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特許7543457飛行体、モータ制御装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】飛行体、モータ制御装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B64C 29/00 20060101AFI20240826BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240826BHJP
   B64C 27/22 20060101ALI20240826BHJP
   B64D 31/16 20240101ALI20240826BHJP
   B64U 30/294 20230101ALI20240826BHJP
   B64U 50/19 20230101ALI20240826BHJP
【FI】
B64C29/00 A
B64C27/08
B64C27/22
B64D31/16
B64U30/294
B64U50/19
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023003964
(22)【出願日】2023-01-13
(65)【公開番号】P2024100167
(43)【公開日】2024-07-26
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆司
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-079869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0127056(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0194557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/00
B64C 29/00
B64D 31/16
B64U 30/00
B64U 50/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得する取得部と、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御する制御部と、
第1回転翼部及び前記第2回転翼部のうちの一方の回転翼部が故障したか否かを判断する判断部と、を備え、
前記制御部は、前記一方の回転翼部が故障したと判断された場合、その故障した前記一方の回転翼部と前記故障した一方の回転翼部に関連付けられた前記第1回転翼部及び第2回転翼部のうちの他方の回転翼部との前記回転位置を制御する、
飛行体。
【請求項2】
本体と、
前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得する取得部と、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するための位置指令を送信する制御部と、
前記複数の回転翼部の各々に設けられたモータ制御装置であって、前記制御部から送信された前記位置指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部の回転位置を制御する下位制御部と、前記制御部と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断する下位判断部と、を備える前記モータ制御装置と、
を備え、
前記下位制御部は、前記通信の異常がある場合、前記通信に異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を前記所定の位置関係にする、
飛行体。
【請求項3】
前記取得部は前記複数の回転翼部の回転速度をさらに取得し、
前記制御部は前記取得した回転速度が閾値未満である場合に前記回転位置を制御する、請求項1又は2に記載の飛行体。
【請求項4】
前記取得部は前記複数の回転翼部の回転速度をさらに取得し、
前記制御部は、前記一方の回転翼部が故障したと判断された場合、前記故障した一方の回転翼部の回転速度を閾値未満に小さくするとともに、前記故障した一方の回転翼部に関連付けられた前記他方の回転翼部の回転速度が前記故障した一方の回転翼部の回転速度に近づくように前記一方の回転翼部及び前記他方の回転翼部を制御する、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項5】
前記所定の位置関係は、上面視で、鏡面対称の位置又は同じ回転位置である、
請求項1又は2に記載の飛行体。
【請求項6】
前記所定の位置関係は、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の幅方向の合計距離が最小となる位置である、
請求項1又は2に記載の飛行体。
【請求項7】
前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部が収納用回転位置にある場合に前記複数の回転翼部を収納可能に構成された収納部を備え、
前記所定の位置関係は前記収納用回転位置である、
請求項1又は2に記載の飛行体。
【請求項8】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置であって、
前記上位制御装置から送信された指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部を制御する下位制御部と、
前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断する下位判断部と、
を備え、
前記下位制御部は、前記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にする、
モータ制御装置。
【請求項9】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、を備えた飛行体の制御方法であって、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得するステップと、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、
前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部のうちの一方の回転翼部が故障したか否かを判断するステップと、
を備え、
前記制御するステップは、前記一方の回転翼部が故障したと判断された場合、その故障した一方の回転翼部及び前記故障した一方の回転翼部に関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部のうちの他方の回転翼部の前記回転位置を制御する、
飛行体の制御方法。
