(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】拡張可能フットプリントインプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
A61F2/44
(21)【出願番号】P 2023097659
(22)【出願日】2023-06-14
【審査請求日】2023-06-14
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン,グレイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ラコラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,ハワード
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-503962(JP,A)
【文献】特表2021-514760(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03818964(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0204371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が水平ランプを有する前方プレート及び後方プレートと、
駆動スリーブと螺合し、前記後方プレートに対して前記前方プレートを移動させるための中央駆動ねじと、
左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリであって、それぞれが垂直ランプを有する上側及び下側端板と、前記後方プレートの前記水平ランプと摺動可能に係合した水平ランプ及び前記上側及び下側端板の前記垂直ランプと摺動可能に係合した垂直ランプを有するアクチュエータと、前記前方プレートの前記水平ランプと摺動可能に係合した水平ランプ及び前記上側及び下側端板の前記垂直ランプと摺動可能に係合した垂直ランプを有する前方ランプと、を含む、左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリと、を備え、
前記
中央駆動ねじの回転
により、前記
左側部分アセンブリから前記右側部分アセンブリへ向かう方向と平行である幅方向に拡張
し、次いで
前記幅方向と直交するとともに、前記前方プレートから前記後方プレートへ向かう方向と直交する高さ方向に拡張
し、
前記駆動スリーブの遠位端が、前記前方プレートを貫通して画定されたボアを通して受容可能な雄ねじ山付き部分を含み、ロックナットが、前記駆動スリーブの前記雄ねじ山付き部分に結合され、それによって、前記駆動スリーブを前記前方プレートに固定し、
前記駆動スリーブが、前記前方プレートの前記ボアにおける一対のキー溝と嵌合するように構成された前記駆動スリーブの外面における一対のキーを含み、それにより、前記駆動スリーブが回転することを防止する、拡張可能な椎間インプラント。
【請求項2】
前記後方プレートが、前記後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含み、前記アクチュエータが、前記後方プレートの前記雌型水平ランプと相互作用するように構成された一対の水平雄型ランプを含む、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項3】
前記後方プレートの前記水平ランプが、各ランプの一端が前記後方プレートの1つの側部から始まり、前記水平ランプが互いに向かいながら前記後方プレートの中心に向かって延びるように、傾斜している、請求項2に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項4】
前記雌型水平ランプのうちの一方が、他方の前記雌型水平ランプよりも大きい深さを有する、請求項2に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項5】
前記前方プレートが、前記前方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含み、前記前方ランプが、前記前方プレートの前記雌型水平ランプと相互作用するように構成された一対の雄型水平ランプを含む、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項6】
前記
雌型水平ランプ
のそれぞれの一端が前記前方プレートの1つの側部から始まり、前記水平ランプが互いに向かいながら前記前方プレートの中心に向かって延びるように、傾斜している、請求項5に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項7】
前記雌型水平ランプのうちの一方が、他方の前記雌型水平ランプよりも大きい深さを有する、請求項5に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項8】
少なくとも1つのランプを有する前方プレート及び少なくとも1つのランプを有する後方プレートと、
駆動スリーブと螺合した中心駆動ねじであって、前記中心駆動ねじが前記後方プレートに保持されかつ前記駆動スリーブが前記前方プレートに保持されている、中心駆動ねじと、
左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリであって、前記左側部分アセンブリ及び前記右側部分アセンブリはそれぞれ、上側端板、下側端板、アクチュエータ及び前方ランプを含み、前記アクチュエータが、前記後方プレートの前記ランプと摺動可能に係合したランプを含み、前記前方ランプが、前記前方プレートの前記ランプと摺動可能に係合したランプを含む、左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリと、を備え、
前記
中心駆動ねじの回転が、前記前方プレートを前記後方プレートに向かって移動させ、前記アクチュエータの前記ランプが、前記後方プレートの前記ランプを横切って摺動し、前記前方ランプの前記ランプが、前記前方プレートの前記ランプを横切って摺動し、それによって
前記左側部分アセンブリから前記右側部分アセンブリへ向かう方向と平行である横方向に拡張
し、
前記駆動スリーブの遠位端が、前記前方プレートを貫通して画定されたボアを通して受容可能な雄ねじ山付き部分を含み、ロックナットが、前記駆動スリーブの前記雄ねじ山付き部分に結合され、それによって、前記駆動スリーブを前記前方プレートに固定し、
前記駆動スリーブが、前記前方プレートの前記ボアにおける一対のキー溝と嵌合するように構成された前記駆動スリーブの外面における一対のキーを含み、それにより、前記駆動スリーブが回転することを防止する、拡張可能な椎間インプラント。
【請求項9】
前記前方プレート及び前記後方プレートの前記ランプが、1つ以上の水平面に沿って整列した水平ランプを含む、請求項8に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項10】
前記後方プレートが、前記後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型ランプを含み、前記アクチュエータが、前記後方プレートの前記雌型ランプと相互作用するように構成された一対の雄型ランプを含む、請求項8に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項11】
前記前方プレートが、前記前方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型ランプを含み、前記前方ランプが、前記前方プレートの前記雌型ランプと相互作用するように構成された一対の雄型ランプを含む、請求項8に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項12】
前記左側部分アセンブリ及び前記右側部分アセンブリが、第1の幅を有する
前記横方向に収縮した構成と、第2の幅を有する
前記横方向に拡張した構成とを有し、前記左側部分アセンブリ及び前記右側部分アセンブリが、第1の高さを有する
、前記横方向と直交するとともに、前記前方プレートから前記後方プレートへ向かう方向と直交する垂直方向に収縮した構成と、第2の高さを有する
