(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】サセプタおよびその製造のための方法
(51)【国際特許分類】
H05B 6/10 20060101AFI20240826BHJP
B30B 3/00 20060101ALI20240826BHJP
B30B 5/04 20060101ALI20240826BHJP
A24F 40/465 20200101ALN20240826BHJP
【FI】
H05B6/10 381
B30B3/00 A
B30B5/04
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2023513743
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2021073233
(87)【国際公開番号】W WO2022043244
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-27
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー フレデリック ユリス
(72)【発明者】
【氏名】カンティエリ ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ダユオウル オヌル
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツェッリ ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】ポワンドロン シリル
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロブオーニ エンリコ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/125835(WO,A1)
【文献】特表2015-506680(JP,A)
【文献】特表2018-504127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/10
B30B 3/00
B30B 5/04
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法であって、
・サセプタ材料のバンドを提供する工程と、
・対向して配設された圧縮要素を含む圧縮ステージを提供する工程であって、前記圧縮ステージの第一の部分では、前記圧縮要素が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設され、前記圧縮ステージの第二の部分では、前記圧縮要素が処理方向にその間に一定の圧縮ギャップを画定するように配設され、前記対向して配設された圧縮要素が、合致する表面構造を有するように構成されている、提供する工程と、
・前記圧縮要素の前記合致する表面構造が前記サセプタ材料のバンドを深絞りするように、前記圧縮ステージの前記狭窄する圧縮ギャップを通して前記サセプタ材料のバンドを案内する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記圧縮要素が、複数の案内ローラーにわたって案内されるベルトであり、前記圧縮ステージの第一の部分では、前記案内ローラーが、前記ベルトが処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一つのベルトの歯が反対側のベルトに配設された二つの隣接する歯間に相互に貫通するように、前記ベルトに交互に配設された歯が提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮要素が、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように構成および配設された前記ねじ形状の要素である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮ステージがさらに、圧縮要素が処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように配設された、第三の部分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、感覚媒体
が圧縮工程中に形成された前記サセプタ材料のバンドのくぼみの中に注入される、感覚媒体注入工程を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
歯または突出構造に、感覚媒体貯蔵部と流体連通している中央チャネルが提供され
、感覚媒体が、処理方向に前記漸進的に拡張するギャップを画定する前記圧縮ステージの前記第三の部分における前記サセプタ材料のバンドのくぼみに提供される、請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サセプタ、および誘導加熱可能なエアロゾル発生物品で使用するためのサセプタを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを形成することができる少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、一般的に公知である。基体を加熱するために、物品は、電気ヒーターを含むエアロゾル発生装置の中に受容されてもよい。ヒーターは、誘導源を含む誘導ヒーターであってもよい。誘導源は、サセプタの電気的および磁気的特性に応じて、渦電流およびヒステリシス損失のうちの少なくとも一つによってサセプタを誘導加熱する交流電磁場を生成するように構成されている。サセプタは、物品と一体型の部分であり、加熱される基体と熱的に近接または直接物理的に接触するように配設され得る。装置の動作中、揮発性化合物は、物品中の加熱されたエアロゾル形成基体から放出され、ユーザのパフ中に物品を通して引き出される気流に流入される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
サセプタは、金属シートを含んでもよく、または金属シートからなってもよい。このようなシート状のサセプタは、容易に製造することができ、その二次元的性質のために広範な熱放射を提供することができるが、そのようなサセプタの総質量は、多くの場合、熱放射面に対して依然として不比例であり得る。そのため、資源は効率的に使用されない。
【0004】
サセプタの質量を低減すること、特に、サセプタの製造に使用されるシート材料の厚さを低減することは、関与する製造プロセスに対する要求が高い。
【0005】
したがって、非常に薄いサセプタ材料に対しても高い信頼性および再現性を可能にする、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法を有することが望ましい。
【0006】
特に、サセプタが非常に薄いサセプタ材料から製造される、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用の波形のサセプタを製造するための方法を有することが望ましい。
【0007】
さらに、成形プロセス中に感覚媒体がサセプタ上に堆積される、サセプタを製造するための方法を有することが望ましい。
【0008】
さらに、結果としてのサセプタの加熱プロファイルに関して増大した柔軟性を提供する、サセプタを製造するための方法を有することが望ましい。
【0009】
さらに、感覚媒体をサセプタ要素の所定の領域内に堆積させることを可能にする方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法であって、サセプタ材料のバンドを提供する工程と、対向して配設された圧縮要素を含む圧縮ステージを提供する工程とを含む、方法に関する。圧縮ステージは、圧縮要素が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設された、第一の部分と、圧縮要素が処理方向にその間に一定の圧縮ギャップを画定するように配設された、第二の部分とを有し、対向して配設された圧縮要素は、合致する表面構造を有するように構成されている。方法はさらに、圧縮要素の合致する表面構造がサセプタ材料のバンドを深絞りするように、圧縮ステージの狭窄する圧縮ギャップを通してサセプタ材料のバンドを案内する工程を含む。
【0011】
対向して配設された圧縮要素の合致する表面構造は、サセプタ材料のバンドに、少なくとも一つの側に少なくとも一つのくぼみが提供されるように構成されてもよい。圧縮要素の表面は、例えば、それぞれの対向して配設された圧縮要素の対応する陥凹構造と協働する突出構造を含み得る。サセプタ材料のバンドが対向して配設された圧縮ステージの圧縮要素を通して案内される際に、表面構造がサセプタ材料のバンドを深絞りし、それに応じてサセプタ材料の表面が変化する。
【0012】
処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップにより、サセプタ材料は徐々に最終の形状へと形成される。これは、深絞りプロセス中の材料損傷のリスクを低減する。このようにして、非常に薄いサセプタ材料のバンドであっても、圧縮ステージで処理され得る。
【0013】
有利には、圧縮ステージの第一の部分、すなわち、処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成する部分は、圧縮ステージの上流端に位置する。圧縮ステージの第二の部分は、有利には圧縮ステージの第一の部分の下流に配設される。このようにして、サセプタ材料のバンドは、まず圧縮ステージの第一の部分を通して案内される。この部分では、サセプタ材料のバンドに所望の形状に形成されたくぼみが提供される。
【0014】
後続の圧縮ステージの第二の部分では、サセプタ材料の最終形状が確立される。この目的のために、圧縮ステージの第二の部分の圧縮要素は、処理方向に一定の圧縮ギャップを形成し、サセプタ材料に一定の圧力を加える。
【0015】
圧縮要素は、各々複数の案内ローラーにわたって案内されるベルトとして構成され得る。ベルトは、それを通してサセプタ材料のバンドが案内される圧縮ギャップを形成するように、対向して配設され得る。圧縮ステージの第一の部分では、案内ローラーはさらに、ベルトが処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設される。圧縮ステージの第二の部分では、案内ローラーは、ベルトが処理方向に一定の圧縮ギャップを画定するように配設される。
【0016】
各ベルトは、複数の案内ローラーにわたって案内されてもよい。案内ローラーのうちの少なくとも一つは、駆動ローラーとして構成されてもよい。駆動ローラーは、駆動モーターに接続された案内ローラーである。駆動ローラーは、対応するベルトを作動させるために使用される。
【0017】
ベルトは、ベルトの表面から延びる複数の歯を有する歯付きベルトであってもよい。歯は、一定のピッチで規則的に配設されてもよい。歯付きベルトは、一つのベルトからの歯が、反対側のベルトに配設された二つの隣接する歯の間に相互に貫通するように配設されてもよい。二つの同一のベルトを使用することは、一つのベルト設計のみが使用され、したがって、装置の異なる部品の数が低減されるという利点を提供する。加えて、誤ったベルトが使用されるリスクが回避される。
【0018】
また、ベルトに、交互に合致する雌歯および雄歯が提供されてもよい。雌歯は、その中に雄歯を受容するのに十分に大きい陥凹部を有して形成される。雄歯および雌歯は、各ベルトに交互に配設されてもよい。この構成では、サセプタ材料のバンドの両方の表面に、突出部およびくぼみが交互に提供される。
【0019】
また、雄歯が一方のベルトに排他的に配設され、雌歯が他方のベルトに配設されてもよい。この構成では、サセプタ材料のバンドの一方の表面のみに突出部が提供され、他方の表面にくぼみが提供されるのみである。
【0020】
合致する雌歯および雄歯を有するベルトは、それを通してサセプタ材料のバンドが案内される圧縮ギャップが良好に画定されるという点で有利であり得る。このようにして、サセプタ材料のバンドに提供される、結果としてのくぼみおよび突出部の増大した制御が得られる。
【0021】
ベルトの歯は、様々な表面パターンがサセプタ材料のバンドの表面上に生成され得るように、非常に多様な形状を有してもよい。歯は、ベルトの全幅にわたって延びてもよい。歯は、ベルトの幅の一部のみにわたって延びてもよい。連続的に配設された歯は、互いからオフセットされてもよい。歯は、サセプタ材料のバンドの移動の方向に対して横断方向の波を形成するように構成され得る。歯は、サセプタ材料のバンドの長軸方向に対して長軸方向または横断方向のくぼみを形成するように配設されてもよく、任意の所望のパターンに従って分布し得る。また、ベルトに、平行に配設された歯の列が提供されてもよい。ベルトの歯の構成は、サセプタ材料のバンドの表面の結果としての形状を決定する。ベルトのくぼみがその後に感覚媒体で充填される時、感覚媒体の蒸発特性は、サセプタ材料の表面設計によって制御される、または少なくとも影響を受け得る。
【0022】