【請求項10】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の制御方法であって、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得するステップと、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、
を備え、
前記制御するステップは、前記上位制御装置が、前記回転位置を制御するための位置指令を送信するステップを含み、
前記飛行体は、前記複数の回転翼部の各々に設けられたモータ制御装置であって、前記上位制御装置から送信された前記位置指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部の回転位置を制御する下位制御部と、前記上位制御装置前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断する下位判断部と、を備える前記モータ制御装置を備え、
前記制御するステップは、前記下位制御部が、前記通信の異常がある場合、前記通信の異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を前記所定の位置関係にするステップを含む、
飛行体の制御方法。
【請求項11】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、を備えた飛行体の制御用プログラムであって、コンピュータに、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得するステップと、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、
前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部のうちの一方の回転翼部が故障したか否かを判断するステップと、
を実行させ、
前記制御するステップは、前記回転翼部が故障したと判断された場合、その故障した前記一方の回転翼部及び前記故障した一方の回転翼部に関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部のうちの他方の回転翼部の前記回転位置を制御する、
飛行体の制御用プログラム。
【請求項12】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の制御用プログラムであって、コンピュータに、
前記複数の回転翼部の回転位置を取得するステップと、
前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、
を実行させ、
前記制御するステップは、前記上位制御装置が、前記回転位置を制御するための位置指令を送信するステップを含み、
前記飛行体は、前記複数の回転翼部の各々に設けられたモータ制御装置であって、前記上位制御装置から送信された前記位置指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部の回転位置を制御する下位制御部と、前記上位制御装置前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断する下位判断部と、を備える前記モータ制御装置を備え、
前記制御するステップは、前記下位制御部が、前記通信の異常がある場合、前記通信の異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を前記所定の位置関係にするステップを含む、
飛行体の制御用プログラム。
【請求項13】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置に用いられる方法であって、
前記上位制御装置から送信された指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部の回転位置を制御するステップと、
前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断するステップと、
前記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にするステップと、
を備える、方法。
【請求項14】
本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置に用いられるプログラムであって、コンピュータに、
前記上位制御装置から送信された指令に基づいてそのモータ制御装置自身が設けられた前記回転翼部の回転位置を制御するステップと、
前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断するステップと、
前記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常がある前記モータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にするステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体、モータ制御装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動垂直離着陸機(eVTOL機)が普及してきている。例えば、特許文献1には、eVTOL機として、複数の回転翼部の各々の回転速度を制御することにより飛行可能な飛行体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第11155356号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の回転翼部を有する飛行体においては、見た目が重要視される。従来の飛行体では、例えば駐機中など複数の回転翼部の回転が停止した際の各停止位置が不揃いになる場合がある。そのため、飛行体の見栄えを向上させる点で改善の余地があった。
【0005】
上記を鑑み、本発明は、見栄えを向上させるための飛行体の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の飛行体は、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記回転翼部の回転位置を取得する取得部と、前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様の飛行体の制御方法は、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、を備えた飛行体の制御方法であって、前記回転翼部の回転位置を取得するステップと、前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、を備える。
【0008】
本発明の他の態様の飛行体の制御用プログラムは、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、を備えた飛行体の制御用プログラムであって、コンピュータに、前記回転翼部の回転位置を取得するステップと、前記取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた前記第1回転翼部及び前記第2回転翼部の回転位置が所定の位置関係となるように前記回転位置を制御するステップと、を実行させるための飛行体の制御用プログラムである。
