(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20240826BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240826BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240826BHJP
H04W 84/12 20090101ALN20240826BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/18
H04W88/06
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2023001917
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2018039469の分割
【原出願日】2018-03-06
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 主計
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208777(JP,A)
【文献】特開2013-157882(JP,A)
【文献】特開2013-121179(JP,A)
【文献】特開2018-029265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末と外部アクセスポイントを介さず直接無線通信を行うアクセスポイントとして装置を動作させる無線通信機能を有する印刷装置であって、
表示部と、
前記アクセスポイントの動作周波数帯を選択する
ためのユーザ操作を受け付ける画面を前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記選択された動作周波数帯に属する周波数チャネルで動作するアクセスポイントとして前記印刷装置を動作させる通信制御手段とを有し、
前記印刷装置は、外部アクセスポイントが提供するネットワークに接続する無線クライアントとして動作することが可能であり、
前記印刷装置が第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルで前記外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数帯を選択可能にし、前記第1の動作周波数帯とは異なる第2の動作周波数帯を選択できないような
前記画面を表示することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷装置が第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルで前記外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数帯を選択するボタンを有効化し、前記第2の動作周波数帯を選択するボタンを無効化にした画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置が第2の動作周波数帯に属する周波数チャネルで外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第2の動作周波数帯を選択可能にし、前記第2の動作周波数帯とは異なる第1の動作周波数帯を選択できないような画面を表示すること特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷装置が第2の動作周波数帯に属する周波数チャネルで外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第2の動作周波数を選択するボタンを有効化し、前記第1の動作周波数を選択するボタンを無効化にした画面を表示すること特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
無線通信インタフェースと有線通信インタフェースを有し、
前記通信制御手段は、前記無線通信インタフェースを制御し、前記印刷装置を前記選択された動作周波数帯に属する周波数チャネルで動作するアクセスポイントとして機能させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記印刷装置が前記有線通信インタフェースを介して第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルを用いて前記無線クライアントとして動作している場合、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数とは異なる第2の動作周波数を選択可能にし、かつ、前記印刷装置が前記無線通信インタフェースを介して第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルを用いて前記無線クライアントとして動作している場合、前記第1の動作周波数とは異なる第2の動作周波数を選択できないような画面を表示すること特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記印刷装置が前記有線通信インタフェースを介して第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルを用いて前記無線クライアントとして動作している場合、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第2の動作周波数を選択するボタンを有効化し、かつ、前記印刷装置が前記無線通信インタフェースを介して第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルを用いて前記無線クライアントとして動作している場合、前記第2の動作周波数を選択するボタンを無効化にした画面を表示すること特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1の動作周波数帯は、2.4GHz周波数帯であり、前記第2の動作周波数は、5GHz周波数帯であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