歯付きベルトは同時に、サセプタ材料のバンドの深絞りプロセス中にタイミングベルトとして使用され得る。したがって、ベルトは、サセプタ材料のバンドに強い引き出しを有するのに役立つだけでなく、ベルトの動きを同期するのに役立ち得る。ベルトの表面構造は、圧縮中に互いに係合するため、これらの表面構造は同時に、ベルト間の滑りまたはその他の望ましくない任意の相対的運動を防止する。
【0023】
深絞りプロセスを支援するために、発熱ユニットが使用されてもよい。これらの発熱ユニットは、圧縮ステージでの再成形プロセスの前または再成形プロセス中に、サセプタ材料のバンドを昇温させるために使用され得る。
【0024】
圧縮要素は、ねじ形状の要素として構成されてもよい。圧縮ステージは、連続的に配設されたねじ形状の要素の一つ以上の対を含み得る。圧縮ステージの第一の部分では、ねじ形状の要素は、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように構成および配設されてもよい。圧縮ステージの第二の部分では、ねじ形状の要素は、ねじ形状の要素が処理方向に一定の圧縮ギャップを形成するように構成および配設されてもよい。
【0025】
対向して配設されたねじ形状の要素によって形成される圧縮ギャップを通してサセプタ材料のバンドが案内される際、サセプタ材料のバンドは、所望の波形の形状へと引き出されると共に漸進的に引き込まれる。したがって、圧縮ステージでは、サセプタ材料のバンドに対する追加の駆動手段を必要としない。加えて、圧縮ステージは、本質的にねじ形状の要素のみからなるため、かなり単純な構造を有する。
【0026】
ねじ形状の要素は、本質的に円筒形の要素である。対向して配設されたねじ形状の要素の外周には、対応するねじ山ピッチを有する対応するねじ山が提供される。ねじ形状の要素の回転軸は、サセプタ材料のバンドの処理方向に本質的に平行に配向されてもよい。
【0027】
処理方向に漸進的に狭窄するギャップを形成するために、ねじ形状の要素は、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように、それらの長軸方向軸が互いに向かってわずかに傾斜するように配設されてもよい。こうした実施形態は、使用されるねじ形状の要素が、同一かつ規則的な円筒形状を有するため、有利であり得る。
【0028】
ねじ形状の要素はまた、漸進的に増大する直径を有するように構成されてもよい。こうした実施形態では、ねじ形状の要素は、それらの長軸方向軸が互いに平行に配向されるように配設されてもよい。この構成でも、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山は、処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成する。ねじ形状の要素の長軸方向軸の平行な構成は、構造的観点において利点を提供し得る。これは、複数の連続的に配設されたねじ形状の圧縮要素の対が使用される場合に特に当てはまり得る。この圧縮要素のすべてが共通の回転軸を有する場合に有利であり得る。
【0029】
ねじ形状の要素が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成する部分にある圧縮ステージの第一の部分では、最初は平坦なサセプタ材料のバンドが波形の形状へと漸進的に引き込まれる。この場合も、処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップに起因して、成形プロセスは、材料破壊のリスクが低減されるように、ゆっくりかつ滑らかである。
【0030】
圧縮ステージの第二の部分では、ねじ形状の要素は、処理方向に一定のサイズを有する圧縮ギャップを形成する。第二の部分もまた、サセプタ材料のバンドを、正しい最終の波形または波状形状へと維持するのに役立つ。
【0031】
ねじ形状の圧縮要素を含む圧縮ステージはさらに、一つ以上の案内要素を含み得る。案内要素は、ねじ形状の案内要素であってもよい。ねじ形状の案内要素は、一対のねじ形状の圧縮要素の上方または下方に配設されてもよい。ねじ形状の案内要素は、一対のねじ形状の圧縮要素と係合して配設されてもよい。案内要素は、圧縮要素のねじピッチに対応するねじピッチを有してもよい。このようにして、案内要素は、圧縮要素と回転可能に係合し得る。案内要素および圧縮要素は、同じ駆動要素を共有してもよく、その間に圧縮ギャップを横断方向に画定するように配設されてもよい。
【0032】
案内要素は、サセプタ材料のバンドの案内を支援する。案内要素は、圧縮要素の回転に起因して、サセプタ材料のバンドが圧縮ギャップからずれることを防止し得る。したがって、案内要素が、圧縮ギャップを横断方向に閉じ込めるように構成および配設される場合に特に有利である。有利には、ねじ形状の圧縮要素の各対に二つの案内要素が提供される。
【0033】
圧縮ステージは、圧縮要素が処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように配設された、第三の部分を含んでもよい。圧縮ステージの第三の部分で使用される圧縮要素は概して、圧縮ステージの第一の部分および第二の部分の圧縮要素と同様に形成され得る。
【0034】
したがって、圧縮ステージの第一の部分の圧縮要素が、案内ローラーにわたって案内される対向するベルトの形態で提供される場合、第三のステージの圧縮要素は同様に、案内ローラーにわたって案内されるベルトであり得る。圧縮ステージの第三の部分では、案内ローラーは、ベルトが処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように配設される。
【0035】
圧縮ステージの第一の部分の圧縮要素が、対向するねじ形状の圧縮要素の形態で提供される場合、第三のステージの圧縮要素は同様に、ねじ形状の圧縮要素の形態で提供され得る。圧縮ステージの第三の部分では、ねじ形状の圧縮要素は、それらが処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように配設される。
【0036】
処理方向に漸進的に拡張するギャップの形成について、圧縮ステージの第一の部分に使用され、処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定する、ねじ形状の要素の構成に関して上述したのと同じ考慮事項が適用される。したがって、ねじ形状の要素はまた、漸進的に減少する直径を有するように構成されてもよく、またはねじ形状の要素は、それらの長軸方向軸が互いからわずかに傾斜するように配設されてもよい。
【0037】
圧縮要素が処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように構成される、第三の圧縮ステージを有する圧縮ステージを提供することによって、圧縮要素は、新たに成形されたサセプタ材料のバンドとの係合からゆっくりと解かれる。この圧縮要素の漸進的な引き出しにより、成形されたサセプタ材料のバンドへの潜在的な損傷のリスクが低減される。
【0038】
処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定する圧縮ステージの第三の部分は、有利には圧縮ステージの下流端に位置する。
【0039】
方法はさらに、感覚媒体がサセプタ材料のバンドに注入され得る、感覚媒体注入工程を含んでもよい。感覚媒体は、サセプタ材料のバンドのくぼみ内に注入されてもよい。
【0040】
感覚媒体は、別個の注入装置によってサセプタ材料のバンドに注入されてもよい。
【0041】
注入装置はまた、圧縮ステージに含まれてもよい。有利には、注入装置は、圧縮ステージの第三の部分に含まれる。
【0042】
圧縮要素が、案内ローラーにわたって案内される対向する歯付きベルトの形態で提供される実施形態では、ベルトの歯または突出構造のうちの一つ以上に、ベルトおよび突出歯要素の全体を通って延びる中央中空チャネルが提供されてもよい。
【0043】
歯付きベルトの一方または両方は、加圧感覚媒体貯蔵部に沿って案内されてもよい。感覚媒体貯蔵部は、歯付きベルトの後側に面する開口部を有し得る。歯付きベルトの後側は概して、加圧感覚媒体が感覚媒体貯蔵部から流出するのを防止するように、加圧感覚媒体貯蔵部の開口部を覆い得る。歯付きベルトは、歯の中央中空チャネルが加圧感覚媒体貯蔵部の開口部と流体連通するように、感覚媒体貯蔵部に沿って案内され得る。
【0044】
中央中空チャネルが、加圧感覚媒体貯蔵部の開口部と流体連通する場合、一定の量の感覚媒体が中央中空チャネルを通って流れ、歯の先端からサセプタ材料のバンドのくぼみへと送達される。
【0045】
各注入工程で送達される感覚媒体の量は、必要に応じて調整され得る。送達される量は、例えば、加圧感覚媒体貯蔵部内の圧力を変更することによって、ベルトの速度を変更することによって、または歯のチャネルのサイズを変更することによって調整され得る。
【0046】
注入装置は、圧縮ステージに対して固定されてもよい。注入装置は、圧縮ステージの第三の部分に提供されてもよい。圧縮ステージの第三の部分では、ベルトの歯は、サセプタ材料のバンドに提供された波形から漸進的に引き出される。歯の漸進的な引き出しにより、感覚媒体がサセプタ材料のバンドのくぼみの中に挿入される空間が許容されるため、圧縮ステージの第三の部分は、感覚媒体を注入するのに最適に適している。
【0047】
感覚媒体貯蔵部の加圧は、ピストンまたはポンプなどの任意の適切な手段によって得られ得る。ポンプは、感覚媒体と協働するのに有用な、蠕動ポンプまたは別の種類のポンプであってもよい。
【0048】
圧縮ステージの第一の部分における圧縮要素が、対向するねじ形状の圧縮要素の形態で提供される場合、感覚媒体の注入は、ねじ形状の圧縮要素の一方または両方の外周に提供されたねじ山の隆起において開放している、一つ以上の中空の半径方向チャネルを介して達成され得る。一つ以上の中空の半径方向に配設されたチャネルは、固定された加圧感覚媒体貯蔵部に接続されてもよい。
【0049】
特に、二つ以上の半径方向チャネルが提供される場合、それぞれのねじ形状の圧縮要素には、複数の半径方向チャネルのマニホールドとして作用する中央軸方向チャネルが提供され得る。中央軸方向チャネルは、感覚媒体貯蔵部に接続するように構成されてもよい。中央軸方向チャネルは、管または任意の他の導管を介して、感覚媒体貯蔵部に接続されるように構成されてもよい。
【0050】
また、この実施形態では、半径方向チャネルは、有利には圧縮ステージの第三の部分のねじ形状の圧縮要素に提供される。前述したように、圧縮ステージの第三の部分では、ねじ形状の圧縮要素の隆起は、サセプタ材料のバンドに提供された波形から漸進的に引き出される。これにより、サセプタ材料のバンドの波形に感覚媒体のための十分な空間が残り、したがって、感覚媒体を注入するのに理想的に適した時点である。
【0051】
注入される感覚媒体の量は、感覚媒体貯蔵部内の感覚媒体の圧力によって、軸方向中空チャネルの直径によって、ならびにねじ形状の圧縮要素における中空の半径方向に設配されたチャネルのサイズおよび数によって、決定することができる。
【0052】
本発明はまた、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法であって、サセプタ材料のバンドを提供する工程と、周期的な波形のブレードを含む切断ステージを提供する工程とを含む、方法に関する。周期的な波形のブレードを用いて、サセプタ材料のバンドに、プレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の連続的な領域が提供されるように、サセプタ材料のバンドの少なくとも一部が切断および拡張される。
【0053】
周期的な波形のブレードは、波形の周期的プロファイルを有する切断ブレードを有するように構成されている。波形のプロファイルの正確な形状は、切断部分から形成される拡張された部分の所望の特性に適合され得る。しかしながら、サセプタ材料のバンドが、サセプタ材料のバンドの全幅にわたって完全に切断されないように、波形を形成する必要がある。代わりに、サセプタ材料のバンドには、その間にサセプタ材料の切断されていないブリッジが残る部分切断線が提供されるのみである。
【0054】
波形のプロファイルは、三角形または他の多角形形状を有してもよく、または正弦波形状などの丸みのある形状を有してもよい。
【0055】
上述のように、波形の形状を有するブレードは、その幅に沿ってサセプタ材料のバンドを部分的に切断するように構成されている。同時に、ブレードにも、切断ブレードの設計に従い、切断部分を波形の形状にスタンピングする成形部分が提供される。したがって、最初は平坦なサセプタ材料のバンドの切断部分が切断され、同時に波形の形状へと拡張される。
【0056】
切断および拡張プロセスは、好ましくは段階的プロセスである。これは、個々の切断工程と拡張工程との間で、サセプタ材料のバンドが所定の量だけ前方に供給されることを意味する。さらに、周期的な波形のブレードは、連続的な切断工程と拡張工程との間に横断方向にオフセットされてもよい。
【0057】
切断および拡張プロセス中、最初は平坦なサセプタ材料のバンドが切断ステージに段階的に供給され、切断ブレードは供給方向に対して垂直に往復される。このようにして、最初は平坦なバンドに、対応する拡張された部分を形成するために使用される交互のオフセットされた切断が提供される。