【0009】
本発明の他の態様のモータ制御装置は、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置であって、前記上位制御装置から送信された指令に基づいて前記回転翼部を制御する下位制御部と、前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断する下位判断部と、を備え、前記下位制御部は、前記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常があるモータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にする。
【0010】
本発明の他の態様のモータ制御装置に用いられる方法は、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置に用いられる方法であって、前記上位制御装置から送信された指令に基づいて前記回転翼部を制御するステップと、前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断するステップと、前記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常があるモータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にするステップと、を備える。
【0011】
本発明の他の態様のモータ制御装置に用いられるプログラムは、本体と、前記本体の幅方向の一方側に設けられた第1回転翼部と前記本体の幅方向の他方側に設けられた第2回転翼部とを含む複数の回転翼部と、前記複数の回転翼部を制御する上位制御装置と、を備えた飛行体の前記複数の回転翼部の各々に設けられるモータ制御装置に用いられるプログラムであって、コンピュータに、前記上位制御装置から送信された指令に基づいて前記回転翼部を制御するステップと、前記上位制御装置と前記モータ制御装置との間の通信に異常があるか否かを判断するステップと、記通信の異常がある場合、前記上位制御装置からの前記指令によらずに、前記通信の異常があるモータ制御装置が設けられた前記第1回転翼部の回転位置及びその第1回転翼部に関連付けられた前記第2回転翼部の回転位置を所定の位置関係にするステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0012】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、見栄えを向上させるための飛行体の技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の電動垂直離着陸機を概略的に示す上面図である。
図2】第1実施形態の上位制御装置の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態のモータ制御装置の内部構成を例示する図である。
図4】第1実施形態の上位制御装置の処理を例示するフローチャートである。
図5】第1実施形態の第1回転翼部及び第2回転翼部の回転位置を例示する。
図6】第1回転翼部及び第2回転翼部の回転位置の参考例を示す。
図7】第1実施形態の第1回転翼部及び第2回転翼部の回転位置の他の例を示す。
図8】第1回転翼部及び第2回転翼部の回転位置の他の参考例を示す。
図9】閾値の設定に関する変形例を示す。
図10】閾値の設定に関する変形例を示す。
図11】第2実施形態のモータ制御装置の機能ブロック図である。
図12】第2実施形態のモータ制御装置の内部構成を例示する図である。
図13】第1~第3スイッチの真理値表である。
図14】第2実施形態の上位制御装置の処理を例示するフローチャートである。
図15】故障が発生した場合の回転翼部の回転速度を例示する。
図16】第2実施形態のモータ制御装置の処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0016】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部または全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部または全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0017】
また、共通点のある別々の構成要素には、名称の冒頭に「第1、第2」等と付して区別し、総称するときはこれらを省略する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0018】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態及び変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0019】
第1実施形態
図1は、本実施形態の電動垂直離着陸機(以下、eVTOLという)1を概略的に示す上面図である。本実施形態のeVTOL1は鉛直方向に離着陸可能な無人航空機として構成されている。eVTOL1は、eVTOL1の胴体部分を構成する本体10と、6つのアーム20FR、20FL、20MR、20ML、20RR及び20RLと、6つの回転翼部30FR、30FL、30MR、30ML、30RR及び30RLと、を備える。本実施形態のeVTOL1は、飛行体の一例である。本実施形態では、図1中のX方向を前後方向、Y方向を左右方向又は幅方向、Z方向を上下方向として説明する。
【0020】
アーム20FRは本体10の右前方に配置され、アーム20FLは本体10の左前方に配置され、アーム20MRは本体10の右中央に配置され、アーム20MLは本体10の左中央に配置され、アーム20RRは本体10の右後方に配置され、アーム20RLは本体10の左後方に配置される。以下、アーム20FR、20FL、20MR、20ML、20RR及び20RLを特に区別しなくてもよい場合には、これらをアーム20と総称する場合がある。各アーム20は、各々に設けられた回転翼部30を支持する。
【0021】
6つの回転翼部30FR、30FL、30MR、30ML、30RR及び30RLは、それぞれ、アーム20FR、20FL、20MR、20ML、20RR及び20RLの端部に配置されている。以下、回転翼部30FR、30FL、30MR、30ML、30RR及び30RLを特に区別しなくてもよい場合には、これらを回転翼部30と総称する場合がある。各回転翼部30は、互いに等角度間隔で配置された3つのブレード35をそれぞれ有する。回転翼部30の回転軸はZ方向と平行になるように配置される。回転翼部30は、回転軸を中心にして回転することにより、eVTOL1の揚力を得るためのリフト用回転翼部および推力を得るためのクルーズ用回転翼部として利用可能に構成されている。具体的には、6つの回転翼部30は、各回転翼部30の回転速度が等しく制御されることによりリフト用回転翼として用いられる。また、6つの回転翼部30は、前方側の2つの回転翼部30の回転速度と中央の2つの回転翼部30の回転速度と後方側の2つの回転翼部30の回転速度が互いに異なるように制御されることによって、クルーズ用回転翼部として用いられる。各回転翼部30は、互いに独立して回転駆動される。
