は弾性であるため、作動要素2を外力がない場合に中立位置Nにリセットするリセット力が、自動的に加えられる。ここで、作動要素2は、その長手方向Lに移動可能に案内されるように、案内要素4.5上に取り付けられる。
【0067】
図3の実施形態の制御要素は、入力装置1内に交換可能に配置される。この目的のために、制御要素は、ベース構造5上に形成された案内レール5.1内に変位可能に係合する横方向案内ストリップ3.3を有する。したがって、制御要素3.1は、案内レール5.1の方向にベース構造5から引き出されるか、またはベース構造5内に押し込まれることが可能である。案内レール5.1および案内ストリップ3.3は、好ましくは、いずれの場合も、挿入運動中に制御要素3.1が所望の位置にラッチするように、相補的なラッチ手段(例えば、
図9を参照)を有する。
【0068】
図4は、入力装置1のさらなる可能な実施形態を概略的に示し、制御要素3.1は、ストローク方向Hに偏向可能であるように入力装置内に配置される。ここで、制御要素3.1は、作動要素2によって、例えばリセット力に逆らって、ストローク方向Hに対応する方向に偏向させることができる。このようにして、作動要素2は、中立位置またはB
1などの作動位置において、押しボタンのように入力方向に中立位置N’または作動位置B
1’に押し込むことができる。ここで、制御要素3.1は、制御セクション2.3によって偏向される。ここで、制御要素3.1は、偏向が対抗して行われる、押しボタンの形で弾力的な弾性抵抗を有することができる。弾力的な弾性抵抗は、例えば、弾性要素(図示せず)を備えたリセット装置によって付与され得る。さらに、例えば、既知の押しボタンのように、偏向をもたらすために、加えられる圧力の閾値を克服することが必要となり得る。
【0069】
制御要素3.1は、例えば、制御要素3.1の偏向中に押しボタン(破線で示す)の形で作動される電子スイッチング要素7に接続されてもよい。このようにして、作動要素2は、変位平面Vにおける変位に加えて押しボタンとしても使用することができる。制御要素3.1全体が偏向可能であるように配置されているため、作動要素2の中立位置Nおよび全ての作動位置B
1またはB
2において、偏向を簡単な方法で行うことができ、この場合、制御要素に結合された1つのスイッチング要素7のみが、必要とされる。より明確にするために、入力装置のさらなる構成要素は、
図4には示されていない。
【0070】
図5は、本発明による入力装置1’のさらなる実施形態を示す。入力装置1とは対照的に、作動要素2’は、変位平面V内でのみ実質的に変位可能であるように配置され、すなわち、実際の変位経路Cは、変位平面Vからわずかにずれ得る。これに対して、入力装置1の場合、変位経路Cは、変位平面V内に完全に位置している。ここで、わずかなずれとは、15°を超えない変位平面Vからの瞬間変位方向v
1またはv
2のずれを意味すると理解すべきである。変位平面V内の作動位置への移行のための変位の方向を指す変位方向V
1およびV
2とは対照的に、瞬間変位方向v
1およびv
2は、作動要素2’が現在変位されているそれぞれの方向を指す(ここでは例として瞬間作動位置B
1およびB
2に基づいてv
1およびv
2として示されている)。本発明によれば、H
N、H
1またはH
2などの瞬間ストローク方向は、瞬間変位方向v
1およびv
2に対して常に垂直である。
【0071】
入力装置1’の変位平面Vは、中立位置Nのストローク方向HNに対して垂直である。変位経路C、または二次元の場合、変位平面Cは、瞬間変位方向、例えば例示的な作動位置B1およびB2における瞬間変位方向v1およびv2が変位平面Vに対して非ゼロの角度にあるように、わずかに湾曲した経路をたどる。しかし、変位方向は、変位平面V内に実質的に配置されており、これは、この場合、変位平面Vと瞬間変位方向によって囲まれる角度が15°を超えないことを意味すると理解されるべきである。中立位置Nから例示的な作動位置B1またはB2のうちの1つへの変位中、瞬間変位方向は、湾曲変位経路Cによって連続的に変化する。
