(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】鋳型からの金属分離の検出
(51)【国際特許分類】
B22D 11/16 20060101AFI20240910BHJP
B22D 11/049 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B22D11/16 104R
B22D11/049
(21)【出願番号】P 2023504427
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(86)【国際出願番号】 US2021042969
(87)【国際公開番号】W WO2022020717
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-20
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】マッカラム,ジョン ロバート バスター
(72)【発明者】
【氏名】ワグスタッフ,ロバート ブルース
(72)【発明者】
【氏名】コズミッキ,マイケル アール
(72)【発明者】
【氏名】フェントン,ウェイン ジェイ
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-037352(JP,A)
【文献】特開昭53-108035(JP,A)
【文献】特開2006-075840(JP,A)
【文献】特開2000-210757(JP,A)
【文献】特開昭57-156862(JP,A)
【文献】特開昭62-061757(JP,A)
【文献】特開平10-128504(JP,A)
【文献】実開昭59-120049(JP,U)
【文献】特開昭55-139157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/16
B22D 11/049
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の金属収縮を検出するためのシステムであって、
金属を受けて収容するための金型であって、第1の側、前記第1の側の反対側の第2の側、及び前記第1の側と前記第2の側との間にまたがる複数の壁を含む、前記金型と、
前記金型の前記第1の側に面し、前記金型の前記第1の側の少なくとも一部を含む視野を有するカメラと、
前記金型の前記第2の側に向けられた光を放射するために前記金型の前記第2の側に面する光源であって、前記金属が前記複数の壁のうちの少なくとも1つから分離されたとき、前記放射された光は前記金型の前記第1の側を通って前記カメラに可視である、前記光源と、
を備え、
前記システムは、
前記カメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つと前記金属との間に可視である光を検出することと、
前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つからの前記金属の分離が、前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つと前記金属との間に可視であるように検出された前記光に少なくとも部分的に基づいて発生しているかどうかを判定することと、
を行うように構成される、前記システム。
【請求項2】
前記金型の前記第1の側は前記金属を受けるための開放上部であり、前記金型の前記第2の側は前記金属が前記金型から出ることを可能にする開放底部である、または、
前記金型の前記第1の側は前記金属が前記金型から出ることを可能にする開放底部であり、前記金型の前記第2の側は前記金属を受けるための開放上部である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記金型は第1の金型であり、前記カメラの前記視野は前記第1の金型及び第2の金型を含み、前記システムは、前記第1の金型及び前記第2の金型の一方または両方で、前記複数の壁のうちの少なくとも1つからの前記金属の分離を検出でき、
前記システムは、さらに、前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生しているかどうかの判定に少なくとも部分的に基づいて、応答を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源は、380~740nmの波長で光を放射することが可能である複数の発光ダイオードである、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
底部を有する前記金型の上に位置付けられ、前記金属を収容するためのチャネルを画定する容器をさらに備え、前記容器の前記底部は、前記容器から前記金型まで前記金属を流すための1つ以上の開口を画定し、
前記システムは、さらに、前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生していると判定されたかに少なくとも部分的に基づいて、前記容器から前記金型までの前記金属の流れを調整するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記カメラは第1のカメラであり、前記システムは、さらに、前記第1のカメラの視野とは異なる視野を伴う第2のカメラを備え、
前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出することは、前記第1のカメラまたは前記第2のカメラの一方または両方からのデータに基づいている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記金型は第1の金型であり、前記システムは、さらに、第1の側、前記第1の側の反対側の第2の側、及び前記第1の側と前記第2の側との間にまたがる複数の側壁を含む第2の金型を備え、
前記第2のカメラは、前記第2の金型の前記第1の側を含む視野を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、さらに、前記第1のカメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出し、前記第2のカメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、さらに、前記金型の上に位置付けられ、前記金属を前記金型に堆積するように構成されたロンダーを備え、前記ロンダーは、前記金属を受けるためのチャネルを画定し、前記金型への前記金属の流量を制御するように構成された流量制御デバイスを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、さらに、少なくとも前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生しているかどうかの判定に基づいて、前記金型への前記金属の前記流量を制御するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記流量制御デバイスの少なくとも一部は、前記ロンダーの底部によって画定された開口に隣接して位置付け可能であり、前記金型への前記金属の前記流量を制御することは、少なくとも前記開口に対する前記流量制御デバイスの位置を変更することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記チャネルから前記金型までの前記金属の前記流れを調整することは、さらに、
前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との前記分離のサイズを判定することと、
前記分離の前記サイズを閾値と比較することと、
前記分離の前記サイズが前記閾値よりも小さい場合に前記金属の前記流れを増加させること、または、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも大きい場合に前記金属の前記流れを停止もしくは減少させることと、
を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の開口のうちの1つの開口に隣接して少なくとも部分的に位置付けられた流量制御デバイスをさらに備え、
前記金属の前記流れを増加させること、または前記金属の前記流れを停止もしくは減少させることは、前記開口のサイズを変化させる流量制御デバイスの位置を調整することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記金属の前記流れを増加させることは、前記流量制御デバイスを調整して前記開口の前記サイズを増加させることを含む、または前記流れを停止もしくは減少させることは、前記流量制御デバイスを調整して前記開口の前記サイズを減少させることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記流量制御デバイスは、ピン、バルブ、栓、または漏斗のうちの少なくとも1つを含む、請求項9
または13に記載のシステム。
【請求項16】
金型から分離する金属を検出する方法であって、
前記金属を前記金型に受けさせることであって、前記金型は、第1の面、前記第1の面に対向する第2の面、及び前記第1の面と前記第2の面との間にまたがる複数の側壁を含み、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つは前記金属に接触する、前記受けさせることと、