前記垂直方向に拡張した構成とを有する、請求項8に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項13】
前記
中心駆動ねじの回転が、前記前方プレートを前記後方プレートに向かって移動させ、それによって、まず前記左側部分アセンブリ及び前記右側部分アセンブリを前記横方向に拡張した構成に移行させ、次いで、前記垂直
方向に拡張した構成に移行させる、請求項12に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項14】
前記駆動スリーブが、雌ねじ山付きのボアを備える管状本体を含み、前記中心駆動ねじが、前記駆動スリーブの前記雌ねじ山付きのボアとの螺合を可能にする雄ねじ山付きシャフトを含む、請求項8に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、椎体間固定を促進するための装置及び方法に関し、より具体的には、固定術プロセスを容易にするために、隣接する椎骨間に挿入されることが可能な拡張可能な固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の要因(例えば、外傷又は加齢)により変性した椎間板に関連する苦痛に対処するための一般的な手順は、1つ以上の隣接する椎体を固定するための椎体間固定装置の使用である。一般的に、隣接する椎体を固定するために、椎間板が、まず部分的又は完全に除去される。次に、椎体間固定装置を隣接する椎骨の間に挿入して、正常な椎間板間隔を維持し、脊椎安定性を回復させ、それによって椎体間固定を容易にする。
【0003】
椎体間固定を達成するための多くの固定装置及び方法が存在する。これらは、ねじ及びロッド配列、固体骨インプラント、及びケージ又はその他のインプラント機構を含む固定装置を含み、ケージ又はその他のインプラント機構は、例えば、骨及び/又は骨成長誘導物質でパックされてもよい。これらの装置は、椎体を互いに固定するために隣接する椎体間に埋め込まれ、関連する苦痛を軽減する。
【0004】
しかしながら、既知の従来の固定装置及び方法に関連する欠点がある。例えば、従来の固定装置を設置するための現在の方法はしばしば、固定装置の埋め込みの前に、疾患のある椎間板空間をその正常又は健康な高さに回復させるために、隣接する椎体が伸延されることを必要とする。固定装置が挿入された後にこの高さを維持するために、固定装置は、通常、初期伸延高さよりも高さが大きくなるように寸法決めされる。この高さの差は、外科医が、伸延された椎間腔に固定装置を設置することを困難にする可能性がある。
【0005】
したがって、最小限の伸延高さ又は伸延高さなしで椎間板腔内に設置することができる固定装置、及び埋め込まれたときに隣接する椎体間の正常な距離を維持することができる固定装置が必要とされている。加えて、沈み込み及び矢状バランスに関する問題にも対処することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
この必要性及びその他の必要性を満たすために、椎体間固定術を実施するための装置、システム、及び方法が提供される。特に、例えば、後方脊椎手術用の拡張可能な椎間インプラントは、様々な患者の症状を治療するために使用され得る。拡張可能なインプラントは、椎間板腔に挿入された後に全体的なフットプリントサイズを増大させる一方で、前弯及び全体的な高さも調節するように構成されている。現場で拡張可能なフットプリント又は表面積は、沈み込みの問題に対処するように構成され、現場で調節可能な前弯は、矢状バランスの問題に対処するように構成されている。
【0007】
一実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、それぞれ水平ランプを有する前方プレート及び後方プレートと、後方プレートに対して前方プレートを移動させるための中央駆動ねじと、左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリとを含む。左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリはそれぞれ、垂直ランプを有する上側端板及び下側端板と、後方プレートの水平ランプと摺動可能に係合した水平ランプ並びに上側端板及び下側端板の垂直ランプと摺動可能に係合した垂直ランプを有するアクチュエータと、前方プレートの水平ランプと摺動可能に係合した水平ランプ並びに上側端板及び下側端板の垂直ランプと摺動可能に係合した垂直ランプを有する前方ランプとを含む。駆動ねじを回転させることによって、インプラントは、幅が拡張し、次いで高さが拡張する。
【0008】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。後方プレートは、後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含んでよく、アクチュエータは、後方プレートの雌型水平ランプと相互作用するように構成された一対の水平雄型ランプを含んでよい。後方プレートの水平ランプが、各ランプの一端が後方プレートの1つの側部から始まり、水平ランプが互いに向かいながら後方プレートの中心に向かって延びるように、傾斜していてよい。雌型水平ランプのうちの一方は、他方の雌型水平ランプよりも大きい深さを有してもよい。前方プレートは、前方プレートの上面及び下面に画定された一対の雌型水平ランプを含んでよく、前方ランプは、前方プレートの雌型水平ランプと相互作用するように構成された一対の雄型水平ランプを含んでよい。前方プレートの水平ランプが、各ランプの一端が前方プレートの1つの側部から始まり、水平ランプが互いに向かいながら前方プレートの中心に向かって延びるように、傾斜していてよい。雌型水平ランプのうちの一方は、他方の雌型水平ランプよりも大きい深さを有してもよい。
【0009】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、前方プレート及び後方プレートと、中央駆動ねじと、左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリとを含む。前方プレートは少なくとも1つのランプを有し、後方プレートは少なくとも1つのランプを有する。中央駆動ねじは、駆動スリーブと螺合している。中央駆動ねじは後方プレートに保持され、駆動スリーブは前方プレートに保持される。左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリはそれぞれ、上側端板と、下側端板と、アクチュエータと、前方ランプとを含む。アクチュエータは、後方プレートのランプと摺動可能に係合したランプを含み、前方ランプは、前方プレートのランプと摺動可能に係合したランプを含む。駆動ねじの回転は、前方プレートを後方プレートに向かって移動させ、アクチュエータのランプは、後方プレートのランプを横切って摺動し、前方ランプのランプは、前方プレートのランプを横切って摺動し、それによって、インプラントの幅を拡張する。
【0010】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。前方プレート及び後方プレートのランプは、1つ以上の水平面に沿って整列した水平ランプを含んでよい。後方プレートは、後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型ランプを含んでよく、アクチュエータは、後方プレートの雌型ランプと相互作用するように構成された一対の雄型ランプを含んでよい。前方プレートは、前方プレートの上面及び下面に画定された一対の雌型ランプを含んでよく、前方ランプは、前方プレートの雌型ランプと相互作用するように構成された一対の雄型ランプを含んでよい。左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリは、第1の幅を有する横方向に収縮した構成と、第2の幅を有する横方向に拡張した構成とを有してもよい。左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリは、第1の高さを有する垂直方向に収縮した構成と、第2の高さを有する垂直方向に拡張した構成とを有してもよい。駆動ねじの回転は、前方プレートを後方プレートに向かって移動させ、それによって、まず左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリを横方向に拡張した構成に移行させ、次いで、垂直に拡張した構成に移行させる。駆動スリーブは、雌ねじ山付きボアを備えた管状本体を含んでよく、中央駆動ねじは、駆動スリーブの雌ねじ山付きボアとの螺合を可能にする雄ねじ山付きシャフトを含んでよい。駆動スリーブの遠位端は、前方プレートを貫通して画定されたボアを通して受容可能な雄ねじ山付き部分を含んでよく、ロックナットは、駆動スリーブのねじ山付き部分に結合されてよく、それによって、駆動スリーブを前方プレートに固定する。駆動スリーブは、前方プレートのボアにおける一対のキー溝と嵌合するように構成された駆動スリーブの外面における一対のキーを含み、それにより、駆動スリーブが回転することを防止する。