【0072】
この場合、例えば、変位経路または表面Cは、作動要素2’のストロークを決定するための基準として使用することができる。ここで、制御要素3.2’の制御面3.1’は、作動要素2’が中立位置Nから外方に偏向されると、入力装置1’内に下降されるように構成される。言い換えれば、作動要素のストロークhは、変位が増加するにつれて減少する。これを達成するために、制御面3.2’と変位経路または表面Cとの間の距離は、中立位置Nに対応する位置からの距離が増加するにつれて増加する。この場合も、制御面3.2’は球形ドームとして構成されてもよく、中立位置Nに対応する位置は、球形ドームの極に配置される。
【0073】
図6aは、
図2の断面図に対応する断面を有する、二次元方向入力用の入力装置1のストローク方向Hにおける概略平面図を示す。特に、
図6aは、案内装置4の構成要素を示す。ここで、作動範囲Aは円形であり、作動範囲Aは、例えばベース構造5のストッパ4.4によって境界付けられ、区切られる。したがって、作動要素2は、ストッパ4.4に当接するまで変位することができる。作動範囲Aは、変位平面V内にある例示的な変位方向V
1、V
2、およびV
3が互いに対して斜めになり得るという意味で二次元である。
【0074】
ベース構造5(図示せず)には、作動範囲Aの周りに円形リング状に延びる案内スロット4.2が、形成される。案内プレート4.1は、円形ディスク4.6として構成され、あらゆる可能な変位位置において、作動範囲A全体に重なり、それにより、前記作動範囲は、あらゆる状態において案内プレート4.1によって完全に閉じられる。このようにして、円形ディスク4.6は、例えば、ゴミまたはほこりが入力装置1の内部空間に侵入するのを防止することができる。
【0075】
図6aでは、例示的な作動位置B
1、B
2およびB
3が破線で示され、中立位置Nが実線で示されている。ここで、円形リング状の案内スロット4.2は、作動要素2と共に変位される案内プレート4.1が、作動要素2がストッパ4.4に当接するまで変位することができるように寸法決めされる。これは、例えば、例示的な作動位置B
2およびB
3(B
2については、例えば
図2も参照されたい)に当てはまる。ここで、作動位置B
1、B
2およびB
3に関連する変位方向V
1、V
2およびV
3は、変位平面V内にある。
【0076】
図6bは、一次元方向入力のための入力装置1のストローク方向Hにおける概略平面図を示す。
図6bの平面図は、
図6aの実施形態と同じ
図2の断面図を有する。しかし、
図6aの円形ディスク4.6とは対照的に、
図6bの場合、案内プレート4.1は細長いストリップ4.7として構成される。この場合、作動範囲Aは、細長いスロット4.8に対応し、この中で、作動要素2は、2つの相互に反対の方向にのみ中立位置Nから変位可能である。ここで、ストッパ4.4は、スロット4.8の長手方向端部の区切りによって形成される。
図6bの図示の場合、ベース構造5内の案内スロット4.2は、例えば細長いレールとして構成され、細長いストリップ4.7は、それぞれの変位方向に変位可能に案内されるように取り付けられる。作動要素2と共に移動されるストリップ4.7は、この場合、作動要素2の全ての作動位置においてスロット4.8と完全に重なるように寸法決めされる。
【0077】
図7a~
図7dは、作動要素2を変位させることができる可能な作動位置のセットによって画定される作動範囲Aの異なる構成を概略的に示す。作動範囲Aは、例えば、作動範囲Aの輪郭全体を画定するか、またはそれぞれの変位方向V
xのうちの1つにおいてのみ作動要素2の変位可能性を制限するストッパ4.4によって、それぞれの場合に区切られ得る。
【0078】
図7aは、変位方向V
xが直線上にある一次元作動範囲Aを示し、すなわち、作動要素2は、第1の変位方向および第2の変位方向V
xにのみ中立位置Nから移動することができ、第2の変位方向は、第1の変位方向とは反対である。可能な作動位置は、作動範囲内の変位方向V
