(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】非燃焼加熱型香味吸引器及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/10 20200101AFI20240826BHJP
A24B 15/32 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
A24F40/10
A24B15/32
(21)【出願番号】P 2023503588
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2021008098
(87)【国際公開番号】W WO2022185434
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】一坪 宏和
(72)【発明者】
【氏名】白井 敦也
(72)【発明者】
【氏名】西田 尚史
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/133289(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/178377(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0124982(US,A1)
【文献】特表2017-518042(JP,A)
【文献】国際公開第2015/046420(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/00-15/42
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源と、
【化1】
(前記式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。)
前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段と、
を含む、非燃焼加熱型香味吸引器
であって、
前記エアロゾル源中の前記式(1)で示される化合物の含有量が10~70質量%であり、
前記エアロゾル源が13.7~50質量%のクエン酸トリエチルをさらに含む、非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項2】
前記式(1)で示される化合物がクエン酸トリブチルである、請求項1に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項3】
前記エアロゾル源が、プロピレングリコール及びグリセリンの少なくとも一方をさらに含む、請求項1
又は2に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項4】
前記エアロゾル源が、ニコチン、ニコチン塩、及び香料成分からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項5】
前記香料成分がメンソールを含む、請求項
4に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項6】
前記エアロゾル源よりも下流側に配置されたたばこ源をさらに含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【請求項7】
下記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源を含む、非燃焼加熱型香味吸引器用のカートリッジ
であって、
【化2】
(前記式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。)
前記エアロゾル源中の前記式(1)で示される化合物の含有量が10~70質量%であり、
前記エアロゾル源が13.7~50質量%のクエン酸トリエチルをさらに含む、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼加熱型香味吸引器及びカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電源から供給される電力によって、燃焼を伴わずにエアロゾル源を加熱して霧化し、生成したエアロゾルを、たばこ由来成分を含むたばこ源に通じて該エアロゾルにたばこ由来成分を移行させ、該たばこ由来成分を使用者へ供給する非燃焼加熱型香味吸引器が知られている(例えば特許文献1、2)。該非燃焼加熱型香味吸引器は、例えば、エアロゾル源及び該エアロゾル源を加熱して霧化する霧化手段を含むカートリッジと、該霧化手段に電力を供給する電源ユニットと、該カートリッジの下流に配置された、たばこ源を含む香味付与カートリッジと、を備えることができる。該エアロゾル源は、メンソール等の香料成分を含むこともできる。また、香味付与カートリッジを備えず、代わりにエアロゾル源がたばこ由来成分を含む非燃焼加熱型香味吸引器も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/046420号公報