【0011】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、それぞれが水平及び垂直ランプを有する前方プレート及び後方プレートと、前方プレート後方プレートに対して移動させるための中央駆動ねじと、拡張可能なアセンブリと、固定アセンブリとを含む。拡張可能アセンブリは、上側端板と、下側端板と、アクチュエータと、前方ランプとを含む。上側及び下側端板は、垂直ランプを含む。アクチュエータは、後方プレートの水平ランプと相互作用する水平ランプと、上側及び下側端板の垂直ランプと相互作用する垂直ランプとを含む。前方ランプは、前方プレートの水平ランプと相互作用する水平ランプと、上側及び下側端板の垂直ランプと相互作用する垂直ランプとを有する。固定アセンブリは、前方プレート及び後方プレートの垂直ランプと相互作用する垂直ランプを有する上側端板及び下側端板を含む。駆動ねじの回転は、前方プレートを後方プレートに向かって移動させ、それによって、拡張可能アセンブリの幅を拡張し、次いで、拡張可能アセンブリ及び固定アセンブリの両方の高さを拡張する。
【0012】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。前方プレート及び後方プレートは、それぞれ、拡張可能アセンブリの単一のアクチュエータ及び前方ランプと係合するために、プレートの上面及び底面に単一の水平ランプのみを含んでよい。前方プレート及び後方プレートはそれぞれ、拡張可能アセンブリのアクチュエータ及び前方ランプの雄型水平ランプとそれぞれ相互作用するように構成された雌型水平ランプを含んでよい。拡張可能なアセンブリの上側端板及び下側端板は、それぞれ、アクチュエータの雄型垂直ランプ及び前方ランプと相互作用するように構成された雌型垂直ランプを画定してよい。
【0013】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、前方プレート及び後方プレートと、駆動スリーブに螺合した中央駆動ねじであって、中央駆動ねじが後方プレートに保持されかつ駆動スリーブが前方プレートに保持されている、中央駆動ねじと、各々が上側及び下側端板、アクチュエータ及び前方ランプを含む左側及び右側部分アセンブリと、左側及び右側部分アセンブリの幅が完全に拡張されるまで上側及び下側端板の高さの拡張を防止するために駆動スリーブの周りに配置された端板クリップとを含む。
【0014】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。駆動ねじが回転させられると、インプラントは幅が拡張し、上側及び下側端板が端板クリップから解放されると、インプラントは高さが拡張する。端板クリップは、上側及び下側端板に係合するように構成された複数のポストを有するリングを含んでよい。リングは、駆動スリーブの周りにぴったりと嵌合するようなサイズ及び寸法にされた中央ボアを画定する完全リングを含んでもよい。ポストは、リングから延び、1つ以上の自由端において終了してよい。インプラントが完全に拡張される前に、ポストの自由端は、端板の側壁を通してボア内に受容可能であり、それによって、高さのいかなる拡張も防止する。幅が完全に拡張されると、端板は、外向きに、かつ相互から離れて移動し、ポストの自由端は、ボアから解放され、それによって、上側及び下側端板が高さを拡張することを可能にする。第1のポストは、2つの対向する自由端がそれぞれ上側端板内に延びるようにリングの上方に位置決めされてもよく、第2のポストは、2つの対向する自由端がそれぞれ下側端板内に延びるようにリングの下方に位置決めされてよい。2つのポストは平行に整列されてもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、少なくとも1つのランプを有する前方プレートと、少なくとも1つのランプを有する後方プレートとを含む。中央駆動ねじは、駆動スリーブと螺合している。中央駆動ねじは後方プレートに保持され、駆動スリーブは前方プレートに保持される。左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリはそれぞれ、上側端板と、下側端板と、アクチュエータと、前方ランプとを含む。アクチュエータは、後方プレートのランプと摺動可能に係合したランプを含み、前方ランプは、前方プレートのランプと摺動可能に係合したランプを含む。端板クリップは、駆動スリーブと上部及び下部端板との間に位置決めされている。駆動ねじの回転は、前方プレートを後方プレートに向かって移動させ、アクチュエータのランプは、後方プレートのランプを横切って摺動し、前方ランプのランプは、前方プレートのランプを横切って摺動し、それによって、インプラントの幅を拡張する。端板クリップは、左側部分アセンブリ及び右側部分アセンブリの幅が完全に拡張されるまで、上側端板及び下側端板の高さの拡張を防止する。
【0016】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。駆動スリーブは、雌ねじ山付きボアを備えた管状本体を含んでよく、中央駆動ねじは、駆動スリーブの雌ねじ山付きボアとの螺合を可能にする雄ねじ山付きシャフトを含んでよい。端板クリップは、駆動スリーブの管状本体上に嵌合されたリングを含んでもよく、複数の外向きに延在するポストが、上側端板及び下側端板に係合するように構成されている。端板クリップは、リングの上部に取り付けられた第1のポストと、リングの底部に取り付けられた第2のポストとを含んでよい。第1のポストは、上側端板に係合するように構成された第1及び第2の自由端において終わってよく、第2のポストは、下側端板に係合するように構成された第3及び第4の自由端において終わってよい。第1及び第2のポストは、それぞれ、上側及び下側端板と水平に整列していてよい。インプラントが完全に拡張される前に、ポストの自由端は、端板の側壁を通してボア内に受容可能であってよく、それによって、高さのいかなる拡張も防止する。
【0017】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、それぞれが水平ランプを有する前方及び後方プレートと、後方プレートに対して前方プレートを移動させるための中央駆動ねじと、上側端板、下側端板、アクチュエータ及び前方ランプを含む拡張可能なアセンブリであって、上側端板及び下側端板が垂直ランプを含み、アクチュエータが、後方プレートの水平ランプと係合する水平ランプ並びに上側端板及び下側端板の垂直ランプと係合する垂直ランプを含み、前方ランプが、前方プレートの水平ランプと係合する水平ランプ並びに上側端板及び下側端板の垂直ランプと係合する垂直ランプを有する、拡張可能なアセンブリと、拡張可能なアセンブリが幅において完全に拡張されるまで、上側端板及び下側端板の高さにおける拡張を防止するために駆動スリーブに取り付けられた端板クリップと、を含む。
【0018】
拡張可能なインプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。端板クリップは、上側及び下側端板の対応するボアに受容可能な1つ以上のポストを含んでもよい。端板クリップは、ポストが上側及び下側端板におけるボアから係合解除されるまで、拡張可能アセンブリの横方向拡張のみを可能にする。第1のポストは、上側端板におけるボア内に受容可能であり、第2のポストは、下側端板におけるボア内に受容可能であり、第1及び第2のポストは、平行に整列させられてもよい。
【0019】