xの方向に連続的に分布してもよく、または離散位置を構成してもよい。
図7aの作動範囲Aは、
図6bの図示の作動範囲Aに実質的に対応する。
【0079】
図7bは、作動要素2を2つの相互に垂直な方向V
xに中立位置Nから変位させることができる二次元作動範囲Aを示す。したがって、作動範囲Aは、十字形の輪郭を有する。
図7cは、円形のさらなる二次元作動範囲を示す。ここで、作動要素2は、円形作動範囲の中心に配置された中立位置Nから、複数の変位方向V
xに、あらゆる方向に等しい最大範囲まで変位することができる。ここで、作動範囲Aの各点は、作動位置を構成することができる。
図7cの作動範囲Aは、
図6aの作動範囲Aに実質的に対応する。
図7dは、正方形構成の作動範囲Aを示す。
図7cの円形作動範囲Aと同様に、作動要素2は、中央に配置された中立位置Nから複数の変位方向V
xに変位することができる。しかし、作動要素2は、側面に向かうよりも遠くに輪郭のコーナに向かって変位することができる。
【0080】
図8a~
図8fは、制御要素3.1の制御面3.2の構成のための様々な例示的な断面プロファイルを示す。図示するプロファイルはそれぞれ、作動要素2の一次元変位の制御に役立ち得るか、または例えば、中央に配置された中立位置Nにおいてストローク方向Hに対して回転対称であると理解され得る。プロファイルは、変位平面V内の対応する変位方向における作動範囲Aの最大寸法に対応する寸法Dにわたって延びる。
【0081】
図8aは、中央が平坦な円形セグメントまたは球形ドームプロファイルを示す。ここで、中立位置Nに対応する位置は、球形ドームの極に対して平坦化されており、それにより、偏向が増大するにつれて、中立位置Nのより近い近傍よりも顕著な下降ストローク運動が生じる。
図8bは、縁部領域がより大きく下げられた場合のさらなるプロファイルを示しており、それにより、作動要素2の比較的急速な下降が下方向傾斜領域内で生じ、さらなる偏向によって下降が低減される。
図8cも同様に、
図8aと同様の平坦な円形セグメントまたは球形ドームプロファイルを示す。しかし、中立位置N近傍の平坦化は平坦なプラトーを構成するため、縁部領域内でのみ下降が生じる。
図8dは、実質的にガウス曲線に対応し、それにより、中立位置Nからの変位中に、急激な下降が最初に起こり、下降の速度は、偏向の増加と共に連続的に減少する。
図8eは、変更された円形セグメントまたは球形ドームプロファイルを示し、この場合、中立位置の領域内に局所的な凹部が形成され、プロファイルは、縁部で再び上昇する。中立位置Nの領域内の局所凹部は、制御セクション2.3によって局所凹部内にわずかにラッチすることができる作動要素2の休止位置を構成する。立ち上がり縁部領域は区切りを構成し、それによって、結果として生じる増加するストローク運動から、ユーザは、作動範囲Aの区切りに達したという触覚フィードバックを受け取る。最後に、
図8fは、2つの最大値を有する二重ガウス曲線に実質的に対応するプロファイルを示す。ここで、中立位置Nに対応する位置は、二重ガウス曲線の二重ハンプ間に配置される極小値を形成する。したがって、中立位置Nからの変位中、最初に非常に激しく上昇するストローク運動があり、その後急速に下降する。
【0082】
制御面3.2のプロファイルが所望に応じて構成されてもよく、例えば、ユーザの要件に個別に適合されてもよいことは自明である。さらに、二次元プロファイルは、必然的に回転対称である必要はないが、例えば、ゲームコントローラ用の入力装置の場合、「左右」変位と「前後」変位とで異なるプロファイルを有することができる。
【0083】
図9は、例えば
