(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ガイド
(51)【国際特許分類】
B60J 7/05 20060101AFI20240826BHJP
B60J 7/02 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B60J7/05 Z
B60J7/02 Z
(21)【出願番号】P 2023152357
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】202320118072.0
(32)【優先日】2023-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523359423
【氏名又は名称】愛信(蘇州)汽車技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】AISIN(SUZHOU)TECHNICAL CENTER CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】深田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】張 杰烽
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/058638(WO,A1)
【文献】特開2024-047216(JP,A)
【文献】特表2017-515731(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116176241(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0054934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/02 - 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンルーフパネルを案内するガイドにおいて、
左右一対の案内通路であって、該左右一対の案内通路のうちの少なくとも一方の摺動面が前記サンルーフパネルのガイドレールの摺動面に車両前後方向の一端側で接続され、前記サンルーフパネルの被案内部が前記ガイドレールの摺動面から該ガイドに進入してから前記少なくとも一方の摺動面を摺動する
、左右一対の案内通路と、
前記ガイドの一端側に設けられ、前記ガイドを前記ガイドレールに固定するガイドレールロック部と、
車幅方向に間隔をあけて設けられた左右一対の形成板部であって、左側の前記案内通路は左側の前記形成板部に形成され、右側の前記案内通路は右側の前記形成板部に形成されている、左右一対の形成板部と、
前記ガイドの底部に設けられ、前記左右一対の形成板部に接続された底板と、
前記底板の前記ガイドレールロック部とは反対側の端部から上方に延設され、前記左右一対の形成板部に接続された側板と、を備えており、
前記側板には排水口が設けられている、
ことを特徴とするガイド。
【請求項2】
前記サンルーフパネルの前記被案内部は、該左右一対の案内通路の両方の摺動面を摺動する、
ことを特徴とする請求項
1に記載のガイド。
【請求項3】
前記左右一対の形成板部の一端側には、前記ガイドレールロック部がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項
2に記載のガイド。
【請求項4】
左右一対の前記ガイドレールロック部は、前記左右一対の形成板部の一端側の面からそれぞれ突設され、前記ガイドレールの一対の対応凹部にそれぞれ挿入されて、前記ガイドを前記ガイドレールに固定する、
ことを特徴とする請求項
3に記載のガイド。
【請求項5】
前記側板の上端から前方側に水平に延びる取付部をさらに備え、前記ガイドは、該取付部を介してサンルーフ装置のハウジングに固定される、
ことを特徴とする請求項
1に記載のガイド。
【請求項6】
前記取付部は、取付ボルトが挿通される取付用孔を有する、
ことを特徴とする請求項
5に記載のガイド。
【請求項7】
前記形成板部の外側寄り面には、内側に凹む凹部が設けられている、
ことを特徴とする請求項
1~6のいずれか一項に記載のガイド。
【請求項8】
前記凹部が複数設けられ、隣接する2つの凹部の間にリブが形成されている、
ことを特徴とする請求項