別の実施形態によると、拡張可能なインプラントを組み立てる方法は、あらゆる適切な順序で、(1)2つの構成要素のランプ/摺動特徴を整列させることによって、2つの前方ランプを前方プレート上に配置することと、(2)2つの構成要素のランプ/摺動特徴を整列させることによって、2つのアクチュエータを後方プレート上に配置することと、(3)(a)下側及び上側端板をアクチュエータ上に配置し、前方ランプを下側及び上側端板の両方内に配置し、又は(b)上側端板をアクチュエータ上に配置し、前方ランプを上側端板上に配置し、次いで、全てのランプが互いに係合されることを確実にしながら、下側端板をアクチュエータ及び前方ランプの両方の上に配置することによって、左側及び右側アセンブリの各々を組み立てることと、(4)ねじ山付き駆動スリーブを前方プレートに挿入し、ロックナットで固定することと、(5)端板クリップをねじ山付きスリーブに固定し、端板クリップのポストを端板のボアに係合させることと、(6)摩擦リングを駆動ねじ上に組み付け、駆動ねじを後方プレートに挿入することと、(7)駆動ねじを駆動スリーブにねじ込むことと、(8)ロックリングを用いて駆動ねじを後方プレートに固定することと、を含む。
【0020】
更に別の実施形態によると、キットは、異なるサイズ及び構成の複数のインプラントを含んでもよい。キットは、挿入装置又はドライバ等の、本明細書に説明されるアセンブリを設置及び/又は除去するために適切な1つ以上の装置と、1つ以上の除去装置と、外科手術に適切であり得るその他のツール及び装置とを更に含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本実施形態は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【
図1A】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を示す。
【
図1B】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を示す。
【
図1C】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を示す。
【
図3】一実施形態による、駆動シャフトを後方プレートに固定するために拡張可能なインプラントの駆動シャフト上に位置決め可能な保持リングの分解図を示す。
【
図4】一実施形態による、前方プレートに挿入可能であり、ロックナットによって保持されるように構成された駆動スリーブの分解図を示す。
【
図5】一実施形態による、駆動ねじに取り付けられた後方プレートと、前方プレートに取り付けられた駆動スリーブと、拡張可能なインプラントの駆動スリーブに螺合された駆動ねじとを示す。
【
図6】アクチュエータ及び前方ランプ上に組み付けられた上側端板と、組み立て中にアクチュエータ及び前方ランプ上に配置されるように構成された下側端板とを示す。
【
図7】一実施形態による、アクチュエータ及び前方ランプと係合した上側及び下側端板のランプの断面図を示す。
【
図8】一実施形態による側部アセンブリのアクチュエータを示す。
【
図9】一実施形態による側部アセンブリの前方ランプを示す。
【
図10A】それぞれ、収縮位置における、及び幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合したアクチュエータを示し、一実施形態によるアクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を示す。
【
図10B】それぞれ、収縮位置における、及び幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合したアクチュエータを示し、一実施形態によるアクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を示す。
【
図10C】それぞれ、収縮位置における、及び幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合したアクチュエータを示し、一実施形態によるアクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を示す。
【
図11A】それぞれ、収縮位置における、及び幅が拡張された、前方プレートと摺動可能に係合した前方ランプを示す。
【
図11B】それぞれ、収縮位置における、及び幅が拡張された、前方プレートと摺動可能に係合した前方ランプを示す。
【
図12】一実施形態による、側部アセンブリが幅において完全に拡張されるまで高さにおいて拡張することを防止するように構成される、駆動スリーブの周囲に位置決めされた端板クリップを示す(端板の第2のセットは、明確にするために省略されている)。
【
図13A】それぞれ、端板に係合した、及び端板から係合解除された、端板クリップを示す(端板の第2のセット及び駆動スリーブは、明確にするために省略されている)。
【
図13B】それぞれ、端板に係合した、及び端板から係合解除された、端板クリップを示す(端板の第2のセット及び駆動スリーブは、明確にするために省略されている)。
【
図13C】それぞれ、端板に係合した、及び端板から係合解除された、端板クリップを示す(端板の第2のセット及び駆動スリーブは、明確にするために省略されている)。
【
図13D】それぞれ、端板に係合した、及び端板から係合解除された、端板クリップを示す(端板の第2のセット及び駆動スリーブは、明確にするために省略されている)。
【
図14】一実施形態による、幅及び高さが拡張されたアセンブリの背面図である。
【
図15A】それぞれ、完全に収縮した位置における、幅が完全に拡張された、並びに幅及び高さが完全に拡張された、インプラントを示す(端板、アクチュエータ、及び前方ランプの1つのセットを含む一方の側部アセンブリは、明確にするために省略されている)。
【
図15B】それぞれ、完全に収縮した位置における、幅が完全に拡張された、並びに幅及び高さが完全に拡張された、インプラントを示す(端板、アクチュエータ、及び前方ランプの1つのセットを含む一方の側部アセンブリは、明確にするために省略されている)。
【
図15C】それぞれ、完全に収縮した位置における、幅が完全に拡張された、並びに幅及び高さが完全に拡張された、インプラントを示す(端板、アクチュエータ、及び前方ランプの1つのセットを含む一方の側部アセンブリは、明確にするために省略されている)。
【
図16A】一実施形態による、それぞれ、収縮した位置における、一方の側の幅が拡張された、及び両方の側部の高さが拡張された、拡張可能なインプラントを示す。
【
図16B】一実施形態による、それぞれ、収縮した位置における、一方の側の幅が拡張された、及び両方の側部の高さが拡張された、拡張可能なインプラントを示す。
【
図16C】一実施形態による、それぞれ、収縮した位置における、一方の側の幅が拡張された、及び両方の側部の高さが拡張された、拡張可能なインプラントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、概して、椎体間固定のための装置、システム、及び方法に関する。特に、拡張可能なインプラントは、椎間板腔に挿入された後に全体的なフットプリントサイズを増大させる一方で、前弯及び全体的な高さも調節するように構成されている。拡張可能なインプラントは、幅及び高さが拡張するように構成された1つ以上の側部アセンブリを含んでもよい。そうすることで、拡張は、矢状バランス補正及び沈み込み問題に対処する。
【0023】
脊椎固定は、典型的には、変性した椎間板物質の運動によって引き起こされる苦痛を排除するために使用される。固定が成功すると、固定装置は椎間板腔内に永久的に固定される。拡張可能な固定装置は、収縮位置において、隣接する椎体の間に位置決めされてよい。拡張可能な固定装置は、幅が拡張し、続いて高さが拡張するように構成されている。固定装置は、隣接する椎体の端板に係合し、設置位置において、所望の椎間板腔を維持し、脊椎の安定を回復し、それによって、椎体間固定を容易にする。
【0024】
低侵襲手術(MIS)は、必要なところでのみ破壊を引き起こすことによって筋肉の解剖学的構造を保存するために使用され得る。MIS外科的アプローチの利点は、術後の苦痛を低減し、患者の回復時間を改善することができることである。一実施形態において、拡張可能固定装置は、内視鏡チューブを通じて外科手術標的部位内に配置されるように構成することができる。例として、手術部位は、2つの隣接する椎骨の間に位置する椎間板腔であってもよい。経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)での使用に特に適しているが、インプラントは、腰椎、頚椎、又は胸椎への前方、後方、側方、前側方、又は後外側アプローチ、並びに骨折などの治療などの任意の非脊椎適用を含むがこれらに限定されない、あらゆる数の適切な整形外科的アプローチ及び手技で使用され得ることが、当業者によって容易に認められるであろう。