図3に示す入力装置1で使用することができる交換可能な制御要素3.1を示す。制御要素3.1の制御面3.2は、中立位置Nにおいてストローク方向Hに対して回転対称である球形ドーム3.4として構成される。球形ドーム3.4の縁部には、例えば正方形の輪郭を有する周方向フランジ3.5が、形成される。意図された挿入方向Sに関してフランジ3.5の2つの横方向に対向する縁部が案内ストリップ3.3を形成し、それによって制御要素3.1を、例えばベース構造5の案内レール5.1に挿入することができる。凹部3.6がフランジ3.5上に形成され、この凹部はラッチ手段として、ベース構造上または案内レール5.1上に対応して相補的な形で形成されたラッチ手段と相互作用することができ、それにより、制御要素3.1を入力装置内の所望の位置で案内レール3.3にラッチすることができる。しかし、凹部は、例えば入力装置1のロック装置の手動作動によって、入力装置1内の所望の位置に制御要素3.1をロックするのにも役立ち得る。
【0084】
作動要素2の中立位置Nに対応する、球形ドームの極の位置において、制御面3.2は、窪み3.7の形態の局所的な窪みを有する。窪み3.7は、作動要素2の休止位置として機能し、前記作動要素が中立位置Nに達すると、制御セクション2.3によって窪み3.7にラッチすることができる。さらに、制御面は、例えば、包囲溝またはフルーティング(別の形で制御面3.2の大きく滑らかな表面とは対照的に)を有するリング形状の包囲面構造化領域3.8を有する。領域3.8は、制御セクション2.3が領域3.8上をスライドするときにユーザに触覚フィードバックを提供する。ここで、リング状領域3.8は、作動要素2の変位中に領域3.8に達すると、例えば、ユーザに所定のまたは予め規定することができる変位が通知されるように、中立位置Nから一定の距離にある。ここで、予め規定された変位は、例えば、「歩行」から「走行」へのキャラクタの制御における、例えばゲームコントローラ内のアプリケーションの場合、変位の評価の変化に関する情報を提供することができる。
【0085】
図10は、本発明による入力装置1’’の概略的な代替実施形態を示し、この場合、制御装置3’’は棒状支持体3.1’’を有する。
【0086】
作動要素2’’は、ベースプレート5.2’’を備えるベース構造5’’上に移動可能に取り付けられる。作動要素2’’は、ユーザの指のための指支持体の形態の作動セクション2.2’’が中央に配置される正方形プレート2.1’’を有する。プレート2.1’’は、そのコーナ2.5’’において、4つの支持体3.1’’を介してベースプレート5.2’’にそこから距離を置くように接続される。ここで、支持体3.1’’は、例えばボールジョイントによって、プレート2.1’’の各コーナ2.5’’および締結点5.3’’においてベースプレート5.2’’上に関節式に接続される。ここで、締結点5.2’’は、ベースプレート2.1’’上のプレート5.2’’に対応する正方形の輪郭を画定する。したがって、プレート2.1’’は、双方向平行四辺形ガイドの意味で支持体3.1’’を介してベースプレート5.2’’上に移動可能に案内される形で取り付けられる。中立位置N’’では、プレート2.1’’は、コーナ2.5’’が垂直方向に締結点5.3’’の上方にかつベースプレート5.2’’に平行にあるようにして配置される。ベースプレート5.2’’とプレート2.1との間にばね要素(図示せず)が設けられてもよく、このばね要素は、外力がない場合にプレート2.1’’が中立位置N’’にリセットされるように、ベースプレート5.2’’から離れるリセット力でプレート2.1’’上に作用する。
【0087】
ここで、支持体3.1’’は、作動セクション2.2’’を介してもたらされる変位中に、支持体3.1’’によって案内される形で、プレート2.1’’に平行に配向された変位平面V’’内で横方向に偏向するプレート2.1’’の運動を制御する。ここで、プレート2.1’’は、平行四辺形ガイドのために、ベースプレート5.2’’と平行に配向されたままである。したがって、作動要素2’’は、
図10の例として、破線で示された作動位置B
1’’およびB
2’’の作動位置への変位中に純粋な並進運動を実行する。
【0088】
