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特許7543545バイポーラプレートを製造するための方法
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  • 特許-バイポーラプレートを製造するための方法 図1
  • 特許-バイポーラプレートを製造するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】バイポーラプレートを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0213 20160101AFI20240826BHJP
   H01M 8/0221 20160101ALI20240826BHJP
   H01M 8/0226 20160101ALI20240826BHJP
【FI】
H01M8/0213
H01M8/0221
H01M8/0226
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023511780
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2021071410
(87)【国際公開番号】W WO2022043001
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】102020005165.0
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522100316
【氏名又は名称】セルセントリック・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】フベルトゥス・レヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・キンレヒナー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・シェッフェラー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ハオスマン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・ペーゲル
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-129469(JP,A)
【文献】特開2002-265212(JP,A)
【文献】特開2004-292802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/0297
H01M 8/08- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填剤を有する合成樹脂(A-B)からなる燃料電池用のバイポーラプレート(1)を製造するための方法であって、前記合成樹脂(A-B)を形成するために少なくとも2つの出発成分(A、B)が硬化される、前記方法において、
前記出発成分(A、B)として、ポリウレタン樹脂を形成するものが使用され、前記出発成分(A、B)が、液体の形態で混合された後、少なくとも一時的に、前記バイポーラプレート(1)の構造を作り出すツール(23)内において温度(T)の影響下で硬化され、
前記出発成分(A、B)としてポリオール(A)およびイソシアネート(B)が使用され、前記出発成分(A、B)の両方には、混合前に前記充填剤として黒鉛(C)および/またはカーボンブラックが供給されることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
少なくとも硬化の開始時に、50~60℃の温度(T)が設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填剤を有する前記出発成分(A、B)が、前記ツール(24)内に押し込まれ、および/または圧力(p)下で少なくとも一時的に前記ツール(24)内に保持されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記充填剤が、完成品の60~80vol%を占めることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
人造の黒鉛(C)および/またはカーボンブラックが、唯一の前記充填剤として使用されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に詳しく定義されている種類の燃料電池用のバイポーラプレートに関する。また、本発明は、燃料電池用のバイポーラプレートを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池用のバイポーラプレートは、全般的な従来技術から比較的よく知られている。このようなバイポーラプレートは、様々な材料から製造されるが、これらの材料は全て導電的に形成されていなければならない。そのため多くの場合、バイポーラプレートは金属から製作される。バイポーラプレートは、いわゆる燃料電池スタックまたは燃料電池積層体において各単セルの境界をなし、電極および膜に対する抽出物および生成物の供給および排出を担う。多くの場合、バイポーラプレートは背面同士が互いに押し付けられた2枚の単プレートから形成されており、これらの単プレートの間にさらに冷却媒体が流れることができる。このバイポーラプレートの一方側には、単セルのアノードが、他方側には隣接する単セルのカソードが位置している。この隣接する単セル自体は、いわゆるMEA(膜電極接合体)を介してその次のバイポーラプレートから隔離されており、それによって2枚の隣接するバイポーラプレートの互いに向けられた表面とともに本来の単セルを形成する。