【0022】
各回転翼部30は、電動モータ31と、モータ制御装置32と、回転検出センサ33と、を含む。電動モータ31は、バッテリ40からの電力供給を受けて回転駆動する。電動モータ31は、例えば、3相ブラシレスモータである。モータ制御装置32は、後述の上位制御装置100からの後述の速度指令又は位置指令に基づいて電動モータ31の駆動を制御する。回転検出センサ33は、回転翼部30の回転位置及び回転速度を検出する。本実施形態の回転検出センサ33は、回転翼部30の回転位置及び回転速度として、電動モータ31のロータ(不図示)の回転位置及び回転速度を検出するが、これに限定されず、例えば、回転翼部30のブレード35の回転位置及び回転速度を検出してもよい。回転検出センサ33の検出結果は、上位制御装置100及びモータ制御装置32へと出力される。
【0023】
本実施形態では、本体10の幅方向の一方側に設けられた回転翼部(例えば、回転翼部30FR、30MR及び30RR)は第1回転翼部30Rの一例であり、本体10の幅方向の他方側に設けられた回転翼部(例えば、回転翼部30FL、30ML及び30RL)は第2回転翼部30Lの一例である。
【0024】
本実施形態では、回転翼部30FR及び30FLと、回転翼部30MR及び30MLと、回転翼部30RR及び30RLとは、本体部軸AXを含む垂直平面を中心にして左右対称に配置される。「本体部軸AX」とは、本体10の重心位置Gを通り、前後方向(X方向)に沿った軸である。
【0025】
本体10には、バッテリ40と、上位制御装置100と、が収容される。バッテリ40は、上位制御装置100、各回転翼部30に設けられた電動モータ31、モータ制御装置32、回転検出センサ33等に電力を供給する。バッテリ40は、繰り返し充放電可能なリチウムイオン電池などの二次電池である。
【0026】
上位制御装置100は、eVTOL1における各種処理を実行する。上位制御装置100は、各回転翼部30に設けられたモータ制御装置32と相互に通信可能に構成される。
【0027】
図2は、上位制御装置100の機能ブロック図である。図2及び以下の各図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。上位制御装置100は、取得部101と、判断部102と、制御部103と、通信部104と、記憶部105と、を備える。
【0028】
取得部101は、各回転翼部30に設けられた回転検出センサ33から各回転翼部30の回転位置及び回転速度を取得する。
【0029】
判断部102は、上位制御装置100における各種判断処理を実行する。本実施形態の判断部102は、回転検出センサ33から取得した回転速度が閾値以上であるか否かを判断する。
【0030】
制御部103は、電動モータ31を制御して回転翼部30の回転を制御するための速度指令又は位置指令をモータ制御装置32に出力する。本実施形態の速度指令は回転翼部30の回転速度の指令値(以下、速度指令値という)及びモータ制御装置32に速度制御を実行させるための速度制御指示を含み、本実施形態の位置指令は回転翼部30の回転位置の指令値(以下、位置指令値という)及びモータ制御装置32に位置制御を実行させるための位置制御指示を含む。制御部103は、例えば、ユーザがeVTOL1を操縦するためのユーザコントローラ(不図示)を介したユーザ入力に応じて、速度指令における速度指令値又は位置指令における位置指令値を生成する。
【0031】
本実施形態の制御部103は、取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置が所定の位置関係となるように回転位置を制御する。
【0032】
通信部104は、モータ制御装置32及び回転検出センサ33と通信する。通信部104とモータ制御装置32及び回転検出センサ33との間の通信方式に制限はないが、公知の通信方式が用いられる。また、通信部104は、ユーザがeVTOL1を操縦するためのユーザコントローラ(不図示)と無線により通信できる。
【0033】
記憶部105は、取得部101が取得した情報、この取得した情報を処理した中間処理情報等を時系列的に記憶できる。記憶部105は、本実施形態の上位制御装置100の処理を実行するためのプログラムを格納している。本実施形態の記憶部105は、互いに関連付けられた第1回転翼部30Rと第2回転翼部30Lとの組を記憶している。本実施形態では、例えば、第1回転翼部30Rとしての回転翼部30FR、30MR及び30RRと、第2回転翼部30Lとしての回転翼部30FL、30ML及び30RLとが組として互いに関連付けられている。
【0034】
図3は、第1実施形態のモータ制御装置32の内部構成を例示する図である。モータ制御装置32は、制御部103から速度指令又は位置指令を受信し、受信した指令に基づいて電動モータ31の回転を制御することにより回転翼部30の回転を制御する。モータ制御装置32は、電動モータ31及び回転検出センサ33に接続されたベクトル制御部50を含む。ベクトル制御部50は、公知の構成を用いることができ、例えば、U相電流検出部51u、V相電流検出部51v及びW相電流検出部51wと、A/D変換部52と、3相-2相変換部53と、d軸目標値出力部54d及びq軸目標値出力部54qと、2相-3相変換部55と、PWM出力部56と、3相ブリッジ回路57と、を含む。
【0035】
U相電流検出部51u、V相電流検出部51v、W相電流検出部51wは、3相ブリッジ回路57のU、V、W相アームに接続され、各シャント抵抗における両端電位差に対応した電位差信号をA/D変換部52に出力する。
【0036】
A/D変換部52は、U相、V相、W相電流検出部51u、51v、51wから出力された電位差信号をそれぞれA/D変換することにより各相の相電流Iu、Iv、Iwを出力する。
【0037】
3相-2相変換部53は、相電流検出値Iu、Iv、Iwをdq回転座標におけるd軸電流検出値Id及びq軸電流検出値Iqに変換する。
【0038】
d軸目標値出力部54dは、d軸指令値出力部58から出力されたd軸指令値、回転検出センサ33から出力された回転速度及び3相-2相変換部53から出力されたd軸電流検出値Idに基づいて、d軸電流目標値を設定する。また、d軸目標値出力部54dは、d軸電流目標値に基づいて所定周期毎にd軸電圧目標値を演算する。例えば、d軸目標値出力部54dは、d軸電流検出値Idとd軸電流目標値との電流偏差に対する比例積分制御(PI制御)などの電流フィードバック制御を実行する。これにより、d軸電流検出値Idをd軸電流目標値に近付けるように、d軸電圧目標値が演算及び出力される。q軸目標値出力部54qも同様に、q軸指令値、3相-2相変換部53から出力されたq軸電流検出値Iqに基づいてq軸電流目標値を設定し、q軸電圧目標値を演算及び出力する。本実施形態のq軸指令値は0である。