制御装置3’’によって提供される平行四辺形ガイドのために、プレート2.1’’とベースプレート5.2’’との間の距離も横方向の偏向中に減少する。したがって、変位平面V’’における変位中、作動要素2’’は、ベースプレート5.2’’に向かって下降される。このようにして達成される作動要素2’’の制御は、変位平面V’’ならびにベースプレート5.2’’およびプレート2.1’’に垂直なストローク方向H’’の方向のストローク運動をもたらす。支持体3.1’’は剛性であるため、制御装置3’’は、ストローク運動と作動要素2’’の変位平面V’’内の変位運動との確実な結合を提供する。
【0089】
図11は、本発明による入力装置1’’’の別の概略的な代替実施形態を示し、その場合、制御装置3’’’は、3つの棒状支持体3.1’’’を有する。
【0090】
作動要素2’’’は、ベースプレート5.2’’’を備えるベース構造5’’’上に移動可能に取り付けられる。作動要素2’’は、ユーザの指のための指支持体の形態の作動セクション2.2’’が中央に配置される三角形プレート2.1’’を有する。プレート2.1’’’は、そのコーナ2.5’’’において、3つの支持体3.1’’’を介してベースプレート5.2’’’にそこから距離を置くように接続される。ここで、支持体3.1’’’は、例えばボールジョイントによって、それぞれの場合にプレート2.1’’’の1つのコーナ2.5’’’に、それぞれの場合に1つの締結点5.3’’’においてベースプレート5.2’に関節式に、接続される。ここで、締結点5.3’’’は、ベースプレート5.2’’’上のプレート2.1’’’に対応する三角形の輪郭を画定する。支持体3.1’’’はさらに、ストラット3.10’’’を介して関節点3.9’’’においてそれらの中央領域内で互いに接続される。したがって、プレート2.1’’’は、双方向平行四辺形ガイドの意味で支持体3.1’’’を介してベースプレート5.2’’’上に移動可能に案内される形で取り付けられる。ここで、ストラット3.10’’’は、プレート2.1’’’がベースプレート5.2’’’に対して回転するのを防止する。中立位置N’’’では、プレート2.1’’’は、そのコーナ2.5’’’が垂直方向に締結点5.3’’’の上方にかつベースプレート5.2’’’に平行にあるようにして配置される。ベースプレート5.2’’’とプレート2.1’’’との間にばね要素(図示せず)が、設けられてもよく、このばね要素は、外力がない場合にプレート2.1’’’が中立位置N’’’にリセットされるように、ベースプレート5.2’’’から離れるリセット力でプレート2.1’’’上に作用する。
【0091】
支持体3.1’’’は、作動セクション2.2’’’を介してもたらされる変位中に、支持体3.1’’’によって案内される形で、プレート2.1’’’に平行に配向された変位平面V’’’内で横方向に偏向するプレート2.1’’’の運動を制御する。ここで、プレート2.1’’’は、平行四辺形ガイドのために、ベースプレート5.2’’’に対して平行に配向されたままである。したがって、作動要素2’’’は、
図11の例として、破線で示された作動位置B
1’’’およびB
2’’’の作動位置への変位中に純粋な並進運動を実行する。
【0092】
制御装置3’’’によって提供される平行四辺形ガイドのために、プレート2.1’’’とベースプレート5.2’’’との間の距離も横方向の偏向中に減少する。したがって、変位平面V’’’における変位中、作動要素2’’’は、ベースプレート5.2’’’に向かって下降される。このようにして達成される作動要素2’’’の制御は、変位平面V’’’ならびにベースプレート5.2’’’およびプレート2.1’’’に垂直なストローク方向H’’’の方向のストローク運動をもたらす。支持体3.1’’’は剛性であるため、制御装置3’’’は、ストローク運動と作動要素2’’’の変位平面V’’内の変位運動との確実な結合を提供する。
【0093】