【文献】特表2020-519276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記非燃焼加熱型香味吸引器では、吸口部において、エアロゾルに含まれるニコチン等のたばこ由来成分やメンソール等の香料成分が沈着し、損失する場合がある。また、前記非燃焼加熱型香味吸引器が香味付与カートリッジを備える場合、該香味付与カートリッジ内においても、エアロゾルに移行した前記たばこ由来成分や前記香料成分が香味付与カートリッジ内で沈着し、損失する場合がある。このようなエアロゾル経路内での損失が生じると、香味成分の使用者への送達量が減少する。
【0005】
本発明は、エアロゾル経路内における香味成分の損失が抑制された非燃焼加熱型香味吸引器、及び該非燃焼加熱型香味吸引器に用いられるカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]下記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源と、
【0007】
【0008】
(前記式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。)
前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段と、
を含む、非燃焼加熱型香味吸引器。
【0009】
[2]前記式(1)で示される化合物がクエン酸トリブチルである、[1]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0010】
[3]前記エアロゾル源がクエン酸トリエチルをさらに含む、[1]又は[2]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0011】
[4]前記エアロゾル源が、プロピレングリコール及びグリセリンの少なくとも一方をさらに含む、[1]から[3]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0012】
[5]前記エアロゾル源が、ニコチン、ニコチン塩、及び香料成分からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む、[1]から[4]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0013】
[6]前記香料成分がメンソールを含む、[5]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0014】
[7]前記エアロゾル源よりも下流側に配置されたたばこ源をさらに含む、[1]から[6]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器。
【0015】
[8]下記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源を含む、非燃焼加熱型香味吸引器用のカートリッジ。
【0016】
【0017】
(前記式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。)
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、エアロゾル経路内における香味成分の損失が抑制された非燃焼加熱型香味吸引器、及び該非燃焼加熱型香味吸引器に用いられるカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器の一例を示す模式図である。
【
図2】
図1において、香味付与カートリッジが組み込まれたカートリッジを示す模式図である。
【
図3】実施例1~5及び比較例1におけるニコチンの送達量を示すグラフである。
【
図4】実施例6~9及び比較例2におけるニコチンの送達量を示すグラフである。
【
図5】実施例6~9及び比較例2におけるメンソールの送達量を示すグラフである。
【
図6】実施例10~13及び比較例3におけるニコチンの送達量を示すグラフである。
【
図7】実施例14~17及び比較例4におけるメンソールの送達量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、下記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源と、前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段と、を含む。
【0021】
【0022】
(前記式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。)
【0023】
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器では、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する際に、前記式(1)で示される化合物がエアロゾルへ移行する。前記式(1)で示される化合物は沸点が高いため、前記式(1)で示される化合物がエアロゾルに含まれると、エアロゾル粒子が蒸発しにくくなり、安定化する。また、前記式(1)で示される化合物は、ニコチン等のたばこ由来成分やメンソール等の香料成分の溶解度が高い。したがって、エアロゾル粒子に前記式(1)で示される化合物が含まれることにより、エアロゾル粒子中に前記たばこ由来成分や前記香料成分をより多く含有でき、また前記たばこ由来成分や前記香料成分がエアロゾル粒子外に放出されにくくなる。これらにより、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器ではエアロゾル経路内における香味成分の損失が抑制されると考えられる。