【0039】
2相-3相変換部55は、d、q軸電圧目標値をU相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv及びW相電圧指令値Vwの3相電圧目標値に変換する。
【0040】
PWM出力部56は、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwと、例えば、三角波キャリアであるキャリア波(搬送波)と、に基づいて、3相ブリッジ回路57の各スイッチング素子(不図示)を駆動するためのPWM信号を生成及び出力する。
【0041】
3相ブリッジ回路57は、それぞれ、2つのスイッチング素子(不図示)を直列接続したU相アーム、V相アーム及びW相アームを有する。3相ブリッジ回路57のU、V、W相アームの2つのスイッチング素子間には、電動モータ31における対応相のコイルが接続される。本実施形態の3相ブリッジ回路57に用いられるスイッチング素子は、IGBTであるが、これに限定されず、例えば、FETであってもよい。
【0042】
本実施形態のモータ制御装置32は、ベクトル制御部50に接続された第1スイッチSW1をさらに含む。第1スイッチSW1の第1端子には上位制御装置100からの速度指令値が入力され、第1スイッチSW1の第2端子には上位制御装置100からの位置指令値が入力される。本実施形態の第1スイッチSW1は、ベクトル制御部50への入力を速度指令値及び位置指令値のいずれかに切り替えるように構成される。第1スイッチSW1は、速度指令に含まれる速度制御指示に基づいて第1端子側に設定され、位置指令に含まれる位置制御指示に基づいて第2端子側に設定される。すなわち、第1スイッチSW1は、回転検出センサ33の検出した回転速度が閾値以上である場合には第1端子側に設定され、上記回転速度が閾値未満である場合には第2端子側に設定される。
【0043】
第1スイッチSW1が第1端子側に設定される場合、上位制御装置100からの速度指令値と回転検出センサ33の検出した回転速度との差分がd軸指令値出力部58に入力される。d軸指令値出力部58は、入力した差分に基づいてd軸指令値を生成してd軸目標値出力部54dに出力する。したがって、第1スイッチSW1が第1端子側に設定される場合、上位制御装置100からの速度指令値に追随するように電動モータ31が制御される。
【0044】
第1スイッチSW1が第2端子側に設定される場合、上位制御装置100からの位置指令値と回転検出センサ33の検出した回転位置との差分がd軸指令値出力部58に入力される。d軸指令値出力部58は、入力した差分に基づいてd軸指令値を生成してd軸目標値出力部54dに出力する。したがって、第1スイッチSW1が第2端子側に設定される場合、上位制御装置100からの位置指令値に追随するように電動モータ31が制御される。
【0045】
図4は、第1実施形態の上位制御装置100の処理S100を例示するフローチャートである。この処理S100は、eVTOL1の電源投入時から開始される処理であり、所定の時間間隔毎(例えば、数ミリ秒毎)に繰り返し実行される。
【0046】
ステップS101で、取得部101は、回転翼部30の回転速度を取得する。例えば、取得部101は、回転検出センサ33から回転速度を取得することができる。
【0047】
ステップS102で、判断部102は、取得した回転速度が閾値以上であるか否かを判断する。回転速度が閾値以上である場合(ステップS102のY)、処理S100はステップS103に進む。回転速度が閾値以上ではない場合(ステップS102のN)、処理S100はステップS104に進む。
【0048】
ステップS103で、制御部103は、速度指令を生成して通信部104を介してモータ制御装置32に送信する。速度指令中の速度制御指示により、第1スイッチSW1が第1端子側に設定され、速度指令値に基づいて電動モータ31が制御される。ステップS103の後、処理S100は終了する。
【0049】
ステップS104で、制御部103は、位置指令を生成して通信部104を介してモータ制御装置32に送信する。位置指令中の位置制御指示により、第1スイッチSW1が第2端子側に設定され、位置指令値に基づいて電動モータ31が制御される。特に、制御部103は、互いに関連付けられた第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置に基づいて、その回転位置同士が所定の位置関係となるように回転位置を制御する。本実施形態によると、例えば離陸時又は着陸時の回転翼部30の回転速度が小さいときに(すなわち、回転速度が閾値未満のときに)、回転位置が制御される。
【0050】
図5は、本実施形態の第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置を例示する。図5の例では、簡略化のため、それぞれ1つの第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置を示す。以下の図6及び図7も同様である。本実施形態の第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置同士が所定の位置関係は、上面視で、同じ回転位置である。したがって、本実施形態の制御部103は、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置同士が上面視で同じ回転位置となるように各回転位置を制御する。例えば、本実施形態の制御部103は、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lを同じ回転角度にする制御を実行する。例えば、本実施形態の制御部103は、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lを同じ回転位置に合わせた後、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lを所定の回転速度でユーザ入力に応じた回転角度ずつ回転させる。これにより、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30L同士の回転が同期し、駐機する際には左右対称の位置で第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lが停止する。
【0051】
ステップS104の後、処理S100は終了する。
【0052】
ここで、参考例として、本実施形態の位置制御を実行しない場合(すなわち、通常の速度制御のみを実行する場合)において想定される第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置の例を図6に示す。図6の例では、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30L同士の各ブレード35が不揃いに配置されている。そのため、ユーザは、回転翼部30のブレード35が乱雑に配置されていると感じるため、見た目に関して好印象を受けにくくなる。