7に記載のガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドに関し、特に、車両のサンルーフ装置において車両のサンルーフパネルの動作を案内するためのガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサンルーフ装置には、サンルーフパネルの動作を案内するガイドが設けられており、これによってサンルーフパネルの開閉動作を円滑に行う。
特許文献1には、ガイドレールに接続されるガイドを備え、このガイドは形成板部を1つだけ有し、形成板部の片側にのみサンルーフパネルの動作を案内するための案内通路が設けられ、この案内通路の摺動面の一端側がサンルーフパネルのガイドレールの摺動面に接続され、サンルーフパネルの被案内部がガイドレールの摺動面からガイドに進入して案内通路の摺動面を摺動可能な車両用サンルーフ装置のガイドユニットが開示されている。また、ガイドは、ガイドを上下方向からガイドレールに固定するガイドレールロック部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ガイドは片側に案内通路が設けられた形成板部を1つだけ有するので、このようなガイドをサンルーフ装置に取り付ける際には、案内通路が設けられた面が互いに反対の2種類のガイドを用意して、左右両側のガイドレールにそれぞれ取り付けてサンルーフパネルの動作を案内する必要がある。これによって、形状の異なる2種類のガイドを製造して準備しなければならず、製造コストが高くなり、部品種類も増加してしまう。
【0005】
本発明は、サンルーフ装置の左右両側のガイドレールに共用可能で、製造コスト及び部品種類の低減を図ることができるガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るガイドは、サンルーフパネルを案内するものであり、左右一対の案内通路であって、該左右一対の案内通路のうちの少なくとも一方の摺動面が前記サンルーフパネルのガイドレールの摺動面に車両前後方向の一端側で接続され、前記サンルーフパネルの被案内部が前記ガイドレールの摺動面から該ガイドに進入してから前記少なくとも一方の摺動面を摺動する左右一対の案内通路と、前記ガイドの一端側に設けられ、前記ガイドを前記ガイドレールに固定するガイドレールロック部と、を備えている。
【0007】
上記構造を有する本発明によれば、左右一対の案内通路を有するため、案内通路を1つだけ有する構造に比べて、同様なガイドをサンルーフ装置の左右両側のガイドレールに共用可能で、サンルーフ装置の毎側のガイドレールに対して特定のガイドを設置する必要がなく、ガイドの汎用性を増加しており、これによって、製造コスト及び部品種類を低減することができる。
【0008】
また、本発明では、好ましくは、前記ガイドは、車幅方向に間隔をあけて設けられた左右一対の形成板部をさらに備え、左側の前記案内通路は左側の前記形成板部に形成され、右側の前記案内通路は右側の前記形成板部に形成されている。
【0009】
上記構造を有する本発明によれば、2つの案内通路が左右2つの形成板部にそれぞれ置かれたため、案内通路の強度を高めることができる。
また、本発明では、好ましくは、前記サンルーフパネルの前記被案内部は、該左右一対の案内通路の両方の摺動面を摺動する。
【0010】
上記構造を有する本発明によれば、サンルーフパネルの被案内部は、左右一対の案内通路の両方の摺動面を摺動するため、片側の案内通路の摺動面のみを摺動することに比べて、両側で支持されるようになり、被案内部の摺動際の安定性を高めることができる。
【0011】
また、本発明では、好ましくは、前記左右一対の形成板部の一端側には、前記ガイドレールロック部がそれぞれ設けられている。
したがって、車幅方向に間隔をあけて設けられた2つのガイドレールロック部を有するため、ガイドを両側からガイドレールに固定することができ、ガイドの剛性を高めることができる。
【0012】
また、本発明では、好ましくは、左右一対の前記ガイドレールロック部は、前記左右一対の形成板部の一端側の面からそれぞれ突設され、前記ガイドレールの一対の対応凹部にそれぞれ挿入されて、前記ガイドを前記ガイドレールに固定する。
【0013】
したがって、凹部と凸起のような簡単な構造でガイドをガイドレールに固定することができる。
また、本発明では、好ましくは、前記ガイドは、前記ガイドの底部に設けられ、前記左右一対の形成板部に接続された底板と、前記底板の前記ガイドレールロック部とは反対側の端部から上方に延設され、前記左右一対の形成板部に接続された側板と、をさらに備え、前記側板には排水口が設けられている。
【0014】