【0024】
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、前記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源と、前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段と、を含めは特に限定されないが、前記エアロゾル源及び前記霧化手段以外の他の構成を含んでもよい。他の構成としては、例えば前記エアロゾル源よりも下流側に配置された、たばこ由来成分を含むたばこ源等が挙げられる。
【0025】
(エアロゾル源)
本実施形態に係るエアロゾル源は、前記式(1)で示される化合物を含む。前記式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数3~6のアルキル基である。R1、R2及びR3が炭素数3以上のアルキル基であることにより、前記式(1)で示される化合物の沸点が高くなり、エアロゾル粒子が安定化する。また、R1、R2及びR3が炭素数6以下のアルキル基であることにより、前記式(1)で示される化合物を気化させるのに必要な温度を低くすることができ、エアロゾル源を霧化する際の温度を下げることができる。前記式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数4~6のアルキル基であることが好ましい。特に、前記式(1)で示される化合物はクエン酸トリブチル(TBC)であることが好ましい。前記エアロゾル源は、前記式(1)で示される化合物を一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。
【0026】
前記エアロゾル源中の前記式(1)で示される化合物の含有量は、前記エアロゾル源100質量%に対して5~70質量%であることが好ましい。前記含有量が5質量%以上であることにより、エアロゾル粒子が十分に安定化し、エアロゾル経路内における香味成分の損失を十分に抑制できる。また、前記含有量が70質量%以下であることにより、後述するエアロゾル発生剤等の他の成分の含有量を維持できる。前記含有量は5~60質量%であることがより好ましく、10~50質量%であることがさらに好ましい。
【0027】
前記エアロゾル源は、前記式(1)で示される化合物に加えて、さらにクエン酸トリエチル(TEC)を含むことが好ましい。クエン酸トリエチルをさらに添加することで、エアロゾル経路内における香味成分の損失抑制効果を維持したまま、前記式(1)で示される化合物の添加量を低減することができる。これにより、前記式(1)で示される化合物に由来する特有臭を低減できる。また、前記式(1)で示される化合物は、使用時にニコチン等のたばこ由来成分のボディー感、立体感を発現することができ、クエン酸トリエチルは前記たばこ由来成分に由来する刺激等の不快感を低減できる。さらに、前記式(1)で示される化合物は、使用時にメンソール等の香料成分のボディー感、立体感を発現することができ、クエン酸トリエチルは前記香料成分の明るさ等の特長を発現できる。したがって、両者を併用することで、使用時に前記たばこ由来成分及び前記香料成分に基づく感覚をより向上させることができる。なお、前記エアロゾル源が前記式(1)で示される化合物を含まず、クエン酸トリエチルのみを含む場合には、本実施形態に係る効果は得られない。
【0028】
前記エアロゾル源がクエン酸トリエチルを含む場合、前記エアロゾル源中のクエン酸トリエチルの含有量は、前述した効果が十分に得られる観点から、前記エアロゾル源100質量%に対して3~50質量%であることが好ましく、5~40質量%であることがより好ましく、10~30質量%であることがさらに好ましい。また、前記式(1)で示される化合物とクエン酸トリエチルの含有割合(前記式(1)で示される化合物:クエン酸トリエチル(質量比))は50~90:10~50であることが好ましく、50~70:30~50であることがより好ましく、50~60:40~50であることがさらに好ましい。
【0029】
前記エアロゾル源は、エアロゾル発生剤を含むことができる。エアロゾル発生剤は加熱により霧化し、エアロゾルを発生する。該エアロゾル発生剤としては、加熱により霧化し、エアロゾルを発生できるものであれば特に限定されず、種々の天然物からの抽出物質およびそれらの構成成分から選択することができる。エアロゾル発生剤としては、例えばグリセリン(G)、プロピレングリコール(PG)、1,3-ブタンジオール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等の多価アルコール、トリアセチン等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、ニコチン等のたばこ由来成分やメンソール等の香料成分の溶解度がより高く、エアロゾル粒子中に前記たばこ由来成分や前記香料成分をより多く保持できる観点から、エアロゾル発生剤としてはプロピレングリコール及びグリセリンの少なくとも一方であることが好ましい。