【0053】
これに対し、本実施形態では、制御部103は、取得した回転位置に基づいて、互いに関連付けられた第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置が所定の位置関係となるように回転位置を制御する。本構成によると、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置が所定の位置関係となるため、例えば駐機中や飛行中のeVTOL1の見栄えを良くすることができる。
【0054】
ここで、仮に取得した回転速度が閾値以上の場合に速度制御から位置制御に切り替えた場合、その切り替え時の回転速度に位置制御による回転速度が追い付かず、回転翼部30が滑らかに回転できなくなり、見た目が損なわれる可能性がある。これに対し、本実施形態では、制御部103は、取得した回転速度が閾値未満である場合に回転位置を制御する。本構成によると、回転速度が低い状態で回転位置を制御することにより、速度制御から位置制御に切り替えた場合であっても回転翼部30を滑らかに回転させやすくなるため、見た目が損なわれにくくすることができる。
【0055】
本実施形態では、所定の位置関係は、上面視で、同じ回転位置である(例えば、図5参照)。本構成によると、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30L同士の各ブレード35が揃って見えるため、駐機中や飛行中のeVTOL1の見栄えを効果的に向上させることができる。
【0056】
以下、変形例を説明する。
【0057】
実施形態では、eVTOL1は6つの回転翼部30を備えたが、これに限定されず、回転翼部30の数は2つ以上であればよい。
【0058】
本実施形態では、所定の位置関係は、上面視で同じ回転位置であるがこれに限定されない。例えば、所定の位置関係は、上面視で本体部軸AXに関して鏡面対称の位置であってもよい。本構成によっても、所定の位置関係が同じ回転位置である場合と同様の効果を奏することができる。また、所定の位置関係は、ユーザの好みに応じて任意に設定されてもよい。
【0059】
図7は、本実施形態の第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置の他の例を示す。図7に示すように、所定の位置関係は、互いに関連付けられた第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの幅方向の合計距離Dが最小値Dminとなる位置であってもよい。ここで、参考例として、互いに関連付けられた第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの幅方向の合計距離Dが最大値Dmaxとなるときの第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置の例を図8に示す。ブレード35の長手方向の長さをRとし、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの間の間隔を2Rとすると、図8の例では、合計距離の最大値Dmax=4Rとなる。一方、図7の例によると、回転翼部30の回転軸よりもY方向外側に設けられたブレード35の一端から他端までのY方向の距離はRcos60°=R/2であるため、合計距離Dの最小値Dmin=R+R+R/2+R/2=3Rとなる。このように、例えば、3つのブレード35等角度間隔で配置された回転翼部30においては、最大値Dmax=4Rと最小値Dmin=3Rとを比較すると、駐機中の合計距離Dを最大で25%小さくすることができる。そのため、本構成によると、eVTOL1が駐機する際のスペースを削減できる。
【0060】
eVTOL1が、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lが所定の収納用回転位置にある場合に回転翼部30を収納可能に構成された収納部を備える場合、所定の位置関係は、その収納用回転位置であってもよい。本構成によると、回転翼部30を収納部に収納する際に、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lの回転位置を収納用回転位置に調整し直す作業負担を低減することができる。
【0061】
実施形態では、離陸時及び着陸時の両方において回転翼部30の回転位置が制御されたが、これに限定されず、離陸時及び着陸時の一方において回転翼部30の回転位置が制御されてもよい。
【0062】
実施形態では、回転翼部30はリフト用回転翼部およびクルーズ用回転翼部として兼用可能に構成されたが、これに限定されず、リフト用回転翼部とクルーズ用回転翼部とが別々に設けられてもよい。この場合、リフト用回転翼部及びクルーズ用回転翼部はそれぞれ複数設けられ、リフト用回転翼部同士及びクルーズ用回転翼部同士が互いに関連付けられればよい。
【0063】
実施形態では、回転翼部30FR及び30FLと、回転翼部30MR及び30MLと、回転翼部30RR及び30RLとは、本体部軸AXを含む垂直平面を中心にして左右対称に配置されたが、これに限定されず、任意の位置に配置されてもよい。
【0064】
図9及び図10は、閾値の設定に関する変形例を示す。例えば、回転翼部30の回転速度が閾値未満となって回転翼部30が速度制御から位置制御に切り替えられた後に、着陸位置が所望の位置ではなかった場合などに着陸する前にeVTOL1を再度上昇させる場合には、回転翼部30が位置制御から速度制御にすぐに切り替えられるように、回転速度の閾値をより低い値に変更してもよい(例えば、図9参照)。また、第1回転翼部30R及び第2回転翼部30L同士の回転を揃えることでより見栄えを向上させるために、回転速度の閾値をより高い値に変更してもよい(例えば、図10参照)。上記の「着陸する前にeVTOL1を再度上昇させる場合」とは、例えば、回転翼部30の回転速度が閾値未満となった後に、回転検出センサ33が検出した回転速度が所定速度以上増加した場合やユーザコントローラ(不図示)からeVTOL1を再度上昇させるユーザ入力を受けた場合等である。
【0065】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0066】
第2実施形態では、回転翼部30FR及び30FLが第1の組として互いに関連付けられ、回転翼部30MR及び30MLが第2の組として互いに関連付けられ、回転翼部30RR及び30RLが第1の組として互いに関連付けられている。第1~第3の組は、記憶部105に記憶されている。このように、本実施形態では、本体部軸AXを含む垂直平面を中心にして左右対称の位置(上面視で本体部軸AXに関して鏡面対称の位置)にある第1回転翼部30R及び第2回転翼部30Lが組として設定される。
【0067】
第2実施形態の判断部102は、回転翼部30が故障したか否かを判断する。
【0068】