【0025】
本明細書に開示される全ての装置の構成要素は、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼、コバルト-クロム、及びチタン合金)、セラミック、プラスチック、プラスチック複合材、又はポリマー材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール、又はそれらの混合物若しくはコポリマー)、及び/又はそれらの組み合わせを含む、あらゆる適切な材料から製造され得る。いくつかの実施形態では、装置は、放射線透過性及び/又は放射線不透過性材料を含んでもよい。構成要素はまた、あらゆる適切な技術(例えば、3Dプリンティング)を使用して機械加工及び/又は製造することができる。
【0026】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は同様の要素を指し、
図1A~
図1Cは、一実施形態による拡張可能な固定装置又はインプラント10を示す。拡張可能な固定装置10は、幅が拡大して装置10の全体的なフットプリントを増大させ、かつ高さが拡張して椎間板の高さの回復、前弯、及び/又は矢状バランスを矯正するように構成された左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14を含んでもよい。インプラント10は、後方アプローチ又はその他の適切な外科的手技による経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)のために適切であり得る。
【0027】
拡張可能な固定装置10は、装置10の前端と後端との間に中心長手方向軸Aに沿って延びている。
図1Aは、左側部分12及び右側部分14が幅及び高さの両方において収縮させられた、完全に収縮させられた構成の拡張可能な固定装置10を示す。
図1Bは、左側部分12及び右側部分14の幅が拡張させられた、拡張構成の拡張可能な固定装置10を示す。
図1Cは、左側部分12及び右側部分14の幅及び高さが拡張された、完全に拡張させられた構成の拡張可能な固定装置を示す。前端及び後端並びに左側部分12及び右側部分14への言及は、拡張可能な固定装置10の前部が最初に椎間板腔内に配置され、続いて拡張可能な固定装置10の後部が配置される、椎間板腔内への配置の方向に関して記載されることを理解されたい。これら及びその他の方向を示す用語は、説明のために本明細書で使用される場合があり、装置が使用され得る向きを限定するものではない。
【0028】
図2の分解図を強調すると、インプラント10の第1の半分すなわち左側部分12及び第2の半分すなわち右側部分14の動きは、前方遠位プレート20及び後方近位プレート22に取り付けられた中央駆動ねじ16によって制御可能である。駆動ねじ16は、遠位プレート20を近位プレート22に向かって引っ張り、水平ランプ又はスライド56,70,90,104を介して左側部分12及び右側部分14を外向きに押し付ける。
【0029】
中央駆動ねじ16は、中央駆動スリーブ18内に配置されており、中央駆動スリーブ18と螺合される。中心駆動ねじ16及び中心駆動スリーブ18は、装置10の中心長手方向軸線Aに沿って位置決めされていてよい。中央駆動スリーブ18は前方遠位ブロック又はプレート20に取り付けられ、中央駆動ねじ16は後方近位ブロック又はプレート22に取り付けられる。例えば、中央駆動スリーブ18は、ロックナット34を用いて前方遠位プレート20に取り付けられてもよく、中央駆動ねじ16は、ロックリング又は保持リング36を用いて後方近位プレート22内に保持されてもよい。駆動ねじ16は、前方遠位プレート20を後方近位プレート22に向かって引っ張るように構成されており、それによって、左側部分12及び右側部分14を、嵌合する水平ランプ56,70,90,104を介して、それぞれ前方プレート20及び後方プレート22、アクチュエータ28、並びに前方ランプ30に沿って外向きに、かつ互いから離れるように押し付ける。
【0030】
左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14の幅が完全に拡張されると、遠位プレート20は、左側部分12及び右側部分14の垂直方向の拡張を可能にするように移動し続け、それによって装置10の高さを増加させてよい。例えば、左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14はそれぞれ、上側端板24及び下側端板26と、アクチュエータ28と、前方ランプ30とを含んでよい。両方の前方ランプ30は、中央駆動ねじ16が回転させられるときに作動される。駆動ねじ16を回転させると、前方ランプ30がアクチュエータ28に向かって引っ張られ、次いで、端板24,26、アクチュエータ28、及び前方ランプ30のそれぞれの間の嵌合垂直ランプ80,92,102を介して、上側及び下側端板24,26を拡張させる。
【0031】
図3において最も見やすいように、駆動ねじ16は、近位端40から遠位端42まで延びている。近位端40は、後方近位プレート22を貫通して画定されたボア44内に受容されるように構成された拡大ヘッド部分を含んでもよい。後方プレート22におけるボア44は、例えば、挿入器具への剛性接続を可能にする、後方プレート22への螺合接続を提供するように雌ねじ山が設けられてもよい。駆動ねじ22の近位端40は、駆動ねじ16を回転又は作動させるために、ドライバなどの器具を受け入れるように構成された器具凹部48を画定してよい。器具凹部48は、駆動ねじ16にトルクを加えるためにドライバ器具と係合するように構成された三葉、六角形、星形、又はその他の適切な凹部を含むことができる。駆動ねじ16は、その長さに沿って延びる雄ねじ山部分46を有するシャフトを含んでよい。駆動ねじ16は、駆動ねじ16の拡大近位ヘッド部分40が後方プレート22内に受容可能であるように、後部プレート22におけるボア44を通して受容可能である。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)リング等の選択的な摩擦リング38が、回転中に駆動ねじ16上の摩擦又は抗力を増大させるように、例えば、拡大ヘッドの下側で、駆動ねじ16上に組み付けられてもよい。
【0032】
中央駆動ねじ16は、保持リング36を用いて後方近位プレート22内に保持されてよい。例えば、保持リング36は、複数の内歯50又は様々なレリーフを有するスプリットリングを含み、これにより、保持リング36が圧縮されて後方プレート22のボア44に入り、プレート22の内部溝に係合することができる。保持リング36は、例えば、保持リング36の挿入及び除去を補助するために器具と係合される2つのスロットを含んでもよい。保持リング36が駆動ねじ16の周りに、かつ後方プレート22のボア44内に配置されるとき、歯50は、中心駆動ねじ16と係合するように構成されており、それによって、ねじ16をプレート22内の所定の位置にロックする。
【0033】
後方プレート22は、挿入器具などの器具によって係合されるように構成された1つ以上の器具スロット52を含むことができる。例えば、後方プレート22の上面及び底面はそれぞれ、一対の器具スロット52を含んでもよい。後方プレート22はまた、移植片送達装置を受容するように構成された、1つ以上の側面凹部54を画定してもよい。例えば、後方プレート22の両側は、幅及び/又は高さが完全に拡張されると、移植片送達装置がインプラント10の中心部分に進入することを可能にするように構成された、2つの対向する半円形凹部54を含んでもよい。椎体間固定を更に促進及び容易にするために、骨移植片又は同様の骨成長誘導材料を固定装置10の内部及び/又は周囲に導入することができる。
【0034】