【0030】
前記エアロゾル源中のエアロゾル発生剤の含有量は、エアロゾルの生成量を十分に確保でき、前記たばこ由来成分や前記香料成分を十分に送達できる観点から、前記エアロゾル源100質量%に対して30~95質量%であることが好ましく、40~90質量%であることがより好ましく、45~75質量%であることがさらに好ましい。
【0031】
前記エアロゾル源は、ニコチン、ニコチン塩、及び香料成分からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含むことが好ましい。エアロゾル源が、ニコチン、ニコチン塩、及び/又は香料成分を含むことで、エアロゾル生成時にこれらの成分がエアロゾル中に含まれるようになる。エアロゾルには前記式(1)で示される化合物が含まれるため、エアロゾル粒子は安定化しており、また前記成分がエアロゾル粒子外に放出されにくい。その結果、エアロゾル経路内における前記成分の損失がより抑制される。
【0032】
ニコチン及びニコチン塩は、ニコチンとニコチン塩の両方を含むリキッドであってもよい。ニコチン塩としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、レブリン酸、安息香酸などをニコチンと混合することで生じるニコチン塩等が挙げられる。前記エアロゾル源にニコチン及び/又はニコチン塩が含まれる場合、前記エアロゾル源中のニコチン及び/又はニコチン塩の含有量は、前記エアロゾル源100質量%に対して1~15質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましく、3~5質量%であることがさらに好ましい。
【0033】
香料成分としては、特に限定されないが、例えばメンソール、リナロールなどのテルペン類、フルフラールなどの芳香族アルデヒド類、ノナナールなどのアルデヒド類等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。前記エアロゾル源に前記香料成分が含まれる場合、前記エアロゾル源中の前記香料成分の含有量は、前記エアロゾル源100質量%に対して1~15質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましく、3~5質量%であることがさらに好ましい。
【0034】
本実施形態に係るエアロゾル源は、前述した各成分以外にも、例えば水等の他の成分を含むことができる。エアロゾル源は、後述するように例えばカートリッジ内に配置されることができる。なお、本実施形態では前記式(1)で示される化合物はエアロゾル源に含まれる必要がある。例えばエアロゾル源よりも下流側に配置されたたばこ源に前記式(1)で示される化合物が含まれる場合には、エアロゾルへ前記式(1)で示される化合物が十分に移行せず、本実施形態に係る効果は得られない。
【0035】
(霧化手段)
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段を含む。霧化手段としては、前記エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成することができれば特に限定されないが、例えば加熱霧化手段であることができる。具体的には、後述するような電源から供給される電力により発熱する、電熱線などの発熱抵抗体であることができる。霧化手段は、後述するように例えばカートリッジ内に配置されることができる。
【0036】
(たばこ源)
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、前記エアロゾル源よりも下流側に配置された、たばこ由来成分を含むたばこ源をさらに含むことができる。エアロゾル源の霧化により生成したエアロゾルがたばこ源を通過することで、たばこ源に含まれるたばこ由来成分がエアロゾルへ移行し、使用者へ供給される。たばこ由来成分としては、例えばニコチン等が挙げられる。なお、たばこ源に含まれるたばこ由来成分はエアロゾルによって搬送されるため、使用時にたばこ源自体を加熱する必要はない。また、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器はたばこ源を含まなくてもよく、この場合エアロゾル源がたばこ由来成分を含むことができる。例えば、エアロゾル源中にたばこ源を浸漬させる、たばこ源から抽出した液体のたばこ由来成分をエアロゾル源に混合する、化学合成により得られたたばこ由来成分をエアロゾル源に混合する、等によりエアロゾル源にたばこ由来成分を含ませることができる。
【0037】