【0058】
このようにして、サセプタ材料の完全なバンドを、拡張されたサセプタ材料のバンドへと変形させることができる。また、拡張されたサセプタ材料およびプレーンサセプタ材料の連続的な部分を有するバンドを生成することも可能である。
【0059】
拡張プロセスによって、サセプタ材料のバンドの切断部分は、バンドの平坦な切断されていない部分に対して本質的に垂直に延びる切断方向に拡張される。したがって、結果としてのバンドには、長さ方向に階段状のプロファイルが提供される。
【0060】
切断および拡張後、処理されたバンドは、さらなる処理のためにサセプタ材料を調製するために平坦化されてもよい。この目的のために、サセプタ材料のバンドは、折り畳みまたはスタンピングによって平坦化され得る。このようにして、連続的に配設されたプレーン領域および拡張された領域を有する平坦なサセプタ材料のバンドが得られ得る。
【0061】
連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有するサセプタ材料のバンドは、誘導加熱プロセスに関する新しい可能性を提供する。プレーン部分は、拡張された部分よりも渦電流に対する大きな表面および体積を含む。したがって、拡張された領域よりも、サセプタ材料領域のバンドのプレーン部分でより多くの熱が発生する。これは、サセプタ要素の加熱プロファイルを設計するために使用され得る。これはまた、サセプタ要素に対して感覚媒体を定置する場所に関する決定にも使用され得る。
【0062】
方法はさらに、感覚媒体をサセプタ材料のバンドに提供する工程を含み得る。感覚媒体をサセプタ材料のバンドに提供する工程は、切断および拡張工程と同時に行われてもよい。感覚媒体をサセプタ材料のバンドに提供する工程は、切断および拡張工程の間に、拡張された領域に感覚媒体が提供されるように実行されてもよい。
【0063】
この目的のために、切断ステージに感覚媒体貯蔵部が提供されてもよい。感覚媒体貯蔵部は、拡張工程が実行される領域に隣接した放出開口部を有してもよい。放出感覚媒体貯蔵部は、切断ブレードによって拡張されるサセプタ材料のバンドが放出開口部にわたって移動するように位置する、放出開口部を有してもよい。感覚媒体貯蔵部は、サセプタ材料の拡張中に感覚媒体が放出されるように構成されている。このようにして、感覚媒体は、その製造中に拡張された部分によって直接取り込まれ得る。特に、感覚媒体の添加が厚さの変化を生じないように、感覚媒体は、サセプタの穿刺部分または開放部分で拡張された領域に供給されてもよい。
【0064】
感覚媒体貯蔵部は、加圧媒体を含んでもよく、開放されると感覚媒体を放出することができる制御可能な弁を有してもよい。感覚媒体貯蔵部はまた、感覚媒体貯蔵部の体積を変化させ得、かつ放出開口部から感覚媒体を押し出し得る、制御可能なピストンを含んでもよい。
【0065】
媒体が拡張工程中に放出されるように、弁およびピストンの両方が、切断ブレードの移動と同期されてもよい。拡張された部分は、拡張された部分の開放構造に起因して、気化した感覚媒体がサセプタ材料を通過する空気流によって容易に取り込まれ得るため、感覚媒体が提供されるのに良好に適している。
【0066】
本明細書で使用される場合、「拡張されたサセプタ材料」という用語は、複数の虚弱領域、特に複数の穿孔が生成され、その後、伸展されて、特に複数の穿孔からの複数の虚弱領域を伸展することに由来する規則的なパターンの開口部を形成する、サセプタ材料のタイプを指す。サセプタ材料は、穿刺によって拡張されてもよい。
【0067】
拡張されたサセプタ材料を含むサセプタを使用することは、他のタイプのシート状のサセプタと比較して複数の利点を提供する。
【0068】
第一に、特定の製造プロセスにより、拡張されたサセプタ材料の単位面積当たりの質量は、こうした開口部を有さないサセプタ材料と比較して減少する。同時に、拡張されたサセプタ材料の表面は、依然として広範囲の熱放射を提供するのに十分な大きさである。結果として、拡張されたサセプタ材料を含むサセプタの総質量と熱放射面との間の比例率は、開口部を有さないサセプタ材料を含むサセプタと比較して改善される。有利なことに、これは、物品の製造のためのリソースの節約に役立つ。さらに、単位面積当たりの低減された質量はまた、物品の総質量の減少に関して有益であり得る。
【0069】
第二に、材料の除去によって、例えば、パンチングによって生成された開口部を含むサセプタ材料と比較して、上述のように、すなわち、特に、サセプタ材料を穿孔および延伸することなどの弱体化によって作成された開口部を含む拡張されたサセプタ材料の製造は、有利には材料の廃棄物を含まない。また、この理由から、本発明による物品のサセプタは、有利には、材料および製造コストを節約し、したがって、資源を節約することを可能にする。
【0070】
第三に、開口部によって、本発明による物品のサセプタは、透過性であり、非透過性のサセプタを含む物品と比較して、物品を通して引き出される気流を増強させる。さらに、サセプタの開口部は、加熱されたエアロゾル形成基体から放出された材料の放出および気流への流入を促進する。有利なことに、両態様ともにエアロゾル形成を促進する。
【0071】
第四に、拡張されたサセプタ材料を含むサセプタは、溶接または織布サセプタメッシュの等価重量と比較してより頑丈であるが、これは、サセプタ材料が、弱体化され、特に穿孔および延伸されているが、一つの部品に留まり、それゆえその強度を維持するからである。同時に、拡張されたサセプタ材料は、開口部を有さないサセプタ材料よりも、より可撓性であり、かつ剛性が低い。有利なことに、これは、エアロゾル発生物品の製造中の材料供給を容易にする。
【0072】
第五に、拡張されたサセプタ材料の開口部は、物品の製造中にエアロゾル形成基体で充填され得る。有利なことに、これは、エアロゾル形成基体内のサセプタの固定を支持し得る。結果として、エアロゾル形成基体内のサセプタの位置精度および安定性が著しく改善されると同時に全体的な厚さは影響を受けない。感覚材料は、サセプタから突出していないため、取り扱いが容易になる。
【0073】
方法はさらに、上述のように、平坦化されたサセプタ材料のバンドを波形のサセプタ材料のバンドへと形成する工程を含み得る。サセプタ材料のバンドは、周期的な交互のプレーン部分および拡張された部分を有して形成されることが好ましい。これらの部分の周期性は、サセプタ材料のバンドに提供された波形の周期性に対応することがさらに好ましい。二つの周期性を互いに適合させることによって、拡張された部分およびプレーン部分が常に同じ位置に提供される、波形のサセプタ材料のバンドが得られる。
【0074】
プレーン部分は、本明細書では谷部とも呼ばれるくぼみへと形成されてもよく、拡張された部分は、本明細書では頂部とも呼ばれる、結果としての波形のサセプタ材料のバンドの突出部へと形成されてもよい。あるいは、プレーン部分が頂部へと形成されてもよく、拡張された部分が、結果としての波形のサセプタ材料のバンドの谷部へと形成されてもよい。
【0075】
方法はさらに、二つのサセプタ材料のバンドを提供する工程を含んでもよい。方法はさらに、一方のサセプタ材料のバンドの拡張された部分が、他方のサセプタ材料のバンドのプレーン部分に隣接して位置するように、二つのサセプタ材料のバンドを重ね合わせる工程を含んでもよい。このようにして二つのサセプタ材料のバンドを重ね合わせることによって、一方のサセプタ材料のバンドの拡張された部分が他方のサセプタ材料のバンドのプレーン部分に隣接して位置する。この構成は、プレーン部分から拡張された部分への熱伝達を強化し、これが結果として、サセプタ配設の気化能力を強化する。
【0076】
本発明はまた、連続的に配設されたプレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の部分を含むサセプタ材料のバンドとして提供される、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品のためのサセプタに関する。
【0077】
連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有するサセプタ材料のバンドは、誘導加熱プロセスに関する新しい可能性を提供する。プレーン部分は、拡張された部分よりも渦電流に対する大きな表面および体積を含む。したがって、拡張された領域よりも、サセプタ材料領域のバンドのプレーン部分でより多くの熱が発生する。これは、サセプタ要素の加熱プロファイルを設計するために使用され得る。これはまた、サセプタ要素に対して感覚媒体を定置する場所に関する決定にも使用され得る。
【0078】
拡張されたサセプタ材料の一部分は、感覚媒体で充填されてもよい。感覚媒体は、拡張された領域の穴、空隙、開口部内に位置してもよく、感覚媒体は、サセプタの厚さから突出しない場合がある。連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有するサセプタは、良好な加熱性を提供すると同時に良好な気化特性を有する。プレーン部分は、伝導によって拡張された部分に容易に伝達される熱を生成するのに使用される。拡張された部分は、拡張された部分に提供される感覚媒体が気化され得るように、隣接するプレーン部分から熱を受容する。拡張された部分の多孔性構造に起因して、気化した感覚媒体は、感覚媒体の全体的なエアロゾル化が強化されるように、サセプタ材料の両側を通過する気流と係合してもよい。
【0079】
連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有する平坦なサセプタ材料のバンドは、波形が提供されるように処理されてもよい。連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有する平坦なサセプタ材料のバンドは、谷部および頂部が提供されるように処理されてもよい。連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を有する平坦なサセプタ材料のバンドは、プレーン部分が谷部へと形成され、拡張された部分が結果としての波形のサセプタ材料のバンドの頂部へと形成されるように、谷部および頂部が提供されるように処理されてもよい。
【0080】
サセプタ材料の頂部は空気流内に延び、したがって、気化が起こるのに好適な場所である。したがって、この構成は、サセプタ材料のバンドの拡張された部分に感覚媒体が提供される場合に特に有利である。
【0081】
別の方法として、または追加的に、プレーンサセプタ材料の一部分内に形成されるサセプタ材料の谷部にも感覚媒体が提供されてもよい。誘導加熱時に、プレーンサセプタ材料はより多くの熱を発生するため、特定の感覚媒体が、これらのサセプタ材料のバンドのプレーン部分に提供されることが望ましい場合がある。
【0082】
一例として、拡張されたサセプタは、約0.03ミリメートル~約1ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.5ミリメートル、例えば約0.07ミリメートル~約0.2ミリメートルの範囲の厚さを有するシートから作製することができる。拡張された領域の開口部は、0.5ミリメートル~5ミリメートルの範囲の第一の対角線および0.3~3ミリメートルの範囲の第二の対角線を有する、概してダイヤモンド形または菱形を示し得る。開口面積は、総面積の30パーセント~70パーセントの範囲であってもよい。サセプタ材料は、バンドの形態を有し得る。バンドは、約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅を有する、基本的な長方形形状を有することが好ましい。
【0083】
本発明はさらに、本明細書に記載されるように、二つのサセプタ材料のバンドを備える、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品のためのサセプタ配設に関する。二つのサセプタ材料のバンドは、一方のサセプタ材料のバンドの拡張された頂部領域が、他方のサセプタ材料のバンドのプレーン谷部領域に隣接して位置するように重ね合わせられる。
【0084】
こうしたサセプタ配設は、追加的な利点を提供する。この構成では、一方のサセプタ材料のバンドの拡張された部分が常に、他方のサセプタ材料のバンドのプレーン部分に隣接して配設されるため、プレーン部分内で発生する誘導熱を、他方のサセプタ材料のバンドの拡張された部分に直接送達することができる。隣接するサセプタ間の熱伝導ための経路は短く、隣接するサセプタ間の熱伝導のための表面は大きいため、この構成では熱をより効率的に伝導することができる。
【0085】
さらに、サセプタ配設の両側の頂部は、サセプタ配設の両側で最適な気化条件が得られるように、拡張された部分から形成される。さらに、谷部は、サセプタのプレーン部分から形成され、他のサセプタの頂部に直接隣接して位置する。したがって、両方の谷部で発生する熱を隣接するサセプタに容易に伝導することができ、サセプタ配設の全体的な気化性能が強化される。
【0086】
サセプタ配設には、正弦波または三角形の波形が提供されてもよい。波形の周期性は、連続的なプレーン部分および拡張された部分の周期性に対応する。一例として、波形は、形成前に、平坦なバンドの厚さの約5~15倍の頂部間高さ示し得る。