後方プレート22は、左側部分12及び右側部分14のアクチュエータ28上の対応するランプ90と相互作用するように構成された1つ以上のランプ56を含む。例えば、後方プレート22の遠位端の近くで、後方プレート22は、後方プレート22の上面及び底面のそれぞれに画定された一対のランプ56を含んでよい。ランプ56は、1つ以上の水平面に沿って整列させられた水平ランプであってもよい。例えば、一対のランプ56のうちの1つは、1つの所与の水平面に沿って、別の所与の水平面に沿った他のランプ56に対してより低く又はより高く位置決めされてよい。換言すれば、各ランプ56は、一方のランプ56が他方のランプ56よりも大きい深さを有するように、その長さに沿って一定の深さを有する。水平ランプ56は、ランプ56の一端が後方プレート22の1つの側において開始し、ランプ56が互いに向かって進みながら後方プレート22の中心後部に向かって延びるように、角度付けられ、対角であり、又は傾斜させられてよい。水平ランプ56は、アクチュエータ28の嵌合雄対応物90を受容するように構成される雌チャネル又は溝を画定してもよい。しかしながら、雌型/雄型構成は、反転されてもよいか、又は左側部分12及び右側部分14の横方向拡張を提供するためにその他の適切なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含んでもよいことが認められるであろう。
【0035】
図5において最も見やすいように、駆動ねじ16のねじ山付きシャフト46は、駆動スリーブ18の本体を通して受容可能であってよい。駆動スリーブ18は、駆動ねじ16のねじ山付きシャフト46との螺合を可能にするように雌ねじ山が設けられた内側ボア60を有する管状本体を有してよい。駆動ねじ16が駆動スリーブ18内にねじ込まれるとき、駆動ねじ16の作動は、前方プレート20を押すか又は引くように構成されている。前方プレート20が後方プレート22に向かって引っ張られると、インプラント10は、幅が拡張し、次いで、完全に組み立てられると高さが拡張する。
【0036】
駆動スリーブ18は、その遠位端に雄ねじ山部分62を有することができる。遠位ねじ山付き部分62は、前方遠位プレート20を通して画定される開口部64に嵌合してもよい。駆動スリーブ18は、前方プレート20のボア64を通して位置決めされた後、ロックナット34によって前方遠位プレート20に固定されてよい。ロックナット34は、雌ねじ山を画定する中央ボアを有するリングを含んでよい。駆動スリーブ18は、雌ねじ山付きロックナット34を駆動スリーブ18の遠位ねじ山付き部分62に結合することによって、前方遠位プレート20に固定されてよい。ロックナット34の外面は、ロックナット34を回転させるための器具と係合するための1つ以上の器具凹部を含んでもよい。
【0037】
図4を強調すると、駆動スリーブ18は、前方プレート20に対する駆動スリーブ18の配向を確実にするように構成された1つ以上のキーイング部分66を用いて、前方プレート20を通る開口部64にキーイングされてよい。例えば、キーイング部分66は、開口部64を通る対応するキー溝と嵌合するように構成されたスリーブ18の外面上の一対の対向するウィングを含んでよい。ウィング66は、スリーブ18の上部と下部との間に延びてもよく、それらの間に中央垂直開口部を有してもよい。ウィング66は、平面、曲面、又は対応する開口部64と嵌合するように構成されたその他の適切な表面を含むことができる。スリーブ18を前方プレート20と整列させるために、あらゆる適切な数、タイプ、又は構成のキーイング部分66が選択されてよいことが認められるであろう。例えば、キーイング部分66は、所望の向きを確実にするために、ダブテールインターフェース、フィンガジョイント、ピン、又はその他の適切なキーイング特徴を含んでよい。キーイング部分66及び開口部64は、スリーブ18が回転しないようにロックするように整列させられる。駆動ねじ16が回転又は作動させられるとき、駆動スリーブ18及び取り付けられた前方プレート20は、後方プレート22に向かって引っ張られ、それによって、装置10の拡張を提供する。
【0038】
前方プレート20は、左側部分12及び右側部分14の前方ランプ30上の対応するランプ104と相互作用するように構成された1つ以上のランプ70を含む。ランプ56と同様に、ランプ70は、前方ランプ30の嵌合雄型対応物104を受容するように構成された雌型チャネル又は溝を画定する水平ランプを含んでもよい。しかしながら、雌型/雄型構成は、反転されてもよいか、又は左側部分12及び右側部分14の横方向拡張を提供するためにその他の適切なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含んでもよいことが認められるであろう。一実施形態では、前方プレート20は、前方プレート20の上部に画定された第1の対の水平ランプ70と、前方プレート20の底部に画定された第2の対の水平ランプ70とを含んでよい。ランプ70の各々は、別個の水平面に沿って整列させられてもよい。このようにして、各ランプ70は、雌型水平ランプのうちの一方が他方の雌型水平ランプよりも大きい深さを有するように、その長さに沿って一定の深さを有する。例えば、前方プレート20の上部に沿って画定された第1のランプ70は、前方プレート20の上部に沿って画定された他方のランプ70に対してより低い又はより高い1つの所与の水平面に沿って位置決めされてもよい。水平ランプ70は、各ランプ70の一端が前方プレート20の1つの側において始まり、ランプ70が互いに向かって進みながら、駆動スリーブ18に向かう方向で中心に延びるように、角度付けられ、対角であり、又は傾斜させられてよい。
【0039】
図6及び
図7を強調すると、左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14はそれぞれ、拡張可能な固定装置10の垂直高さを増大させるために互いから離れるように拡張するように構成された上側端板24及び下側端板26を含んでもよい。上側及び下側端板24,26は、互いに同じ又は鏡像であってもよい。上側端板24を参照して説明されているが、本明細書の説明は、下側端板26にも同様に適用される。上側端板24は、椎間板腔内に埋め込まれたときに隣接する椎体の椎体終板と相互作用するように構成された上側又は外側に面する表面74を含む。外面74は、複数の歯、隆起部、粗面、竜骨、把持又は握持突起、又は椎間板腔内に装置10を保持するように構成された他の摩擦増大要素を含むことができる。例えば、端板24,26は、骨の成長を促進するために自然な粗面を提供するために積層造形を使用して3Dプリンティングされてもよいか、又は粗面を得るために機械加工及びブラストされてもよい。
【0040】
上側端板24は、アクチュエータ28及び前方ランプ30上の対応するランプ92と相互作用するように構成された1つ以上のランプ80を画定する、下側又は内側対向面76及び1つ以上の側壁78を含む。例えば、上側端板24は、端板24の内側側壁78に沿って少なくとも3つのランプ80を画定してよい。ランプ80は、1つ以上の垂直面に沿って整列させられた垂直ランプであってもよい。一実施形態では、3つ全ての垂直ランプ80が同じ平面に沿って整列させられてもよい。垂直ランプ80は、垂直に配向されているが、端板24,26の垂直高さを増大するように、角度付けられ、対角であり、又は傾斜させられてもよい。一実施形態では、アクチュエータ28と相互作用する2つの垂直ランプ80は、一方向に角度付けられてもよく、前方ランプ30と相互作用する第3の垂直ランプ80は、反対方向に角度付けられてもよい。例えば、前方ランプ30の近くの最も遠位の垂直ランプ80は、側壁78に沿って内面76から外面74に向かって延びるにつれて前方ランプ30に向かって向くように傾斜していてもよい。同様に、アクチュエータ28の近くの最も近位の垂直ランプ80、及び中央に配置された垂直ランプ80は、側壁78に沿って内面76から外面74に向かって延びるにつれてアクチュエータ28の方を向くように傾斜していてもよい。最も近位の垂直ランプ80及び中央垂直ランプ80は、同じ傾斜度で平行に整列させられてもよい。垂直ランプ80は、アクチュエータ28及び前方ランプ30の嵌合雄型対応物92,102を受け入れるように構成された雌型チャネル又は溝を画定してよい。雌型/雄型構成は、反転されてもよく、又は左側部分12及び右側部分14の垂直方向拡張を提供するためにその他の適切なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含んでよいことが認められるであろう。
【0041】
1つ以上の開口部82は、端板24の本体を通って垂直に延びていてよい。