図11は、第2実施形態のモータ制御装置32の機能ブロック図である。第2実施形態のモータ制御装置32は、下位取得部201と、下位判断部202と、下位制御部203と、下位通信部204と、下位記憶部205と、を備える。下位取得部201は、回転検出センサの検出結果を取得する。下位判断部202は、制御部103とモータ制御装置32との間の通信の異常の有無等を判断する。下位通信部204は、上位制御装置100の制御部103と、同じ組の回転翼部30に設けられたモータ制御装置32の下位通信部204とに対して通信可能に構成される。下位記憶部205は、モータ制御装置32の処理を実行するためのプログラムや各種閾値を記憶している。
【0069】
図12は、第2実施形態のモータ制御装置32の内部構成を例示する図である。第2実施形態のモータ制御装置32は、第1スイッチSW1の第2端子に接続された第2スイッチSW2と、第1スイッチSW1の第1端子に接続された第3スイッチSW3と、をさらに含む。第2スイッチSW2の第1端子には上位制御装置100からの位置指令が入力され、第2スイッチSW2の第2端子にはその組として関連付けられた回転翼部30の回転位置が入力される。第3スイッチSW3の第1端子には上位制御装置100からの速度指令が入力され、第3スイッチSW3の第2端子には0の値が入力される。
【0070】
図13は、第1~第3スイッチSW1~SW3の真理値表である。本実施形態の第1~第3スイッチSW1~SW3は、図13の真理値表に応じて切り替えらえる。
【0071】
通常の飛行状態且つ回転速度が閾値以上である場合、第1スイッチSW1は第1端子側に設定され、第3スイッチSW3は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には速度指令が入力される。通常の飛行状態且つ回転速度が閾値未満である場合、第1スイッチSW1は第2端子側に設定され、第2スイッチSW2は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には位置指令が入力される。
【0072】
回転翼部30が故障した状態且つ回転速度が閾値以上である場合、第1スイッチSW1は第1端子側に設定され、第3スイッチSW3は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には速度指令が入力される。回転翼部30が故障した状態且つ回転速度が閾値未満である場合、第1スイッチSW1は第2端子側に設定され、第2スイッチSW2は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には位置指令が入力される。
【0073】
通信に異常がある状態且つ回転速度が閾値以上である場合、第1スイッチSW1は第1端子側に設定され、第3スイッチSW3は第2スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には0の値が入力され、通信に異常があるモータ制御装置32に設けられた回転翼部30の回転が停止する。通信に異常がある状態且つ回転速度が閾値未満である場合、第1スイッチSW1は第2端子側に設定され、第2スイッチSW2は第2スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には、通信に異常があるモータ制御装置32に設けられた回転翼部30に関連付けられた回転翼部30の回転位置が入力され、この関連付けられた回転翼部30の回転位置と同じ回転位置となるように通信に異常があるモータ制御装置32に設けられた回転翼部30の回転位置が制御される。
【0074】
eVTOL1が駐機中の状態且つ回転速度が閾値以上である場合、第1スイッチSW1は第1端子側に設定され、第3スイッチSW3は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には速度指令が入力される。eVTOL1が駐機中の状態且つ回転速度が閾値未満である場合、第1スイッチSW1は第2端子側に設定され、第2スイッチSW2は第1スイッチ側に設定される。その結果、ベクトル制御部50には位置指令が入力される。
【0075】
図14は、第2実施形態の上位制御装置100の処理S200を例示するフローチャートである。図14のステップS201、S202、S204、S206は、図4のステップS101~S104と同様であるため、その説明を省略する場合がある。
【0076】
ステップS202で、回転速度が閾値以上である場合(ステップS202のY)、処理S200はステップS203に進む。回転速度が閾値以上ではない場合(ステップS202のN)、処理S200はステップS206に進む。
【0077】
ステップS203で、判断部102は、回転翼部30が故障したか否かを判断する。ここでの回転翼部30の故障は、例えば、電動モータ31の不具合、ブレード35の破損や回転翼部30の回転軸にゴミなどの異物が詰まる等である。判断部102は、モータ制御装置32が回転翼部30の故障を検知した場合にモータ制御装置32から出力される故障信号に基づいて、回転翼部30が故障したと判断する。モータ制御装置32は、例えば、速度指令における速度指令値と回転検出センサ33の検出した回転速度との差分が所定差分以上大きい場合に、回転翼部30の故障を検出する。回転翼部30が故障していない場合(ステップS203のN)、処理S200はステップS204に進む。回転翼部30が故障した場合(ステップS203のY)、処理S200はステップS205に進む。
【0078】
ステップS205で、制御部103は、速度低下指示を含む速度指令を故障した回転翼部30及びこれに関連付けられた回転翼部30のモータ制御装置32に送信する。本実施形態の速度低下指示は、故障した回転翼部30及びこれに関連付けられた回転翼部30の回転を停止させる指示を含む。速度低下指示は、回転翼部30の回転を停止させるものではなく、故障した回転翼部30の回転速度を閾値未満に低下させ、故障した回転翼部30に関連付けられた回転翼部30の回転速度を故障した回転翼部30の回転速度に近づくように制御するものであればよい。
【0079】
図15は、故障が発生した場合の回転翼部30の回転速度を例示する。この例では、各回転翼部30は、故障発生前では閾値以上の回転速度で駆動しているものとする。例えば、第1回転翼部30FRに故障が発生した場合、制御部103は、第1回転翼部30FRに設けられた電動モータ31の回転を停止させて第1回転翼部30FRの回転速度を低下させるとともに、第1回転翼部30FRに関連付けられた第2回転翼部30FLに設けられた電動モータ31の回転を停止させて第2回転翼部30FLの回転速度を低下させる。その結果、第1回転翼部30FR及び第2回転翼部30FLの回転速度が閾値未満になった場合、制御部103は、第1回転翼部30FR及び第2回転翼部30FLがそれぞれ設けられたモータ制御装置32に位置指令を送信して第1回転翼部30FR及び第2回転翼部30FLの回転位置の制御を開始する。本実施形態では、図5に示した同じ回転位置の位置関係となるように第1回転翼部30FR及び第2回転翼部30FLの回転位置が制御される。一方、第1回転翼部30FRと関連付けられていない他の回転翼部30MR、30ML、30RR、30RLは、ユーザコントローラからのユーザ入力に応じて速度制御される。