少なくとも前記第1の面の少なくとも一部の視野を有するカメラから受信したデータに基づいて、前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が存在するかを検出することであって、光源は、前記光を放射し、前記第2の面に隣接して位置付けられ、前記光を前記第2の面に向ける、前記検出することと、
少なくとも前記光が存在するかを検出することに基づいて、前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されているかを判定することと、
を含む、前記方法。
【請求項17】
少なくとも前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することに基づいて、応答を送信することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記応答は、少なくとも1つのアラートメッセージを送信すること、またはアラームを発報することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記金属を前記金型に受けさせることは、前記金属を前記金型に堆積するように構成された流量制御デバイスを動作させることを含み、前記流量制御デバイスは、前記金型への前記金属の流量を変化させるように動作可能である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することに基づいて、前記金型への前記金属の前記流量を調整するように前記流量制御デバイスを動作させることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記金型への前記金属の前記流量を調整することは、
前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離のサイズを判定することと、
前記分離の前記サイズを閾値と比較することと、
前記分離の前記サイズが前記閾値よりも小さい場合に前記金属の前記流量を増加させること、または、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも大きい場合に前記金属の前記流量を停止もしくは減少させることと、
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されている場所を識別することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記カメラからのデータまたは前記金型の外側の環境に配置された光センサーからのデータに基づいて、前記金型の外側の前記環境における環境光の色を識別することと、
前記光源を制御して、前記識別された色とは異なる色または複数の色を伴う光を生成することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間の光を検出することは、さらに、前記金型の前記第1の面の少なくとも一部の視野を有する第2のカメラからデータを受信することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの間の光を検出することは、さらに、前記カメラを移動させて前記視野を変化させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記カメラを移動させることは、少なくとも、複数の金型のうちの1つ以上の金型の前記第1の面または前記第2の面の1つ以上の部分を含むように前記視野を変化させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することは、さらに、前記金型または前記金属に関して受信した情報に基づいている、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年7月23日に出願され「DETECTING METAL SEPARATION FROM CASTING MOLD」と題された米国仮出願第62/705,945号、及び2020年7月23日に出願され、「Monitoring Casting Environment」と題された米国仮出願第62/705,947号の利益及び優先権を主張し、これらの特許文献の両方の内容は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、金属鋳造に関し、より具体的には、金属鋳造プロセスを監視するための関連するプロセス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
溶融金属を金型に堆積させて金属インゴットを作成し得る。これらの金属インゴットは、例えば、直接チル(DC)鋳造または電磁鋳造(EMC)を使用して形成され得る。DC鋳造では、通常、溶融金属は浅い水冷金型に注がれる。金型は、入れ子式油圧テーブルに取り付けられた底ブロックを含み、仮底を形成し得る。底部ブロックは、溶融金属が金型内に堆積する前に、金型の底またはその近くに位置付けられ得る。溶融金属が金型内に堆積すると、溶融金属が型穴を充填し、金型の外側及び下部を冷却できる。溶融金属は冷却され凝固し始め得、溶融コアの周りに固体金属または半固体金属のシェルを形成する。底部ブロックが下降すると、追加の溶融金属を型穴に供給できる。
【0004】
凝固中、冷却されている金属は収縮して金型壁から引き離され得、ギャップがある状態になる。追加の溶融金属が型穴に供給されるとき、新たに加えられた溶融金属は、金型壁とインゴットシェルとの間のギャップを通ってインゴットの外側に流れ落ち得る。溶融金属が冷却液に接触する及び/または冷却液を取り込む場合、爆発を起こし得る。さらに、溶融金属がギャップ内で凝固する場合、底部ブロックが下降し続けるため、インゴットが金型内で詰まり得、インゴットの底部と底部ブロックとの間にスペースがある状態になる。最終的に、インゴットの重量により、インゴットが金型から下側の底部ブロックの上に落ち、溶融金属を金型から鋳造環境に飛び散らせる。
【0005】
インゴットと金型との間のギャップに関連するリスクを軽減するために、オペレーターまたは複数のオペレーターは鋳造プロセス中に金型のエッジを観察し得、本人が直接またはビデオ監視システムを用いてのいずれかで、そのようなギャップを探す。しかしながら、ギャップが小さい、または見えにくいため、オペレーターまたは複数のオペレーターがギャップを見逃しまたは見落とし得る。さらに、いくつかの金型が同時に使用され得、オペレーターもしくは複数のオペレーターが複数の金型に注意を向ける必要がある、または多くのオペレーターが様々な金型を監視する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
実施形態という用語及び類似の用語は、本開示の主題の全て及び下記の特許請求の範囲を広義に指すことを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に説明される主題を限定するものではない、または、下記の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定するものではないと理解されたい。本明細書で網羅される本開示の実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本開示の様々な態様の高精度の概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介している。この発明の概要は、特許請求される主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用することも意図していない。主題は、本開示の明細書全体、図面のいずれかまたは全て、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されたい。
【0007】
本明細書の特定の例は、鋳造プロセス中に鋳型から分離する金属を検出するためのシステム及び方法に対応するものである。様々な例では、鋳造プロセス中に、溶融金属及び/または凝固金属を収容するための1つ以上の金型を利用する。金型の少なくとも1つは、金型の上部と底部との間にまたがるいくつかの側壁を有し得る。金型の上部及び底部は開き得、開放上部を通して溶融金属を堆積させ、開放底部を通して凝固金属を出すことが可能になる。本システムは1つ以上のカメラを含み得、少なくとも1つのカメラは金型の少なくとも一部を含む視野を有する。例えば、1つ以上のカメラの視野は金型の上部を含み得る。光源は、金型に隣接して位置付けられ、例えば、1つ以上のカメラのように、金型の反対側に位置付けられ得る。光源は、金型に光を向けるように位置付けられ得る。例えば、光源は、金型の底部から金型の上部にあるカメラに向かって光を照らすように位置付けられ得る。コンピューターシステムを使用して、カメラから受信した画像データに基づいて、金型内の凝固金属と金型の側壁との間で光が可視であるかどうかを検出し得る。コンピューターシステムは、例えば、システムが金型内の凝固金属と金型の側壁との間に光が可視であることを検出しているかどうかに基づいて、金型内の金属が金型の側壁から分離しているかどうかを判定し得る。
【0008】