図1Aに示されるように、収縮した位置では、アクチュエータ28の部分92は、開口部82を通して受容されてもよい。同様に、
図1Bに示されるように、幅が拡張されると、アクチュエータ28のランプ92は、端板24,26内の開口部82を通して受容可能である。
図1Cに示されるように、垂直に拡張された位置において、開口部82は、開いており、骨移植片又はその他の適切な骨形成材料を受容するために自由であってよい。1つ以上の開口部又は孔84は、端板72,74の側壁78を通って水平に延びていてもよい。貫通孔84は、水平方向拡張が完了するまで垂直方向拡張を防止するために端板クリップ32を受容するように構成されている。
【0042】
左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14は、それぞれ左側部分12及び右側部分14の上側端板24と下側端板26との間に位置決めされた第1及び第2のアクチュエータ28を含んでよい。
図8において最も見えやすいように、アクチュエータ28は、近位端86から遠位端88まで中心軸A1に沿って延びる本体を含んでもよい。中心軸A1は、中心長手方向軸Aとほぼ平行であってもよい。近位端86は、後方プレート22の水平ランプ56と係合するように構成された1つ以上の水平ランプ90を画定してもよい。アクチュエータ28は、互いに向かって内向きに向いた一対の上側及び下側水平ランプ90を画定してよい。水平ランプ90は、後方プレート22のランプ56に対して相補的な形式で、角度付けられ、対角である、又は傾斜した表面を有してよい。特に、水平ランプ90は、後方プレート22の雌型対応部分56に入るように構成された雄型突出部を画定してよい。
【0043】
アクチュエータ28は、端板24,26と係合するように構成された複数のランプ92を含む。アクチュエータ28は、端板24,26の垂直ランプ80と係合するように構成された複数の垂直ランプ92を画定してよい。アクチュエータ28は、近位端86に向かって上向きに、又は遠位端88に向かって下向きに向く第1の対の垂直ランプ92と、遠位端88に向かって上向きに、又はアクチュエータ28の近位端86に向かって下向きに向く第2の対の垂直ランプ92とを画定してもよい。垂直ランプ92は、端板24,26のランプ80に対して相補的な形式で、角度付けられ、対角である、又は傾斜した表面を有してもよい。特に、垂直ランプ92は、端板24,26の雌型対応物部分80に入るように構成された雄型突出部を画定してよい。
【0044】
図9に示すように、左側部分12及び右側部分14はそれぞれ、上側端板24及び下側端板26の遠位端又は前端を拡張させるように構成された前方ランプ30を含んでよい。前方ランプ30は、近位端94から遠位端96まで延びる本体を含んでよい。近位端94は、端板24,26の垂直ランプ80と係合するように構成された1つ以上の垂直ランプ102を画定してもよい。前方ランプ30は、近位端94に向かって下向きの第1の垂直ランプ102と、前方ランプ30の近位端94に向かって上向きの第2の垂直ランプ102とを画定してよい。垂直ランプ102は、端板24,26のランプ80に対して相補的な形式で、角度付けられた、対角である、又は傾斜した表面を有してもよい。特に、垂直ランプ102は、端板24,26の雌型対応部分80に入るように構成された雄型突出部を画定してよい。
【0045】
前方ランプ30の遠位端96は、前方プレート20の水平ランプ70と係合するように構成された1つ以上の水平ランプ104を画定してよい。前方ランプ30は、間隙によって分離され、かつ互いに向かって内向きに向いている一対の上側及び底側水平ランプ104を画定してよい。水平ランプ104は、後方プレート20のランプ70に対して相補的な形式で、角度付けられ、対角である、又は傾斜した表面を有してよい。特に、水平ランプ104は、前方プレート20の雌型対応部分70に入るように構成された雄型突出部を画定してよい。
【0046】
図10A~10Cは、それぞれ収縮した位置及び拡張した位置にある後方プレート22と摺動可能に係合したアクチュエータ28を示す。アクチュエータ29は、拡張を制御するキーイング特徴を整列させることによって後方プレート22上を摺動する。
図10Aにおいて、アクチュエータ28は、後方プレート22と係合させられ、互いに収縮させられている。他方のアクチュエータ28を受け入れるようなサイズ及び寸法にされた一方のアクチュエータ28の上部の凹面106は、アクチュエータ28が互いに嵌合することを可能にし、それによって、挿入のための小さなフットプリントを提供する。相補的な嵌合を提供するために、対応する凹面106が反対側のアクチュエータ28の底部に設けられてもよいことが認められるであろう。
図10Cにおいて最も見やすいように、隣接するアクチュエータ28のこの嵌合構成を更に容易にするために、一方の水平ランプ56は別の水平ランプ56よりも深く位置決めされている。アクチュエータ28の水平ランプ90は、後方プレート22の水平ランプ56と摺動可能に相互作用し、それによって、左側及び右側アセンブリ12,14の横方向移動を可能にする。アクチュエータ28は、幅を拡大しながら平行移動の量を制限する、嵌合後方プレート22と係合する特徴を有してもよい。幅が横方向に拡張されると、アクチュエータ28は、外向きに摺動し、互いから離れ、それによって、インプラント10の幅を増大させる。
図10Bは、幅が完全に拡張したアクチュエータ28を示す。
【0047】
前方ランプ30及び前方プレート20は、アクチュエータ28及び後方プレート22と同様の摺動相互作用を利用する。
図11A~11Bは、それぞれ収縮した位置及び拡張した位置にある前方プレート20と摺動可能に係合した前方ランプ30を示す。前方ランプ30は、拡張を制御するキーイング特徴を整列させることによって前方プレート20上を摺動する。
図11Aにおいて、前方ランプ30は、前方プレート20と係合しており、互いに収縮させられている。他方の前方ランプ30を受け入れるようなサイズ及び寸法にされた一方の前方ランプ30の上部の凹面108は、前方ランプ30が互いに嵌合することを可能にし、それによって、挿入のための小さなフットプリントを提供する。相補的な嵌合を提供するために、対応する凹面108が反対側の前方ランプ30の底部に設けられてもよいことが認められるであろう。後方ランプ22と同様に、一方の水平ランプ70は、前方ランプ30のこの嵌合構成を更に容易にするために、他方の水平ランプ70よりも大きい深さに位置決めされてもよい。前方ランプ20の水平ランプ104は、前方プレート20の水平ランプ70と摺動可能に相互作用する。前方ランプ20は、幅を拡大しながら平行移動の量を制限する、嵌合前方プレート20と係合する特徴を有してもよい。
図11Bでは、アクチュエータ28は幅が完全に拡張している。幅が拡張されると、前方ランプ20は、外向きに摺動し、互いから離れ、それによって、インプラント10の全幅を増大させる。
【0048】
次に
図12及び
図13A~
図13Dを参照すると、インプラントアセンブリ10は、全幅拡張が達成されるまで、アセンブリが高さ方向に拡張しないようにする端板クリップ32を含むことができる。アセンブリが完全に収縮すると、端板クリップ32は端板24,26の全てに係合する。アセンブリの幅が完全に拡張すると、端板クリップ32は、もはや端板24,26と係合せず、アセンブリ10の高さも拡張することを可能にする。
【0049】
図12において最も見やすいように、端板クリップ32は、駆動スリーブ18上に嵌合するように構成されたリング112と、上側及び下側端板24,26に係合するように構成された複数のポスト114とを含んでよい。リング112は、駆動スリーブ18の管状本体の周囲にぴったりと嵌合するようなサイズ及び寸法にされた中央ボアを画定する完全リングを含んでもよい。ポスト114は、リング112から延び、1つ以上の自由端116において終了している。例えば、第1のポスト114は、2つの対向する自由端116がそれぞれ左右の上側端板24内に延びるようにリング112の上方に位置決めされてもよく、第2のポスト114は、2つの対向する自由端116がそれぞれ左右の下側端板26内に延びるようにリング112の下方に位置決めされてよい。2つのポスト114は、平行に、例えば、上側及び下側端板24,26と一列になるように水平に整列させられてよい。代替として、4つの別個のポスト114が、リング112から延び、それぞれの端板24,26内にそれぞれ受容可能な自由端116において終了していてよい。リング112は、駆動スリーブ18への別の適切な取付機構と置換されてもよく、あらゆる適切な数及び構成のポスト114又は端板クリップ32のためのその他の構成が、幅が完全に拡張されるまで端板24,26を固定するために使用されてもよいことが認められるであろう。