上記構造を有する本発明によれば、ガイド内の水を排出することができる。
また、本発明では、好ましくは、前記ガイドは、前記側板の上端から前方側に水平に延びる取付部をさらに備え、前記ガイドは、該取付部を介してサンルーフ装置のハウジングに固定される。
【0015】
取付部を設けることにより、ガイドをサンルーフ装置のハウジングに安定して取り付けることができる。
また、本発明では、好ましくは、前記取付部には、取付ボルトが挿通される取付用孔を有する。
【0016】
したがって、ボルトのような簡単な部品でガイドを固定することができる。
また、本発明では、好ましくは、前記形成板部の外側寄り面には、内側に凹む凹部が設けられている。しかも、前記凹部が複数設けられ、隣接する2つの凹部の間にリブが形成されている。
【0017】
これによって、凹部が設けられない構造に比べて、ガイドの重量を下げ、製造用材料を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のサンルーフパネルの動作を案内するためのガイドを示す斜視図である。
【
図2】本発明の
図1とは異なる角度から観察したガイドを示す斜視図である。
【
図3】ガイドを右側から観察したものを示す側面図である。
【
図4】ガイドがサンルーフパネルのガイドレールに取り付けられた状態を示す模式図である。
【
図5】排水口からガイド内の水を排出する排水経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等、方向を表す表現は運転席に着座する運転手の角度から見た車両の方向である。
【0020】
図1~
図3は異なる角度でのガイドを示す模式図である。図面において、ガイド1は、左側の形状と右側の形状とが同一の対称形状であり、左右一対の形成板部50a、50b、側板20及び底板30などを備える。
【0021】
左側の形成板部50aと右側の形成板部50bは車両の幅方向において間隔Sを開けて設けられている。本好ましい実施形態では、左側の形成板部50aと右側の形成板部50bは構造と形状が完全に同一である。
【0022】
左側の形成板部50aには案内通路2aが形成されており、該案内通路2aは左側の形成板部50aの後端側から前端側に向かうにつれて下方へ湾曲するように延びる。案内通路2aは左側の形成板部50aの厚さ方向を貫通するように形成される。
【0023】
左側の形成板部50aの外側に位置する左側面には右側に凹む凹部61a~65aが設けられている。前から後へと順次設けられた凹部61a~63aは案内通路2aよりも下方に位置し、凹部61aと凹部62aとの間にはリブ71a、凹部62aと凹部63aとの間にはリブ72aが形成されている。前から後へと順次設けられた凹部64a、65aは案内通路2aよりも上方に位置し、凹部64aと凹部65aとの間にはリブ73aが形成されている。
【0024】
左側の形成板部50aと同じように、右側の形成板部50bには案内通路2bが形成されていると共に、外側に位置する右側面には左側に凹む凹部61b~65bが設けられており、且つ、隣接する凹部の間にはリブ71b~73bが形成されている。
【0025】
左側の形成板部50aの後端側にはガイドレールロック部3aが設けられており、該ガイドレールロック部3aは左側の形成板部50aの後端側の面から後方に突設されている。右側の形成板部50bの後端側にはガイドレールロック部3bが設けられており、該ガイドレールロック部3bは右側の形成板部50bの後端側の面から後方に突設されている。ガイドレールロック部3a、3bはガイド1をサンルーフパネルのガイドレールA(
図4を参照)に固定するために用いられる。
【0026】
底板30はガイド1の底部に設けられ、左右一対の形成板部50a、50bに接続される。
側板20は底板30の前端部から上方に延設されて、左側の形成板部50aと右側の形成板部50bに接続される。側板20には排水するための排水口5が設けられている。排水口5は、好ましくは、側板20の底板30に接続される部分に設けられる。
図5に示すように、ガイド1内の水は矢印Fに示される排水経路のように底板30の上面に沿って排水口5に流入し、排水口5から排出されるようになる。
【0027】
ガイド1の前端側には取付部10を有しており、該取付部10はガイド1をサンルーフ装置のハウジングBに固定するために用いられる。取付部10は側板20の上端から前方側に水平に延設される。取付部10には、上下に貫通する、取付ボルトが挿通される取付用孔10aが設けられており、取付ボルトにより、ガイド1をサンルーフ装置のハウジングB(
図5を参照)に固定することができる。