【0087】
前述したように、サセプタ配設の頂部は、エアロゾル発生物品において生成される空気流内に延びるため、この観点から、感覚媒体を担持するサセプタ材料の拡張された部分から形成された頂部を有することが有利である。
【0088】
しかしながら、その場合、感覚媒体はまた、エアロゾル形成物品のさらなる製造中に実行される追加の製造工程によって悪影響を受けやすくなる可能性がある。したがって、非装填されたプレーン材料から頂部を形成し、装填された拡張された材料から谷部を形成することも有利であり得る。より強いユーザ体験を可能にするために、追加の感覚媒体が拡張された部分に装填されてもよい。
【0089】
三角形の波形を提供することによって、サセプタは、気化した感覚媒体の拡散方向が配向され得るように配設されてもよい。例えば、サセプタは、気化した感覚媒体の拡散方向が、エアロゾル発生物品を通した空気流方向、かつ物品の口側端に向かって方向付けられるように配設されてもよい。
【0090】
本発明はまた、サセプタ材料のバンドが本明細書に記載されるように製造される、サセプタ材料のバンドに感覚媒体を提供するための方法に関する。サセプタ材料のバンドは、波形のサセプタ材料のバンドであってもよく、または連続的に配設されたプレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の部分を含む、平坦なサセプタ材料のバンドであってもよい。
【0091】
感覚媒体は、浸漬によってサセプタ材料のバンドに提供されてもよい。この目的のために、サセプタ材料のバンドは、感覚媒体を含むタンクを通して案内されてもよい。サセプタ材料のバンドは、サセプタ材料のバンドの表面全体が感覚媒体と接触するように、感覚媒体内に完全に浸漬されてもよい。
【0092】
感覚媒体のタンクを通してサセプタ材料のバンドを運ぶために、一対の案内ローラーが提供されてもよく、案内ローラー間でサセプタ材料のバンドが締め付けられ、感覚媒体タンクを通して輸送される。こうした案内ローラーの対は、感覚媒体タンクの両端に提供されてもよい。このようにして、感覚媒体のタンクを通したサセプタ材料のバンドの移動が良好に制御され得る。
【0093】
この方法は、連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を含むサセプタ材料のバンド上に、感覚媒体を堆積させるのに特に適し得る。感覚媒体は、プレーン部分に対するよりも、拡張された部分に対してより良好に付着し得る。したがって、この方法は、サセプタ材料のバンドの拡張された部分に感覚媒体を堆積させるのに特に適し得る。
【0094】
感覚媒体は、被覆ローラーを介してサセプタ材料のバンドに提供されてもよい。被覆ローラーの表面には、感覚媒体が提供されてもよい。被覆ローラーにわたってサセプタ材料のバンドを案内することによって、サセプタ材料のバンドに感覚媒体を堆積させてもよい。
【0095】
サセプタ材料のバンドは、サセプタ材料のバンドと被覆ローラーとの間の十分な接触が維持されるように、被覆ローラーに対してわずかに押し付けられてもよい。サセプタ材料のバンドが波形のバンドである場合、バンドは、被覆ローラーとカウンターローラーとの間に形成されるローラーギャップを通して案内され得る。このローラーギャップの距離は、波形のピーク間距離よりも小さくてもよい。このようにして、カウンターローラーは、被覆ローラーに対してサセプタ材料のバンドを押し付けるのに役立ち得る。カウンターローラーは、十分な接触圧力を維持するのに役立つだけでなく、サセプタ材料のバンドのより大きな領域に感覚媒体が提供されるように、波形のサセプタ材料のバンドと被覆ローラーとの間の接触面を拡大させる。この方法は、高い弾性を有する正弦波形状の波形を有する波形のサセプタ材料のバンドに特に適し得る。
【0096】
サセプタ材料のバンドが波形のバンドである場合、被覆ローラーは、サセプタ材料のバンドの頂部のみに接触する。したがって、波形のバンドの頂部にのみ、感覚媒体が提供される。波形のサセプタ材料のバンドは、頂部がサセプタ材料の拡張された部分から形成されるように形成されてもよい。拡張された部分は、この構成における感覚媒体の堆積がより効率的になるように、プレーン部分よりも感覚媒体を良好に保持することができる。
【0097】
サセプタ材料のバンドはまた、被覆ローラーの下流および上流に提供される二つの張力ローラーによって、被覆ローラーに対して押し付けられてもよい。張力ローラーは、被覆ローラーの近くにおいてサセプタ材料のバンドの張力を変更するために使用され得る。バンドの張力を変更することによって、被覆効率が調整され得る。張力ローラーの使用は、サセプタ材料のバンドが平坦なバンドである場合に特に有用であり得る。
【0098】
張力ローラーはまた、サセプタ材料のバンドと被覆ローラーとの間の接触弧を変更するためにも使用され得る。このようにして、サセプタ材料のバンドと被覆ローラーとの間の接触時間が変更され得る。接触弧の調整は、被覆効率を高めるために使用され得る。
【0099】
被覆ローラーは、感覚媒体貯蔵部と流体連通してもよい。被覆ローラーは、被覆ローラーの下部を感覚媒体貯蔵部内に提供された感覚媒体に浸漬するような距離において感覚媒体貯蔵部の上方に位置し得る。感覚媒体は、被覆ローラーの表面を湿らせてもよく、その後、サセプタ材料のバンド上に堆積されてもよい。
【0100】
被覆ローラーは、感覚媒体貯蔵部と直接流体連通してもよい。被覆ローラーはまた、感覚媒体貯蔵部と間接的に流体連通してもよい。間接的な流体接触は、中間ローラーを介して確立されてもよく、中間ローラーは、感覚媒体と直接接触し、かつ感覚媒体を被覆ローラーに伝達する。一つ以上の中間ローラーは、感覚媒体貯蔵部と被覆ローラーとの間に提供されてもよい。一つ以上の中間ローラーを使用することにより、被覆ローラーに提供された後にサセプタ材料のバンドに提供される感覚媒体の量が、より正確に制御され得る。
【0101】
感覚媒体は、感覚媒体貯蔵部の下方に、サセプタ材料のバンドを案内することによって、サセプタ材料のバンドに提供されてもよい。感覚媒体貯蔵部は、その底部に開口部を有してもよく、この開口部は、サセプタ材料のバンドの上側面と接触してもよい。
【0102】
サセプタ材料のバンドは、エンドレス移動ベルト上で搬送されてもよい。感覚媒体貯蔵部の開口部は、サセプタ材料のバンドの上側面と直接接触して位置してもよい。
【0103】
こうした構成は、連続的に配設されたプレーン部分および拡張された部分を含む平坦なバンドであるサセプタ材料のバンドでの使用に有利であり得る。サセプタ材料のバンドのプレーン部分が開口部の真下にある時、プレーン部分は、開口部を効果的に封止し、サセプタ材料のバンドへの感覚媒体の流出を防止する。
【0104】
サセプタ材料のバンドの拡張された部分が開口部の真下にある時、その最大容量まで開口した拡張された部分上に感覚媒体が送達される。このようにして、限定された量の感覚媒体のみがサセプタ材料のバンドに送達される。
【0105】
サセプタ材料のバンドの上方に提供される感覚媒体貯蔵部が使用される注入装置はまた、波形のサセプタ材料のバンドでも使用され得る。感覚媒体貯蔵部の底部の開口部は、必ずしもサセプタ材料のバンドと接触していなくてもよい。それにもかかわらず、感覚媒体貯蔵部は、感覚媒体貯蔵部の開口部の下方に輸送されるサセプタ材料のバンドの凹状の谷部部分に、感覚媒体を送達するために使用され得る。
【0106】
この注入装置は、谷部がサセプタ材料のプレーン部分から形成され、任意選択で、頂部が拡張されたサセプタ材料から形成される、波形のサセプタ材料のバンドへの感覚媒体の堆積のために使用され得る。
【0107】
プレーンサセプタ材料から作製されるため、谷部は有意な量の感覚媒体を保持し得る。さらに、波形のサセプタ材料のバンドの各谷部に送達される感覚媒体の量は、一定に保たれ得る。同一量の感覚媒体が、谷部の各々に充填されてもよい。頂部が拡張されたサセプタ材料から形成される場合、これらの頂部は、感覚媒体の最大充填レベルを画定し得る。頂部は、谷部に送達される感覚媒体の量を制限するためのスピルオーバーとして作用し得る。したがって、谷部の充填レベルが多孔性の拡張された材料領域の部分に達すると、過剰な量の感覚媒体が、多孔性の拡張された材料を通して流出し得る。
【0108】
感覚媒体貯蔵部の開口部は、当業者に公知の適切な手段を介して開閉されてもよい。例えば、感覚媒体を装填されるサセプタ材料のバンドの周期性に応じて制御され得る開口部弁が提供されてもよい。このようにして、谷部が開口部の下方に位置する時に感覚媒体が正確に送達され得る。
【0109】
感覚媒体の流れまたは感覚媒体貯蔵部内の圧力を調節するために、蠕動ポンプなどのポンプが提供されてもよい。ポンプは、弁と同期されてもよい。このようにして、十分な量の感覚媒体が、波形のサセプタ材料のバンドの谷部の各々に送達されることが確保され得る。
【0110】
感覚媒体は、固体状態の感覚媒体を利用する注入装置を介して、波形のサセプタ材料のバンドに提供されてもよい。方法は、固体状態の感覚媒体をパンチャーに向かって前進させることと、一定量の感覚媒体を切断し、この量の感覚媒体を波形のサセプタ材料のバンドの谷部に送達することとを含み得る。
【0111】
固体状態の感覚媒体は、液体の感覚媒体よりも扱いやすい場合がある。固体状態での感覚媒体の送達は、感覚媒体の一貫した正確な用量を可能にする。したがって、この方法を用いて、すべての谷部に同一の所定の量の感覚媒体が提供される、波形のサセプタ材料のバンドが製造され得る。
【0112】
方法はさらに、波形のサセプタ材料のバンドの谷部に送達される感覚媒体の量を一時的に液化する工程を含み得る。
【0113】
感覚媒体の量を液化することは、感覚媒体を波形のサセプタ材料のバンドの谷部に送達した後に、感覚媒体を一時的に加熱することによって促進され得る。加熱は、任意の好適な加熱装置によって実行されてもよい。好適な加熱装置は、ホットエアガンである。こうしたホットエアガンから送達される高温の空気は、感覚媒体の粘度を減少させるのに十分であり得る。次いで、加熱された感覚媒体は、流体になり始め、サセプタ材料のバンドの谷部の壁に接着し得る。
【0114】
これは、感覚媒体を加熱するのに伴い、感覚媒体のみが加熱される一方でサセプタ材料の加熱は大部分が回避される場合に有利であり得る。この場合、感覚媒体の液化に必要な熱の量は最小化され得、過剰な熱に起因するサセプタ材料の変形が回避される。さらに、感覚媒体の冷却プロセスは、サセプタ材料が可能な限り少ししか加熱されない場合に加速される。
【0115】
感覚媒体の冷却プロセスをさらに加速させるために、サセプタ材料のバンドは、冷却ステーションを通して搬送されてもよい。このプロセスに適した冷却ステーションは、当該技術分野で公知である。冷却プロセスを加速させることによって、感覚媒体の迅速な再ジェリー化が達成され得る。サセプタ材料のバンドは、感覚媒体が冷却され、サセプタ材料に十分に接着した後にのみ、処理が続行され得る。したがって、冷却プロセスの加速は、全体的な製造プロセスに必要な時間を短縮し得る。
【0116】
波形のサセプタ材料のバンドは、注入装置を通過して段階的に搬送されてもよい。各段階は、波形のサセプタ材料のバンドのピッチ幅に対応してもよい。各工程後、注入装置が起動される。所定の量の感覚媒体が切断され、波形のサセプタ材料のバンドの谷部に送達される。
【0117】
波形のサセプタ材料のバンドの段階的移動は、任意の適切なコンベヤ装置を介して確立され得る。コンベヤ装置は、ステッパーモーターによって駆動される、歯付きのエンドレスベルトを含み得る。歯付きベルトは、波形のサセプタ材料のバンドの周期性に対応する周期性を有してもよい。このようにして、歯付きベルトの各歯は、波形のサセプタ材料のバンドの谷部と係合し得る。複数の係合点にわたって牽引力を分配することによって、各個々の係合点における応力が減少し、波形のサセプタ材料のバンドの変形が回避され得る。
【0118】
切断装置に向かって感覚媒体を前進させ、所定の量の感覚媒体を切断することは、適切なプロセスおよび当技術分野で公知の装置を使用して実行され得る。前進機構は、固体状態の感覚媒体と係合し、固体状態の感覚媒体を移動させるために機能するピストンまたはクランプを含み得る。
【0119】
所定の量の感覚媒体を切断するために、パンチャーが使用されてもよい。パンチャーは、感覚媒体の前進方向に対して垂直に移動可能であり、その前方端に切断ブレードを含み得る。パンチャーは、所定の量の感覚媒体を切断し、切断された感覚媒体を、パンチャーの下に位置する波形のサセプタ材料のバンドの谷部内に押し込むために使用され得る。
【0120】
方法は、波形のサセプタ材料のバンドの一方の側の谷部を充填するためにのみ使用され得る。方法はまた、波形のサセプタ材料のバンドの両側の谷部を感覚媒体で充填するために使用されてもよい。これは、二工程プロセスを介して行われてもよい。第一の工程では、波形のサセプタ材料のバンドの第一の側の谷部に感覚媒体が充填され得る。感覚媒体が波形のサセプタ材料のバンドの谷部に十分に接着するように感覚媒体が十分に冷却された後、バンドの向きを変えて、波形のサセプタ材料のバンドの第二の側の谷部を感覚媒体で充填してもよい。
【0121】