前記たばこ源は、エアロゾル源の霧化により発生するエアロゾルにたばこ由来成分を付与する原料片によって構成されることができる。原料片のサイズは、0.2~1.2mmであることが好ましく、0.2~0.7mmであることがより好ましい。該原料片のサイズが小さいほど比表面積が増大するため、該原料片からたばこ由来成分が放出されやすい。したがって、所望量のたばこ由来成分をエアロゾルに付与するにあたって、原料片の量を低減できる。該原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体、たばこ原料をシート状に成形した成形体等を用いることができる。
【0038】
ここで、前記原料片は、例えば、JIS Z 8801に準拠したステンレス篩を用いて、JIS Z 8815に準拠する篩分けによって得られる。例えば、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を得る。続いて、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を取り除く。すなわち、前記原料片は、上限を規定するステンレス篩(目開き=0.71mm)を通過し、下限を規定するステンレス篩(目開き=0.212mm)を通過しない原料片である。したがって、原料片のサイズの上限は、上限を規定するステンレス篩の目開きによって定義され、前記原料片のサイズの下限は、下限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。
【0039】
前記たばこ源は、たばこ由来成分に加えて、香料成分を含んでもよい。例えば、前記原料片は、たばこ由来成分に加えて、香料成分を含むことができる。香料成分としては、前述した香料成分が挙げられ、メンソールを含むことが好ましい。また、前記原料片が、ミント、ハーブ等のたばこ以外の植物を含むこともできる。
【0040】
前記たばこ源は、後述するように例えばカートリッジの下流に設けられた、香味付与カートリッジ内に配置されることができる。
【0041】
(カートリッジ)
本実施形態に係るカートリッジは、前記式(1)で示される化合物を含むエアロゾル源を含む。該カートリッジは、非燃焼加熱型香味吸引器に着脱可能に取り付けられる。該カートリッジは、後述するように該エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する霧化手段を備えてもよい。
【0042】
(非燃焼加熱型香味吸引器の構成)
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器の一例を
図1に示す。
図1に示される非燃焼加熱型香味吸引器100は、燃焼を伴わずに香味成分を吸引するための器具であり、非吸口端から吸口端に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有する。
図2は、
図1において、香味付与カートリッジ130が組み込まれたカートリッジ111を示す図である。なお、以下においては、非燃焼加熱型香味吸引器100を単に香味吸引器100と称することがある。
【0043】
図1に示されるように、香味吸引器100は、吸引器本体110と、たばこ源を備える香味付与カートリッジ130とを有する。吸引器本体110は、香味吸引器100の本体を構成しており、香味付与カートリッジ130を接続可能な形状を有する。具体的には、吸引器本体110は、吸引器ハウジング110Xを有しており、香味付与カートリッジ130は、吸引器ハウジング110Xの吸口端に接続される。吸引器本体110は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化するように構成された、本実施形態に係るエアロゾル源と霧化手段を備えるカートリッジ111と、電源ユニット112とを有する。
【0044】
カートリッジ111は、吸引器ハウジング110Xの一部を構成する第1筒体111Xを有する。カートリッジ111は、
図2に示されるように、リザーバ111Pと、ウィック111Qと、霧化手段111Rとを有する。リザーバ111P、ウィック111Q及び霧化手段111Rは、第1筒体111Xに収容される。第1筒体111Xは、所定方向Aに沿って延びる筒状形状(例えば、円筒形状)を有する。リザーバ111Pは、本実施形態に係るエアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ111Pは、樹脂ウェブ等の材料によって構成される孔質体である。ウィック111Qは、リザーバ111Pから供給されるエアロゾル源を保持する液保持部材の一例である。例えば、ウィック111Qは、ガラス繊維によって構成される。霧化手段111Rは、ウィック111Qによって保持されるエアロゾル源を霧化する。霧化手段111Rは、例えば、ウィック111Qに所定ピッチで巻き回される発熱抵抗体(例えば、電熱線)によって構成されることができる。
【0045】
霧化手段111Rによって発生するエアロゾルの流路に露出する壁面には、凝縮したエアロゾルを吸収する吸収部材111Sが設けられる。エアロゾルの流路に露出する壁面は、例えば、エアロゾルの流路に露出する第1筒体111Xの内面、エアロゾルの流路に露出するリザーバ111Pの外面などである。ここで、吸収部材111Sがリザーバ111Pと接触していない場合には、吸収部材111Sによって吸収されたエアロゾル(凝縮したエアロゾル)は、毛細管現象を利用して吸収部材111Sから霧化手段111Rに導かれることが好ましい。一方で、吸収部材111Sがリザーバ111Pと接触している場合には、吸収部材111Sによって吸収されたエアロゾル(凝縮したエアロゾル)は、吸収部材111Sからリザーバ111Pに導かれることが好ましい。吸収部材111Sは、凝縮したエアロゾルを吸収する機能を有する部材であればよく、例えば、リザーバ111Pと同様の材料(樹脂ウェブ)によって構成されていてもよく、ウィック111Qと同様の材料(ガラス繊維)によって構成されてもよい。