様々な例では、凝固金属と金型側壁との間に予期しないギャップを検出するためのシステムが提供される。本システムは、金型、カメラ、光源、プロセッサ、及びメモリを含み得る。金型は、第1の側、第1の側の反対側の第2の側、及び第1の側と第2の側との間にまたがるいくつかの壁を有し得る。カメラは、金型の第1の側に隣接して位置付けられ、金型の第1の側を含む視野を有し得る。光源は、金型の第2の側に隣接して位置付けられ、金型の第2の側に向けられ得、その結果、凝固金属が金型壁の少なくとも1つから分離しているとき、光源からの光が金型の第1の側を通ってカメラに可視であるようになり得る。メモリは命令を含み得、命令によって、プロセッサによって実行されるとき、システムに、カメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、金型側壁と凝固金属との間の光を検出させ、検出された光に少なくとも部分的に基づいて、金型側壁と凝固金属との分離が発生しているかどうかを判定させ得る。
【0009】
様々な例では、金型から分離する凝固金属を検出するためのコンピューター実施方法が提供される。本方法は、2つの対向する面と、2つの対向する面の間にまたがる複数の側壁とを伴う金型内に溶融金属を受けることを含み得る。金型は、溶融金属が冷却及び凝固する際に、溶融金属と接触する少なくとも1つの側壁を有し得る。少なくとも金型の第1の面の少なくとも一部の視野を有するカメラから受信したデータに基づいて、金型の少なくとも1つの側壁と凝固金属との間の光を検出し得る。光源は、金型の第2の面に隣接して位置付けられ、光を金型の第2の面に向け得る。本方法は、さらに、検出された光に基づいて、凝固金属が金型の側壁から引き離されているかどうかを判定することを含み得る。
【0010】
様々な例では、鋳型から分離する金属を検出するためのシステムが提供される。本システムは、金型、ロンダー、カメラ、ライト、及びコンピューターシステムを含み得る。金型は、金属を受けて収容し得る。金型は、第1の側、第1の側の反対側の第2の側、及び第1の側と第2の側との間にまたがる複数の側壁を有し得る。ロンダーは、金型の上に位置付けられ得、溶融金属を収容するためのチャネルと、溶融金属をロンダーから金型に移送するための1つ以上の開口部とを含み得る。カメラは、金型の第1の側を含む視野を有し得る。光は、金型の第2の側に隣接して位置付けられ得、光を金型の第2の側に向け得る。凝固金属が金型壁の少なくとも1つから分離するとき、金型の第1の側を通って光がカメラに可視であるようになり得る。コンピューターシステムは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行可能なコンピューター実行可能命令とを含み得る。コンピューター実行可能命令は、コンピューターシステムに、カメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、金型側壁と凝固金属との間に光が可視であるかどうかを検出させ、検出された光に少なくとも部分的に基づいて、金型側壁と凝固金属との分離が発生しているかどうかを判定させ、チャネルから金型への溶融金属の流れを調整させ得る。
【0011】
様々な例では、金型から分離する金属を検出するためのシステムが提供される。本システムは、金属を受けて収容するように構成された金型であって、第1の側、第1の側の反対側の第2の側、及び第1の側と第2の側との間にまたがる複数の側壁を含む、金型と、底部を有する金型の上に位置付けられ、金属を収容するためのチャネルを画定する容器であって、金型の底部は容器から金型まで金属を流すための1つ以上の開口を画定する、容器と、金型の第1の側を含む視野を有するカメラと、光を金型の第2の側に向けるために、金型の第2の側に隣接して位置付けられるライトであって、金属が複数の側壁のうちの少なくとも1つから分離されるとき、光は金型の第1の側を通ってカメラに可視である、ライトと、を含み得る。本システムは、カメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の側壁のうちの少なくとも1つと金属との間に光が可視であるかどうかを検出し、複数の側壁のうちの少なくとも1つと金属との間に可視であるように光が検出されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、複数の側壁のうちの少なくとも1つと金属との分離が発生しているかどうかを判定して、複数の側壁のうちの少なくとも1つと金属との分離が発生していると判定されたかに少なくとも部分的に基づいて、容器から金型までの金属の流れを調整し得る。
【0012】
他の目的及び利点は、以下の非限定的な例の詳細な説明から明らかであろう。
【0013】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図における同様の参照番号の使用について、同様または類似の構成要素を示すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】様々な実施形態による、金型から分離する金属の凝固を検出するためのシステムの断面側面図である。
【
図2】様々な実施形態による、複数の金型が含まれる、
図1のシステムの正面図である。
【
図3】様々な実施形態による、溶融金属が金型に加えられ、凝固し始め、金型の側壁から引き離された後の
図1の金型の上面図である。
【
図4】様々な実施形態による、例えば、
図1~
図3のシステムを使用することによって、凝固金属が金型から分離しているかを検出するプロセスを示すフローチャートである。
【
図5】様々な実施形態による、
図1及び
図2の例示的なコンピューターシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用される場合、「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」、及び「本発明(the present invention)」という用語は、本特許出願の全ての主題及び下記の特許請求の範囲を広義に指すことが意図される。これらの用語を含む記述は、本明細書に説明される主題を制限するものではない、または下記の本特許の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を制限するものではないと理解されたい。本発明の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性を用いて本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも、特許請求の範囲を制限することを意図していない。特許請求される主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存の技術または将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に説明されるときを除き、様々なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、別段文脈により明確に指示されない限り、単数形及び複数形の言及を含む。
【0016】
本開示の特定の態様は金属等の任意のタイプの材料での使用に適し得るが、本開示の特定の態様はアルミニウムでの使用に特に適し得る。
【0017】
本明細書に開示される全ての範囲は、それに含まれるあらゆる部分的範囲が包含されると理解されたい。例えば、記載された範囲「1~10」は、最小値1~最大値10(及びこれらを含む)の、あらゆる部分的範囲を含むと考えるべきである。すなわち、全ての部分的範囲は、1以上の最小値(例えば、1~6.1)から始まり、10以下の最大値(例えば、5.5~10)で終わる。
【0018】
以下の例は、一緒に用いられるが、そのいかなる制限をもたらさないで、本発明を説明するのにさらに役立つであろう。これに対して、本明細書の説明を読んだ後、本発明の主旨から逸脱することなく、当業者にそれ自体を示唆し得る、様々な実施形態、それらの改変物、及び均等物が参照され得ると明確に理解されたい。
【0019】
図1及び
図2は、特定の実施形態による、金型120及び関連するコンポーネントの少なくとも1つの側壁から分離する凝固金属114を検出するための検出システム100を示す。検出システム100は任意の数のコンポーネントを含み得るが、様々な実施形態では、検出システム100は、インゴット110、金型120、カメラ140、光源150、コンピューターシステム160を含む。
図1及び
図2に示されるように、検出システム100はロンダー130をさらに含むものとして示されるが、検出システム100は追加または代替のコンポーネントを含み得る。
【0020】
インゴット110は、溶融金属112及び凝固金属114を含み得る。様々な例では、凝固金属114は、金型120の壁に接触して冷却された溶融金属112である。例示的な例では、溶融金属112が金型120内に堆積され、凝固し始め、凝固金属114を形成する。金型120の底部ブロック122は、溶融金属112が金型120の上部に加えられる間、着実に下降できる。溶融金属112の追加は、凝固金属114の壁によって囲まれた溶融金属112のポケットを作成し、インゴット110を連続的に長くできる。
【0021】
インゴット110は、溶融温度に加熱されることが可能であるいずれかの金属または金属の組み合わせから形成され得る。非限定的な例では、インゴット110を形成するために使用された金属はアルミニウムを含む。追加的または代替的に、インゴット110を形成するために使用された金属は、鉄、マグネシウム、または金属の組み合わせを含み得る。