図11に示す入力装置1’’’はまた、既存のゲームコントローラを変更することによって製造され得る。この目的のために、既存のゲームコントローラの操作レバーを、支持体3.1’’’のうちの一方として使用することができる。この場合、2つのさらなる支持体3.1’’’および作動要素2’’’およびストラット3.10’’’だけを追加すればよい。この目的のために、既存のゲームコントローラ上に、作動要素2’’’のコーナ2.5’’’のうちの1つ内の対応する関節接続が、制御レバーの上部に取り付けられる必要があり、関節点3.9’’’の関節接続が、中央に取り付けられる必要がある。さらに、操作レバーに加えて、2つのさらなる支持体3.1’’’の締結点5.3’’’のための2つの関節式接続部が、ゲームコントローラに取り付けられる必要がある。
【0094】
図12は、本発明による入力装置1’’’’のさらなる概略的な代替実施形態を示し、この場合、制御装置3’’’’は、単一の棒状支持体3.1’’’’を有する。
図12では、この支持体3.1’’’’は、破線で示されている。
【0095】
作動要素2’’’’は、制御装置3’’’’によって、弓形案内レール5.1’’’を備えるベース構造5’’’’上に移動可能に取り付けられる。ここで、支持体3.1’’’は、その下端において、案内レール5.1’’’’に沿って変位可能であるように、ベース構造5’’’’上に変位可能に取り付けられる。案内レール5.1’’’’は湾曲しているので、支持体3.1’’’’は、案内レール5.1’’’に沿った変位中に、ここでも弓形に上下に移動し、それと同時にその上方に向けられた配向に関しても枢動される。作動要素2’’’’は、支持体3.1’’’’の上端に枢動可能に取り付けられる。さらに、3つの走行車輪3.11’’’が、そのそれぞれの軸線を中心に回転可能に支持体3.1’’’内に取り付けられる。支持体3.1’’’’内で最も下方に配置された走行車輪3.11’’’’は、その走行面がベース構造5’’’’上に配置された走行面5.4’’’’上を走行する。その結果、支持体3.1’’’’が案内レール5.1’’’’に沿って変位されると、最下部の走行車輪3.11’’’は、その軸線を中心に回転される。3つの走行車輪3.11’’’’の中央は、その走行面が最下部の走向車輪3.11’’’’の走向面上を走行し、その一方で、3つの走行車輪3.11’’’’の最上部は、その走向面が、中央の走行車輪3.11’’’’の走行面上を走行する。その結果、支持体3.1’’’’が案内レール5.1’’’’に沿って変位されると、3つ全ての走行車輪3.11’’’’は、その軸を中心に回転される。
【0096】
さらに、作動要素2’’’’は、その下側に、3つの走行車輪3.11’’’’の最上部の走行表面上を走行する走行表面2.6’’’’を有する。結果として、支持体3.1’’’’が案内レール5.1’’’’に沿って移動すると、支持体3.1’’’’に対する作動要素2’’’’の配向が、変化される。したがって、3つの走行車輪3.11’’’’の半径を適切に選択することによって、案内レール5.1’’’’に沿った支持体3.1’’’’の運動中に生じる支持体3.1’’’’の枢動運動を補償することができ、それによって、作動要素2’’’’が、変位され、支持体3.1’’’’が案内レール5.1’’’に沿って移動されるときに制御装置3’’’’によって制御されるストローク運動を再び上下に実行するとき、作動要素2’’’’は、常に空間内に配向されたままである。同様に、3つの走行車輪3.11’’’の半径を適切に選択することにより、支持体3.1’’’’が案内レール5.1’’’’に沿って移動されるときに作動要素2’’’’の制御された枢動運動を引き起こすこともできる。例えば、作動要素2’’’’は、支持体3.1’’’’の枢動運動とは反対の枢動運動を実行することもできる。
【0097】
図12に示す入力装置1’’’’の変形例では、3つの走行車輪3.11’’’’は、歯付き歯車である。この変形例では、ベース構造5’’’’上に配置された走行面5.4’’’’および作動要素2’’’’の下側に配置された走行面2.6’’’’はそれぞれ、歯付き歯車として構成された3つの走行車輪3.11’’’’の最下部および最上部に係合するために歯が付けられている。
【0098】