原稿をスキャンして画像を読み取る読取手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
電子写真方式で印刷を行う印刷部を更に有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記画面は2.4GHzを示す項目と5GHzを示す項目とが含まれることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
外部端末と外部アクセスポイントを介さず直接無線通信を行うアクセスポイントとして装置を動作させる無線通信機能を有する印刷装置の制御方法であって、
前記アクセスポイントの動作周波数帯を選択する
ためのユーザ操作を受け付ける画面を表示部に表示する表示制御ステップと、
前記選択された動作周波数帯に属する周波数チャネルで動作するアクセスポイントとして前記印刷装置を動作させる通信制御ステップとを有し、
前記印刷装置は、外部アクセスポイントが提供するネットワークに接続する無線クライアントとして動作することが可能であり、
前記印刷装置が第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルで前記外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御ステップでは、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数帯を選択可能にし、前記第1の動作周波数帯とは異なる第2の動作周波数帯を選択できないような
前記画面を表示することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項13】
前記印刷装置が第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルで前記外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御ステップでは、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数帯を選択するボタンを有効化し、前記第2の動作周波数帯を選択するボタンを無効化にした画面を表示することを特徴とする請求項1
2に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項14】
前記印刷装置が第2の動作周波数帯に属する周波数チャネルで外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御ステップでは、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第2の動作周波数帯を選択可能にし、前記第2の動作周波数帯とは異なる第1の動作周波数帯を選択できないような画面を表示すること特徴とする請求項1
2又は請求項1
3に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項15】
前記印刷装置が第2の動作周波数帯に属する周波数チャネルで外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御ステップでは、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第2の動作周波数を選択するボタンを有効化し、前記第1の動作周波数を選択するボタンを無効化にした画面を表示すること特徴とする請求項1
4に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項1
2乃至1
5のいずれか1項に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気電子学会(IEEE)802.11規格として、802.11a/b/g/nに加えて、より高速な802.11acが規定された。802.11ac/aは、5GHzの周波数帯域を使用する。一方、802.11b/gは、2.4GHzの周波数帯域を使用する。また、802.11nは、2.4GHz及び5GHzの両方をサポートするが、一般的には2.4GHz周波数帯域が使用されている。一般的なモバイル端末では、これらの無線LAN規格をすべてサポートしている。また、動作する周波数帯域を設定できる端末もある。また、802.11acと802.11nの両方をサポートし、アクセスポイントとして動作するMFP(複合機)もある。また、複数のモードでのアクセスポイントを起動する方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アクセスポイントの起動指示と、動作周波数の指示を別々の画面で行うと、画面遷移が多くなり、煩雑な操作が必要となるため、ユーザの手間となるという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、アクセスポイントの動作周波数帯の選択を画面で行うことができ、ユーザの手間を省くことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置は、外部端末と外部アクセスポイントを介さず直接無線通信を行うアクセスポイントとして装置を動作させる無線通信機能を有する印刷装置であって、表示部と、前記アクセスポイントの動作周波数帯を選択するためのユーザ操作を受け付ける画面を前記表示部に表示する表示制御手段と、前記選択された動作周波数帯に属する周波数チャネルで動作するアクセスポイントとして前記印刷装置を動作させる通信制御手段とを有し、前記印刷装置は、外部アクセスポイントが提供するネットワークに接続する無線クライアントとして動作することが可能であり、前記印刷装置が第1の動作周波数帯に属する周波数チャネルで前記外部アクセスポイントと接続されている場合、前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの動作周波数帯として、前記第1の動作周波数帯を選択可能にし、前記第1の動作周波数帯とは異なる第2の動作周波数帯を選択できないような前記画面を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アクセスポイントの動作周波数帯の選択を画面で行うことができ、ユーザの手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】MFPのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】MFPのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】無線機能設定画面のユーザインターフェースの遷移図である。
【
図5】MFPの無線機能制御のユーザインターフェースの遷移図である。
【
図6】MFPの画面表示までのフローチャートである。
【
図7】MFPの無線機能制御のユーザインターフェースの遷移図である。
【
図8】MFPの画面表示までのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による情報処理システム130の構成例を示す図である。情報処理システム130は、携帯端末100と、MFP110と、アクセスポイント120とを有する。アクセスポイント120は、ユーザ環境の基幹ネットワークに接続されている。MFP110は、画像形成装置であり、携帯端末100をアクセスポイント120に接続させることができる。携帯端末100は、MFP110をアクセスポイントとして無線接続する。
【0011】
図1にはアクセスポイント120は一台しかないが、実際のユーザ環境では複数台のアクセスポイントを常設していることが多い。また、MFP110は、情報処理装置であり、パーソナルコンピュータや携帯端末などであってもよい。
【0012】
なお、無線LANモードは、ユーザの基幹ネットワークへ繋がっているアクセスポイントへインフラストラクチャーモードとしてMFP110を接続させるモードであり、有線LANは同様に基幹ネットワークへ有線式で接続させるモードである。また、無線ソフトAP(アクセスポイント)モードは、無線アドホックモードのうちの一部であり、MFP110が疑似的なアクセスポイントとして機能することで携帯端末100をMFP110へ接続させるモードである。
【0013】
図2は、MFP110のハードウェア構成例を示す図である。大規模記憶装置211は、例えばハードディスク等である。CPU202は、ROM203又は大規模記憶装置211に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行する。また、CPU202は、システムバス201に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0014】
RAM204は、CPU202の主メモリ及びワークエリア等として機能する。外部入力コントローラ(PANELC)206は、MFP110に備えられる各種ボタン又はタッチパネル(PANEL)207等からの指示入力を制御する。ディスプレイコントローラ(DISPC)208は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示モジュール(DISPLAY)209の表示を制御する。ディスクコントローラ210は、大規模記憶装置211を制御する。大規模記憶装置211は、画像の一時記憶場所としても使われる。
【0015】
ネットワークインタフェースカード(NIC)205は、ネットワーク200を介して、他のネットワーク機器又はファイルサーバ等と双方向にデータを送受信する。無線通信モジュール(WLAN)214は、インフラストラクチャーモード又はソフトAPモードで無線通信を行う。無線通信モジュール214がソフトAPモードで動作する場合、MFP110は、アクセスポイントとして動作し、携帯端末100と直接無線通信接続することができる。プリンタ212は、電子写真方式で実現される紙への印刷部である。印刷方式は、特に電子写真方式でなくてもよい。
【0016】
スキャナ213は、紙に印刷された画像を読み込むための画像読み取り部である。スキャナ213には、オプションとしてADF(オートドキュメントフィーダ)が装着され、複数枚の原稿を自動的に読み込むことができる。
【0017】
図3は、MFP110のソフトウェア構成例を示す図である。OSカーネル320は、ネットワーク設定制御部300と、UI制御部310と、Wi-Fi通信制御部330と、Ethernet通信制御部340を制御する。Wi-Fi通信制御部330は、無線通信モジュール214を制御するためのモジュールである。Ethernet通信制御部340は、ネットワークインタフェースカード205を制御する。ネットワーク設定制御部300は、OSカーネル320を介して、Wi-Fi通信制御部330及びEthernet通信制御部340の設定を制御する。ネットワーク設定制御部300は、現在のネットワーク設定を管理し、Ethernet(有線LAN)、無線LAN、無線ソフトAPのそれぞれのモードが有効か否かを管理する。本実施形態では、有線LANと無線LANは、排他的のみ設定が可能である。無線ソフトAPモードは、LANの設定とは独立して設定可能である。ネットワーク設定制御部300は、UI制御部310と情報伝達を行い、UIの表示を変えたり、逆にUIからの操作要求によってネットワーク制御を行う。
【0018】