【0022】
1つ以上の金型120(以下、個々にまたはまとめて「金型」と呼ぶ)は、検出システム100の一部として提供され得る。金型120は、1つ以上の金型開口部に溶融金属112を受け得る。溶融金属112が冷却されて凝固金属114になるとき、金型120によって収容され、溶融金属112はある形状に形成され得る。凝固金属114によって(例えば、冷却されると)、1つ以上の金型出口を通って金型120を出る場合がある。様々な実施形態では、金型120は、4つの側壁、溶融金属112を受けるための開放上部、及び凝固金属114が出ることができる開放底部を伴う長方形であり得る。金型120は、追加的または代替的に、一般に金型120が直接チル鋳造に使用される場合であり得るように、インゴット110を形成するために底部ブロック122を有し得る、またはそれと協働し得る。底部ブロック122は可動式または静止式であり得る。いくつかの実施形態では、可動底部122は、伸縮式油圧テーブルに取り付けられた始動ヘッドであり得る。代替の実施形態では、金型120は、溶融金属112を鋳造するのに適した任意のタイプ及び形状であり得る。
【0023】
金型120は、追加的または代替的に、溶融金属112の冷却を補助し、凝固金属114を形成し得る。非限定的な例では、金型120は水冷金型である。しかしながら、金型120は、金型壁の冷却を遅らせるために壁を加熱し得る(例えば、大野式連続鋳造法(OCC)に従って金型を利用する)。金型120は、また、空気、グリコール、または任意の適切な冷却媒体のうちの1つ以上を使用する冷却システムを含み得る。
【0024】
溶融金属112は、金型120に隣接して位置付けられた1つ以上のロンダー130によって堆積できる。ロンダー130は、溶融金属112を金型120に分配するための1つ以上の開口部を含み得る。様々な実施形態では、ロンダー130は、金型120の上に位置付けられ、1つ以上の開口部から金型120に溶融金属112を堆積させ得る。ロンダー130は、溶融金属112を収容及び分配するのに適した任意のサイズ及び形状であり得る。示されるように、ロンダー130は、溶融金属112を収容するためのU字型チャネルを伴う長方形の形状を有する。
【0025】
ロンダー130は、さらに、流量制御デバイス132を含み得る。流量制御デバイス132は、ロンダー130から金型120への溶融金属112の流量を制御し得る。例示的な例として、流量制御デバイス132はピン134を含み得る。ピン134は、ロンダー130の開口部136に位置付けできる。ピンが開口部に対して下方に移動すると、ピンと開口部との間の環が小さくなるように、開口部136及び/またはピン134は先細りにできる。ピン134を上昇及び/または下降させることによって、ロンダー130から出る溶融金属112の流れを調整できる。例えば、ピン134が上昇すると、ピンと開口部136との間の環を拡大でき、ロンダー130から流出する溶融金属112を増加させる(例えば、実線で示される)。さらに、ピン134が下降すると、ピンと開口136との間の環を収縮でき、ロンダー130から出る溶融金属112の流れを減少及び/または停止させる(例えば、破線で示される)。
【0026】
ピン134は、コンピューターシステム160によって自動的に上昇及び/または下降できる。例えば、ピン134を自動的に上昇及び/または下降させ、金型120の溶融金属112の高さを設定点の範囲内に維持し得る。ピン134は、追加的または代替的に、ギャップ116のサイズが特定の範囲内にあると検出したことに応答して自動的に上昇及び/または下降し得る。しかしながら、ピン134は手動で上昇及び/または下降し得る。いくつかの例では、手動によるピン134の上昇及び/または下降は、コンピューターシステム160によって指示され得る。様々な実施形態では、ピン134は、金型120への溶融金属112の流れを調整するために、一定の時間間隔で上昇及び下降できる(例えば、ピンを振動できる)。ピン134が振動すると、溶融金属112が金型120に流れ、金型120の溶融金属の表面張力が乱れる可能性がある。金型120の溶融金属112の表面張力が乱れると、金型内の溶融金属の表面に沿って、例えばギャップ116内に溶融金属をより容易に流すことができる。さらなる実施形態では、流量制御デバイス132は、追加的または代替的に、バルブ、栓、漏斗、または他の適切な構造を含み得る。
【0027】
検出システム100は、さらに、静止画像または動画をキャプチャすることが可能である1つ以上のカメラ140を含み得る。カメラ140は、金型120に面して位置付けられ得、またはそうでなければ、金型120の少なくとも一部を含む視野142を有し得る。様々な実施形態では、カメラ140は、金型120の上部の少なくとも一部を含む視野142を伴う金型120の上に位置付けられる。カメラ140は、追加的または代替的に、金型120の底部の少なくとも一部を含む視野を伴う金型120の下に位置付けられ得る。様々な実施形態では、カメラ140は可動である及び/または変化する視野142を有する。
【0028】
検出システム100は、連動して動作する複数のカメラ140を含み得る。複数のカメラ140は、隣接するまたは重なる視野142を有するように位置付けられ得る。例えば、2つのカメラ140は、金型120の上に異なる高さに取り付けられ得、金型120の上部の重なる視野142を有し得る。別の例として、カメラ140のそれぞれが金型120の片側の一部の視野142を有するように、2つのカメラ140を取り付け得る。視野142のそれぞれを組み合わせて、金型120の側面全体または対象の他の集合領域の画像を形成し得る。
【0029】
光源150は、カメラ140のように、金型120の反対側に位置付けられ得る。
図3を説明するときに下記に説明されるように、光源150は金型120に向けて直接光を放射するように位置付けられ得、その結果、ギャップ116(示されるように、見やすくするために、ギャップ116のサイズは誇張されている)が金型120の少なくとも1つの側壁と凝固金属114との間に存在する場合、放射光がギャップ116を照らす。非限定的な例では、カメラ140は金型120の上に位置付けられ、光源150は金型120の下に位置付けられ、光を上方に向けて放射する。代替的に、光源150は、金型120の上に位置付けられ、光を下方に向けて放射し得、カメラ140は金型120の下に位置付けられる。さらなる例では、ライト及びカメラは、金型の同じ側に位置付けられ得る。存在する場合、ギャップ116を通って可視である放射光は、カメラ140によってキャプチャ、登録、及び/または検出され得る。放射光は間接的に移動している光であり得、またはその光を含み得、光源150からギャップ116を通ってカメラ140まで移動するとき、跳ね返っている、反射している、及び/または屈折している。例えば、光はギャップ116を通って移動するとき、凝固金属114及び/または金型120に反射し得る。しかしながら、光は、ほとんどまたは全く反射または屈折しないで、光源150からギャップ116を通ってカメラ140まで、直接移動している光であり得る、またはその光を含み得る。
【0030】
光源150は、単色の光を放射し得る、または、複数の色の間で変化することが可能であり得る。色は可視スペクトルまたは赤外線スペクトルであり得る。非限定的な例では、光源150は、色を変化させることが可能であるLEDを含む。光源150は、白熱灯、コンパクト蛍光灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード(LED)、蛍光管、ネオンランプ、高輝度放電ランプ、または他の発光体を、個々にまたは組み合わせて含み得る。さらに、光源150は、光を直接放射し、光を生成することが可能であるコンポーネントに対応し得る、及び/または、追加的もしくは代替的に、光を間接的に放射し、光を標的焦点領域に反射する、もしくは向けることが可能である1つ以上の反射面もしくは他の要素を含み得る。さらなる非限定的な例は、光を導くための鏡または光ファイバーケーブルを含む。
【0031】
検出システム100はコンピューターシステム160を含み得る。コンピューターシステム160は、コンピューター実行可能命令を実行するためのハードウェア及びソフトウェアを含み得る。例えば、コンピューターシステム160は、コンピューター実行可能命令を実行するために、メモリ、プロセッサ、及びオペレーティングシステムを含み得る(
図5)。コンピューターシステム160は、有線接続または無線接続(例えば、ブルートゥース(登録商標))を介して他のデバイスと通信することが可能であるハードウェアまたはソフトウェアを有し得る。コンピューターシステム160は、流量制御デバイス132、カメラ140、光源150、アラーム170(
図2)、またはセンサー180(
図2)のうちの1つ、いくつかの組み合わせ、または全てと通信し得る。
【0032】
複数の実施形態では、コンピューターシステム160は単一の物理的場所にある。例えば、コンピューターシステム160はハードウェア及びソフトウェアであり得、それらは、金型120と同じ製造施設に位置し、ローカル通信ネットワーク(例えば、Wi-FiまたはBluetooth)を通じて、カメラ140及び/または光源150と通信する。追加的または代替的に、複数のコンピューターシステム160は、カメラ140及び/または光源150と通信し得る、及び/または複数の物理的場所に位置し得る。例えば、コンピューターシステム160は、任意の数のインターネット接続コンピューティングコンポーネントを含むクラウドコンピューティングシステムであり得る。