【0050】
図13A及び
図13Cは、左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の幅が完全に拡張される前の、端板クリップ32及び端板24,26の1つのセット(端板の反対側のセットは明確にするために省略されている)を示す。収縮した構成において、又は完全に拡張される前に、ポスト114の端部116は、端板24,26の側壁78を通してボア84内に受容される。ポスト114がボア84内に配置されると、端板24,26は高さ方向に拡張することができない。
図13B及び
図13Dは、端板24,26から係合解除された端板クリップ32を示す。いったん幅が完全に拡張されると、端板24,26は、外向きに、かつ相互から離れて移動し、ポスト114の端部116は、ボア84から解放される。次いで、端板24,26は、高さが自由に拡張する。
図14は、幅及び高さが完全に拡張された、組み立てられたインプラント10の背面図を示す。後方プレート22は、凹部54を画定し、アクチュエータ28は、インプラント10の中央部分への進入を可能にし、幅が完全に拡張されると、インプラント10の中への移植片材料の送達を可能にする。
【0051】
図15A~
図15Cは、右側アセンブリ14(端板24,26、アクチュエータ28、及び前方ランプ30の1つのセットであり、明確にするために隠れている)を有するインプラント10を示す。
図15Aでは、インプラント10は完全に収縮しており、例えば後方アプローチによって椎間板腔に挿入されてもよい。インプラント10は、例えば、複数構成要素の器具に取り付けられてもよく、駆動器具が、適合する駆動特徴を有する駆動ねじ16における凹部48に係合するために使用されてよい。駆動ねじ16が回転させられると、ねじ16は、ねじスリーブ18、取り付けられた前方プレート20、及び取り付けられた前方ランプ30を近位に引っ張り、平行移動させる。そうするとき、それは前方ランプ30を外側に並進させ、幅を拡張する。全幅拡張が生じるまで端板クリップ32が端板24,26を定位置に保持するので、高さ拡張はまだ生じない。
図15Bは、幅が完全に拡張されたインプラント10を示す。いったん前方ランプ30が外向きに並進させられ、全幅拡張が生じると、前方ランプ30は、ねじスリーブ18及び取り付けられた前方プレート20と共に近位に並進し続け、それによって、アクチュエータ28のランプ特徴80,92,102、前方ランプ30、及び端板24,26を押して、端板24,26をそれぞれ上方及び下方に並進させる。
図15Cは、幅及び高さが完全に拡張されたインプラント10を示す。左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の拡張高さの量は、同じであっても異なっていてもよい。このようにして、インプラント10は、全体的な安定性を助けるために増大したフットプリントのために幅が拡張され、インプラント20は、正確な患者適合のために前弯及び高さが調整される。
【0052】
一実施形態では、インプラント10は以下のように組み立てられてもよい。2つの前方ランプ30は、ランプ/摺動機構70,104を整列させることによって、前方プレート20上に配置される。2つのアクチュエータ28は、ランプ/摺動特徴部56,90を整列させることによって後方プレート22上に配置される。左側12及び右側14は、それぞれ以下のように組み立てられる。下側端板26はアクチュエータ28上に配置される。上側端板24はアクチュエータ28上に配置される。前方ランプ30は、下側及び上側端板24,26の両方の中に配置される。代替的に、上側端板24がアクチュエータ上に配置され、前夫ランプ20が上側端板24上に配置される。次に、全てのランプ80,92,102が互いに係合することを確実にしながら、下側端板26がアクチュエータ28及び前方ランプ20の両方の上に配置される。次に、ねじ付きスリーブ18を前方プレート20に挿入し、ロックナット34で固定する。端板クリップ32は、4つのポスト114を端板24,26のボア84内に係合させるように、ねじ付きスリーブ18上に摺動させられる。PEEKリング38は、駆動ねじ16上に組み立てられ、次いで、駆動ねじ16は、後方プレート22を通して挿入され、駆動スリーブ18内にねじ込まれ、ロックリング36によって保持される。
【0053】
ここで
図16A~16Cを参照すると、拡張可能な固定装置又はインプラント210は、側部アセンブリ212の一方のみが幅を拡張するように構成され、他方214が静止したままであることを除いて、インプラント10と同様である。インプラント210は、幅が拡張するように移動可能である第1の半分又は左側部分212と、幅が拡張しない第2の半分又は右側部分214とを含む。左右の側部212,214は、いずれも高さ方向に拡張する。側部212は可動であり、側部214は静止しているように示されているが、この構成は逆であってもよいことが認められるであろう。
【0054】
左アセンブリ212及び右アセンブリ214は、駆動スリーブ218に取り付けられた中央駆動ねじ216、前方遠位プレート220、及び後方近位プレート222によって制御可能である。駆動ねじ216は、遠位プレート220を近位プレート222に向かって引っ張り、ランプ/スライド機構256,270,290,304を使用して、一方の側部212のみを外向きに押す。インプラント10と同様に、後方プレート222は、アクチュエータ228上の雄型水平ランプ290と摺動可能に係合する雌型水平ランプ256を含み、前方プレート220は、前方ランプ230上の雄型水平ランプ304と摺動可能に係合した雌型水平ランプ270を含む。この実施形態では、前方プレート220及び後方プレート222は、単一のアクチュエータ228及び前方ランプ230とそれぞれ係合するために、プレート220,222の上面及び底面のそれぞれに単一の水平ランプ256,270のみを含む。
【0055】
単一の側部212の幅が完全に拡張させられると、駆動ねじ216が回転されるにつれて、前方遠位プレート220は、近位プレート222に向かって移動し続ける。インプラント210は、可動側212のみに係合するポストを有する、端板クリップ32と同様の端板クリップを含んでもよい。インプラント10と同様に、外向きに拡張する単一の側部212は、上側及び下側端板224,224と、アクチュエータ228と、内部垂直ランプを介して高さが拡張するように構成された前方ランプ230とを含む。単一の前方ランプ230と共に前方遠位プレート220は、駆動ねじ216が回転される間に作動させられる。この作動は、前方プレート220及び前方ランプ230を近位プレート222及び単一のアクチュエータ228に向かって引っ張り、これは、次に、前方ランプ230上の嵌合ランプ特徴部及びアクチュエータ228を用いて上側及び下側端板224,226を拡張させる。横方向外向きに拡張しない単一の側部214は、前方ランプ特徴を前方遠位プレート220に組み込み、アクチュエータ特徴を後方近位プレート222に組み込んでいる。したがって、非拡張側214は、前方プレート220及び後方プレート222上のランプと直接係合された上側及び下側端板224,226を含む。特に、前方遠位プレート220は、端板224,226の垂直ランプと摺動可能に相互作用するように構成された、ランプ102と同様の1つ以上の垂直ランプを含む。同様に、後方プレート222は、端板224,266の垂直ランプと摺動可能に相互作用するように構成された、ランプ92と同様の1つ以上の垂直ランプを有する拡張本体を有する。これは、非幅拡張側214上の端板224,226が高さにおいても拡張することを可能にする。拡張側212及び非拡張側214における拡張高さの量は、同じであっても異なっていてもよい。
【0056】
本発明は、詳細に、かつ特定の実施形態を参照して記載されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある提供される本発明の修正及び変形を網羅することが意図されている。例えば、上で開示される様々なデバイスの全ての構成要素が、任意の好適な構成で組み合わされ得るか、又は修正され得ることが明確に意図されている。