図4は、MFP110の有線LAN/無線LANモードの切り替えと無線LANの接続を行うローカルユーザインターフェースの画面遷移を示す図である。UI制御部310は、まず、画面510を表示する。画面510では、LANモード設定ボタン511と無線LAN設定ボタン511が表示される。ユーザがLANモード設定ボタン511を押すと、UI制御部310は、画面520を表示する。画面520は、有線LANモードボタン522と無線LANモードボタン523を切り替える画面であり、画面520の例では無線LANモードボタン523が選択されている。ユーザが設定保存ボタン521を押すと、ネットワーク設定制御部300は、現在のLANモードを保存し、UI制御部310は、画面510を表示する。画面510の無線LAN設定ボタン512は、現在のLANモード設定が無線LANモードに設定されている場合のみ有効化される。ユーザが無線LAN設定ボタン512を押すと、UI制御部310は、無線LANの接続先を設定する画面530を表示する。
【0019】
画面530では、ユーザが接続先情報をSSID入力テキストフィールド751とPSK入力テキストフィールド752に入力可能である。一度接続したSSIDならば、記憶済みのPSKがそれぞれの入力テキストフィールド751及び752に予め入力された状態で表示される。PSKは、セキュリティの都合上、実際の入力値はアスタリスクで表示される。ユーザが接続するボタン533を押すと、Wi-Fi通信接続部330は、現在の入力テキストフィールド531及び532の値を接続先情報として無線LAN接続処理を開始し、UI制御部310は画面540を表示する。このとき、Wi-Fi通信接続部330は、周波数を指定して無線接続処理を行う。画面540では、UI制御部310は、ホップアップ542を表示し、ユーザに無線LAN接続処理が進行中である旨を伝える。ユーザは、キャンセルボタン541を押すことで、無線LAN接続処理をキャンセルすることができる。接続が成功すると、ネットワーク設定制御部300は、接続時に指定した周波数を記憶しておく。
【0020】
図5は、MFP110の無線機能制御のローカルユーザインターフェースの画面遷移を示す図である。UI制御部310は、メインメニューの画面610を表示する。ユーザが無線ソフトAP管理ボタン611を押すと、無線LANが802.11acで接続されている場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面である画面620を表示する。この画面620では、繋がりやすさ優先の無線ソフトAP起動ボタン621は無効化されており、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPを起動させることはできない。速さ優先の無線ソフトAP起動ボタン622は有効化されているので、速さ優先の無線ソフトAPを起動することは可能である。例えば、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPは2.4GHzの802.11nであり、速さ優先の無線ソフトAPは5GHzの802.11acである。ユーザが速さ優先の無線ソフトAP起動ボタン622を押すと、UI制御部310は、画面650を表示する。
【0021】
画面610において、ユーザが無線ソフトAP管理ボタン611を押すと、無線LANが接続されていない場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面として画面630を表示する。画面630では、繋がりやすさ優先の無線ソフトAP起動ボタン631と速さ優先の無線ソフトAP起動ボタン632は有効化されているため、どちらの周波数の無線ソフトAPも起動することができる。ユーザが繋がりやすさ優先の無線ソフトAP起動ボタン631又は速さ優先の無線ソフトAP起動ボタン632を押すと、UI制御部310は、画面650を表示する。
【0022】
画面610において、ユーザが無線ソフトAP管理ボタン611を押すと、無線LANが802.11nで接続されている場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面として画面640を表示する。この画面640では、繋がりやすさ優先の無線ソフトAP起動ボタン641は有効化されており、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPを起動させることができる。速さ優先の無線ソフトAP起動ボタン642は無効化されているので、速さ優先の無線ソフトAPを起動することはできない。ユーザが繋がりやすさ優先の無線ソフトAP起動ボタン641を押すと、UI制御部310は、画面650を表示する。
【0023】
UI制御部310が画面650を表示すると、携帯端末100は、MFP110へ接続することができる。ユーザが無線ソフトAP停止ボタン651を押すと、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモードを停止し、UI制御部310は、画面620,630又は640の表示に戻る。
【0024】
画面620,630,640の操作からわかるように、ユーザが、アクセスポイントの起動指示と、動作周波数の指示を同一画面で行うことができるため、ユーザの手間が軽減される。
【0025】
なお、無線ソフトAP起動画面620,630,640は、明示的に周波数を表示し、ユーザに周波数を選択させてもよい。画面660は、周波数をローカルユーザインターフェースのボタン名に表示した画面例である。UI制御部310は、画面660では、2.4GHz用ソフトAP開始ボタン661と、5GHz用ソフトAP開始ボタン662を表示する。
【0026】
また、無線ソフトAP起動画面620,630,640は、明示的に無線LANの規格名を表示し、ユーザに無線LAN規格を選択させてもよい。画面680は、無線LAN規格名をローカルユーザインターフェースのボタン名に表示した画面例である。UI制御部310は、画面680では、802.11a/b/g/n用ソフトAP開始ボタン681と、802.11ac用ソフトAP開始ボタン682を表示する。
【0027】