図13は、本発明による入力装置1’’’’’のさらなる概略的な代替の実施形態を示す。この入力装置1’’’’’は、
図1に示す入力装置1とほぼ同一である。したがって、
図13に示す入力装置1’’’’’の要素のうち、
図1に示す入力装置1の対応する要素と同一の要素には、同じ参照符号が付されている。
【0099】
図1に示す入力装置1とは対照的に、
図13に示す入力装置1’’’’’は、入力装置1の制御装置3の制御要素3.1の制御面3.2に当接する作動要素2の制御セクション2.3を有していない。そうではなく、
図13に示す入力装置1’’’’’では、長手方向Lの反対側に位置し、入力装置1’’’’’内に突出する作動要素2’’’’’の本体2.1’’’’’の長手方向端部において、本体2.1’’’’’は、制御装置3’’’’’の球状シェルのセグメントの形状の制御シェル3.12’’’’’の上向き外側に、ボールジョイント3.14’’’’’で取り付けられる。この制御シェル3.12’’’’’は、制御装置3’’’’’の水平に向けられた支持リング3.13’’’’’上にあるように取り付けられる。したがって、作動要素2’’’’’が変位平面V内で案内装置4内で変位すると、制御シェル3.12’’’’’は、支持リング3.13’’’’’上で作動要素2’’’’’によって変位され、傾斜する。その結果、ボールジョイント3.14’’’’’も制御シェル3.12’’’’’と共に移動され、作動要素2’’’’’は、長手方向軸線Lに沿ってストローク方向に移動される。
【0100】
渦巻きばね4.9’’’’’の第1の端部が、制御シェル3.12’’’’’の内側に配置され、その渦巻きばねの第2の端部は、支持リング3.13’’’’’と同じユニットに取り付けられる。この渦巻きばね4.9’’’’’は、外力が作用していないときに、制御シェル3.12’’’’’が作動要素2’’’’’の中立位置Nに対応する位置にリセットされるように、制御シェル3.12’’’’’上にリセット力を及ぼす。
図14は、上述の入力装置などの本発明による入力装置で使用することができる作動要素2’’’’’’を示す。この作動要素2’’’’’’は、シェル2.7’’’’’’内に枢動可能に取り付けられた作動セクション2.2’’’’’’を有する。ここでは、作動セクション2.2’’’’’’の枢動運動は駆動されず、積極的に制御されない。そうではなく、作動セクション2.2’’’’’’は、少なくとも1つの幾何学的軸線を中心に自由に枢動可能であるように、作動要素2’’’’’’の残りの部分、この場合はシェル2.7’’’’’’に取り付けられる。幾何学的枢動軸線は、作動要素2’’’’’’の残りの部分に対して静的に、すなわち固定的に配置されてもよく、または作動要素2’’’’’’の残りの部分に対する作動セクション2.2’’’’’’の枢動運動中に作動要素2’’’’’’の残りの部分に対して変位されてもよい。
【0101】
したがって、作動セクション2.2’’’’’’が指を使用してユーザによって触れられると、作動要素2’’’’’’を変位させ、ストローク方向に沿って移動させるために、作動セクション2.2’’’’’’は枢動運動を実行することができ、それによってその向きをユーザの指に適合させることができる。ここで、幾何学的枢動軸線は、好ましくは、作動セクション2.2’’’’’’がユーザによる作動中にユーザの指による力の作用を受ける点に可能な限り近接して位置する。これにより、ユーザから作動要素2’’’’’’への力の最適な伝達が可能になる。さらに、幾何学的枢動軸線は、好ましくは、指による作動セクション2.2’’’’’’に対する力の作用点から見て、作動要素2’’’’’’の側ではなく、ユーザの指の側に配置される。したがって、ユーザによる作動中、作動セクション2.2’’’’’’は、力が及ぼされたときに傾くのではなく、作動要素2’’’’’’の移動中に同時に枢動し、ユーザの指に対するその向きを適合させることが達成される。
【0102】
既に述べたように、