谷部内部の感覚媒体は、波形のバンドの壁に付着し得るため、感覚媒体は、上下逆にしても所定位置にとどまる。例えば、移動する波形のバンドの移動の振動に起因して、または感覚媒体のチキソトロピック特性に起因して、感覚媒体の接着が弱すぎる場合、感覚媒体の粘度または接着が増大され得る。これは、金属バンドをさらに冷却することによって、または感覚媒体の組成物を変化させることによって行うことができる。
【0122】
感覚媒体は、液体の感覚媒体を利用する別の注入装置を介して、波形のサセプタ材料のバンドに提供されてもよい。液体の感覚媒体は、それを通して波形のサセプタ材料のバンドが案内される、感覚媒体貯蔵部に提供されてもよい。感覚媒体貯蔵部は、非装填された波形のサセプタ材料のバンドを感覚媒体貯蔵部に導入するための少なくとも一つの入口開口部を有してもよい。感覚媒体貯蔵部は、装填された波形のサセプタ材料のバンドが、感覚媒体貯蔵部から出ることを可能にする少なくとも一つの出口開口部を有してもよい。
【0123】
出口開口部は、その間に一定の距離を画定する二つのリップから形成されてもよい。リップ間の距離は、波形のサセプタ材料のバンドのピーク間距離に対応し得る。
【0124】
波形のバンドは、感覚媒体貯蔵部の内部体積を通して案内され、出口開口部を通して感覚媒体貯蔵部から出るように案内される。
【0125】
出口開口部を画定する二つのリップは、リップの各々が波形のサセプタ材料のバンドに対してわずかに押し付けられるように、弾性である、または予め付勢される、または弾性かつ予め付勢されてもよい。
【0126】
液体媒体貯蔵部の内部および出口開口部を通して波形のサセプタ材料のバンドを案内するのに伴い、液体の感覚媒体が波形のサセプタ材料のバンドの各谷部内に受容される。感覚媒体は、各谷部内に受容された感覚媒体が、波形のバンドが出口開口部を通して感覚媒体貯蔵部を離れた後に、波形のバンドの谷部の壁に本質的に接着するような組成物を有するように構成されている。
【0127】
リップが各側から波形のバンドに押し付けられるため、リップは、過剰な感覚媒体が感覚媒体貯蔵部から出ないように、出口開口部を効果的に閉じる。確実な封止を得るために、リップは、リップの各々が絶えず波形のサセプタ材料のバンドのそれぞれの側の少なくとも二つの頂部に接触するような長さを有し得る。
【0128】
リップの幅は、波形のバンドの幅に対応してもよい。感覚媒体貯蔵部の出口開口部には、波形のバンドの側方面に出口開口部を封止するための適切な封止要素が提供されてもよい。
【0129】
リップは、好ましくは弾性材料から作製される。このようにして、波形のバンドの後続の頂部間の高さの差異が補償され得る。別の方法として、または追加的に、リップは、適切な付勢装置を介して互いに向かって予め付勢されてもよい。単純な構成では、こうした付勢は、リップの各々と、感覚媒体貯蔵部の対応する側面との間に提供されるばね機構によって得られ得る。
【0130】
波形のサセプタ材料のバンドは、その感覚媒体貯蔵部を通した移動中に様々な引張力および押力を受け得るため、波形のバンドのピーク間距離は、被覆プロセス中に変化し得る。こうした変化する引張力および押力は、感覚媒体の粘度、または出口開口部における二つのリップの表面と波形のバンドの摩擦によって生じ得る。二つのリップを弾性に構成するか、またはリップを予め付勢することによって、二つのリップ間の距離を動的に変化させてもよく、波形のバンドの寸法の任意の変化を補償してもよい。このようにして、出口開口部における非漏出性が得られてもよく、過剰な感覚媒体の望ましくない流出が防止され得る。
【0131】
「感覚媒体」という表現は本明細書において、好ましくは感覚媒体が加熱される時に、サセプタが中に配設されている物品を通過する気流の中に揮発性化合物を放出することができる材料または材料の混合物であると理解される。
【0132】
感覚媒体はゲルであってもよい。ゲルの提供は、サセプタ、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置からの漏れのリスクが低減される場合があるため、保管および搬送のために、または使用中に有利である場合がある。
【0133】
有利なことにゲルは室温で固体である。この文脈において「固体」とは、ゲルが、安定したサイズおよび形状を有し、かつ流れないことを意味する。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。
【0134】
感覚媒体は、エアロゾル形成体を含み得る。理想的にエアロゾル形成体は、サセプタの動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールおよび、グリセリンまたはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であってもよい。
【0135】
有利には、感覚媒体ゲルは、例えば熱可逆性ゲルを含む。これは、ゲルが溶融温度に加熱された時に流体になり、またゲル化温度にて再びゲルになることを意味する。ゲル化温度は室温および大気圧以上であってもよい。大気圧は1気圧の圧力を意味する。溶融温度はゲル化温度よりも高くてもよい。ゲルの溶融温度は、摂氏50度または摂氏60度または摂氏70度を上回ってもよく、摂氏80度を上回ってもよい。この文脈における溶融温度は、ゲルがもはや固体ではなくなり、流れ始める温度を意味する。
【0136】
別の方法として、特定の実施形態において、ゲルは、サセプタの使用中に溶融しない非溶融ゲルである。これらの実施形態において、使用中のサセプタの動作温度以上であるが、ゲルの溶融温度を下回る温度にて、ゲルは少なくとも部分的に活性剤を放出する場合がある。
【0137】
ゲルは、好ましくは50,000~10パスカル/秒、好ましくは10,000~1,000パスカル/秒の粘度を有し、所望の粘度を与える。
【0138】
ゲルはゲル化剤を含みうる。ゲルは寒天もしくはアガロースもしくはアルギン酸ナトリウムもしくはジェランガム、またはこれらの混合物を含み得る。
【0139】
ゲルは水を含んでもよく、例えばゲルはヒドロゲルである。別の方法として、特定の実施形態において、ゲルは非水性である。
【0140】
ゲルは活性剤を含むことが好ましい。活性剤はニコチン(例えば、粉末状または液体状の)、または例えばエアロゾル中に放出するためのたばこ製品もしくは別の標的化合物を含み得る。ニコチンは、エアロゾル形成体とともにゲルに含まれ得る。室温でゲルの中にニコチンを閉じ込めることは、エアロゾル発生物品からのニコチンの漏れを防止するために望ましい。
【0141】
ゲルは、加熱された時に風味化合物を放出する固体たばこ材料を含み得る。固体たばこ材料は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこなどの植物材料のうちの一つ以上を包含する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上であってもよい。
【0142】
ゲルは、他の風味、例えばメントールを含んでもよい。メントールを、ゲルの形成の前に、水またはエアロゾル形成体のいずれかに添加することができる。
【0143】
寒天がゲル化剤として使用される実施形態において、ゲルは、例えば0.5~5重量パーセント、好ましくは0.8~1重量パーセントの寒天を含んでもよい。ゲルは0.1~2重量パーセントのニコチンをさらに含むことが好ましい。ゲルは、30重量パーセント~90重量パーセント(または70重量パーセント~90重量パーセント)のグリセリンをさらに含むことが好ましい。特定の実施形態において、ゲルの残りの部分は水および風味剤を含む。
【0144】
ゲル化剤は、摂氏85度を上回る温度で溶融する、かつ摂氏40度前後でゲルに戻る特性を有する寒天であることが好ましい。この特性は寒天を高温環境に対して適切なものとする。ゲルは摂氏50度で溶融せず、このことは例えば、日に当たる高温の自動車内にシステムが置かれる場合に有用である。摂氏85度前後での液体への相転移は、ゲルがエアロゾル化を誘発するために比較的に低い温度に加熱されることのみを必要とし、低いエネルギー消費を可能にすることを意味する。寒天の代わりに寒天の成分の一つであるアガロースのみを使用することが有益である場合がある。
【0145】
ジェランガムがゲル化剤として使用される場合、ゲルは典型的に、0.5~5重量パーセントのジェランガムを含む。ゲルは0.1~2重量パーセントのニコチンをさらに含むことが好ましい。ゲルは30~99.4重量パーセントのグリセリンを含むことが好ましい。特定の実施形態において、ゲルの残りの部分は水および風味剤を含む。
【0146】
一実施例において、ゲルは2重量パーセントのニコチン、70重量パーセントのグリセロール、27重量パーセントの水、および1重量パーセントの寒天を含む。
【0147】
別の実施例において、ゲルは65重量パーセントのグリセロール、20重量パーセントの水、14.3重量パーセントのたばこ、および0.7重量パーセントの寒天を含む。
【0148】
特に、単一物品当たりのゲルの量は、ニコチンの予想される送達および/または予想される総エアロゾル量の発生および/または予想されるユーザ経験期間に関連して設定または調整され得る。
【0149】
本明細書で使用される「サセプタ材料」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換することができる材料を指す。交流電磁場内に位置する時、典型的に、サセプタ内で渦電流が誘導され、またヒステリシス損失が生じる場合があり、サセプタの加熱を引き起こす。サセプタ材料は、感覚媒体と熱接触して位置するため、感覚媒体は、サセプタ材料によって加熱され、サセプタ材料から流体を放出する。
【0150】
サセプタ材料は、感覚媒体から材料を放出するのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタ材料は金属または炭素を含む。好ましいサセプタ材料は、鉄材料または強磁性材料(例えば、フェライト鉄、強磁性鋼などの強磁性合金、ステンレス鋼、またはアルミニウム)を含んでよく、またはこれらから成ってもよい。サセプタ材料は、好ましくは5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む。好ましいサセプタは、摂氏約150度~摂氏約300度の温度に加熱されてもよい。サセプタは、摂氏約200度~摂氏約270度、例えば摂氏235度の温度に加熱されてもよいことが好ましい。
【0151】
サセプタ材料のバンドは金属の細長い材料であることが好ましい。
【0152】
サセプタ材料のバンドはステンレス鋼バンドであることが好ましい。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)も含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0153】
サセプタ材料はバンドの形態を有する。バンドは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅と、好ましくは約0.03ミリメートル~約1ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.5ミリメートル、例えば約0.07ミリメートル~0.2ミリメートルの厚さとを有する基本的な長方形の形状を有することが好ましい。サセプタ材料のバンドの幅は、サセプタ材料が中に配設されているプラグの幅または直径よりも小さい。
【実施例】
【0154】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0155】
実施例A:
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法であって、
・サセプタ材料のバンドを提供する工程と、
・対向して配設された圧縮要素を含む圧縮ステージを提供する工程であって、圧縮ステージの第一の部分では、圧縮要素が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設され、圧縮ステージの第二の部分では、圧縮要素が処理方向にその間に一定の圧縮ギャップを画定するように配設され、対向して配設された圧縮要素は、合致する表面構造を有するように構成されている、提供する工程と、
・圧縮要素の合致する表面構造がサセプタ材料のバンドを深絞りするように、圧縮ステージの狭窄する圧縮ギャップを通してサセプタ材料のバンドを案内する工程と、を含む、方法。
実施例B:
圧縮要素は、複数の案内ローラーにわたって案内されるベルトであり、圧縮ステージの第一の部分では、案内ローラーは、ベルトが処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを画定するように配設される、実施例Aによる方法。
実施例C:
一つのベルトの歯が反対側のベルトに配設された二つの隣接する歯の間に相互に貫通するように、ベルトに交互に配設された歯が提供される、実施例AまたはBのいずれか一つによる方法。
実施例D:
ベルトには、交互に配設された合致する突出構造および陥凹構造が提供され、一方のベルトからの突出構造は、他方のベルトの陥凹構造と相互に貫通し、それによって、ベルト間に案内されるサセプタ材料のバンドを深絞りする、実施例A~Cのいずれか一つによる方法。
実施例E:
圧縮要素は、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように構成および配設されたねじ形状の要素である、実施例Aによる方法。
実施例F:
圧縮要素は、ねじ形状の要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように、それらの長軸方向軸が互いに向かって傾斜するように配設されたねじ形状の要素である、実施例Eによる方法。
実施例G:
圧縮要素は、漸進的に増大する直径を有するねじ形状の要素であり、ねじ形状要素の外周に提供されたねじ山が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成するように、それらの長軸方向軸が互いに平行になるように配設される、実施例Eによる方法。
実施例H:
圧縮ステージは、狭窄する圧縮ギャップの上方または下方に、圧縮要素と係合して配設される一つまたは二つのねじ形状の案内要素を含む、実施例E~Gのいずれか一つによる方法。
実施例I:
圧縮ステージはさらに、圧縮要素が処理方向に漸進的に拡張するギャップを画定するように配設された、第三の部分を含む、実施例A~Hのいずれか一つによる方法。
実施例J:
漸進的に狭窄する圧縮ギャップを形成する圧縮ステージの一部分は、圧縮ステージの上流端に位置する、実施例A~Iのいずれか一つによる方法。
実施例K:
漸進的に拡張するギャップを形成する圧縮ステージの一部分は、圧縮ステージの下流端に位置する、実施例A~Jのいずれか一つによる方法。
実施例L:
方法は、感覚媒体が圧縮工程中に形成されたサセプタ材料のバンドのくぼみの中に注入される、感覚媒体注入工程を含む、実施例A~Kのいずれか一つによる方法。
実施例M:
歯または突出構造に、感覚媒体貯蔵部と流体連通している中央チャネルが提供され、感覚媒体は、漸進的に拡張するギャップを画定する圧縮ステージの第三の部分におけるサセプタ材料のバンドのくぼみに提供される、実施例A~Lのいずれか一つによる方法。
実施例N:
漸進的に拡張するギャップを形成するように配設されるねじ形状の圧縮要素の隆起は、感覚媒体貯蔵部と流体連通する一つ以上の中央チャネルで構成され、感覚媒体は、処理方向において漸進的に拡張するギャップを画定する圧縮ステージの第三の部分におけるサセプタ材料のバンドのくぼみに提供される、実施例A~Mのいずれか一つによる方法。
実施例O:
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法であって、
・サセプタ材料のバンドを提供する工程と、
・サセプタ材料のバンドに、プレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の連続的な部分が提供されるように、サセプタ材料のバンドの少なくとも一部を切断および拡張するための周期的な波形のブレードを含む切断ステージを提供する工程と、を含む、方法。
実施例P:
切断プロセスは、個々の切断工程間において、サセプタ材料のバンドが所定の量だけ前方に供給され、周期的な波形のブレードは、供給方向に対して垂直に往復する、段階的プロセスである、実施例Oによる方法。
実施例Q:
切断プロセス後、サセプタ材料のバンドは、連続的に配設されたサセプタ材料のプレーン部分および拡張された部分を有する平坦な金属バンドが得られるように、折り畳むことまたはスタンピングによって平坦化される、実施例OおよびPのいずれか一つによる方法。
実施例R:
切断および拡張プロセス中、拡張された領域に同時に感覚媒体が提供されるように、サセプタ材料のバンドに感覚媒体が提供される、実施例O~Qのいずれか一つによる方法。
実施例S:
平坦化されたサセプタ材料のバンドには、プレーン部分が谷部へと形成され、拡張された部分が結果としての波形のバンドの頂部へと形成されるように、波形が提供される、実施例Q~Rのいずれか一つによる方法。
実施例T:
二つのサセプタ材料のバンドは、一方のサセプタ材料のバンドの拡張された部分が、他方のサセプタ材料のバンドのプレーン部分に隣接して位置するように、重ね合わせられる、実施例O~Sのいずれか一つによる方法。
実施例U:
感覚媒体は、平坦化工程の後にサセプタ材料のバンドに提供される、実施例Q~Rのいずれか一つによる方法。
実施例V:
感覚媒体は、タンク内にゲルとして提供され、処理されたサセプタ材料は、感覚媒体タンクを通して案内される、実施例A~Uのいずれか一つによる方法。
実施例W:
感覚媒体は、タンク内にゲルとして提供され、感覚媒体は、被覆ローラーを介して処理されたサセプタ材料上に堆積され、被覆ローラーは、タンク内の感覚媒体と流体連通している、実施例A~Vのいずれか一つによる方法。
実施例X:
感覚媒体は、その底部側に分注開口部を有するタンク内にゲルとして提供され、連続的に配設されたプレーン領域および拡張された領域を有する処理されたサセプタ材料は、感覚媒体タンクの開口部の直下、またはこれに隣接して案内される、実施例A~Wのいずれか一つによる方法。
実施例Y:
感覚媒体貯蔵部は、感覚媒体貯蔵部から排出された感覚媒体が拡張された領域を充填するように加圧される、実施例A~Xのいずれか一つによる方法。
実施例Z:
感覚媒体タンクは、ゲルが感覚媒体貯蔵部から排出されて、拡張された部分が感覚媒体貯蔵部の開口部に隣接して延びる場合にのみ拡張された部分を充填するように周期的に加圧される、実施例A~Yのいずれか一つによる方法。
実施例ZA:
感覚媒体は、注入装置を介してサセプタ材料に提供され、感覚媒体はゲルであり、感覚媒体は、加圧下でアプリケータから近くを通過するバンドへと排出される、実施例A~Zのいずれか一つによる方法。
実施例ZB:
感覚媒体は、連続的または周期的に排出される、実施例A~ZAのいずれか一つによる方法。
実施例ZC:
注入装置は、感覚媒体を送達するためのポンプ、好ましくは蠕動ポンプを含む、実施例A~ZBのいずれか一つによる方法。
実施例ZD:
サセプタ材料のバンドは、波形のバンドとして提供され、感覚媒体は、固体状態のゲルストリップとして提供され、
装置は、ゲルストリップのための前進機構、およびゲルの一定の量のゲルを切断し、この量のゲルを波形のサセプタ材料のバンドの谷部へと送達するためのパンチャーを含む注入装置を備える、実施例A~ZCのいずれか一つによる方法。
実施例ZE:
谷部に送達されるゲル材料の量は、ホットエアガンによって一時的に液化される、実施例ZDによる方法。
実施例ZF:
波形の材料のバンドは、ステッパーモーターによって駆動される歯付きベルトを介して注入装置を通過して段階的に搬送される、実施例ZDまたはZEによる方法。
実施例ZG:
波形の材料のバンドの両側の谷部は、その後感覚媒体で充填される、実施例A~ZFのいずれか一つによる方法。
実施例ZH:
サセプタ材料のバンドは波形のバンドとして提供され、感覚媒体がタンク内に提供される液体ゲルとして提供され、タンクの側には、二つの予め付勢される、または弾性であるリップから形成された開口部を含み、波形のバンドは、タンクの内部体積を通して案内され、二つの予め付勢される、または弾性であるリップによって形成された開口部を通してタンクを出る、実施例A~ZGのいずれか一つによる方法。
実施例ZI:
リップの長さは、リップが常に波形のバンドの少なくとも二つの頂部に対して押し付けられるようなものである、実施例ZHによる方法。
実施例ZJ:
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品のためのサセプタであって、サセプタは、連続的に配設されたプレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の領域を含むサセプタ材料のバンドとして提供される、サセプタ。
実施例ZK:
拡張されたサセプタ材料の部分に感覚媒体が提供される、実施例ZJによるサセプタ。
実施例ZL:
サセプタ材料のバンドには、プレーン部分が谷部へと形成され、拡張された部分が結果としての波形のバンドの頂部へと形成されるように、波形が提供される、実施例ZJまたはZKのいずれか一つによるサセプタ。
実施例ZM:
プレーンサセプタ材料の部分に形成された谷部には、感覚媒体が提供される、実施例ZJ~ZLのいずれか一つによるサセプタ。
実施例ZN:
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品のためのサセプタ配設であって、サセプタ配設は、実施例ZJ~ZMのいずれか一つによる二つのサセプタを含み、二つのサセプタは、一方のサセプタの拡張された頂部部分が他方のサセプタのプレーン谷部部分に隣接して位置するように重ね合わせられる、サセプタ配設。
実施例ZO:
サセプタ配設には、正弦波または三角形の波形が提供され、波形の周期性は、連続的なプレーン部分および拡張された部分の周期性に対応する、実施例ZNによるサセプタ配設。
【0156】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【
図1】
図1は、波形のサセプタ材料のバンドを形成する方法を示す。
【
図3】
図3は、様々な表面パターンを有するサセプタ材料のバンドを示す。
【
図4】
図4は、注入装置を含む歯付きベルトの一実施形態を示す。
【
図5】
図5は、波形のサセプタ材料のバンドの形成方法を示す。
【
図7】
図7は、感覚媒体が提供された波形のサセプタ材料のバンドの形成方法を示す。
【
図8】
図8は、平坦なサセプタ材料のバンドを切断および拡張する方法を示す。
【
図10】
図10は、プレーンサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の連続的な部分を有する平坦なサセプタ材料のバンドを示す。
【
図12】
図12は、プレーンなサセプタ材料および拡張されたサセプタ材料の連続的な部分を有する波形のサセプタ材料のバンドおよび対応するサセプタ配設を示す。
【
図15】
図15は、波形のサセプタに感覚媒体を提供するための装置を示す。
【
図17】
図17は、波形のサセプタに感覚媒体を提供するための装置を示す。
【
図18】
図18は、サセプタ配設を形成するための方法を示す。
【
図19】
図19は、波形のサセプタに固体状態の感覚媒体を注入する方法を示す。
【
図20】
図20は、液体感覚媒体を波形のサセプタに注入する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0158】
図1には、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10が、波形のサセプタ材料のバンド11へと処理される、本発明の方法を行うための装置の第一の実施形態が示されている。平坦なサセプタ材料のバンド10は、約5ミリメートルの幅および約0.05ミリメートルの厚さを有するステンレス鋼バンドである。
【0159】
平坦なサセプタ材料のバンド10は、サセプタ材料のバンド10に所望の波形が提供される、圧縮ステージ14を有する処理装置12に供給される。この目的のために、その間に圧縮ギャップ18を画定する、対向して配設された圧縮要素16が提供される。
【0160】
圧縮要素は、各々案内ローラー20に沿って案内される、歯付きのエンドレスベルト16である。案内ローラー20のうちの一つは、駆動モーター(図示せず)に接続された駆動ローラー22として構成されている。案内ローラー20および駆動ローラー22は、圧縮ステージ14の三つの異なる部分を画定するように配設される。
【0161】
圧縮ステージ14の第一の部分24では、案内ローラー20、22は、圧縮要素16が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップ18’’を画定するように配設される。圧縮ステージ14の第二の部分26では、案内ローラー20、22は、圧縮要素16が処理方向にその間に一定の圧縮ギャップ18を画定するように配設される。圧縮ステージ14の第三の部分28では、案内ローラー20は、圧縮要素16が処理方向に拡張する圧縮ギャップ18を画定するように配設される。
【0162】
対向して配設された歯付きのエンドレスベルト16は、一つのエンドレスベルトの歯30が、反対側のベルトに配設された二つの隣接する歯30の間に相互に貫通するように配設される。
【0163】
最初は平坦なサセプタ材料のバンド10は、圧縮ステージ14を通して案内され、それによって、バンド10が、圧縮ステージ14の第一の部分24の狭窄するギャップ18内に供給される。
【0164】
対向する圧縮要素16の相互に貫通する歯30である合致する表面構造は、サセプタ材料のバンド10と漸進的に係合し、材料を所定の波形の形状へと漸進的に深絞りする。圧縮ステージ14の第二の部分26では、圧縮ギャップ18は、処理方向に一定に保たれる。圧縮ステージ14のこの部分では、圧縮要素16は、サセプタ材料のバンド10の波形の形状を確立するために使用される。
【0165】
圧縮ステージ14の下流端において、圧縮要素16、特にエンドレスベルト16の歯30は、波形のサセプタ材料のバンド11から漸進的に引き出される。この漸進的な引き出しにより、新たに成形されたサセプタ材料のバンド11への潜在的な損傷が防止される。
【0166】