図6は、MFP110の無線ソフトAPモードの起動制御を行うフローチャートである。前提条件として、このフローチャートの開始時点では、無線ソフトAPモードは停止中である。無線通信で用いるハードウェア回路の構成によっては、Wi-Fi無線通信のインフラストラクチャーモードとアドホックモードの2つは、同じ周波数チャネルを使用しなければならないという制限を受けることがある。繋がりやすさ優先の無線ソフトAPモードは2.4GHzの802.11nであり、速さ優先の無線ソフトAPモードは5GHzの802.11acである。ユーザが
図5の無線ソフトAP管理画面ボタン611を押すと、
図6のフローチャートが開始する。
【0028】
ステップS401では、ネットワーク設定制御部300は、接続されているLANが有線LANモードか無線LANモードかを判定する。ネットワーク設定制御部300は、有線LANモードである場合にはステップS402に進み、無線LANモードである場合にはステップS403に進む。
【0029】
ステップS402では、ネットワーク設定制御部300は、画面630において、繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン631と速さ優先のソフトAP起動ボタン632を有効にし、ステップS406に進む。ステップS406では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面630を表示する。ステップS407では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面630においてソフトAP起動ボタン631又は632が押下されるまで待機する。ソフトAP起動ボタン631又は632が押下された場合には、ネットワーク設定制御部300は、ステップS408に進む。ステップS408では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面630で押下されたソフトAP起動ボタン631又は632の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0030】
ステップS403では、ネットワーク設定制御部300は、接続されている無線LANの周波数が2.4GHzの802.11nか否かを判定する。ネットワーク設定制御部300は、2.4GHzの802.11nである場合にはステップS404に進み、2.4GHzの802.11nでない場合にはステップS405に進む。
【0031】
ステップS404では、ネットワーク設定制御部300は、画面640において、繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン641を有効にし、速さ優先のソフトAP起動ボタン642を無効にし、ステップS406に進む。ステップS406では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面640を表示する。ステップS407では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面640において繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン641が押下されるまで待機する。繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン641が押下された場合には、ネットワーク設定制御部300は、ステップS408に進む。ステップS408では、ネットワーク設定制御部300は、繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン641の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0032】
ステップS405では、ネットワーク設定制御部300は、画面620において、繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン621を無効にし、速さ優先のソフトAP起動ボタン622を有効にし、ステップS406に進む。ステップS406では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面620を表示する。ステップS407では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面620において速さ優先のソフトAP起動ボタン622が押下されるまで待機する。速さ優先のソフトAP起動ボタン622が押下された場合には、ネットワーク設定制御部300は、ステップS408に進む。ステップS408では、ネットワーク設定制御部300は、速さ優先のソフトAP起動ボタン622の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0033】
以上のように、UI制御部310は、指示受付手段であり、画面620,630,640において、無線アドホックネットワークのアクセスポイントの起動指示と、そのアクセスポイントの動作モードの指示とを、同一画面で行うことができる。ネットワーク設定制御部300は、起動手段であり、UI制御部310で指示された動作モードでアクセスポイントを起動する。繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン631,641は、第1の動作モードでアクセスポイントを起動指示するための第1の指示手段である。速さ優先のソフトAP起動ボタン622,632は、第2の動作モードでアクセスポイントを起動指示するための第2の指示手段である。
【0034】
画面630では、第1の動作モードは、繋がりやすさ優先の動作モード631であり、第2の動作モードは、速さ優先の動作モード632である。画面660では、第1の動作モードは、第1の周波数の無線の動作モード661であり、第2の動作モードは、第2の周波数の無線の動作モード662である。画面680では、第1の動作モードは、第1の無線通信ネットワーク規格の動作モード681であり、第2の動作モードは、第2の無線通信ネットワーク規格の動作モード682である。