【0028】
次に、ガイド1の取付及び作動について説明する。
図4はガイド1がサンルーフパネルのガイドレールAに取り付けられた状態を示す模式図であり、本発明を明らかに示すために、ガイドレールAとガイド1だけを示しており、その他の構造はサンルーフ分野中の如何なる公知の構造を採用することができる。ガイド1の左右一対のガイドレールロック部3a、3b(
図1~3を参照)をガイドレールAの前端側の一対の対応凹部に挿入し、これによってガイド1をガイドレールAに固定する。取付完了後、左右一対の案内通路2a、2bの摺動面はその後端側でサンルーフパネルのガイドレールAの摺動面に接続され、面一の滑らかな摺動面が形成される。
【0029】
また、
図5に示すように、取付ボルト(図示せず)を取付用孔10aに挿通することによりガイド1の取付部10をサンルーフ装置のハウジングBに固定し、これによってサンルーフ装置に対するガイド1の前端部の固定が完了する。
【0030】
サンルーフパネルが開閉動作を行う場合、例えば、サンルーフパネルが閉動作を行う際、サンルーフパネルの被案内部はガイドレールAの摺動面からガイド1に進入してから左右一対の案内通路2a、2bの両方の摺動面を摺動する。これによって、サンルーフパネルの閉動作がガイドレールAに案内されてからガイド1に案内され、より詳しく言うと、ガイド1の案内通路2a、2bに案内される。サンルーフパネルが開動作を行う際、サンルーフパネルの被案内部はガイド1の左右一対の案内通路2a、2bの摺動面に沿ってガイドレールAの摺動面に移行する。これによって、サンルーフパネルの開動作がガイド1に案内されてからガイドレールAに案内される。
【0031】
サンルーフパネルの被案内部はサンルーフパネルに直接設けられた案内ローラであってもよく、サンルーフパネルにヒンジで連結されるガイドロッド及び/又はガイドロッド上のピン等であってもよい。
【0032】
次に、本発明の作用効果について説明する。
本発明に係るガイドは、左右一対の案内通路2a、2bを有するため、案内通路を1つだけ有する構造に比べて、同様なガイドをサンルーフ装置の左右両側のガイドレールに共用可能で、サンルーフ装置の毎側のガイドレールに対して特定のガイドを設置する必要がなく、ガイドの汎用性を増加しており、これによって、製造コスト及び部品種類を低減することができる。
【0033】
左右一対の案内通路2a、2bは左右2つの形成板部50a、50bにそれぞれ置かれるため、案内通路2a、2bの強度を高めることができる。
また、サンルーフパネルの被案内部は、左右一対の案内通路2a、2bの両方の摺動面を摺動するため、両側で支持されるようになり、被案内部の摺動際の安定性を高めることができる。
【0034】
左右一対の形成板部50a、50bの一端側には、左右一対のガイドレールロック部3a、3bがそれぞれ設けられており、車幅方向に間隔をあけて設けられた2つのガイドレールロック部3a、3bを有するため、ガイドを両側からガイドレールに固定することができ、ガイドの剛性を高めることができる。
【0035】
また、それぞれ左右一対の形成板部50a、50bの一端側の面から突設される左右一対のガイドレールロック部3a、3bがサンルーフパネルのガイドレールAの一対の対応凹部に挿入されることで、凹部と凸起のような簡単な構造でガイド1をガイドレールAに固定することができる。
【0036】
側板20には排水口5が設けられることによって、ガイド1内の水をタイムリーに排出することができる。
また、ガイド1は、取付ボルトが挿通される取付用孔10aを有する取付部10を有している。したがって、ボルトのような簡単な部品でガイド1をサンルーフ装置のハウジングBに安定に取り付けることができる。
【0037】
また、形成板部50a、50bの外側寄り面には、内側に凹む凹部61a~65a、61b~65bが設けられ、且つ、隣接する2つの凹部の間にリブが形成されている。したがって、凹部が設けられない構造に比べて、ガイド1の重量を下げ、製造用材料を節約することができる。
【0038】
以上は、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、次のような種々の変形や変更を行うことができる。
上記の好ましい実施形態では、案内通路2a、2bは間隔Sを開けて形成される左右一対の形成板部50a、50bにそれぞれ設けられているが、これに限定されない。例えば、ガイド1は形成板部を1つだけ有し、該1つの形成板部の左右両側の面には該面から外側に突設されるリブにより該形成板部を挟むように一対の案内通路が形成されてもよい。この場合には、サンルーフパネルの被案内部は置かれた左右ガイドレールに応じて2つの案内通路のうちの1つの案内通路を摺動する。