【0033】
コンピューターシステム160はハードウェア及びソフトウェアを含み得、それらは、カメラ140からデータを受信するステップと、受信したデータを分析して金型120と凝固金属114との間の光を検出するステップと、金属114が金型120から分離しているかどうかを判定するステップの実行を可能にする。これらのステップの一部または全ては、単一のコンピューターシステム160または複数のコンピューターシステムによって行われ得る。
【0034】
図2に示される検出システム100は、アラーム170及びセンサー180の追加要素を含む。しかしながら、
図2の検出システム100は追加または代替の要素を含み得る。
【0035】
コンピューターシステム160は、凝固金属114が金型120から分離していることが判定された後、ユーザーに警告し得る(例えば、金型120と凝固金属114との間にギャップ116等のギャップが存在することで、光源150からの光はカメラ140によって検出される)。コンピューターシステム160は、また、アラーム170と通信し得る。例えば、コンピューターシステム160は、(カメラ140が、ギャップ116を通る光をキャプチャ、登録、及び/または検出するとき等)金型120の1つ以上の側壁と凝固金属114との間にギャップ116が存在するとの判定(例えば、コンピューターシステム160によって行われた判定)に応答して、アラーム170を発報し得る。アラーム170は、ユーザーの注意を引くこと及び/または情報をユーザーに伝えることが可能である、ベル、ライト、サイレン、ディスプレイ、スピーカー、または任意の他の物体に対応する、またはこれらを含み得る。
【0036】
アラーム170を発報することに加えて、またはその代わりに、他のアクションが指示され得る。様々な実施形態では、金型120への溶融金属112の流れの変化は、アラーム170の発報と一緒に、またはその発報の代わりに導入され得る。例えば、流量制御デバイス132は、金型120への溶融金属112の流量、量、または他の流れの特性を増加、減少、またはそうでなければ変化させるように制御され得る。様々な実施形態では、追加的または代替的に、アラートを表示、記録、送信、またはそうでなければユーザーもしくはシステムの別の態様に通信し得る(例えば、アラーム170の発報及び/または溶融金属112の流れの変化とは独立して、またはそれらに連動して行われ得る)。
【0037】
様々な実施形態では、光源150は、検出システム100の環境に存在する他の色とは異なる光の色を利用し得る。そのような機能は、センサー180によって容易にされ得る。センサー180は、周囲の製造環境で光を検出し、そのようなデータをコンピューターシステム160に通信し得る。非限定的な例では、周囲環境は赤信号を含む。センサー180は赤色光を検出し、そのデータをコンピューターシステム160に送信する。そのデータに基づいて、コンピューターシステム160は信号を光源150に送信し、緑色光及び/または赤以外の光色を生成する。様々な実施形態では、光源150は、セットアップ中に技術者によって調整され、カメラ140の視野に現れる色に影響を与え得、そうでなければ、凝固金属114と金型120の側面との間のギャップ116の存在を判定するために識別できる光を収集するカメラ140の能力に悪影響を与える可能性がある金型120の周囲環境等、関連する周囲環境内の他の光及び/または他の物体の色とは異なる光色を生成し得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、周囲の製造環境に存在し得る周辺光及び/または光の色もしくはタイプは、センサー180または他の適切な入力によって検出され、コンピューターシステム160によってフィルタリングされ、例えば、ギャップ116の存在を判定するために関連する放射光の検出を容易にし得る。
【0038】
図2に示されるように、検出システム100は、複数の金型120A、120B、120Cを含み得る。複数の金型120A、120B、120Cは、溶融金属112をロンダー130から受けるように位置付けられ得る。代替として、複数の金型120A、120B、120Cは、溶融金属112を複数のロンダー130から受け得る。複数の金型120A、120B、120Cは、全て、同じタイプの合金、及び/または溶融金属112の組み合わせを受け得るが、金型120A、120B、120Cのそれぞれは、異なるタイプの合金及び/または溶融金属の組み合わせを受け得る。
【0039】
様々な実施形態では、1つ以上のカメラ140及び/または1つ以上の光源150は、複数の金型120A、120B、120Cの周りに位置付けられる。例えば、2つのカメラ140は、第1の金型120Aの少なくとも一部を含む視野142が重なるように位置付けられ得る。追加のカメラ140は、第1の金型120A及び第2の金型120Bの少なくとも一部を含む視野142を有するように位置付けられ得る。可動カメラ140は、さらに、第3の金型120Cの少なくとも一部を含む視野142を伴って位置付けられ得る。1つ以上の光源150は、1つ以上のカメラ140のように、複数の金型120A、120B、120Cの反対側に位置付けられ得る。
【0040】
図3を参照すると、
図1及び
図2のカメラ140の視野142の例が示される。視野142は、金型120、溶融金属112、及び凝固金属114を含み得る。また、視野142は、存在する場合、金型120の少なくとも1つの側壁と、ギャップ116を(例えば、光源150から)照らす光152との間に、ギャップ116を含み得る。示されるように、視野142は、金型120の一方の側面(例えば、上面)及び金型120の全周を含む。しかしながら、視野142は、金型120の周囲のサブ部、例えば金型120A、120B、及び120C等の複数の金型の部分、金型120の複数の側面、または複数の金型120A、120B、及び120Cの複数の側面を含み得る。
【0041】
一例として、視野142は、4つの象限(例えば、I、II、III、IV)に分割されているように示される。しかしながら、視野142は、より多いまたはより少ない数の象限を含み得る。単一のカメラ140は、4象限全てを含む視野142を有し得る。しかしながら、単一のカメラ140は、単一の象限に対応する視野142を有し得る。追加的または代替的に、単一のカメラ140は、象限の組み合わせに対応する視野142を有し得る。いくつかの実施形態では、単一のカメラ140は、カメラ140が切り替えできる複数の視野142(例えば、各象限は異なる視野142である)を有し得る。例えば、可動カメラ140は、カメラ140が金型120の上部の周りをパンすると、視野142の間で切り替わり得る。
【0042】
様々な実施形態では、象限は、インゴット110及び/または金型120の場所の座標に対応する指標を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューターシステム160は、ギャップ116が存在することを判定し、次に、座標を使用してギャップ116の場所を判定できる。
【0043】
図4は、いくつかの実施形態による、検出システム100を使用して、金型120の側壁と凝固金属114との間のギャップ116を識別するためのプロセス400の例を表すフローチャートである。プロセス400の一部または全て(または本明細書に説明される任意の他のプロセス、またはその変形及び/または組み合わせ)は、実行可能命令で構成された1つ以上のコンピューターシステムの制御下で行われ得、ハードウェアによって、またはその組み合わせで、1つ以上のプロセッサ上でまとめて実行するコード(例えば、実行可能命令、1つ以上のコンピュータープログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実装され得る。コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータープログラムの形式で、コンピューター可読記憶媒体上に記憶され得る。コンピューター可読記憶媒体は非一過性であり得る。さらに、特に断りのない限り、プロセスに示される行為は示される順序で行われる必要はない、及び/または複数の実施形態では、いくつかの行為は省略できる。
【0044】
402において、プロセス400は、溶融金属112等の金属を、金型120等の1つ以上の金型に堆積させることを含み得る。溶融金属112は、本明細書に説明されるように、ロンダー130によって金型120に堆積され得る。ロンダー130は、ロンダー130の1つ以上の開口部を通って溶融金属112を金型120に堆積させ得る。流量制御デバイス132を制御することによって、金型120に入る溶融金属112の量または流量は調整され得る。溶融金属112は、金型120の1つ以上の開口部を通って金型120に入り得る。金型120に含まれる溶融金属112は、金型120の1つまたは全ての側壁に接触し得る。溶融金属112の温度は金型120に入った後に低下し得、溶融金属112は冷却され、凝固金属114になり得る。凝固金属114は、金型120の側壁から離れて収縮し得、凝固金属114と金型120の側壁との間に1つ以上のギャップ116を形成させる。
【0045】