【0003】
金属製のバイポーラプレートの他に、プラスチックまたは導電性セラミック製のバイポーラプレートも従来技術から知られている。プラスチック製のバイポーラプレートは、フェノール樹脂結合系として製造されることが多いが、このような系は比較的強度が低い。さらに、エポキシ樹脂結合系も知られている。これらの両方は、比較的長い工程サイクル時間を必要とし、エネルギー消費が大きい。というのは、この工程が150~180℃で進行する高温工程であるからである。その際、導電性の充填剤として、大抵の場合、微細な粉末または薄片の形態の黒鉛および/またはカーボンブラックが使用され、ここで、「微細」とは粒子または薄片の平均サイズがマイクロメートルまたはナノメートルの範囲にあることを意味する。
【0004】
全体の工程は比較的煩雑である。例えば、まずは直方体形状の未加工鋳造品を製造し、続いてこれを押圧することによってバイポーラプレートにおける流路、開口部等の必要な構造を作り出すように、この工程を構成することができる。多くの場合、反り等がない要求される永続的なプレートの幾何学的な形態を確保するために、続いて焼鈍工程を行わなければならない。これらの全ては、比較的煩雑でエネルギー消費が大きい。この種の工程では必要な押圧力が比較的大きいので、ツールの摩耗も激しくなる。
【0005】
さらに、特許文献1より、バイポーラプレートを製造するための膨張黒鉛が知られている。この場合、バイポーラプレートの形態が長期安定的に維持されないこと、およびその強度が非常に低いことが問題である。このように強度が低いため、少なくとも要求される最低強度を達成するには、バイポーラプレートを比較的大きい壁厚を有するように相応に設計することが必要になる。しかし、このような大きい壁厚によってバイポーラプレートの構造体が比較的厚くなってしまい、このことは、燃料電池積層体の電力密度に関して短所である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】US2007/0111078A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、改良された、より安定した、コスト最適化されたバイポーラプレートおよびそれを製造するための方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この課題は、請求項1、ここでは特に請求項1の特徴部分の特徴を有するバイポーラプレートによって解決される。この課題を解決するバイポーラプレートを製造するための方法は、請求項7、ここでもやはり特に請求項7の特徴部分に示されている。バイポーラプレートおよびバイポーラプレートを製造するための方法の両方の有利な構成および展開は、これらの請求項にそれぞれ従属する下位請求項から明らかになる。
【0009】
本発明によるバイポーラプレートでは、従来技術のバイポーラプレートと同様に、バイポーラプレートが充填剤を有する合成樹脂系に基づいている。冒頭で言及された短所を有するエポキシおよびフェノール樹脂系とは対照的に、本発明によるバイポーラプレートは、従来のフェノール樹脂またはエポキシ樹脂系に対して数多くの利点を可能にするポリウレタン樹脂に依拠している。ポリウレタン系の樹脂に基づくこのようなバイポーラプレートの極めて決定的な利点は、より低い脆性とともに比較的高い強度を可能にするより良好な機械的特性である。そのため、これらのバイポーラプレートは組付けおよび運用において著しくより頑強であり、構造体は燃料電池積層体の製造およびその取り扱いにおいて非常に効率的かつ有利である。
【0010】
エポキシまたはフェノール樹脂系の場合、150~180℃の高温が必要であるところ、ポリウレタン樹脂は50~60℃のいわゆる暖温で硬化可能であるという利点がある。このように温度が約100℃低減されること、および焼鈍後工程を完全に省略可能であることは、製造における膨大なエネルギーの節約を意味するとともに、ツールの耐用年数を大幅に延長することが可能になり、本発明によるバイポーラプレートにおけるさらなる決定的なコスト面の利点をもたらす。
【0011】
さらなる利点は、ポリウレタン樹脂系は強度および可撓性が高いので、折り畳み可能なバイポーラプレートを実現できることであり、燃料電池積層体の構造体全体における封止箇所を削減可能であることも決定的な利点である。
【0012】
本発明によるバイポーラプレートの有利な展開によれば、ポリウレタン樹脂は、2つの液状の出発成分から製造され、そのうちの一方がイソシアネートまたはポリイソシアネートを含むことができる。有利な展開によれば、他方の出発成分はポリオールを含むことができる。基本的には他のポリウレタン樹脂系も考えられる。ただし、イソシアネートまたはポリイソシアネートおよびポリオールの使用が特に効率的であることが示されている。液状の出発成分は、相応に混合して硬化することによって樹脂系とすることができる。