図2では、合致する表面構造を有する歯付きベルト16の代替的な配設が示されている。ベルト16には、交互に配設された合致する雌歯32および雄歯34が提供されている。雄歯34は、突出部36を含む。雌歯32は、その中に雄歯34の突出部36を受容するのに十分な大きさの陥凹部38を有して形成される。使用時、サセプタ材料のバンド10は、雌歯32および雄歯34を有する歯付きベルト16の間に案内される。これらの歯付きベルト16の合致する表面構造は、サセプタ材料のバンド10に交互に配設されたくぼみを形成する。このようにして、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10が、波形のサセプタ材料のバンド11へと変換される。
【0167】
図3では、様々な表面パターンを有する波形のサセプタ材料のバンド11が概略的に示されている。
図3の左図では、規則的な、正弦波または波状のパターンを有する波形のサセプタ材料のバンド11が示されている。しかしながら、
図3の二つの他の図に示す他のパターンも可能である。
図3の中央図は、複数の長軸方向のくぼみ40がサセプタ材料のバンド11に提供されるパターンを示す。
図3の右図では、複数の横断方向のくぼみ42がサセプタ材料のバンド11に提供されている。
【0168】
図4では、サセプタ材料のバンド10に波形が提供され、同時に、新たに形成されたくぼみ46の各々の中に感覚媒体44が注入される構成が示されている。
図4に示す歯付きベルト16は、
図2のベルト16に対応する。
【0169】
雄歯34には各々、ベルト16および雄歯34全体を通って延びる中央中空チャネル48が提供される。歯付きベルト16は、加圧感覚媒体貯蔵部50に沿って案内される。感覚媒体貯蔵部50の各々は、それぞれの歯付きベルト16の後側に面する開口部52を有する。ベルト16は、歯付きベルト16の各々の後側が、それぞれの加圧感覚媒体貯蔵部50の開口部52を概して覆うように案内される。しかしながら、雄歯34および中央中空チャネル48が加圧感覚媒体貯蔵部50の開口部52を通過して案内される際、感覚媒体50は、中央中空チャネル48を通って流れることができ、雄歯34の先端から波形のサセプタ材料のバンド11のくぼみ46の中へと送達される。
【0170】
注入工程は、圧縮ステージ14の第三の部分28で実行される。この部分では、ベルト16は、処理方向に拡張する圧縮ギャップ18を形成し、それによって、雄歯34が雌歯32から漸進的に引き出されるように配設される。雄歯34の突出部36がくぼみ46から移動するのに伴い、くぼみ46は、感覚媒体44を注入するための空間を作り出す。
【0171】
感覚媒体44は、ゲル形態で提供される。送達される感覚媒体ゲル44の量は、加圧感覚媒体貯蔵部50内の圧力を変更することによって、およびベルト16の速度を変更することによって調整される。感覚媒体貯蔵部50の加圧は、ポンプ(図示せず)を介して得られる。
【0172】
図5~7は、ねじ形状の要素56の形態の圧縮要素を用いることによって方法が実行される、本発明のさらなる実施形態に関する。ねじ形状の要素56は、本質的に円筒形の要素である。対向して配設されたねじ形状の要素56の外周には、対応するねじ山ピッチを有する対応するねじ山58が提供される。
【0173】
図5に示すように、ねじ形状の要素56は、ねじ形状の要素56の外周に提供されたねじ山58が処理方向に漸進的に狭窄する圧縮ギャップ18を形成するように、それらの長軸方向軸60が処理方向62に対して互いに向かってわずかに傾斜するように配設される。
図5では、圧縮ステージ14の第一の部分24のみが示されている。圧縮ステージ14の第一の部分24では、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10は、波形の形状を有するバンド11へと漸進的に引き込まれる。この第一の部分24の後には、少なくとも、ねじ形状の圧縮要素56が処理方向に一定の圧縮ギャップ18を形成するように配設される第二の部分26が続く。
【0174】
図6の実施形態では、サセプタ材料のバンド10は、二つの案内要素64によって圧縮ステージ14に追加的に案内される。案内要素64もまた、ねじ形状の要素である。ねじ形状の案内要素64は、一対のねじ形状の圧縮要素56の上方および下方に配設される。ねじ形状の案内要素64はまた、圧縮要素56のねじピッチに対応するねじピッチを有する外側ねじ山を有する。このようにして、案内要素64は、圧縮要素56と回転可能に係合する。案内要素64および圧縮要素64は、それを通ってサセプタ材料のバンド10が案内される圧縮ギャップ18を横断方向に画定する。
【0175】
図7は、圧縮要素16が対向するねじ形状の要素56の形態で提供される、圧縮ステージ14の第三の部分28を示す。ねじ形状の要素56は、それらが処理方向62に漸進的に拡大する圧縮ギャップ18を画定するように配設される。圧縮要素56は、サセプタ材料のバンド11に感覚媒体ゲル44を送達するように構成されている。この目的のために、圧縮要素56は、ねじ形状の圧縮要素56の一つの外周に提供されたねじ山の隆起において開放する中空の半径方向チャネル66を含む。中空の、半径方向に配設されたチャネル66は、中央マニホールドチャネル68内に延び、次いで、固定された加圧感覚媒体貯蔵部(図示せず)に接続される。
図7では、中央軸方向チャネルマニホールド68は、加圧感覚媒体貯蔵部に接続されるように構成されたアダプタ70を受容するように構成されている。アダプタ70は、中空の、半径方向に配設されたチャネル66との流体連通を可能にする長軸方向の開口部72を含む。
図7では、感覚媒体注入装置は、上側圧縮要素56とのみ示されている。しかしながら、波形のサセプタ材料のバンド11の両側に感覚媒体44が提供されるように、対応する感覚媒体注入装置が下側圧縮要素56にも提供される。
【0176】
図7の右側には、流体チャネル66、68を含む圧縮要素56の断面図が示されている。この場合、三つの等距離に配設された半径方向チャネル66が、ねじの巻きごとに提供される。半径方向チャネル66の各々は、中央軸方向チャネル68からねじ形状の圧縮要素56の外周へと延びる。
【0177】
くぼみ46に注入される感覚媒体44の量は、感覚媒体貯蔵部内の圧力によって、軸方向中空チャネル68の直径によって、ならびにねじ形状の圧縮要素56における中空の半径方向に配設されたチャネル66のサイズおよび数によって決定される。感覚媒体44は、連続的に注入されても断続的に注入されてもよい。この目的のために、サセプタ材料のバンド11への感覚媒体の流れを制御するように開閉することができる制御可能な弁(図示せず)が提供されてもよい。
【0178】
図8~11は、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品用のサセプタを製造するための方法に関する。この方法では、最初は平坦なサセプタ材料のバンドが、周期的な波形のブレード82を含む切断ステージ80へと段階的に前進する。周期的な波形のブレード82は、周期的な台形形状を有し、平坦なサセプタ材料のバンド10にその長軸方向に対して横断方向に部分的な切断が提供されるように構成されている。
【0179】
波形のブレード82には同時に、切断ブレード82の設計に従い、切断部分を波形のブレード82によって画定される波形の形状へとスタンピングする成形部分83が提供される。したがって、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10の切断部分が切断され、同時にこの波形の形状へと拡張される。
【0180】
切断および拡張プロセスは、段階的プロセスである。切断ブレード82の移動は、
図8の一連の矢印で示されるように、往復移動である。
図8の上図では、サセプタ材料のバンド10は既に、切断ステージ80の切断幅に対応する所定の距離だけ切断ステージ80内に前進している。矢印で示すように、波形のブレード82は、第一の切断位置へと右に移動する。
【0181】
図8の第二の図では、切断ブレード82は第一の位置にあり、下向きに移動して、同時にサセプタ材料のバンド10を切断および拡張する。次に、切断ブレード82は、上向きに、そして第二の切断位置へとブレードの波形のピッチの半分だけ左に移動する。サセプタ材料のバンド10は、再び一段階前進し、切断ブレード82が下向きに移動して、第一の切断に対して横断方向にオフセットされた第二の切断を行う。同様に、拡張が、第一の拡張工程に対して横断方向にオフセットして行われる。
図8の最下図では、切断ブレード82を再び持ち上げ、第一の切断位置へと後方に移動させる。その後、上述のような切断プロセスが再び行われてもよい。このようにして、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10には、サセプタ材料のバンド10の長さの少なくとも一部にわたって延びる拡張された部分86が提供される。
【0182】
拡張プロセスによって、サセプタ材料のバンド10の切断部分が切断方向に拡張される。切断方向は本質的に、平坦なサセプタ材料のバンド10によって画定される平面に対して垂直に延びる。
図9では、最初は平坦なサセプタ材料のバンド10には、プレーン、または切断されていないサセプタ材料84、および拡張された、または切断されたサセプタ材料86の連続的な部分が提供される。したがって、結果としての部分的に拡張されたバンド88には、
図9の概略図に示されるように、長さ方向に階段状のプロファイルが提供される。
【0183】
切断および拡張後、連続的なプレーン部分84および拡張された部分86を有するバンド88を、さらなる処理のためにサセプタ材料のバンド88を調製するために平坦化してもよい。この目的のために、サセプタ材料のバンド88は、スタンピング装置(図示せず)によって平坦化される。連続的に配設されたプレーン部分84および拡張された部分86を有する、結果としての平坦なサセプタ材料のバンド90を
図10に示す。拡張プロセスの結果として、拡張された部分には、シートのストラップまたはトングによって区切られた貫通穴が提供される。一例として、ストラップまたはトングの幅は、サセプタの厚さと等しくなるように設定することができる。穴または穿孔は、サセプタの厚さより大きいか、または少なくともこれに等しい最大開口部寸法を示し得る。
【0184】
図11に示すように、部分的に拡張されたサセプタ材料のバンド88にさらに、感覚媒体44が提供される。感覚媒体44は、切断および拡張プロセス中にサセプタ材料のバンド88に提供される。この目的のために、切断ステージ80に感覚媒体貯蔵部50が提供される。感覚媒体貯蔵部50は、切断および拡張ステージ80に直接隣接した放出開口部52を有する。切断および拡張工程中、切断ブレード82によって拡張されるサセプタ材料のバンドの部分86は、放出開口部52にわたって移動する。
【0185】
感覚媒体貯蔵部50は、サセプタ材料のバンド10の拡張中に感覚媒体44が放出されるように構成されている。この目的のために、感覚媒体貯蔵部50は、感覚媒体44を放出開口部52から押し出す制御可能なピストン51を含む。ピストン51は、拡張工程における切断ブレード82の下方移動中に感覚媒体44が放出されるように、切断ブレード82と同期される。
【0186】
サセプタ材料のバンドの拡張された部分86における隙間は、感覚媒体44を取り込むのに良好に適している。さらに、拡張された部分86は、使用時に、気化した感覚媒体44がサセプタ要素を通過する気流によって容易に取り込まれることができるように、サセプタ材料のバンド88の両側に対して開放している。
【0187】
連続的なプレーン部分84および拡張された部分86を有する平坦化されたサセプタ材料のバンド90は、上記で
図1および5と共に記載したように、波形のサセプタ材料のバンド11へと形成され得る。
図12の最上図に示すように、プレーン部分84および拡張された部分86の周期性は、サセプタ材料のバンド11に提供された波形の周期性に対応し得る。このようにして、波形のサセプタ材料のバンド11が得られるが、波形、言い換えれば、連続的な谷部および頂部は、プレーン部分84から、および拡張された部分86から形成され、それによって、拡張された部分86には感覚媒体44が提供される。
【0188】
図12のさらなる図に示すように、二つのサセプタ材料のバンド90は、重ね合わせられてサセプタ配設100を形成し得る。
図12は、二つの波形のサセプタ材料のバンド90が重ね合わせられ得る方法の、三つの代替的な配設を示す。これらの図における矢印は、気化に伴う感覚媒体44の主要な拡散方向を示す。
【0189】
二つのサセプタ材料のバンド90は、両側上に、サセプタ配設100の頂部が波形のサセプタ材料のバンド90の拡張された部分86から形成されるように配設され得る。エアロゾル発生装置におけるこうしたサセプタ配設100の使用において、この配設は、気化した材料が、サセプタ配設100に沿って方向付けられた気流経路内に容易に入ることを可能にする。
【0190】
別の方法として、二つの波形のサセプタ材料のバンド90はまた、両側上に、サセプタ配設100の頂部が波形のサセプタ材料のバンド90のプレーン部分84から形成されるように配設されてもよい。プレーン部分84から形成される頂部は、装填された拡張された部分86を、サセプタ配設100の近くにおいてエアロゾル発生システムに提供された追加の材料との摩擦から防止し得る。
【0191】