【0046】
電源ユニット112は、吸引器ハウジング110Xの一部を構成する第2筒体112Xを有する。電源ユニット112は、インレット112Aを有する。インレット112Aから流入する空気は、
図2に示されるように、カートリッジ111(霧化手段111R)に導かれる。詳細には、電源ユニット112は、電源10と、吸引センサ20と、押しボタン30と、発光素子40と、制御回路50とを有する。電源10、吸引センサ20、押しボタン30及び制御回路50は、第2筒体112Xに収容される。第2筒体112Xは、所定方向Aに沿って延びる筒状形状(例えば、円筒形状)を有する。
【0047】
電源10は、例えば、リチウムイオン電池である。電源10は、香味吸引器100の動作に必要な電力を蓄積する。例えば、電源10は、吸引センサ20及び制御回路50に供給する電力を蓄積する。また、電源10は、カートリッジ111(霧化手段111R)に供給する電力を蓄積する。
【0048】
吸引センサ20は、インレット112Aからアウトレット130Aまで連続する吸引経路内の流体流れを検知する。吸引センサ20は、インレット112Aからアウトレット130A側への流体流れが所定閾値以上である場合に、吸引(吸引状態)を検知する。吸引センサ20は、インレット112Aからアウトレット130A側への流体流れが所定閾値未満である場合に、非吸引(非吸引状態)を検知する。
【0049】
押しボタン30は、香味吸引器100の外側から内側に向けて押し込むように構成される。押しボタン30は、香味吸引器100の非吸口端に設けられており、非吸口端から吸口端に向かう方向(すなわち、所定方向A)に押し込むように構成される。例えば、香味吸引器100の電源が投入されていない状態において、押しボタン30が所定回数に亘って連続的に押し込まれた場合に、香味吸引器100の電源が投入されてもよい。一方で、香味吸引器100の電源が投入された状態において、押しボタン30が所定回数に亘って連続的に押し込まれた場合に、香味吸引器100の電源が切断されてもよい。或いは、パフ動作が行われてからパフ動作が行われないまま所定時間が経過した場合に、香味吸引器100の電源が切断されてもよい。
【0050】
発光素子40は、例えば、LEDや電灯などの光源である。発光素子40は、所定方向に沿って延びる側壁に設けられる。発光素子40は、非吸口端の近傍の側壁に設けられることが好ましい。これによって、所定方向Aの軸線上において非吸口端の端面のみに発光素子が設けられる場合と比べて、使用者はパフ動作中において発光素子40の発光パターンを容易に視認することができる。発光素子40の発光パターンは、香味吸引器100の状態を使用者に通知するパターンである。発光素子40は、所望量のエアロゾルを供給可能な旨を報知する報知部を構成してもよい。ここで、発光素子40は、所望量のエアロゾルを供給可能な期間の開始から終了までの間に亘って、所望量のエアロゾルを供給可能な旨を継続的に報知してもよい。或いは、発光素子40は、所望量のエアロゾルを供給可能でない旨を報知する報知部を構成してもよい。ここで、発光素子40は、所望量のエアロゾルを供給可能でない期間の開始から終了までの間に亘って、所望量のエアロゾルを供給可能でない旨を継続的に報知してもよい。
【0051】
制御回路50は、香味吸引器100の動作を制御する。具体的には、制御回路50は、カートリッジ111(霧化手段111R)に対する電源出力を制御する。また、制御回路50は、発光素子40を制御する。
【0052】
香味付与カートリッジ130は、香味吸引器100を構成する吸引器本体110に接続可能に構成される。香味付与カートリッジ130は、吸口から吸い込まれる気体(以下、空気)の流路上においてカートリッジ111よりも下流に設けられる。言い換えると、香味付与カートリッジ130は、必ずしも物理空間的にカートリッジ111よりも吸口側に設けられている必要はなく、カートリッジ111から発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路上においてカートリッジ111よりも下流に設けられていればよい。
【0053】
具体的には、香味付与カートリッジ130は、香味付与カートリッジハウジング131と、たばこ源132と、網目133Aと、フィルタ133Bとを有する。また、香味付与カートリッジ130は、吸口に設けられるアウトレット130Aを有する。
【0054】
香味付与カートリッジハウジング131は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状(例えば、円筒形状)を有する。香味付与カートリッジハウジング131は、たばこ源132を収容する。ここでは、香味付与カートリッジハウジング131は、吸引器ハウジング110Xに所定方向Aに沿って挿入されるように構成される。
【0055】