【0013】
本発明によるバイポーラプレートの非常に好都合な展開によれば、両方の液状の出発成分には、充填剤として黒鉛および/またはカーボンブラックが供給されることが企図されている。その利点は、液状の未混合の出発成分において粘性が比較的低くなるので、充填剤としての黒鉛を比較的均質かつ均等に対応する出発成分と混合できることである。この充填剤は、有利な構成によれば、技術的に非常に純粋の、好ましくは人造の黒鉛および/またはカーボンブラックである。次に、既にこの充填剤と混合された両方の出発成分自体が混合されると、充填剤の非常に効率的で均等な分布が達成される。
【0014】
原則的には、一方または両方の出発成分における他の充填剤、例えば機械的強度をさらに高める繊維または類似の充填剤も考えられる。ただし、黒鉛および/またはカーボンブラックのみが充填剤として使用されることが特に好ましい、なぜなら、そうすればバイポーラプレートの非常に均質な導電性とともに黒鉛の非常に均質な分布を達成することができるからである。好適には、混合された出発成分の60~70vol%超、特に好ましくは約80vol%が充填剤、特に黒鉛である。
【0015】
本発明による製造方法では、少なくとも1つの充填剤を有する合成樹脂から燃料電池用のバイポーラプレートが製造され、その合成樹脂を形成するために2つの出発成分が硬化されることを企図する。本発明によれば、出発成分として、ポリウレタン樹脂を形成するものが使用され、これらの出発成分は、液体の状態で混合された後、生産時に少なくとも部分的にあるいは一時的に、バイポーラプレートの構造を作り出すツール内において温度の影響下で硬化される。このようなツールは、構造、例えば、いわゆるヘッダーおよび流れ場、すなわち媒体を分配するため、および媒体をあるプレートから次のプレートへ導くための流路を材料内に形成することができるので、バイポーラプレートをいわば型出し的に製造することができる。これは特に容易で効率的である。その際、温度としては均質な硬化工程の開始時に50~60℃程度の温度で十分であり、有利な展開による方法ではこのことも相応に企図されていてもよい。
【0016】
本発明による方法の大いに有利な構成によれば、出発成分はポリオールおよびイソシアネートであり、出発成分の両方には、混合前に充填剤として黒鉛が供給される。したがって、出発成分は充填剤としての黒鉛が相応に予め充填されているので、出発成分のそれぞれにおける非常に均等かつ均質な分布が可能になる。その後、これらの出発成分は相応に混合され、その結果、さらに非常に均質な混合物、および特に、バイポーラプレートの構造体の導電性を確保する充填剤としての黒鉛の非常に均質な分布が得られる。続いて、このように混合された、それぞれの充填剤、すなわちここでは黒鉛を有する出発成分が硬化される。その際、これらの出発成分は少なくとも一時的にツールの成形表面と接触状態に置かれる。
【0017】
その際、この発案の有利な展開によれば、出発成分は少なくとも一時的に圧力下でツール内に押し込まれ、またはツール内に保持されてもよい。バイポーラプレートの構造を含み、この構造を硬化するポリウレタン樹脂系に転写する様々なツールが考えられる。例えば、ツールは、開放された鋳型、閉鎖された射出成形型等であってもよい。通常は、これらのツールは、混合物の硬化にとって適正な温度である約50~60℃に加熱され、この有利な展開によれば、圧力下で出発成分の混合物が充填され、次に、この混合物は、完全にまたは少なくとも一時的に圧力下で、および/またはツール内で硬化され、その結果、バイポーラプレートを好ましくは型出し的に製造することができる。
【0018】
この製造方法のさらなる決定的な利点は、充填剤、ここではすなわち特に、または好適には専ら、黒鉛および/またはカーボンブラックが液状の出発成分と混合されることからなる。この混合は比較的容易かつ効率的であり、特に出発成分の製造時に直接行うことができるので、これによって製造時の汚染度が低減される。そうすれば、本来の製造では、充填剤が供給されたこれらの液状の出発成分が混合されるだけであり、これは通常は製造ラインが黒鉛の粉塵によって損傷されることなく可能であり、このことは本発明による製造方法のさらなる決定的な利点であり、汚染の低減によってコスト面の利点ももたらされる。
【0019】
本発明によるバイポーラプレートおよびそれを製造するための方法のさらなる有利な構成は、以下に図面に基づいて詳しく説明する実施例からも明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術と同様の例示的な幾何学的構成におけるバイポーラプレートの概略図を示す。