プロセス400は、403において、上述の光源150等の光源から、光152等の光を放射することを含み得る。光源150は、金型120の反対側に位置付けられ、カメラ140等のカメラのレンズに向かって光152を放射するように配向できる。凝固金属114が金型120の全ての側面に接触している場合、金型120の凝固金属114は放射光152を遮断する可能性がある。しかしながら、凝固金属114と金型120との間にギャップ116等のギャップがある場合、放射光はギャップ116を通って移動し、カメラ140が見ることができる。光源150は、複数の色を含む光152を放射し得る。例えば、光源150は、周囲環境で目に可視である光の色とは異なる特定の色の光を放射できる。いくつかの実施形態では、センサー180を使用して、周囲環境の光源を検出する。場合によっては、センサー180は検出された光データをコンピューターシステム160等のコンピューターに送信し、コンピューターシステム160は、検出された光の色以外の色で光152を照らす命令を光源150に送信する。
【0046】
プロセス400は、404において、金型120の側壁と凝固金属114との間で光を検出することを含み得る。検出された光は、光源150によって放射された光152であり得る。いくつかの実施形態では、検出された光152は周囲環境の周辺光である。光152は、金型120と凝固金属114との間のギャップ116を通って移動した後に検出できる。カメラ140は、ギャップ116を通る光を見ることができる。次に、カメラ140は、金型120と凝固金属114との間に光が可視であることを示すデータをコンピューターシステム160に送信できる。コンピューターシステム160は、データを処理し、金型120の側壁と凝固金属114との間で光が検出されていることを判定できる。
【0047】
プロセス400は、406において、凝固金属114が金型120から分離していると判定したことを含み得る。コンピューターシステム160は、金型120の側壁と凝固金属114との間で光152が検出されているかを判定することによって、凝固金属114が金型120から分離していることを判定する。いくつかの実施形態では、コンピューターシステム160は、カメラ140から受信したデータを処理し、凝固金属114が金型120の少なくとも1つの側壁から分離しているかを判定できる。コンピューターシステム160は、そのデータを処理し、可視データが金型120と凝固金属114との間の光152を含むかを判定できる。金型120と凝固金属114との間に光152がある場合、コンピューターシステム160は、凝固金属114が金型120の側壁から引き離されていると判定できる。例示的な例では、コンピューターシステム160は、カメラ140から視覚データを受信し、マシンビジョンアプリケーションを使用してデータを処理する。マシンビジョンアプリケーションは、視覚データを分析して、光152が可視であるか及び/または定義された特定の条件が視覚データに存在するかを判定する。次に、マシンビジョンアプリケーションは、そのデータを別のアプリケーションに送信し、及び/または凝固金属114が金型120の側壁から引き離されていると判定できる。
【0048】
コンピューターシステム160は、カメラ140から受信した追加または代替のデータを使用して、凝固金属114が金型120から引き離されていると判定し得る。いくつかの実施形態では、コンピューターシステム160は、金型120及び/または凝固金属114に関する情報を、データソース(例えば、データベース)から受信して、凝固金属114が金型120から分離しているかどうかを判定するのを補助できる。例示的な例では、第1の金型120A及び第2の金型120Bがカメラ140によって監視される。コンピューターシステム160は、第1の金型120Aの凝固金属114が第2の金型120Bの凝固金属114よりも第1の金型120Aから分離する可能性が高いという情報を受信する(例えば、第1の金型120Aは、第2の金型120Bよりも冷却源に近い領域に位置し得、第1の金型の凝固金属114をより急速に冷却され、第1の金型120Aの壁から離れて収縮する可能性が高くなる)。受信した情報に応答して、コンピューターシステム160は、第1の金型120Aをより多くカメラ140の視野142内に維持するように、カメラ140を方向付ける。
【0049】
プロセス400は、408において、凝固金属114が金型120の側壁から分離しているというコンピューターシステム160の判定に応答することを含み得る。応答は、ユーザーへのアラートを送信することを含み得る。アラートは、コンピューターシステム160によってユーザーに送信され、凝固金属114が金型120から分離していることをユーザーに知らせ得る。例えば、アラートは、上述のアラーム170等のアラームを発報し、分離が発生していることをユーザーに警告し得る。アラートは、同様にまたは代替として、ユーザーの注意を引く及び/またはユーザーに分離を知らせるメッセージ、可視指示、または音声指示であり得る。
【0050】
コンピューターシステム160は、追加的または代替的に、金型120への溶融金属112の流量を変化させることによって、凝固金属114と金型120との分離に応答し得る。溶融金属112が金型120内に堆積すると、凝固金属114が金型から離れて収縮することによって生じたギャップ116に溶融金属112が流れ得る。例えば、溶融金属112を金型120に加えてギャップを充填できるように、ギャップ116は小さくなり得る。対照的に、例えば、溶融金属112が金型120に加えられ、ギャップ116を通って流れ、金型120の底から流出し得るように、ギャップ116は大きくなり得る。いくつかの実施形態では、ギャップ116を通って流れる溶融金属112は、爆発を起こす可能性のある水及び/または冷却液と接触し得る。したがって、コンピューターシステム160は、ギャップ116のサイズを判定し、その情報を使用して、ギャップ116に応答して流量を変化させるかどうかを判定し得る。
【0051】
様々な実施形態では、ギャップ116は、金型120への溶融金属112の流れを調整することによって充填できる。例えば、金型120への溶融金属112の流量は、流量制御デバイス132によって調整され得る。コンピューターシステム160がギャップ116を検出したこと(及び/またはギャップ116が充填を可能にするくらい十分小さいと検出したこと)に応答して、例えば、ピンを上昇させロンダー130の開口部を通る溶融金属の流量を増加させることによって、金型120への溶融金属112の流量を増加させることができる。追加的または代替的に、ある高さのピンを振動させて、金型120への溶融金属112の流量を変化させることができる。溶融金属112の増加及び/または変化した流量は、溶融金属112をギャップ116に流入させることができる。溶融金属112は冷却され、凝固金属114になり得る。凝固金属114は、ギャップ116を実質的にまたは完全に充填できる。充填されたギャップ116は、追加の溶融金属112がギャップを通って流れることを停止または防止できる。ギャップ116が大きい場合、コンピューターシステム160は、金型120への溶融金属112の流れを減少または停止させる命令を流量制御デバイス132に送信し得る。コンピューターシステム160は、また、命令をユーザーに送信することによって、流速の変化を指示し得る、または引き起こさせ得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、プロセス400は、金型120から分離する凝固金属114に応答するためのステップ410~414を含む。プロセス400は、410において、凝固金属114と金型120との間のギャップ116のサイズを判定することを含み得る。様々な例では、コンピューターシステム160はカメラ140からのデータを受信し、そのデータは、凝固金属114と金型120との間のギャップ116においてカメラ140がキャプチャした光152の量を含む、または含有する。次に、コンピューターは、受信したデータで検出された光152の量を使用して、ギャップ116のサイズを判定する。
【0053】
プロセス400は、412において、凝固金属114と金型120との間のギャップ116のサイズを閾値と比較することを含み得る。閾値はコンピューターシステム160によって受信され得、少なくとも形成されるインゴット110のタイプ、金型120のタイプ、及び/または検出システム100の他の特徴に基づき得る。プロセス400は、414において、ギャップ116と閾値との比較に基づいて、金型120への溶融金属112の流れを増加または減少させることを含み得る。例えば、ギャップ116が閾値未満である場合、金型120への溶融金属112の流れを増加させることができる。追加的または代替的に、ギャップ116が閾値よりも大きい場合、金型120への溶融金属112の流れを減少及び/または停止させることができる。
【0054】
図5は、
図1に示されるように、金型120から分離する凝固金属114を検出するためのシステムとともに使用するための例示的なコンピューターシステム500である。いくつかの実施形態では、コンピューターシステム500は、プロセス400のステップの1つ、一部、または全てを行う。しかしながら、コンピューターシステム500は、追加及び/または代替のステップを行い得る。様々な実施形態では、コンピューターシステム500は、デジタル的に実装され、従来のコンピューターコンポーネントを使用してプログラム可能であるコントローラ510を含む。コントローラ510は、特定の例(例えば、
図1に示されるような機器を含む)に接続して使用され、そのような例のプロセスを実行し得る。コントローラ510はプロセッサ512を含み、プロセッサ512は、メモリ518内の有形コンピューター可読媒体(または、他の媒体の中でも特にポータブル媒体、サーバー、もしくはクラウド内等の他の場所)に記憶されたコードを実行して、コントローラ510にデータを受信及び処理させ、アクションを行い、及び/または