【0080】
各ステップS204~S206の後、処理S200は終了する。
【0081】
図16は、第2実施形態のモータ制御装置32の処理S300を例示するフローチャートである。この処理S300は、eVTOL1の電源投入時から開始される処理であり、所定の時間間隔毎(例えば、数ミリ秒毎)に繰り返し実行される。
【0082】
ステップS301で、下位取得部201は、回転翼部30の回転速度を取得する。例えば、下位取得部201は、回転検出センサ33から回転速度を取得することができる。
【0083】
ステップS302で、下位判断部202は、上位制御装置100の制御部103とモータ制御装置32との間の通信に異常があるか否かを判断する。例えば、下位判断部202は、上位制御装置100からの速度指令又は位置指令の信号受信強度が所定強度以下である場合に通信に異常があると判断する。通信に異常がある場合(ステップS302のY)、処理S300はステップS304に進む。通信に異常がない場合(ステップS302のN)、処理S300はステップS303に進む。
【0084】
ステップS303で、下位制御部203は、受信した速度指令又は位置指令に応じて、回転翼部30を制御する。
【0085】
ステップS304で、下位判断部202は、取得した回転速度が閾値以上であるか否かを判断する。回転速度が閾値以上である場合(ステップS304のY)、処理S300はステップS305に進む。回転速度が閾値以上ではない場合(ステップS304のN)、処理S300はステップS306に進む。
【0086】
ステップS305で、下位制御部203は、通信に異常があると判断されたモータ制御装置32が設けられた回転翼部30(以下、通信異常回転翼部30という)及び通信異常回転翼部30に関連付けられた回転翼部30(以下、関連回転翼部30という)の回転を停止させる。例えば、下位制御部203は、第3スイッチSW3を第2端子側に設定してベクトル制御部50に0の値を入力させることにより通信異常回転翼部30の回転を停止させるとともに、その関連回転翼部30に設けられたモータ制御装置32に対して第3スイッチSW3を第2端子側に設定させる指示を送信する。
【0087】
ステップS306で、下位制御部203は、通信異常回転翼部30及び関連回転翼部30を同じ回転位置にする。例えば、下位制御部203は、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2をそれぞれ第2端子側に設定してベクトル制御部50に関連回転翼部30の回転位置を入力させることにより、通信異常回転翼部30及び関連回転翼部30を同じ回転位置にして停止させる。なお、関連回転翼部30のモータ制御装置32では、第1スイッチSW1が第2端子側に設定され、第2スイッチSW2が第1端子側に設定されているため、位置指令値に基づいてその回転位置が制御されることになる。
【0088】
各ステップS304~S306の後、処理S300は終了する。
【0089】
ここで、例えば第1回転翼部30FRが故障した場合には、その故障した第1回転翼部30FRとこれに関連付けられた第2回転翼部30FLの回転位置が異なると(例えば図5参照)、飛行中のバランスが取りにくくなり、eVTOL1の飛行が安定しないおそれがある。本実施形態では、制御部103は、回転翼部が故障したと判断された場合、その故障した回転翼部30及びこれに関連付けられた回転翼部30の回転位置を制御する。本構成によると、故障した回転翼部30及びこれに関連付けられた回転翼部30の回転位置を所定の位置関係にすることにより、飛行中のeVTOL1の見栄えを向上できるとともに、故障が生じた場合であってもeVTOL1を安定して飛行させやすくなる。特に、同じ組の回転翼部30同士の所定の位置関係を上面視で同じ回転位置とすることにより、eVTOL1をより安定して飛行させやすくなる。
【0090】
本実施形態では、制御部103は、回転翼部30が故障したと判断された場合、故障した回転翼部30の回転速度を小さくするとともに、故障した回転翼部30に関連付けられた回転翼部30の回転速度が故障した回転翼部30の回転速度に近づくように回転翼部30を制御し、回転翼部30の回転速度が閾値未満である場合に回転翼部30の回転位置を制御する。本構成によると、例えば第1回転翼部30FRが故障して、その故障した第1回転翼部30FRの回転速度を低下させるとともに、バランスを取るためにこれに関連付けられた第2回転翼部30FLの回転速度を低下させる場合に、回転速度が低い状態で回転位置を制御することにより、回転翼部30を滑らかに回転させやすくなるため、見た目が損なわれにくくすることができる。
【0091】
第2実施形態では、下位制御部203は、通信の異常があると判断した場合、上位制御装置100からの指令によらずに、通信異常回転翼部30の回転位置及び関連回転翼部30の回転位置を所定の位置関係にする。本構成によると、上位制御装置100との通信に異常が発生した場合であっても、上位制御装置100からの速度指令又は位置指令がなくても、eVTOL1を安定して飛行させやすくすることができる。
【0092】
第2実施形態では、モータ制御装置32の下位判断部202が回転翼部30の故障を判断したが、これに限定されず、例えば、上位制御装置100が回転翼部30の故障を判断してもよい。
【0093】
第2実施形態では、ステップS304での回転速度が閾値以上であるか否かの判定に応じて、ステップS305及びS306のいずれかの処理が実行されたが、これに限定されない。例えば、ステップS302で通信異常があると判定された場合(ステップS302のY)、回転速度が閾値以上であるか否かにかからわず(すなわち、ステップS304を省略して)、ステップS305の処理が実行されてもよいし、ステップS306の処理が実行されてもよいし、または組の回転翼部を所定の位置関係に位置制御した後に停止させてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。上記した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除などの多くの設計変更が可能である。上記の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容にも設計変更が許容され得る。
【0095】
上記した各実施形態及び変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態及び変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0096】
1 eVTOL、 10 本体、 20 アーム、 30 回転翼部、 31 電動モータ、 32 、モータ制御装置、 33 回転検出センサ、 35 ブレード、 100 上位制御装置、 101 取得部、 102 判断部、 103 制御部、 104 通信部、 105 記憶部、 201 下位取得部、 202 下位判断部、 203 下位制御部、 204 下位通信部、 205 下位記憶部。
図1
図2
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