図2】本発明による方法の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、1で示されたバイポーラプレート、例としてバイポーラプレート1のアノード側の上面図が示されている。バイポーラプレート1は、その両側に、いわゆるヘッダーと、媒体の供給および排出に使用される複数の開口部2~7とを備える。ここで描写されている実施例では、その全体が描写されていない燃料電池積層体の隣接する単セルのアノード側に向けられた、バイポーラプレート1の表面の上面図が表されている。このバイポーラプレートは、例えば、右上部に2で示された開口部を有しており、この開口部は、隣接するバイポーラプレート1の同様の開口部とともに水素の供給路を形成する。水素は、供給路の一部を形成するこの開口部2を通って各バイポーラプレート1へ流れ、10で示された接続路を介して、その全体が12で示された流れ場の集合・分配領域11に流入する。分配領域11は、水素の横方向の分配を可能にするために、例えばここで示されている節を有する開放された構造を有する。流れ場12が流通方向にさらに延在する途上には、流路構造13が位置する。互いに対して閉鎖された平行な流路を有するこの流路構造13を介して、気体が単セルのアノード側に分配される。その際、収集・分配領域11によって、流路構造13の全ての流路が可能な限り均等に貫流されやすくなる。流路構造13の流路を貫流した後、残留気体が、燃料電池において発生した生産水と混合された状態で、気液混合物が相応に集まる領域であって、分配領域11と同様であり、ここでは14で示された収集領域に到達する。次に、この混合物は、流出側の接続路15を介して、隣接するバイポーラプレート1のさらに類似の開口部とともに排出路16を形成する、5で示された開口部に流入する。
【0022】
バイポーラプレート1の反対側に位置する、隣接する単セルのカソード側のための構造は、基本的に全く同じ外観を有している。空気あるいは酸素は、例えば開口部4を介して供給され、開口部7を介して相応に排出される。大抵の構造において断面がやや大きい開口部3および6は、液状の冷却媒体、例えば冷却水を供給および排出するために設けられる。多くの場合、バイポーラプレート1は、背面同士が互いに接続されている2枚の部分プレートから形成されている。そして、これらの部分プレートは背面の間にさらなる流路を形成し、これらの流路には開口部3および6を介して冷却液を貫流させることができる。これら全てのことは、これ以上詳しく説明する必要がないほど専門家によく知られている。
【0023】
バイポーラプレート1の特色は、その材料にある。このバイポーラプレートは、後ほどさらに詳しく説明する方法で、導電性を有する黒鉛および/またはカーボンブラックの形態の充填剤を用いて製造されているポリウレタン樹脂(PUR)からなる。このようなバイポーラプレート1用のポリウレタン樹脂系によって、バイポーラプレート1が非常に柔軟になり、バイポーラプレート1に良好な機能性とともに高い強度が付与される。この製造方法によって、従来技術による合成樹脂結合系に対するさらなるエネルギーおよび工程技術の面における利点がもたらされる。
【0024】
図2の描写には、この製造方法が概略的に示されている。ここでは容器16内に例示的に示されている第1の出発成分Aには、17で示された容器内の黒鉛Cが供給される。両方の材料は容器18内で相応に混合され、その結果、混合物A-Cが得られる。この場合、出発成分Aは好適にはポリオールであってもよく、黒鉛Cの形態の充填剤は、数マイクロメーター規模の相応に小さい粒径を有する人造黒鉛である。液状の出発成分Aでは黒鉛Cを非常に均質・均等に分布させることができる。
【0025】
図2の右側には、同様の過程が描写されている。容器19内のBで示された出発成分が同様に容器20からの黒鉛Cと混合され、その結果、容器21内に第2の出発成分Bおよび黒鉛Cが存在する混合物B-Cが得られる。ここでは黒鉛について、先ほど図面の左側の部分において黒鉛Cの第1の出発成分Aとの混合の際に説明しているものと同じ特徴およびパラメータが適用される。同様に液体の形態で存在し、黒鉛Cと混合される第2の出発成分Bはイソシアネートである。次に、それぞれ黒鉛Cで密度が増し、いまだ液状である出発成分A-C、B-C同士が混合され、その結果、22で示された容器内に成分混合物A-B-Cが得られ、黒鉛Cがそれぞれの液状の出発成分A、Bと既に混合されているという事実に基づいて、非常に均質な混合物とすることができる。
【0026】
この混合物における黒鉛の割合は約80vol%である。この場合、均等・均質な分布は、混合物A-B-Cから製造されることになるバイポーラプレート1の均等・均質な導電性が後で保証されることを確実にする。
【0027】
次に、矢印23で示されているように、この混合物A-B-Cは、バイポーラプレート1における所望の構造のネガとして形成されている構造を含むツール24に加えられる。次に、約50~60℃の温度T、および場合によっては、大気圧に対して高められた圧力Pにおいて、混合物A-B-Cがツール24内で硬化してバイポーラプレート1となり、硬化過程の全体がツール24内で行われる必要はなく、場合によってはこの過程の一部のみがそこで行われてもよい。構造体は非常に安定しており、空隙率が低く、比較的可撓性が高いので、バイポーラプレート1を、焼鈍等のさらなる方法工程を伴わずに、いわば型出し的に製造することができる。既に述べたように、この場合、様々な種類のツール24が可能であり、図2に示されているツール24は、ここでは例示的に開放された鋳型として描写されているが、これは可能な一実施例にすぎないことは専門家には明らかである。


図1
図2