図12の最下図では、波形のサセプタ材料のバンド90には三角形の波形が提供されている。波形のサセプタ材料のバンド90は、気化した感覚媒体の拡散方向が配向されるように配設される。
図12では、拡散方向が右側を向くようにサセプタが配設されている。この方向は、使用時のエアロゾル発生物品を通した空気流の方向に対応し得る。
【0192】
感覚媒体44はまた、後続の別個の方法工程において、平坦または波形のサセプタ材料のバンド90、11に供給されてもよい。
【0193】
図13では、
図10に示すサセプタ材料のバンド90には、サセプタ材料のバンド90が部分的に拡張および平坦化された後に、感覚媒体44が提供される。サセプタ材料のバンド90は、ゲル形態の感覚媒体44を含む感覚媒体貯蔵部50を通して案内される。サセプタ材料のバンド90は、感覚媒体ゲル44内に完全に浸漬される。
【0194】
感覚媒体貯蔵部52を通してサセプタ材料のバンド90を運ぶために、一対の案内ローラー92が、感覚媒体貯蔵部50の上流および下流に提供される。このようにして、感覚媒体貯蔵部50を通したサセプタ材料のバンド90の移動が良好に制御される。
【0195】
感覚媒体ゲル44は、サセプタ材料のバンド90のプレーン部分84よりも拡張された部分86に対して良好に付着する。したがって、この方法は、サセプタ材料のバンド90の拡張された部分86に感覚媒体44を選択的に堆積させるのに特に適している。
【0196】
図14および
図15に示すように、感覚媒体はまた、被覆ローラー110を介してサセプタ材料のバンド90に提供されてもよい。
【0197】
図14は、平坦なサセプタ材料のバンド90に感覚媒体44を提供するための方法を概略的に示す。サセプタ材料のバンド90は、ここでも
図10に関して説明したように構成されている。サセプタ材料のバンド90は、被覆ローラー110にわたって案内される。被覆ローラー110は、感覚媒体貯蔵部50と連通している。被覆ローラー110にわたってサセプタ材料のバンド90を案内することによって、サセプタ材料のバンド90に感覚媒体44が堆積される。
【0198】
図14では、被覆ローラー110は、中間ローラー112と回転接触し、次いで、ゲル形態の感覚媒体44を含む感覚媒体貯蔵部50内に浸漬される。回転する中間ローラー112は、継続的にゲル44をその表面に取り込み、このゲル44を被覆ローラー110の表面に供給する。被覆ローラー110から、ゲル44は、サセプタ材料のバンド90に提供される。
【0199】
ゲル44は、サセプタ材料のバンド90の拡張された部分86に良好に付着するため、主にこれらの部分が感覚媒体ゲル44を取り込む。サセプタ材料のバンド90に接着しないゲルは、被覆ローラー110に留まり、被覆ローラー110の次の回転時にサセプタ材料のバンド90に再び供給される。
【0200】
サセプタ材料のバンド90は、サセプタ材料のバンド90と被覆ローラー110との間に十分な接触力が維持されるように、被覆ローラー110に対してわずかに押し付けられる。
図14では、サセプタ材料のバンド90は、被覆ローラー110の下流および上流に提供される二つの張力ローラー114によって、被覆ローラー110に対して押し付けられる。張力ローラー114は、被覆ローラー110の近くのサセプタ材料のバンド90の張力が所定の値に維持されるように配設される。張力ローラー114を用いて、バンド張力ならびにサセプタ材料のバンド90と被覆ローラー110との間の接触弧が調整される。
【0201】
図15は、主に波形のサセプタ材料のバンド11を被覆するために使用され得る類似の方法を示す。波形のバンド11は、被覆ローラー110とカウンターローラー116との間に形成されたローラーギャップ117を通して案内される。このローラーギャップ117のサイズは、波形のサセプタ材料のバンド11の波形のピーク間距離13よりも幾分小さい。このようにして、カウンターローラー116は、サセプタ材料のバンド11を被覆ローラー110に対して押し付ける。これにより、十分な接触圧力が維持され、同時に、波形のサセプタ材料のバンド11と被覆ローラー110との間の接触面が拡大される。
図15では、サセプタ材料のバンド11は、波状形状を有するものとして構成されている。しかしながら、異なる形状の波形のプロファイルを有する波形のバンド11が使用されてもよい。
【0202】
被覆ローラー110は、サセプタ材料のバンドの頂部にのみ接触する。したがって、波形バンドの頂部にのみ、感覚媒体44が提供される。したがって、この方法は、
図15に示すように、プレーン部分84および拡張された部分86を含み、かつ頂部がサセプタ材料の拡張された部分86に形成される波形のサセプタ材料のバンドと共に使用されるのに特に適し得る。
【0203】
図16および17に示すように、感覚媒体44は、感覚媒体貯蔵部50の下方に、サセプタ材料のバンド11、90を案内することによって、サセプタ材料のバンド11、90に提供されてもよい。感覚媒体貯蔵部は、その底部に放出開口部52を有する。
【0204】
図16では、
図10に関連して記載されるように、プレーンサセプタ材料84および拡張されたサセプタ材料86の連続的な部分を含む、平坦なサセプタ材料のバンド90に感覚媒体が提供される。バンド90は、案内ホイール122にわたって案内されるエンドレス移動ベルト120上に搬送される。感覚媒体貯蔵部50の放出開口部52は、サセプタ材料のバンド90の上側面の真上に位置してこれと接触する。
【0205】
サセプタ材料のバンド90のプレーン部分84が放出開口部52の真下にある時、プレーン部分84は、放出開口部52を効果的に封止し、サセプタ材料のバンド90への感覚媒体44の流出を防止する。
【0206】
サセプタ材料のバンド90の拡張された部分86が放出開口部92の真下にある時、これらの拡張された部分86上に感覚媒体44が送達される。このようにして、限定された量の感覚媒体44のみがサセプタ材料のバンド90に選択的に送達される。感覚媒体44は、感覚媒体を装填した後に一般的な厚さが増大しないように、拡張された部分86の開口領域に位置する。このようにして、材料のさらなる取り扱いが容易になる。
【0207】
図17では、
図16におけるのと同様の注入装置が、波形のサセプタ材料のバンド11に感覚媒体44を送達するために使用される。この構成では、感覚媒体貯蔵部50の底部にある放出開口部52は、必ずしもサセプタ材料のバンド11と接触していない。
【0208】
この注入装置は、特に、谷部94がサセプタ材料のプレーン部分84から形成される、波形のサセプタ材料のバンド11への感覚媒体44の堆積に有用である。谷部94は、有意な量の感覚媒体44を保持し得る。
【0209】
図17では、サセプタ材料のバンド11の頂部96は、拡張された部分86から形成される。これらの頂部96は、谷部94に送達される感覚媒体44の量を制限するためのスピルオーバーとして作用する。したがって、谷部94の充填レベルが、多孔性の拡張された材料部分86から形成された頂部96に達すると、過剰な量の感覚媒体44が、多孔性の拡張された材料86を通して流出する。
【0210】
波形のバンド11に送達される感覚媒体44の量を制限するために、感覚媒体貯蔵部50の開放開口部52には電子制御弁(図示せず)が提供される。弁の開口部は、感覚媒体44が装填されるサセプタ材料のバンド11の周期性に応じて制御される。このようにして、谷部94が放出開口部52の下方に位置する時に感覚媒体44が正確に送達される。
【0211】
図17に示す方法によって感覚媒体44を提供されたサセプタ材料のバンド11を挟んで、サセプタ配設100を得てもよい。この目的のために適切な組み立てプロセスを
図18に示す。
【0212】
第一の工程では、頂部96がサセプタ材料の拡張された部分86から形成され、谷部94がサセプタ材料のプレーン部分84から形成されて感覚媒体44で充填される、二つの同一の波形のバンド11が調製される。
【0213】
バンド11のうちの一方を上下逆にし、片側へと、ピッチの半分、移動させる。次いで、一方のバンド11の拡張された部分86がそれぞれの他方のバンド11の谷部94内に延びるように、バンド11を互いに重ね合わせる。
図18の最下図に見られるように、一方のバンド11の拡張された部分86は、他方のバンド11の谷部94に提供される感覚媒体44を覆う。同時に、多孔性の拡張された部分86は、気化した感覚媒体44の通過を可能にする。感覚媒体44は、二つの波形のサセプタ材料のバンド11を一緒に付着させるのに役立つ。
図18に示すプロセスを用いて、非常に頑丈なサセプタ配設100が得られる。
【0214】
感覚媒体44は、固体状態の感覚媒体44を利用する注入装置130を介して、波形のサセプタ材料のバンド11に提供されてもよい。対応する方法を
図19に概略的に示す。固体状態の感覚媒体44は、矢印134によって示されるように、パンチャー132に向かって前進する。パンチャー132は、一定量の感覚媒体44を切断し、この量の感覚媒体44を波形のサセプタ材料のバンド11の谷部94に送達するために構成される、移動可能な要素である。前進機構は、
図19にはさらに示されていないが、当業者に公知の任意の適切な前進機構が使用されてもよい。
【0215】
波形のサセプタ材料のバンド11は、注入装置130を通過して段階的に搬送される。波形のサセプタ材料のバンド11の段階的な移動は、ステッパーモーター144によって駆動される、歯付きのエンドレスベルト142を備えるコンベヤ装置140を介して確立される。歯付きベルト142の歯146には、波形のサセプタ材料のバンド11の周期性に対応する周期性が提供されている。このようにして、歯付きベルト142の各歯146は、歯付きベルト142が波形のサセプタ材料のバンド11を搬送するように、波形のサセプタ材料のバンド11の谷部94と係合する。
【0216】
ステッパーモーター144および歯付きベルト142のそれぞれの段階は、波形のバンド11の谷部94の各々が、注入装置130の下に連続的に定置されるように、それぞれ波形のサセプタ材料のバンド11のピッチ幅148に対応する。各工程の後、パンチャー132が起動され、所定の量の感覚媒体44を切断し、この所定の量を波形のサセプタ材料のバンド11の谷部94に送達する。
【0217】
方法はさらに、波形のサセプタ材料のバンド11の谷部94に送達される感覚媒体44の量を一時的に液化させる工程を含む。この目的のために、谷部94内の切断された感覚媒体44に対して方向付けられたホットエアガン136が提供される。高温の空気は、感覚媒体44の粘度を減少させる。加熱された感覚媒体44は流動的になり、サセプタ材料のバンド11の谷部94の壁に接着する。
【0218】
図20および21は、液体の感覚媒体44を波形のサセプタ材料のバンド11に提供するための方法に関する。液体の感覚媒体44は、それを通して波形のサセプタ材料のバンド11が案内される、感覚媒体貯蔵部50に提供されている。感覚媒体貯蔵部50は、非装填された波形のサセプタ材料のバンド11を感覚媒体貯蔵部50に導入するための入口開口部(図示せず)を有する。感覚媒体貯蔵部50はさらに、装填された波形のサセプタ材料のバンド11が、感覚媒体貯蔵部50から出ることを可能にする出口開口部53をさらに有する。
【0219】
出口開口部53は、波形のサセプタ材料のバンド11のピーク間距離13に対応する、その間の距離を画定する二つの予め付勢されたリップ150から形成される。
【0220】
波形のバンド11は、感覚媒体貯蔵部50の内部体積を通して案内され、出口開口部53を通して感覚媒体貯蔵部50から出るように案内される。
【0221】
出口開口部53を画定する二つのリップ150は、弾性材料から形成され、リップ150の各々が波形のサセプタ材料のバンド11に対してわずかに押し付けられるように、予め付勢される。予めの付勢は、リップ150の各々と、感覚媒体貯蔵部50の対応する側面154との間に提供されるばね機構152によって得られる。
【0222】
リップ150の弾性材料およびばね機構152によって、リップ150は、波形のサセプタ材料のバンド11に対して各側からしっかりと押し付けられる。このようにして、波形のバンド11の後続の頂部間の高さの差異が補償される。
【0223】
リップ150が各側から波形のバンド11に対して押し付けられるため、リップ150は、感覚媒体貯蔵部50からの過剰な感覚媒体44の流出の大部分が回避されるように、出口開口部53を効果的に閉じる。確実な封止を得るために、リップ150は、リップ150の各々が絶えず波形のサセプタ材料のバンド11のそれぞれの側の少なくとも二つの頂部に接触するように、長さ156を有するように構成されている。
【0224】
リップの幅158は、波形のバンド11の幅に対応する。感覚媒体貯蔵部50の出口開口部53には、波形のバンド11の側方面に出口開口部53を封止するための適切な封止要素(図示せず)が提供されている。
【0225】
液体の感覚媒体貯蔵部50の内部および出口開口部53を通して波形のサセプタ材料のバンド11を案内するのに伴い、液体の感覚媒体44が波形のサセプタ材料のバンド11の各谷部94内に受容される。感覚媒体44は、各谷部94内に受容された感覚媒体44が、波形のバンド11が出口開口部53を通して感覚媒体貯蔵部50を離れた後に、波形のバンド11の谷部94の壁に本質的に接着するような組成物を有するように構成されている。