【0035】
ステップS401では、ネットワーク設定制御部300は、有線ネットワークに接続されている場合には、ステップS402に進む。ステップS402では、UI制御部310は、画面630において、繋がりやすさ優先のソフトAP起動ボタン631による指示と速さ優先のソフトAP起動ボタン632による指示が可能である。
【0036】
ステップS403では、ネットワーク設定制御部300は、2.4GHzの802.11nの無線ネットワークに接続されている場合には、ステップS404に進む。ステップS404では、UI制御部310は、画面640において、2.4GHzの802.11nのソフトAP起動ボタン641による指示が可能であり、5GHzの802.11acのソフトAP起動ボタン642による指示が可能でない。
【0037】
本実施形態によれば、画面620,630,640において、ユーザが、アクセスポイントの起動指示と、動作周波数の指示を同一画面で行うことができるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の情報処理システム130は、第1の実施形態の情報処理システム130に対して、同様の構成を有する。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0039】
図7は、第2の実施形態によるMFP110の無線機能制御のローカルユーザインターフェースの画面遷移を示す図である。UI制御部310は、メインメニューの画面810を表示する。ユーザが無線ソフトAP管理ボタン811を押すと、無線LANが802.11acで接続されている場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面である画面820を表示する。この画面620では、繋がりやすさ優先のチェックボックス821は無効化されており、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPを起動させることはできない。速さ優先のチェックボックス822は有効化され、チェックされているので、速さ優先の無線ソフトAPを起動することは可能である。例えば、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPは2.4GHzの802.11nであり、速さ優先の無線ソフトAPは5GHzの802.11acである。ユーザが、速さ優先のチェックボックス822がチェックされた状態で、開始ボタン823を押すと、UI制御部310は、画面850を表示する。
【0040】
画面810において、ユーザが無線ソフトAP管理ボタン811を押すと、無線LANが接続されていない場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面として画面830を表示する。画面630では、繋がりやすさ優先のチェックボックス831と速さ優先のチェックボックス832は有効化されているため、どちらの周波数の無線ソフトAPも起動することができる。デフォルトとして、繋がりやすさ優先のチェックボックス831が選択されているが、ユーザが変更することも可能である。ユーザが、チェックボックス831又は832をチェックした状態で開始ボタン833を押すと、UI制御部310は、画面850を表示する。
【0041】
画面810において、ユーザが無線ソフトAP管理ボタン811を押すと、無線LANが802.11nで接続されている場合、UI制御部310は、無線ソフトAP起動画面として画面840を表示する。この画面640では、繋がりやすさ優先のチェックボックス841は有効化され、チェックされており、繋がりやすさ優先の無線ソフトAPを起動させることができる。速さ優先のチェックボックス842は無効化されているので、速さ優先の無線ソフトAPを起動することはできない。ユーザが、繋がりやすさ優先のチェックボックス841がチェックされた状態で、開始ボタン843を押すと、UI制御部310は、画面850を表示する。
【0042】
UI制御部310が画面850を表示すると、携帯端末100は、MFP110へ接続することができる。ユーザが無線ソフトAP停止ボタン851を押すと、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモードを停止し、UI制御部310は、画面820,830又は840の表示に戻る。
【0043】
画面820,830,840の操作からわかるように、ユーザが、アクセスポイントの起動指示と、動作周波数の指示を同一画面で行うことができるため、ユーザの手間が軽減される。
【0044】
なお、無線ソフトAP起動画面820,830,840は、明示的に周波数を表示し、ユーザに周波数を選択させてもよい。画面860は、周波数をローカルユーザインターフェースのチェックボックス名に表示した画面例である。UI制御部310は、画面860では、2.4GHz用ソフトAPチェックボックス861と、5GHz用ソフトAPチェックボックス862と、開始ボタン863とを表示する。
【0045】
また、無線ソフトAP起動画面820,830,840は、明示的に無線LANの規格名を表示し、ユーザに無線LAN規格を選択させてもよい。画面880は、無線LAN規格名をローカルユーザインターフェースのチェックボックス名に表示した画面例である。UI制御部310は、画面880では、802.11a/b/g/n用ソフトAPチェックボックス881と、802.11ac用ソフトAPチェックボックス882と、開始ボタン883とを表示する。
【0046】
図8は、MFP110の無線ソフトAPモードの起動制御を行うフローチャートである。前提条件と制限は、第1の実施形態と同様である。繋がりやすさ優先の無線ソフトAPモードは2.4GHzの802.11nであり、速さ優先の無線ソフトAPモードは5GHzの802.11acである。無線ソフトAP起動画面のユーザインターフェースは、チェックボックスで周波数を選択し、開始ボタンにより、チェックボックスで選択された周波数ソフトAPを起動することが可能である。ユーザが