図1に示されるような機器のコンポーネントを制御する。コントローラ510は、データを処理し、産業機器を制御する等のアクションを行う一連の命令であるコードを実行できる任意のデバイスであり得る。非限定的な例として、コントローラ510は、デジタル的に実装された形態及び/またはプログラマブルPIDコントローラ、プログラマブル論理コントローラ、マイクロプロセッサ、サーバー、デスクトップまたはラップトップパーソナルコンピューター、ラップトップパーソナルコンピューター、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、及びモバイルデバイスの形態を取り得る。
【0055】
プロセッサ512の例は、任意の所望の処理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理、ステートマシン、または他の好適な回路を含む。プロセッサ512は、1つのプロセッサまたは任意の数のプロセッサを含み得る。プロセッサ512は、バス514を介してメモリ518に記憶されたコードにアクセスできる。メモリ518は、コードを有形に具体化するように構成された任意の非一時的なコンピューター可読媒体であり得、電子デバイス、磁気デバイス、または光学デバイスを含み得る。メモリ518の例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、デジタルビデオデバイス、磁気ディスク、ASIC、構成されたプロセッサ、または他の記憶デバイスを含む。
【0056】
命令は、実行可能コードとしてメモリ518またはプロセッサ512に記憶できる。命令は、任意の適切なコンピュータープログラミング言語で書かれたコードからコンパイラ及び/またはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含み得る。命令は、一連の設定点、光を検出するためのパラメータ、及びプログラムされたステップを含むアプリケーションの形態を取り得る。そのステップは、プロセッサ512によって実行されるとき、例えば、カメラ140を使用して金型120と凝固金属114との間の光152を検出し、光源150によって放射された光をキャプチャすることによって、凝固金属114が金型120から分離しているかをコントローラ510が判定することを可能にする。追加的または代替的に、命令はマシンビジョンアプリケーションのための命令を含み得る。
【0057】
図5に示されるコントローラ510は、コントローラ510が、コントローラ510の外部にあるデバイス及びシステムと通信できる入出力(I/O)インターフェース516を含み、それらのデバイス及びシステムは、流量制御デバイス132、カメラ140、光源150、アラーム170、及び/またはセンサー180等のコンポーネントを含む。入出力(I/O)インターフェース516は、また、必要に応じて、他の外部ソースから入力データを受信できる。そのようなソースは、コントロールパネル、その他のヒューマン/マシンインターフェース、コンピューター、サーバー、または他の機器を含み得、それらは、例えば、命令及びパラメータをコントローラ510に送信し、その性能及び動作を制御して、本発明の特定の例のプロセス等に関連して、凝固金属114が金型120から分離しているかを判定するために、コントローラ510がこれらのアプリケーションで命令を実行することを可能にするアプリケーションのプログラミングを記憶及び容易にすることができる。そして、上記のそのようなソースは、金型120と凝固金属114との間の光152を検出するために及び/または
図1の検出システム100等、凝固金属114が金型120から分離しているかを判定するために、その機能を実行する際にコントローラ510に必要または有用なデータの他のソースも含む。そのようなデータは、ネットワーク、有線、無線、バスを介して、または必要に応じて別の方法で、入出力(I/O)インターフェース516に通信できる。
【0058】
上記で引用された全ての特許、刊行物、及び要約は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。例示された実施形態の態様を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的だけのために提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。それらの多くの改変、適合、及び使用は、当業者には明らかであろう。
【0059】
態様の説明
上記で引用された全ての特許、刊行物、及び要約は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。例示された実施形態の態様を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的だけのために提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。それらの多くの改変、適合、及び使用は、当業者には明らかであろう。
【0060】
態様1は、金型の金属収縮を検出するためのシステムであって、金属を受けて収容するための金型であって、第1の側、前記第1の側の反対側の第2の側、及び前記第1の側と前記第2の側との間にまたがる複数の壁を含む、前記金型と、前記金型の前記第1の側に面し、前記金型の前記第1の側の少なくとも一部を含む視野を有するカメラと、前記金型の前記第2の側に向けられた光を放射するために前記金型の前記第2の側に面する光源であって、前記金属が前記複数の壁のうちの少なくとも1つから分離されたとき、前記放射された光は前記金型の前記第1の側を通って前記カメラに可視である、前記光源と、を備え、前記システムは、前記カメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つと前記金属との間に可視である光を検出することと、前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つからの前記金属の分離が、前記複数の壁のうちの前記少なくとも1つと前記金属との間に可視であるように検出された前記光に少なくとも部分的に基づいて発生しているかどうかを判定することと、を行うように構成されるシステムである。
【0061】
態様2は、前記金型の前記第1の側が前記金属を受けるための開放上部であり、前記金型の前記第2の側は前記金属が前記金型から出ることを可能にする開放底部である、または、前記金型の前記第1の側は前記金属が前記金型から出ることを可能にする開放底部であり、前記金型の前記第2の側は前記金属を受けるための開放上部である、態様(複数可)1(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0062】
態様3は、前記金型が第1の金型であり、前記カメラの前記視野は前記第1の金型及び第2の金型を含み、前記システムは、前記第1の金型及び前記第2の金型の一方または両方で、前記複数の壁のうちの少なくとも1つからの前記金属の分離を検出でき、前記システムは、さらに、前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生しているかどうかの判定に少なくとも部分的に基づいて、応答を送信するように構成される、態様(複数可)1(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0063】
態様4は、前記光源が、380~740nmの波長で光を放射することが可能である複数の発光ダイオードである、態様1~3のいずれか1つ(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0064】
態様5は、底部を有する前記金型の上に位置付けられ、前記金属を収容するためのチャネルを画定する容器をさらに備え、前記容器の前記底部は、前記容器から前記金型まで前記金属を流すための1つ以上の開口を画定し、前記システムは、さらに、前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生していると判定されたかに少なくとも部分的に基づいて、前記容器から前記金型までの前記金属の流れを調整するように構成される、態様(複数可)1(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0065】
態様6は、前記カメラが第1のカメラであり、前記システムは、さらに、前記第1のカメラの視野とは異なる視野を伴う第2のカメラを備え、前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出することは、前記第1のカメラまたは前記第2のカメラの一方または両方からのデータに基づいている、態様(複数可)5(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0066】
態様7は、前記金型が第1の金型であり、前記システムは、さらに、第1の側、前記第1の側の反対側の第2の側、及び前記第1の側と前記第2の側との間にまたがる複数の側壁を含む第2の金型を備え、前記第2のカメラは、前記第2の金型の前記第1の側を含む視野を有する、態様(複数可)6(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0067】