たばこ源132は、インレット112Aからアウトレット130Aまで連続する吸引経路上においてカートリッジ111よりもアウトレット130A(吸口)側に設けられる。たばこ源132は、エアロゾル源から発生するエアロゾルにたばこ由来成分を付与する。言い換えると、たばこ源132によってエアロゾルに付与されるたばこ由来成分は、アウトレット130A(吸口)に運ばれる。たばこ源132としては、前述した本実施形態に係るたばこ源を用いることができる。
【0056】
網目133Aは、たばこ源132の上流において香味付与カートリッジハウジング131の開口を塞ぐように設けられている。フィルタ133Bは、たばこ源132の下流において香味付与カートリッジハウジング131の開口を塞ぐように設けられている。網目133Aは、たばこ源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。網目133Aの粗さは、例えば、0.077~0.198mmの目開きを有する。フィルタ133Bは、通気性を有する物質によって構成される。フィルタ133Bは、例えば、アセテートフィルタであることが好ましい。フィルタ133Bは、たばこ源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。
【実施例】
【0057】
以下、本実施形態を実施例により詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されない。なお、作製した非燃焼加熱型香味吸引器の使用時におけるニコチン及びメンソールの送達量は、以下の方法により測定した。
【0058】
[ニコチン及びメンソールの送達量の測定方法]
非燃焼加熱型香味吸引器の吸口端を、成分捕集用フィルタをセットしたフィルタホルダーに差し込み、フィルタホルダー下流部を喫煙器に接続した。該喫煙器で吸引することで、非燃焼加熱型香味吸引器から放出されるエアロゾルをフィルタホルダー内に捕集した。吸引条件は、55cc/puffで3秒吸引し、30秒間隔で5回繰り返すことで、フィルタホルダー内に5puff分のエアロゾルを捕集した。捕集後、フィルタホルダーからフィルタを取り出し、メタノールで成分を振とう抽出した後、GCでニコチン及び/又はメンソール量を定量した。
【0059】
[実施例1]
図1に示される構成を有する非燃焼加熱型香味吸引器を作製した。エアロゾル源としては、プロピレングリコール(PG)45.0質量%、グリセリン(G)45.0質量%、及びクエン酸トリブチル(TBC)10.0質量%を含む溶液を用いた。たばこ源としては、メンソール(M)が含まれない、ニコチン等のたばこ由来成分を含むたばこ源を使用した。前記非燃焼加熱型香味吸引器について、前記方法により使用時におけるニコチンの送達量を測定した。結果を
図3に示す。
【0060】
[実施例2~5、比較例1]
エアロゾル源として、表1に示される組成を有するエアロゾル源を使用した以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱型香味吸引器を作製し、使用時におけるニコチンの送達量を測定した。結果を
図3に示す。なお、表1において、「PG」はプロピレングリコール、「G」はグリセリン、「TEC」はクエン酸トリエチル、「TBC」はクエン酸トリブチル、「M」はメンソールをそれぞれ示す。
【0061】
【0062】
図3に示されるように、エアロゾル源がクエン酸トリブチルを含まない比較例1に対して、エアロゾル源にクエン酸トリブチルを添加した実施例1、2では、ニコチンの送達量の増加が見られ、送達量はクエン酸トリブチルの添加量増加に伴い増加した。また、グリセリンをクエン酸トリエチルとクエン酸トリブチルに置き換えた実施例3、4の結果より、クエン酸トリエチルを併用することで、クエン酸トリブチルの含有量を低減させても、ニコチンの送達量は実施例2と同等又はそれ以上となることが確認された。また、実施例5の結果より、エアロゾル源としてクエン酸トリブチルのみを用いた場合にも、ニコチンの送達量は比較例1よりもやや増加することが確認された。しかし、実施例2~4と比較するとニコチンの送達量は少ないことから、プロピレングリコールやグリセリン等のエアロゾル発生剤の存在下で、クエン酸トリブチル等の前記式(1)で示される化合物、又は、前記式(1)で示される化合物及びクエン酸トリエチルの両方を添加することにより、ニコチン送達量がより増加することが分かった。
【0063】
また、比較例1及び実施例2~4の非燃焼加熱型香味吸引器について、専門評価パネル5人による官能評価を行った。官能評価は、専門評価パネル5人が通常の使用と同様に前記非燃焼加熱型香味吸引器を使用し、フリーでコメントを行うことで実施した。なお、前記5名の専門評価パネルは非燃焼加熱型香味吸引器の官能評価について訓練が十分に行われており、評価の閾値が等しく、パネラー間で統一化されていることが確認されている。
【0064】