【0039】
上記の好ましい実施形態では、左側の形成板部50aと右側の形成板部50bの形状及び構造が完全に同一であるが、これに限定されない。左側の形成板部50aと右側の形成板部50bのそれぞれには案内通路2a、2bが形成され、ガイド1をサンルーフ装置の左側ガイドレールと右側ガイドレールのいずれにも取付けて使用できればよく、左側の形成板部50aと右側の形成板部50bの形状は特に限定されない。
【0040】
上記の好ましい実施形態では、案内通路2a、2bは形成板部50a、50bの厚さ方向を貫通するように形成されるが、これに限らず、サンルーフパネルの被案内部を摺動させるように案内できれば、案内通路2a、2bは形成板部50a、50bを貫通しなくてもよい。
【0041】
また、上記の好ましい実施形態では、サンルーフパネルの被案内部はガイド1の左右の案内通路2a、2bの両方の摺動面を同時に摺動するが、これに限らない。サンルーフパネルの被案内部はガイド1の左右の案内通路2a、2bのうちの一方の摺動面のみにおいて摺動してもよい。
【0042】
また、上記の好ましい実施形態では、左右一対の形成板部50a、50bの後端側にガイドレールロック部3a、3bがそれぞれ形成されているが、1つだけの形成板部の後端側またはガイドの他の位置にガイドレールロック部が形成されてもよい。
【0043】
上記の左右一対のガイドレールロック部3a、3bが形成板部50a、50bの後端側の面から突出するように形成されるが、ガイドレールロック部の形態はこれに限定されず、ガイド1をガイドレールAに固定することができれば、ガイドレールロック部は任意の形態であってもよい。例えば、ガイドレールロック部は形成板部50a、50bの後端側の面から凹む凹陥として設置され、ガイドレールに該凹陥に嵌合する凸起が相応に設置され、該凹陥と凸起との嵌合によりガイド1をガイドレールAに固定する。
【0044】
また、上記の好ましい実施形態では、側板20の底板30に接続する部分には排水口5が設けられているが、排水口5の位置はこれに限定されない。ある程度排水の役割を果たすことができれば、排水口5は側板20の他の部分に設置されてもよく、または側板20に設置されずにガイド1の他の部位に設置されてもよい。また、側板、排水口を設置しなくてもよい。
【0045】
上記の好ましい実施形態では、ガイド1の前端側には側板20の上端から前側に延設される取付部10を有するが、取付部はこのように設置されなくてもよい。ガイド1をサンルーフ装置のハウジングに固定することができれば、取付部の設置位置と形状は特に限定されない。
【0046】
上記の好ましい実施形態の取付部10は取付ボルトが挿通される取付用孔10aを有しているが、本発明のガイドは取付ボルトによる固定ではなく、例えば、かしめ、スナップ、溶接等の方式でガイドをサンルーフ装置のハウジングに固定してもよい。
【0047】
また、上記の好ましい実施形態では、形成板部50a、50bの外側面には内側に凹む複数の凹部61a~65a、61b~65bが形成され、且つ、隣接する凹部の間にはリブ71a~73a、71b~73bが設けられているが、本発明はこれに限定されない。凹部を設けなくてもよく、または凹部を1つだけ設けてもよい。なお、凹部は形成板部50a、50bの任意位置に設置されてもよい。
【0048】
上記の好ましい実施形態では、ガイド1がガイドレールの前方側に取り付けられた場合について説明したが、可動サンルーフパネルのルーフにおける前後位置とサンルーフパネルの開閉方向に応じて、ガイドをガイドレールの後方側に適用してもよい。
【0049】
上記車両のサンルーフ装置に用いられるガイドを説明したが、本発明のガイドの適用はこれに限定されず、家屋サンルーフの案内に用いられる等であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者は上記の構成要素について適切な変更、組合せや削除などを行うことができ、得られた実施形態も本発明の保護しようとする技術範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…ガイド、2a、2b…案内通路、3a、3b…ガイドレールロック部、5…排水口、10…取付部、10a…取付用孔、20…側板、30…底板、50a、50b…形成板部、61a~65a、61b~65b…凹部、71a~73a、71b~73b…リブ、A…ガイドレール、B…ハウジング、S…間隔。