態様8は、前記システムが、さらに、前記第1のカメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出し、前記第2のカメラからのデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が可視であるかどうかを検出するように構成される、態様(複数可)7(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0068】
態様9は、前記システムが、さらに、前記金型の上に位置付けられ、前記金属を前記金型に堆積するように構成されたロンダーを備え、前記ロンダーは、前記金属を受けるためのチャネルを画定し、前記金型への前記金属の流量を制御するように構成された流量制御デバイスを備える、態様(複数可)1(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0069】
態様10は、前記システムが、さらに、少なくとも前記複数の壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離が発生しているかどうかの判定に基づいて、前記金型への前記金属の前記流量を制御するように構成される、態様(複数可)9(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0070】
態様11は、前記流量制御デバイスの少なくとも一部が、前記ロンダーの底部によって画定された開口に隣接して位置付け可能であり、前記金型への前記金属の前記流量を制御することは、少なくとも前記開口に対する前記流量制御デバイスの位置を変更することを含む、態様(複数可)10(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0071】
態様12は、前記チャネルから前記金型までの前記金属の前記流れを調整することが、さらに、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との前記分離のサイズを判定することと、前記分離の前記サイズを閾値と比較することと、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも小さい場合に前記金属の前記流れを増加させること、または、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも大きい場合に前記金属の前記流れを停止もしくは減少させることと、を含む、態様(複数可)5(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0072】
態様13は、前記1つ以上の開口のうちの1つの開口に隣接して少なくとも部分的に位置付けられた流量制御デバイスをさらに備え、前記金属の前記流れを増加させること、または前記金属の前記流れを停止もしくは減少させることは、前記開口のサイズを変化させる流量制御デバイスの位置を調整することを含む、態様(複数可)12(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0073】
態様14は、前記金属の前記流れを増加させることが、前記流量制御デバイスを調整して前記開口の前記サイズを増加させることを含む、または前記流れを停止もしくは減少させることは、前記流量制御デバイスを調整して前記開口の前記サイズを減少させることを含む、態様(複数可)13(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0074】
態様15は、前記流量制御デバイスが、ピン、バルブ、栓、または漏斗のうちの少なくとも1つを含む、態様9~14のいずれか1つ(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載のシステムである。
【0075】
態様16は、金型から分離する金属を検出する方法であって、前記金属を前記金型に受けさせることであって、前記金型は、第1の面、前記第1の面に対向する第2の面、及び前記第1の面と前記第2の面との間にまたがる複数の側壁を含み、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つは前記金属に接触する、前記受けさせることと、少なくとも前記第1の面の少なくとも一部の視野を有するカメラから受信したデータに基づいて、前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間に光が存在するかを検出することであって、光源は、前記光を放射し、前記第2の面に隣接して位置付けられ、前記光を前記第2の面に向ける、前記検出することと、少なくとも前記光が存在するかを検出することに基づいて、前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されているかを判定することと、を含む、前記方法である。
【0076】
態様17は、少なくとも前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することに基づいて、応答を送信することをさらに含む、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0077】
態様18は、前記応答が、少なくとも1つのアラートメッセージを送信すること、またはアラームを発報することを含む、態様(複数可)17(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0078】
態様19は、前記金属を前記金型に受けさせることは、前記金属を前記金型に堆積するように構成された流量制御デバイスを動作させることを含み、前記流量制御デバイスは、前記金型への前記金属の流量を変化させるように動作可能である、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0079】
態様20は、少なくとも前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することに基づいて、前記金型への前記前記金属の流量を調整するように前記流量制御デバイスを動作させることをさらに含む、態様(複数可)19(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0080】
態様21は、前記金型への前記金属の前記流量を調整することが、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との分離のサイズを判定することと、前記分離の前記サイズを閾値と比較することと、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも小さい場合に前記金属の前記流量を増加させること、または、前記分離の前記サイズが前記閾値よりも大きい場合に前記金属の前記流量を停止もしくは減少させることと、を含む、態様(複数可)20(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0081】
態様22は、前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されている場所を識別することをさらに含む、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0082】
態様23は、前記カメラからのデータまたは前記金型の外側の環境に配置された光センサーからのデータに基づいて、前記金型の外側の前記環境における環境光の色を識別することと、前記光源を制御して、前記識別された色とは異なる色または複数の色を伴う光を生成することと、をさらに含む、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0083】
態様24は、前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つと前記金属との間の光を検出することが、さらに、前記金型の前記第1の面の少なくとも一部の視野を有する第2のカメラからデータを受信することを含む、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0084】
態様25は、前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの間の光を検出することが、さらに、前記カメラを移動させて前記視野を変化させることを含む、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0085】
態様26は、前記カメラを移動させることが、少なくとも、複数の金型のうちの1つ以上の金型の前記第1の面または前記第2の面の1つ以上の部分を含むように前記視野を変化させることを含む、態様(複数可)25(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。
【0086】
態様27、前記金属が前記金型の前記複数の側壁のうちの少なくとも1つから引き離されていると判定することが、さらに、前記金型または前記金属に関して受信した情報に基づいている、態様(複数可)16(または、個々のもしくは組み合わせた先行もしくは後続のいずれかの他の態様)に記載の方法である。