前記官能評価において、実施例2の非燃焼加熱型香味吸引器は、比較例1と比較して、ニコチンの刺激が低減され、喉を通るほど良好なニコチン感が発現し、ニコチンのボディー感及び立体感がより発現することが確認された。一方、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みがやや感じられた。実施例3の非燃焼加熱型香味吸引器は、比較例1と比較してニコチンの刺激は低減するものの、実施例2及び4よりもニコチンの刺激は強かった。一方、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みは、実施例2よりも低減された。実施例4の非燃焼加熱型香味吸引器は、実施例2と同等のニコチンの刺激低減、ボディー感及び立体感を発現することが確認された。さらに、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みは、実施例2よりも低減された。
【0065】
[実施例6~9、比較例2]
エアロゾル源として表1に示される組成を有するエアロゾル源を使用し、たばこ源としてメンソール(M)を添加したたばこ源を使用した以外は、実施例1と同様に非燃焼加熱型香味吸引器を作製し、使用時におけるニコチン及びメンソールの送達量を測定した。結果を
図4及び
図5に示す。
【0066】
図4に示されるように、エアロゾル源がクエン酸トリブチルを含まない比較例2に対して、エアロゾル源にクエン酸トリブチルを添加した実施例6、7では、ニコチンの送達量が増加した。また、グリセリンをクエン酸トリエチルとクエン酸トリブチルに置き換えた実施例8、9の結果より、クエン酸トリエチルを併用することで、クエン酸トリブチルの含有量を低減させても、ニコチンの送達量は実施例7と同等程度となることが確認された。さらに、
図5に示されるように、エアロゾル源がクエン酸トリブチルを含まない比較例2に対して、エアロゾル源にクエン酸トリブチルを添加した実施例6、7では、メンソールの送達量の大幅な増加が見られ、送達量はクエン酸トリブチルの添加量増加に伴い増加した。
【0067】
また、比較例2及び実施例7~9の非燃焼加熱型香味吸引器について、前述と同様の専門評価パネル5人による官能評価を行った。該官能評価において、実施例7の非燃焼加熱型香味吸引器は、比較例2と比較して、メンソール感がより発現し、メンソールとニコチンのボディー感及び立体感がより発現することが確認された。一方、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みがやや感じられた。実施例8の非燃焼加熱型香味吸引器は、比較例2と比較してメンソール感がより発現するものの、実施例9よりもその程度は低かった。また、メンソールとニコチンのボディー感及び立体感は、実施例7及び9よりも低かった。一方、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みは、実施例7よりも低減された。実施例9の非燃焼加熱型香味吸引器は、実施例7及び8と比較してメンソール感がより発現し、かつ、メンソールとニコチンのボディー感及び立体感は実施例7と同等程度であった。さらに、クエン酸トリブチルの特有臭と苦みは、実施例7よりも低減された。
【0068】
[実施例10]
図1において、香味付与カートリッジ130を有さない以外は
図1と同様の非燃焼加熱型香味吸引器を作製した。エアロゾル源としては、プロピレングリコール(PG)43.0質量%、グリセリン(G)43.0質量%、クエン酸トリブチル(TBC)9.6質量%、及びニコチン(NIC)4.5質量%を含む溶液を用いた。前記非燃焼加熱型香味吸引器について、前記方法により使用時におけるニコチンの送達量を測定した。結果を
図6に示す。
【0069】
[実施例11~13、比較例3]
エアロゾル源として、表2に示される組成を有するエアロゾル源を使用した以外は、実施例10と同様に非燃焼加熱型香味吸引器を作製し、使用時におけるニコチンの送達量を測定した。結果を
図6に示す。
【0070】
【0071】
図6に示されるように、エアロゾル源がクエン酸トリブチルを含まない比較例3に対して、エアロゾル源にクエン酸トリブチルを添加した実施例10、11では、ニコチンの送達量の増加が見られ、送達量はクエン酸トリブチルの添加量増加に伴い増加した。また、グリセリンをクエン酸トリエチルとクエン酸トリブチルに置き換えた実施例12、13の結果より、クエン酸トリエチルを併用することで、クエン酸トリブチルの含有量を低減させても、ニコチンの送達量は実施例11以上となることが確認された。したがって、たばこ源を有さず、代わりにエアロゾル源がたばこ由来成分を含む非燃焼加熱型香味吸引器においても、前記式(1)で示される化合物及びクエン酸トリエチルの両方を添加することが好ましいことが分かった。
【0072】
[実施例14~17、比較例4]
エアロゾル源として、表2に示される組成を有するエアロゾル源を使用した以外は、実施例10と同様に非燃焼加熱型香味吸引器を作製し、使用時におけるメンソールの送達量を測定した。結果を
図7に示す。
【0073】
図7に示されるように、エアロゾル源がクエン酸トリブチルを含まない比較例4に対して、エアロゾル源にクエン酸トリブチル、又は、クエン酸トリブチル及びクエン酸トリエチルを添加した実施例14~17では、メンソールの送達量の大幅な増加が確認された。
【符号の説明】
【0074】
100 非燃焼加熱型香味吸引器
111 カートリッジ
112 電源ユニット
130 香味付与カートリッジ
132 たばこ源
111P リザーバ
111R 霧化手段