図7の無線ソフトAP管理画面ボタン811を押すと、
図8のフローチャートが開始する。
【0047】
ステップS701では、ネットワーク設定制御部300は、接続されているLANが有線LANモードか無線LANモードかを判定する。ネットワーク設定制御部300は、有線LANモードである場合にはステップS702に進み、無線LANモードである場合にはステップS704に進む。
【0048】
ステップS702では、ネットワーク設定制御部300は、画面830において、繋がりやすさ優先のチェックボックス831と速さ優先のチェックボックス832を有効にする。ステップS703では、ネットワーク設定制御部300は、画面830において、デフォルトのチェックボックス831にチェックを入れる。画面830では、繋がりやすさ優先のチェックボックス831にチェックを入れているが、速さ優先のチェックボックス832にチェックを入れてもよい。2つのチェックボックス831及び832は、排他である。ステップS709では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面830を表示する。画面830では、ユーザがチェックを変更することも可能である。ステップS710では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面830において開始ボタン833が押下されるまで待機し、開始ボタン833が押下された場合には、ステップS711に進む。ステップS711では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面830でチェックされたチェックボックス831又は832の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0049】
ステップS704では、ネットワーク設定制御部300は、接続されている無線LANの周波数が2.4GHzの802.11nか否かを判定する。ネットワーク設定制御部300は、2.4GHzの802.11nである場合にはステップS705に進み、2.4GHzの802.11nでない場合にはステップS707に進む。
【0050】
ステップS705では、ネットワーク設定制御部300は、画面840において、繋がりやすさ優先のチェックボックス841を有効にし、チェックを入れる。ステップS706では、ネットワーク設定制御部300は、画面840において、速さ優先のチェックボックス842を無効にする。ステップS709では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面840を表示する。ステップS710では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面840において開始ボタン843が押下されるまで待機し、開始ボタン843が押下された場合には、ステップS711に進む。ステップS711では、ネットワーク設定制御部300は、繋がりやすさ優先のチェックボックス841の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0051】
ステップS707では、ネットワーク設定制御部300は、画面820において、速さ優先のチェックボックス822を有効にし、チェックを入れる。ステップS708では、ネットワーク設定制御部300は、画面820において、繋がりやすさ優先のチェックボックス821を無効にする。ステップS709では、UI制御部310は、無線ソフトAPモード起動用の画面820を表示する。ステップS710では、ネットワーク設定制御部300は、無線ソフトAPモード起動用の画面820において開始ボタン823が押下されるまで待機し、開始ボタン823が押下された場合には、ステップS711に進む。ステップS711では、ネットワーク設定制御部300は、速さ優先のチェックボックス822の周波数のソフトAPモードを起動する。
【0052】
以上のように、画面830は、繋がりやすさ優先の動作モードを選択するためのチェックボックス831と、速さ優先の動作モードを選択するためのチェックボックス832と、アクセスポイントを起動指示するための開始ボタン833を有する。開始ボタン833は、チェックボックス831または832により選択された動作モードでアクセスポイントを起動指示するためのボタンである。
【0053】
ステップS701では、ネットワーク設定制御部300は、有線ネットワークに接続されている場合には、ステップS702に進む。ステップS702では、UI制御部310は、画面830において、繋がりやすさ優先のチェックボックス831による選択と速さ優先のチェックボックス832による選択が可能である。
【0054】
ステップS704では、ネットワーク設定制御部300は、2.4GHzの802.11nの無線ネットワークに接続されている場合には、ステップS705に進む。ステップS705では、UI制御部310は、画面840において、2.4GHzの802.11nのチェックボックス841による選択が可能であり、5GHzの802.11acのチェックボックス842による選択が可能でない。
【0055】
本実施形態によれば、画面820,830,840において、ユーザが、アクセスポイントの起動指示と、動作周波数の指示を同一画面で行うことができるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0056】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0057】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
100 携帯端末、110 MFP、120 アクセスポイント、202 CPU、203 ROM、204 RAM