図14に示す例では、作動セクション2.2’’’’’’は、幾何学的枢動軸線を中心に枢動可能であるようにシェル2.7’’’’’’内に取り付けられる。これには、様々な機械的変形が可能である。第1の変形形態では、幾何学的枢動軸線は、シェル2.7’’’’’’の内側でシェル2.7’’’’’’上に配置され、作動セクション2.2’’’’’’が枢動可能に取り付けられる物理的軸である。第2の変形形態では、シェル2.7’’’’’’は、その内側に、幾何学的枢動軸線の周りに弓形経路を形成するレールを有し、作動セクション2.2’’’’’’は、このレール上に変位可能に取り付けられ、したがって幾何学的枢動軸線の周りに枢動可能であるように取り付けられる。この場合、シェル2.7’’’’’’は、例えば、作動セクション2.2’’’’’がシェル2.7’’’’’’の内部に保持されるように、半球状のシェルよりも幾分大きく形成され得る。しかし、同様に、レールはまた、断面がT字形のプロファイルを有することもでき、作動セクション2.2’’’’’’は、レールの側方突出部の背後に係合し、それによってシェル2.7’’’’’’上に保持される。この場合、シェル2.7’’’’’’は、半球シェルよりも小さい球シェルのセグメントを形成することもできる。
【0103】
物理的な枢動軸による取り付けおよびレールによる取り付けの両方が、いずれの場合も、一方向への作動セクション2.2’’’’’’の枢動運動のみを可能にする。さらなる変形例では、作動セクション2.2’’’’’’は、2つの異なる相互に傾斜した幾何学的枢動軸を中心に枢動可能であるように、作動要素2’’’’’’の残りの部分、またはシェル2.7’’’’’’に枢動可能に取り付けられる。これらのさらなる変形例では、作動セクション2.2’’’’’’は、2方向に枢動可能である。この目的のために、例えば、シェル2.7’’’’’’と作動セクション2.2’’’’’’との間に中間シェルを配置することが可能である。1つの例では、この中間シェルは、上述したように、第1の幾何学的枢動軸線を中心に枢動可能であるように、物理的枢動軸によって、またはレールによってシェル2.7’’’’’’に取り付けられ、作動セクション2.2’’’’’’は、第2の幾何学的枢動軸線を中心に枢動可能であるように、物理的枢動軸またはレールによって中間シェル上に取り付けられ、第1の幾何学的枢動軸線は、第2の幾何学的枢動軸線に対して直角などの角度で配向される。
【0104】
一般に、ベース構造5または5’’は、本明細書で説明するように、様々な方法で、例えばフレーム、ベースプレートまたはハウジングの形態で提供されてもよいことに留意されたい。同様に、入力装置1、1’または1’’の構成要素は、ベース構造5もしくは5’’上に全体的もしくは部分的に形成されてもよく、または、独立した構成要素として前記ベース構造に締結もしくは接続されてもよいことは自明である。例えば、案内スロット4.2は、ベース構造に締結されたレール内に形成されてもよい。同様に、1つまたは複数のストッパ4.4は、作動範囲Aを区切り、ベース構造5に締結または接続されるカラーなどの別個の部品として構成されてもよい。最後に、作動要素2は、細長い本体2.1を有する必要はなく、変位中に制御装置によって制御されるストローク運動を実行する平坦なスライダとして構成されてもよい。したがって、本明細書に記載の実施形態は、本発明の基本概念の概略説明にすぎず、設計の観点から限定するものとして理解されるべきではない。
【0105】
本実施形態の変形例
まとめると、電子ユニット、特にゲームコントローラに、構造的に簡単な形の入力装置を提供することにより、ユーザによる人間工学的で快適な作動または操作が可能にされると述べることができる。作動要素の実質的に並進変位中、制御装置によって制御されるストローク運動により、例えば長時間の使用中であってもユーザの指関節に優しい作動要素の運動プロファイルが、実現される。さらに、このように制御されたストロークプロファイルは、例えば別個の位置に到達したときに、中立位置からの変位に応じた形で触覚フィードバックをユーザに提供することを可能にする。